(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022091931
(43)【公開日】2022-06-21
(54)【発明の名称】N3GPPアクセスを通じた公共警報メッセージ
(51)【国際特許分類】
H04W 4/90 20180101AFI20220614BHJP
H04W 64/00 20090101ALI20220614BHJP
H04W 4/06 20090101ALI20220614BHJP
H04W 88/14 20090101ALI20220614BHJP
【FI】
H04W4/90
H04W64/00
H04W4/06
H04W88/14
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022059460
(22)【出願日】2022-03-31
(62)【分割の表示】P 2020519678の分割
【原出願日】2019-08-08
(31)【優先権主張番号】18188487.5
(32)【優先日】2018-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】518144182
【氏名又は名称】アイピーコム ゲーエムベーハー ウント コー. カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】シュミット、アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ハンス、マーティン
(72)【発明者】
【氏名】ルフト、アヒム
(72)【発明者】
【氏名】ビエナス、マイク
(57)【要約】 (修正有)
【課題】公共警報システム(PWS)メッセージをユーザ機器(UE)デバイスに非3GPP無線ネットワークを介して提供する方法及びモバイル通信コアネットワークを提供する。
【解決手段】方法は、UEデバイスから非3GPP相互接続機能(N3IWF)へのインターネットプロトコルセキュリティ(IPsec)トンネル接続を非3GPP(N3GPP)無線アクセス技術によって確立する段階と、公共警報システム(PWS)メッセージの提供を第1のコアネットワーク(CN)エンティティから要求する段階と、UEデバイスの位置についての情報を第1のCNエンティティに提供する段階と、を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
公共警報システム(PWS)メッセージをユーザ機器(UE)デバイスに非3GPP無線ネットワークを介して提供することを可能にする方法であって、前記方法は、
非3GPP相互接続機能(N3IWF)から前記UEデバイスへのインターネットプロトコルセキュリティ(IPsec)トンネル接続を非3GPP(N3GPP)無線アクセス技術によって確立する段階と、
第1のコアネットワーク(CN)エンティティにより、公共警報システム(PWS)メッセージを提供するための要求を前記UEデバイスから受信する段階と、
前記第1のCNエンティティにより、前記UEデバイスの位置についての情報を前記UEデバイスから受信する段階と、
グループに関連する通知エリアに基づいて前記第1のCNエンティティにより警戒メッセージが提供される前記グループに対して、前記UEデバイスを、前記第1のCNエンティティにおいてサブスクライブする段階であって、前記通知エリアは前記UEデバイスの前記位置を含む、段階と、
前記IPsecトンネル接続を介して、前記UEデバイスを前記サブスクライブする結果として前記警戒メッセージの前記通知エリアを含む地域に関連する送信元アドレス又は宛先アドレスを有するPWSメッセージを前記UEデバイスに送信する段階と
を備える、方法。
【請求項2】
前記UEデバイスの前記位置についての前記情報は、
3GPPアクセスを介して受信される前記UEデバイスからのセルのセル識別と、
3GPPアクセスを介して受信される前記UEデバイスからのトラッキングエリア識別と、
衛星により送信される信号を用いて取得される、前記UEデバイスの地理的位置と、
インターネットプロトコル(IP)アドレスと
のうちの少なくとも1つにおいて受信される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記N3IWFは前記第1のCNエンティティにより提供され、前記PWSメッセージはソース特定IPマルチキャスト又は任意ソースIPマルチキャストにより送信される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
ホーム公衆陸上移動体ネットワーク(PLMN)のネットワーク露出機能(NEF)が、前記UEデバイスの前記位置を含む地理的カバレッジを有するPLMNのNEFでサブスクライブする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のCNエンティティは認証モビリティ機能(AMF)を含み、前記AMFは、前記UEデバイスの前記位置を含む地域向けのPWSメッセージに特化したマルチキャストチャネル及びマルチキャストグループのうちの1つに、前記UEデバイスをサブスクライブする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
前記AMFは、前記PWSメッセージを前記UEデバイスに配信する第2のCNエンティティに、前記N3IWFをサブスクライブする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のCNエンティティは、PWSメッセージングが前記N3GPP無線アクセス技術を通じてサポートされるかどうかを、前記N3GPP無線アクセス技術を通じて前記UEデバイスに通知する、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
非3GPP(N3GPP)無線アクセス技術によってモバイル通信コアネットワークの非3GPP相互接続機能(N3IWF)からユーザ機器(UE)デバイスへのインターネットプロトコルセキュリティ(IPsec)トンネル接続を介して、コアネットワークエンティティから前記UEデバイスに公共警報システム(PWS)メッセージを送信するように適応される前記モバイル通信コアネットワークであって、前記モバイル通信コアネットワークは、
前記UEデバイスから能力情報を受信することであって前記能力情報は、PWSメッセージングを受信する前記UEデバイスの能力について通知し、前記能力情報は任意選択で、そのようなメッセージングを受信する前記UEデバイスのユーザの欲求を示してよい、受信することと、
前記UEデバイスから位置情報を受信することであって、前記位置情報は、前記UEデバイスの位置について通知する、受信することと、
グループに関連する通知エリアに基づいて前記モバイル通信コアネットワークにより警戒メッセージが提供される前記グループに、前記UEデバイスをサブスクライブすることであって、前記通知エリアは前記UEデバイスの前記位置を含む、サブスクライブすることと、
前記UEデバイスを前記サブスクライブした結果として、前記警戒メッセージの前記通知エリアを含む地域に関連する送信元アドレス又は宛先アドレスを有するPWSメッセージを、前記IPsecトンネル接続を介して前記UEデバイスに送信することと
を行うように適応される、モバイル通信コアネットワーク。
【請求項9】
前記モバイル通信コアネットワークは、認証モビリティ機能(AMF)を含み、前記AMFは前記モバイル通信コアネットワークにより警戒メッセージが提供される前記グループに、前記UEデバイスをサブスクライブする、請求項8に記載のモバイル通信コアネットワーク。
【請求項10】
前記コアネットワークエンティティは、PWSメッセージ配信サービスへの前記UEデバイスの登録を確認する確認情報を前記UEデバイスに送信するように構成される、請求項8に記載のモバイル通信コアネットワーク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ機器デバイスが非3GPPネットワークに接続しているときに、公共警報メッセージを配布する仕組みに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザ機器(UE)デバイスが一般に、無線アクセスネットワーク(RAN)であってよいアクセスネットワークを通じて、3GPPコアネットワーク(CN)にアクセスする。無線アクセスネットワークが3GPPにより規定される場合、例えば、新たに規定された5G無線アクセスネットワークである場合、このアクセスネットワークは、認証モビリティ機能(AMF)への接続を提供する。AMFは、単一のCNに複数回存在してよい。通常、あるAMFが、ネットワークにおけるUEの登録時に、あるUEに対して選択され、1つのAMFのみが単一のUEを担う。AMFは、CNの全ての要素と同じように、ルーティングインフラを通じて、他のCN要素に通信することができる。AMFは例えば、ユニバーサルデータ管理(UDM)に接続して、登録したUEを認証し、サブスクライブサービスに関する情報を受信して、UEとの通信に用いるセキュリティ認証情報を獲得する。
【0003】
UEは、セルラモバイルネットワークに入ると、あるセル(例えば、最も強いセル)を選択し、当該セル及びアクセス可能なCNに関する情報をシステム情報ブロードキャストから取得する。選択されたセルが最適である場合、UEはそれぞれの基地局への接続をセットアップし、そこから、選択されたAMFに接続して、CNでの登録を要求する。CNのセルはトラッキングエリア(TA)でグループ化されており、UEデバイスは選択されたセルのTAでの登録を要求する。登録されている間、CNは、TA又はUEが存在するTAの少なくとも構成リストを常に把握しているので、CNはUEに接続できる。UEが接続モードにある場合、CNは、UEとAMFとの間で確立された接続を用いて接続することができる。すなわち、AMFは、サービス提供するRANノード(基地局、eNodeB、eNB)を把握している。UEがアイドルモードにある場合、CNは、TA又はUEが現在登録されているTAのリストに属する全てのセルにおいて、UEにページングするようRANに要求できる。アイドルモードのUEが、構成されたTAのリストにないTAを有するセルに変わった場合、UEは、新たなTAについてCNに通知するために再登録を要求し、登録されたTAの新たなリストを要求する。
【0004】
セルのシステム情報が変わった場合はいつでも、セルは、ページングメッセージをブロードキャストして、当該セルに現在存在する全てのUEに変更について通知する。次いでUEは、変更したシステム情報の部分を再読み出しできる。この仕組みは、システム情報を永続的に監視して、UEに用いられる情報が確実に最新であるようにする必要性を、UEから取り除いている。したがって、アイドルモードのUEは、あるセルに入ると、当該セルのシステム情報を読み出すことができる。その後UEは、例えば、保留中の移動体着信呼又は保留中のダウンリンクデータの場合に、システム情報変更について通知するページングメッセージ、又はUEへの接続をセットアップするCNの試みをリッスンする。
【0005】
AMFがUDMと通信する際の、UEとAMFとの間の認証後に、UEは登録されて、UEはサービスを要求することができる。データネットワーク(DN)への(例えば、インターネットへの)データ配信が行われる場合、UEは適切な接続(いわゆる、PDUセッション)のセットアップを、(R)ANから1つ又は複数のユーザプレーン機能(UPF)に、またそこからデータネットワークに要求する。UPFにおける適切なコンテキストセットアップ、及びネットワークリソースの割り当ては、セッション管理機能(SMF)によって行われる。SMFは、加入者データ、接続されるデータネットワーク、及び現在のネットワーク負荷に従って、AMFにより選択される。ネットワーク露出機能(NEF)が、事業者ネットワーク(PLMN)と当該ネットワークの外側にあるエンティティとの間のデータのやり取りを担う。例えば、NEFは、加入者又デバイスに固有の情報(到達可能性、利用可能なQoS、アドレス)をPLMNの外側にあるサーバに提供することができる、又は、NEFは、外部サーバからの情報をCNエンティティに提供することができる。
【0006】
セルラモバイルネットワークは一般に、上述したアクセスネットワークとコアネットワークとから構成される。アクセスネットワークは主に、例えば、GSM(登録商標)、UMTS、又はLTEを介して、セルラ無線アクセスをモバイルデバイスに提供する。追加的なアクセスネットワークが、短距離無線アクセス(例えば、WLAN)又は固定若しくは衛星アクセスを介したアクセスを、モバイルデバイス又は固定デバイスに提供してよい。アクセスネットワークは通常、これらのデバイスへの無線接続をセットアップし、制御し、維持するための機能一式を提供する。
【0007】
コアネットワークは、アクセス固有ではない仕組み、例えば、デバイス及び/又は加入者の認証認可課金(AAA)、アクセスネットワーク間のモビリティ、およびアクセスネットワークと外部データネットワークとの間のルーティングを提供する。
【0008】
3GPPは、3GPPコアネットワークにアクセスする様々なアクセスネットワーク、例えば、GSM(登録商標)、UMTS、HSPA、LTE、LTE-A、及び近い将来には5Gアクセスネットワークを規定する。これらのネットワークは、具体的には3GPPコアネットワークの制御下で機能するように開発されている。それぞれの基地局は、コアネットワークのセキュリティ機構をサポートし、コアネットワークの事業者又は信頼できるサードパーティによってセットアップされ、維持される。その結果、3GPPアクセスネットワークは、コアネットワークに信頼され得る。
【0009】
さらに、3GPPコアネットワークは、信頼できる事業者によるセットアップ及び維持が行われなくてもよいアクセスネットワークをサポートするようにセットアップされ、こうしたアクセスネットワークも、事業者の領域の外側に存在し得る。これらのアクセス技術は、まとめて非3GPPアクセス(N3GPP)と名付けられるので、コアネットワークとアクセスネットワークとの間に信頼関係がない場合、アントラステッドN3GPPアクセスと呼ばれることがある。
【0010】
図1は、3GPPアクセス技術((R)AN)を介したCNへのアクセスをUEに提供するネットワークエレメントと、さらに、非3GPPアクセス(N3GPPアクセス、例えばWLAN)を介してCNに接続されるUEとを示す。WLANはアントラステッドノードであるため、WLAN自体は、複数のアントラステッド非3GPPアクセスネットワーク(
図1には1つだけが示されている)を集め得る非3GPP相互接続機能(N3IWF)に接続される。N3IWFは、事業者により維持されるデバイスのため信頼できる。
【0011】
5Gコアネットワークへの非3GPPアクセスは、アントラステッドN3GPPアクセス(例えばWLAN)を介してUEからコアネットワークにアクセスするために実行される以下の機能を必要とする。
・UEは、IP接続をWLANアクセスポイントから取得し、N3IWFの選択を行う。
・その後、UEは、UEのUICCから事前に共有された暗証を用いて、選択したN3IWFとのセキュリティアソシエーションを確立する。N3IWFは、適切なAMFを選択し、UE又はUEのそれぞれの加入者を認証するよう求め、セキュリティ認証情報を受信する。これらの認証情報は、UICCにより生成される認証情報と対になるものであり、UEとのセキュリティアソシエーションの基礎を築く。UE及びN3IWFは、インターネットプロトコルセキュリティ(IPsec)トンネルをセットアップするので、UEは、アントラステッドWLANでN3IWFと安全に通信できる。
・IPsecトンネルのセットアップでは、N3IWFは、N3IWFローカルアドレス空間からの第2のIPアドレス、つまり内部IPアドレスをUEに割り当てる。また、UEには、同じアドレス空間から、UEが制御メッセージをCNに(すなわち、そのAMFに)アドレス指定する宛先IPアドレス(そのため、NAS_IP_ADDRESSと呼ばれる)が提供される。N3IWFは、送信元としてNAS_IP_ADDRESSを用い、IPsecトンネルを介したNASシグナリングの宛先としてUEの内部IPアドレスを用いる。
・UEとN3IWFとの間のIPsecトンネル、及びN3IWFとAMFとの間のインタフェースが安全にセットアップされると、UEは、AMFへのUEの論理接続を構成する経路を有する。
【0012】
ここでUEは、アントラステッドWLANを通じ、ユーザプレーン機能(UPF)を介して、データネットワーク(DN)への接続をセットアップするよう要求してよい。この目的のために、PDUセッションがWLAN及びN3IWFを介してセットアップされ、最初の及び全てのその後のそのようなPDUセッションのために、UEには、N3IWFローカルアドレス空間から、UEがユーザデータをアドレス指定するのに用いる第2の宛先IPアドレスが提供される。
【0013】
UEデバイスは、アクセス可能な事業者ネットワーク(PLMN)のN3IWFへの接続を提供する任意のN3GPPアクセスを用いて、ネットワークに接続することができる。代表的な例は、公衆インターネットアクセスを提供するプライベートWLAN又は公衆WLANのホットスポットである。UEは、インターネットにアクセスし、インターネットを介してN3IWFにアクセスできるので、CNへの安全な接続をセットアップできる。
【0014】
N3GPPアクセスの柔軟性の1つの結果が、UE又はN3GPPアクセスノード(例えば、WLANアクセスポイント)の位置をCNは認識していないということである。CNにアクセスするUEが、ユーザのプライベートWLANアクセスポイントに接続された住居の位置にあっても、別の国のホテルのホットスポットにあってもよい。UEデバイスは、3GPPアクセスを介してCNに、すなわちN3GPPと同じPLMNのCN又は異なPLMNのCNに、並列に接続されてよい。
【0015】
無線(例えば、WLAN)アクセスポイントがPLMN事業者の制御下にないので、これらのアクセスポイントは固定位置を持たず、位置を示すトラッキングエリア(TA)又はセルID情報を、接続されたUEデバイスに提供しない。したがって、5GのCNが、単一のTAを全てのN3GPPアクセスネットワークに割り当てる。このTAにより、3GPPネットワークを区別することが可能になるが、重要なデバイス位置情報は何も提供されない。
【0016】
グローバルにルーティング可能なIPアドレスからデバイスの位置を獲得する手段はあるが、これらの手段は、信頼できず正確でもない。これらの手段は通常、ISPネットワークで行われるネットワークアドレス変換によって、デバイスの位置の代わりに、インターネットサービスプロバイダ(ISP)のインターネットアクセスポイントの位置をもたらす。
【0017】
3GPPは、いくつかの地域警報システムの枠組を提供する公共警報システム(PWS)の特徴を記載している。PWSは、日本の地震津波警報システム(ETWS)、米国の商用移動体警報システム(CMAS)、及び欧州のEU-alertのサポートを含む。事業者CNの外側の警報通知プロバイダが、警報メッセージ及び通知エリアをCNに提供する。このメッセージは、現在のところサイズが限定されており(90文字又は316文字)、通常、イベント内容、警戒区分、被害地域、推奨行動、有効期限、及び発信機関を含む。
【0018】
通知エリアから、警報メッセージを配布する必要があるTA及び/又はセル(セルID)のリストが得られる。メッセージの伝達には、それぞれのセルのブロードキャスト機構を用いる。2G及び3Gのシステムでは、セルのブロードキャスト機能が伝達に用いられ、LTEシステムでは、それぞれのブロードキャストメッセージを受信できる全てのUEへの非確認型ブロードキャストに基づいて、特定の類似した配布機構が用いられる。
【0019】
LTEでは、全てのセルにおいてブロードキャストされるシステム情報で、警戒メッセージが伝達される。UEは、本明細書で前述したシステム情報変更通知に類似したページングメッセージを介して、新たな警戒メッセージについて通知される。あるセルに在圏しているUEが、個々のページング周期に従って、ネットワークに接続するためのCN要求のページング、システム情報変更通知のページング、及び警戒メッセージのページングをリッスンする。ローミングを利用するユーザ及びUEは、PWSの事業者によるサポートを受ける必要がある。
【0020】
警戒区分が、一意且つ明確なモバイルデバイス挙動を確保するために、グローバルに指定される。ユーザは、デバイス実装及び地方条例に応じて、ある警戒区分から手動で抜けることが可能であってよい。例えば、CMASの「大統領警報」は選択できないが、CMASの「重度の深刻さ、即座の緊急性、及び観察の確実性を有する重大警報」は選択可能である。UEデバイスが受信する警報は、すぐにユーザに注目されなければならない、すなわち、ディスプレイに示されなければならないが、これらの警報は進行中の音声通話又はビデオ通話を中断してはならない。
【0021】
サーバと、モバイルデバイスで実行されるOTT(over the top)アプリケーションとに基づいた、既知の警報メッセージ提供システムがある。警報メッセージは、警報通知プロバイダから受信され、通知エリアを含む関心のある1つ又は複数の地域に登録されている各デバイスに、専用の(すなわち、サーバから各デバイスへの)IP接続でサーバから配信される。これらのアプリケーションは通常、モバイルデバイスのエコシステムのプッシュ通知機構を用いて、デバイスに警報を出す。アプリケーションは、デバイスの現在の状態に従って、またアプリケーション設定とデバイスのMMIの状態とに従って、ユーザに通知してよい。
【0022】
米国特許出願公開第2014/0273909号には、UEデバイスが、PWSメッセージを受信した後の事前設定した時間の間、公共警報システム(PWS)の警戒メッセージの配信をサポートするネットワーク(例えば、セルラモバイルネットワーク)からPWSメッセージ配信をサポートしていないネットワーク(例えば、N3GPPネットワーク)に切り替わるのを防ぐ方法が説明されている。この方法では、N3GPPネットワークに切り替わらないことによって、又は代替的にN3GPPネットワークと通信することによって、第1のメッセージに続くと予想されるさらなるPWS警戒メッセージの受信が可能になるとともに、セルラネットワークへの接続を保持してPWSメッセージを受信する。
【0023】
説明した方法は、N3GPPへのネットワーク接続を防止することによって、先行技術のいくつかの欠陥を解決するが、本発明は、必要なサービスをN3GPPネットワークがサポートすることを可能にする。
【0024】
欧州特許公開第1798898 A1号には、異なる無線技術(WLAN及びUMTSなど)をサポートできる複数のアクセスポイントから無線アクセスポイントを選択する方法が説明されている。ネットワーク側の制御エンティティが、複数のアクセスポイントのうちのどれをUEへの送信に用いるべきかを決定することができる。
【0025】
3GPPの公共警報システム(PWS)は、PLMNにアクティブな登録をしていない、又はPLMNのサブスクリプションを有していないデバイスでも、PLMN内のデバイスのサポートについてユーザの安全な警報を可能にする。しかしながら、PWSメッセージは、N3GPPアクセス技術によって機能することはない。警報メッセージを効果的に配信するブロードキャスト機構も、正確な通知エリアで警戒メッセージを提供する位置機構も、利用可能ではない。
【0026】
しかしながら、公衆ホットスポットの利用と、3GPPネットワークへのアクセスに対する公衆ホットスポットの利用が増加することによって、N3GPPアクセスを通じて(特にWLANを通じて)PWSを提供する要求が生じている。
【0027】
OTTアプリケーションは、公衆ホットスポット及びWLANを介して利用可能な警報機構を提供するが、その利用法は随意であり、規制できるものではなく、ユーザには自分のデバイスにアプリケーションをインストールして、当該アプリケーションを保持することが求められる。また、この仕組みは、そのようなアプリケーションを実行できるスマートなデバイスでしか機能せず、簡単な電話、機械、及びセンサのような他のタイプのUEデバイスは、そのような機能の範囲外である。
【0028】
その結果、N3GPPアクセスで利用可能だが事業者ネットワークによって制御され、且つ多種多様なモバイルデバイスにより利用可能なPWSが欠けている。
【0029】
米国特許出願公開第2017/0289883 A1号には、確立した緊急サービスセッションを、セルラ方式の3GPP無線アクセスネットワークから非3GPP無線アクセスネットワークにハンドオーバーする技術が説明されている。この文献は、緊急サービスセッションの確立を必要としないPWSメッセージの送信については言及していない。それどころか、そのようなPWSメッセージを送信するために緊急サービスセッションを確立するのは、非生産的である。
【発明の概要】
【0030】
本発明の全体にわたって、コアネットワーク機能及びコアネットワークエンティティという用語が、基本的に同義語として用いられる。コアネットワーク機能という用語は、5G規格の新たな用語を反映しており、ネットワークの様々な実際のエンティティにより実行され得る機能を参照している。コアネットワーク機能は、例えば、認証及び登録、加入者データベースアクセス又はブロードキャスト配信管理のためのネットワークエンティティを仮想化する仮想マシンを提供するサーバにより実行され得る。コアネットワークエンティティという用語は、上述した機能のような主な機能が、あるエンティティ(例えば、モビリティ管理エンティティ)に明らかに関連している以前の規格に用いられる。本発明の全体にわたって、これらの用語は、コアネットワークの任意の物理エンティティにより提供される機能のことを指すときに、交換可能に用いられる。
【0031】
本発明は、公共警報システム(PWS)メッセージをユーザ機器(UE)デバイスに非3GPP無線ネットワークを介して提供することを可能にする方法を提供し、本方法は、UEデバイスから非3GPP相互接続機能(N3IWF)へのインターネットプロトコルセキュリティ(IPsec)トンネル接続を非3GPP(N3GPP)無線アクセス技術によって確立する段階と、公共警報システム(PWS)メッセージの提供を第1のコアネットワーク(CN)エンティティから要求する段階と、UEデバイスの位置についての情報を第1のCNエンティティに提供する段階とを含む。
【0032】
UEデバイスが、第1のPLMNのCNにN3GPPアクセス及びN3IWFを介してアクセスしてよく、N3IWFへのIPsecトンネルをセットアップしてあるUEデバイスは、警報通知プロバイダにより提供される警戒メッセージ(警報メッセージ又は保留中の警報メッセージについての通知など)のN3GPPアクセスを介した配信をCNエンティティから要求する。UEデバイスは、UEデバイスが3GPPアクセスを介して受信した信号の送信元であるセルのセルID及び/又はTAを通知する形で、又は、UEデバイスの地理的位置について通知する形で、又は、CNエンティティにより警戒メッセージが提供されるグループを、当該グループに関連する通知エリアに基づいて、CNエンティティを用いてサブスクライブする形で、又は、CNエンティティを用いて、CNエンティティにより警戒メッセージが提供されるグループをサブスクライブし、CNエンティティが、受信した情報からUEデバイスの位置を決定し、UEがCNエンティティ(例えば、IPアドレス)に接続する形で、UEデバイスの位置についてCNエンティティに通知する。
【0033】
CNエンティティはN3IWFであってよく、N3IWFは、ソース特定IPマルチキャスト(SSM)の仕組みを用いて警戒メッセージを配信し、N3IWFはIPsecトンネルを介して警戒メッセージをUEデバイスに送信し、警戒メッセージは、警戒メッセージに特化したマルチキャストアドレスにアドレス指定される。警戒メッセージは、警戒メッセージの通知エリアを含む地域に関連する送信元アドレスを有する。UEは、この場合、UEデバイスの位置を含む地域向けの警戒メッセージに特化したマルチキャスト(MC)チャネル(チャネル=MCの送信元及び宛先アドレス)を、N3IWFを用いてサブスクライブする。
【0034】
代替的に、N3IWFは、任意ソースIPマルチキャスト(any source IP multicast:ASM)の仕組みを用いて、警戒メッセージを配信してよく、N3IWFはIPsecトンネルを介して警戒メッセージをUEデバイスに送信し、警戒メッセージは、警戒メッセージの通知エリアを含む地域向けの警戒メッセージに特化したマルチキャストアドレスにアドレス指定される。UEは、この場合、UEデバイスの位置を含む地域向けの警戒メッセージに特化したマルチキャストグループ(グループ=MCの宛先アドレス)を、N3IWFを用いてサブスクライブする。
【0035】
N3IWFは、当該UEの位置に該当する警戒メッセージを配信する(当該エンティティの)サービスを、まだサブスクライブしていなければ、別のCNエンティティ(NEF)でサブスクライブしてよい。言い換えれば、N3IWFは、N3IWFによりサービス提供される少なくとも1つのUEの位置に該当する警戒メッセージを配信する(当該エンティティの)サービスを、別のCNエンティティでサブスクライブしてよい。
【0036】
CNエンティティはAMFであってよく、AMFは、UEデバイスの位置を含む地域向けの警戒メッセージに特化したマルチキャスト(MC)チャネル又はマルチキャストグループに対して、UEデバイスを、N3IWFにおいてサブスクライブする。AMFはまた、同じMCチャネル又はMCグループに対して、N3IWFを、CNエンティティ(NEF)において、まだサブスクライブしていなければサブスクライブする。あるいは、AMFは、MCチャネル又はMCグループに対応する警戒メッセージを配信するサービスに対して、N3IWFを、CNエンティティ(NEF)において(まだサブスクライブしていなければ)サブスクライブする。AMFは任意選択で、N3IWF及び/又はUEデバイスとPWSサービスとの間の関係、並びに関連する通知エリア又はUEデバイスの位置を格納する(注意:ストレージは推奨されないが、選択肢である。実施形態を参照のこと)。
【0037】
UEデバイスが、要求した警戒メッセージを受信するために、N3IWFから受信するはずの(又はN3IWFをリッスンするはずの)1つ又は複数のMCグループまたはMCチャネルについて、AMFはUEデバイスに通知してよく、CNエンティティ(NEF)は、特定の位置に該当する警戒メッセージを、少なくとも1つのUEデバイスが特定の位置のPWSサービスに関心を示している場合にはN3IWFに配信してよい。単一の警戒メッセージ(数回繰り返される可能性がある)が、N3IWFを介して接続された全てのUEデバイスのN3IWFに(すなわち、マルチキャスト方式で)送信される。N3IWFは、それぞれの警戒メッセージ(警戒メッセージの通知エリア)に対応するグループまたはチャネルをサブスクライブするUEデバイスに警戒メッセージを配信する。メッセージは、当該グループにアドレス指定されたUEデバイスにN3IWFによって送信され、UEとN3IWFとの間に確立された安全なトンネルを通じてポイントツーポイントで配信される。
【0038】
CNエンティティは、PWS専用の新たなエンティティであってよく、又は、既存のCN機能がPWS機能を含むように拡張される。新たなPWS機能をN3IWF又はAMFに実装するのは有益であるが、新たなCNエンティティ又はN3IWF若しくはAMF以外の拡張した既存のエンティティに新たなPWS機能を実装することは除外されない。
【0039】
上記セクションのメッセージに対応するメッセージが、PWSエンティティとN3IWF又はAMFとの間で、任意の組み合わせでやり取りされなければならない。
【0040】
CNエンティティ(N3IWF又はAMF)は、PWSがN3GPPアクセスを通じてサポートされるかどうか、またUEデバイスの位置を含む地域のPWSがサポートされるかどうかを、N3GPPアクセスを通じて、登録中のUEデバイスに通知するのが好ましい。UEデバイスは、3GPPアクセスネットワークでブロードキャスト情報を受信し、PWSがN3GPPアクセスを通じてサポートされない場合、又はPWSがUEデバイスの位置を含む任意の地域のN3GPPアクセスを通じてサポートされない場合に、PWS警戒メッセージを受信する。
【0041】
UEは、N3GPPアクセス及びN3IWFを介してCNにアクセスしてよく、UEは、関心/IGMPを介してPWS警戒メッセージを受信する能力について、すなわち、UEデバイスの位置での警報に該当するMCグループ又はMCチャネルのサブスクリプションについてN3IWFに通知する。又は、この位置は、地理的位置又はIPアドレス(これを用いると、UEデバイスはN3IWFから見える)を示すN3IWFにUEデバイスにより明示的に提供される。又は、UEデバイスは、3GPPアクセスネットワークを介して受信されるPLMNのID、その国識別コード、及び/又はTA、及び/又はセルIDについて、例えば、情報を明示的に提供することにより、又は国、PLMN、TA、及び/又はセルIDを含む地域に特化したグループをサブスクライブすることにより、N3IWFに通知する。
【0042】
代替的に、UEは、関心/PWS警戒メッセージを受信する能力について、(例えば登録中に)AMFに通知してよく、UEはその位置について、地理的位置又はPLMN、国、TA又はセルIDの形でAMFに通知する。位置、PLMN、TA、又はセルIDは、AMFのPLMNの一般的なカバレッジエリアの外側の位置を指し示してよい。AMFは、UEデバイスの位置での警報に該当する1つ又は複数のMCグループ又はMCチャネルに対して、UEをN3IWFにおいてサブスクライブする。
【0043】
UEデバイスの位置は、第2のPLMNの一般的なカバレッジエリアにあってよい。すなわち、PLMNテリトリであるが3GPPアクセスカバレッジの範囲外であり、例えば、地下室若しくは大きい家又は第2のPLMNのホワイトスポットでは、N3GPPアクセスを介して第1のPLMNに接続される。UEデバイスにより受信される警戒メッセージは、警報の通知エリアについての情報を含み、UEは当該情報とUE自体の位置とに基づいて、警戒メッセージが処理されるかどうか、例えば、UEデバイスのユーザが警報を受けるかどうかを判定する。
【0044】
UEは、N3IWF又はAMFから、PWSがCNのN3IWFを介してサポートされるかどうか、又はPWSがUEデバイスの位置を含む地域のN3IWFを介してサポートされるかどうかの情報を受信し、PWSがCNにおいてサポートされない場合、3GPPアクセスネットワークで警戒メッセージのブロードキャストをリッスンしてよい。
【0045】
CNにおいてPWSがサポートされない場合、UEデバイスは、AMFのPLMNとは異なるPLMNに接続するために、AMFから登録解除してよい。第1のPLMN(例えば、住居)が、UEデバイスの位置を含む通知エリアに該当する警戒メッセージの配信を求める要求を、N3IWFを介してUEデバイスから受信する。UEデバイスの位置は、第1のPLMNと地理的に重ならない第2のPLMN(例えば、訪問先)の一般的なカバレッジエリアにある。第1のPLMNは、それぞれの警戒メッセージの配信を求める要求を第2のPLMNに送信する。当該要求は、要求された警戒メッセージの通知エリアに関連する位置情報を含む。第1のPLMNは、要求する警戒メッセージを第1のPLMNに転送する第2のPLMNについて通知する要求の確認応答を受信する。第1のPLMNは、要求した警戒メッセージの配信を(そのような警戒メッセージが受信される場合)UEデバイスに確認する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
ここで、本発明の好ましい実施形態が、添付図面を参照して、単に例として説明されることになる。
【0047】
【
図1】簡略化した5Gコアネットワークの概略図である。
【0048】
【
図2】ローミングシナリオにおける、簡略化されたCNアーキテクチャである。
【0049】
【
図3】PWSメッセージングの確立についてのメッセージシーケンスチャートである。
【0050】
【
図4】第2実施形態のさらなるメッセージシーケンスチャートである。
【0051】
【
図5】第3実施形態のまたさらなるメッセージシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0052】
UEに3GPPアクセス及びN3GPPアクセスをサービス提供する一般的な5Gコアネットワークアーキテクチャが上述された。
【0053】
図2はさらに、ローミングの場合での、すなわち、加入者が自分のホームPLMNではないCNにアクセスする場合での、簡略化されたCNアーキテクチャを示す。UEは、上述したものと同様の訪問先ネットワークのAMFに登録するが、AMFは認証のためにホームネットワークに連絡する。ホームネットワーク内のUDM及びAUSFは、UEを認証し、訪問先ネットワークのAMFに転送されるセキュリティコンテキストを作成する。
【0054】
5Gの新たなCNアーキテクチャによれば、UEは同時に、3GPPアクセスを介して訪問先PLMNにアクセスし、N3GPPを介して(例えば、インターネットでWLANを介して)ホームPLMNにアクセスしてよい。N3GPPアクセスは次に、ホームPLMNのN3IWFを介して提供され、ホームPLMNのAMFで第2の登録が行われる。
【0055】
第1実施形態は、
図2による一般的なアーキテクチャに基づいている。すなわち、UEが、3GPPアクセスを介してホームPLMNに達することができない位置に存在すると仮定している。UEは、訪問先PLMNの一般的なカバレッジエリアに存在してよいが、このUEは訪問先PLMNに登録されていない。
図2は、RAN及び訪問先PLMNへの接続を破線で示している。その理由は、訪問先PLMNでの登録が利用可能ではないと仮定されているが、実施形態によっては、UEは訪問先ネットワークからの情報を受信できるからである。
【0056】
第1実施形態が、メッセージシーケンスチャートとして
図3に示されている。UEは、例えばWLANを介して、まずアントラステッドN3GPPアクセスネットワークに接続し、ローカルIPアドレスを取得する。WLANは、ワイドエリアネットワーク(例えば、インターネット)へのアクセスを提供し、UEはホームPLMNのN3IWFに接続する。N3IWFとのセキュリティアソシエーションをUEが確立することにより、IPsecトンネルがさらに、UEとN3IWFとの間でデータを安全にやり取りするのに用いられる。UEは、CNシグナリングメッセージ(すなわち、AMFとの間でやり取りされるメッセージ)をアドレス指定するのに用いられる内部IPアドレス及びIPアドレスをN3IWFから受信する。UEは、ホームPLMNの選択されたAMFに登録し、当該AMFは、ホームPLMNのAUSF及び/又はUDMを介した認証を含んでよい。
【0057】
本発明の1つの態様によれば、UEは、PWSに関してメッセージをアドレス指定するIPアドレス、つまりPWS_IP_ADDRESSもN3IWFから受信する。UEは当該アドレスを格納し、PLMNに登録する際に又は登録後に、UEはN3IWFを用いてPWSイベントをサブスクライブする。サブスクリプションのメッセージは、PWS_IP_ADDRESSにアドレス指定されてよく、これらのメッセージは、N3IWKのNASメッセージ又はユーザデータと明確に区別され得る。サブスクリプションは、IETF RFC3376に記載されているように、インターネットグループ管理プロトコル(IGMP)を用いて行われてよい。代替的に、任意の他のメッセージフレームワーク及びフォーマットが、UEと関連するIPsecトンネルを介したPWS警戒メッセージの配信をUEが要求していることをN3IWFに通知するのに用いられてよい。
【0058】
IGMPが用いられる場合、サブスクリプションメッセージは、IGMP状態変更報告のフォーマットを有してよい。このメッセージは、どの警戒メッセージがUEデバイスに該当するかについてのフィルタリング情報、すなわち、警報レベル又は警報の優先順位、及びUEに該当する通知エリアに関連する情報を含む。UEがサブスクライブするマルチキャストグループはフィルタリング情報として用いられてよいので、UEがサブスクライブできる通知エリアごとに1つのマルチキャストグループ、すなわち1つのマルチキャスト宛先IPアドレスがある。代替的に、ソース特定マルチキャストが用いられ、通知エリアごとに1つのマルチキャストチャンネル、すなわち、1つのIPマルチキャストの送信元IPアドレスと宛先IPアドレスとのペアがある。
【0059】
N3IWFに提供されるフィルタリング情報は、UEにとって関心のある通知エリアを全て解決しなくてもよいことに留意されたい。UEは、広域(例えば、当該UEが存在する国)に該当する警戒メッセージをサブスクライブし、UEにより受信される警戒メッセージは、受信後に地域関連性を対象にさらにフィルタリングされることが予見され得る。
【0060】
マルチキャストグループに基づくフィルタリング情報の1つの例が、関連性のある国ごとに1つのグループであり、別の例では、ホームPLMN内(連邦国家を仮定)の警戒エリアを対象に州ごとに1つのグループ、及びホームPLMNの外側の国々を対象に国ごとに1つのグループであろう。
【0061】
マルチキャストチャンネルに基づくフィルタリング情報の1つの例が、国ごとに1つのマルチキャスト宛先アドレス、及び国内の地域ごとに1つのマルチキャスト送信元アドレスである。別の例が、全体としてPWSサービスの1つのマルチキャスト宛先アドレス、及び国ごとに1つのマルチキャスト送信元アドレスである。
【0062】
本実施形態では、位置又は警戒エリアと格納されたフィルタリング情報との間のマッピングをUEが有すると仮定する。この情報は、説明された手順が開始される前に、例えば、3GPPが接続されている間にホームPLMNを通じて受信されてよく、又はSIMカードに格納されても、インターネットを通じて取得されてもよい。
【0063】
本発明の別の態様によれば、N3IWFはそのPLMNのエンティティにおいて、UEがサブスクライブする警戒メッセージを、例えば、そのようなメッセージを別のUEが過去に要求したことに起因してまだサブスクライブしていないならば、サブスクライブする。N3IWFがサブスクライブするエンティティは、CNの任意のエンティティ(例えば、AMF又はUDM)になり得る。しかし、現在のネットワークアーキテクチャによれば、ネットワーク露出機能(NEF)は、能力及びイベントのような情報を他のネットワーク機能にさらす一般的な機能を有する。NEFはまた、PLMNの外側の認証されたエンティティとも通信して、CN内で受信される情報を提供することができる、又は外側のエンティティから情報を受信してCN内の情報を提供することができる。
【0064】
本発明の別の態様によれば、ホームPLMNのNEFは、訪問先PLMNの一般的なカバレッジエリアに該当する警戒メッセージを訪問先PLMNのNEFにおいてサブスクライブする。第1のPLMNが第2のPLMNの3GPPアクセスネットワークのカバレッジエリアに関連する警戒メッセージを第2のPLMNにおいてサブスクライブするこの機能は、まだ知られていない。これが実行されることになるのは、第1のPLMNがまだ警戒メッセージをサブスクライブしていない場合だけである。この選択性は、
図3に破線で示されている。
【0065】
この態様は、例えば、それぞれの国の当局により運営される警報通知プロバイダのエンティティで直接サブスクライブする第1のPLMNのNEFによって、同様に実現され得る。この機構は、第2のPLMNにおけるサブスクリプションと同じであり、当該エンティティのみが、NEFのようなCNエンティティではない。
【0066】
N3IWFとNEFとの間、及び異なるPLMNの2つのNEFの間での警戒メッセージのサブスクリプションは、UEがN3IWFでサブスクライブするのと同じ又は異なるプロトコルを用いることができる。
【0067】
これで、後でいつでも(
図3に水平破線で示される)、警戒メッセージが通知機関により第2のPLMNに提供されてよい。第2のPLMNのNEFは、第1のPLMNがサブスクライブする警報について第1のPLMNに通知する。第2のPLMNのNEFは、通知エリアを含む位置情報と共に通知メッセージを提供する。この通知メッセージは、サブスクリプションの選択肢によって定められるよりもずっと細かな粒度で提供されてよい。例えば、サブスクリプションが米国カリフォルニア州の警戒メッセージに関連しているとすれば、警戒メッセージの通知エリアは、米国サンフランシスコ市のユニオンスクエアに関連しているかもしれない。
【0068】
したがって、第1のPLMNのNEFは関連性のあるメッセージをフィルタリングしてよく、これらのメッセージをサブスクライブする全てのN3IWFにこれらのメッセージを転送する。N3IWKは、位置及び関連性情報に基づいて、これらのメッセージを再度フィルタリングし、そのメッセージを、サブスクライブするUEへのIPマルチキャストメッセージとして、すなわち、サブスクライブされるマルチキャストグループの宛先アドレスにアドレス指定され、サブスクライブされる対象の送信元アドレス又はPWS_IP_ADDRESSから供給されるメッセージとして、転送してよい。マルチキャスト警戒メッセージは、マルチキャストとしてN3IWFに送信された且つマルチキャストとしてアドレス指定されているという事実にかかわらず、UEへのIPsecトンネルを通じて別々に、N3IWFとUE(及び潜在的には同じメッセージを受信する他のUE)との間で送信される。
【0069】
次いで、UEは最終的に、メッセージを提供される通知エリアとUEの既知の位置とに基づいて、メッセージをフィルタリングしてよい。メッセージがフィルタを通った場合、すなわち、メッセージがUE又はユーザに該当する場合、警報が開始される。UEがMMIを有するユーザデバイスである場合、ユーザに警告するために警報が提供される。他の場合には、警報が、マシンデバイスにより起こされる適切な動作を生じさせることがある。
【0070】
第2実施形態が、
図4に示されている。第2実施形態は任意選択の工程で開始してよい。この任意選択の工程は、本手順が開始する前にいつでも行われ得ることを強調するために、破線として図に示され且つ水平破線で分離されている。任意選択の工程では、UEが第1のPLMNのカバレッジエリアにいると仮定し、当該カバレッジエリアにはUEが登録されていてもいなくてもよく、また当該カバレッジエリアは訪問先PLMNでもホームPLMNでもよい。UEは、位置情報を有するブロードキャスト情報を、例えば、情報をブロードキャストするセルのトラッキングエリア又はセルIDの形で、第1のPLMNにおいて受信する。代替的に、セルは、当該セルに該当するPWS通知エリア識別をブロードキャストする。位置情報は、UEにより格納される。
【0071】
ここで、UEは、ローカルのN3GPPネットワークに接続し、そこから、第2のPLMNのN3IWFに接続する。第2のPLMNは、第1のPLMNと同一であってもよく、異なるPLMNであってもよい。
図4は、2つのPLMNを、第1のPLMNでは「訪問先領域」、第2のPLMNでは「ホーム領域」と区別して、読みやすくし、代表的な実施形態を提供する。本発明では、2つのPLMNを限定するものは何もなく、「ホーム」と「訪問先」に関して役割を交換することも、又は同一にする(つまり、両方とも「ホーム」又は両方とも「訪問先」)こともできる。
【0072】
UEのAMFでの登録については、N3IWFとのセキュリティアソシエーションを確立する際でも、確立した後でもよく、UEは登録要求メッセージをAMFに送信する。本発明によれば、登録要求は、UEがN3GPPアクセスを介してPLMNからPWS警戒メッセージを受信する必要があることを示す情報を含んでよい。その理由は、例えば、UEが位置を変更した又はリンク特性が変わったために、あるいは第2のPLMN(例えば、UEのホームPLMN)への登録を選好したために、UEが第1のPLMNへの接続を喪失したことかもしれない。PWS警戒メッセージ配信を要求する情報に加えて、UEは位置情報を提供するので、第2のPLMNのAMF又は任意の他のCNエンティティは、どのメッセージがUEに該当するかを判定することができる。さらに、UEは、さらなる判定のために、警戒メッセージをフィルタリングするための関連性レベル又は優先順位レベルをAMFに提供してよい。
【0073】
位置情報は、本実施形態の任意選択の工程として説明したように、トラッキングエリア(TA)の形でも、3GPPアクセスネットワークを通じてあらかじめ受信されたセル識別情報の形でもよい。位置情報は代替的に、GPS受信機のような内蔵手段を通じてUEにより決定される、又はRF指紋(WLANビーコン及びセルラネットワーク信号)により決定される、又はこれらの任意の組み合わせによって決定される、UEの地理的位置であってもよい。
【0074】
ここで、本発明の一態様によれば、第2のPLMNのAMFは、それぞれの警報メッセージ配信サービスに対して、UEをN3IWFにおいてサブスクライブしてよい。参考として、AMFはUE識別を用い、AMFは通知エリア又はUEがサブスクライブする必要がある地域を提供する。
【0075】
ここで、N3IWFが、PLMNのそれぞれの通知プロバイダ(例えば、第1実施形態にあるようなNEF)において、それぞれのメッセージ配信をまだサブスクライブしていない場合、N3IWFは、UEによる警戒メッセージ配信のサブスクリプションの結果として、当該サービスをサブスクライブすることになる。次いで、第2のPLMNのNEFは、N3IWFがサブスクライブする通知エリアに基づいて選択される第1のPLMNのサービスをサブスクライブしてよい。
【0076】
代替的に、第2のPLMNのN3IWFは、NEFのそれぞれのサービスをAMFによりサブスクライブさせられてよい。すなわち、AMFは、サービスに対して、UEをN3IWFにおいてサブライブし、N3IWFをNEFにおいてサブスクライブするエンティティであってよい。この代替案では、第2のPLMNのAMF又は他のCNエンティティを必要とし、N3IWFによる警報メッセージ配信サービスのサブスクリプションを格納して、例えば、重複サブスクリプションを防ぐことができる。代替的に、本システムは、N3IWFによる同じサービスの重複サブスクリプションによって、どのような問題も確実に生じないようにする。
【0077】
N3IWFのNEFでのサブスクリプションの前、その間、又はその後(後者は
図4に示されている)に、N3IWFは、UEによるAMFのサブスクリプションを確認し、UEがPWS警戒メッセージをN3IWFから受信するのに用いられるアドレス情報をAMFに提供する。第1実施形態で説明したように、このアドレス情報は、N3IWFからのマルチキャストメッセージをアドレス指定するのに用いられるPWS_IP_ADDRESSであってよい。アドレス情報は、マルチキャストチャンネルを構成する1対のIPアドレスであってもよい。アドレス情報は、IPマルチキャスト以外の他のメッセージ配信機構が用いられる場合、IPアドレスとは異なってもよい。
【0078】
AMFは最終的に、アドレス情報を、例えば登録受諾メッセージでUEに提供し、PWS警報サービスのサブスクリプションを確認する。UEは、アドレス情報を用いて、N3IWFからの警戒メッセージを受信する、すなわちリッスンする。
【0079】
PWS警戒メッセージ配信は、第1実施形態のものと同じであってよいので、ここでは省略する。
【0080】
第3実施形態が
図5に示されている。第3実施形態は、第2実施形態とまさに同様に開始する。UEが位置情報を事前に受信したかもしれないが、ここでUEは、ローカルのN3GPPアクセスネットワークとホームPLMNのN3IWFとに接続する。UEは、PWS警戒メッセージをN3IWF及びN3GPPアクセスを介してUEに配信する必要があるという指示を含む登録要求メッセージを送信する。この指示には、UEに該当するメッセージを識別するための位置情報が含まれる。
【0081】
第2実施形態とは異なり、第3実施形態では、UEへのPWS警戒メッセージの配信をホームPLMNはサポートしないと仮定している。その理由は、提供された位置では、警戒メッセージがホームPLMNに利用可能ではないということかもしれない。その場合には、AMFは、登録要求メッセージを受信した後に、警戒メッセージの利用可能性を確認してよい。別の理由は、N3GPPアクセスを通じた警戒メッセージ配信は、ホームPLMNによって全くサポートされないということかもしれない。
【0082】
理由にかかわらず、AMFはUEの登録を受諾してよいが、PWS警戒メッセージの配信要求の拒絶を示すことになる。本発明によれば、拒絶の結果として、UEは、適切な3GPPネットワークの検索を開始し、当該ネットワークのセルを選択し、3GPPアクセスを通じてネットワークにより提供される警戒メッセージをリッスンし始めることになる。任意選択で、AMFは、N3GPPアクセスを介した登録の際に又は登録後に、3GPPを介してPWS警戒メッセージを受信するときにUEをサポートする情報(例えば、スケジューリング情報)をUEに提供してよい。
【0083】
任意選択で、UEは、PWSサービスの拒絶を理由として挙げて、ホームPLMNから登録解除し、ネットワーク検索及びセル選択の後に、選択したセルへの接続を、おそらく以下の登録要求を用いて要求してよい(
図5には示されていない)。
【外国語明細書】