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特開2022-91773患者の呼吸回路の吸気肢部における呼吸ガス内に治療ガスを供給するシステムの作動方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022091773
(43)【公開日】2022-06-21
(54)【発明の名称】患者の呼吸回路の吸気肢部における呼吸ガス内に治療ガスを供給するシステムの作動方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/00 20060101AFI20220614BHJP
【FI】
A61M16/00 345
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022033715
(22)【出願日】2022-03-04
(62)【分割の表示】P 2020001309の分割
【原出願日】2015-05-01
(31)【優先権主張番号】61/987,852
(32)【優先日】2014-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】14/700,594
(32)【優先日】2015-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516160429
【氏名又は名称】マリンクロット ホスピタル プロダクツ アイピー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(72)【発明者】
【氏名】ジャロン エム アッカー
(72)【発明者】
【氏名】クレーグ アール トルミー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】治療ガスを、それを必要とする患者へ供給するシステム及び方法を提供する。
【解決手段】患者108は、高周波人工呼吸器117から少なくとも促進治療ガス(例えば、一酸化窒素、NO、など)流量測定器を使用して呼吸ガスを受け取る。これらの促進治療ガス流量測定器の少なくともいくつかは、いくつかの驚くべき現象に対処するのに使用することができ、これらの現象は時に、高周波人工呼吸器をつけた呼吸回路から患者が受け取る呼吸ガス内に治療ガスを乱れた流れで混合する時に発生する。これらの促進治療ガス流量測定器の少なくともいくつかを使用する時、患者が受け取る呼吸ガス内へ乱れた流れで混合した治療ガスの投与はより正確となり、及び/又は、呼吸ガス内への治療ガスの供給不足を回避及び/又は減少することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波人工呼吸器、又は吸気圧力若しくは流量において逆向き及び/又は振動を提供す
る人工呼吸器の技術を付けた患者の呼吸回路の吸気肢部における呼吸ガス内に治療ガスを
供給する一酸化窒素供給システムであって、該一酸化窒素供給システムは、
治療ガスの流れを提供する少なくとも1つの制御弁と、
注入モジュールであって:
第1開口部及び第2開口部を有する注入器本体であって、第1開口部及び第2開口部
は、患者の呼吸ガスを第1開口部及び第2開口部を通して呼吸回路内に流すことができる
ように、かつ前記呼吸回路の吸気肢部に注入モジュールを接続するように構成された、該
注入器本体と、
注入器本体における治療ガス注入口であって、治療ガスの流れを受け取るように構成
し、治療ガスを注入モジュール内に、次に、呼吸回路の吸気肢部における患者の呼吸ガス
内に注入できるように構成した該治療ガス注入口と
を有する該注入モジュールと、
治療ガス注入口に流体連結した少なくとも1つのNO流量センサーと、
NO流量センサーと通信を行いNO流量センサーから流量情報を受け取る制御システム
であって、
(i)高周波人工呼吸器の使用を検出し、
(ii)高周波人工呼吸器によって生成した流量情報をノイズとして処理し、この
ノイズをフィルタリングし、及び/又は、ノイズを減らす技術を使用することによって、
誤ったNO流量現象を補正し、
(iii)流量情報が不足していると識別し、不足した識別情報を付け加え、
(iv)流量情報を逆向き流量として識別し、流量情報の値を逆向きにする、
該制御システムと
を備える一酸化窒素供給システム。
【請求項2】
請求項1に記載の一酸化窒素供給システムで、制御システムは、ユーザー入力情報を分
析し、ノイズ検出アルゴリズム及び/又は信号回復アルゴリズムを使用して、誤ったNO
流量現象を検出する、一酸化窒素供給システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の一酸化窒素供給システムで、制御システムは流量情報を使用し
て、所定の投与量のNOを注入モジュール内に、次に、呼吸回路の吸気肢部における患者
の呼吸ガス内に確実に供給するようにする、一酸化窒素供給システム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の一酸化窒素供給システムで、制御システムは流量
情報を使用して、所定の投与量のNOが不足供給及び/又は不足投与とならないようにす
る、一酸化窒素供給システム。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の一酸化窒素供給システムで、さらに逆止弁を有し
、逆止弁は、(i)注入モジュール内の治療ガス注入口と流体連結する、及び(ii)注
入モジュールに統合する、の1つ又はそれ以上を有する、一酸化窒素供給システム。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の一酸化窒素供給システムで、少なくとも1つの双
方向流量センサーは熱質量流量計(熱分散流量計)である、一酸化窒素供給システム。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の一酸化窒素供給システムで、吸気肢部はまた呼吸
回路における呼気肢部である、一酸化窒素供給システム。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の一酸化窒素供給システムで、治療ガスは、(i)
一酸化窒素及び(ii)一酸化窒素放出剤、の1つ又はそれ以上を有する、一酸化窒素供
給システム。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の一酸化窒素供給システムで、制御弁はNO流量セ
ンサーの上流にある、一酸化窒素供給システム。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の一酸化窒素供給システムで、治療ガス注入口は、
導管を介して治療ガスの流れを受け取り、導管は、(i)約1/32インチから約1/4
インチの断面の内径を有する、(ii)一酸化窒素供給システム内の内部部分及び一酸化
窒素供給システムの外側の外部部分を有し、導管の内部部分は、導管の外部部分の断面の
直径とほぼ同じ断面の直径を有する、の1つ又はそれ以上を満たす、一酸化窒素供給シス
テム。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の一酸化窒素供給システムで、さらに治療ガス注
入口と流体連結し制御システムと通信する少なくとも1つの第2NO流量センサーを有し
、制御システムはNO流量センサーからの流量情報を受け取り、NO流量センサーからの流
量情報が一致しない時に漏出を検出する、一酸化窒素供給システム。
【請求項12】
請求項11に記載の一酸化窒素供給システムで、治療ガスの流量は漏出が検出されると
増える、一酸化窒素供給システム。
【請求項13】
高周波人工呼吸器又は吸気圧力若しくは流量において逆向き及び/又は振動を提供する
人工呼吸器の技術を付けた患者の呼吸回路の吸気肢部における呼吸ガス内に治療ガスを供
給する一酸化窒素供給システムあって、該一酸化窒素供給システムは、
治療ガスの流れを提供する少なくとも1つの制御弁と、
注入モジュールであって:
第1開口部及び第2開口部を有する注入器本体であって、第1開口部及び第2開口部
は、患者の呼吸ガスを第1開口部及び第2開口部を通して呼吸回路内に流すことができる
ように、かつ前記呼吸回路の吸気肢部に注入モジュールを接続するように構成された、該
注入器本体と、
注入器本体における治療ガス注入口であって、治療ガスの流れを受け取るように構成
し、治療ガスを注入モジュール内に、次に、呼吸回路の吸気肢部における患者の呼吸ガス
内に注入できるように構成した治療ガス注入口と
を有する該注入モジュールと、
治療ガス注入口に流体連結した少なくとも1つの双方向NO流量センサーであって、治
療ガス注入口を通る前向き方向及び逆向き方向の流量を測定することができる、該双方向
NO流量センサーと、
双方向NO流量センサーと通信を行う制御システムであって、双方向NO流量センサー
から少なくとも前向き流量情報及び逆向き流量情報を有する双方向流量情報を受け取る、
該制御システムと
を備える一酸化窒素供給システム。
【請求項14】
請求項13に記載の一酸化窒素供給システムで、制御システムは、ユーザー入力、検出
アルゴリズム、及び/又は信号回復を分析することによって誤ったNO流量現象を検出す
る、一酸化窒素供給システム。
【請求項15】
請求項13又は14に記載の一酸化窒素供給システムで、制御システムは双方向流量情
報を使用して、高周波人工呼吸器によって生成した流量情報をノイズとして処理し、この
ノイズをフィルタリングし、及び/又はノイズを減らす技術を使用することによって誤っ
たNO流量現象を補正する、一酸化窒素供給システム。
【請求項16】
請求項13~15のいずれか一項に記載の一酸化窒素供給システムで、制御システムは
双方向流量情報を使用して、所定の投与量のNOを注入モジュール内に、次に、呼吸回路
の吸気肢部における患者の呼吸ガス内に確実に供給するようにする、一酸化窒素供給シス
テム。
【請求項17】
請求項13~16のいずれか一項に記載の一酸化窒素供給システムで、制御システムは
双方向流量情報を使用して、所定の投与量のNOが不足供給及び/又は不足投与とならな
いようにする、一酸化窒素供給システム。
【請求項18】
請求項13~17のいずれか一項に記載の一酸化窒素供給システムで、さらに逆止弁を
有し、該逆止弁は、(i)注入モジュールの治療ガス注入口と流体連結する、及び(ii
)注入モジュールに統合する、の1つ又はそれ以上を満たす、一酸化窒素供給システム。
【請求項19】
請求項13~18のいずれか一項に記載の一酸化窒素供給システムで、少なくとも1つ
の双方向流量センサーは熱質量流量計(熱分散流量計)である、一酸化窒素供給システム
【請求項20】
請求項13~19のいずれか一項に記載の一酸化窒素供給システムで、吸気肢部はまた
呼吸回路における呼気肢部である、一酸化窒素供給システム。
【請求項21】
請求項13~20のいずれか一項に記載の一酸化窒素供給システムで、治療ガスは(i
)一酸化窒素及び(ii)一酸化窒素放出剤、の1つ又はそれ以上を有する、一酸化窒素
供給システム。
【請求項22】
請求項13~21のいずれか一項に記載の一酸化窒素供給システムで、制御弁はNO流
量センサーの上流にある、一酸化窒素供給システム。
【請求項23】
請求項13~22のいずれか一項に記載の一酸化窒素供給システムで、治療ガス注入口
は、導管を介して治療ガスの流れを受け取り、導管は、(i)約1/32インチから約1
/4インチの断面の内径を有する、(ii)一酸化窒素供給システム内の内部部分及び一
酸化窒素供給システムの外側の外部部分を有し、導管の内部部分は、導管の外部部分の断
面の直径とほぼ同じ断面の直径を有する、の1つ又はそれ以上を満たす、一酸化窒素供給
システム。
【請求項24】
請求項13~23のいずれか一項に記載の一酸化窒素供給システムで、さらに治療ガス
注入口と流体連結し制御システムと通信する少なくとも1つの第2NO流量センサーを有
し、制御システムはNO流量センサーから流量情報を受け取り、NO流量センサーからの流
量情報が一致しない時に漏出を検出する、一酸化窒素供給システム。
【請求項25】
請求項24に記載の一酸化窒素供給システムで、治療ガスの流量は漏出が検出されると
増える、一酸化窒素供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、治療ガスが必要で、少なくとも圧力及び/又は流量を変化させる人
工呼吸器から呼吸ガスを受け取る患者へ、促進治療ガス(NO)流量測定器を使用して、
治療ガスを供給するシステム及び方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
治療ガスをそれが必要な患者に供給して、医学的な利点を提供することができる。この
治療ガスの一つは一酸化窒素(NO)ガスであり、空気感染した時に肺における血管を拡
張するように機能し、血液の酸素供給を改善し肺高血圧を低下させる。少なくともこのた
め、一酸化窒素は呼吸ガスにおける治療ガスとして肺高血圧患者に提供できる。
【0003】
さらに、多くの患者は、呼吸ガス(例えば、吸気呼吸ガス)を人工呼吸器から受け取り
、人工呼吸器は、少なくとも圧力及び/又は流量を変化させることができる(例えば、高
周波人工呼吸器など)。従来の人工呼吸器ではなく、高周波人工呼吸器は、一定の膨張し
た圧力(気道内圧〔MAP〕を意味する)を使用し、圧力はMAPの周りで非常に高速で
(例えば、最大毎分900回転など)振動して変化する。言い換えれば、高周波人工呼吸
器は、患者の呼吸回路内で一定の圧力を維持し、この圧力は非常に高速で振動する。有益
には、これは患者の肺における血管を横切るガス交換を促進することができる。
【0004】
高周波人工呼吸器は有益であるが、高周波人工呼吸器から呼吸ガスを受け取る患者は、
治療ガスから更なる利益を受け取る。これらの更なる利益を利用して、治療ガスは、高周
波人工呼吸器を付けた呼吸回路から患者が受け取る呼吸ガス内へ供給する必要がある。し
かし、高周波人工呼吸器から患者へ供給される患者の呼吸ガス内へ治療ガスを供給するこ
とは、困難であり、及び/又は、予期しない問題が存在する。これらの困難及び/又は予
期しない問題は、治療ガスの供給及び/又は投与の正確性に影響を与えるだろう。
【0005】
従って、少なくとも圧力及び/又は流量を変化させることができる人工呼吸器(例えば
、高周波人工呼吸器など)から呼吸ガスを受け取る患者へ治療ガスを供給する時に発生し
得る困難及び/又は予期しない問題を克服して、治療ガスの供給及び/投与の正確性を上
げる必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5558083号明細書
【特許文献2】米国特許第14/672447号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の態様は、NOを含む治療ガスを呼吸回路の吸気肢部内に供給する一酸化窒素供
給システムに関連し、呼吸回路は高周波人工呼吸器を付けることができる。この一酸化窒
素供給システムは、治療ガスの流量を受け取り、治療ガスを供給回路内に注入する、注入
モジュールを有することができる。注入モジュールは、前向きNO流量を測定することが
できる単方向NO流量センサー(例えば、注入モジュール内に行く、一酸化窒素供給シス
テムから注入モジュールへ行く、など)及び/又は、前向きNO流量及び逆向きNO流量
を測定することができる双方向NO流量センサーを有することができる、及び/又は、通
信することができる。上述の流量センサー及び/又は流量センサーから一酸化窒素供給シ
ステムへ通信した情報を用いて、一酸化窒素供給システムは、NOを注入モジュールへよ
り正確に供給することができ、及び/又は、治療ガスの呼吸ガス内への供給不足を避ける
及び/又は減少することができる。
【0008】
例示的な実施形態において、NO流量センサーは、少なくとも、出願者によって見つか
った驚くべき誤った流量現象に対して対処するのに使用することができる。
【0009】
例示的な実施形態において、流量情報は、双方向流量センサーから得ることができる。
この双方向流量センサーからの情報は、少なくとも圧力及び/流量を変化させることがで
きる人工呼吸器(例えば、高周波人工呼吸器)の使用を検出するのに使用できる、及び/
又は、少なくとも人工呼吸器によって生成した流量情報における歪曲を補正することがで
きる。
【0010】
例示的な実施形態において、流量情報は、一方向流量センサーから得ることができる。
この一方向流量センサーからの情報は、少なくとも圧力及び/流量を変化させることがで
きる人工呼吸器(例えば、高周波人工呼吸器)の使用を検出するのに使用できる、及び/
又は、少なくとも人工呼吸器によって生成した流量情報における歪曲を補正することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の特性及び利点は、添付の図面と一緒に以下で詳細な説明を参照にしてより全体
的に理解することができるであろう。
図1】本発明の例示的な実施形態に従った、例示的な一酸化窒素供給システムを示す。
図2】本発明の例示的な実施形態に従った、逆止弁を有する例示的な一酸化窒素供給システムを示す。
図3】本発明の例示的な実施形態に従った、自由呼吸弁を有する例示的な人工呼吸器を使用した例示的な一酸化窒素供給システムを示す。
図4A】本発明の例示的な実施形態に従った、双方向NO流量センサーを有する例示的な注入モジュールを示す。
図4B】本発明の例示的な実施形態に従った、双方向NO流量センサーを有する例示的な注入モジュールを示す。
図5A】本発明の例示的な実施形態に従った、流量センサーからの情報について例示的なグラフ表示を示す。
図5B】本発明の例示的な実施形態に従った、流量センサーからの情報について例示的なグラフ表示を示す。
図5C】本発明の例示的な実施形態に従った、流量センサーからの情報について例示的なグラフ表示を示す。
図6A】本発明の例示的な実施形態に従った、マイナス流量の情報を含む流量センサーからの情報の例示的なグラフ表示及び/又はマイナス流量を示す。
図6B】本発明の例示的な実施形態に従った、マイナス流量の情報を含む流量センサーからの情報の例示的なグラフ表示及び/又はマイナス流量を示す。
図6C】本発明の例示的な実施形態に従った、マイナス流量の情報を含む流量センサーからの情報の例示的なグラフ表示及び/又はマイナス流量を示す。
【発明の詳細な説明】
【0012】
本発明は、概して、治療ガスが必要で、人工呼吸器から呼吸ガスを受け取る患者へ治療
ガスを供給するシステム及び方法に関連し、人工呼吸器は少なくとも圧力及び/又は流量
を変化させることができ(例えば、高周波人工呼吸器)、数ある中でも、促進治療ガス(
例えば、一酸化窒素、NOなど)流量測定器を使用する。これらの促進治療ガス流量測定
器の少なくともいくつかは、いくつかの驚くべき現象に対処するのに使用することができ
、それら現象は、時に、少なくとも圧力及び/流量を変化させることができる人工呼吸器
(例えば、高周波人工呼吸器)をつけた呼吸回路から患者が受け取る呼吸ガス内へ乱れた
流れで治療ガスを混合する時に発生する。これらの促進治療ガス流量測定器の少なくとも
いくつか及び/又は本発明を利用すると、人工呼吸器から患者が受け取る呼吸ガス内に乱
れた流れで混合した治療ガスの投与量はより正確となる、及び/又は、呼吸ガス内への治
療ガスの供給不足を避ける及び/又は減少させることができる。
【0013】
ここで使用する「比例した乱れた流れで混合した」、「乱れた流れの混合」、「比例計
量混合」及び同様のものは、流れの混合に関連し、主流が乱れた流れに関連する調整でき
ない(制御できない)流れであり、乱れた流れの中に導入する構成要素を主流の一部とし
て制御し、主流の流量計の上流(又は代替的には下流)と一般的に混合する。様々な実施
形態において、吸気流量は「乱れた流れ」であり、それは、流量を特に制御又は調整しな
いためであり、また、一酸化窒素は、供給ラインを通して、吸気流量の一部として供給す
る混合要素である。
【0014】
ここで使用する「偽NO流量」及び同様のものは、流量センサーによって誤って測定し
た流量現象を示す。この偽NO流量の実施例には、限定することはないが、NOが正確に
流れない時の流量センサーによるNO流量の測定、及び、実際のNO流量と大きく異なる
値であるNO流量の測定がある。
【0015】
本発明のシステム及び方法は、治療ガスを供給システムから注入モジュールへ供給する
ことができ、次に、呼吸回路(限定することはないが、高周波人工呼吸器、及び/又は何
の他の適用可能な人工呼吸器及び/又は人工呼吸技術を付けている)と流体連結し、呼吸
回路から患者が呼吸ガスを受け取る。本発明のシステム及び方法には、少なくとも1つの
治療ガス流量センサーがあり、それは、治療ガスが供給システムから注入モジュールへ流
れ、次に呼吸回路内及び患者へ流れる流量を測定する。有利には、治療ガス流量センサー
は、1方向以上の流量を測定でき(例えば、双方向治療ガス流量センサー)及び/又は、
いくつかの驚くべき現象に対処し、それらの現象は、時に、少なくとも圧力及び/又は流
量を変化させることができる人工呼吸器(例えば、高周波人工呼吸器)を付けた呼吸回路
における呼吸ガス内に治療ガスを乱れた流れで混合する時に発生する。
【0016】
さらに、本発明のシステム及び方法は、技術(例えば、アルゴリズム、ユーザー入力、
など)を使用して、少なくとも圧力及び/又は流量を変化させることができる人工呼吸器
(例えば、高周波人工呼吸器など)を使用して、少なくともいくつかの驚くべき現象を補
正するかどうかを画定することができ、驚くべき現象は、時に、人工呼吸器を付けた呼吸
回路における呼吸ガス内に治療ガスを乱れた流れで混合する時に発生する。これらの技術
は、時に、少なくとも治療ガス流量センサーからの情報を使用することができ、治療ガス
流量センサーは、1方向における流量を測定できる(例えば、単方向流量センサー)及び
/又は1方向以上の方向における流量を測定できる(例えば、双方向流量センサー)。
【0017】
さらに、本発明のシステム及び方法は、技術(例えば、アルゴリズム、ユーザー入力な
ど)をより有効な作動弁に使用することができる、及び/又は、限定することはないが、
数例を挙げると、静摩擦、動摩擦、及び/又はバルブ部分相互作用等のバルブ作動に影響
を与えることができる力を補正することができる。少なくともいくつかの実施例において
、これは、NO供給及びモニタリングの正確性を高める結果となり、治療ガスの呼吸ガス
内への供給不足を避ける及び/又は減少することができる。
【0018】
図1を参照すると、注入モジュールを介して、高周波人工呼吸器から呼吸ガスを受け取
る患者へ治療の一酸化窒素ガスを供給する例示的な一酸化窒素供給システム100を例示
的に示す。本発明のいずれの技術も、呼吸器具(例えば、人工呼吸器、高周波人工呼吸器
、呼吸マスク、鼻カニューラなど)から呼吸ガスを受け取る患者へ治療ガスを供給するい
ずれの適用可能なシステムにおいて使用できる。例えば、本発明のシステム及び方法は、
供給システム及び/又は他の技術である先行特許文献1(米国特許第5558083号明
細書の「一酸化窒素供給システム」)を使用、修正、及び/又は加えることができ、先行
特許文献1の内容は、全体を参照して組み込むことができる。
【0019】
本発明のシステム及び方法は、時に、高周波人工呼吸器と一緒の使用を示すが、本発明
のシステム及び方法は、いずれかの適用可能な呼吸器具と一緒に使用することができ、い
ずれかの適用可能な呼吸器具は、高周波人工呼吸器、困難及び/又は問題と直面するいず
れかの適用可能な呼吸器具、及び/又は、逆向きの吸気圧力及び/又は圧力を提供するこ
とができる、人工呼吸器及び/又は人工呼吸技術(例えば、二相性陽圧呼吸マスク、圧力
及び/又は流量を変化させるいずれかの人工呼吸技術、など)をつけたいずれかの適用可
能な呼吸器具を付けることができる。従って、高周波人工呼吸器と呼ぶことは、単に簡単
のためであり、限定することはない。さらに、時に、吸気圧力及び/又は流量は逆向きで
はなく、さらに、正のままとすることができる圧力及び/又は流量(例えば、高周波正弦
波圧力及び/又は流量)を変化させる。簡単のため、逆向きの吸気圧力及び/又は流量の
作成と呼ぶことは、時に、正のままとすることができる圧力及び/又は流量(例えば、高
周波正弦波圧力及び/又は流量)を変化させる状況を引き起こす。従って、逆向きの吸気
圧力及び/又は流量と呼ぶことは、簡単のためであり、限定することはない。
【0020】
本発明のシステム及び方法は、いずれかの適用可能な治療ガスと一緒に使用することが
できる。治療ガス、治療ガス流量測定、治療ガス供給システム、及び同様のものは、空気
感染した一酸化窒素ガス治療に使用する一酸化窒素ガス(NO)を意味して説明する。他
の治療ガスも使用することができることを理解されたい。従って、一酸化窒素、NO、及
び同様のものと呼ぶことは、簡単のためであり、限定することはない。
【0021】
本発明のシステム及び方法は、呼吸回路及び/又はいずれかの場所における患者の呼吸
ガス内に治療ガスを乱れた流れで混合するのに使用することができる。実施例によって、
治療ガスは、呼吸回路の前にある場所で患者の呼吸ガス内に乱れた流れで混合することが
できる。他の実施例によって、少なくともいくつかの例において、患者の呼吸回路には、
吸気及び呼気の両方に対して1つのみの肢部を含むことができる。例えば、BiPAP人
工呼吸器は、吸気肢部及び呼気肢部を結合する1つのみの肢部を有することができる。こ
の実施例に従って、治療ガスは、吸気肢部及び呼気肢部の両方として機能することができ
る肢部における患者の呼吸ガス内に乱れた流れで混合することができる。簡単のため、患
者の呼吸回路は、時に、分かれた吸気肢部及び呼気肢部を有するように示す。これは簡単
のためであり、限定することはない。
【0022】
例示的な実施形態において、一酸化窒素供給システム100等の一酸化窒素供給システ
ムは、(高周波人工呼吸器を付けた)呼吸回路における患者の呼吸ガス内に治療ガス(例
えば、一酸化窒素、NOなど)を、患者の呼吸ガスの一部として(例えば、ppmなど)
、及び/又は、パルスとして(例えば、ml/呼吸、mg/kg/時など)、乱れた流れ
で混合するのに使用することができる。NO又はパルスNO(例えば、パルスとして乱れ
た流れで混合する、など)を患者の呼吸ガス内に少なくとも乱れた流れで混合するために
、一酸化窒素供給システム100は、一酸化窒素源103(例えば、円柱保管したNO、
NO生成器、など)から例えば、導管105を介して一酸化窒素を有する及び/又は受け
取ることができる。NO含有ガスの円柱の代わりに、NOはベッド脇で生成することがで
き、適切な化学反応、例えば、二酸化窒素等のNO放出剤をアスコルビン酸等の還元剤と
の反応等によって生成できる。さらに、導管105は、例えば、治療ガス注入口110を
介して、注入モジュール107とも流体連結することができ、注入モジュール107もま
た、高周波人工呼吸器117を付けた呼吸回路の吸気肢部と流体連結することができる。
【0023】
図示するように、高周波人工呼吸器117は、呼吸ガスを(例えば前向き流量133)
患者へ患者の呼吸回路の吸気肢部121を介して供給する吸気排出口と、患者の呼気を患
者の呼吸回路の呼気支部を介して受け取る呼気注入口とを有することができる。注入モジ
ュール107を呼吸回路との吸気支部121と接続すると、一酸化窒素は、一酸化窒素供
給システム100から(例えばNO前向き流量137)注入モジュール107へ、導管1
05及び/又は治療ガス注入口110を介して供給することができる。この一酸化窒素は
その後、注入モジュールを介して、患者108に呼吸ガスを供給するのに使用する高周波
人工呼吸器117を付けた患者の呼吸回路の吸気支部121内に供給することができる。
【0024】
一酸化窒素の導管105を通して注入モジュール107へ、次に呼吸ガスを患者の呼吸
回路から受け取る患者108への流量を調節するため、一酸化窒素供給システム100は
、1つ又はそれ以上の制御弁109(例えば、比例弁、双方向弁など)を有することがで
きる。例えば、制御弁109が開いていると、一酸化窒素は前向き方向において(例えば
NO前向き流量137)導管105を通して注入モジュール107、次に患者108へ流
れることによって患者108へ供給することができる。他の実施例に関して、制御弁10
9が閉じていると、一酸化窒素は、前向き方向において流れないため患者108まで供給
されない。
【0025】
少なくともいくつかの実施例において、一酸化窒素供給システム100は、1つ又はそ
れ以上のNO流量センサー115を有することができ、NO流量センサーは、制御弁10
9及び/又は導管105を通る治療ガスの流量を(例えばNO前向き流量137)測定す
ることができ、次に、治療ガス流入口110を通り注入モジュール107、次に患者10
8まで流れる治療ガスの流量を測定することができる。さらに、少なくともいくつかの実
施例において、注入モジュール107は、1つ又はそれ以上の呼吸回路ガス(BCG)流
量センサー119を有することができ、呼吸回路ガス(BCG)流量センサー119は、
注入モジュール107を通り、次に患者108へ流れる患者の呼吸ガス(例えば前向き流
量133)の流量を少なくとも測定できる。注入モジュール107内に示したが、BCG
流量センサー119は、呼気肢部121内のいずれの場所、注入モジュール107の上流
等に設置することができる。また、BCG流量センサー119からの流量情報を受け取る
代わりに、一酸化窒素供給システム100は、高周波人工呼吸器117からの呼吸ガスの
流れを示す、高周波人工呼吸器117から直接流量情報を受け取ることができる。
【0026】
例示的な実施形態において、本発明のシステム及び方法は、治療ガス呼吸システム及び
方法と共に使用、修正、及び/又はつけることができ、治療ガス呼吸システム及び方法は
、双方向呼吸回路ガス(BCG)流量センサーを有する。実施例によって、ここで示す1
つ又はそれ以上の呼吸回路ガス(BCG)流量センサー119は、双方向であり、及び/
又は、本発明のシステム及び方法は、さらに、1つ又はそれ以上の双方向呼吸回路ガス(
BCG)流量センサーを有することができる。例えば、本発明のシステム及び方法は、供
給システム及び/又は他の教えと共に使用、修正、及び/又は付けることができ、他の教
えは、先行特許文献2(2015年3月30日出願の米国特許第14/672447号明
細書、「促進呼吸回路ガス(BCG)流量測定を使用した患者へ治療ガスを供給するシス
テム及び方法」)であり、その内容は全体を参照してここに組み込む。
【0027】
例示的な実施形態において、一酸化窒素ガス流量は、呼吸ガス流量に対して比例し(
供給電圧に比例している、とも知られている)、混合した呼吸ガス及び治療ガスにおける
所定の濃度のNOを提供する。例えば、一酸化窒素ガス供給システム100は、所定の濃
度のNOが混合した呼吸ガス及び治療ガスにおいてNO源103の既知のNO濃度を使用
することによって保証することができ;BCG流量センサー119を使用して患者の回路
における呼吸ガスの量;及び、NO流量センサー115からの情報を使用して導管105
における注入モジュール107への治療ガス流量の量である。
【0028】
少なくとも治療ガスを患者へ供給するため、及び/又は、ここで開示するいくつかの教
えを少なくとも実施するため、一酸化窒素供給システム100は、制御システムを有する
ことができ、制御システムは、1つ又はそれ以上のCPU111を有することができる。
CPU111は、メモリ(図示せず)に接続することができ、また、1つまたはそれ以上
の簡単に利用可能なメモリであり、例えば、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リ
ード・オンリー・メモリ(ROM)、フラッシュ・メモリ、コンパクトディスク、フロッ
ピーディスク、ハードディスク、又はローカル若しくはリモート・デジタル・ステレージ
等がある。支持回路(図示せず)はCPU111に接続し、CPU111、センサー、バ
ルブ、サンプリング・システム、ユーザー入力/表示、注入モジュール、呼吸機器などを
従来の方法で支持することができる。これらの回路には、キャッシュメモリ、パワーサプ
ライ、クロック回路、入力/出力電気回路、サブシステム、電力制御装置、シグナルコン
ディショナ、並びに同様のものがある。CPU111は、センサー、バルブ、サンプリン
グ・システム、供給システム、ユーザー入力/表示、注入モジュール、呼吸機器などと通
信することができる。例示的な実施形態において、メモリは、CPU111によって実行
する時、一連の機械実行可能な指示(又はアルゴリズム)を記憶することができ、供給シ
ステムが方法を実行することができる。例えば、供給システムは、方法を実行することが
でき;患者の呼吸回路の吸気肢部における流量を測定するステップと;吸気流量の間に一
酸化窒素を含む治療ガスを患者へ供給するステップと;吸気流量又は吸気流量における変
化をモニタリングするステップと、連続した吸気流量において供給された治療ガスの量(
例えば、体積又は質量)を変化させるステップを有する。この機械実行の指示はまた、こ
こで示す他の方法のいずれかに関する指示も有することができる。
【0029】
さらに、治療ガスの投与を少なくとも正確にするため、一酸化窒素供給システム100
は、ユーザー入力/表示113を有することができ、ユーザー入力/表示113は、ディ
スプレイ及びキーボード及び/又はボタン、又は、タッチスクリーン装置である。ユーザ
ー入力/表示113は、ユーザーから所定の設定を受け取り、患者の処方箋(mg/kg
標準体重、mg/kg/時、mg/kg/呼吸、mL/呼吸、円筒濃度、供給濃度、持続
時間等)、患者の年齢、身長、性別、体重などを受け取る。ユーザー入力/表示113は
また、高周波人工呼吸器との使用等において、操作モードに関したユーザー入力を受け取
ることができる。例えば、ユーザー入力/表示113は、一酸化窒素供給システム100
が高周波人工呼吸器と一緒に使用することを示すように、ユーザーがボタン又は他の手段
を有する。ユーザー入力/表示113は、患者の投与量及び/又はガス測定を画定するの
に使用する少なくともいくつかの実施例において、例えば、患者108へサンプルライン
131を介して供給するガスのサンプルを受け取ることができるガスサンプリングシステ
ム129を使用してできる。ガスサンプリングシステム129は、多くのセンサーを有す
ることができ、限定することはないが、一酸化窒素ガスセンサー、二酸化窒素ガスセンサ
ー、及び酸素ガス等があり、それらは、関連性のある情報(例えばガス濃度など)をユー
ザー入力/表示113上に表示するのに使用することができる。
【0030】
図1~3において示すように、CPU111は、制御バルブ119、ユーザー入力/表
示113、NO流量センサー115、BCG流量センサー119及び/又はガスサンプリ
ングシステム129と通信することができる。CPU111は、適切なアルゴリズムの使
用を通して、ここで示す方法のいずれかを実行することができる。
【0031】
上述の方法は、高周波人工呼吸器をつけた患者の呼吸回路から呼吸ガスを受け取る患者
へ治療ガスを有益に供給するのに使用することができるが、上述の方法は、少なくともい
くつかの驚くべき現象を説明することはできず、それらの現象は、例えば、患者の呼吸ガ
スの割合として患者の呼吸ガス内にNOを乱れた流れで混合する時に発生する。これらの
現象の少なくともいくつかについての知識がないと、正確なNO濃度(例えば、患者の呼
吸ガスのNO濃度、100万分の1(PPM)NOなど)が、所定のNO濃度と異なる(
例えば、投与不足など)。このNO濃度は、患者に対する処方の投与とすることができる
ため特に重要である。従って、これらの現象の少なくともいくつかを説明することによっ
て、より正確なNO投与が可能となり、NOの投与不足を避ける及び/又は減少すること
ができる。
【0032】
高周波人工呼吸器をつけた呼吸回路における患者の呼吸ガスとNOを乱れた流れで混合
したことを驚いて見つけることができる減少(誤ったNO流量現象)を広範囲な研究が発
見し、少なくともいくつかの実施例において、一酸化窒素供給ライン(例えば導管105
)及び/又は注入モジュール(例えば治療ガス注入口110)におけるNO流量を起こし
、流量センサー115によって誤って流れているのを測定する(NOは流れていなくても
)。この結果、例えば、NO供給システム100によって、NO供給及び/又はモニタリ
ングの正確性が減少し、この誤ったNO流量によって、NO供給システム100は所定よ
りも少ないNOを供給し(例えば投与不足)、このシステムはNOが供給されていると誤
って認識する。
【0033】
これらの誤ったNO流量測定は、例えば流量センサーによって流量として認識された、
高周波人工呼吸器117において敏速な作動弁及び/又はダイアグラム(図示せず)によ
って起こる振動又は圧力振動によって引き起こり、次に、NO供給システム100は、N
O供給及び/又はモニタリングに使用することができる。流量は流量センサー115によ
って誤って認識されるが、これは、これらの振動又は圧力振動が導管105において含ま
れるNOガスに短時間で圧力をかけ、非常に少量のNO流量が導管105を通る時にこの
加圧及び/又は減圧(時に、簡単のため加圧として示す)の結果、NO流量センサー11
5上に流量を見ることができる(例えばNO前向き流量137)。この結果、実際には前
向き流量又は流量が全くない時に、NO前向き流量137が発生している(例えば、導管
105において、注入モジュール107で、治療ガス注入口を通して、など)と一酸化窒
素供給システムが誤って検出する状況となりうる。従って、少なくともこの誤った流量現
象の結果、NO供給及びモニタリングの正確性が高まり、治療ガスの呼吸ガス内への供給
不足を避ける/又は減少することができる。
【0034】
図2を見てみると、例示的な実施形態において、少なくとも誤ったNO流量に対処する
時、逆止弁202(例えば、空気圧式逆止弁)を吸気肢部121と流体連結して設置する
ことができる。例えば、逆止弁を吸気肢部121に流体連結して設置することができるが
、吸気肢部121には設置しない。他の実施例に関して、逆止弁202は、注入モジュー
ル107の上流で吸気肢部121に設置することができる。使用する時、逆止弁202を
開いて、注入モジュール107に到着する及び/または流量センサー115によって測定
する前に、誤ったNO流量源、振動、及び/又は圧力振動が転換されるようにする。逆止
弁の使用は、誤ったNO流量に関連する少なくともいくつかの問題に対処することができ
るが、これらの逆止弁はまた多くの問題を導入し、その問題には、限定することはないが
、23例を挙げると、前向き流量クラッキング圧からの応答遅延流量、表面シール及び材
料が静電気の物理的引力でシール性能に影響を与える汚染、部品公差または材料の選択に
よるユニット間の繰り返し、シール性能に影響を与える表面仕上げがあり、可聴雑音又は
前向き流量が誘発する振動「ノイズ」の生成に弱い非減衰のばね質量系として特徴付けら
れ、及び/又は、流量制御の正確性、反復性、及び制御応答時間から損なうことができる
【0035】
さらに、逆止弁202は、人工呼吸器を妨げることができ、人工呼吸器は図3において
示すように自由呼吸バルブ302を有する。自由呼吸バルブ302(時々窒息を防ぐバル
ブと呼ばれる)は空気に対して開いて、人工呼吸器を使用して患者が無意識に呼吸できる
ようにする。自由呼吸バルブ302は、無意識に呼吸するように試みている患者が空気を
吸入する能力を有するようにするために人工呼吸器が必要である。実施例によって、人工
呼吸器がこの自由呼吸バルブ302を持たない時、呼吸大気を患者に供給する時間を制御
する人工呼吸器を有する閉ざされたシステムとして考えられる。この自由呼吸バルブがな
いと、患者が無意識に呼吸するように試みていると、ユーザーは空気を吸って呼吸できず
、患者の呼吸回路内へ流れる空気の入り口がない。この自由呼吸バルブがあると、患者が
無意識のうちに呼吸するように試みると、その後自由呼吸バルブはユーザーが周りの環境
から空気を吸うように作動することができる。自由呼吸バルブを備える人工呼吸器に関し
て、患者の呼吸回路において備える逆止弁は、自由呼吸バルブからの妨害を許し、逆止弁
はこの安全性の特徴の目的を達成させず、この人工呼吸器と一緒に使用しない。
【0036】
例示的な実施形態において、自由呼吸バルブ302の妨害を少なくとも減少及び/又は
妨げるため、逆止弁202及び/又は更なる逆止弁を、注入モジュール107、治療ガス
注入口110、及び/又は導管105に及び/又は流体連結して設置できる。
【0037】
例示的な実施形態において、少なくともいくつかの上述の現象(例えば誤ったNO流量
など)に対処するため、及び/又は更なる利益を提供するため、NO流量は制御弁の上流
で測定できる。この配置において(例えば、NO流量センサーが制御弁の上流にある)、
制御弁を閉じると、少なくともいくつかの上述の現象に露呈したNO流量センサーは、ほ
ぼ減少及び/又は削減することができる。例えば、少なくともいくつかの上述の現象に露
呈したNO流量センサーを減少及び/又は削減するため、NO流量センサー115をバル
ブ109の上流に設置することができる。少なくともいくつかの例において、NO流量セ
ンサー115は、バルブ109の上流にあろうと下流にあろうと、バルブ109が適切に
機能するかどうか、及び/又は流量がバルブ109を通過して漏出しないかどうかを画定
するのに使用することができる。例えば、流量が予測を超えてNO流量センサー115に
よって検出されると、これはバルブ109における漏出を示すことができる。
【0038】
例示的な実施形態において、少なくともいくつかの上述の現象(例えば誤ったNO流量
など)に対処するため、及び/又は更なる利益を提供するため、NO供給導管(例えば、
導管105)は非常に小さな断面の直径を有することができる。例えば、NO供給導管(
例えば、導管105)は、約1/32インチ約1/4インチの断面の内径を有することが
できる。他の実施例において、NO供給導管(例えば、導管105)は、約1/8インチ
の断面の内径を有することができる。断面は、NO供給導管における圧縮性体積を大きく
減少させるように選択することができ、例えば、流量センサーによって検出した振動信号
は、大きく減少及び/又は効果的に削減できる。少なくともいくつかの実施例において、
断面図は、流れに対する抵抗性を大きく増加させるように選択することができ、圧力変化
及び/又は高周波人工呼吸器を付けた振動は、流れに対する増加した抵抗性を回復させる
のに十分ではなく、及び/又は、圧力変化及び/又は振動の伝播は、大きく減少及び/又
は削減することができ、例えば、NO流量センサー(例えば、供給システムを付けたNO
流量センサー)に到着する前にできる。少なくともいくつかの実施形態において、NO供
給導管(例えば、導管105)の断面の内径は、システム100の内部でも外部でも同じ
断面の直径とすることができ、及び/又はNO供給導管(例えば、導管105)は、流量
制御弁の少なくとも1つの下流の断面の直径と同じとすることができる。
【0039】
図4A4Bを参照すると、例示的な注入モジュールを例示的に示し、それは、少なくと
もいくつかの上述の現象(例えば、誤ったNO流量など)に対処する、及び/又は、更な
る利益を提供することができる。注入モジュール400は、第1端404及び第2端40
6を有し、それらは、患者の呼吸回路の吸気肢部に結合することができる。第1端404
及び第2端406で、第1開口部及び第2開口部がそれぞれあり、注入モジュール400
の本体において、注入モジュールを通して液体を流すことができる(例えば、呼吸ガス)
。注入モジュール400はまた、通信ポート408を有し、通信ポート408は、注入モ
ジュール(及びいずれかの付け加えた部品)と一酸化窒素供給システムとの間の情報を通
信することができる(例えば、液体及び/又は空気圧通信、電気及び/又はデジタル通信
、など)。本発明のシステム及び方法は、この情報を使用して、例えば、少なくともいく
つかの上述の現象に対処する、及び/又は、更なる利益を提供する。さらに、注入モジュ
ール400は、注入モジュール400は、治療ガス注入口410を有し、治療ガス注入口
410は、治療ガスを一酸化窒素供給システムから受け取ることができ、及び/又は、注
入モジュールを通る呼吸ガス内に治療ガスを注入することができる。
【0040】
例示的な実施形態において、本発明の注入モジュールは、1つ又はそれ以上の双方向N
O流量センサー402を有する及び/又は流体連結することができ、例えば、少なくとも
いくつかの上述の現象(例えば、誤ったNO流量など)に対処する、及び/又は、更なる
利益を提供する。例えば、注入モジュール400は、1つ又はそれ以上の双方向一酸化窒
素(NO)流量センサー412を有する及び/又は流体連結することができる。双方向N
O流量センサー412は、治療ガス注入口410に設置する、及び/又は流体連結させる
ことができ、及び/又は、双方向NO流量センサー412は、NO供給導管(例えば、図
1において示した導管105)を通り注入モジュール400へ及び/又は患者の呼吸回路
の吸気肢部へ流れる流量を測定することができる。さらに、双方向NO流量センサー41
2は、NO供給に対するフィードバックの制御振動として使用することができる、及び/
又は、患者の呼吸回路内に供給するNOガスの流量及び/又は量をモニタリングするのに
使用することができる。例えば、双方向NO流量センサー412から測定した流量は、N
Oの漏出を検出する流量センサー115からの流量測定と比較することができる。この結
果、より正確に投与することができ、及び/又は、周囲の環境への一酸化窒素の漏出のリ
スクを減少することができる。
【0041】
少なくともいくつかの実施形態において、治療ガス注入口410に位置するように図示
しているが、双方向NO流量センサー412は、注入モジュールへ供給するNOと流体連
結したいずれの場所でも良い。例えば、双方向NO流量センサー412は、一酸化窒素供
給システム及び/又はNO供給導管(例えば、図1において図示した導管105)と流体
連結したいずれかの位置に設置することができる。他の実施例において、双方向NO流量
センサー412はNO流量センサー115(図13において示す)と置換する、又は、結
合して使用することができる。
【0042】
少なくともいくつかの実施形態において、2つ又はそれ以上の双方向NO流量センサー
は、治療ガス注入口410に設置する、及び/又は流体連結させることができる。例えば
、1つ又はそれ以上の双方向NO流量センサーは、治療ガス注入口410に設置すること
ができる、及び/又は、1つ又はそれ以上の双方向NO流量センサーは、治療ガス注入口
410と流体連結することができる。2つ又はそれ以上の双方向NO流量センサーは、例
えば、非常に幅広い範囲の流量速度に対して注入モジュール400を介して供給するNO
の流量を測定することができる。
【0043】
例示的な実施形態において、双方向NO流量センサー412は、前向き及び逆向き方向
の両方における流量を測定できるいずれかのセンサーとすることができる。例えば、双方
向流量センサー119は、熱質量流量計(時々、熱分散流量計と呼ばれる);圧力ベース
の流量計;光学流量計;電磁気、超音波、及び/又はコリオリ流量計;レーザードップラ
ー流量計、及び/又は、約2ミリ秒未満の応答時間を提供し、+-10SLPM以上でな
い範囲を有するいずれかの流量計とすることができる。逆向き流量の例示的な限界は、-
10、-9、-8、-7、-6、-5、-4、-3、-2.5、-2、-1.5、-1、-0.75、
-0.5、-0.4、-0.3、-0.2又は-0.1SPLMとすることができる。同様に
、前向き流量の例示的な限界は、10、9、8、7、6、5、4、3、2.5、2、1.
5、1、0.75、0.5、0.4、0.3、0.2又は0.1SPLMとすることがで
きる。少なくともいくつかの実施例において、双方向流量センサー119は、圧力ベース
の流量計とすることができ(例えば、異なる圧力センサー型の流量計など)、及び/又は
、流体及び/又は空気圧通信は通信ポート408を介して提供することができる。
【0044】
例示的な実施形態において、双方向NO流量センサー412は、例えば、通信ポート4
08を介して、一酸化窒素供給システムと流体連結することができる。これによって、流
量情報を一酸化窒素供給システムへ通信させることができ、NO供給及び/又はモニタリ
ングに関して一酸化窒素供給システムによって使用することができる。この双方向流量情
報を使用する時、一酸化窒素供給システムはより正確にNOを供給及び/又はモニタリン
グすることができる。
【0045】
例示的な実施形態において、本発明のシステム及び方法は技術(例えばアルゴリズム、
ユーザー入力など)を使用することができ、高周波人工呼吸器を使用できるかどうか画定
する。さらに、例示的な実施形態において、高周波人工呼吸器を使用していると画定した
時、本発明のシステム及び方法は、技術(例えばアルゴリズム、ユーザー入力など)を使
用することができ、少なくともいくつかの驚くべき現象(例えば誤ったNO流量など)を
補正する、及び/又は、時に、高周波人工呼吸器を付けた呼吸回路における呼吸ガス内に
治療ガスを乱れた流れで混合した時に発生する驚くべき現象に影響を与える、及び/又は
更なる利益を提供する。これらの技術は、時に、少なくとも治療ガス流量センサーからの
情報を使用することができ、治療ガス流量センサーは、NO流量センサー115(例えば
、1方向における流量を測定できる)、NO流量センサー412(例えば、1つ以上の方
向における流量を測定できる)及び/又は、注入モジュール、治療ガス注入口、及び/又
はNO導管と流体連結するいずれかの流量センサー等がある。
【0046】
本発明のシステム及び方法は、治療ガス(例えばNO)が人工呼吸器を付けた呼吸回路
内に供給されるかどうかについて、いずれかの妥当な技術を使用して画定でき、それら技
術には、限定することはないが、数例を挙げると、ユーザー入力(例えば、一酸化窒素供
給システムへのユーザー入力情報)、検出(例えば、一酸化窒素供給システムによる検出
アルゴリズム)、信号回復、及び/又は、それらのいずれかの組み合わせ及び/又はさら
に分けたもの、人工呼吸器との直接の通信等がある。例えば、一酸化窒素供給システムに
よって、NOが高周波人工呼吸器を付けた呼吸回路内に供給することをユーザーが入力で
きるようになる。他の実施例に関して、一酸化窒素供給システムは、NOが高周波人工呼
吸器を付けた呼吸回路内に、例えば、検出及び/又は信号回復技術を使用して検出するこ
とができる。
【0047】
例示的な実施形態において、高周波人工呼吸器を使用していると画定すると、本発明の
システム及び方法は、少なくともいくつかの驚くべき現象(例えば、誤ったNO流量現象
など)を補正することができ、人工呼吸器を付けて効果を与え、及び/又はいずれかの妥
当な技術を使用して更なる利益を提供し、それら技術には、限定することはないが、数例
を挙げると、濾過、還元技術の使用、それらのいずれかの組み合わせ及び/又はさらに分
けたもの、NO流量情報を付けた高周波人工呼吸器が生成した情報を補正できるいずれか
の工程の使用、高周波振動に対応しないようにするNO供給制御アルゴリズムの変化、電
気濾過、デジタル濾過、流量制御弁の上流に位置するNO流量センサー、使用した非常に
小さな直径のNO注入器、及び/又は、空気圧濾過等がある。実施例によって、本発明の
システム及び方法は、高周波人工呼吸器生成情報をノイズとして考えることができ、いず
れかの妥当な技術を使用してこのノイズをNO流量情報(例えばNO流量センサーからの
情報)から除去することができる。技術には、限定することはないが、数例を挙げると、
線形フィルター、非線形フィルター、統計的信号処理、ノイズゲート、及び/又は、それ
らのいずれかの組み合わせ及び/又はさらに分かれたものがある。
【0048】
簡単に理解するため、少なくともいくつかの例示的な検出及び/又は信号回復技術及び
/又は例示的な補償技術をここで開示する。他の技術も使用できることを理解されたい。
さらに、本発明で開示する技術は、簡単に理解するためであり、限定することはないこと
を理解されたい。
【0049】
実施例によって、NOが人工呼吸器を付けた呼吸回路内に供給されるかどうかを画定す
るため、本発明のシステム及び方法は、圧力及び/又は高周波人工呼吸器システムの使用
を示す流量情報を識別することができる。少なくともいくつかの実施例において、圧力及
び/又はNO流量センサーからの流量情報は、NO流量センサーには、流量センサー11
5(図13において図示する)、及び/又は双方向NO流量センサー(図4A4Bにおい
て図示する)があり、分析することができ(例えば、一酸化窒素供給システムによって)
、高周波人工呼吸器を使用しているかどうかを画定することができる。例えば、NO流量
センサーからの情報は、NO流量センサーからの期待した情報に対して分析し、及び/又
は、実際のNO流量情報は、実際のNO流量情報から離れた高周波人工呼吸器が生成した
流量情報と識別する。実施例によって、NO流量センサーからの情報は、数例を挙げると
、高周波の期待していない前向き及び/又は逆向きの流量及び/又は圧力、高周波の期待
しない前向き流量及び/又は圧力、高周波の期待しないゼロ及び/又は前向き及び/又は
逆向き流量を示し、期待した流量情報に対して分析することができる。
【0050】
図5A5Bを参照すると、NO流量センサーからの情報のグラフ表示を例示的に図示し
て、高周波人工呼吸器が使用されているかどうかを画定するための少なくとも1つの例示
的な技術を実践する。NO流量センサーからの情報は、電流、電圧の形、及び/又は、流
量及び/又は圧力を示す他のいずれかの形の情報であることを理解されたい。簡単のため
、図示する流速は例示的に図示する。これは簡単のためであり、限定することはない。
【0051】
図5Aを参照すると、プロット502は、所定の流量速度10ml/分に対するNO流
量センサーからの例示的な期待した情報を示し、例えば、高周波人工呼吸器を付けていな
い呼吸回路内にNOを供給する時である。図示するように、プロット502は、ほぼ一直
線として考えられ、プロット502は、一定の流量速度(例えば、10ml/分の一定の
流量速度)に対するNO流量センサーからの期待した情報を示す。もちろん、流量速度が
一定でない時、プロットはそれに従って対応する。例えば、一定の流量速度を患者の呼吸
回路の一部に対して提供し、その後、患者の呼吸回路の他の部分に対して変化させる。簡
単に理解するため、一定の流量速度を図示する。これは簡単のためであり、限定すること
はない。
【0052】
図5Bを参照すると、プロット504は、例示的な流量測度0ml/分に対するNO流
量センサーからの例示的な高周波人工呼吸器の期待した情報を示す。図示するように、プ
ロット504は、非線形の形(例えば、正弦曲線など)であると考えることができ、プロ
ット504は、振動又は圧力振動に対するNO流量センサーからの情報を示し、振動又は
圧力振動は、例えば、高周波人工呼吸器によって少なくとも一部生成する。
【0053】
図5Cを参照すると、プロット506は、振動又は圧力振動によって曲がった時の、流
量測度10ml/分に対するNO流量センサーからの例示的な実際の情報を示す。時に、
プロット506は、所定の流量測度10ml/分に対するNO流量センサーからの例示的
な期待した情報(例えば図5Aにおけるプロット502)と、高周波人工呼吸器によって
生成した振動又は圧力振動を示すNO流量センサーからの例示的な情報を組み合わせた合
計で曲がっていると考えることができる。これらの変形によって、一酸化窒素供給システ
ムが流量は所定の一定流量10ml/分と異なる速度で供給されると考えられるようにな
る(これらの変形が、誤ったNO流量を示し、実際のNO流量ではない場合にも)。
【0054】
問題なのは、この誤った流量情報に対応して、NO供給システムが呼吸回路へのガスの
流量を調整して、所定の流量測度で供給するように試みる。この新しい流量測度は、変形
に基づいていて、実際の流量測度ではないため、この調整された流量測度は、呼吸回路内
へのNOの実際の供給を所定の流量測度ではない速度で引き起こすことができる。
【0055】
上述の問題にさらに加えて、NO供給システムが呼吸回路へのガスの流量を調節しよう
と試して所定の流量速度で供給するように試すため、供給バルブ(例えばバルブ109な
ど)を作動させる(例えば、開ける、閉める、部分的に開ける、部分的に閉めるなど)。
このバルブの作動によって、少なくともいくつかの実施例において供給に少なくとも遅延
時間を引き起こすことができるバルブ部品の相互作用を引き起こす。実施例によって、流
量を調整しようと試みる時(調整する必要はないが)、バルブを閉じて、静摩擦及び/又
は動摩擦を加えた力を回復するようにバルブを再度開ける。これらの力は一定ではなく(
例えば、より多くの力が動摩擦よりも静摩擦よりも回復するのに必要である)、バルブ作
動及び/又はNO供給における遅延を引き起こすことができる。例示的な実施形態におい
て、ここで開示した技術を使用すると、システムがNO流量を調整しようと試みる時間の
長さは減少及び/又は削減する。この結果、上述の問題の発生が減少する。さらに、少な
くともいくつかの実施例において、この結果、NO供給及びモニタリングの正確性が増加
し、及び/又は、呼吸ガス内への治療ガスの供給不足を回避及び/又は減少させることが
できる。
【0056】
例示的な実施形態において、少なくとも上述の問題に対処する時、本発明のシステム及
び方法は、技術(例えば、アルゴリズム、ユーザー入力など)をより効果的に正確なバル
ブに使用でき、及び/又は、バルブ作動に影響を与える力を補正することができ、限定す
ることはないが、数例を挙げると、静摩擦、動摩擦、及び/又は、バルブ部品の相互作用
がある。例えば、本発明のシステム及び方法は、時に、様々な力を回復するのに必要な力
の量を識別、要因とする、及び/又は補正する(例えば、静摩擦、動摩擦など)。
【0057】
図5A5Cをさらに参照すると、上述の実施例に従って、高周波人工呼吸器の使用を検
出すため、本発明のシステム及び方法は、NO流量センサーからの実際の情報を、所定の
流量速度に関したNO流量センサーからの期待した情報に対して分析することができる。
例えば、10ml/分でNOを供給する時、一酸化窒素供給システムは、NO流量センサ
ーからの実際の情報(例えば、図5Cのプロット506において示す)を、NO流量セン
サーからの期待した情報(例えば、図5Aのプロット502において示す)に対して分析
し、実際の偏差を識別し、その後、一酸化窒素供給システムは、NOが高周波人工呼吸器
を付けた呼吸回路内に供給されていることを画定することができる。実際の偏差は識別可
能であり、毎分80振動未満の流量振動が期待されるため、十里の人工呼吸器の呼吸速度
は毎分約80呼吸未満であるが、高周波人工呼吸器を付けた振動が毎分何100マグニチ
ュードである。
【0058】
上述の実施例に従って、高周波人工呼吸器の使用が検出されると、本発明のシステム及
び方法は、少なくとも高周波人工呼吸器によって生成した情報を補正することができる。
例えば、一酸化窒素供給システムは、NO流量からの情報から高周波人工呼吸器が生成し
た振動又は圧力振動を示す情報をフィルタリングする。この高周波人工呼吸器が生成しや
情報をフィルタリングすると、一酸化窒素供給システムは、正しいNO投与量を患者へ供
給することができる。
【0059】
上述の変化に加えて、少なくとも上述の誤ったNO流量現象は、時に、非常に低い流量
速度(例えば100ml/分未満)で見られる。さらに、少なくとも上述の現象は、流量
情報を十分に大きい程度まで曲げて、ゼロ流量及び/又は負の流量が発生していると考え
られる。問題なことには、非常に低い流量速度は、有利であり、及び/又は、所定の投与
量のNOを患者へ供給するのに必要である。少なくとも上述の現象を検出及び/又は補正
するのに失敗すると、時に、所定の治療投与量でなく、時に、効果に影響を与える投与を
患者へ供給することになる。
【0060】
例示的な実施形態において、より小さな変形は、単方向及び/又は双方向流量センサー
からの情報の使用を補正し、及び/又は、大きな変形は、時に、双方向流量センサーから
の情報の使用を必要とし、及び/又は、更なる技術を必要とする。図5Cに戻って参照す
ると、プロット506は、5ml/分と15ml/分の間である、10ml/分の所定の
流量の変形を示す。この実施例において、誤ったNO流量の検出及び/又は補正は、単方
向流量センサー及び/又は双方向流量センサーによって達成し、例えば、流量速度は0m
l/分未満とならない。しかし、例示的な実施形態において、所定の流量が0ml/分未
満となる変形の検出及び/又は補正は、より複雑となり、及び/又は、双方向流量センサ
ーを必要とすることができる。
【0061】
例えば、図6Aを参照すると、プロット606は、15ml/分の変形を示す10ml
/分の所定の流量を示し(例えば、プロット6060は25ml/分から5ml/分の間
で変形する)、所定の流量は、点608610の間で0ml/分未満に変形する。このプ
ロット606の点608610の間の負の領域は、逆向き方向における誤ったNO流量を
示すと考えることができる。この流量が逆向き方向であると考えると、双方向流量センサ
ー情報を使用すると、プロット606は図6Aにおいて示すように表れるが、単方向流量
センサー情報を使用すると、プロット606は図6Bにおいて示すように表れ(例えば流
量なし、0ml/分流量、など)及び/又は図6Cにおいて示すように表れる(例えば、
等しい又は反対の正の流量、負のバルブに対する正のバルブ)
【0062】
例示的な実施形態において、双方向流量センサー及び/又は双方向流量センサーからの
情報は、非常に少ない流量及び/又は0ml/分未満の流量を示す変形を検出及び/又は
補正するのに使用する。双方向流量センサーからの情報は、高周波人工呼吸器
の使用を検出するのに使用し、及び/又は、NO流量センサーからの情報を補正するのに
使用し、その情報は、限定することはないが、ここで開示したいずれかの技術等のいずれ
かの妥当な技術を使用して、振動又は圧力振動を高周波人工呼吸器が生成することを示す
【0063】
図6B6Cを参照すると、例示的な実施形態において、単方向流量センサー及び/又は
単方向流量センサーからの情報は、非常に少ない流量及び/又は0ml/分未満の流量を
示す変形をいずれかの妥当な技術を使用して検出及び/又は補正するのに使用でき、それ
ら技術には、限定することはないが、数例を挙げると、挿入、曲線適合、及び/又は回帰
分析がある。
【0064】
例えば、単方向流量センサー及び/又は単方向流量センサーからの情報を使用して高周
波人工呼吸器の使用を検出するため、本発明のシステム及び方法は、所定の流量速度に関
して、NO流量センサーからの実際の情報を、NO流量センサーからの期待した情報に対
して分析し、NO流量センサーからの期待した情報以上の変形と考えられる。この技術を
使用すると、本発明のシステム及び方法は、限定することはないが、ここで開示するいず
れかの技術等のいずれかの妥当な技術を使用して、NO流量センサーからの期待した情報
以上の正の値と考えることによって高周波人工呼吸器の使用を検出する。
【0065】
上述の実施例に従って、単方向流量センサー及び/又は単方向流量センサーからの情報
を使用して高周波人工呼吸器の使用を検出すると、本発明のシステム及び方法は、限定す
ることはないが、ここで開示するいずれかの技術等のいずれかの妥当な技術を使用して、
高周波人工呼吸器が生成した振動又は圧力振動を示す情報を補正することができる。例え
ば、プロット606の点608から610の間の領域に関して(図6Bにおいて示す)、
本発明のシステム及び方法は、無くなったプロット情報を付け加えて、また、限定するこ
とはないが、ここで開示するいずれかの技術等のいずれかの妥当な技術を使用して変形を
補正することができる。他の実施例に関して、プロット606の点608と610の間の
領域に関して(図6Cにおいて示す)、本発明のシステム及び方法は、これらの値を逆に
して(例えば、正の値を負の値として考える)、また、限定することはないが、ここで開
示するいずれかの技術等のいずれかの妥当な技術を使用して変形(例えば、実際に見える
変形及び/又は逆転した変形)を補正することができる。
【0066】
当業者には、多くの適応及び修正が容易であることが分かっており、適応及び修正は、
本発明の調剤ガスを供給する治療ガス供給システムを形成することができ、その結果、基
地の所定の量の薬剤ガスを患者内に導入する方法及びシステムを改善でき、その全ては以
下の請求項において画定した本発明の範囲内となる。したがって、本発明は以下の請求項
及びそれら同等のものによってのみ限定される。
【0067】
本明細書を通して、「1つの実施形態」「ある実施形態」「1つ又はそれ以上の実施形
態」「例示的な実施形態」「複数の例示的な実施形態」及び/又は「複数の実施形態」は
、本発明の少なくとも1つの実施形態を有する実施形態に関連して説明した特定の特性、
構造、材料、又は特徴を意味する。従って、本明細書を通した様々な場所における「1つ
又はそれ以上の実施形態において」「特定の実施形態において」及び/又は「1つの実施
形態において」等の文節は、本発明の同じ実施形態を必ずしも示さない。さらに、特定の
特性、構造、材料、又は特徴は、1つ又はそれ以上の実施形態における適切な方法におい
て組み合わせることができる。
【0068】
説明したいずれのステップも、本発明の範囲を逸脱することなく、再編成、分離、及び
/又は組み合わせることができることを理解されたい。簡単のため、ステップは、時に、
連続して存在する。これは単に簡単のためであり、限定することはない。
【0069】
さらに、説明した本発明のいずれの要素及び/又は実施形態は、本発明の範囲を逸脱す
ることなく、再編成、分離、及び/又は組み合わせることができることを理解されたい。
簡単のため、要素は、時に、別々に説明する。これは単に簡単のためであり、限定するこ
とはない。
【0070】
本発明は、特定の実施形態に関連付けて説明しているが、これらの実施形態は、本発明
の原理及び応用を単に示すことを理解されたい。当業者には、様々な修正及び変更を本発
明の範囲を逸脱することなく本発明の方法及び装置に対してすることができることは明ら
かである。従って、本発明は、添付の請求項及びそれらと同等のものの範囲の修正及び変
更を含むことを示す。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
【手続補正書】
【提出日】2022-04-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波人工呼吸器、又は吸気圧力若しくは流量において逆向き及び/又は振動を提供する人工呼吸器の技術を付けた患者の呼吸回路の吸気肢部における呼吸ガス内に治療ガスを供給するシステムの作動方法であって、該システムは、
患者の呼吸回路の吸気肢部における呼吸ガス内に治療ガスを注入するように構成された注入モジュールと、
一酸化窒素供給システムの少なくとも1つの制御弁と、
少なくとも1つの双方向NO流量センサーと、
前記少なくとも1つの双方向NO流量センサーと通信を行う制御システムと
を備え、
前記システムの作動方法は、
前記少なくとも1つの制御弁を用いて、治療ガスの流れを供給するステップと、
前記少なくとも1つの双方向NO流量センサーを用いて前記注入モジュールの治療ガス注入口を通る前向き方向及び逆向き方向のNO流量を測定するステップであって、前記少なくとも1つの双方向NO流量センサーは、前記注入モジュールの前記治療ガス注入口に流体連結している、該ステップと、
前記制御システムを用いて、前記少なくとも1つの双方向NO流量センサーから少なくとも前向き流量情報及び逆向き流量情報を有する双方向流量情報を受け取るステップと
を含む、システムの作動方法。
【請求項2】
請求項に記載のシステムの作動方法であって、前記制御システムは、ユーザー入力、検出アルゴリズム、及び/又は信号回復を分析することによって誤ったNO流量現象を検出するように作動可能である、システムの作動方法。
【請求項3】
請求項に記載のシステムの作動方法であって、前記制御システムは、前記双方向流量情報を使用して、前記高周波人工呼吸器によって生成した流量情報をノイズとして処理し、このノイズをフィルタリングし、及び/又はノイズを減らす技術を使用することによって誤ったNO流量現象を補正する、システムの作動方法。
【請求項4】
請求項に記載のシステムの作動方法であって、前記制御システムは、前記双方向流量情報を使用して、所望の投与量のNOを前記注入モジュール内に、次に、前記呼吸回路の吸気肢部における患者の呼吸ガス内に確実に供給するように作動可能である、システムの作動方法。
【請求項5】
請求項に記載のシステムの作動方法であって、前記制御システムは、前記双方向流量情報を使用して、所望の投与量のNOが不足供給及び/又は不足投与とならないように作動可能である、システムの作動方法。
【請求項6】
請求項に記載のシステムの作動方法であって、誤ったNO流量に応じて逆止弁を開放又は閉塞するステップを更に含み、前記逆止弁は、(i)前記注入モジュールの前記治療ガス注入口と流体連結する、及び(ii)前記注入モジュールに統合する、の1つ又はそれ以上を満たす、システムの作動方法。
【請求項7】
請求項に記載のシステムの作動方法であって、前記治療ガスは(i)一酸化窒素及び(ii)一酸化窒素放出剤、の1つ又はそれ以上を有する、システムの作動方法。
【請求項8】
請求項に記載のシステムの作動方法であって、前記制御弁は、前記一酸化窒素供給システムにおける前記NO流量センサーの上流にある、システムの作動方法。
【請求項9】
請求項に記載のシステムの作動方法であって、前記治療ガス注入口は、導管を介して治療ガスの流れを受け取り、前記導管は、(i)約1/32インチから約1/4インチの断面の内径を有する、(ii)一酸化窒素供給システム内の内部部分及び一酸化窒素供給システムの外側の外部部分を有し、前記導管の内部部分は、前記導管の外部部分の断面の直径とほぼ同じ断面の直径を有する、の1つ又はそれ以上を満たす、システムの作動方法。
【請求項10】
請求項に記載のシステムの作動方法であって、
少なくとも1つの第2NO流量センサーを用いてNO流量を測定するステップを更に含み、前記第2NO流量センサーは、前記治療ガス注入口と流体連結し前記制御システムと通信し、
前記制御システムは前記NO流量センサーから流量情報を受け取り、前記NO流量センサーからの前記流量情報が一致しない時に漏出を検出する、システムの作動方法。
【請求項11】
請求項10に記載のシステムの作動方法であって、漏出が検出されると前記治療ガスの流量を増加させる、システムの作動方法。
【外国語明細書】