(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022091788
(43)【公開日】2022-06-21
(54)【発明の名称】血液凝固データ測定装置、その使用方法、接続部材及び支持体
(51)【国際特許分類】
G01N 33/86 20060101AFI20220614BHJP
【FI】
G01N33/86
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022035646
(22)【出願日】2022-03-08
(62)【分割の表示】P 2019507983の分割
【原出願日】2017-05-02
(31)【優先権主張番号】201610755577.2
(32)【優先日】2016-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201610755564.5
(32)【優先日】2016-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201610755814.5
(32)【優先日】2016-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201620383166.0
(32)【優先日】2016-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201610278393.1
(32)【優先日】2016-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201620477597.3
(32)【優先日】2016-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201610347497.3
(32)【優先日】2016-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】594202615
【氏名又は名称】ヘモネティクス・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Haemonetics Corporation
【住所又は居所原語表記】125 Summer Street Boston MA 02110 UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【弁理士】
【氏名又は名称】森 秀行
(72)【発明者】
【氏名】ユ、バンゾン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、フォン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】血液凝固データ測定装置、その使用方法を提供する。
【解決手段】血液凝固データ測定装置は、血液カップホルダ(101)と、取り外し機構(102)と、回転軸(103)とを含む。血液カップホルダ(101)は、未使用の血液カップ及び血液カップ蓋を支持し、第1駆動力の作用で未使用の血液カップ及び血液カップ蓋を上昇させて未使用の血液カップ蓋を回転軸(103)に接続し、第2駆動力の作用で使用後の血液カップを連動して降下させる。取り外し機構(102)は、第2駆動力の作用で使用後の血液カップ蓋を回転軸(103)から分離する。血液凝固データを測定する労力を軽減することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液凝固データを測定するための装置であって、被測定血液が血液カップ及び血液カップ蓋に収容され、血液凝固データを測定する前記装置が、血液カップホルダと、取り外し機構と、回転軸とを備えており、
前記血液カップホルダは、未使用の血液カップ及び血液カップ蓋を支持して、第1駆動力の作用で、前記未使用の血液カップ及び血液カップ蓋を上昇駆動して前記未使用の血液カップ蓋を前記回転軸に接続し、かつ、第2駆動力の作用で、使用後の血液カップを下降駆動するために用いられ、前記取り外し機構は、第2駆動力の作用で、使用後の血液カップ蓋を前記回転軸から分離するために用いられる、装置。
【請求項2】
動力源と伝動機構とをさらに備え、
前記動力源は、前記伝動機構に駆動力を供給するために用いられ、
前記伝導機構は、前記動力源の駆動力の作用で、前記血液カップホルダに前記第1駆動力を付与するために、また、前記血液カップホルダと前記取り外し機構に前記第2駆動力を付与するために用いられる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記動力源はステッピングモーターを含み、
前記伝動機構はスクリューを含み、前記スクリューは、ネジ軸およびナットを含み、前記ネジ軸は前記ステッピングモーターに接続され、前記ナットは前記血液カップホルダ及び前記取り外し機構にそれぞれ接続されており、
前記ステッピングモーターは、前記ネジ軸を駆動して前記ネジ軸を正方向または逆方向に回転させるために用いられ、
前記ナットは、前記ネジ軸の回転方向に応じて、前記ネジ軸が正方向に回転する時に前記血液カップホルダに前記第1駆動力を付与し、前記ネジ軸が逆方向に回転する時に前記血液カップホルダ及び前記取り外し機構に前記第2駆動力を付与すために用いられる、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記取り外し機構は貫通孔が設置された板状構造であり、
前記回転軸は、前記取り外し機構の中部の貫通孔を貫通しており、かつ、前記取り外し機構と接触しておらず、
前記取り外し機構は、前記第2駆動力の作用で、前記回転軸の端部に向かって移動して、締まり嵌めの方式により前記回転軸の端部に接続された前記使用後の血液カップ蓋を前記回転軸から分離させ、前記回転軸から分離した前記使用後の血液カップ蓋を前記使用後の血液カップ上に落下させるために用いられる、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記血液カップホルダはカップ状構造であり、
前記血液カップホルダは、前記第1駆動力の作用で、前記未使用の血液カップ及び血液カップ蓋を上昇させ、前記未使用の血液カップ蓋を、前記回転軸と接触した後も所定距離だけ上昇させ続けて、締まり嵌めの方式により前記未使用の血液カップに接続し、前記回転軸が前記未使用の血液カップ蓋に締まり嵌めの方式により接続されるようにするために用いられる、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
突き上げピンを更に備え、
前記カップ状構造の血液カップホルダの底部には固定的に設けられた前記突き上げピンを貫通させる貫通孔が形成され、
前記突き上げピンは、前記血液カップホルダが前記使用後の血液カップを所定距離だけ降下させた後、前記使用後の血液カップの底部と接触し、前記血液カップホルダが降下し続ける過程で、締まり嵌めの方式により接続された前記血液カップホルダと前記使用後の血液カップを分離するために用いられる、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
血液凝固データを測定する装置であって、第1支持体と、第2支持体と、宝石軸受と、頂部錐体と、回転軸と、リミット機構と、を備え、
前記第1支持体は前記宝石軸受に接続され、前記第2支持体は前記頂部錐体及び前記回転軸にそれぞれ接続され、
前記宝石軸受けは、前記第2支持体及び前記回転軸が被測定血液の駆動力の作用で回転することを可能とするように前記頂部錐体を支持するために用いられ、
前記リミット機構は、外部の血液カップ蓋と前記回転軸とを接続するかあるいは分離するときに、
前記宝石軸受及び前記頂部錐体の位置を規制して、前記宝石軸受と前記頂部錐体を分離させるために用いられる、装置。
【請求項8】
第1駆動機構をさらに備え、
前記第1駆動機構は、前記リミット機構に接続されており、
前記第1駆動機構は、前記血液カップ蓋と前記回転軸の接続または分離の過程で前記リミット機構を駆動するために用いられ、
前記リミット機構は、前記第1駆動機構の駆動力の作用で前記第1支持体を移動させて、前記宝石軸受を前記頂部錐体から分離させ、かつ、前記宝石軸受が前記頂部錐体から分離された後に前記第1支持体を支持するようにさせるために用いられる、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記頂部錐体に、接続ボルト及び第1ガイドプラットフォームが設けられ、
前記第2支持体に、接続ナット及び第2ガイドプラットフォームが設けられ、
前記接続ボルトが、前記接続ナットに係合されて前記頂部錐体と前記第2支持体を接続し、
前記第1ガイドプラットフォームが、前記第2ガイドプラットフォームに密接して、前記頂部錐体と前記第2支持体の間の角度を限定する、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
第1固定接続部材および第2固定接続部材を備えた接続アセンブリであって、
前記第1固定接続部材は、固定部と、前記固定部に固定され安定化プラットフォームと、前記固定部に固定された接続部と、を含み、
前記固定部は、外部の第1支持アセンブリに固定され、
前記安定化プラットフォームは、第1支持アセンブリの1つの平面に密接し、
前記接続部は、前記第2固定接続部材に点接続の方式により一体に接続され、
前記第2固定接続部材は、外部の第2支持アセンブリに固定的に接続され、
前記外部の第1支持アセンブリは、外部動力の作用で、前記接続部と前記第2固定接続部材の点接続を介して、前記外部の第2支持アセンブリに対して回転する、接続アセンブリ。
【請求項11】
請求項10に記載の接続アセンブリと、第1支持アセンブリと、第2支持アセンブリと、を備えた支持体であって、
前記第1支持アセンブリは、前記接続アセンブリ内の第1固定接続部材を固定するために設けられ、前記第1支持アセンブリの平面の一つが前記第1固定接続部材の前記安定化プラットフォームに取り付けられ、
前記第2支持アセンブリは、前記接続アセンブリ内の前記第2固定接続部材を固定するために用いられ、
前記接続アセンブリの前記第1固定接続部材および前記第2固定接続部材は、点接続の方式により一体に接続されており、
前記第1支持アセンブリは、被支持体に固定的に接続され、
前記被支持体の駆動力により、前記第1支持アセンブリは、前記第1固定接続部材を介して、前記第2支持アセンブリに対して回転する、支持体。
【請求項12】
血液凝固データを測定するための装置と、血液カップと、を備えた血液凝固データを測定するためのシステムであって、
前記血液カップは、測定対象の血液を収容するために用いられ、
前記血液凝固データを測定する装置は、前記血液カップ内の血液に血液凝固分析を行うために用いられる、システム。
【請求項13】
前記血液カップは、
液体を収容するための容器と、
前記容器と接触し、前記容器に収容された液体を加熱するための少なくとも1つの加熱器と、
前記少なくとも1つの加熱器に接続され、それぞれの加熱器の現在温度を獲得し、それぞれの加熱器の現在温度と予め記憶された設定温度に基づいて前記のそれぞれの加熱器について加熱制御を行うための温度制御器と、
を含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
血液凝固データを測定するための装置であって、
支持体と、回転軸と、位置補正装置とを備え、
前記支持体は、前記回転軸の一端に接続され、前記支持体は、前記回転軸を支持して前記回転軸の他端を外部の被測定血液内に位置させるために用いられ、
前記回転軸は、前記被測定血液の駆動力の作用で回転し、
前記位置補正装置は、前記回転軸に接続されており、前記回転軸が回転して平衡位置から外れるように回転したときに、前記回転軸を前記平衡位置方向へ回転させる作用力を発生させるために用いられる、装置。
【請求項15】
前記位置補正装置は、少なくとも1つのヘアスプリングを含み、
前記各ヘアスプリングの内環は、前記回転軸の外周面に固定的に接続され、前記各ヘアスプリングの外環は、前記支持体に固定的に接続されている、請求項14に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器に関し、特に、血液凝固データ測定装置、その使用方法、接続部材及び支持体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばトロンボエラストグラフのような血液凝固データ測定装置は、血液が正常に凝固できるかどうかを測定するための医療機器である。この装置は広く応用されてきている。例えば、手術をする前に一般的にはトロンボエラストグラフを用いて患者の血液凝固データを測定し、測定した血液凝固データに基づいて患者の血液凝固過程が正常であるかどうかが判断される。血液が正常に凝固し得る場合でなければ患者に手術をすることができず、血液凝固過程に異常が存在すれば、手術過程で患者の血液が正常に凝固せず、止血が困難になって、患者の命をおびやかす可能性が高い。しかし、既存のトロンボエラストグラフを操作するには測定者の大量の時間を消費する必要があり、血液凝固データを測定する労力が大きい。
【発明の概要】
【0003】
本発明の実施形態は、血液凝固データを測定する労力を軽減することができる血液凝固データ測定装置、その使用方法、接続部材及び支持体を提供する。
【0004】
本発明の実施形態は、血液凝固データを測定するための装置であって、
被測定血液が血液カップ及び血液カップ蓋に収容され、血液凝固データを測定する前記装置が、血液カップホルダと、取り外し機構と、回転軸とを備えており、
前記血液カップホルダは、未使用の血液カップ及び血液カップ蓋を支持して、第1駆動力の作用で、前記未使用の血液カップ及び血液カップ蓋を上昇駆動して前記未使用の血液カップ蓋を前記回転軸に接続し、かつ、第2駆動力の作用で、使用後の血液カップを下降駆動するために用いられ、前記取り外し機構は、第2駆動力の作用で、使用後の血液カップ蓋を前記回転軸から分離するために用いられる、装置を提供する。
【0005】
本発明の実施形態は、血液凝固データを測定する装置および血液カップの装填・取出し方法を提供するものである。血液カップホルダは第1駆動力の作用で未使用の血液カップ及び血液カップ蓋を上昇させ、血液カップ蓋を回転軸に接続することができ、血液凝固データを測定する前に血液カップの上昇及び血液カップ蓋の取り付けを自動的に完了させることができる。血液カップホルダは第2駆動力の作用で使用後の血液カップを連動して降下させることができ、また取り外し機構が第2駆動力の作用で使用後の血液カップ蓋を回転軸から分離することができ、このため、血液凝固データを測定した後血液カップの降下及び血液カップ蓋の取り外しを自動的に完了させることができる。このようにして、血液凝固データ測定装置は、血液凝固データを測定する過程で、手動の代わりに、血液カップの昇降及び血液カップ蓋の着脱が自動的に行われる、血液凝固データを測定する労力を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明の実施形態又は従来の技術における技術的解決手段をより明らかに説明するために、以下、実施形態又は従来の技術の記述に必要とされる図面を簡単に説明し、勿論、以下の記述中の図面は本発明のいくつかの実施形態であり、当業者であれば、創造的な労働を払わずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができることが明らかである。
【0007】
【
図1】本発明の一実施形態で提供される血液凝固データ測定装置の模式図である。
【
図2】本発明の一実施形態で提供される、血液カップの取り付けを完了した状態の模式図である。
【
図3】本発明の一実施形態で提供される、血液カップの取り外しを完了した状態の模式図である。
【
図4】本発明の一実施形態で提供される血液カップホルダの模式図である。
【
図5】本発明の一実施形態で提供される血液カップの取り付け方法の流れ図である。
【
図6】本発明の一実施形態で提供される血液カップの取り外し方法の流れ図である。
【
図7】本発明の一実施形態で提供される血液カップの取り付けと取り外し方法の流れ図である。
【
図8】本発明の別の実施形態で提供される血液凝固データ測定装置の模式図である。
【
図9】本発明の一実施形態で提供される、リミット機構が可動である血液凝固データ測定装置の模式図である。
【
図10】本発明の一実施形態で提供される、リミット機構が固定された血液凝固データ測定装置の模式図である。
【
図11】本発明の一実施形態で提供される取り外し機構の模式図である。
【
図12】本発明の一実施形態で提供される頂部錐体及び第2支持体の模式図である。
【
図13】本発明の一実施形態で提供される血液カップ蓋の着脱方法の流れ図である。
【
図14】本発明の別の実施形態で提供される血液カップ蓋の着脱方法の流れ図である。
【
図15】本発明の一実施形態で提供される接続アセンブリの構造模式図である。
【
図16】本発明の一実施形態で提供される第1固定接続部材の構造模式図である。
【
図17】本発明の別の実施形態で提供される接続アセンブリの構造模式図である。
【
図18】本発明の更に別の実施形態で提供される接続アセンブリの構造模式図である。
【
図19】本発明の一実施形態で提供される支持体の構造模式図である。
【
図20】本発明の別の実施形態で提供される支持体の構造模式図である。
【
図21】本発明の更に別の実施形態で提供される血液凝固データ測定装置の模式図である。
【
図22】本発明の一実施形態で提供される血液凝固データ測定装置の使用方法の流れ図である。
【
図23】本発明のまた1つの実施形態で提供される血液凝固データ測定装置の構造模式図である。
【
図24】本発明の別の実施形態で提供される血液凝固データ測定装置の使用方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態の目的、技術的解決手段及び利点をより明らかにするために、以下、本発明の実施形態中の図面を参照しながら、本発明の実施形態中の技術的解決手段を明瞭かつ完全に記述する。記述される実施形態は、全ての実施形態ではなく、本発明の一部の実施形態であることが明らかである。本発明における実施形態に基づいて当業者が創造的な労働を払わずに得た他の実施形態は全て本発明の保護範囲に含まれる。
【0009】
図1に示すように、本発明の実施形態によれば、血液凝固データを測定するための装置であって、被測定血液が血液カップ及び血液カップ蓋に収容され、血液凝固データを測定する前記装置が、血液カップホルダ101と、取り外し機構102と、回転軸103とを備えており、
前記血液カップホルダ101は、未使用の血液カップ及び血液カップ蓋を支持して、第1駆動力の作用で、前記未使用の血液カップ及び血液カップ蓋を上昇駆動して前記未使用の血液カップ蓋を前記回転軸103に接続し、かつ、第2駆動力の作用で、使用後の血液カップを下降駆動するために用いられ、
前記取り外し機構102は、第2駆動力の作用で、使用後の血液カップ蓋を前記回転軸から分離するために用いられる、装置が提供される。
【0010】
本発明の実施形態は、血液凝固データを測定するための装置を提供する。血液カップホルダが第1駆動力の作用で未使用の血液カップ及び血液カップ蓋を連動して上昇させることができ、血液カップ蓋を回転軸に接続することができ、血液凝固データを測定する前に血液カップの上昇及び血液カップ蓋の取り付けを自動的に完了することを実現し、血液カップホルダが第2駆動力の作用で使用後の血液カップを連動して降下させることができ、また取り外し機構が第2駆動力の作用で使用後の血液カップ蓋を回転軸から分離することができ、血液凝固データを測定した後血液カップの降下及び血液カップ蓋の取り外しを自動的に完了することを実現した。このようにして、血液凝固データを測定する過程で、血液凝固データ測定装置は、人工操作の方法の代わりに、血液カップの上昇と降下及び血液カップ蓋の取り付けと取り外しを自動的に完了して、血液凝固データを測定する労力を軽減した。
【0011】
本発明の実施形態では、血液カップは、例えば円筒形、開口が設置された球形などの様々な形状を有してよい。
【0012】
本発明の一実施形態では、血液凝固データを測定するための装置は動力源と伝動機構とをさらに備えており、前記動力源は、前記伝動機構に駆動力を供給するために用いられ、前記伝導機構は、前記動力源の駆動力の作用で、前記血液カップホルダに前記第1駆動力を付与するために、また、前記血液カップホルダと前記取り外し機構に前記第2駆動力を付与するために用いられる。
【0013】
具体的には、動力源はステッピングモーターとすることができ、伝動機構はスクリューでとすることができる。
図2に示すように、スクリュー204は、ステッピングモーター205に接続されたネジ軸2041と、血液カップホルダ101及び取り外し機構102にそれぞれ接続されたナット2042とを含む。
【0014】
実施可能な態様において、取り外し機構102は貫通孔が設置された板状構造であり、回転軸103の直径が取り外し構造102における貫通孔の直径より小さい。取り外し機構102は溶接、リベット止め、接着などの方式によりナット2042に固定的に接続することができる。血液カップホルダ101は直接ナット2042に固定的に接続されていてもよく、あるいは連接棒によりナット2042に固定的に接続されていてもよい。具体的な接続方式としては溶接、リベット止め、接着、ボルト締結とすることができる。血液カップホルダ101と取り外し機構102がいずれもナット2042に固定されているため、血液カップ207を血液カップホルダ101の上端開口から取り出すことができることを保証するために、血液カップホルダ101の上端開口から取り外し機構102までの距離を血液カップ207の高さより大きくすべきである。
【0015】
別の実施可能な態様において、血液カップホルダ101とナット2042との間の接続は、血液カップホルダ101とナット2042を垂直方向に相対的に不動に保持することができるが、水平方向に血液カップホルダ101がナット2042の回りに回転することができるようにしてもよい。このようにして、血液カップ207と血液カップ蓋206を血液カップホルダ101に入れることが必要とされる時、血液カップホルダ101がナット2042の回りに所定角度回転させて、血液カップホルダ101の上端開口と取り外し機構102をずれさせて、血液カップ207と血液カップ蓋206を血液カップホルダ101に入れる。同様に、垂直方向に取り外し機構102とナット2042とを相対的に不動に保持し、水平方向に取り外し機構102をナット2042の回りに回転可能にして、上記目的を達成することもできる。勿論、取り外し機構102及び血液カップホルダ101の両方をナット2042に上記接続方式で接続してもよい。
【0016】
ステッピングモーター205の駆動で、ネジ軸2041は正方向又は逆方向に回転させることができ、ネジ軸2041が正方向に回転すると、ナット2042がネジ軸2041の駆動力の作用で上方に移動し、それに対してナット2041が血液カップホルダ101及び取り外し機構102に第1駆動力を付与して、血液カップホルダ101及び取り外し機構102を上方に移動させる。ネジ軸2041が逆方向に回転すると、ナット2042がネジ軸2041の駆動力の作用で下方に移動する。この動きに対応して、ナット2041が血液カップホルダ101及び取り外し機構102に第2駆動力を付与し、血液カップホルダ101及び取り外し機構102を下方に移動させる。
【0017】
未使用の血液カップ及び血液カップ蓋を血液カップホルダに置いた時、血液カップ及び血液カップ蓋の血液カップホルダに対する位置は
図3に示すようになり、ステッピングモーター205がネジ軸2041を駆動して正方向に回転させると、ナット2042が血液カップホルダ101及び取り外し機構102を上方に移動させ、血液カップホルダ101が上方に移動して血液カップ蓋206を回転軸103と接触させた後、血液カップホルダ101が上へ移動し続ける。回転軸103の位置は固定状態にあるため、回転軸103は血液カップ蓋206における取り付け孔に入り、回転軸103と血液カップ蓋206が締まり嵌めの方式により接続される。回転軸103の端部が血液カップ蓋206の取り付け孔の底部に達した後、血液カップホルダ101は上方に移動し続ける。血液カップ207が血液カップ蓋206の作用で血液カップホルダ101の取り付け孔に入り、血液カップ207の上縁が血液カップホルダ101と接触すると、ステッピングモーター205が回転を停止して血液カップホルダ101及び取り外し機構102の上方への移動が停止する。その後、ステッピングモーター205がネジ軸2041を駆動して逆方向に回転させ、それにより血液カップホルダ101が血液カップ207を連動して下方へと移動させる。被測定血液を血液カップ207に注入可能な隙間が血液カップ207と血液カップ蓋206との間に現れた後、ステッピングモーター205が回転を停止し、被測定血液が血液カップ207に注入されるのを待つ。被測定血液が血液カップ207に注入された後、ステッピングモーター205がネジ軸2041を駆動して正方向に回転させて血液カップ207を上昇させる。血液カップ207と血液カップ蓋206の間の距離が設定された隙間値になると、ステッピングモーター205が回転を停止する。ここまでで血液カップ207及び血液カップ蓋206の設置が完了し、血液カップ207及び血液カップ蓋206と血液カップホルダ101の相対的位置関係は
図2に示すようになる。この時点で、回転軸103により被測定血液の血液凝固データを測定することが可能となる。
【0018】
本発明の一実施形態では、
図2又は
図3に示すように、取り外し機構102は中部(中程の位置に)に貫通孔が設置された板状構造であり、貫通孔の直径が回転軸103の直径より大きく、回転軸103が取り外し機構102の中部の貫通孔を貫通するが、貫通孔と接触しない。
【0019】
血液凝固データの測定が完了した後、血液カップ及び血液カップ蓋と血液カップホルダの相対的位置関係は
図2に示すようになる。ステッピングモーター205がネジ軸2041を駆動して逆方向に回転させると、ナット2042が血液カップホルダ101及び取り外し機構102を下方に移動させる。血液カップ蓋206が締まり嵌めの方式により回転軸103に接続され、かつ、回転軸が垂直方向に固定状態にあるため、血液カップホルダ101が下方に移動すると、血液カップ蓋206が、取り外し機構102と接触するまで、被測定血液から離脱して、血液カップ207から分離される。血液カップ蓋206が取り外し機構102と接触した後、ステッピングモーター205がネジ軸2041を駆動し続けて逆方向に回転させて、取り外し機構102を下方に移動させる。取り外し機構102が下方に移動すると、血液カップ蓋206を押し付けて下方に移動させ、最終的に血液カップ蓋206を回転軸103から離脱させ、回転軸103から分離された後の血液カップ蓋206が血液カップ207に落下する。ここまでで、血液カップ蓋206の取り外しが完了する。
【0020】
本発明の一実施形態では、
図2又は
図3に示すように、血液カップホルダ101がカップ状構造である。血液カップホルダ101が第1駆動力の作用で所定の距離だけ上昇した後、血液カップ蓋206が回転軸103と完全に接続されると、回転軸103の作用では血液カップ蓋206はもはや移動しない。しかしながら、血液カップホルダ101は第1駆動力の作用で上昇し続け、血液カップ207が血液カップホルダ101の作用で締まり嵌めの方式により血液カップホルダ101における取り付け孔に入り、血液カップ207の上縁が血液カップホルダ101と接触すると、血液カップ207が規定の位置に取り付けられる。
【0021】
本発明の一実施形態では、
図4に示すように、血液カップホルダ101の底部に貫通孔1011が設置され、貫通孔1011が固定的に設置される突き上げピン408を貫通させる。
血液カップ蓋206が回転軸103から分離された後、血液カップ蓋206が血液カップ207に落下し、血液カップホルダ101が第2駆動力の作用で降下し続け、突き上げピン408の血液カップホルダ101に伸び込んだ長さが徐々に増加し、血液カップ207の底部が突き上げピン408と接触すると、突き上げピン408の作用で血液カップ207及び血液カップ蓋206が血液カップホルダ101に対して上へ移動し、血液カップ207が血液カップホルダ101から完全に脱離すると、第2駆動力が血液カップホルダ101を駆動することを停止し、血液カップホルダ101が移動を停止する。ここまでで血液カップ207の取り外しが完了する。
【0022】
本発明の一実施形態では、血液凝固データ測定装置は更にリミット機構を備えている。血液カップ蓋と血液カップとを取り付ける過程、又は血液カップ蓋を取り外す過程で、回転軸は一定の推進力又は牽引力を受けるので、回転軸に接続される軸受が力を受けて破損することを回避するために、血液カップ蓋と血液カップとを取り付ける過程、又は血液カップ蓋を取り外す過程で、リミット機構により回転軸の位置を固定し、回転軸に接続される軸受の受ける作用力を低減する。このようにして、血液カップ及び血液カップ蓋の取り付け又は取り外し過程で回転軸の軸受が破損することを防止すると共に、回転軸が変形し過ぎて血液凝固データの測定精度に影響を及ぼすことを防止することができる。
【0023】
具体的には、リミット機構はピンを含んでいてもよい。それに対して、回転軸に接続される第2支持体と、第2支持体を支持する第1支持アセンブリに少なくとも1つのピン穴が設けられる。血液カップと血液カップ蓋とを取り付けるか又は取り外す過程で、ピンが第1支持体と第2支持体におけるピン穴に挿入されて、第1支持体と第2支持体の相対的位置を規制して、回転軸の位置を固定することを実現する。あるいは、リミット機構は、回転軸が特定の位置に移動したときに、回転軸を掴んで回転軸の位置を固定する掴み具を含んでいてもよい。
【0024】
図5に示すように、本発明の一実施形態は、本発明の実施形態にて提供されるいずれか一つの血液凝固データ測定装置に基づく、血液カップを取り付ける方法を提供する。この方法は以下のステップ(操作)を含んでいてもよい。
【0025】
操作501:血液カップホルダにより未使用の血液カップ及び血液カップ蓋を支持する。
【0026】
操作502:第1駆動力の作用で、血液カップホルダを駆動し、血液カップホルダが移動して未使用の血液カップ及び血液カップ蓋を上昇させて、未使用の血液カップ蓋を回転軸に接続する。
【0027】
本発明の一実施形態では、操作502は、第1駆動力により血液カップホルダを駆動し、血液カップホルダが未使用の血液カップ及び血液カップ蓋を上昇させ、かつ、未使用の血液カップ蓋が回転軸と接触した後、この未使用の血液カップ蓋を所定距離だけ上昇させ続け、締まり嵌めの方式により未使用の血液カップに接続し、締まり嵌めの方式により回転軸を未使用の血液カップ蓋に接続することを含む。
【0028】
図6に示すように、本発明の一実施形態は本発明の実施形態で提供されるいずれか一つの血液凝固データ測定装置に基づいて血液カップを取り外す方法を提供し、該方法は以下の操作を含んでいてもよい。
【0029】
操作601:第2駆動力の作用で、血液カップホルダを駆動し、血液カップホルダが移動して使用後の血液カップを降下させる。
【0030】
操作602:第2駆動力の作用で、取り外し機構を駆動し、取り外し機構が移動して前記使用後の血液カップ蓋を回転軸から分離する。
【0031】
本発明の一実施形態では、操作602は、第2駆動力により取り外し機構を駆動して回転軸の端部に向けて移動させ、取り外し機構が、締まり嵌めの方式により回転軸端部に接続された使用後の血液カップ蓋を前記回転軸から分離し、かつ、回転軸から分離された後の使用後の血液カップ蓋を使用後の血液カップに落下させることを含む。
【0032】
本発明の一実施形態では、血液凝固データ測定装置が突き上げピンを備える場合に、血液カップホルダが移動して使用後の血液カップを降下させる操作601は、血液カップホルダが使用後の血液カップを所定距離だけ降下させた後、突き上げピンが使用後の血液カップの底部と接触し、血液カップホルダが降下し続ける過程で、突き上げピンが、締まり嵌めの方式によりに接続された血液カップホルダ及び使用後の血液カップを分離することを含む。
【0033】
血液カップの取り付け及び取り外し方法をより明らかに説明するために、以下、
図2~
図4を参照しながら、血液凝固データ測定の全過程を例にとって、本発明の実施形態で提供される血液カップの着脱方法を更に詳細に説明する。
【0034】
図7に示すように、本発明の一実施形態は血液凝固データの測定方法を提供し、この方法は以下の操作を含む。
【0035】
操作701:血液カップ及び血液カップ蓋を血液カップホルダに置く。
【0036】
本発明の一実施形態では、被測定血液の血液凝固データを測定することが必要とされる時に、未使用の血液カップ蓋を未使用の血液カップに被せ、蓋付きの血液カップを血液カップホルダに置く。
【0037】
図3に示すように、血液カップ蓋206を血液カップ207に被せた後、血液カップ蓋206付きの血液カップ207を血液カップホルダ101に置き、ここで血液カップ207の底部が血液カップホルダ101の取り付け孔の開口に位置する。
【0038】
操作702:血液カップ蓋を回転軸に取り付ける。
【0039】
本発明の一実施形態では、第1駆動力により血液カップホルダを駆動して血液カップホルダを上昇させられる。血液カップホルダが上昇すると、血液カップ及び血液カップ蓋が上昇する。血液カップ蓋が回転軸と接触した後、血液カップホルダが血液カップ及び血液カップ蓋を上昇させ続ける。固定状態にある回転軸が血液カップ蓋の取り付け孔に入り、回転軸が締まり嵌めの方式により血液カップ蓋に接続される。血液カップホルダは上昇し続け、回転軸の端部が血液カップ蓋の取り付け孔の底部に達すると、血液カップ蓋の取り付けが完了となる。
【0040】
図3に示すように、ステッピングモーター205がネジ軸2041を駆動して正方向に回転させ、ネジ軸2041が正方向に回転してナット2042を駆動して上昇させ、血液カップホルダ101がナット2042の駆動の作用で上方に移動する。回転軸103の端部が血液カップ蓋206における取り付け孔の底部に達するまで血液カップホルダ101が上昇して、血液カップ207及び血液カップ蓋206を上方に移動させ、これにより、締まり嵌めの方式により血液カップ蓋206が回転軸103に接続される。
【0041】
操作703:血液カップを血液カップホルダに取り付ける。
【0042】
本発明の一実施形態では、血液カップ蓋が回転軸に取り付けられた後、血液カップホルダが第1駆動力の作用で上昇し続ける。血液カップ蓋が回転軸の作用下で上方に移動し続けることができなくなると、血液カップが、血液カップ蓋及び血液カップホルダの作用で、血液カップホルダの取り付け孔に入る。血液カップホルダは上昇し続け、血液カップの上縁が血液カップホルダと接触すると、血液カップホルダが移動を停止する。このようにして、締まり嵌めの方式により血液カップが血液カップホルダに取り付けられる。
【0043】
図3に示すように、締まり嵌めの方式により血液カップ蓋206を回転軸103に取り付けた後、血液カップ蓋206が回転軸103の作用で上へ移動し続けることができなくなったため、ステッピングモーター205が血液カップホルダ101を駆動し続けて上昇させ、血液カップ207が血液カップホルダ101及び血液カップ蓋206の共同作用で血液カップホルダ101における取り付け孔に入り、血液カップ207の上縁が血液カップホルダ101と接触すると、ステッピングモーター205が回転を停止し、血液カップ207の取り付けが完了する。
【0044】
操作704:血液カップに被測定血液を注入する。
【0045】
本発明の一実施形態では、血液カップ蓋及び血液カップの取り付けを完了した後、第2駆動力により血液カップホルダを駆動し、血液カップホルダが血液カップを連動して下方に所定の距離だけ移動させて、血液カップと血液カップ蓋の間に被測定血液を血液カップに注入可能な隙間を形成させ、血液カップと血液カップ蓋の間の隙間を介して、被測定血液及び対応する試薬を血液カップに加える。第1駆動力により血液カップホルダを駆動して上昇させ、血液カップが血液カップホルダに連動されて上昇し、血液カップと血液カップ蓋の間の隙間が設定値になると、血液カップが移動を停止し、ここまでで血液カップ及び血液カップ蓋の位置が測定位置に達する。
【0046】
図3に示すように、血液カップ207を血液カップホルダ101に取り付けした後、ステッピングモーター205がネジ軸2041を駆動して逆方向に回転させ、それによりナット2042が血液カップホルダ101を連動して下方に所定の距離、例えば10mm移動させる。この時に血液カップ207と血液カップ蓋206の間に10mmの幅の隙間が形成される。この隙間を介して被測定血液及び対応する試薬を血液カップ207に注入し、続いてステッピングモーター205がネジ軸2041を駆動して正方向に回転させ、それによりナット2042が血液カップホルダ101を上方に所定の距離、例えば5mm移動させ、この時に血液カップ207と血液カップ蓋206の間に5mmの隙間が残され、
図2に示すような状態となる。この時に血液カップ207及び血液カップ蓋206の位置が測定位置に達しており、被測定血液の血液凝固データの測定を開始することが可能となる。
【0047】
操作705:被測定血液の血液凝固データを測定する。
【0048】
本発明の一実施形態では、
図2に示すように、血液カップホルダ101により血液カップ207を駆動して、血液カップ207を時計方向と反時計方向に交替して回転させ、血液カップ207内の血液が血液カップ蓋206および回転軸103を対応する方向へ回転させ、回転軸103の回転角度に基づいて被測定血液の血液凝固データが取得される。
【0049】
操作706:血液カップ蓋を取り外す。
【0050】
本発明の一実施形態では、被測定血液の血液凝固データの測定が完了した後、第2駆動力により取り外し機構を駆動して降下させる。血液カップ蓋が回転軸に接続されているため、取り外し機構が降下する過程で血液カップ蓋に下向きの作用力を印加する。血液カップ蓋が取り外し機構の作用力に駆動されて下方に移動し、最終的に回転軸から脱離し、血液カップ蓋が回転軸から分離された後血液カップに落下する。
【0051】
図2に示すように、被測定血液の血液凝固データの測定が完了した後、ステッピングモーター205がネジ軸2041を駆動して逆方向に回転させ、それによりナット2042が血液カップホルダ101及び取り外し機構102を下へ移動させる。取り外し機構102が所定の距離だけ降下した後に血液カップ蓋206と接触し、血液カップ蓋206が回転軸103から脱離するまで取り外し機構102が降下し続けて血液カップ蓋206を押し付けて下へ移動させる。血液カップ蓋206が回転軸103から分離された後血液カップ207に落下し、ここまでで血液カップ蓋206の取り外しが完了する。
【0052】
操作707:血液カップを取り外す。
【0053】
本発明の一実施形態では、血液カップホルダが第2駆動力の作用で下方に移動し続け、血液カップホルダの底部の貫通孔から伸び込んだ突き上げピンが血液カップの底部と接触する。その後、血液カップホルダが降下するに伴って突き上げピンが血液カップを血液カップホルダにおける取り付け孔から突き上げ、ここまでで血液カップの取り外しが完了する。
【0054】
図4に示すように、血液カップホルダ101がナットの駆動力により降下し続け、所定の距離だけ降下した後、血液カップ207の底部が貫通孔1011から伸び込んだ突き上げピン408と接触する。血液カップホルダ101が降下し続ける過程で、突き上げピン408が血液カップ207を血液カップホルダ101の取り付け孔から突き上げ、これで血液カップ207の取り外しが完了する。
【0055】
操作708:血液カップ及び血液カップ蓋を血液カップホルダから移す。
【0056】
本発明の一実施形態では、血液カップ及び血液カップ蓋が取り外された後、血液カップ蓋が回転軸から取り外される。血液カップと血液カップホルダの間がタイトにされていないため、血液カップ及び血液カップ蓋が直接的に血液カップホルダから取り外され、これで血液凝固データ測定が完了する。
【0057】
本発明の方法の実施形態では、未使用と使用後の血液カップ及び血液カップ蓋は血液カップおよび血液カップ蓋と総称されており、ここで、未使用の血液カップおよび血液カップ蓋は被測定血液の血液凝固データを測定する前の血液カップおよび血液カップ蓋を意味し、使用後の血液カップおよび血液カップ蓋は被測定血液の血液凝固データを測定した後の血液カップおよび血液カップ蓋を意味することを説明する必要がある。
【0058】
図8に示すように、本発明の実施形態は、第1支持体801と、第2支持体802と、宝石軸受803と、頂部錐体804と、回転軸805と、リミット機構806と、を含む。第1支持体801は、宝石軸受803に接続されている。第2支持体802は、頂部錐体804及び回転軸805にそれぞれ接続されている。宝石軸受803は、第2支持体802及び前記回転軸805が被測定血液の駆動により回転可能となるように頂部錐体804を支持している。リミット機構806は、外部の血液カップ蓋と前記回転軸805とが接続されるか又は分離されるときに、第1支持体801の位置を規制して宝石軸受803を頂部錐体804から分離するために用いられる。
【0059】
本発明の実施形態で提供される血液凝固データ測定装置において、宝石軸受が第1支持体に接続され、頂部錐体及び回転軸がいずれも第2支持体に接続され、第1支持体が、一体に係合された宝石軸受と頂部錐体により、第2支持体及び回転軸を支持する。血液カップ蓋を回転軸に接続すること又は血液カップ蓋を回転軸から分離することが必要とされる時に、リミット機構により宝石軸受及び頂部錐体の位置を規制して宝石軸受を頂部錐体から分離し、続いて血液カップ蓋を回転軸に接続するか又は血液カップ蓋を回転軸から分離する。このようにして、血液カップ蓋と回転軸とを接続又は分離するときに、宝石軸受が頂部錐体と接触せず、これにより、回転軸の受けた力が宝石軸受に作用することがなく、宝石軸受が血液カップ蓋と回転軸と接続又は分離するときに破損することを回避して、これにより宝石軸受が破損するリスクを軽減している。
【0060】
本発明の一実施形態では、
図9に示すように、血液凝固データ測定装置は第1駆動機構907を含んでいてもよい。第1駆動機構907は、リミット機構806に接続されている。ここで、第1支持体801が宝石軸受803に接続されており、かつ、第1支持体801の位置が固定されており、第2支持体802が頂部錐体804及び回転軸805にそれぞれ接続されており、回転軸805が小さい摩擦力で回転できるように、宝石軸受803が垂直方向に頂部錐体804を支持してもよい。
【0061】
具体的には、リミット機構806は貫通孔が設けられた板状構造であり、回転軸805の直径がリミット機構806の貫通孔の直径より小さい。リミット機構806が駆動機構によって駆動できる場合、
図9に示すように、リミット機構806が第2支持体802と接触して回転軸805を上昇駆動し、一定の距離だけ上昇した後に移動を停止して第2支持体802を支持し、回転軸805の位置を固定する作用を果たすことができる。そしてこの時に、回転軸80と血液カップ蓋とを分離することができる。リミット機構806が駆動機構により相対的に移動することができない場合に、
図10に示すように、第2支持体802が一定の距離だけ降下した後にリミット機構806と接触し、リミット機構806に支持されて第2支持体802が降下し続けることができなくなる。さらに、回転軸805が第2支持体806に固定されているため、リミット機構806が回転軸805の位置を固定する作用を達成することがでる。そしてこの時に、回転軸805を血液カップ蓋から分離することができる。
【0062】
血液カップ蓋を回転軸805に取り付けるか又は血液カップ蓋を回転軸805から取り外すことが必要とされる時に、第1駆動機構907がリミット機構806を駆動する。リミット機構806が第1駆動機構907の駆動を受けて第2支持体802を上方に移動させ、第2支持体802が上方に移動して頂部錐体804及び回転軸805が上方に移動するように駆動し、これにより、第1支持体801に接続された宝石軸受803が第2支持体802に接続された頂部錐体804から分離する。宝石軸受803と頂部錐体804が分離された後、リミット機構806が第2支持体802、頂部錐体804及び回転軸805を支持する。
【0063】
血液カップ蓋を回転軸805に取り付ける時に、血液カップ蓋が回転軸805を押し付けて上方に移動させる。回転軸805が上方に移動して、第2支持体802及び頂部錐体804を上昇駆動させ続け、そして、第1支持体801が第2支持体802と直接接触する。すると、第2支持体802及び回転軸805が第1支持体801の作用により移動を停止する一方で、血液カップ蓋が上昇し続け、締まり嵌めの方式により回転軸に接続される。血液カップ蓋の取り付け過程において、宝石軸受803が頂部錐体804と接触せず、このため、血液カップ蓋の取り付け過程で発生する力又は衝撃によって宝石軸受803が損傷することを防止することができる。
【0064】
血液カップ蓋を回転軸805から取り外す時に、血液カップ蓋が下向きの作用力を受ける。血液カップ蓋と回転軸805の間が締まり嵌めの方式により接続されているため、回転軸805が同様に下向きの作用力を受ける。しかし、リミット機構806が第2支持体802、頂部錐体804及び回転軸805を支持するため、回転軸805は移動しない。血液カップ蓋は下向きの作用力で回転軸805に対して相対的に変位し、これにより血液カップ蓋と回転軸805の分離が実現される。血液カップ蓋を回転軸805から取り外す過程では、リミット機構806が先に頂部錐体804を宝石軸受803から分離させるよう駆動するため、血液カップ蓋を回転軸805から取り外す過程で、リミット機構806が第2支持体802を支持する。宝石軸受803と頂部錐体804の相対的位置が変化しないため、血液カップ蓋を回転軸805から取り外す過程で、宝石軸受803が頂部錐体804と接触せず、血液カップ蓋の取り外し過程で発生する作用力又は衝撃による宝石軸受803の損傷を防止することができる。ここで、第1駆動機構907はスクリューにより実現可能である。
【0065】
本発明の一実施形態では、
図10に示すように、血液凝固データ測定装置は、第1支持体801に接続される第2駆動機構1008を含んでいてもよい。リミット機構806が第1支持体801及び第2支持体802に対して固定的に設けられている。第1支持体801が宝石軸受803に接続され、かつ、第1支持体801の位置は固定されている。第2支持体802は頂部錐体804及び回転軸805にそれぞれ接続されている。回転軸805が小さい摩擦力で回転できるように、宝石軸受803が垂直方向に頂部錐体804を支持してもよい。
【0066】
血液カップ蓋を回転軸805に取り付け又は血液カップ蓋を回転軸805から取り外すことが必要とされる時に、第2駆動機構1008が第1支持体801を駆動して第1支持体801の高さを低下させる。第1支持体801が降下し始めると、第2支持体802が第1支持体801と一緒に降下する。第2支持体802は、一定の距離降下した後、リミット機構806と接触し、リミット機構806の支持により第2支持体802が降下を停止する。しかしながら、第1支持体801は、第2駆動機構1008の作用で降下し続けるので、宝石軸受803は頂部錐体804から分離される。宝石軸受803と頂部錐体804が分離された後、第2駆動機構1008は、第1支持体801への駆動を停止し、かつ、第1支持体801を支持して第1支持体801を現在位置に保持する。
【0067】
血液カップ蓋が回転軸805に取り付けられると、血液カップ蓋が上向きの作用力を受ける。血液カップ蓋と回転軸805の間が締まり嵌めの方式により接続されているため、血液カップ蓋が回転軸805と接触すると、回転軸805も血液カップ蓋から上向きの力を受け、第1支持体801が第2支持体802と直接接触するまで、回転軸805が該上向きの力の駆動を受けて第2支持体802及び頂部錐体804を上方に移動させる。第1支持体801が第2駆動機構1008に支持されて固定状態となり、第2支持体802が第1支持体801と接触すると、第2支持体802及び回転軸805が第1支持体801の作用で移動を停止する。また、血液カップ蓋が上向きの力の作用で回転軸805に対して相対的に移動し、締まり嵌めの方式により回転軸805に接続される。これにより、血液カップ蓋の取り付けが完了する。血液カップ蓋を取り付ける前に、第2駆動装置1008がすでに第1支持体801を連動して移動させて宝石軸受803と頂部錐体804を分離しているので、血液カップ蓋を取り付ける過程で第2駆動装置1008が第1支持体801を支持し、宝石軸受803の位置が変化しないことが保証される。また、第2支持体802が回転軸805の駆動で頂部錐体が宝石軸受803から離れるように移動させる。このようにして血液カップ蓋の取り付け過程で宝石軸受803が頂部錐体804と接触することがなく、血液カップ蓋の取り付け過程で発生する力又は衝撃により、宝石軸受803が損傷することが防止される。
【0068】
血液カップ蓋を回転軸805から取り外す時に、血液カップ蓋が下向きの力を受けることになり、血液カップ蓋と回転軸805の間が締まり嵌めの方式により接続されているため、回転軸805が下向きの力を受けるが、第2駆動機構1008が第1支持体801を支持し、第1支持体801の位置を固定するため、宝石軸受803の位置が変化しないことが保証される。一方、第2支持体802がリミット機構806の支持により固定状態となり、頂部錐体804の位置が変化しないことが保証される。このため、宝石軸受803が頂部錐体804と接触しないことが保証される。回転軸805が第2駆動機構1008の支持により移動しないため、血液カップ蓋は下向きの力により回転軸805に対して下方に移動し、回転軸805から取り外されて、血液カップ蓋と回転軸805の分離が実現される。血液カップ蓋を取り外す全過程で宝石軸受803が頂部錐体804と接触せず、宝石軸受803と頂部錐体804の間に力が働かないため、血液カップ蓋の取り外し過程で発生する力又は衝撃により宝石軸受803が損傷することを防止することができる。
【0069】
ここで、第2駆動機構1008はスクリューにより実現可能である。
【0070】
本発明の一実施形態では、血液凝固データ測定装置は、取り外し機構を更に含んでよく、ここで、取り外し機構の中部に貫通孔が設置される。回転軸が取り外し機構の中部の貫通孔を貫通し、かつ、この回転軸は取り外し機構と接触しないようになっている。取り外し機構は駆動力の作用により回転軸の端部に向けて移動可能であり、これにより、回転軸端部に接続された血液カップ蓋を回転軸に対して相対的に移動させて、血液カップ蓋を回転軸から脱離させて、血液カップ蓋を回転軸から分離することができる。このようにして取り外し機構が血液カップ蓋と回転軸の分離を自動的に行うため、手動操作により血液カップ蓋と回転軸を分離する必要がなく、血液凝固データ測定過程での測定者の労力を軽減することができる。
【0071】
図11に示すように、血液カップ蓋1110は、締まり嵌めの方式により回転軸805の端部に接続されており、血液カップ蓋1110を回転軸805から分離することが必要とされる時には、駆動力により取り外し機構1109を下方に移動させる。取り外し機構1109が血液カップ蓋1110と接触すると、血液カップ蓋1110が下向きの力を受けることになるが、回転軸805が第2支持体の作用により固定状態となっており、血液カップ蓋1110が下向きの力によって駆動されて回転軸805に対して下方に移動する。このため、血液カップ蓋1110を回転軸805から脱離させて、血液カップ蓋1110と回転軸805の分離を実現することができる。ここで取り外し機構1109はステッピングモーターなどの設備により駆動可能であり、血液カップ蓋1110と回転軸805の分離の自動化が実現され、手動操作により血液カップ蓋と回転軸を分離する必要がなく、血液凝固データ測定過程での測定者の労力が軽減される。
【0072】
本発明の一実施形態では、
図12に示すように、頂部錐体804に接続ボルト8041と第1ガイドプラットフォーム8042が設けられ、第2支持体802に接続ナット8021と第2ガイドプラットフォーム8022が設けられており、接続ボルト8041が接続ナット8021に係合されて頂部錐体804を第2支持体802に接続し、接続ボルト8041が接続ナット8021に係合された後、第1ガイドプラットフォーム8042が第2ガイドプラットフォーム8022に嵌まり合うようになり、頂部錐体804と第2支持体802との間の角度が規定される。
【0073】
ネジ接続の間に一定の隙間が存在するため、単純にネジ接続により第2支持体802を頂部錐体804に接続すれば、頂部錐体804と第2支持体802の相対的位置に一定の誤差が生じる。すると、頂部錐体804と第2支持体802との間の角度が90°でなくなる。頂部錐体804と第2支持体802の間の角度が90°でなくなると、頂部錐体804により支持される回転軸の軸線は垂直方向に対してゼロでない角度となる。そうなると、回転軸の駆動力および摩擦力が変化することになり、このことにより、回転軸の回転角度に基づいて求められる血液凝固データに大きい誤差が存在するようになる。
【0074】
第1ガイドプラットフォーム8042と第2ガイドプラットフォーム8022を設けることにより、接続ボルト8041が接続ナット8021に係合された後、第1ガイドプラットフォーム8042と第2ガイドプラットフォーム8022が相互に密接するようになる。第1ガイドプラットフォーム8042と第2ガイドプラットフォーム8022を仕上げ加工することで、第1ガイドプラットフォーム8042と第2ガイドプラットフォーム8022の平坦度が保証される。第1ガイドプラットフォーム8042と第2ガイドプラットフォーム8022が相互に密接すると、頂部錐体804と第2支持体802の間の角度が90°であることが保証され、これにより回転軸の軸線と垂直方向との間の角度がゼロとなり、血液凝固データ測定装置による血液凝固データの測定精度が保証される。
【0075】
本発明の一実施形態では、血液凝固データ測定装置は、更に第1支持体に接続される第1磁石と、第2支持体に接続される第2磁石とを含んでいてもよい。第1磁石と第2磁石の位置が対応し、かつ、同じ極性の磁極が対向している。第1磁石と第2磁石の位置が対応しかつ同性磁極が対向しているため、第1磁石と第2磁石の間には頂部錐体が宝石軸受に与える圧力を低減する斥力が発生し、頂部錐体が宝石軸受に与える圧力が減少する。頂部錐体が宝石軸受に与える圧力が減少すると、頂部錐体と宝石軸受の間の摩擦力を低減することができ、頂部錐体と宝石軸受の間の摩擦力の低減により、回転軸が回転する過程で受ける抵抗を低減することができる。このため、回転軸の回転角度が被測定血液の粘度をより正確に体現することができ、更に血液凝固データ測定装置による血液凝固データの測定精度を高めることができる。
【0076】
本発明の実施形態で提供される血液凝固データ測定装置は、宝石軸受と頂部錐体の分離を実現して、宝石軸受又は頂部錐体の損傷を回避することができることに留意されたい。この分離過程は血液カップ蓋の着脱過程で発生してもよく、血液凝固データ測定装置を搬送する過程で発生してもよく、これにより血液凝固データ測定装置の搬送過程で回転軸が揺れることにより宝石軸受又は頂部錐体が損傷することが防止され、血液凝固データ測定装置全般の安全性を向上させることができる。
【0077】
図13に示すように、本発明の一実施形態は、本発明の実施形態で提供されるいずれか一つの血液凝固データ測定装置に基づいて血液カップ蓋を着脱させる方法を提供し、この方法は以下の操作を含む。
【0078】
操作1301:リミット機構により宝石軸受及び頂部錐体の位置を規制して、宝石軸受と前記頂部錐体を分離する。
【0079】
操作1302:血液カップ蓋を回転軸に接続するか、又は回転軸から分離する。
【0080】
本発明の一実施形態では、前記血液凝固データ測定装置が第1駆動機構を備える場合に、
前記リミット機構により前記第1支持体の位置を規制して、前記宝石軸受と前記頂部錐体を分離するステップは、
前記第1駆動機構により前記リミット機構を作動させ、前記リミット機構が前記第1支持体を移動させて前記宝石軸受と前記頂部錐体を分離するステップ、および、
前記宝石軸受と前記頂部錐体を分離する前記ステップの後、更に、前記リミット機構により前記第1支持体を支持するステップ、を含む。
【0081】
本発明の一実施形態では、前記血液凝固データ測定装置が第2駆動機構を備える場合に、
前記リミット機構により前記第1支持体の位置を規制して前記宝石軸受と前記頂部錐体を分離するステップは、
前記第2駆動機構により前記第1支持体を駆動して前記第1支持体の高さを下げ、前記第1支持体が降下する過程で前記リミット機構により前記第2支持体の位置を規制して前記宝石軸受と前記頂部錐体を分離するステップ、および、
前記宝石軸受と前記頂部錐体を分離する前記ステップの後、更に、前記第2駆動機構により前記第1支持体を支持するステップ、を含む。
【0082】
本発明の一実施形態では、前記血液凝固データ測定装置が前記取り外し機構を含む場合に、
前記血液カップ蓋を前記回転軸から分離するステップは、
駆動力の作用により取り外し機構を前記回転軸の端部に向けて移動させ、前記取り外し機構が前記回転軸端部に接続された前記血液カップ蓋を駆動させて前記回転軸に対する相対移動を生じさせ、前記血液カップ蓋と前記回転軸との係合を解除させて、前記血液カップ蓋を前記回転軸から分離するステップと、を含む。
【0083】
本発明で提供される血液カップ蓋の着脱方法をより明らかにするために、以下、
図2及び
図3に示す血液凝固データ測定装置に基づいて血液カップ蓋の着脱方法を更に詳細に説明する。
【0084】
図14に示すように、本発明の一実施形態は血液カップ蓋の着脱方法を提供し、該方法は以下の操作を含む。
【0085】
操作1401:宝石軸受と頂部錐体を分離する。
【0086】
本発明の一実施形態では、血液カップ蓋を取り付ける前に、まずリミット機構により宝石軸受及び頂部錐体の位置を規制して、宝石軸受と頂部錐体を分離し、血液カップ蓋を取り付ける過程で宝石軸受及び頂部錐体が損傷することを防止する。
【0087】
例えば、
図9に示すように、血液カップ蓋を回転軸805に接続する前に、第1駆動機構207によりリミット機構806を駆動してリミット機構806を上昇させる。リミット機構806が上昇すると、第2支持体802、頂部錐体804及び回転軸805が駆動されて上昇し、宝石軸受803と頂部錐体804が分離される。リミット機構806が一定の距離上昇した後移動を停止し、第2支持体802、頂部錐体804及び回転軸805を支持する。
【0088】
また、例えば、
図10に示すように、血液カップ蓋を回転軸805に接続する前に、第2駆動機構308により第1支持体801を駆動して第1支持体801を降下させる。第1支持体801が降下し始めると、第2支持体802が第1支持体801と共に降下し、第2支持体802が一定の距離降下した後、固定的に設置されたリミット機構806と接触する。リミット機構806の支持で第2支持体802が降下を停止するが、第1支持体801が第2駆動機構1008の作用で降下し続けて宝石軸受803と頂部錐体804を分離する。宝石軸受803と頂部錐体804が分離された後、第1支持体801が所定の距離降下し続けた後移動を停止し、第2駆動機構1008が第1支持体801及び宝石軸受803を支持し、リミット機構806が第2支持体802、頂部錐体804及び回転軸805を支持する。
【0089】
操作1402:血液カップ蓋を回転軸に取り付ける。
【0090】
本発明の一実施形態では、宝石軸受と頂部錐体を分離した後、血液カップ蓋の取り付け孔を回転軸の端部と接触させ、血液カップ蓋に上向きの力を加え、この力により血液カップ蓋が回転軸に対して相対的に移動して、回転軸の端部が血液カップ蓋における取り付け孔に入り、締まり嵌めの方式により血液カップ蓋を回転軸に接続する。
【0091】
例えば、
図9又は
図10に示すように、宝石軸受803と頂部錐体804が分離された後、血液カップ蓋の取り付け孔を回転軸805の下端と接触し、血液カップ蓋に上向きの力が加わり、この力が血液カップ蓋を介して回転軸805に伝達される。第2支持体802が固定的に設置された第1支持体801と直接接触するまで、回転軸805が作用する力により第2支持体802及び頂部錐体804を上方に移動するように駆動する。第2支持体802が第1支持体801と接触すると、第2支持体802及び回転軸805が第1支持体801の作用で上へ移動し続けることができなくなる。この時に血液カップ蓋が上向きの力により回転軸805に対して相対的に移動し、回転軸805の下端部が血液カップ蓋の取り付け孔に入り、締まり嵌めの方式により回転軸805が血液カップ蓋に接続される。
【0092】
操作1403:宝石軸受を頂部錐体と接触させ、被測定血液の血液凝固データの測定を開始する。
【0093】
本発明の一実施形態では、血液カップ蓋を回転軸に取り付けた後、リミット機構により改めて宝石軸受及び頂部錐体の位置が規制され、宝石軸受が頂部錐体と接触し、頂部錐体により第2支持体及び回転軸が支持される。血液カップ蓋を血液カップに置き、血液カップ蓋が血液カップ中の被測定血液に駆動されて回転軸を回転させ、回転軸の回転角度に基づいて被測定血液の血液凝固データが取得される。
【0094】
例えば、
図9に示すように、血液カップ蓋を回転軸805に接続した後、第1駆動機構907によりリミット機構806を駆動してリミット機構806を降下させる。リミット機構806が降下する過程で、第2支持体802、頂部錐体804及び回転軸805がリミット機構806と共に降下する。頂部錐体804が宝石軸受803と接触した後、リミット機構806が所定の距離だけ降下し続けて、第2支持体802から分離される。リミット機構806と第2支持体802が分離された後、第2支持体802及び回転軸805が頂部錐体804により支持されるようになる。回転軸805および第2支持体802は、被測定血液の駆動により回転し、回転軸805の回転角度に基づいて被測定血液の血液凝固データが決定される。
【0095】
また、例えば、
図10に示すように、血液カップ蓋を回転軸805に接続した後、第2駆動機構1008により第1支持体801を駆動して、第1支持体801および宝石軸受803共に上昇させる。宝石軸受803が頂部錐体804と接触した後、第2駆動機構1008が第1支持体801を駆動して所定の距離だけ上昇させ続けて、第2支持体802とリミット機構806を分離する。第2支持体802とリミット機構806が分離された後、第2駆動機構1008が動きを停止して第1支持体801を支持し、第1支持体801が宝石軸受803及び頂部錐体804により、第2支持体802及び回転軸805を支持する。血液カップ蓋、回転軸805および第2支持体802が被測定血液の駆動により回転し、回転軸805の回転角度に基づいて、被測定血液の血液凝固データが決定される。
【0096】
操作1404:宝石軸受と頂部錐体を分離する。
【0097】
本発明の一実施形態では、被測定血液の血液凝固データの測定が完了した後、使用後の血液カップ蓋を回転軸から取り外すことが必要とされる。血液カップ蓋を取り外す前に、先ず宝石軸受と頂部錐体を分離する必要がある。具体的には、宝石軸受と頂部錐体を分離する過程が操作1401と同様であり、ここではその説明は繰り返さない。
【0098】
操作1405:血液カップ蓋を回転軸から取り外す。
【0099】
本発明の一実施形態では、宝石軸受と頂部錐体を分離した後、取り外し機構により血液カップ蓋を押し付けて回転軸上を移動させ、血液カップ蓋を回転軸から取り外して、血液カップ蓋と回転軸を分離する。
【0100】
例えば、
図11に示すように、駆動力により取り外し機構1109を駆動して、取り外し機構1109を下方に移動させる。取り外し機構1109が下方に移動して血液カップ蓋1110と接触すると、血液カップ蓋に下向きの力を与えられ、血液カップ蓋1110が該下向きの力で駆動されて下方に移動する。血液カップ蓋1110が下方に移動する過程で回転軸805が固定状態となり、血液カップ蓋1110が下方に所定距離だけ移動した後、回転軸805から押し離されて、血液カップ蓋1110と回転軸805の分離が実現される。
【0101】
図9又は
図10に示すように、血液カップ蓋が下向きの力を受けると、回転軸805、第2支持体802及び頂部錐体804がリミット機構806により支持されて固定状態となる。回転軸805が下方に移動できなくなるため、血液カップ蓋が下向きの力により駆動されて回転軸805に対して相対的に移動して、血液カップ蓋が回転軸から取り外され、これにより、締まり嵌めにより接続された血液カップ蓋と回転軸が分離される。血液カップ蓋と回転軸の分離過程で、第1支持体801の位置が固定されており、第2支持体802がリミット機構806により回転軸からの下向きの牽引力に抵抗し、宝石軸受803と頂部錐体804とが接触せず、かつ、相互作用力が働かない。このため、血液カップ蓋と回転軸の分離過程で宝石軸受803及び頂部錐体804が損傷することがない。
【0102】
図15に示すように、本発明の実施形態は、第1固定接続部材1501と、第2固定接続部材1502とを含む接続アセンブリを提供し、
第1固定接続部材1501は、固定部15011と、固定部15011に固定された安定化プラットフォーム15012と、固定部15011に固定された接続部15013と、を含み、
固定部15011は、外部の第1支持アセンブリに固定され、
安定化プラットフォーム15012は、外部の第1支持アセンブリの平面に取り付けられ(密接され)、
接続部15013は、第2固定接続部材1502と点接続で接続され、
第2固定接続部材1502は、外部の第2支持アセンブリに固定的に接続され、
外部の第1支持アセンブリは、外部動力によって駆動され、接続部15013の第2固定接続部材1502への点接続によって、外部の第2支持アセンブリに対して回転する。
【0103】
図15に示す実施形態では、接続アセンブリにおける第1固定接続部材は、固定部により外部の第1支持アセンブリに固定され、安定化プラットフォームにより外部の第1支持アセンブリの1つの平面に密接しており、第1固定接続部材と第1支持アセンブリの接触面積を増加させている。このようにして、外部の第1支持アセンブリが接続部と第2固定接続部材の点接続により第2支持アセンブリの回りに回転する時に、第1固定接続部材と第1支持アセンブリの間の摩擦力が増加し、第1固定接続部材と第1支持アセンブリの間の相対的な移動を回避することができ、回転抵抗の発生を効果的に低減することができる。
【0104】
本発明で提供される実施形態では、点接続の方式は、2つの接触部材同士が完全に接触せず、、かつ、接触面積が所定値より小さいようになっているようなものであってもよい。例えば、上記接続部と第2固定接続部材が点接続の方式により接続された時、接触面積が1平方ミリメートルより小さい。
【0105】
図16に示すように、本発明の別の実施形態では、安定化プラットフォーム16012と接続部16013が固定部16011の一端に設けられている。
安定化プラットフォーム16012及び固定部16011が「逆T(T字の上下を逆転させたもの)」型を形成し、安定化プラットフォーム16012と接続部6013が「T」型を形成している。
固定部16011の安定化プラットフォーム16012に対する第1垂直中心線が接続部16013の安定化プラットフォーム16012に対する第2垂直中心線と一致している。安定化プラットフォームの形状は、六角形、円形など、任意に設定することができる。
【0106】
本発明の別の実施形態では、固定部が外部の第1支持アセンブリの第1平面を介して第1支持アセンブリに挿入されている。例えば固定部のハウジングにネジを設け、ネジを通して固定部を第1支持アセンブリに挿入して、第1固定接続部材を外部の第1支持アセンブリに固定することを実現することができる。固定部が第1支持アセンブリに挿入されると、安定化プラットフォームが第1平面に密接するようになり、第1固定接続部材と外部の第1支持アセンブリの接触面積が効果的に増加される。第1支持アセンブリが回転するときに、第1固定接続部材と外部の第1支持アセンブリの間の摩擦力が増加するので、第1固定接続部材を第1支持アセンブリに安定的に固定することができる。
【0107】
本発明の別の実施形態では、接続部および第2固定接続部材は、頂部錐体および宝石軸受であってよく、ここで、宝石軸受は餅状構造である。餅状構造の1つの平面にテーパー状凹溝が設置されており、頂部錐体がテーパー構造であり、頂部錐体の先端が宝石軸受におけるテーパー状凹溝の中に位置し、頂部錐体と宝石軸受が点接触の方式により接続される。例えば、頂部錐体の先端が0.5平方ミリメートルの面積を有し、この0.5平方ミリメートルの面積の先端が宝石軸受のテーパー状凹溝に点接触する。
【0108】
次に、それぞれ以下の二種の形態について接続アセンブリの構造を説明する。
【0109】
形態1:接続部が頂部錐体であり、かつ、第2固定接続部材が宝石軸受である場合、
図17に示すように、固定部17011及び安定化プラットフォーム17012が「逆T」型を形成し、安定化プラットフォーム17012は、接続部としての頂部錐体17013と「T」型を形成し、頂部錐体17013の先端と、第2固定接続部材としての宝石軸受1702の底部とが点接触し、宝石軸受1702が、頂部錐体17013、安定化プラットフォーム17012及び固定部17011を支持する。
【0110】
形態2:接続部が宝石軸受であり、第2固定接続部材が頂部錐体である場合、
図18に示すように、固定部18011および安定化プラットフォーム18012が「逆T」型を形成し、安定化プラットフォーム18012と、接続部としての宝石軸受18013が「T」型を形成し、第2固定接続部材としての頂部錐体1802の先端と宝石軸受18013の底部とが点接触し、頂部錐体1802が、宝石軸受18013、安定化プラットフォーム18012及び固定部18011を固定する。
【0111】
図19に示すように、本発明の実施形態は、支持体を提供し、この支持体は、上述した取り付けアセンブリ1901、第1の支持アセンブリ1902および第2の支持アセンブリ1903を備えている。
第1支持アセンブリ1902は、接続アセンブリ1901の第1固定接続部19011を固定し、第1支持アセンブリ1902の平面の1つは、第1固定接続部19011の安定化プラットフォームに密接する。
第2の支持アセンブリ1903は、接続アセンブリ1901の第2の固定接続部19012を固定する。
接続アセンブリ1901の第1の固定接続部材19011および第2の固定接続部材19012は、点接続によって互いに接続されている。
第1支持アセンブリ1902は、外部の被支持体に対して固定的に接続される。
第1支持アセンブリ1902は、第1固定接続部19011を介して、外部の被支持物による駆動で、第2支持アセンブリ1903に対して回転する。。
【0112】
本発明の別の実施形態では、第1支持アセンブリは、「凹」状平面と、「凹」状平面の凹溝に位置し凹溝と共に「段差」状を構成した挿入孔とを含み、第1固定接続部材の固定部が挿入孔に挿入され、第1固定接続部材の安定化プラットフォームが凹溝に密接している。この接続方式を正確に説明可能にするために、第1固定接続部材の接続部が頂部錐体であり、第2固定接続部材が宝石軸受である例にとって説明する。
図20に示すように、第1支持アセンブリ2002は、「凹」状平面20021と、「凹」状平面20021の凹溝に位置し凹溝と共に「段差」状を構成した挿入孔20022とを含む。第1固定接続部材20011の固定部200111が挿入孔20022に挿入され、第1固定接続部材20011の安定化プラットフォーム200112が凹溝に密接している。第2固定接続部材としての宝石軸受20012が第2支持アセンブリ2003に固定され、第1固定接続部材20011の接続部としての頂部錐体200113の先端が、宝石軸受20012におけるテーパー状凹溝内に位置し、頂部錐体200113と宝石軸受20012が点接触の方式により接続されるようになっている。上記接続方式により、第1固定接続部材20011と第1支持アセンブリ2002の間の接触面積が効果的に増加される。このため、外部の被支持物が第1支持アセンブリ2002を駆動して回転させる時に、第1固定接続部材20011と第1支持アセンブリ2002の間の摩擦力が大幅に増加されて、第1固定接続部材20011がより確実に第1支持アセンブリ2002に固定可能になり、これにより、第1支持アセンブリ2002が第2支持アセンブリ2003に対して回転する時の回転抵抗が低減される。
【0113】
図21に示すように、本発明の実施形態は、上記のいずれかに記載の支持体2101と、被支持物2102とを含む血液凝固データ測定装置を提供し、被支持物2102は、支持体2101の第1支持アセンブリに固定的に接続され、外部動力により駆動されて第1支持アセンブリを回転させる。
【0114】
本発明の別の実施形態では、被支持物2102は回転軸を含み、回転軸は、支持体の第1支持アセンブリに固定的に接続されており、被測定血液の駆動により第1支持アセンブリを回転させる。
【0115】
図22に示すように、本発明の実施形態は、上記血液凝固データ測定装置いずれかの使用方法を提供し、この方法は、以下の操作を含む。
操作2201:被支持物を支持体の第1支持アセンブリに固定的に接続すること、
操作2202:被支持物が外部動力により駆動されること、および、
操作2203:被支持物が第1支持アセンブリを駆動して回転させること。
【0116】
上記操作2203において、被支持物が第1支持アセンブリに固定的に接続され、第1支持アセンブリは、接続アセンブリの点接続によって第2支持アセンブリに接続される。被支持物が外部からの駆動力で、第1支持アセンブリを点接続の接触点の回りに回転させる。第2支持アセンブリが1つの接触点のみにより第1支持アセンブリ及び被支持物を支持するため、第1支持アセンブリと第2支持アセンブリが相対的に回転する時に発生する摩擦力が小さくて、被支持物が回転する時に受ける回転抵抗が低減される。
【0117】
本発明の一実施形態では、上記使用方法は血液凝固データ測定装置に応用される。被支持物は、回転軸を含む。操作2202の具体的な実施形態は、回転軸を被測定血液中に配置することと、被測定血液が回転する時に駆動力を受けることと、を含む。即ち、回転軸の下端の所定の長さが被測定血液に没入した後、回転装置により血液容器が一定の速度で回転させられ、血液容器が回転して収容された被測定血液を回転させる。被測定血液が或る粘性を有するため、被測定血液が回転して回転軸に回転トルクを発生させ、回転軸がこの回転トルクの作用で回転する。被測定血液の粘性が大きいほど、回転軸の回転角度が大きい。
【0118】
本発明の一実施形態では、操作2203の後、更に、回転軸により回転角度を提供するステップを含む。被測定血液が或る粘性を有するため、被測定血液が回転して回転軸上で回転トルクを発生させ、回転軸がこの回転トルクの作用で回転することは前述した通りである。このように回転軸の回転角度が被測定血液の粘性と関連しているので、血液凝固データ測定装置は各類のセンサーにより回転軸の回転角度を測定し、回転軸の回転角度に基づいてトロンボエラストグラムを形成し、このトロンボエラストグラムに基づいて被測定血液の粘弾性を表す指標パラメーターを取得する。あるいは、回転軸の回転角度を被測定血液の粘弾性を表す指標パラメーターに直接変換することができる。
【0119】
図23に示す血液凝固データ測定装置を例にとって、血液凝固データ測定装置の使用方法を更に説明する。
図24に示すように、この使用方法は以下のステップを含む。
【0120】
操作2401:回転軸を支持体の第1支持アセンブリに固定的に接続する。
【0121】
図23に示すように、血液凝固データ測定装置は、回転軸2304と、
図20に示す支持体とを含む。接続アセンブリ2301の第1固定接続部材23011(これは固定部230111、安定化プラットフォーム230112及び頂部錐体230113を含む)は、第1支持アセンブリ2302に固定されている。第2固定接続部材としての宝石軸受23012が第2支持アセンブリ2303に固定されている。
ここで、第1固定接続部材23011を第1支持アセンブリ2302に固定する固定方式は、以下の通りである。つまり、固定部230111が第1支持アセンブリ2302における挿入孔23022に挿入される。この挿入孔23022が「凹」型平面23021における凹溝23023内に形成されている。安定化プラットフォーム230112が凹溝23023に密接している。接続部としての頂部錐体230113の先端と宝石軸受23012が点接触の方式により接続されている。固定部230111、安定化プラットフォーム230112及び頂部錐体230113が一体であってもよく、即ち固定部230111、安定化プラットフォーム230112及び頂部錐体230113の間に接続隙間がない。
また、回転軸2304が第1支持アセンブリ2302に接続され、回転軸2304が垂直に維持できるのであれば、その接続方式は柔軟に設定してよい。例えば、第1支持アセンブリ2302を「口」字の形状とし、第1固定接続部材23011を「口」字の上端内側に取り付け、回転軸2304を「口」字の下端外側に取り付け、第2支持アセンブリ2303を「口」字を貫通させるとともに「口」字の上端内側の第1固定接続部材23011の頂部錐体230113の先端に接続するようにしてよい。
【0122】
操作2402:回転軸を被測定血液内に置く。
【0123】
このステップでは、被測定血液を血液容器に収容し、回転軸2304が一定の作用力により、例えば血液凝固データ測定装置の昇降装置により回転軸2304を血液容器内に駆動して、回転軸2304の所定の長さを被測定血液に没入させるようにしてよい。
【0124】
操作2403:被測定血液が回転しているときに、回転軸が回転している被測定血液から駆動を受ける。
【0125】
回転軸2304の下端の所定の長さを被測定血液に没入させた後、血液凝固データ測定装置の回転装置により血液容器を一定の速度で回転させ、血液容器がある特定の速度で回転され、収容された被測定血液が回転させられる。被測定血液がある特定の粘性を有するため、被測定血液が回転すると回転軸2304上で回転トルクを発生させ、回転軸2304がこの回転トルクの作用で回転する。被測定血液の粘度が大きいほど、回転軸2304の回転角度が大きくなる。
【0126】
操作2404:回転軸が、第1支持アセンブリを駆動して、接続アセンブリの点接続により、第2支持アセンブリの回りに、回転させる。
【0127】
回転軸2304が第1支持アセンブリ2302に固定的に接続されているため、回転軸2304が回転すると、第1支持アセンブリ2302により固定された第1固定接続アセンブリ23011の頂部錐体230113が、宝石軸受23012との接続点により、宝石軸受23012の回りに、回転軸2304と同一角度で回転する。第2支持アセンブリ2303が宝石軸受23012及び頂部錐体230113により回転軸2304及び第1支持アセンブリ2302を支持する。宝石軸受23012と頂部錐体230113の間が単一の点で接触するため、宝石軸受23012と頂部錐体230113が相対的に回転する時に発生する摩擦力が小さく、このため、回転軸2304が回転する時に支持体がそれに対して発生させる回転抵抗が低減される。
【0128】
操作2405:センサーにより回転軸の回転角度を測定する。
【0129】
操作2406:回転軸の回転角度に基づいて被測定血液の血液凝固データを決定する。
【0130】
操作2405とステップ操作2406の具体的な過程は、
各類のセンサーにより回転軸の回転角度を測定すること、
回転軸の回転角度に基づいてトロンボエラストグラムを形成すること、
トロンボエラストグラムに基づいて被測定血液の粘弾性を表すする指標パラメーターを取得すること、あるいは、回転軸の回転角度を被測定血液の粘弾性を表すする指標パラメーターに直接変換すること、を含む。
【0131】
本発明で提供される各実施形態は、少なくとも以下のような有用な効果を有する。
【0132】
1. 本発明の実施形態では、血液カップホルダが第1駆動力の作用で、未使用の血液カップ及び血液カップ蓋を上昇させ、かつ、血液カップ蓋を回転軸に接続することができ、血液凝固データを測定する前に血液カップの上昇及び血液カップ蓋の取り付けを自動的に完了することを実現し、血液カップホルダが第2駆動力の作用で使用後の血液カップを降下させることができ、また、取り外し機構が第2駆動力の作用で使用後の血液カップ蓋を回転軸から分離することができ、血液凝固データを測定した後に血液カップの降下及び血液カップ蓋の取り外しを自動的に完了することが実現される。このようにして、血液凝固データを測定する過程で、血液凝固データ測定装置は、手動操作の代わりに、血液カップの上昇および降下並びに血液カップ蓋の取り付けおよび取り外しを自動的に完了し、血液凝固データを測定する労力が軽減される。
【0133】
2. 本発明の実施形態では、ステッピングモーター及びスクリューにより血液カップホルダ及び取り外し機構を駆動するようになっており、ステッピングモーターが正方向に回転し、逆方向に回転することができるため、高い制御精度を有し、また、スクリューが動力を伝達する時に高いストロークコントロール精度を有する。ステッピングモーター及びスクリューにより血液カップホルダ及び取り外し機構を駆動することで、血液カップホルダ及び取り外し機構のストローク精度を高め、血液カップ及び血液カップ蓋を正確な位置に取り付けること、かつ、円滑に取り外すことが保証される。
【0134】
3. 本発明の実施形態では、血液カップホルダの底部に貫通孔が設けられており、突き上げピンが貫通孔内に入り込むことができ、血液カップホルダが降下した時、突き上げピンが血液カップを血液カップホルダから突き上げ、血液収容カップの自動的な取り外しを実現することができ、これにより手動の方式で血液カップを取り外す必要がなく、血液凝固データを測定する労力が更に軽減される。
【0135】
4. 本発明の実施形態では、血液カップ及び血液カップ蓋を取り付け又は取り外す過程で、リミット機構により回転軸の位置を固定して、血液カップ及び血液カップ蓋を取り付け又は取り外す過程で回転軸の軸受を損傷することを防止し、回転軸が変形することを防止する。血液凝固データ測定装置の安全性及び血液凝固データの測定正確性を高めた。
【0136】
5. 本発明の実施形態では、宝石軸受が第1支持体に接続され、頂部錐体及び回転軸がいずれも第2支持体に接続され、第1支持体が一体に係合された宝石軸受と頂部錐体により第2支持体及び回転軸を支持するようになっており、血液カップ蓋を回転軸に接続すること又は血液カップ蓋を回転軸から分離することが必要とされる時に、リミット機構により宝石軸受及び頂部錐体の位置を規制して宝石軸受と頂部錐体を分離し、続いて血液カップ蓋を回転軸に接続するか又は血液カップ蓋を回転軸から分離する。このようにして、血液カップ蓋と回転軸を接続するか又は分離する過程で、宝石軸受が頂部錐体と接触せず、回転軸受の受ける力が宝石軸受に作用することがなく、血液カップ蓋と回転軸を接続し又は分離する過程で宝石軸受を損傷することが回避され、宝石軸受が損傷されるリスクが低減された。
【0137】
6. 本発明の実施形態では、宝石軸受と頂部錐体を分離する実現方式が複数種ある。第2支持体を駆動し、第2支持体が頂部錐体を上昇させて頂部錐体と宝石軸受の分離を実現するようにしてもよく、また、第1支持体を駆動し、第1支持体が宝石軸受を降下させ、かつリミット機構により第2支持体の位置を規制して頂部錐体と宝石軸受の分離を実現するようにしてもよい。このようにして、異なる機構形式により頂部錐体と宝石軸受の分離を実現することができ、血液凝固データ測定装置の適用性を高めた。
【0138】
7. 本発明の実施形態では、血液凝固データ測定装置は、駆動力の作用で血液カップ蓋を回転軸から脱離させることができる取り外し機構を更に含んでよい。このようにして、ステッピングモーターなどの装置により取り外し機構を駆動して、血液カップ蓋と回転軸の自動的な分離を実現することができ、手動操作により血液カップ蓋を回転軸から取り外す必要がなく、血液凝固データ測定過程での測定者の労力が軽減される。
【0139】
8. 本発明の実施形態では、頂部錐体及び第2支持体のいずれにもガイドプラットフォームが設置されており、頂部錐体と第2支持体がねじにより接続された後、頂部錐体のガイドプラットフォームが第2支持体のガイドプラットフォームに密接するようになって、頂部錐体と第2支持体の間の角度が直角であることを保証し、回転軸が傾斜することにより測定された血液凝固データに影響を及ぼすことを防止し、血液凝固データ測定装置による血液凝固データの測定正確性が高められる。
【0140】
9. 本発明の実施形態では、第1支持体および第2支持体に同性磁極が対向する第1磁石および第2磁石が設置されており、第1磁石と第2磁石の間の斥力作用で、頂部錐体と宝石軸受の間に作用する力を低減して、頂部錐体と宝石軸受の間の摩擦力を低減することができ、それにより回転軸の回転角度が被測定血液の粘度情報をより正確に反映することができ、更に血液凝固データ測定装置による血液凝固データの測定正確性が高められる。
【0141】
10. 本発明の実施形態では、接続アセンブリにおける第1固定接続部材が固定部により外部の第1支持アセンブリに固定され、かつ、安定化プラットフォームにより外部の第1支持アセンブリの1つの平面に密接するようになっており、第1固定接続部材と第1支持アセンブリの接触面積が増加され、これにより、外部の第1支持アセンブリが接続部と第2固定接続部材の点接続により第2支持アセンブリの回りに回転する時に、第1固定接続部材と第1支持アセンブリの間の摩擦力が増加し、第1固定接続部材と第1支持アセンブリの間の相対的な移動を回避することができ、回転抵抗の発生を効果的に低減することができる。
【0142】
11. 本発明の実施形態では、接続アセンブリの第1固定接続部材と第2固定接続部材が点接続の方式により一体に接続されており、第1固定接続部材を第1支持アセンブリに固定し、第2固定接続部材を第2支持アセンブリに固定した時、力を受けた被支持物により、第1支持アセンブリが駆動されて第2支持アセンブリの回りに回転させる過程は、実際には第1固定接続部材と第2固定接続部材の間の点接続回転であり、そのように、第1支持アセンブリと第2支持アセンブリが相対的に回転する時に1つの接触点のみに摩擦力が発生し、摩擦力を発生させる複数の接触点を含む従来の技術における構造と比べて、上記実施形態は回転摩擦力の発生を低減して、被支持物が回転する時に受ける回転抵抗を低減することができる。
【0143】
12. 本発明の実施形態では、接続アセンブリに含まれる第1固定接続部材における接続部および第2接続部材は、宝石軸受および頂部錐体であってよく、頂部錐体の先端が宝石軸受の錐体形凹溝に位置し、頂部錐体の先端とテーパー状凹溝の底部が点接触するようになっており、宝石軸受の硬度が大きいため、宝石軸受と頂部錐体が相対的に回転する時に、発生する摩擦力が小さくて、更に回転抵抗を低減することができ、接続アセンブリを血液凝固データ測定装置に適用する時に、血液凝固データ測定装置の感度及び測定の正確性を高めることができる。
【0144】
13. 本発明の実施形態では、接続アセンブリの第1固定接続部材の接続部は宝石軸受であってもよく、頂部錐体であってもよく、実際の装置の構造及び機能の要求に応じて柔軟に選択して、接続アセンブリに適当な適用性を持たせるようにしてよい。
【0145】
本明細書において、例えば第1と第2のような関係を示す専門用語は1つの実体又は操作を別の実体又は操作から区別するためのものに過ぎず、これらの実体又は操作の間にいかなるこのような実際の関係又は順序も存在することを必ずしも要求し又は暗示するというわけではないことを理解する必要がある。また、用語「備える」、「含む」又はそのいかなる変体は、非排他的に含むことをカバーする意図があり、すなわち、一連の要素を含むプロセス、方法、物品又は装置が、当該一連の要素を含むだけでなく、明確に列挙されていない他の要素を更に含み、あるいは、このようなプロセス、方法、物品又は装置が当然に有するであろう要素を更に含むということである。さらなる限定が無い限りにおいて、「(単数形で記載された)……を含む」という語句により定義された要素は、当該要素を含む過程、方法、物品又は装置が、更に別の同様の要素を含む場合を排除しているわけではない。
【0146】
以下の番号をつけた各態様は本発明の開示する内容を更に提供する。注意すべきこととして、以下の態様1-6のいずれも態様7-10のいずれに組み合わせてもよく、態様11-16のいずれに組み合わせてもよく、更に17-20のいずれに組み合わせてもよく、更に態様21-24のいずれに組み合わせてもよく、更に態様25-26のいずれに組み合わせてもよく、更に態様27-30のいずれに組み合わせてもよく、更に態様31-34のいずれに組み合わせてもよく、更に態様35-37のいずれに組み合わせてもよい。また、以下の態様7-10のいずれも態様11-16のいずれに組み合わせてもよく、更に態様17-20のいずれに組み合わせてもよく、更に態様21-24のいずれに組み合わせてもよく、更に態様25-26のいずれに組み合わせてもよく、更に態様27-30のいずれに組み合わせてもよく、更に態様31-34のいずれに組み合わせてもよく、更に態様35-37のいずれに組み合わせてもよい。以下の態様11-16のいずれも態様17-20のいずれに組み合わせてもよく、更に態様21-24のいずれに組み合わせてもよく、更に態様25-26のいずれに組み合わせてもよく、更に態様27-30のいずれに組み合わせてもよく、更に態様31-34のいずれに組み合わせてもよく、更に態様35-37のいずれに組み合わせてもよい。以下の態様17-20のいずれも態様21-24のいずれに組み合わせてもよく、更に態様25-26のいずれに組み合わせてもよく、更に態様27-30のいずれに組み合わせてもよく、更に態様31-34のいずれに組み合わせてもよく、更に態様35-37のいずれに組み合わせてもよい。以下の態様21-24のいずれも態様25-26のいずれに組み合わせてもよく、更に態様27-30のいずれに組み合わせてもよく、更に態様31-34のいずれに組み合わせてもよく、更に態様35-37のいずれに組み合わせてもよい。以下の態様25-26のいずれも態様27-30のいずれに組み合わせてもよく、更に態様31-34のいずれに組み合わせてもよく、更に態様35-37のいずれに組み合わせてもよい。以下の態様27-30のいずれも態様31-34のいずれに組み合わせてもよく、更に態様35-37のいずれに組み合わせてもよい。以下の態様31-34のいずれも態様35-37のいずれに組み合わせてもよい。
【0147】
1. 血液凝固データを測定するための装置であって、被測定血液が血液カップ及び血液カップ蓋に収容され、血液凝固データを測定する前記装置が、血液カップホルダと、取り外し機構と、回転軸とを備えており、
前記血液カップホルダは、未使用の血液カップ及び血液カップ蓋を支持して、第1駆動力の作用で、前記未使用の血液カップ及び血液カップ蓋を上昇駆動して前記未使用の血液カップ蓋を前記回転軸に接続し、かつ、第2駆動力の作用で、使用後の血液カップを下降駆動するために用いられ、前記取り外し機構は、第2駆動力の作用で、使用後の血液カップ蓋を前記回転軸から分離するために用いられる、装置。
【0148】
2. スクリューおよびステッピングモーターをさらに備え、
前記スクリューは、ネジ軸およびナットを含み、前記ネジ軸は前記ステッピングモーターに接続され、前記ナットは前記血液カップホルダ及び前記取り外し機構にそれぞれ接続されており、
前記ステッピングモーターは、前記ネジ軸を駆動して前記ネジ軸を正方向または逆方向に回転させるために用いられ、
前記ナットは、前記ネジ軸の回転方向に応じて、前記ネジ軸が正方向に回転する時に前記血液カップホルダに前記第1駆動力を付与し、前記ネジ軸が逆方向に回転する時に前記血液カップホルダ及び前記取り外し機構に前記第2駆動力を付与すために用いられる、態様1の装置。
【0149】
3. 前記取り外し機構は中部に貫通孔が設置された板状構造であり、
前記回転軸は前記取り外し機構の中部の貫通孔を貫通しており、かつ、前記取り外し機構と接触せず、
前記取り外し機構は、前記第2駆動力の作用で、前記回転軸の端部に向かって移動して、締まり嵌めの方式により前記回転軸の端部に接続された前記使用後の血液カップ蓋を前記回転軸から分離させ、前記回転軸から分離した前記使用後の血液カップ蓋を前記使用後の血液カップ上に落下させるために用いられる、態様1の装置。
【0150】
4. 前記血液カップホルダはカップ状構造であり、
前記血液カップホルダは、前記第1駆動力の作用で、前記未使用の血液カップ及び血液カップ蓋を上昇させ、前記未使用の血液カップ蓋を、前記回転軸と接触した後も所定距離だけ上昇させ続けて、締まり嵌めの方式により前記未使用の血液カップに接続し、前記回転軸が前記未使用の血液カップ蓋に締まり嵌めの方式により接続されるようにするために用いられる、態様1の装置。
【0151】
5. 突き上げピンを更に備え、
前記カップ状構造の血液カップホルダの底部には固定的に設けられた前記突き上げピンを貫通させる貫通孔が形成され、
前記突き上げピンは、前記血液カップホルダが前記使用後の血液カップを所定距離だけ降下させた後、前記使用後の血液カップの底部と接触し、前記血液カップホルダが降下し続ける過程で、締まり嵌めの方式により接続された前記血液カップホルダと前記使用後の血液カップを分離するために用いられる、態様4の装置。
【0152】
6. リミット機構を更に含み、前記リミット機構は、前記未使用の血液カップ蓋と前記回転軸を接続するときに前記回転軸の位置を固定し、かつ、前記使用後の血液カップ蓋を前記回転軸と分離するときに前記回転軸の位置を固定するために用いられる、態様1-5のうちのいずれか一つの装置。
【0153】
7. 前記血液カップホルダにより未使用の血液カップ及び血液カップ蓋を支持するステップと、
第1駆動力の作用により前記血液カップホルダを駆動し、前記血液カップホルダが移動して前記未使用の血液カップ及び血液カップ蓋を上昇させて、前記未使用の血液カップ蓋を前記回転軸に接続するステップと、
を含む、態様1-6のいずれか一つの血液凝固データ測定装置に基づいて血液カップを取り付ける方法。
【0154】
8. 第1駆動力の作用により前記血液カップホルダを駆動し、前記血液カップホルダが移動して前記未使用の血液カップ及び血液カップ蓋を上昇させて、前記未使用の血液カップ蓋を前記回転軸に接続する前記ステップは、
第1駆動力の作用により前記血液カップホルダを駆動し、前記血液カップホルダが前記未使用の血液カップ及び血液カップ蓋を上昇させ、前記未使用の血液カップ蓋が、前記回転軸と接触した後、所定の距離だけ上昇し続け、締まり嵌めの方式により前記未使用の血液カップに接続され、かつ、締まり嵌めの方式により前記回転軸を前記未使用の血液カップ蓋に接続するステップを含む、態様7の方法。
【0155】
9. 第2駆動力の作用により前記血液カップホルダを駆動し、前記血液カップホルダが移動して前記使用後の血液カップを降下させるステップと、
前記第2駆動力の作用により前記取り外し機構を駆動し、前記取り外し機構が移動して前記使用後の血液カップ蓋を前記回転軸から分離するステップと、
を含む、態様1-6のいずれか一つの血液凝固データ測定装置に基づいて血液カップを取り外す方法。
【0156】
10. 第2駆動力の作用により前記取り外し機構を駆動し、前記取り外し機構が移動して前記使用後の血液カップ蓋を前記回転軸から分離する前記ステップは、
前記第2駆動力により前記取り外し機構を駆動して前記回転軸の端部に向けて移動させ、前記取り外し機構が締まり嵌めの方式により前記回転軸の端部に接続された前記使用後の血液カップ蓋を前記回転軸から分離し、かつ、前記回転軸から分離された後の前記使用後の血液カップ蓋を前記使用後の血液カップに落下させるステップを含み、及び/又は、
前記血液凝固データ測定装置が突き上げピンを含む場合に、
前記血液カップホルダが移動して前記使用後の血液カップを連動して降下させるステップは、
前記血液カップホルダが前記使用後の血液カップを所定距離だけ降下させた後、前記突き上げピンが前記使用後の血液カップの底部と接触し、前記血液カップホルダが降下し続ける過程で、突き上げピンが、締まり嵌めの方式によりに接続された前記血液カップホルダ及び前記使用後の血液カップを分離するステップを含む、態様9の方法。
【0157】
11. 血液凝固データを測定する装置であって、第1支持体と、第2支持体と、宝石軸受と、頂部錐体と、回転軸と、リミット機構と、を備え、
前記第1支持体は前記宝石軸受に接続され、前記第2支持体は前記頂部錐体及び前記回転軸にそれぞれ接続され、
前記宝石軸受けは、前記第2支持体及び前記回転軸が被測定血液の駆動力の作用で回転することを可能とするように前記頂部錐体を支持するために用いられ、
前記リミット機構は、外部の血液カップ蓋と前記回転軸とを接続するかあるいは分離するときに、前記宝石軸受及び前記頂部錐体の位置を規制して、前記宝石軸受と前記頂部錐体を分離させるために用いられる、装置。
【0158】
12. 第1駆動機構をさらに備え、
前記第1駆動機構は、前記リミット機構に接続されており、
前記第1駆動機構は、前記血液カップ蓋と前記回転軸の接続または分離の過程で前記リミット機構を駆動するために用いられ、
前記リミット機構は、前記第1駆動機構の駆動力の作用で前記第1支持体を移動させて、前記宝石軸受を前記頂部錐体から分離させ、かつ、前記宝石軸受が前記頂部錐体から分離された後に前記第1支持体を支持するようにさせるために用いられる、態様11の装置。
【0159】
13. 第2駆動機構を更に備え、
前記第2駆動機構は、前記第1支持体に接続されており、前記リミット機構は前記第1支持体及び前記第2支持体に対して固定的に設置されており、
前記第2駆動機構は、前記血液カップ蓋と前記回転軸とを接続するかあるいは分離するときに、前記第1支持体を駆動して、前記第1支持体の高さを降下させ、かつ、前記宝石軸受と前記頂部錐体が分離された後に、前記第1支持体を支持するために用いられ、
前記リミット機構は、前記第1支持体が降下するときに前記第2支持体の位置を規制して、前記宝石軸受と前記頂部錐体を分離するために用いられる、態様11の装置。
【0160】
14. 取り外し機構を更に含み、
前記取り外し機構の中部に貫通孔が設置されており、前記回転軸が前記取り外し機構の中部の貫通孔を貫通し、かつ前記取り外し機構と接触せず、
前記取り外し機構は、駆動力の作用で前記回転軸の端部に向かって移動して、前記回転軸端部に接続された前記血液カップ蓋を前記回転軸に対して移動させて、前記血液カップ蓋を前記回転軸から取り外し、前記血液カップ蓋を前記回転軸から分離するために用いられる、態様11の装置。
【0161】
15. 前記頂部錐体に、接続ボルト及び第1ガイドプラットフォームが設けられ、
前記第2支持体に、接続ナット及び第2ガイドプラットフォームが設けられ、
前記接続ボルトが、前記接続ナットに係合されて前記頂部錐体と前記第2支持体を接続し、
前記第1ガイドプラットフォームが、前記第2ガイドプラットフォームに密接して、前記頂部錐体と前記第2支持体の間の角度を限定する、
態様11の装置。
【0162】
16. 第1磁石及び第2磁石をさらに備え、
前記第1磁石は前記第1支持体に接続され、第2磁石は前記第2支持体に接続され、
前記第1磁石と前記第2磁石の同性磁極が対向している、態様11の装置。
【0163】
17. 前記リミット機構により前記宝石軸受及び前記頂部錐体の位置を規制して、前記宝石軸受と前記頂部錐体を分離するステップと、
前記血液カップ蓋と前記回転軸とを接続するか又は分離するステップと、
を含む、態様11-16のいずれか一つの血液凝固データ測定装置に基づいて血液カップ蓋を着脱する方法。
【0164】
18. 前記血液凝固データ測定装置が第1駆動機構を含む場合に、
前記リミット機構により前記第1支持体の位置を規制して前記宝石軸受と前記頂部錐体を分離する前記ステップは、
前記第1駆動機構により前記リミット機構を駆動し、前記リミット機構が前記第1支持体を移動させて、前記宝石軸受と前記頂部錐体を分離するステップを含み、
前記宝石軸受と前記頂部錐体を分離する前記ステップの後、更に、
前記リミット機構により前記第1支持体を支持するステップを含む、態様17の方法。
【0165】
19. 前記血液凝固データ測定装置が第2駆動機構を含む場合に、
前記リミット機構により前記第1支持体の位置を規制して前記宝石軸受と前記頂部錐体を分離する前記ステップは、
前記第2駆動機構により前記第1支持体を駆動して前記第1支持体の高さを降下させ、前記第1支持体が降下する過程で前記リミット機構により前記第2支持体の位置を規制して前記宝石軸受と前記頂部錐体を分離するステップを含み、
前記宝石軸受と前記頂部錐体を分離する前記ステップの後、更に、
前記第2駆動機構により前記第1支持体を支持するステップを含む、態様17の方法。
【0166】
20. 前記血液凝固データ測定装置が前記取り外し機構を含む場合に、
前記血液カップ蓋を前記回転軸から分離する前記ステップは、
駆動力の作用により取り外し機構を前記回転軸の端部へ移動させ、前記取り外し機構が前記回転軸端部に接続された前記血液カップ蓋を前記回転軸に対して移動させて、前記血液カップ蓋を前記回転軸から取り外し、前記血液カップ蓋を前記回転軸から分離するステップを含む、態様17の方法。
【0167】
21. 第1固定接続部材および第2固定接続部材を備えた接続アセンブリであって、
前記第1固定接続部材は、固定部と、前記固定部に固定され安定化プラットフォームと、前記固定部に固定された接続部と、を含み、
前記固定部は、外部の第1支持アセンブリに固定され、
前記安定化プラットフォームは、第1支持アセンブリの1つの平面に密接し、
前記接続部は、前記第2固定接続部材に点接続の方式により一体に接続され、
前記第2固定接続部材は、外部の第2支持アセンブリに固定的に接続され、
前記外部の第1支持アセンブリは、外部動力の作用で、前記接続部と前記第2固定接続部材の点接続を介して、前記外部の第2支持アセンブリに対して回転する、接続アセンブリ。
【0168】
22. 前記安定化プラットフォームと前記接続部が前記固定部の一端に設けられており、
前記安定化プラットフォームおよび前記固定部が「逆T」型を形成し、前記安定化プラットフォームと前記接続部が「T」型を形成し、前記固定部の前記安定化プラットフォームに対する第1垂直中心線が前記接続部の前記安定化プラットフォームに対する第2垂直中心線と一致している、態様21の接続アセンブリ。
【0169】
23. 前記固定部が前記の外部の第1支持アセンブリの1つの平面をにより前記第1支持アセンブリに挿入され、前記安定化プラットフォームが前記第1平面に密接している、態様21の接続アセンブリ。
【0170】
24. 前記接続部は宝石軸受を含み、かつ、前記第2固定接続部材は頂部錐体を含み、あるいは、
前記接続部は頂部錐体を含み、前記第2固定接続部材は宝石軸受を含み、
前記宝石軸受は餅状構造であり、餅状構造の1つの平面にテーパー状凹溝が設置されており、前記頂部錐体はテーパー構造であり、前記頂部錐体の先端が前記宝石軸受における錐体形凹溝内に位置し、前記頂部錐体と前記宝石軸受が点接触の方式により接続されている、態様21-23のいずれか一つの接続アセンブリ。
【0171】
25. 態様21-24のいずれか一つの前記接続アセンブリと、第1固定接続部材と、第2固定接続部材とを備え、
前記第1支持アセンブリは、前記接続アセンブリ内の第1固定接続部材を固定するために設けられ、前記第1支持アセンブリの平面の一つが前記第1固定接続部材の前記安定化プラットフォームに取り付けられ、
前記第2支持アセンブリは、前記接続アセンブリ内の前記第2固定接続部材を固定するために用いられ、
前記接続アセンブリの前記第1固定接続部材および前記第2固定接続部材は、点接続の方式により一体に接続されており、
前記第1支持アセンブリは、被支持体に固定的に接続され、
前記被支持体の駆動力により、前記第1支持アセンブリは、前記第1固定接続部材を介して、前記第2支持アセンブリに対して回転する、支持体。
【0172】
26. 前記第1支持アセンブリは、「凹」状平面と、「凹」状平面の凹溝に位置し凹溝と共に「段差」状を構成した挿入孔とを含み、前記第1固定接続部材の固定部が前記挿入孔に挿入され、前記第1固定接続部材の安定化プラットフォームが前記凹溝に密接している、態様25の支持体。
【0173】
27. 態様25又は26に記載の支持体と、被支持物とを含み、
前記被支持物は前記支持体の第1支持アセンブリに固定的に接続され、外部動力により駆動されて前記第1支持アセンブリを回転させる、血液凝固データ測定装置。
【0174】
28. 前記被支持物は回転軸を含み、前記回転軸は前記支持体の前記第1支持アセンブリに固定的に接続されており、前記回転軸は、被測定血液の駆動力により、前記第1支持アセンブリを回転させる、血液凝固データ測定装置に適用される態様27の装置。
【0175】
29. 被支持物を支持体の第1支持アセンブリに固定的に接続し、前記被支持物が外部動力に駆動されるステップと、
前記被支持物により、前記第1支持アセンブリを駆動して回転させるステップと、
を含む態様27又は28の血液凝固データ測定装置の使用方法。
【0176】
30. 血液凝固データ測定装置に適用され、前記被支持物は、回転軸を含み、
前記被支持物が外部動力に駆動されるステップは、前記回転軸を被測定血液の中に置き、かつ、前記被測定血液が回転する時に駆動されるステップを含み、及び/又は、
前記被支持物が前記第1支持アセンブリを駆動して回転させるステップの後、更に、前記回転軸が回転角度を提供するステップを含む、態様29の使用方法。
【0177】
31. 血液凝固データ測定装置と、血液カップとを備え、
前記血液カップは被測定血液を収容するために用いられ、
血液凝固データ測定装置は、血液カップ内の血液に対して血液凝固分析を行うために用いられる、血液凝固データ測定システム。
【0178】
32. 前記血液カップは、
液体を収容するための容器と、
前記容器と接触し、前記容器に収容された液体を加熱するための少なくとも1つの加熱器と、
前記少なくとも1つの加熱器に接続され温度制御器であって、各加熱器の現在温度を採集し、各加熱器の現在温度と予め記憶された設定温度に基づいて前記各加熱器の加熱制御を行うための前記温度制御器と、を含む、態様31のシステム。
【0179】
33. 前記温度制御器は、
前記少なくとも1つの加熱器に一対一で接続された少なくとも1つの温度センサーであって、接続された加熱器の現在温度を取得し、取得したそれぞれの加熱器の現在温度を比較器に出力するために用いられる、前記少なくとも1つの温度センサーと、
前記少なくとも1つの温度センサーおよび前記少なくとも1つの加熱器に接続された比較器であって、各加熱器の現在温度と予め記憶された前記設定温度に基づいて各加熱器の加熱制御を行うために用いられる前記比較器と、を含む、態様32に記載のシステム。
【0180】
34. 前記温度センサーは、接続された加熱器の現在温度に基づいて信号変換器に現在電気抵抗値を出力するために用いられるサーミスタを含み、
前記温度制御器は信号変換器を更に含み、前記信号変換器は前記少なくとも1つのサーミスタおよび前記比較器に接続されており、各サーミスタの出力した現在電気抵抗値に基づいて前記比較器に各加熱器の現在温度を出力するために用いられる、態様32のシステム。
【0181】
35. 血液凝固データを測定するための装置であって、
支持体と、回転軸と、位置補正装置とを備え、
前記支持体は、前記回転軸の一端に接続され、前記支持体は、前記回転軸を支持して前記回転軸の他端を外部の被測定血液内に位置させるために用いられ、
前記回転軸は、前記被測定血液の駆動力の作用で回転し、
前記位置補正装置は、前記回転軸に接続されており、前記回転軸が回転して平衡位置から外れるように回転したときに、前記回転軸を前記平衡位置方向へ回転させる作用力を発生させるために用いられる、装置。
【0182】
36. 前記位置補正装置は、少なくとも1つのヘアスプリングを含み、
前記各ヘアスプリングの内環は、前記回転軸の外周面に固定的に接続され、前記各ヘアスプリングの外環は、前記支持体に固定的に接続されている、態様35の装置。
【0183】
37. 前記位置補正装置が少なくとも2つのヘアスプリングを含む場合に、
前記少なくとも2つのヘアスプリングのうち、少なくとも1つのヘアスプリングの内環から外環への螺旋方向が他方のヘアスプリングの内環から外環への螺旋方向と反対である、態様36の装置。
【0184】
本発明の主旨と新規な特徴を逸脱しない限り、本発明は他の形式により実施することができる。本出願に開示された各実施形態は制限的でなく、例示的なものとして全ての態様において考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明により規定されるというわけでなく、添付された各態様により規定され、各態様の同等の意義と均等の範囲の内に行った変更は全て本発明の保護範囲に含まれる。
【手続補正書】
【提出日】2022-04-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液凝固データを測定するための装置であって、被測定血液が血液カップ及び血液カップ蓋に収容され、
血液凝固データを測定する前記装置が、血液カップホルダと、取り外し機構と、回転軸と、突き上げピンと、を備えており、
前記血液カップホルダは、未使用の血液カップ及び血液カップ蓋を支持して、第1駆動力の作用で、前記未使用の血液カップ及び血液カップ蓋を上昇駆動して前記未使用の血液カップ蓋を前記回転軸に接続し、かつ、第2駆動力の作用で、使用後の血液カップを下降駆動するために用いられ、
前記取り外し機構は、第2駆動力の作用で、使用後の血液カップ蓋を前記回転軸から分離するために用いられ、
前記取り外し機構は、貫通穴を有する板状の構成を有し、
前記前記回転軸は、前記取り外し機構の中部の貫通孔を貫通しており、かつ、前記取り外し機構と接触しておらず、
前記取り外し機構は、前記第2駆動力の作用で、前記回転軸の端部に向かって移動して、締まり嵌めの方式により前記回転軸の端部に接続された前記使用後の血液カップ蓋を前記回転軸から分離させ、前記回転軸から分離した前記使用後の血液カップ蓋を前記使用後の血液カップ上に落下させるために用いられ、
前記カップ状構造の血液カップホルダの底部には固定的に設けられた前記突き上げピンを貫通させる貫通孔が形成され、
前記突き上げピンは、前記血液カップホルダが前記使用後の血液カップを所定距離だけ降下させた後、前記使用後の血液カップの底部と接触し、前記血液カップホルダが降下し続ける過程で、締まり嵌めの方式により接続された前記血液カップホルダと前記使用後の血液カップを分離するために用いられる、装置。
【請求項2】
動力源と伝動機構とをさらに備え、
前記動力源は、前記伝動機構に駆動力を供給するために用いられ、
前記伝導機構は、前記動力源の駆動力の作用で、前記血液カップホルダに前記第1駆動力を付与するために、また、前記血液カップホルダと前記取り外し機構に前記第2駆動力を付与するために用いられる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記動力源はステッピングモーターを含み、
前記伝動機構はスクリューを含み、前記スクリューは、ネジ軸およびナットを含み、前記ネジ軸は前記ステッピングモーターに接続され、前記ナットは前記血液カップホルダ及び前記取り外し機構にそれぞれ接続されており、
前記ステッピングモーターは、前記ネジ軸を駆動して前記ネジ軸を正方向または逆方向に回転させるために用いられ、
前記ナットは、前記ネジ軸の回転方向に応じて、前記ネジ軸が正方向に回転する時に前記血液カップホルダに前記第1駆動力を付与し、前記ネジ軸が逆方向に回転する時に前記血液カップホルダ及び前記取り外し機構に前記第2駆動力を付与すために用いられる、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記血液カップホルダはカップ状構造であり、
前記血液カップホルダは、前記第1駆動力の作用で、前記未使用の血液カップ及び血液カップ蓋を上昇させ、前記未使用の血液カップ蓋を、前記回転軸と接触した後も所定距離だけ上昇させ続けて、締まり嵌めの方式により前記未使用の血液カップに接続し、前記回転軸が前記未使用の血液カップ蓋に締まり嵌めの方式により接続されるようにするために用いられる、請求項1に記載の装置。
【外国語明細書】