(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022091926
(43)【公開日】2022-06-21
(54)【発明の名称】ターボ機械の流動制御構造及びその設計方法
(51)【国際特許分類】
F04D 29/24 20060101AFI20220614BHJP
F04D 29/42 20060101ALI20220614BHJP
【FI】
F04D29/24 C
F04D29/42 H
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022058451
(22)【出願日】2022-03-31
(62)【分割の表示】P 2021064777の分割
【原出願日】2015-06-24
(31)【優先権主張番号】62/069,462
(32)【優先日】2014-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/016,431
(32)【優先日】2014-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/103,233
(32)【優先日】2015-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/103,231
(32)【優先日】2015-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FIREWIRE
(71)【出願人】
【識別番号】503457910
【氏名又は名称】コンセプツ エヌアールイーシー,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ジャピクス,デイヴィット
(57)【要約】
【課題】ターボ機械の性能を向上するように設計及び構成された流動制御装置及び構造を提供する。
【解決手段】一例としての流動制御装置は、種々の流動案内溝部(602)、リブ、ディフューザ通路幅低減、及びその他の処理を備えてもよく、ターボ機械の流動場の一部に対して再方向付け、案内、又は影響を及ぼすことにより、機械(500)の性能を向上するために、機械(500)のシュラウド(514)及びハブ側の一方又は双方に配置されてもよい。本発明は、ターボ機械のケーシング処理を対象とする。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口、シュラウド側、及びハブ側を有する下流要素と、
ハブ及び複数のブレードを備え、入口、出口、及び回転軸を有し、前記複数のブレードは各々、先端及び後端を有して前記ハブから前記ブレードの前記シュラウド側までスパン方向に延びるインペラと、
前記複数のブレードの前記シュラウド側に対向する面を有し、前記ハブとともにインペラ通路を規定するシュラウドと、を備え、
前記インペラは、前記下流要素内に作動流体を排出するとともに、前記作動流体に流動場を生成し、前記出口における前記流動場は、前記ハブ及び前記シュラウドの一方に近接した弱化側と、前記ハブ及び前記シュラウドの他方に近接した強化側とを含み、前記流動場の絶対速度の子午面成分は、前記強化側において前記弱化側より大きくなるように設計及び構成され、
前記下流要素の前記シュラウド側及び前記ハブ側の少なくとも一方の一部に沿って流動方向に延び、前記回転軸を通って延びる子午参照面から絶対参照フレームにおいて測定された角度αで延びる接線を有する中心線を有し、前記流動場の前記弱化側に隣接して選択的に配置され、αと略同一の方向に前記流動場の前記弱化側の一部を案内するように設計及び構成される少なくとも1つの溝部を備える、
ターボ機械。
【請求項2】
前記少なくとも1つの溝部は、前記インペラブレードの前記後端の上流に配置された開始位置を有する、請求項1に記載のターボ機械。
【請求項3】
前記少なくとも1つの溝部の前記開始位置は、前記インペラの前記入口に実質的に配置され、
前記少なくとも1つの溝部は、2相流動に合わせて設計、構成、及び寸法決定される、請求項2に記載のターボ機械。
【請求項4】
前記流動場の前記弱化側は、前記流動場内の流管の第1の部分の流動角度が前記流動場内の他の流管の流動角度から分岐する分岐領域を含み、
前記少なくとも1つの溝部の開始は、前記分岐領域に隣接して、又は前記分岐領域の上流の子午面位置に配置される、請求項1に記載のターボ機械。
【請求項5】
前記少なくとも1つの溝部は、前記溝部の長さに沿って変動する深さを有し、
前記溝部は、前記後端に隣接して、又は前記後端の下流に最大深さを有する、請求項1に記載のターボ機械。
【請求項6】
αは、前記溝部の長さとともに変動する、請求項1に記載のターボ機械。
【請求項7】
前記流動場は、1次流動部分及び2次流動部分を含み、
前記1次流動部分は、前記インペラ通路の出口部分で公称出口角度に接近する平均絶対角度αPを有し、
前記インペラ出口に隣接する前記少なくとも1つの溝部の一部の前記αは、前記公称出口角度と略同一である、請求項1に記載のターボ機械。
【請求項8】
前記流動場は、1次流動部分及び2次流動部分を含み、
前記1次流動部分は、前記インペラ入口における入口角度と等しく、前記インペラ通路の出口部分における公称出口角度に接近する平均絶対角度αPを有し、
前記インペラ出口に隣接する前記少なくとも1つの溝部の一部の前記αは、前記入口角度と前記公称出口角度との間の値を有する、請求項1に記載のターボ機械。
【請求項9】
前記少なくとも1つの溝部は、複数の溝部であり、
前記複数の溝部のうちの少なくとも1つは、前記下流要素の前記シュラウド側に配置され、
前記複数の溝部のうちの少なくとも1つは、前記下流要素の前記ハブ側に配置される、請求項1に記載のターボ機械。
【請求項10】
前記少なくとも1つの溝部は、複数の溝部であり、
前記複数の溝部のうちの少なくとも1つは、前記下流要素の前記ハブ側に配置される、請求項1に記載のターボ機械。
【請求項11】
前記後端は、前記ハブの最下流範囲の下流に配置され、
前記少なくとも1つの溝部の開始位置は、前記最下流範囲に隣接し、前記後端の上流にある、請求項10に記載のターボ機械。
【請求項12】
前記ハブは、前記下流要素の前記ハブ側の一部に重なり合い、
前記ハブは、前記ハブの幅を通じて延びて前記インペラ通路と前記少なくとも1つの溝部との間に流体連通を提供する少なくとも1つのアクセス開口を含む、請求項10に記載のターボ機械。
【請求項13】
前記下流要素は、ディフューザであり、
前記下流要素の前記シュラウド側及び前記ハブ側は、幅を有するディフューザ通路を規定し、
前記ディフューザは、前記流動場の前記強化側に隣接した前記シュラウド側及び前記ハブ側の一方に凸面を備えた前記ディフューザ通路幅を小さくする少なくとも1つの強化側挟持領域を備え、
前記凸面は、前記シュラウド側及び前記ハブ側の他方における通路幅減少より大きな減少を通路に与える、請求項1に記載のターボ機械。
【請求項14】
入口及び出口を有するインペラ、シュラウド、ハブ、及び下流要素を有するターボ機械の流動制御構造の設計方法であって、前記ハブ及び前記シュラウドは、インペラ通路を規定し、前記方法は、
コンピュータを使用して、前記ターボ機械の数値流体モデルを展開することと、
前記数値流体モデルでインペラ通路流動場分布を計算することと、
前記流動場分布において、2次流動が集中する弱化領域を特定することと、
前記2次流動を実質的に流動方向において前記下流要素内に案内するため、前記弱化領域に隣接した前記ハブ及び前記シュラウドのうちの少なくとも一方において前記流動方向に延びる少なくとも1つの溝部を設計することと、
を備える、方法。
【請求項15】
前記特定することは、前記流動分布の第1の部分の流動角度が前記流動場の第2の部分の流動角度から分岐する分岐領域を前記流動分布内に特定することをさらに含み、
前記設計することは、前記分岐領域に隣接して、又は前記分岐領域の上流に前記少なくとも1つの溝部の開始位置を配置することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記特定することは、前記インペラ出口において1次流動成分の角度を特定することをさらに含み、
前記設計することは、前記1次流動角度に基づき、前記少なくとも1つの溝部の角度を選択することを含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2014年6月24日出願の米国仮特許出願シリアル番号62/016,431号の表題「Structures and Methods for Forcing Coupling of Flow Fields of Adjacent Bladed Elements of Turbomachines, and Turbomachines Incorporating the Same」、2014年10月28日出願の米国仮特許出願シリアル番号62/069,462号の表題「Turbomachines with Strong -Side Pinch and Curvature」、2015年1月14日出願の米国仮特許出願シリアル番号62/103,231号の表題「Enhanced Vaneless Diffuser With Impeller Cover Slots and Ribs and Methods of Enhancing Impeller and Diffuser Stage Performance」、及び2015年1月14日に出願の米国仮特許出願シリアル番号62/103,233号の表題「Turbo-PD Features and Methods of Incorporating Turbo-PD Features Into Turbomachinery」の利益を主張するものであり、各々、その内容全体を参照としてここに組み込む。
【0002】
[0002] 本発明は、ターボ機械分野全般に関連する。特に、本発明は、ターボ機械の流動制御構造及びその設計方法を対象とする。
【背景技術】
【0003】
[0003] ターボ機械ステージにおける喪失は、ケース毎に強度及び性質が変動するが、すべてのターボ機械ステージには、単一位相、単一構成要素、流動に対する以下のメカニズムのうちの多くが含まれる。つまり、表面摩擦、2次流動生成、出口混合、空隙流動、漏れ、及び高度に圧縮可能な流動に対する衝撃形成である。これらのメカニズムは、次いで、特に、流量、入口圧力及び温度、出口圧力、入射、及び流動転向プラス曲面、厚さ、及び回転条件等、多数の設計パラメータの影響を受ける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0003] 喪失は、ターボ機械の性能に悪影響を与え、通常、流動状態の劣化であると考えられ、全体的な圧力降下と流動プロセスに対するエントロピーの増加を招く。喪失はまた、流動分離、失速、インペラのスリップ、及び下流要素の性能に対して多くの場合に悪影響を及ぼすムラのある流動場をもたらし得る。喪失と喪失の影響を軽減するよう改良された装置及び方法のニーズが残る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0004] 一実装において、本開示は、ターボ機械を対象とする。このターボ機械は、入口、シュラウド側、及びハブ側を有する下流要素と、ハブ及び複数のブレードを備え、入口、出口、及び回転軸を有し、複数のブレードは各々、先端及び後端を有してハブからブレードのシュラウド側までスパン方向に延びるインペラと、複数のブレードのシュラウド側に対向する面を有し、ハブとともにインペラ通路を規定するシュラウドとを備え、インペラは、下流要素内に作動流体を排出し、作動流体に流動場を生成し、出口における流動場は、ハブ及びシュラウドの一方に近接した弱化側と、ハブ及びシュラウドの他方に近接した強化側とを含み、流動場の絶対速度の子午面成分は、強化側において弱化側より大きくなるように設計及び構成され、下流要素のシュラウド側及びハブ側の少なくとも一方の一部に沿って流動方向に延び、回転軸を通って延びる子午参照面から絶対参照フレームにおいて測定された角度αで延びる接線を有する中心線を有し、流動場の弱化側に隣接して選択的に配置され、αと略同一の方向に流動場の弱化側の一部を案内するように設計及び構成される少なくとも1つの溝部を備える。
【0006】
[0005] 他の実装において、本開示は、ターボ機械を対象とする。このターボ機械は、入口、シュラウド側、及びハブ側を有する下流要素と、複数のブレードを備え、入口、出口、及び回転軸を有し、複数のブレードは各々、先端及び後端を有してハブからブレードのシュラウド側までスパン方向に延びるインペラとを備え、インペラは、下流要素内に作動流体を排出し、作動流体に流動場を生成し、出口における流動場は、ブレードのシュラウド側に近接した弱化側と、ハブに近接した強化側とを含み、流動場の絶対速度の子午面成分は、強化側において弱化側より大きくなるように設計及び構成され、複数のブレードのシュラウド側に対向する面を有するシュラウドと、シュラウドの一部及び下流要素のシュラウド側の一部に沿って流動方向に延び、弱化側の絶対速度の子午面成分を増加させるように設計及び構成された少なくとも1つの溝部とを備える。
【0007】
[0006] さらに他の実装において、本開示は、ラジアル型ターボ機械を対象とする。このラジアル型ターボ機械は、入口、シュラウド側、及びハブ側を有するディフューザと、ハブ及び複数のブレードを備え、入口、出口、及び回転軸を有し、複数のブレードは各々、インペラ入口に近接した先端及び出口に近接した後端を有してハブからブレードのシュラウド側までスパン方向に延びるインペラとを備え、インペラは、ディフューザ内に作動流体を排出し、作動流体に流動場を生成し、出口における流動場は、ブレードのシュラウド側に近接した弱化側と、ハブに近接した強化側とを含み、流動場の絶対速度の子午面成分は、強化側において弱化側より大きくなるように設計及び構成され、複数のブレードのシュラウド側に対向する面を有するシュラウドと、シュラウドに沿って流動方向に延びる少なくとも1つの溝部とを備え、溝部の一部は、出口に配置され、少なくとも1つの溝部は、流動場の弱化側の一部をディフューザ内に案内することにより、流動場の一部の流動角度及び速度の少なくとも一方を向上するように設計及び構成される。
【0008】
[0007] さらに他の実装において、本開示は、入口及び出口を有するインペラ、シュラウド、ハブ、及び下流要素を有し、ハブ及びシュラウドは、インペラ通路を規定するターボ機械の流動制御構造の設計方法を対象とする。この方法は、コンピュータを使用して、ターボ機械の数値流体モデルを展開することと、数値流体モデルでインペラ通路流動場分布を計算することと、流動場分布において、2次流動が集中する弱化領域を特定することと、2次流動を実質的に流動方向において下流要素内に案内するため、弱化領域に隣接したハブ及びシュラウドのうちの少なくとも一方において流動方向に延びる少なくとも1つの溝部を設計することとを備える。
【0009】
[0008] さらに他の実装において、本開示は、2層流動用ターボ機械の流動制御構造の設計方法を対象とし、ターボ機械は、複数のブレードを有するインペラを備え、複数のブレードは各々、先端及び後端を有し、ハブからブレードのシュラウド側までスパン方向に延び、インペラは、ハブからブレードのシュラウド側までスパン方向に延びるメインインペラ通路を規定する。この方法は、コンピュータを使用して、ターボ機械の数値モデルを展開することと、モデルでインペラによって送達される液体及び蒸気の量を計算することと、流動方向における液体及び蒸気の一方を捕捉及び送達することにより、メインインペラ通路から液体又は蒸気を取り除くために、少なくとも1つの流動溝部を設計することとを備える。
【0010】
[0009] さらなる実装において、本開示は、ラジアル型ターボ機械を対象とする。このラジアル型ターボ機械は、ハブ及び複数のブレードを備え、入口、出口、及び回転軸を有し、複数のブレードは各々、インペラ入口に近接した先端及び出口に近接した後端を有してハブからブレードのシュラウド側までスパン方向に延びるインペラを備え、インペラは、作動流体に流動場を生成し、出口における流動場は、ハブ及びブレードのシュラウド側の一方に近接した弱化側と、ハブ及びブレードのシュラウド側の他方に近接した強化側とを含み、流動場の絶対速度の子午面成分は、強化側において弱化側より大きくなるように設計及び構成され、複数のブレードのシュラウド側に対向する面を有し、ハブとともにインペラ通路を規定するシュラウドと、入口、シュラウド側、及びハブ側を有するディフューザとを備え、ディフューザのシュラウド側及びハブ側は、幅を有するディフューザ通路を規定し、ディフューザは、流動場の強化側に隣接したディフューザのシュラウド側及びハブ側の一方に凸面を備えたディフューザ通路幅を小さくする少なくとも1つの強化側挟持領域を備え、凸面は、ディフューザのシュラウド側及びハブ側の他方における通路幅減少より大きな減少を通路に与える。
【図面の簡単な説明】
【0011】
[0010] 本発明を説明する目的で、図面は、本発明の1つ以上の実施形態の態様を示している。しかしながら、本発明は、図面に示す精密な配置及び手段に限定されるものでないことが理解されなければならない。
【0012】
【
図1】1次流動及び2次流動に分解され、絶対参照フレーム及び相対参照フレームで示された、インペラ出口におけるインペラ流動場の流動分布の速度三角形の図である。
【
図2】インペラ出口における子午面速度C
mのスパン方向分布の概念図である。
【
図3】高流動条件における一例としての遠心圧縮機に対する種々のスパン方向位置の子午面位置に対する絶対流動角度のグラフである。
【
図4】一例としての軸流タービンの種々のスパン方向位置の子午面位置に対する絶対流動角度のグラフである。
【
図5】流動案内溝部を有する一例としての遠心圧縮機の一部の断面図である。
【
図6】
図5に示す遠心圧縮機のシュラウド及びディフューザの等角断面図である。
【
図7】本開示によって作成された流動案内溝部を備える遠心圧縮機及びそれを備えない遠心圧縮機のテストデータを示す圧縮機性能マップである。
【
図8】流動案内溝部を有するシュラウド及びディフューザの他の一例としての実施形態の断面斜視図である。
【
図9】流動案内溝部を有するターボ機械の他の実施形態の上面図である。
【
図10】流動案内溝部を有するターボ機械の他の実施形態の上面図である。
【
図11】
図10のターボ機械の一部の拡大図であり、溝部幅の変化を示している。
【
図12】流動案内溝部を有するターボ機械の他の実施形態の上面図である。
【
図13】流動案内溝部の一例としての断面形状を示す、
図12のA-A切断面から見た断面図である。
【
図14】流動案内溝部の他の一例としての断面形状を示す、
図12のA-A切断面から見た他の断面図である。
【
図15】流動案内溝部の他の一例としての断面形状を示す、
図12のA-A切断面から見た他の断面図である。
【
図16】流動案内溝部の他の一例としての断面形状を示す、
図12のA-A切断面から見た他の断面図である。
【
図17】流動案内溝部の他の一例としての断面形状を示す、
図12のA-A切断面から見た他の断面図である。
【
図18】流動案内溝部の他の一例としての断面形状を示す、
図12のA-A切断面から見た他の断面図である。
【
図19】流動案内溝部の他の一例としての断面形状を示す、
図12のA-A切断面から見た他の断面図である。
【
図21】2相及び/又は複合成分流動で動作するように設計されたターボ機械の流動案内溝部を備えたシュラウド及びディフューザの他の一例としての実施形態の断面斜視図である。
【
図22】
図21のシュラウド及びディフューザの他の断面斜視図である。
【
図23】2つの異なる理想化プロファイルのためのインペラ出口におけるスパン方向子午面速度分布の図である。
【
図24】理想的且つ一般的なプロファイルのためのインペラ出口におけるスパン方向子午面速度分布の図である。
【
図25】流動案内溝部によって補強された速度プロファイルのためのインペラ出口におけるスパン方向子午面速度分布の図である。
【
図26】一般的且つ補強されたプロファイルのためのインペラ出口におけるスパン方向絶対流動角度分布の図である。
【
図27】流動案内溝部を有するターボ機械の他の実施形態の上面図である。
【
図30】流動案内溝部を備えたシュラウドの他の実施形態の斜視図である。
【
図31】
図30のシュラウドと嵌合するように構成された羽根付きディフューザの斜視図である。
【
図32】
図30のシュラウドと
図31のディフューザが組み付けられた斜視図であって、ディフューザの羽根に対してクロック位置にある流動案内溝部を示している。
【
図33A】流動案内溝部を有する一例としての軸流機械の側面図である。
【
図34】流動案内溝部を有する他の一例としての軸流機械の側面図である。
【
図36】強化側曲面を有する一例としてのディフューザの断面側面図である。
【
図37】強化側曲面を有する他の一例としてのディフューザの断面側面図である。
【
図38】強化側曲面及び弱化側処理を有する一例としてのディフューザの断面側面図である。
【
図39】強化側曲面及び弱化側処理を有する他の一例としてのディフューザの断面側面図である。
【
図40】強化側曲面を有する他の一例としてのディフューザの断面側面図である。
【
図41】強化側曲面を有する他の一例としてのディフューザの断面側面図である。
【
図42】強化側曲面を有する他の一例としてのディフューザの断面側面図である。
【
図43-44】
図43は、強化側の2元的な曲面を有する一例としてのディフューザの断面側面図であり、
図44は、
図43の一部の拡大図である。
【
図45】一例としての捕捉角部失速セルの側面図である。
【
図46】他の一例としての捕捉角部失速セルの側面図である。
【
図47】強化側曲面を備えた他の一例としてのディフューザの断面側面図であり、シュラウド側輪郭及び流動案内溝部の可能なバリエーションを示している。
【
図48】
図47のディフューザの断面側面図であり、可能なシュラウド側輪郭及び流動案内溝部の一方を示している。
【
図49】
図47のディフューザの断面側面図であり、可能なシュラウド側輪郭及び流動案内溝部の他の一方を示している。
【
図50】
図47のディフューザの断面側面図であり、可能なシュラウド側輪郭及び流動案内溝部の他の一方を示している。
【
図51】ターボ機械の流動制御構造を設計する一例としてのプロセスを示すフロー図である。
【
図52】本開示の一例としての実施形態に係る特殊目的数値システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0011] 本開示の態様は、ターボ機械の性能に対する喪失の悪影響を低減することと、ターボ機械の性能を向上することと、上流要素内に生じる下流要素に対する喪失の悪影響を低減することと、上流要素及び下流要素の連結及び性能を向上することとのうちの1つ以上を実施するように設計及び構成された流動制御装置及び構造を含む。以下に詳述する通り、本開示に係る一例としての流動制御装置は、種々の流動案内溝部、リブ、ディフューザ通路幅低減、及びその他の処理を含んでもよく、ターボ機械の流動場の一部に対して再方向付け、案内、又は影響を及ぼすことにより、機械の性能を向上するために、機械のシュラウド及びハブ側の一方又は双方に配置されてもよい。
【0014】
[0012] ターボ機械は、ラジアル型、軸流型、又は混合流動型のいずれであるかを問わず、且つ、圧縮機、ポンプ、又はタービン等のいずれであるかを問わず、通常、複数のブレードを備え、回転軸の周りを回転し、流体通路内に配されるインペラを備える。本明細書内で使用する「インペラ」という用語は、任意の種別のブレード付インペラ、又は、圧縮機、タービン、ポンプ、及び送風機を含む任意の種別のターボ機械の回転子をいう。ターボ機械インペラは、入口及び出口を有し、通常、ディフューザ、カスケード、ノズル、又は固定子等の下流要素と流体連通している。回転機械の基本的性質によって生じる表面摩擦、間隙流動、漏れ、及び渦等の現実世界の効果により、インペラ流動場ではムラが生じる。このようなムラは、インペラ通路における流体速度の大きさ及び角度のムラという点で説明することができ、流動場の低喪失領域は、例えば、インペラ通路方向に通常従った第1の方向に実質的に整列され、流動場のその他の領域は、メインインペラ通路方向に垂直な方向まで、且つ、メインインペラ通路方向の反対方向における種々の他の角度及び速度で送達される。このような偏角流動場のムラは、システムにおける喪失を表し、流動の不安定性、下流要素における失速、インペラにおける逆流、インペラ出口における大きな空気力学的遮断等、さらなる喪失を生じ得る。本明細書及び添付の請求書内で使用する「1次流動」及び類似の用語は、通路方向と実質的に整列されたインペラ流動場の低喪失部分、又はゼロ喪失部分をいい、「2次流動」及び類似の用語は、渦及び相当の喪失を含んでいてもよい作動流体流動場の他の部分をいう。
【0015】
[0013]
図1は、2つの成分、つまり1次流動(p)及び2次流動(s)に分解され、絶対参照フレーム及び相対参照フレームに示された、インペラ出口102における作動流体速度分布100の簡易図である。具体的には、速度Cは、絶対参照フレーム、すなわち固定参照フレーム(例えば、地球)にあり、速度Wは、相対移動フレーム(インペラとともに回転する観察者)にある。Uは、インペラの周辺又は先端におけるホイール速度である。
図1は、2つのセットの速度を示している。すなわち、下添字「p」の付された、より大きな三角形は、1次流動場のベクトル速度を示す。下添字「s」の付された、より平坦な三角形は、2次流動のベクトル速度を示す。C
m,p及びC
m,sは、絶対フレーム内の1次速度及び2次速度の子午面成分であり、これらは純粋ラジアルステージの径方向速度である。α
p及びα
sは、インペラ中心線回転軸を通過する子午参照面に対して取った、絶対参照面において測定される絶対流動角度である。
図1は、流動場の1次成分及び2次成分を簡易に表したものであり、2次流動速度三角形は、種々の角度及び速度を備えた非常に複雑な流動分布の平均値を(絶対フレーム又は相対フレームのいずれかにおいて)単一の大きさ及び角度で示している。
【0016】
[0014]
図1は、インペラ出口における通常の流動バリエーションを簡易化して表したものであるが、回転システム内で2次流動には十分エネルギー供給がなされず、著しく低い相対速度Wsと子午面速度C
m,sを有する一方で、いかに相対フレームにおいて流動場の1次成分には十分エネルギー供給がなされ、より高い相対速度Wpと子午面速度C
m,pを有するかを示している。またインペラ出口の流動場は、通常、異なる流動角度の配列を有し、
図1中ではα
p及びα
sとして簡易化されており、2次流動が、通常、1次流動より大きな平均絶対角度α
sを有することを示している。高角度及び低子午面推進力の2次流動流管がインペラの出口部分において1次流動管と結合及び混合するため、このような流動角度の分布は、結果として、流動がインペラ出口102を通過する際に喪失を混合する。
【0017】
[0015] また、対応する低いCm,sを有するこのような大きな角度の2次流動は、結果として、子午面方向の推進力が低いため、流動の不安定性、失速、及び逆流を生じる。大きな2次流動角度も、例えば、羽根付きディフューザ、固定子、又はその他のカスケード、又は、例えば、羽根なしディフューザ等の次の羽根なし要素における高い喪失に関連付けられた、長尺且つ螺旋状の流路等、次の羽根付き要素の先端における失速に繋がり得る。このような2次流動により、インペラと下流要素との連結及び相互作用が不十分となる可能性があり、これはインペラ及び下流要素の双方の性能を低下することに繋がり得る。
【0018】
[0016]
図2~
図4は、2次流動がいかに展開を開始することができ、いかに機械の特定位置に集中し得るのかを空間的に示している。
図2は、インペラ出口における理想的(202)且つ一般的(204)なスパン方向速度分布を概念的に示しており、C
m、すなわちインペラ流動絶対速度の子午面成分を縦軸に沿って示し、%b
2、すなわちスパン方向位置を横軸に沿って示している。図示の例において、0は、シュラウド面を示し、1.0はハブ面を示している。図示の通り、理想化インペラ出口流動速度分布202は、薄い境界層を有する清浄な対称プロファイルを含んでもよく、実際には、一般的な分布204は、インペラ通路、特に、インペラ通路の後半、すなわち(子午面方向における)少なくとも出口部分におけるシュラウド側に沿って集中した、低いC
mを有する2次流動を含んでもよい。機械のシュラウド面に沿ってエネルギー供給の低い流動が展開することがより一般的であるが、機械及び動作条件によっては、状況が逆となることもあり、より低いC
mを有する2次流動がハブ面に沿ってより集中する。
【0019】
[0017]
図3は、定常状態の高流動条件における一例としての遠心圧縮機のスパン方向絶対流動角度の変動について数値流体力学(CFD)計算を行った結果を示す一例としてのグラフであり、インペラが約4°の入射度である。
図3において、絶対流動角度αが縦軸にプロットされており、%M、すなわち、子午面方向におけるインペラ流路のパーセンテージが横軸に沿ってプロットされており、0がインペラ先端であり、1.0がインペラ後端である。種々のラインで、ブレード間の周方向において平均化された、変動するスパン方向位置(0%がハブ面であり、100%がシュラウド面である)における流管をシミュレーションしている。
図3に示す通り、スパン方向(内側スパン方向部分300)におけるインペラ流動場の最初の60~70%は、かなり緊密なグループ化を有し、略同様の絶対流動角度を有し、略同様の軌道に沿う。流管の内側スパン方向部分300の軌道も、インペラの出口領域で平坦となる傾向があり、約60度の公称出口角度に接近する傾向がある。内側スパン方向部分300は、1次流動を凡そ近似し、60度の公称出口角度は、ほぼ1次流動平均絶対角度α
pである(
図1及び対応する検討を参照のこと)。対照的に、スパン方向における約15~30パーセントの外側部分(外側スパン方向部分302)は、分岐領域304における高角度2次流動で占められ始めるように見受けられ、これは、図示の実施形態では、通路の約70%の子午面位置により発生し、2次流動場に一般的な、本明細書中に議論する種々の喪失を生じると理解されている高角度流動に分岐する。同様のCFD計算では、分岐領域304の略子午面位置が動作条件の変化に伴って移行することもあるものの、流動場は、より低い制動条件下において同様の性質を有することを示している。例えば、分岐領域の子午面位置は、最上流位置と最下流位置との間の機械の動作範囲に亘って変動することもある。当業者は理解するであろうが、
図3は、単なる例であり、特定のパーセンテージ及び位置は、例えば、インペラ設計及び機械種別に合わせて変動可能であり、高角度2次流動の領域は、場合によっては、ハブ面上に存在することもある。
図4は、同様に、一例としての軸流タービンにおいてシミュレーションした複数のスパン方向流管の子午面位置に対する絶対流動角度を示している。図示の通り、外側の90~95%のスパン方向流動(外側スパン方向部分400)は、インペラの出口における分岐領域402のエリアで2次流動の影響を受け始め、例えば、分岐領域は、図示の例においては約50~70%Mであり、1次流動場から分岐する流動角度によって特徴づけられる。従って、
図2~
図4の例に示す通り、偏角2次流動は、分岐領域において展開を開始してもよく、ハブ又はシュラウド面のいずれかに沿って、インペラ流動場の出口部分に向かって集中してもよい。以上に検討した通り、このような2次流動は、ターボ機械の喪失を示す。
【0020】
[0018] 以下に詳述する通り、本開示は、ターボ機械の性能に対する2次流動の影響を最小化することにより、動作範囲、段階圧力上昇(圧縮機及びポンプについて)、及び/又は段階効率を含むターボ機械の性能を向上し、場合によっては、下流要素流動場へのインペラ流動場の連結を向上するように設計及び構成された種々の流動制御構造を含む。同様に以下に詳述の通り、このような流動制御構造は、インペラ通路及び下流要素通路の双方に配置され、インペラ出口を横切って延び、インペラ出口に重なり合ってもよく、或いは、インペラ通路又は下流要素通路のみに配置されてもよい。流動制御構造は、通常、流動方向に延び、好適な角度でインペラ流動場の一部を再方向付けするように構成及び寸法決めされる角度を有する流動案内溝部を含んでもよい。このような溝部は、種々の異なる断面サイズ及び形状と、種々の異なる深さ輪郭を有してもよい。いくつかの実施形態において、このような溝部は、2次流動の集中する表面に沿ってインペラ通路の出口部分に配置されてもよく、溝部は、出口混合喪失を低減し、流動安定性を向上し、インペラと下流要素との連結を向上する好適な方向にて、2次流動の一部を下流要素内に案内するように設計及び構成されてもよい。一例としての流動制御構造は、より弱く低い推進力の流動が存在するディフューザ通路の反対側で流動場に影響を及ぼすことにより、ディフューザの性能を向上するように設計及び構成された、より高い推進力の流動を有するディフューザ通路側に配置されたディフューザ側壁曲面も備えてよい。
【0021】
[0019]
図5及び
図6は、インペラシュラウド504内に回転可能に配され、羽根なしディフューザ506の上流に配置されたインペラ502を有する一例としての遠心圧縮機500を示している。インペラ502は、複数のブレード508(一部のみにラベル付けしている)と、入口512及び出口514とを備える。インペラブレード508は、先端(図示せず)と後端516との間で子午面方向に延び、ハブ518とインペラブレード508のシュラウド側520との間でスパン方向に延びる。シュラウド504(ケーシングと称することもある)は、インペラ入口512から出口514に延び、インペラブレード508のシュラウド側520に対向する面522を備える。インペラハブ518とシュラウド504は、作動流体が圧縮され、出口514にてディフューザ506に排出されてもよいインペラ通路523を規定する。ディフューザ506は、前面526を規定する前面プレート524と、背面530を規定する背面プレート528とを備える。ディフューザ入口532及びインペラ出口514は、シュラウド504及びディフューザ前面526がインペラ出口514/ディフューザ入口532、及びハブ518にて実質的に整列され、ディフューザ背面530も同様に、インペラ出口/ディフューザ入口で実質的に整列されるように、同様のサイズを有して実質的に整列されてもよい。図示の例において、インペラ502は開放しており、ブレード508のシュラウド側520とシュラウド面522との間に小さな空隙が存在し、インペラが静的なシュラウド504に対して回転するように構成する。同様に、ハブディスク外側半径534とディフューザ背面プレート528との間には小さな空隙が存在し、一方でシュラウド504及びディフューザ前面プレート524は、このような隙間を含まなくてもよく、インペラ502とディフューザ506との間に1つの連続面を形成してもよい。
【0022】
[0020]
図5及び
図6に示す通り、シュラウド504は、シュラウドの周囲に配置され、インペラ出口514の上流で、インペラ通路523内の開始位置604から略流動方向に延び、図示の実施形態では、前面プレート526の前面524に沿ってディフューザ506内に延びる複数の流動案内溝部602(混乱を避けるため、一部のみにラベル付けしている)を備えてもよい。一例としての溝部602は、インペラ502の出口領域内でシュラウド504に沿って展開する2次流動の一部を案内するように設計及び構成される。例えば、
図3に示すようなスパン方向絶対流動角度計算を使用して、溝部602の開始位置604を判定してもよい。一実施形態において、開始位置604は、高絶対角度の2次流動が展開を開始する、計算された分岐領域、例えば、分岐領域304(
図3)に近接してもよい。非限定的な例として、開始位置604は、
図3に示す実施形態の約70%の子午面位置に配置されてもよく、溝部602は、少なくともインペラ出口514まで延びてもよく、図示の実施形態では、下流のディフューザ506まで延びることによって、インペラ502からの2次流動を好適な方向でディフューザ506内に案内及び方向付けし、このような流動の子午面成分を増加し、出口混合喪失を低減し、ディフューザ506の入口領域における流動安定性を向上してもよい。
【0023】
[0021] 一実施形態において、溝部602の曲面又は角度は、1次流動の絶対流動角度α
p(
図1参照)と略同一であってもよく、溝部の角度は、溝部の全長に沿って略一定であってもよい。このような1次流動角度は、実際の機械のレーザ速度測定及び/又はCFD計算を含む、種々のやり方で判定されてもよい。非限定的な例として、
図3に示すラジアル型圧縮機のために設計及び構成された溝部602は、約60度の一定絶対角度α、例えば、インペラ502の出口領域において1次流動が接近する平均角度と略同一の角度を有してもよい。以下に詳述する通り、他の実施形態において、溝部602は変動角度を有してもよい。一例において、溝部602の角度は、1次流動の軌道に近似してもよく、従って、インペラ502の第1の部分、例えば、分岐領域304の上流における第1の角度、又は一連の第1の角度を有してもよく、分岐領域の下流の位置に対して単一又は複数の第2の角度を有してもよく、いくつかの例では、溝部の角度がインペラ出口514の下流の位置で変動し続けてもよく、溝部がディフューザ506内に向かって延びてもよい。以下に詳述の通り、さらに他の例において、溝部602は、1次流動角度と略同一でない角度を有してもよい。例えば、ラジアル型機械において、この角度は、1次流動角度よりも小さく、2次流動を方向付けてもよく、場合によっては、意図的に1次流動角度を上回る角度で一部の1次流動を方向付けてもよい。
【0024】
[0022] 従って、図示の溝部602は、インペラ502の出口領域においてシュラウド504に沿って配置されることにより、2次流動を再方向付けするのに効果的であってもよく、以上に検討の2次流動の悪影響の実質的部分を克服するのに効果的であってもよい。例えば、溝部602は、相当な渦を含み、子午線面推進力の低い高角度2次流動を1次流動の方向に案内してもよく、流動の推進力の子午面成分を増加してもよい。溝部602において再方向付けされた流動は、その後、インペラ出口514の下流位置においてインペラ出口流動場の残りの部分と再結合してもよく、結果として、流動角度のより均一な分布により、出口混合喪失を低減し、例えば、ディフューザ506により安定的な流動が入ることにより、ディフューザの性能を向上する。
【0025】
[0023] 以下に詳述の通り、開始位置及び終了位置と、溝部602等の流動案内溝部の角度を変動することに加え、設計の意図と適用とに応じて、溝部のその他すべてのパラメータも調整及び適合されてもよい。例えば、
図5及び
図6に示す通り、溝部602の幅W
Cは、溝部間に延びるランド606(一部のみにラベル付けしている)の幅W
Lより小さい。図示の一例としての実施形態において、W
Cは、W
Lの約30%である。他の実施形態において、溝部と隣接のランドの相対幅、シュラウド又はハブ内に配置された溝部の数、及び溝部の周辺のスペースは、変動してもよい。また図示の例において、溝部602は、2次流動が占めるインペラ流動場のスパン方向部分を受容するように設計及び構成された最大深さを有する。例えば、図示の溝部602は、流動場の性能が
図3に示された一例としての圧縮機に合わせて設計されており、インペラ出口514においてハブ面540とシュラウド面522との間のスパン方向距離の約5%~30%の範囲である最大深さを有してもよい。他の実施形態において、溝部602の最大深さは、ターボ機械流動に対する溝部の所望の影響、及び溝部の所望の機能を含む、種々の考慮に応じて変動してもよい。いくつかの実施形態において、最大溝部深さは、スパン方向距離の5%以下とすることができ、他の実施形態では、スパン方向距離の50%~100%、又は100%超であってもよい。子午面方向における深さ輪郭も変動してよい。例えば、図示の溝部602は、開始位置604とインペラ出口514との間に延びる初期入口領域に亘って徐々に深さが増す。このように徐々に深さが増すことは、シュラウド504に沿って展開する2次流動の量が増加することに値してもよい。溝部の深さは、インペラブレード後端516の上流位置、隣接位置、又は下流位置を含む種々の位置で最大位置に達してもよい。図示の例において、溝部602は、後端516に実質的に隣接する位置にて最大深さに達し、その後、深さが徐々に低減する終了位置(図示せず)に達するまで、ディフューザ506において略一定の深さを有し、結果としてメインディフューザ通路に戻るまで平滑に推移する。
【0026】
[0024] 流動案内溝部602も、2次流動に占められたシュラウド面に沿ってインペラ流動場の所望の容積測定部分を収容するサイズを備えた断面積を有するように構成及び寸法決めされてもよい。図示の例において、溝部602は、テーパ状の側壁を備えた略四角形の断面を有する。以下に検討する通り、他の種々の断面が使用されてもよい。
【0027】
[0025]
図7は、溝部602等の流動案内溝部で得られてもよい利点のいくつかを示す一例としてのテストデータを示している。
図7は、圧縮機性能マップ700を示しており、圧力比率PRtsを縦軸に沿って示し、参照質量流動Mrefを横軸に沿って示している。四角シンボルの線は、流動案内溝部を備えていない羽根なしディフューザからのものであり、三角シンボルの線は、溝部602等の流動案内溝部を備えた同一の機械からのものである。溝部を備えた場合及び溝部を備えない場合のサージライン706及び708は、各々、溝部602が圧縮機のサージラインに相当の影響を及ぼしたため、機械の動作範囲を著しく増加させたことを示している。本発明による試験ではまた、溝部602等の流動案内溝部の使用により、結果として、圧縮機段階からの作動入力及び圧力上昇を増加し、ディフューザの性能を改善できることを示している。特定の理論に限定されるものでないが、溝部602の結果として生じた性能の向上は、メインインペラ通路523からの2次流動の一部を取り除き、改良された角度で渦の多い流動を再方向付けしたためであり、これにより速度の子午面成分及び流動の推進力を増加し、インペラ出口514の下流の混合喪失を低減し、ディフューザ前面526に沿った流動の安定性を向上するものであると考えられる。
【0028】
[0026]
図8は、羽根付きディフューザ802の上流に配置された他の一例としてのインペラシュラウド800の一部を示している。図示の通り、シュラウド800は、インペラ流動場の一部を案内するための流動案内溝部804(一部のみにラベル付けしている)を備えてもよい。溝部602と同様に、溝部804は、インペラ出口808の上流に開始位置806を有してもよく、図示の実施形態において、溝部は、ディフューザの羽根812(各々、1つのみにラベル付けしている)の先端810の上流側でディフューザ802内に向かって延びてもよい。一実施形態において、溝部804は、1次流動成分α
pの絶対角度と略同一である略一定の角度αを有してもよい。いくつかの実施形態において、溝部804の角度は、溝部が適切な角度の流動をディフューザ802内に向かって効果的に案内してもよいように、ディフューザ羽根812の角度と略同一であってもよい。一実施形態において、溝部804の角度及び羽根812は、連結システムとして設計及び構成されてもよく、角度は、特定のインペラの流動特性に基づいて選択されてもよい。例えば、一実施形態において、羽根付きディフューザ802を備えたターボ機械の流動案内溝部804の設計方法は、1次流動成分の絶対流動角度α
pを判定することと、α
pに基づき、溝部804の角度及び羽根部812を選択することとを備えてもよい。一実施形態において、溝部804の角度及び羽根812は、α
pと略同一であてもよい。このようなアプローチは、1次流動角度だけでなく、2次流動に関連付けられた大きな角度も含む平均角度の選択を必要としてもよかった、従来のディフューザ羽根角度選択方法と対照的であってもよい。2次流動の一部を再方向付けするために溝部804を使用することにより、結果として、流動角度の分布をより均一としてもよく、結果として、ディフューザ性能及びインペラ-ディフューザの連結を向上するディフューザ羽根角度を選択する。
【0029】
[0027] 図示の例において、溝部804の幅WCは、溝部間に延びるランド814の幅WLより大きく、幅WCは、羽根812間の周辺スペースと略同一である。図示の例において、ランド814は、羽根812の先端810から上流に延び、インペラ出口808と重なり合い、インペラ通路内に向かって延びる流動案内リブとして作用してもよい。従って、一例としてのシュラウド800及びディフューザ802は、インペラ出口部分からインペラ出口808を横切ってディフューザ802内に向かって延びる一連の溝部804及びランド814を備え、インペラ出口808における出口流動場の速度分布を向上し、インペラ及びディフューザ流動場の連結を向上するように構成されてもよい。
【0030】
[0028]
図9~
図11は、対応する各インペラシュラウド902、1002に配された流動案内溝部900、1000(各々、1つのみにラベル付けしている)の追加実施形態を示している。
図9に示す通り、ケーシング902は、インペラ部分904、ディフューザ部分906、及びインペラ出口908を備えてもよく、シュラウドの周辺に配されてもよい、インペラ部分からディフューザ部分まで延びてもよい複数の溝部900を備えてもよい。図示の実施形態において、一例としての溝部900は、流動方向に配され、略一定の幅W
Cを有する。溝部900は、溝部幅WCと略同一の初期幅W
Liを有し、その幅がより大きな出口幅W
LOまで徐々に増加するランド910(1つのみにラベル付けしている)で分離される。
図10及び
図11は、溝部1000及びランド1004(各々、一部のみにラベル付けしている)を備えた代替ケーシング1002を示しており、ここでは、ランドは地点1008(1つのみにラベル付けしている)にて実質的にゼロ幅及びゼロ深さを有し、子午面方向に幅が徐々に増加するインペラ部分1006で開始している。
図11は、溝部1000の一部の拡大図であり、図示の目的で、溝部がインペラ部分1006からディフューザ部分1010に延びるのに合わせて溝部幅W
Cが変化する様子をグラフィック表示するための円1100を含んでいる。図示の例において、溝部幅W
Cは、インペラ部分1006で一定であり、その後、インペラ出口1012を通過してディフューザ部分1010に入った後に増加する。代替実施形態において、下流要素内に向かって延びる流動案内溝部は、幅又は断面積が減少してもよい。代替実施形態において、溝部900又は1000と同様の溝部は、ケーシング902、1002の種々の部分に配置されてもよい。例えば、本開示に係る溝部は、ディフューザの全長に沿って延びてもよく、さらに上流、例えば、インペラ出口908、1012で終了してもよく、溝部は、同様にさらに上流又は下流で開始してもよい。例えば、溝部は、インペラ出口の上流で開始してもよい。
【0031】
[0029]
図12~
図19は、設計意図及び適用に応じて採用されてもよい一例としての溝部の形状を示している。
図12は、シュラウド面又はハブ面であってもよい表面1204に配される一例としての溝部1202を示しており、ランド1205がその間に延びている。溝部1202は、インペラ領域1206で開始し、点線で示す通り、溝部は、インペラ出口1208で終わってもよく、又はディフューザ、固定子、ノズル、又はカスケードを含む種々のターボ機械成分のいずれかであってもよい下流要素1210内に向かって延びてもよい。以下に詳述の通り、一実施形態において、溝部1202等の流動案内溝部は、スモークシェルフの存在によって生じ得るもの等、インペラ出口で流路が突然広がった場合、インペラ出口1208を終端としてもよい。他の実施形態において、溝部1202は、通路幅の突然の増加がない時、インペラ出口1208に近接して終了してもよい。
【0032】
[0030]
図13~
図19は、
図12のA-A切断面における断面を示しており、種々の一例としての溝部形状を示している。
図13及び
図14は、代替幅を有する略四角形の溝部1300(
図13)及び1400(
図14)を示しており、溝部1300は、より幅が広く、対応して狭くなった幅を有するランド1302を有し、溝部1400は、より狭く、対応して幅が広くなったランド1402を有する。理解される通り、ランド幅に対する溝部幅の任意の比率が採用されてもよく、最適な溝部のサイズは、適用及び設計の考慮によって決まる。
図15は、代替溝部1500及びランド1502、1504を示しており、溝部及びランドの一方又は双方の幅が機械に亘って変動してもよく、ここでは、ランド1504は、ランド1502より幅が広い。いくつかの実施形態において、1つ以上のより狭いランド1502が、1つ以上の溝部1500に亘って配される流動案内リブとして設計及び構成されてもよい。溝部1500は、均等な幅を有してもよく、或いは、機械の周辺で対応して変動する幅を有してもよい。
【0033】
[0031]
図16及び
図17は、一例としての角度付き溝部1600(
図16)及び1700(
図17)を示している。一例としての溝部1600は、垂直壁部1602と角度付き壁部1604とを有してもよく、一例としての溝部1700は、2つの角度付き壁部1702を有してもよい。角度付き側壁を備えた溝部は、通過するインペラブレードと溝部との間で可能性のある望ましくない圧力波相互作用を制御することを含み、且つ/又は、インペラの回転方向に傾斜されることによって2次流動の収集を向上するための種々の設計オプションを提供してもよい。
図18は、屈曲した断面を有する一例としての溝部1800を示している。図示の溝部1800は、屈曲部分1804から延びる角度付き側壁1802も有する。理解される通り、本明細書に開示の溝部形状のいずれかは、屈曲部分1804等、溝部の基部に屈曲部分を備えてもよく、溝部に集まる堆積物の量を低減し、必要に応じて、清浄の目的で、動作中の通路を介してこれらの溝部のうちのいずれかに(動作中の通路は図示せず)噴射されてもよい圧縮空気及び清浄液のうちの1つ以上で溝部から堆積物を清浄する能力を向上してもよい。同様に理解される通り、例えば、溝部の幅及び所望の断面形状に応じて、種々の断面溝部深さの曲面のいずれかが採用されてもよい。
【0034】
[0032]
図19は、開口1906を介してインペラ流動場と流体連通した浸水流体通路1904を有する溝部1900の一例としての実施形態を示している。図示の通り、浸水通路1904の断面形状は、略四角形(1908)の断面形状又は略円形(1910)の断面形状を含んで、変動してもよい。一例としての溝部1900は、浸水通路1904内に流動場の一部を保持することにより、2次流動と1次流動場との間でより規定された分離を生じてもよい。このような分離は、2次流動に対する溝部1900の効果を増加し、2次流動と1次流動との間の混合喪失を低減するために望ましいこともある。以下に詳述の通り、一例としての溝部1900は、多相及び/又は複合成分の流動で機能するように設計された機械で利用されてもよい。
【0035】
[0033]
図20は、インペラ通路の中心から見て、シュラウド面又はハブ面に配された溝部に向かって外側に見た時のように、上方から見た時の一例としての溝部形状を示している。
図20は、例示として、間に延びるランド2002の幅W
Lに比較して広い幅W
Cを有する溝部2000を示している。溝部2000の深さは、入口2004及び出口2006で実質的にゼロであってもよく、入口と出口との間の地点で最大深さまで増加してもよく、縁部2008は、入口2004及び出口2006とぶつかって略矩形の入口及び出口を形成してもよい。溝部2016は、比較的狭い幅W
Cを有してもよく、テーパ状の入口2018及び出口2020を有してもよい。溝部2022及び2024は、浸水通路2026及び2028を有してもよく、浸水通路は、紙面及び機械の対応成分の表面の下方にあることを示すために破線で示されており、溝部は、流動を浸水通路と連通するための開口2030及び2032を備えてもよい。図示の通り、一例としての開口2030は、浸水通路2026と同様のサイズ及び形状を有し、開口2032は、浸水通路2028より実質的に小さい。
【0036】
[0034] 一実施形態において、溝部1900、2022、及び2024等、浸水通路を備えた溝部を使用して、インペラ流動場の一部を他の位置までダクトに通してもよい。一例において、2004年3月2日発行の米国特許第6,699,008号の表題「流動安定化装置」に開示のダクトのいずれか1つは、ダクトに関連する部分を参照としてここに組み込むが、浸水通路を有する溝部を備えて使用されてもよく、ここでは、溝部はダクト138内に向かって終端を有してもよい。他の実施形態において、溝部からの流動は、原則的流路から取り除かれてもよく、高荷重ターボ機械システムにおける推力管理、最新ガスタービン等における冷却流動としての使用、その他任意のプロセスにおける冷却のための使用、化学反応プロセスのサポート、システムからの望ましくない成分の除去等、その他の目的のためにルート化されてもよい。
【0037】
[0035] 以上に検討の通り、流動案内溝部のサイズ、形状、及び位置は、適用及び設計意図に応じて変動してもよい。
図21及び
図22は、2相及び/又は複合成分流動に合わせて設計及び構成されてもよい溝部2102(2つのみにラベル付けしている)を有するインペラシュラウド2100の一例としての実施形態を示している。当分野で既知の通り、多くの適用において、同一の分子成分の液体及び蒸気の2相汲み上げが生じ、現在のポンプは、揚程特性が崩壊してポンプに深刻な損傷が発生し始める前に、どの程度の蒸気に耐え得るかについて限界がある。多くの場合、任意の量、又は少なくとも相当量の蒸気がポンプ内に存在するのを防ぐため、システムには動作限界が課される。例えば、1)浮遊した液滴、気泡、又は粒子(固体)を搬送する優勢単一ガス又はガス混合物、2)それとともに、漂っている気泡(同一の分子構造の蒸気以外)又は粒子(固体)を搬送する優勢液体、又は3)混和性又は非混和性液体並びに種々の気体及び固体(例えば、油井からの排水の多くが、単に異なる位相及び成分の複雑な混合物等である)のより複雑なシステムを含む複数成分流動等、複数成分流動のよりロバストな汲み上げ能力のニーズがある。
【0038】
[0036] ある量の2層流動を取り扱うことのできるポンプを設計するための設計上の考慮には、流動がインペラ通路の端部に達する前に、十分なヘッド上昇を生じ、より高い圧力で蒸気を液体状態に戻すようにインペラを設計することを含む。その他の考慮として、液体及び蒸気の流動を可能にする十分な断面領域を提供することがあり、後者は非常に大きな面積を要求することもある。一例としてのシュラウド2100及び溝部2102は、2相汲み上げを可能にするように設計及び構成される。一例としての溝部2102は、例えば、溝部602(
図5及び
図6)及び804(
図8)より大きなシュラウド2100の部分の上方に延び、図示の例では、溝部は、インペラ入口2104からインペラ出口2106までシュラウド2100の全長に亘って延びる。適用に応じて、溝部2102は、液体及び蒸気の意図された容積測定流動を取り扱うために、単1相動作に合わせて設計された溝部に比較して大きな断面積と容量のサイズを備えてもよい。図示の溝部2102及び隣接リブ2108は、インペラ流動場に存在する蒸気の大部分(蒸気は、局所速度が高いことと、その他の効果により、シュラウド2100付近に集中する傾向にある)を収集するように設計され、これにより、メインインペラ通路から蒸気を取り除くように設計されてもよい。インペラから蒸気を取り除くことにより、インペラによって生じたヘッド上昇は、インペラ通路内に蒸気が残留した場合ほど蒸気から目立った影響を受けることはないであろう。一実施形態において、このシステムは、溝部2102における蒸気に付与され、蒸気の相当部分又は実質的にすべてを、インペラから出る際、又はインペラから出る前に、液体に移行させてもよい十分なヘッド上昇を生じるように構成されてもよい。
【0039】
[0037] 一実施形態において、溝部2102は、本開示に係る流動案内溝部に発生してもよい正変位汲み上げ効果を強化するように構成及び寸法決めされてもよい。特定の理論に限定されるものでないが、いくつかの実施形態において、本明細書に開示の流動案内溝部を備えたターボ機械は、溝部の流動に対して実施される動作が、インペラのブレードの連続回転によって課される動作の場合、角度推進力の変化に直接反映される動作でなく、正の変位(PD)型の動作であるハイブリッド機械であることにより、ハイブリッドターボの正の変位、すなわちターボPD機械を作成すると考えられてもよい(溝部2102等の溝部における流体は、ブレード力によって限定された距離、溝部に沿って押圧されてもよい)。流動案内溝部は、この効果を強化するように設計及び構成されてもよい。逆に、PD型動作は、本明細書に記載の流動案内溝部のいくつかの実施形態において、最小であってもよい。一実施形態において、溝部2102は、インペラの通過するブレードの動作により、(インペラハブ面と、インペラブレード(
図21及び
図22には図示せず)のシュラウド側との間でスパン方向に延びる通路)直接インペラ通路の外側の蒸気の汲み上げを促進してもよく、流動に合わせて向きを調整されたシュラウド溝部2102に沿って流動を掃き出すのを助ける一連の衝撃力を提供してもよいPD力を強化するように構成及び寸法決めされてもよい。特定のケースに合わせた溝部2102の面積計画には、局所密度値に対応する蒸気又は気体の容量を許容するのに十分な断面積を確保する等の考慮が含まれてもよい。その他の2次成分の蒸気の量がより多い場合、より大きな断面積を有する溝部2102が必要とされてもよい。
【0040】
[0038] 本明細書に開示の溝部を使用して、流動がインペラを出てディフューザ等の下流要素に入る際、好適な速度プロファイルを作成し、ディフューザの性能を向上してもよい。
図23~
図26は、本明細書に開示の流動案内溝部及びリブの設計に影響してもよいインペラ速度及び角度分布を概念的に示している。
図23は、スパン状子午面速度分布の概念的プロットであり、子午面速度C
mを縦軸に示し、スパン状位置b
2を横軸に示すが、図示の例では、0がシュラウドであり、1.0がハブである。
図23は、理想化された対称清浄プロファイルを示しており、プロファイル2302は、薄い入口境界層を示し、プロファイル2304は、より大きな境界層と、関連の空気力学的又は流体力学的遮断を有するプロファイルを示す。
図24は、理想的プロファイル2302を通常のインペラ出口プロファイル2402と比較しており、これは中間~高レベルの特定速度段階の特性である。
図24は、いかに速度の子午面成分C
mがシュラウド及びハブの付近で離層より著しく少なくなってもよいかを示しており、多くの場合、例えば、2次流動との関連で以上に検討した理由により、シュラウド(0付近のb
2)に沿ってより顕著である。
【0041】
[0039]
図25及び
図26は、補強された速度プロファイル2502(
図25)と補強された角度プロファイル2602(
図26)とを示しており、本明細書に開示の流動案内溝部は、開放インペラ又はカバーインペラのいずれかのシュラウド面及びハブ面の一方又は双方に沿って配置されて、流動(
図25)の子午面速度成分を増加する方向に流動を再方向付けし、流動(
図26)の角度を向上してもよい。ハブ側溝部の一例としての実施形態について以下に検討し、カバーインペラ、すなわち、開放されないか、又は部分的に開放されるインペラのシュラウド側溝部についても以下に検討する。一実施形態において、溝部のサイズは、速度プロファイルが補強される程度を適合するように調整されてもよい。例えば、溝部のサイズ及び構成は、2次流動を捕捉して方向付けるために選択されてもよく、場合によっては、シュラウド面及びハブ面の一方又は双方に沿った特定量の1次流動を捕捉して方向付けるために選択されることにより、シュラウド及びハブに沿ってより勢いのある速度プロファイルを作成してもよい。これらの領域で流動にエネルギー供給するためのこのような流動の補強により、下流ディフューザの性能を向上してもよい。従って、流動案内溝部のサイズ及び形状は、流体動的遮断を取り除き、下流ディフューザの性能を向上するように構成及び寸法決めされてもよい。
図26は、縦軸に絶対流動角度αを示し、横軸にスパン状位置b
2を示しており、補強角度プロファイル2602を一般的プロファイル2604と比較している。以上に検討した通り、流動分布がシュラウド面に沿って大きな角度を有し、種々の性能問題を生じることもあるというのは一般的であるが、本明細書に開示の溝部を使用して、ハブ面又はシュラウド面に沿った角度を低減してもよい。
図25及び
図26に示す通り、流動案内溝部は、ハブ又はシュラウドに沿って再方向付けされた流動が1次流動の角度又は子午面速度成分より大きな、又はこれを通り越した角度又は子午面速度成分を有すべく、流動場を補強するように設計及び構成されてもよい。例えば、インペラの入口における1次流動角度とインペラの出口における1次流動角度との間の角度を備えた溝部を使用して、インペラ流動場の補強部分2606を調整してもよい。
図26に示す通り、シュラウドに沿った角度分布は、特定の設計適用に合わせて、必要に応じて増減されてもよい。子午面速度分布(
図25)にも同様の効果が達成され、一般的プロファイル2504に対して補強部分2506の大きさを増減してもよい。
【0042】
[0040]
図27~
図29Bは、通常、流動方向に延びるが、変動角度を有する流動案内溝部2700の他の実施形態を示している。一例としての溝部2700は、シュラウド2708及びディフューザ前面2704に配置されてもよく、インペラ出口2706に亘って延びてもよい。
図27の切断面A-Aの断面図である
図28に示す通り、溝部2700は、インペラ2900(
図29B)の回転方向に傾斜された側壁2800を有してもよい。
図29A及び
図29Bは、溝部2700をさらに示しており、
図29Aは、シュラウド2708の一部の上面図であり、
図29Bは、インペラ2900に関連付けられたシュラウド2708の断面側面図である。
図29Aに示す通り、溝部2700の角度αは、溝部の長さに沿って変動するが、このαは、回転軸R(
図29Aの紙面を通過して延びる)を通じて延びる子午参照面から絶対参照フレームにおいて測定される。図示の例において、溝部2700の角度αは、子午面方向に可変であり、溝部は、各々、異なる角度で延びる4つの異なる部分を有する。溝部2700は、30%M~50%Mまで延び、30度の角度αを有する(ここでMは、インペラブレード2904(
図29B)の子午面距離であり、0%Mは、インペラブレード先端2906であり、100%Mは、インペラブレード後端2908である)第1の部分2902を備える。溝部2700はまた、50%M~70%Mまで延び、50°の角度を有する第2の部分2910と、70%M~100%Mを超えて延び、65度の角度を有する第3の部分2912とを備える。溝部2700の変動角度は、インペラ流動場の1次流動成分の軌道に対応するように設計及び構成されてもよい。例えば、第1、第2、及び第3の部分2902、2910、及び2912の角度は、特定の機械に関連付けられた1次流動の平均絶対角度に対応してもよい。シュラウド2708に沿って溝部2700を配置することにより、シュラウドに隣接した作動流体の一部、例えば、低子午面速度及び高流動角度を有する作動流体の弱い部分を再方向付けするのに効果的であってもよい。溝部2700は、2次流動をディフューザ内に向かって案内するために、ディフューザ前面2704(
図27)に沿って一定角度を有してもよく、又は変動角度を有してもよい。当業者に理解される通り、部分の数、特定の角度、及び子午面位置は、適用及び設計の意図に合わせて変動してもよい。例えば、本開示に係る溝部は、3つ未満又は3つ超の一定角度部分を有してもよく、或いは、連続的可変角度を有する1つ以上の部分を有してもよい。
【0043】
[0041]
図30~
図32は、羽根付きディフューザ3100と組み合わせたシュラウド3002の流動案内溝部3000の他の例を示している。図示の溝部3000は、インペラ入口3004の下流及びインペラ出口3006の上流で開始し、流動方向に延びてインペラ出口を終端とするリブ3008によって分離される。ディフューザ3100は、上部プレート3102と、底部プレート3104と、その間に延びる羽根3106とを備える。一例としての羽根3106は、屈曲した先端を有してもよく、下方及び上方脚部3110、3112がディフューザ入口3114に向かって延びる。
図32に示す通り、シュラウド3002は、ディフューザ3100の前面プレート3102と嵌合するように設計及び構成される。
図32に示す通り、溝部3000及びリブ3008の位置は、羽根3106の位置に対して「クロック位置」であってもよい。図示の例において、リブ3008の後端は、隣接する羽根3106の間の略中間点に配置されてもよい。他の実施形態において、ディフューザ3100に対するシュラウド3002の他の相対位置が使用されてもよい。図示の例において、シュラウド3002は、羽根3106と同数のリブ3008及び溝部3000を有する。他の実施形態において、これらの数は同一でなくてもよい。理解される通り、任意の数のクロック配向と、羽根3106に対する溝部3000の数の比率が使用されてもよい。一例において、溝部の数は、羽根の数より多くてもよく、ディフューザの羽根の先端部分が上流に、且つ、いくつかの溝部の間のリブから延びてもよく(
図8のディフューザ802及び羽根812と同様)、他の溝部が、
図32に示す実施形態等のように、隣接するディフューザの羽根の間に延びるランド又はリブによって規定されてもよい。
【0044】
[0042]
図33A及び
図33Bは、タービン、圧縮機、又は送風機を含む任意の種別の軸流機械であってもよい軸流機械3304に適用される一例としての流動案内溝部3300、3302を示している。軸流機械3304は、ハブ3310とブレードのシュラウド側3312との間の延びるブレード3308(1つのみを図示している)を有したインペラ3306を備えてもよい。ブレード3308及びハブ3310は、ディスク3311に固定され、矢印Rの方向において回転軸Aの周りを回転するように構成される。インペラ3306は、シュラウド3314に対して回転するように構成され、シュラウド面3316はブレード3308のシュラウド側3312に対向する。インペラ3306は、例えば、固定子羽根であるブレード3319と、前面及び背面3320、3322を含んでもよい下流要素3318の上流に配置される。
【0045】
[0043] 図示の実施形態において、軸流機械3304は、シュラウド3314に沿った流動案内溝部3300と、背面3322において、ハブ3310の下流に配置された流動案内溝部3302とを備える。
図33Aには示されていないが、図示の溝部3300及び3302は、各々、機械の周辺に離間した複数の溝部のうちの1つであってもよい。溝部3300及び3302は、本明細書に開示の種々の断面形状及び深さプロファイルのいずれかを有してもよい。図示の通り、シュラウド側溝部3300は、ブレード3308のシュラウド側3312の全長に沿って延びてもよく、実線及び破線で示す通り、ブレード3319の先端3330の上流又は固定子羽根の先端の下流を含む種々の位置に終端を有してもよい。溝部3300の開始位置3334は、先端3332の上流であってもよい。他の実施形態において、開始位置3334は、さらに上流、例えば、インペラ流動場の分岐領域に接近した位置等(
図4及びこれに伴う検討を参照のこと)、インペラブレード3308の先端3332の上流に配置されてもよい。図示の溝部3300は、開始位置3334にて略ゼロであり、最大深さまで徐々に増加してもよい深さDを有してもよい。
図33Aに示す通り、溝部3300の深さDは、最大深さに達した後、減少を開始してもよく、或いは、溝部は、減少を開始する前にいくらかの距離、略一定の深さを有してもよい。最大深さの位置は変動してもよい。一実施形態において、最大溝部深さの位置は、ブレード3308の後端3336又はその下流であってもよく、いくつかの実施形態において、ブレード3319の先端3330の下流であってもよい。従って、溝部3300は、シュラウド3314に沿って展開する2次流動の一部を好適な方向に向かって案内することにより、インペラ3306及び固定子3318の性能を増してもよい。
【0046】
[0044]
図33A及び
図33Bに示す通り、軸流機械3304は、ハブ側溝部3302も備えてよい。溝部3302は、固定子プラットフォーム3323の背面3322に配置されてもよく、ハブ3310は、後端3336がハブ3310の刈り込み部分3340(
図33B)の下流に配置されることにより、ハブ3310に近接した流動と溝部3302との間に流体連通を提供するように刈り込まれてもよい。4つの溝部3302のみを図示したが、追加の溝部が含まれてもよく、機械の周囲に離間してもよい。図示の例において、ハブ3310は、溝部に連帯連通を提供するための扇形部分3342を備えた刈り込みであってもよい。1つの扇形部分3342のみを示したが、複数の扇形部分がハブ3310の周囲に配置されてもよい。他の実施形態において、シェルフを含む他の形状の刈り込みが使用されてもよい。当業者に理解される通り、ハブ3310が刈り込みであってもよい量は、構造を考慮の上、限定されてもよく、許容可能な刈り込み程度は、材料選択及び動作条件等のパラメータで変動する。溝部3302は、ブレード3308の後端3336を含む種々の位置、又は、ブレード3319の先端3330の下流等の下流位置に終端を有してもよい。他の実施形態において、軸流機械は、溝部3300又は3302のみを有してもよく、この選択は、2次流動がより集中する表面に沿った溝部の配置に基づくものであってもよい。
【0047】
[0045]
図34及び
図35は、軸流機械3402に適用されるハブ側溝部3400の他の実施形態を示している。軸流機械3304と同様に、機械3402は、ハブ3406及びディスク3408に固定され、例えば、固定子等の下流要素3410の上流に配置されたインペラブレード3404を備えてもよい。ハブ3310とは異なり、ハブ3406は、刈り込みではない。代わりに、
図35に最もよく示される通り、ハブ3406は、下流要素3410の背面3414に配置された溝部3400に連帯流通を提供するための開口3412を備えてもよい。
図35は、ハブ3406及び背面3414の上面展開図であり、インペラ流動場と溝部3400との間の連帯流通を提供するハブ内の開口3412を示している。
図34に示す通り、ハブ3406は、背面3414と重なり合ってもよく、開口3412の先端3416は、ブレード3404の後端3418の上流にあることにより、ハブ3406に沿ったインペラ通路内で、且つ、インペラブレード後端3418の上流の流動が入り込み、溝部3400によって案内されるようにしてもよい。従って、
図35は、例示の目的で展開された図であり、開口3412は溝部3400と重なり合う。4つの溝部3400と3つの開口3412のみが図示されているが、各々、より多くの数が含まれてもよく、機械の周囲に離間してもよい。
図35に示す通り、図示の例において、開口3412は長尺形状を有し、また(回転ハブ3406上の)相対参照フレーム内に配置されるため、開口は、例えば、1次流動の相対速度W
Pに揃えられてもよい。対照的に、上述の通り、溝部3400は、静的背面3414に配置されるため、例えばC
pの絶対速度に揃えられてもよい。
図34及び
図35に示すような配置は、インペラ出口に先立ってインペラ通路内でハブ側流動を案内するための、
図33に示す実施形態の代替を提供するものである。理解される通り、且つ、以下に詳述する通り、同様の構成は、ラジアル型機械とともに採用されてもよく、シュラウド付又はカバー付の軸流型又はラジアル型機械のシュラウド側に採用されてもよい。
【0048】
[0046] 以上に検討の通り、ターボ機械は、通常、ハブ面又はシュラウド面に沿った子午面速度及び推進力の不足を生じてしまう。例えば、ラジアル型機械は、多くの場合、シュラウド面に沿って半径方向推進力の不足を生じてしまう。圧縮機は、インペラで生じるこの子午線面推進力の不足が、ディフューザ効率の低下及び流動不安定性の発生を含む、インペラ下流のディフューザ性能に悪影響を及ぼし得る。いくつかの既存のディフューザの設計は、ディフューザ通路の幅を低減すること、又はディフューザ通路の弱い、推進力不足側におけるディフューザの入口、例えば、ディフューザのシュラウド側での「挟持」により、子午面速度を増加し、流動を安定化することで、悪影響の低減を図っている。場合によっては、従来の設計は、ディフューザのシュラウド及びハブ側の双方で通路幅を低減することを含み、「平衡化挟持」とも称され、これによって子午面速度及び安定性を増加させる。しかしながら、本発明者は、支配的な弱化側の挟持、又は平衡化挟持の代わりに、ディフューザ入口領域で強化側の挟持を行うことにより、ディフューザの性能(羽根付きディフューザ及び羽根なしディフューザともに)及びシステム全体の性能を向上してもよいことを発見した。換言すると、ディフューザ通路の側における支配的な通路幅の低減では、子午面推進力及び安定性がより大きくなり、反対側では、子午面速度が不足する。特定の理論に限定されるものでないが、このような強化側の曲面は、インペラ出口流動のより強い成分を活用して、ターボ機械通路の反対の弱化側により健全な圧力分布を付与することにより、ディフューザ性能を向上してもよい。また凸曲面は、流動不安定性を生じ、境界層の成長を悪化させる傾向にある。従って、子午面推進力不足側における通路幅の低減の形で凸面を含む一般的なアプローチは、既に安定的でない流動場に不安定性を生じることもある。
【0049】
[0047]
図36は、領域3602における強化側挟持を備えた一例としての羽根なしディフューザ3600を示している。インペラ3604は、ディフューザ3600の上流に配置されてもよく、ハブ3606に固定され、矢印Rで示される通り、回転軸Aの周りを回転するように構成されてもよい。動作中、インペラ3604は、ディフューザの性能を低下させ得る、シュラウド面3610に沿った高角度、低子午面推進力の2次流動が集中する流動場をインペラ出口3608に生じることもある。図示の通り、ディフューザ3600は、ディフューザ背面プレート3616のディフューザ背面3614における強化側曲面3612を備えてもよい。従って、曲面3612は、ディフューザ通路のハブ3606と同一側及び子午面不足流動、ここでは、シュラウド面3610の反対側に配置されることにより、シュラウド面に沿ったインペラ出口流動の安定性を向上する。一例としての曲面3612は、ハブディスク3606の外側半径のすぐ下流で開始し、緩やかな曲線を備え、結果として通路幅を低減する。
図37は、一例としての羽根なしディフューザ3700を示しており、領域3702の強化側挟持が、代替の強化側曲面3704を有し、背面3706の内側曲面がハブディスク3606の下流でより緩やかに生じている。図示の曲面3612及び3704はともに、インペラ出口3608で実質的に開始し、ディフューザの最初の約10%Mで終了している(100%Mがインペラ3604の子午面長さである)。代替の実施形態において、強化側曲面は、より長くても短くてもよく、ディフューザのさらに下流に開始位置を有してもよい。非限定的な例として、強化側曲面は、ディフューザの入口領域のいずれかの位置で開始してもよく、0%~10%、10%~20%、20%~30%、30%~40%、40%~50%、50%~100%、又は100%~500%M(0%Mがディフューザ入口であり、100%Mがインペラの子午面長さの100%に等しい距離離れたディフューザ入口の下流位置である)の範囲のディフューザ位置で開始してもよい。また強化側曲面の長さは、1%~10%、10%~20%、20%~30%、30%~40%、40%~50%、50%~100%、又は100%~500%Mを含んで変動してもよい。理解される通り、曲面の位置及び程度、通路幅低減量、低減の種別(例えば、線状又は曲線状)は、適用に合わせて変動してもよい。同様に理解される通り、本明細書に開示のディフューザ曲面のいずれかを羽根付き又は羽根なしディフューザのいずれかに適用してもよい。
【0050】
[0048]
図38及び
図39は、ディフューザ3804、3904における追加の一例としての強化側曲面3800及び3900を示している。
図38及び
図39は、本明細書に開示の強化側曲面のいずれかと組み合わせられることによって性能を改善してもよい、一例としての弱化側処理3806、3906も示している。一例としての処理3806は、安定性を向上し、逆流を低減するために弱化側、ここではシュラウド3808に適用されてもよい、凹部又は逆曲面の例である。理解される通り、種々の凹状曲面のいずれかが使用されてもよい。一例としての処理3906(
図39)は、安定性を向上し、逆流を低減してもよい通路幅の突然の増加、例えば「スモークシェルフ」の例である。従って、弱化側処理3806、3906はともに、インペラ通路の半径方向推進力不足側で局所的な通路面積増加を含む。
【0051】
[0049]
図40及び
図41は、インペラ4002、4102において、インペラ出口4004、4104の上流で開始する強化側曲面4000、4100の実施形態を示している。図示の通り、ハブディスク4006、4106は、ハブ外側半径範囲4008、4108がインペラ出口4004、4104の上流に配置されてもよく、強化側曲面4000、4100がディフューザ4009、4109の入口前で開始してもよいように、最大外径が低減してもよい。従って、背面4010、4110の部分は、インペラ後端4012、4112の上流にインペラ通路の部分を規定してもよく、凸状曲面を備えてハブ4006、4106からスパン方向内側に延びることにより、後端の上流で強化側曲面4000、4100を開始してもよい。
図40及び
図41は、2つの例としての曲面を示しており、強化側曲面4100が曲面4000より大きく、結果として通路幅の低減を増やしている。理解される通り、例えば、適用及び設計の意図により、種々の曲面及び幅低減のいずれかを選択してもよい。
【0052】
[0050]
図42は、ハブ4202及びディフューザ背面4204の双方に亘って延びる強化側曲面4200の他の例を示している。図示の通り、ハブ4202の下流部分4206は、ハブの出口部分であってもよいが、内側曲面を備えることにより、インペラ後端4208の下流で強化側曲面4200を開始してもよい。従って、
図40~
図42に示す通り、ハブ側曲面は、ハブディスクの刈り込み又はハブ面への内側曲面の追加の一方又は双方により、インペラ後端の上流に配置されてもよい。
【0053】
[0051] いくつかの実施形態において、強化側曲面4000、4100ではなく、又は強化側曲面4000、4100に加えて、流動案内溝部は、強化側曲面4000及び4100と略同一の位置に配置されてもよい。例えば、ハブ側溝部は、ハブディスク4006、4106を刈り込み、インペラ出口4004、4104の上流位置においてディフューザ4009、4109のハブ側に溝部を加えることにより、軸流機械3304のハブ側溝部3302(
図33B)と同様に加えられてもよい。さらに他の実施形態において、シュラウド付きインペラのハブ側溝部又はシュラウド側溝部は、軸流機械3402(
図34)の開口3412及び溝部3400と同様の配列で、ラジアル型機械に加えられてもよく、ここでは、開口がインペラ通路と下層溝部との間に流体連通を提供するハブ又はシュラウド側に加えられてもよい。
【0054】
[0052]
図43及び
図44は、正の凸曲面4304の上流に負の凹曲面4302を備えてもよい強力側2重曲面4300の例を示している。このような2重曲面は、ディフューザ設計の可撓性を増加してもよい。例えば、負の凹曲面4302は、強化側凸曲面4304への移行を容易化してもよく、曲面に沿った流動の安定性を増加してもよい。理解される通り、曲面4302、4304の位置、長さ、及び相対長さは、変動してもよい。いくつかの実施形態において、
図43及び
図44において破線で示される通り、曲面の程度並びに負及び正の曲面の相対量が可変挟持能力を可能にすべく調整されるように、ディフューザ背面4306の位置が調整可能であってもよい。図示の例において、ディフューザ4308は、シュラウド4312に沿った幾分の通路幅低減4310を含んでもよいが、このようなシュラウド側挟持は、図示のディフューザ4308全体が強化側支配的挟持を有すべく、強化側の曲面4300からの幅低減より小さい。以上に検討の通り、他の実施形態において、シュラウドの下流に延びるディフューザの前面は、いずれの挟持も有さなくてよく、例えば、略平坦であってもよく、或いは
図38及び
図39に示すもののように、特定量の逆曲面を有してもよい。
【0055】
[0053]
図45及び
図46は、ディフューザの安定性及び効率をさらに向上するために、本開示の実施形態において利用されてもよい一例としての捕捉角部失速セル4500、4600を示している。図示の通り、失速セル4500は、四角形又は矩形の陥没を備えてもよく、失速セル4600は、略円形の断面陥没を備えてもよい。このような捕捉角部失速セル4500、4600は、弱化側表面、例えば、本明細書に開示の強化側曲面のいずれか1つの位置と略反対側において、ディフューザの入口に配置されることにより、入口流動制御を向上するために利用されてもよい。例えば、一例としての捕捉状角部失速セル4500、4600の1つは、一例としての弱化側処理3806、3906に配置されてもよい(
図38、
図39)。
【0056】
[0054]
図47~
図50は、ターボ機械の性能を向上するための強化側曲面及び流動案内溝部及びリブの組み合わせを含む、本明細書に開示の流動制御構造の組み合わせの一例としての実施形態を示している。
図47は、溝部4708、ディフューザシュラウド側面4711の可能なバリエーションを示しており、
図48~50は、
図47に示す各組み合わせを別々に示している。
図47は、一例としてのインペラ4700及びディフューザ4702を示しており、ディフューザは、上述の通り、ディフューザの性能を向上してもよい強化側曲面4706からの通路幅の低減を含む。シュラウド4707は、本明細書に開示の流動案内溝部のいずれか1つ等、シュラウドの周辺に離間した1つ以上の流動状溝部4708を備えてもよい。インペラ出口4710から略垂直に延びる3本の破線4711は、一例としてのディフューザシュラウド側面を示しており、インペラ出口における実線は、代替の一例としてのスモークシェルフ4712を示している。角度付き破線4714は、種々のディフューザシュラウド側面4711に対する溝部4708の可能な位置を示しており、破線は、スモークシェルフ4712の場合、溝部4708がインペラ出口4710に突然終端を有してもよいことを示すか、又はスモークシェルフが採用されず、溝部の深さが徐々に減少する場合、溝部4708がディフューザ4702内に向かって延びてもよいことを示している。
【0057】
[0055]
図48は、強化側曲面4706との組み合わせで、強化側曲面4706からのより著しい通路幅低減に占められた、2重側方挟持を結果として生じる通路幅低減を有する一例としてのディフューザシュラウド側面4711の1つを示している。溝部4708は、ディフューザ4702内に向かって延び、線4714及び破線4716は、溝部の2つの可能な深さ輪郭を示しており、これらの輪郭はともに、インペラ出口4710に隣接して最大溝部深さを有し、プロファイル4716は、4714に比べて僅かに緩やかに減少する深さを有している。
図49及び
図50は、部分スモークシェルフ4902(
図49)及び完全スモークシェルフ4712(
図50)の形で2つの可能な弱化側処理を示している。
図49に示す通り、一例としてのディフューザシュラウド側面4711の1つは、部分スモークシェルフ4902から略垂直に延び、溝部4708は、ディフューザ4702内に向かってディフューザまで延びる。
図50に示す通り、図示の例における完全スモークシェルフ4712は、インペラ出口4710の下流及び強化側曲面4706の開始位置に配置され、溝部4708は、完全スモークシェルフに終端を有する。
【0058】
[0056]
図51は、本開示に係る流動制御構造の一例としての設計プロセス5100を示している。図示の通り、一例としてのプロセス5100は、ステップ5102で開始してもよく、ターボ機械の数値流体モデルを展開することを備えてもよく、ステップ5104にて、例えば、インペラ通路における流動場分布が計算されてもよい。場合によっては、流動場分布は、下流要素について判定されてもよく、このような流動場分布は、種々の異なる動作条件について計算されてもよい。当分野で既知の通り、このような計算は、一般に数値流体力学(CFD)と称される技術を含む、種々のソフトウェアのいずれかを使用した1次元、2次元、及び3次元の数値モデリング技術のすべてを含む、種々の方法で実施されてもよく、定常計算及び過渡計算の双方を含んでもよい。
【0059】
[0057] ステップ5106にて、計算された流動場は、流動場の弱化領域を特定するために解析されてもよい。本明細書に記載の通り、流動場の弱化領域は、2次流動に占められた領域であってもよく、又は弱い相対速度又は子午面速度成分を有してもよく、又は高程度の渦を有してもよく、又は逆流まで、且つ、逆流を含む、1次流動角度とは著しく異なる角度分布を有してもよい。ステップ5106は、2次流動が展開を開始する分岐領域を特定することも含んでよい。ステップ5108にて、流動場は、流動場の強化領域の特性を判定するためにも解析されてよい。例えば、ステップ5108は、インペラ通路の種々の位置における流動場分布の1次成分について流動角度を特定することを含んでもよい。ステップ5110にて、計算された流動場分布の解析後、本明細書に開示の流動制御構造を配置するためのターボ機械の領域を特定してもよい。例えば、弱流動領域がインペラ通路の出口領域においてシュラウド面に沿って特定され、弱い流動領域が展開を開始する箇所で分岐領域が特定された場合、シュラウドの一部、例えば、分岐領域に隣接した分岐領域の下流部分が、本開示に係る1つ以上の流動案内溝部を配置するために選択されてもよい。インペラ通路の弱流動領域とは反対側の位置も、本開示に係る強化側曲面を追加するために選択されてよい。ステップ5112にて、流動制御構造を追加するために1つ以上の表面又は位置を選択した後、流動案内溝部及びリブ及び強化側で占められた曲面等の流動制御構造などを設計し、ターボ機械に組み込んでもよい。
【0060】
[0058] 本明細書に記載のいずれか1つ以上の態様及び実施形態は、コンピュータ分野の当業者にとって明らかである通り、本明細書の教示に従ってプログラムされた1つ以上の機械(例えば、電子文書用のユーザ演算装置として利用される1つ以上の演算装置、文書サーバ等の1つ以上のサーバ装置)を使用して簡便に実装されてもよい。ソフトウェア分野の当業者にとって明らかである通り、知識を有するプログラマは、本開示の教示に基づいて適切なソフトウェア符号化を容易に準備することができる。ソフトウェア及び/又はソフトウェアモジュールを採用する、以上に検討した態様及び実装は、ソフトウェア及び/又はソフトウェアモジュールの機械実行可能な指示の実施を補助するために、適切なハードウェアも備えてよい。
【0061】
[0059] このようなソフトウェアは、機械可読記憶媒体を採用したコンピュータプログラム製品であってもよい。機械可読記憶媒体は、機械(例えば、演算装置)によって実行するために指示シーケンスを記憶及び/又は符号化可能であり、機械に、本明細書に記載の方法論及び/又は実施形態のいずれか1つを実施させる任意の媒体であってもよい。機械可読記憶媒体の例には、磁気ディスク、光学ディスク(例えば、CD、CD-R、DVD、DVD-R等)、磁気光学ディスク、読み取り専用メモリ「ROM」装置、ランダムアクセスメモリ「RAM」装置、磁気カード、光学カード、固体メモリ装置、EPROM、EEPROM、及びそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これに限定されるものでない。本明細書において使用される機械可読媒体は、単一の媒体と、物理的に別個の媒体の集合、例えば、コンパクトディスクの集合、又は1つ以上のハードディスクドライブをコンピュータメモリと組み合わせたものなどが含まれるものとする。本明細書において使用される機械可読記憶媒体には、信号送信の一時的形態は含まれない。
【0062】
[0060] このようなソフトウェアは、搬送波等、データ搬送においてデータ信号として搬送される情報(例えば、データ)も含んでもよい。例えば、機械可読情報は、機械(例えば、演算装置)による実行のために信号が指示シーケンス又はその一部を符号化するデータ搬送において実装されたデータ搬送信号、及び機械に本明細書に記載の方法論及び/又は実施形態のいずれか1つを実施させる任意の関連情報(例えば、データ構造及びデータ)として含まれてもよい。
【0063】
[0061] 演算装置の例には、電子書籍読書装置、コンピュータワークステーション、端末コンピュータ、サーバコンピュータ、携帯用装置(例えば、タブレットコンピュータ、スマートフォン等)、ウェブ装置、ネットワークルータ、ネットワークスイッチ、ネットワークブリッジ、機械によって採られる動作を特定する指示シーケンスを実行可能な任意の機械、及びそれらの組み合わせが含まれるが、これに限定されるものでない。一例において、演算装置は、キオスクを含み、且つ/又は、これに含まれてもよい。
【0064】
[0062]
図52は、本開示の態様及び/又は方法論のうちのいずれか1つ以上を制御システムに実施させるための指示セットが実行されてもよい、コンピュータシステム5200の一例としての形の演算装置の一実施形態を図式的に示したものである。複数の演算装置を利用して、本開示の態様及び/又は方法論のうちのいずれか1つ以上を装置の1つ以上に実施させるように特別に構成された指示のセットを実施してよいことも理解される。コンピュータシステム5200は、バス5212を介して、互いに、且つ、他の成分と通信するプロセッサ5204及びメモリ5208を備える。バス5212は、種々のバス構造のいずれかを使用したメモリバス、メモリコントローラ、周辺バス、局所バス、及びそれらの任意の組み合わせを含むが、これに限定されない、いくつかの種別のバス構造のいずれかを備えてもよい。
【0065】
[0063] メモリ5208は、ランダムアクセスメモリ成分、読み取り専用成分、及びそれらの任意の組み合わせを含むが、これに限定されない種々の成分(例えば、機械可読媒体)を含んでもよい。一例において、スタートアップ時等、コンピュータシステム5200内の要素間の情報転送を助ける基本ルーチンを含む、基本入力/出力システム5216(BIOS)が、メモリ5208内に記憶されてもよい。メモリ5208は、本開示の態様及び/又は方法論のうちのいずれか1つ以上を実施する指示(例えば、ソフトウェア)5220も備えてよい(例えば、1つ以上の機械可読媒体に記憶される)。他の例において、メモリ5208はさらに、動作システム、1つ以上のアプリケーションプログラム、その他のプログラムモジュール、プログラムデータ、及びそれらの任意の組み合わせを含むが、これに限定されない、任意の数のプログラムモジュールも備えてよい。
【0066】
[0064] コンピュータシステム5200は、記憶装置5224も備えてよい。記憶装置(例えば、記憶装置5224)の例には、ハードディスクドライブ、磁気ディスクドライブ、光学媒体との組み合わせで光学ディスクドライブ、固体メモリ装置、及びそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これに限定されるものでない。記憶措置5224は、適切なインタフェース(図示せず)により、バス5212に接続されてもよい。一例としてのインタフェースには、SCSI、アドバンストテクノロジーアタッチメント(ATA)、シリアルATA、ユニバーサルシリアルバス(USB)、IEEE1394(FIREWIRE)、及びそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これに限定されるものでない。一例において、記憶装置5224(又は、その1つ以上の構成要素)は、コンピュータシステム5200に対して(例えば、外部ポートコネクタ(図示せず)を介して)取り外し可能にインタフェース接続されてもよい。特に、記憶装置5224及び関連の機械可読媒体5228は、機械可読指示、データ構造、プログラムモジュール、及び/又はその他のコンピュータシステム5200のためのデータの不揮発性及び/又は揮発性記憶を提供してもよい。一例において、ソフトウェア5220は、全部又は一部が機械可読媒体5228内に存在してもよい。他の例において、ソフトウェア5220は、全部又は一部がプロセッサ5204内に存在してもよい。
【0067】
[0065] コンピュータシステム5200は、入力装置5232も備えてよい。一例において、コンピュータシステム5200のユーザは、入力装置5232を介してコンピュータシステム5200にコマンド及び/又は情報を入力してもよい。入力装置5232の例には、英数字入力装置(例えば、キーボード)、ポインティングデバイス、ジョイスティック、ゲームパッド、音声入力装置(例えば、マイク、音声応答システム等)、カーソル制御装置(例えば、マウス)、タッチパッド、光学スキャナ、動画撮影装置(例えば、スチルカメラ、ビデオカメラ)、タッチスクリーン、及びそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これに限定されるものでない。入力装置5232は、直列インタフェース、並列インタフェース、ゲームポート、USBインタフェース、FIREWIREインタフェース、バス5212への直接インタフェース、及びこれらの任意の組み合わせを含むが、これに限定されない種々のインタフェース(図示せず)のいずれかを介してバス5212にインタフェース接続されてもよい。入力装置5232には、以下にさらに検討するディスプレイ5236の一部であってもよく、又は別個のものであってもよいタッチスクリーンインタフェースを備えてもよい。入力装置5232は、上述の通り、グラフィカルインタフェースにおける1つ以上のグラフィカル表現を選択するためのユーザ選択装置として利用されてもよい。
【0068】
[0066] ユーザは、記憶装置5224(例えば、取り外し可能なディスクドライブ、フラッシュドライブ等)及び/又はネットワークインタフェース装置5240を介してコンピュータシステム5200にコマンド及び/又はその他の情報も入力してよい。ネットワークインタフェース装置5240等のネットワークインタフェース装置は、コンピュータシステム5200を、ネットワーク5244等の種々のネットワークのうちの1つ以上とそれに接続された1つ以上の遠隔装置5248とに接続するために利用されてもよい。ネットワークインタフェース装置の例には、ネットワークインタフェースカード(例えば、モバイルネットワークインタフェースカード、LANカード)、モデム、及びこれらの任意の組み合わせが含まれるが、これに限定されるものでない。ネットワークの例には、ワイドエリアネットワーク(例えば、インターネット、エンタープライズネットワーク)、ローカルエリアネットワーク(例えば、オフィス、建物、キャンパス、又はその他の比較的小さな地理的スペースに関連付けられたネットワーク)、電話網、電話/音声プロバイダに関連付けられたデータネットワーク(例えば、携帯通信プロバイダデータ及び/又は音声ネットワーク)、2つの演算装置間の直接接続、及びこれらの任意の組み合わせが含まれるが、これに限定されるものでない。ネットワーク5244等のネットワークは、有線及び/又は無線通信形態を採用してもよい。一般的に、任意のネットワークトポロジーが使用されてもよい。情報(例えば、データ、ソフトウェア5220等)は、ネットワークインタフェース装置5240を介してコンピュータシステム5200との間で通信されてもよい。
【0069】
[0067] コンピュータシステム5200は、表示可能な画像をディプレイ装置5236等のディスプレイ装置に通信するため、ビデオディスプレイアダプタ5252をさらに備えてもよい。ディプレイ装置の例には、液晶ディスプレイ(LCD)、陰極線管(CRT)、プラズマディスプレイ、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、及びこれらの任意の組み合わせが含まれるが、これに限定されるものでない。ディスプレイアダプタ5252及びディスプレイ装置5236は、プロセッサ5204との組み合わせで利用され、本開示の様態に係るグラフィカル表現を提供してもよい。コンピュータシステム5200は、ディスプレイ装置に加え、音声スピーカ、プリンタ、及びこれらの任意の組み合わせを含むがこれに限定されない1つ以上のその他の周辺出力装置を備えてもよい。このような周辺出力装置は、周辺インタフェース5256を介してバス5212に接続されてもよい。周辺インタフェースの例には、シリアルポート、USB接続、FIREWIRE接続、並列接続、及びこれらの任意の組み合わせが含まれるが、これに限定されるものでない。
【0070】
[0068] 以上が、本発明の一例としての実施形態の詳細な説明である。本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、種々の修正及び追加を加えることができる。上述の種々の実施形態の各々の特徴は、関連の新たな実施形態において多様な特徴の組み合わせを提供するために、記載の他の実施形態の特徴と適宜組み合わせられてもよい。さらに、以上、多数の別個の実施形態について説明したが、本明細書に記載の内容は、本発明の原則の適用の単なる例示である。また本明細書中の特定の方法を特定の順で実施するものとして図示及び/又は説明したが、この順序付けは、本開示に係る方法、システム、及びソフトウェアを達成するための通常の技術内で高度に可変である。従って、本説明は、例示としてのみ理解されることを意図しており、本発明の範囲を限定するものでない。
【0071】
[0069] 本開示のさらなる一例としての代替実施形態を以下の段落に説明する。
【0072】
[0070] 一例において、ターボ機械であって、入口、シュラウド側、及びハブ側を有する下流要素と、ハブ及び複数のブレードを備え、入口、出口、及び回転軸を有し、複数のブレードは各々、先端及び後端を有してハブからブレードのシュラウド側までスパン方向に延びるインペラと、複数のブレードのシュラウド側に対向する面を有し、ハブとともにインペラ通路を規定するシュラウドとを備え、インペラは、下流要素内に作動流体を排出し、作動流体に流動場を生成し、出口における流動場は、ハブ及びシュラウドの一方に近接した弱化側と、ハブ及びシュラウドの他方に近接した強化側とを含み、流動場の絶対速度の子午面成分は、強化側において弱化側より大きくなるように設計及び構成され、下流要素のシュラウド側及びハブ側の少なくとも一方の一部に沿って流動方向に延び、回転軸を通って延びる子午参照面から絶対参照フレームにおいて測定された角度αで延びる接線を有する中心線を有し、流動場の弱化側に隣接して選択的に配置され、αと略同一の方向に流動場の弱化側の一部を案内するように設計及び構成される少なくとも1つの溝部を備える。このような一例としてのターボ機械は、以下の特徴のうちの1つ以上も備えてよい。
【0073】
少なくとも1つの溝部は、インペラブレードの後端の上流に配置された開始位置を有する。
【0074】
少なくとも1つの溝部の開始位置は、インペラの入口に実質的に配置される。
【0075】
少なくとも1つの溝部は、2相流動に合わせて設計、構成、及び寸法決定される。
【0076】
流動場の弱化側は、流動場内の流管の第1の部分の流動角度が流動場内の他の流管の流動角度から分岐する分岐領域を含み、少なくとも1つの溝部の開始は、分岐領域に隣接して、又は分岐領域の上流の子午面位置に配置される。
【0077】
ターボ機械は、動作範囲を有し、分岐領域は、最上流位置と最下流位置との間の動作範囲に亘って変動する子午面位置を有し、少なくとも1つの溝部の開始は、最上流位置に隣接する子午面位置又は最上流位置の上流の子午面位置に配置される。
【0078】
インペラは、子午面長さを有し、少なくとも1つの溝部は、子午面長さの少なくとも10%の距離、下流要素の入口の下流に配置された終了位置を有する。
【0079】
インペラは、子午面長さを有し、少なくとも1つの溝部は、子午面長さの少なくとも3%の距離、下流要素の入口の下流に配置された終了位置を有する。
【0080】
少なくとも1つの溝部は、各々が、最大幅を有し、下流要素の入口の周囲に離間する複数の溝部であり、ターボ機械は、各々が、最大幅を有し、複数の溝部の間に延びる複数のランドをさらに備える。
【0081】
複数の溝部の最大幅は、複数のランドの最大幅より大きい。
【0082】
複数の溝部の各々の最大幅は、複数のランドの最大幅より少なくとも2倍大きく、複数のランドは、流動案内リブとして構成される。
【0083】
複数のランドの最大幅は、溝部の最大幅より大きい。
【0084】
少なくとも1つの溝部は、後端の上流に配置され、略一定の幅を有する第1の部分を備える。
【0085】
少なくとも1つの溝部は、下流要素の入口の下流に配置され、変動する幅を有する第2の部分を有する。
【0086】
少なくとも1つの溝部は、開始位置及び幅を有し、少なくとも1つの溝部の幅は変動し、溝部は開始位置の地点で分岐する。
【0087】
少なくとも1つの溝部は、溝部の長さに沿って変動する深さを有し、溝部は、後端に隣接して、又は後端の下流に最大深さを有する。
【0088】
最大深さは、下流要素内に配置される。
【0089】
αは、溝部の全長に亘って略一定である。
【0090】
αは、溝部の長さに亘って変動する。
【0091】
流動場は、1次流動部分及び2次流動部分を含み、1次流動部分は、平均絶対角度αPを有し、αpは、インペラ通路の第1の部分で変動し、インペラ通路の出口部分で出口角度に接近し、少なくとも1つの溝部の上流部分は、第1の部分に配置され、少なくとも1つの溝部の下流部分は、出口部分に配置され、上流部分のαは、第1の値に等しく、下流部分のαは、第1の値とは異なる第2の値に等しい。
【0092】
流動場は、1次流動部分及び2次流動部分を含み、1次流動部分は、インペラ通路の出口部分における公称出口角度に接近する平均絶対角度αPを有し、インペラ出口に隣接した少なくとも1つの溝部の一部のαは、公称出口角度と略同一である。
【0093】
流動場は、1次流動部分及び2次流動部分を含み、1次流動部分は、インペラ通路の出口部分における公称出口角度に接近する平均絶対角度αPを有し、少なくとも1つの溝部は、2次流動の一部をαPと略同一の角度に向かって案内するように設計及び構成される。
【0094】
流動場は、1次流動部分及び2次流動部分を含み、1次流動部分は、インペラ入口における入口角度と等しく、インペラ通路の出口部分における公称出口角度に接近する平均絶対角度αPを有し、インペラ出口に隣接する少なくとも1つの溝部の一部のαは、入口角度と公称出口角度との間の値を有する。
【0095】
流動場は、1次流動部分及び2次流動部分を含み、1次流動部分は、インペラ入口における入口角度と等しく、インペラ通路の出口部分における公称出口角度に接近する平均絶対角度αPを有し、少なくとも1つの溝部は、入口角度と公称出口角度との間の角度で、2次流動部分の一部を案内するように設計及び構成される。
【0096】
流動場は、1次流動部分及び2次流動部分を含み、1次流動部分は、平均絶対角度αPを有し、αは、αPと略同一である。
【0097】
少なくとも1つの溝部は、浸水流体通路と、インペラ通路と浸水流体通路との間に流体連通を提供するための少なくとも1つの開口とを備える。
【0098】
少なくとも1つの開口は、インペラ通路に沿って配置された複数の流体開口を含む。
【0099】
少なくとも1つの溝部は、複数の溝部であり、複数の溝部のうちの少なくとも1つは、下流要素のシュラウド側に配置され、複数の溝部のうちの少なくとも1つは、下流要素のハブ側に配置される。
【0100】
少なくとも1つの溝部は、下流要素のシュラウド側に配置される。
【0101】
少なくとも1つの溝部は、下流要素のハブ側に配置される。
【0102】
後端は、ハブの最下流範囲の下流に配置され、少なくとも1つの溝部の開始位置は、最下流範囲に隣接し、後端の上流にある。
【0103】
ハブは、下流要素のハブ側の一部に重なり合い、ハブは、ハブの幅を通じて延びてインペラ通路と少なくとも1つの溝部との間に流体連通を提供する少なくとも1つのアクセス開口を含む。
【0104】
下流要素は、羽根なしディフューザである。
【0105】
下流要素は、間に羽根付き通路を規定する複数の羽根を有する羽根付き要素である。
【0106】
少なくとも1つの溝部は、複数の溝部を含み、各々、羽根付き通路の1つに対して実質的に整列される。
【0107】
少なくとも1つの溝部は、複数の溝部を含み、複数の溝部は、溝部の中心線が羽根付き通路の中心線から周囲にオフセットされるように、複数の羽根付き通路からクロックされる。
【0108】
下流要素はディフューザであり、下流要素のシュラウド側及びハブ側は、幅を有するディフューザ通路を規定し、ディフューザは、流動場の強化側に隣接したシュラウド側及びハブ側の一方に凸面を備えたディフューザ通路幅を小さくする少なくとも1つの強化側挟持領域を備え、凸面は、シュラウド側及びハブ側の他方における通路幅減少より大きな減少を通路に与える。
【0109】
少なくとも1つの溝部は、弱化側絶対速度の子午面成分を増加するように設計及び構成される。
【0110】
[0071] 本開示のさらなる代替例としての実施形態を以下の段落において説明する。
【0111】
[0072] 一例において、ターボ機械であって、入口、シュラウド側、及びハブ側を有する下流要素と、複数のブレードを備え、入口、出口、及び回転軸を有し、複数のブレードは各々、先端及び後端を有してハブからブレードのシュラウド側までスパン方向に延びるインペラとを備え、インペラは、下流要素内に作動流体を排出し、作動流体に流動場を生成し、出口における流動場は、ブレードのシュラウド側に近接した弱化側と、ハブに近接した強化側とを含み、流動場の絶対速度の子午面成分は、強化側において弱化側より大きくなるように設計及び構成され、複数のブレードのシュラウド側に対向する面を有するシュラウドと、シュラウドの一部及び下流要素のシュラウド側の一部に沿って流動方向に延び、弱化側絶対速度の子午面成分を増加させるように設計及び構成される少なくとも1つの溝部とを備える。このような一例としてのターボ機械は、以下の特徴のうちの1つ以上も備えてよい。
【0112】
少なくとも1つの溝部は、流動場の弱化側の一部を流動方向の下流要素内に向かって案内するように設計及び構成される。
【0113】
[0073] 本開示のさらなる代替例としての実施形態を以下の段落において説明する。
【0114】
[0074] 一例において、ラジアル型ターボ機械であって、入口、シュラウド側、及びハブ側を有するディフューザと、ハブ及び複数のブレードを備え、入口、出口、及び回転軸を有し、複数のブレードは各々、インペラ入口に近接した先端及び出口に近接した後端を有してハブからブレードのシュラウド側までスパン方向に延びるインペラとを備え、インペラは、ディフューザ内に作動流体を排出し、作動流体に流動場を生成し、出口における流動場は、ブレードのシュラウド側に近接した弱化側と、ハブに近接した強化側とを含み、流動場の絶対速度の子午面成分は、強化側において弱化側より大きくなるように設計及び構成され、複数のブレードのシュラウド側に対向する面を有するシュラウドと、シュラウド側に沿って流動方向に延びる少なくとも1つの溝部とを備え、溝部の一部は、出口に配置され、少なくとも1つの溝部は、流動場の弱化側の一部をディフューザ内に向かって案内することにより、流動角度及び流動場の一部の速度のうちの少なくとも一方を向上するように設計及び構成される。このような一例としてのラジアル型ターボ機械は、以下の特徴のうちの1つ以上も備えてよい。
【0115】
複数のブレードの後端の少なくとも1つは、回転軸から半径r2に配置され、少なくとも1つの溝部は、回転軸から半径rcに開始位置を有し、rc/r2は約1未満である。
【0116】
[0075] 本開示のさらなる代替例としての実施形態を以下の段落において説明する。
【0117】
[0076] 一例において、入口及び出口を有するインペラ、シュラウド、ハブ、及び下流要素を有するターボ機械の流動制御構造の設計方法であって、ハブ及びシュラウドは、インペラ通路を規定し、方法は、コンピュータを使用して、ターボ機械の数値流体モデルを展開することと、数値流体モデルでインペラ通路流動場分布を計算することと、流動場分布において、2次流動が集中する弱化領域を特定することと、2次流動を実質的に流動方向において下流要素内に案内するため、弱化領域に隣接したハブ及びシュラウドのうちの少なくとも一方において流動方向に延びる少なくとも1つの溝部を設計することとを備える方法。このような一例としての方法は、以下の特徴のうちの1つ以上も備えてよい。
【0118】
特定することは、流動分布の第1の部分の流動角度が流動場の第2の部分の流動角度から分岐する分岐領域を流動分布内に特定することをさらに含み、設計することは、分岐領域に隣接して、又は分岐領域の上流に少なくとも1つの溝部の開始位置を配置することを含む。
【0119】
特定することは、インペラ出口において1次流動成分の角度を特定することをさらに含み、設計することは、1次流動角度に基づき、少なくとも1つの溝部の角度を選択することを含む。
【0120】
設計することは、少なくとも1つの溝部の角度を、1次流動角度と略同一に設定することを含む。
【0121】
設計することは、2次流動及び1次流動の双方を捕捉することにより、インペラ出口においてシュラウド及びハブのうちの少なくとも一方に沿った流動分布にエネルギー供給をするように溝部の断面積を設計することを含む。
【0122】
設計することは、ハブ及びシュラウドの双方に沿った流動分布にエネルギー供給をするようにハブ及びシュラウドの双方に沿って複数の少なくとも1つの溝部を配置することを含む。
【0123】
[0077] 本開示のさらなる代替例としての実施形態を以下の段落に説明する。
【0124】
[0078] 一例において、各々、先端及び後端を有してハブからブレードのシュラウド側までスパン方向に延びる複数のブレードを有するインペラを備えた2相流動のためのターボ機械の流動制御構造の設計方法であって、インペラは、ハブからブレードのシュラウド側までスパン方向に延びるメインインペラ通路を規定し、方法は、コンピュータを使用して、ターボ機械の数値モデルを展開することと、モデルでインペラに送達される液体及び蒸気の量を計算することと、液体及び蒸気の一方を流動方向に捕捉及び送達することにより、メインインペラ通路から液体又は蒸気を取り除くために、少なくとも1つの流動溝部を設計することとを備える。
【0125】
[0079] 本開示のさらなる代替例としての実施形態を以下の段落に説明する。
【0126】
[0080] 一例において、ラジアル型ターボ機械であって、ハブ及び複数のブレードを備え、入口、出口、回転軸を有し、複数のブレードが各々、インペラ入口に近接する先端と出口に近接する後端とを有し、ハブからブレードのシュラウド側までスパン方向に延びるインペラを備え、インペラは、作動流動に流動場を生成するように設計及び構成され、出口における流動場は、ハブ及びブレードのシュラウド側のうちの一方に近接した弱化側と、ハブ及びブレードのシュラウド側のうちの他方に近接した強化側を含み、流動場の絶対速度の子午面成分は、強化側において弱化側より大きく、複数のブレードのシュラウド側に対向する面を有し、ハブとともにインペラ通路を規定するシュラウドと、入口、シュラウド側、及びハブ側を有するディフューザとを備え、ディフューザのシュラウド側及びハブ側は、幅を有するディフューザ通路を規定し、ディフューザは、流動場の強化側に隣接したディフューザのシュラウド側及びハブ側のうちの一方に凸面を有したディフューザ通路幅を低減する少なくとも1つの強化側挟持領域を備え、凸面は、ディフューザのシュラウド側及びハブ側の他方に通路幅低減より大きい低減を通路に提供する。このような一例としてのラジアル型ターボ機械は、以下の特徴のうちの1つ以上も備えてよい。
【0127】
ハブは、ハブ面と出口部分とを備え、ハブ面は、出口部分においてスパン方向に内側曲面を備える。
【0128】
凸面は、インペラ出口に隣接して開始する。
【0129】
凸面は、インペラ出口の上流で開始する。
【0130】
ハブは、刈り込み部分を備え、インペラブレードのうちの少なくとも1つは、刈り込み部分の下流において子午面方向に延び、凸面の開始位置は、刈り込み部分に隣接する。
【0131】
強化側挟持領域は、ディフューザの入口部分に配置される。
【0132】
インペラは、子午面長さを有し、強化側挟持領域は、強化側挟持領域の上流側に開始位置を有し、強化側挟持領域の開始位置は、ディフューザ入口の上流のディフューザ通路の中心線に沿って距離Dに配置され、Dは、実質的に子午面長さの200%以下である。
【0133】
Dは、実質的に子午面長さの100%以下である。
【0134】
Dは、実質的に子午面長さの50%以下である。
【0135】
Dは、実質的に子午面長さの30%以下である。
【0136】
流動場の弱化側に隣接したディフューザのハブ側及びシュラウド側の一方は、強化側挟持領域において略平坦である。
【0137】
流動場の弱化側に隣接したディフューザのハブ側及びシュラウド側の一方は、強化側挟持領域において凹面を備える。
【0138】
凹面は、完全スモークシェルフ、部分スモークシェルフ、及び曲面からなる群より選択される。
【0139】
流動の弱化側に隣接したディフューザのハブ側及びシュラウド側の一方は、捕捉角部失速セルを備える。
【0140】
強化側挟持領域は、流動場の強化側に隣接したシュラウド側及びハブ側の一方において、凸面の上流に凹面をさらに備える。
【0141】
ディフューザのハブ側及びシュラウド側の少なくとも一方は、可動であることにより、強化側挟持領域における通路幅低減の程度を調整する。
【0142】
流動場の弱化側に隣接したディフューザのハブ側及びシュラウド側の一方は、弱化側の絶対速度の子午面成分を増加させるように設計及び構成された、流動方向に延びる少なくとも1つの溝部を備える。
【0143】
[0081] 一例としての実施形態を上述し、添付の図面に示した。当業者は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書に具体的に開示された内容に種々の変更、省略、及び追加が実施されてもよいことを理解するであろう。
【手続補正書】
【提出日】2022-04-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口、シュラウド側、及びハブ側を有する下流要素と、
ハブ及び複数のブレードを備え、入口、出口、及び回転軸を有し、前記複数のブレードは各々、先端及び後端を有して前記ハブから前記ブレードの前記シュラウド側までスパン方向に延びるインペラと、
前記複数のブレードの前記シュラウド側に対向する面を有し、前記ハブとともにインペラ通路を規定するシュラウドと、を備え、
前記インペラは、前記下流要素内に作動流体を排出するとともに、前記作動流体に流動場を生成し、前記出口における前記流動場は、前記ハブ及び前記シュラウドの一方に近接した弱化側と、前記ハブ及び前記シュラウドの他方に近接した強化側とを含み、前記流動場の絶対速度の子午面成分は、前記強化側において前記弱化側より大きくなるように設計及び構成され、
前記下流要素の前記シュラウド側及び前記ハブ側の少なくとも一方の一部に沿って流動方向に延び、前記回転軸を通って延びる子午参照面から絶対参照フレームにおいて測定された角度αで延びる接線を有する中心線を有し、前記流動場の前記弱化側に隣接して選択的に配置され、αと略同一の方向に前記流動場の前記弱化側の一部を案内するように設計及び構成される少なくとも1つの溝部を備える、
ターボ機械。
【外国語明細書】