(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022092229
(43)【公開日】2022-06-22
(54)【発明の名称】共振回路
(51)【国際特許分類】
H03H 11/04 20060101AFI20220615BHJP
G10H 5/04 20060101ALN20220615BHJP
【FI】
H03H11/04 D
G10H5/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020204912
(22)【出願日】2020-12-10
(71)【出願人】
【識別番号】000130329
【氏名又は名称】株式会社コルグ
(74)【代理人】
【識別番号】100121706
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128705
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147773
【弁理士】
【氏名又は名称】義村 宗洋
(72)【発明者】
【氏名】池内 順一
【テーマコード(参考)】
5D478
5J098
【Fターム(参考)】
5D478AA32
5J098AA02
5J098AA12
5J098AA14
5J098AB02
5J098AB03
5J098AC02
5J098AC05
5J098AC17
5J098AC21
5J098AD01
5J098AD14
5J098CA05
(57)【要約】
【課題】アナログリズム楽器の特性をプログラムで制御できるようにする。
【解決手段】本発明の共振回路は、共振用オペアンプと、共振用オペアンプの出力側と入力側の間に並列に接続された共振用固定抵抗とRC部を有する。RC部は、直列に接続された2つのコンデンサと、2つのコンデンサの接続部分に接続された共振周波数を調整するための周波数調整可変抵抗部を有する。周波数調整可変抵抗部は、少なくとも2つのトランジスタと4つの抵抗と2つの可変電圧源を備え、2つのコンデンサの接続部分と接地との間の抵抗値を決める。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
共振用オペアンプと、前記共振用オペアンプの出力側と入力側の間に並列に接続された共振用固定抵抗とRC部を有する共振回路であって、
前記RC部は、直列に接続された2つのコンデンサと、前記の2つのコンデンサの接続部分に接続された周波数調整可変抵抗部を有し、
前記周波数調整可変抵抗部は、
NPN型の第1トランジスタ、NPN型の第2トランジスタ、第1抵抗、第2抵抗、第3抵抗、第4抵抗、固定抵抗、第1可変電圧源、第2可変電圧源、帰還点、可変抵抗点を有し、
前記可変抵抗点が、前記固定抵抗を介して前記の2つのコンデンサの接続部分に接続され、
前記帰還点と前記可変抵抗点とが、直接、もしくは増幅率が1であり前記可変抵抗点側が入力、前記帰還点側が出力となるバッファを介して接続され、
前記第1可変電圧源の負極と前記第2可変電圧源の正極の電位は接地の電位であり、
前記第1可変電圧源と前記第2可変電圧源は同じ電圧であり、
前記第1トランジスタのコレクタが前記第1可変電圧源の正極に接続され、
前記第2トランジスタのエミッタが前記第2可変電圧源の負極に接続され、
前記第1トランジスタのエミッタと前記第2トランジスタのコレクタとが前記可変抵抗点に接続され、
前記第1トランジスタのベースとコレクタの間に、前記第1抵抗が接続され、
前記第1トランジスタのベースと前記帰還点の間に、前記第2抵抗が接続され、
前記第2トランジスタのベースと前記帰還点の間に、前記第3抵抗が接続され、
前記第2トランジスタのベースとエミッタの間に、前記第4抵抗が接続され、
前記第1抵抗、前記第2抵抗、前記第3抵抗、前記第4抵抗は、前記の2つのコンデンサの接続部分の電圧が0Vの場合には、前記可変抵抗点の電圧が0Vになるように定められている
ことを特徴とする共振回路。
【請求項2】
共振用オペアンプと、前記共振用オペアンプの出力側と入力側の間に並列に接続された共振用固定抵抗とRC部を有する共振回路であって、
前記RC部は、直列に接続された2つのコンデンサと、前記の2つのコンデンサの接続部分に接続された周波数調整可変抵抗部を有し、
前記周波数調整可変抵抗部は、
PNP型の第1トランジスタ、PNP型の第2トランジスタ、第1抵抗、第2抵抗、第3抵抗、第4抵抗、固定抵抗、第1可変電圧源、第2可変電圧源、帰還点、可変抵抗点を有し、
前記可変抵抗点が、前記固定抵抗を介して前記の2つのコンデンサの接続部分に接続され、
前記帰還点と前記可変抵抗点とが、直接、もしくは増幅率が1であり前記可変抵抗点側が入力、前記帰還点側が出力となるバッファを介して接続され、
前記第1可変電圧源の負極と前記第2可変電圧源の正極の電位は接地の電位であり、
前記第1可変電圧源と前記第2可変電圧源は同じ電圧であり、
前記第1トランジスタのエミッタが前記第1可変電圧源の正極に接続され、
前記第2トランジスタのコレクタが前記第2可変電圧源の負極に接続され、
前記第1トランジスタのコレクタと前記第2トランジスタのエミッタとが前記可変抵抗点に接続され、
前記第1トランジスタのベースと前記帰還点の間に、前記第1抵抗が接続され、
前記第1トランジスタのベースとエミッタの間に、前記第2抵抗が接続され、
前記第2トランジスタのベースとコレクタの間に、前記第3抵抗が接続され、
前記第2トランジスタのベースと前記帰還点の間に、前記第4抵抗が接続され、
前記第1抵抗、前記第2抵抗、前記第3抵抗、前記第4抵抗は、前記の2つのコンデンサの接続部分の電圧が0Vの場合には、前記可変抵抗点の電圧が0Vになるように定められている
ことを特徴とする共振回路。
【請求項3】
共振用オペアンプと、前記共振用オペアンプの出力側と入力側の間に並列に接続された共振用固定抵抗とRC部を有する共振回路であって、
前記RC部は、直列に接続された2つのコンデンサと、前記の2つのコンデンサの接続部分に接続された周波数調整可変抵抗部を有し、
前記周波数調整可変抵抗部は、
PNP型の第1トランジスタ、NPN型の第2トランジスタ、第1抵抗、第2抵抗、第3抵抗、第4抵抗、固定抵抗、第1可変電圧源、第2可変電圧源、帰還点、可変抵抗点を有し、
前記可変抵抗点が、前記固定抵抗を介して前記の2つのコンデンサの接続部分に接続され、
前記帰還点と前記可変抵抗点とが、直接、もしくは増幅率が1であり前記可変抵抗点側が入力、前記帰還点側が出力となるバッファを介して接続され、
前記第1可変電圧源の負極と前記第2可変電圧源の正極の電位は接地の電位であり、
前記第1可変電圧源と前記第2可変電圧源は同じ電圧であり、
前記第1トランジスタのエミッタが前記第1可変電圧源の正極に接続され、
前記第2トランジスタのエミッタが前記第2可変電圧源の負極に接続され、
前記第1トランジスタのコレクタと前記第2トランジスタのコレクタとが前記可変抵抗点に接続され、
前記第1トランジスタのベースと前記帰還点の間に、前記第1抵抗が接続され、
前記第1トランジスタのベースとエミッタの間に、前記第2抵抗が接続され、
前記第2トランジスタのベースと前記帰還点の間に、前記第3抵抗が接続され、
前記第2トランジスタのベースとエミッタの間に、前記第4抵抗が接続され、
前記第1抵抗、前記第2抵抗、前記第3抵抗、前記第4抵抗は、前記の2つのコンデンサの接続部分の電圧が0Vの場合には、前記可変抵抗点の電圧が0Vになるように定められている
ことを特徴とする共振回路。
【請求項4】
共振用オペアンプと、前記共振用オペアンプの出力側と入力側の間に並列に接続された共振用固定抵抗とRC部を有する共振回路であって、
前記RC部は、直列に接続された2つのコンデンサと、前記の2つのコンデンサの接続部分に接続された周波数調整可変抵抗部を有し、
前記周波数調整可変抵抗部は、
NPN型の第1トランジスタ、PNP型の第2トランジスタ、第1抵抗、第2抵抗、第3抵抗、第4抵抗、固定抵抗、第1可変電圧源、第2可変電圧源、帰還点、可変抵抗点を有し、
前記可変抵抗点が、前記固定抵抗を介して前記の2つのコンデンサの接続部分に接続され、
前記帰還点と前記可変抵抗点とが、直接、もしくは増幅率が1であり前記可変抵抗点側が入力、前記帰還点側が出力となるバッファを介して接続され、
前記第1可変電圧源の負極と前記第2可変電圧源の正極の電位は接地の電位であり、
前記第1可変電圧源と前記第2可変電圧源は同じ電圧であり、
前記第1トランジスタのコレクタが前記第1可変電圧源の正極に接続され、
前記第2トランジスタのコレクタが前記第2可変電圧源の負極に接続され、
前記第1トランジスタのエミッタと前記第2トランジスタのエミッタとが前記可変抵抗点に接続され、
前記第1トランジスタのベースとコレクタの間に、前記第1抵抗が接続され、
前記第1トランジスタのベースと前記帰還点の間に、前記第2抵抗が接続され、
前記第2トランジスタのベースとコレクタの間に、前記第3抵抗が接続され、
前記第2トランジスタのベースと前記帰還点の間に、前記第4抵抗が接続され、
前記第1抵抗、前記第2抵抗、前記第3抵抗、前記第4抵抗は、前記の2つのコンデンサの接続部分の電圧が0Vの場合には、前記可変抵抗点の電圧が0Vになるように定められている
ことを特徴とする共振回路。
【請求項5】
共振用オペアンプと、前記共振用オペアンプの出力側と入力側の間に並列に接続された共振用固定抵抗とRC部を有する共振回路であって、
前記RC部は、直列に接続された2つのコンデンサと、前記の2つのコンデンサの接続部分に接続された共振周波数を調整するための周波数調整可変抵抗部を有し、
当該共振回路は、前記共振用オペアンプの出力側と前記の2つのコンデンサの接続部分との間に配置され、帰還量を調整する帰還量調整部も備え、
前記帰還量調整部は、
帰還用オペアンプと、前記帰還用オペアンプの増幅率を調整するための帰還量調整可変抵抗部を有し、
前記帰還量調整可変抵抗部は、
NPN型の第1トランジスタ、NPN型の第2トランジスタ、第1抵抗、第2抵抗、第3抵抗、第4抵抗、第1固定抵抗、第2固定抵抗、第1可変電圧源、第2可変電圧源、帰還点、可変抵抗点を有し、
前記第1固定抵抗と前記第2固定抵抗が、前記共振用オペアンプの出力と前記帰還用オペアンプの入力の間に直列に配置されており、
前記可変抵抗点が、前記第1固定抵抗と前記第2固定抵抗の接続部分に接続され、
前記帰還点と前記可変抵抗点とが、直接、もしくは増幅率が1であり前記可変抵抗点側が入力、前記帰還点側が出力となるバッファを介して接続され、
前記第1可変電圧源の負極と前記第2可変電圧源の正極の電位は接地の電位であり、
前記第1可変電圧源と前記第2可変電圧源は同じ電圧であり、
前記第1トランジスタのコレクタが前記第1可変電圧源の正極に接続され、
前記第2トランジスタのエミッタが前記第2可変電圧源負極に接続され、
前記第1トランジスタのエミッタと前記第2トランジスタのコレクタとが前記可変抵抗点に接続され、
前記第1トランジスタのベースとコレクタの間に、前記第1抵抗が接続され、
前記第1トランジスタのベースと前記帰還点の間に、前記第2抵抗が接続され、
前記第2トランジスタのベースと前記帰還点の間に、前記第3抵抗が接続され、
前記第2トランジスタのベースとエミッタの間に、前記第4抵抗が接続され、
前記第1抵抗、前記第2抵抗、前記第3抵抗、前記第4抵抗は、前記共振用オペアンプの出力が0Vの場合には、前記可変抵抗点の電圧が0Vになるように定められている
ことを特徴とする共振回路。
【請求項6】
共振用オペアンプと、前記共振用オペアンプの出力側と入力側の間に並列に接続された共振用固定抵抗とRC部を有する共振回路であって、
前記RC部は、直列に接続された2つのコンデンサと、前記の2つのコンデンサの接続部分と接地との間に配置された共振周波数を調整するための周波数調整可変抵抗部を有し、
当該共振回路は、前記共振用オペアンプの出力側と前記の2つのコンデンサの接続部分との間に配置され、帰還量を調整する帰還量調整部も備え、
前記帰還量調整部は、
帰還用オペアンプと、前記帰還用オペアンプの増幅率を調整するための帰還量調整可変抵抗部を有し、
前記帰還量調整可変抵抗部は、
PNP型の第1トランジスタ、PNP型の第2トランジスタ、第1抵抗、第2抵抗、第3抵抗、第4抵抗、第1固定抵抗、第2固定抵抗、第1可変電圧源、第2可変電圧源、帰還点、可変抵抗点を有し、
前記第1固定抵抗と前記第2固定抵抗が、前記共振用オペアンプの出力と前記帰還用オペアンプの入力の間に直列に配置されており、
前記可変抵抗点が、前記第1固定抵抗と前記第2固定抵抗の接続部分に接続され、
前記帰還点と前記可変抵抗点とが、直接、もしくは増幅率が1であり前記可変抵抗点側が入力、前記帰還点側が出力となるバッファを介して接続され、
前記第1可変電圧源の負極と前記第2可変電圧源の正極の電位は接地の電位であり、
前記第1可変電圧源と前記第2可変電圧源は同じ電圧であり、
前記第1トランジスタのエミッタが前記第1可変電圧源の正極に接続され、
前記第2トランジスタのコレクタが前記第2可変電圧源の負極に接続され、
前記第1トランジスタのコレクタと前記第2トランジスタのエミッタとが前記可変抵抗点に接続され、
前記第1トランジスタのベースと前記帰還点の間に、前記第1抵抗が接続され、
前記第1トランジスタのベースとエミッタの間に、前記第2抵抗が接続され、
前記第2トランジスタのベースとコレクタの間に、前記第3抵抗が接続され、
前記第2トランジスタのベースと前記帰還点の間に、前記第4抵抗が接続され、
前記第1抵抗、前記第2抵抗、前記第3抵抗、前記第4抵抗は、前記共振用オペアンプの出力が0Vの場合には、前記可変抵抗点の電圧が0Vになるように定められている
ことを特徴とする共振回路。
【請求項7】
共振用オペアンプと、前記共振用オペアンプの出力側と入力側の間に並列に接続された共振用固定抵抗とRC部を有する共振回路であって、
前記RC部は、直列に接続された2つのコンデンサと、前記の2つのコンデンサの接続部分と接地との間に配置された共振周波数を調整するための周波数調整可変抵抗部を有し、
当該共振回路は、前記共振用オペアンプの出力側と前記の2つのコンデンサの接続部分との間に配置され、帰還量を調整する帰還量調整部も備え、
前記帰還量調整部は、
帰還用オペアンプと、前記帰還用オペアンプの増幅率を調整するための帰還量調整可変抵抗部を有し、
前記帰還量調整可変抵抗部は、
PNP型の第1トランジスタ、NPN型の第2トランジスタ、第1抵抗、第2抵抗、第3抵抗、第4抵抗、第1固定抵抗、第2固定抵抗、第1可変電圧源、第2可変電圧源、帰還点、可変抵抗点を有し、
前記第1固定抵抗と前記第2固定抵抗が、前記共振用オペアンプの出力と前記帰還用オペアンプの入力の間に直列に配置されており、
前記可変抵抗点が、前記第1固定抵抗と前記第2固定抵抗の接続部分に接続され、
前記帰還点と前記可変抵抗点とが、直接、もしくは増幅率が1であり前記可変抵抗点側が入力、前記帰還点側が出力となるバッファを介して接続され、
前記第1可変電圧源の負極と前記第2可変電圧源の正極の電位は接地の電位であり、
前記第1可変電圧源と前記第2可変電圧源は同じ電圧であり、
前記第1トランジスタのエミッタが前記第1可変電圧源の正極に接続され、
前記第2トランジスタのエミッタが前記第2可変電圧源の負極に接続され、
前記第1トランジスタのコレクタと前記第2トランジスタのコレクタとが前記可変抵抗点に接続され、
前記第1トランジスタのベースと前記帰還点の間に、前記第1抵抗が接続され、
前記第1トランジスタのベースとエミッタの間に、前記第2抵抗が接続され、
前記第2トランジスタのベースと前記帰還点の間に、前記第3抵抗が接続され、
前記第2トランジスタのベースとエミッタの間に、前記第4抵抗が接続され、
前記第1抵抗、前記第2抵抗、前記第3抵抗、前記第4抵抗は、前記共振用オペアンプの出力が0Vの場合には、前記可変抵抗点の電圧が0Vになるように定められている
ことを特徴とする共振回路。
【請求項8】
共振用オペアンプと、前記共振用オペアンプの出力側と入力側の間に並列に接続された共振用固定抵抗とRC部を有する共振回路であって、
前記RC部は、直列に接続された2つのコンデンサと、前記の2つのコンデンサの接続部分と接地との間に配置された共振周波数を調整するための周波数調整可変抵抗部を有し、
当該共振回路は、前記共振用オペアンプの出力側と前記の2つのコンデンサの接続部分との間に配置され、帰還量を調整する帰還量調整部も備え、
前記帰還量調整部は、
帰還用オペアンプと、前記帰還用オペアンプの増幅率を調整するための帰還量調整可変抵抗部を有し、
前記帰還量調整可変抵抗部は、
NPN型の第1トランジスタ、PNP型の第2トランジスタ、第1抵抗、第2抵抗、第3抵抗、第4抵抗、第1固定抵抗、第2固定抵抗、第1可変電圧源、第2可変電圧源、帰還点、可変抵抗点を有し、
前記第1固定抵抗と前記第2固定抵抗が、前記共振用オペアンプの出力と前記帰還用オペアンプの入力の間に直列に配置されており、
前記可変抵抗点が、前記第1固定抵抗と前記第2固定抵抗の接続部分に接続され、
前記帰還点と前記可変抵抗点とが、直接、もしくは増幅率が1であり前記可変抵抗点側が入力、前記帰還点側が出力となるバッファを介して接続され、
前記第1可変電圧源の負極と前記第2可変電圧源の正極の電位は接地の電位であり、
前記第1可変電圧源と前記第2可変電圧源は同じ電圧であり、
前記第1トランジスタのコレクタが前記第1可変電圧源の正極に接続され、
前記第2トランジスタのコレクタが前記第2可変電圧源の負極に接続され、
前記第1トランジスタのエミッタと前記第2トランジスタのエミッタとが前記可変抵抗点に接続され、
前記第1トランジスタのベースとコレクタの間に、前記第1抵抗が接続され、
前記第1トランジスタのベースと前記帰還点の間に、前記第2抵抗が接続され、
前記第2トランジスタのベースとコレクタの間に、前記第3抵抗が接続され、
前記第2トランジスタのベースと前記帰還点の間に、前記第4抵抗が接続され、
前記第1抵抗、前記第2抵抗、前記第3抵抗、前記第4抵抗は、前記共振用オペアンプの出力が0Vの場合には、前記可変抵抗点の電圧が0Vになるように定められている
ことを特徴とする共振回路。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の共振回路であって、
前記第2可変電圧源は所定の増幅率の反転増幅器であり、前記第1可変電圧源は増幅率1の反転増幅器であり、
前記第1可変電圧源と前記第2可変電圧源の出力電圧を制御するための制御電圧が前記第2可変電圧源に入力され、
前記第2可変電圧源の出力が前記第1可変電圧源に入力される
ことを特徴とする共振回路。
【請求項10】
請求項1から8のいずれかに記載の共振回路であって、
前記第1可変電圧源は所定の増幅率の反転増幅器であり、前記第2可変電圧源は増幅率1の反転増幅器であり、
前記第1可変電圧源と前記第2可変電圧源の出力電圧を制御するための制御電圧が前記第1可変電圧源に入力され、
前記第1可変電圧源の出力が前記第2可変電圧源に入力される
ことを特徴とする共振回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアナログリズム楽器の音源に利用する共振回路に関する。
【背景技術】
【0002】
オペアンプと抵抗とコンデンサなどを組み合わせた共振回路がアナログリズム楽器の音源用の回路として知られている。このような共振回路においては、可変抵抗のつまみを演奏者が操作することで音程と減衰時間(ディケイ時間)を調整していた。また、可変抵抗については、電圧もしくは電流で制御できる可変抵抗が特許文献1~3などに公開されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-156627号公報
【特許文献2】特開2015-220477号公報
【特許文献3】特開2017-118392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術は、つまみを操作することで音程と減衰時間を調整していたので、プログラムで制御することができなかった。本発明は、アナログリズム楽器の特性(少なくとも音程)をプログラムで制御できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の共振回路は、共振用オペアンプと、共振用オペアンプの出力側と入力側の間に並列に接続された共振用固定抵抗とRC部を有する。RC部は、直列に接続された2つのコンデンサと、2つのコンデンサの接続部分に接続された共振周波数を調整するための周波数調整可変抵抗部を有する。周波数調整可変抵抗部は、少なくとも2つのトランジスタと4つの抵抗と2つの可変電圧源を備え、2つのコンデンサの接続部分と接地との間の抵抗値を決める。
【発明の効果】
【0006】
本発明の共振回路によれば、共振周波数を決める要素の1つである抵抗値を電圧で制御できるので、プログラムで音程を制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】周波数調整可変抵抗部の抵抗値を変更したときの第1の共振回路の周波数特性の例を示す図。
【
図6】帰還量調整可変抵抗部の抵抗値を変更したときの第2の共振回路の周波数特性の例を示す図。
【
図7】帰還量調整可変抵抗部の抵抗値を変更したときの共振回路の減衰特性の例を示す図。
【
図8】1つ目の電圧制御可変抵抗手段の構成例を示す図。
【
図9】2つめの電圧制御可変抵抗手段の構成例を示す図。
【
図10】3つ目の電圧制御可変抵抗手段の構成例を示す図。
【
図11】4つ目の電圧制御可変抵抗手段の構成例を示す図。
【
図12】5つ目の電圧制御可変抵抗手段の構成例を示す図。
【
図13】6つ目の電圧制御可変抵抗手段の構成例を示す図。
【
図14】7つ目の電圧制御可変抵抗手段の構成例を示す図。
【
図15】8つ目の電圧制御可変抵抗手段の構成例を示す図。
【
図16】第1可変電圧源と第2可変電圧源の構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
【実施例0009】
<第1の共振回路>
図1に本発明の第1の共振回路の構成例を示す。共振回路10は、共振用オペアンプ500と、共振用オペアンプ500の出力側と入力側の間に並列に接続された共振用固定抵抗510とRC部300を有する。端子991が共振回路10の出力端子である。RC部300は、直列に接続された2つのコンデンサ310,320と、2つのコンデンサ310,320の接続部分に接続された共振周波数を調整するための周波数調整可変抵抗部200を有する。周波数調整可変抵抗部200は、少なくとも2つのトランジスタと4つの抵抗と2つの可変電圧源171,172を備え、2つのコンデンサ310,320の接続部分と接地との間の抵抗値を決める。可変電圧源171,172の電圧は、制御電圧V
Cにしたがって生成すればよい。共振用オペアンプ500のプラス側の入力は、接地との間に抵抗520を配置し、直流電源540との間に抵抗530を配置すればよい。例えば、共振用固定抵抗510は600kΩ程度、コンデンサ310,320は0.03μF程度、抵抗520は560Ω程度、抵抗530は10kΩ程度とすればよい。また、周波数調整可変抵抗部200は数10Ω程度から100kΩ程度まで抵抗値を変更できるようにすればよい。
【0010】
図2に周波数調整可変抵抗部200の構成例を示す。周波数調整可変抵抗部200は、電圧制御可変抵抗手段100(101,102,103,104,105,106,107)と固定抵抗210を備える。電圧制御可変抵抗手段100(101,102,103,104,105,106,107)は、数10Ωから100kΩ程度まで抵抗値を変更できるようにすればよく、詳細は後述する。固定抵抗210は最低の抵抗値を決める抵抗である。例えば、固定抵抗210を150Ωにすれば、周波数調整可変抵抗部200の最低の抵抗値を200Ω程度にできる。
【0011】
共振用固定抵抗510の抵抗値をR1、周波数調整可変抵抗部200の抵抗値をR2、コンデンサ310の静電容量をC1、コンデンサ320の静電容量をC2とすると、共振周波数fとQ値は次式のようになる。
【数1】
【数2】
【0012】
図3に、周波数調整可変抵抗部200の抵抗値R2を変更したときの共振回路10の周波数特性の例を示す。横軸は周波数、縦軸は強度である。共振周波数fが高くなるとQ値も大きくなる傾向があることが分かる。Q値が大きくなると減衰時間(ディケイ時間)が長くなる。ただし、自然楽器でも革の張力を高くすれば音程が高くなる(周波数が高くなる)と同時にディケイ時間(減衰時間)も長くなるので、演奏者にとっては違和感なく利用できる。
【0013】
<第2の共振回路>
図4に本発明の第2の共振回路の構成例を示す。共振回路20は、共振回路10に帰還量調整部600を付加した構成である。端子991が共振回路10の出力端子である。帰還量調整部600は、共振用オペアンプ500の出力側と2つのコンデンサ310,320の接続部分との間に配置され、帰還量を調整する。帰還量は、制御電圧V
Cにしたがって調整できるようにすればよい。帰還量調整部600は、少なくとも帰還用オペアンプ700と、帰還用オペアンプ700の増幅率を調整するための帰還量調整可変抵抗部400を有する。例えば、
図4に示すように、共振用オペアンプ500の出力と帰還用オペアンプ700のマイナス側の入力との間に、帰還量調整可変抵抗部400と抵抗720を並列に接続し、帰還用オペアンプ700のプラス側の入力と接地の間に抵抗710を配置する。帰還用オペアンプ700の出力とマイナス側の入力の間に抵抗730を配置する。さらに、帰還用オペアンプ700の出力と2つのコンデンサ310,320の接続部分との間に抵抗740を配置すればよい。例えば、抵抗710は20kΩ程度、抵抗720は500kΩ程度以上、抵抗730は50kΩ程度、抵抗740は500kΩ程度とすればよい。なお、抵抗720は最低の帰還量を決める役割を果たしている。
【0014】
図5に帰還量調整可変抵抗部400の構成例を示す。帰還量調整可変抵抗部400は、共振用オペアンプ500の出力と帰還用オペアンプ700のマイナス側の入力との間に直列に配置された2つの固定抵抗410,420と、2つの固定抵抗410,420の接続部分に接続された電圧制御可変抵抗手段100(101,102,103,104,105,106,107)を備える。2つの固定抵抗410,420の抵抗値は、例えば10kΩ程度にすればよい。電圧制御可変抵抗手段100(101,102,103,104,105,106,107)は、数10Ωから100kΩ程度まで抵抗値を変更できるようにすればよく、詳細は後述する。
【0015】
図6に、帰還量調整可変抵抗部400の抵抗値を変更したときの共振回路20の周波数特性の例を示す。横軸は周波数、縦軸は強度である。
図7に、帰還量調整可変抵抗部400の抵抗値を変更したときの共振回路20の減衰特性の例を示す。横軸は時間(秒)、縦軸は包絡線の強度である。なお、電圧制御可変抵抗手段100(101,102,103,104,105,106,107)の抵抗値が小さいときが、帰還量が少ないときであり、抵抗値が大きいときが、帰還量が多いときである。帰還量が少ないときが、
図6の下の曲線(間隔の広い点線)であり、
図7の左側の曲線(間隔の広い点線)である。また、帰還量が多いときが、
図6の上の曲線(実線)であり、
図7の右側の曲線(実線)である。帰還量を多くすれば、Q値が大きくなり、減衰時間が長くなることが分かる。
【0016】
<電圧制御可変抵抗手段>
電圧制御可変抵抗手段100,101,102,103,104,105,106,107は、周波数調整可変抵抗部200と帰還量調整可変抵抗部400の両方で使用できる手段である。以下では、8種類の電圧制御可変抵抗手段100,101,102,103,104,105,106,107を順番に説明する。
【0017】
<1つ目の電圧制御可変抵抗手段>
図8に1つ目の電圧制御可変抵抗手段の構成例を示す。電圧制御可変抵抗手段100は、NPN型の第1トランジスタ131、NPN型の第2トランジスタ132、第1抵抗111、第2抵抗112、第3抵抗113、第4抵抗114、第1可変電圧源171、第2可変電圧源172、帰還点182、可変抵抗点181を有する。周波数調整可変抵抗部200の場合は、可変抵抗点181が、固定抵抗210を介して2つのコンデンサ310,320の接続部分に接続される。帰還量調整可変抵抗部400の場合は、可変抵抗点181が、2つの固定抵抗410,420の接続部分に接続される。帰還点182と可変抵抗点181は接続される。なお、帰還点182と可変抵抗点181は、素子同士の接続関係を説明するために採用した表現上の点であり、実際には明確な点が存在する必要はなく、配線内のいずれかの点を帰還点182もしくは可変抵抗点181と考えればよい。
【0018】
第1可変電圧源171の負極と第2可変電圧源172の正極の電位は接地の電位である。第1可変電圧源171と第2可変電圧源172は同じ電圧である。第1トランジスタ131のコレクタ(点187)が第1可変電圧源171の正極に接続される。第2トランジスタ132のエミッタ(点188)が第2可変電圧源172の負極に接続される。第1トランジスタ131のエミッタと第2トランジスタ132のコレクタとが可変抵抗点181に接続される。第1トランジスタ131のベースとコレクタの間に、第1抵抗111が接続される。第1トランジスタ131のベースと帰還点182の間に、第2抵抗112が接続される。第2トランジスタ132のベースと帰還点の間に、第3抵抗113が接続される。第2トランジスタ132のベースとエミッタの間に、第4抵抗114が接続される。第1抵抗111、第2抵抗112、第3抵抗113、第4抵抗114は、周波数調整可変抵抗部200の場合は、2つのコンデンサ310,320の接続部分の電圧が0Vのときに、可変抵抗点181の電圧が0Vになるように定められている。第1抵抗111、第2抵抗112、第3抵抗113、第4抵抗114は、帰還量調整可変抵抗部400の場合は、共振用オペアンプ500の出力が0Vのときに、可変抵抗点181の電圧が0Vになるように定められている。例えば、第1抵抗111の抵抗値と第3抵抗113の抵抗値とを33kΩ、第2抵抗112の抵抗値と第4抵抗114の抵抗値とを10kΩとすればよい。
【0019】
<2つ目の電圧制御可変抵抗手段>
図9に2つめの電圧制御可変抵抗手段の構成例を示す。電圧制御可変抵抗手段101は、増幅率が1のバッファ140を付加した構成である。バッファ140は、帰還点182と可変抵抗点181との間に、可変抵抗点181側が入力、帰還点182側が出力となるように挿入されている。その他の構成は、電圧制御可変抵抗手段100と同じである。バッファ140によって、可変抵抗点181と帰還点182との電位を同じに保ちながら、可変抵抗点181から帰還点182側を見たインピーダンスを大きくし、帰還点182側には電流を供給できるようになる。また、電圧制御可変抵抗手段100と同様の効果を得ることができる。
【0020】
<3つ目の電圧制御可変抵抗手段>
図10に3つ目の電圧制御可変抵抗手段の構成例を示す。電圧制御可変抵抗手段102は、PNP型の第1トランジスタ331、PNP型の第2トランジスタ332、第1抵抗111、第2抵抗112、第3抵抗113、第4抵抗114、第1可変電圧源171、第2可変電圧源172、帰還点182、可変抵抗点181を有する。周波数調整可変抵抗部200の場合は、可変抵抗点181が、固定抵抗210を介して2つのコンデンサ310,320の接続部分に接続される。帰還量調整可変抵抗部400の場合は、可変抵抗点181が、2つの固定抵抗410,420の接続部分に接続される。帰還点182と可変抵抗点181は接続される。
【0021】
第1可変電圧源171の負極と第2可変電圧源172の正極の電位は接地の電位である。第1可変電圧源171と第2可変電圧源172は同じ電圧である。第1トランジスタ331のエミッタ(点187)が第1可変電圧源171の正極に接続される。第2トランジスタ332のコレクタ(点188)が第2可変電圧源172の負極に接続される。第1トランジスタ331のコレクタと第2トランジスタ332のエミッタとが可変抵抗点181に接続される。第1トランジスタ331のベースと帰還点の間に、第1抵抗111が接続される。第1トランジスタ331のベースとエミッタの間に、第2抵抗112が接続される。第2トランジスタ332のベースとコレクタの間に、第3抵抗113が接続される。第2トランジスタのベースと帰還点の間に、第4抵抗114が接続される。第1抵抗111、第2抵抗112、第3抵抗113、第4抵抗114は、周波数調整可変抵抗部200の場合は、2つのコンデンサ310,320の接続部分の電圧が0Vのときに、可変抵抗点181の電圧が0Vになるように定められている。第1抵抗111、第2抵抗112、第3抵抗113、第4抵抗114は、帰還量調整可変抵抗部400の場合は、共振用オペアンプ500の出力が0Vのときに、可変抵抗点181の電圧が0Vになるように定められている。
【0022】
<4つ目の電圧制御可変抵抗手段>
図11に4つ目の電圧制御可変抵抗手段の構成例を示す。電圧制御可変抵抗手段103は、増幅率が1のバッファ140を付加した構成である。バッファ140は、帰還点182と可変抵抗点181との間に、可変抵抗点181側が入力、帰還点182側が出力となるように挿入されている。その他の構成は、電圧制御可変抵抗手段102と同じである。バッファ140によって、可変抵抗点181と帰還点182との電位を同じに保ちながら、可変抵抗点181から帰還点182側を見たインピーダンスを大きくし、帰還点182側には電流を供給できるようになる。また、電圧制御可変抵抗手段102と同様の効果を得ることができる。
【0023】
<5つ目の電圧制御可変抵抗手段>
図12に5つ目の電圧制御可変抵抗手段の構成例を示す。電圧制御可変抵抗手段104は、PNP型の第1トランジスタ331、NPN型の第2トランジスタ132、第1抵抗111、第2抵抗112、第3抵抗113、第4抵抗114、第1可変電圧源171、第2可変電圧源172、帰還点182、可変抵抗点181を有する。周波数調整可変抵抗部200の場合は、可変抵抗点181が、固定抵抗210を介して2つのコンデンサ310,320の接続部分に接続される。帰還量調整可変抵抗部400の場合は、可変抵抗点181が、2つの固定抵抗410,420の接続部分に接続される。帰還点182と可変抵抗点181は接続される。
【0024】
第1可変電圧源171の負極と第2可変電圧源172の正極の電位は接地の電位である。第1可変電圧源171と第2可変電圧源172は同じ電圧である。第1トランジスタ331のエミッタ(点187)が第1可変電圧源171の正極に接続される。第2トランジスタ132のエミッタ(点188)が第2可変電圧源172の負極に接続される。第1トランジスタ331のコレクタと第2トランジスタ132のコレクタとが可変抵抗点181に接続される。第1トランジスタ331のベースと帰還点182の間に、第1抵抗111が接続される。第1トランジスタ331のベースとエミッタの間に、第2抵抗112が接続される。第2トランジスタ132のベースと帰還点182の間に、第3抵抗113が接続される。第2トランジスタ132のベースとエミッタの間に、第4抵抗114が接続される。第1抵抗111、第2抵抗112、第3抵抗113、第4抵抗114は、周波数調整可変抵抗部200の場合は、2つのコンデンサ310,320の接続部分の電圧が0Vのときに、可変抵抗点181の電圧が0Vになるように定められている。第1抵抗111、第2抵抗112、第3抵抗113、第4抵抗114は、帰還量調整可変抵抗部400の場合は、共振用オペアンプ500の出力が0Vのときに、可変抵抗点181の電圧が0Vになるように定められている。
【0025】
<6つ目の電圧制御可変抵抗手段>
図13に6つ目の電圧制御可変抵抗手段の構成例を示す。電圧制御可変抵抗手段105は、増幅率が1のバッファ140を付加した構成である。バッファ140は、帰還点182と可変抵抗点181との間に、可変抵抗点181側が入力、帰還点182側が出力となるように挿入されている。その他の構成は、電圧制御可変抵抗手段104と同じである。バッファ140によって、可変抵抗点181と帰還点182との電位を同じに保ちながら、可変抵抗点181から帰還点182側を見たインピーダンスを大きくし、帰還点182側には電流を供給できるようになる。また、電圧制御可変抵抗手段104と同様の効果を得ることができる。
【0026】
<7つ目の電圧制御可変抵抗手段>
図14に7つ目の電圧制御可変抵抗手段の構成例を示す。電圧制御可変抵抗手段106は、NPN型の第1トランジスタ131、PNP型の第2トランジスタ332、第1抵抗111、第2抵抗112、第3抵抗113、第4抵抗114、第1可変電圧源171、第2可変電圧源172、帰還点182、可変抵抗点181を有する。周波数調整可変抵抗部200の場合は、可変抵抗点181が、固定抵抗210を介して2つのコンデンサ310,320の接続部分に接続される。帰還量調整可変抵抗部400の場合は、可変抵抗点181が、2つの固定抵抗410,420の接続部分に接続される。帰還点182と可変抵抗点181は接続される。
【0027】
第1可変電圧源171の負極と第2可変電圧源172の正極の電位は接地の電位である。第1可変電圧源171と第2可変電圧源172は同じ電圧である。第1トランジスタ131のコレクタ(点187)が第1可変電圧源171の正極に接続される。第2トランジスタ332のコレクタ(点188)が第2可変電圧源172の負極に接続される。第1トランジスタ131のエミッタと第2トランジスタ332のエミッタとが可変抵抗点181に接続される。第1トランジスタ131のベースとコレクタの間に、第1抵抗111が接続される。第1トランジスタ131のベースと帰還点182の間に、第2抵抗112が接続される。第2トランジスタ332のベースとコレクタの間に、第3抵抗113が接続される。第2トランジスタ332のベースと帰還点182の間に、第4抵抗114が接続される。第1抵抗111、第2抵抗112、第3抵抗113、第4抵抗114は、周波数調整可変抵抗部200の場合は、2つのコンデンサ310,320の接続部分の電圧が0Vのときに、可変抵抗点181の電圧が0Vになるように定められている。第1抵抗111、第2抵抗112、第3抵抗113、第4抵抗114は、帰還量調整可変抵抗部400の場合は、共振用オペアンプ500の出力が0Vのときに、可変抵抗点181の電圧が0Vになるように定められている。
【0028】
<8つ目の電圧制御可変抵抗手段>
図15に8つ目の電圧制御可変抵抗手段の構成例を示す。電圧制御可変抵抗手段107は、増幅率が1のバッファ140を付加した構成である。バッファ140は、帰還点182と可変抵抗点181との間に、可変抵抗点181側が入力、帰還点182側が出力となるように挿入されている。その他の構成は、電圧制御可変抵抗手段106と同じである。バッファ140によって、可変抵抗点181と帰還点182との電位を同じに保ちながら、可変抵抗点181から帰還点182側を見たインピーダンスを大きくし、帰還点182側には電流を供給できるようになる。また、電圧制御可変抵抗手段106と同様の効果を得ることができる。
【0029】
<第1可変電圧源と第2可変電圧源>
図16に第1可変電圧源と第2可変電圧源の構成例を示す。第1可変電圧源171は、オペアンプ151とオペアンプ151のマイナス側の入力に接続された抵抗152と帰還用の抵抗153を備え、オペアンプ151のプラス側の入力は接地されている。第2可変電圧源172は、オペアンプ161とオペアンプ161のマイナス側の入力に接続された抵抗162と帰還用の抵抗163を備え、オペアンプ161のプラス側の入力は接地されている。第2可変電圧源172の入力に制御電源173に接続され、第2可変電圧源172の出力が第1可変電圧源171の入力に接続される。また、第2可変電圧源172の出力が点188に接続され、第1可変電圧源171の出力が点187に接続される。例えば、抵抗152,153,162,163の抵抗値を10kΩにすればよい。抵抗152,153,162,163が同じであれば、増幅率1の反転増幅器として動作するので、制御電源173の電圧を+V
Cとすると、第2可変電圧源172の出力電圧(-V
B)は-V
C、第1可変電圧源171の出力電圧(+V
B)は+V
Cとなる。つまり、「第1可変電圧源171の負極と第2可変電圧源172の正極の電位は接地の電位である。第1可変電圧源171と第2可変電圧源172は同じ電圧である。」という条件を満たした第1可変電圧源171と第2可変電圧源172を実現でき、電位は制御電源173の電圧(+V
C)で制御できる。なお、増幅率を1に限定する必要はない。例えば、オペアンプ161の増幅率が2、オペアンプ151の増幅率が1となるように抵抗152,153,162,163の抵抗値を定めれば、V
B=2V
Cの関係で第1可変電圧源171と第2可変電圧源172の電位を制御できる。
【0030】
言い換えると、第2可変電圧源172は所定の増幅率の反転増幅器とし、第1可変電圧源171は増幅率1の反転増幅器とすればよい。そして、第1可変電圧源171と第2可変電圧源172の出力電圧を制御するための制御電圧+VCを第2可変電圧源172に入力し、第2可変電圧源172の出力を第1可変電圧源171に入力すればよい。なお、制御電圧をマイナスの電圧-VCにするのであれば、第1可変電圧源171は所定の増幅率の反転増幅器とし、第2可変電圧源172は増幅率1の反転増幅器とすればよい。そして、第1可変電圧源171と第2可変電圧源172の出力電圧を制御するための制御電圧-VCを第1可変電圧源171に入力し、第1可変電圧源171の出力を第2可変電圧源172に入力すればよい。なお、共振回路20では、周波数調整可変抵抗部200と帰還量調整可変抵抗部400の両方で電圧制御可変抵抗手段100(101,102,103,104,105,106,107)を用いるので、制御電源173を2つ用意し、周波数調整可変抵抗部200と帰還量調整可変抵抗部400を独立に制御すればよい。
【0031】
本発明の第1の共振回路によれば、共振周波数を決める要素の1つである抵抗値を電圧で制御できるので、プログラムで音程を制御できる。また、本発明の第2の共振回路によれば、さらに共振周波数を変化させないでQ値を電圧で変更できるので、プログラムで減衰時間(ディケイ時間)も制御できる。