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特開2022-91842調整可能な分解能とフェイルセーフ動作を備えたLIDARのシステムと方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022091842
(43)【公開日】2022-06-21
(54)【発明の名称】調整可能な分解能とフェイルセーフ動作を備えたLIDARのシステムと方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/484 20060101AFI20220614BHJP
   G01S 17/93 20200101ALI20220614BHJP
【FI】
G01S7/484
G01S17/93
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022043519
(22)【出願日】2022-03-18
(62)【分割の表示】P 2020524202の分割
【原出願日】2018-10-31
(31)【優先権主張番号】15/839,677
(32)【優先日】2017-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】317015065
【氏名又は名称】ウェイモ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】ドロズ,ピエール-イヴ
(57)【要約】
【課題】調整可能な分解能とフェイルセーフ動作を備えたLIDARのシステムと方法を提供する。
【解決手段】本開示は、再構成可能な空間発光パターン、および発光パターンに対応する再構成可能な光検出器配設に基づいて、環境に関する点群情報を提供するように動作可能なシステムおよび方法に関する。追加的に、複数の発光体および光検出器を有するLIDARデバイスは、第1の動作モードまたは第2の動作モードで動作することができる。第1の動作モードは、通常の動作モードであり得る。第2の動作モードは、故障状態が検出されたときに使用されるフェイルセーフ動作モードであり得る。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の空間光パターンに従ってパルスを放射する第1のセットの発光デバイスと、
第2の光空間パターンに従って光パルスを放射する第2のセットの発光デバイスであって、前記第1の空間光パターンと前記第2の空間光パターンが、異なる空間分解能を含む、第2のセットの発光デバイスと、
前記第1の空間光パターンに従って放射された光パルスの少なくとも一部を検出して、それにより第1の反射光データを提供するように構成された第1のセットの光検出デバイスと、
前記第2の空間光パターンに従って放射された光パルスの少なくとも一部を検出して、それにより第2の反射光データを提供するように構成された第2のセットの光検出デバイスと、
前記第1の反射光データおよび前記第2の反射光データに基づいて点群データを形成するように動作可能なコントローラと、を含む、システム。
【請求項2】
回転軸の周り回転するように構成されたハウジングと、
前記第1のセットの発光デバイスおよび前記第2のセットの発光デバイスを含む送信アセンブリであって、前記発光デバイスが、光パルスを放射するように動作可能であり、前記光パルスの一部は、前記システムの環境と相互作用して、反射光パルスを提供する、送信アセンブリと、
前記第1のセットの光検出デバイスおよび前記第2のセットの光検出デバイスを含む受信アセンブリであって、前記光検出デバイスが、前記反射光パルスを検出するように動作可能であり、前記送信アセンブリおよび前記受信アセンブリが、前記ハウジングに結合され、前記コントローラは、少なくとも1つのプロセッサおよびメモリを含み、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記メモリに格納されたプログラム命令を実行して、
第1の期間中に、前記第1のセットの発光デバイスに、前記第1の空間光パターンに従って前記環境へ光パルスを放射させることと、
第2の期間中に、前記第2のセットの発光デバイスに、前記第2の空間光パターンに従って前記環境へ光パルスを放射させることと、を含む動作を実施する、受信アセンブリと、をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1のセットの発光デバイスと前記第2のセットの発光デバイスとの組み合わせが、少なくとも256個の発光デバイスを含み、前記第1のセットの光検出デバイスと前記第2のセットの光検出デバイスとの組み合わせが、少なくとも256個の光検出デバイスを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1のセットの発光デバイスが、前記第2のセットの発光デバイスよりも少ない発光デバイスを含み、前記第1のセットの発光デバイスに光パルスを前記環境へ放射させることが、粗いスキャンを含み、前記第2のセットの発光デバイスに光パルスを前記環境へ放射させることが、細かいスキャンを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記動作が、
複数の粗いスキャンの間に少なくとも1つの細かいスキャンをはさむこと、または
細かいスキャンと粗いスキャンを交互に行うことのうちの少なくとも1つを含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記動作が、
前記環境内の関心領域を判定することと、
前記関心領域の判定に応じて、所望の空間光パターンを判定することと、
前記第1のセットの発光デバイスまたは前記第2のセットの発光デバイスのうちの少なくとも1つに、前記所望の空間光パターンに従って前記環境内の前記関心領域に光パルスを放射させることと、さらに含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記動作が、
前記第1の期間中に、前記発光デバイスおよび光検出デバイスを第1の動作周波数で動作させることと、
前記第2の期間中に、前記発光デバイスおよび光検出デバイスを第2の動作周波数で動作させることと、をさらに含み、前記第2の動作周波数が、前記第1の動作周波数よりも高い、請求項2に記載のシステム。
【請求項8】
第1の期間中に、複数の発光デバイスのうちの第1のセットの発光デバイスに、第1の空間光パターンに従って環境へ光パルスを放射させることと、
複数の光検出デバイスの第1のセットの光検出デバイスを用いて、前記第1の空間光パターンに従って前記環境へ放射された前記光パルスの少なくとも一部を検出することによって第1の反射光データを取得することと、
第2の期間中に、前記複数の発光デバイスのうちの第2のセットの発光デバイスに、第2の空間光パターンに従って前記環境へ光パルスを放射させることであって、前記第1の空間光パターンと前記第2の空間光パターンが、異なる空間分解能を含む、放射させることと、
前記複数の光検出デバイスの第2のセットの光検出デバイスを用いて、前記第2の空間光パターンに従って前記環境へ放射された前記光パルスの少なくとも一部を検出することによって第2の反射光データを取得することと、
前記第1の反射光データおよび前記第2の反射光データに基づいて点群データを形成することと、を含む、方法。
【請求項9】
前記複数の発光デバイスが、少なくとも256個の発光デバイスを含み、前記複数の光検出デバイスが、少なくとも256個の光検出デバイスを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のセットの発光デバイスが、前記第2のセットの発光デバイスよりも少ない、前記複数の発光デバイスの発光デバイスを有し、前記第1のセットの発光デバイスに光パルスを前記環境へ放射させることが、粗いスキャンを含み、前記第2のセットの発光デバイスに光パルスを前記環境へ放射させることが、細かいスキャンを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
複数の粗いスキャンの間に少なくとも1つの細かいスキャンをはさむこと、または
細かいスキャンと粗いスキャンを交互に行うことのうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記環境内の関心領域を判定することと、
前記関心領域の判定に応じて、所望の空間光パターンを判定することと、
前記複数の発光デバイスの少なくとも一部に、前記判定された所望の空間光パターンに従って前記環境内の前記関心領域へ光パルスを放射させることと、さらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の期間中に、前記発光デバイスおよび光検出デバイスを第1の動作周波数で動作させることと、
前記第2の期間中に、前記発光デバイスおよび光検出デバイスを第2の動作周波数で動作させることと、をさらに含み、前記第1の動作周波数が、前記第2の動作周波数よりも低い、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
システムであって、
回転軸の周りを回転するように構成されたハウジングと、
送信アセンブリであって、前記送信アセンブリが、
第1のセットの発光デバイスおよび第2のセットの発光デバイスであって、前記発光デバイスが、光パルスを放射するように動作可能であり、前記光パルスの一部は、前記システムの環境と相互作用して、反射光パルスを提供する、第1のセットの発光デバイスおよび第2のセットの発光デバイスを含む、送信アセンブリと、
受信アセンブリであって、前記受信アセンブリが、
第1のセットの光検出デバイスおよび第2のセットの光検出デバイスであって、前記光検出デバイスが、前記反射光パルスを検出するように動作可能であり、前記送信アセンブリおよび前記受信アセンブリが、前記ハウジングに結合されている、第1のセットの光検出デバイスおよび第2のセットの光検出デバイスを含む、受信アセンブリと、
少なくとも前記第1のセットの発光デバイスおよび前記第1のセットの光検出デバイスに電力を提供するように構成された第1の電源と、
少なくとも前記第2のセットの発光デバイスおよび前記第2のセットの光検出デバイスに電力を提供するように構成された第2の電源と、
少なくとも1つのプロセッサおよびメモリを含むコントローラとを含み、
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記メモリに格納されたプログラム命令を実行して動作を実施し、前記動作が、
第1の動作モードに従って前記システムを動作させることであって、前記第1の動作モードが、
前記第1のセットの発光デバイスおよび前記第2のセットの発光デバイスに前記環境へ光パルスを放射させることと、
前記環境へ放射された前記光パルスの少なくとも一部を検出することによって、前記第1のセットの光検出デバイスおよび前記第2のセットの光検出デバイスに、それぞれの第1および第2の反射光データを取得させることと、
前記第1の反射光データおよび前記第2の反射光データに基づいて点群データを形成することと、
前記第1のセットの発光デバイス、前記第2のセットの発光デバイス、前記第1のセットの光検出デバイス、前記第2のセットの発光デバイス、前記第1の電源、または前記第2の電源のうちの少なくとも1つの誤動作を示す情報の受信に基づいて、故障状態を判定することと、を含む、動作させることと、
前記故障状態の判定に応じて、第2の動作モードで前記システムを動作させることであって、前記第2の動作モードが、
前記第1のセットの発光デバイスまたは前記第2のセットの発光デバイスのいずれかに前記環境へ光パルスを放射させることと、
前記環境へ放射された前記光パルスの少なくとも一部を検出することによって、対応するセットの光検出デバイスに粗い反射光データを取得させることと、
前記粗い反射光データに基づいて粗い点群データを形成することと、を含む、動作させることとを含む、システム。
【請求項15】
前記システムが、点群データを自律型車両または半自律型車両に提供し、前記第2の動作モードが、
前記車両を保守場所に移動させることと、
前記車両を車線外に移動させることと、
前記車両に速度を低下させることと、または
前記車両に追従距離を長くさせること、のうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記粗い点群データが、前記環境に関する低減された分解能データを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記動作が、
前記故障状態の判定に応じて、前記第1のセットの発光デバイスまたは前記第2のセットの発光デバイスのいずれかに、増加したパルス周波数で光パルスを提供させることをさらに含み、前記発光デバイスが、前記第1の動作モード中に第1のパルス周波数で光パルスを提供し、前記増加したパルス周波数が、前記第1のパルス周波数の少なくとも2倍である、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1のセットの発光デバイスおよび前記第1のセットの光検出デバイスが、第1の基板に沿って配設され、前記第2のセットの発光デバイスおよび前記第2のセットの光検出デバイスが、第2の基板に沿って配設されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
第1の動作モードに従ってLIDARシステムを動作させることであって、前記第1の動作モードが、
第1のセットの発光デバイスおよび第2のセットの発光デバイスに環境へ光パルスを放射させることと、
前記環境へ放射された前記光パルスの少なくとも一部を検出することによって、第1のセットの光検出デバイスおよび第2のセットの光検出デバイスに、それぞれの第1および第2の反射光データを取得させることと、
前記第1の反射光データおよび前記第2の反射光データに基づいて点群データを形成することと、
前記第1のセットの発光デバイス、前記第2のセットの発光デバイス、前記第1のセットの光検出デバイス、前記第2のセットの発光デバイス、第1の電源、または第2の電源のうちの少なくとも1つの誤動作を示す情報の受信に基づいて、故障状態を判定することであって、前記第1の電源が、少なくとも前記第1のセットの発光デバイスおよび前記第1のセットの光検出デバイスに電力を提供し、前記第2の電源が、少なくとも前記第2のセットの発光デバイスおよび前記第2のセットの光検出デバイスに電力を提供する、判定することと、を含む、動作させることと、
前記故障状態の判定に応じて、第2の動作モードで前記LIDARシステムを動作させることであって、前記第2の動作モードが、
前記第1のセットの発光デバイスまたは前記第2のセットの発光デバイスのいずれかに前記環境へ光パルスを放射させることと、
前記環境へ放射された前記光パルスの少なくとも一部を検出することによって、対応するセットの光検出デバイスに粗い反射光データを取得させることと、
前記粗い反射光データに基づいて粗い点群データを形成することと、を含む、動作させることと、を含む、方法。
【請求項20】
前記点群データを自律型または半自律型車両に提供することと、
前記故障状態の判定に応じて、
保守場所に移動すること、
車線外に移動すること、
速度を低下すること、または
追従距離を長くさせること、のうちの少なくとも1つを前記車両に行なわせることをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記粗い点群データは、前記環境に関する低減された分解能データを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記故障状態の判定に応じて、前記第1のセットの発光デバイスまたは前記第2のセットの発光デバイスのいずれかに、増加したパルス周波数で光パルスを提供させることをさらに含み、前記発光デバイスが、前記第1の動作モード中に第1のパルス周波数で光パルスを提供し、前記増加したパルス周波数が、前記第1のパルス周波数の少なくとも2倍である、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記第1のセットの発光デバイスおよび前記第1のセットの光検出デバイスが、第1の基板に沿って配設され、前記第2のセットの発光デバイスおよび前記第2のセットの光検出デバイスが、第2の基板に沿って配設されている、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年12月12日に出願された米国特許出願第15/839,677号の利益を主張し、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本明細書に別段の断りのない限り、このセクションに記載の資料は、本出願の特許請求の範囲に対する先行技術ではなく、このセクションに含めることよって先行技術であると認められるものでもない。
【0003】
光検出測距(LIDAR)デバイスは、所与の環境内の対象までの距離を推定することができる。例えば、LIDARシステムのエミッタサブシステムは、近赤外線の光パルスを放射することができ、その光パルスは、システムの環境内の対象と相互作用し得る。光パルスのうちの少なくとも一部は、LIDARに向かって元に戻り(例えば、反射または散乱に起因して)、受信機サブシステムによって検出することができる。従来の受信機サブシステムは、複数の検出器、および高い時間分解能(例えば、約400ps)を有するそれぞれの光パルスの到達時間を判定するように構成された対応するコントローラを含み得る。LIDARシステムと所与の対象との間の距離は、所与の対象と相互作用する対応する光パルスの飛行時間に基づいて判定され得る。
【0004】
LIDARシステムは、自動運転車やトラックなどの完全自律型または半自律型車両と関連して使用される場合がある。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、再構成可能な空間発光パターン、および発光パターンに対応する再構成可能な光検出器配設に基づいて、環境についての点群情報を提供するシステムおよび方法に関する。追加的に、複数の発光体および光検出器を有するLIDARデバイスは、第1の動作モードまたは第2の動作モードで動作することができる。第1の動作モードは、通常の動作モードである可能性がある。第2の動作モードは、故障状態が検出されるときに使用されるフェイルセーフ動作モードである。
【0006】
第1の態様では、システムが提供される。本システムは、第1の空間光パターンに従ってパルスを放射する第1のセットの発光デバイスを含む。本システムはまた、第2の光空間パターンに従って光パルスを放射する第2のセットの発光デバイスを含む。第1の空間光パターンと第2の空間光パターンは、異なる空間分解能を含む。本システムは、第1の空間光パターンに従って放射された光パルスの少なくとも一部を検出して、それにより第1の反射光データを提供するように構成された第1のセットの光検出デバイスをさらに含む。本システムは、第2の空間光パターンに従って放射された光パルスの少なくとも一部を検出して、それにより第2の反射光データを提供するように構成された第2のセットの光検出デバイスを追加的に含む。本システムはまた、第1の反射光データおよび第2の反射光データに基づいて点群データを形成するように動作可能なコントローラを含む。
【0007】
第2の態様では、方法が提供される。この方法は、第1の期間中に、複数の発光デバイスのうちの第1のセットの発光デバイスに、第1の空間光パターンに従って環境へ光パルスを放射させることを含むことができる。この方法はまた、第1のセットの光検出デバイスを用いて、第1の空間光パターンに従って環境へ放射された光パルスの少なくとも一部を検出することによって第1の反射光データを取得することを含む。この方法は、第2の期間中に、複数の発光デバイスのうちの第2のセットの発光デバイスに、第2の空間光パターンに従って環境へ光パルスを放射させることを追加的に含む。第1の空間光パターンと第2の空間光パターンは、異なる空間分解能を含む。本方法は、第2のセットの光検出デバイスを用いて、第2の空間光パターンに従って環境へ放射された光パルスの少なくとも一部を検出することによって、第2の反射光データを取得することをさらに含む。本方法はまた、第1の反射光データおよび第2の反射光データに基づいて点群データを形成することを含む。
【0008】
第3の態様では、システムが提供される。本システムは、回転軸の周りを回転するように構成されたハウジングと、送信アセンブリとを含む。送信アセンブリは、第1のセットの発光デバイスおよび第2のセットの発光デバイスを含む。発光デバイスは、光パルスを放射するように動作可能である。光パルスの一部は、システムの環境と相互作用して、反射光パルスを提供する。本システムはまた、第1のセットの光検出デバイスおよび第2のセットの光検出デバイスを含む受信アセンブリを含む。光検出デバイスは、反射光パルスを検出するように動作可能である。送信アセンブリおよび受信アセンブリは、ハウジングに結合される。システムは、少なくとも第1のセットの発光デバイスおよび第1のセットの光検出デバイスに電力を提供するように構成された第1の電源を追加的に含む。システムはなお、少なくとも第2のセットの発光デバイスおよび第2のセットの光検出デバイスに電力を提供するように構成された第2の電源をさらに含む。システムはまた、少なくとも1つのプロセッサおよびメモリを有するコントローラを含む。少なくとも1つのプロセッサは、動作を実施するために、メモリ内に格納されたプログラム命令を実行する。本動作は、第1の動作モードに従ってシステムを動作させることを含む。第1の動作モードは、第1のセットの発光デバイスおよび第2のセットの発光デバイスに環境へ光パルスを放射させることと、環境へ放射された光パルスの少なくとも一部を検出することによって、第1のセットの光検出デバイスおよび第2のセットの光検出デバイスに、それぞれ第1および第2の反射光データを取得させることと、を含む。本動作はまた、第1の反射光データおよび第2の反射光データに基づいて点群データを形成することを含む。本動作は、第1のセットの発光デバイス、第2のセットの発光デバイス、第1のセットの光検出デバイス、第2セットの光検出デバイス、第1の電源、または第2の電源のうちの少なくとも1つの誤動作を示す情報を受信することに基づいて、故障状態を判定することを追加的に含む。動作はまた、故障状態の判定に応じて、システムを第2の動作モードで動作させることを含む。第2の動作モードは、第1のセットの発光デバイスまたは第2のセットの発光デバイスのいずれかに光パルスを環境へ放射させることを含む。第2の動作モードはまた、環境へ放射された光パルスの少なくとも一部を検出することによって、対応するセットの光検出デバイスに粗い反射光データを取得させることを含む。第2の動作モードはまた、粗い反射光データに基づいて粗い点群データを形成することを含む。
【0009】
第4の態様では、方法が提供される。本方法は、第1の動作モードに従ってLIDARシステムを動作させることを含む。第1の動作モードは、第1のセットの発光デバイスおよび第2のセットの発光デバイスに環境へ光パルスを放射させることと、環境へ放射された光パルスの少なくとも一部を検出することによって、第1のセットの光検出デバイスおよび第2のセットの光検出デバイスにそれぞれ第1および第2の反射光データを取得させることと、を含む。第1の動作モードはまた、第1の反射光データおよび第2の反射光データに基づいて点群データを形成することを含む。第1の動作モードは、第1のセットの発光デバイス、第2のセットの発光デバイス、第1のセットの光検出デバイス、第2のセット光検出デバイス、第1の電源、または第2の電源のうちの少なくとも1つの誤動作を示す受信情報に基づいて、故障状態を判定することを追加的に含む。第1の電源は、少なくとも第1のセットの発光デバイスおよび第1のセットの光検出デバイスに電力を提供する。第2の電源は、少なくとも第2のセットの発光デバイスおよび第2のセットの光検出デバイスに電力を提供する。本動作はまた、故障状態の判定に応じて、システムを第2の動作モードで動作させることを含む。第2の動作モードは、第1のセットの発光デバイスまたは第2のセットの発光デバイスのいずれかに光パルスを環境へ放射させることを含む。第2の動作モードは、環境へ放射された光パルスの少なくとも一部を検出することによって、対応するセットの光検出デバイスに粗い反射光データを取得させることを含む。第2の動作モードは、粗い反射光データに基づいて粗い点群データを形成することを追加的に含む。
【0010】
他の態様、実施形態、および実装態様は、添付図面の適切な箇所を参照して、以下の詳細な説明を読み取ることによって、当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A】例示的な実施形態による感知システムを例証する図である。
図1B】例示的な実施形態によるシステムを例証する図である。
図2】例示的な実施形態による車両を例証する図である。
図3A】例示的な実施形態による運転シナリオを例証する図である。
図3B】例示的な実施形態による運転シナリオを例証する図である。
図4】例示的な実施形態によるシステムを例証する図である。
図5】例示的な実施形態による方法を例証する図である。
図6】例示的な実施形態による方法を例証する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
例示的な方法、デバイス、およびシステムが、本明細書に記載されている。「例示的」および「典型的」という用語は、本明細書では、「1つの例、事例、または例証としての役割を果たす」ことを意味するものとして使用されることを理解されたい。「例示的」または「典型的」であるとして本明細書に記載された任意の実施形態または特徴は、他の実施形態または特徴よりも好ましいまたは有利であるものと必ずしも解釈されるべきではない。本明細書に提示の発明の対象の範囲から逸脱しない限り、他の実施形態を活かすことができ、他の変更を行うことができる。
【0013】
したがって、本明細書に記載される例示的な実施形態は、限定的であることを意味するものではない。本開示の態様は、本明細書に一般的に記載され、図に例証されているように、多種多様な異なる構成で配設、置き換え、組み合わせ、分離、および設計されることができ、それらのすべてが、本明細書で想定される。
【0014】
さらに、文脈上特段の示唆がある場合を除き、各図において例証された特徴は、互いに組み合わせて使用することができる。したがって、図は、一般的に、1つ以上の実施形態全体のうちの部分的な態様として見なされ、例証された特徴のすべてが、必ずしも各実施形態に必要であるとは限らないことを理解されたい。
【0015】
I.概要
光検出測距(LIDAR)システムは、複数の発光体および検出器(例えば、256個以上のエミッタ/検出器ペア)を含み得る。複数の発光体および検出器の配設、ならびにLIDARシステム自体のポーズ(例えば、LIDARシステムの回転角)は、環境内の対象についての情報を提供することができる。いくつかの実施形態では、LIDARシステムは、自動運転車、ロボット、または自動飛行航空機などの半自律型または完全自律型車両に情報を提供することができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、LIDARシステムは、回転軸の周りを回転するように構成され得る。このようなシナリオでは、各エミッタ/検出器のペアは、LIDARシステムに対して所与の角度と方位角で方向付けされる。一例として、エミッタ/検出器のペアは、回転軸に対して様々な仰角で配設されてもよい。例えば、エミッタ/検出器のペアは、LIDARシステムの回転軸を中心に回転するレーザー光の垂直扇状の分布を提供し、LIDARシステムの周囲の環境内の対象についての点群情報を取得するように配設されてもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、LIDARシステムは、動的に調整可能な空間分解能で動作するように構成され得る。例えば、LIDARシステムは、すべてのエミッタ/検出器のペアがアクティブな高分解能モードで動作する。すなわち、各発光体は、光パルスを環境へ放射し、対応する検出器は、反射光パルスを「聞き取り」、環境内の対象の可能性を示す。LIDARシステムは、エミッタ/検出器のペアのサブセットがアクティブになる可能性がある、低分解能モードで動作するように構成することもできる。言い換えると、すべてのエミッタ/検出器のペアが低分解能モードで使用されるわけではない。
【0018】
例示的な実施形態では、環境の高分解能スキャンには、低分解能スキャンがはさまれてもよい。例えば、高分解能スキャンは、環境内の関心領域(例えば、別の車両、人、標識、信号機、別のタイプの関心対象など)にわたって導入され、一方、低分解能スキャンは、環境の他の部分にわたって導入される。追加的に、または別の方法として、360度のスキャンは、交互に、定期的に、または必要に応じて、高分解能または低分解能で導入される。例えば、高分解能スキャンはLIDARシステムの10回転ごとに1回(例えば、10Hzの回転速度で1秒に1回)導入され、他の9回転中に低分解能のスキャンを導入できる。本明細書では、高分解能スキャンと低分解能スキャンの他の組み合わせが可能であり、想定されていることが理解されよう。
【0019】
一実施形態では、高分解能モードは、LIDARシステムから25メートルで約200ミリメートルの空間点群分解能を含むことができ、一方、低分解能モードは、LIDARから25メートルで約400ミリメートルの空間点群分解能を含むことができる。本開示の範囲内で広範囲の空間点群分解能が可能であることが理解されるであろう。例えば、いくつかの実施形態では、LIDARシステムの分解能は、LIDARシステムから25メートルの距離で約25ミリメートルから約600ミリメートルまで動的に調整可能であり得る。
【0020】
追加的に、または別の方法として、LIDARシステムの受信アセンブリは、検出器、制御電子機器、電源、および光学系の各々2つのセットを含み得る。すなわち、受信アセンブリは、第1のセットの受信チャネルおよび第2のセットの受信チャネルを含むことができ、互いに独立して動作することができる。例えば、第1の複数の検出器(例えば、SiPM)は「奇数」検出器と呼ばれることがあり、第2の複数の検出器は「偶数」検出器と呼ばれることがある。いくつかの実施形態では、2つのセットの受信チャネルおよびそれらに付随する電子機器は、2つの基板間で分割されてもよい。
【0021】
そのため、LIDARの受信アセンブリは、改善された冗長性と単一点故障への耐性を提供する。言い換えると、受信チャネルの1つのセットが故障したり、誤動作したり、その他の方法で動作不能になったりした場合でも、自動車用LIDARは安全な動作を提供できる場合がある。例えば、通常の分解能の半分を提供できる検出器の動作可能な半分を使用して、ナビゲーションがまだ可能である場合がある。他の分解能を下げることも可能であり、想定されている。そのようなシナリオでは、自動運転車両のコントローラは、フェイルセーフモードで動作する可能性がある。例えば、コントローラは、車両を制御された仕方で引き渡したり、修理のために最寄りのサービスステーションまで運転したり、その他の関連する措置を講じたりすることができる。
【0022】
II.システム例
図1Aは、例示的な実施形態による、感知システム10を例証する。感知システム10は、光検出測距(LIDAR)システムであり得る。LIDARシステムは、所与の環境内の1つ以上の対象(例えば、場所、形状など)についての情報(例えば、点群データ)を提供するように構成されてもよい。例示的な実施形態では、LIDARシステムは、点群情報、対象情報、地図情報、または他の情報を車両に提供することができる。車両は、半自動または完全自動車両であり得る。例えば、車両は、自動運転車、自律型ドローン、自律型トラック、または自律型ロボットであり得る。本明細書では、他のタイプの車両およびLIDARシステムが想定されている。
【0023】
感知システム10は、送信アセンブリ20、受信アセンブリ30、共有空間40、およびレンズ50などの様々な構成要素の配設を収容するハウジング12を含む。感知システム10は、レンズ50によって平行にされ、平行光ビーム54として感知システム10の環境へ伝送される、送信アセンブリ20からの放射光ビーム52を提供するように構成された構成要素の配設を含む。さらに、感知システム10は、集束光58として受信アセンブリ30に向けて集束するために、レンズ50によって感知システム10の環境内の1つ以上の対象からの反射光56を収集するように構成される構成要素の配設を含む。反射光56は、感知システム10の環境内の1つ以上の対象によって反射された平行光ビーム54からの光を含む。
【0024】
放射光ビーム52および集束光58は、ハウジング12に含まれる共有空間40をも横断することができる。いくつかの実施形態では、放射光ビーム52は、共有空間40を通る送信経路に沿って伝播し、集束光58は、共有空間40を通る受信経路に沿って伝播する。いくつかの実装形態では、送信経路の一部は、受信経路の一部と重複することがある。
【0025】
感知システム10は、受信アセンブリ30によって受信された集束光58を処理することによって、感知システム10の環境内の1つ以上の対象の態様(例えば、対象(複数可)の場所、対象(複数可)の形状、対象(複数可)の材料など)を判定することができる。例えば、感知システム10は、放射光ビーム52に含まれるパルスが送信アセンブリ20によって放射された時間と、集束光58に含まれる対応するパルスが受信アセンブリ30によって受信された時間とを比較し、比較に基づいて、1つ以上の対象と感知システム10との間の距離を判定することができる。
【0026】
感知システム10に含まれるハウジング12は、感知システム10に含まれる様々な構成要素を取り付けるためのプラットフォームを提供することができる。ハウジング12は、ハウジング12の内部空間に含まれる、感知システム10の様々な構成要素を支持することが可能である任意の材料から形成することができる。例えば、ハウジング12は、プラスチックまたは金属などの構造材料から形成されてもよい。
【0027】
いくつかの例では、ハウジング12は、周囲光、および/または送信アセンブリ20から受信アセンブリ30への放射光ビーム52の意図しない透過を低減するように構成された光学的シールドを含み得る。光学的シールドは、環境からの周囲光を遮断する材料でハウジング12の外面を形成および/またはコーティングすることによって提供することができる。追加的に、ハウジング12の内面は、送信アセンブリ20を受信アセンブリ30から光学的に隔離して、放射光ビーム52がレンズ50に到達する前に受信アセンブリ30が放射光ビーム52を受信するのを防ぐために、上記の材料を含む、および/またはコーティングすることができる。
【0028】
いくつかの例では、ハウジング12は、感知システム10の周囲環境からの電磁ノイズ(例えば、無線周波数(RF)ノイズなど)、および/または送信アセンブリ20と受信アセンブリ30との間の電磁ノイズを低減する電磁シールド用に構成され得る。電磁シールドは、送信アセンブリ20によって放射された放射光ビーム52の品質を改善し、受信アセンブリ30によって受信および/または提供される信号のノイズを低減することができる。電磁シールドは、金属、金属インク、金属発泡体、炭素発泡体、または電磁放射を適切に吸収または反射するように構成された任意の他の材料などの、1つ以上の材料でハウジング12を形成および/またはコーティングすることによって達成できる。電磁シールドに使用できる金属は、例えば、銅またはニッケルを含むことができる。
【0029】
いくつかの例では、ハウジング12は、実質的に円筒形の形状を有し、感知システム10の軸の周りを回転するように構成され得る。例えば、ハウジング12は、ほぼ10センチメートルの直径を有する実質的に円筒形の形状を有することができる。いくつかの例では、軸は実質的に垂直である。様々な構成要素を含むハウジング12を回転させることにより、いくつかの例では、感知システム10の環境の360度ビューの3次元マップは、感知システム10の様々な構成要素の配設を頻繁に再較正することなく判定することができる。追加的に、または別の方法として、感知システム10は、感知システム10の視野を制御するために、ハウジング12の回転軸を傾けるように構成され得る。
【0030】
図1Aには例証されていないが、感知システム10は、任意選択で、ハウジング12の取り付け構造を含むことができる。取り付け構造は、感知システム10の軸の周りでハウジング12を回転させるためのモーターまたは他の手段を含むことができる。代替的に、取り付け構造は、感知システム10以外のデバイスおよび/またはシステムに含めることができる。
【0031】
いくつかの例では、送信アセンブリ20、受信アセンブリ30、およびレンズ50などの感知システム10の様々な構成要素は、各構成要素および/または各構成要素に含まれサブ構成要素の配設の較正を容易にするために、所定の位置でハウジング12に取り外し可能に取り付けることができる。したがって、ハウジング12は、感知システム10の様々な構成要素のためのプラットフォームとして機能し、感知システム10の組み立て、保守、較正、および製造を容易にする。
【0032】
送信アセンブリ20は、出口開口26を介して複数の放射光ビーム52を放射するように構成され得る複数の光源22を含む。いくつかの例では、複数の放射光ビーム52の各々は、複数の光源22の1つに対応する。送信アセンブリ20は、光源22と出口開口26との間の放射光ビーム52の送信経路に沿ってミラー24を任意選択で含むことができる。
【0033】
光源22は、レーザーダイオード、発光ダイオード(LED)、垂直キャビティ面発光レーザー(VCSEL)、有機発光ダイオード(OLED)、ポリマー発光ダイオード(PLED)、発光ポリマー(LEP)、液晶ディスプレイ(LCD)、微小電気機械システム(MEMS)、または光を選択的に送信、反射、および/または放射して、複数の放射光ビーム52を提供するように構成された任意の他のデバイスを含むことができる。いくつかの例では、光源22は、受信アセンブリ30に含まれる検出器32によって検出することができる波長範囲で放射光ビーム52を放射するように構成することができる。波長範囲は、例えば、電磁スペクトルの紫外、可視、および/または赤外部分にあってもよい。いくつかの例では、波長範囲は、レーザーによって提供されるような、狭い波長範囲であり得る。一例では、波長範囲は、ほぼ905nmである波長を含む。追加的に、光源22は、放射光ビーム52をパルスの形態で放射するように構成することができる。いくつかの例では、複数の光源22は、1つ以上の基板(例えば、プリント回路基板(PCB)、フレキシブルPCBなど)上に配置され、複数の光ビーム52を出口開口26に向けて放射するように配設できる。
【0034】
いくつかの例では、複数の光源22は、放射光ビーム52に含まれる非平行光ビームを放射するように構成することができる。例えば、放射光ビーム52は、複数の光源22によって放射された非平行光ビームに起因して、送信経路に沿って1つ以上の方向に発散することができる。いくつかの例では、送信経路に沿った任意の位置での放射光ビーム52の垂直および水平範囲は、複数の光源22によって放射された非平行光ビームの発散の程度に基づくことができる。
【0035】
放射光ビーム52の送信経路に沿って配設された出口開口26は、出口開口26で、複数の光源22によって放射された複数の光ビーム52の垂直および水平範囲に適応するように構成され得る。図1Aに示されたブロック図は、説明の便宜上、機能モジュールに関連して説明されることに留意されたい。しかしながら、図1Aのブロック図の機能モジュールは、他の場所に物理的に実装できる。例えば、図1Aは、出口開口26が送信アセンブリ20に含まれることを示しているが、出口開口26は、送信アセンブリ20と共有空間40の両方に物理的に含めることができる。例えば、送信アセンブリ20および共有空間40は、出口開口26を含む壁によって分離することができる。この場合、出口開口26は、壁の透明部分に対応することができる。一例では、透明部分は、壁の穴または切り欠き部分であり得る。別の例では、壁は、不透明材料でコーティングされた透明基板(例えば、ガラス)から形成することができ、出口開口26は、不透明材料でコーティングされていない基板の一部とすることができる。
【0036】
感知システム10のいくつかの例では、複数の光ビーム52の垂直および水平範囲に適応しながら、出口開口26の垂直および/または水平サイズを最小化することが望ましい場合がある。例えば、出口開口26のサイズを最小化することにより、ハウジング12の機能において上記の光源22の光学的シールドを改善することができる。追加的に、または別の方法として、送信アセンブリ20と共有空間40とを分離する壁は、集束光58の受信経路に沿って配設することができ、したがって、出口開口26は、集束光58のより大きな部分が壁に到達することを可能にするように最小化され得る。例えば、壁を反射材料(例えば、共有空間40の反射面42)でコーティングすることができ、受信経路は、反射材料によって集束光58を受信アセンブリ30に向けて反射することを含むことができる。この場合、出口開口26のサイズを最小化することにより、集束光58のより大きな部分が、壁がコーティングされている反射材料で反射することを可能にすることができる。
【0037】
出口開口26のサイズを最小化するために、いくつかの例では、光源22によって放射された非平行光ビームを部分的に平行化して、放射光ビーム52の垂直および水平範囲を最小化することにより、放射光ビーム52の発散を低減することができ、これにより、出口開口26のサイズが最小化される。例えば、複数の光源22の各光源は、光源に隣接して配設された円柱レンズを含むことができる。光源は、第2の方向よりも第1の方向により多く発散する、対応する非平行光ビームを放射することができる。円柱レンズは、非平行光ビームを第1の方向に事前に平行化して、部分的に平行化された光ビームを提供し、それにより第1の方向の発散を低減する。いくつかの例では、部分的に平行化された光ビームは、第2の方向よりも第1の方向に発散しにくい。同様に、複数の光源22の他の光源からの非平行光ビームは、第1の方向に縮小されたビーム幅を有することができ、したがって、放射光ビーム52は、部分的に平行化された光ビームに起因してより小さい発散を有することができる。この例では、光ビーム52を部分的に平行化することに起因して、出口開口26の垂直および水平範囲の少なくとも一方を減らすことができる。
【0038】
追加的に、または別の方法として、出口開口26のサイズを最小化するために、いくつかの例では、光源22は、送信アセンブリ20によって画定された成形表面に沿って配設することができる。いくつかの例では、成形表面は、ファセット(faceted)加工され、および/または実質的に湾曲していてもよい。ファセット面および/または曲面は、放射光ビーム52が出口開口26に向かって集束するように構成することができ、したがって、出口開口26における放射光ビーム52の垂直および水平範囲は、送信アセンブリ20のファセット面および/または曲面に沿った光源22の配設に起因して低減することができる。
【0039】
いくつかの例では、送信アセンブリ20の曲面は、複数の光ビーム52が、送信経路に沿って複数の光源22の前の中央領域に向かって集束するように、放射光ビーム52の発散の第1の方向に沿った曲率と、放射光ビーム52の発散の第2の方向に沿った曲率とを含むことができる。
【0040】
光源22のそのような湾曲した配設を容易にするために、いくつかの例では、光源22は、1つ以上の方向に沿って曲率を有する可撓性基板(例えば、可撓性PCB)上に配置することができる。例えば、湾曲した可撓性基板は、放射光ビーム52の発散の第1の方向、および放射光ビーム52の発散の第2の方向に沿って湾曲させることができる。追加的に、または別の方法として、光源22のそのような湾曲した配設を容易にするために、いくつかの例では、光源22は、PCBが、第1の方向(例えば、PCBの垂直面)の曲率に実質的に一致するように、1つ以上の垂直方向のプリント回路基板(PCB)の湾曲した端に配置することができる。この例では、1つ以上のPCBは、第2の方向(例えば、1つ以上のPCBの水平面)の曲率と実質的に一致する、水平曲率に沿って送信アセンブリ20に取り付けることができる。例えば、送信アセンブリ20は、4つのPCBを含むことができ、各PCBは、送信アセンブリ20の曲面に沿って64個の光源を提供するように、16個の光源を取り付けている。この例では、64個の光源は、放射光ビーム52が、送信アセンブリ20の出口開口26に向かって集束するようなパターンで配設されている。
【0041】
送信アセンブリ20は、光源22と出口開口26との間の放射光ビーム52の送信経路に沿って、ミラー24を任意選択で含むことができる。ミラー24を送信アセンブリ20に含めることにより、放射光ビーム52の送信経路を折り曲げて、折りたたまれていない送信経路が存在する、別の送信アセンブリのサイズよりも送信アセンブリ20および感知システム10のハウジング12のサイズを小さくすることができる。
【0042】
受信アセンブリ30は、入口開口36を介して集束光58を受信するように構成され得る複数の検出器32を含む。いくつかの例では、複数の検出器32の各々は、複数の光源22の対応する光源によって放射され、感知システム10の環境内の1つ以上の対象から反射された、光ビームに対応する集束光58の一部を受け取るように構成および配設される。受信アセンブリ30は、任意選択で、不活性ガス34を有する密閉環境内に検出器32を含むことができる。
【0043】
検出器32は、フォトダイオード、アバランシェフォトダイオード、フォトトランジスタ、カメラ、アクティブピクセルセンサ(APS)、電荷結合素子(CCD)、極低温検出器、または、放射光ビーム52の波長範囲内の波長を有する集束光58を受信するように構成された他の光センサを含み得る。
【0044】
各検出器32によって、複数の光源22の対応する光源からの集束光58の一部を受信することを容易にするために、検出器32を1つ以上の基板上に配置し、それに応じて配設することができる。例えば、光源22は、送信アセンブリ20の曲面に沿って配設することができる。検出器32は、受信アセンブリ30の曲面に沿って配設することができる。いくつかの実施形態では、受信アセンブリ30の曲面は、送信アセンブリ20の曲面と同様または同一の曲面を含み得る。したがって、検出器32の各々は、複数の光源22の対応する光源によって最初に放射された光を受信するように構成され得る。
【0045】
受信アセンブリ30の曲面を提供するために、検出器32は、送信アセンブリ20に配置された光源22と同様に、1つ以上の基板上に配置され得る。例えば、検出器32は、可撓性基板(例えば、可撓性PCB)上に配置され、可撓性基板の曲面に沿って配設され、光源22の対応する光源から発せられる集束光を各々受信することができる。この例では、可撓性基板は、受信アセンブリ30の曲面の形状に対応する面を有する2つのクランプ片の間に保持され得る。したがって、この例では、可撓性基板を受信アセンブリ30上にスライドさせ、2つのクランプ片を使用してそれを正しい曲率で保持することにより、受信アセンブリ30の組み立てを簡略化することができる。
【0046】
受信経路に沿って横断する集束光58は、入口開口36を介して検出器32によって受信され得る。いくつかの例では、入口開口36は、複数の光源22によって放射された波長範囲内の波長を有する光を通し、他の波長を有する光を減衰させるフィルタリング窓を含むことができる。この例では、検出器32は、波長範囲内の波長を有する光を実質的に含む集束光58を受信する。
【0047】
いくつかの例では、受信アセンブリ30に含まれる複数の検出器32は、不活性ガス34で満たされた密閉環境内の、例えば、アバランシェフォトダイオードを含むことができる。不活性ガス34は、例えば、窒素を含み得る。
【0048】
共有空間40は、送信アセンブリ20からレンズ50への放射光ビーム52の送信経路を含み、レンズ50から受信アセンブリ30への集束光58の受信経路を含む。いくつかの例では、送信経路は、共有空間40内の受信経路と少なくとも部分的に重複する。共有空間40に送信経路および受信経路を含めることにより、サイズ、コスト、および/または感知システム10の組み立て、製造、および/または保守の複雑さに対する利点を提供することができる。
【0049】
出口開口26および入口開口36は、それぞれ送信アセンブリ20および受信アセンブリ30の一部として例証されているが、このような開口は他の場所に配設または定置してもよい。いくつかの実施形態では、出口開口26および入口開口36の機能および構造を組み合わせることができる。例えば、共有空間40は、共有の入口/出口開口を含み得る。感知システム10の光学構成要素をハウジング12内に配設する他のやりかたが可能であり、想定されることが理解されるであろう。
【0050】
いくつかの例では、共有空間40は、反射面42を含むことができる。反射面42は、受信経路に沿って配設することができ、集束光58を入口開口36に向けて検出器32に反射するように構成することができる。反射面42は、プリズム、ミラー、または、集束光58を受信アセンブリ30の入口開口36に向けて反射するように構成された他の任意の光学要素を含むことができる。いくつかの例では、壁が、共有空間40を送信アセンブリ20から分離することができる。これらの例では、壁は、透明基板(例えば、ガラス)を含むことができ、反射面42は、出口開口26のためのコーティングされていない部分を備えた、壁上の反射コーティングを含むことができる。
【0051】
反射面42を含む実施形態では、反射面42は、送信アセンブリ20のミラー24と同様に受信経路を折りたたむことにより、共有空間40のサイズを縮小することができる。追加的に、または別の方法として、いくつかの例では、反射面42は、集束光58を受信アセンブリ30に向けることができ、ハウジング12内の受信アセンブリ30の定置にさらに柔軟性を提供する。例えば、反射面42の傾斜を変化させることにより、集束光58をハウジング12の内部空間の様々な部分に反射させることができ、したがって、受信アセンブリ30をハウジング12の対応する位置に定置することができる。追加的に、または別の方法として、この例では、感知システム10は、反射面42の傾斜を変化させることによって較正され得る。
【0052】
ハウジング12に取り付けられたレンズ50は、送信アセンブリ20内の光源22からの放射光ビーム52を平行化するのと、感知システム10の環境内の1つ以上の対象からの反射光56を受信アセンブリ30内の検出器32上に集束させるための両方の光学パワーを有することができる。一例では、レンズ50は、ほぼ120mmの焦点距離を有する。平行化用の送信レンズおよび集束用の受信レンズの代わりに、同じレンズ50を使用してこれらの機能の両方を行うことにより、サイズ、コスト、および/または複雑さに対する利点を提供することができる。いくつかの例では、放射光ビーム52を平行化して平行光ビーム54を提供することにより、感知システム10の環境内の1つ以上の対象まで平行光ビーム54が移動した距離を判定することができる。
【0053】
本明細書に記載するように、レンズ50は送信レンズおよび受信レンズとして活かされるが、別々のレンズおよび/または他の光学要素が、本開示の範囲内で想定されていることが理解されよう。例えば、レンズ50は、別個の光送信および受信経路に沿った別個のレンズまたはレンズセットを表すことができる。
【0054】
例示的なシナリオでは、送信経路に沿って横断する光源22からの放射光ビーム52が、レンズ50によって平行にされ、平行光ビーム54を感知システム10の環境へ提供することができる。次に、平行光ビーム54は、感知システム10の環境内の1つ以上の対象で反射し、反射光56としてレンズ50に戻ることができる。次に、レンズ50が、反射光56を集束させ、受信アセンブリ30に含まれる検出器32に集束光58として集束させることができる。いくつかの例では、感知システム10の環境内の1つ以上の対象の態様は、放射光ビーム52を集束光58と比較することによって判定することができる。態様は、1つ以上の対象の、例えば、距離、形状、色、および/または材料を含むことができる。追加的に、いくつかの実施形態では、ハウジング12を回転させることにより、感知システム10の周囲の3次元マップを判定することができる。
【0055】
複数の光源22が、送信アセンブリ20の曲面に沿って配設されるいくつかの実施形態では、レンズ50が、送信アセンブリ20の曲面に対応する焦点面を有するように構成することができる。例えば、レンズ50は、ハウジング12の外側の非球面と、共有空間40に面するハウジング12の内側のトロイダル面とを含むことができる。この例では、レンズ50の形状により、レンズ50は、放射光ビーム52を平行化し、かつ反射光56を集束させることができる。追加的に、この例では、レンズ50の形状により、レンズ50は、送信アセンブリ20の曲面に対応する焦点面を有することができる。いくつかの例では、レンズ50によって提供される焦点面は、送信アセンブリ20の湾曲した形状と実質的に一致する。追加的に、いくつかの例では、検出器32は、レンズ50によって提供される湾曲した焦点面に沿って集束光58を受信するために、受信アセンブリ30の湾曲した形状で同様に配設され得る。したがって、いくつかの例では、受信アセンブリ30の曲面はまた、レンズ50によって提供される湾曲した焦点面と実質的に一致し得る。
【0056】
図1Bは、例示的な実施形態によるシステム100を例証する。システム100は、感知システム10の要素と同様または同一であり得る要素を含み得る。例えば、システム100は、ハウジング110、送信アセンブリ120、および受信アセンブリ130を含み、これらは、それぞれ、ハウジング12、送信アセンブリ20、および受信アセンブリ30と同様または同一であり得る。
【0057】
いくつかの実施形態では、ハウジング110は、回転軸の周りを回転するように構成されてもよい。例えば、回転軸は、実質的に垂直な軸を含み得る。そのようなシナリオでは、ハウジング110は、定常または可変の回転速度で垂直軸の周りを回転するように動作可能であり得る。それに応じて、ハウジング110が車両の高い位置に取り付けられている場合、ハウジング110は、車両の周囲の360度から点群情報が取得されるように回転することができる。ハウジング110の位置または向きを調整する他の方法が可能であり、想定されている。
【0058】
例示的な実施形態では、送信アセンブリ120は、複数の発光デバイス122を含む。いくつかの実施形態では、複数の発光デバイス122は、少なくとも256個の発光デバイスを含むことができる。例えば、複数の発光デバイス122は、第1のセットの発光デバイス124および第2のセットの発光デバイス126を含むことができる。
【0059】
発光デバイス122は、光パルスを放射するように動作可能である。いくつかの実施形態では、放射光パルスの一部は、システム100の環境と相互作用して、反射光パルスを提供することができる。いくつかの実施形態では、放射光パルスおよび/または反射光パルスは、近赤外線の範囲の波長を含み得る。しかしながら、他の波長の光が想定され、本開示の文脈内で可能である。
【0060】
いくつかの実施形態では、受信アセンブリ130は、複数の光検出デバイス132を含む。いくつかの実施形態では、複数の光検出デバイス132は、第1のセットの光検出デバイス134および第2のセットの光検出デバイス136を含み得る。複数の光検出デバイス132の各々は、反射光パルスを検出するように動作可能である。複数の光検出デバイスは、少なくとも256個の光検出デバイスを含み得る。
【0061】
例示的な実施形態では、送信アセンブリ120および受信アセンブリ130は、ハウジング110に結合される。すなわち、いくつかの実施形態では、送信アセンブリ120および/または受信アセンブリ130は、少なくとも部分的に、ハウジング110内に収容され得る。
【0062】
システム100はまた、時間基準信号を提供することができるクロック140を含む。クロック140によって提供される時間基準信号は、ローカル(例えば、システム100の1つ以上の要素によって使用される)またはシステム全体(例えば、システム100のすべての要素によって使用される)のいずれかで使用されて、システム100の要素の同期に役立つことができ、かつ/または、放射光パルスおよび対応する受信された反射光の飛行時間測定値を取得することができる。
【0063】
システム100は、メモリ154および少なくとも1つのプロセッサ152を有するコントローラ150を含む。少なくとも1つのプロセッサ152は、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含んでもよい。本明細書では、ソフトウェア命令を実施するように構成された他のタイプのプロセッサ、コンピュータ、またはデバイスが、想定されている。メモリ154は、以下に限定されないが、読み出し専用メモリ(ROM)、プログラム可能読み出し専用メモリ(PROM)、消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EEPROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(例えば、フラッシュメモリ)、半導体ドライブ(SSD)、ハードディスクドライブ(HDD)、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、デジタルテープ、読み取り/書き込み(R/W)CD、R/W DVD等の非一過性コンピュータ可読媒体を含んでもよい。
【0064】
コントローラ150は、車両上に配置されたコンピューティングデバイス、外部コンピュータ、またはスマートフォン、タブレットデバイス、パーソナルコンピュータ、ウェアラブルデバイスなどのモバイルコンピューティングプラットフォームなどを含んでもよい。追加的に、または別の方法として、コントローラ150は、クラウドサーバなどの遠隔に設置されたコンピュータシステムを含んでもよく、またはそれに接続されてもよい。例示的な実施形態では、コントローラ150は、本明細書に記載されたいくつかまたはすべての方法ブロックまたはステップを実施するように構成されてもよい。
【0065】
一例として、少なくとも1つのプロセッサ152は、一定の動作を実施するために、メモリ154に格納された命令を実行することができる。動作は、本明細書に記載される機能、ブロック、またはステップのいくつか、またはすべてを含み得る。いくつかの実施形態では、異なるコンピューティングデバイスまたはコントローラが、本明細書に記載される様々な機能、ブロック、またはステップを様々な組み合わせで実施することができる。
【0066】
動作は、例えば、第1の期間中に、複数の発光デバイス122の第1のセットの発光デバイス124に、第1の空間光パターンに従って環境へ光パルスを放射させることを含むことができる。一例として、第1の空間光パターンには、低解像度スキャンを含めることができ、これは、LIDARシステムから25メートルの隣接する点群データの場所の間で400ミリメートルの分解能を有する場合がある。
【0067】
動作はまた、第1の空間光パターンに従って環境へ放射された光パルスの少なくとも一部を検出することによって、複数の光検出デバイス132のうちの第1のセットの光検出デバイス134に、第1の反射光データを取得させることを含み得る。
【0068】
さらに、動作は、第2の期間中に、複数の発光デバイス122の第2のセットの発光デバイス126に、第2の空間光パターンに従って環境へ光パルスを放射させることも含み得る。例示的な実施形態では、第1の空間光パターンと第2の空間光パターンは、異なる空間分解能を含む。すなわち、第1の空間光パターンは、粗い空間分解能を含むことができ、第2の空間光パターンは、微細な空間分解能を含むことができる。しかしながら、他のタイプの空間光パターンおよび/または時空間分解能が可能であり、想定されている。
【0069】
このようなシナリオでは、動作は、第2の空間光パターンに従って環境へ放射された光パルスの少なくとも一部を検出することによって、複数の光検出デバイス132のうちの第2のセットの光検出デバイス136に、第2の反射光データを取得させることをさらに含み得る。
【0070】
いくつかのシナリオでは、第2のセットの発光デバイス124は、第1のセットの発光デバイス126よりも複数の発光デバイス122のより多くの発光デバイスを含み得る。すなわち、第1のセットの発光デバイス124に環境内へ光パルスを放射させることは、大まかな、または粗いスキャンを取得することの役目であり得る。そのようなシナリオでは、第2のセットの発光デバイス126に環境内へ光パルスを放射させることは、細かいスキャンを得ることの役目であり得る。
【0071】
動作は、例えば、第1の反射光データおよび第2の反射光データに基づいて点群データを形成することを含み得る。
【0072】
いくつかの実施形態では、動作は、第1の期間中に、発光デバイス122および光検出デバイス132を第1の動作周波数で動作させることを含み得る。このようなシナリオでは、動作は、第2の期間中に、発光デバイス122および光検出デバイス132を第2の動作周波数で動作させることも含み得る。例示的な実施形態では、第2の動作周波数は、第1の動作周波数より高くてもよい。例えば、第2の動作周波数は、数十kHz(例えば、30kHz~500kHz)であり得、一方、第1の動作周波数は、約10Hzであり得る。本明細書では、他の動作周波数も可能であり、想定されている。
【0073】
追加的に、または別の方法として、動作は、複数の粗いスキャン(例えば、低分解能スキャン)の間に少なくとも1つの細かいスキャン(高分解能スキャン)をはさむことを含み得る。追加的に、または別の方法として、動作は、細かいスキャンと粗いスキャンを交互に行うこと、または「オンザフライ」でスキャン分解能を交互に切り替えることを含むことができる。このようなシナリオでは、電力、データ速度、および/または点群の計算容量を、一連の細かいスキャンを実行する場合と比較して節約できる。
【0074】
いくつかの実施形態では、動作は、任意選択で、環境内の関心領域を判定することを含み得る。関心領域には、他の車両、サイクリスト、モーターサイクリスト、歩行者、道路、障害物、縁石、歩道、横断歩道、標識、信号機、方向指示器、交差点が含まれるが、これらに限定されない。車両の周囲の環境についてのより多くの情報を提供するために、他のタイプの関心領域が判定されてもよいことが理解されるであろう。そのような関心領域は、車両のポーズ、車両の移動の速度と方向、車両の経路判定を確立するのに役立つ、または車両の動作中に障害物、脅威、または他の安全上の考慮事項を検出する情報を提供する。
【0075】
関心領域の判定に応じて、動作は、所望の空間光パターンを判定することを含む。判定された所望の空間光パターンは、所望の空間分解能(例えば、25メートルで隣接する点群の位置の間の25~400mm)または点群の位置の所望の空間配設(例えば、正方形の配列、六角形の配列、線形の配列、別のタイプの通常の配列、または不規則な配列)を含み得る。
【0076】
そのようなシナリオでは、動作は、複数の発光デバイス122の少なくとも一部に、所望の空間光パターンに従って環境内の関心領域の中または方向に光パルスを放射させることを含むことができる。例えば、光パルスは、関心領域内に(例えば、より高い面密度で)明確に集中され得る。いくつかの実施形態では、関心領域は、関心領域の対象のタイプに基づいて、所望の空間光パターンの光パルスによって照明され得る。例えば、潜在的な他の車両を含む関心領域は、隣接する光パルス間の最大間隔が50ミリメートルの所望の空間光パターンに関連付けられ得る。別の例では、潜在的な歩行者を含む関心領域を、隣接する光パルス間の最大間隔が25ミリメートルの所望の空間光パターンに関連付けられ得る。そのようなシナリオでは、所望の空間光パターンの特性(例えば、隣接する光パルス間の最大間隔、光パルスの空間配設、スキャン速度など)は、所与の関心領域内の1つ以上の対象の優先度に基づくことができる。例えば、歩行者が最も優先度が高く、次に道路上の他の移動対象、隣接する歩道上の移動対象、次に静止対象(例えば、道路、標識、建物など)が続く。所与の関心領域内の対象の他の優先順位が想定され、本開示の範囲内で可能である。所与の関心領域内の1つ以上の対象の優先度に基づいて、所望の空間光パターンを計算するか、そうでなければ判定することができる。例示的な実施形態では、所望の空間光パターンを「オンザフライ」で生成するか、または類似のシナリオで適用できるテンプレートに基づいて提供することができる。
【0077】
システム100は、通信インターフェース180を含むことができる。通信インターフェース180は、コントローラ150、送信アセンブリ120、受信アセンブリ130、クロック140、1つ以上のコンピューティングネットワーク、および/または他の車両などの、システム100の様々な要素間の通信リンクを提供するように構成されてもよい。
【0078】
通信インターフェース180は、例えば、本明細書に記載された1つ以上の他の車両間、センサ間、または他の要素間の有線もしくは無線通信を、直接かまたは通信ネットワークを介してのいずれかで提供するように構成されたシステムであり得る。この目的のために、通信インターフェース180は、他の車両、センサ、サーバ、または他のエンティティと直接かまたは通信ネットワークを介してのいずれかで通信するためのアンテナまたはチップセットを含み得る。チップセットまたは通信インターフェース180は、一般的に、他の数ある可能性の中でも、BLUETOOTH、BLUETOOTH LOW ENERGY(BLE)、IEEE 802.11に記載されている通信プロトコル(任意のIEEE 802.11改訂版を含む)、セルラー技術(GSM、CDMA、UMTS、EV‐DO、WiMAX、またはLTE等)、ZIGBEE、専用短距離通信(DSRC)、および無線自動識別(RFID)通信などの1つ以上のタイプの無線通信(例えば、プロトコル)に従って通信するように配列されてもよい。通信インターフェース180は、他の形態を取ることもできる。
【0079】
図2は、例示的な実施形態による方法200を例証する。図2は自動車(例えば、自動車)を例証しているが、本明細書では他のタイプの車両が可能であり、想定されることが理解されよう。車両200は、1つ以上のセンサシステム202、204、206、208、および/または210を含むことができる。1つ以上のセンサシステム202、204、206、208、および210は、図1Aおよび1Bを参照して図示および記載されるように、感知システム10およびシステム100に関して記載されたセンサと同様または同一であり得る。すなわち、センサシステム202、204、206、208、および210は、LIDARセンサ(例えば、感知システム10およびシステム100)、カメラ、および/またはRADARセンサのうちの1つ以上を含み得る。いくつかの例では、センサシステム202は、LIDARシステム、カメラ、およびRADARセンサを含み得るが、センサの他の変形、組み合わせ、および配設が可能である。
【0080】
例示的な実施形態では、センサシステム202、204、206、208、および210のうちの1つ以上は、軸(例えば、垂直軸230)の回りに回転して、車両200の周囲の環境をレーザー光パルスで照明するように構成され得る。例えば、センサシステム202の少なくとも一部は、回転角度220を変化させることにより、垂直軸230の周りを回転するように構成され得る。例示的な実施形態では、センサシステム202、204、206、208、および210は、車両200の環境内の物理的対象に関係し得るそれぞれの点群情報を提供するように構成され得る。そのようなシナリオでは、反射光パルスの様々な態様(例えば、飛行の経過時間、偏光など)の検出に基づいて、環境についての情報が判定および/または推測され得る。追加的に、または別の方法として、車両200は、車両周囲の環境の所望の部分の点群情報を判定するために、比較的狭い所望の視野を制御可能にスキャンするように構成されたLIDARシステムを含み得る。このようなLIDARシステムは、より長い距離でより良い点群分解能を提供するように構成できる。
【0081】
センサシステム202、204、206、208、および210は、車両200の環境についての動的情報を取得するために、車両200に対して所望の手法で移動するように構成され得る。例えば、カメラおよび/またはRADARは、軸の周囲を回転することができ、または車両200の環境の所望の部分についての情報を提供するように、所望の視野に向けて制御可能に方向付けることができる。
【0082】
図2は、車両200上の一定の場所に設置されているものとしてセンサシステム202、204、206、208、および210を例証しているが、センサの他の多くの配設が可能であり、想定されることが理解されよう。いくつかの実施形態では、車両200の周囲の環境についての情報は、センサ融合アルゴリズム(例えば、カルマンフィルタおよび/またはベイズネットワーク)を使用して組み込まれ得る。さらに、本明細書の実施形態は、LIDARセンサに対する様々な構成および動作モードを対象としているが、異なるセンサタイプの様々な組み合わせを調整して、車両の環境についての情報を所望の時空間分解能で提供できることを理解されたい。
【0083】
例えば、本明細書の様々な実施形態は、フェイルセーフモードについて記載しており、これは、LIDARシステムの少なくとも一部の誤動作、故障、またはそうでなければ動作不能状態に起因して入る可能性がある。フェイルセーフ動作モードに入ることに応じて、1つ以上の他のタイプのセンサ(例えば、カメラおよび/またはRADAR)は、LIDAR情報の損失をおそらく補償するように、それぞれの時空間分解能を上げるように動作可能である可能性がある。LIDARセンサシステムの故障中および故障後に、環境への意識を維持するために、他のタイプの代償または緊急措置が可能である。
【0084】
図3Aは、例示的な実施形態による運転シナリオ300を例証する。運転シナリオ300は、道路302に沿って運転しているときの車両(例えば、車両200)の前方図を含む。道路302は、様々な走行車線と道路302の一部とを分離する車線マーカー304または縁石を含むことができる。運転シナリオは、交通信号灯310を含み得る。運転シナリオ300はまた、樹木306および建物308のような静的対象を含み得る。運転シナリオ300は、他の車両320aおよび320bなどの移動物体を追加的に含み得る。運転シナリオ300は、(例えば、車両200に搭載された)LIDARシステムによってスキャンされ得る例示的な環境を提供する。本明細書で明示的に想定される、他の多くの運転/飛行/水中環境および運転シナリオが可能であることが理解されよう。
【0085】
図3Bは、例示的な実施形態による運転シナリオ330を例証する。明確には、図3Bが、本明細書に記載されるシステムおよび方法が現実世界のシナリオでどのように動作することができるかを示している。例えば、初期期間中に、LIDARスキャン範囲の全体または一部にわたって、大まかな、または粗い分解能のLIDARスキャンを行うことができる。すなわち、複数の発光デバイスのうちの発光デバイスのサブセットが、大まかな空間光パターン(例えば、車両から25メートルの隣接する点群の位置の間の200ミリメートル)に従って環境へ光パルスを放射することができる。
【0086】
そのようなシナリオでは、複数の光検出デバイスの対応する第1の光検出デバイスのセットは、大まかな空間光パターンに従って環境へ放射される光パルスの少なくとも一部を検出することによって第1の反射光データを取得し得る。
【0087】
その後、例示的な実施形態では、複数の発光デバイスのうちの第2のセットの発光デバイスは、細かい空間光パターンに従って環境へ光パルスを放射する。そのようなシナリオでは、細かい空間光パターンは、大まかな空間光パターンと比較して、異なる、より高い空間および/または時間分解能を含み得る。例えば、細かい空間光パターンには、車両から25メートルの隣接する位置の間の25mmの点群間隔を含めることができる。細かい空間光パターンを得るための対応する時間分解能は、大まかな空間光パターンの10Hzと比較して、例えば、20Hzであり得る。
【0088】
第2のセットの光パルスを環境へ放射することに応じて、複数の光検出デバイスのうちの対応する第2のセットの光検出デバイスは、細かい空間光パターンに従って環境へ放射された光パルスの少なくとも一部を検出することによって第2の反射光データを取得し得る。その後、第1の反射光データおよび第2の反射光データに基づいて、点群データが形成され得る。
【0089】
細かい空間光パターンは、様々な関心領域および/またはそれらの関心領域内の対象を含み得る。例えば、関心領域は、関心のある車線領域336、関心のある他の車両の領域332aおよび332b、および/または関心のある標識/信号領域334を含むことができるが、これらに限定されない。本明細書では、他の関心領域(およびそれらの領域内の対応する対象)が可能であり、想定されることが理解されよう。
【0090】
それに応じて、本明細書のシステムおよび方法は、LIDARセンサの視野内の他の領域よりも高い時空間分解能でそのような関心領域をスキャンすることを含むことができる。
【0091】
図4は、例示的な実施形態による方法400を例証する。システム400は、図1A、1B、および2を参照して図示および記載されたように、感知システム10、システム100、および/または車両200にたとえられるように、類似または同一の要素を含み得る。例えば、システム400は、送信アセンブリ120、受信アセンブリ130、クロック140、およびコントローラ150を含み得る。いくつかの実施形態では、システム400は、冗長なフェイルセーフLIDARセンサシステムを提供することができる。
【0092】
システム400はまた、複数の電源を含み得る。例えば、システム400は、第1の電源460および第2の電源462を含み得る。例示的な実施形態では、第1の電源460は、少なくとも第1のセットの発光デバイス124および第1のセットの光検出デバイス134に電力を提供するように構成されてもよい。さらに、第2の電源462は、少なくとも第2のセットの発光デバイス126および第2のセットの光検出デバイス136に電力を提供するように構成され得る。
【0093】
いくつかの実施形態では、別々のプロセッサおよびメモリがそれぞれの電源によって電力を提供されることができるように、コントローラ150はセグメント化されるか、さもなければ分離されてもよい。例えば、別々のプロセッサおよびメモリは、それぞれの発光デバイス(例えば、124および126)および光検出デバイス(例えば、134および136)のための動作を実施するように構成され得る。
【0094】
システム400はまた、第1の基板410および第2の基板412などの複数の基板を含み得る。いくつかの実施形態では、第1のセットの発光デバイス124および第1のセットの光検出デバイス134は、第1の基板410に結合されてもよい。例えば、第1のセットの発光デバイス124および第1のセットの光検出デバイス134は、第1の基板410に沿っておよび/または第1の基板410上に設置され得る。そのようなシナリオでは、第2のセットの発光デバイス126および第2のセットの光検出デバイス136は、第2の基板412に結合されてもよい。例えば、第2のセットの発光デバイス126および第2のセットの光検出デバイス136は、第2の基板412に沿っておよび/または第2の基板412上に設置され得る。さらに、図4はハウジング110を示すが、いくつかの実施形態では、第1の基板410およびそれに結合された要素は、第1のハウジングに収容されてもよい。同様に、第2の基板412およびその対応する要素は、第2のハウジングに収容され得る。
【0095】
例示的な実施形態では、システム400のコントローラ150は、図1Aを参照して例証および記載された、システム100について記載されたものと同様の動作を実施するようにプログラム命令を実行するよう構成され得る。追加的に、または別の方法として、動作は、第1の動作モードに従ってシステムを動作させることを含み得る。いくつかの実施形態では、第1の動作モードは、「通常の」動作モードを表してもよい。そのようなシナリオでは、第1の動作モードは、第1のセットの発光デバイス124および第2のセットの発光デバイス126に光パルスを環境へ放射させ、環境へ放射された光パルスの少なくとも一部を検出することにより、第1のセットの光検出デバイス134および第2のセットの光検出デバイス136にそれぞれ第1および第2の反射光データを取得させる。第1の動作モードはまた、第1の反射光データおよび第2の反射光データに基づいて点群データを形成することを含み得る。
【0096】
例示的な実施形態では、動作は、故障状態を判定することも含み得る。故障状態は、第1のセットの発光デバイス124、第2のセットの発光デバイス126、第1のセットの光検出デバイス134、第2のセットの光検出デバイス136、第1の電源460、または第2の電源462のうちの少なくとも1つの誤動作を示す情報の(例えば、コントローラ150での)受信に基づいて判定され得る。すなわち、センササブシステムの明らかな誤動作の場合、コントローラ150は、故障状態を判定することができる。
【0097】
そのようなシナリオでは、故障状態の判定に応じて、システム400は、誤動作後も依然として動作可能なサブシステムを使用して、第2の動作モードで動作することができる。例えば、第2の動作モードは、(例えば、どのサブシステムが誤動作を経験したかに応じて)、第1のセットの発光デバイス124または第2のセットの発光デバイス126が光パルスを環境へ放射させることを含み得る。第2の動作モードはまた、対応するセットの光検出デバイス(例えば、光検出デバイス134または136)に、環境へ放射された光パルスの少なくとも一部を検出することにより、粗い反射光データを取得させ、粗い反射光データに基づいて粗い点群データを形成させることを含み得る。粗い点群データには、環境についての分解能の低下したデータが含まれる場合がある。すなわち、粗い点群データは、「通常の」動作(例えば、第1の動作モード)中に取得された点群データと比較して、車両の周囲についての時空間分解能が低くなる場合がある。
【0098】
例示的な実施形態では、システム400は、点群データを自律型車両または半自律型車両に提供するように動作可能であり得る。そのようなシナリオでは、動作は、故障状態の判定に応じて、車両を保守場所へ移動させること、車両を車線外へ移動させること、車両に速度を低下させること、または車両に追従距離を増加させることのうちの少なくとも1つをさらに含むことができる。言い換えると、故障状態を判定すると、車両は、LIDARセンサシステムが、作動不能または誤動作している状態で車両を動作させる危険を低減または排除することができる措置を行うように制御され得る。このような措置には、減速、牽引、修理場所へのナビゲート、および/または他のタイプのセンサの動作の調整による補償が含まれる。例えば、LIDARセンサの部分的または完全な誤動作が発生した場合、カメラ画像のフレーム速度を上げる、および/またはRADAR信号の電力を上げることがある。そうすることで、センサ融合アルゴリズムは冗長性とより安全な動作を提供できる。
【0099】
さらに、故障状態の判定に応じて、動作は、第1のセットの発光デバイスまたは第2のセットの発光デバイスの1つに、(例えば、第1の動作モードと比較して)増加したパルス周波数で光パルスを提供させることを含み得る。すなわち、発光デバイスは、第1の動作モード中に、第1のパルス周波数(例えば、30kHz)で光パルスを提供することができる。このようなシナリオでは、増加したパルス周波数は、第1のパルス周波数の少なくとも2倍になる(例えば、60kHzを超える)可能性がある。他のパルス周波数も可能である。
【0100】
III.例示的方法
図5は、例示的な実施形態による方法500を例証する。方法500は、図1A、1B、2および4を参照して例証および記載したように、感知システム10、システム100、車両200、システム400、またはコントローラ150によって全体的にまたは部分的に実施することができる。方法500は、図1A、1B、2および4を参照して例証および記載されたものと同様または同一の要素を含むことができる。方法500は、本明細書に明示的に開示されたものよりも少ないまたは多いステップまたはブロックを含み得ることを理解されたい。さらに、方法500のそれぞれのステップまたはブロックは、任意の順序で実行されてもよく、各ステップまたはブロックは、1回以上行なわれてもよい。
【0101】
ブロック502は、第1の期間中に、複数の発光デバイスのうちの第1のセットの発光デバイスに、第1の空間光パターンに従って環境へ光パルスを放射させることを含む。いくつかの実施形態では、複数の発光デバイスは、少なくとも256の発光デバイスを含み得る。しかしながら、より多いまたはより少ない発光デバイスが考えられる。
【0102】
ブロック504は、第1の空間光パターンに従って環境へ放射された光パルスの少なくとも一部を検出することにより、第1のセットの光検出装置に第1の反射光データを取得させることを含む。例示的な実施形態では、複数の光検出デバイスは、少なくとも256の光検出デバイスを含む。しかしながら、より多いまたはより少ない光検出デバイスが想定される。
【0103】
ブロック506は、第2の期間中に、複数の発光デバイスのうちの第2のセットの発光デバイスに、第2の空間光パターンに従って環境へ光パルスを放射させることを含む。一実施形態では、第1の期間中に、発光デバイスおよび光検出デバイスは、第1の動作周波数で動作することができる。第2の期間中、発光デバイスおよび光検出デバイスは、第2の動作周波数で動作することができる。そのようなシナリオでは、第1の動作周波数は、第2の動作周波数よりも低い場合がある。
【0104】
追加的に、または別の方法として、第1の空間光パターンおよび第2の空間光パターンは、異なる空間分解能を含み得る。例示的な実施形態では、第1のセットの発光デバイスは、第2のセットの発光デバイスよりも、複数の発光デバイスのうちのより少ない発光デバイスを有する。したがって、第1のセットの発光デバイスに環境へ光パルスを放射させることは、粗いスキャンを取得することを含む。さらに、第2のセットの発光デバイスに環境へ光パルスを放射させることは、細かいキャンを含み得る。
【0105】
いくつかの実施形態では、方法500は、複数の粗いスキャンの間に少なくとも1つの細かいスキャンをはさむことと、または細かいスキャンと粗いスキャンを交互にすることの少なくとも1つを含むことができる。追加的に、または別の方法として、細かいキャンまたは粗いスキャンを導入するかどうかの判定は、例えば、関心領域内の特定の対象の以前の指標に基づいて、動的に(例えば、「オンザフライ」で)行うことができる。すなわち、コントローラ150は、運転シナリオ(例えば、車速、他の車両、接近する交差点、道路のタイプ、気象条件など)および/または環境内の特定の対象に基づいて、環境内の関心領域(例えば、歩行者、自転車、障害物、標識、迂回路など)を判定することができる。
【0106】
関心領域の判定に応じて、方法500は、所望の空間光パターンを判定することを含み得る。本明細書の他の場所で記載されるように、空間光パターンは、例えば、空間周波数または空間分解能を含み得る。
【0107】
そのようなシナリオでは、方法500は、複数の発光デバイスの少なくとも一部に、判定された空間光パターンに従って環境内の関心領域に光パルスを放射させることを含むことができる。
【0108】
ブロック508は、第2の空間光パターンに従って環境へ放射された光パルスの少なくとも一部を検出することによって、第2のセットの光検出デバイスに第2の反射光データを取得させることを含む。
【0109】
ブロック510は、第1の反射光データおよび第2の反射光データに基づいて点群データを形成することを含む。
【0110】
図6は、例示的な実施形態による方法600を例証する。方法600は、図1A、1B、2および4を参照して例証および記載したように、感知システム10、システム100、車両200、システム400、またはコントローラ150によって、全体的にまたは部分的に実施することができる。方法600は、図1A、1B、2および4を参照して例証および記載されたものと同様または同一の要素を含むことができる。方法600は、本明細書に明示的に開示されたものよりも少ないまたは多いステップまたはブロックを含み得ることを理解されたい。さらに、方法500のそれぞれのステップまたはブロックは、任意の順序で実行されてもよく、各ステップまたはブロックは、1回以上実行されてもよい。
【0111】
ブロック602は、第1の動作モードに従ってLIDARシステムを動作させることを含む。本明細書に記載するように、第1の動作モードは、第1のセットの発光デバイスおよび第2のセットの発光デバイスに環境へ光パルスを放射させることを含む。
【0112】
ブロック604は、環境へ放射された光パルスの少なくとも一部を検出することにより、第1のセットの光検出デバイスおよび第2のセットの光検出デバイスにそれぞれ第1および第2の反射光データを取得させることを含む。例示的な実施形態では、第1のセットの発光デバイスおよび第1のセットの光検出デバイスは、第1の基板に沿って配設することができる。第2のセットの発光デバイスおよび第2のセットの光検出デバイスは、第2の基板に沿って配設することができる。
【0113】
ブロック606は、第1の反射光データおよび第2の反射光データに基づいて点群データを形成することを含む。
【0114】
ブロック608は、第1のセットの発光デバイス、第2のセットの発光デバイス、第1のセットの光検出デバイス、第2のセットの光検出デバイス、第1の電源、または第2の電源のうちの少なくとも1つの誤動作を示す受信情報に基づいて故障状態を判定することを含む。このようなシナリオでは、第1の電源は、少なくとも第1のセットの発光デバイスおよび第1のセットの光検出デバイスに電力を提供することができる。さらに、第2の電源は、少なくとも第2のセットの発光デバイスおよび第2のセットの光検出デバイスに電力を提供することができる。
【0115】
ブロック610は、故障状態の判定に応じて、システムを第2の動作モードで動作させることを含む。第2の動作モードは、第1のセットの発光デバイスまたは第2のセットの発光デバイスのいずれかに光パルスを環境へ放射させることを含む。例示的な実施形態では、第1または第2のセットの発光デバイスに光パルスを放射させることは、故障状態が発生した場所および/または影響を受けたサブシステムに基づいて第1または第2のセットの発光デバイスを選択することを含み得る。すなわち、故障が第1のセットの発光素子で発生した場合、方法600は、第2のセットの発光素子を選択すること、またはその逆を含むことができる。一般に、所与のサブシステム(例えば、エミッタ、検出器、または電源)の第1のセットに故障が発生した場合、方法600は、所与のサブシステムの対応する第2のセットを選択または利用すること、またはその逆を含むことができる。
【0116】
一例として、LIDARデバイスからの点群データが自律型または半自律型車両に提供され得るシナリオでは、故障状態の判定に応答して、動作は、車両に1つ以上の措置を実行させることを含み得る。措置には、例えば、保守場所への移動、車線からの移動、速度の低下、または追従距離の増加が含まれる。他の措置が可能であり、この開示の範囲内で企図されている。
【0117】
いくつかの実施形態では、故障状態の判定に応じて、動作は、第1のセットの発光素子または第2のセットの発光素子のいずれかに、増加したパルス周波数で光パルスを提供させることを含み得る。このようなシナリオでは、発光デバイスは、第1の動作モード中に第1のパルス周波数で光パルスを提供する。増加したパルス周波数は、例えば、第1のパルス周波数の少なくとも2倍であり得る。
【0118】
ブロック612は、環境へ放射された光パルスの少なくとも一部を検出することによって、対応するセットの光検出デバイスに粗い反射光データを取得させることを含む。一例では、粗い点群データは、第1の動作モードで取得された点群データと比較して、環境についての低減された分解能データを含み得る。
【0119】
ブロック614は、粗い反射光データに基づいて粗い点群データを形成することを含む。
【0120】
さらに、図に示されている特定の配設は、限定であると見なされるべきではない。他の実施形態は、所与の図の中に示された各要素を、ある程度含み得ることを理解されたい。さらに、例証された要素のうちのいくつかは、組み合わせられ、または省略され得る。またさらに、例証となる実施形態は、各図に例証されていない要素を含んでもよい。
【0121】
情報の処理を表すステップまたはブロックは、本明細書に記載された方法または技術の明確な論理的機能を実行するように構成されることが可能である回路に対応することができる。別の方法として、または追加的に、情報の処理を表すステップまたはブロックは、モジュール、セグメント、物理的なコンピュータ(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または特定用途向け集積回路(ASIC))、またはプログラムコードの一部(関連データを含む)に対応することができる。プログラムコードは、方法または技術において明確な論理的機能または措置を実装するためのプロセッサによって実行可能である1つ以上の命令を含むことができる。プログラムコードおよび/または関連データは、ディスク、ハードドライブ、または他のストレージ媒体を含むストレージデバイスなどの任意のタイプのコンピュータ可読媒体上に格納することができる。
【0122】
コンピュータ可読媒体はまた、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、およびランダムアクセスメモリ(RAM)などの、データを短い期間の間格納するコンピュータ可読媒体などの非一過性コンピュータ可読媒体を含むこともできる。コンピュータ可読媒体はまた、プログラムコードおよび/またはデータをより長期間格納する非一過性コンピュータ可読媒体を含むこともできる。したがって、コンピュータ可読媒体は、例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、光ディスクもしくは磁気ディスク、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)などの二次的または永続的な長期ストレージを含んでもよい。コンピュータ可読媒体はまた、任意の他の揮発性または不揮発性ストレージシステムとすることもできる。コンピュータ可読媒体は、例えば、コンピュータ可読ストレージ媒体、または有形のストレージデバイスと見なすことができる。
【0123】
様々な例および実施形態が開示されてきたが、他の例および実施形態は、当業者であれば明かであろう。開示された様々な例および実施形態は、例証の目的のためであり、限定することを意図されておらず、その真の範囲は、以下の特許請求の範囲により示される。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2022-04-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光デバイスと、
少なくとも1つの光検出デバイスと、
前記複数の発光デバイスおよび前記少なくとも1つの光検出デバイスに光学的に結合されたレンズと、を含み、
前記複数の発光デバイスは、第1の光パターンに従って光パルスを放射する第1のセットの発光デバイス、および、第2の光パターンに従って光パルスを放射する第2のセットの発光デバイスを含み、前記第1の光パターンおよび前記第2の光パターンが、異なる空間分解能および/または異なる時空間分解能を有し、
前記少なくとも1つの光検出デバイスは、前記第1の光パターンに従って放射された前記光パルスの少なくとも一部を検出して、それにより第1の反射光データを提供するように、かつ、前記第2の光パターンに従って放射された前記光パルスの少なくとも一部を検出して、それにより第2の反射光データを提供するように構成された、システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの光検出デバイスは複数の光検出デバイスであり、前記複数の光検出デバイスは、前記第1の光パターンに従って放射された前記光パルスの前記少なくとも一部を検出して、それにより前記第1の反射光データを提供するように構成された第1のセットの光検出デバイス、および、前記第2の光パターンに従って放射された前記光パルスの前記少なくとも一部を検出して、それにより前記第2の反射光データを提供するように構成された第2のセットの光検出デバイスを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の光パターンは第1の空間分解能を有し、前記第2の光パターンは第2の空間分解能を有し、かつ、前記第2の空間分解能は、前記第1の空間分解能より高い、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1の光パターンは第1の時空間分解能を有し、前記第2の光パターンは第2の時空間分解能を有し、かつ、前記第2の時空間分解能は、前記第1の時空間分解能より高い、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の反射光データおよび前記第2の反射光データに基づいて、点群データを形成するように動作可能なコントローラをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記コントローラは、少なくとも1つのプロセッサおよびメモリを含み、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記メモリに格納されたプログラム命令を実行して、
第1の期間中に、前記第1のセットの発光デバイスに、前記第1の光パターンに従って環境へ光パルスを放射させることと、
第2の期間中に、前記第2のセットの発光デバイスに、前記第2の光パターンに従って前記環境へ光パルスを放射させることと、を含む動作を実施する、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1のセットの発光デバイスが、前記第2のセットの発光デバイスよりも少ない発光デバイスを含み、前記第1のセットの発光デバイスに光パルスを前記環境へ放射させることが、粗いスキャンを含み、前記第2のセットの発光デバイスに光パルスを前記環境へ放射させることが、細かいスキャンを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記動作が、
複数の粗いスキャンの間に少なくとも1つの細かいスキャンをはさむこと、または
細かいスキャンと粗いスキャンを交互に行うことのうちの少なくとも1つを含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記動作が、
前記第1の期間中に、前記発光デバイスおよび光検出デバイスを第1の動作周波数で動作させることと、
前記第2の期間中に、前記発光デバイスおよび光検出デバイスを第2の動作周波数で動作させることと、をさらに含み、前記第2の動作周波数が、前記第1の動作周波数よりも高い、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1のセットの発光デバイスおよび前記第1のセットの光検出デバイスが結合される第1の基板と、
前記第2のセットの発光デバイスおよび前記第2のセットの光検出デバイスが結合される第2の基板と、をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
ハウジングであって、前記第1のセットの発光デバイスと、前記第1のセットの光検出デバイスと、前記第2のセットの発光デバイスと、前記第2のセットの光検出デバイスとが前記ハウジング内に収容される、ハウジングをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記ハウジングは回転軸の周りを回転するように構成された、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記レンズは前記ハウジングに取り付けられる、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記レンズは、前記システムの環境へ伝送するために前記複数の発光デバイスによって放射された光を平行にするように構成され、かつ、前記レンズは、前記環境内の1つ以上の対象から反射された光を前記少なくとも1つの光検出デバイス上に集束するように構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
第1の期間中に、複数の発光デバイスのうちの第1のセットの発光デバイスに、第1の光パターンに従って環境へ光パルスを放射させることであって、レンズが前記複数の発光デバイスに光学的に結合された、放射させることと、
複数の光検出デバイスの第1のセットの光検出デバイスを用いて、前記第1の光パターンに従って前記環境へ放射された前記光パルスの少なくとも一部を検出することによって第1の反射光データを取得することであって、前記レンズが前記複数の光検出デバイスに光学的に結合された、取得することと、
第2の期間中に、前記複数の発光デバイスのうちの第2のセットの発光デバイスに、第2の光パターンに従って前記環境へ光パルスを放射させることであって、前記第1の光パターンと前記第2の光パターンが、異なる空間分解能および/または異なる時空間分解能を有する、放射させることと、
前記複数の光検出デバイスの第2のセットの光検出デバイスを用いて、前記第2の光パターンに従って前記環境へ放射された前記光パルスの少なくとも一部を検出することによって第2の反射光データを取得することと、
前記第1の反射光データおよび前記第2の反射光データに基づいて点群データを形成することと、を含む、方法。
【請求項16】
前記第1のセットの発光デバイスが、前記第2のセットの発光デバイスよりも少ない、前記複数の発光デバイスの発光デバイスを有し、前記第1のセットの発光デバイスに光パルスを前記環境へ放射させることが、粗いスキャンを含み、前記第2のセットの発光デバイスに光パルスを前記環境へ放射させることが、細かいスキャンを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
複数の粗いスキャンの間に少なくとも1つの細かいスキャンをはさむこと、または
細かいスキャンと粗いスキャンを交互に行うことのうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の期間中に、前記発光デバイスおよび光検出デバイスを第1の動作周波数で動作させることと、
前記第2の期間中に、前記発光デバイスおよび光検出デバイスを第2の動作周波数で動作させることと、をさらに含み、前記第1の動作周波数が、前記第2の動作周波数よりも低い、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記レンズによって、環境へ伝送するために、前記複数の発光デバイスによって放射された光を平行にすることをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記レンズによって、前記環境内の1つ以上の対象から反射された光を前記複数の光検出デバイス上に集束することをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【外国語明細書】