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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022091804
(43)【公開日】2022-06-21
(54)【発明の名称】長距離操縦可能LIDARシステム
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/484 20060101AFI20220614BHJP
   G01S 17/931 20200101ALI20220614BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20220614BHJP
【FI】
G01S7/484
G01S17/931
G08G1/16 C
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022037117
(22)【出願日】2022-03-10
(62)【分割の表示】P 2020201424の分割
【原出願日】2016-03-09
(31)【優先権主張番号】14/679,683
(32)【優先日】2015-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】317015065
【氏名又は名称】ウェイモ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】ドロズ,ピエール-イヴ
(72)【発明者】
【氏名】ペネコット,ガエタン
(72)【発明者】
【氏名】レヴァンダウスキー,アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】ウーリッヒ,ドリュー ユージーン
(72)【発明者】
【氏名】モリス,ザック
(72)【発明者】
【氏名】ワハター,ルーク
(72)【発明者】
【氏名】イオルダケ,ドレル イオヌット
(72)【発明者】
【氏名】マッキャン,ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】グルヴァー,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】フィドリク,バーナード
(72)【発明者】
【氏名】レニウス,サミュエル ウィリアム
(57)【要約】
【課題】光検知測距(LIDAR)装置に関連するシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】LIDAR装置は、1つの波長範囲内の光を放出するように構成されたファイバーレーザー、放出光に第1の軸の周りを往復させるように構成されたスキャン部、および波長範囲内の光を感知するように構成された複数の検出器を含む。本装置は、追加として、対象情報を受信するように構成されたコントローラを含み、対象情報は、物体、位置、場所、または角度範囲を示し得る。対象情報の受信に応答して、コントローラは、LIDARの照準方向を調整するために、回転台を回転させ得る。コントローラは、LIDARに環境の視野(FOV)をスキャンさせるように更に構成される。コントローラは、FOVのスキャンからのデータに基づき、環境の3次元(3D)表現を決定し得る。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光検知測距(LIDAR)装置であって、前記LIDAR装置は、
1つの波長範囲内の光を放出するように構成された光源であって、ファイバーレーザーを含む、光源と、
前記放出された光に第1の軸の周りを往復させるように構成されたスキャン部と、
前記波長範囲内の光を検知するように構成された複数の検出器と
を含む、光検知測距(LIDAR)装置と、
ハウジングであって、少なくとも前記スキャン部は、前記ハウジング内に配置され、かつ、前記ハウジングの壁は、前記波長範囲内の光がそれを通って伝搬できるように構成された光フィルタを含む、ハウジングと、
第2の軸の周りを回転するように構成された回転台と、
コントローラであって、
物体のタイプ、物体のサイズ、物体の形状、位置、場所、または角度範囲の少なくとも1つを示す、対象情報を受信することと、
前記対象情報の受信に応答して、前記LIDARの照準方向を調整するために、前記回転台を回転させることと、
前記LIDARに前記環境の視野(FOV)をスキャンさせることであって、前記FOVは、前記LIDARから離れて前記照準方向に沿って広がる、前記LIDARに前記環境の視野(FOV)をスキャンさせることと、
前記FOVのスキャンからのデータに基づき、前記環境の3次元(3D)表現を決定することと、
を行うように構成された、コントローラと
を備えた、装置。
【請求項2】
前記放出された光の波長が1550nmを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ハウジングは、車両の上部側に配置され、前記第2の軸は、前記車両の前記上部側を貫通する軸を含み、かつ、前記回転台は、前記第2の軸の周りを360度範囲の動き内で回転するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記光フィルタは、ドーム形を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記光フィルタは、前記光フィルタを通して伝搬する可視光量を低減するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記コントローラは、前記3D表現に基づいて前記環境内の少なくとも1つの物体を識別するように更に構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記対象情報は、前記環境内の物体を示している初期3D表現に基づく、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
車両と、
前記車両の周囲の環境を示す環境データを提供するように構成された感知装置であって、前記車両に連結される、感知装置と、
前記車両に連結される、光検知測距(LIDAR)装置と、
コントローラであって、
前記環境データを受信することと、
前記環境データに基づいて、対象情報を決定することであって、前記対象情報は、物体のタイプ、物体のサイズ、物体の形状、位置、場所、または角度範囲の少なくとも1つを示す、対象情報を決定することと、
少なくとも前記対象情報に基づいて、前記LIDARの照準方向を調整するために前記回転台を回転させることと、
前記LIDARに前記環境の視野(FOV)をスキャンさせることであって、前記FOVは、前記LIDARから離れて前記照準方向に沿って広がる、前記LIDARに前記環境の視野(FOV)をスキャンさせることと、
前記FOVのスキャンからのデータに基づいて、前記環境の3次元(3D)表現を決定することと
を行うように構成された、コントローラと
を含む、システム。
【請求項9】
前記LIDARは、1つの波長範囲内の光を放出するように構成された光源を含み、前記レーザー光源は、ファイバーレーザーを含み、かつ、前記LIDARにFOVをスキャンさせることは、前記LIDARに、少なくとも1550nmでの光を含む光を放出させることを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記LIDARは、前記放出された光に第1の軸の周りを往復させるように構成されたスキャン部を更に含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記LIDARの少なくとも前記スキャン部は、ハウジング内に配置され、前記ハウジングは、前記車両の上部側に配置され、第2の軸は、前記車両の前記上部側を貫通する軸を含み、かつ、前記回転台は、前記第2の軸の周りを360度範囲の動き内で回転するように構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記ハウジングは、光フィルタを含み、前記光フィルタは、ドーム形を有し、かつ、前記光フィルタは、前記光フィルタを通して伝搬する可視光量を低減するように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記コントローラは、前記3D表現に基づいて前記環境内の少なくとも1つの物体を識別するように更に構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
前記対象情報は、前記環境内の物体を示している前記環境データに基づく、請求項8に記載のシステム。
【請求項15】
光検知測距(LIDAR)装置のコントローラによって対象情報を受信することであって、前記対象情報は、物体のタイプ、物体のサイズ、物体の形状、距離、位置、または角度範囲の少なくとも1つを示す、対象情報を受信することと、
前記LIDARの光源に1つの波長範囲内の光を放出させることであって、前記光源は、ファイバーレーザーを含む、前記LIDARの光源に1つの波長範囲内の光を放出させることと、
前記LIDARのスキャン部に、前記放出された光を第1の軸の周りを往復させることと、
前記対象情報の受信に応答して、前記LIDARの照準方向を調整するために、前記LIDARに連結された回転台を回転させることであって、前記回転台は、第2の軸の周りを回転するように構成される、回転台を回転させることと、
前記LIDARに前記環境の視野(FOV)をスキャンさせることであって、前記FOVは、前記LIDARから離れて前記照準方向に沿って広がる、前記LIDARに前記環境の視野(FOV)をスキャンさせることと、
前記FOVのスキャンからのデータに基づき、前記環境の3次元(3D)表現を決定することと
を含む、方法。
【請求項16】
前記放出された光の波長が1550nmを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記LIDARの少なくとも前記スキャン部は、ハウジング内に配置され、かつ、前記ハウジングの壁は、前記波長範囲内の光がそれを通って伝搬できるように構成された、光フィルタを含み、前記ハウジングは、車両の上部側に配置され、前記第2の軸は、前記車両の前記上部側を貫通する軸を含み、かつ、前記回転台は、前記第2の軸の周りを360度範囲の動き内で回転するように構成される、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記光フィルタは、ドーム形を有し、前記光フィルタは、前記光フィルタを通して伝搬する可視光量を低減するように構成される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記コントローラは、前記3D表現に基づいて前記環境内の少なくとも1つの物体を識別するように更に構成される、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記対象情報は、前記環境内の物体を示している初期3D表現に基づく、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 関連出願の相互参照
本出願は、2015年4月6日に出願された米国特許出願第14/679,683号に対する優先権を主張し、それは、参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
[0002] 本明細書に別段の指示がない限り、本節に記載の事柄は、本出願の特許請求の範囲に対する従来技術ではなく、本節に含めることにより従来技術と認めるものではない。
【0003】
[0003] 車両は、運転者からほとんど、または全く入力なしで、環境を通り抜けて進む、自律モードで走行するように構成できる。かかる自律走行車は、車両が走行する環境に関する情報を検出するように構成される1つまたは複数のセンサーを含むことができる。
【0004】
[0004] 1つのかかるセンサーは、光検知測距(LIDAR)装置である。LIDARは、場面全体をスキャンして、環境内の反射面を示す「点群(point cloud)」を組み立てながら、環境特徴までの距離を推定できる。点群内の個々の点は、レーザーパルスを伝送し、もしあれば、環境内の物体から反射して、戻ってくるパルスを検出し、伝送したパルスと反射パルスの受信との間の時間遅延に照らして物体までの距離を判断することにより、決定できる。レーザー、またはレーザーのセットは、場面にわたって迅速かつ反復してスキャンして、場面内の反射物体までの距離に関する連続したリアルタイム情報を提供できる。各距離を測定しながら、測定した距離とレーザー(複数可)の向きを組み合わせると、3次元位置を戻ってくる各パルスと結び付けることが可能になる。このようにして、スキャンしている区域全体について、環境内の反射特徴の位置を示す点の3次元マップが生成できる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005] 第1の態様では、装置が提供される。装置は、光検知測距(LIDAR)装置を含む。LIDAR装置は、1つの波長範囲内の光を放出するように構成された光源を含む。光源は、ファイバーレーザーを含む。LIDAR装置は、放出光に第1の軸の周りを往復させるように構成されたスキャン部、および波長範囲内の光を検知するように構成された複数の検出器も含む。装置は、ハウジング、および第2の軸の周りを回転するように構成された回転台を更に含む。少なくともスキャン部は、ハウジング内に配置され、ハウジングの壁は光フィルタを含み、光フィルタは波長範囲内の光がそれを通って伝搬できるように構成されている。装置は、追加として、対象情報を受信するように構成されたコントローラを含む。対象情報は、物体のタイプ、物体のサイズ、物体の形状、位置、場所、または角度範囲の少なくとも1つを示す。コントローラは、追加として、対象情報の受信に応答して、LIDARの照準方向を調整するために回転台を回転させるように構成される。コントローラは、LIDARに環境の視野(FOV)をスキャンさせるように更に構成される。FOVは、LIDARから離れて照準方向に沿って広がる。コントローラは、更になお、FOVのスキャンからのデータに基づき、環境の3次元(3D)表現を決定するように構成される。
【0006】
[0006] 第2の態様では、システムが提供される。本システムは、車両およびその車両の周囲の環境を示す環境データを提供するように構成された感知装置を含む。感知装置は、車両に連結される。システムは、光検知測距(LIDAR)装置も含む。LIDAR装置は、車両に連結される。システムは、環境データを受信し、環境データに基づいて、対象情報を決定するように構成されたコントローラを更に含む。対象情報は、物体のタイプ、物体のサイズ、物体の形状、位置、場所、または角度範囲の少なくとも1つを示す。コントローラは、少なくとも対象情報に基づいて、LIDARの照準方向を調整するために回転台を回転させて、LIDARに環境の視野(FOV)をスキャンさせるようにも構成される。FOVは、LIDARから離れて照準方向に沿って広がる。コントローラは、FOVのスキャンからのデータに基づき、環境の3次元(3D)表現を決定するように更に構成される。
【0007】
[0007] 第3の態様では、方法が提供される。本方法は、光検知測距(LIDAR)装置のコントローラによって対象情報を受信することを含む。対象情報は、物体のタイプ、物体のサイズ、物体の形状、距離、位置、または角度範囲の少なくとも1つを示す。本方法は、LIDARの光源に1つの波長範囲内の光を放出させることも含む。光源は、ファイバーレーザーを含む。本方法は、LIDARのスキャン部に、放出光を第1の軸の周りを往復させ、対象情報の受信に応答して、LIDARの照準方向を調整するために、LIDARに連結された回転台を回転させることを更に含む。回転台は、第2の軸の周りを回転するように構成される。本方法は、なお更に、LIDARに環境の視野(FOV)をスキャンさせることを含む。FOVは、LIDARから離れて照準方向に沿って広がる。本方法は、FOVのスキャンからのデータに基づき、環境の3次元(3D)表現を決定することも含む。
【0008】
[0008] 必要に応じて添付の図を参照して、以下の詳細な記述を読むことにより、当業者には、他の態様、実施形態、および実装形態が明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A】[0009]実施形態例に従った、車両のいくつかの図を示す。
図1B】[0010]実施形態例に従った、センサー装置の斜視図を示す。
図1C】[0011]実施形態例に従った、センサー装置の斜視図を示す。
図1D】[0012]実施形態例に従った、車両の周囲の環境のスキャンを示す。
図1E】[0013]実施形態例に従った、車両の周囲の環境のスキャンを示す。
図2】[0014]実施形態例に従った、システムを示す。
図3A】[0015]実施形態例に従った、LIDAR装置の図を示す。
図3B】[0016]実施形態例に従った、LIDAR装置の図を示す。
図4A】[0017]実施形態例に従った、LIDAR装置の断面図を示す。
図4B】[0018]実施形態例に従った、LIDAR装置の断面図を示す。
図5】[0019]実施形態例に従った、場面の表現を示す。
図6】[0020]実施形態例に従った、場面の表現を示す。
図7】[0021]実施形態例に従った、場面の表現を示す。
図8】[0022]実施形態例に従った、1つまたは複数の物体を含む環境内を走行している車両を示す。
図9】[0023]実施形態例に従った、車両のブロック図を示す。
図10】[0024]実施形態例に従って構成されたコンピュータ可読媒体を示す。
図11】[0025]実施形態例に従った、方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0026] 以下の詳細な記述では、本明細書の一部を形成する、添付の図を参照する。図中、類似の記号は通常、別段の指示がない限り、類似の構成要素を識別する。詳細な記述で説明する例示的実施形態、図、および特許請求の範囲は限定することを意図していない。他の実施形態が利用され得、本明細書で提示する主題の範囲から逸脱することなく、他の変更が行われ得る。本開示の態様は、本明細書に大まかに記述し、図で例示するように、様々な異なる構成で、配置、置換、結合、分離、および設計でき、その全てが本明細書で明示的に検討されていることが容易に理解されるであろう。
【0011】
概要
[0027] 車両は、その車両の周囲の環境の様々な態様を検知するように構成された複数のセンサーを含み得る。例えば、車両は、異なる視野、距離、および/または目的を備えた、複数のLIDAR装置を含み得る。一例では、LIDAR装置は、狭いレーザービーム拡がりの単一ビームを含み得る。レーザービーム拡がりは、約0.1°×0.03°分解能であり得るが、他のビーム分解能も可能である。LIDARシステムは、車両のルーフに取り付けられ得るが、他の取付け位置も可能である。
【0012】
[0028] レーザービームは、車両を貫通して延在する垂直軸の周りを360°にわたって操縦可能であり得る。例えば、LIDARシステムは、LIDARシステムが垂直軸の周りを回転できるように構成された回転軸受を用いて取り付けられ得る。ステッパーモーターは、LIDARシステムの回転を制御するように構成され得る。更に、レーザービームは、ビームを上下に動かすことができるように水平軸に関して操縦され得る。例えば、LIDARシステムの一部、例えば、様々な光学系は、LIDARシステム台にばねで連結され得る。様々な光学系は、レーザービームを上下に操縦するように水平軸の周りを動かされ得る。ばねは、共振周波数を含み得る。共振周波数は約140Hzであり得る。代替として、共振周波数は別の周波数であり得る。レーザービームは、鏡、モーター、ばね、磁石、レンズ、および/または光ビームを操縦するための他の既知の手段の組合せを使用して、操縦され得る。
【0013】
[0029] レーザーは、1550nmのレーザー光を生じるファイバーレーザーであり得るが、他の波長も可能である。更に、LIDAR光源のパルス繰返し率は4Hzであり得る。かかるLIDARシステムの有効距離は300メートル以上であり得る。
【0014】
[0030] レーザービームは、車両の制御システムまたはLIDARシステムと関連付けられた制御システムによって操縦され得る。例えば、交差点に接近している車両に応答して、LIDARシステムは、左側の対向交通および右側の対向交通をスキャンし得る。他の感知シナリオも考えられる。
【0015】
[0031] 実施形態例では、LIDARシステムは、特定の物体を識別するために操縦され得る。例えば、LIDARシステムは、歩行者の肩または別の部分を識別するように動作可能であり得る。別の例では、LIDARシステムは、自転車の車輪を識別するように動作可能であり得る。
【0016】
[0032] 本明細書で説明するLIDARシステムは、車両上の他のセンサーと共に動作し得る。例えば、LIDARシステムは、特定の状況において特定の物体を識別するために使用され得る。対象情報は、車両と関連付けられた他のセンサーの任意の1つ、またはその組合せからのデータに基づいて判断され得る。
【0017】
[0033] 具体例として、汎用LIDARシステムは、例えば、車両の右側を通過する自動車に関連したデータを提供し得る。コントローラは、汎用LIDARシステムからのデータに基づいて対象情報を判断し得る。対象情報に基づき、コントローラは、本明細書で開示するLIDARシステムに、特定の通過自動車を、より高い分解能および/またはより高いパルス繰返し率で、スキャンさせて、対象物体を評価させ得る。
【0018】
[0034] 本明細書で開示する実施形態は、従来の自動車および、自律運転モードを備えた自動車を含む、任意のタイプの車両上で使用され得る。しかし、用語「車両(vehicle)」は、例えば、トラック、ワゴン車、セミトレーラートラック、オートバイ、ゴルフカート、オフロード車、倉庫輸送車両、または農耕用作業車を含む任意の移動物体、および、他の例の中で特に、ローラーコースター、路面電車、トラム、または列車の車両などの、軌道上を進む運搬装置を包含するように広く解釈されるべきである。
【0019】
システム例
[0035] 図1Aは、実施形態例に従った、車両100を示す。具体的には、図1Aは、車両100の右側面図、前面図、背面図、および上面図を示す。車両100は、図1Aでは自動車として例示されているが、前述のように、他の実施形態も可能である。更に、車両例100は自律モードで走行するように構成され得る車両として示されているが、本明細書で説明する実施形態は自律的に走行するように構成されていない車両にも適用可能である。従って、車両例100は制限することを意図していない。図のように、車両100は、5つのセンサー装置102、104、106、108、および110、ならびに、車輪112で例示される、4つの車輪を含む。
【0020】
[0036] 前述の説明に則して、センサー装置102、104、106、108、および110の各々は、様々な道路状況またはシナリオに従い、車両100の周囲の環境をスキャンするように構成され得る1つまたは複数の光検知測距装置(LIDAR)を含み得る。追加または代替として、いくつかの実施形態では、センサー装置102、104、106、108、および110は、他の可能性の中でとりわけ、全地球測位システムセンサー、慣性計測装置、レーダー(RADAR)装置、カメラ、レーザー距離計、LIDAR、および/または音響センサーの任意の組合せを含み得る。
【0021】
[0037] 図のように、センサー装置102は、車輪112が取り付けられている車両100の下部側と反対側の車両100の上部側に取り付けられる。更に、センサー装置104、106、108、および110は各々、上部側以外の車両100の所与の側面に取り付けられる。例えば、センサー装置104は、車両100の前面に配置され、センサー106は、車両100の背面に配置され、センサー装置108は、車両100の右側に配置され、センサー装置110は、車両100の左側に配置される。
【0022】
[0038] センサー装置102、104、106、108、および110は、車両100の特定の位置に取り付けられると示されているが、いくつかの実施形態では、センサー装置102、104、106、108、および110は、車両100の内側または外側のいずれかの、車両100の他の場所に取り付けられ得る。例えば、図1Aでは、センサー装置108は車両100の右側バックミラーに取り付けられているが、センサー装置108は代替として、車両100の右側に沿った別の場所に配置され得る。更に、5つのセンサー装置が示されているが、いくつかの実施形態では、もっと多いか、またはもっと少ないセンサー装置が車両100に含まれ得る。
【0023】
[0039] いくつかの実施形態では、センサー装置102、104、106、108、および110の1つまたは複数は、センサーがその上に取り外し可能に取り付けられ得る1つまたは複数の可動台を含み得る。可動台は、例えば、回転台を含み得る。回転台に取り付けたセンサーは回転でき、それによりセンサーは、車両100の周囲の様々な方向から情報を取得し得る。例えば、センサー装置102のLIDARは、回転台を作動させることにより、異なる方向などに、調整できる視野角を有し得る。代替または追加として、可動台は、傾斜台(tilting platform)を含み得る。傾斜台に取り付けたセンサーは所与の角度範囲および/または方位角内で傾斜でき、それによりセンサーは、様々な角度から情報を取得し得る。可動台は、他の形も取り得る。
【0024】
[0040] 更に、いくつかの実施形態では、センサー装置102、104、106、108、および110の1つまたは複数は、センサーおよび/または可動台を動かすことによりセンサー装置内のセンサーの位置および/または向きを調整するように構成された1つまたは複数のアクチュエータを含み得る。アクチュエータ例には、モーター、空気圧式アクチュエータ、油圧ピストン、中継器、ソレノイド、および圧電アクチュエータを含む。他のアクチュエータも可能である。
【0025】
[0041] 図のように、車両100は、車両を運転面(driving surface)に沿って進めるために回転するように構成される車輪112などの、1つまたは複数の車輪を含む。いくつかの実施形態では、車輪112は、車輪112のリムに連結された少なくとも1つのタイヤを含み得る。その目的のため、車輪112は、金属とゴムの任意の組合せ、または他の材料の組合せを含み得る。車両100は、図示したものに加えて、またはそれの代わりに、1つまたは複数の他の構成要素を含み得る。
【0026】
[0042] 図1Bは、図1Aに示す車両100の上部側に配置したセンサー装置102の斜視図である。図のように、センサー装置102は、第1のLIDAR 120、第2のLIDAR 122、分割構造124、および光フィルタ126を含む。
【0027】
[0043] いくつかの例では、第1のLIDAR 120は、例えば、1つまたは複数の光パルスを放出して、車両の環境内の物体に反射した光パルスを検出しながら、軸(例えば、垂直軸など)の周りを連続して回転することにより、車両100の周囲の環境をスキャンするように構成され得る。いくつかの実施形態では、第1のLIDAR 120は、環境内で物体の動きを迅速に検出するために、十分に高いリフレッシュレートで環境をスキャンすることができるように、軸の周りを繰り返して回転するように構成され得る。例えば、第1のLIDAR 120は、10Hzのリフレッシュレート(例えば、秒当たり第1のLIDAR 120の完全な10回転)を有し得、それにより、車両の周囲360度のFOVを毎秒10回、スキャンする。このプロセスを通して、例えば、周囲の環境の3Dマップが、第1のLIDAR 120からのデータに基づいて決定され得る。一実施形態では、第1のLIDAR 120は、905nmの波長をもつ64のレーザービームを放出する複数の光源を含み得る。この実施形態では、第1のLIDAR 120からのデータに基づいて決定された3Dマップは、0.2°(水平)×0.3°(垂直)角度分解能を有し得、また、第1のLIDAR 120は、環境の360°(水平)×20°(垂直)FOVを有し得る。この実施形態では、3Dマップは、例えば、車両100から100メートルの中距離内の物体を検出または識別するための十分な分解能を有し得る。しかし、他の構成(例えば、光源数、角度分解能、波長、距離など)も可能である。
【0028】
[0044] 第1のLIDAR 120とは異なり、いくつかの実施形態では、第2のLIDAR 122は、車両100の周囲の環境のもっと狭いFOVをスキャンするように構成され得る。例えば、第2のLIDAR 122は、類似の軸の周りを完全な1回転未満しか(水平に)回転しないように構成され得る。更に、いくつかの例では、第2のLIDAR 122は、第1のLIDAR 120よりも低いリフレッシュレートを有し得る。このプロセスを通して、車両100は、第2のLIDAR 122からのデータを使用して、環境のもっと狭いFOVの3Dマップを決定し得る。この場合の3Dマップは、第1のLIDAR 120からのデータに基づいて決定された対応する3Dマップよりも高い角度分解能を有し得、従って、第1のLIDAR 120の中距離よりもさらに遠い物体の検出/識別、および中距離内のもっと小さい物体の識別を可能にし得る。一実施形態では、第2のLIDAR 122は、8°(水平)×15°(垂直)のFOV、4Hzのリフレッシュレートを有し得、1550nmの波長を有する1つの狭ビームを放出し得る。この実施形態では、第2のLIDAR 122からのデータに基づいて決定された3Dマップは、0.1°(水平)×0.03°(垂直)の角度分解能を有し得、それにより、車両100から約300メートルの距離内の物体の検出/識別を可能にする。しかし、他の構成(例えば、光源数、角度分解能、波長、距離など)も可能である。
【0029】
[0045] いくつかの例では、車両100は、第2のLIDAR 122の視野角を調整するように構成され得る。例えば、第2のLIDAR 122は狭い水平FOV(例えば、8度)を有するが、第2のLIDAR 122は、第2のLIDAR 122の視野角を、図1Bに示すもの以外の照準方向に調整できるようにするステッパーモーター(図示せず)に取り付けられ得る。従って、いくつかの例では、第2のLIDAR 122は、車両100から任意の照準方向に沿って狭いFOVをスキャンするように操縦可能であり得る。
【0030】
[0046] 第2のLIDAR 122の構造、動作、および機能性は、本明細書の例示的実施形態内で更に詳細に説明する。
【0031】
[0047] 分割構造124は、第1のLIDAR 120の支持および/または第1のLIDAR 120の第2のLIDAR 122からの光学的分離に適した任意の固体材料から形成され得る。材料例には、他の可能性の中でとりわけ、金属、プラスチック、泡を含み得る。
【0032】
[0048] 光フィルタ126は、1つの波長範囲の波長をもつ光に対して実質的に透過的であり、波長範囲外の波長をもつ光を実質的に透さない任意の材料から形成され得る。例えば、光フィルタ126は、第1のLIDAR 120の第1の波長(例えば、905nm)をもつ光および第2のLIDAR 122の第2の波長(例えば、1550nm)をもつ光が光フィルタ126を通して伝搬できるようにし得る。図のように、光フィルタ126は、第1のLIDAR 120および第2のLIDAR 122を取り囲むように成形される。従って、いくつかの例では、光フィルタ126は、他の可能性の中でとりわけ、ほこりの堆積または空中を浮遊するデブリの衝突など、第1のLIDAR 120および第2のLIDAR 122に対する環境的損傷を防ぐようにも構成され得る。いくつかの例では、光フィルタ126は、光フィルタ126を通って伝搬する可視光を低減するように構成され得る。その結果として、光フィルタ126は、第1のLIDAR 120および第2のLIDAR 122を取り囲むことにより、例えば、センサー装置102の構成要素の可視性を傍観者の視点から減らしながら、車両100の美的外観を改善し得る。他の例では、光フィルタ126は、可視光ならびに第1のLIDAR 120および第2のLIDAR 122からの光を許可するように構成される。
【0033】
[0049] いくつかの実施形態では、光フィルタ126の部分は、異なる波長範囲が光フィルタ126を通って伝搬できるように構成され得る。例えば、分割構造124より上の光フィルタ126の上部は、第1のLIDAR 120の第1の波長を含む第1の波長範囲内の光の伝搬を可能にするように構成され得る。更に、例えば、分割構造124より下の光フィルタ126の下部は、第2のLIDAR 122の第2の波長を含む第2の波長範囲内の光の伝搬を可能にするように構成され得る。他の実施形態では、光フィルタ126と関連付けられた波長範囲は、第1のLIDAR 120の第1の波長および第2のLIDAR 122の第2の波長の両方を含み得る。
【0034】
[0050] 図1Cは、図1Aに示す車両100の前面に配置したセンサー装置104の斜視図である。いくつかの例では、センサー装置106、108、および110は、図1Cに示すセンサー装置104と同様に構成され得る。図のように、センサー装置104は第3のLIDAR 130および光フィルタ132を含む。
【0035】
[0051] 第3のLIDAR 130は、第3のLIDAR 130が配置されている車両100の所与の側面(すなわち、前面)から離れて広がる車両100の周囲の環境のFOVをスキャンするように構成され得る。従って、いくつかの例では、第3のLIDAR 130は、第3のLIDAR 130の配置に起因して、第2のLIDAR 122よりも広いが、第1のLIDAR 120の360度FOVより狭いFOVにわたって(例えば、水平に)回転するように構成され得る。一実施形態では、第3のLIDAR 130は、270°(水平)×110°(垂直)のFOV、4Hzのリフレッシュレートを有し得、905nmの波長を有する1つのレーザービームを放出し得る。この実施形態では、第3のLIDAR 130からのデータに基づいて決定された3Dマップは、1.2°(水平)×0.2°(垂直)の角度分解能を有し得、それにより、車両100まで30メートルの短距離内で物体の検出/識別を可能にする。しかし、他の構成(例えば、光源数、角度分解能、波長、距離など)も可能である。第3のLIDAR 130の構造、動作、および機能性は、本開示の例示的実施形態内で更に詳細に説明する。
【0036】
[0052] 光フィルタ132は、図1Bの光フィルタ126と類似し得る。例えば、光フィルタ132は、第3のLIDAR 130を取り囲むように成形され得る。更に、例えば、光フィルタ132は、第3のLIDAR 130からの光の波長を含む波長範囲内の光が、光フィルタ132を通って伝搬できるように構成され得る。いくつかの例では、光フィルタ132は、光フィルタ132を通って伝搬する可視光を低減するように構成され得、それにより、車両100の美的外観を改善する。
【0037】
[0053] 図1Dは、車両100が、表面140上を走行しているシナリオを例示する。表面140は、例えば、道もしくは幹線道路などの運転面、または任意の他の表面であり得る。図1Dでは、矢印142、144、146、148、150、152は、それぞれのLIDARの垂直FOVの端部において、センサー装置102および104の様々なLIDARによって放出された光パルスを例示する。
【0038】
[0054] 例として、矢印142および144は、図1Bの第1のLIDAR 120によって放出された光パルスを示す。この例では、第1のLIDAR 120は、矢印142と144との間の環境の領域に一連のパルスを放出し得、その領域から反射された光パルスを受信して、その領域内の物体を検出および/または識別し得る。センサー装置102の第1のLIDAR 120(図示せず)の車両100の上部側における配置に起因して、第1のLIDAR 120の垂直FOVは、図1Dに示すように、車両100の構造(例えば、ルーフなど)によって制限される。しかし、センサー装置102内の第1のLIDAR 120の車両100の上部側における配置は、第1のLIDAR 120が、実質的に垂直軸170の周りを回転することにより、車両100の周囲の全方向をスキャンできるようにする。同様に、例えば、矢印146および148は、第2のLIDAR 122の垂直FOVの端部において、図1Bの第2のLIDAR 122によって放出された光パルスを示す。更に、第2のLIDAR 122は、説明に則して、第2のLIDAR 122の視野角を、車両100の周囲の任意の方向に調整するようにも操縦可能であり得る。一実施形態では、第1のLIDAR 120の垂直FOV(例えば、矢印142と144との間の角度)は、20°であり、第2のLIDAR 122の垂直FOVは、15°(例えば、矢印146と148との間の角度)である。しかし、他の垂直FOVも、例えば、車両100の構造またはそれぞれのLIDARの構成などの要因に応じて、可能である。
【0039】
[0055] 図1Dに示すように、センサー装置102(第1のLIDAR 120および/または第2のLIDAR 122を含む)は、車両100の周囲の任意の方向で(例えば、回転することにより、など)車両100の環境内の物体を探してスキャンし得るが、車両100にごく近接した物体を目的とした環境のスキャンにはあまり適していない可能性がある。例えば、図のように、車両100までの距離154内の物体は、かかる物体の位置が、矢印142および144によって示された光パルス間の領域外にあるために、センサー装置102の第1のLIDAR 120によって、検出されないか、または部分的にしか検出されない可能性がある。同様に、距離156内の物体も、センサー装置102の第2のLIDAR 122によって検出されないか、または部分的にしか検出されない可能性がある。
【0040】
[0056] それに応じて、センサー装置104の第3のLIDAR 130(図示せず)は、車両100に近い物体を目的として環境をスキャンするために使用され得る。例えば、センサー装置104の車両100の前面における配置に起因して、第3のLIDAR 130は、車両100までの距離154および/または距離156内の物体、少なくとも、車両100の前面から離れて広がる環境の一部、を目的とした環境のスキャンに適している可能性がある。図のように、例えば、矢印150および152は、第3のLIDAR 130の垂直FOVの端部において第3のLIDAR 130によって放出された光パルスを示す。従って、例えば、センサー装置104の第3のLIDAR 130は、車両100に近い物体を含めて、矢印150と152との間の環境の一部をスキャンするように構成され得る。一実施形態では、第3のLIDAR 130の垂直FOVは110°(例えば、矢印150と152との間の角度)である。しかし、他の垂直FOVも可能である。
【0041】
[0057] 図1Dに示す様々な矢印142~152の間の角度は、原寸に比例しておらず、例示のみを目的としていることに留意されたい。従って、いくつかの例では、様々なLIDARの垂直FOVも同様に変わり得る。
【0042】
[0058] 図1Eは、車両100が周囲の環境をスキャンしているシナリオにおける車両100の上面図を示す。前述の説明に則して、車両100の様々なLIDARの各々は、その各リフレッシュレート、FOV、または任意の他の要因に従って、特定の分解能を有し得る。その結果として、様々なLIDARは、車両100までのそれぞれの距離の範囲内で物体の検出および/または識別に適し得る。
【0043】
[0059] 図1Eに示すように、輪郭160および162は、センサー装置102の第1のLIDAR 120からのデータに基づき、物体が検出および/または識別され得る、車両100までの距離の範囲例を示す。図示のように、例えば、輪郭160内の近くの物体は、車両100の上部側上のセンサー装置102の配置に起因して、適切に検出および/または識別されない可能性がある。しかし、例えば、輪郭160の外側であって、輪郭162によって画定される中距離(例えば、100メートル、など)の範囲内の物体は、第1のLIDAR 120からのデータを使用して、適切に検出/識別され得る。更に、図のように、第1のLIDAR 120の水平FOVは、車両100の周囲の全方向に360°広がり得る。
【0044】
[0060] 更に、図1Eに示すように、輪郭164は、センサー装置102の第2のLIDAR 122からのより高い分解能データを使用して、物体が検出および/または識別され得る環境の領域を示す。図のように、輪郭164は、例えば、車両100から遠く離れた、比較的より長距離(例えば、300メートルなど)の物体を含む。輪郭164は、第2のLIDAR 122のより狭いFOV(水平)を示すが、いくつかの例では、車両100は、第2のLIDAR 122の視野角を、図1Eに示すもの以外の任意の方向に調整するように構成され得る。例として、車両100は、第1のLIDAR 120からのデータ(例えば、輪郭162内)を使用して物体を検出して、第2のLIDAR 122の視野角をその物体を含むFOVに調整し、次いで、第2のLIDAR 122からのより高い分解能データを使用して物体を識別し得る。一実施形態では、第2のLIDAR 122の水平FOVは8°であり得る。
【0045】
[0061] 更に、図1Eに示すように、輪郭166は、センサー装置104の第3のLIDAR 130によってスキャンされる環境の領域を示す。図のように、輪郭166によって示される領域は、例えば、第1のLIDAR 120および/または第2のLIDAR 124によってスキャンされない可能性がある環境の部分を含む。更に、例えば、第3のLIDAR 130からのデータは、車両100までの短距離(例えば、30メートル、など)内で物体を検出および/または識別するのに十分な分解能を有し得る。
【0046】
[0062] 前述した距離、分解能、およびFOVは、例示のみを目的としており、車両100の様々な構成に従って変わり得ることに留意されたい。更に、図1Eに示す輪郭160、162、164、および166は、原寸に比例しておらず、説明の便宜のために例示されている。
【0047】
[0063] 図2は、車両210およびコントローラ230を含み得るシステム200を示す。車両210は、図1を参照して例示および説明した車両100と似ているか、または同一であり得る。システム200は、1つまたは複数の感知装置212、ハウジング214、回転台216、およびLIDAR装置220を含み得る。コントローラ230は、プロセッサ232およびメモリ234を含み得る。
【0048】
[0064] 感知装置212は、車両210の周囲の環境に関する環境データを提供するように構成され得る。感知装置212は、車両に連結され得るが、車両から遠隔の感知装置212の位置も可能である。感知装置212には、カメラ、LIDAR装置、RADAR装置、ソナー送受波器、または別のタイプのセンサーを含み得る。
【0049】
[0065] LIDAR装置220は、車両を上から下まで貫通する軸の周りを回転するように構成され得る。そのため、LIDAR装置220は、車両の周囲の環境にレーザー光を放出し、環境内の物体からはね返った反射光を受信するように構成され得る。受信した光を解析することにより、環境の3次元(3D)表現を提供し得る点群が形成され得る。言い換えれば、LIDAR装置220は、車両の周囲の360度視野に関する情報を提供することが可能であり得る。
【0050】
[0066] LIDAR装置220は、前述の図1を参照して説明および例示した第2のLIDAR装置124と似ているか、または同一であり得る。LIDAR装置220は、車両210に連結され得る。LIDAR装置220は、光源222を含み、それは、1つまたは複数の波長で光を放出するように構成され得る。例示的実施形態では、LIDAR装置220は、1550nmの波長で光を放出するように構成され得る。他の放出波長も可能である。LIDAR装置220の光源222は、アクティブな利得媒体として機能し得る希土類元素を添加した光ファイバーを含むレーザーなどの、ファイバーレーザーであり得る。代替として、光源222は、別のタイプのレーザーであり得る。
【0051】
[0067] 例示的実施形態では、LIDAR装置220のスキャン部224は、放出光に第1の軸の周りを往復させるように構成され得る。例示的実施形態では、スキャン部224は、可動鏡、ばね、およびアクチュエータを含み得る。LIDAR装置220の光源222は、可動鏡に向けて光を放出し得る。ばねおよびアクチュエータは、放出光のビームを実質的に垂線に沿って移動させるように、可動鏡を水平軸の周りを往復して動かすように構成され得る。
【0052】
[0068] いくつかの実施形態では、ばねおよびアクチュエータは、可動鏡を第1の軸の周りを共振周波数で動かすように構成され得る。共振周波数は140Hzであり得るが、他の周波数も可能である。
【0053】
[0069] その上、少なくとも可動鏡は、回転台216上に取り付けられ得る。例示的実施形態では、LIDAR装置220のスキャン部224は、ハウジング214内に配置され得る。ハウジング214は、車両210の上部側に配置され得る。かかるシナリオでは、第2の軸は、車両210の上部と下部を貫通するとして画定され得る。前述のように、回転台216は、可動鏡に連結され得、それにより可動鏡は、第2の軸の周りを回転し得る。その結果、可動鏡は、車両210の周囲の360度視野内に光を向けるように構成され得る。他の例示的実施形態では、回転台216は、360度回転するように構成される必要はなく、むしろ、もっと小さい角度範囲内である。
【0054】
[0070] ハウジング214は、光フィルタを含み得る。光フィルタは、ドーム形であり得、光フィルタを通して伝搬する可視光量を低減するように構成され得る。
【0055】
[0071] LIDAR装置220は、環境から反射された放出光を受信するように構成された1つまたは複数の検出器226を更に含み得る。実施形態例では、LIDAR装置220は、環境情報に基づいて3D表現を形成するように構成され得る。更に、LIDAR装置220は、3D表現に基づいて環境内の物体を判断するように構成され得る。
【0056】
[0072] LIDAR装置220は、他の感知装置212によって提供された環境情報に応答して、動作するように構成され得る。例えば、他の感知装置212は、車両の環境内の物体を示し得る環境情報を取得し得る。対象情報は、環境情報に基づいて判断され得る。すなわち、対象情報は、物体のタイプ、サイズ、もしくは形状、特定の距離、特定の位置、または角度範囲を含み得る。いくつかの実施形態では、対象情報は、例えば、より高い分解能、更なるスキャン数などの、より高品質の情報が要求される、対象物体を示し得る。例えば、別の感知装置212が、横断歩道の近くに歩行者の可能性を示す環境情報を提供する場合、対象情報は、可能性がある歩行者の位置に基づき得る。
【0057】
[0073] 図3Aは、実施形態例に従った、LIDAR装置300の図を示す。LIDAR装置300は、図1Bを参照して例示および説明した第2のLIDAR 122と似ているか、または同一であり得る。例えば、LIDAR装置300は、図1Bの第2のLIDAR 122と同様に、車両100などの車両の上部側に取り付けられ得る。図のように、LIDAR装置300は、光学組立体310、鏡320、ピン322、および台330を含む。追加として、第2のLIDAR装置300によって放出された光ビーム304は、第2のLIDAR 300の視野角に沿ってLIDAR装置300の環境の方へ鏡320から離れて伝搬し、環境内の1つまたは複数の物体に反射光306として反射する。
【0058】
[0074] 光学組立体310は、光パルスを鏡320に向かって放出し、それは次いで、放出光304として鏡320によって反射されるように構成され得る。更に、光学組立体310は、鏡320に反射した反射光306を受信するように構成され得る。一実施形態では、光学組立体310は、1550nmの波長を有する狭ビームを供給するように構成される単一のレーザーエミッタを含み得る。この実施形態では、狭ビームは、図1Bの第2のLIDAR 122と同様に、長距離内での物体の検出に十分な高エネルギーを有し得る。他の実施形態では、光学組立体310は、図2A図2BのLIDAR 200と同様に、複数の光源を含み得る。更に、いくつかの例では、光学組立体310は、放出光304の視準および反射光306の集束の両方のための単一レンズを含み得る。他の例では、光学組立体310は、放出光304の視準用の第1のレンズおよび反射光306の集束用の第2のレンズを含み得る。
【0059】
[0075] 鏡320は、図3Aに示すように、放出光304を光学組立体310からLIDAR 300の視野角の方へ操縦するように配置され得る。同様に、例えば、鏡320は、反射光306を環境から光学組立体310の方へ操縦するように配置され得る。
【0060】
[0076] ピン322は、鏡320をLIDAR装置300に取り付けるように構成され得る。その結果として、ピン322は、鏡320を支持できる任意の材料から形成できる。例えば、ピン322は、他の可能性の中でとりわけ、プラスチックまたは金属などの固体材料から形成され得る。いくつかの例では、LIDAR 300は、鏡320を所与の範囲の角度にわたってピン322の周りを回転させて、放出光304を垂直に操縦するように構成され得る。一実施形態では、LIDAR 300は、鏡320を15°の範囲の角度にわたってピン322の周りを回転させ得る。この実施形態では、LIDAR 300の垂直FOVは15°に対応し得る。しかし、LIDAR 300の取付け位置または任意の他の要因などの様々な要因に従って、他の垂直FOVも可能である。
【0061】
[0077] 台330は、光学組立体310および鏡320などの、LIDAR 300の様々な構成要素を支持できる任意の材料から形成できる。例えば、台330は、他の可能性の中でとりわけ、プラスチックまたは金属などの固体材料から形成され得る。いくつかの例では、台330は、LIDAR装置300の軸の周りを回転するように構成され得る。例えば、台330は、かかる回転を容易にするために、ステッパーモーターなどのモーターを含み得る。いくつかの例では、軸は、実質的に垂直である。いくつかの例では、様々な構成要素を支持する台330を回転させることにより、台330は、放出光304を水平に操縦し、結果として、LIDAR 300が水平FOVを有するのを可能にし得る。一実施形態では、台330は、8°など、定義された量の回転に対して回転し得る。この実施形態では、LIDAR 300は、従って、図1Bの第2のLIDAR 122と同様に、8°の水平FOVを有し得る。別の実施形態では、台330は、図1Bの第1のLIDAR 120と同様に、完全な360°回転に対して回転し得、それにより水平FOVは360°となる。台330の他の構成も可能である。
【0062】
[0078] 図3Bは、実施形態例に従った、LIDAR装置300の図を示す。すなわち、図3Bは、LIDAR装置300の上からの斜位図である。
【0063】
[0079] 図4Aおよび図4Bは、実施形態例に従った、LIDAR装置400の異なる断面図を示す。LIDAR装置400は、図2図3A、および図3Bを参照して例示および説明したLIDAR装置200およびLIDAR装置300などの、本明細書で開示する他の装置と似ているか、または同一であり得る。その上、LIDAR装置400は、図1Aおよび図1Bを参照して例示および説明した車両100などの車両に組み込まれた複数のLIDARセンサー装置のうちの1つであり得る。
【0064】
[0080] LIDAR装置400は、可動鏡402、光源404、発光鏡(emission mirror)406、レンズ408、および1つまたは複数の検出器410を含み得る。LIDAR装置400は、光フィルタ412によって取り囲まれ得る。
【0065】
[0081] 本明細書の別の場所で説明するように、光源404はファイバーレーザーであり得る。光源404は、1550nmで放出光を放出し得る。光源404からの放出光は、発光鏡406に反射し得る。発光鏡406は、平面鏡であり得る。代替または追加として、発光鏡406は、集光鏡、発散鏡、または別のタイプの反射光学装置、例えば、円柱レンズ、を含み得る。当業者は、発光鏡406は、放出光を可動鏡402の方に向けるように構成された1つまたは複数の光学構成要素を表し得ることを認識するであろう。その上、1つまたは複数の光学構成要素は、光源404からの放出光を、成形、反射、集束、または別の方法で変更するように構成され得る。
【0066】
[0082] 放出光は、任意選択で、可動鏡402と相互に作用する前に、レンズ408によって集束され得る。代替として、放出光は、可動鏡402と相互に作用する前に、レンズ408内の開口部(例えば、開口スリットまたはアパーチュア)を通過し得る。追加または代替として、放出光は、別の光学要素によって集束されるか、または別の方法で変更され得る。
【0067】
[0083] 光フィルタ412は、実質的に、放出光の少なくともいくつかの波長に対して透過的であるように構成され得る。光フィルタ412は、実質的に他の波長の光を透さないように構成され得る。
【0068】
[0084] 本明細書の別の場所で説明するように、LIDAR装置400は、回転台414上で回転するように構成され得る。具体的には、回転台414は、垂直軸の周りを回転するように構成され得る。可動鏡402は、放出光を垂直面に沿って上下に向かわせるように、ピン416の周りを往復して回転するように構成され得る。回転台414による回転運動と、可動鏡402の往復運動の組合せにより、車両の環境の視野の照明が可能になり得る。
【0069】
[0085] 放出光は、車両の環境内の物体および表面と相互に作用し得る。放出光の少なくとも一部は、反射光として、LIDAR装置400および可動鏡402の方に反射して返り得る。反射光は、可動鏡402と相互に作用し得、それにより可動鏡402は反射光をレンズ408の方へ向かわせる。レンズ408は、反射光が1つまたは複数の検出器410と相互に作用するように、反射光を集束するか、視準するか、または別の方法で変更し得る。
【0070】
[0086] 本明細書の別の場所で説明するように、1つまたは複数の検出器410によって収集された反射光は、空間点群を形成するために使用され得る。空間点群は、LIDAR装置400の視野内の物体および/または表面に関する情報を提供し得る。
【0071】
[0087] 図5は、実施形態例に従った、場面500の表現を示す。具体的には、図5は、図3A図3B図4A、および図4BのLIDAR装置300および400からのデータに基づいた環境の空間点群を示し得る。空間点群は、車両の周囲の環境の3次元(3D)表現を表し得る。3D表現は、図3A図3B図4A、および図4BのLIDAR装置300および400からのデータに基づき、コンピューティング装置によって3D点群として生成され得る。3D群の各点は、例えば、図3Aに示す反射光ビーム306からの反射光パルスと関連付けられ得る。従って、図のように、LIDAR装置300からより遠く離れた点は、LIDAR装置300の角度分解能に起因して、相互にさらに遠く離れる。
【0072】
[0088] LIDAR装置300の回転に基づき、場面500は、図5に示すように、全方向(水平に360°)における環境のスキャンを含む。更に、図のように、場面500の領域502は、いかなる点も含んでいない。例えば、領域502は、図3AのLIDAR装置300が、車両100の上部側に配置されているためにスキャンできない、車両100の周囲の輪郭160(図1E)に対応し得る。その上、図のように、領域504は、LIDAR装置300の環境内の物体を示す。例えば、領域504内の物体は、LIDAR装置300の環境内の歩行者、車両、または他の障害物に対応し得る。LIDAR装置300が車両100などの車両に取り付けられるシナリオ例では、車両100は、場面500からの空間点群情報を利用して、領域504から離れて、領域504の障害物を含んでいない領域506の方へ、車両をナビゲートし得る。
【0073】
[0089] 図6は、実施形態例に従った、場面600の表現を示す。いくつかの例では、3D表現は、図3A図3B図4A、および図4BのLIDAR装置300または400によって生成された空間点群データに基づいて生成され得る。3D群の各点は、例えば、図3Aに示す反射光ビーム306からの反射光パルスと関連付けられ得る。
【0074】
[0090] 図のように、場面600の表現は、LIDAR装置300が車両の上部側に配置されているためにスキャンされないか、またはスキャンできない領域を表し得る、場面500の領域502に類似した、領域602を含む。例えば、領域602は、車両100の周囲の図1Eの輪郭160に対応し得る。
【0075】
[0091] しかし、図5の場面500の表現とは異なり、場面600の表現は、ずっと狭い視野にわたり得る。例えば、LIDAR 300によってスキャンされて場面600の表現で例示されるFOVは、図1Eの輪郭164に対応し得る。1つには、より狭いFOVに起因して、場面600の表現は、場面500の表現よりも高い分解能を有する。例えば、場面600の点群内の点は、相互により近く、従って、環境内のいくつかの物体は、場面500によって表現される環境内の物体と比較して、より容易に識別され得る。
【0076】
[0092] シナリオ例では、車両100などの車両は、第1のLIDAR(例えば、第1のLIDAR 120)および第2のLIDAR(例えば、第2のLIDAR 122)を含み得る。シナリオでは、車両は、第1のLIDARからのデータを利用して、図5の場面500の表現を生成し得る。更に、シナリオでは、車両は、場面500の表現の領域504を、更なるスキャンのための、対象領域、または対象物体/位置として決定し得る。その結果として、シナリオにおける車両は、第2のLIDARの視野角を調整し、対象領域をスキャンして、図6の場面600の表現を取得し得る。シナリオでは、車両は、画像処理アルゴリズムまたは形状検出アルゴリズムなどのコンピューティングプロセスを使用して、場面600の表現を処理し得る。その結果として、シナリオの車両は、場面600の表現の領域604内の物体を歩行者として、また、領域606内の別の物体を灯柱(light post)として識別し得る。シナリオでは、車両は、次いで、それに応じて進み得る。
【0077】
[0093] 一例では、車両は、物体が(例えば、領域604で示されるように)歩行者を含む場合には、物体に対する第1の閾値距離内まで、または物体が、他の可能性の中でとりわけ(例えば、領域606で示されるように)灯柱などの無生物を含む場合には、もっと低い第2の閾値距離内まで、進み得る。別の例では、車両は、生物が識別される(例えば、領域604)場合には、その物体を追跡するために第2のLIDARを割り当て得るか、または無生物だけが識別された場合には、他の物体を追跡するために第2のLIDARを割り当て得る。シナリオに則して、他のナビゲーション操作も可能である。
【0078】
[0094] 実施形態例では、対象領域または対象物体/位置は、対象情報に基づいて決定され得る。対象情報は、関心のある特定の物体、歩行者、別の車両、交差点、交通信号、横断歩道、車両の「盲」点、または車両のナビゲーションにおいて興味を引き得る任意の数の他の物体を含み得る。対象情報は、LIDARシステムのコントローラによって受信され得、感知装置によって提供され得る。感知装置は、別のLIDARシステムを含み得るか、またはカメラ、超音波トランスデューサ、および/もしくはRADARなどの、別のタイプのセンサーであり得る。
【0079】
[0095] 代替または追加として、対象情報は、車両の周囲の環境のマップ、車両の位置、または車両の移動に基づき得る。他の対象情報は、車両ナビゲーションおよび物体回避を支援することが可能である。
【0080】
[0096] 従って、いくつかの例では、本明細書で開示するセンサーおよびLIDAR装置の組合せを含む車両は、様々な道路状況および/またはシナリオに従って環境をスキャンするために、リフレッシュレート、分解能、FOV、位置などの、各センサーのそれぞれの特性を利用し得る。
【0081】
[0097] 図7は、実施形態例に従った、場面700の表現を示す。更なる図示例として、図7は、図3A図3B図4A、および図4Bを参照して例示および説明したように、LIDAR装置300または400によって生成され得る別の空間点群を含み得る。つまり、図7は、死角となる(スキャンできない)領域702および人704の表現を含み得る。
【0082】
[0098] 図8は、実施形態例に従った、1つまたは複数の物体を含む環境内を走行している車両を示す。車両800は、車両100と類似し得る。例えば、図のように、車両800は、車両100のセンサー装置102、106、108、および110に、それぞれ類似している、センサー装置802、806、808、および810を含む。例えば、センサー装置802は、車両100の第1のLIDAR 120および第2のLIDAR 122に、それぞれ類似している、第1のLIDAR(図示せず)および第2のLIDAR(図示せず)を含み得る。更に、例えば、センサー装置806~810の各々は、車両100の第3のLIDAR 130に類似したLIDARも含み得る。図のように、車両800の環境は、自動車812、814、816、交通標識818、木820、建物822、道路標識824、歩行者826、犬828、自動車830、私道832、および車線境界線834を含む車線境界線などの、様々な物体を含む。本開示によれば、車両800は、車両800の自律運転および/または車両800による事故回避を容易にするために、方法500~700などの、本明細書の方法およびプロセスを実行し得る。以下は、本開示に従った車両800の運行のためのシナリオ例である。
【0083】
[0099] 第1のシナリオでは、車両800は、車両100の第1のLIDAR 120に類似した、中距離LIDARを使用して、交通標識818を検出し得る。言い換えれば、第1のLIDAR 120または別のセンサーは、対象情報をLIDARシステム200のコントローラ230に提供し得る。その結果として、車両800は、情報を求めて交通標識818を解析するために、車両100の第2のLIDAR 122に類似した、より高い分解能のLIDARおよび/またはより長距離のLIDARの視野角を調整し得る。例えば、第2のLIDARのより高い分解能は、交通標識818内の特徴の反射性の差に起因して、情報を解像するのを可能にし得る。シナリオの一例では、交通標識は、前方の障害物または車線閉鎖を示し得、車両800は、それに応じて、その速度を調整するか、または車線を変更し得る。シナリオの別の例では、交通標識は、前方の交通の遅れを示し得、車両800は、その結果、車両800のナビゲーションシステムに代替経路を決定するように指示し得る。シナリオの他の変形も可能である。
【0084】
[0100] 第2のシナリオでは、車両800は、様々なセンサーを使用して、図8に示す様々な物体を検出および/または識別し得る。様々なセンサーは、車両800の周囲の環境に関連する対象情報をコントローラ230に提供し得る。例えば、車両800は、自動車812~816を、車両800のナビゲーション挙動に関連し得る移動物体として識別し得る。それに応じて、車両800は、LIDAR装置300または400を使用して、自動車812~816を追跡し、かかるナビゲーションを容易にし得る。例えば、車両800は、LIDAR装置300または400からのデータに基づいて、その速度を調整し得るか、または自動車812~816との接触を回避するために車線を変更し得る。
【0085】
[0101] 第3のシナリオでは、車両800は、車両100のLIDAR 120に類似した、センサー装置802の第1のLIDARを利用して、車両800までの閾値距離(例えば、中距離)内にある自動車814を検出および/または識別し得る。シナリオでは、自動車814は、車両800と同じ車線に車線変更している途中であり得る。シナリオでは、車両800は、自動車814までの安全距離を保つためにその速度を調整し、かつ/または車線を変更する必要があり得る。しかし、第1のLIDARからのデータは、自動車814が車線境界線834を越えているかどうかを検出するには不十分な第1の分解能しか有していない可能性があるか、または車線境界線834を検出/識別するためでさえ不十分であり得る。従って、シナリオでは、車両800は、センサー装置802内に含まれていて、第1のLIDARの第1の分解能よりも高い第2の分解能を有する、第2のLIDAR 122またはLIDAR装置300もしくは400に類似した、第2のLIDARの視野角を調整し得る。その結果として、車両800は、車線境界線834および/または自動車814が車線境界線を越えているかどうかを解像し得る。代替として、例えば、車両800は、他の可能性の中でとりわけ、第2のLIDARのより高い分解能を利用して自動車814の左合図灯を検出し、車両814が車線を変更していると判断し得る。
【0086】
[0102] 第4のシナリオでは、自動車816は、他の可能性の中でとりわけ、不規則に走行しているか、または車両800と比べて高速で移動している可能性がある。このシナリオでは、車両800は、LIDAR装置300または400を使用して、自動車816を追跡し得、それに応じて、自動車816との接触を回避するようにナビゲート(例えば、車線を変更する、速度を調整する、など)し得る。
【0087】
[0103] 他のシナリオも可能である。このように、本方法およびシステムは、車両800の周囲の環境に関する情報を提供するように構成された高分解能LIDARシステムを利用することにより、車両800などの車両に対する自律運転および/または事故回避を容易にし得る。
【0088】
[0104] 図9は、実施形態例に従った、車両900の簡略化ブロック図である。車両900は、車両100および/または800に類似し得る。更に、車両900は、方法500、600、および/または700などの、本明細書の機能および方法を実行するように構成され得る。図のように、車両900は、推進システム902、センサーシステム904、制御システム906、周辺機器908、およびコンピュータシステム910を含む。他の実施形態では、車両900は、もっと多いか、もっと少ないか、または異なるシステムを含み得、各システムは、もっと多いか、もっと少ないか、または異なる構成要素を含み得る。追加として、図示するシステムおよび構成要素は、任意の数の方法で、組み合わせるか、または分割され得る。
【0089】
[0105] 推進システム902は、車両900に対して動力運動(powered motion)を提供するように構成され得る。図のように、推進システム902は、エンジン/モーター918、エネルギー源920、変速装置922、および車輪/タイヤ924を含む。
【0090】
[0106] エンジン/モーター918は、内燃機関、電気モーター、蒸気機関、およびスターリング機関の任意の組合せであり得るか、またはそれを含み得る。他のモーターおよびエンジンも可能である。いくつかの実施形態では、推進システム902は、複数のタイプのエンジンおよび/またはモーターを含み得る。例えば、ガソリン電気ハイブリッド車は、ガソリンエンジンと電気モーターを含み得る。他の例も可能である。
【0091】
[0107] エネルギー源920は、エンジン/モーター918に完全に、または一部、動力を供給するエネルギーの源であり得る。すなわち、エンジン/モーター918は、エネルギー源920を機械的エネルギーに変換するように構成され得る。エネルギー源920の例には、ガソリン、ディーゼル、プロパン、他の圧縮ガスベースの燃料、エタノール、太陽電池パネル、電池、および他の電力源を含む。エネルギー源(複数可)920は、追加または代替として、燃料タンク、電池、コンデンサ、および/またははずみ車の任意の組合せを含み得る。いくつかの実施形態では、エネルギー源920は、車両900の他のシステムにもエネルギーを供給し得る。
【0092】
[0108] 変速装置922は、機械力をエンジン/モーター918から車輪/タイヤ924に伝達するように構成され得る。この目的のため、変速装置922は、ギアボックス、クラッチ、差動装置、駆動軸、および/または他の要素を含み得る。変速装置922が駆動軸を含む実施形態では、駆動軸は、車輪/タイヤ924に連結するように構成される1つまたは複数の車軸を含み得る。
【0093】
[0109] 車両900の車輪/タイヤ924は、一輪車、二輪車/オートバイ、三輪車、または自動車/トラック四輪形式を含む、様々な形式で構成され得る。六輪以上を含むものなど、他の車輪/タイヤ形式も可能である。いずれの場合でも、車輪/タイヤ924は、他の車輪/タイヤ924に関して、差動回転するように構成され得る。いくつかの実施形態では、車輪/タイヤ924は、変速装置922に固定して取り付けられる少なくとも1つの車輪、および運転面と接触し得る車輪のリムに連結された少なくとも1つのタイヤを含み得る。車輪/タイヤ924は、金属とゴムの任意の組合せ、または他の材料の組合せを含み得る。推進システム902は、追加または代替として、図示したもの以外の構成要素を含み得る。
【0094】
[0110] センサーシステム904は、車両900が位置している環境に関する情報を検知するように構成された、いくつかのセンサー、ならびにセンサーの位置および/または向きを変更するように構成された1つまたは複数のアクチュエータ936を含み得る。図のように、センサーシステム904のセンサーは、全地球測位システム(GPS)926、慣性計測装置(IMU)928、RADAR装置930、レーザー距離計および/またはLIDAR装置932、ならびにカメラ934を含む。センサーシステム904は、例えば、車両900の内部システムを監視するセンサー(例えば、Oモニター、燃料計、エンジンオイル温度、など)を含む、追加のセンサーも含み得る。その上、センサーシステム904は、複数のLIDARを含み得る。いくつかの例では、センサーシステム904は、各々がそれぞれの位置(例えば、上部側、下部側、前面、背面、右側、左側など)で車両に取り付けられた複数のセンサー装置として実装され得る。他のセンサーも可能である。
【0095】
[0111] GPS 926は、車両900の地理的位置を推定するように構成された任意のセンサー(例えば、位置センサー)であり得る。この目的のため、GPS 926は、車両900の位置を地球に関して推定するように構成された送受信機を含み得る。GPS 926は、他の形式も取り得る。
【0096】
[0112] IMU 928は、慣性加速度に基づいて、車両900の位置と方向の変化を検知するように構成されたセンサーの任意の組合せであり得る。いくつかの実施形態では、センサーの組合せには、例えば、加速度計とジャイロスコープを含み得る。センサーの他の組合せも可能である。
【0097】
[0113] RADAR装置930は、車両900が位置している環境内の物体を無線信号を使用して検知するように構成された任意のセンサーであり得る。いくつかの実施形態では、物体の検知に加えて、RADAR装置930は、追加として、物体の速度および/または進行方向を検知するように構成され得る。
【0098】
[0114] 同様に、レーザー距離計またはLIDAR装置932は、レーザーを使用して、車両900が位置している環境内の物体を検知するように構成された任意のセンサーであり得る。具体的には、レーザー距離計またはLIDAR装置932は、レーザーを放出するように構成されたレーザー源および/またはレーザースキャナならびにレーザーの反射を検出するように構成された検出器を含み得る。レーザー距離計またはLIDAR 932は、コヒーレント(例えば、ヘテロダイン検波を使用)またはインコヒーレント検出モードで動作するように構成され得る。いくつかの例では、LIDAR装置932は、各々が車両900の周囲の環境の特定の領域をスキャンするのに適した固有の位置および/または構成を有する複数のLIDARを含み得る。
【0099】
[0115] カメラ934は、車両900が位置している環境の画像を捕捉するように構成された任意のカメラ(例えば、スチルカメラ、ビデオカメラなど)であり得る。この目的のため、カメラは前述した任意の形を取り得る。センサーシステム904は、追加または代替として、図示したもの以外の構成要素を含み得る。
【0100】
[0116] 制御システム906は、車両900およびその構成要素の動作を制御するように構成され得る。この目的のため、制御システム906は、ステアリング装置938、スロットル940、ブレーキ装置942、センサーフュージョンアルゴリズム944、コンピュータビジョンシステム946、ナビゲーションまたは経路設定システム948、および障害物回避システム950を含み得る。
【0101】
[0117] ステアリング装置938は、車両900の進行方向を調整するように構成された機構の任意の組合せであり得る。スロットル940は、エンジン/モーター918の動作速度、および、その結果として、車両900の速度を制御するように構成された機構の任意の組合せであり得る。ブレーキ装置942は、車両900を減速させるように構成された機構の任意の組合せであり得る。例えば、ブレーキ装置942は、摩擦を使用して、車輪/タイヤ924の速度を落とし得る。別の例として、ブレーキ装置942は、車輪/タイヤ924の運動エネルギーを電流に変換し得る。ブレーキ装置942は、他の形も取り得る。
【0102】
[0118] センサーフュージョンアルゴリズム944は、センサーシステム904からのデータを入力として受け入れるように構成されたアルゴリズム(またはアルゴリズムを格納しているコンピュータプログラム製品)であり得る。データは、例えば、センサーシステム904のセンサーで検知された情報を表すデータを含み得る。センサーフュージョンアルゴリズム944は、例えば、カルマンフィルタ、ベイジアンネットワーク、本明細書の方法の機能のいくつかを実行するように構成されたアルゴリズム、または任意の別のアルゴリズムを含み得る。センサーフュージョンアルゴリズム944は、例えば、車両100が位置している環境内の個々の物体および/もしくは特徴の評価、特定の状況の評価、ならびに/または特定の状況に基づいて考えられる影響の評価を含む、センサーシステム904からのデータに基づいて、様々な評価を提供するように、更に構成され得る。他の評価も可能である。
【0103】
[0119] コンピュータビジョンシステム946は、例えば、交通信号および障害物を含む、車両900が位置している環境内の物体および/または特徴を識別するために、カメラ934によって捕捉された画像を処理および解析するように構成された任意のシステムであり得る。この目的のため、コンピュータビジョンシステム946は、物体認識アルゴリズム、Structure from Motion(SFM)アルゴリズム、ビデオトラッキング、または他のコンピュータビジョン技術を使用し得る。いくつかの実施形態では、コンピュータビジョンシステム946は、追加として、環境のマッピング、物体の追跡、物体速度の推定などを行うように構成され得る。
【0104】
[0120] ナビゲーションおよび経路設定システム948は、車両900に対する運転経路を決定するように構成された任意のシステムであり得る。ナビゲーションおよび経路設定システム948は、追加として、車両900の走行中に、運転経路を動的に更新するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ナビゲーションおよび経路設定システム948は、車両900に対する運転経路を決定するために、センサーフュージョンアルゴリズム944、GPS 926、LIDAR装置932、および1つまたは複数の所定のマップからのデータを統合するように構成され得る。
【0105】
[0121] 障害物回避システム950は、車両900が位置している環境内の障害物を識別し、評価し、かつ回避するか、または別の方法で切り抜けるように構成された任意のシステムであり得る。制御システム906は、追加または代替として、図示したもの以外の構成要素を含み得る。
【0106】
[0122] 周辺機器908は、車両900が、外部センサー、他の車両、外部コンピューティング装置、および/またはユーザーとやり取り可能になるように構成され得る。この目的のため、周辺機器908は、例えば、無線通信システム952、タッチスクリーン954、マイクロホン956、および/またはスピーカー958を含み得る。
【0107】
[0123] 無線通信システム952は、1つまたは複数の他の車両、センサー、または他のエンティティを、直接、または通信ネットワークを経由してのいずれかで、無線で接続するように構成された任意のシステムであり得る。この目的のため、無線通信システム952は、アンテナおよび他の車両、センサー、サーバー、または他のエンティティと、直接または通信ネットワークを経由してのいずれかで通信するためのチップセットを含み得る。チップセットまたは無線通信システム952は一般に、他の可能性の中でとりわけ、BLUETOOTH、IEEE 802.11(任意のIEEE 802.11リビジョンを含む)に記載された通信プロトコル、携帯電話技術(GSM、CDMA、UMTS、EV-DO、WiMAX、またはLTE)、ZIGBEE、狭域通信(DSRC)、および無線自動識別(RFID)通信などの、1つまたは複数のタイプの無線通信(例えば、プロトコル)に従って通信するように構成され得る。無線通信システム952は、他の形も取り得る。
【0108】
[0124] タッチスクリーン954は、車両900に対して命令を入力するためにユーザーによって使用され得る。この目的のため、タッチスクリーン954は、ユーザーの指の位置および動きの少なくとも1つを、他の可能性の中でとりわけ、容量感知、抵抗感知、または弾性表面波プロセスによって感知するように構成され得る。タッチスクリーン954は、タッチスクリーン表面と平行もしくは平面の方向、タッチスクリーン表面と垂直な方向、またはその両方への指の動きを感知することが可能であり得、また、タッチスクリーン表面に印加された圧力レベルを感知することも可能であり得る。タッチスクリーン954は、1つまたは複数の半透明または透明な絶縁層および1つまたは複数の半透明または透明な導電層から形成され得る。タッチスクリーン954は、他の形も取り得る。
【0109】
[0125] マイクロホン956は、車両900のユーザーから音声(例えば、音声命令または他の音声入力)を受信するように構成され得る。同様に、スピーカー958は、車両900のユーザーに音声を出力するように構成され得る。周辺機器908は、追加または代替として、図示したもの以外の構成要素を含み得る。
【0110】
[0126] コンピュータシステム910は、推進システム902、センサーシステム904、制御システム906、および周辺機器908の1つまたは複数にデータを送信し、それらからデータを受信し、それらとやり取りし、かつ/またはそれらを制御するように構成され得る。この目的のため、コンピュータシステム910は、推進システム902、センサーシステム904、制御システム906、および周辺機器908の1つまたは複数に、システムバス、ネットワーク、および/または他の接続機構(図示せず)によって通信可能に接続され得る。
【0111】
[0127] 一例では、コンピュータシステム910は、燃料効率を改善するために、変速装置922の動作を制御するように構成され得る。別の例として、コンピュータシステム910は、カメラ934に環境の画像を捕捉させるように構成され得る。更に別の例として、コンピュータシステム910は、センサーフュージョンアルゴリズム944に対応する命令を格納および実行するように構成され得る。更に別の例として、コンピュータシステム910は、LIDAR装置932を使用して、車両900の周囲の環境の3D表現を決定するための命令を格納および実行するように構成され得る。他の例も可能である。
【0112】
[0128] 図のように、コンピュータシステム910は、プロセッサ912およびデータ記憶914を含む。プロセッサ912は、1つまたは複数の汎用プロセッサおよび/または1つまたは複数の専用プロセッサを含み得る。プロセッサ912が2つ以上のプロセッサを含む範囲において、かかるプロセッサは別々に、または組み合わせて、動作し得る。データ記憶914は、その結果として、光学式、磁気、および/もしくは有機記憶などの、1つまたは複数の揮発性ならびに/または1つまたは複数の不揮発性記憶構成要素を含み得、データ記憶914は、全体として、または一部、プロセッサ912と統合され得る。
【0113】
[0129] いくつかの実施形態では、データ記憶914は、様々な車両機能(例えば、方法500~700など)を実行するためにプロセッサ912によって実行可能な命令916(例えば、プログラム論理)を含み得る。データ記憶914は、推進システム902、センサーシステム904、制御システム906、および/または周辺機器908の1つまたは複数にデータを送信し、それらからデータを受信し、それらとやり取りし、かつ/またはそれらを制御するための命令を含む、追加の命令も含み得る。コンピュータシステム910は、追加または代替として、図示したもの以外の構成要素を含み得る。
【0114】
[0130] 図のように、車両900は、電源960を更に含み、電源960は、車両900の構成要素の一部または全部に電力を供給するように構成され得る。この目的のため、電源960は、例えば、リチウムイオン二次電池または鉛電池を含み得る。いくつかの実施形態では、電池の1つまたは複数のバンクが、電力を供給するために構成され得る。他の電源材料および構成も可能である。いくつかの実施形態では、電源960およびエネルギー源920は、いくつかの完全な電気自動車におけるように、1つの構成要素として一緒に実装され得る。
【0115】
[0131] いくつかの実施形態では、車両900は、図示したものに加えて、またはその代わりに、1つまたは複数の要素を含み得る。例えば、車両900は、1つまたは複数の追加のインタフェースおよび/または電源を含み得る。他の追加の構成要素も可能である。かかる実施形態では、データ記憶914は、追加の構成要素を制御し、かつ/またはそれらと通信するために、プロセッサ912によって実行可能な命令を更に含み得る。
【0116】
[0132] なお更に、構成要素およびシステムの各々は車両900に統合されると示されているが、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の構成要素またはシステムは、有線もしくは無線接続を使用して車両900に、取り外し可能に取り付けられるか、または別の方法で(機械的に、または電気的に)接続され得る。車両900は、他の形も取り得る。
【0117】
[0133] 図10は、実施形態例に従って構成されたコンピュータ可読媒体を示す。実施形態例では、システム例は、1つまたは複数のプロセッサ、1つまたは複数の形式のメモリ、1つまたは複数の入力装置/インタフェース、1つまたは複数の出力装置/インタフェース、および1つまたは複数のプロセッサによって実行される場合に、前述した、様々な機能タスク、機能性などをシステムに実行させるマシン可読命令を含み得る。
【0118】
[0134] いくつかの実施形態では、開示した技法(例えば、以下の方法1100など)は、コンピュータ可読記憶媒体上にマシン可読フォーマットで、または他の媒体もしくは製造業者の製品上に、コード化されたコンピュータプログラム命令(例えば、車両900の命令916など)によって実装され得る。図10は、本明細書で開示する少なくともいくつかの実施形態に従って構成された、コンピューティング装置上でコンピュータプロセスを実行するためのコンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品例の概念部分図を示す概略図である。
【0119】
[0135] 一実施形態では、コンピュータプログラム製品例1000は、信号担持媒体1002を使用して提供される。信号担持媒体1002は、1つまたは複数のプロセッサによって実行される場合に、図1図9に関連して前述した機能または機能の一部を提供し得る1つまたは複数のプログラミング命令1004を含み得る。いくつかの例では、信号担持媒体1002は、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、デジタルテープ、メモリなどであるが、それらに限定されない、持続性コンピュータ可読媒体1006であり得る。いくつかの実施態様では、信号担持媒体1002は、メモリ、読取り/書込み(R/W)CD、R/W DVDなどであるが、それらに限定されない、コンピュータ記録可能媒体1008であり得る。いくつかの実施態様では、信号担持媒体1002は、通信媒体1010(例えば、光ファイバーケーブル、導波管、有線通信リンクなど)であり得る。従って、例えば、信号担持媒体1002は、無線形式の通信媒体1010によって伝達され得る。
【0120】
[0136] 1つまたは複数のプログラミング命令1004は、例えば、コンピュータ実行可能および/または論理実装命令であり得る。いくつかの例では、コンピューティング装置は、コンピュータ可読媒体1006、コンピュータ記録可能媒体1008、および/または通信媒体1010の1つまたは複数によってコンピューティング装置に伝達されたプログラミング命令に応答して、様々な操作、機能、または動作を提供するように構成され得る。
【0121】
[0137] コンピュータ可読媒体1006は、複数のデータ記憶要素間で分散もされ得、それらは、相互に遠隔に配置され得る。格納された命令の一部または全部を実行するコンピューティング装置は、外部コンピュータ、またはスマートフォン、タブレット装置、パーソナルコンピュータ、ウェアラブルデバイスなどの、モバイルコンピューティングプラットフォームでもよい。代替として、格納された命令の一部または全部を実行するコンピューティング装置は、サーバーなどの、遠隔に配置されたコンピュータシステムでもよい。
【0122】
方法例
[0138] 図11は、実施形態例に従った、方法1100を示す。方法1100は、任意の順番で実行され得るブロックを含む。更に、様々なブロックが、本開示の意図する範囲内で、方法1100に追加され得るか、または方法1100から取り去られ得る。方法1100は、図1A図1E図2図3A図3B図4A図4B図9、または図10を参照して例示および説明したシステムのいずれかまたは全部を使用して実行され得るステップに対応し得る。
【0123】
[0139] ブロック1102は、光検知測距(LIDAR)装置のコントローラによって対象情報を受信することを含む。対象情報は、別の感知装置から受信され得るか、または物体の予期される位置もしくは特定の位置に基づき得る。言い換えれば、対象情報は、物体のタイプ、物体のサイズ、物体の形状、距離、位置、または角度範囲の少なくとも1つを示し得る。
【0124】
[0140] ブロック1104は、LIDARの光源に、1つの波長範囲内の光を放出させることを含み、光源はファイバーレーザーを含む。前述のように、光源は、1つまたは複数の波長、例えば、1550nmで、光を放出するように構成され得る。
【0125】
[0141] ブロック1106は、LIDARのスキャン部に、放出光を第1の軸の周りを往復させることを含む。LIDARのスキャン部は、可動鏡、ばね、およびアクチュエータを含み得る。ばねおよびアクチュエータは、可動鏡を第1の軸の周りを共振周波数で前後に動かすように構成され得る。共振周波数は140Hzまたは別の周波数であり得る。
【0126】
[0142] ブロック1108は、対象情報の受信に応答して、LIDARの照準方向を調整するために、LIDARに連結された回転台を回転させることを含む。実施形態例では、回転台は、第2の軸の周りを回転するように構成される。第2の軸は、車両のルーフと床を貫通する垂直軸であり得る。従って、関心のある特定の方向で対象に関する対象情報の受信に応答して、放出光が関心のある特定の方向に向けられるか、または操縦されるように、回転台は可動鏡を回転させるように構成され得る。
【0127】
[0143] ブロック110は、LIDARに環境の視野(FOV)をスキャンさせることを含み、FOVはLIDARから離れて照準方向に沿って広がる。スキャンは、FOVを放出光で照らし、LIDARと関連付けられた1つまたは複数の検出器で反射した放出光を受信するために、回転台および/または可動鏡の一方または両方を制御することを含み得る。
【0128】
[0144] ブロック1112は、FOVのスキャンからのデータに基づいて環境の3次元(3D)表現を決定することを含む。前述のように、LIDARシステムは、車両の周囲の環境内の物体から反射されている放出光を受信するように構成された1つまたは複数の検出器を含み得る。このように、受信した光に基づいて、LIDARシステムは、車両の環境を示し得る点群マップを生成し得る。点群マップは、ナビゲーション、物体認識、障害物回避、および/または他の機能のために使用され得る。
【0129】
[0145] 図に示す特定の構成は、制限として見るべきではない。他の実施形態は、所与の図に示すよりも多いか、または少ない各要素を含み得ることが理解されるはずである。更に、例示した要素の一部は、結合されるか、または除外され得る。更にまた、例示的実施形態は、図に示していない要素を含み得る。
【0130】
[0146] 様々な例および実施形態を開示しているが、他の例および実施形態も当業者には明らかであろう。様々な開示例および実施形態は、例示のためであり、限定することを意図しておらず、真の範囲および精神は以下の特許請求の範囲で示されている。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2022-04-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体を検出するように構成された光検知測距(LIDAR)装置であって、前記LIDAR装置は、
光を放出するように構成された光源と、
複数の検出器と
を含む、光検知測距(LIDAR)装置と、
表面の色、明るさ、および反射性の少なくとも1つの差に基づく、前記物体に関する追加情報を特定するように構成された更なるセンサーと、
コントローラであって、
前記LIDAR装置から受信された情報に基づく、対象情報または方向情報を受信することと、
前記対象情報または前記方向情報の受信に応答して、前記更なるセンサーの照準方向に調整を加えることと、
を行うように構成された、コントローラと
を備える、システム。
【請求項2】
前記更なるセンサーは、LIDAR装置、RADAR装置、レーザー距離計、音響センサー、およびカメラの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記LIDAR装置は、第1のスキャン分解能を有し、前記更なるセンサーは、前記第1のスキャン分解能より高い第2のスキャン分解能を有する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記表面は前記物体の表面である、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記追加情報は前記物体に近接した車線境界線の場所を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記物体は標識であり、前記追加情報は前記標識に表示されている情報である、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記物体は車両であり、前記追加情報は前記車両の方向指示器の状態である、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記物体は車両であり、前記追加情報は前記システムに対する前記車両の速度である、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
ハウジングであって、前記LIDAR装置の少なくともスキャン部が、前記ハウジング内に配置され、かつ、前記ハウジングの壁は、前記放出された光がそれを通って伝搬できるように構成された光フィルタを含む、ハウジングと、
前記LIDAR装置の少なくとも一部分を、第2の軸を中心に回転させるように構成された、回転台と
を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記ハウジングは、車両の上部側に配置され、前記第2の軸は、前記車両の前記上部側を貫通する軸を含み、かつ、前記回転台は、前記第2の軸の周りを360度範囲の動き内で回転するように構成された、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記更なるセンサーの少なくとも一部分は、前記ハウジング内に配置される、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記更なるセンサーの前記照準方向に前記調整を加えることは、前記更なるセンサーの台に対する前記更なるセンサーの前記照準方向を調整することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
車両と、
前記車両の周囲の環境内の物体を検出するように構成された、光検知測距(LIDAR)装置であって、前記LIDAR装置は前記車両に連結される、光検知測距(LIDAR)装置と、
前記物体によって表示される情報を特定するように構成された更なるセンサーと、
コントローラであって、
前記LIDAR装置から受信された情報に基づく、対象情報または方向情報を受信することと、
前記対象情報または前記方向情報の受信に応答して、前記更なるセンサーの照準方向に調整を加えることと、
を行うように構成された、コントローラと
を含む、システム。
【請求項14】
前記更なるセンサーは、LIDAR装置、RADAR装置、レーザー距離計、音響センサー、およびカメラの少なくとも1つを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記物体は標識である、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記物体は道であり、前記物体によって表示される前記情報は車線境界線である、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記LIDAR装置の少なくともスキャン部は、ハウジング内に配置され、前記ハウジングは、前記車両の上部側に配置され、第2の軸は、前記車両の前記上部側を貫通する軸を含み、かつ、回転台は、前記LIDAR装置の少なくとも一部分を、前記第2の軸を中心に360度範囲の動き内で回転させるように構成された、請求項13に記載のシステム。
【請求項18】
前記ハウジングは光フィルタを含み、前記光フィルタはドーム形を有し、かつ、前記光フィルタは前記ハウジング内に伝搬する可視光を減衰させるように構成された、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記更なるセンサーの少なくとも一部分は前記ハウジング内に配置される、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記対象情報または前記方向情報は、物体のタイプ、物体のサイズ、物体の形状、位置、場所、または角度範囲の少なくとも1つを更に示す、請求項13に記載のシステム。
【外国語明細書】