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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022092020
(43)【公開日】2022-06-21
(54)【発明の名称】送信装置、及び、受信装置
(51)【国際特許分類】
   H04J 99/00 20090101AFI20220614BHJP
   H04L 27/26 20060101ALI20220614BHJP
【FI】
H04J99/00 100
H04L27/26 113
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022065452
(22)【出願日】2022-04-12
(62)【分割の表示】P 2019520378の分割
【原出願日】2017-10-17
(31)【優先権主張番号】16195317.9
(32)【優先日】2016-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】17164111.1
(32)【優先日】2017-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】ペテル クレネル
(57)【要約】
【課題】デジタルデータを送受信するための改善された送信装置及び受信装置を提供する。
【解決手段】第一データ列と第二データ列とをOFDMによって送信する送信装置であって、第一データ列と第二データ列とを取得し、取得した第一データ列と第二データ列とを結合し、OFDMの複数のサブキャリアに割り当てる割当器(100)と、複数のサブキャリアからOFDM信号を生成する生成器(80)とを備え、割当器(100)は、複数のサブキャリアのうちの複数の第一サブキャリアに、第一データ列に含まれるデータと第二データ列に含まれるデータとを割り当て、複数のサブキャリアのうちの複数の第一サブキャリアと異なる複数の第二サブキャリアに、第一データ列に含まれるデータと第二データ列に含まれるデータとのうち第二データ列に含まれるデータを割当てる。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データをOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)によって送信する送信装置であって、
前記データをOFDMの複数のサブキャリアに割り当てる割当器と、
前記複数のサブキャリアからOFDM信号を生成する生成器とを備え、
前記割当器は、
前記複数のサブキャリアのうちの周波数軸上において所定の整数個おきのサブキャリアである複数の第一サブキャリアと、前記複数の第一サブキャリアと異なる複数の第二サブキャリアとに、低電力信号として、前記割り当てをし、
複数の第一サブキャリアに高電力信号として、前記割り当てをし、
前記低電力信号の電力に対する前記高電力信号の電力の比率は、前記所定の整数が大きいほど大きい
送信装置。
【請求項2】
前記データは、第一データ列と第二データ列とを含み、
前記割当器は、
前記複数の第一サブキャリアに、前記第一データ列に含まれるデータと前記第二データ列に含まれるデータとを割り当て、
前記複数の第二サブキャリアに、前記第一データ列に含まれるデータと前記第二データ列に含まれるデータとのうち前記第二データ列に含まれるデータを割り当てる
請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
前記比率は、前記所定の整数の平方根である
請求項1または2に記載の送信装置。
【請求項4】
データをOFDMによって受信する受信装置であって、
OFDM信号を受信する受信器と、
前記受信器が受信した前記OFDM信号から前記データを読み出す読出器とを備え、
前記読出器は、
OFDMの複数のサブキャリアのうちの周波数軸上において所定の整数個おきのサブキャリアである複数の第一サブキャリアと、前記複数の第一サブキャリアと異なる複数の第二サブキャリアとから、低電力信号として、前記読み出しをし、
複数の第一サブキャリアから高電力信号として、前記読み出しをし、
前記低電力信号の電力に対する前記高電力信号の電力の比率は、前記所定の整数が大きいほど大きい
受信装置。
【請求項5】
前記データは、第一データ列と第二データ列とを含み、
前記読出器は、
前記複数の第一サブキャリアから、前記第一データ列に含まれるデータと前記第二データ列に含まれるデータとを読み出し、
前記複数の第二サブキャリアから、前記第一データ列に含まれるデータと前記第二データ列に含まれるデータとのうち前記第二データ列に含まれるデータを読み出す
請求項4に記載の受信装置。
【請求項6】
前記比率は、前記所定の整数の平方根である
請求項4または5に記載の受信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信装置、及び、受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多重信号を合成信号に多重化することは、データ通信における単一の媒体を共有するための一般的な方法である。伝統的に、異なるサービスを運ぶデータは、時間又は周波数で多重化されている。これらの方法は、時分割多重(TDM)及び周波数分割多重(FDM)と呼ばれる。TDM及びFDMの実際の応用には、それぞれが独自の変調及び時間インタリーバを特徴とする複数のいわゆるPLP(物理層パイプ)が専用のタイムスロット内で特定の周波数帯域を共有しているDVB-T2と、データが周波数領域で厳密に分離されている帯域セグメントで運ばれるので、個々のセグメントの省電力部分受信が可能な日本の有名なワンセグシステムのISDB-T規格とがある。
【0003】
FDM及びTDMが媒体を共有するための最も効率的な方法ではないことは、長い間知られてきた。これらの利点は、むしろ実装の容易さにある。例えば、非特許文献1から、異なるサービスを重ね合わせると、TDM又はFDMのいずれよりも容量が増大することが知られている。ごく最近になって、この形式の多重化は、階層分割多重(LDM)と呼ばれる現在の標準、つまりATSC3.0へと発展した(非特許文献2参照)。
【0004】
直感的には、時間領域又は周波数領域のいずれにおいても一時停止することなく、2つ以上のサービスを同時に送信することによって、容量におけるTDM/FDMに対するLDMの優位性が得られる。しかしながら、実際には、LDMは受信器のより一層の複雑さならびに送信システム設計における制約を伴う。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】P.P.Bergmans及びT.M.Coverによる「連係放送」、IEEE Trans.Inf.Theory、20巻、3号、317~324ページ、1974年5月
【非特許文献2】S.I.Parkらによる「ATSC3.0のための低複雑性階層分割」、IEEE放送におけるトランザクション、62巻、1号、233~243ページ、2016年3月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
LDMの従来の実施には改善の余地がある。したがって、本発明の目的は、デジタルデータを送受信するための改善された方法、ならびに対応する送信装置及び受信装置等を提供することである。
【0007】
これは、独立請求項に記載の特徴によって達成される。
【0008】
階層分割多重の文脈では、拡張層との重ね合わせの前にコア層をアップサンプリングすることが本発明の特定の手法である。この手法であれば、たとえ長いOFDMシンボルが使用されていても、コア層の時変チャネルに対する脆弱性は減少する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る送信装置は、データをOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)によって送信する送信装置であって、前記データをOFDMの複数のサブキャリアに割り当てる割当器と、前記複数のサブキャリアからOFDM信号を生成する生成器とを備え、前記割当器は、前記複数のサブキャリアのうちの周波数軸上において所定の整数個おきのサブキャリアである複数の第一サブキャリアと、前記複数の第一サブキャリアと異なる複数の第二サブキャリアとに、低電力信号として、前記割り当てをし、複数の第一サブキャリアに高電力信号として、前記割り当てをし、前記低電力信号の電力に対する前記高電力信号の電力の比率は、前記所定の整数が大きいほど大きい送信装置である。
【0010】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、デジタルデータを送受信するための改善された方法、ならびに対応する送信装置及び受信装置等を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】ATSC3.0に係る、2層LDMのためのコンステレーション重ね合わせのための従来技術を示すブロック図である。
図2A】静的チャネルを介して受信した厳密に直交のサブキャリアを示すスペクトル図である。
図2B】急速時変チャネルを介して受信したサブキャリア間のキャリア間干渉を示すスペクトル図である。
図3】1つおきのサブキャリアのみが変調される状況における低減されたキャリア間干渉を示すスペクトル図である。
図4A】LDM及びOFDMが静的チャネル上で使用される状況におけるサブキャリアを示すスペクトル図である。
図4B】LDM及びOFDMが急速時変チャネル上で使用される状況におけるサブキャリアを示すスペクトル図である。
図5】実施の形態1に係る、2層LDMのためのコンステレーション重ね合わせの技術を示すブロック図である。
図6A】実施の形態1に係る、LDM合成信号を有する送信されたOFDMシンボルを示すスペクトル図である。
図6B】実施の形態1に係る、急速時変チャネルを介して受信したLDM合成信号を有するOFDMシンボルを示すスペクトル図である。
図7】実施の形態1に係る、2つのLDM層のための送信器の概略ブロック図である。
図8A】実施の形態1に係る、上位層の受信器の概略ブロック図である。
図8B】実施の形態1に係る、下位層のSIC受信器の概略ブロック図である。
図9】実施の形態2に係る、2層LDMのためのコンステレーション重ね合わせ及びインタリーブの技術を示すブロック図である。
図10A】実施の形態2に係る、LDM合成信号を有する送信されたOFDMシンボルを示すスペクトル図である。
図10B】実施の形態2に係る、急速時変チャネルを介して受信したLDM合成信号を有するOFDMシンボルを示すスペクトル図である。
図11A】M=3の上位層アップサンプリングでLDM合成器によって出力されたLDM合成セルのシーケンスの概略図である。
図11B図11Aのセルシーケンスで動作するインタリーブ段の概略図である。
図12A】単一のLDMグループからの1つのコアPLP及び1つの拡張PLPの概略図である。
図12B】第一LDMグループ0内の1つのコアPLP及び1つの拡張PLP、ならびに第二LDMグループ1内の単一のPLPの概略図である。
図12C】3つのLDMグループを生成する、コア層上の3つのPLP及び拡張層上の単一のPLPの概略図である。
図12D】単一のLDMグループを生成する、コア層上の単一のPLP及び拡張層上の3つのPLPの概略図である。
図12E】2つのLDMグループを生成する、コア及び拡張層上の2つのPLPの概略図であり、第四PLP(plp_id_3)は、2つのLDMグループによって共有されている。
図13A】上位層の時間インタリーバのレイアウトの概略図である。
図13B】下位層及び下位層上の単一のPLPのための時間インタリーバのレイアウトの概略図である。
図14A】下位層時間インタリーバを通過する2つの拡張PLPのうちの一の概略図である。
図14B】下位層時間インタリーバを通過する2つの拡張PLPのうちの他の概略図である。
図14C】下位層時間インタリーバの概略図である。
図15】N個のデータセルの塊の中の周波数インタリーバを合計K個のセルの時間インタリーバ出力に適用する概略図である。
図16A】実施の形態2に係る、上位層の受信器の概略ブロック図である。
図16B】実施の形態2に係る、下位層のSIC受信器の概略ブロック図である。
図17図17は、各実施の形態の送信装置の構成を示すブロック図である。
図18図18は、各実施の形態の受信装置の構成を示すブロック図である。
図19図19は、各実施の形態の送信方法を示すフロー図である。
図20図20は、各実施の形態の受信方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一態様に係る送信装置は、第一データ列と第二データ列とをOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)によって送信する送信装置であって、前記第一データ列と前記第二データ列とを取得し、取得した前記第一データ列と前記第二データ列とを結合し、OFDMの複数のサブキャリアに割り当てる割当器と、前記複数のサブキャリアからOFDM信号を生成する生成器とを備え、前記割当器は、前記複数のサブキャリアのうちの複数の第一サブキャリアに、前記第一データ列に含まれるデータと前記第二データ列に含まれるデータとを割り当て、前記複数のサブキャリアのうちの前記複数の第一サブキャリアと異なる複数の第二サブキャリアに、第一データ列に含まれるデータと第二データ列に含まれるデータとのうち第二データ列に含まれるデータを割当てる。
【0014】
上記態様によれば、送信装置は、第一データ列と第二データ列とをOFDMのサブキャリアに適切に割当てて送信できる。具体的には、第一サブキャリアは、第一データ列に含まれるデータと第二データ列に含まれるデータとの両方を含んでおり、第二サブキャリアは、第一データ列に含まれるデータと第二データ列に含まれるデータとのうち第二データ列に含まれるデータだけを含んでいる。よって、第一データ列に含まれるデータは、第二データ列に含まれるデータより周波数軸上で広い間隔でサブキャリアに配置される。そのため、第一データ列に含まれるデータは、通信時にドップラーシフト等の影響でサブキャリアの周波数幅が拡がった場合でも、その拡がったことによる影響を第二データ列より受けにくい利点がある。また、第二データ列は、第一データ列に含まれるデータ列より周波数軸上で狭い間隔でサブキャリアに配置される。そのため、第二データ列に含まれるデータは、第一データ列に含まれるデータより容量が大きいデータであることが許容される利点がある。このように、第一データ列に含まれるデータのエラー耐性を向上するとともに、第二データ列に含まれるデータの許容データ容量を大きくすることができる。このように、本発明に係る送信装置は、デジタルデータの送信性能を向上できる。
【0015】
例えば、前記割当器は、周波数軸上において所定の整数個おきのサブキャリアを前記第一サブキャリアとして用いて前記割当てをしてもよい。
【0016】
上記態様によれば、送信装置は、周波数軸上で所定の整数個おきのサブキャリアに第一データ列に含まれるデータと第二データ列に含まれるデータとの両方を割当てる。これにより、第一データ列に含まれるデータが割当てられるサブキャリアが周波数軸上で均等な間隔を有するようになるので、通信時におけるドップラーシフト等の影響をより一層、受けにくくすることができる。
【0017】
例えば、前記割当器は、前記第一データ列に含まれるデータを高電力信号として、前記複数の第一サブキャリアに割当て、前記第二データ列に含まれるデータを前記高電力信号より電力が低い低電力信号として、前記複数の第一サブキャリア及び前記複数の第二サブキャリアに割当て、前記低電力信号の電力に対する前記高電力信号の電力の比率は、前記所定の整数が大きいほど大きくしてもよい。
【0018】
上記態様によれば、送信装置は、周波数軸上での間隔に応じて第一データ列に含まれる信号の電力を大きくすることで、送信電力を均一に近づけることができる。
【0019】
例えば、前記送信装置は、さらに、前記複数のサブキャリアに割り当てられたデータをインタリーブするインタリーバを備え、前記生成器は、前記インタリーバがインタリーブした後の前記複数のサブキャリアからOFDM信号を生成し、前記インタリーバは、前記複数の第一サブキャリアに含まれる一の第一サブキャリアに割り当てられたデータを他の第一サブキャリアに割り当てられたデータと入れ替え、前記複数の第二サブキャリアに含まれる一の第二サブキャリアに割り当てられたデータを他の第二サブキャリアに割り当てられたデータと入れ替えてもよい。
【0020】
上記態様によれば、送信装置は、第一サブキャリアに割り当てられたデータ同士のインタリーブと、第二サブキャリアに割り当てられたデータ同士のインタリーブとを行う。これにより、送信電力の変動を抑制しながら送信データのインタリーブを行うことができる。
【0021】
例えば、前記インタリーバは、周波数インタリーバを含み、前記周波数インタリーバは、(a)前記一の第一サブキャリアに割り当てられたデータを前記他の第一サブキャリアに割り当てられたデータと入れ替え、前記他の第一サブキャリアは前記一の第一サブキャリアと周波数が異なる第一サブキャリアであり、(b)前記一の第二サブキャリアに割り当てられたデータを前記他の第二サブキャリアに割り当てられたデータと入れ替え、前記他の第二サブキャリアは、前記一の第二サブキャリアと周波数が異なる第二サブキャリアであってもよい。
【0022】
上記態様によれば、送信装置は、インタリーブとして周波数インタリーブを用いる。送信装置は、このような具体的構成に基づいて送信データのインタリーブを行う。
【0023】
例えば、前記インタリーバは、時間インタリーバを含み、前記時間インタリーバは、(a)前記一の第一サブキャリアに割り当てられたデータを前記他の第一サブキャリアに割り当てられたデータと入れ替え、前記他の第一サブキャリアは、前記一の第一サブキャリアと少なくとも周波数又は時間が異なる第一サブキャリアであり、(b)前記一の第二サブキャリアに割り当てられたデータを前記他の第二サブキャリアに割り当てられたデータと入れ替え、前記他の第二サブキャリアは、前記一の第二サブキャリアと少なくとも周波数又は時間が異なる第二サブキャリアであってもよい。
【0024】
上記態様によれば、送信装置は、インタリーブとして時間インタリーブを用いる。送信装置は、このような具体的構成に基づいて送信データのインタリーブを行う。
【0025】
本発明の一態様に係る受信装置は、第一データ列と第二データ列とをOFDMによって受信する受信装置であって、OFDM信号を受信する受信器と、前記受信器が受信した前記OFDM信号から前記第一データ列と前記第二データ列とを読み出す読出器とを備え、前記読出器は、OFDMの複数のサブキャリアのうちの複数の第一サブキャリアから、前記第一データ列に含まれるデータと前記第二データ列に含まれるデータとを読み出し、前記複数のサブキャリアのうちの前記複数の第一サブキャリアと異なる複数の第二サブキャリアから、第一データ列に含まれるデータと第二データ列に含まれるデータとのうち第二データ列に含まれるデータを読み出す。
【0026】
上記態様によれば、受信装置は、第一データ列と第二データ列とが適切に割り当てられたOFDMのサブキャリアを受信できる。具体的には、第一サブキャリアは、第一データ列に含まれるデータと第二データ列に含まれるデータとの両方を含んでおり、第二サブキャリアは、第一データ列に含まれるデータと第二データ列に含まれるデータとのうち第二データ列に含まれるデータだけを含んでいる。よって、第一データ列に含まれるデータは、第二データ列に含まれるデータより周波数軸上で広い間隔でサブキャリアに配置される。そのため、第一データ列に含まれるデータは、通信時にドップラーシフト等の影響でサブキャリアの周波数幅が拡がった場合でも、その拡がったことによる影響を第二データ列より受けにくい利点がある。また、第二データ列は、第一データ列に含まれるデータ列より周波数軸上で狭い間隔でサブキャリアに配置される。そのため、第二データ列に含まれるデータは、第一データ列に含まれるデータより容量が大きいデータであることが許容される利点がある。このように、第一データ列に含まれるデータのエラー耐性を向上するとともに、第二データ列に含まれるデータの許容データ容量を大きくすることができる。このように、本発明に係る受信装置は、デジタルデータの受信性能を向上できる。
【0027】
例えば、前記読出器は、周波数軸上において所定の整数個おきのサブキャリアを前記第一サブキャリアとして用いて前記読み出しをしてもよい。
【0028】
上記態様によれば、受信装置は、周波数軸上で所定の整数個置きのサブキャリアに割り当てられた第一データ列に含まれるデータと第二データ列に含まれるデータとの両方を受信できる。これにより、第一データ列に含まれるデータが割当てられるサブキャリアが周波数軸上で均等な間隔を有するようになるので、通信時におけるドップラーシフト等の影響をより一層、受けにくくすることができる。
【0029】
例えば、前記読出器は、前記第一データ列に含まれるデータを高電力信号として、前記複数の第一サブキャリアから読み出し、前記第二データ列に含まれるデータを前記高電力信号より電力が低い低電力信号として、前記複数の第一サブキャリア及び前記複数の第二サブキャリアから読み出し、前記低電力信号の電力に対する前記高電力信号の電力の比率は、前記所定の整数が大きいほど大きくしてもよい。
【0030】
上記態様によれば、受信装置は、周波数軸上での間隔に応じて第一データ列に含まれる信号の電力を大きくすることで、受信電力を均一に近づけることができる。
【0031】
例えば、前記受信装置は、さらに、前記受信器が受信した前記OFDM信号において、前記複数の第一サブキャリアに含まれる一の第一サブキャリアに割り当てられたデータを他の第一サブキャリアに割り当てられたデータと入れ替え、前記複数の第二サブキャリアに含まれる一の第二サブキャリアに割り当てられたデータを他の第二サブキャリアに割り当てられたデータと入れ替えることで、前記複数のサブキャリアに割り当てられたデータをデインタリーブするデインタリーバを備えてもよい。
【0032】
上記態様によれば、受信装置は、第一サブキャリアに割り当てられたデータ同士のデインタリーブと、第二サブキャリアに割り当てられたデータ同士のデインタリーブとを行う。これにより、受信電力の変動を抑制しながら受信データのデインタリーブを行うことができる。
【0033】
例えば、前記デインタリーバは、周波数デインタリーバを含み、前記周波数デインタリーバは、(a)前記一の第一サブキャリアに割り当てられたデータを前記他の第一サブキャリアに割り当てられたデータと入れ替え、前記他の第一サブキャリアは前記一の第一サブキャリアと周波数が異なる第一サブキャリアであり、(b)前記一の第二サブキャリアに割り当てられたデータを前記他の第二サブキャリアに割り当てられたデータと入れ替え、前記他の第二サブキャリアは、前記一の第二サブキャリアと周波数が異なる第二サブキャリアであってもよい。
【0034】
上記態様によれば、受信装置は、デインタリーブとして周波数デインタリーブを用いる。受信装置は、このような具体的構成に基づいて受信データのデインタリーブを行う。
【0035】
例えば、前記デインタリーバは、時間デインタリーバを含み、前記時間デインタリーバは、(a)前記一の第一サブキャリアに割り当てられたデータを前記他の第一サブキャリアに割り当てられたデータと入れ替え、前記他の第一サブキャリアは、前記一の第一サブキャリアと少なくとも周波数又は時間が異なる第一サブキャリアであり、(b)前記一の第二サブキャリアに割り当てられたデータを前記他の第二サブキャリアに割り当てられたデータと入れ替え、前記他の第二サブキャリアは、前記一の第二サブキャリアと少なくとも周波数又は時間が異なる第二サブキャリアであってもよい。
【0036】
上記態様によれば、受信装置は、デインタリーブとして時間デインタリーブを用いる。受信装置は、このような具体的構成に基づいて受信データのデインタリーブを行う。
【0037】
本発明の一態様に係る送信方法は、第一データ列と第二データ列とをOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)によって送信する送信方法であって、前記第一データ列と前記第二データ列とを取得し、取得した前記第一データ列と前記第二データ列とを結合し、OFDMの複数のサブキャリアに割り当て、前記複数のサブキャリアからOFDM信号を生成し、前記割り当てでは、前記複数のサブキャリアのうちの複数の第一サブキャリアに、前記第一データ列に含まれるデータと前記第二データ列に含まれるデータとを割り当て、前記複数のサブキャリアのうちの前記複数の第一サブキャリアと異なる複数の第二サブキャリアに、第一データ列に含まれるデータと第二データ列に含まれるデータとのうち第二データ列に含まれるデータを割当てる。
【0038】
これにより、上記送信装置と同様の効果を奏する。
【0039】
本発明の一態様に係る受信方法は、第一データ列と第二データ列とをOFDMによって受信する受信方法であって、OFDM信号を受信し、受信した前記OFDM信号から前記第一データ列と前記第二データ列とを読み出し、前記読み出しでは、OFDMの複数のサブキャリアのうちの複数の第一サブキャリアから、前記第一データ列に含まれるデータと前記第二データ列に含まれるデータとを読み出し、前記複数のサブキャリアのうちの前記複数の第一サブキャリアと異なる複数の第二サブキャリアから、第一データ列に含まれるデータと第二データ列に含まれるデータとのうち第二データ列に含まれるデータを読み出す。
【0040】
これにより、上記受信装置と同様の効果を奏する。
【0041】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、装置、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、集積回路、コンピュータプログラムまたは記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0042】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0043】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0044】
(実施の形態1)
本発明の第一態様に係って、デジタルデータを送信するための方法が提供される。方法は、第一サービスのデジタルデータを変調することによって第一変調信号を生成するステップ、第二サービスのデジタルデータを変調することによって第二変調信号を生成するステップ、第一変調信号と第二変調信号とを加算することによって合成信号を生成するステップ、及び合成信号を送信するステップを含む。この方法は、第一変調信号を係数Mでアップサンプリングすることを特徴とし、Mは1より大きい正の整数であり、合成信号はアップサンプリングされた信号と第二変調信号とを加算することによって生成される。
【0045】
第一変調信号は、好ましくは、第一変調信号の2つの連続するサンプル毎に(M-1)個のゼロを挿入することによってアップサンプリングされる。他のアップサンプリング方法も考えられるが、第一サービスを運んでいないサブキャリアのスペクトルエネルギーがゼロに低減される場合、キャリア間干渉の抑制が最も効果的である。
【0046】
好ましい実施の形態では、アップサンプリングされた信号は、アップサンプリングプロセスによって引き起こされる電力の減少を補償するために、係数sqrt(M)によってスケーリングされてもよい。sqrt(M)の理論値に近似する様々なスケール係数もまた使用され得る。他の実施の形態は、電力減少の補償を省くことができる。
【0047】
別の好ましい実施の形態では、第二変調信号は、第二層データの注入レベルを制御するために、1以下の所定の正の係数によってスケーリングされる。このステップは、第二層データの変調が適切な振幅を有する変調信号をもたらす場合には省くことができる。追加的又は代替的に、合成信号の電力レベルは他のスケーリング操作によって正規化されてもよい。加算ステップの前に第一変調信号及び第二変調信号の両方を適切な重みでスケーリングすることを含む、注入レベル及び合成信号全体の電力を制御するための他の手段が考えられる。
【0048】
好ましい実施の形態は、合成信号を所定の長さのフレームに分割するステップをさらに含み、各フレームのデータは、直交周波数分割多重方式OFDMによって同時に送信される。
【0049】
OFDMは、広帯域通信チャネルを介してデジタルデータを送信するための好ましい方法であり、DVB-T2及びATSC3.0を含む多くのデジタル放送及び通信規格において使用されている。
【0050】
好ましくは、第一サービスのデータは、M番目毎のOFDMサブキャリアのみで送信される。これは、時変チャネル上の第一層データに対するICIを減少させ、同時に第二層データに対する長いOFDMシンボルを可能にする。したがって、モバイル機器は高い信頼性で第一サービスを受信することができ、一方、固定機器は高いデータレートで第二サービスを受信することができる。
【0051】
本発明の第二態様に係って、デジタルデータを受信するための方法が提供される。前記方法は、合成信号を受信するステップ、受信した合成信号を係数Mでダウンサンプリングするステップであって、Mは1より大きい正の整数であり、そしてダウンサンプリングされた信号を復調することによって第一サービスのデジタルデータを取り出すステップを含む。
【0052】
好ましい実施の形態では、この方法は、第一サービスの取り出されたデジタルデータを変調することによって再変調信号を生成するステップ、係数Mで再変調信号をアップサンプリングするステップ、アップサンプリングされた信号を合成信号から減算することによって差信号を生成するステップ、及び差信号を復調することによって第二サービスのデジタルデータを取り出すステップをさらに含む。
【0053】
受信方法は、アップサンプリングプロセスによって引き起こされる電力減少を補償するために、アップサンプリングされ再変調された信号を係数sqrt(M)でスケーリングするステップをさらに含んでもよい。
【0054】
好ましい実施の形態では、合成信号は一連のOFDMシンボルを復号することによって受信される。さらに、ダウンサンプリングステップは、M番目毎のOFDMサブキャリアのみを維持することができ、それによって、本発明の利点、つまり急速時変チャネル上のICIの低減を達成することができる。
【0055】
本発明の第三態様に係って、デジタルデータを送信するための送信器が提供される。送信器は、第一サービスのデジタルデータを変調することによって第一変調信号を生成するための第一変調器、第二サービスのデジタルデータを変調することによって第二変調信号を生成するための第二変調器、第一変調信号と第二変調信号とを加算することによって合成信号を生成するための信号合成器、合成信号を送信するための出力段(ステージ)を備える。送信器は、第一変調信号を係数Mでアップサンプリングするアップサンプリング部を特徴とし、Mは1より大きい正の整数であり、合成信号はアップサンプリングされた信号と第二変調信号とを加算することによって生成される。
【0056】
本発明の第四態様に係って、デジタルデータを受信するための受信器が提供される。受信器は、合成信号を受信するための入力段(ステージ)、受信した合成信号を係数Mでダウンサンプリングするためのダウンサンプリング部であって、Mは1より大きい正の整数であり、そしてダウンサンプリングされた信号を復調することによって第一サービスのデジタルデータを取り出すための第一復調器を備える。
【0057】
好ましい実施の形態では、受信器は、第一サービスの取り出されたデジタルデータを変調することによって再変調信号を生成するための変調器、係数Mで再変調信号をアップサンプリングするためのアップサンプリング部、アップサンプリングされた信号を合成信号から減算することによって差信号を生成するための信号減算器、及び差信号を復調することによって第二サービスのデジタルデータを取り出すための第二復調器をさらに備える。このようにして、受信器は、第一層データと第二層データとの両方を取り出すことができる。
【0058】
実施の形態1について以降で詳細に説明する。
【0059】
図1は、上位層及び下位層と呼ばれる2つの層に対するLDMの一般概念を示す。もちろん原則として、3つ以上の層が考えられる。両方の層が1つ以上の物理層パイプ(PLP)を運ぶことができる。上位層はモバイル受信を目的とした低速サービスXを運び、下位層は固定受信を目的とした高速サービスXを運ぶ。注入レベル制御器は、下位層の電力を低下させるスケール係数α≦1を提供し、続いて2つの層が重ね合わされて正規化されていない信号X+αXを生成する。その後、合成信号は適切なスケール係数βを介して単位電力に正規化される。
【0060】
なお、上位層が運ぶデータ列を第一データ列ともいい、下位層が運ぶデータ列を第二データ列ともいう。
【0061】
新しい地上デジタルテレビ(DTT)システムであり、LDMを初めて実装したATSC3.0は、直交周波数分割多重(OFDM)及びビットインタリーブ符号化変調(BICM)に基づいている。したがって、図1では、上位層のデジタルデータ用の第一BICM部(10)と下位層のデジタルデータ用の第二BICM部(20)とがある。各BICM部(10、20)は、入力データを誤り訂正コードで符号化するためのエンコーダ(図示せず)、バーストエラーに対する回復力を高めるためのビットインタリーバ(図示せず)、及び符号化されインタリーブされたビットシーケンスを複素デジタルシンボル又はセルのベースバンドシーケンスにマッピングするためのシンボルマッパ(図示せず)を含む。ここで、シンボルのシーケンスは変調信号とも呼ばれる。
【0062】
下位層の変調信号は、注入レベル制御器(30)を介して供給され、注入レベル制御器(30)は係数α≦1によるスケーリングを施す。スケーリングされた下位層信号と(スケーリングされていない)上位層信号とはその後、セル毎に代数加算を実行する信号加算器(40)によって結合される。この演算の結果は、合成信号の電力を正規化するためにもう一度スケーリングされてもよい(電力正規化部50)。注入レベルを制御するプロセス及び合成信号の電力を正規化するプロセスは、2つの信号の適切に重み付けされた合計を計算する単一ステップに組み合わされてもよく、又は他の任意の適切な方法で実行されてもよい。
【0063】
ATSC3.0では、上位層はコア層と呼ばれ、下位層は拡張層と呼ばれることに留意されたい。それ以外の階層分割多重は、図1に示すように指定されている。
【0064】
対応する受信器動作は、上位層のみに関与するモバイル受信器はやはり上位層のみを検出する、というように理解される。下位層に関与する固定受信器は、連続的な干渉除去を実行することを要求される、つまり、上位層が最初に検出される。上位層が首尾よく検出されたと仮定すると、上位層は次に再変調され、再変調されたセルは最終的に下位層を検出するために受信セルから減算される。
【0065】
図1に係ると、上位層の各セルは下位層からの対応するセルと対になり、結果として合成信号となり、続いてインタリーブ段(ステージ)、フレーミング段(ステージ)、そして最後にOFDM段(ステージ)自体に移る。
【0066】
ここで、最初の妥協点がある、つまり、時間インタリーブおよび周波数インタリーブが合成信号に施されるが、モバイル信号及び固定信号には異なるインタリーブ段が望ましい場合がある。両方の信号が専用のインタリーブ段を使用することが考えられるが、これは、連続的な干渉除去中の追加のインタリーブ動作のために受信器の複雑さを増すことになる。
【0067】
第二の妥協点は、単一のOFDM信号での合成信号の搬送から生じる、つまり、両方の層が暗黙のうちに同じFFT長を使用することである。ここで、明確な設計上の矛盾が明らかになる、つまり、モバイル上位層はドップラー拡散に対して回復力を有するように短いFFTから恩恵を受けるが、固定下位層はガードインターバルの観点からの損失を最小にするために長いFFTから恩恵を受ける。実際には、中間グラウンドは32K FFTではなく8K又は16K FFTの形式で選択される。
【0068】
直交周波数分割多重は、広い帯域幅でデータを送信するための確立された方法である。直交サブキャリアでデータを送信し、サイクリックプレフィックスを使用してチャネルの最大予測遅延拡散を超えてOFDMシンボル期間をさらに拡張して受信器での等化ステップを単純化することによって、マルチパス効果にうまく対処する。
【0069】
図2Aは、静的チャネルを介して受信した厳密に直交のサブキャリアを示すスペクトル図である。サブキャリアスペクトルは、それらの典型的なシンクタイプの挙動を示し、正規化周波数fTの整数倍では、単一のサブキャリアのみが非ゼロであり、すべての隣接サブキャリアはゼロを通過する。ここで、fTはサブキャリア間隔1/Tに正規化された周波数fを表し、TはOFDMシンボル期間を表す。
【0070】
しかしながら、シンボル期間が長くなると、OFDMはチャネルの時変変化(経時変化)に対して脆弱になる。特に、チャネルインパルス応答がOFDMシンボル期間中に変化すると、サブキャリアの直交性が失われる。これは、フーリエ変換及びその時間領域と周波数領域との対応の直接的な結果である。FFT後に周波数領域でサブキャリア直交性が失われる結果として、キャリア間干渉(ICI)が発生する可能性があり、これは、キャリア対干渉雑音電力CINRを減少させ、受信器がより速く移動するほどキャリア間干渉が増える。
【0071】
図2Bは、急速時変チャネルを介して受信したサブキャリア間のキャリア間干渉を示すスペクトル図である。図から分かるように、サブキャリアスペクトルは時変チャネルのために拡大され、したがって任意のサブキャリアにおいてその隣接サブキャリアは今は非ゼロであり([1]によって示される)、互いに干渉する。これは、図2AのICIなしの厳密に直交な条件と比較する必要がある。
【0072】
図3は、1つおきのサブキャリアのみが変調される状況における低減されたキャリア間干渉を示すスペクトル図である(実線[1])。変調されたサブキャリアはγ=sqrt(2)≒1.414の値でブーストされて単位電力を生成し、変調されていないサブキャリア(破線)は参考として示されているだけで実際には送信されない。2つの隣接サブキャリアからの最大の寄与干渉([2])が抑制され、能動的に変調されたサブキャリア([1])におけるCINRが増加することが容易に観察される。
【0073】
図4Aは、図1に従ってLDMが実行され、合成信号がOFDMシンボル上に変調される状況における全てのサブキャリアの関係を示す。上位層は実線で示され、下位層はその選択された注入レベルまでその出力を下げた後で一点鎖線で示される。図4Bは、急速に時間変化する条件、つまりICIが上位層および下位層の両方によって引き起こされる場合のICI状況を示す。
【0074】
したがって、原則として、LDMは、例えばモバイルおよび固定といった異なるタイプの受信器に、情報理論的に最適な方法で同時に役立つことができる。しかしながら、マルチパス効果に対処するためにLDMがOFDMと対にされる場合、単一のFFT長が両方の層に暗黙のうちに割り当てられるが、モバイル層は好ましくはドップラー回復力のために短いFFTを使用し、固定層は高いスペクトル効率のために長いFFTを使用する。
【0075】
本発明は、図5に示される構成を用いて、長いFFT及びドップラー回復力に対する優先度間のこの矛盾を解決する。
【0076】
図5は、本発明の一実施の形態に係る、2層LDMのためのコンステレーション重ね合わせの技術を示すブロック図である。図5は、図1に示した一般的なLDM結合器と類似しており、類似の要素は類似の参照番号によって識別され、その詳細な説明は省略する。
【0077】
図5の構成は、LDM結合器(100)が上位層分岐にアップサンプリング部(60)と電力ブースタ(70)とをさらに備えるという点で、図1の従来の構成と異なる。アップサンプリング部(60)は、その入力信号に対してM倍のアップサンプリングを実行する。これは、例えば、その入力において2つの連続するサンプル(シンボル又はセル)Xの間に(M-1)個のゼロを挿入し、それによってアップサンプリングされた信号X を生成することによって達成され得る。ゼロを挿入すると、電力が減少する。電力減少を補償するために、アップサンプリング係数Mの平方根に等しい係数γ、つまりγ=sqrt(M)だけ信号の電力をブーストする電力ブースタ(70)が設けられる。この電力ブーストは、上位層信号γX に単位電力を持たせる。
【0078】
この手法の利点は、LDM合成信号が例えば32kのFFTの非常に長いOFDM信号で運ばれ得ることで、下位層はあらゆるサブキャリアを利用することができるのでスペクトル効率が高くなり、上位層はM番目毎のサブキャリアのみを利用するため、ドップラー拡散に対して非常に頑健となる。
【0079】
図6Aは、本発明の実施の形態1に係る、LDM合成信号を有する送信されたOFDMシンボルを示すスペクトル図である。図6Aは、上位層(実線)のデータが偶数サブキャリアのみ(M=2)で変調され、下位層(一点鎖線)のデータが全てのサブキャリアで変調されること以外は、図4Aと同様である。図4Aの従来の合成信号の奇数サブキャリアのスペクトルエネルギーが、例示目的のためだけに破線で表されている。この信号成分は、本発明のLDM合成信号には存在しない。
【0080】
図6Bは、時変チャネルを介して受信されるときの図6AのOFDMシンボルを示すスペクトル図である。図6Bは、上位層(実線)のデータが偶数サブキャリアのみ(M=2)で変調され、下位層(一点鎖線)のデータが全てのサブキャリアで変調されること以外は、図4Bと同様である。図6Aと同様に、従来の合成信号の奇数サブキャリアのスペクトルエネルギーが、例示目的のためだけに破線で表されている。この信号成分は、本発明のLDM合成信号には存在しない。図6Bから、特に図6B図4Bとの比較から分かるように、隣接するサブキャリアからのキャリア間干渉は、従来のLDM合成信号と比較して著しく低減されている([1])。
【0081】
図7は、本発明の一実施の形態に係る、2つのLDM層のための送信器の概略ブロック図である。図7は、図1に示した一般的なLDM結合器及び図5の実施の形態によるLDM結合器と類似しており、類似の要素は類似の参照番号によって識別され、その詳細な説明は省略する。
【0082】
送信器は、上位層データ及び下位層データのそれぞれに対して2つのBICM部(10、20)を備える。各BICM部(10、20)は、入力データを誤り訂正コードで符号化するためのエンコーダ(図示せず)、バーストエラーに対する回復力を高めるためのビットインタリーバ(図示せず)、及び符号化されインタリーブされたビットシーケンスを複素デジタルシンボルのベースバンドシーケンスにマッピングするためのセルマッパ(図示せず)を含む。次に、図5に関連して上述したように、上位層の変調信号と下位層の変調信号とが、LDM結合器(100)において合成信号に結合される。
【0083】
LDM結合器(100)によって生成された合成信号は、その後、所望の送信信号を生成するために他の様々な処理部を通して供給される。これらの処理部は、時間インタリーバ(72)、周波数インタリーバ(74)、OFDMフレーマ(80)、パイロット挿入(図示せず)、逆フーリエ変換(図示せず)、デジタル/アナログ変換(図示せず)、電力増幅(図示せず)などを含み得る。これらの処理ステップの結果は、放送アンテナによって送信されてもよい。
【0084】
送信信号は、2つのタイプの受信器、つまり(i)高いドップラー拡散を経験し、したがって上位層上の実質的に増加したサブキャリア間隔から恩恵を受けるモバイル受信器、及び(ii)高いドップラー拡散の影響を受けず、したがって長いFFT長から利益を得る固定受信器に提供されることを理解されたい。
【0085】
図8Aは、上位層のみを受信するように構成されている受信器、例えばモバイル受信器の概略ブロック図である。受信器は、合成信号を受信するための、OFDM復調器(110)と周波数デインタリーバ(120)と、それに続く時間デインタリーバ(125)とを備える。受信した合成信号は、上位層データを運ぶサブキャリアを分離するために、ダウンサンプリング部(130)において係数Mによってダウンサンプリングされる。その後、ダウンサンプリングされた信号は、上位層のデジタルデータを取り出すために復調器(140)において復調される。
【0086】
図8Bは、上位層及び下位層の両方を受信するように構成されている受信器、例えば固定受信器の概略ブロック図である。図8Bの受信器は、OFDM復調器(110)、周波数デインタリーバ(120)、及び時間インタリーバ(125)を含む、合成信号を受信するための図8Aの受信器の全ての構成要素を含む。受信した合成信号は、上位層データを運ぶサブキャリアを分離するために、ダウンサンプリング部(130)において係数Mによってダウンサンプリングされる。上位層のデジタルデータは、第一復調器(140)によって取り出される。
【0087】
下位層データも取り出すために、上位層データを再変調するための変調器150、再変調された信号をアップサンプリングするためのアップサンプリング部(160)、及びアップサンプリングされた信号の電力レベルを調整するための増幅器(170)が提供される。その後、増幅器(170)の出力信号は、受信した合成信号から信号減算器180によって減算され、これにより、再変調された上位層信号からの干渉のない受信した合成信号が提供され、これは次に第二復調器(190)において復調される。
【0088】
本発明を、添付の特許請求の範囲の限定を目的としない特定の実施の形態に関して説明してきた。添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、様々な修正を加えることができる。
【0089】
例えば、上記実施の形態は、2つの層のみを有する階層分割多重に関するものである。
しかしながら、本発明は3つ以上の異なる層にも適用することができる。この場合、アップサンプリングステップは、1つ以上の最上位層に施されてもよい。最上位層は、続く下位層のアップサンプリング係数以上のアップサンプリング係数でアップサンプリングされてもよい。
【0090】
さらに、キャリア間干渉の低減を、上位層信号の2倍アップサンプリングと併せて説明してきた。しかしながら、上位層データを運ぶサブキャリアのスペクトル距離をさらに増加させ、キャリア間干渉をさらに減少させるために、データレートに応じて、M=3又はM=4などの他のアップサンプリング係数を使用することができる。
【0091】
さらに、本発明を、特定の順方向誤り訂正符号(FEC)、特定のビットインタリーバ、及び特定のシンボルマッパを含むビットインタリーブ符号化変調に基づくデジタルデータ放送に関して提示してきた。しかし、本発明は、デジタルデータを一連の複素数値セル又は実数値セルからなる変調信号に変換する任意の他の形式の変調にも同様に適用することができる。
【0092】
さらに、本発明では、説明の都合上、アップサンプリング及びダウンサンプリングの語を用いて説明したが、送信器及び受信器は、必ずしも、アップサンプリング処理及びダウンサンプリング処理を行わなくてもよい。その場合、本発明でアップサンプリング及びダウンサンプリングの語を用いて説明したのと等価な処理が、他の演算処理又は信号処理等によって上位層データ及び下位層データに施されればよい。
【0093】
最後に、本発明は直交周波数分割多重の文脈で提示されたが、他の形態のマルチキャリア変調にも適用され得る。
【0094】
要約すると、本発明は、デジタルデータを放送するための技術に関し、特に直交周波数分割多重に関連する階層分割多重に関する。下位層のデータに対して非常に長いOFDMシンボルを使用しながら上位層のデータに対するキャリア間干渉を低減するために、変調された下位層信号と結合する前に、変調された上位層を係数M≧2でアップサンプリングすることが本発明の特定の手法である。このようにして、上位層データは、M番目毎のOFDMサブキャリアでのみ変調され、したがって、時変チャネル上のICIを大幅に低減する。
【0095】
(実施の形態2)
背景技術に記載したとおり、直感的には、時間領域又は周波数領域のいずれにおいても一時停止することなく、2つ以上のサービスを同時に送信することによって、容量におけるTDM/FDMに対するLDMの優位性が得られる。しかしながら、実際には、LDMは受信器のより一層の複雑さならびに送信システム設計における制約を伴う。
【0096】
ATSC3.0によって採用されたレガシーLDMシステムの特定の制約は、上位層と下位層とが暗黙のうちに同じFFT長を使用することである。それゆえ、固定受信器とモバイル受信器とが同時にサービスされるべきであるならば、FFT長について妥協点を見出さなければならない。この問題は、より大きなサブキャリア間隔に影響を与え、それによってドップラー拡散に対するロバスト性を高めるために、モバイル受信器にデータを提供する上位層のアップサンプリング(ゼロパディング)によって対処される。
【0097】
ここで、以下の注意点を観察することができる、つまり、上位層と下位層との重ね合わせの後、合成信号は時間インタリーブ段(ステージ)と周波数インタリーブ段(ステージ)とを通過するが、これらは、実質的に増加した上位層のサブキャリア間隔を部分的に無効にするという望ましくない効果を有する。原則として、インタリーブ後も一定のサブキャリア間隔を維持することができる行-列ブロックインタリーバなどの時間インタリーバが存在するが、これは疑似ランダム置換の特性を有する周波数インタリーバにはもはや当てはまらない。
【0098】
インタリーブのために、上位層のサブキャリア間隔はもはや一定ではなくなる、つまり、一部のサブキャリアは互いに接近し、他のサブキャリアはより遠くなるだろう。正味の効果として、観察できるのは平均して実質的に拡大されたサブキャリア間隔である。これは、アップサンプリングメカニズムを用いるとドップラーに対するロバスト性がより高くなるが、従来のインタリーブ技術を適用するとこのロバスト性がある程度低下することを意味する。
【0099】
上記の問題を考慮して、特に上位層アップサンプリングを採用するLDM結合器と組み合わせて、ドップラーに対して高いロバスト性を達成することができる改善されたインタリーブ構造を提供することがこの実施の形態の目的である。
【0100】
上位層アップサンプリングを伴う階層分割多重の文脈において、2層以上のセルを運ぶLDM合成セルと1層のみのセルを運ぶLDM合成セルに対して別々のインタリーブ段を提供することが本発明の特定の提案である。このようにして、2層以上のセルを運ぶ合成セルのサブキャリア間隔を維持しながら、LDM合成信号に対して時間及び周波数インタリーブを実行することができる。
【0101】
以下、2層以上からのセルを運ぶLDM合成セルを重畳セルと呼び、1層のみからのセルを運ぶLDM合成セルを非重畳セルと呼ぶ。
【0102】
本発明の第一態様に係って、デジタルデータを送信するための方法が提供される。方法は、第一サービスのデジタルデータを変調することによって第一変調信号を生成するステップ、第二サービスのデジタルデータを変調することによって第二変調信号を生成するステップ、第一変調信号の2つの連続サンプル毎に(M-1)個のゼロを挿入することによって第一変調信号をアップサンプリングするステップであって、Mは1より大きい正の整数であり、そしてアップサンプリングされた信号と第二変調信号とを加算することによって合成信号を生成するステップ、合成信号の連続サンプルのブロックに置換を適用することによって合成信号をインタリーブするステップであって、前記置換は、ブロックのM番目毎のサンプルからなるサブセットがそれ自体にマッピングされるように適用され、M番目毎のサンプルの前記サブセットは、第一変調信号のサンプルと第二変調信号のサンプルとの合計である合成信号のサンプルからなり、そしてインタリーブされた合成信号を送信するステップを含む。
【0103】
したがって、インタリーブは、重畳セルのセット、つまり(アップサンプリング前の)第一変調信号のサンプルと第二変調信号のサンプルとの合計である合成信号のサンプルのサブセットが、適用された置換のもとでは不変になるように実行される。これは、相補セット、つまり非重畳セルのセットも、適用された置換のもとでは不変であることを意味する。言い換えれば、重畳セルは重畳セルにのみマッピングされ、非重畳セルは非重畳セルにのみマッピングされる、つまり、重畳セルと非重畳セルとは独立してインタリーブされる。このように、重畳セル間のサブキャリア間隔(つまりスペクトル距離)はインタリーブ段によって変更されない。
【0104】
好ましい実施の形態では、インタリーブステップは、合成信号を、合成信号のM番目毎のサンプルからなるサンプルの第一シーケンスと、サンプルの第一シーケンスの一部ではない合成信号のサンプルからなるサンプルの第二シーケンスとに逆多重化するステップであって、サンプルの第一シーケンスは、第一変調信号のサンプルと第二変調信号のサンプルとの合計であるサンプルからなり、そしてサンプルの第一シーケンスに第一インタリーブ処理を適用するステップ、サンプルの第二サンプルシーケンスに第二インタリーブ処理を適用するステップ、インタリーブされたサンプルの第一シーケンスとインタリーブされたサンプルの第二シーケンスとを再多重化してインタリーブされた合成信号を取得するステップをさらに含む。このようにして、重畳セル上にのみ重畳セルをマッピングするという所望の特性を有する置換を簡単な方法で実施することができる。
【0105】
好ましくは、第一及び/又は第二インタリーブ処理は、行-列インタリーブ処理を含む。代替的又は追加的に、第一及び/又は第二インタリーブ処理は、擬似ランダムインタリーブ処理を含む。擬似ランダム及び行-列インタリーブは、それぞれ周波数及び時間インタリーブに関連し得る。
【0106】
好ましい実施の形態では、第一及び/又は第二インタリーブ処理のパラメータは、それぞれのデータフレームのL1シグナリング部分内でシグナリングされる。このようにして、インタリーブパラメータは、特定の伝播シナリオに適するように自由に選択することができる。
【0107】
好ましい実施の形態は、合成信号を所定の長さのフレームに分割するステップをさらに含み、各フレームのデータは直交周波数分割多重方式、OFDMによって同時に送信される。OFDMは、広帯域通信チャネルを介してデジタルデータを送信するための好ましい方法であり、DVB-T2及びATSC3.0を含む多くのデジタル放送及び通信規格において使用されている。
【0108】
好ましくは、第一サービスのデータは、M番目毎のOFDMサブキャリアのみで送信される。これは、時変チャネル上の第一層データに対するICIを減少させ、同時に第二層データに対する長いOFDMシンボルを可能にする。したがって、モバイル機器は高い信頼性で第一サービスを受信することができ、一方、固定機器は高いデータレートで第二サービスを受信することができる。
【0109】
本発明の第二態様に係って、デジタルデータを受信するための方法が提供される。前記方法は、合成信号を受信するステップ、受信した合成信号からサンプルの第一シーケンスを逆多重化するステップであって、前記サンプルの第一シーケンスは、合成信号のM番目毎のサンプルからなり、Mは1より大きい正の整数であり、そしてサンプルの第一シーケンスに第一デインタリーブ処理を適用するステップ、デインタリーブされたサンプルの第一シーケンスを復調することによって第一サービスのデジタルデータを取り出すステップを含む。
【0110】
好ましい実施の形態では、方法は、受信した合成信号からサンプルの第二シーケンスを逆多重化するステップであって、前記サンプルの第二シーケンスは、サンプルの第一シーケンスの一部ではない合成信号のサンプルからなり、そして第二デインタリーブ処理をサンプルの第二シーケンスに適用するステップ、デインタリーブされたサンプルの第一シーケンスとデインタリーブされたサンプルの第二シーケンスとを再多重化して、デインタリーブされた合成信号を取得するステップ、第一サービスの取り出されたデジタルデータを変調することによって再変調信号を生成するステップ、再変調信号を係数Mでアップサンプリングするステップ、デインタリーブされた合成信号からアップサンプリングされた信号を減算することによって差信号を生成するステップ、差信号を復調することによって第二サービスのデジタルデータを取り出すステップをさらに含む。
【0111】
好ましい実施の形態では、方法は、フレームヘッダ内のL1シグナリングフィールドからインタリーブパラメータ情報を取得するステップをさらに含み、第一デインタリーブ処理及び第二デインタリーブ処理のうちの少なくとも一方は、得られたインタリーブパラメータ情報に係って、それぞれのサンプルのシーケンスに適用される。このようにして、インタリーブパラメータは、特定の伝播シナリオに適するように自由に選択することができる。
【0112】
好ましい実施の形態では、合成信号は一連のOFDMシンボルを復号することによって受信される。さらに、ダウンサンプリングステップは、M番目毎のOFDMサブキャリアのみを維持することができ、それによって、急速時変チャネル上のICIの低減を達成することができる。
【0113】
本発明の第三態様に係って、デジタルデータを送信するための送信器が提供される。送信器は、第一サービスのデジタルデータを変調することによって第一変調信号を生成する第一変調器、第二サービスのデジタルデータを変調することによって第二変調信号を生成する第二変調器、第一変調信号の2つの連続サンプル毎に(M-1)個のゼロを挿入することによって第一変調信号をアップサンプリングするアップサンプリング部であって、Mは1より大きい正の整数であり、そしてアップサンプリングされた信号と第二変調信号とを加算することによって合成信号を生成する信号結合器、合成信号の連続サンプルのブロックに置換を適用することによって合成信号をインタリーブするインタリーバであって、前記置換は、ブロックのM番目毎のサンプルからなるサブセットがそれ自体にマッピングされるように適用され、M番目毎のサンプルの前記サブセットは、第一変調信号のサンプルと第二変調信号のサンプルとの合計である合成信号のサンプルからなり、そして合成信号を送信する出力段を含む。
【0114】
本発明の第四態様に係って、デジタルデータを受信するための受信器が提供される。受信器は、合成信号を受信する入力段、受信した合成信号からサンプルの第一シーケンスを逆多重化する逆多重器であって、前記サンプルの第一シーケンスは、合成信号のM番目毎のサンプルからなり、Mは1より大きい正の整数であり、そしてサンプルの第一シーケンスに第一デインタリーブ処理を適用する第一デインタリーバ、デインタリーブされたサンプルの第一シーケンスを復調することによって第一サービスのデジタルデータを取り出す第一復調器を含む。
【0115】
好ましい実施の形態では、逆多重器は、受信した合成信号からサンプルの第二シーケンスを逆多重化するようにさらに適合され、前記サンプルの第二シーケンスは、サンプルの第一シーケンスの一部ではない合成信号のサンプルからなる。さらに、受信器は、第二デインタリーブ処理をサンプルの第二シーケンスに適用する第二インタリーバ、デインタリーブされたサンプルの第一シーケンスとデインタリーブされたサンプルの第二シーケンスとを再多重化して、デインタリーブされた合成信号を取得する多重化器、第一サービスの取り出されたデジタルデータを変調することによって再変調信号を生成する変調器、再変調信号を係数Mでアップサンプリングするアップサンプリング部、デインタリーブされた合成信号からアップサンプリングされた信号を減算することによって差信号を生成する信号減算器、及び差信号を復調することによって第二サービスのデジタルデータを取り出す第二復調器をさらに含む。
【0116】
実施の形態1に記載したとおり、原則として、LDMは、例えばモバイルおよび固定といった異なるタイプの受信器に、情報理論的に最適な方法で同時に役立つことができる。しかしながら、マルチパス効果に対処するためにLDMがOFDMと対にされる場合、単一のFFT長が両方の層に暗黙のうちに割り当てられるが、モバイル層は好ましくはドップラー回復力のために短いFFTを使用し、固定層は高いスペクトル効率のために長いFFTを使用する。
【0117】
上位層のサブキャリア間隔を増加させるために上位層をアップサンプリングすることが提案される。しかしながら、従来、OFDM変調の前に時間及び周波数インタリーブが用いられており、これは上位層の増加したサブキャリア間隔を部分的に無効にする。以下、上位層の重畳セルの(絶えず増加する)サブキャリア間隔を維持するために、上位層アップサンプリングを有するLDM結合器に特に適合されたインタリーブ段を開示する。
【0118】
図9は、本発明の一実施の形態に係る、2層LDMのためのコンステレーション重ね合わせ及びインタリーブの技術を示すブロック図である。図9の構成は、長いFFT長とドップラー回復力との矛盾を解決し、一定のサブキャリア間隔が維持されるように時間及び周波数におけるインタリーブを提供する。このソリューションは、図1に示す一般的なLDM結合器の改良版であるLDM結合器とインタリーブ段という2つの主要な構成要素で構成されている。なお、OFDMフレーマ300は、実施の形態1のOFDMフレーマ80と同じものである。
【0119】
図9の構成は、上位層データ及び下位層データのそれぞれに対して2つのBICM部(10、11)を備える。各BICM部(10、11)は、入力データを誤り訂正コードで符号化するためのエンコーダ(図示せず)、バーストエラーに対する回復力を高めるためのビットインタリーバ(図示せず)、及び符号化されインタリーブされたビットシーケンスを複素デジタルシンボルのベースバンドシーケンスにマッピングするためのセルマッパ(図示せず)を含む。次に、上位層の変調信号と下位層の変調信号とが、LDM結合器(100)において合成信号に結合される。
【0120】
図9のLDM結合器(100)は、図1に示した一般的なLDM結合器と類似しており、類似の要素は類似の参照番号によって識別され、その詳細な説明は省略する。図9のLDM結合器(100)の構成は、LDM結合器(100)が上位層分岐にアップサンプリング部(160)と電力ブースタ(170)とをさらに備えるという点で、図1の一般的なLDM結合器とは異なる。アップサンプリング部(160)は、その入力信号に対してM倍のアップサンプリングを実行するが、これは、その入力において2つの連続するサンプルXの間に(M-1)個のゼロを挿入し、それによってアップサンプリングされた信号X を生成することによって達成される。ゼロを挿入すると、電力が減少する。電力減少を補償するために、アップサンプリング係数Mの平方根に等しい係数γ、つまりγ=sqrt(M)だけ信号の電力をブーストする電力ブースタ(170)が設けられる。この電力ブーストは、上位層信号γX に単位電力を持たせる。
【0121】
この手法の利点は、LDM合成信号が例えば32kのFFTの非常に長いOFDM信号で運ばれ得ることで、下位層はあらゆるサブキャリアを利用することができるのでスペクトル効率が高くなり、上位層はM番目毎のサブキャリアのみを利用するため、ドップラー拡散に対して非常に頑健となる。送信信号は、2つのタイプの受信器、つまり(i)高いドップラー拡散の影響を受けず、したがって長いFFT長から利益を得る固定受信器、及び(ii)高いドップラー拡散を経験し、したがって上位層上の実質的に増加したサブキャリア間隔から恩恵を受けるモバイル受信器に提供されることを理解されたい。
【0122】
LDM結合器(100)の後に、インタリーブ段(200)が続き、インタリーブ段は、重畳セル間のスペクトル距離を維持するように特に適合されている。この目的のために、インタリーブ段(200)は、2つの分岐、つまり重畳セルを処理するための第一分岐(図9の上の分岐)と、非重畳セルを処理するための第二分岐(図9の下の分岐)とを含む。均一M倍ダウンサンプリング部(210)及び不均一周期的M倍ダウンサンプリング部(211)として実装され得る逆多重器は、第一分岐用にはLDM結合器の出力からM番目毎のセルを抽出し、第二分岐用には他のすべてのセルを抽出する。逆多重器(ダウンサンプリング部(210、211))の各出力分岐は、時間及び周波数方向において互いに独立している重畳セル及び非重畳セルのそれぞれのシーケンスをインタリーブするための専用時間インタリーバ(220、221)及び専用周波数インタリーバ(230、231)の両方を有する。
【0123】
図9のインタリーブ部(つまり、時間インタリーバ(220、221)及び周波数インタリーバ(230、231))は、互いに独立して実装されてもよく、セルの異なるブロック(又は「チャンク」)に対して動作してもよい。具体的には、時間インタリーバ220及び221は、行-列インタリーブなどの第一種類のインタリーブを適用するように構成され、周波数インタリーブ部は、擬似ランダムインタリーブなどの異なる第二種類のインタリーブを施すように構成され、逆もまた同様である。さらに、各インタリーブ部は、別のインタリーブ部のブロックサイズとは異なるブロックサイズを有するブロックに対して動作し得る。この違いは、時間及び周波数インタリーブ、ならびに上位層及び下位層に関連し得る。下位層は、例えば、上位層の行-列インタリーバよりも多くの列及び/又は行を有する行-列インタリーバを含むことができ、逆もまた同様である。一方、上位層の周波数インタリーバは、対応する時間インタリーバが動作しているセルのブロックよりも小さいセルのブロックに対して動作してもよく、逆もまた同様である。下位層の時間及び周波数インタリーバについても同様である。時間及び周波数インタリーバのさらなる詳細を以下に論じる。
【0124】
さらに、図9の実施の形態では、上位分岐と下位分岐とのそれぞれに2つの独立したインタリーブ部がある。しかしながら、状況に応じて、より多い(例えば3つ又は4つ以上の独立したインタリーブ部)又はより少ない(例えば単一のインタリーブ部のみ)が上位分岐、下位分岐又は両方の分岐に実装されてもよい。
【0125】
さらに、上位分岐及び下位分岐のそれぞれにおけるインタリーブ段の構成は、例えば、伝播シナリオ、チャネル特性又は送信されるデータに応じて動的に変更されてもよく、構成にはビットエラー率、PLPの数、LDM層の数、QoS要件、変調、データレートなどが含まれる。具体的には、行-列インタリーバの列/行の数及び擬似ランダムインタリーバの長さなどの周波数及び/又は時間インタリーバの特性パラメータが適合されてもよい。実行されるインタリーブを特徴付けるパラメータは、以下に説明するように、受信器にシグナリングされてもよい。
【0126】
図9に戻って参照すると、上位分岐と下位分岐との両方が多重化器によって再び融合され、インタリーブ段の出力を形成するインタリーブされた合成信号を生成する。多重化器は、適切な位相関係を有する2つのアップサンプリングされた信号を加算するための信号加算器(250)と組み合わせて、均一M倍アップサンプリング部(240)及び不均一周期的M倍アップサンプリング部(241)として実装され得る。均一M倍アップサンプリング部(240)の動作は、LDM結合器のアップサンプリング部(160)の動作と基本的に同じであり得る。クロック式スイッチ及びバッファを含む、逆多重器及び多重化器の他の実装形態も考えられる。
【0127】
図10Aは、本発明の実施の形態1に係る、LDM合成信号を有する送信されたOFDMシンボルを示すスペクトル図である。図10Aは、上位層(実線)のデータが偶数サブキャリアのみ(M=2)で変調され、下位層(一点鎖線)のデータが全てのサブキャリアで変調されること以外は、図4Aと同様である。図4Aの従来の合成信号の奇数サブキャリアのスペクトルエネルギーが、例示目的のためだけに破線で表されている。この信号成分は、本発明のLDM合成信号には存在しない。
【0128】
図10Bは、時変チャネルを介して受信されるときの図10AのOFDMシンボルを示すスペクトル図である。図10Bは、上位層(実線)のデータが偶数サブキャリアのみ(M=2)で変調され、下位層(一点鎖線)のデータが全てのサブキャリアで変調されること以外は、図4Bと同様である。図10Aと同様に、従来の合成信号の奇数サブキャリアのスペクトルエネルギーは、例示目的のためだけに破線で表されている。この信号成分は、本発明のLDM合成信号には存在しない。図10Bから、特に図10B図4Bとの比較から分かるように、隣接するサブキャリアからのキャリア間干渉は、従来のLDM合成信号と比較して著しく低減されている([1])。
【0129】
図11Aおよび図11Bを参照して図9のインタリーブ段(200)の動作を説明する。
【0130】
図11Aは、上位層アップサンプリングでLDM合成器によって出力されたLDM合成セルのシーケンスの概略図である。アップサンプリング係数Mは3なので、3番目毎のサブキャリアが上位層及び下位層の両方からのセル(「A」とマークされている重畳セル)を運び、残りのすべてのサブキャリアが下位層のみからのセル(「B」及び「C」とマークされている非重畳セル)を運ぶ。
【0131】
図11Bは、図11Aのセルシーケンスで動作するインタリーブ段の概略図である。インタリーブ段の主な目的は、重畳セル(「A」とマークされている)と非重畳セル(「B」及び「C」とマークされている)を2つの別々のセルストリームに分割してこれら2つのセルストリームを個別にインタリーブし、2つのインタリーブされたストリームを単一のセルストリームに融合させることで、単一のセルストリームは次にフレーミングブロック及びOFDMブロックに渡される。
【0132】
以下、この概念の実現を可能にする図11Bに示す特定の実施の形態を説明する。
【0133】
図11Bのインタリーブ段は、LDM結合器からセルシーケンスABCABCなどを受信している。上位分岐のセルは、M番目毎のセルを保持し、かつ重畳セル(「A」とマークされている)のみをその出力において表示する均一M倍ダウンサンプリング器を通過する(これはLDM結合器中のM倍アップサンプリング器に対する二重操作である)。それらのセルは次に時間インタリーブされ周波数インタリーブされ、時間インタリーバ
【数1】
と周波数インタリーバ
【数2】
とは、上位分岐に固有のもので、下位分岐の対応するものと必ずしも同じではない。次にまた、インタリーブされたセルは、係数Mによって均一にアップサンプリングされる。
【0134】
下位分岐上のセルは、M番目毎のセルを削除し、かつその出力においてセルシーケンス「BCBC」等を提示する、不均一であるが周期的なM倍ダウンサンプリング器(ブロック
【数3】
として示されている)を通過する。均一ダウンサンプリング器はM番目毎のサンプルを保持する一方で、不均一周期的ダウンサンプリング器はM番目毎のサンプルを削除することを強調しておく。したがって、不均一周期的ダウンサンプリング器の出力におけるデータレートは、M/(M-1)倍に低減される。
【0135】
セルは次に時間インタリーブされ周波数インタリーブされ、時間インタリーバ
【数4】
と周波数インタリーバ
【数5】
とは、下位分岐に固有のもので、下位分岐の対応するものと必ずしも同じではない。次にまた、下位分岐内のインタリーブされたセルは、2つの分岐間のゼロ上に非ゼロセルを配置するために、係数M及び1サンプルのオフセットによって周期的かつ不均一にアップサンプリングされる。これは、すべての(M-1)個のセルの間にゼロを挿入する二重の上向き矢印
【数6】
でマークされたブロックによって処理される。
【0136】
特定の時間インタリーバ及び周波数インタリーバの例は、欧州通信規格協会EN 302 755「デジタルビデオ放送(DVB);第二世代地上デジタルテレビジョン放送システム(DVB-T2)のためのフレーム構造チャネル符号化及び変調」、v1.4.1、2015年2月において見ることができ、例えば、FFT用長さが215=32Kまでのサブキャリアのための行-列ブロック時間インタリーバ及び偶数-奇数周波数インタリーバ及びそれらの変形である。
【0137】
インタリーブ段の最後のステップとして、2つの分岐がもう一度重ね合わされる。LDM結合器における最初の重ね合わせとは異なり、ここでは、すべての層からのすべての非ゼロセルは、それぞれの他の層からのゼロと出会う。
【0138】
したがって、インタリーブ段の動作は、重ね合わされたセルのサブセット「A」がそれ自体の上にマッピングされるように、合成セルのブロックに置換を適用することと等価である。言い換えれば、各重畳セルは他の重畳セルの位置にマッピングされる。非重畳セル「B」及び「C」は、重畳セル間の任意の位置にマッピングされる。このようにインタリーブすることにより、重畳セル間のスペクトル距離が維持される。
【0139】
上位層及び下位層の単一のPLPの観点からLDMを説明してきた。以下、LDMに関連して両方の層上に複数のPLPがある一般的な場合について、図12A図12Eと併せて考察する。
【0140】
ATSC3.0では、この一般的なケースを処理するために時間インタリーバグループ(TIグループ)と呼ばれる概念が導入された。TIグループはコア層PLPで表され、コア層PLPと、コア層PLPと層多重分割されているすべての拡張層PLPとで構成される。TIグループ識別子は、制御シグナリング内のコア層PLPの位置によって暗黙のうちに与えられる。
【0141】
ATSC 3.0のL1シグナリングは、PLPの開始アドレス、フレーム内のPLPに割り当てられたセル数、及びコア又は拡張層のいずれかにおける受信器の位置を受信器に提供する。したがって、受信器は、PLPによってカバーされる時点を並べることによって受信器が潜在的にどのTIグループに属するかを導き出し、次に検出のためにSICを実行するためにどの拡張PLPがどのコア層PLPに属するかを関連付ける必要がある。
【0142】
ここでの目標は、選択されたLDM及びインタリーブパラメータについて一意的かつ明示的に受信器に知らせるためのL1シグナリングの一般的な形式を定義することである。この目的のために、LDMグループの定義は、単一のコア層PLPと、コア層PLPと階層分割多重されている1つ以上の拡張PLPとからなるPLPのグループとして導入される。考え方としては、PLPを特定のLDMグループ識別子に関連付けてから、LDMグループ識別子を使用して、制御シグナリング内の単一の一意の場所にすべてのLDM及びインタリーブパラメータを含めるということである。
【0143】
L1シグナリングのための特定の解決策を説明する前に、両方の層上に複数のPLPが存在すると、LDMグループに含まれるFECブロックの様々な異なるアライメントがもたらされる可能性があることを理解することは有益である。次に、この概念を最も単純なものから最も複雑なものまで説明するために、5つのFECブロックのアライメントについて説明する。
【0144】
図12Aでは、1つのコアPLPと1つの拡張PLPとが単一のLDMグループを形成する最も単純な構成が示されている。さらに、PLPは完全に重なっている。ここでは、2つの根本的な仮定があり、1)コア層(plp_id_0)及び拡張層は、一定の数のFECブロックを運び、それらは、変調次数に応じて必ずしも同じではない。2)コア層は、既にM倍アップサンプリング後の状態で提示されている。
【0145】
図12Bでは、追加のPLP(plp_id_2)がペアに加わる。1つのコアPLP(plp_id_0)及び1つの拡張PLP(plp_id_1)が第一LDMグループ(ldm_group_0)を形成し、コア層上の単一のPLP(plp_id_2)が第二LDMグループ(ldm_group_1)を形成する。
【0146】
以下の構成は、異なるLDM層に存在しながら重なるPLPを導入することによって、前の2つと異なっている。図12Cでは、3つのPLPがコア層に存在し、単一のPLPが拡張層に存在する。ATSC3.0の理論的根拠に従って、コア層がインタリーブを決定し、拡張層上の影響を受けるPLPがそれに従う。したがって、コア層は拡張層を3つのLDMグループ(ldm_group_0、ldm_group_1、ldm_group_2)に分割する。
【0147】
逆の状況が図12Dで発生し、そこでは単一のPLP(plp_id_0)がコア層上に存在し、拡張層上の3つのPLP(plp_id_1、plp_id_2、及びplp_id_3)にわたって広がっている。前の場合とは対照的に、ATSC3.0の理論的根拠に従って、単一のLDMグループ(ldm_group_0)が形成される。
【0148】
最も複雑な場合を図12Eに示す。合計で4つのPLPがあり、コアと拡張層のそれぞれに2つあるが、第四PLP(plp_id_3)は2つのコアPLP、plp_id_0及びplp_id_1と重なる。そのため、2つのLDMグループ、ldm_group_0及びldm_group_1に分割される。各コア層PLPに入るFECブロックの数はplp_fec_blodks_in_ldm_groupsとしてシグナリングされ、拡張層PLPが属するコア層の数はnum_plp_in_ldm_groupsとしてシグナリングされる。
【0149】
時間インタリーブの好ましい実施の形態は、DVB-T2で採用されているような行-列ブロックインタリーブである。時間インタリーバの選択及び設計を、以下の専門語を用いて論じる。
【0150】
【数7】
・・・上位層のFECブロックあたりのセル数
【0151】
【数8】
・・・上位層のTIブロックあたりのFECブロック数
【0152】
【数9】
・・・下位層及びi番目のPLPのFECブロックあたりのセル数
【0153】
【数10】
・・・下位層及びi番目のPLPのTIブロックあたりのFECブロック数
【0154】
重要な制約は次のとおりであり、
【数11】
LDMグループ内では、アップサンプリング後の(左側の)上位層のセル数は、(右側の)下位層のセル数と等しくなければならないことを意味する。合計は、コア層PLPが複数の拡張層PLPにわたって広がるそれらのFECブロックアライメントを考慮に入れる(図12D及び図12E参照)。
【0155】
上位分岐の時間インタリーバ
【数12】
に入るセル数は、
【数13】
であり、これは整数であり、ブロックインタリーバは容易に実現される。問題はない。ただし、下位分岐の時間インタリーバ
【数14】
のセル数は、
【数15】
であり、Mはアップサンプリング係数である。
【0156】
概念的には、下位分岐におけるダウンサンプリングはパンクチャリングプロセスとして考えられるのが最良である、つまり、時間インタリーブ前に、FECブロックは
【数16】
セルを有するFECブロックから
【数17】
セルを有するFECブロックに実際に短縮される。
【0157】
図13A及び図13Bはそれぞれ、上記の考察に係る、(下位層上の単一のPLPの)時間インタリーバ
【数18】
及び
【数19】
のレイアウトを示す。
【0158】
この用語
【数20】
は、整数以外の数になる可能性があるため、潜在的に面倒である。幸いなことに、64800コードビットの長いFECコードに対しては、パンクチャリングは最大4096-QAM及び最大ダウンサンプリング係数M=6までのすべてのQAMコンステレーションに対して整数のサンプルを生成するので、当てはまらない。しかしながら、16200コードビットの短いFECコードに対しては、整数でない数のサンプルが生じる場合があり、つまり、
-256QAM、M=2、
-16QAM、M=4、
-256QAM、M=4、
-256QAM、M=6の場合である。
【0159】
拡張/下位層は通常、長いLDPCコードワードを使用して高レートのサービスを運ぶため、これらは希少ケースと見なすことができる。これらの希少ケースもカバーする可能性のある解決策は、それらにインタリーバを通過させる前に、2つのFECブロックを組み合わせてスーパーFECブロックを形成することである。概念的には、これは、時間インタリーバが可変数の列に加えて可変数の行を有することを可能にすることによって達成される。
【0160】
完全に可変数の列及び行を有する時間インタリーバレイアウトを可能にする同じ手法はまた、コア層PLP毎に複数の拡張PLPが存在する状況を容易にする。図13の時間インタリーバレイアウトは、例えば図12Aのような一対一のFECブロックアラインメントを反映している。ここでは、TIの行及び列の選択は簡単である。例えば図12D及び図12Eのように複数の拡張PLPが存在する場合、状況は異なる。簡単にするために、拡張層上の2つのPLPを想定する。これらを図14A及び14Bに示す。
【0161】
2つのPLPは、num_ti_rows_lowerとnum_ti_columns_lowerとで一般的にシグナリングされる次元を有する時間インタリーバに一緒に渡される(図14C参照)。
【0162】
周波数インタリーブ(FI)の好ましい実施の形態は、DVB-T2で採用されているような擬似ランダム解である。DVB-T2に係れば、FIのパラメータ(例えば、周波数インタリーバのシーケンス長及びOFDMセル内のデータセル数)は、選択されたFFT長及びパイロットパターンに基づいて暗黙のうちに選択される。DVB-T2のFIは概念的にはOFDM変調の一部であり、個々のPLPではなくすべてのサブキャリアに適用される。
【0163】
ETSI EN 302 755 v1.4.1に係れば、DVB-T2に対する置換関数H(p)は以下のアルゴリズムによって決定される。
【0164】
【数21】
【0165】
【表1】
【0166】
周波数インタリーバは、最大Ndata≦Mmaxセルに及ぶことができる。時間インタリーバは、通常、Ndata個のセルを超えて、つまりK個のセルに及び、つまり、K≧Ndataとなる。整数Kは、上位インタリーブ分岐に
【数22】
の値を想定でき、下位インタリーブ分岐に
【数23】
の値を想定できる。一例を図15に示す。
【0167】
周波数インタリーバは一般に、時間インタリーバ出力においてセルの複数のブロックに適用される。Ndata個のセルを含むフロア(K/Ndata)ブロックがあり、その後に0のブロック又はNdata個のK%のセルを含む1個の後続ブロックがある。Ndata個のK%のセルを含む後続ブロックがある場合、上記アルゴリズムのif節、つまり(H(p)<Ndata)がif(H(p)<K%Ndata)に変更されることが理解される。
【0168】
周波数インタリーバがすべてのサブキャリアに適用されるDVB-T2とは対照的に、本発明では、FIはLDMグループの一部になり、したがってL1構成可能/L1基本部分においてnum_mode_fi_upper及びnum_fi_mode_lowerとしてシグナリングされ、これにより各インタリーブ分岐に対するMmaxを表す。NdataはFFT長とは独立して選択され得るので、Ndataはまた、動的L1シグナリングの一部として、上位及び下位インタリーブ分岐についてnum_fi_data_upper及びnum_fi_data_lowerとしてそれぞれシグナリングされる。
【0169】
データは通常プリアンブル部分とペイロード部分に分割されたフレームで送信される。プリアンブルは、いわゆるL1シグナリングを運び、ペイロードで運ばれるデータを復調できるように受信器によって要求されるパラメータからなる。そのようなパラメータの例は、採用されたFECコード又はPLPのための変調であり得る。
【0170】
通常、L1シグナリングは、いくつかのフレームに対して一定のパラメータと、おそらくフレーム間でより動的に変化するパラメータとに分割される。DVB-T2では、L1シグナリングはL1プレ及びL1ポストに分割され、それによって後者は再び構成可能な部分と動的部分とに分割される。そしてATSC3.0では、同様に、L1シグナリングは基本部分と動的部分とで運ばれる。
【0171】
本発明のための潜在的に構成可能なL1シグナリングをテーブル1に示す。PLPの数は、num_plpで表される。層のタイプ(コア/上位又は拡張/下位)はplp_layerで表される。下位層上のPLPをそれぞれの上位層PLPに一意にリンクするために、ldm_group_idと呼ばれる識別子が導入される。
【0172】
時間インタリーブモードの他に、DVB-T2では、フレーム内及びフレーム間の時間インタリーブの概念があることに留意されたい。フレーム内時間インタリーブは、単一のT2フレーム内で複数のいわゆるTIブロック(1つのTIブロックは複数のFECブロックを含み、時間インタリーバの1回の使用に対応する)を時間インタリーブすることを可能にし、フレーム間時間インタリーブは、複数のTIフレームにわたる単一のTIブロックのインタリーブに対応する。さらに、DVB-T2では、時間インタリーブのタイプ(フレーム内又はフレーム間インタリーブ)はフラグtime_il_typeによってシグナリングされ、TIブロックの数はtime_il_lengthによって与えられる。
【0173】
原則として、フレーム内/フレーム間インタリーブの概念はLDMにも適用可能であり、これはコア層PLPが時間インタリーブモードを決定することを意味する。したがって、これはテーブル1のフラグtime_il_type及びtime_il_lengthによってシグナリングされる。図12EのようにPLPが重なっている場合には、1つの制約を守らなければならない。ここで、拡張層PLPの一部を運ぶすべてのコア層PLPは、同じ時間インタリーブモードを採用すべきである。しかしながら、これらの制約は本発明の範囲外であり、それぞれの仕様によって調整されなければならない。
【0174】
拡張層PLP毎に複数のコアPLPがある場合、コアPLPの数はnum_plp_ldm_groupsとしてシグナリングされ、その後に、どのコア層PLPに拡張PLPが接続されているかを示すLDMグループ識別子(ldm_group_id)のリストが続く。
【0175】
LDMグループの総数は、num_ldm_groupsで表される。これは、コア層PLPの数と同じである。各LDMグループについて、アップサンプリング係数はplp_up_sampling_factor、ブースト係数はplp_boost_factor、注入レベルはplp_injection_level、上下位層のFECブロックの最大数はそれぞれnum_ti_columns_upper_max及びnum_ti_columns_lower_maxとしてシグナリングされる。
【0176】
【表2】
【0177】
式(1)の制約を参照すると、FECブロックの数
【数24】
及び
【数25】
は、動的L1シグナリングの一部としてシグナリングされる(テーブル2参照)。拡張PLPが複数のコア層PLPに加わることが可能であるので、各コア層PLPと重複するFECブロックの数は、plp_fec_blocks_in_ldm_groupとしてシグナリングされる。
【0178】
さらに、各LDMグループに対して、LDMグループ識別子ldm-group_idがシグナリングされ、その後に時間インタリーバの特定のレイアウト
【数26】
及び
【数27】
が続き、つまりそれらの列数(num_ti_columns_upper、num_ti_columns_lower)及び行数(num_ti_rows_upper、num_ti_rows_lower)である。
【0179】
最後に、num_fi_mode_upper及びnum_fi_mode_lowerは、上位層及び下位層の周波数インタリーバモード(Mmax)をシグナリングする。
【0180】
したがって、特定のLDM構成を識別するパラメータのセットは、特定のインタリーバ構成を識別するパラメータのセットと共にシグナリングされ得る。両方のパラメータセットは、LDM_group_idなどの共通の識別子によって論理的にリンクされ得る。論理的なグループ分け又はリンクのための他の手段が採用されてもよい。
【0181】
テーブル1及びテーブル2は、LDM関連パラメータ及びインタリーバ関連パラメータの両方をシグナリングするための例示的な実施の形態を示す。しかし、本発明はこの特定の実施の形態に限定されず、状況に応じて異なる構文を採用することができる。構文は、例えば、追加のパラメータを含み、これらのパラメータのいくつかを除外し、あるいはこれらのパラメータを代替の順序又は論理的なグループ分けで提供することができる。
【0182】
【表3】
【0183】
図16Aは、上位層のみを受信するように構成されている受信器、例えばモバイル受信器の概略ブロック図である。受信器は、合成信号を受信するためのOFDM復調器(300’)を備える。受信された合成信号は、上位層データを運ぶサブキャリアを分離するために、ダウンサンプリング部(210)において係数Mによってダウンサンプリングされる。その後、ダウンサンプリングされた信号は、周波数デインタリーバ(220’)及び時間デインタリーバ(230’)でデインタリーブされ、上位層のデジタルデータを取り出すために復調器(10’)において復調される。周波数デインタリーバ(220’)及び時間デインタリーバ(230’)は、例えば、それぞれのインタリーバによって適用される置換の逆である置換を適用することによって、それぞれ図9及び図11に関連して説明した周波数インタリーバ(220)及び時間インタリーバ(230)の逆演算を実行する。適用される置換を特徴付けるパラメータに関する情報は、上述のL1シグナリングなどのシグナリング情報から取り出され得る。
【0184】
図16Bは、上位層及び下位層の両方を受信するように構成されている受信器、例えば固定受信器の概略ブロック図である。図16Bの受信器は、OFDM復調器(300’)、ダウンサンプリング部(210)、周波数及び時間インタリーバ(220’、230’)及び復調器(10’)を含む、上位層のデジタルデータを取り出すための図16Aの受信器のすべての構成要素を備える。
【0185】
図16Bの受信器は、非重畳セルをデインタリーブするための分岐をさらに備える。この目的のために、受信信号のセルは、それぞれダウンサンプリング部210及び211によって重畳セルと非重畳セルとに効果的に逆多重化される。重畳セルは、図12Aに関連して説明したように、図12Bの上位分岐においてデインタリーブされる。非重畳セルは、例えば、それぞれのインタリーバによって適用される置換の逆である置換を適用することによって、それぞれ図9及び図11に関連して説明した周波数インタリーバ(221)及び時間インタリーバ(231)の逆演算を実行する周波数デインタリーバ(221’)及び時間デインタリーバ(231’)によってデインタリーブされる。次に、両方の分岐のデインタリーブされたセルは、上述のように、2つのアップサンプリング部(240、241)及び信号加算器(250)によって再多重化される。信号加算器(250)の出力は、受信器によって受信されたときのデインタリーブ合成信号である。
【0186】
デインタリーブ合成信号から下位層データを抽出するために、上位層データを再変調するための変調器(10)、再変調された信号をアップサンプリングするためのアップサンプリング部(160)、及びアップサンプリングされた信号の電力レベルを調整するための増幅器(170)が提供される。その後、増幅器(170)の出力信号は、デインタリーブ合成信号から信号減算器(140’)によって減算され、これにより、再変調された上位層信号からの干渉のない受信合成信号が提供され、これは次に第二復調器(11’)において復調される。
【0187】
本発明を、添付の特許請求の範囲の限定を目的としない特定の実施の形態に関して説明してきた。添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、様々な修正を加えることができる。
【0188】
例えば、上記実施の形態は、2つの層のみを有する階層分割多重に関するものである。しかしながら、本発明は3つ以上の異なる層にも適用することができる。この場合、アップサンプリングステップは、1つ以上の最上位層に施されてもよい。それに応じて合成信号を逆多重化及び再多重化することによって、各層のセルを専用のインタリーバにかけることができる。最上位層は、続く下位層のアップサンプリング係数以上のアップサンプリング係数でアップサンプリングされてもよい。
【0189】
さらに、キャリア間干渉の低減を、上位層信号の2倍アップサンプリングと併せて説明してきた。インタリーブ段及びデインタリーブ段を、上位層信号の3倍アップサンプリングに関連して説明してきた。しかしながら、上位層データを運ぶサブキャリアのスペクトル距離をさらに増加させ、キャリア間干渉をさらに減少させるために、データレートに応じて、M=2、M=3又はM=4などの任意の適切なアップサンプリング係数を使用することができる。
【0190】
さらに、本発明を、特定の順方向誤り訂正符号(FEC)、特定のビットインタリーバ、及び特定のシンボルマッパを含むビットインタリーブ符号化変調に基づくデジタルデータ放送に関して提示してきた。しかし、本発明は、デジタルデータを一連の複素数値セル又は実数値セルからなる変調信号に変換する任意の他の形式の変調にも同様に適用することができる。
【0191】
最後に、本発明は直交周波数分割多重の文脈で提示されたが、他の形態のマルチキャリア変調にも適用され得る。
【0192】
要約すると、本発明は、デジタルデータを放送するための技術に関し、特に、直交周波数分割多重と関連する階層分割多重(LDM)に関し、ここでは上位層データは、キャリア間干渉を減らすためにM番目毎のOFDMサブキャリアにのみ変調される。本発明は、2層以上のセルを運ぶLDM合成セルと、1層のみのセルを運ぶLDM合成セルとについて別々のインタリーブ段を提供する。このようにして、2層以上のセルを運ぶ合成セルのサブキャリア間隔を維持しながら、LDM合成信号に対して時間及び周波数インタリーブを実行することができる。
【0193】
なお、上記各実施の形態の送信装置は、以下のようにも表現され得る。
【0194】
図17は、送信装置500の構成を示すブロック図である。
【0195】
図17に示されるように、送信装置500は、割当器510と生成器520とを備える。
【0196】
送信装置500は、第一データ列と第二データ列とをOFDMによって送信する。
【0197】
割当器510は、第一データ列と第二データ列とを取得し、取得した第一データ列と第二データ列とを結合し、OFDMの複数のサブキャリアに割り当てる。また、割当器510は、複数のサブキャリアのうちの複数の第一サブキャリアに、第一データ列に含まれるデータと第二データ列に含まれるデータとを割り当て、複数のサブキャリアのうちの複数の第一サブキャリアと異なる複数の第二サブキャリアに、第一データ列に含まれるデータと第二データ列に含まれるデータとのうち第二データ列に含まれるデータを割当てる。
【0198】
生成器520は、複数のサブキャリアからOFDM信号を生成する。
【0199】
これにより、送信装置500は、デジタルデータの送信性能を向上できる。
【0200】
図18は、受信装置600の構成を示すブロック図である。
【0201】
図18に示されるように、受信装置600は、受信器610と、読出器620とを備える。
【0202】
受信装置600は、第一データ列と第二データ列とをOFDMによって受信する。
【0203】
受信器610は、OFDM信号を受信する。
【0204】
読出器620は、受信器610が受信したOFDM信号から第一データ列と第二データ列とを読み出す。また、読出器620は、OFDMの複数のサブキャリアのうちの複数の第一サブキャリアから、第一データ列に含まれるデータと第二データ列に含まれるデータとを読み出し、複数のサブキャリアのうちの複数の第一サブキャリアと異なる複数の第二サブキャリアから、第一データ列に含まれるデータと第二データ列に含まれるデータとのうち第二データ列に含まれるデータを読み出す。
【0205】
これにより、受信装置600は、デジタルデータの受信性能を向上できる。
【0206】
図19は、各実施の形態の送信方法を示すフロー図である。この送信方法は、第一データ列と第二データ列とをOFDMによって送信する送信方法である。
【0207】
ステップS510において、送信装置は、第一データ列と第二データ列とを取得し、取得した第一データ列と第二データ列とを結合し、OFDMの複数のサブキャリアに割り当てる。この割り当てでは、複数のサブキャリアのうちの複数の第一サブキャリアに、第一データ列に含まれるデータと第二データ列に含まれるデータとを割り当て、複数のサブキャリアのうちの複数の第一サブキャリアと異なる複数の第二サブキャリアに、第一データ列に含まれるデータと第二データ列に含まれるデータとのうち第二データ列に含まれるデータを割当てる。
【0208】
ステップS520において、前記複数のサブキャリアからOFDM信号を生成する。
【0209】
これにより、デジタルデータの送信性能を向上できる。
【0210】
図20は、各実施の形態の受信方法を示すフロー図である。この受信方法は、第一データ列と第二データ列とをOFDMによって受信する受信方法である。
【0211】
ステップS610において、OFDM信号を受信する。
【0212】
ステップS620において、受信器が受信したOFDM信号から第一データ列と第二データ列とを読み出す。この読み出しでは、OFDMの複数のサブキャリアのうちの複数の第一サブキャリアから、第一データ列に含まれるデータと第二データ列に含まれるデータとを読み出し、複数のサブキャリアのうちの複数の第一サブキャリアと異なる複数の第二サブキャリアから、第一データ列に含まれるデータと第二データ列に含まれるデータとのうち第二データ列に含まれるデータを読み出す。
【0213】
これにより、送信受信600は、デジタルデータの受信性能を向上できる。
【0214】
なお、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。ここで、上記各実施の形態の送信装置及び受信装置などを実現するソフトウェアは、次のようなプログラムである。
【0215】
すなわち、このプログラムは、コンピュータに、第一データ列と第二データ列とをOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)によって送信する送信方法であって、前記第一データ列と前記第二データ列とを取得し、取得した前記第一データ列と前記第二データ列とを結合し、OFDMの複数のサブキャリアに割り当て、前記複数のサブキャリアからOFDM信号を生成し、前記割り当てでは、前記複数のサブキャリアのうちの複数の第一サブキャリアに、前記第一データ列に含まれるデータと前記第二データ列に含まれるデータとを割り当て、前記複数のサブキャリアのうちの前記複数の第一サブキャリアと異なる複数の第二サブキャリアに、第一データ列に含まれるデータと第二データ列に含まれるデータとのうち第二データ列に含まれるデータを割当てる送信方法を実行させる。
【0216】
また、このプログラムは、コンピュータに、第一データ列と第二データ列とをOFDMによって受信する受信方法であって、OFDM信号を受信し、受信した前記OFDM信号から前記第一データ列と前記第二データ列とを読み出し、前記読み出しでは、OFDMの複数のサブキャリアのうちの複数の第一サブキャリアから、前記第一データ列に含まれるデータと前記第二データ列に含まれるデータとを読み出し、前記複数のサブキャリアのうちの前記複数の第一サブキャリアと異なる複数の第二サブキャリアから、第一データ列に含まれるデータと第二データ列に含まれるデータとのうち第二データ列に含まれるデータを読み出す受信方法を実行させる。
【0217】
以上、一つまたは複数の態様に係る送信装置及び受信装置などについて、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0218】
本発明は、OFDMによりデータを送受信する送信装置及び受信装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0219】
10,20 BICM部
30 注入レベル制御器
40,250 信号加算器
50 電力正規化部
60,240,241 アップサンプリング部
70 電力ブースタ
72,220,221 時間インタリーバ
74,230,231 周波数インタリーバ
80,300 OFDMフレーマ
100 LDM結合器
110 OFDM復調器
120,220’,221’ 周波数デインタリーバ
125,230’,231’ 時間デインタリーバ
130,210,211 ダウンサンプリング部
140,190,10’,11’ 復調器
150 変調器
160 アップサンプリング部
170 増幅器
180 信号減算器
200 インタリーブ段
300’ OFDM復調器
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図13A
図13B
図14A
図14B
図14C
図15
図16A
図16B
図17
図18
図19
図20