(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022092047
(43)【公開日】2022-06-21
(54)【発明の名称】グリーンウェーブ速度決定方法、グリーンウェーブ速度決定装置、電子機器、記憶媒体及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20220614BHJP
【FI】
G08G1/00 D
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2022067006
(22)【出願日】2022-04-14
(31)【優先権主張番号】202110735957.0
(32)【優先日】2021-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521208273
【氏名又は名称】阿波▲羅▼智▲聯▼(北京)科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】APOLLO INTELLIGENT CONNECTIVITY(BEIJING)TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】101, 1st Floor, Building 1, Yard 7, Ruihe West 2nd Road, Beijing Economic and Technological Development Zone, Beijing 100176, China
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】メイ, ユー
(72)【発明者】
【氏名】リン, ウェイセン
(72)【発明者】
【氏名】ドゥー, シャオキン
(72)【発明者】
【氏名】シー, リンタオ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】グリーンウェーブ速度決定方法、グリーンウェーブ速度決定装置、電子機器、記憶媒体及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】グリーンウェーブ協調路線における車両の車両走行データに基づいて、車両の走行方向を決定し、走行方向がグリーンウェーブ協調路線に対応するグリーンウェーブ協調方向にマッチングする車両を対象車両とし、対象車両の車両走行データに基づいて、グリーンウェーブ協調路線における隣接する交差点間の区間におけるグリーンウェーブ速度を決定することである。以上により、車両実際の走行データに基づいて、グリーンウェーブ協調路線における各区間におけるグリーンウェーブ速度を決定することを実現することができ、グリーンウェーブ速度の算出結果の正確度及び信頼性を向上させることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリーンウェーブ速度決定方法であって、
グリーンウェーブ協調路線における少なくとも1台の車両の車両走行データを取得するステップと、
前記車両走行データに基づいて前記車両の走行方向を決定するステップと、
前記走行方向が前記グリーンウェーブ協調路線に対応するグリーンウェーブ協調方向にマッチングする前記車両を対象車両とするステップと、
前記対象車両の車両走行データに基づいて、前記グリーンウェーブ協調路線における隣接する交差点間の区間におけるグリーンウェーブ速度を決定するステップとを含むグリーンウェーブ速度決定方法。
【請求項2】
前記対象車両の前記車両走行データに基づいて、前記グリーンウェーブ協調路線における隣接する前記交差点間の区間における前記グリーンウェーブ速度を決定するステップは、
前記グリーンウェーブ協調路線における任意の隣接する2つの前記交差点に対して、隣接する2つの前記交差点の位置を取得するステップと、
前記対象車両の前記車両走行データから、前記対象車両が隣接する2つの前記交差点間に位置する時の前記対象車両の対象走行データを決定するステップと、
前記対象走行データに基づいて、隣接する2つの前記交差点間の区間における前記グリーンウェーブ速度を決定するステップとを含む請求項1に記載のグリーンウェーブ速度決定方法。
【請求項3】
前記対象走行データが、各軌跡点の座標位置と、前記対象車両が各前記軌跡点まで走行するタイムスタンプとを含み、
前記対象走行データに基づいて、隣接する2つの前記交差点間の区間における前記グリーンウェーブ速度を決定するステップが、
前記対象走行データから、座標位置がそれぞれ隣接する2つの前記交差点の位置にマッチングする第1の軌跡点及び第2の軌跡点を決定するステップと、
前記第1の軌跡点のタイムスタンプと前記第2の軌跡点のタイムスタンプとに基づいて、前記対象車両が隣接する2つの前記交差点を通過する第1の走行時間を決定するステップと、
隣接する2つの前記交差点間の区間に対応する区間の長さを決定するステップと、
前記第1の走行時間及び前記区間の長さに基づいて、前記グリーンウェーブ速度を決定するステップとを含む請求項2に記載のグリーンウェーブ速度決定方法。
【請求項4】
前記対象車両が複数であり、前記第1の走行時間及び前記区間の長さに基づいて、前記グリーンウェーブ速度を決定するステップが、
各前記対象車両に対応する前記第1の走行時間、及び前記区間の長さに基づいて、各前記対象車両の第1の速度を決定するステップと各前記対象車両前記第1の速度を絞り込み、設定された速度閾値以上である前記第1の速度を保留するステップと、
保留された各前記第1の速度に基づいて、前記グリーンウェーブ速度を決定するステップとを含む請求項3に記載のグリーンウェーブ速度決定方法。
【請求項5】
前記対象走行データは各軌跡点の座標位置、及び前記対象車両が各前記軌跡点まで走行する瞬間速度を含み、
前記対象走行データに基づいて、隣接する2つの前記交差点間の区間における前記グリーンウェーブ速度を決定するステップが、
前記対象走行データから、前記座標位置がそれぞれ隣接する2つの前記交差点の位置にマッチングする第1の軌跡点及び第2の軌跡点を決定するステップと、
前記対象走行データから、前記座標位置が前記第1の軌跡点の座標位置と前記第2の軌跡点の座標位置との間に位置する少なくとも1つの第3の軌跡点を決定するステップと、
前記第1の軌跡点、前記第2の軌跡点及び各前記第3の軌跡点のそれぞれに対応する瞬間速度に基づいて、前記グリーンウェーブ速度を決定するステップとを含む請求項2に記載のグリーンウェーブ速度決定方法。
【請求項6】
前記第1の軌跡点、前記第2の軌跡点及び各前記第3の軌跡点の瞬間速度に基づいて、前記グリーンウェーブ速度を決定するステップが、
前記第1の軌跡点、前記第2の軌跡点及び各前記第3の軌跡点のそれぞれに対応する前記瞬間速度を絞り込み、設定された速度閾値以上である候補軌跡点を保留するステップと、
前記候補軌跡点の瞬間速度に基づいて、前記グリーンウェーブ速度を決定するステップとを含む請求項5に記載のグリーンウェーブ速度決定方法。
【請求項7】
前記車両走行データが、前記対象車両が各軌跡点まで走行するタイムスタンプを含み、
前記対象車両の前記車両走行データに基づいて、前記グリーンウェーブ協調路線における隣接する前記交差点間の区間における前記グリーンウェーブ速度を決定するステップの前に、
前記グリーンウェーブ協調路線における任意の2つの前記交差点に対して、2つの前記交差点の位置を取得するステップと、
前記対象車両の前記車両走行データから、座標位置がそれぞれ2つの前記交差点の位置にマッチングする第4の軌跡点及び第5の軌跡点を決定するステップと、
前記第4の軌跡点のタイムスタンプ及び前記第5の軌跡点のタイムスタンプに基づいて、前記対象車両が2つの前記交差点を通過する第2の走行時間を決定するステップと、
前記第2の走行時間が設定された時間以下である前記対象車両を絞り込んで保留するステップとをさらに含む請求項1から請求項6のいずれかに記載のグリーンウェーブ速度決定方法。
【請求項8】
グリーンウェーブ速度決定装置であって、
グリーンウェーブ協調路線における少なくとも1台の車両の車両走行データを取得する第1の取得モジュールと、
前記車両走行データに基づいて前記車両の走行方向を決定する第1の決定モジュールと、
前記走行方向が前記グリーンウェーブ協調路線に対応するグリーンウェーブ協調方向にマッチングする前記車両を対象車両とする処理モジュールと、
前記対象車両の車両走行データに基づいて、前記グリーンウェーブ協調路線における隣接する交差点間の区間におけるグリーンウェーブ速度を決定する第2の決定モジュールとを備えるグリーンウェーブ速度決定装置。
【請求項9】
前記第2の決定モジュールが、具体的には、
前記グリーンウェーブ協調路線における任意の隣接する2つの前記交差点に対して、隣接する2つの前記交差点の位置を取得し、
前記対象車両の前記車両走行データから、前記対象車両が隣接する2つの前記交差点間に位置する時の前記対象車両の対象走行データを決定し、
該対象走行データに基づいて、隣接する2つの前記交差点間の区間における前記グリーンウェーブ速度を決定する請求項8に記載のグリーンウェーブ速度決定装置。
【請求項10】
前記対象走行データが、各軌跡点の座標位置と、前記対象車両が各前記軌跡点まで走行するタイムスタンプとを含み、
前記第2の決定モジュールが、具体的には、
前記対象走行データから、座標位置がそれぞれ隣接する2つの前記交差点の位置にマッチングする第1の軌跡点及び第2の軌跡点を決定し、
前記第1の軌跡点のタイムスタンプと前記第2の軌跡点のタイムスタンプとに基づいて、前記対象車両が隣接する2つの前記交差点を通過する第1の走行時間を決定し、
隣接する2つの前記交差点間の区間に対応する区間の長さを決定し、
前記第1の走行時間及び前記区間の長さに基づいて、前記グリーンウェーブ速度を決定する請求項9に記載のグリーンウェーブ速度決定装置。
【請求項11】
前記対象車両が複数であり、前記第2の決定モジュールが、具体的には、
各前記対象車両に対応する前記第1の走行時間、及び前記区間の長さに基づいて、各前記対象車両の第1の速度を決定し、
各前記対象車両の前記第1の速度を絞り込み、設定された速度閾値以上である前記第1の速度を保留し、
保留された各前記第1の速度に基づいて、前記グリーンウェーブ速度を決定する請求項10に記載のグリーンウェーブ速度決定装置。
【請求項12】
前記対象走行データは各軌跡点の座標位置、及び前記対象車両が各前記軌跡点まで走行する瞬間速度を含み、
前記第2の決定モジュールが、具体的には、
前記対象走行データから、座標位置がそれぞれ隣接する2つの前記交差点の位置にマッチングする第1の軌跡点及び第2の軌跡点を決定し、
前記対象走行データから、前記座標位置が前記第1の軌跡点の座標位置と前記第2の軌跡点の座標位置との間に位置する少なくとも1つの第3の軌跡点を決定し、
前記第1の軌跡点、前記第2の軌跡点及び各前記第3の軌跡点のそれぞれに対応する瞬間速度に基づいて、前記グリーンウェーブ速度を決定する請求項9に記載のグリーンウェーブ速度決定装置。
【請求項13】
前記第2の決定モジュールが、具体的には、
前記第1の軌跡点、前記第2の軌跡点及び各前記第3の軌跡点のそれぞれに対応する前記瞬間速度を絞り込み、設定された速度閾値以上である候補軌跡点を保留し、
該候補軌跡点の瞬間速度に基づいて、前記グリーンウェーブ速度を決定する請求項12に記載のグリーンウェーブ速度決定装置。
【請求項14】
前記車両走行データが、前記対象車両が各軌跡点まで走行するタイムスタンプを含み、
前記グリーンウェーブ協調路線における任意の2つの前記交差点に対して、2つの前記交差点の位置を取得する第2の取得モジュールと、
前記対象車両の前記車両走行データから、座標位置がそれぞれ2つの前記交差点の位置にマッチングする第4の軌跡点及び第5の軌跡点を決定する第3の決定モジュールと、
前記第4の軌跡点のタイムスタンプ及び前記第5の軌跡点のタイムスタンプに基づいて、前記対象車両が2つの前記交差点を通過する第2の走行時間を決定する第4の決定モジュールと、
前記第2の走行時間が設定された時間以下である前記対象車両を絞り込んで保留する絞り込みモジュールとをさらに備える請求項8から請求項13のいずれかに記載のグリーンウェーブ速度決定装置。
【請求項15】
電子機器であって、
少なくとも1つのプロセッサと、
少なくとも1つの該プロセッサと通信可能に接続されるメモリとを備え、
該メモリには、少なくとも1つの前記プロセッサによって実行可能な命令が記憶されており、該命令が、少なくとも1つの前記プロセッサによって実行される場合、少なくとも1つの前記プロセッサが請求項1から請求項6のいずれかに記載のグリーンウェーブ速度決定方法を実行可能な電子機器。
【請求項16】
コンピュータ命令が記憶されている非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記コンピュータ命令が、コンピュータに請求項1から請求項6のいずれかに記載のグリーンウェーブ速度決定方法を実行させる非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項17】
コンピュータプログラムであって、
プロセッサによって実行される際に請求項1から請求項6のいずれかに記載のグリーンウェーブ速度決定方法を実現するコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は人工知能分野に関し、具体的にインテリジェント交通分野に関し、特にグリーンウェーブ速度決定方法、グリーンウェーブ速度決定装置、電子機器、記憶媒体及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
グリーンウェーブ(green wave)速度とは、グリーンウェーブ協調制御が実施されている幹線区間(即ちグリーンウェーブ協調路線)において、車両がグリーンウェーブ帯において順調に走行する速度を指すものである。グリーンウェーブ速度指標は幹線グリーンウェーブの設計、実施及び評価において極めて重要な役割を果たし、グリーンウェーブ方式及びグリーンウェーブの実施効果を直接決定する。即ちグリーンウェーブ速度指標は動的グリーンウェーブ設計を行うための基礎であり、グリーンウェーブ設計効果の向上や道路交通の通行効率の向上には重要な意義を持つ。そのため、各グリーンウェーブ協調路線におけるグリーンウェーブ速度をどのように決定するかは非常に重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示はグリーンウェーブ速度決定方法、グリーンウェーブ速度決定装置、電子機器、記憶媒体及びコンピュータプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の一態様によれば、グリーンウェーブ協調路線における少なくとも1台の車両の車両走行データを取得するステップと、前記車両走行データに基づいて前記車両の走行方向を決定するステップと、前記走行方向が前記グリーンウェーブ協調路線に対応するグリーンウェーブ協調方向にマッチングする前記車両を対象車両とするステップと、前記対象車両の車両走行データに基づいて、前記グリーンウェーブ協調路線における隣接する交差点間の区間におけるグリーンウェーブ速度を決定するステップとを含むグリーンウェーブ速度決定方法を提供する。
【0005】
本開示の他の態様によれば、グリーンウェーブ協調路線における少なくとも1台の車両の車両走行データを取得する第1の取得モジュールと、前記車両走行データに基づいて前記車両の走行方向を決定する第1の決定モジュールと、前記走行方向が前記グリーンウェーブ協調路線に対応するグリーンウェーブ協調方向にマッチングする前記車両を対象車両とする処理モジュールと、前記対象車両の車両走行データに基づいて、前記グリーンウェーブ協調路線における隣接する交差点間の区間におけるグリーンウェーブ速度を決定する第2の決定モジュールとを備えるグリーンウェーブ速度決定装置を提供する。
【0006】
本開示の他の態様によれば、電子機器であって、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つの該プロセッサと通信可能に接続されるメモリとを備え、該メモリには、少なくとも1つの前記プロセッサによって実行可能な命令が記憶されており、該命令が、少なくとも1つの前記プロセッサによって実行される場合、少なくとも1つの前記プロセッサが本開示の上記態様のいずれかによって提供されるグリーンウェーブ速度決定方法を実行可能な電子機器を提供する。
【0007】
本開示の他の態様によれば、コンピュータ命令が記憶されている非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記コンピュータ命令が、コンピュータに本開示の上記態様のいずれかによって提供されるグリーンウェーブ速度決定方法を実行させる非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【0008】
本開示の更なる態様によれば、コンピュータプログラムであって、プロセッサによって実行される際に本開示の上記態様のいずれかによって提供されるグリーンウェーブ速度決定方法を実現するコンピュータプログラムを提供する。
【0009】
なお、この部分で説明された内容は本開示の実施例の肝心又は重要な特徴を特定するものではなく、本開示の範囲を限定するためのものでもない。本開示の他の特徴は、以下の明細書から容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図面は本解決策をよりよく理解するためのものであり、本開示を限定するものではない。
【
図1】本開示の実施例1によって提供されるグリーンウェーブ速度決定方法のフローチャートである。
【
図2】本開示の実施例2によって提供されるグリーンウェーブ速度決定方法のフローチャートである。
【
図3】本開示の実施例3によって提供されるグリーンウェーブ速度決定方法のフローチャートである。
【
図4】本開示の実施例4によって提供されるグリーンウェーブ速度決定方法のフローチャートである。
【
図5】本開示の実施例5によって提供されるグリーンウェーブ速度決定方法のフローチャートである。
【
図6】本開示の実施例におけるグリーンウェーブ速度算出のフローチャートである。
【
図7】本開示の実施例6によって提供されるグリーンウェーブ速度決定装置の構造概略図である。
【
図8】本開示の実施例の実施に適用できる例示的な電子機器の例示的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面に合わせて本開示の例示的な実施例を説明し、理解しやすくするために、本開示の実施例の様々な詳細が含まれており、それらを単なる例示的なものとして見なすべきである。そのため、当業者であれば、本開示の範囲及び精神から逸脱しない限り、ここで説明される実施例に対して様々な変更と修正を行うことができる。同様に、分かりやすく且つ簡潔にするために、以下の説明では、公知の機能及び構造に対する説明が省略されている。
【0012】
従来では、以下の2種類の方法に基づいてグリーンウェーブ速度を決定することができる。
【0013】
第一種、車両に伴って人為的に調査するという方式に基づいてグリーンウェーブ速度を収集する。
【0014】
具体的には、車両に伴って人為的に調査する場合、運転能力のあり、且つ現地の道路状況に詳しい運転手が車両を運転することは必要であり、グリーンウェーブが実施されている幹線区間全域において、車両を正逆方向に走らせるテストを複数回行い、様々な場合における(青信号初期、青信号中期、青信号末期、列の先頭、列の末尾)の実際の車両走行速度を記録し、これに基づいてグリーンウェーブ速度を推定する。
【0015】
第二種、路側設備の車両通過記録経過時間に基づいて換算してグリーンウェーブ速度を得る。
【0016】
具体的には、路側に配置されたカメラなどの車両感知機器を利用して、断面を通過する車両データを収集し、幹線の一連の交差点を通過する車両通過記録を選別してマッチングし、経過時間を統計し、さらに幹線区間のグリーンウェーブ速度を算出する。この解決策は、データのサンプリング率が高く、機器が正常であればほとんどの車両に対応することができ、高い信頼度を有する。
【0017】
しかしながら、上記第一種の方法は以下の欠点がある。1点目は、機器への依存度が極めて高い。2点目は、グリーンウェーブ速度指標を収集するプロセスにかかる時間が長すぎ、データ収集の準備からデータ指標の出力までのリンクが非常に長い。3点目は、収集されたグリーンウェーブ速度指標は単一車両の速度しか代表できず、代表性を備えていない。4点目は、交通流の変化に適応できず、リアルタイムなグリーンウェーブ車両速度を示すことができない。
【0018】
上記第二種の方法は以下の欠点がある。機器によって収集されたのは断面を通過する車両データであり、検出ポイント間の車両の走行状況を把握できず、車両が走行中に停車したか否かを識別することができず、算出して得られたグリーンウェーブ速度は精度が低い。また、解決策は機器への依存度が高く、対象幹線区間(即ちグリーンウェーブ協調路線における各区間)に機器が無く又は機器のカバー率が低い場合、グリーンウェーブ速度指標の算出要件を満たすことができない。
【0019】
上記問題に対して、本開示はグリーンウェーブ速度決定方法、グリーンウェーブ速度決定装置、電子機器、記憶媒体及びコンピュータプログラムを提供する。
【0020】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施例のグリーンウェーブ速度決定方法、グリーンウェーブ速度決定装置、電子機器、記憶媒体及びコンピュータプログラムを説明する。
【0021】
図1は本開示の実施例1によって提供されるグリーンウェーブ速度決定方法のフローチャートである。
【0022】
本開示の実施例は、グリーンウェーブ速度決定方法がグリーンウェーブ速度決定装置内に構成される場合を一例として挙げて説明し、グリーンウェーブ速度決定装置は任意の電子機器に適応することができ、これにより、電子機器はグリーンウェーブ速度決定機能を実行することができる。
【0023】
電子機器は、例えばパーソナルコンピュータ(Personal Computer、PCと略す)、モバイル端末、サーバなど、算出能力を有する任意の機器であってもよく、モバイル端末は、例えば車載機器、携帯電話、タブレット、パーソナルデジタルアシスタント、ウェアラブルデバイスなど、様々なオペレーティングシステム、タッチスクリーン及び/又はディスプレイを有するハードウェアデバイスであってもよい。
【0024】
図1に示すように、グリーンウェーブ速度決定方法は以下のステップ101からステップ104を含む。
【0025】
ステップ101では、グリーンウェーブ協調路線における少なくとも1台の車両の車両走行データを取得する。
【0026】
本開示の実施例では、グリーンウェーブ協調路線とは、グリーンウェーブ協調制御が行われる任意の路線又は幹線を指すものである。
【0027】
本開示の実施例では、車両走行データは、車両が走行する目的地となるグリーンウェーブ協調路線における各軌跡点の座標位置、瞬間速度、及びタイムスタンプのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0028】
本開示の実施例では、車両又はモバイル端末内の関連センサで車両走行データを収集することができ、例えば、車両の位置決め機器(例えば、GPS(Global Position System、全地球測位システム))を介して、車両が走行する目的地となるグリーンウェーブ協調路線における各軌跡点の座標位置を収集し、車両の速度センサ、変位センサによって収集されたデータに基づいて、車両がグリーンウェーブ協調路線における各軌跡点まで走行する瞬間速度を決定することができる。
【0029】
本開示の実施例では、車両又はモバイル端末によって収集された車両走行データを地図側に統合することができ、これにより、車両走行データ及びネットワークデータを関連付けする。したがって、本開示では、グリーンウェーブ協調路線における各交差点、区間の情報を地図側に入力して、各グリーンウェーブ協調路線における車両の車両走行データを取得することができる。例えば、地図側は、入力されたグリーンウェーブ協調路線における各交差点、区間の情報に基づいて、各車両に対応する車両走行データと、グリーンウェーブ協調路線が所在する交差点、区間とをマッチングすることで、グリーンウェーブ協調路線が所在する交差点、区間にマッチングする車両走行速度を、対応するグリーンウェーブ協調路線における車両の車両走行データとすることができる。
【0030】
ステップ102では、車両走行データに基づいて車両の走行方向を決定する。
【0031】
本開示の実施例では、車両走行データに基づいて車両の走行方向を決定することができる。例えば、車両走行データ内の各軌跡点の座標位置及びタイムスタンプに基づいて、車両の走行方向を決定することができる。
【0032】
例えば、車両走行データに基づいて、車両が時刻1に座標位置Aまで走行し、時刻2に座標位置Bまで走行したと決定し、且つ時刻2が時刻1より大きければ、車両がA点からB点まで走行し、走行方向が
【数1】
であると決定することができる。
【0033】
ステップ103では、走行方向がグリーンウェーブ協調路線に対応するグリーンウェーブ協調方向にマッチングする車両を対象車両とする。
【0034】
なお、各グリーンウェーブ協調路線は対応するグリーンウェーブ協調方向を有し、グリーンウェーブ協調方向はグリーンウェーブ協調路線の始点及び終点に基づいて決定される。
【0035】
なお、車両がグリーンウェーブ協調路線において走行しているにもかかわらず、車両の走行方向は、グリーンウェーブ協調路線に対応するグリーンウェーブ協調方向と異なる可能性があり、例えば、グリーンウェーブ協調路線は交差点1→交差点2→交差点3→…→交差点nとする。車両が交差点1で幹線に入り、交差点2、交差点3、…、交差点nを順次通過する場合、車両の走行方向とグリーンウェーブ協調路線に対応するグリーンウェーブ協調方向とがマッチングしていると決定することができ、車両が交差点nで幹線に入り、交差点n-1、交差点n-2、…、交差点1を順次通過する場合、車両の走行方向とグリーンウェーブ協調路線に対応するグリーンウェーブ協調方向とが反対であると決定することができる。また、一本の幹線は二本のグリーンウェーブ協調路線を有する可能性があり、反対である2つのグリーンウェーブ協調方向、即ち、正方向の協調方向及び逆方向の協調方向に対応する。
【0036】
本開示の実施例では、各車両の走行方向と、グリーンウェーブ協調路線に対応するグリーンウェーブ協調方向とをマッチングすることができ、走行方向がグリーンウェーブ協調路線に対応するグリーンウェーブ協調方向にマッチングする車両を対象車両とする。
【0037】
ステップ104では、対象車両の車両走行データに基づいて、グリーンウェーブ協調路線における隣接する交差点間の区間におけるグリーンウェーブ速度を決定する。
【0038】
本開示の実施例では、対象車両の車両走行データに基づいて、グリーンウェーブ協調路線における隣接する交差点間の区間におけるグリーンウェーブ速度を決定することができる。以上により、車両実際の走行データに基づいて、グリーンウェーブ協調路線における各区間におけるグリーンウェーブ速度を決定することを実現することができ、グリーンウェーブ速度の算出結果の正確度と信頼性を向上させることができる。
【0039】
本開示の実施例のグリーンウェーブ速度決定方法は、グリーンウェーブ協調路線における車両の車両走行データに基づいて、車両の走行方向を決定し、走行方向がグリーンウェーブ協調路線に対応するグリーンウェーブ協調方向にマッチングする車両を対象車両とし、対象車両の車両走行データに基づいて、グリーンウェーブ協調路線における隣接する交差点間の区間におけるグリーンウェーブ速度を決定する。以上により、車両実際の走行データに基づいて、グリーンウェーブ協調路線における各区間におけるグリーンウェーブ速度を決定することを実現することができ、グリーンウェーブ速度の算出結果の正確度及び信頼性を向上させることができる。
【0040】
上記実施例においてグリーンウェーブ協調路線における各区間のグリーンウェーブ速度をどのように決定したかを説明するために、本開示はもう1つのグリーンウェーブ速度決定方法を提供する。
【0041】
図2は本開示の実施例2によって提供されるグリーンウェーブ速度決定方法のフローチャートである。
【0042】
図2に示すように、上記グリーンウェーブ速度決定方法は以下のステップ201からステップ206を含む。
【0043】
ステップ201では、グリーンウェーブ協調路線における少なくとも1台の車両の車両走行データを取得する。
【0044】
ステップ202では、車両走行データに基づいて車両の走行方向を決定する。
【0045】
ステップ203では、走行方向がグリーンウェーブ協調路線に対応するグリーンウェーブ協調方向にマッチングする車両を対象車両とする。
【0046】
ステップ201からステップ203を実行するプロセスは上記実施例の実行プロセスを参照されたく、ここで説明を省略する。
【0047】
ステップ204では、グリーンウェーブ協調路線における任意の隣接する2つの交差点に対して、隣接する2つの交差点の位置を取得する。
【0048】
本開示の実施例では、グリーンウェーブ協調路線における任意の隣接する2つの交差点に対して、隣接する2つの交差点の位置を取得する。例えば、地図側からグリーンウェーブ協調路線における任意の隣接する2つの交差点の位置を取得することができる。
【0049】
ステップ205では、対象車両の車両走行データから、対象車両が隣接する2つの交差点の間に位置する時の対象車両の対象走行データを決定する。
【0050】
本開示の実施例では、任意の隣接する2つの交差点の間の区間におけるグリーンウェーブ速度を算出する際に、区間における対象車両の車両走行データだけを取得すればよい。そのため、本開示では、対象車両の車両走行データから、対象車両が隣接する2つの交差点の位置の間にある時の対象車両の対象走行データを決定することができる。
【0051】
一例として、対象車両の車両走行データから、座標位置が隣接する2つの交差点の位置にそれぞれマッチングする第1の軌跡点及び第2の軌跡点を決定するとともに、車両走行データ内の、座標位置が第1の軌跡点の座標位置と第2の軌跡点の座標位置との間にある各軌跡点を決定することができ、したがって、決定された各軌跡点、第1の軌跡点、及び第2の軌跡点を対象走行データとすることができる。
【0052】
ステップ206では、対象走行データに基づいて、隣接する2つの交差点間の区間におけるグリーンウェーブ速度を決定する。
【0053】
本開示の実施例では、対象走行データに基づいて、隣接する2つの交差点の間の区間におけるグリーンウェーブ速度を決定することができる。
【0054】
本開示の実施例のグリーンウェーブ速度決定方法は、グリーンウェーブ協調路線における任意の隣接する2つの交差点に対して、隣接する2つの交差点の位置を取得し、対象車両の車両走行データから、対象車両が隣接する2つの交差点の間に位置する時の対象車両の対象走行データを決定することで、対象走行データに基づいて、隣接する2つの交差点間の区間におけるグリーンウェーブ速度を決定する。以上により、各区間における車両の実際の走行データに基づいて、各区間の対応するグリーンウェーブ速度を決定し、決定結果の精度及び信頼性を向上させることができる。
【0055】
本開示の実施例の1つの可能な実現形態では、対象走行データ内の各軌跡点の座標位置、及び対象車両が各軌跡点まで走行するタイムスタンプに基づいて、隣接する交差点間の区間におけるグリーンウェーブ速度を決定することができる。以下、実施例3に合わせて、上記プロセスを詳しく説明する。
【0056】
図3は本開示の実施例3によって提供されるグリーンウェーブ速度決定方法のフローチャートである。
【0057】
図3に示すように、グリーンウェーブ速度決定方法は以下のステップ301からステップ309を含む。
【0058】
ステップ301では、グリーンウェーブ協調路線における少なくとも1台の車両の車両走行データを取得する。
【0059】
ステップ302では、車両走行データに基づいて車両の走行方向を決定する。
【0060】
ステップ303では、走行方向がグリーンウェーブ協調路線に対応するグリーンウェーブ協調方向にマッチングする車両を対象車両とする。
【0061】
ステップ304では、グリーンウェーブ協調路線における任意の隣接する2つの交差点に対して、隣接する2つの交差点の位置を取得する。
【0062】
ステップ305では、対象車両の車両走行データから、対象車両が隣接する2つの交差点の間に位置する時の対象車両の対象走行データを決定し、対象走行データは各軌跡点の座標位置、及び対象車両が各軌跡点まで走行するタイムスタンプを含む。
【0063】
ステップ301からステップ305を実行するプロセスは上記実施例の実行プロセスを参照されたく、ここで説明を省略する。
【0064】
ステップ306では、対象走行データから、座標位置がそれぞれ隣接する2つの交差点の位置にマッチングする第1の軌跡点と第2の軌跡点を決定する。
【0065】
本開示の実施例では、対象走行データから、座標位置が隣接する2つの交差点のうちのいずれか1つの位置にマッチングする軌跡点を第1の軌跡点として決定し、かつ座標位置が隣接する2つの交差点のうちのその他の位置にマッチングする軌跡点を第2の軌跡点として決定することができる。
【0066】
ステップ307では、第1の軌跡点のタイムスタンプと第2の軌跡点のタイムスタンプとに基づいて、対象車両が隣接する2つの交差点を通過する第1の走行時間を決定する。
【0067】
本開示の実施例では、第1の軌跡点のタイムスタンプと第2の軌跡点のタイムスタンプとの差分を算出して、対象車両が隣接する2つの交差点を通過する第1の走行時間を得ることができる。
【0068】
ステップ308では、隣接する2つの交差点間の区間に対応する区間の長さを決定する。
【0069】
本開示の実施例では、第1の軌跡点及び第2の軌跡点の間の各軌跡点の座標位置に基づいて軌跡フィッティングを行って、フィッティングして得られた軌跡の長さを、区間の長さとすることができる。或いは、地図側において隣接する2つの交差点の間の区間に対応する区間の長さを直接検索してもよいが、本開示はこれに対して限定しない。
【0070】
ステップ309では、第1の走行時間及び区間の長さに基づいて、隣接する2つの交差点の間の区間におけるグリーンウェーブ速度を決定する。
【0071】
本開示の実施例の1つの可能な実現形態では、対象車両の数が1つである場合、区間の長さを対象車両に対応する第1の走行時間で割って、隣接する2つの交差点の間の区間におけるグリーンウェーブ速度を得ることができる。
【0072】
本開示の実施例のもう1つの可能な実現形態では、対象車両の数が複数である場合、各対象車両に対応する第1の走行時間、及び区間の長さに基づいて、各対象車両の第1の速度を決定することができ、例えば、各対象車両に対して、区間の長さを対象車両に対応する第1の走行時間で割って、対象車両の第1の速度を得ることができる。したがって、本開示では、各対象車両の第1の速度に基づいて、隣接する2つの交差点の間の区間におけるグリーンウェーブ速度を決定することができる。
【0073】
一例として、各対象車両に対応する第1の速度の平均値を求め、平均値を隣接する2つの交差点の間の区間におけるグリーンウェーブ速度を得る。
【0074】
他の一例として、グリーンウェーブ速度算出結果の精度及び信頼性を向上させるために、グリーンウェーブに恵まれず、グリーンウェーブ協調路線における各区間を順調に通過できない対象車両を取り外すことができる。具体的には、設定された速度閾値以上である第1の速度を保留するように、各対象車両に対応する第1の速度を選別することができ、これにより、保留された各第1の速度に基づいて、隣接する2つの交差点の間の区間におけるグリーンウェーブ速度を決定する。
【0075】
例えば、設定された速度閾値を30km/hとすると、第1の速度が30km/hより小さい対象車両を取り外すことができ、これにより、保留された各対象車両の第1の速度に基づいて、隣接する2つの交差点の間の区間におけるグリーンウェーブ速度を決定する。
【0076】
一例では、保留された各第1の速度の平均値を求めて、平均値を隣接する2つの交差点の間の区間におけるグリーンウェーブ速度とすることができる。
【0077】
他の一例では、グリーンウェーブ速度算出結果の精度及び信頼性をさらに向上させるために、保留された各第1の速度の値に対して、大きい順に並べ替えることができ、上位の予め設定された数又は予め設定された比例の第1の速度を選択し、選択された各第1の速度に基づいて、隣接する2つの交差点の間の区間におけるグリーンウェーブ速度を決定する。
【0078】
例えば、予め設定された比例が85%である場合を例として挙げると、順位の高い上位85%の第1の速度を選択することができ、選択された各第1の速度の平均値を、区間のグリーンウェーブ速度とすることができる。
【0079】
本開示の実施例のグリーンウェーブ速度決定方法は、対象走行データ内の各軌跡点の座標位置、及び対象車両が各軌跡点まで走行するタイムスタンプに基づいて、隣接する交差点間の区間におけるグリーンウェーブ速度を決定することで、各区間のグリーンウェーブ速度を効果的に決定することができる。
【0080】
本開示の実施例の1つの可能な実現形態では、対象走行データ内の各軌跡点の座標位置、及び対象車両が各軌跡点まで走行する瞬間速度に基づいて、隣接する交差点間の区間におけるグリーンウェーブ速度を決定することができる。以下、実施例4に合わせて、プロセスを詳しく説明する。
【0081】
図4は本開示の実施例4によって提供されるグリーンウェーブ速度決定方法のフローチャートである。
【0082】
図4に示すように、グリーンウェーブ速度決定方法は以下のステップ401からステップ408を含む。
【0083】
ステップ401では、グリーンウェーブ協調路線における少なくとも1台の車両の車両走行データを取得する。
【0084】
ステップ402では、車両走行データに基づいて車両の走行方向を決定する。
【0085】
ステップ403では、走行方向がグリーンウェーブ協調路線に対応するグリーンウェーブ協調方向にマッチングする車両を対象車両とする。
【0086】
ステップ404では、グリーンウェーブ協調路線における任意の隣接する2つの交差点に対して、隣接する2つの交差点の位置を取得する。
【0087】
ステップ405では、対象車両の車両走行データから、対象車両が隣接する2つの交差点の間に位置する時の対象車両の対象走行データを決定し、対象走行データが各軌跡点の座標位置、及び対象車両が各軌跡点まで走行する瞬間速度を含む。
【0088】
ステップ401からステップ405を実行するプロセスは上記実施例の実行プロセスを参照されたく、ここで説明を省略する。
【0089】
ステップ406では、対象走行データから、座標位置がそれぞれ隣接する2つの交差点の位置にマッチングする第1の軌跡点及び第2の軌跡点を決定する。
【0090】
本開示の実施例では、対象走行データから、座標位置が隣接する2つの交差点のうちのいずれか1つの位置にマッチングする軌跡点を第1の軌跡点として決定し、かつ座標位置が隣接する2つの交差点のうちのその他の位置にマッチングする軌跡点を第2の軌跡点として決定することができる。
【0091】
ステップ407では、対象走行データから、座標位置が第1の軌跡点の座標位置と第2の軌跡点の座標位置との間にある少なくとも1つの第3の軌跡点を決定する。
【0092】
本開示の実施例では、対象走行データ内の、座標位置が第1の軌跡点の座標位置と第2の軌跡点の座標位置との間にある各軌跡点を決定し、決定された各軌跡点を、第3の軌跡点として決定することができる。
【0093】
ステップ408では、第1の軌跡点、第2の軌跡点及び各第3の軌跡点のそれぞれに対応する瞬間速度に基づいて、グリーンウェーブ速度を決定する。
【0094】
本開示の実施例では、第1の軌跡点、第2の軌跡点及び各第3の軌跡点のそれぞれに対応する瞬間速度に基づいて、隣接する2つの交差点の間の区間におけるグリーンウェーブ速度を決定することができる。
【0095】
本開示の実施例の1つの可能な実現形態では、対象車両の数が1つである場合、第1の軌跡点、第2の軌跡点及び各第3の軌跡点のそれぞれに対応する瞬間速度の平均値を求め、平均値を隣接する2つの交差点の間の区間におけるグリーンウェーブ速度とすることができる。
【0096】
本開示の実施例の別の可能な実現形態では、偶発的な停車による影響を排除することで、グリーンウェーブ速度算出結果の精度及び信頼性を向上させるために、対象車両の数が1つである場合、第1の軌跡点、第2の軌跡点及び各第3の軌跡点のそれぞれに対応する瞬間速度を選別し、瞬間速度が設定された速度閾値以上である各軌跡点を候補の軌跡点とすることができ、これにより、候補軌跡点の瞬間速度に基づいて、隣接する2つの交差点の間の区間におけるグリーンウェーブ速度を決定することができる。例えば、各候補の軌跡点の瞬間速度の平均値を求め、平均値を隣接する2つの交差点の間の区間におけるグリーンウェーブ速度とすることができる。
【0097】
本開示の実施例の別の可能な実現形態では、対象車両の数が複数である場合、各対象車両に対して、第1の軌跡点、第2の軌跡点及び各第3の軌跡点のそれぞれに対応する瞬間速度に基づいて、第2の速度を決定し、各対象車両に対応する第2の速度に基づいて、隣接する2つの交差点の間の区間におけるグリーンウェーブ速度を決定することができる。
【0098】
一例として、各対象車両に対して、第1の軌跡点、第2の軌跡点及び各第3の軌跡点のそれぞれに対応する瞬間速度の平均値を求め、平均値を対象車両の第2の速度とすることができる。又は、第1の軌跡点、第2の軌跡点及び各第3の軌跡点のそれぞれに対応する瞬間速度を選別し、瞬間速度が設定された速度閾値以上である各軌跡点を、候補の軌跡点とすることができ、これにより、候補の軌跡点の瞬間速度に基づいて、該対象車両の第2の速度を決定することができ、例えば、各候補の軌跡点の瞬間速度の平均値を求め、対象車両の第2の速度を得ることができる。
【0099】
各対象車両の第2の速度を決定した後、各対象車両の第2の速度の平均値を求め、平均値を隣接する2つの交差点の間の区間におけるグリーンウェーブ速度とすることができる。或いは、各対象車両の第2の速度の値に対して、大きい順に並べ替え、上位の予め設定された数又は予め設定された比例の第2の速度を選択し、選択された各第2の速度に基づいて、隣接する2つの交差点の間の区間にあるグリーンウェーブ速度を決定し、例えば、選択された各第2の速度の平均値を求め、隣接する2つの交差点の間の区間におけるグリーンウェーブ速度を得ることができる。
【0100】
本開示の実施例のグリーンウェーブ速度決定方法は、対象走行データ内の各軌跡点の座標位置、及び対象車両が各軌跡点まで走行する瞬間速度に基づいて、隣接する交差点間の区間におけるグリーンウェーブ速度を決定することで、各区間のグリーンウェーブ速度を効果的に決定することができる。
【0101】
本出願の実施例の1つの可能な実現形態では、算出して得られたグリーンウェーブ速度指標がグリーンウェーブ速度のサービス要件を満たすようにするために、グリーンウェーブに恵まれず、グリーンウェーブ協調路線における各区間を順調に通過できない車両走行データを取り外すことができる。以下、実施例5に合わせて、上記プロセスを詳しく説明する。
【0102】
図5は本開示の実施例5によって提供されるグリーンウェーブ速度決定方法のフローチャートである。
【0103】
図5に示すように、上記グリーンウェーブ速度決定方法は以下のステップ501からストップ508を含むことができる。
【0104】
ステップ501では、グリーンウェーブ協調路線における少なくとも1台の車両の車両走行データを取得する。
【0105】
ステップ502では、車両走行データに基づいて車両の走行方向を決定する。
【0106】
ステップ503では、走行方向がグリーンウェーブ協調路線に対応するグリーンウェーブ協調方向にマッチングする車両を対象車両とする。
【0107】
ステップ501からステップ503を実行するプロセスは上記実施例の実行プロセスを参照されたく、ここで説明を省略する。
【0108】
ステップ504では、グリーンウェーブ協調路線における任意の2つの交差点に対して、2つの交差点の位置を取得する。
【0109】
本開示の実施例では、グリーンウェーブ協調路線における任意の2つの交差点に対して、2つの交差点の位置を取得する。例えば、地図側から、グリーンウェーブ協調路線の任意の2つの交差点の位置を取得することができる。
【0110】
ステップ505では、対象車両の車両走行データから、座標位置がそれぞれ2つの交差点の位置にマッチングする第4の軌跡点と第5の軌跡点を決定する。
【0111】
本開示の実施例では、対象車両の車両走行データから、座標位置が2つの交差点のうちのいずれか1つの位置にマッチングする軌跡点を第4の軌跡点として決定し、座標位置が上記2つの交差点のうちのその他の位置にマッチングする軌跡点を、第5の軌跡点として決定することができる。
【0112】
ステップ506では、第4の軌跡点のタイムスタンプ及び第5の軌跡点のタイムスタンプに基づいて、対象車両が2つの交差点を通過する第2の走行時間を決定する。
【0113】
本開示の実施例では、第4の軌跡点のタイムスタンプ及び第5の軌跡点のタイムスタンプとの差分を算出して、対象車両が2つの交差点を通過する第2の走行時間を得ることができる。
【0114】
ステップ507では、第2の走行時間が設定された時間以下である対象車両を絞り込んで保留する。
【0115】
なお、設定された時間は、上記2つの交差点間の離間する交差点の数に関連している。例えば、2つ交差点間の離間する交差点の数が多い場合、設定された時間の値は対応して大きく、2つの交差点間の離間する交差点の数が少ない場合、設定された時間の値は相対的に小さい。
【0116】
なお、車両がグリーンウェーブに恵まれる場合、グリーンウェーブ協調路線における各区間を連続して通過することができ、この時、車両が各区間を通過する時間は統計して得ることができ、例えば、通常、車両が停車せずに10つの交差点を連続して通過する時間は20分を超えるべきではないため、本開示では、グリーンウェーブ速度算出結果の精度及び信頼性をさらに向上させるために、各第2の走行時間を選別して、第2の走行時間が設定された時間以下である対象車両のみを保留することができる。
【0117】
ステップ508では、保留された対象車両の車両走行データに基づいて、グリーンウェーブ協調路線における隣接する交差点の間の区間におけるグリーンウェーブ速度を決定する。
【0118】
ステップ508の実行プロセスは任意の実施例の実行プロセスを参照されたく、ここで説明を省略する。
【0119】
以上により、本開示では、車両走行データに基づいてグリーンウェーブ速度を算出することができ、幹線で走行している車両の完全な経過データまで利用することができ、車両によって提供される軌跡点データに基づいてリアルタイムなマッチング、選別及び統計算出を行い、最終的に対象幹線(本開示ではグリーンウェーブ協調路線と記載する)における各区間のグリーンウェーブ速度を得る。グリーンウェーブ速度算出プロセスでは、一方、データソースの有効性及び正確度を確保する必要があり、他方では、算出して出力されたグリーンウェーブ速度指標がサービス要件に一致することを確保する必要がある。
【0120】
1つの適用シーンとして、
図6に示すように、グリーンウェーブ速度算出プロセスは、以下の2つの部分を含む。
【0121】
第1部分、車両走行データ処理。
【0122】
(1)車両走行データのマッチング
通常、車両走行データは、車両側の関連機器が一定の頻度で車両のリアルタイムな位置、リアルタイムな速度を収集して得られたものであり、車両走行データを地図側に統合することで、車両走行データ及びネットワークデータが関連付けられ、さらに、一定のルールにしたがって干線の交差点や区間の情報を入力すれば、車両走行データと、対象幹線が所在する交差点や区間とをマッチングすることができる。
【0123】
(2)データクリーニング
車両走行データは各軌跡点のタイムスタンプ、各軌跡点の経緯度座標、及び車両が各軌跡点まで走行する瞬間速度という3つのフィールドを含み、データ構造は車両の完全な走行の過程を表すことができる。グリーンウェーブ速度指標の算出を満たすために、車両走行データに対してデータクリーニングを行うことができる。対象幹線で走行する単一車両をサンプルとし、まず、車両走行データ内の軌跡点が欠落しているサンプル、及び軌跡点が対象幹線から外れるサンプルを取り除き、その後、走行方向がグリーンウェーブ協調方向に一致(協調位相に従ってグリーンウェーブに入り且つグリーンウェーブ幹線から出る)する車両を選別して有効サンプルとする。
【0124】
第2部分、グリーンウェーブ速度算出。
【0125】
算出して得られたグリーンウェーブ速度指標がグリーンウェーブ速度のサービス要件を満たすようにするために、グリーンウェーブに恵まれず、グリーンウェーブ協調路線における各区間を順調に通過できない車両走行データを取り外すことができる。そのため、有効サンプルの車両走行データ内の各軌跡点及び各軌跡点に対応する瞬間速度を選別することができる。まず、グリーンウェーブ協調路線における各交差点の座標に基づいて、グリーンウェーブ協調路線を区分し、各隣接する交差点間の区間を得る。
【0126】
(1)軌跡点の座標位置に基づいてグリーンウェーブ速度を算出する。
【0127】
単一車両に対して、車両の車両走行データはT={T1(x,y),T2(x,y)、…、Ti(x,y)}であり、Ti(x,y)はi番目の軌跡点の座標位置を表し、各軌跡点の座標位置に基づいて、車両走行データをkの部分に分けることができ、kはグリーンウェーブ協調路線における区間の数である。車両走行データの各部分に対応する軌跡点座標Tikは車両の区間C(k,k+1)における走行記録を表す。各区間における軌跡点に対して、区間における始点と終点の軌跡点のタイムスタンプを抽出し且つその差分を車両の区間における走行時間tk,k+1とすることができ、区間の長さがLk,k+1である場合、単一車両の区間C(k,k+1)における走行速度vk,k+1は以下の式(1)で表すことができる。
vk,k+1=Lk,k+1/tk,k+1 (1)
【0128】
対象時間帯(即ちグリーンウェーブ時間帯)内のすべての車両の区間における速度を算出して、v
k,k+1が30km/hより小さいサンプルを取り除き、上位85%のサンプルの速度を統計選別してその平均値を求めて、それを区間のグリーンウェーブ速度V
k,k+1とし、式(2)に示すとおりである。
【数2】
【0129】
mは上位85%の車両の数である。
【0130】
(2)軌跡点の瞬間速度に基づいてグリーンウェーブ速度を算出する
【0131】
軌跡点の瞬間速度VT={VT
1,VT
2、…、VT
i}に対する処理は、座標位置に対する処理と同様であり、軌跡点の座標位置に基づいてVTをkの部分に分けることができる。グリーンウェーブ速度の定義に基づいて、VT
iが30km/hより小さい軌跡点を取り外すことができ、これにより、偶発的な停車による影響を取り除き、算出して得られた車両速度が、車両が順調に通過する速度であることを確保する。単一車両の区間C(k,k+1)における走行速度v
k,k+1は以下の式(3)で表すことができる。
【数3】
【0132】
lは区間C(k,k+1)において保留された軌跡点の数を表し、i(k,k+1)は軌跡点の区間C(k,k+1)における下付き文字を表し、VTiは車両の軌跡点iにおける瞬間速度を表す。
【0133】
対象時間帯(即ちグリーンウェーブ時間帯)内のすべての車両の該区間における速度を算出し、平均値を求め、それを区間のグリーンウェーブ速度Vk,k+1とし、算出方法は式(2)と同様である。
【0134】
以上により、従来の手段では解決できない課題を解決することができ、人件費や設備への依存を大幅に低下させ、都市幹線グリーンウェーブを大規模に運用し、交通通行効率を向上させる鍵となる。
【0135】
本開示の実施例のグリーンウェーブ速度決定方法は、グリーンウェーブ協調路線における任意の2つの交差点に対して、2つの交差点の位置を取得し、対象車両の車両走行データから、座標位置がそれぞれ2つの交差点の位置にマッチングする第4の軌跡点と第5の軌跡点を決定し、第4の軌跡点のタイムスタンプ及び第5の軌跡点のタイムスタンプに基づいて、対象車両が2つの交差点を通過する第2の走行時間を決定し、第2の走行時間が設定された時間以下である対象車両を絞り込んで保留し、保留された対象車両の車両走行データに基づいて、グリーンウェーブ協調路線における隣接する交差点間の区間におけるグリーンウェーブ速度を決定する。以上により、グリーンウェーブに恵まれず、グリーンウェーブ協調路線を順調に通過できない各車両を取り外すことで、各区間におけるグリーンウェーブ速度決定結果の精度及び信頼性をさらに向上させることができる。
【0136】
上記
図1から
図5の実施例によって提供されるグリーンウェーブ速度決定方法に対応して、本開示はグリーンウェーブ速度決定装置をさらに提供する。そして、本開示の実施例によって提供されるグリーンウェーブ速度決定装置が上記
図1から
図5の実施例によって提供されるグリーンウェーブ速度決定方法に対応するため、グリーンウェーブ速度決定方法の実施形態は本開示の実施例によって提供されるグリーンウェーブ速度決定装置にも適用可能であり、本開示の実施例において詳しい説明を省略する。
【0137】
図7は本開示の実施例6によって提供されるグリーンウェーブ速度決定装置の構造概略図である。
【0138】
図7に示すように、グリーンウェーブ速度決定装置700は、第1の取得モジュール710、第1の決定モジュール720、処理モジュール730及び第2の決定モジュール740を備える。
【0139】
第1の取得モジュール710は、グリーンウェーブ協調路線における少なくとも1台の車両の車両走行データを取得する。
【0140】
第1の決定モジュール720は、車両走行データに基づいて車両の走行方向を決定する。
【0141】
処理モジュール730は、走行方向がグリーンウェーブ協調路線に対応するグリーンウェーブ協調方向にマッチングする車両を対象車両とする。
【0142】
第2の決定モジュール740は、対象車両の車両走行データに基づいて、グリーンウェーブ協調路線における隣接する交差点間の区間におけるグリーンウェーブ速度を決定する。
【0143】
本開示の実施例の1つの可能な実現形態では、第2の決定モジュール740は、具体的には、グリーンウェーブ協調路線における任意の隣接する2つの交差点に対して、隣接する2つの交差点の位置を取得し、対象車両の車両走行データから、対象車両が隣接する2つの交差点の間に位置する時の対象車両の対象走行データを決定し、対象走行データに基づいて、隣接する2つの交差点間の区間におけるグリーンウェーブ速度を決定する。
【0144】
本開示の実施例の1つの可能な実現形態では、対象走行データは各軌跡点の座標位置、及び対象車両が各軌跡点まで走行するタイムスタンプを含む。そして、第2の決定モジュール740は、具体的には、対象走行データから、座標位置がそれぞれ隣接する2つの交差点の位置にマッチングする第1の軌跡点と第2の軌跡点を決定し、第1の軌跡点のタイムスタンプと第2の軌跡点のタイムスタンプに基づいて、対象車両が隣接する2つの交差点を通過する第1の走行時間を決定し、隣接する2つの交差点間の区間に対応する区間の長さを決定し、第1の走行時間及び区間の長さに基づいて、グリーンウェーブ速度を決定する。
【0145】
本開示の実施例1つの可能な実現形態では、対象車両が複数であり、第2の決定モジュール740は、具体的には、各対象車両に対応する第1の走行時間、及び区間の長さに基づいて、各対象車両の第1の速度を決定し、各対象車両の第1の速度を絞り込み、設定された速度閾値以上である第1の速度を保留し、保留された各第1の速度に基づいて、グリーンウェーブ速度を決定する。
【0146】
本開示の実施例の1つの可能な実現形態では、対象走行データは各軌跡点の座標位置、及び対象車両が各軌跡点まで走行する瞬間速度を含む。そして、第2の決定モジュール740は、具体的には、対象走行データから、座標位置がそれぞれ隣接する2つの交差点の位置にマッチングする第1の軌跡点と第2の軌跡点を決定し、対象走行データから、座標位置が第1の軌跡点の座標位置と第2の軌跡点の座標位置との間にある少なくとも1つ第3の軌跡点を決定し、第1の軌跡点、第2の軌跡点及び各第3の軌跡点のそれぞれに対応する瞬間速度に基づいて、グリーンウェーブ速度を決定する。
【0147】
本開示の実施例の1つの可能な実現形態では、第2の決定モジュール740は、具体的には、第1の軌跡点、第2の軌跡点及び各第3の軌跡点のそれぞれに対応する瞬間速度を絞り込み、設定された速度閾値以上である候補軌跡点を保留し、候補軌跡点の瞬間速度に基づいて、グリーンウェーブ速度を決定する。
【0148】
本開示の実施例の1つの可能な実現形態では、車両走行データは、対象車両が各軌跡点まで走行するタイムスタンプを含み、グリーンウェーブ速度決定装置700は、グリーンウェーブ協調路線における任意の2つの交差点に対して、2つの交差点の位置を取得する第2の取得モジュールと、対象車両の車両走行データから、座標位置がそれぞれ2つの交差点の位置にマッチングする第4の軌跡点及び第5の軌跡点を決定する第3の決定モジュールと、第4の軌跡点のタイムスタンプ及び第5の軌跡点のタイムスタンプに基づいて、対象車両が2つの交差点を通過する第2の走行時間を決定する第4の決定モジュールと、第2の走行時間が設定された時間以下である対象車両を絞り込んで保留する絞り込みモジュールとをさらに備えていてもよい。
【0149】
本開示の実施例のグリーンウェーブ速度決定装置は、グリーンウェーブ協調路線における車両の車両走行データに基づいて、車両の走行方向を決定し、走行方向がグリーンウェーブ協調路線に対応するグリーンウェーブ協調方向にマッチングする車両を対象車両とし、対象車両の車両走行データに基づいて、グリーンウェーブ協調路線における隣接する交差点間の区間におけるグリーンウェーブ速度を決定する。以上により、車両実際の走行データに基づいて、グリーンウェーブ協調路線における各区間におけるグリーンウェーブ速度を決定することを実現することができ、グリーンウェーブ速度の算出結果の正確度と信頼性を向上させることができる。
【0150】
上記実施例を実現するために、本開示は電子機器をさらに提供する。電子機器は上記実施例におけるキャスタークライアント又はサーバを備えることができ、電子機器は少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサと通信可能に接続されるメモリとを備え、メモリには、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令が記憶されており、命令は、少なくとも1つのプロセッサが本開示の上記いずれかの実施例によって提供されるグリーンウェーブ速度決定方法を実行できるように、少なくとも1つのプロセッサによって実行される。
【0151】
上記実施例を実現するために、本開示は、コンピュータ命令が記憶されている非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、コンピュータ命令は、コンピュータに本開示の上記いずれかの実施例によって提出されるグリーンウェーブ速度決定方法を実行させる非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。
【0152】
上記実施例を実現するために、本開示は、プロセッサによって実行される時に、本開示の上記いずれかの実施例によって提供されるグリーンウェーブ速度決定方法を実現するコンピュータプログラムをさらに提供する。
【0153】
本開示の実施例によれば、本開示は電子機器、読み取り可能な記憶媒体及びコンピュータプログラムをさらに提供する。
【0154】
図8は本開示の実施例を実施できる例示的な電子機器の概略ブロック図である。
電子機器は上記実施例におけるサーバ、クライアントを含むことができる。電子機器は、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ワークステーション、パーソナルデジタルアシスタント、サーバ、ブレードサーバ、メインフレームコンピュータ、及び他の適切なコンピュータなどの様々な形態のデジタルコンピュータを表すことを目的とする。電子機器は、パーソナルデジタルプロセッサ、携帯電話、スマートフォン、ウェアラブルデバイス、他の類似するコンピューティングデバイスなどの様々な形態のモバイル装置を表すこともできる。本明細書で示されるコンポーネント、それらの接続と関係、及びそれらの機能は単なる例であり、本明細書の説明及び/又は要求される本出願の実現を制限することを意図したものではない。
【0155】
図8に示すように、電子機器800は、ROM(Read-Only Memory、リードオンリーメモリ)802に記憶されるコンピュータプログラム又は記憶ユニット807からRAM(Random Access Memory、ランダムアクセスメモリ)803内にロードされるコンピュータプログラムに基づいて様々な適切な動作と処理を実行できる算出ユニット801を備える。
RAM803は、電子機器800の操作に必要な様々なプログラム及びデータを含むことができる。算出ユニット801、ROM802及びRAM803はバス804を介して互いに接続される。I/O(Input/Output、入力/出力)インターフェース805は同様にバス804に接続される。
【0156】
キーボード、マウスなどの入力ユニット806と、各種類のタイプのモニタ、スピーカーなどの出力ユニット807と、磁気ディスク、光ディスクなどの記憶ユニット808と、ネットワークカード、モデム、無線通信受送信機などの通信ユニット809とを備える電子機器800内の複数の部品はI/Oインターフェース805に接続される。通信ユニット809は、機器800がインターネットなどのコンピュータネットワーク及び/又は様々なテレコムネットワークを介して他の機器と情報/データを交換することを許容する。
【0157】
算出ユニット801は、処理と算出能力を有する様々な汎用及び/又は専用処理コンポーネントであってもよい。算出ユニット801の一例としては、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置)、GPU(Graphic Processing Units、グラフィックス処理装置)、様々な専用のAI(Artificial Intelligence、人工知能)算出チップ、機械学習モデルアルゴリズムを実行する様々な算出ユニット、DSP(Digital Signal Processor、デジタル信号プロセッサ)、及び任意の適切なプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラなどを含むが、これらに限定されない。算出ユニット801は、以上で説明された各方法及び処理、例えば、アプリケーション通信方法を実行する。例えば、いくつかの実施例では、上記グリーンウェーブ速度決定方法は、記憶ユニット808などの機械読み取り可能な媒体に有形的に含まれるコンピュータソフトウェアプログラムとして実現することができる。一部の実施例では、コンピュータプログラムの一部又はすべてはROM802及び/又は通信ユニット809を介して電子機器800にロード及び/又はインストールされる。コンピュータプログラムがRAM803にロードされ且つ算出ユニット801によって実行される際に、上記で説明されたグリーンウェーブ速度決定方法の少なくとも1つのステップを実行することができる。代替的に、他の実施例では、算出ユニット801は他の任意の適切な方法(例えば、ファームウェアを介して)を介して、上記グリーンウェーブ速度決定方法を実行するように構成されてもよい。
【0158】
本明細書の上述したシステム及び技術の様々な実施形態はデジタル電子回路システム、集積回路システム、FPGA(Field Programmable Gate Array、フィールドプログラマブルゲートアレイ)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit、特定用途向け集積回路)、ASSP(Application Specific Standard Product、特定用途向け標準製品)、SOC(System On Chip、システムオンチップ)、CPLD(Complex Programmable Logic Device、コンプレックス・プログラマブル・ロジック・デバイス)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、及び/又はそれらの組み合わせで実現することができる。これらの様々な実施形態は、少なくとも1つのコンピュータプログラムで実施されてもよく、少なくとも1つのコンピュータプログラムは、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラム可能なシステムで実行及び/又は解釈することができ、プログラマブルプロセッサは、特定用途向け又は汎用プログラマブルプロセッサであってもよく、ストレージシステム、少なくとも1つの入力装置、及び少なくとも1つの出力装置からデータ及び命令を受信し、データ及び命令を該ストレージシステム、少なくとも1つの入力装置、及び少なくとも1つの出力装置に伝送することができる。
【0159】
本出願の方法を実行するためのプログラムコードは、少なくとも1つのプログラミング言語の任意の組み合わせで書くことができる。これらのプログラムコードは、プロセッサ又がコントローラによって実行された際に、フローチャート及び/又はブロック図によって規定された機能/動作が実施されるように、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサ又はコントローラに提供されてもよい。プログラムコードは、完全に機械上で実行され、部分的に機械上で実行され、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、部分的に機械上で実行され、かつ部分的にリモート機械上で実行され、又は完全にリモート機械又はサーバ上で実行されてもよい。
【0160】
本出願の文脈では、機械読み取り可能な媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスによって使用されたり、又は命令実行システム、装置、またはデバイスと組み合わせて使用されたりするプログラムを含むか、又は記憶できる有形の媒体であってもよい。機械読み取り可能な媒体は、機械読み取り可能な信号媒体または機械読み取り可能な記憶媒体であってもよい。機械読み取り可能な媒体は、電子的、磁気的、光学的、電磁気的、赤外線的、又は半導体システム、装置又はデバイス、または上記内容のいずれかの適切な組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。機械読み取り可能な記憶媒体のより具体的な一例は、少なくとも1つのラインに基づく電気接続、ポータブルコンピュータディスク、ハードディスク、RAM、ROM、EPROM(Electrically Programmable Read-Only-Memory、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ)又はフラッシュメモリ、光ファイバ、CD-ROM(Compact Disc Read-Only Memory、ポータブルコンパクトディスクリードオンリーメモリ)、光学記憶装置、磁気記憶装置、または上記内容のいずれかの適切な組み合わせを含む。
【0161】
ユーザとのインタラクションを提供するために、ここで説明されたシステム及び技術をコンピュータ上で実施することができ、該コンピュータは、ユーザに情報を表示するためのディスプレイ装置(例えば、CRT(Cathode-Ray Tube、陰極線管)又はLCD(Liquid Crystal Display、液晶ディスプレイ)モニタ)、並びにキーボードとポインティングデバイス(例えば、マウス又はトラックボール)を有し、ユーザは、キーボード及びポインティングデバイスを介して入力をコンピュータに提供することができる。他の種類の装置も、ユーザとのインタラクションを提供することができ、例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形式のセンシングフィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバック)であってもよく、任意の形式(音響入力と、音声入力または、触覚入力とを含む)でユーザからの入力を受信することができる。
【0162】
ここで説明されるシステム及び技術は、バックエンドコンポーネントを含むコンピューティングシステム(例えば、データサーバとして)、又はミドルウェアコンポーネントを含むコンピューティングシステム(例えば、アプリケーションサーバ)、又はフロントエンドコンポーネントを含むコンピューティングシステム(例えば、グラフィカルユーザインタフェース又はウェブブラウザを有するユーザコンピュータ、ユーザは、グラフィカルユーザインタフェース又はウェブブラウザによってここで説明されるシステム及び技術の実施形態とインタラクションを行う)、又はこのようなバックエンドコンポーネントと、ミドルウェアコンポーネントと、フロントエンドコンポーネントの任意の組み合わせを含むコンピューティングシステムで実施することができる。任意の形態又は媒体のデジタルデータ通信(例えば、通信ネットワーク)によってシステムのコンポーネントを相互に接続することができる。通信ネットワークの例は、LAN(Local Area Network、ローカルエリアネットワーク)と、WAN(Wide Area Network、ワイドエリアネットワーク)と、インターネットと、ブロックチェーンネットワークとを含む。
【0163】
コンピュータシステムは、クライアント及びサーバを含むことができる。クライアント及びサーバは、一般的に、互いに離れており、通常、通信ネットワークを介してインタラクションする。対応するコンピュータ上で実行され、かつ互いにクライアント-サーバ関係を有するコンピュータプログラムによってクライアントとサーバとの関係が生成される。サーバはクラウドサーバであってもよく、クラウドコンピューティングサーバまたはクラウドホストとも呼ばれ、クラウドコンピューティングサービスシステムにおける1つのホスト製品であり、従来の物理ホストとVPS(Virtual Private Server,仮想専用サーバ)サービスに存在する管理の難しさ、業務拡張性の弱いという欠陥を解決した。サーバは分散システムのサーバであってもよく、またはブロックチェーンと組み合わせたサーバであってもよい。
【0164】
なお、人工知能は、人間のある思考過程及び知的な行動(例えば学習、推理、思考、計画など)をコンピュータにシミュレーションさせることを研究する学科であり、ハードウェアレベルの技術もソフトウェアレベルの技術もある。人工知能のハードウェア技術は一般に、センサ、専用の人工知能チップ、クラウド算出、分散ストレージ、ビッグデータ処理などの技術を含み、人工知能のソフトウェア技術は主にコンピュータ視覚技術、音声認識技術、自然言語処理技術及び機械学習/深層学習、ビッグデータ処理技術、ナレッジグラフ技術などのいくつかの側面を含む。
【0165】
本開示の実施例の技術案によれば、グリーンウェーブ協調路線における車両の車両走行データに基づいて、車両の走行方向を決定し、走行方向がグリーンウェーブ協調路線に対応するグリーンウェーブ協調方向にマッチングする車両を対象車両とし、対象車両の車両走行データに基づいて、グリーンウェーブ協調路線における隣接する交差点間の区間におけるグリーンウェーブ速度を決定する。以上により、車両実際の走行データに基づいて、グリーンウェーブ協調路線における各区間におけるグリーンウェーブ速度を決定することを実現することができ、グリーンウェーブ速度の算出結果の正確度と信頼性を向上させることができる。
【0166】
なお、上記に示される様々な形態のフローを用い、ステップを並べ替え、追加、又は削除することができる。例えば、本出願に記載されている各ステップは、並列に実行されてもよいし、順次実行されてもよいし、異なる順序で実行されてもよいが、本出願で開示されている技術案の所望の結果を実現することができれば、本明細書では限定されない。
【0167】
上記具体的な実施形態は、本開示の保護範囲を制限するものではない。当業者であれば、設計の要件と他の要因に応じて、様々な修正、組み合わせ、一部の組み合わせ及び代替を行うことができることを理解されたい。本開示の精神及び原則内で行われた修正、同等の置き換え及び改善などは、いずれも本開示の権利範囲に含まれるべきである。