(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022092194
(43)【公開日】2022-06-22
(54)【発明の名称】成形装置
(51)【国際特許分類】
B29C 49/50 20060101AFI20220615BHJP
B29C 49/42 20060101ALI20220615BHJP
【FI】
B29C49/50
B29C49/42
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020204849
(22)【出願日】2020-12-10
(71)【出願人】
【識別番号】516011486
【氏名又は名称】扶桑産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100211052
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 大輔
(72)【発明者】
【氏名】井藤 秀昭
(72)【発明者】
【氏名】瀧本 憲吾
【テーマコード(参考)】
4F202
4F208
【Fターム(参考)】
4F202CA15
4F202CB01
4F202CK35
4F202CK84
4F208LA01
4F208LA07
4F208LB01
4F208LD16
4F208LG04
4F208LG22
4F208LW01
4F208LW23
(57)【要約】
【課題】切断方向の自由度を高めつつ成形金型内で中空成形品を切断することができる成形装置を提供する。
【解決手段】
一態様の成形装置は、開閉可能な第1金型及び第2金型を含み、第1金型と第2金型との間にキャビティを形成する成形金型と、キャビティにパリソンを供給するパリソン供給部と、キャビティ内においてパリソンを膨張させることによってパリソンを中空成形品に成形するブロー部と、成形金型内で中空成形品を切断するブレード部と、を備え、第1金型の内部にはキャビティに連通する第1通路が形成され、第2金型の内部にはキャビティに連通する第2通路が形成され、第1通路及び第2通路は、第1金型及び第2金型が閉じられた状態のときに、互いに連通して成形金型のパーティング面に交差する方向に延在する連通路を形成し、ブレード部は、連通路の延在方向に沿って進退可能に構成されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空成形品をブロー成形する成形装置であって、
開閉可能な第1金型及び第2金型を含み、前記第1金型と前記第2金型との間にキャビティを形成する成形金型と、
前記キャビティにパリソンを供給するパリソン供給部と、
前記キャビティ内において前記パリソンを膨張させることによって前記パリソンを前記中空成形品に成形するブロー部と、
前記成形金型内で前記中空成形品を切断するブレード部と、
を備え、
前記第1金型の内部には前記キャビティに連通する第1通路が形成され、
前記第2金型の内部には前記キャビティに連通する第2通路が形成され、
前記第1通路及び前記第2通路は、前記第1金型及び前記第2金型が閉じられた状態のときに、互いに連通して前記成形金型のパーティング面に交差する方向に延在する連通路を形成し、
前記ブレード部は、前記連通路の延在方向に沿って進退可能に構成されている、成形装置。
【請求項2】
前記ブレード部には、前記キャビティの形状に対応する形状を有する貫通孔が形成され、
前記貫通孔を画成する前記ブレード部の内壁には、前記中空成形品を切断する刃先が形成されている、請求項1に記載の成形装置。
【請求項3】
前記第1通路及び前記第2通路は、前記パーティング面に対して傾斜した方向に延在する、請求項1又は2に記載の成形装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、成形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、成形金型内のキャビティの内部に供給されたパリソンを膨張させることによって中空成形品をブロー成形する成形装置が知られている。例えば、下記特許文献1には、一対の金型内に形成されたキャビティにパリソンを配置し、一対の金型を閉じてパリソン内に圧縮気体を吹込むことでパリソンを広げて中空成形品を形成し、一対の金型のうち一方の金型に取り付けられた切断工具を一対の金型のパーティング面に沿って移動させることで中空成形品の不要部分を切断する成形装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、ブロー成形によって複雑な二次元形状又は三次元形状を有する中空成形品を成形することが試みられている。このような中空成形品を製造する場合には、成形金型のパーティング面に垂直な方向だけでなく、様々な方向から中空成形品を切断できることが望ましい。しかしながら、特許文献1に記載の切断工具は、一対の金型のパーティング面に沿って平行な方向に沿ってスライドされるので、中空成形品の切断方向に制約が存在する。例えば、一対の金型のパーティング面に対して傾斜する方向に沿って中空成形品を切断するためには、切断工具をパーティング面に傾斜させて配置する必要がある。しかしながら、パーティング面に傾斜させて切断工具を配置した場合には、切断工具と金型とが干渉して金型の開閉に支障が生じる。
【0005】
上述の課題に鑑み、本開示は、切断方向の自由度を高めつつ成形金型内で中空成形品を切断することができる成形装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様では、中空成形品をブロー成形する成形装置が提供される。この成形装置は、開閉可能な第1金型及び第2金型を含み、第1金型と第2金型との間にキャビティを形成する成形金型と、キャビティにパリソンを供給するパリソン供給部と、キャビティ内においてパリソンを膨張させることによってパリソンを中空成形品に成形するブロー部と、成形金型内で中空成形品を切断するブレード部と、を備え、第1金型の内部にはキャビティに連通する第1通路が形成され、第2金型の内部にはキャビティに連通する第2通路が形成され、第1通路及び第2通路は、第1金型及び第2金型が閉じられた状態のときに、互いに連通して成形金型のパーティング面に交差する方向に延在する連通路を形成し、ブレード部は、連通路の延在方向に沿って進退可能に構成されている。
【0007】
この成形装置では、成形金型のパーティング面に交差する方向に延在する連通路に沿ってブレード部が進退する。このようにブレード部が進退することによって、成形金型内で中空成形品をパーティング面に交差する方向に沿って切断することが可能である。また、この成形装置では、例えば連通路がパーティング面に対して傾斜する方向に延在している場合であっても、ブレード部を第1通路又は第2通路から退避させることによってブレード部と成形金型との干渉を防止することが可能である。したがって、この成形装置によれば、切断方向の自由度を高めつつ成形金型内で中空成形品を切断することができる。
【0008】
一実施形態では、ブレード部には、キャビティの形状に対応する形状を有する貫通孔が形成され、貫通孔を画成するブレード部の内壁には、中空成形品を切断する刃先が形成されていてもよい。この実施形態では、ブロー成形時にブレード部を進退させることによって、中空成形品を囲むように配置された刃先によって成形金型内で中空成形品を切断することができる。
【0009】
一実施形態では、第1通路及び第2通路は、パーティング面に対して傾斜した方向に延在していてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様及び種々の実施形態によれば、切断方向の自由度を高めつつ成形金型内で中空成形品を切断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一実施形態に係る成形装置を概略的に示す側面図である。
【
図3】一実施形態に係る成形装置の一部を拡大して示す断面図である。
【
図4】中空成形品の切断方法の一例を示す断面図である。
【
図5】一実施形態に係る中空成形品の製造方法を示すフローチャートである。
【
図6】中空成形品の切断方法の別の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本開示の実施形態について説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は繰り返さない。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
【0013】
図1は、一実施形態に係る成形装置1を概略的に示す側面図である。この成形装置1は、サクションブロー法によって中空成形品100を成形する(
図4参照)。なお、以下の説明では、成形装置1によって成形された中空形状の製品を中空成形品100と称し、成形完了前の中空成形品の材料をパリソン200と称する。
図1に示すように、成形装置1は、成形金型2、駆動機構3、パリソン供給部4、サクション部5、ブロー部6及び切断機構8を備えている。
【0014】
成形金型2は、パリソン200を中空成形品100に成形する型であり、互いに対向する第1金型11及び第2金型12を備えている。第1金型11及び第2金型12は、例えばアルミニウム製のブロックによって構成され、一対の金型を構成する。第1金型11及び第2金型12は、一対の成形面13,14をそれぞれ有している。
【0015】
第1金型11の成形面13は、接触面13aと当該接触面13aに対して窪む凹部13bとを含んでいる。第2金型12の成形面14は、接触面14aと当該接触面14aに対して窪む凹部14bとを含んでいる。接触面13a及び接触面14aは、第1金型11と第2金型12とが閉じられたとき(型閉状態)に、互いに当接する面である。すなわち、接触面13a及び接触面14aは、成形金型2を分割するパーティング面Pを構成する。第1金型11及び第2金型12は、型閉状態のときに凹部13bと凹部14bとの間に中空成形品100の外形に対応する形状の空間であるキャビティ15を形成する。
【0016】
駆動機構3は、第1金型11及び第2金型12の少なくとも一方を移動させる。駆動機構3は、第1金型11及び第2金型12の少なくとも一方に駆動力を付与し、第1金型11及び第2金型12を互いに近づく方向及び離れる方向(対面方向)にスライドさせる。例えば、駆動機構3は、パリソン200の供給時及びブロー成形時に第1金型11と第2金型12とを互いに近づく方向に移動させて成形金型2を型閉状態にする。一方、駆動機構3は、中空成形品100を取り出すときに第1金型11と第2金型12を互いに離間する方向に移動させて成形金型2を型開状態にする。なお、駆動機構3は、第1金型11及び第2金型12の一方を対面方向に移動させてもよいし、第1金型11及び第2金型12の双方を対面方向に移動させてもよい。
【0017】
パリソン供給部4は、中空成形品100の材料であるパリソン200を成形金型2に供給する。パリソン供給部4は、例えば成形金型2の上方に設けられ、溶融された樹脂材料を略円筒形状にしてパリソン200として吐出する。吐出されたパリソン200は、成形金型2の投入口15aからキャビティ15の内部に導入される。サクション部5は、パリソン200の供給時に投入口15aの反対側に形成された吸引口15bからキャビティ15内部の空気を吸い出すことでパリソン200を成形金型2の投入口15aから吸引口15bに導く。
【0018】
なお、パリソン供給部4から供給されるパリソン200の材料としては、例えばPP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PA6(ポリアミド6)、PA66(ポリアミド66)、PA610(ポリアミド610)、PA12(ポリアミド12)、PA612(ポリアミド612)、PPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂)、PBT(ポリブチレンテレフタレート樹脂)、TPEE(ポリエステル系熱可塑性エラストマー)が例示される。なお、パリソン200にはガラス等の添加剤や強化剤が含まれていてもよい。
【0019】
ブロー部6は、第1金型11及び第2金型12の間に保持されたパリソン200内に高圧の流体を供給する。例えば、ブロー部6は、圧縮空気を供給するエア供給部6aと、パリソン200の両端を閉塞する閉塞部6b,6cとを有する。例えばブロー部6は、閉塞部6b,6cによってその両端が閉塞されたパリソン200の内部にエア供給部6aから圧縮空気を供給してパリソン200を膨張させる。圧縮空気の供給によって膨張したパリソン200は、キャビティ15を画成する凹部13b,14bの表面に押しつけられることによりパリソン200がキャビティ15に対応する形状を有する中空成形品100に成形される。
【0020】
切断機構8は、成形金型2の内部で中空成形品100を切断する。切断機構8は、ブレード部21及び駆動部22を含み、例えばフレーム部材等によって第1金型11に固定されている。
図2は、例示的な切断機構8を示す平面図である。ブレード部21は、略矩形状のプレート部材であり、例えば焼き入れされた鋼材によって構成されている。ブレード部21の先端部付近には、当該ブレード部21を板厚方向に貫通する貫通孔21hが形成されている。貫通孔21hの平面形状は、例えばキャビティ15の断面形状に一致している。例えば、キャビティ15内で成形される中空成形品100が円筒形状を有する場合には、貫通孔21hは、
図2に示すように円形の平面形状を有する。
【0021】
貫通孔21hは、パリソン200の供給時及びブロー成形時に、キャビティ15の延在方向から見てキャビティ15に重なるように配置される。すなわち、貫通孔21hを画成するブレード部21の内壁面21aは、パリソン200の供給時及びブロー成形時に第1金型11の凹部13b及び第2金型12の凹部14bと共にキャビティ15を形成する。したがって、ブレード部21の内壁面21aは、ブロー成形時に中空成形品100の外周を囲むように配置される。
【0022】
ブレード部21の内壁面21aには、中空成形品100を切断するための刃先21bが形成されている。刃先21bは、内壁面21aの全周にわたって形成されていてもよし、内壁面21aの一部に形成されていてもよい。
【0023】
駆動部22は、アーム部材24を介してブレード部21に接続されている。駆動部22は、例えば油圧シリンダ、電動シリンダ、エアシリンダ等のアクチュエータであり、ブレード部をアーム部材24の延在方向に移動させる駆動力を発生する。なお、
図1に示す例では、切断機構8が第1金型11の上部に取り付けられているが、一実施形態では、成形装置1は複数の切断機構8を有し、これら複数の切断機構8が成形金型2の上部及び下部に取り付けれていてもよい。
【0024】
図1に示すように、一実施形態では、成形装置1は制御装置30を更に備えていてもよい。制御装置30は、プロセッサ、記憶部、入力装置、表示装置等を備えるコンピュータであり、成形装置1の各部を制御する。この制御装置30では、入力装置を用いてオペレータが成形装置1を管理するためにコマンドの入力操作等を行うことができ、また、表示装置により、成形装置1の稼働状況を可視化して表示すことができる。制御装置30の記憶部には、成形装置1で実行される各種処理をプロセッサにより制御するための制御プログラムや、処理条件に応じて成形装置1の各構成部に処理を実行させるためのプログラムが格納される。
【0025】
例えば制御装置30は、駆動機構3、パリソン供給部4、サクション部5、ブロー部6及び切断機構8と通信可能に接続されている。制御装置30は、駆動機構3、パリソン供給部4、サクション部5、ブロー部6及び切断機構8に制御信号を送出して、成形金型2の開閉動作、パリソン供給部4の動作、サクション部5の動作、ブロー部6の動作及びブレード部21の動作を制御する。
【0026】
以下、
図3を参照して、成形金型2及び切断機構8についてより詳細に説明する。
図3は、成形装置1の一部を拡大して示す模式的な断面図である。
図3に示すように、第1金型11の内部には、キャビティ15に連通し且つ成形金型2のパーティング面Pに対して垂直な方向(交差する方向)に延在する第1通路11pが形成されている。第2金型12の内部には、キャビティ15に連通し且つ成形金型2のパーティング面Pに垂直な方向に延在する第2通路12pが形成されている。これら第1通路11p及び第2通路12pは、成形金型2が型閉状態のときに、互いに連通してパーティング面Pに垂直な方向(交差する方向)に延在する連通路25を形成する。
【0027】
この連通路25の内部には、ブレード部21が配置されている。ブレード部21は、駆動部22の駆動力によって連通路25の延在方向に沿って進退することによって、キャビティ15と貫通孔21hとが連通する位置と、貫通孔21hが第1通路11p内に配置される位置と、貫通孔21hが第2通路12p内に配置される位置との間で移動可能である。また、ブレード部21は、第2通路12pから退避した位置に後退することが可能である。
【0028】
連通路25内におけるブレード部21の配置位置は、制御装置30によって制御される。例えば
図4(a)に示すように、パリソン200の供給時及びブロー成形時には、制御装置30は、キャビティ15と貫通孔21hとが連通する位置にブレード部21を配置する。そして、
図4(b)に示すように、制御装置30は、ブロー成形後に貫通孔21hが第1通路11pの内部に配置される位置、すなわちキャビティ15と貫通孔21hとが連通しない位置にブレード部21を後退させる。その結果、刃先21bがキャビティ15内を横断することとなり、キャビティ15内で成形された中空成形品100から不要部分100aが切除される。なお、制御装置30は、ブロー成形後に貫通孔21hが第2通路12pの内部に配置されるようにブレード部21を前進させて中空成形品100から不要部分100aを切除してもよい。
【0029】
以下、上述した成形装置1を用いた中空成形品100の製造方法について説明する。
図5は、一実施形態の中空成形品の製造方法を示すフローチャートである。この方法では、まず駆動機構3によって成形金型2が閉じられることで(ステップST1)第1金型11と第2金型12との間にキャビティ15が形成される。次に、
図4(a)に示すように、貫通孔21hがキャビティ15上に配置されるようにブレード部21の位置が調整される(ステップST2)。
【0030】
次に、パリソン供給部4からキャビティ15内にパリソン200が供給される(ステップST3)。このとき、サクション部5によってキャビティ15の内部が吸引されることでパリソン200が成形金型2の吸引口15bまで導かれる。次に、ブロー部6によってパリソン200の内部に圧縮空気が供給されることで、パリソン200が中空成形品100にブロー成形される(ステップST4)。
【0031】
次に、
図4(b)に示すように、駆動部22によってブレード部21が連通路25の延在方向に移動されることで、中空成形品100の不要部分100aが切断される(ステップST5)。なお、
図4(b)の例では、ブレード部21を第1金型11側に後退させることで中空成形品100を切断しているが、ブレード部21を第2金型12側に前進させることで中空成形品100を切断してもよい。
【0032】
次いで、駆動機構3が成形金型2を開くことで第1金型11及び第2金型12が離間される(ステップST6)。これにより、不要部分100aが切断された中空成形品100が成形金型2から取り出される。
【0033】
上述した中空成形品100の製造方法によれば、切断機構8によって成形金型2内で中空成形品100から不要部分100aを切除しているので、中空成形品100を取り出した後に不要部分100aを別途切断する工程を省略することが可能である。したがって、中空成形品100の生産性を向上させることができる。
【0034】
次に、成形装置の別の実施形態について説明する。
図6(a)に示すように、別の実施形態に係る成形金型2には、成形金型2のパーティング面Pに対して傾斜した方向にキャビティ15が延在している。したがって、キャビティ15内には、成形金型2のパーティング面Pに傾斜した方向に延在する中空成形品100が成形される。
【0035】
この実施形態では、第1金型11に形成された第1通路11pは、中空成形品100の延在方向に対して垂直な方向、すなわち成形金型2のパーティング面Pに対して傾斜した方向に延在する。同様に、第2金型12に形成された第2通路12pは、中空成形品100の延在方向に対して垂直な方向、すなわち成形金型2のパーティング面Pに対して傾斜した方向に延在する。これら第1通路11p及び第2通路12pは、成形金型2が型閉じされたときに互いに連通し、パーティング面Pに交差する方向に延在する連通路25を形成する。
【0036】
連通路25内におけるブレード部21の配置位置は、制御装置30によって制御される。例えば
図6(a)に示すように、パリソン200の供給時及びブロー成形時には、制御装置30は、キャビティ15と貫通孔21hとが連通する位置にブレード部21を配置する。そして、
図6(b)に示すように、制御装置30は、ブロー成形後にブレード部21を連通路25の延在方向に沿って第1金型11側に後退させる。このとき、ブレード部21は第2通路12pから退避されるように後退される。その結果、刃先21bがキャビティ15内を横断することとなりキャビティ15内で成形された中空成形品100から不要部分100aが切除される。
【0037】
中空成形品100の切断後、駆動機構3によって第1金型11及び第2金型12が開かれ、成形金型2から不要部分100aが切断された中空成形品100が取り出される。このとき、ブレード部21が第2金型12の第2通路12pから退避されているので、ブレード部21と成形金型2との干渉が防止される。したがって、この成形装置1によれば、中空成形品100の切断方向の自由度を高めることができる。
【0038】
以上、種々の実施形態に係る成形装置1について説明してきたが、上述した実施形態に限定されることなく発明の要旨を変更しない範囲で種々の変形態様を構成可能である。例えば、上述した第1金型11及び第2金型12は水平方向に開閉するように構成されているが、第1金型11及び第2金型12は上下方向に開閉するように構成されていてもよい。また、キャビティ15は、その延在方向において湾曲した形状を有していてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1…成形装置、2…成形金型、4…パリソン供給部、6…ブロー部、11…第1金型、11p…第1通路、12…第2金型、12p…第2通路、15…キャビティ、21…ブレード部、21b…刃先、21h…貫通孔、25…連通路、100…中空成形品、200…パリソン、P…パーティング面。