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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022092323
(43)【公開日】2022-06-22
(54)【発明の名称】浴室システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/007 20060101AFI20220615BHJP
   F24F 7/06 20060101ALI20220615BHJP
   F24F 11/61 20180101ALI20220615BHJP
   F24F 11/77 20180101ALI20220615BHJP
   F24D 15/00 20220101ALI20220615BHJP
   F24F 120/12 20180101ALN20220615BHJP
【FI】
F24F7/007 B
F24F7/06 Z
F24F11/61
F24F11/77
F24D15/00 B
F24F120:12
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020205081
(22)【出願日】2020-12-10
(71)【出願人】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉▲高▼ 豊
【テーマコード(参考)】
3L056
3L058
3L072
3L260
【Fターム(参考)】
3L056BD07
3L056BE03
3L056BF01
3L058BE05
3L058BG04
3L072AA05
3L072AB06
3L072AF11
3L260AA02
3L260AB06
3L260BA03
3L260BA12
3L260BA38
3L260BA55
3L260CA03
(57)【要約】
【課題】 浴室内の人の有無を検知するセンサに故障が生じた場合でも、浴室乾燥機の一時停止中の浴室換気運転を自動的に再開することができる浴室システムを提供する。
【解決手段】 浴室100内の人の有無を検知する人感センサ4と、浴室100内を換気する浴室換気運転が可能であり、浴室換気運転の最中に人感センサ4によって人が検知されると、浴室換気運転を一時停止するよう構成された浴室乾燥機2と、浴室乾燥機2が浴室換気運転を一時停止しているときに人感センサ4によって人が継続して検知される時間を計測する第1タイマと、を備え、浴室乾燥機2は、第1タイマによる計測時間が、人感センサ4の検知結果が異常であると予め想定された第1の所定時間に達すると浴室換気運転を再開するよう構成されている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室内の人の有無を検知する人感センサと、
前記浴室内を換気する浴室換気運転が可能であり、前記浴室換気運転の最中に前記人感センサによって人が検知されると、前記浴室換気運転を一時停止するよう構成された浴室乾燥機と、
前記浴室乾燥機が前記浴室換気運転を一時停止しているときに前記人感センサによって人が継続して検知される時間を計測する第1タイマと、
を備え、
前記浴室乾燥機は、
前記第1タイマによる計測時間が、前記人感センサの検知結果が異常であると予め想定された第1の所定時間に達すると前記浴室換気運転を再開するよう構成された、
浴室システム。
【請求項2】
前記浴室乾燥機が前記浴室換気運転を一時停止しているときに前記人感センサによって人が検知されなくなると、人が継続して検知されない時間を計測する第2タイマをさらに備え、
前記浴室乾燥機は、
前記第2タイマによる計測時間が第2の所定時間に達すると前記浴室換気運転を再開するよう構成された、
請求項1に記載の浴室システム。
【請求項3】
前記浴室乾燥機は、前記浴室内の暖房を行う暖房運転及び前記浴室内の乾燥を行う乾燥運転が可能であり、
前記浴室乾燥機が前記暖房運転及び前記乾燥運転を行う際に、前記浴室乾燥機に備えられた熱交換器に温水を循環させる温水熱源機をさらに備え、
前記人感センサは、前記温水熱源機の浴室に設置されたリモコンに備えられており、
前記人感センサの検知結果の情報が前記温水熱源機から前記浴室乾燥機へ送信されるよう構成された、
請求項1または2に記載の浴室システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室乾燥機を備えた浴室システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、浴室乾燥機においては、24時間換気機能を備えたものが有った。このような浴室乾燥機において、冬季等の寒冷期に24時間換気運転を行っていた場合、入浴者が寒いと感じる虞があったため、浴室への人の入室をセンサで検知すると、換気運転を一時停止させることが提案されていた。
【0003】
例えば、特許文献1には、浴室内に人を検知する人検知手段を備え、浴室内の24時間換気運転中に、人検知手段により浴室内に人が検知されると、換気運転を自動的に一時停止させ、その後、人検知手段により人が浴室から退出したことを検知した場合に、換気運転を自動的に再開させるようにした浴室乾燥機(浴室暖房乾燥機)の構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-57474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような浴室乾燥機において、人検知手段として用いるセンサに故障が生じた場合、特に人の検知状態を保持した状態で故障した場合、一時停止中の24時間換気運転を自動的に再開することができなくなるという問題がある。
【0006】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、浴室内の人の有無を検知するセンサに故障が生じた場合でも、浴室乾燥機の一時停止中の浴室換気運転を自動的に再開することができる浴室システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のある態様に係る浴室システムは、浴室内の人の有無を検知する人感センサと、前記浴室内を換気する浴室換気運転が可能であり、前記浴室換気運転の最中に前記人感センサによって人が検知されると、前記浴室換気運転を一時停止するよう構成された浴室乾燥機と、前記浴室乾燥機が前記浴室換気運転を一時停止しているときに前記人感センサによって人が継続して検知される時間を計測する第1タイマと、を備え、前記浴室乾燥機は、前記第1タイマによる計測時間が、前記人感センサの検知結果が異常であると予め想定された第1の所定時間に達すると前記浴室換気運転を再開するよう構成されている。
【0008】
この構成によれば、人感センサが人を検知した状態を保持した状態で故障が生じた場合でも、第1の所定時間が経過すると浴室乾燥機の一時停止中の浴室換気運転を自動的に再開することができる。
【0009】
また、前記浴室乾燥機が前記浴室換気運転を一時停止しているときに前記人感センサによって人が検知されなくなると、人が継続して検知されない時間を計測する第2タイマをさらに備え、前記浴室乾燥機は、前記第2タイマによる計測時間が第2の所定時間に達すると前記浴室換気運転を再開するよう構成されていてもよい。
【0010】
この構成によれば、例えば、入浴者が浴槽に浸かって動かないときに人感センサが人を検知しなかった場合でも、浴室換気運転の一時停止を継続することができ、入浴者が肌寒さを感じるのを防止できる。また、複数の入浴者が断続的に入浴する場合に、浴室換気運転の一時停止を継続することができ、浴室内の温度および浴槽の湯水の温度の低下を防止できる。
【0011】
また、前記浴室乾燥機は、前記浴室内の暖房を行う暖房運転及び前記浴室内の乾燥を行う乾燥運転が可能であり、前記浴室乾燥機が前記暖房運転及び前記乾燥運転を行う際に、前記浴室乾燥機に備えられた熱交換器に温水を循環させる温水熱源機をさらに備え、前記人感センサは、前記温水熱源機の浴室に設置されたリモコンに備えられており、前記人感センサの検知結果の情報が前記温水熱源機から前記浴室乾燥機へ送信されるよう構成されていてもよい。
【0012】
この構成によれば、例えば、人感センサの検知結果の情報として人を検知していることを示す情報を温水熱源機から浴室乾燥機へ送信した後、温水熱源機と浴室乾燥機との間の通信が不能になった場合でも、第1の所定時間が経過すると浴室乾燥機の一時停止中の浴室換気運転を自動的に再開することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、以上に説明した構成を有し、浴室内の人の有無を検知するセンサに故障が生じた場合でも、浴室乾燥機の一時停止中の浴室換気運転を自動的に再開することができる浴室システムを提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本実施形態の一例の浴室システムの概略構成図である。
図2図2は、図1に示す浴室乾燥機の一例の概略構成を示す断面図である。
図3図3は、図1に示す浴室室乾燥機の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。また、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
【0016】
(実施形態)
図1は、本実施形態の一例の浴室システムの概略構成図である。図1に示すように、この浴室システム1は、浴室乾燥機2及び乾燥機リモコン(リモートコントローラ)2Rを有する乾燥機システムと、温水熱源機3及び浴室リモコン(リモートコントローラ)3Rを有する熱源機システムとを備えている。浴室乾燥機2のコントローラ2aと温水熱源機3のコントローラ3aとは、相互に通信可能に構成されている。
【0017】
温水熱源機3は、住宅の屋外または屋内の所定の場所に設置され、例えば、燃焼加熱式の給湯装置であり、熱交換器および該熱交換器を加熱するバーナ等の加熱装置などを備えている。温水熱源機3には、コントローラ3aが内蔵されている。コントローラ3aは、例えば、CPUおよびメモリ(RAMおよびROM等)を有するマイクロコントローラ等によって構成される。コントローラ3aは、温水熱源機3内の各種センサの出力信号を入力し、温水熱源機3全体の動作を制御する。
【0018】
温水熱源機3は、外部配管54,55を介して浴室乾燥機2の熱交換器13(図2)と接続され、この熱交換器13内に高温水を循環させる暖房乾燥機能を有している。また、温水熱源機3は、浴室100および台所等の給湯端末に湯水を供給する給湯機能を有するとともに、浴槽101に装着された循環金具53と外部配管51,52を介して接続されており、外部配管51,52を介して浴槽101へ湯水を供給する風呂注湯機能および浴槽101内の湯水を循環させて加熱する追い焚き機能等を有する。
【0019】
浴室リモコン3Rは、温水熱源機3を遠隔操作するために浴室100内に設けられ、温水熱源機3のコントローラ3aと相互に通信可能に構成されている。浴室リモコン3Rは、操作部および表示部(図示せず)を備え、ユーザが浴室リモコン3Rの操作部を操作して、温水熱源機3の運転操作、給湯温度または風呂温度等の設定操作を行うことができる。また、浴室リモコン3Rは、表示部に温水熱源機3の運転状態、設定されている給湯温度または風呂温度等を表示することができる。
【0020】
さらに、浴室リモコン3Rには、浴室100内の人の有無を検知する人感センサ4が設けられている。人感センサ4は、例えば焦電型赤外線センサ、電波センサ等、人の存在の有無を検知することができるように構成されたセンサであればよい。人感センサ4の検知結果を示す検知結果情報は、随時、浴室リモコン3Rからコントローラ3aへ送信され、さらにコントローラ3aから浴室乾燥機2のコントローラ2aへ送信される。
【0021】
図2は、浴室乾燥機2の一例の概略構成を示す断面図である。浴室乾燥機2は、例えば、浴室100の天井に設置されている。
【0022】
この浴室乾燥機2は、筐体10,20内に、熱交換器13、循環ファン(循環用送風機)14及び換気ファン(換気用送風機)23等を備えている。
【0023】
筐体10,20は、共有壁10aによって一体化されて構成されている。筐体10は、浴室100内の空気を吸入するための循環用の吸入口11と、浴室100内へ空気を排出するための循環用の排出口12と、浴室100内の空気を吸入するための換気用の吸入口15とを備える。これらの吸入口11、排出口12および吸入口15は、それぞれ、浴室100の天井から浴室100内に露出している。排出口12には、モータによって駆動され空気の排出方向を変更するためのルーバ(図示せず)が設けられる。循環用の排出口12と換気用の吸入口15とは、仕切り板18によって区切られている。
【0024】
また、仕切り板18によって筐体10の内部空間が、循環用の第1空間P1と換気用の第2空間P2とに区切られている。第1空間P1には、熱交換器13と循環ファン14とが配置されている。
【0025】
循環ファン14は、吸入口11から排出口12に向かって空気が流れるように、空気を送風させる。熱交換器13には、温水熱源機3との間に、温水熱源機3からの温水が循環するための往路用の外部配管54と復路用の外部配管55とが接続されている。温水熱源機3内のバーナ等によって加熱された温水が外部配管54,55を介して熱交換器13を循環することにより、熱交換器13を通過する空気が暖められる。
【0026】
また、筐体20は、空気を吸入するための吸入口21と、空気を排出するための排出口22とを備え、その内部に換気ファン23が配置されている。吸入口21は、ダクト24を通じて浴室100以外の他の部屋(例えば、脱衣室またはトイレ等)の換気口に接続される。このような他の部屋につながる吸入口21が複数設けられていてもよい。排出口22は、ダクトを介して屋外に繋がっている。また、筐体20と筐体10との共有壁10aに開口部16が設けられており、この開口部16に、開閉可能な電動式のシャッタ17が設けられている。シャッタ17の開・閉の切り替えにより、筐体20の内部空間と筐体10の第2空間P2との間の空気の流通・遮断が切り替えられる。
【0027】
浴室100内の換気を行う場合には、シャッタ17を開いた状態で換気ファン23が駆動される。これにより、吸入口15から吸入された浴室100内の空気が開口部16を通過して筐体20の排出口22から排出される。また、換気ファン23を駆動することで、上記他の部屋の空気が、ダクト24を通じて吸入口21から吸入されて排出口22から排出されるので、他の部屋の換気も行われる。なお、シャッタ17を閉じた状態で換気ファン23を駆動すると上記他の部屋の換気のみが行われる。
【0028】
なお、本例では、浴室100以外の他の部屋の換気も行うことができるように構成されているが、浴室100のみの換気が可能な構成(以下、「一室換気構成」という)でもよい。この一室換気構成の場合、例えば、共有壁10aに開口部16及びシャッタ17を設けずに、吸入口21を浴室100の天井の開口部に接続するとともに、仕切り板18を無くした構成とすることができる。この場合、前述の吸入口15及び排出口12の部分が、循環用の排出口12に相当する1つの排出口となる。
【0029】
暖房運転の実行時には、循環ファン14が駆動されるとともに、温水熱源機3からの温水を配管54,55を介して熱交換器13に循環させる。これにより、吸入口11から吸入された浴室100内の空気が熱交換器13で暖められた後、排出口12から浴室100内へ排出される。これにより浴室100内の暖房が行われる。
【0030】
また、乾燥運転の実行時には、暖房運転の場合同様、循環ファン14が駆動されるとともに、温水熱源機3からの温水を配管54,55を介して熱交換器13に循環させる。さらに、乾燥運転の実行時には、シャッタ17を開いた状態で換気ファン23が駆動される。これにより浴室100内の乾燥が行われる。
【0031】
浴室乾燥機2のコントローラ2aは、図2では示されていないが、例えば筐体10の内部または外部の適宜の位置に設けることができる。コントローラ2aは、例えばマイクロコントローラ等によって構成され、浴室乾燥機2全体の動作を制御する。すなわち、コントローラ2aは、循環ファン14、換気ファン23及びシャッタ17等の動作制御を行う。
【0032】
また、図1に示すように、浴室乾燥機2を遠隔操作するためのリモコン(以下、「乾燥機リモコン」という)2Rが、例えば脱衣室等に設けられている。この乾燥機リモコン2Rは、コントローラ2aと相互に通信可能に構成されている。また、乾燥機リモコン2Rには、暖房運転、乾燥運転、換気運転、24時間換気運転等の各運転を開始および停止させるための複数の操作ボタン(操作部)と、各運転の実行の際に所定の情報を表示する表示部等を備えている。ユーザによる乾燥機リモコン2Rの操作部の操作等に応じてコントローラ2aが浴室乾燥機2の動作(運転)を制御する。
【0033】
24時間換気運転は、換気ファン23を常時駆動して換気を行う運転モードであり、所定の条件の発生によって一時停止されることはある。例えば、24時間換気運転中に、暖房運転、乾燥運転、換気運転等の他の運転の操作ボタンが押されると、押された操作ボタンの運転が優先して実行され、その運転が終了するまで、24時間換気運転は一時停止される。なお、換気運転は、24時間換気運転よりも大きな風量で換気ファン23を駆動して換気が行われる。
【0034】
図3は、図1に示す浴室乾燥機2の動作の一例を示すフローチャートである。この図3に示すフローチャートの処理は、浴室乾燥機2のコントローラ2aによって所定の周期(例えば100msの周期)で繰り返し実行される。また、人感センサ4の検知結果情報は、例えば、検知結果(人の有無)に変化があると、温水熱源機3のコントローラ3aから浴室乾燥機2のコントローラ2aへ送信され、コントローラ2aでは、直近(最新)の検知結果情報を記憶している。
【0035】
ここでは、ユーザが、乾燥機リモコン2Rの「24時間換気」ボタンを押して、24時間換気運転が実行される場合の例を説明する。24時間換気運転が実行されると、コントローラ2aは、シャッタ17を開いて換気ファン23を駆動させる。なお、24時間換気運転を停止(完全停止)させる場合には、例えば、「24時間換気」ボタンを数秒間、長押しすればよい。
【0036】
また、コントローラ2aは、第1タイマ及び第2タイマを備えている。第1タイマでは、浴室100の24時間換気運転(浴室換気運転)を一時停止中に、人感センサ4によって浴室100内に人が継続して検知される時間を計測し、第2タイマでは、浴室100の24時間換気運転を一時停止中に、人感センサ4によって浴室100内に人が継続して検知されない時間を計測する。
【0037】
コントローラ2aは、ステップS1で24時間換気運転中であるか否かを判定し、24時間換気運転中であれば、ステップS2で第1タイマをクリアする(第1タイマのカウント値(T1)を0にする)とともに、ステップS3で第2タイマをクリアする(第2タイマのカウント値(T2)を0にする)。
【0038】
そして次のステップS4で、人感センサ4の直近の検知結果情報に基づき、浴室100内に人が検知されている場合には、浴室100の24時間換気運転の一時停止を実行する(ステップS5)。本例では、シャッタ17を閉じる。これにより、浴室100の換気は停止され、浴室100以外の他の部屋の換気は継続される。なお、前述した浴室100のみの換気が可能な一室換気構成の場合には、換気ファン23を停止させる。いずれにせよ、ここでの24時間換気運転の一時停止は、浴室100の24時間換気運転(浴室換気運転)を一時停止させることである。
【0039】
一方、ステップS4で、浴室100内に人が検知されている場合には何もせず、次のサイクルでステップS1からの処理が繰り返される。
【0040】
そして、ステップS1の判定がNoの場合であって、ステップS10で24時間換気運転が一時停止中の場合には、人感センサ4の直近の検知結果情報に基づき、浴室100内に人が検知されているか否かを判定する(ステップS11)。
【0041】
ステップS11で人が検知されていれば、第2タイマをクリアし(ステップS12)、第1タイマのカウント値T1をアップ(1増加)する(ステップS13)。
【0042】
次に、第1タイマのカウント値T1が所定の値A以上であるか否かを判定し(ステップS14)、カウント値T1が所定の値A以上になれば(すなわち、カウント値T1が所定の値Aに達すると)24時間換気運転を再開する(ステップS15)。この24時間換気運転の再開は、本例では、シャッタ17を開ける。なお、前述の一室換気構成の場合には、換気ファン23を駆動させる。
【0043】
ここでは、浴室100の24時間換気運転を一時停止中に、人感センサ4によって浴室100内に人が継続して検知される時間を第1タイマで計測し、この計測時間(人が継続して検知される時間)が、第1の所定時間(例えば6時間)に達すると、24時間換気運転(浴室換気運転)を再開するようにしている。上記所定の値Aは、第1の所定時間(例えば6時間)に相当する値であり、第1の所定時間は、その時間の間、人感センサ4によって浴室100内に人が継続して検知された場合に、人感センサ4の検知結果が異常であると予め想定された時間である。これにより、例えば、人感センサ4が人を検知した状態を保持した状態で故障が生じた場合でも、第1の所定時間が経過すると浴室乾燥機2の一時停止中の浴室換気運転を自動的に再開することができる。また、温水熱源機3のコントローラ3aから浴室乾燥機2のコントローラ2aへ人感センサ4の人を検知していることを示す検知結果情報を送信した後、コントローラ3a,2a間の通信が不能になった場合でも、第1の所定時間が経過すると浴室乾燥機2の一時停止中の浴室換気運転を自動的に再開することができる。
【0044】
また、コントローラ2aは、第1タイマのカウント値T1が所定の値A以上になれば、24時間換気運転を再開する(ステップS15)とともに、例えば人感センサ4が異常(故障)である旨または人感センサ4の検知結果情報が異常(誤り)である旨を示す異常情報を温水熱源機3のコントローラ3aへ送信し、さらにコントローラ3aから浴室リモコン3Rへ送信し、上記異常情報を浴室リモコン3Rに報知させるようにしてもよい。また、コントローラ2aは、上記異常情報を乾燥機リモコン2Rへ送信し、乾燥機リモコン2Rに報知させるようにしてもよい。浴室リモコン3Rおよび/または乾燥機リモコン2Rによる上記異常情報の報知は、例えば表示部にエラーコード等を表示することで実施することができる。
【0045】
一方、ステップS11で人が検知されていなければ、第1タイマをクリアし(ステップS16)、第2タイマのカウント値T2をアップ(1増加)する(ステップS17)。
【0046】
次に、第2タイマのカウント値T2が所定の値B以上であるか否かを判定し(ステップS18)、カウント値T2が所定の値B以上になれば(すなわち、カウント値T2が所定の値Bに達すると)24時間換気運転を再開する(ステップS19)。このステップS19の処理は、ステップS15の処理と同じである。
【0047】
ここでは、浴室100の24時間換気運転を一時停止中に、人感センサ4によって浴室100内に人が継続して検知されない時間を第2タイマで計測し、この計測時間(人が継続して検知されない時間)が、第2の所定時間(例えば1時間)に達すると、24時間換気運転(浴室換気運転)を再開するようにしている。上記所定の値Bは、第2の所定時間(例えば1時間)に相当する値である。人感センサ4は人の動きを検知することにより人を検知するので、例えば、入浴者が浴槽101に浸かって動かないときに人感センサ4が人を検知しなかった場合でも、第2の所定時間が経過する前までは浴室換気運転の一時停止を継続することができ、入浴者が肌寒さを感じるのを防止できる。また、複数の入浴者が断続的に入浴する場合に、浴室換気運転の一時停止を継続することができ、浴室100内の温度および浴槽101の湯水の温度の低下を防止できる。
【0048】
また、不要なタイミングで浴室換気運転の一時停止が解除されて同運転が再開されないようにするため、第2タイマに関し、次のような手段を講じることができる。ユーザ自身が例えば乾燥機リモコン2Rの操作部または浴室リモコン3Rの操作部等に対し、所定の操作を行うことによって、所定の値Bを適当な値に可変設定できるように構成してもよい。また、人感センサ4による実際の人の検出/非検出のタイミングのパターンをコントローラ2a、3a、又は浴室リモコン3Rの制御部等に学習させることにより、所定の値Bが自動的に可変設定されるように構成してもよい。
【0049】
なお、ステップS10の判定がNoとなる場合は、乾燥機リモコン2Rの「24時間換気」ボタンが数秒間、長押しされて、24時間換気運転が停止(完全停止)されている場合である。
【0050】
上記では、第1タイマ及び第2タイマにアップカウンタを用いているが、ダウンカウンタを用いるようにしてもよい。
【0051】
なお、本実施形態において、浴室乾燥機2のコントローラ2aが第2タイマを備えていない構成としてもよい。この場合、例えば、図3において、第2タイマに関する処理(ステップS3,S12,S17,S18)が省略され、24時間換気運転(浴室換気運転)の一時停止中に、ステップS11で人が検知されていなければ、第1タイマをクリアし、24時間換気運転を再開するようにすればよい。
【0052】
また、人感センサ4は、浴室リモコン3Rとは別個に設けられていてもよい。この場合、人感センサ4の検知結果情報が人感センサ4から温水熱源機3のコントローラ3aへ送信され、コントローラ3aから浴室乾燥機2のコントローラ2aへ送信されるように構成してもよい。また、人感センサを浴室乾燥機2を含む乾燥機システムの一要素として設け、人感センサの検知結果情報が人感センサから浴室乾燥機2のコントローラ2aへ直接送信されるように構成してもよい。本実施形態のように、温水熱源機3の浴室リモコン3Rに備えられた人感センサ4の検知結果の情報を用いて、浴室乾燥機2の24時間換気運転の一時停止及び運転再開の制御を行うことにより、乾燥機システムに人感センサを備えなくてもよい。
【0053】
また、浴室乾燥機2のコントローラ2aから温水熱源機3のコントローラ3aへ24時間換気運転(浴室換気運転)の実施情報を送信するようにし、温水熱源機3のコントローラ3aが前述の第1タイマ及び第2タイマを備えて、図3に示すフローチャートの処理を実行するようにしてもよい。この場合、ステップS5では24時間換気運転の一時停止の指令情報をコントローラ3aからコントローラ2aへ送信するようにし、ステップS15,S19では24時間換気運転の再開の指令情報をコントローラ3aからコントローラ2aへ送信するようにすればよい。また、この場合においても、コントローラ3aが第2タイマを備えていない構成としてもよい。
【0054】
なお、温水熱源機3は、燃焼加熱式のものに限らず、例えば、貯湯式の給湯装置を用いることもできる。
【0055】
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、浴室内の人の有無を検知するセンサに故障が生じた場合でも、浴室乾燥機の一時停止中の浴室換気運転を自動的に再開することができる浴室システム等として有用である。
【符号の説明】
【0057】
1 浴室システム
2 浴室乾燥機
3 温水熱源機
4 人感センサ
100 浴室
図1
図2
図3