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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022091942
(43)【公開日】2022-06-21
(54)【発明の名称】測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/00 20060101AFI20220614BHJP
   G01B 11/24 20060101ALI20220614BHJP
   G01B 11/25 20060101ALI20220614BHJP
【FI】
G01B11/00 H
G01B11/24 K
G01B11/25 H
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022062190
(22)【出願日】2022-04-03
(62)【分割の表示】P 2021046722の分割
【原出願日】2021-03-21
(31)【優先権主張番号】P 2020140111
(32)【優先日】2020-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000212599
【氏名又は名称】中谷 進
(72)【発明者】
【氏名】中谷 進
(57)【要約】      (修正有)
【課題】代表値を決定するプロセスにおいて、特許文献1の発明における表面形状データ(テーブル基準表面形状データ)の生成及び使用を行わないで、代表値を決定する測定装置及び測定方法を提供する。
【解決手段】第1の基準面DTからの測定対象物Wの表面の各座標位置(x、y)における距離を示す第1の表面形状データasdにおいて、測定領域ktそれぞれにおける、各座標位置(x、y)における距離を示す第1の各領域表面形状データamdを生成し、第1の各領域表面形状データamdにおいて、第2の基準面DBからの測定対象物Wの表面の距離を示す第2の各領域表面形状データtmdを生成し、第2の各領域表面形状データtmdにおいて測定領域ktそれぞれにおいて代表値を決定する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象物(W)を載せる透明なテーブル(2)と、
前記テーブル(2)の下方に設けられた、前記テーブル(2)の上面に載せられた前記測定対象物(W)に向けて、前記テーブル(2)の下方から照射光(3)を照射する光照射手段(4)と、
前記テーブル(2)の下方に設けられた、前記測定対象物(W)からの前記照射光(3)の反射光を前記テーブル(2)の下方で受光する受光手段(5)と、を備えるとともに、前記受光手段(5)側の基準位置ないし基準面を第1の基準面(DT)とした測定装置であって、
前記テーブル(2)の上面位置ないし該上面位置近傍に設定された、前記第1の基準面(DT)からの距離で表される基準位置ないし基準面を第2の基準面(DB)として、該第2の基準面(DB)のデータである第2の基準面データ(DBd)を記憶する第2の基準面データ記憶部(14)と、
前記測定対象物(W)の表面の濃淡画像又は該測定対象物(W)のCADデータに基づいて、前記測定対象物(W)の表面の測定する測定領域(kt)を特定する又は予め特定しておく測定領域特定部(7)と、
前記測定対象物(W)の表面の測定を前記測定領域(kt)のみを測定域とした領域のみ測定とし、前記測定領域(kt)それぞれの前記第1の基準面(DT)から前記測定対象物(W)の表面の各座標位置(x、y)における距離で表される第1の各領域表面形状データ(amd)を生成する第1の各領域表面形状データ生成部(15)と、
前記第1の各領域表面形状データ(amd)の値から前記第2の基準面(DB)のデータの値を差し引く減算によって、前記測定領域(kt)それぞれの前記第2の基準面(DB)から前記測定対象物(W)の表面の各座標位置(x、y)における距離で表される第2の各領域表面形状データ(tmd)を生成する第2の各領域表面形状データ生成部(10)と、
前記第2の各領域表面形状データ(tmd)の前記測定領域(kt)それぞれにおける、前記第2の基準面(DB)からの距離を示す値の代表値である第2の代表値(G2)を決定する第2の代表値決定部(17)と、
前記第2の代表値(G2)が予め設定された基準を満たしているかを判定する判定部(19)と、を備えたことを特徴とする測定装置。
【請求項2】
測定対象物(W)を載せる透明なテーブル(2)と、
前記テーブル(2)の下方に設けられた、前記テーブル(2)の上面に載せられた前記測定対象物(W)に向けて、前記テーブル(2)の下方から照射光(3)を照射する光照射手段(4)と、
前記テーブル(2)の下方に設けられた、前記測定対象物(W)からの前記照射光(3)の反射光を前記テーブル(2)の下方で受光する受光手段(5)と、を備えるとともに、前記前記受光手段(5)側の基準位置ないし基準面を第1の基準面(DT)とした測定装置であって、
前記テーブル(2)の上面位置ないし該上面位置近傍に設定された、前記第1の基準面(DT)からの距離で表される基準位置ないし基準面を第2の基準面(DB)として、該第2の基準面(DB)のデータである第2の基準面データ(DBd)を記憶する第2の基準面データ記憶部(14)と、
前記測定対象物(W)の表面の濃淡画像又は該測定対象物(W)のCADデータに基づいて、前記測定対象物(W)の表面の測定する測定領域(kt)を特定する又は予め特定しておく測定領域特定部(7)と、
前記測定対象物(W)の表面の測定を前記測定領域(kt)のみを測定域とした領域のみ測定とし、前記測定領域(kt)それぞれの前記第1の基準面(DT)から前記測定対象物(W)の表面の各座標位置(x、y)における距離で表される第1の各領域表面形状データ(amd)を生成する第1の各領域表面形状データ生成部(15)と、
前記第1の各領域表面形状データ(amd)において、前記第1の基準面(DT)からの前記測定領域(kt)おける距離を示す値の代表値である第1の代表値(G1)を決定する第1の代表値決定部(30)と、
前記第1の代表値(G1)において、前記第2の基準面(DB)からの距離を示す値の代表値である第2の代表値(G2)を決定する第2の代表値決定部(11)と、
前記第2の代表値(G2)が予め設定された基準を満たしているかを判定する判定部(19)と、を備えたことを特徴とする測定装置。
【請求項3】
測定対象物(W)を載せる透明なテーブル(2)と、
前記テーブル(2)の下方に設けられた、前記テーブル(2)の上面に載せられた前記測定対象物(W)に向けて、前記テーブル(2)の下方から照射光(3)を照射する光照射手段(4)と、
前記テーブル(2)の下方に設けられた、前記測定対象物(W)からの前記照射光(3)の反射光を前記テーブル(2)の下方で受光する受光手段(5)と、を備えるとともに、前記受光手段(5)側の基準位置ないし基準面を第1の基準面(DT)とした測定装置であって、
前記テーブル(2)の上面位置ないし該上面位置近傍に設定された、前記第1の基準面(DT)からの距離で表される基準位置ないし基準面を第2の基準面(DB)として、該第2の基準面(DB)のデータである第2の基準面データ(DBd)を記憶する第2の基準面データ記憶部(14)と、
前記測定対象物(W)の表面の濃淡画像又は該測定対象物(W)のCADデータに基づいて、前記測定対象物(W)の表面の測定する測定領域(kt)を特定する又は予め特定しておく測定領域特定部(7)と、
前記受光手段(5)で受光された前記測定対象物(W)の受光情報を処理して、前記第1の基準面(DT)から前記測定対象物(W)の表面の前記各座標位置(x、y)における距離で表される第1の表面形状データ(asd)を生成する第1の表面形状データ生成部(8)と、
前記第1の表面形状データ(asd)において、前記測定領域(kt)それぞれの各座標位置(x、y)における距離で表される第1の各領域表面形状データ(amd)を生成する第1の各領域表面形状データ生成部(9)と、
前記第1の各領域表面形状データ(amd)において、前記第2の基準面(DB)から前記測定対象物(W)の表面の距離で表される第2の各領域表面形状データ(tmd)を生成する第2の各領域表面形状データ生成部(10)と、
前記第2の各領域表面形状データ(tmd)の前記測定領域(kt)それぞれにおける、前記第2の基準面(DB)からの距離を示す値の代表値である第2の代表値(G2)を決定する第2の代表値決定部(11)と、
前記第2の代表値(G2)が予め設定された基準を満たしているかを判定する判定部(19)と、を備えたことを特徴とする測定装置。
【請求項4】
測定対象物(W)を載せる透明なテーブル(2)と、
前記テーブル(2)の下方に設けられた、前記テーブル(2)の上面に載せられた前記測定対象物(W)に向けて、前記テーブル(2)の下方から照射光(3)を照射する光照射手段(4)と、
前記テーブル(2)の下方に設けられた、前記測定対象物(W)からの前記照射光(3)の反射光を前記テーブル(2)の下方で受光する受光手段(5)と、を備えるとともに、前記受光手段(5)側の基準位置ないし基準面を第1の基準面(DT)とした測定装置であって、
前記テーブル(2)の上面位置ないし該上面位置近傍に設定された、前記第1の基準面(DT)からの距離で表される基準位置ないし基準面を第2の基準面(DB)として、該第2の基準面(DB)のデータである第2の基準面データ(DBd)を記憶する第2の基準面データ記憶部(14)と、
前記測定対象物(W)の表面の濃淡画像又は該測定対象物(W)のCADデータに基づいて、前記測定対象物(W)の表面の測定する測定領域(kt)を特定する又は予め特定しておく測定領域特定部(7)と、
前記受光手段(5)で受光された前記測定対象物(W)の受光情報を処理して、前記第1の基準面(DT)から前記測定対象物(W)の表面の前記各座標位置(x、y)における距離で表される第1の表面形状データ(asd)を生成する第1の表面形状データ生成部(8)と、
前記第1の表面形状データ(asd)において、前記測定領域(kt)それぞれの各座標位置(x、y)における距離で表される第1の各領域表面形状データ(amd)を生成する第1の各領域表面形状データ生成部(9)と、
前記第1の各領域表面形状データ(amd)において、前記第1の基準面(DT)からの前記測定領域(kt)それぞれの距離を示す値の代表値である第1の代表値(G1)を決定する第1の代表値決定部(30)と、
前記第1の代表値(G1)において、前記第2の基準面(DB)からの距離を示す値の代表値である第2の代表値(G2)を決定する第2の代表値決定部(31)と、
前記第2の代表値(G2)が予め設定された基準を満たしているかを判定する判定部(19)と、を備えたことを特徴とする測定装置。
【請求項5】
前記受光手段(5)で受光された前記測定対象物(W)の受光情報を処理して、前記第1の基準面(DT)から前記測定対象物(W)の表面の前記各座標位置(x、y)における距離で表される第1の表面形状データ(asd)を生成する第1の表面形状データ生成部(8)が設けられ、
前記第1の表面形状データ(asd)の各座標位置(x、y)における値から前記第2の基準面(DB)の各座標位置(x、y)における値を減算して、前記第2の基準面(DB)からの前記測定対象物(W)の表面形状をあらわす第2の表面形状データ(tsd)を生成する第2の表面形状データ生成部(59)が設けられ、
前記第2の表面形状データ(tsd)を記憶する第2の表面形状データ記憶部(60)が設けられ、
前記第2の表面形状データ(tsd)は、ディスプレイに前記測定対象物(W)の表面の3次元形状を表示させる3Dデータであり、
前記第2の表面形状データ(tsd)は、前記第2の代表値(G2)を生成するプロセスにおいては使用されないデータである、ことを特徴とする請求項1、2のいずれか1項に記載の測定装置。
【請求項6】
前記第1の表面形状データ(asd)の各座標位置(x、y)における値から前記第2の基準面(DB)の各座標位置(x、y)における値を減算して、前記第2の基準面(DB)からの前記測定対象物(W)の表面形状をあらわす第2の表面形状データ(tsd)を生成する第2の表面形状データ生成部(59)が設けられ、
前記第2の表面形状データ(tsd)を記憶する第2の表面形状データ記憶部(60)が設けられ、
前記第2の表面形状データ(tsd)は、ディスプレイに前記測定対象物(W)の表面の3次元形状を表示させる3Dデータであり、
前記第2の表面形状データ(tsd)は、前記第2の代表値(G2)を生成するプロセスにおいては使用されないデータである、ことを特徴とする請求項3、4のいずれか1項に記載の測定装置。
【請求項7】
前記テーブル(2)の上面に反射部材(36)が設けられ、
前記第2の基準面(DB)は、前記反射部材(36)の表面の4点以上の各座標位置(x、y)から平面の方程式を求める場合である、最小二乗法、擬似逆行列又は特異値分解を使って求めた平面である、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明なテーブルの下方に照射手段と受光手段が設けられ、テーブル上面に載置した測定対象物に向けて前記照射手段から照射光を照射し、その反射光を前記受光手段で受光して測定対象物の測定領域を特定し、該測定領域それぞれにおける代表値を決定する測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に示される次のような測定装置が知られている。
特許文献1の測定装置は、少なくとも1方向に並ぶ複数の突起部を備える検査対象物を検査する検査装置であって、透明なテーブルの下方に光の強度が周期的に変化する光パターンを照射する光照射部と、前記光パターンが照射された検査対象物(以下「測定対象物」という。)を前記テーブルの下面から撮影する撮像部が設けられ、テーブル上面に載置した測定対象物に向けて前記光パターンを照射し、その反射光を前記撮像部で撮影して測定対象物の表面を測定するともに、突起部を含む測定領域を特定し、特定した測定領域の代表値を決定する検査装置であって、
測定対象物が載置されていないテーブルの上面に同じ余弦波の縞模様を投影して画像を撮影(受光)し、試料面12a(検査対象物を設置するテーブル面(段落[0023]))の各座標位置(x、y)における位相θを示すデータを算出して、該位相θを示すデータを基準位相データとして予めコンピューターに記録させておき(段落[0044]参照)、
テーブルの上面に載置した複数の突起部を有する測定対象物の表面を撮像部で撮影し、該撮影された測定対象物の表面の画像を処理して、測定対象物の表面の各座標位置(x、y)における位相θをあらわす測定対象物位相データを生成し、
前記基準位相データと前記測定対象物位相データとの各座標位置(x、y)における位相差を計算し、その各座標位置(x、y)における位相差を示すデータに変換して、透明テーブルの上面から測定対象物の表面までの距離(高さ・浮き量)を示す表面形状データ(3次元形状をあらわすデータ)を生成し(段落[0043]、[0044]参照)、又は、三角測量の原理を用いて透明テーブルの上面から測定対象物の表面までの距離(高さ・浮き量)を示す表面形状データ(3次元形状をあらわすデータ)を生成し(段落[0023]、[0046]参照)、
前記表面形状データにおいて前記突起部のそれぞれを含む領域を特定し、特定された領域において透明テーブルの上面からの各座標位置(x、y)における距離の値の代表値を決定する測定装置である。
【0003】
<特許文献1におけるテーブルの上面の定義>
特許文献1の発明はその請求項において「・・・前記検査対象物を載せる透明なテーブルと、前記テーブルの上面に載せられた前記検査対象物に対して・・・前記テーブルの上面からの距離を示す表面形状データを生成する画像処理部と、・・・前記テーブルの上面からの距離を示す値の代表値を決定する代表値決定部と・・・検査装置。」(請求項1等)と記載されていことから、テーブルの上面(以下「テーブル上面」ともいう。)は検査対象物を載せる面であると定義しているものである。
そうすると、テーブル上面に塗布された反射部材の表面、テーブル上面に載せ置かれた反射部材の表面、テーブル上面に載せられた検査対象物の表面はないしテーブル上面に当接している部分は、テーブル上面でないこと及びテーブル上面とは成り得ない箇所であることは明確であり、かつ、それらの表面は検査対象物を載せることは不可能なのであるから、特許文献1の発明が定義する「テーブル上面は検査対象物を載せる面」とはできあいものであり、むしろ意識的に技術的範囲から除外しているとするのが相当である。
そのことは、特許文献1の段落[0063]において、「測定部5による高さ方向測定の分解能をΔkとすると、試料面12aからの距離hがΔkより小さい領域R1、R2では、表面形状データ上では、距離hはすべて同じ値(ここではh=0)になる。」と、検査対象物の端子32eの試料面12a(テーブルの上面)に接している箇所(テーブルの上面からの距離h=0)について述べているが、端子32eのテーブルの上面に接している箇所がテーブルの上面に含ませることを示唆し教示するような記載は一切ないものである。
また、テーブルの上面に反射部材を設け該反射部材の表面位置をテーブル上面に含まれるというようなことを定義する記述、それを示唆し教示するような記載は一切ないものである。
そのことについてさらに述べるなら、テーブルの上面に設けた反射部材(反射膜)に表面位置をテーブル上面と定義した技術(例えば特開平5-223533号公報([0025]、[図4]))、検査対象物のテーブル上面との当接部分位置をテーブル上面と定義した技術(例えば特開平8-247735号公報([0011]、[図6]))は、引用文献1の発明の出願前に周知の技術であるにもかかわらず、引用文献1の発明においては、周知技術である反射部材等の表面位置をテーブルの上面と定義するような示唆も教示も一切無いものである。
以上のことらから、特許文献1の発明においては、テーブル上面に設けられた反射部材等の表面位置はテーブル上面に含まないないし意識的に場外しているとするのが相当であり、それは、発明の技術的範囲から意識的に除外していることを示すものである、とするのが相当である。
【0004】
特許文献1の発明においては、「XY平面における各位置(x、y)における、前記テーブルの上面からの距離を示す表面形状データを生成する」(請求項1)構成を必須としていることから、テーブルの上面(試料面12a)の各座標位置(x、y)の位置を測定することを必須要件としている。
前述したように、テーブルの上面は検査対象物が載置されるテーブルの上面以外にはありえないものであり、テーブルの上面の各座標位置(x、y)の取得は、テーブルの物理的上面を直接測定すること以外では取得できないものである。
そして、テーブルの上面の測定方法については、段落[0044]の「検査対象物Aが置かれていない試料面12aに同じ余弦波の縞模様を投影した場合の画像を予め撮影し、試料面12aにおける各位置の位相θを示すデータを算出して、基準位相データとして記録する」との記載のみである。
そして、測定部についての記載は、テーブルの下方に設けられた投影プロジェクタ21(光照射部の一例)と撮像部22とからなる測定部5のみであり、測定部5以外の他の測定部について示唆し教示するような記載は一切ないものである。
そうすると、特許文献1における段落[0044]で言うところの、試料面12a(テーブル上面)の位置を測定するための「同じ余弦波の縞模様を投影」とは、テーブル下方の投影プロジェクタ21から照射される余弦波の縞模様と同じ余弦波の縞模様の投影であるとするのが相当である。また、テーブル上面に投影される「同じ余弦波の縞模様を投影」とは、技術面、コスト面、精度面及び操作面等から、投影プロジェクタ21から試料に投影したと同じ余弦波の縞模様(光の強度が周期的に変化する光パターン(請求項1))であるとするのが、最も合理的である。
<特許文献1の発明の矛盾>
そうであるとすると、投影プロジェクタ21のテーブル上面への投影には次のような矛盾がある。
試料を試料面12a(テーブル上面)に載置した状態で投影プロジェクタ21からの余弦波の縞模様(以下「照射光」ともいう。)を投影して試料の表面を測定するためには、テーブルの面に縞模様が投影(反射)されることがあってはならないはずである。すなわち、投影プロジェクタ21からの余弦波(照射光)は、透明なテーブルを透過してしまわなければならないものであり、テーブルが余弦波(照射光)を透過するので該余弦波(照射光)は試料の表面で反射され縞模様が投影され、その縞模様(反射光)がテーブルを透過して撮像部で撮像されるものである。
よって、テーブルは投影プロジェクタ21からの照射光(余弦波の縞模様)が透過してしまうので、テーブルの面(下面、上面ともに)には投影プロジェクタ21からの余弦波の縞模様は投影されないのは明らかであり、そのことは、テーブルの面(下面、上面ともに)は撮像部によって撮像できにない、すなわち、投影プロジェクタ21からの余弦波の縞模様の照射によっては、テーブルの面(下面、上面ともに)輝度情報も、距離情報も、位置情報も取得できないものであることを意味する。
そうすると、投影プロジェクタ21からの余弦波の縞模様はテーブル面(上面も下面も)には投影されないのであるから、テーブルを透過して該テーブル面には投影されない投影プロジェクタ21からの余弦波の縞模様又は同じ余弦波の縞模様によっては、テーブルの上面の位置を測定することは不可能であるとするのが相当である。テーブルの上面の各座標位置(x、y)の位置は該上面を直接測定すること以外では取得できないものである。
そして、特許文献1には、段落[0044]以外に、テーブルの上面位置を測定する方法について示唆、教示するような記載は一切無いものである。
そうすると、特許文献1の発明は、その必須の構成要件であるテーブル上面の位置を測定するための方法が、当業者が実施できる程度には記載されていないとするのが相当である。
そうであるなら、特許文献1の発明はこの点で実施可能要件を満たしていなとするのが相当である。
【0005】
また、出願時の技術常識にてらしても、請求項に係る発明の「XY平面における各位置(x、y)における、前記テーブルの上面からの距離を示す表面形状データを生成する」、「テーブルの上面からの距離を示す値の代表値を決定する」という請求項の発明の範囲まで、「検査対象物Aが置かれていない試料面12aに同じ余弦波の縞模様を投影した場合の画像を予め撮影し、試料面12aにおける各位置の位相θを示すデータを算出して、基準位相データとして記録する」(段落[0044])との、発明の詳細な説明に開示された内容を一般化できるとは言えないとするのが相当である。
【0006】
特許文献1においては、「判定部101は、3次元形状データの示す、本体31の試料面12aに対向する表面の各点における試料面12aからの距離が所定の範囲内にあるか否かを判定する。具体的には、判定部101は、予め決められた基準面の各点における試料面12aとの距離と、本体31の各点における試料面12aからの距離との差を計算し、当該差が閾値を越える点の数、差の値などが所定の範囲内か否かを判断することができる。」と述べている。かかる「予め決められた基準面」とは、撮像部側(測定部側)の基準面(以下「第1の基準面DT」という。)とするのが相当である。
また、三角測量の原理を用いて透明テーブルの上面から測定対象物の表面までの距離(高さ・浮き量)を示す表面形状データ(3次元形状をあらわすデータ)を生成し(段落[0023]、[0046]参照)、と述べている。
また、「試料面12aの各位置の位相θをあらわす基準位相データと、検査対象物Aを置いた場合の各位置の位相θをあらわすデータとの差を計算することにより、位相差を計算することができる。」(段落「0044」)と述べ、位相θは、1周期の位相0点からの傾きを示すものであり、該位相0点は第1の基準面DTに相当し、位相0点からの位相θの傾きと第1の基準面DTからテーブル上面までの距離は比例し、「位相差を高さ単位に変換する(S5)ことにより、各位置における検査対象物Aの高さを示す値が得られる」(段落[0043])、また、「・・・表面形状データがあらわす検査対象物の表面の3次元形状は、テーブルの上面を基準として捕らえることができる。・・・テーブル上面を基準とした代表点決定および判定により、簡単な処理で、迅速な判定が可能になる。」(段落[0007])。
よって、特許文献1の以下における説明において、基準としたテーブル上面の位置(以下「テーブル基準面HT」という。)及び試料の表面の位置は、第1の基準面DTからの高さ距離として説明する。
【0007】
特許文献1の堕落[0036]の「測定部5で撮影された画像のデータは、コンピューター1の画像処理部(後述)へ送られる。コンピューター1の画像処理部は、前記画像のデータを処理することで、位相解析を行う(S3)。位相解析では、画像中の各画素の位置(座標(x、y))において投影された光パターンの位相θを計算する。位置(x、y)における明るさは、下記式(1)で表される。」との記載から、「各座標位置(x、y)」は、「画像中の各画素の位置(座標(x、y))」である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第5385703号公報(請求項1、[0043]、[0044])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
<特許文献1の発明の目的及び構成>(本願の図14図15参照)
上述した特許文献1の発明は、複数の突起部を備える測定対象物(検査対象物)を迅速に測定(検査)することができる検査装置を提供することを発明の目的としているものである。
測定対象物の迅速な測定(検査)という目的を達成するために、
測定対象物が載置されていないテーブルの上面に同じ余弦波の縞模様を投影した場合の画像を予め撮影し、試料面12a(テーブル上面)の各座標位置(x、y)における位相θを示すデータを算出して、該位相θを示すデータを基準位相データ(テーブル基準面HT)として予めコンピューターに記録させておき(本願の図14のstep1参照)、
テーブルの上面に載置した複数の突起部を有する測定対象物の表面(正面である測定部側から見た該測定対象物の正面)を撮像部で撮影し、該撮影された測定対象物の表面の画像を処理して、測定対象物の表面の各座標位置(x、y)における位相θをあらわす測定対象物の位相データ(第1の基準面DTからの測定対象物の表面の高さ距離を示す表明形状データであるので、以下「第1の基準表面形状データ」という。)を生成し(図14のstep2参照、特許文献1の[0044]参照)、
前記基準位相データ(テーブル基準面HTを示すデータ)と前記測定対象物位相データとの各座標位置(x、y)における位相差を計算し、その各座標位置(x、y)における位相差を高さを示すデータに変換して、透明テーブルの上面(テーブル基準面HT)からの測定対象物の表面の距離(高さ・浮き量)を示す表面形状データ(以下「テーブル基準表面形状データ」という。)を生成し(図14のstep3参照)、
前記テーブル基準表面形状データにおけるXY平面において前記突起部のそれぞれを含む領域を特定し(このデータを、以下「テーブル基準各領域表面形状データ」という。)(図14のstep4参照)、
特定された領域においてテーブルの上面(テーブル基準面HT)からの各座標位置(x、y)における距離の値の代表値を決定する(図14のstep5参照)、
という構成としているものである。
図14のstep3に示すテーブル基準表面形状データ(特許文献1では「表面形状データ」)は、テーブルの上面から測定対象物の表面の各座標位置(x、y)における高さ距離によって、測定対象物の表面の3次元形状をあらわすデータでもある。
【0010】
<特許文献1の中核的構成>
よって、特許文献1の発明は、
(1)図14の<step1>図参照
測定対象物の無い状態でテーブル上面を測定して、各座標位置(x、y)における、第1の基準面DTからのテーブル上面の高さ距離を示す表面形状データで表されるテーブル基準面HT(基準位相データ(段落[0044]))を生成し予め記録しておく、
(2)図14の<step2>図参照
各座標位置(x、y)おける、第1の基準面DTからの測定対象物の表面の高さ距離を示す表面形状データである第1の基準表面形状データを生成し、
(3)図14の<step3>図参照
第1の基準表面形状データの値からテーブル基準面HTの値を引き演算して、テーブルの上面から測定対象物の表面の各座標位置(x、y)における高さ距離によって表されるテーブル基準表面形状データを生成し、
(4)図14の<step4>図参照
テーブル基準表面形状データにおいて突起部のそれぞれを含む領域を特定し、テーブルの上面から測定対象物の表面の前記領域それぞれの各座標位置(x、y)における高さ距離によって表されるテーブル基準各領域表面形状データを生成し、
(5)図14の<step5>図参照
テーブル基準各領域表面形状データにおいて各領域の代表値を決定する、
という前記(1)~(5)の構成を、発明の目的を達成する中核的構成としているものであり、特にテーブル基準表面形状データの生成は、迅速な測定(検査)という発明の目的を達成するための核心的構成としているものである。
【0011】
そして、テーブル基準表面形状データは、テーブルの上面の測定域の全域(試料面12a)の各座標位置(x、y)における距離のデータ(各座標位置(x、y)における位相θを示すデータ)である基準位相データの値から、測定対象物の表面の全域の各座標位置(x、y)における距離のデータ(各座標位置(x、y)における位相θを示すデータ)である測定対象物位相データの値を減算して生成されるものである。
よって、テーブル基準表面形状データ(図14のstep3参照)は、テーブルの上面の測定域の全域(試料面12a)の各座標位置(x、y)における距離値から測定対象物の表面の全域の各座標位置(x、y)における距離値を減算することによって生成されるものである。
【0012】
<特許文献1の発明の問題点>
(1)テーブル基準表面形状データ(図14のstep3参照)は、テーブルの上面(テーブル基準面HT)の測定域の全域(試料面12a)の各座標位置(x、y)における距離値から測定対象物の表面の全域の各座標位置(x、y)における距離値を減算することによって生成するものであるため、その情報処理量が大きいという問題を有するものであった。
【0013】
(2)また、測定対象物の表面の全域の各座標位置(x、y)における距離のデータ(各座標位置(x、y)における位相θを示すデータ)である測定対象物位相データを生成するため、その情報処理量が大きいという問題を有するものであった。
【0014】
本発明は以上のような従来技術の欠点に鑑み、特許文献1の発明における表面形状データ(「テーブル基準表面形状データ」(本願の図14のstep3参照))の生成及び使用を行わない処理構成によって代表値を決定する測定装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、本発明は次に述べるような構成としている。
<<第1の発明>>
測定対象物(W)を載置する域である載置域を上面に有する透明なテーブル(2)と、
前記テーブル(2)の上面で前記載置域外に設けられた反射部材と、
前記テーブル(2)の下方に設けられた、前記テーブル(2)の上面に載せられた前記測定対象物(W)に向けて、前記テーブル(2)の下方から照射光(3)を照射する光照射手段(4)と、
前記テーブル(2)の下方に設けられた、前記測定対象物(W)からの前記照射光(3)の反射光を前記テーブル(2)の下方で受光する受光手段(5)と、
前記光照射手段(4)と前記受光手段(5)とを有する測定部(12)と、
前記測定対象物(W)の測定領域(kt)を特定する又は予め特定しておく測定領域特定部(7)と、
前記測定領域(kt)それぞれにおいて、第1の基準面(DT)からの前記測定対象物(W)の表面の各座標位置(x、y)における距離を示す第1の各領域表面形状データ(amd)を生成する第1の各領域表面形状データ生成部(15)と、
前記測定領域(kt)それぞれにおいて、前記第1の各領域表面形状データ(amd)の値から第2の基準面(DB)のデータの値を減算して、前記第2の基準面(DB)からの前記測定対象物(W)の表面の各座標位置(x、y)における距離を示す第2の各領域表面形状データ(tmd)を生成する第2の各領域表面形状データ生成部(10)と、
前記第2の各領域表面形状データ(tmd)において、前記測定領域(kt)それぞれにおける、前記第2の基準面(DB)からの距離を示す値の代表値である第2の代表値(G2)を決定する第2の代表値決定部(17)と、を備え、
前記第1の基準面(DT)は前記測定部(12)側の基準位置ないし基準面であり、
前記第2の基準面(DB)は、前記反射部材の表面の前記第1の基準面(DT)からの距離にもとづいて設定した基準位置ないし基準面であり、又は、前記反射部材の表面の前記第1の基準面(DT)からの距離の位置を任意ないし所定の位置に移動させ設定した基準位置ないし基準面であることを特徴とする測定装置である。
【0016】
<<第2の発明>>
測定対象物(W)を載置する域である載置域を上面に有する透明なテーブル(2)と、
前記テーブル(2)の上面で前記載置域外に設けられた反射部材と、
前記テーブル(2)の下方に設けられた、前記テーブル(2)の上面に載せられた前記測定対象物(W)に向けて、前記テーブル(2)の下方から照射光(3)を照射する光照射手段(4)と、
前記テーブル(2)の下方に設けられた、前記測定対象物(W)からの前記照射光(3)の反射光を前記テーブル(2)の下方で受光する受光手段(5)と、
前記光照射手段(4)と前記受光手段(5)とを有する測定部(12)と、
前記測定対象物(W)の測定領域(kt)を特定する又は予め特定しておく測定領域特定部(7)と、
前記測定領域(kt)それぞれにおいて、第1の基準面(DT)からの前記測定対象物(W)の表面の各座標位置(x、y)における距離を示す第1の各領域表面形状データ(amd)を生成する第1の各領域表面形状データ生成部(15)と、
前記第1の各領域表面形状データ(amd)において、前記測定領域(kt)それぞれにおける、前記第1の基準面(DT)からの距離を示す値の代表値である第1の代表値(G1)を決定する第1の代表値決定部(30)と、
前記第1の代表値(G1)のデータの値から第2の基準面(DB)のデータの値を減算して、前記測定領域(kt)それぞれにおける、前記第2の基準面(DB)からの距離を示す値の代表値である第2の代表値(G2)を決定する第2の代表値決定部(11)と、を備え、
前記第1の基準面(DT)は前記測定部(12)側の基準位置ないし基準面であり、
前記第2の基準面(DB)は、前記反射部材の表面の前記第1の基準面(DT)からの距離にもとづいて設定した基準位置ないし基準面であり、又は、前記反射部材の表面の前記第1の基準面(DT)からの距離の位置を任意ないし所定の位置に移動させ設定した基準位置ないし基準面であることを特徴とする測定装置である。
【0017】
<<第3の発明>>
測定対象物(W)を載置する域である載置域を上面に有する透明なテーブル(2)と、
前記テーブル(2)の上面で前記載置域外に設けられた反射部材と、
前記テーブル(2)の下方に設けられた、前記テーブル(2)の上面に載せられた前記測定対象物(W)に向けて、前記テーブル(2)の下方から照射光(3)を照射する光照射手段(4)と、
前記テーブル(2)の下方に設けられた、前記測定対象物(W)からの前記照射光(3)の反射光を前記テーブル(2)の下方で受光する受光手段(5)と、
前記光照射手段(4)と前記受光手段(5)とを有する測定部(12)と、
前記測定対象物(W)の測定領域(kt)を特定する又は予め特定しておく測定領域特定部(7)と、
前記受光手段(5)で受光された前記測定対象物(W)の受光情報にもとづいて、第1の基準面(DT)からの前記測定対象物(W)の表面の各座標位置(x、y)における距離を示す第1の表面形状データ(asd)を生成する第1の表面形状データ生成部(8)と、
前記第1の表面形状データ(asd)において、前記測定領域(kt)それぞれの、第1の基準面(DT)からの前記測定対象物(W)の表面の各座標位置(x、y)における距離を示す第1の各領域表面形状データ(amd)を生成する第1の各領域表面形状データ生成部(9)と、
前記測定領域(kt)それぞれにおいて、前記第1の各領域表面形状データ(amd)の値から第2の基準面(DB)のデータの値を減算して、前記第2の基準面(DB)からの前記測定対象物(W)の表面の各座標位置(x、y)における距離を示す第2の各領域表面形状データ(tmd)を生成する第2の各領域表面形状データ生成部(10)と、
前記第2の各領域表面形状データ(tmd)において、前記測定領域(kt)それぞれにおける、前記第2の基準面(DB)からの距離を示す値の代表値である第2の代表値(G2)を決定する第2の代表値決定部(11)と、を備え、
前記第1の基準面(DT)は前記測定部(12)側の基準位置ないし基準面であり、
前記第2の基準面(DB)は、前記反射部材の表面の前記第1の基準面(DT)からの距離にもとづいて設定した基準位置ないし基準面であり、又は、前記反射部材の表面の前記第1の基準面(DT)からの距離の位置を任意ないし所定の位置に移動させ設定した基準位置ないし基準面であることを特徴とする測定装置である。
【0018】
<<第4の発明>>
測定対象物(W)を載置する域である載置域を上面に有する透明なテーブル(2)と、
前記テーブル(2)の上面で前記載置域外に設けられた反射部材と、
前記テーブル(2)の下方に設けられた、前記テーブル(2)の上面に載せられた前記測定対象物(W)に向けて、前記テーブル(2)の下方から照射光(3)を照射する光照射手段(4)と、
前記テーブル(2)の下方に設けられた、前記測定対象物(W)からの前記照射光(3)の反射光を前記テーブル(2)の下方で受光する受光手段(5)と、
前記光照射手段(4)と前記受光手段(5)とを有する測定部(12)と、
前記測定対象物(W)の測定領域(kt)を特定する又は予め特定しておく測定領域特定部(7)と、
前記受光手段(5)で受光された前記測定対象物(W)の受光情報にもとづいて、第1の基準面(DT)からの前記測定対象物(W)の表面の各座標位置(x、y)における距離を示す第1の表面形状データ(asd)を生成する第1の表面形状データ生成部(8)と、
前記第1の表面形状データ(asd)において、前記測定領域(kt)それぞれの、第1の基準面(DT)からの前記測定対象物(W)の表面の各座標位置(x、y)における距離を示す第1の各領域表面形状データ(amd)を生成する第1の各領域表面形状データ生成部(9)と、
前記第1の各領域表面形状データ(amd)において、前記測定領域(kt)それぞれにおける、前記第1の基準面(DT)からの距離を示す値の代表値である第1の代表値(G1)を決定する第1の代表値決定部(30)と、
前記第1の代表値(G1)のデータの値から第2の基準面(DB)のデータの値を減算して、前記測定領域(kt)それぞれにおける、前記第2の基準面(DB)からの距離を示す値の代表値である第2の代表値(G2)を決定する第2の代表値決定部(31)と、を備え、
前記第1の基準面(DT)は前記測定部(12)側の基準位置ないし基準面であり、
前記第2の基準面(DB)は、前記反射部材の表面の前記第1の基準面(DT)からの距離にもとづいて設定した基準位置ないし基準面であり、又は、前記反射部材の表面の前記第1の基準面(DT)からの距離の位置を任意ないし所定の位置に移動させ設定した基準位置ないし基準面であることを特徴とする測定装置である。
【0019】
<<第5の発明>>
測定対象物(W)を載せる透明なテーブル(2)と、
前記テーブル(2)の下方に設けられた、前記テーブル(2)の上面に載せられた前記測定対象物(W)に向けて、前記テーブル(2)の下方から照射光(3)を照射する光照射手段(4)と、
前記テーブル(2)の下方に設けられた、前記測定対象物(W)からの前記照射光(3)の反射光を前記テーブル(2)の下方で受光する受光手段(5)と、
前記光照射手段(4)と前記受光手段(5)とを有する測定部(12)と、を備えた測定装置の測定方法であって、
前記測定部(12)側の基準位置ないし基準面を第1の基準面(DT)とし、
前記テーブル(2)の上面の前記第1の基準面(DT)からの距離にもとづいて設定した基準位置ないし基準面、前記テーブル(2)の面に設けた反射部材の表面の前記第1の基準面(DT)からの距離にもとづいて設定した基準位置ないし基準面、又は、前記テーブル(2)の面に設けた反射部材の表面の前記第1の基準面(DT)からの距離の位置を任意ないし所定の位置に移動させ設定した基準位置ないし基準面を第2の基準面(DB)とし、
前記測定対象物(W)の測定領域(kt)を特定する又は予め特定しておくステップと、
前記測定領域(kt)それぞれにおいて、前記第1の基準面(DT)からの前記測定対象物(W)の表面の各座標位置(x、y)における距離を示す第1の各領域表面形状データ(amd)を生成するステップと、
前記測定領域(kt)それぞれにおいて、前記第1の各領域表面形状データ(amd)の値から前記第2の基準面(DB)のデータの値を減算して、前記第2の基準面(DB)からの前記測定対象物(W)の表面の各座標位置(x、y)における距離を示す第2の各領域表面形状データ(tmd)を生成するステップと、
前記第2の各領域表面形状データ(tmd)において、前記測定領域(kt)それぞれにおける、前記第2の基準面(DB)からの距離を示す値の代表値である第2の代表値(G2)を決定するステップと、
を含む測定方法である。
【0020】
<<第6の発明>>
測定対象物(W)を載せる透明なテーブル(2)と、
前記テーブル(2)の下方に設けられた、前記テーブル(2)の上面に載せられた前記測定対象物(W)に向けて、前記テーブル(2)の下方から照射光(3)を照射する光照射手段(4)と、
前記テーブル(2)の下方に設けられた、前記測定対象物(W)からの前記照射光(3)の反射光を前記テーブル(2)の下方で受光する受光手段(5)と、
前記光照射手段(4)と前記受光手段(5)とを有する測定部(12)と、を備えた測定装置の測定方法であって、
前記測定部(12)側の基準位置ないし基準面を第1の基準面(DT)とし、
前記テーブル(2)の上面の前記第1の基準面(DT)からの距離にもとづいて設定した基準位置ないし基準面、前記テーブル(2)の面に設けた反射部材の表面の前記第1の基準面(DT)からの距離にもとづいて設定した基準位置ないし基準面、又は、前記テーブル(2)の面に設けた反射部材の表面の前記第1の基準面(DT)からの距離の位置を任意ないし所定の位置に移動させ設定した基準位置ないし基準面を第2の基準面(DB)とし、
前記測定対象物(W)の測定領域(kt)を特定する又は予め特定しておくステップと、
前記測定領域(kt)それぞれにおいて、前記第1の基準面(DT)からの前記測定対象物(W)の表面の各座標位置(x、y)における距離を示す第1の各領域表面形状データ(amd)を生成するステップと、
前記第1の各領域表面形状データ(amd)において、前記測定領域(kt)それぞれにおける、前記第1の基準面(DT)からの距離を示す値の代表値である第1の代表値(G1)を決定するステップと、
前記第1の代表値(G1)のデータの値から前記第2の基準面(DB)のデータの値を減算して、前記測定領域(kt)それぞれにおける、前記第2の基準面(DB)からの距離を示す値の代表値である第2の代表値(G2)を決定するステップと、
を含む測定方法である。
【0021】
<<第7の発明>>
測定対象物(W)を載せる透明なテーブル(2)と、
前記テーブル(2)の下方に設けられた、前記テーブル(2)の上面に載せられた前記測定対象物(W)に向けて、前記テーブル(2)の下方から照射光(3)を照射する光照射手段(4)と、
前記テーブル(2)の下方に設けられた、前記測定対象物(W)からの前記照射光(3)の反射光を前記テーブル(2)の下方で受光する受光手段(5)と、
前記光照射手段(4)と前記受光手段(5)とを有する測定部(12)と、を備えた測定装置の測定方法であり、
前記測定部(12)側の基準位置ないし基準面を第1の基準面(DT)とし、
前記テーブル(2)の上面の前記第1の基準面(DT)からの距離にもとづいて設定した基準位置ないし基準面、前記テーブル(2)の面に設けた反射部材の表面の前記第1の基準面(DT)からの距離にもとづいて設定した基準位置ないし基準面、又は、前記テーブル(2)の面に設けた反射部材の表面の前記第1の基準面(DT)からの距離の位置を任意ないし所定の位置に移動させ設定した基準位置ないし基準面を第2の基準面(DB)とし、
前記測定対象物(W)の測定領域(kt)を特定する又は予め特定しておくステップと、
前記受光手段(5)で受光された前記測定対象物(W)の受光情報にもとづいて、前記第1の基準面(DT)からの前記測定対象物(W)の表面の各座標位置(x、y)における距離を示す第1の表面形状データ(asd)を生成するステップと、
前記第1の表面形状データ(asd)において、前記測定領域(kt)それぞれの、前記第1の基準面(DT)からの前記測定対象物(W)の表面の各座標位置(x、y)における距離を示す第1の各領域表面形状データ(amd)を生成するステップと、
前記測定領域(kt)それぞれにおいて、前記第1の各領域表面形状データ(amd)の値から第2の基準面(DB)のデータの値を減算して、前記第2の基準面(DB)からの前記測定対象物(W)の表面の各座標位置(x、y)における距離を示す第2の各領域表面形状データ(tmd)を生成するステップと、
前記第2の各領域表面形状データ(tmd)において、前記測定領域(kt)それぞれにおける、前記第2の基準面(DB)からの距離を示す値の代表値である第2の代表値(G2)を決定するステップと、
を含む測定方法である。
【0022】
<<第8の発明>>
測定対象物(W)を載せる透明なテーブル(2)と、
前記テーブル(2)の下方に設けられた、前記テーブル(2)の上面に載せられた前記測定対象物(W)に向けて、前記テーブル(2)の下方から照射光(3)を照射する光照射手段(4)と、
前記テーブル(2)の下方に設けられた、前記測定対象物(W)からの前記照射光(3)の反射光を前記テーブル(2)の下方で受光する受光手段(5)と、
前記光照射手段(4)と前記受光手段(5)とを有する測定部(12)と、を備えた測定装置の測定方法であって、
前記測定部(12)側の基準位置ないし基準面を第1の基準面(DT)とし、
前記テーブル(2)の上面の前記第1の基準面(DT)からの距離にもとづいて設定した基準位置ないし基準面、前記テーブル(2)の面に設けた反射部材の表面の前記第1の基準面(DT)からの距離にもとづいて設定した基準位置ないし基準面、又は、前記テーブル(2)の面に設けた反射部材の表面の前記第1の基準面(DT)からの距離の位置を任意ないし所定の位置に移動させ設定した基準位置ないし基準面を第2の基準面(DB)とし、
前記測定対象物(W)の測定領域(kt)を特定する又は予め特定しておくステップと、
前記受光手段(5)で受光された前記測定対象物(W)の受光情報にもとづいて、前記第1の基準面(DT)からの前記測定対象物(W)の表面の各座標位置(x、y)における距離を示す第1の表面形状データ(asd)を生成するステップと、
前記第1の表面形状データ(asd)において、前記測定領域(kt)それぞれの、各座標位置(x、y)における距離を示す第1の各領域表面形状データ(amd)を生成するステップと、
前記第1の各領域表面形状データ(amd)において、前記測定領域(kt)それぞれにおける、前記第1の基準面(DT)からの距離を示す値の代表値である第1の代表値(G1)を決定するステップと、
前記第1の代表値(G1)のデータの値から第2の基準面(DB)のデータの値を減算して、前記測定領域(kt)それぞれにおける、前記第2の基準面(DB)からの距離を示す値の代表値である第2の代表値(G2)を決定するステップと、
を含む測定方法である。
【発明の効果】
【0023】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては、以下に述べるような作用効果を奏する。
<<本願発明の共通する特徴>>
本発明の各発明に共通する事項は、それぞれの領域おける代表値を決定する処理構成は、特許文献1の発明における表面形状データ(「テーブル基準表面形状データ」(本願の図14のstep3参照))の生成及び使用を行わない(本願の図15の対比図参照)ことを特徴とするものである。
【0024】
<<阻害要因>>
前記「<特許文献1の中核的構成>」で述べたように、特許文献1の発明は、テーブル上面の測定域の全域(試料面12a)の各座標位置(x、y)における距離のデータ(各座標位置(x、y)における位相θを示すデータを含む)である基準位相データの値から、測定対象物の表面の全域の各座標位置(x、y)における距離を示すデータである測定対象物位相データの値を差し引く減算によるテーブル基準表面形状データ(特許文献1においては「表面形状データ」)の生成及び使用を、発明の目的を達成する中核的構成としているものである。
しかるに、本願の発明は、代表値を決定する処理構成において、特許文献1の発明のかかる中核的構成であるテーブル基準表面形状データ(特許文献1においては「表面形状データ」)という処理構成の無いものである。
そうすると、本願発明は、特許文献1の発明の中核的構成を否定していると言えるものであり、であるなら、特許文献1には本願の各発明に想到することを阻害する阻害要因があるとするのが相当である。
【0025】
本願明細書の実施例1は主に第3、7の発明に対応するものであり、実施例2は主に第4、8の発明に対応するものであり、実施例3は主に第1、5の発明に対応するものであり、実施例4は主に第2、6の発明に対応するものである。
【0026】
<<第1の発明の効果>>
第1の各領域表面形状データ生成部(15)で、測定対象物(W)の表面の測定を測定領域(kt)のみを測定域とした領域のみ測定とし、測定領域(kt)それぞれのみの測定データである第1の各領域表面形状データ(amd)を生成し、
第2の各領域表面形状データ生成部(10)で、第1の各領域表面形状データ(amd)の値から第2の基準面(DB)(射部材の表面の位置データにもとづいて、テーブル(2)の上面位置近傍に設定され基準面)のデータの値を差し引く減算によって、測定領域(kt)それぞれのみのデータである第2の各領域表面形状データ(tmd)を生成する。
よって、本願の第1の発明は、測定領域(kt)それぞれのみの測定データである第1の各領域表面形状データ(amd)から測定領域(kt)それぞれのみのデータである第2の各領域表面形状データ(tmd)を生成するものである。
第1の各領域表面形状データ(amd)は、測定領域(kt)それぞれの、第1の基準面(DT)からの測定対象物の表面の各座標位置(x、y)における距離を示すデータである。
第2の各領域表面形状データ(tmd)は、測定領域(kt)それぞれの、第2の基準面(DB)からの測定対象物の表面の各座標位置(x、y)における距離を示すデータである。
よって、第1の発明における第2の各領域表面形状データ(tmd)は、特許文献1の発明の第2の基準各領域表面形状データに相当するものである。(但し、第2の基準面(DB)は特許文献1の「表面形状データ」ではない。)
であるから、本願の第1の発明は、特許文献1の発明における、テーブルの上面の測定域の全域(試料面12a)の各座標位置(x、y)における距離値から測定対象物の表面の全域の各座標位置(x、y)における距離値を減算することによって生成するテーブル基準表面形状データ(特許文献1においては「表面形状データ」)を生成も使用もすることなく、特許文献1の第2の基準各領域表面形状データに相当する第2の各領域表面形状データ(tmd)を生成するものであるから、測定領域(kt)それぞれにおける代表値を決定するプロセスにおいて、その情報量及び情報処理量が少なくなるという作用効果を奏するものである。
そのことは、測定領域(kt)それぞれの代表値によって平坦度を判定する処理を、少ない情報処理によって迅速に行うことを実現するものである。
【0027】
また、本願の第1の発明の、第1の各領域表面形状データ(amd)は測定領域(kt)のみを測定域とした領域のみ測定であり、これに対して、特許文献1の発明の、測定対象物位相データは測定対象物の表面の全域の各座標位置(x、y)における距離のデータ(各座標位置(x、y)における位相θを示すデータ)とは、基本的に異なり、その情報量及び情報処理量は領域のみ測定(一部域測定)である本願第1の発明は、全域測定である特許文献1の発明に比べて少ないものであるから、この点でも、迅速な処理を実現するものである。
【0028】
<<第2の発明の効果>>
第1の各領域表面形状データ生成部(15)で、測定対象物(W)の表面の測定を測定領域(kt)のみを測定域とした領域のみ測定とし、測定領域(kt)それぞれの測定データである第1の各領域表面形状データ(amd)を生成し、
第1の代表値決定部(30)で、第1の各領域表面形状データ(amd)において、測定領域(kt)それぞれにおける第1の基準面(DT)からの距離を示す値の代表値である第1の代表値(G1)を決定し、
測定領域(kt)それぞれにおける第1の代表値(G1)の値からから第2の基準面(DB)の値を減算することで、測定領域(kt)それぞれにおける第2の代表値(G2)を決定するものである。
よって、本願の第2の発明は、特許文献1の発明の第2の基準各領域表面形状データに相当するデータの生成は無く、第2の基準各領域表面形状データにおける領域特定処理による第2の基準各領域表面形状データの生成は無く、第2の基準各領域表面形状データのおける第2の代表値の決定という構成もないものである。
よって、テーブルの上面の測定域の全域(試料面12a)の各座標位置(x、y)における距離値から測定対象物の表面の全域の各座標位置(x、y)における距離値を減算することによって生成する全域データであるテーブル基準表面形状データを生成する特許文献1の発明と対比して、第1の各領域表面形状データ(amd)において、測定領域(kt)それぞれにおける、第1の基準面(DT)からの距離を示す値の代表値である第1の代表値(G1)を決定し、第1の代表値(G1)の値からから第2の基準面(DB)の値を減算することで第2の代表値(G2)を決定する本願の第2の発明は、測定領域(kt)それぞれにおける代表値を決定するプロセスにおいて、その情報量及び情報処理量が少ないという作用効果を奏し、よって迅速な処理を実現するものである。
【0029】
また、本願の第2の発明の、第1の各領域表面形状データ(amd)は測定領域(kt)のみを測定域とした領域のみ測定であり、これに対して、特許文献1の発明の、測定対象物位相データは測定対象物の表面の全域の各座標位置(x、y)における距離のデータ(各座標位置(x、y)における位相θを示すデータ)とは、基本的に異なり、その情報量及び情報処理量は領域のみ測定(一部域測定)であり、全域測定である特許文献1の発明に比べて少ないものであるから、この点でも、迅速な処理を実現するものである。
そのことは、測定領域(kt)それぞれの代表値によって平坦度を判定する処理を、少ない情報処理によって迅速に行うことを実現するものである。
【0030】
前記「<特許文献1の中核的構成>」で述べたように、特許文献1の発明は、テーブルの上面の測定域の全域(試料面12a)の各座標位置(x、y)における距離のデータ(各座標位置(x、y)における位相θを示すデータ)である基準位相データの値から、測定対象物の表面の全域の各座標位置(x、y)における距離のデータ(各座標位置(x、y)における位相θを示すデータ)である測定対象物位相データの値を減算して生成されるテーブル基準表面形状データを、発明の目的を達成する中核的構成としているものである。
しかるに、本願の第2の発明は、特許文献1の発明のかかる中核的構成であるテーブル基準表面形状データの生成という処理構成が無い、すなわち、かかる中核的構成を否定する構成であるものである。
そうであるなら、特許文献1には本願の第2の発明に想到することを阻害する阻害要因があるとするのが相当である。
【0031】
<<第3発明の効果>>
本願の第3の発明は、
第1の表面形状データ生成部(8)で、測定対象物(W)の表面の第1の基準面(DT)からの各座標位置(x、y)における距離を示す第1の表面形状データ(asd)を生成し、
第1の各領域表面形状データ生成部(9)で、第1の表面形状データ(asd)において、測定対象物(W)の測定する領域である測定領域(kt)を特定して、測定領域(kt)それぞれの、各座標位置(x、y)における距離を示す第1の各領域表面形状データ(amd)を生成し、
第2の各領域表面形状データ生成部(10)で、第1の各領域表面形状データ(amd)において、前記測定領域(kt)それぞれにおける、第2の基準面(DB)からの測定対象物(W)の表面の距離を示す第2の各領域表面形状データ(tmd)を生成し、
第2の代表値決定部(11)で、第2の各領域表面形状データ(tmd)の測定領域(kt)それぞれにおける、第2の基準面(DB)からの距離を示す値の代表値である第2の代表値(G2)を決定する、という構成である。
【0032】
測定領域(kt)を特定しての測定処理は、第1の基準面(DT)からの測定対象物(W)の距離を示す第1の表面形状データ(asd)において行われているので、本願の第3の発明は、特許文献1の発明におけるテーブル基準表面形状データは生成されることはない。
特許文献1におけるテーブル基準表面形状データは、テーブルの上面の測定域の全域(試料面12a)の各座標位置(x、y)における距離のデータ(各座標位置(x、y)における位相θを示すデータ)である基準位相データの値から、測定対象物の表面の全域の各座標位置(x、y)における距離のデータ(各座標位置(x、y)における位相θを示すデータ)である測定対象物位相データの値を減算して生成されるものである。
すなわち、本願の第3の発明は、特許文献1の発明における大きな情報量であるテーブル基準表面形状データの生成も使用もないものであるので、測定領域(kt)それぞれにおける代表値を決定するプロセスにおいて、その処理情報量は小さく、よって、迅速な処理を可能としている。
そのことは、測定領域(kt)それぞれの代表値によって平坦度を判定する処理を、少ない情報処理によって迅速に行うことを実現するものである。
【0033】
前記「<特許文献1の中核的構成>」で述べたように、特許文献1の発明は、テーブルの上面の測定域の全域(試料面12a)の各座標位置(x、y)における距離のデータ(各座標位置(x、y)における位相θを示すデータ)である基準位相データの値から、測定対象物の表面の全域の各座標位置(x、y)における距離のデータ(各座標位置(x、y)における位相θを示すデータ)である測定対象物位相データの値を減算して生成されるテーブル基準表面形状データを、発明の目的を達成する中核的構成としているものである。
しかるに、本願の第3の発明は、特許文献1の発明のかかる中核的構成であるテーブル基準表面形状データの生成という処理構成が無い、すなわち、かかる中核的構成を否定する構成であるものである。
そうであるなら、特許文献1には本願の第2の発明に想到することを阻害する阻害要因があるとするのが相当である。
【0034】
<<第4の発明の効果>>
本願の第2の発明は、
第1の表面形状データ生成部(8)で、第1の基準面(DT)からの測定対象物(W)の表面の距離を示す第1の表面形状データ(asd)を生成し、
第1の各領域表面形状データ生成部(9)で、第1の表面形状データ(asd)において、測定対象物(W)の測定する領域である測定領域(kt)を特定して、測定領域(kt)それぞれの、各座標位置(x、y)における距離を示す第1の各領域表面形状データ(amd)を生成し、
第1の代表値決定部(30)で、第1の各領域表面形状データ(amd)において、第1の基準面(DT)からの測定領域(kt)それぞれの距離を示す値の代表値である第1の代表値(G1)を決定し、
第2の代表値決定部(31)で、第1の代表値(G1)において、測定領域(kt)それぞれにおける、第2の基準面(DB)からの距離を示す値の代表値である第2の代表値(G2)を決定する、という構成である。
【0035】
測定領域(kt)を特定しての測定処理は、第1の基準面(DT)からの測定対象物(W)の距離を示す第1の表面形状データ(asd)において行われているので、本願の第3の発明は、特許文献1の発明における「テーブル基準表面形状データ」(特許文献1においては「表面形状データ」)は生成されることはない。
特許文献1におけるテーブル基準表面形状データは、テーブルの上面の測定域の全域(試料面12a)の各座標位置(x、y)における距離のデータ(各座標位置(x、y)における位相θを示すデータ)である基準位相データの値から、測定対象物の表面の全域の各座標位置(x、y)における距離のデータ(各座標位置(x、y)における位相θを示すデータ)である測定対象物位相データの値を減算して生成されるものである。
すなわち、本願の第3の発明は、特許文献1の発明における大きな情報量であるテーブル基準表面形状データの生成も使用もないものであるので、測定領域(kt)それぞれにおける代表値を決定するプロセスにおいて、その処理情報量は小さく、よって、迅速な処理を可能としている。
そのことは、測定領域(kt)それぞれの代表値によって平坦度を判定する処理を、少ない情報処理によって迅速に行うことを実現するものである。
【0036】
前記「<特許文献1の中核的構成>」で述べたように、特許文献1の発明は、テーブルの上面の測定域の全域(試料面12a)の各座標位置(x、y)における距離のデータ(各座標位置(x、y)における位相θを示すデータ)である基準位相データの値から、測定対象物の表面の全域の各座標位置(x、y)における距離のデータ(各座標位置(x、y)における位相θを示すデータ)である測定対象物位相データの値を減算して生成されるテーブル基準表面形状データ」(特許文献1においては「表面形状データ」)を、発明の目的を達成する中核的構成としているものである。
しかるに、本願の第4の発明は、特許文献1の発明のかかる中核的構成であるテーブル基準表面形状データ(特許文献1においては「表面形状データ」)の生成という処理構成が無い、すなわち、かかる中核的構成を否定する構成であるものである。
そうであるなら、特許文献1には本願の第4の発明に想到することを阻害する阻害要因があるとするのが相当である。
【0037】
<<第5の発明の効果>>
前記第1の発明と同様の作用効果を奏する。
【0038】
<<第6の発明の効果>>
前記第2の発明と同様の作用効果を奏する。
【0039】
<<第7の発明の効果>>
前記第3の発明と同様の作用効果を奏する。
【0040】
<<第8の発明の効果>>
前記第4の発明と同様の作用効果を奏する。
前記第4の発明と同様の作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】本発明の実施例1の装置の機構部分の概略構成図。
図2】本発明の実施例1のブロック図。
図3】本発明の実施例1のプロセスを示すフローチャート図。
図4】本発明の実施例1のプロセスのポイント部分をイメージ的にあらわした模式図。
図5】本発明の実施例2のブロック図。
図6】本発明の実施例2のプロセスを示すフローチャート図。
図7】本発明の実施例2のプロセスのポイント部分をイメージ的にあらわした模式図。
図8】本発明の実施例3のブロック図。
図9】本発明の実施例3のプロセスを示すフローチャート図。
図10】本発明の実施例3のプロセスのポイント部分をイメージ的にあらわした模式図。
図11】本発明の実施例4のブロック図。
図12】本発明の実施例4のプロセスを示すフローチャート図。
図13】本発明の実施例4のプロセスのポイント部分をイメージ的にあらわした模式図。
図14】従来技術のプロセスのポイント部分をイメージ的にあらわした模式図。
図15】従来技術と本願発明の実施例とを比較する、プロセスのポイント部分をイメージ的にあらわした模式図。
図16】本発明の実施例5のブロック図。
図17】本発明の実施例5のプロセスのポイント部分をイメージ的にあらわした模式図。
図18】本発明の実施例5の測定部側を正面とし該正面からテーブル側を見た正面図。
図19】本発明の実施例6の測定部側を正面とし該正面からテーブル側を見た正面図。
図20】本発明の実施例7のプロセスのポイント部分をイメージ的にあらわした模式図。
図21】本発明の実施例7の測定部側を正面とし該正面からテーブル側を見た正面図。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明を実施するための最良の形態である実施例について説明する。但し、本発明をこれら実施例のみに限定する趣旨のものではない。また、後述する実施例の説明に当って、前述した実施例の同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【実施例0043】
図1図4に示す本発明の実施例1において、測定装置1は次に述べるような構成となっている。(本実施例1は、第3、第7の発明の実施例に相当する。)
<定義>
Z軸とは、下方に位置する測定部から上方に位置する透明テーブルに向かう直線軸のことである。
X軸とは、Z軸に直角な平面上の横向き軸のことである。
Y軸とは、Z軸に直角な平面上の縦向きの軸のことであり、かつ、X軸と前記平面上で直交する軸である。
XY平面とは、Z軸に直角に直交するX軸、Y軸を含む平面のことである。
高さ距離とは、Z軸方向の距離のことである。
各座標位置(x、y)は、XY平面における各測定位置のことである。
「測定域走査」とは、測定対象物Wの全域の測定ないし指定された測定域である指定測定域の全域を測定のために走査域であり、そのために、測定部12が複数の走査域(第1走査域、第2走査域・・・第n走査域(図18参照))を走査する走査形態を含むことである。
【0044】
<測定装置1の構成>
下部側又は側部側に複数の突起部wtを有する測定対象物Wを載せる透明なテーブル2と、
テーブル2の下方に設けられた、テーブル2の上面に載せられた測定対象物Wに向けて、テーブル2の下方から照射光3を照射する光照射手段4と、
テーブル2の下方に設けられた、測定対象物Wからの照射光3の反射光をテーブル2の下方で受光する受光手段5と、
光照射手段4と受光手段5とを有する測定部12と、
テーブル2の上面の測定対象物Wの設置域の外側に設けられた反射部材36と(ここでは、セラミックス系塗料を塗布し接着されたものであるが、反射体を載せ置いたもの等でもよい。)、
制御部21と、を備え、
制御部21は、
測定部12側の基準位置ないし基準面を第1の基準面DTとし、
テーブル2の上面の第1の基準面DTからの距離(第1の基準面DTからテーブル2の上面までの距離)にもとづいて設定した基準位置ないし基準面、テーブル2の面(テーブル2の上面又は下面)に設けた反射部材36の表面の第1の基準面DTからの距離にもとづいて設定した基準位置ないし基準面、又は、テーブル2の面(テーブル2の上面又は下面)に設けた反射部材36の表面の第1の基準面DTからの距離の位置を任意のないし所定位置に移動させ設定した基準位置ないし基準面を第2の基準面DBとし、
測定対象物Wの表面の測定する領域を測定領域ktとし、
受光手段5で受光された測定対象物Wの測定対象物受光情報wGにもとづいて、測定対象物Wの表面の第1の基準面DTからの各座標位置(x、y)における距離を示す第1の表面形状データasdを生成する第1の表面形状データ生成部8と、
第1の表面形状データasdにおいて、測定領域ktそれぞれの距離情報を抽出して、各座標位置(x、y)における距離を示す第1の各領域表面形状データamdを生成する第1の各領域表面形状データ生成部9と、
第1の各領域表面形状データamdにおいて、第2の基準面DBからの測定対象物Wの表面の距離を示す第2の各領域表面形状データtmdを生成する第2の各領域表面形状データ生成部10と、
第2の各領域表面形状データtmdにおいて、測定領域ktそれぞれにおける、第2の基準面DBからの距離を示す値の代表値である第2の代表値G2を決定する第2の代表値決定部11と、
第2の代表値G2の分布が予め設定された基準を満たしているかを判定する判定部19と、を備えた構成である。
【0045】
光照射手段4は、ここではレーザ光線を照射光3としている。
受光手段5は、CMOSイメージセンサ又はCCDイメージセンサとするのがよい。
測定手法は、光切断法又は位相シフト法がよい。
但し、光照射手段、受光手段、測定手法は、上記のものに限定されるものではない。
【0046】
透明なテーブル2は石英ガラス製部材などの透過性のものであり、照射光3(ここではレーザ光線)はテーブル2を透過してしまい、受光手段5が受光(検出)できるレベルの反射光が生じないものである。よって、テーブル2の受光情報は無い。
【0047】
<第2の基準面DBの設定例1>
第2の基準面DBは、本実施例1においては、テーブル2の上面に設けた反射部材36の表面を受光手段5で撮影(受光)し、任意ないし所定の3か所ないし4か所の領域を特定し、その3か所ないし4か所の領域の代表値点(最も短い距離位置点、最も長い距離位置点又は各座標位置(x、y)における距離の平均値点を領域の中央点とする等)を決定し、該3か所ないし4か所の代表値点を結ぶ平面を第2の基準面DBとして、必要に応じて、所定の距離だけ上下移動させて、又は、オペレータの位置決め操作ないし自動位置決め操作によって上下移動させて、テーブル2の上面位置ないし該上面位置を含むテーブルの上面位置近傍に第2の基準面DBの設定を行う。
反射部材は、テーブル2の下面に設けた形態とするのもよい。
【0048】
反射部材36は測定対象物Wの載置域外に設けられている。
そもそも本発明にあっては、反射部材36の上面に測定対象物Wを載置した状態では、(1)反射部材36部分の測定対象物Wの表面部分の該反射部材36に遮られて測定ができないこと、(2)測定対処物(W)の反射部材36に乗った部分がテーブル2上面より浮き上がった位置となり測定対象物Wが基板に該当するテーブル2上面に正確に載置された形態が測定できないこと、(3)測定対象物Wの表面の全面と反射部材36の表面を同時に測定できないという、本願発明の目的を達成できないものとなってしまうものである。
【0049】
測定対象物Wの載置域は、後記実施例5,6(図16図18図19図21参照)に示すように、四角形の囲い枠形態の位置決め部61をテーブル2の上面に設け、該位置決め部61の内側域を載置域62とするのがよい。そして、反射部材36は載置域62の外域に設ける。
【0050】
第2の基準面DBの設定は上記に限定されるものではなく、以下のようなものでもよい。
(1)例えば、テーブル2の上面位置そのものを測定し第2の基準面DBとして設定したもの、
(2)例えば、テーブル2の上面に突起部wtを下向きにして載置されている測定対象物Wの、該突起部wtの内で第1の基準面DTからの距離が最も短い位置の、例えば3点を特定し該3点を結ぶ平面を第2の基準面DBとして設定したもの、例えば2点を特定して該2点を結ぶ平面を第2の基準面DBとして設定したもの、例えば1点を特定し該1点位置をテーブル2の上面又は第1の基準面DTと平行な面に広げた平面を第2の基準面DBとして設定したもの、
(3)例えば、テーブル2の上面又は下面(ここでは上面)に設けた反射部材36の表面を受光手段5で撮影(受光)し、例えば任意の3か所の領域を特定し、その3か所の領域の代表値点(最も短い距離位置点、最も長い距離位置点又は各座標位置(x、y)における距離の平均値点を領域の中央点とする等)を決定し、該3か所の代表値点を結ぶ平面を第2の基準面DBとして設定したもの、
例えば、4点以上を特定して、それらの点から最小二乗法か擬似逆行列を使って平面を求めるもの、
例えば、2点を特定して、該2点を結ぶ平面を第2の基準面DBとして設定したもの、
例えば、1点を特定して、該1点位置をテーブル2の上面又は第1の基準面DTと平行な面に広げた平面を第2の基準面DBとして設定したもの、
(4)例えば、第1の基準面DTと平行な基準面をテーブルの上面の近傍に設定して第2の基準面DBとする、などなどがある。
【0051】
<測定領域ktの特定>
(1) 測定領域ktの特定は、測定対象物輝度情報wmdで表される濃淡画像nGのXY平面画像を、ディスプレイ33に表示し、マウス等の操作により測定域を枠等で囲い指定し、該枠を測定領域ktとして特定するのがよい。
測定対象物輝度情報wmdの取得や生成、濃淡画像nGの生成、測定領域ktの特定は、それぞれが、測定対象物Wの測定走査前でも測定走査後でもよいし、第1の表面形状データasdの生成の前でも生成の後でもよい。第1の表面形状データasdにおいて、測定領域kt、測定領域ktそれぞれの、各座標位置(x、y)における距離を示す第1の各領域表面形状データamが生成されるものは、前記事項の生成時期や取得時期の如何を問わず全て本発明の技術的範囲である。
濃淡画像は、白黒濃淡画像(グレースケール画像、例えば256諧調)、白黒二値画像、カラー濃淡画像、カラー二値画像などである。
(2) また、測定対象物Wの表面のCADデータに基づいて、測定領域ktの特定をするのもよい。この場合も、前記(1)と同様に、測定領域ktの特定の時期はいつでもよく、第1の表面形状データasdにおいて、測定領域kt、測定領域ktそれぞれの、各座標位置(x、y)における距離を示す第1の各領域表面形状データamが生成されるものは、前記事項の生成時期や取得時期の如何を問わず全て本発明の技術的範囲である。
【0052】
測定領域ktの特定は、上記(2)に限定されるものではない。
例えば、測定対象物輝度情報wmdと第1の表面形状データasdを得るための測定は、それぞれ別測定走査(一緒ではない測定走査)で行われるのもよい。例えば、1回目の測定走査で、測定対象物Wの表面の輝度測定を行い、その輝度情報で表される濃淡画像のXY平面をディスプレイに表示して測定領域ktを枠で指定し(特定し)記憶する。2回目の測定走査で、測定対象物Wの高さ距離測定を行い(輝度測定は行わない)、第1の表面形状データasdの生成を行う。
例えば、測定対象物WのCADデータから測定領域ktを取得したデータを、例えば、予め記憶しておくものもよい。
1回目の測定走査が終了すると自動的に2回目の測定走査が行われる。
また、受光手段5とは異なるカメラ等で撮影した濃淡画像を使用するのもよいし、該濃淡画像において取得した測定領域ktを、例えば、予め記憶しておくのもよい。
【0053】
(3) ディスプレイ33の表示による領域ktの特定は、濃淡画像nGの前に、CADデータに基づいて特定された測定領域ktを示す囲い枠を表示し、濃淡画像nGの測定領域とする箇所とずれている箇所は、囲い枠をマウス操作、キーボード操作等によって正確な位置に移動させて測定領域ktを特定するようにするのもよい。
【0054】
<処理ステップ>
処理ステップを主に図1図3を参照して説明する。
step1<測定開始>
step2<距離情報と輝度情報の取得>
測定部12による測定域走査で取得した反射部材受光情報fGと測定対象物受光情報wGには、測定対象物Wと反射部材36の高さ距離情報、各座標位置(x、y)情報及び輝度情報が含まれ、それぞれ記憶される。
(a1)反射部材表面形状データ生成部22において、反射部材受光情報fGにもとづいて、第1の基準面DTからの各反射部材36の表面の各座標位置(x、y)における距離を示す反射部材表面形状データfsdが生成され、反射部材表面形状データ記憶部50に記憶される。
(a2)反射部材輝度情報生成部23において、反射部材受光情報fGにもとづいて、各反射部材36の輝度情報である反射部材輝度情報umd(各反射部材36の表面の各座標位置(x、y)における輝度情報)が生成され、反射部材輝度情報記憶部51に記憶される。
(b1)第1の表面形状データ生成部8において測定対象物受光情報wGにもとづいて、測定対象物Wの距離情報(第1の基準面DTからの測定対象物Wの表面の各座標位置(x、y)における距離を示す第1の表面形状データasd)が生成され、第1の表面形状データ記憶部52に記憶される。
(b2)測定対象物受光情報wGにもとづいて、測定対象物Wの輝度情報である測定対象物輝度情報wmd(測定対象物Wの表面の各座標位置(x、y)における輝度情報)は、測定対象物輝度情報記憶部53に記憶される。
反射部材36が複数ある場合について述べているが、反射部材36は、一つの囲い枠形で測定域の外周を囲う形態とするのもよい。
【0055】
step3<輝度情報及び距離情報のディスプレイへの表示>
反射部材表面形状データfsd、反射部材輝度情報umd、第1の表面形状データasd、測定対象物輝度情報wmdが取得されると、自動的にディスプレイ33(モニター)に、(1)反射部材輝度情報umdによる反射部材濃淡画像のXY平面画像と反射部材表面形状データfsdのXY平面画像との重なった形態が、測定部12側から見た形態(Z軸方向から見た平面であるXY平面で表された反射部材輝度情報umdと反射部材表面形状データfsd、図面でいうところの底面図)で表示され、(2)測定対象物輝度情報wmdによる測定対象物濃淡画像と第1の表面形状データasdとの重なった形態が、測定部12側(正面)から見た形態(Z軸方向から見たXY平面で表された測定対象物輝度情報wmdと第1の表面形状データasd、ディスプレイへの表示は図面でいうところの測定部12側(正面)から見た測定対象物側の正面図)で表示される。
【0056】
step4<領域の指定>
ディスプレイ33に表示されている反射部材輝度情報umdによる反射部材濃淡画像のXY平面画像、及び、測定対象物輝度情報wmdによる測定対象物濃淡画像のXY平面画像において、例えば、マウスポインターの操作によって、(1)反射部材濃淡画像の適宜な位置の3か所をそれぞれ囲い枠(例えば、サイズが変更自在でコピー・ペーストが可能な四角形の囲い枠)で囲う形態で反射部材領域ftを指定し、(2)測定対象物濃淡画面の突起部wtのそれぞれを囲い枠(例えば、サイズが変更自在でコピー・ペーストが可能な四角形の囲い枠)で囲う形態で測定領域ktを指定する。
【0057】
step5<領域の記憶と特定>
表示されている実行ボタン(図示せず省略)をクリックする。
反射部材領域特定部37は、指定された反射部材領域ftのデータである反射部材領域データftdを特定し記憶する。このとき、反射部材表面形状データfsdにおいて反射部材領域ftが位置した状態とされる。
測定領域特定部7は、指定された測定領域ktを特定しそのデータである測定領域データktdを測定領域記憶部72に記憶する。このとき、第1の表面形状データasdにおいて測定領域ktが位置した状態とされる。
【0058】
step6<第2基準面DBの設定>
ディスプレイ33に表示されている例えば「第2の基準面設定ボタン」をクリックして第2の基準面DBの設定を指示する。
第2の基準面の設定が指示されると、第2の基準面設定部40において、例えば3か所ないし4か所のそれぞれの反射部材領域ftの代表値点(3点ないし4点の代表値点)が決定され、3点ないし4点の代表値点を結ぶ平面からなる第2の基準面DBが生成される。必要に応じて、ディスプレイ33の画面上で第2の基準面DBの上下移動操作を行って位置を決定し設定を完了する。設定された第2の基準面DBのデータである第2の基準面データDBdは第2の基準面データ記憶部14に記憶される。
また、第2の基準面DBの設定は、走査が行われると自動的に設定されるようにしてもよい。
【0059】
step7<第1の各領域表面形状データamdの生成>
ディスプレイ33に表示されている例えば「各領域データ生成ボタン」をクリックして第1の各領域表面形状データamdの生成を指示する。
このとき既に、第1の表面形状データasdにおいて、第1の表面形状データasdに既に位置されている測定領域ktによって測定領域ktが特定されている。
生成が指示されると、第1の各領域表面形状データ生成部9において、測定領域ktそれぞれの距離情報を抽出して、各座標位置(x、y)における距離を示す第1の各領域表面形状データamdが生成され、第1の各領域表面形状データ記憶部55に記憶される。
【0060】
step8<第2の各領域表面形状データtmdの生成>
第1の各領域表面形状データamdが生成されると、自動的に、第2の各領域表面形状データ生成部10において、第1の各領域表面形状データamdにおいて、第2の基準面DBからの測定対象物Wの表面の距離を示す第2の各領域表面形状データtmdが生成され、第2の各領域表面形状データ記憶部56に記憶される。
【0061】
step9<第2の代表値G2の決定>
第2の各領域表面形状データtmdが生成されると、自動的に、第2の代表値決定部11において、第2の各領域表面形状データtmdにおいて、測定領域ktそれぞれにおける、第2の基準面DBからの距離を示す値の代表値である第2の代表値G2を決定し、そのデータである第2の代表値データG2dを第2の代表値記憶部57に記憶する。
【0062】
step10<判定>
第2の代表値データG2dが生成されると、自動的ないないし手動操作によって、判定部19において、第2の代表値G2の分布が予め設定された基準を満たしているかを判定して、そのデータである判定データjudを判定データ記憶部58に記憶する。
【0063】
step4~step9ないしstep10は自動的に処理されるようにしてもよい。
また、測定領域ktが測定対象物Wの測定以前に予め記憶されている場合は、反射部材領域ftの指定操作以外は、自動的に処理されるようにしてもよい。
また、第2の基準面DBが測定前に予め記憶されており、かつ、測定領域ktが測定以前に予め記憶されている場合は、測定開始をすると全てのstepが自動的に実行処理されるようにしてもよい。
【0064】
本実施例1では、第2の表面形状データtsdを生成する第2の表面形状データ生成部59が設けられていて、第2の表面形状データtsdは第2の表面形状データ記憶部60に記憶される。
第2の表面形状データtsdは、第1の表面形状データasdの各座標位置(x、y)における値から第2の基準面データDBdの各座標位置(x、y)における値を減算処理して生成した、各座標位置(x、y)における距離を示すデータであり、それは測定対象物のWの表面の3次元形状をあらわす3Dデータであり、ディスプレイに測定対象物Wの形状を3次元形状で表示させることができるものである。しかるに、第1の表面形状データasdも測定対象物のWの表面の3次元形状をあらわすデータであるが、それは、第1の基準面DTからの距離を示すものである。
第2の表面形状データtsdは、第2の代表値(G)を生成(特定、決定)するプロセスにおいては使用されない。
実施例3,4においても第2の表面形状データtsdの生成は行うが、図においては省略している。
【0065】
<第2の表面形状データ(tsd)の生成>
[付記A1]
測定対象物(W)を載せる透明なテーブル(2)と、
前記テーブル(2)の下方に設けられた、前記テーブル(2)の上面に載せられた前記測定対象物(W)に向けて、前記テーブル(2)の下方から照射光(3)を照射する光照射手段(4)と、
前記テーブル(2)の下方に設けられた、前記測定対象物(W)からの前記照射光(3)の反射光を前記テーブル(2)の下方で受光する受光手段(5)と、
前記光照射手段(4)と前記受光手段(5)とを有する測定部(12)と、
前記測定対象物(W)の測定領域(kt)を特定する又は予め特定しておく測定領域特定部(7)と、
前記測定領域(kt)それぞれにおいて、第1の基準面(DT)からの前記測定対象物(W)の表面の各座標位置(x、y)における距離を示す第1の各領域表面形状データ(amd)を生成する第1の各領域表面形状データ生成部(15)と、
前記測定領域(kt)それぞれにおいて、前記第1の各領域表面形状データ(amd)の値から第2の基準面(DB)のデータの値を減算して、前記第2の基準面(DB)からの前記測定対象物(W)の表面の各座標位置(x、y)における距離を示す第2の各領域表面形状データ(tmd)を生成する第2の各領域表面形状データ生成部(10)と、
前記第2の各領域表面形状データ(tmd)において、前記測定領域(kt)それぞれにおける、前記第2の基準面(DB)からの距離を示す値の代表値である第2の代表値(G2)を決定する第2の代表値決定部(17)と、
前記受光手段(5)で受光された前記測定対象物(W)の受光情報にもとづいて、前記第1の基準面(DT)からの前記測定対象物(W)の表面の各座標位置(x、y)における距離を示す第1の表面形状データ(asd)を生成する第1の表面形状データ生成部(8)と、
前記第1の表面形状データ(asd)の各座標位置(x、y)における値から前記第2の基準面(DB)の各座標位置(x、y)における値を減算して、前記第2の基準面(DB)からの前記測定対象物(W)の表面形状をあらわす第2の表面形状データ(tsd)を生成する第2の表面形状データ生成部(59)と、を備え、
前記第1の基準面(DT)は前記測定部(12)側の基準位置ないし基準面であり、
前記第2の基準面(DB)は、前記テーブル(2)の上面の前記第1の基準面(DT)からの距離にもとづいて設定した基準位置ないし基準面であり、前記テーブル(2)の面に設けた反射部材の表面の前記第1の基準面(DT)からの距離にもとづいて設定した基準位置ないし基準面であり、又は、前記テーブル(2)の面に設けた反射部材の表面の前記第1の基準面(DT)からの距離の位置を任意ないし所定の位置に移動させ設定した基準位置ないし基準面であり、
以上のごとく構成されたことを特徴とする測定装置。
[付記A2]
測定対象物(W)を載せる透明なテーブル(2)と、
前記テーブル(2)の下方に設けられた、前記テーブル(2)の上面に載せられた前記測定対象物(W)に向けて、前記テーブル(2)の下方から照射光(3)を照射する光照射手段(4)と、
前記テーブル(2)の下方に設けられた、前記測定対象物(W)からの前記照射光(3)の反射光を前記テーブル(2)の下方で受光する受光手段(5)と、
前記光照射手段(4)と前記受光手段(5)とを有する測定部(12)と、
前記測定対象物(W)の測定領域(kt)を特定する又は予め特定しておく測定領域特定部(7)と、
前記測定領域(kt)それぞれにおいて、第1の基準面(DT)からの前記測定対象物(W)の表面の各座標位置(x、y)における距離を示す第1の各領域表面形状データ(amd)を生成する第1の各領域表面形状データ生成部(15)と、
前記第1の各領域表面形状データ(amd)において、前記測定領域(kt)それぞれにおける、前記第1の基準面(DT)からの距離を示す値の代表値である第1の代表値(G1)を決定する第1の代表値決定部(30)と、
前記第1の代表値(G1)のデータの値から第2の基準面(DB)のデータの値を減算して、前記測定領域(kt)それぞれにおける、前記第2の基準面(DB)からの距離を示す値の代表値である第2の代表値(G2)を決定する第2の代表値決定部(11)と、
前記受光手段(5)で受光された前記測定対象物(W)の受光情報にもとづいて、前記第1の基準面(DT)からの前記測定対象物(W)の表面の各座標位置(x、y)における距離を示す第1の表面形状データ(asd)を生成する第1の表面形状データ生成部(8)と、
前記第1の表面形状データ(asd)の各座標位置(x、y)における値から前記第2の基準面(DB)の各座標位置(x、y)における値を減算して、前記第2の基準面(DB)からの前記測定対象物(W)の表面形状をあらわす第2の表面形状データ(tsd)を生成する「第2の表面形状データ生成部(59)と、を備え、
前記第1の基準面(DT)は前記測定部(12)側の基準位置ないし基準面であり、
前記第2の基準面(DB)は、前記テーブル(2)の上面の前記第1の基準面(DT)からの距離にもとづいて設定した基準位置ないし基準面であり、前記テーブル(2)の面に設けた反射部材の表面の前記第1の基準面(DT)からの距離にもとづいて設定した基準位置ないし基準面であり、又は、前記テーブル(2)の面に設けた反射部材の表面の前記第1の基準面(DT)からの距離の位置を任意ないし所定の位置に移動させ設定した基準位置ないし基準面であり、
以上のごとく構成されたことを特徴とする測定装置。
[付記A3]
測定対象物(W)を載せる透明なテーブル(2)と、
前記テーブル(2)の下方に設けられた、前記テーブル(2)の上面に載せられた前記測定対象物(W)に向けて、前記テーブル(2)の下方から照射光(3)を照射する光照射手段(4)と、
前記テーブル(2)の下方に設けられた、前記測定対象物(W)からの前記照射光(3)の反射光を前記テーブル(2)の下方で受光する受光手段(5)と、
前記光照射手段(4)と前記受光手段(5)とを有する測定部(12)と、
前記測定対象物(W)の測定領域(kt)を特定する又は予め特定しておく測定領域特定部(7)と、
前記受光手段(5)で受光された前記測定対象物(W)の受光情報にもとづいて、第1の基準面(DT)からの前記測定対象物(W)の表面の各座標位置(x、y)における距離を示す第1の表面形状データ(asd)を生成する第1の表面形状データ生成部(8)と、
前記第1の表面形状データ(asd)において、前記測定領域(kt)それぞれの、前記第1の基準面(DT)からの前記測定対象物(W)の表面の各座標位置(x、y)における距離を示す第1の各領域表面形状データ(amd)を生成する第1の各領域表面形状データ生成部(9)と、
前記測定領域(kt)それぞれにおいて、前記第1の各領域表面形状データ(amd)の値から第2の基準面(DB)のデータの値を減算して、前記第2の基準面(DB)からの前記測定対象物(W)の表面の各座標位置(x、y)における距離を示す第2の各領域表面形状データ(tmd)を生成する第2の各領域表面形状データ生成部(10)と、
前記第2の各領域表面形状データ(tmd)において、前記測定領域(kt)それぞれにおける、前記第2の基準面(DB)からの距離を示す値の代表値である第2の代表値(G2)を決定する第2の代表値決定部(11)と、
前記第1の表面形状データ(asd)の各座標位置(x、y)における値から前記第2の基準面(DB)の各座標位置(x、y)における値を減算して、前記第2の基準面(DB)からの前記測定対象物(W)の表面形状をあらわす第2の表面形状データ(tsd)を生成する第2の表面形状データ生成部(59)と、を備え、
前記第1の基準面(DT)は前記測定部(12)側の基準位置ないし基準面であり、
前記第2の基準面(DB)は、前記テーブル(2)の上面の前記第1の基準面(DT)からの距離にもとづいて設定した基準位置ないし基準面であり、前記テーブル(2)の面に設けた反射部材の表面の前記第1の基準面(DT)からの距離にもとづいて設定した基準位置ないし基準面であり、又は、前記テーブル(2)の面に設けた反射部材の表面の前記第1の基準面(DT)からの距離の位置を任意ないし所定の位置に移動させ設定した基準位置ないし基準面であり、
以上のごとく構成されたことを特徴とする測定装置。
[付記A4]
測定対象物(W)を載せる透明なテーブル(2)と、
前記テーブル(2)の下方に設けられた、前記テーブル(2)の上面に載せられた前記測定対象物(W)に向けて、前記テーブル(2)の下方から照射光(3)を照射する光照射手段(4)と、
前記テーブル(2)の下方に設けられた、前記測定対象物(W)からの前記照射光(3)の反射光を前記テーブル(2)の下方で受光する受光手段(5)と、
前記光照射手段(4)と前記受光手段(5)とを有する測定部(12)と、
前記測定対象物(W)の測定領域(kt)を特定する又は予め特定しておく測定領域特定部(7)と、
前記受光手段(5)で受光された前記測定対象物(W)の受光情報にもとづいて、第1の基準面(DT)からの前記測定対象物(W)の表面の各座標位置(x、y)における距離を示す第1の表面形状データ(asd)を生成する第1の表面形状データ生成部(8)と、
前記第1の表面形状データ(asd)において、前記測定領域(kt)それぞれの、前記第1の基準面(DT)からの前記測定対象物(W)の表面の各座標位置(x、y)における距離を示す第1の各領域表面形状データ(amd)を生成する第1の各領域表面形状データ生成部(9)と、
前記第1の各領域表面形状データ(amd)において、前記測定領域(kt)それぞれにおける、前記第1の基準面(DT)からの距離を示す値の代表値である第1の代表値(G1)を決定する第1の代表値決定部(30)と、
前記第1の代表値(G1)のデータの値から第2の基準面(DB)のデータの値を減算して、前記測定領域(kt)それぞれにおける、前記第2の基準面(DB)からの距離を示す値の代表値である第2の代表値(G2)を決定する第2の代表値決定部(31)と、
前記第1の表面形状データ(asd)の各座標位置(x、y)における値から第2の基準面(DB)の各座標位置(x、y)における値を減算して、前記第2の基準面(DB)からの前記測定対象物(W)の表面形状をあらわす第2の表面形状データ(tsd)を生成する第2の表面形状データ生成部(59)と、を備え、
前記第1の基準面(DT)は前記測定部(12)側の基準位置ないし基準面であり、
前記第2の基準面(DB)は、前記テーブル(2)の上面の前記第1の基準面(DT)からの距離にもとづいて設定した基準位置ないし基準面であり、前記テーブル(2)の面に設けた反射部材の表面の前記第1の基準面(DT)からの距離にもとづいて設定した基準位置ないし基準面であり、又は、前記テーブル(2)の面に設けた反射部材の表面の前記第1の基準面(DT)からの距離の位置を任意ないし所定の位置に移動させ設定した基準位置ないし基準面であり、
以上のごとく構成されたことを特徴とする測定装置。
【0066】
本発明は、企業から提供されている既成の測定部とコントローラからなる測定システムを使用することにより、当業者であれば容易に実施可能である。そお既成の測定システム例を下記に紹介する。
<位相シフト法の測定部例>
例えば、位相シフト法を測定手法とした、左右2つのプロジェクタからなる照射部とその中央に設けたカメラ(受光部・光検出部)を備えた測定部とコントローラからなる測定システム(株式会社キーエンス製「XG-8000シリーズXR-HT40MD」)が提供されている。これは、試料に対して、左右2つのプロジェクタから高速で投影される複数のストライプパターン(縞模様)を、中央のカメラ(光検出部・受光部)で撮影(受光)して、測定部側の基準位置から試料の表面までの各座標位置(x、y)の高さ距離を測定取得し、該各座標位置(x、y)の高さで表される3次元形状データと各座標位置(x、y)における輝度レベルを得ることができる。
【0067】
<光切断法の測定部例>
例えば、光切断法を測定手法とした、株式会社キーエンス製の「LJ-V7000シリーズ」の測定部とコントローラからなる測定システムがある。光切断法は、ライン状の切断面の形状(プロファイル)を取得する方法であるため、試料に対して、光切断を行う切断位置を一方向に連続的に変化させて連続的にプロファイル(ライン状の切断面の形状)を取得し、得られたプロファイルを合成することで距離画像である3次元形状データと各座標位置(x、y)における輝度レベルを取得する。照射光は405nmの青紫色レーザ光線である。
例えば、Z軸(高さ)の繰り返し精度(対象物の定点を繰り返し測定したときのばらつき)は0.2μmと0.4μmのものがある。
<共焦点方式の測定部例>
例えば、共焦点方式を測定手法とした、株式会社キーエンス製の「CL-3000シリーズLT-9000 シリーズ」」の測定部とコントローラからなる測定システムがある。これは、投光(照射)と受光が同軸になるように配置し、試料にピントが合った光のみがピンホール上で一点に集光されるように設計され、波長ごとに集光位置が異なる光を対象物に照射し、受光スペクトルから波長焦点位置を検出することで、対象物の高さ距離を測定する。この照射受光ユニットをXY方向に走査することで3次元形状データと各座標位置(x、y)における輝度レベルを得ることができる。
以上述べた測定システム例は一例であって、複数の企業から多様な測定部およびコントローラからなる測定システムが提供されている。
【0068】
そして、こうしたメーカーから提供されている既成の測定部およびコントローラのシステムにおいては、照射光ユニット側に第1の基準面DTが既に設定されている、ないし、設定されるようになっている。
【実施例0069】
図5図7に示す本発明の実施例2において、測定装置18は次に述べるような構成となっている。(本実施例2は、第4、第8の発明の実施例に相当する。)
前記実施例1とは、step1~step7、step10は同じであり(よって説明を省略する)、主に異なる点は、step8、9を以下のようにした点にある。
【0070】
step8<第1の代表値G1の決定>
第1の各領域表面形状データamdが生成されると、自動的に、第1の代表値決定部30において、第1の各領域表面形状データamdにおいて第1の基準面DTからの測定領域ktそれぞれの距離を示す値の代表値である第1の代表値G1を決定し、そのデータである第1の代表値データG1dを第1の代表値データ記憶部58に記憶する。
【0071】
step9<第2の代表値G2の決定>
第1の代表値G1が決定されると、自動的に、第2の代表値決定部31において、第1の代表値G1において、第2の基準面DBからの距離を示す値の代表値である第2の代表値G2を決定し、そのデータである第2の代表値データG2dを第2の代表値記憶部57に記憶する。
【0072】
以上のstepによるものであるので、実施例1における、第2の各領域表面形状データ生成部10は設けられず、よって第2の各領域表面形状データtmdは生成されず、よって第2の各領域表面形状データ記憶部56は設けられず、そして、実施例1に設けてはいない、第1の代表値決定部30が設けられ、よって第1の代表値データG1dが生成され、よって第1の代表値データ記憶部58が設けられ、第2の代表値決定のプロセスが異なるものとなっている。
【実施例0073】
図9図10に示す本発明の実施例3において、測定装置26は次に述べるような構成となっている。(本実施例3は、第1、第5の発明の実施例に相当する。)
【0074】
<測定装置26の構成>
下部側又は側面側に複数の突起部wtを有する測定対象物Wを載せる透明なテーブル2と、
テーブル2の下方に設けられた、テーブル2の上面に載せられた測定対象物Wに向けて、テーブル2の下方から照射光3を照射する光照射手段4と、
テーブル2の下方に設けられた、測定対象物Wからの照射光3の反射光をテーブル2の下方で受光する受光手段5と、
光照射手段4と受光手段5とを有する測定部12と、
テーブル2の上面の測定対象物Wの設置域の外側に設けられた反射部材36と(ここでは、セラミックス系塗料を塗布し接着されたものでるが、反射体を載せ置いたもの等でもよい。)、
制御部21と、を備え、
制御部21は、
測定部12側の基準位置ないし基準面を第1の基準面DTとし、
テーブル2の上面の第1の基準面DTからの距離にもとづいて設定した基準位置ないし基準面、テーブル2の面(テーブル2の上面又は下面)に設けた反射部材36の表面の第1の基準面DTからの距離にもとづいて設定した基準位置ないし基準面、又は、テーブル2の面(テーブル2の上面又は下面)に設けた反射部材36の表面の第1の基準面DTからの距離の位置を任意の位置に移動させ設定した基準位置ないし基準面を第2の基準面DBとし、
(上記構成は実施例1と同様であり、また、第2の基準面DBは、実施例1と同様であるので説明を省略する。)
測定対象物Wの表面の濃淡画像又は該測定対象物WのCADデータに基づいて、測定対象物Wの表面の測定する測定領域ktを特定する又は予め特定しておく測定領域特定部7と、
測定対象物Wの表面の測定を測定領域ktのみを測定域とした領域のみ測定とし、測定領域ktそれぞれの、XY平面における各座標位置(x、y)における(XY平面の各座標位置(x、y)における)、第1の基準面DTからの測定対象物Wの表面の距離を示す第1の各領域表面形状データamdを生成する第1の各領域表面形状データ生成部15と、
第1の各領域表面形状データamdの値から第2の基準面DBのデータの値を減算して、測定領域ktそれぞれの距離情報を抽出して、第2の基準面DBからの測定対象物Wの表面の各座標位置(x、y)における距離を示す第2の各領域表面形状データtmdを生成する第2の各領域表面形状データ生成部10と、
第2の各領域表面形状データtmdにおいて、測定領域ktそれぞれにおける、第2の基準面DBからの距離を示す値の代表値である第2の代表値G2を決定する第2の代表値決定部17と、
第2の代表値G2の分布が予め設定された基準を満たしているかを判定する判定部19と、を備えた構成である。
【0075】
測定部12は駆動手段(図示せず省略)によって、X軸方向及びY軸方向又はいずれかに駆動走行して走査を行うようになっている。
操作部12を固定として、テーブル2がX軸方向及びY軸方向又はいずれかに駆動走行して走査が行われる形態もよい。
【0076】
step1<測定領域ktの事前の記憶>
測定領域特定部7は、測定対象物Wの表面の濃淡画像又は該測定対象物WのCADデータに基づいて、測定する測定領域ktを予め特定し、そのデータである測定領域データktdを記憶する。
【0077】
step2<第2基準面DBの事前の記憶>
第2の基準面DBを予め設定し、そのデータである第2の基準面データDBdを第2の基準面データ記憶部14に記憶しておく。
【0078】
step3<測定開始>
step4<測定領域ktの領域のみ距離情報の取得>
第1の各領域表面形状データ生成部15において、測定対象物Wの表面の測定を測定領域ktのみを測定域とした領域のみ測定とし、測定領域ktそれぞれの距離情報を抽出して、第1の基準面DTからの測定対象物Wの表面の各座標位置(x、y)における距離を示す第1の各領域表面形状データamdを生成し、第1の各領域表面形状データ記憶部55に記憶される。
【0079】
step5<第2の各領域表面形状データtmdの生成>
第1の各領域表面形状データamdが生成されると、第2の各領域表面形状データ生成部10において、第1の各領域表面形状データamdの値から第2の基準面DBのデータの値を減算して、測定領域ktそれぞれの距離情報を抽出して、第2の基準面DBからの測定対象物Wの表面の各座標位置(x、y)における距離を示す第2の各領域表面形状データtmdが生成され、第2の各領域表面形状データ記憶部56に記憶される。
【0080】
step6<第2の代表値G2の決定>
第2の各領域表面形状データtmdが生成されると、自動的に、第2の代表値決定部11において、第2の各領域表面形状データtmdにおいて、測定領域ktそれぞれにおける、第2の基準面DBからの距離を示す値の代表値である第2の代表値G2を決定し、そのデータである第2の代表値データG2dを第2の代表値記憶部57に記憶する。
【0081】
step7<判定>
第2の代表値データG2dが生成されると、自動的ないないし手動操作によって、判定部19において、第2の代表値G2の分布が予め設定された基準を満たしているかを判定して、そのデータである判定データjudを判定データ記憶部58に記憶する。
【実施例0082】
図11図13に示す本発明の実施例4において、測定装置27は次に述べるような構成となっている。(本実施例4は、第2、第6の発明の実施例に相当する。)
前記実施例3とは、step1~step4、step7は同じであり(よって説明を省略する)、主に異なる点は、step5、6を以下のようにした点にある。
【0083】
step5<第1の代表値G1の決定>
step4において第1の各領域表面形状データamdが生成されると、第1の代表値決定部30において、第1の各領域表面形状データamdにおいて、第1の基準面DTからの測定領域ktそれぞれにおける距離を示す値の代表値である第1の代表値G1を決定し、そのデータである第1の代表値データG1dを第1の代表値データ記憶部58に記憶する。
【0084】
step6<第2の代表値G2の決定>
第1の代表値G1が決定されると、第2の代表値決定部11において、第1の代表値(G1)において、第2の基準面DBからの距離を示す値の代表値である第2の代表値G2を決定し、そのデータである第2の代表値データG2dを第2の代表値記憶部57に記憶する。
【実施例0085】
図16図17図18に示す本発明の実施例2において、前記実施例1と主に異なる点は、
(1)テーブル2の上面に、四角形棒部材からなる位置決め部材61a、61b、61c、61dで四角形の囲い枠形態を形成した位置決め部61を設け、測定対象物Wのセット位置を、図18において、位置決め部61の左側内壁と下側内壁に測定対象物Wの対抗する側を当てた状態でセットする左下位置(左下隅位置)とし、位置決め部61の域内を測定する測定対象物Wを載置する載置域62とし、
(2)第1の反射部材36a、第2の反射部材36bからなる反射部材36を、載置域62外に設けた形態(ここでは、位置決め部61内の域)とし、
(3)テーブル2に載置された測定対象物Wを加熱処理及び冷却処理又はいずれかの熱処理をする熱処理炉63を設け、
(4)熱処理炉63に熱処理風を供給する熱処理風供給手段64を設け、
(5)熱処理風供給手段64を熱処理風の温度を制御する熱処理風制御部65を設け、
(6)第1の表面形状データasdの各座標位置(x、y)における値から第2の基準面DBの各座標位置(x、y)における値を減算して、第2の基準面DBからの測定対象物Wの表面形状をあらわす第2の表面形状データtsdを生成する第2の表面形状データ生成部59を設け、
(7)第2の各領域表面形状データ生成部10は、濃淡画像nGをディスプレイ33に表示し、オペレータが濃淡画像を目視しながら測定対象物Wの測定しようとする部分である測定領域ktをマウスやタッチパネル等を操作して指定枠Sfで指定し、第2の表面形状データtsdにおいて、指定枠Sfで指定された測定領域ktのみの、第2の基準面DBからの測定対象物Wの表面の各座標位置(x、y)における距離を示す第2の各領域表面形状データtmdを抽出し生成する構成とし、
(7)第2の基準面設定部を第2の基準面設定部73とし、第2の基準面DBの設定(生成)を、測定対象物Wの距離情報取得のための測定走査のたびに自動的に設定することを可能とし、
(8)第1の各領域表面形状データamdの生成は行わない、第1の各領域表面形状データ生成部9は有さない、第1の各領域表面形状データ記憶部55を有さない、
(9)反射部材輝度情報生成部23、反射部材輝度情報記憶部51及び反射部材領域特定部37は設けない構成とし、反射部材輝度情報umd、反射部材領域ftの特定及び反射部材領域データftdの生成は行わない構成とした、測定装置70を形成した点にある。
【0086】
図18において、第1の反射部材36aと第2の反射部材36bは次のような配置形態としている。
第1の反射部材36aは、載置域62の一方側の外(位置決め部61内でも外でもよい)に設けられ、
第2の反射部材36bは、載置域62の他方側の外に第1の反射部材36aに向かい合う対向形態で設けられ、
反射部材36は、前記一方側及び前記他方側以外の側には設けられていない形態である。
測定部12の測定域走査は、第1の反射部材36aの一部又は全部を含む位置から第2の反射部材36bの一部又は全部を含む位置までを常に走査する走査形態である。
【0087】
位置決め部61は、照射光3が透過する透明な部材、例えば石英ガラス製部材からなっている。
テーブ2は、照射光3が透過する透明な部材、例えば石英ガラス製部材からなっている。
よって、テーブ2及び位置決め部61は照射光3が透過してしまうので、受光手段5が検出できる反射光が得られない。よって、テーブ2及び位置決め部61の測定データは無いものである。データは、反射部材36の表面のデータ、測定対象物Wの表面のデータ、塵や汚れなどノイズデータのみである。
位置決め部の形態は四角形の囲い形態に限定されず、L字形態の位置決め部、間隔を空けて配置された対向形態の位置決め部、1本棒形態の位置決め部など多様な形態がある。
【0088】
測定部12が、テーブル2の載置域62に載置された測定対象物Wと、テーブル2の上面で載置域62外に設けられた反射部材を測定域走査で同時(一緒)に測定するものであるので、測定対象物Wの距離の測定走査の度毎に反射部材36の距離の測定走査も同時(一緒)に行うことを実現し、それによって測定対象物の距離の測定走査の度毎に第2の基準面DBの設定(再設定)も自動的に行うことを可能としている。
それは、温度(熱膨張や収縮)や振動等の影響(環境変化)より微妙に変化するテーブル2の上面位置の変化に伴う反射部材36の表面の上下位置の変化を取得し、第2の基準面DBを測定対象物Wの測定時の位置に設定することが、距離の測定走査の度毎に自動的に行われるということであり、それは、環境変化による上下位置の変化の影響に対応した距離測定が測定走査時毎に行うという、正確で高精度な測定を実現するものである。
また、テーブル2の上面位置を測定するための人的作業の煩雑性が全く生じない測定形態を実現するものである。
また、測定対象物Wを加熱ないし冷却した温度状態である熱処理温度を変化させながら測定して行く測定形態において、変化する熱処理温度で変化するテーブルの上面の位置に伴う反射部材の表面の位置を測定し、第2の基準面DBを距離の測定走査時の度毎に再設定して行く測定形態を実現可能とするものである。
測定対象物Wの距離の測定時の度毎に反射部材36の測定も同時に行う、とは、測定対象物Wの距離の測定走査するときに一緒に反射部材36の距離の測定走査も測定部12によって測定されるということである。
【0089】
ディスプレイ33には、濃淡画像nGのXY平面画像と第2の表面形状データtsdのXY平面画像とが合成表示されるようになっており、濃淡画像nGのXY平面画像と第2の表面形状データtsdのXY平面画像を切り替え表示することが可能とされている。
オペレータが目視するディスプレイ33の表示において、濃淡画像nGのXY平面画像と第2の表面形状データtsdのXY平面画像がオペレータから見て前後位置の表示を切り替えて、それぞれの画像を該オペレータが目視で確認することが可能とされている。
【0090】
測定部12の測定対象物Wの距離情報の取得走査時に該測定対象物Wの輝度情報である第2の輝度情報も同時に取得する構成とし、ディスプレイ33に、第2の輝度情報にもとづく濃淡画像である第2の濃淡画像と第2の表面形状データtsdのXY平面画像が合成表示可能とされるとともに、第2の濃淡画像と第2の表面形状データ(tsd)のXY平面画像を切り替え表示することが可能とされたものもよい。
「合成表示」は、第2の濃淡画像を第1のレイヤーに配置し、第2の表面形状データ(tsd)のXY平面画像を第2のレイヤーに配置して、第1のレイヤーと第2のレイヤーを重ねる形態が一般的である。
【0091】
第2の各領域表面形状データ生成部10は、測定領域ktが指定される毎にその指定された測定領域ktの第2の各領域表面形状データtmdを生成して行く指定毎処理を行う処理形態とすること、指定された全部の測定領域ktの第2の各領域表面形状データtmdを一括して生成して行く一括処理を行う処理形態とすることが可能とされている。
【0092】
熱処理炉63の熱処理温度を変化させながら測定して行く測定形態が可能とされている。
熱処理温度を変化させながらの測定形態には、予め決められた温度における測定、所定の時間経過毎に測定する測定がある。
この熱処理温度の測定走査時において、測定のたびに反射部材36の測定も行われ第2の基準面DBが測定のたびごとに設定(生成)されるようになっている。
本実施例5では熱処理手段は、熱処理風を供給する熱処理風供給手段64を採用しているが、これに限定されない。例えば、テーブル2の上部側、下側ないし内側に設けた透明導電ヒーター、熱処理炉63の壁側に設けた加熱シーター、熱処理炉63内に設けた加熱ヒーターや冷却手段など多様なものがある。
【0093】
図16図17を参照して測定装置70の第2の代表値G2を決定する処理ステップを説明する。
step1<第2の基準面DBの設定>
第2の基準面設定部73は、反射部材36の表面の第1の基準面DTからの距離にもとづいて設定した基準位置ないし基準面であり、又は、反射部材36の表面の第1の基準面DTからの距離の位置を任意ないし所定の位置に移動させ設定した基準位置ないし基準面である第2の基準面DBを設定し、第2の基準面DBのデータである第2の基準面データDBdを第2の基準面データ記憶部14に記憶する。
【0094】
step2<第1の表面形状データasdの生成>
第1の表面形状データ生成部8は、受光手段5の測定対象物(W)の受光情報である測定対象物受光情報wGの高さ情報にもとづいて、測定部12側の基準位置ないし基準面である第1の基準面DTからの測定対象物Wの表面の各座標位置(x、y)における距離を示す第1の表面形状asのデータである第1の表面形状データasdを生成する。
【0095】
step3<第2の表面形状データtsdの生成>
第2の表面形状データ生成部59は、第1の表面形状データasdの各座標位置(x、y)における値から第2の基準面DBの各座標位置(x、y)における値を減算して、第2の基準面DBからの測定対象物Wの表面形状をあらわす第2の表面形状データtsdを生成する。
【0096】
step4<ディスプレイ33での指定枠Sfによる領域ktの特定>
濃淡画像nGをディスプレイ33に表示し、オペレータが濃淡画像nGを目視しながら測定対象物Wの測定しようとする部分である測定領域ktをマウスやタッチパネル等を操作して指定枠Sfで指定する。
【0097】
step5<第2の各領域表面形状データtmdの生成>
第2の各領域表面形状データ生成部10は、第2の表面形状データtsdにおいて特定された測定領域ktのみの、第2の基準面DBからの測定対象物Wの表面の各座標位置(x、y)における距離を示す第2の各領域表面形状データtmdを抽出し生成する。
【0098】
step6<第2の代表値G2の決定>
第2の各領域表面形状データtmdにおいて、測定領域ktそれぞれにおける第2の代表値G2を決定する。
【0099】
本実施例5の測定手法は、帯状(ライン状)のレーザ光(以下「ライン光」という。)からなる照射光3を測定対象物Wと反射部材36の表面に照射し拡散反射させ、その反射光を受光手段5(ここでは例えば、撮像素子CMOS)で受けて結像し、測定対象物Wと反射部材36の高さ・形状・位置の変化をプロファイルデータとして取得する光切断法を採用している。
【0100】
測定部12は、ライン光の幅(Y軸方向)を走査幅とし、X軸方向に走行走査(以下「走行走査距離MR」という。)として、走査幅×走行走査距離MR=走査域としている。
測定部12はY軸方向に走査幅ないし該走査幅より短い距離だけ水平移動して隣の走査域の走査を行う。
本実施例5においては、図18に示すように、走査域は第1走査域71a、第2走査域71b、第3走査域71cの三つの走査域からなっている。
走査域の指定は、手動で指定を行う方法と、測定対象物Wの位置する走査域を自動的に判別して指定する方法があり、本実施例5ではいずれの方法も可能としているが、どちらかいずれでもよい。
【0101】
走査域を自動的に判別して指定する走査は以下のようである。
測定対象物Wの測定域の全部が第1走査域71aに入る大きさでは、測定域走査は第1走査域71aのみの走査となる。
測定対象物Wの測定域が第1走査域71aから第2走査域72bにはみ出している部分がある場合は、測定域走査は第1走査域71a、第2走査域71bの走査となる。
測定対象物Wの測定域が第3走査域72cにはみ出している部分がある場合は、測定域走査は第1走査域71a、第2走査域71b、第3走査域72cの走査となる。
【0102】
第1走査域71a、第2走査域71b、第3走査域71cはそれぞれ隣の走査域と少し重なっており、重なった部分においては、一方の走査域の受光情報のみを使用し、他方の走査域の受光情報は除外する処理を行う。
【0103】
図18において、測定部12の、第1走査域71aの走査移動は第1の反射部材36a側から第2の反射部材36b側に走行移動し、第2走査域71bの走査移動は第2の反射部材36b側から第1の反射部材36a側に走行移動し、第3走査域71cの走査移動は第1の反射部材36a側から第2の反射部材36b側に走行移動するようにしている。
また、第1走査域71a、第2走査域71b、第3走査域71cのそれぞれにおいて、第1の反射部材36a側から第2の反射部材36b側に走行移動するようにするのもよい。
【0104】
第1の反射部材36aは測定部12の走行開始側に配置され、第2の反射部材36bは測定部の走行終了側に配置され、いずれも第1走査域71a、第2走査域71b、第3走査域71cにまたがって通る一本の長方形形態である。
第2の基準面DBは、第1走査域71a、第2走査域71b、第3走査域71cのそれぞれにおいて設定される平面である。
第1走査域71aの設定される第2の基準面DBを第1走査域基準面DBa、第2走査域71bの設定される第2の基準面DBを第2走査域基準面DBb、第3走査域71cの設定される第2の基準面DBを第3走査域基準面DBc(以下まとめて「各走査域基準面DBn」という。)とする。
走査域基準面DBnの設定は、各走査域の第1の反射部材36aの表面の第1の基準面DTからの距離と各走査域の第2の反射部材36bの表面の第1の基準面DTからの距離とにもとづいて設定される平面である。
【0105】
第1走査域基準面DBaは第1走査域71aの全面ないしそれを超える範囲に広げた基準面とし、第2走査域基準面DBbは第2走査域71bの全面ないしそれを超える範囲に広げた基準面とし、第3走査域基準面DBcは第3走査域71cの全面ないしそれを超える範囲に広げた基準面とすることで、測定対象物Wが各走査域基準面DBnの範囲に入るようにする。
この処理は自動的に行われる、または、手動によりオペレータがマウス等の操作で各走査域基準面DBnをディスプレイ33上で任意の幅に広げ設定する。
【0106】
走行走査距離MRは第1の反射部材36aの中程から第2の反射部材36bの中程までとなっており、よって、第1の反射部材36aの中程が測定開始位置で、第2の反射部材36bの中程が測定終了位置である。
第1走査域基準面DBaの範囲は、Y軸方向距離が第1走査域71aよりも狭い距離とされた、測定開始位置の一本のY軸線上の各座標位置(x、y)の第1の基準面DTからの距離で形成されるラインを第1ラインLn1aとし、測定終了位置の一本のY軸線上の各座標位置(x、y)の第1の基準面DTからの距離で形成されるラインを第2ラインLn2aとし、第1ラインLn1aと第2ラインLn2aの間のX軸方向距離を走行走査距離MRとした四角形の空間である。
第2走査域基準面DBbの範囲は、Y軸方向距離が第2走査域71bよりも狭い距離とされた、測定開始位置の一本のY軸線上の各座標位置(x、y)の第1の基準面DTからの距離で形成されるラインを第1ラインLn1bとし、測定終了位置の一本のY軸線上の各座標位置(x、y)の第1の基準面DTからの距離で形成されるラインを第2ラインLn2bとし、第1ラインLn1bと第2ラインLn2bの間のX軸方向距離を走行走査距離MRとした四角形の空間である。
第3走査域基準面DBcの範囲は、Y軸方向距離が第1走査域71cよりも狭い距離とされた、測定開始位置の一本のY軸線上の各座標位置(x、y)の第1の基準面DTからの距離で形成されるラインを第1ラインLn1cとし、測定終了位置の一本のY軸線上の各座標位置(x、y)の第1の基準面DTからの距離で形成されるラインを第2ラインLn2cとし、第1ラインLn1cと第2ラインLn2cの間のX軸方向距離を走行走査距離MRとした四角形の空間範囲である。
【0107】
第2の基準面DBを設定するプロセスは次のようである。
<走査域基準面DBnの設定例>
四角形の空間範囲における平面である走査域基準面DBnを求める方法は、ここでは、反射部材上の4点以上の各座標位置(x、y)点(距離位置)から平面の方程式を求める場合である、最小二乗法又は擬似逆行列を使って平面を求め、該平面をそのままの位置ないし上下に移動させた位置に位置決定して設定する。その平面は第1位の基準面DTに対して傾斜平面である場合が多い。
【0108】
走査域基準面DBの設定は、例えば、第1ラインLn1a上の各座標位置(x、y)の全ての距離位置(座標点群)と第2ラインLn2a上の各座標位置(x、y)の全ての距離位置(座標点群)に最もフィットする平面を最小二乗法、擬似逆行列又は特異値分解による方程式を使って、第1ラインLn1aと第2ラインLn2aの間の平面を求めるのもよい(本実施例5では最小二乗法による)。第1ラインLn1bと第2ラインLn2bの間の平面、第1ラインLn1cと第2ラインLn2cの間の平面も同様に求める。
【0109】
反射部材36を設けない構成とし、走査開始側の位置決め部材61aを第1の反射部材とし、走査終了側の位置決め部材61bを第2の反射部材とする。この形態において、位置決め部61全体を反射部材とするのもより。
その場合、位置決め部材の素材そのものを反射部材(例えば非透明のセラミック部材)とする、位置決め部材のテーブル上面の対向面(接触面)に反射部材を設けるなどの形態がある。
位置決め部はボルトなどによりテーブル上面に固定する形態、反射部材をかねる接着剤(セラミックス系接着剤など)によって接着固定するなどの取付け形態がある。
位置決め部61全体を反射部材とした形態では、位置決め部材61c、位置決め部材61dの内壁線位置のX軸線の外域の走査情報は除外する域ないし取得しない域である除外外域として設定しておく。除外外域には位置決め部材61a、61bの位置決め部材61c、61dの内壁線位置のX軸線上の外域も含まれる(除外される)。
【0110】
測定対象物Wが一つである場合のセット位置は位置決め部61の左隅位置としているが、複数の測定対象物Wを同時に測定可能である。例えば、4個の測定対象物Wをそれぞれ左下隅、左上隅、右上隅、右下隅にセットして、載置域62全域を走査してセットされたすべての測定対象物Wを一緒に測定することが可能とされている。
【実施例0111】
図19に示す本発明の実施例6において前記実施例5と主に異なる点は、
第1走査域71a、第2走査域71b、第3走査域71cのX軸方向の走行距離である走行走査距離MRを第1の反射部材36a、第2の反射部材36bを超えた位置まで測定走行する距離とし、
各走査域基準面DBnのY軸方向の幅を第1走査域71a、第2走査域71b、第3走査域71cの幅と同じ幅とし、
第1ラインLn1a-第1ラインLn1cの位置を第1の反射部材36a上に予め設定してあるY軸方向の任意の線上とし、
第2ラインLn2a-第2ラインLn2cの位置を第1の反射部材36a上に予め設定してあるY軸方向の任意の線上とした、点にある。
第1走査域71a、第2走査域71b、第3走査域71cはそれぞれ隣の走査域と少し重なっており、重なった部分においては、一方の走査域の受光情報のみを使用し、他方の走査域の受光情報は除外する処理を行う。
【実施例0112】
図20図21に示す本発明の実施例7において前記実施例5と主に異なる点は、
測定対象物Wの輝度情報のみを取得する測定部12の走査(以下「輝度情報のみ取得走査」という。)を行って(距離情報の取得は行わないので距離情報のデータは無い)、該輝度情報にもとづく測定対象物Wの濃淡画像nGをディスプレイ33に表示して、オペレータのマウスやタッチパネル等の操作により、測定対象物Wの測定しようとする部分である測定領域ktを指定枠Sfで指定し、指定枠Sfで特定された測定領域ktのデータである測定領域データktdを測定領域記憶部72に予め記憶しておき(step1)、
測定対象物Wの距離情報のみと反射部材36の距離情報のみを取得する測定部12による測定走査(以下「距離情報のみ取得走査」という。)を行って(輝度情報の取得は行わないので輝度情報のデータは無い)、第2の基準面DBの設定(step2)と第1の表面形状データasdの生成(step3)とを行い、
第2の表面形状データtsdの生成を行い(step4)、
第2の表面形状データtsdにおいて特定された測定対象物Wの測定する部分である測定領域kt部分のみの、第2の基準面DBからの測定対象物Wの表面の各座標位置(x、y)における距離を示す第2の各領域表面形状データtmdを抽出し生成(step5)するようにし、
以後の測定において、同じ測定対象物Wの測定においては、輝度情報のみ取得走査を行うことなく、距離情報のみ取得走査をすれば測定領域ktによる領域特定を行えることを可能とし、
測定領域特定部を測定領域特定部75とし、濃淡画像のみ取得部76を設け、
測定対象物Wの形状の良否及びセット位置(置き位置)の良否を判別する、又は、いずれか一方の良否の判別をする判別部78を設けた、測定装置74を形成した点にある。
step5以後の処理で第2の代表値G2を決定する、さらに判定部19において良否判定をする。
【0113】
輝度情報のみ取得走査においては、載置域62外の輝度情報は自動的に除外されるないし取得されないようになっており、よって、反射部材36の輝度情報は無く、反射部材36の濃淡画像情報も無い。載置域62外の輝度情報の除外は、位置決め部61の内壁位置を測定し特定してある特定内壁位置を予め記憶しておき、該特定内壁位置の外域の情報は除外するないし取得しない設定によって行われる。
【0114】
以上のstepを実現する測定装置74は次のような構成となっている。
測定対象物Wを載置する域である載置域62を上面に有する透明なテーブル2と、
テーブル2の上面で載置域62外に設けられた反射部材と、
テーブル2の下方に設けられた、テーブル上面に載せられ載置域62にセットされた測定対象物W及び反射部材に向けて、テーブル2の下方から該テーブル2を透過する照射光を照射する光照射手段4と、
テーブル2の下方に設けられた、測定対象物W及び反射部材からの反射光をテーブル2の下方で受光する受光手段5と、
光照射手段4と受光手段5とを有する、測定対象物Wと反射部材とを測定域走査で同時に測定するないし同時に測定可能とした測定部12と、
測定対象物Wの輝度情報のみを取得する測定部12の走査である輝度情報のみ取得走査を行って(距離情報の取得は行わないので距離情報のデータは無い)、輝度情報にもとづく測定対象物Wの濃淡画像nGのみを取得する濃淡画像のみ取得部76と、
ディスプレイ33に表示された濃淡画像nGにおいて、オペレータのマウスやタッチパネル等の操作で指定された指定枠Sfによって特定された測定領域ktのデータである測定領域データktdを生成し測定領域記憶部72に予め記憶させておく測定領域特定部75と、
測定部12による測定走査である距離情報のみ取得走査を行って、測定対象物Wの距離情報のみからなる対象物距離情報と反射部材の距離情報のみからなる反射部材距離情報とを取得する距離情報のみ取得部77と(輝度情報の取得は行わないので輝度情報のデータは無い)、
前記反射部材距離情報にもとづいて、反射部材の表面の第1の基準面DTからの距離にもとづいて設定した基準位置ないし基準面であり、又は、反射部材の表面の第1の基準面DTからの距離の位置を任意ないし所定の位置に移動させ設定した基準位置ないし基準面である第2の基準面DBを設定する第2の基準面設定部73と、
前記対象物距離情報にもとづいて、第1の基準面DTからの測定対象物Wの表面の各座標位置(x、y)における距離を示す第1の表面形状データasdを生成する第1の表面形状データ生成部8と、
第1の表面形状データasdの各座標位置(x、y)における値から第2の基準面DBの各座標位置(x、y)における値を減算して、第2の基準面DBからの測定対象物Wの表面形状をあらわす第2の表面形状データtsdを生成する第2の表面形状データ生成部59と、
第2の表面形状データtsdにおいて特定された測定領域ktのみの、第2の基準面DBからの測定対象物Wの表面の各座標位置(x、y)における距離を示す第2の各領域表面形状データtmdを抽出し生成する第2の各領域表面形状データ生成部10と、を備えるとともに、
第2の基準面DBの設定を、測定対象物Wの測定の度毎に自動的に設定することを可能とした構成である。
以後の測定において、同じ測定対象物Wの測定は、輝度情報のみ取得走査を行うことなく、距離情報のみ取得走査を行うことで、測定領域ktによる領域特定を行って第2の各領域表面形状データtmdを生成することを可能とし、第2の代表値G2の決定を可能としている。
【0115】
<判別部78>
濃淡画像のみ取得部76で取得された測定対象物Wの濃淡画像nGのデータは判別部78において、測定対象物Wの形状及びセット位置(置き位置)の良否判別を行い、不良との判別では、そのことをディスプレイに測定対象物エラーとして表示・警報し、以後の処理を自動的に停止する、又は、測定データがある場合は自動的に削除するようになっている。
良形状記憶部79には、測定対象物Wの良品形状(CADデータや良品の濃淡画像データ)が記憶されており、判別部78は良品形状と取得した濃淡画像nGとを対比して良否判別を行っている。
セット位置の良否判別は、測定対象物Wの2側部の何処かが位置決め部51の隅の内壁に当接している、例えば、図19においては、測定対象物Wの下側部の何処かが位置決め部材61aの内壁に当接し且つ測定対象物Wの左側部の何処かが位置決め部材61cの内壁に当接していれば判別は良とし、いずれかの側部が内壁に当接していなければ判別は不良とされる。位置決め部材61の内壁位置は予め測定して記憶されている位置データを用いる。
良否判別は、測定対象物の形状及セット位置の良否判別又はいずれか一方の良否判別でもよい。
【0116】
第2の基準面DBの設定と第1の表面形状データasdの生成においては、輝度情報が無く、よってその処理も無いので、第2の基準面DBの設定と第1の表面形状データasd時のデータ処理は距離情報のみとなるので情報処理量が少なく迅速な処理を実現する。
【0117】
測定領域記憶部72に記憶されている測定領域データktdそれぞれには、測定対象物Wを特定ないし識別する対象物識別情報が付与されている。
測定しようとする測定対象物Wの対象物識別情報の入力、対象物識別情報の指定または測定対象物Wの画像からの対象物識別情報の取得によって、対象物識別情報が測定領域記憶部72に在る場合には、step1の走査は行われず、step2からの動作及び処理が行われるようになっている。
同じ測定対象物Wの複数を入れ消しながら測定して行く場合に特に有効である。
【0118】
[付記B]
[背景技術]
[特許文献1] 特許第5385703号公報
[発明が解決しようとする課題]
特許文献1の発明は、「XY平面における各位置(x、y)における、前記テーブルの上面からの距離を示す表面形状データを生成する」(請求項1)構成を必須とし、テーブルの上面の測定方法については、段落[0044]の「検査対象物Aが置かれていない試料面12aに同じ余弦波の縞模様を投影した場合の画像を予め撮影し、試料面12aにおける各位置の位相θを示すデータを算出して、基準位相データとして記録する」、としているものである。試料面12aは、検査対象物を設置するテーブル面(段落[0023])である。
よって、引用文献1の発明は、検査対象物の測定の度毎に測定する場合には、検査対象物の設置されていないテーブル上面(試料面12a)を測定して基準位相データ(テーブル基準面HTを示すデータ)を取得し、その後で検査対象物をテーブル上面に設置して検査対象物の表面を測定する、という煩雑な作業と時間を浪費しなければならないという問題を有するものであった。
また、測定対象物を加熱ないし冷却した温度状態である熱処理温度で測定する場合では、測定対象物を熱処理する熱処理温度でのテーブルの上面位置の測定を、測定対象物の測定と同時(一緒)にはできないものであった。
また、測定対象物を加熱ないし冷却した温度状態である熱処理温度を変化させながら測定する場合では、変化する熱処理温度で変化するテーブルの上面の位置を測定することは不可能であった。
【0119】
また、テーブル上面の上下位置は、振動、湿度、温度等(以下「環境変化」という。)によるミクロンオーダーで変化が生じる。よって、それに伴って反射部材36の表面の上下位置も変化が生じる。
振動は、装置の移動による衝撃、微弱な地震の振動、他の機械等からの振動、操作者のテーブル面を清掃などの押し圧など多種多様なものがある。測定装置は常に何らかの振動の影響を常に受け続けているといっても過言ではない。
しかるに、特許文献1の発明は、予め測定対象物の載置していないテーブル上面位置を測定し記録してある基準位相データ(テーブル基準面HTを示すデータ)は、撮像部・照射部の走査の度毎に生成・設定することは不可能であるものである。
そして、テーブル上面の上下位置が変化するといことは、載置されている測定対象物の表面(測定面)の位置も変化するということであるから、基準位相データはその変化に対応できない値であるので、特許文献1の発明は、環境変化による測定対象物の上下位置の変化の分だけ不正確になる(誤差が生じる)という欠点を有するものであった。
【0120】
また、特許文献1の発明は、段落[0005]の「しかしながら、例えば、電子部品の生産ラインにおける検査のように、大量の検査対象物を連続して検査する場合等は、計測および判定にかかる時間のさらなる短縮が要求される。」との記載、段落[0075]の「・・・精密な判定を迅速に実行するができる。そのため、検査装置100を電子機器の生産ラインにおける電子部品の端子形状判定に用いることができる。」との記載、段落[0077]の「・・・本実施形態によれば、例えば、電子機器の生産ラインにおける検査に適した構造の測定器および計算処理が提供される。」との記載等から、電子部品の生産ラインのような連続して流れくる大量の検査対象物を計測および判定して行く検査装置の提供を主な目的としているとするのが相当であり、そうすると、検査装置が生産性を下げないようにむしろ生産性を上げるように、その検査スピードをより迅速なものにすることを技術的課題としているものであり、そうであるなら、検査装置の検査スピードを低下させるような構成とすることには、それを阻害する事情があるとするのが相当である。
【0121】
[付記Bの発明の目的]
付記Bの発明は、以上のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、その主な目的は、テーブル上面に測定対象物を載置した状態で、テーブル上面位置に近傍する基準面位置と、測定対象物の表面の位置とを測定域走査で同時(一緒)に測定することを可能とした測定装置を提供することにある。
また、光照射手段と受光手段を有する測定部の測定走査において、テーブル上面位置に近傍する位置(テーブル上面位置を含む)に設定される基準面(付記Bの発明における「第2の基準面」)を、測定走査の度毎に測定し設定することを可能とした測定装置を提供することにある。
【0122】
[課題を解決するための手段]
[付記B1の発明]
測定対象物(W)を載置する域である載置域(62)を上面に有する透明なテーブル(2)と、
前記テーブル(2)の上面で前記載置域(62)外に設けられた反射部材と、
前記テーブル(2)の下方に設けられた、前記載置域(62)にセットされた前記測定対象物(W)及び前記反射部材に向けて、前記テーブル(2)の下方から該テーブル(2)を透過する照射光を照射する光照射手段(4)と、
前記テーブル(2)の下方に設けられた、前記測定対象物(W)及び前記反射部材からの反射光を前記テーブル(2)の下方で受光する受光手段(5)と、
前記光照射手段(4)と前記受光手段(5)とを有する、前記測定対象物(W)と前記反射部材とを測定域走査で同時に測定ないし測定可能とした測定部(12)と、
前記受光手段(5)の前記測定対象物(W)の受光情報である測定対象物受光情報(wG)の高さ情報にもとづいて、前記測定部(12)側の基準位置ないし基準面である第1の基準面(DT)からの前記測定対象物(W)の表面の各座標位置(x、y)における距離を示す第1の表面形状(as)のデータである第1の表面形状データ(asd)を生成する第1の表面形状データ生成部(8)と、
前記受光手段(5)の前記測定対象物(W)の受光情報である測定対象物受光情報(wG)の輝度情報にもとづく前記測定対象物(W)の濃淡画像(nG)を記憶する測定対象物輝度情報記憶部(53)と、
前記反射部材の表面の前記第1の基準面(DT)からの距離にもとづいて設定した基準位置ないし基準面であり、又は、前記反射部材の表面の前記第1の基準面(DT)からの距離の位置を任意ないし所定の位置に移動させ設定した基準位置ないし基準面である第2の基準面(DB)を設定する第2の基準面設定部と、
前記第1の表面形状データ(asd)の各座標位置(x、y)における値から前記第2の基準面(DB)の各座標位置(x、y)における値を減算して、前記第2の基準面(DB)からの前記測定対象物(W)の表面形状をあらわす第2の表面形状データ(tsd)を生成する第2の表面形状データ生成部(59)と、
前記第2の表面形状データ(tsd)において特定された前記測定対象物(W)の測定する部分である測定領域(kt)のみの、前記第2の基準面(DB)からの前記測定対象物(W)の表面の各座標位置(x、y)における距離を示す第2の各領域表面形状データ(tmd)を抽出し生成する第2の各領域表面形状データ生成部(10)と、を備えるとともに、
前記第2の基準面(DB)の設定は、前記測定対象物(W)の測定の度毎に自動的に設定することを特徴とする測定装置。
【0123】
<作用効果>
測定部(12)が、テーブル(2)の載置域(62)に載置された測定対象物(W)と、テーブル(2)の上面で前記載置域(62)外に設けられた反射部材を測定域走査で同時(一緒)に測定するものであるので、測定対象物の測定の度毎に反射部材の測定も同時(一緒)に行うことを実現し、それによって測定対象物の測定の度毎に第2の基準面(DB)の設定を自動的に行うことを可能にするという格別で顕著な作用効果を奏する。
それは、環境変化の影響を受けてミクロンオーダーで頻繁に変化するテーブル(2)の上面位置による反射部材の表面の変化した位置による第2の基準面(DB)を、常に測定対象物(W)の測定走査時の位置に設定することが自動的に行うということであり、それは、環境変化の影響によるミクロンオーダーの誤差が生じない正確で高精度な測定を実現するものである。
また、テーブルの上面を測定するための人的作業の煩雑性が全く生じない測定走査を実現するものである。
また、測定対象物を加熱ないし冷却した温度状態である熱処理温度を変化させながら測定して行く測定形態において、変化する熱処理温度を含む環境変化の影響で変化するテーブル上面位置に伴って変化する反射部材の表面の位置に対応した第2の基準面(DB)の位置を再設定して行く測定形態を実現する。
【0124】
[付記B2の発明]
測定対象物(W)を載置する域である載置域(62)を上面に有する透明なテーブル(2)と、
前記テーブル(2)の上面で前記載置域(62)外に設けられた反射部材と、
前記テーブル(2)の下方に設けられた、前記載置域(62)にセットされた前記測定対象物(W)及び前記反射部材に向けて、前記テーブル(2)の下方から該テーブル(2)を透過する照射光を照射する光照射手段(4)と、
前記テーブル(2)の下方に設けられた、前記測定対象物(W)及び前記反射部材からの反射光を前記テーブル(2)の下方で受光する受光手段(5)と、
前記光照射手段(4)と前記受光手段(5)とを有する、前記測定対象物(W)と前記反射部材とを測定域走査で同時に測定ないし測定可能とした測定部(12)と、
前記測定部(12)側の基準位置ないし基準面である第1の基準面(DT)と、
前記測定対象物(W)の輝度情報のみを取得する前記測定部(12)の走査である輝度情報のみ取得走査を行って、前記輝度情報にもとづく前記測定対象物(W)の濃淡画像(nG)のみを取得する濃淡画像のみ取得部(76)と、
ディスプレイに表示された前記濃淡画像(nG)において、オペレータによって指定された指定枠(Sf)によって特定された測定領域(kt)のデータである測定領域データ(ktd)を生成し測定領域記憶部(72)に予め記憶させておく測定領域特定部(75)と、
前記測定部(12)による測定走査である距離情報のみ取得走査を行って、前記測定対象物(W)の前記第1の基準面(DT)からの距離情報のみからなる対象物距離情報と前記反射部材の前記第1の基準面(DT)からの距離情報のみからなる反射部材距離情報とを取得する距離情報のみ取得部(77)と、
前記反射部材距離情報にもとづいて、前記反射部材の表面の前記第1の基準面(DT)からの距離にもとづいて設定した基準位置ないし基準面であり、又は、前記反射部材の表面の前記第1の基準面(DT)からの距離の位置を任意ないし所定の位置に移動させ設定した基準位置ないし基準面である第2の基準面(DB)を設定する第2の基準面設定部(73)と、
前記対象物距離情報にもとづいて、前記第1の基準面(DT)からの前記測定対象物(W)の表面の各座標位置(x、y)における距離を示す第1の表面形状データ(asd)を生成する第1の表面形状データ生成部(8)と、
前記第1の表面形状データ(asd)の各座標位置(x、y)における値から前記第2の基準面(DB)の各座標位置(x、y)における値を減算して、前記第2の基準面(DB)からの前記測定対象物(W)の表面形状をあらわす第2の表面形状データ(tsd)を生成する第2の表面形状データ生成部(59)と、
前記第2の表面形状データ(tsd)において特定された前記測定対象物(W)の測定する部分である測定領域(kt)のみの、前記第2の基準面(DB)からの前記測定対象物(W)の表面の各座標位置(x、y)における距離を示す第2の各領域表面形状データ(tmd)を抽出し生成する第2の各領域表面形状データ生成部(10)と、を備えるとともに、
前記第2の基準面(DB)の設定を、前記測定対象物(W)の測定の度毎に自動的に設定することを可能としたことを特徴とする測定装置。
【0125】
<作用効果>
戦記付記B1の発明と同様な作用効果を奏するとともに、予め、測定対象物(W)の濃淡画像(nG)のみを取得して、該濃淡画像(nG)において測定対象物(W)の測定しようとする領域である測定領域(kt)のデータである測定領域データ(ktd)を予め記憶しておき、同じ測手対象物(W)の測定においては、測定領域を特定する走査及び処理は行わずに、予め記憶してある測定領域データ(ktd)によって行うものであるので、同じ測手対象物(W)の測定においては、距離情報の取得のみの走査測定でよいので迅速な処理を実現する。
【0126】
[付記B3の発明]
前記ディスプレイに、前記濃淡画像(nG)と前記第2の表面形状データ(tsd)のXY平面画像とが合成表示可能とされるとともに、前記濃淡画像(nG)と前記第2の表面形状データ(tsd)のXY平面画像を切り替え表示することが可能とされた、又は、前記測定部(12)の前記測定対象物(W)の距離情報の取得走査時に該測定対象物(W)の輝度情報である第2の輝度情報も同時に取得する構成とし、前記ディスプレイに、前記第2の輝度情報にもとづく濃淡画像である第2の濃淡画像と前記第2の表面形状データ(tsd)のXY平面画像が合成表示可能とされるとともに、前記第2の濃淡画像と前記第2の表面形状データ(tsd)のXY平面画像を切り替え表示することが可能とされたことを特徴とする付記B1又は付記2の発明に記載の測定装置。
【0127】
<作用効果>
付記B1又は付記2の発明と同様な作用効果を奏するとともに、オペレータが目視するディスプレイの表示において、濃淡画像(nG)と前記第2の表面形状データ(tsd)のXY平面画像のディスプレイへの前後位置(オペレータから見て前後位置)の表示を切り替えて該オペレータが目視で確認することが可能とできる。
【0128】
[付記B4の発明]
前記テーブル(2)に載置された前記測定対象物(W)を加熱処理ないし冷却処理である熱処理をする熱処理炉が設けられ、
前記熱処理炉の熱処理温度を変化させながら測定して行く測定形態において、変化する熱処理温度においける変化する前記反射部材の表面の位置を測定し、前記熱処理温度における前記第2の基準面(DB)を設定して行くことを可能としたことを特徴とする付記B1、付記B2又は付記B3の発明に記載の測定装置。
【0129】
<作用効果>
付記B1、付記B2又は付記B3の発明と同様な作用効果を奏するとともに、熱処理炉の熱処理温度の変化による測定対象物(W)の距離の変化の測定と、距離が変化した第2の基準面(DB)の設定を行うことを可能とする。
これによって、「第2の表面形状データ(tsd)及び第2の各領域表面形状データ(tmd)又はいずれかは、測定時の熱処理温度における第2の基準面(DB)の位置からの距離で示されるという作用効果を奏する。
【0130】
[付記B5の発明]
前記反射部材は、第1の反射部材と第2の反射部材とからなっていて、
前記第1の反射部材は、前記載置域(62)の一方側の外に設けられ、
前記第2の反射部材は、前記載置域(62)の他方側の外に前記第1の反射部材に向かい合う対向形態で設けられ、
前記反射部材は、前記一方側及び前記他方側以外の側には設けられていない形態であり、
前記測定部(12)の前記測定域走査は、前記第1の反射部材の一部又は全部を含む位置から前記第2の反射部材の一部又は全部を含む位置までを常に走査する走査形態であり、
以上のように構成されたことを特徴とする付記B1~付記B3又は付記B4の発明に記載の測定装置。
【0131】
<作用効果>
付記B1~付記B3又は付記B4の発明と同様な作用効果を奏するとともに、第2の基準面(DB)の設定は、常に第1の反射部材から第2の反射部材までの距離を走査して行うものであるので、第2の基準面(DB)の設定域を常に同じにできるという作用効果を奏する。
【0132】
[付記B6の発明]
前記第2の基準面DBは、前記反射部材の表面の予め決められた4点以上の各座標位置(x、y)から平面の方程式を求める場合である、最小二乗法、擬似逆行列又は特異値分解を使って求めた平面であることを特徴とする付記B1~付記B4又は付記B5の発明に記載の測定装置。
【0133】
<作用効果>
付記B1~付記B4又は付記B5の発明と同様な効果を奏するとともに、予め決められた4点以上の各座標位置(x、y)にもとづく第2の基準面DBが常に設定できるという作用効果を奏する。
【0134】
[付記B7の発明]
測定対象物(W)を載置する域である載置域(62)を上面に有する透明なテーブル(2)と、
前記テーブル(2)の上面で前記載置域(62)外に設けられた反射部材と、
前記テーブル(2)の下方に設けられた、前記載置域(62)にセットされた前記測定対象物(W)及び前記反射部材に向けて、前記テーブル(2)の下方から該テーブル(2)を透過する照射光を照射する光照射手段(4)と、
前記テーブル(2)の下方に設けられた、前記測定対象物(W)及び前記反射部材からの反射光を前記テーブル(2)の下方で受光する受光手段(5)と、
前記光照射手段(4)と前記受光手段(5)とを有する測定部(12)と、
前記測定部(12)側の基準位置ないし基準面である第1の基準面(DT)、前記反射部材の表面の前記第1の基準面(DT)からの距離にもとづいて設定した基準位置ないし基準面であり、又は、前記反射部材の表面の前記第1の基準面(DT)からの距離の位置を任意ないし所定の位置に移動させ設定した基準位置ないし基準面である第2の基準面(DB)を設定する第2の基準面設定部と、を備えた測定装置において、
前記反射部材は、第1の反射部材と第2の反射部材とからなっていて、
前記第1の反射部材は、前記載置域(62)の一方側の外に設けられ、
前記第2の反射部材は、前記載置域(62)の他方側の外に前記第1の反射部材に向かい合う対向形態で設けられ、
前記反射部材は、前記一方側及び前記他方側以外の側には設けられていない形態であり、
前記測定部(12)の前記測定域走査は、前記第1の反射部材の一部又は全部を含む位置から前記第2の反射部材の一部又は全部を含む位置までを常に走査する走査形態であり、
以上のように構成されたことを特徴とする測定装置。
【0135】
<作用効果>
第2の基準面(DB)の設定は、常に第1の反射部材から第2の反射部材までの距離を走査して行うものであるので、第2の基準面(DB)の設定域を常に同じにできるという作用効果を奏する。
【0136】
[付記B8の発明]
測定対象物(W)を載置する域である載置域(62)を上面に有する透明なテーブル(2)と、
前記テーブル(2)の上面で前記載置域(62)外に設けられた反射部材と、
前記テーブル(2)の下方に設けられた、前記載置域(62)にセットされた前記測定対象物(W)及び前記反射部材に向けて、前記テーブル(2)の下方から該テーブル(2)を透過する照射光を照射する光照射手段(4)と、
前記テーブル(2)の下方に設けられた、前記測定対象物(W)及び前記反射部材からの反射光を前記テーブル(2)の下方で受光する受光手段(5)と、
前記光照射手段(4)と前記受光手段(5)とを有する、前記測定対象物(W)と前記反射部材とを測定域走査で同時に測定ないし測定可能とした測定部(12)と、
前記測定部(12)側の基準位置ないし基準面である第1の基準面(DT)と、
前記測定対象物(W)の輝度情報のみを取得する前記測定部(12)の走査である輝度情報のみ取得走査を行って、前記輝度情報にもとづく前記測定対象物(W)の濃淡画像(nG)のみを取得する濃淡画像のみ取得部(76)と、
ディスプレイに表示された前記濃淡画像(nG)において、オペレータによって指定された指定枠(Sf)によって特定された測定領域(kt)のデータである測定領域データ(ktd)を生成し測定領域記憶部(72)に予め記憶させておく測定領域特定部(75)と、
前記測定部(12)による測定走査である距離情報のみ取得走査を行って、前記測定対象物(W)の距離情報のみからなる対象物距離情報と前記反射部材の距離情報のみからなる反射部材距離情報とを取得する距離情報のみ取得部(77)と、
前記反射部材距離情報にもとづいて、前記反射部材の表面の前記第1の基準面(DT)からの距離にもとづいて設定した基準位置ないし基準面であり、又は、前記反射部材の表面の前記第1の基準面(DT)からの距離の位置を任意ないし所定の位置に移動させ設定した基準位置ないし基準面である第2の基準面(DB)を設定する第2の基準面設定部(73)と、
前記対象物距離情報にもとづいて、前記第1の基準面(DT)からの前記測定対象物(W)の表面の各座標位置(x、y)における距離を示す第1の表面形状データ(asd)を生成する第1の表面形状データ生成部(8)と、
前記第1の表面形状データ(asd)の各座標位置(x、y)における値から前記第2の基準面(DB)の各座標位置(x、y)における値を減算して、前記第2の基準面(DB)からの前記測定対象物(W)の表面形状をあらわす第2の表面形状データ(tsd)を生成する第2の表面形状データ生成部(59)と、
前記第2の表面形状データ(tsd)において特定された前記測定対象物(W)の測定する部分である測定領域(kt)のみの、前記第2の基準面(DB)からの前記測定対象物(W)の表面の各座標位置(x、y)における距離を示す第2の各領域表面形状データ(tmd)を抽出し生成する第2の各領域表面形状データ生成部(10)と、を備えたことを特徴とする測定装置。
【0137】
<作用効果>
テーブル上面に測定対象物(W)を載せて、測定対象物(W)の濃淡画像のみを取得する走査(1回目の走査)を行って濃淡画像(nG)を取得し、続いて、テーブル上面に測定対象物(W)を載せたまま、測定対象物(W)及び反射部材の距離情報のみを取得する走査(2回目の走査)を行うものであるので、測定対象物(W)の形状・形態が良であるのか不良であるのか、セット位置(置き位置)が良であるのか不良であるのかの判定ないし判別を、1回目の走査により取得した濃淡画像(nG)のみによって可能とし、不良の場合は、指定枠(Sf)の指定操作の不要とし、以後の第2の各領域表面形状データ(tmd)の抽出等の処理動作を行わず、測定対象物(W)の入れ替えや位置修正を行うことを可能にするとい作用効果を奏する。
特に、1回の走査で、測定対象物(W)の距離情報及び輝度情報と反射部材の距離情報及び輝度情報を取得するものでは、これらの情報の全てを直ちに処理することになりその情報処理量が膨大になるのであるが、本付記B8の発明は、1回目の走査による濃淡画像(nG)が不良との判別がされた場合、かかる膨大な情報処理を行うことが回避できるという作用効果を奏する。
【0138】
また、予め、測定対象物(W)の濃淡画像(nG)のみを取得して、該濃淡画像(nG)において測定対象物(W)の測定しようとする領域である測定領域(kt)のデータである測定領域データ(ktd)を予め記憶しておき、同じ測手対象物(W)の測定においては、測定領域を特定する走査及び処理は行わずに、予め記憶してある測定領域データ(ktd)によって行うものであるので、同じ測手対象物(W)の測定においては、距離情報の取得のみの走査測定でよいので迅速な処理を実現する。
【0139】
[付記B9の発明]
前記濃淡画像のみ取得部(76)で取得された前記測定対象物(W)の前記濃淡画像(nG)について、前記測定対象物(W)の形状及びセット位置又はいずれかが、良であるか不良であるかの良否判別を自動的に行う判別部(78)を設け、
前記判別部(78)が不良の判別である場合は、前記指定枠Sfの指定操作を不要とし、以後の処理を自動的に停止可能とし、又は、測定データがある場合いは自動的に削除するとこを特徴とする付記B8の発明に記載の測定装置。
【0140】
<作用効果>
付記B8の発明と同様な効果を奏するとともに、不良の場合は、以後の処理動作を自動的に停止させる、又は測定データを自動的に削除するという作用効果を奏する。
【0141】
[付記B10の発明]
前記測定対象物(W)を連続して前記テーブル(2)にセットして検査して行く生産ラインないし検査ラインに設ける測定装置を除くものであり、
前記測定対象物(W)を1つ又は複数を前記テーブル(2)に、人手によってセットして、前記複数の場合は前記測定対象物(W)を一緒に測定する形態であることを特徴とする付記B8又は付記B9の発明に記載の測定装置。
【0142】
前述したように、特許文献1の発明は、段落[0005]、段落[0075]、段落[0077]等の記載から、電子部品の生産ラインのような連続して流れくる大量の検査対象物を計測および判定して行く検査装置の提供を主な目的としているとするのが相当であり、検査装置の生産性が下がるような構成とすることには消極的ないし否定的であるものであり、そうであるなら、検査装置の検査スピードを低下させるような構成とすることには、それを阻害する事情があるとするのが相当である。
そうすると、付記B10の発明は従来技術にもとづいては容易には想到できないとするのが相当である。
【産業上の利用可能性】
【0143】
本発明は、主に電子部品等の、平坦度の測定ないし環境変化による挙動の測定を必要とする産業で利用される。
【符号の説明】
【0144】
wt:突起部、
W:測定対象物、
wG:測定対象物受光情報、
asd:第1の表面形状データ、
wmd:測定対象物輝度情報、
Sf:指定枠、
kt:測定領域、
ktd:測定領域データ、
amd:第1の各領域表面形状データ、
tmd:第2の各領域表面形状データ、
G2:第2の代表値、
G2d:第2の代表値データ,
G1:第1の代表値、
G1d:第1の代表値データ、
DB:第2の基準面、
DBa:第1走査域基準面、
DBb:第2走査域基準面、
DBc:第3走査域基準面、
DBn:走査域基準面、
DBd:第2の基準面データ、
nG:濃淡画像、
DT:第1の基準面、
fG:反射部材受光情報、
fsd:反射部材表面形状データ、
umd:反射部材輝度情報、
ft:反射部材領域、
ftd:反射部材領域データ、
jud:判定データ、
tsd:第2の表面形状データ、
MR:走行走査距離、
Ln1:第1ライン、
Ln2:第2ライン、
HT:テーブル基準面、

1:測定装置、
2:テーブル、
3:照射光、
4:光照射手段、
5:受光手段、
7:測定領域特定部、
8:第1の表面形状データ生成部、
9:第1の各領域表面形状データ生成部、
10:第2の各領域表面形状データ生成部、
11:第2の代表値決定部、
12:測定部、
14:第2の基準面データ記憶部、
15:第1の各領域表面形状データ生成部、
17:第2の代表値決定部、
18:測定装置、
19:判定部、
21:制御部、
22:反射部材表面形状データ生成部、
23:反射部材輝度情報生成部、
26:測定装置、
27:測定装置、
30:第1の代表値決定部、
31:第2の代表値決定部、
33:ディスプレイ、
36:反射部材、
36a:第1の反射部材、
36b:第2の反射部材、
37:反射部材領域特定部、
40:第2の基準面設定部、
41:第2の代表値決定部、
42:各領域表面形状データ生成部、
43:テーブル上面各領域表面形状データ生成部。
50:反射部材表面形状データ記憶部、
51:反射部材輝度情報記憶部、
52:第1の表面形状データ記憶部、
53:測定対象物輝度情報記憶部、
55:第1の各領域表面形状データ記憶部、
56:第2の各領域表面形状データ記憶部、
57:第2の代表値記憶部、
58:第1の代表値データ記憶部、
59:第2の表面形状データ生成部、
60:第2の表面形状データ記憶部、
61:位置決め部、
61a:位置決め部材、
61b:位置決め部材、
61c:位置決め部材、
61d:位置決め部材、
62:載置域、
63:熱処理炉、
64:熱処理風供給手段、
65:熱処理風制御部、
70:測手装置、
71a:第1走査域、
71b:第2走査域、
71c:第3走査域、
72:測定領域記憶部、
73:第2の基準面設定部、
74:測定装置、
75:測定領域特定部、
76:濃淡画像のみ取得部、
77:距離情報のみ取得部、
78:判別部、
79:良形状記憶部。
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
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図10
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