(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022009213
(43)【公開日】2022-01-14
(54)【発明の名称】インターホンシステム
(51)【国際特許分類】
H04M 9/00 20060101AFI20220106BHJP
【FI】
H04M9/00 H
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021170456
(22)【出願日】2021-10-18
(62)【分割の表示】P 2018034651の分割
【原出願日】2018-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000100908
【氏名又は名称】アイホン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一
(74)【代理人】
【識別番号】100124420
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 清隆
(72)【発明者】
【氏名】纐纈 慎也
【テーマコード(参考)】
5K038
【Fターム(参考)】
5K038AA06
5K038CC12
5K038DD22
5K038FF01
(57)【要約】
【課題】居住者が応答すること無く来訪者に応じた動作を実施させることができるインターホンシステムを提供する。
【解決手段】制御装置3に備えられた制御装置CPUは、集合住宅のエントランスドア5と接続されると共に、エントランスドア5を解錠するためのIDを入力可能な集合玄関機1と接続されており、更に居住者携帯7及び来訪者携帯8と通信可能である。制御装置CPUは、居住者携帯7から来訪予定者情報を受信すると、有効期限或いは有効回数を有するIDとしての登録番号を発行すると共に、登録番号を来訪者携帯8に送信する。又、制御装置CPUは、集合玄関機1から入力された登録番号を認識すると、有効期限が経過せず或いは使用回数が有効回数を上回らない限り、エントランスドア5を解錠する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集合住宅のエントランスドアと接続されると共に、前記エントランスドアを解錠するためのIDを入力可能な集合玄関機と接続されており、更に居住者に係る第1の通信端末及び来訪予定者に係る第2の通信端末と通信可能である制御手段を備えており、
前記制御手段は、
前記第1の通信端末から来訪予定者情報を受信すると、有効期限或いは有効回数を有する前記IDを発行すると共に、前記IDを前記第2の通信端末に送信し、
前記集合玄関機から入力された前記IDを認識すると、前記有効期限が経過せず或いは使用回数が前記有効回数を上回らない限り、前記エントランスドアを解錠する
ことを特徴とするインターホンシステム。
【請求項2】
前記集合玄関機は、情報を表示するディスプレイを備えており、
前記制御手段は、前記エントランスドアを解錠する場合、前記ディスプレイにおいて、解錠した旨のメッセージを表示させる
ことを特徴とする請求項1記載のインターホンシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はインターホンシステムに関し、特に来訪者の操作を受けて自動応答する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
集合住宅では、不審者の侵入を防ぐためにエントランスには居住者により解錠されるエントランスドアが設置されている。そのため、訪問を受ける度に居住者によるエントランスドアの解錠操作が必要であった。
この煩わしさを解消するために、予め来客等の来訪者のある時間がわかっている場合は、居住者の解錠操作の手間を省いた集合住宅インターホンシステムがある。例えば特許文献1では、来客を予定している時間帯では、来客が集合玄関機を操作して居住者の応答を待つこと無くエントランスドアの解錠を可能とし、居住者に解錠してもらう手間を省くことが可能であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の集合住宅インターホンシステムでは、居住者が応答して解錠操作する煩わしさを解消できた。しかしながら、訪問することを居住者が認識している来訪者であっても、集合玄関機を操作して居住者を呼び出す操作自体は相変わらず必要であり、訪問先にたどり着くまでの来訪者の操作は簡易化されてはいなかった。
また、来訪者によっては家に招き入れる必要が無い場合もあるが、このような来訪者に対しては居住者が応答することなく対処することは不可能であった。
【0005】
そこで、本発明はこのような問題点に鑑み、来ることがわかっている来訪者に対しては予めIDを発行することにより、居住者が応答すること無くインターホンを来訪者に応じて自動動作させることが可能なインターホンシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する為に、請求項1の発明は、集合住宅のエントランスドアと接続されると共に、エントランスドアを解錠するためのIDを入力可能な集合玄関機と接続されており、更に居住者に係る第1の通信端末及び来訪予定者に係る第2の通信端末と通信可能である制御手段を備えており、制御手段は、第1の通信端末から来訪予定者情報を受信すると、有効期限或いは有効回数を有するIDを発行すると共に、IDを第2の通信端末に送信し、集合玄関機から入力されたIDを認識すると、有効期限が経過せず或いは使用回数が有効回数を上回らない限り、エントランスドアを解錠することを特徴とする。
請求項2の発明は、集合玄関機は、情報を表示するディスプレイを備えており、制御手段は、エントランスドアを解錠する場合、ディスプレイにおいて、解錠した旨のメッセージを表示させることを特徴とする。
尚、第1の関連する発明は、来訪者を撮像するカメラを備えて来訪者が居住者を呼び出して通話するための呼出子機と、カメラの撮像映像を表示するモニタを備えて居住者が呼出子機からの呼び出しに応答して通話するための応答親機とを有するインターホンシステムであって、応答親機は、来訪予定者情報の入力及び当該来訪予定者に対する特定の制御を設定登録するための制御入力部を有する一方、入力された来訪予定者情報及び特定の制御を記憶する設定情報記憶部と、設定された制御を実行する制御手段とを有し、制御手段は、来訪予定者情報の入力を受けたら来訪予定者が使用するIDを発行して応答親機に返信すると共に設定情報記憶部に保存し、発行されたIDが呼出子機に入力されたら、当該IDに関連付けられている特定の制御を設定情報記憶部から読み取って実行することを特徴とする。
この構成によれば、来訪者が呼出子機にIDを入力したら、居住者を呼び出すこと無く、特定の制御、例えば玄関ドアの解錠等の予め決められた制御を実施することができる。よって、来訪者に応じた動作を実施でき、来訪者が居住者の呼出操作を行い、居住者がそれに応答して玄関ドアを解錠操作する手間を無くすことができ、双方にとって煩わしさを軽減できる。
【0007】
第2の関連する発明は、第1の関連する発明の構成において、制御入力部が、応答親機に接続されたルータであり、居住者が所持する通信端末からルータを介して制御手段に対して来訪予定者情報の入力及び当該来訪予定者に対する特定の制御の設定登録が可能であり、制御手段で発行されたIDは、ルータを介して通信端末に返信されることを特徴とする。
この構成によれば、居住者による登録操作により発行されたIDは、通信端末に返信されるため、発行されたIDを来訪予定者に伝えやすい。例えば、通信端末から来訪予定者の携帯電話に、居住者がマニュアル操作で通知しても良いし、通信端末から自動送信するよう設定しても良い。
【0008】
第3の関連する発明は、第2の関連する発明の構成において、居住者が所持する通信端末には来訪予定者が所持する携帯電話のアドレス或いは電話番号が登録されており、制御手段から通信端末へ発行されたIDは、通信端末から携帯電話に自動送信されることを特徴とする。
この構成によれば、発行されたIDは設定登録した通信端末から来訪予定者の携帯電話に自動送信されるため、来訪予定者を呼び出して登録番号を通知する煩わしさが居住者に発生しない。
【0009】
第4の関連する発明は、第1から第3の何れかの関連する発明の構成において、応答親機はカメラの撮像映像を保存する映像記憶部を有し、制御手段は、呼出子機にIDが入力されたら、カメラの撮像映像をIDに関連付けられている応答親機のモニタに表示させることを特徴とする。
この構成によれば、IDを入力した来訪者を居住者は映像で確認できるため、セキュリティの向上に役立つ。
【0010】
第5の関連する発明は、第1から第4の何れかの関連する発明の構成において、設定登録される来訪予定者情報は、来訪予定者の氏名情報或いは名称情報を含み、制御手段は、呼出子機にIDが入力されたら、IDに関連付けられている来訪者の氏名情報或いは名称情報をIDに関連付けられている応答親機に送信し、表示或いは報音により到着を通知させることを
特徴とする。
この構成によれば、到着した来訪者の氏名或いは名称が応答親機において表示或いは報音されるため、居住者は到着した来訪者の氏名や名称を確認できる。
【0011】
第6の関連する発明は、第1から第5の何れかの関連する発明の構成において、特定の制御が、呼出子機でのメッセージの表示或いは報音であり、メッセージは、来訪予定者情報の入力時に設定されることを特徴とする。
この構成によれば、例えば「宅配ボックスに入れてください」を表示或いは報音させれば、宅配業者は、居住者を呼び出す操作を行うこと無く直接宅配ボックス等に荷物を入れることができ、宅配業者は手間を省ける。
【0012】
第7の関連する発明は、第1から第6の何れかの関連する発明の構成において、発行したIDには有効期限或いは有効回数が設定されており、制御手段は、有効期限が経過した或いは有効回数を超えたIDが呼出子機から入力されても、IDに関連付けられている制御を実施しないことを特徴とする。
この構成によれば、悪用されるのを防止でき、セキュリティを維持できる。
【0013】
第8の関連する発明は、第1から第7の何れかの関連する発明の構成において、呼出子機が集合住宅のエントランスに設置された集合玄関機、応答親機が集合住宅の個々の住戸に設置された住戸親機、制御手段が集合玄関機と住戸親機との間の通信を制御する制御装置CPUであることを特徴とする。
この構成によれば、集合住宅において居住者が応答すること無く来訪者に応じた動作をインターホンシステムに行わせることができる。
【0014】
第9の関連する発明は、第8の関連する発明の構成において、特定の制御が、エントランスに設置された集合玄関ドアの電気錠の解錠であることを特徴とする。
この構成によれば、来訪者は居住者を呼び出すこと無く居住エリアに進むことができるし、居住者は集合玄関ドアを開けるために応答する必要がない。
【0015】
第10の関連する発明は、第8又は第9の関連する発明の構成において、集合玄関機にIDの入力が無く、住戸番号が入力された場合でも特定の制御を実施するよう特定の制御を設定でき、自住戸の住戸番号が入力されたら、IDを発行していただく操作を依頼するメッセージを集合玄関機に表示或いは報音させて、呼出制御を実施しない設定が可能なことを特徴とする。
この構成によれば、IDを入力せず従来の住戸番号による呼び出しがなされた場合、呼び出し拒否設定をすることができ、セキュリティの向上に有効である。
【0016】
第11の関連する発明は、第1から第8の何れかの関連する発明の構成において、呼出子機が住戸玄関に設置された玄関子機、応答親機が居室に設置された居室親機、制御手段が居室親機に組み込まれて成ることを特徴とする。
この構成によれば、戸建住宅において居住者が応答すること無く来訪者に応じた動作をインターホンシステムに行わせることができる。
【0017】
第12の関連する発明は、第11の関連する発明の構成において、特定の制御が、玄関ドアの電気錠の解錠であることを特徴とする。
この構成によれば、来訪者は居住者を呼び出すこと無く玄関ドアを開けることが可能であるし、居住者は玄関ドアを開けるために応答する必要がない。
【0018】
第13の関連する発明は、第8から第10の何れかの関連する発明の構成において、IDが数字列から成り、集合玄関機のテンキー操作で入力されることを特徴とする。
この構成によれば、訪問先の住戸を選択するために集合玄関機に設けられているテンキーを使用してID入力できるため、別途ID入力手段が必要無く、来訪予定者に口頭でも伝えやすい。
【0019】
第14の関連する発明は、第1から第13の何れかの関連する発明の構成において、IDがバーコードから成り、玄関子機のカメラに翳して入力されることを特徴とする。
この構成によれば、来訪者は例えば携帯電話にバーコードを表示させて、それを呼出子機のカメラに翳せば、玄関子機へIDを入力でき、別途ID入力手段が必要無い。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、呼出子機にIDが入力されたら、居住者を呼び出すこと無く、特定の制御、例えば玄関ドアの解錠等の予め決められた制御を実施することができる。よって、来訪者が居住者の呼出操作を行い、居住者がそれに応答して玄関ドアの解錠操作する手間を必要とせず、双方にとって煩わしさを軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明に係るインターホンシステムの一例を示す集合住宅インターホンシステムの構成図である。
【
図3】住戸親機或いは居室親機の表示説明図である。
【
図4】戸建住宅に適用したインターホンシステムの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係るインターホンシステムの一例を示し、集合住宅インターホンシステムの構成図である。1は集合住宅のエントランスに設置されて来訪者が住戸を選択して居住者を呼び出すための集合玄関機、2は各住戸に設置されて、集合玄関機1からの呼び出しに応答するための住戸親機、3は集合玄関機1と住戸親機2との間の通信を制御する制御装置、4は宅配物を一時保管する宅配ボックス、5はエントランスに設置されたエントランスドア(集合玄関ドア)、6は携帯電話等とWi-Fi通信する無線ルータ、7は居住者が所持する通信端末としての携帯電話(以下、「居住者携帯」とする。)、8は来訪者が携行する携帯電話(以下、「来訪者携帯」とする。)である。
【0023】
集合玄関機1は伝送線L1を介して制御装置3に接続され、住戸親機2は親機幹線L2を介して制御装置3に接続されている。また、宅配ボックス4は伝送線L3を介して制御装置3に接続され、エントランスドア5の電気錠5aは伝送線L4を介して制御装置3に接続されている。そして、住戸親機2と無線ルータ6はLAN配線L5によりLAN接続されている。
【0024】
尚、Nは外部の通信ネットワークを示し、居住者携帯7と来訪者携帯8とは通信ネットワークNを介してインターネット通信等を実施する。また、居住者携帯7及び来訪者携帯8は、いわゆるスマートフォンが使用できる。更に、住戸親機2には、住戸玄関に設置された玄関子機が接続されているが省略している。
【0025】
集合玄関機1は、住戸を選択して呼び出すためのテンキー等を備えた操作部11、図示しないマイク及びスピーカを備えた通話部、来訪者を撮像するカメラ12、呼出先情報等の各種情報を表示するディスプレイ13等を備えている。
【0026】
住戸親機2は、呼び出しに応答するための通話ボタン21、図示しないマイク及びスピ
ーカを備えた通話部、カメラ12の撮像映像の表示に加えて各種情報を表示するモニタ22等を備えている。また、映像を保存する映像保存部(図示せず)、無線ルータ6が接続されるLAN端子を有している。
【0027】
図2は制御装置3の機能ブロックを示している。
図2に示すように、制御装置3は、集合玄関機1と通信するための第1通信IF31、住戸親機2と通信するための第2通信IF32、宅配ボックス4と通信するための第3通信IF33、住戸番号と住戸親機の関係等の各種情報を記憶する記憶部34、居住者により入力された設定情報を記憶する設定情報記憶部35、来訪予定者情報等の入力を受けてIDとしての登録番号の発行制御を実施し、制御装置3を制御する制御装置CPU36等を備えている。
そして、設定情報記憶部35には、居住者により入力された来訪予定者情報及び来訪予定者が到着した際の制御内容、更には制御装置3が発行した登録番号等が記憶される。
【0028】
上記の如く構成されたインターホンシステムの動作は、以下のようである。但し、登録番号が与えられていない場合の来訪者による集合玄関機1の操作は、従来と同様であるため説明を省略する。即ち、集合玄関機1を操作して訪問先を呼び出し、呼び出しを受けた居住者により住戸親機2から応答が成され、居住者の操作でエントランスドア5の電気錠5aが解錠される操作の流れは従来と同様であるため、この操作の説明を省略する。
ここでは来訪者に予め通知したIDとしての登録番号を集合玄関機1に入力していただき、その後特定の制御を実施する流れを説明する。
【0029】
まず、来訪予定者に発行される登録番号は以下のように設定される。居住者が居住者携帯7からスケジューラーなどのアプリケーションソフトウェアを使用して来訪予定者情報を入力する。具体的に、居住者携帯7を操作して所定のアプリケーションソフトウェアを開き、無線ルータ6を介して制御装置3にアクセスして通信を開始する。通信が開始されて、所定の入力画面が表示されたら、まず来訪予定者の氏名或いは名称が入力される。
引き続き、来訪予定者に応じたインターホンシステムの動作設定が入力される。この時、例えば呼び出し後自動的にエントランスドア5をオープン(電気錠5aを解錠)する等が設定される。
【0030】
こうして設定された情報は、無線ルータ6、住戸親機2を介して、その情報が制御装置3に送信されて記憶される一方、制御装置CPU36の制御により、来訪予定者が集合玄関機1に入力する登録番号が発行される。発行された登録番号は、住戸親機2、無線ルータ6を介して、居住者携帯7に返信される。また、このとき発行される登録番号は、例えば5桁の数字列から成り、居住者を呼び出す際に入力される住戸番号とは異なる桁数で設定されている。
【0031】
更に制御装置CPU36は、登録番号の有効期限或いは有効回数を管理しており、登録番号を発行した時点から経過時間をカウントし、所定の時間が経過したら使用不可とするし、使用回数が所定回に達したらそれ以降は使用不可とする。
このように管理することで、登録番号が悪用されるのを防止でき、セキュリティを維持できる。
【0032】
制御装置3から登録番号が返信された居住者携帯7は、メーラーやメッセンジャーなどのアプリケーションソフトウェアを使用して、受信した登録番号を来訪者携帯8に送信する。来訪者携帯8のアドレス或いは電話番号等は、居住者携帯7から、来訪予定者を制御装置3に入力する際に合わせて入力され、居住者携帯7に登録される。この登録情報を受けて、アプリケーションソフトウェアの制御により、登録された来訪者携帯8に送信される。
尚、居住者が来訪予定者の入力に使用する機器は携帯電話(居住者携帯7)でなくとも
良く、PC(パーソナルコンピュータ)を使用しても良い。PCの場合も、携帯電話と同様に登録番号を受信すると、メーラーやメッセンジャーなどのアプリケーションソフトウェアを使用して来訪者携帯8に登録番号を送信することができる。
【0033】
この結果、来訪者携帯8への登録番号の送信は、居住者携帯7のアプリケーションソフトウェアによって自動的に行われる。
【0034】
登録番号の送信を受けた来訪予定者は、訪問先に到着する前に来訪者携帯8を見て訪問時に必要な登録番号を認識する。そして、来訪者(来訪予定者)が訪問先に到着したら、送信された登録番号を集合玄関機1から入力する。このとき、登録番号は操作部11を構成するテンキーを使用して入力される。
入力された登録番号は、制御装置CPU36が認識し、設定情報記憶部35から登録番号に関連付けられている制御を読み取り、その制御を実行する。
【0035】
例えば、このときの来訪者が家に招き入れる来客である場合は、エントランスドア5の電気錠5aを解錠し、集合玄関機1に「ドアを解錠しましたお入りください」等のメッセージを表示或いは報音するよう動作設定が成される。この表示或いは報音を受けて、来訪者は居住者を呼び出すこと無く居住エリアに進むことができるし、居住者はエントランスドア5を開けるために応答する必要がなく、両者にとって利便性が向上する。
【0036】
また、制御装置3は、この設定された動作とは別に、登録番号に関連付けられている住戸親機2に、来客者情報(例えば、登録されている氏名等の情報)を送信すると共に、到着を通知するための通知信号を送信する。更に、集合玄関機1のカメラ12の撮像映像を送信する。
【0037】
一方、通知信号を受信した住戸親機2では、通知音を報音させると共に、制御装置3から送信された情報を表示する。
図3はこの表示を示す説明図であり、M1は来訪者、M2は登録されている来訪者の氏名又は名称の表示を示している。
図3に示すように、モニタ22には、操作を受けて起動した集合玄関機1のカメラ12の撮像映像が表示されると共に、制御装置3から送信された、登録番号に関連付けられている来訪者の氏名或いは名称が、現在の日時情報と共に表示される。
【0038】
このように、来訪者により集合玄関機1にIDとしての登録番号が入力されたら、居住者を呼び出すこと無く、特定の制御、例えばエントランスドア5の解錠等の予め設定された制御を実施することができる。よって、来訪者に応じた動作を実施でき、来訪者が居住者の呼出操作を行い、居住者がそれに応答してエントランスドア5を解錠操作する手間を無くすことができ、双方にとって煩わしさを軽減できる。
また、居住者により登録操作を受けて来訪予定者に対して発行された登録番号は、居住者に返信され、登録番号は居住者携帯7から来訪者携帯8に自動送信されるため、来訪予定者を呼び出して登録番号を通知する煩わしさが居住者に発生しない。
更に、登録番号を入力した来訪者の撮像映像が住戸親機2に表示されるため、居住者は映像で確認でき、セキュリティの向上に役立つ。加えて、到着した来訪者の氏名或いは名称が住戸親機2において表示されるため、居住者は到着した来訪者の氏名や名称で確認できる。
また、訪問先の住戸を選択するために集合玄関機1に設けられているテンキーを使用してID入力できるため、別途ID入力手段が必要無く、来訪予定者に口頭でも伝えやすい。
【0039】
尚、来訪者による登録番号の入力を受けて、来訪者の氏名或いは名称が住戸親機2に表示される動作に代えて、氏名又は名称をアナウンスにより住戸親機2で報音して通知して
も良いし、表示とアナウンスの双方を実施しても良い。
また、発行された登録番号を居住者携帯7から来訪者携帯8に自動送信しているが、居住者が来訪予定者を呼び出して通知しても良い。
【0040】
次に、来訪予定者が物品を配達する宅配業者である場合を説明する。居住者の留守/在宅に関わらず、宅配業者に物品を宅配ボックス4に入れて貰いたい場合は、物品を宅配ボックス4に入れて貰うよう制御設定される。
来訪予定者情報を入力するために、居住者携帯7と制御装置3とを接続して所定の入力画面が表示されたら、まず来訪予定者の名称入力において宅配業者名を入力し、制御内容として「荷物を宅配ボックスに入れてください」を集合玄関機1に表示或いはメッセージをアナウンスするよう登録する。
尚、この場合も、宅配業者への登録番号の通知は、来訪予定者情報の入力に合わせてアドレス或いは電話番号が入力される。そして、この場合はエントランスドア5を解錠する制御は設定しない。
【0041】
この設定により、登録番号を受け取り集合玄関機1に入力した宅配業者には、集合玄関機1に「荷物を宅配ボックスに入れてください」が表示或いはアナウンスされるため、居住者の呼び出しをすること無く、宅配ボックス4に収容すれば良いことを認識でき、宅配業者は居住者を呼び出す手間を省ける。
そして、このように宅配ボックス4に入れてもらうよう集合玄関機1にメッセージを表示する制御は、不在にする際に都合が良く、宅配業者を煩わせることなくスムーズに対応できる。
【0042】
一方、予定に無い来訪者に対しては、次のような応対を実施することで、セキュリティを上げることができる。
登録番号を入力せず、従来の住戸番号を入力して呼び出しがなされた場合、呼出制御を実施せず、来訪者に対して事前にアポイントメントを取るようにお願いするメッセージを集合玄関機1に表示或いは報音させて、「呼出拒否」を設定することも可能である。
【0043】
この設定は、居住者携帯7から来訪予定者情報の入力及び来訪予定者に対する特定の制御を設定登録する際に、例えば登録番号無しの制御を設定することで実施でき、登録番号が入力されなかったら、「訪問先に設定番号の登録を依頼してください」等のメッセージを表示或いは報音させるよう制御登録することで実施できる。
尚、この制御を実施する際は、集合玄関機1のカメラ12を起動して、その撮像映像を住戸親機2の記憶部34に保存させると良い。
【0044】
このように、登録番号を入力せず従来の住戸番号の入力による呼び出しがなされた場合は、呼び出しをせずに所定のメッセージを集合玄関機1に表示或いは報音させて登録番号の取得を促すことで、呼出拒否できセキュリティの向上を図ることができる。
そして、上述したように集合住宅において、居住者が応答すること無く来訪者に応じた動作をインターホンシステムに行わせることができる。
【0045】
次に、本発明のインターホンシステムを戸建住宅に適用した場合を説明する。
図4は戸建住宅に適用したインターホンシステムの一例を示す構成図であり、101は玄関に設置されて来訪者が居住者を呼び出すための玄関子機、102は室内に設置されて玄関子機101からの呼び出しに応答するための居室親機、105aは玄関ドア105の電気錠である。そして、上記集合住宅インターホンシステムと同様に、6は携帯電話等とWi-Fi通信する無線ルータ、7は居住者が所持する居住者携帯、8は来訪者が携行する来訪者携帯である。
【0046】
玄関子機101は伝送線L11を介して居室親機102に接続され、玄関ドア105の電気錠105aは伝送線L12を介して居室親機102に接続されている。そして、居室親機102と無線ルータ6とはLAN配線L15によりLAN接続され、上記集合住宅インターホンシステムの場合と同様に、居住者携帯7と来訪者携帯8とは通信ネットワークNを介してインターネット通信等を実施する。
【0047】
玄関子機101は、呼出ボタン61、マイク62及びスピーカ63、カメラ64等を備えている。
【0048】
図5は居室親機102の機能ブロック図を示している。居室親機102は、
図5に示すように、カメラ64の撮像映像の表示に加えて各種情報を表示するモニタ91、応答操作する通話ボタン92、各種設定操作が可能なタッチパネルから成る操作部93、マイク94a及びスピーカ94bを備えた通話部94、映像等を記憶する記憶部95、設定情報を記憶する設定情報記憶部96、居室親機102を制御する親機CPU97、玄関子機101と通信する子機通信IF98、電気錠の施錠/解錠信号を出力する電気錠通信IF99、無線ルータ6に接続するルータ通信IF100等を備えている。
【0049】
上記の如く構成されたインターホンシステムの動作は以下のようである。但し、呼び出しに対する応答操作は従来と同様であるため説明を省略し、ここでは来訪者に予め通知したバーコードから成るIDを玄関子機101に入力していただき、その後特定の制御を実施する流れを説明する。
【0050】
まず、来訪予定者に発行されるバーコードは以下のように設定される。上記集合住宅インターホンシステムの場合と同様に、居住者携帯7を操作して所定のアプリケーションソフトウェアを開き、無線ルータ6を介して居室親機102にアクセスして通信を開始する。
通信が開始されて、所定の入力画面が表示されたら、まず来訪予定者の氏名或いは名称等が入力される。引き続き、来訪予定者に応じたインターホンシステムの動作設定が入力される。この時、例えば呼び出し後自動的に玄関ドア105を解錠する等が設定される。すると、無線ルータ6を介してその情報が居室親機102に送信されて設定情報記憶部96に記憶される。
【0051】
一方、来訪予定者情報を受信した居室親機102は、親機CPU97が来訪予定者が玄関子機101に入力するためのバーコードを生成し、居住者携帯7に返信する。但し、発行されたバーコードは、上記集合住宅インターホンシステムと同様に、有効期限或いは有効回数が設定されており、親機CPU97により使用可能な時間、使用回数が管理されている。
【0052】
このバーコードを受信した居住者携帯7は、メーラーやメッセンジャーなどのアプリケーションを使用して来訪者携帯8にバーコード情報を送信する。来訪者携帯8へのバーコードの送信は、居住者携帯7のアプリケーションソフトウェアによって自動的に行われる。
【0053】
来訪予定者は、訪問先に到着する前に来訪者携帯8を見て受信したバーコードを認識し、訪問先に到着したら受信したバーコードを来訪者携帯8に表示させて玄関子機101に翳す。尚、玄関子機101には、人物の接近を感知する人感センサ(図示せず)が組み込まれており、来訪者の接近を受けてカメラ64が起動して、撮像を開始する。
こうして翳されたバーコードは、カメラ64が撮像してその映像が居室親機102に送信される。
【0054】
居室親機102では、親機CPU97が玄関子機101から送信された画像からバーコードを認識し、そのバーコードに関連付けられている制御内容を設定情報記憶部96から読み取り、居住者により設定された動作を実施する。
例えば、このときの来訪者が家に招き入れる来客である場合は、玄関ドア105を解錠し、玄関子機101に「ドアを解錠しましたお入りください」等のメッセージをアナウンスするよう動作設定することができる。このアナウンスを受けて、来訪者は居住者を呼び出すこと無く玄関ドア105を開けることができる。一方、居住者は玄関ドア105を開けるために応答する必要がなく、両者にとって利便性が向上する。
【0055】
また、親機CPU97は、この設定された動作とは別に、バーコードに関連付けられて登録されている来訪者の氏名等の情報等をモニタ91に表示させると共に、到着を通知するための通知音を報音させる。更に、カメラ64の撮像映像をモニタ91に表示させる。こうして居室親機102の表示説明図でもある上記
図3に示すように、モニタ91に来訪者映像が表示されると共に、来訪者の氏名或いは名称が現在の日時情報と共に表示される。
【0056】
このように、来訪者は居住者を呼び出すこと無く玄関ドア105を開けることが可能であるし、居住者は玄関ドア105を開けるために応答する必要がない。
また、来訪者は携帯電話である来訪者携帯8にIDとしてのバーコードを表示させて、それを玄関子機101のカメラ64に翳せば、玄関子機101へバーコード情報を入力できるため、別途ID入力手段が必要無い。
この結果、戸建住宅においても居住者が応答すること無く来訪者に応じた動作をインターホンシステムに行わせることができる。
【0057】
尚、来訪者に発行されるバーコードは、二次元のQRコード(登録商標)あっても良い。また、上記集合住宅に適用したインターホンシステムでは、IDを番号列としたが、戸建住宅のインターホンシステムと同様にバーコードとしても良い。
【符号の説明】
【0058】
1・・集合玄関機(呼出子機)、2・・住戸親機(応答親機)、3・・制御装置、4・・宅配ボックス、5・・エントランスドア(集合玄関ドア)、5a・・電気錠、6・・無線ルータ(制御入力部)、7・・携帯電話(通信端末)、8・・携帯電話、9・・玄関ドア、11・・操作部、12・・カメラ、22・・モニタ、34・・記憶部(映像記憶部)、35・・設定情報記憶部、36・・制御装置CPU(制御手段)、64・・カメラ、91・・モニタ、95・・記憶部(映像記憶部)、97・・親機CPU(制御手段)、101・・玄関子機(呼出子機)、102・・居室親機(応答親機)。