IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大阪シーリング印刷株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-容器携帯用具 図1
  • 特開-容器携帯用具 図2
  • 特開-容器携帯用具 図3
  • 特開-容器携帯用具 図4
  • 特開-容器携帯用具 図5
  • 特開-容器携帯用具 図6
  • 特開-容器携帯用具 図7
  • 特開-容器携帯用具 図8
  • 特開-容器携帯用具 図9
  • 特開-容器携帯用具 図10
  • 特開-容器携帯用具 図11
  • 特開-容器携帯用具 図12
  • 特開-容器携帯用具 図13
  • 特開-容器携帯用具 図14
  • 特開-容器携帯用具 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022092271
(43)【公開日】2022-06-22
(54)【発明の名称】容器携帯用具
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/465 20060101AFI20220615BHJP
   B65D 5/49 20060101ALI20220615BHJP
【FI】
B65D5/465
B65D5/49
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020204980
(22)【出願日】2020-12-10
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和2年10月9日に、環境省のウェブサイトにて、公開された。
(71)【出願人】
【識別番号】000205306
【氏名又は名称】大阪シーリング印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154014
【弁理士】
【氏名又は名称】正木 裕士
(74)【代理人】
【識別番号】100154520
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 祐子
(72)【発明者】
【氏名】村中 成仁
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060BC04
3E060CA01
3E060CA20
3E060CA33
3E060CC12
3E060CC17
3E060CC18
3E060CC52
3E060DA04
3E060EA13
3E060EA14
(57)【要約】
【課題】デザイン性を向上させることができる容器携帯用具を提供する。
【解決手段】所定の内容物を収納可能な容器2と、
容器2を複数個、様々な方向に保持可能な保持部材4と、を備えてなる。そして、保持部材4には、容器2の隅部2a,2bを係止可能な係止孔41a,44aが設けられている。さらに、容器2内には、内部を仕切ることができる仕切り片が設けられている。そしてさらに、保持部材4は、上部側に、使用者が把持可能な第1把持部43,第2把持部46が設けられている。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の内容物を収納可能な容器と、
前記容器を単数個又は複数個、様々な方向に保持可能な保持部材と、を備えてなる容器携帯用具。
【請求項2】
前記保持部材には、前記容器の隅部を係止可能な係止孔が設けられてなる請求項1に記載の容器携帯用具。
【請求項3】
前記容器内には、内部を仕切ることができる仕切り片が設けられてなる請求項1又は2に記載の容器携帯用具。
【請求項4】
前記保持部材は、上部側に、使用者が把持可能な把持部が設けられてなる請求項1~3の何れか1項に記載の容器携帯用具。
【請求項5】
前記容器は、食品を持ち帰ることができるものである請求項1~4の何れか1項に記載の容器携帯用具。
【請求項6】
前記容器の内周面には、少なくとも防水・防油加工が施されてなる請求項5に記載の容器携帯用具。
【請求項7】
前記容器は、一枚のシートを折り曲げ形成することにより形成されるものであって、
前記容器の隅部は、該容器の底部より所定の高さ位置まで隙間が形成されないように、ミシン目を用いることなく折り曲げ形成することで形成されてなる請求項5又は6に記載の容器携帯用具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器携帯用具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の容器携帯用具として、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1に記載の容器携帯用具は、箱形の被包装物の左右側部の側板に嵌合し、持手を把持することで携帯可能となるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平6-8013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような容器携帯用具は、被包装物を一方向にしか嵌合することができないため、デザイン性に乏しいといった問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、デザイン性を向上させることができる容器携帯用具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記本発明の目的は、以下の手段によって達成される。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0007】
請求項1の容器携帯用具によれば、所定の内容物を収納可能な容器(2)と、
前記容器(2)を単数個又は複数個、様々な方向に保持可能な保持部材(4)と、を備えてなることを特徴としている。
【0008】
請求項2の発明によれば、上記請求項1に記載の容器携帯用具(1)において、前記保持部材(4)には、前記容器(2)の隅部(2a,2b)を係止可能な係止孔(41a,44a)が設けられてなることを特徴としている。
【0009】
請求項3の発明によれば、上記請求項1又は2に記載の容器携帯用具(1)において、前記容器(2)内には、内部を仕切ることができる仕切り片(3)が設けられてなることを特徴としている。
【0010】
請求項4の発明によれば、上記請求項1~3の何れか1項に記載の容器携帯用具(1)において、前記保持部材(4)は、上部側に、使用者が把持可能な把持部(第1把持部43,第2把持部46)が設けられてなることを特徴としている。
【0011】
請求項5の発明によれば、上記請求項1~4の何れか1項に記載の容器携帯用具(1)において、前記容器(2)は、食品を持ち帰ることができるものであることを特徴としている。
【0012】
請求項6の発明によれば、上記請求項5に記載の容器携帯用具(1)において、前記容器(2)の内周面には、少なくとも防水・防油加工が施されてなることを特徴としている。
【0013】
請求項7の発明によれば、上記請求項5又は6に記載の容器携帯用具(1)において、前記容器(2)は、一枚のシート(S1)を折り曲げ形成することにより形成されるものであって、
前記容器(2)の隅部(2a,2b)は、該容器(2)の底部(20)より所定の高さ(T)位置まで隙間が形成されないように、ミシン目を用いることなく折り曲げ形成することで形成されてなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
次に、本発明の効果について、図面の参照符号を付して説明する。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0015】
請求項1の発明によれば、保持部材(4)を用いて単数個又は複数個の容器(2)を様々な方向に保持することが可能であるから、従来のように容器(2)を一方向に限って保持できるものに比べ、デザイン性を向上させることができる。
【0016】
請求項2の発明によれば、容器(2)の隅部(2a,2b)を係止孔(41a,44a)にて係止することができるから、保持部材(4)を用いて容器(2)をしっかりと保持することができる。
【0017】
請求項3の発明によれば、容器(2)内には、内部を仕切ることができる仕切り片(3)が設けられているから、特に食品を収納するにあたっては、食品が混ざらないようにすることができると共に、見栄えよく、複数の食品を収納することができる。
【0018】
請求項4の発明によれば、保持部材(4)は、上部側に、使用者が把持可能な把持部(第1把持部43,第2把持部46)が設けられているから、持ち帰るための袋が不要となり、もって、容器(2)を簡単容易に持ち帰ることができる。
【0019】
請求項5の発明によれば、容器(2)は、食品を持ち帰ることができるものであるから、食品の食べ残しを持ち帰る所謂ドギーバックとして使用したり、食品をテイクアウトするテイクアウト用の容器として使用したりすることができる。
【0020】
請求項6の発明によれば、容器(2)の内周面には、少なくとも防水・防油加工が施されているから、食品の油や水分が容器(2)の外部に染み出してしまうという事態を低減させることができる。
【0021】
請求項7の発明によれば、容器(2)の隅部(2a,2b)は、該容器(2)の底部(20)より所定の高さ(T)位置まで隙間が形成されないように、ミシン目を用いることなく折り曲げ形成することで形成されている。これにより、容器(2)の所定の高さ(T)位置までは、食品の油や水分が外部に染み出し難くなり、もって、食品の油や水分が容器(2)の外部に染み出してしまうという事態を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態に係る容器携帯用具を示す斜視図である。
図2】(a)は同実施形態に係る容器の斜視図、(b)は(a)のX-X線断面図である。
図3】(a)は同実施形態に係る仕切り片を展開した状態を示す平面図、(b)は(a)に示す状態から仕切り片を組み立てた状態を示す斜視図である。
図4】同実施形態に係る容器を展開した状態を示す平面図である。
図5図4に示す状態から容器を組み立てている状態の過程を示す平面図である。
図6図5に示す状態から容器を組み立てている状態の過程を示す斜視図である。
図7図6に示す状態から容器を組み立てている状態の過程を示す斜視図である。
図8図7に示す状態から容器を組み立てている状態の過程を示す斜視図である。
図9】同実施形態に係る保持部材を展開した状態を示す平面図である。
図10】(a)は図9に示す状態から保持部材を組み立てている状態の過程を示す斜視図、(b)は保持部材を組み立てた状態を示す斜視図である。
図11】組み立てた保持部材内に複数個の容器を挿入しようとしている状態を示す斜視図である。
図12図1に示す方向とは異なる方向で複数個の容器を保持部材にて保持しようとしている過程を示す斜視図である。
図13図12に示す状態から、図1に示す方向とは異なる方向で複数個の容器を保持しようとしている過程を示す斜視図である。
図14図1に示す方向とは異なる方向で複数個の容器を保持部材にて保持している状態を示し、(a)は斜視図、(b)は平面図である。
図15図1及び図14に示す方向とは異なる方向で複数個の容器を保持部材にて保持している状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。なお、以下の説明において、上下左右の方向を示す場合は、図示正面から見た場合の上下左右をいうものとする。
【0024】
<容器携帯用具の説明>
図1に示すように、本実施形態に係る容器携帯用具1は、所定の内容物を収納することができる複数個の容器2(図示では2個)と、その複数個の容器2を保持することができる保持部材4と、で主に構成されている。以下、各構成について詳しく説明することとする。
【0025】
<容器の説明>
容器2は、図2(a)に示すように矩形状に形成されているものであって、図4に示すように厚紙等で形成された一枚のシートS1を用いて形成されてなるものである。この点、詳しく説明すると、図4に示すように、1枚のシートS1は、縦長略矩形状に形成されており、矩形状の底部20を有している。この底部20の外周面には、折り曲げ線20a~20dが形成されている。そして、この底部20の上面には、折り曲げ線20aを基点として、底部20と同程度の横幅からなる矩形状の後壁部21が、底部20に連なって設けられている。この後壁部21の左側面には、折り曲げ線21aが形成されており、この折り曲げ線21aを基点として、略台形状の第1隅部22が、後壁部21に連なって設けられている。この第1隅部22の中間部分には、L字状のスリット22aが形成されており、このスリット22aの上端点22a1と、第1隅部22の上左端点22bとを結ぶように傾斜状の折り曲げ線22cが形成されている。そしてさらに、スリット22aの下端点22a2と、第1隅部22の下右端点22dとを結ぶように傾斜状の折り曲げ線22eが形成されている。また、第1隅部22は、第1隅部22のスリット22aを境として、上第1隅部22fと下第1隅部22gとに分かれており、この上第1隅部22fには、貼り加工された矩形状の糊代22faが設けられている。
【0026】
一方、図4に示すように、後壁部21の右側面には、折り曲げ線21bが形成されており、この折り曲げ線21bを基点として、略台形状の第2隅部23が、後壁部21に連なって設けられている。この第2隅部23の中間部分には、L字状のスリット23aが形成されており、このスリット23aの上端点23a1と、第2隅部23の右端点23bとを結ぶように傾斜状の折り曲げ線23cが形成されている。そしてさらに、スリット23aの下端点23a2と、第2隅部23の下左端点23dとを結ぶように傾斜状の折り曲げ線23eが形成されている。また、第2隅部23は、第2隅部23のスリット23aを境として、上第2隅部23fと下第2隅部23gとに分かれており、この上第2隅部23fには、貼り加工された矩形状の糊代23faが設けられている。なお、第1隅部22と第2隅部23とは、鏡像関係となっている。
【0027】
一方、図4に示すように、後壁部21の上面には、折り曲げ線21cが形成されており、この折り曲げ線21cを基点として、後壁部21と同程度の横幅からなる矩形状の天部24が、後壁部21に連なって設けられている。この天部24の上面には、折り曲げ線24aが形成されており、この折り曲げ線24aを基点として、天部24と同程度の横幅からなる矩形状の外フラップ25が、天部24に連なって設けられている。そして、この外フラップ25の上面中間部分には、矩形状の差込片25aが外方向に突出して、外フラップ25と一体的に設けられている。
【0028】
他方、図4に示すように、底部20の下面には、折り曲げ線20cを基点として、底部20と同程度の横幅からなる矩形状の前壁部26が、底部20に連なって設けられている。この前壁部26には、略中央部に、差込片25aが差し込み可能なスリット26aが形成されている。そして、この前壁部26の左側面には、折り曲げ線26bが形成されており、この折り曲げ線26bを基点として、略台形状の第3隅部27が、前壁部26に連なって設けられている。この第3隅部27の中間部分には、L字状のスリット27aが形成されており、このスリット27aの上端点27a1と、第3隅部27の上右端点27bとを結ぶように傾斜状の折り曲げ線27cが形成されている。そしてさらに、スリット27aの下端点27a2と、第3隅部27の下左端点27dとを結ぶように傾斜状の折り曲げ線27eが形成されている。また、第3隅部27は、第3隅部27のスリット27aを境として、下第3隅部27fと上第3隅部27gとに分かれており、この下第3隅部27fには、貼り加工された矩形状の糊代27faが設けられている。
【0029】
一方、図4に示すように、前壁部26の右側面には、折り曲げ線26cが形成されており、この折り曲げ線26cを基点として、略台形状の第4隅部28が、前壁部26に連なって設けられている。この第4隅部28の中間部分には、L字状のスリット28aが形成されており、このスリット28aの上端点28a1と、第4隅部28の上左端点28bとを結ぶように傾斜状の折り曲げ線28cが形成されている。そしてさらに、スリット28aの下端点28a2と、第4隅部28の下右端点28dとを結ぶように傾斜状の折り曲げ線28eが形成されている。また、第4隅部28は、第4隅部28のスリット28aを境として、下第4隅部28fと上第4隅部28gとに分かれており、この下第4隅部28fには、貼り加工された矩形状の糊代28faが設けられている。
【0030】
他方、図4に示すように、底部20の左側面には、折り曲げ線20dを基点として、底部20と同程度の縦幅からなる矩形状の左壁部29が、底部20に連なって設けられている。この左壁部29の上面には、折り曲げ線29aが形成されており、この折り曲げ線29aを基点として、第1隅部22が、左壁部29に連なって設けられている。そして、左壁部29の下面には、折り曲げ線29bが形成されており、この折り曲げ線29bを基点として、第3隅部27が、左壁部29に連なって設けられている。さらに、左壁部29の左側面には、折り曲げ線29cが形成されている。そして、この折り曲げ線29cを基点として、左壁部29と同程度の縦幅からなる矩形状の左内フラップ30が、左壁部29に連なって設けられている。
【0031】
一方、図4に示すように、底部20の右側面には、折り曲げ線20bを基点として、底部20と同程度の縦幅からなる矩形状の右壁部31が、底部20に連なって設けられている。この右壁部31の上面には、折り曲げ線31aが形成されており、この折り曲げ線31aを基点として、第2隅部23が、右壁部31に連なって設けられている。そして、右壁部31の下面には、折り曲げ線31bが形成されており、この折り曲げ線31bを基点として、第4隅部28が、右壁部31に連なって設けられている。さらに、右壁部31の右側面には、折り曲げ線31cが形成されている。そして、この折り曲げ線31cを基点として、右壁部31と同程度の縦幅からなる矩形状の右内フラップ32が、右壁部31に連なって設けられている。
【0032】
<容器の組み立て方法の説明>
かくして、上記のように構成されるシートS1を用いて、容器2は、以下のように組み立てられる。
【0033】
まず、図4に示す折り曲げ線20dを基点として左壁部29及び左内フラップ30を内側に折り曲げる。そしてさらに、図4に示す折り曲げ線21aを基点として、第1隅部22を内側に折り曲げ、図4に示す折り曲げ線26bを基点として、第3隅部27を内側に折り曲げる。これにより、図5に示すように、糊代22faによって、第1隅部22の上第1隅部22fが後壁部21に貼り付け固定され、糊代27faによって、第3隅部27の下第3隅部27fが前壁部26に貼り付け固定されることとなる。しかして、図5に示すように、左壁部29及び左内フラップ30、並びに、第1隅部22及び第3隅部27は、内側に折り曲げられた状態で維持されることとなる。
【0034】
次いで、図4に示す折り曲げ線20bを基点として右壁部31及び右内フラップ32を内側に折り曲げる。そしてさらに、図4に示す折り曲げ線21bを基点として、第2隅部23を内側に折り曲げ、図4に示す折り曲げ線26cを基点として、第4隅部28を内側に折り曲げる。これにより、図5に示すように、糊代23faによって、第2隅部23の上第2隅部23fが後壁部21に貼り付け固定され、糊代28faによって、第4隅部28の下第4隅部28fが前壁部26に貼り付け固定されることとなる。しかして、図5に示すように、右壁部31及び右内フラップ32、並びに、第2隅部23及び第4隅部28は、内側に折り曲げられた状態で維持されることとなる。
【0035】
次いで、図5に示す折り曲げ線20aを基点として、後壁部21及び天部24並びに外フラップ25を内側に折り曲げ、さらに、図5に示す折り曲げ線20cを基点として、前壁部26を内側に折り曲げる。これにより、後壁部21に貼り付け固定されていない下第1隅部22gは、折り曲げ線22c及び22eを基点として外方向に折り曲げられることとなる。そして、前壁部26に貼り付け固定されていない上第3隅部27gは、折り曲げ線27c及び27eを基点として外方向に折り曲げられることとなる。そしてさらに、後壁部21に貼り付け固定されていない下第2隅部23gは、折り曲げ線23c及び23eを基点として外方向に折り曲げられることとなる。またさらに、前壁部26に貼り付け固定されていない上第4隅部28gは、折り曲げ線28c及び28eを基点として外方向に折り曲げられることとなる。
【0036】
しかして、図5に示すように、第1隅部22及び第3隅部27に連なって設けられている左壁部29は、下第1隅部22g及び上第3隅部27gが外方向に折り曲げられることに伴い、折り曲げ線20dを基点として外方向に折り曲げられることとなる。さらに、第2隅部23及び第4隅部28に連なって設けられている右壁部31は、下第2隅部23g及び上第4隅部28gが外方向に折り曲げられることに伴い、折り曲げ線20bを基点として外方向に折り曲げられることとなる。これにより、図6に示すように、左壁部29及び右壁部31が起立状態となる。
【0037】
次いで、図6に示す状態から、前壁部26及び後壁部21を鉛直上向きとなるように起立状態にし、図7に示すような状態とする。そして、図6に示す折り曲げ線29cを基点として、左内フラップ30を外方向に折り曲げ、図6に示す折り曲げ線31cを基点として、右内フラップ32を外方向に折り曲げ、図7に示すような状態とする。これにより、図7に示すように、上方が開放された空間K1が形成されることとなる。そして、この空間K1内に、図7に示すような仕切り片3を載置することとなる。
【0038】
<仕切り片の説明>
ここで、この仕切り片3について、図3を参照して具体的に説明する。図3(a)に示すように、仕切り片3は、厚紙等で形成された一枚のシートS2を用いて形成されてなるものである。この点、詳しく説明すると、図3(a)に示すように、1枚のシートS2は、略菱形状に形成されており、矩形状の立設部3aを有している。この立設部3aの中間部分には、上面3a1から下面3a2に向かって、直線状に形成された折り曲げ線3a3が形成されている。そして、この折り曲げ線3a3を境として左側に第1立設部3aAが設けられ、右側に第2立設部3aBが設けられることとなる。この第1立設部3aAの左側面には折り曲げ線3aA1が形成されており、この折り曲げ線3aA1を基点として、三角形状の左載置片3bが、第1立設部3aAに連なって設けられている。また、第2立設部3aBの右側面には折り曲げ線3aB1が形成されており、この折り曲げ線3aB1を基点として、三角形状の右載置片3cが、第2立設部3aBに連なって設けられている。
【0039】
かくして、上記のように構成されるシートS2を用いて、仕切り片3を形成するにあたっては、図3(a)に示す折り曲げ線3a3を基点として、第1立設部3aA及び第2立設部3aBを内側に折り曲げる。これにより、図3(a)に示す折り曲げ線3aA1を基点として、第1立設部3aAが折り曲がることとなり、もって、第1立設部3aAは、図3(b)に示すように、起立状態となる。そして、図3(a)に示す折り曲げ線3aB1を基点として、第2立設部3aBが折り曲がることとなり、もって、第2立設部3aBは、図3(b)に示すように、起立状態となる。これにより、仕切り片3は、図7に示すような状態となる。
【0040】
<容器の組み立て方法の説明>
かくして、このように形成された仕切り片3が、図7に示すように、空間K1内に載置されることとなる。これにより、図8に示すように、空間K1の内部が仕切り片3によって、第1領域R1,第2領域R2に仕切られることとなる。
【0041】
次いで、図7に示す折り曲げ線29cを基点として、左内フラップ30を内方向に折り曲げ、図7に示す折り曲げ線31cを基点として、右内フラップ32を内方向に折り曲げ、図8に示すような状態とする。そしてこの状態で、図8に示す折り曲げ線21cを基点として、空間K1の上部を閉止するように天部24を内側に折り曲げる。そしてさらに、図8に示す折り曲げ線24aを基点として、外フラップ25を内側に折り曲げ、外フラップ25の差込片25aを前壁部26のスリット26a内に差し込むようにする。これにより、図2(a)に示すような容器2が形成されることとなる。
【0042】
かくして、このように形成された容器2の空間K1(図7及び図8参照)内には、ケーキ、菓子、料理等の食品、玩具、装飾品等、様々な内容物を、収納できることとなる。
【0043】
ところで、本実施形態に係る容器2は、食品の食べ残しを持ち帰る所謂ドギーバックとして使用したり、食品をテイクアウトするテイクアウト用の容器として使用したりすることができるように、容器2の内周面に少なくとも防水・防油加工が施されている。これにより、食品の油や水分が容器2の外部に染み出してしまうという事態を低減させることができる。勿論、防水・防油加工に限らず、それに加えて、ハービル加工や抗菌加工を施すようにしても良い。
【0044】
また、本実施形態に係る容器2は、上記のようにドギーバックやテイクアウト用として使用できるように、第1隅部22、第2隅部23、第3隅部27、第4隅部28を形成するにあたって、ミシン目を用いないようにしている。すなわち、上記説明したように、第1隅部22、第2隅部23、第3隅部27、第4隅部28を形成するにあたっては、折り曲げ線に基づいて折り曲げすることにより形成されている。具体的に説明すると、図2(b)に示すように、第1隅部22の上第1隅部22fは、底部20から高さTの位置に下面が来るように、後壁部21に貼付け固定されている。そして、この高さT分の食品の油や水分が容器2の外部に染み出さないように、第1隅部22の下第1隅部22gは、折り曲げ線22eを基点として折り曲げられるようになっている。すなわち、折り曲げ線22eであれば、ミシン目のような隙間がないため、高さT分、食品の油や水分が容器2の外部に染み出し難くなる。しかして、説明は省略するが、第2隅部23、第3隅部27、第4隅部28も同様に形成されている。これにより、食品の油や水分が容器2の外部に染み出してしまうという事態を低減させることができることとなる。なお、高さTを超えた場合、第1隅部22で説明すると、スリット22aを介して、外部との隙間が形成されることとなるから、食品の油や水分が容器2の外部に染み出す可能性が出てくることとなる。
【0045】
<保持部材の説明>
保持部材4は、図9に示すように厚紙等で形成された一枚のシートS3を用いて形成されてなるものである。この点、詳しく説明すると、図9に示すように、1枚のシートS3は、縦長略楕円状に形成されており、矩形状の底部40を有している。この底部40の上面には、折り曲げ線40aが形成されており、この折り曲げ線40aを基点として、底部40と同程度の横幅からなる矩形状の後壁部41が、底部40に連なって設けられている。この後壁部41の中間部分には、係止孔41aが貫通して設けられており、上面には、折り曲げ線41bが形成され、この折り曲げ線41bを基点として、後壁部41と同程度の横幅からなる凸状の第1天部42が、後壁部41に連なって設けられている。この第1天部42の上部には、半円形状の突片42aが一体的に設けられ、この突片42aの中間部分には、折り曲げ線42a1が左側面から右側面に向かって直線状に形成されている。そして、この折り曲げ線42a1の中間部分には、半円形状の差込片42a2が形成されている。また、第1天部42の上部には、突片42aの外周に沿うように折り曲げ線42bを介して円弧状の第1把持部43が、第1天部42に連なって設けられている。なお、第1把持部43は、使用者が把持可能なものである。
【0046】
一方、図9に示すように、底部40の下面には、折り曲げ線40bが形成されており、この折り曲げ線40bを基点として、底部40と同程度の横幅からなる矩形状の前壁部44が、底部40に連なって設けられている。この前壁部44の中間部分には、係止孔44aが貫通して設けられており、下面には、折り曲げ線44bが形成され、この折り曲げ線44bを基点として、前壁部44と同程度の横幅からなる凸状の第2天部45が、前壁部44に連なって設けられている。この第2天部45の中間部分には、差込片42a2が差し込み可能なスリット45aが形成されており、第2天部45の下部には、半円形状の突片45bが一体的に設けられている。また、第2天部45の下部には、突片45bの外周に沿うように折り曲げ線45cを介して円弧状の第2把持部46が、第2天部45に連なって設けられている。なお、第2把持部46は、使用者が把持可能なものである。
【0047】
<保持部材の組み立て方法の説明>
かくして、上記のように構成されるシートS3を用いて、保持部材4は、以下のように組み立てられる。
【0048】
まず、図9に示す折り曲げ線40aを基点として後壁部41を内側に折り曲げ、折り曲げ線41bを基点として第1天部42を内側に折り曲げる。そしてさらに、折り曲げ線40bを基点として前壁部44を内側に折り曲げ、折り曲げ線44bを基点として第2天部45を内側に折り曲げる。これにより、図10(a)に示すような状態となる。
【0049】
次いで、図10(a)に示す第1把持部43と第2把持部46とが密着するようにし、差込片42a2をスリット45a内に差し込むようにすれば、図10(b)に示すように、保持部材4が組み立てられることとなる。なお、このように組み立てられた保持部材4の内部には、図10(b)に示すように、左右側面が開放された空間K2が形成される。
【0050】
<容器を保持部材に保持する方法の説明>
かくして、上記のように組み立てられた保持部材4を用いて容器2を保持するには、図11に示すように複数個(図示では2個)積み上げた容器2を、開放されている右側面から空間K2(図10(b)参照)内に挿入する。これにより、図1に示すように、組み立てられた保持部材4を用いて複数個の容器2を保持することができる。
【0051】
ところで、本実施形態においては、保持部材4を用いて容器2を保持するにあたっては、従来のように容器2を一方向に限って保持できるというものではなく、図14に示すように保持することもできる。この点、詳しく説明すると、まず、図12に示すように、展開状態の保持部材4の底部40に、斜め約45度向きの状態で複数個(図示では2個)積み上げた容器2を載置する。この際、図12に示すように、容器2の左壁部29と後壁部21との合流部分である隅部2aが、前壁部44の係止孔44aに位置するように載置する。そしてさらに、容器2の前壁部26と右壁部31との合流部分である隅部2bが、後壁部41の係止孔41aに位置するように載置する。この状態で、図12に示す折り曲げ線40aを基点として後壁部41を内側に折り曲げ、折り曲げ線41bを基点として第1天部42を内側に折り曲げる。そしてさらに、折り曲げ線40bを基点として前壁部44を内側に折り曲げ、折り曲げ線44bを基点として第2天部45を内側に折り曲げる。これにより、図13に示すような状態となる。
【0052】
次いで、図13に示す第1把持部43と第2把持部46とが密着するようにし、差込片42a2をスリット45a内に差し込むようにすれば、図14(a)に示すように、図11とは別の方向で、容器2を、保持部材4を用いて保持することができる。この際、図14(b)に示すように、保持部材4を用いて容器2を保持した状態を上から見れば、星形に見えるため、見た目を良くすることができる。またこの際、容器2の隅部2aを係止孔41aにて係止し、容器2の隅部2bを係止孔44aにて係止しているから、保持部材4を用いて容器2をしっかりと保持することができる。なお、係止孔41aのサイズは、複数個の容器2の隅部2aを係止できるように設定され、係止孔44aのサイズは、複数個の容器2の隅部2bを係止できるように設定される。
【0053】
一方、図14に示すように保持する場合に限らず、図15に示すように、下の容器2を図14に示すように斜め約45度向きの状態にし、上の容器2を下の容器2と交差するように、すなわち、図1に示す向きの状態にし、保持するようにしても良い。勿論、下の容器2と上の容器2を逆にして保持するようにしても良い。
【0054】
しかして、以上説明した本実施形態によれば、保持部材4を用いて容器2を様々な方向に保持することが可能であるから、従来のように容器2を一方向に限って保持できるものに比べ、デザイン性を向上させることができる。
【0055】
なお、本実施形態において示した形状等はあくまで一例であり、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば、保持部材4を用いて複数個の容器2を保持する例を示したが、それに限らず、単数個でも良い。その場合は、係止孔41aのサイズは、単数個の容器2の隅部2aを係止できるように設定され、係止孔44aのサイズは、単数個の容器2の隅部2bを係止できるように設定される。
【0056】
また、本実施形態においては、容器2を形成するにあたっては、1枚のシートS1を用いて形成する例を示したが、それに限らず、樹脂などを用いて一体成型したものでも良い。
【0057】
また、本実施形態においては、仕切り片3を形成するにあたっては、1枚のシートS2を用いて形成する例を示したが、それに限らず、樹脂などを用いて一体成型したものでも良い。
【0058】
また、本実施形態においては、容器2の空間K1内に仕切り片3を設けて、空間K1を、第1領域R1,第2領域R2に仕切る例を示したが、それに限らず、仕切り片3を設けなくとも良い。しかしながら、仕切り片3を設けた方が好ましい。仕切り片3を設けることにより、容器2の空間K1内に、特に食品を収納するにあたっては、食品が混ざらないようにすることができると共に、見栄えよく、複数の食品を収納することができるためである。そのため、仕切り片3を設けた方が好ましい。なお、仕切り片3を設ける際は、斜め方向に仕切り片3を設けることで、仕切り片3が倒れにくくなるため、斜め方向に仕切り片3を設けるのが好ましい。また、仕切り片3を設ける際は、本実施形態のように第1領域R1,第2領域R2に仕切る場合に限らず、さらなる仕切り片3を利用して、4つの領域に仕切る等しても良く、仕切り方に特に制限はない。
【0059】
また、本実施形態においては、保持部材4に第1把持部43と第2把持部46を設ける例を示したが、それに限らず、第1把持部43と第2把持部46を設けなくとも良い。しかしながら、保持部材4に第1把持部43と第2把持部46を設けた方が好ましい。第1把持部43と第2把持部46を設けておけば、持ち帰るための袋が不要となり、もって、容器2を簡単容易に持ち帰ることができるためである。そのため、保持部材4に第1把持部43と第2把持部46を設けた方が好ましい。
【0060】
また、本実施形態において示した容器2や保持部材4の組み立て方はあくまで一例であり、これに限定されるものではない。例えば、本実施形態においては、容器2を組み立てるにあたって、図4に示す状態から図5に示す状態になる例を示したが、それに限らず、図5に示す状態で、使用者に提供するようにしても良い。このようにすれば、後壁部21及び天部24並びに外フラップ25を内側に折り曲げ、さらに、前壁部26を内側に折り曲げるだけで、図6に示すように、左壁部29及び右壁部31が起立状態となる。これにより、容器2の組み立てが容易となる。
【0061】
また、本実施形態において示した容器2、仕切り片3、保持部材4の形状はあくまで一例であり、どのような形状にも適用可能である。例えば、容器2を一対の三角形状にし、それを組み合わせて矩形状に形成するようにしても良い。また、保持部材4には、後壁部41,前壁部44に係止孔41a,44aを設ける例を示したが、それに限らず、後壁部41,前壁部44に加え、左右側壁部を設け、係止孔を設けるようにしても良い。
【符号の説明】
【0062】
1 容器携帯用具
2 容器
2a,2b 隅部
3 仕切り片
4 保持部材
41a,44a 係止孔
43 第1把持部(把持部)
46 第2把持部(把持部)
T 高さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15