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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022092367
(43)【公開日】2022-06-22
(54)【発明の名称】プレート式熱交換器
(51)【国際特許分類】
   F28F 3/08 20060101AFI20220615BHJP
   F28F 21/08 20060101ALI20220615BHJP
   F28F 9/02 20060101ALI20220615BHJP
【FI】
F28F3/08 311
F28F21/08 F
F28F9/02 301Z
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020205145
(22)【出願日】2020-12-10
(71)【出願人】
【識別番号】000152480
【氏名又は名称】株式会社日阪製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】特許業務法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】塩尻 南央
(72)【発明者】
【氏名】山口 要
(72)【発明者】
【氏名】四方 智浩
(57)【要約】
【課題】銅配管をノズルに容易且つ安定してろう付でき、ろう付部の強度が十分な状態で接続可能なプレート式熱交換器を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、複数の伝熱プレートを有するプレート積層部と、流体をプレート積層部に流入させ又はプレート積層部から流出させる筒状のノズルと、を備え、ノズルは、プレート積層部から延びる筒状の第一筒状部と、第一筒状部の内周面又は外周面に対して固定されている筒状の第二筒状部と、第二筒状部における第一筒状部が位置する側と反対側の周面である内周面又は外周面を覆うことで該ノズルの内周面又は外周面の少なくとも一部を構成する筒状の第三筒状部と、を有し、第三筒状部は、銅又は第一の銅合金によって構成され、第二筒状部は、第三筒状部より融点の高い第二の銅合金によって構成されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
重ね合わされた複数の伝熱プレートを有するプレート積層部と、
隣り合う二つの伝熱プレートのプレート間を流れる流体を前記プレート積層部に流入させ又は前記プレート積層部から流出させる筒状のノズルと、を備え、
前記ノズルは、
前記プレート積層部から延びる筒状の第一筒状部と、
前記第一筒状部の内周面又は外周面に対して固定されている筒状の第二筒状部と、
前記第二筒状部における前記第一筒状部が位置する側と反対側の周面である内周面又は外周面を覆うことで該ノズルの内周面又は外周面の少なくとも一部を構成する筒状の第三筒状部と、を有し、
前記第三筒状部は、銅又は第一の銅合金によって構成され、
前記第二筒状部は、前記第三筒状部より融点の高い第二の銅合金によって構成されている、
プレート式熱交換器。
【請求項2】
前記第一筒状部は、前記第二筒状部より引張強さの大きい素材によって構成されている、請求項1に記載のプレート式熱交換器。
【請求項3】
前記第三筒状部は、前記第一筒状部の延びる方向である延伸方向において、前記第二筒状部の内周面又は外周面における少なくとも先端側の端部を含む領域を覆うと共に、前記第二筒状部における前記延伸方向の先端側の端面を覆う、請求項1に記載のプレート式熱交換器。
【請求項4】
前記第二の銅合金は、銅ニッケル合金であり、
前記第三筒状部は、前記銅によって構成され且つ前記第二筒状部より薄い、請求項1~3のいずれか1項に記載のプレート式熱交換器。
【請求項5】
前記第一筒状部と前記第二筒状部と前記第三筒状部とのそれぞれは、円筒形であり、
前記第一筒状部は、
該第一筒状部の延びる方向である延伸方向において、該第一筒状部の内周面又は外周面における前記第二筒状部の基端位置より基端側の位置に配置される第一部位と、
該第一部位に対して前記延伸方向の基端側に隣接する第二部位と、を有し、
前記第一部位は、前記第一筒状部の内周面側に位置する前記第二筒状部の内径より大きな内径、又は前記第一筒状部の外周面側に位置する前記第二筒状部の外径より小さな外径を有し、
前記第二部位は、前記第一筒状部の内周面側に位置する前記第二筒状部の内径より小さな内径、又は前記第一筒状部の外周面側に位置する前記第二筒状部の外径より大きな外径を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載のプレート式熱交換器。
【請求項6】
重ね合わされた複数の伝熱プレートを有するプレート積層部と、
隣り合う二つの伝熱プレートのプレート間を流れる流体を前記プレート積層部に流入させ又は前記プレート積層部から流出させる筒状のノズルと、を備え、
前記ノズルは、
前記プレート積層部から延びる筒状の第一筒状部と、
前記第一筒状部の内周面又は外周面に対して固定されている筒状の第二筒状部と、
前記第二筒状部における前記第一筒状部が位置する側と反対側の周面である内周面又は外周面を覆うことで該ノズルの内周面又は外周面の少なくとも一部を構成する筒状の第三筒状部と、を有し、
前記第二筒状部は、銅ニッケル合金によって構成され、
前記第三筒状部は、銅によって構成されている、
プレート式熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の伝熱プレートが重ね合わされたプレート積層部に流体を流入させ又はプレート積層部から流体を流出させるノズルを備えたプレート式熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の伝熱プレートが重ね合わされたプレート積層部と、隣り合う二つの伝熱プレートのプレート間を流れる流体をプレート積層部に流入させ又はプレート積層部から流出させる筒状のノズルと、を備えたプレート式熱交換器が知られている。このような熱交換器において、強度や腐食等の観点から、例えば、伝熱プレート及びノズルがステンレスによって形成されている場合がある。
【0003】
一般に、ステンレスと銅とのような異種金属同士の溶接やろう付は困難であるため、この熱交換器のノズルに銅製の配管(銅配管)が接続されるときには、ノズルの表面(ろう付面)に銅被膜を形成した上で、この銅被膜が形成された部位と、銅配管とがりん銅ろう等のろう材を用いてろう付されていた(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000-105090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ステンレスに対する銅の固溶率が低いため、ステンレスの表面における溶けた銅の流動性が高く、これにより、ノズルの表面(ろう付面)に銅を被覆する際に該表面において液化した銅の流れを制御することが困難であるため、銅がノズルの表面から流れ落ちてしまうなど、ノズル表面(ステンレス)が露出した領域が無いように被覆面(ろう付面)全体に一様に広がる銅被覆を安定して行うことは困難であった。
【0006】
ろう付面(被覆面)においてノズルの表面(ステンレス)の露出した領域が生じると、ノズルと銅配管をろう付したときに、ろう付面(被覆面)においてステンレスの露出がない場合に比べて、ステンレスの強固な酸化被膜の影響でろうがのらず、ろう付部の気密性や強度が確保されない。
【0007】
このように、ノズルの表面を銅被覆したステンレス製のノズルを備えたプレート式熱交換器において、安定してろう付することが困難であり、ろう付部の強度や気密性が低下する問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、銅配管をノズルに容易且つ安定してろう付でき、ろう付部の強度が十分な状態で接続可能なプレート式熱交換器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のプレート式熱交換器は、
重ね合わされた複数の伝熱プレートを有するプレート積層部と、
隣り合う二つの伝熱プレートのプレート間を流れる流体を前記プレート積層部に流入させ又は前記プレート積層部から流出させる筒状のノズルと、を備え、
前記ノズルは、
前記プレート積層部から延びる筒状の第一筒状部と、
前記第一筒状部の内周面又は外周面に対して固定されている筒状の第二筒状部と、
前記第二筒状部における前記第一筒状部が位置する側と反対側の周面である内周面又は外周面を覆うことで該ノズルの内周面又は外周面の少なくとも一部を構成する筒状の第三筒状部と、を有し、
前記第三筒状部は、銅又は第一の銅合金によって構成され、
前記第二筒状部は、前記第三筒状部より融点の高い第二の銅合金によって構成されている。
【0010】
かかる構成によれば、プレート積層部から延びる第一筒状部が銅配管を接続し難い素材によって形成されていても、ろう付面であるノズルの内周面又は外周面が第三筒状部(即ち、銅又は銅合金)によって構成されているため、ノズルと銅配管とは、りん銅ろう等のろう材を用いたろう付を容易且つ安定してでき、これにより、ろう付部の気密性や強度が十分な状態で接続できる。
【0011】
前記プレート式熱交換器では、
前記第一筒状部は、前記第二筒状部より引張強さの大きい素材によって構成されてもよい。
【0012】
かかる構成によれば、第二筒状部の厚さ寸法を抑えても、第一筒状部によってノズルの強度を確保することができる、即ち、ノズルの強度を確保しつつ該ノズルの肉厚を抑えることができる。
【0013】
また、前記プレート式熱交換器では、
前記第三筒状部は、前記第一筒状部の延びる方向である延伸方向において、前記第二筒状部の内周面又は外周面における少なくとも先端側の端部を含む領域を覆うと共に、前記第三筒状部における前記延伸方向の先端側の端面を覆ってもよい。
【0014】
かかる構成によれば、延伸方向において第三筒状部が第二筒状部の内周面又は外周面における先端側の端部を含む領域を覆っているため、ノズル内に銅配管を挿入した状態又はノズルを銅配管内に挿入した状態でノズルの先端側から該ノズルと銅配管との間にろう材が流れ込むようにろう付することで、第三筒状部と銅配管とのろう付面積が確保され易く、これにより、ノズルと銅配管とのろう付によるろう付部の気密性や強度が確保し易くなる。
【0015】
しかも、延伸方向における第二筒状部の先端面も第三筒状部で覆われていることで、該部位もノズルと銅配管とのろう付に利用できるため(例えば、図6参照)、ノズルにおける銅配管とのろう付面の面積が増大し、これにより、ノズルと銅配管とのろう付でのろう付部の気密性や強度がより向上する。
【0016】
また、前記プレート式熱交換器では、
前記第二の銅合金は、銅ニッケル合金であり、
前記第三筒状部は、前記銅によって構成され且つ前記第二筒状部より薄くてもよい。
【0017】
かかる構成によれば、第二筒状部の内周面又は外周面に第三筒状部が形成又は取り付けされる際等の熱によって第二筒状部のニッケルが第三筒状部に拡散していたとしても、第三筒状部が第二筒状部より薄いことで第三筒状部に拡散するニッケルの量が抑えられ、これにより、第二筒状部が含有するニッケルの低下に起因する第二筒状部の融点の低下が抑えられ、その結果、第二筒状部の内周面又は外周面に第三筒状部が形成又は取り付けられる際等の熱に起因する第二筒状部の変形等が防がれる。
【0018】
また、前記プレート式熱交換器では、
前記第一筒状部と前記第二筒状部と前記第三筒状部とのそれぞれは、円筒形であり、
前記第一筒状部は、
該第一筒状部の延びる方向である延伸方向において、該第一筒状部の内周面又は外周面における前記第二筒状部の基端位置より基端側の位置に配置される第一部位と、
該第一部位に対して前記延伸方向の基端側に隣接する第二部位と、を有し、
前記第一部位は、前記第一筒状部の内周面側に位置する前記第二筒状部の内径より大きな内径、又は前記第一筒状部の外周面側に位置する前記第二筒状部の外径より小さな外径を有し、
前記第二部位は、前記第一筒状部の内周面側に位置する前記第二筒状部の内径より小さな内径、又は前記第一筒状部の外周面側に位置する前記第二筒状部の外径より大きな外径を有してもよい。
【0019】
かかる構成によれば、ろう付の際に、ノズル内に銅配管を挿入した状態又はノズルを銅配管内に挿入した状態でノズルの先端側から該ノズル(第三筒状部)と銅配管との間に流れ込んだろう材のうちの余ったものが、ノズルの内周面又は外周面に形成された凹部(延伸方向における第一部位と対応する部位)に流れ込むことで(例えば、図6参照)、プレート積層部内に流れ込むのを防ぐことができる。
【0020】
また、ノズル内に銅配管を挿入した状態又はノズルを銅配管内に挿入した状態で銅配管の先端をノズルの内周面又は外周面に形成された凸部や段差面(第二部位)等に当接させることで(例えば、図6参照)、ろう付の際のノズルに対する銅配管の延伸方向の位置決めが容易になる。
【0021】
また、本発明のプレート式熱交換器は、
重ね合わされた複数の伝熱プレートを有するプレート積層部と、
隣り合う二つの伝熱プレートのプレート間を流れる流体を前記プレート積層部に流入させ又は前記プレート積層部から流出させる筒状のノズルと、を備え、
前記ノズルは、
前記プレート積層部から延びる筒状の第一筒状部と、
前記第一筒状部の内周面又は外周面に対して固定されている筒状の第二筒状部と、
前記第二筒状部における前記第一筒状部が位置する側と反対側の周面である内周面又は外周面を覆うことで該ノズルの内周面又は外周面の少なくとも一部を構成する筒状の第三筒状部と、を有し、
前記第二筒状部は、銅ニッケル合金によって構成され、
前記第三筒状部は、銅によって構成されている。
【0022】
かかる構成によれば、プレート積層部から延びるノズル本体が銅配管を接続し難い素材によって形成されていても、ろう付面であるノズルの内周面又は外周面が銅によって構成されているため、ノズルと銅配管とは、りん銅ろう等のろう材を用いたろう付を容易且つ安定してでき、これにより、ろう付部の気密性や強度が十分な状態で接続できる。
【発明の効果】
【0023】
以上より、本発明によれば、銅配管をノズルに容易且つ安定してろう付でき、ろう付部の強度が十分な状態で接続可能なプレート式熱交換器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、本実施形態に係るプレート式熱交換器の斜視図である。
図2図2は、前記プレート式熱交換器の正面図である。
図3図3は、前記プレート式熱交換器の分解斜視図である。
図4図4は、図2のIV-IV位置におけるノズルの断面図である。
図5図5は、図4における第一筒状部の基端部及びその周辺の拡大図である。
図6図6は、前記ノズルと銅配管との接続方法を説明するための模式図である。
図7図7は、他実施形態に係るノズルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の一実施形態について、図1図6を参照しつつ説明する。
【0026】
本実施形態に係るプレート式熱交換器(以下、単に「熱交換器」とも称する。)は、図1図3に示すように、複数の伝熱プレート3を有するプレート積層部2と、流体A、Bをプレート積層部2に流入させ又はプレート積層部2から流出させる筒状のノズル5と、を備える。この熱交換器1は、複数(本実施形態の例では、四つ)のノズル5を備える。
【0027】
プレート積層部2は、所定方向に重ね合わされた複数の伝熱プレート3と、複数の伝熱プレート3を前記所定方向の外側から挟み込む一対のフレームプレート4と、を有する。このプレート積層部2では、重ね合わされた複数の伝熱プレート3のうちの隣り合う二つの伝熱プレート3のプレート間のそれぞれに、流体A、Bの流通可能な流路Ra、Rbが形成されている。即ち、プレート積層部2は、流体A、Bの流通可能な複数の流路Ra、Rbを有する。
【0028】
本実施形態のプレート積層部2は、三つ以上の矩形状の伝熱プレート3を備え、これら三つ以上の伝熱プレート3は、二種類の伝熱プレート3a、3bを含む。プレート積層部2では、これら二種類の伝熱プレート3a、3bが交互に重ね合わされている。以下の説明では、伝熱プレート3が重ね合わされる方向(所定方向)を直交座標系のX軸方向とし、伝熱プレート3の短辺方向を直交座標系のY軸方向とし、伝熱プレート3の長辺方向を直交座標系のZ軸方向とする。
【0029】
複数の伝熱プレート3のそれぞれは、X軸方向(伝熱プレート3の重ね合わせ方向)と直交する方向に広がり且つX軸方向に厚みを有する板状の伝熱部31と、伝熱部31の外周縁の全域から該伝熱部31と面交差する方向に延出する環状の嵌合部32と、を備える。伝熱プレート3は、例えば、ステンレス、チタン、アルミニウム等の金属プレート(薄板)がプレス成型されることによって形成されており、本実施形態の伝熱プレート3は、ステンレス製である。
【0030】
伝熱部31は、X軸方向から見てZ軸方向に長尺な矩形状であり、両面にそれぞれ配置される複数の凹部及び複数の凸部と、複数の開口部を有する。本実施形態の伝熱部31は、四隅のそれぞれに開口部(第一開口部311、第二開口部312、第三開口部313、及び第四開口部314)を有する(図3参照)。
【0031】
以上のように構成される複数の伝熱プレート3のそれぞれは、X軸方向に隣り合う二つの伝熱プレート3のうちの一方の伝熱プレート3a、3bの嵌合部32が、他方の伝熱プレート3b、3aの嵌合部32に外嵌されるようにX軸方向に重ね合わされることで、伝熱プレート群を構成する。この伝熱プレート群では、外嵌された嵌合部32同士が、例えば、銅ろう等のろう材によってろう付されており、隣り合う二つの伝熱プレート3のプレート間は、開口部311、312、313、314を除いて密封されている。これにより、プレート積層部2では、第一流体AをZ軸方向に流通させる第一流路Raが、隣り合う二つの伝熱プレート3b、3aのプレート間に形成され、第二流体BをZ軸方向に流通させる第二流路Rbが、隣り合う二つの伝熱プレート3a、3bのプレート間に形成される。また、プレート積層部2において、対応する(X軸方向から見て重なる位置の)開口部311、312、313、314同士がX軸方向に連なることで、それぞれがX軸方向に延びる第一流入路Pa1、第一流出路Pa2、第二流入路Pb1、及び第二流出路Pb2が形成されている。
【0032】
第一流入路Pa1は、プレート積層部2の各流路Ra、Rbのうちの第一流路Raのみと連通し、プレート積層部2の外部から供給された第一流体Aを各第一流路Raに流入させる。また、第一流出路Pa2は、プレート積層部2の各流路Ra、Rbのうちの第一流路Raのみと連通し、各第一流路Raを流れた第一流体Aをプレート積層部2の外部に流出させる。また、第二流入路Pb1は、プレート積層部2の各流路Ra、Rbのうちの第二流路Rbのみと連通し、プレート積層部2の外部から供給された第二流体Bを各第二流路Rbに流入させる。また、第二流出路Pb2は、プレート積層部2の各流路Ra、Rbのうちの第二流路Rbのみと連通し、各第二流路Rbを流れた第二流体Bをプレート積層部2の外部に流出させる。
【0033】
一対のフレームプレート4のそれぞれは、伝熱プレート3より厚く、プレート積層部2の強度を確保している。具体的に、一対のフレームプレート4のうちの一方のフレームプレート4Aは、X軸方向と直交する方向に広がる厚板状のプレート本体41Aと、プレート本体41Aの外周縁の全域から該プレート本体41Aと面交差する方向に延出するフレーム嵌合部42Aと、各流路Ra1、Ra2、Rb1、Rb2と対応する位置に設けられた複数の貫通孔43Aと、を有する。また、一対のフレームプレート4のうちの他方のフレームプレート4Bは、X軸方向と直交する方向に広がる厚板状のプレート本体41Bと、プレート本体41Bの外周縁の全域から該プレート本体41Bと面交差する方向に延出するフレーム嵌合部42Bと、を有する。これら各フレームプレート4A、4Bは、ステンレス、チタン、アルミニウム等によって構成されており、本実施形態のフレームプレート4A、4Bは、ステンレス製である。
【0034】
プレート積層部2において、一方のフレームプレート4Aのフレーム嵌合部42Aは、伝熱プレート群における該フレームプレート4Aと隣り合う伝熱プレート3bの嵌合部32に外嵌されるようにX軸方向に重ね合わされ、他方のフレームプレート4Bのフレーム嵌合部42Bは、伝熱プレート群における該フレームプレート4Bと隣り合う伝熱プレート3aの嵌合部32が外嵌されるようにX軸方向に重ね合わされている。これら外嵌しているフレーム嵌合部42A、42Bと伝熱プレート3の嵌合部32とは、伝熱プレート群での嵌合部32同士のろう付と同様に、例えば、りん銅ろう等のろう材によってろう付されている。
【0035】
複数のノズル5は、プレート積層部2の各流路(第一流入路Pa1、第一流出路Pa2、第二流入路Pb1、第二流出路Pb2)と対応する位置に配置される。各ノズル5は、X軸方向に延びる中空部Sを囲む筒状であり、該中空部Sは、対応する流路(第一流入路Pa1、第一流出路Pa2、第二流入路Pb1、第二流出路Pb2)と連通する。これら複数のノズル5は、それぞれ同じ構成を有するため、以下では、一つのノズル(第一流入路Pa1と対応する位置のノズル)5の構成について詳細に説明する。
【0036】
ノズル5は、図4及び図5にも示すように、プレート積層部2(詳しくは、フレームプレート4A)から延びる筒状の第一筒状部50と、第一筒状部50の内周面50aに対して固定されている筒状の第二筒状部51と、第二筒状部51の内周面51aを覆うことで該ノズル5の内周面5aの少なくとも一部を構成する筒状の第三筒状部52と、を有する。本実施形態のノズル5は、円筒状である。
【0037】
第一筒状部50は、X軸方向に延びる仮想中心線Cを中心にして該仮想中心線Cを囲む円筒状の筒部501と、筒部501の基端部(プレート積層部2側の端部)から径方向外側に広がる鍔部502と、を有する。この第一筒状部50は、ステンレス製である。筒部501の外径φ0は、X軸方向の各位置において一定である。
【0038】
この第一筒状部50(筒部501)の内周面50aは、第二筒状部51が固定される固定部501aと、固定部501aより内径の小さな第一段差部502aと、第一段差部502aより内径の小さな第二段差部503aと、を含む。これら固定部501aと第一段差部502aと第二段差部503aとは、第一筒状部50の先端から基端に向けて順に並んでいる。
【0039】
固定部501aのX軸方向の各位置における内径φ1は、一定である。この固定部501aのX軸方向の寸法α2は、筒部501のX軸方向の寸法α1の1/2より大きい。
【0040】
第一段差部502aは、X軸方向の各位置における内径φ2が一定で且つ固定部501aの内径φ1より小さな内径φ2の第一部位5021aと、第一部位5021aと固定部501aとを接続する第一段差面5022aと、を有する。この第一段差面5022aは、X軸方向と直交する方向に広がる面である。
【0041】
第二段差部503aは、X軸方向の各位置における内径φ3が一定で且つ第一部位5021aより内径φ2より小さな内径φ3の第二部位5031aと、第二部位5031aと第一部位5021aとを接続する第二段差面5032aと、を有する。この第二段差面5032aは、X軸方向と直交する方向に広がる面である。
【0042】
第二筒状部51は、第三筒状部52より融点の高い銅合金(第二の銅合金)によって構成されている。本実施形態の第二筒状部51は、銅ニッケル合金によって構成されている。具体的に、第二筒状部51は、ニッケル含有率が5~40%の銅ニッケル合金によって構成され、本実施形態の第二筒状部51は、ニッケル含有率が29~33%のキュプロニッケル(白銅)によって構成されている。
【0043】
この第二筒状部51は、第一筒状部50の内周面50aにおける固定部501aに沿って(覆うように)配置されている。具体的に、第二筒状部51は、X軸方向の各位置における外径φ4が同じで且つ厚さT1が一定の円筒形の部材である。この第二筒状部51の外径φ4は、第一筒状部50の固定部501aの内径φ1と同じ若しくは僅かに小さい。即ち、第二筒状部51は、第一筒状部50の固定部501aに挿入可能な外径φ4を有する。また、第二筒状部51の先端は、X軸方向において第一筒状部50(筒部501)の先端と同じ位置であり、第二筒状部51の基端は、第一筒状部50の第一段差面5022aと当接又は近接している。
【0044】
本実施形態の第二筒状部51と第一筒状部50の内周面50a(詳しくは、固定部501a及び第一段差面5022a)との間には、銅の薄膜(銅の層)53が形成されており、これにより、第一筒状部50の内周面50aに対して第二筒状部51が固定(接続)されている。この銅の薄膜53は、第二筒状部51の内周面51aに第三筒状部52を形成する際に形成される。また、銅の薄膜53が形成されていることで、第二筒状部51の基端は、第一筒状部50の第一段差面5022aと該薄膜53を介して当接し、第二筒状部51の外周面51bは、第一筒状部50の固定部501aと銅の薄膜53を介して当接する。
【0045】
尚、第一段差部502aの第一部位5021aにも、銅の膜(銅の層)54が形成されており、この銅の膜54は、第二筒状部51と第一筒状部50の内周面50aとの間に形成された銅の薄膜53と、一体である(繋がっている)。
【0046】
第二筒状部51において、外径φ4は、第一段差部502aの第一部位5021aの内径φ2より大きく、且つ、内径φ5は、第一段差部502aの第一部位5021aの内径φ2より小さい。また、内径φ5は、第二段差部503aの第二部位5031aの内径φ3より大きい。
【0047】
第二筒状部51が上記の各寸法を有することで、ノズル5の内周面5aには、第一筒状部50の内周面50aにおける第二筒状部51の基端位置より基端側の位置に、周方向に延びる凹部(第一部位5021aと対応する(又は含む)部位)55が形成され、該凹部55に対してX軸方向の基端側に隣接する位置に、周方向に延びる凸部(第二部位5031aと対応する(又は含む)部位)56が形成される。
【0048】
第三筒状部52は、第二筒状部51より融点の低い銅合金(第一の銅合金:例えば、ニッケル、スズ、銀等)によって構成されている。本実施形態の第三筒状部52は、銅によって構成されている。尚、本実施形態の第三筒状部52は、後述するように、第二筒状部51の内周面51aに配置(形成)される際に、第二筒状部51から拡散したニッケルを僅かに含んでいる。
【0049】
この第三筒状部52は、X軸方向(延伸方向)において、第二筒状部51の内周面51aにおける少なくとも先端側の端部を含む領域を覆うと共に、第二筒状部51におけるX軸方向の先端側の端面(先端面)51cを覆っている。本実施形態の第三筒状部52は、第一筒状部50の先端面50cも覆っている。
【0050】
また、第三筒状部52は、第二筒状部51より薄い。本実施形態の第三筒状部52は、X軸方向(延伸方向)における第二筒状部51の内周面51aの全域、及び、第二筒状部51の先端面51cを覆う銅被膜(銅の薄膜)によって構成されている。
【0051】
以上のように構成されるノズル5は、例えば、以下のようにして形成される。
【0052】
先ず、第一筒状部50の先端側の端面(先端面)50cが、上方を向くように、第一筒状部50が配置される。このとき、第一筒状部50は、プレート積層部2(詳しくは、フレームプレート4A)の各流入路Pa1、Pb1及び各流出路Pa2、Pb2と対応する位置に、溶接等によって固定された状態でもよく、第一筒状部50のみ(単体)であってもよい。
【0053】
次に、第二筒状部51が第一筒状部50の内周面50a(詳しくは、固定部501a)に沿って挿入又は圧入される。このとき、第二筒状部51の基端が第一段差面5022aに当接するまで、第二筒状部51が第一筒状部50に挿入又は圧入される。本実施形態のノズル5では、第二筒状部51の基端が第一段差面5022aに当接したときに、第二筒状部51の先端がX軸方向において第一筒状部50の先端と同じ位置となる。
【0054】
続いて、第三筒状部52が第二筒状部51の内周面51aを覆うように配置される。本実施形態のノズル5の製造方法では、第二筒状部51の内周面51a及び先端面51cに銅被膜が形成され、この銅被膜が第三筒状部52を構成する。具体的には、加熱により液化した銅(純銅)が第二筒状部51の内周面51a及び先端面51cに沿って流れることで銅被膜(第三筒状部52)が形成される。
【0055】
この銅被膜(第三筒状部52)の形成時において、液化した純銅と銅・ニッケル合金とでは相互に固溶率が大きいため、第二筒状部51に含まれるニッケルの一部が液化した銅で拡散し、これにより、液化した銅の内周面51aでの流動性が低下することで、内周面51aから流れ落ち難くなる。このため、先端面51cを上方に向けた姿勢で配置されている第二筒状部51の内周面51aの全域を覆うように安定して銅被膜(第二筒状部)を形成し易くなる。
【0056】
また、この銅被膜(第三筒状部52)の形成時において、余剰分の銅は、第二筒状部51の基端の直ぐ下側に形成されている凹部55に流れ込む。この流れ込んだ銅(液化した銅)の一部は、毛細管現象によって、第一筒状部50と第二筒状部51との間(隙間)に流れ込み、第二筒状部51と、第一筒状部50の内周面50a(詳しくは、固定部501a及び第一段差面5022a)との間に銅の薄膜(銅の層)53が形成される。
【0057】
このノズル5に対しては、図6に示すように、銅配管7の先端(ノズル5への挿入方向の端部)がノズル5の内周面5aにおける凸部56(詳しくは、第二段差面5032a)に当接するまで銅配管7がノズル5の中空部Sに挿入された状態で、トーチ9等による加熱によって溶けたろう材8が、ノズル5の先端側からノズル5と銅配管7との間に流し込まれることで、ノズル5と銅配管7とが接続される。尚、本実施形態では、ノズル5と銅配管7との接続に用いられるろう材は、プレート積層部2において伝熱プレート3の嵌合部32同士をろう付する際に用いられたろう材と異なるが、同じものでもよい。
【0058】
以上の熱交換器1によれば、プレート積層部2から延びる第一筒状部50がステンレスのような銅配管を接続し難い素材によって形成されていても、ろう付面であるノズル5の内周面5aが第三筒状部(即ち、銅)52によって構成されているため、ノズル5と銅配管とは、りん銅ろう等のろう材を用いたろう付を容易且つ安定してでき、これにより、ろう付部の気密性や強度が十分な状態で接続できる。
【0059】
本実施形態の熱交換器1では、第一筒状部50が、第二筒状部51より引張強さの大きい素材によって構成されている。具体的には、第一筒状部50は、ステンレス製であり、第二筒状部51は、銅ニッケル合金製である。このため、第二筒状部51の厚さ寸法を抑えても、第一筒状部50によってノズル5の強度を確保することができる、即ち、銅や銅合金といった金属としては比較的引張強度の小さい素材を第二筒状部51に用いつつも、ノズル5の強度を確保しつつ肉厚を抑えることができる。このようにノズル5の肉厚が抑えられると、ノズル5と銅配管7とのろう付時に、加熱不足のリスクが低減され、安定してろう付を行うことができる。
【0060】
また、本実施形態の熱交換器1では、第三筒状部52が、X軸方向(第一筒状部50の延びる方向である延伸方向)において、第二筒状部51の内周面51aにおける少なくとも先端側の端部を含む領域を覆うと共に、第二筒状部51の先端面51cを覆っている。このように、X軸方向において第三筒状部52が第二筒状部51の内周面51aにおける先端側の端部を含む領域を覆っているため、ノズル5内に銅配管7を挿入した状態でノズル5の先端側から該ノズル5と銅配管7との間にろう材8が流れ込むようにろう付する(図6参照)ことで、第三筒状部52と銅配管とのろう付面積が確保され易く、これにより、ノズル5と銅配管7とのろう付によるろう付部の気密性や強度が安定して確保し易くなる。
【0061】
しかも、X軸方向における第二筒状部51の先端面51cも第三筒状部52で覆われていることで、該部位もノズル5と銅配管7とのろう付に利用できるため(例えば、図6参照)、ノズル5における銅配管7とのろう付面の面積が増大し、これにより、ノズル5と銅配管7とのろう付部の気密性や強度がより向上する。
【0062】
また、本実施形態の熱交換器1では、銅によって構成される第三筒状部52が、銅ニッケル合金によって構成される第二筒状部51より薄い。このため、第二筒状部51の内周面51aに第三筒状部52が形成又は取り付けされる際等の熱によって第二筒状部51のニッケルが第三筒状部52に拡散していたとしても、第三筒状部52が第二筒状部51より薄いことで第三筒状部52に拡散するニッケルの量が抑えられる。このように第三筒状部52の含有するニッケルが微量であるためりん銅ろう付性の低下に影響を及ぼさず、且つ、第二筒状部51が含有するニッケルの低下に起因する第二筒状部51の融点の低下が抑えられるため、第二筒状部51の内周面51aに第三筒状部52が形成又は取り付けされる際等の熱に起因する第二筒状部51の変形等が防がれる。
【0063】
また、本実施形態の熱交換器1では、第一筒状部50は、X軸方向において、該第一筒状部50の内周面50aにおける第二筒状部51の基端位置より基端側の位置に配置される第一部位5021aと、該第一部位5021aに対してX軸方向における基端側に隣接する第二部位5031aと、を有している。そして、第一部位5021aは、第二筒状部51の内径φ5より大きな内径φ2を有し、第二部位5031aは、第二筒状部51の内径φ5より小さな内径φ3を有している。これにより、ノズル5の内周面5aにおいて、第二筒状部51の基端より基端側の位置に、周方向に延びる凹部55が形成され、該凹部55に対してX軸方向において基端側に隣接する位置に、周方向に延びる凸部56が形成される。このため、ろう付の際に、ノズル5内に銅配管7を挿入した状態でノズル5の先端側から該ノズル5(第三筒状部52)と銅配管7との間に流れ込んだろう材のうちの余ったものが、表面張力等によってノズル5の内周面5aに形成された凹部55に流れ込むことで、該余ったろう材がプレート積層部2内に流れ込むのを防ぐことができる。また、ノズル5内に銅配管7を挿入した状態で銅配管7の先端をノズル5の内周面5aに形成された第二段差面5032aに当接させることで(図6参照)、ろう付の際のノズル5に対する銅配管7のX軸方向の位置決めが容易になる。
【0064】
尚、本発明のプレート式熱交換器は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
【0065】
上記実施形態の熱交換器1のノズル5には、銅配管7が内側(中空部S)に挿入された状態で接続されるが、この構成に限定されない。例えば図7に示すように、ノズル5が銅配管7の内側に挿入された状態、即ち、銅配管7がノズル5の外周面5bを囲った状態でノズル5に接続される構成でもよい。この場合、第二筒状部51は、第一筒状部50の外周面50bに対して固定され、第三筒状部52は、第二筒状部51の外周面51bを覆うことでノズル5の外周面5bの少なくとも一部を構成する。
【0066】
この構成において、ノズル5の外周面5bには、上記実施形態のノズル5の内周面5aに構成される凹部55及び凸部56と同様の効果が得られる凹部57と凸部58とが形成されていてもよい。この凹部57は、ノズル5の外周面5bにおいて、第一筒状部50の外周面5bにおける第一段差部502bの第一部位5021bと対応する(含む)部位であり、凸部58は、ノズル5の外周面5bにおいて、第一筒状部50の外周面5bにおける第二段差部503bの第二部位5031bと対応する(含む)部位である。この場合、第一筒状部50外周面50bにおける第一部位5021bは、第一筒状部50の外周面側に位置する第二筒状部51の外径より小さな外径を有し、第二部位5031bは、第一筒状部50の外周面側に位置する第二筒状部51の外径より大きな外径を有する。尚、図7に示す例では、銅配管7が、その先端を第一段差部502bの第一段差面5022bに当接させた状態でろう付され、凹部57は、第二筒状部51の下端と、第一部位5021bと、第二段差部503bの第二段差面5032bとによって構成されている。
【0067】
また、ノズル5の内周面5a又は外周面5bに形成される凹部55、57及び凸部56、58の径方向に沿った断面形状は、限定されない。即ち、第一筒状部50の内周面50a又は外周面50bの第一部位5021a、5021bや第二部位5031a、5031bのX軸方向の各位置における内径又は外径が同じでなくても(変化していても)よい。この場合、第一筒状部50の内周面50a又は外周面50bにおいて、各段差面(第一段差面5022a、5022b及び第二段差面5032a、5032b)が無くてもよい。
【0068】
また、上記実施形態の熱交換器1のノズル5では、X軸方向において、凹部55、57と凸部56、58とが隣接しているが、間隔をあけて配置されてもよい。また、ノズル5は、凹部55、57又は凸部56、58のない構成でもよい。
【0069】
また、上記実施形態の熱交換器1のノズル5では、第三筒状部52が、X軸方向において、第二筒状部51の内周面51a又は外周面51bの全域を覆うように配置されているが、この構成に限定されない。第三筒状部52は、X軸方向において、第二筒状部51の内周面51a又は外周面51bの少なくとも先端側の端縁を含む領域を覆っていればよい。即ち、第三筒状部52は、X軸方向において、第二筒状部51の内周面51a又は外周面51bの基端を含む基端側の領域を覆っていなくてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1…熱交換器、2…プレート積層部、3、3a、3b…伝熱プレート、31…伝熱部、311…第一開口部、312…第二開口部、313…第三開口部、314…第四開口部、32…嵌合部、4、4A、4B…フレームプレート、41A、41B…プレート本体、42A、42B…フレーム嵌合部、43A…貫通孔、5…ノズル、5a…ノズルの内周面、5b…ノズルの外周面、50…第一筒状部、50a…第一筒状部の内周面、50b…第一筒状部の外周面、50c…第一筒状部の先端面、501…筒部、502…鍔部、501a…固定部、502a、502b…第一段差部、5021a、5021b…第一部位、5022a、5022b…第一段差面、503a…第二段差部、5031a、5031b…第二部位、5032a、5032b…第二段差面、51…第二筒状部、51a…第二筒状部の内周面、51b…第二筒状部の外周面、51c…第二筒状部の先端面、52…第三筒状部、53…銅の薄膜、54…銅の膜、55、57…凹部、56、58…凸部、7…銅配管、8…ろう材、9…トーチ、A…第一流体(流体)、B…第二流体(流体)、C…仮想中心線、Pa1…第一流入路、Pa2…第一流出路、Pb1…第二流入路、Pb2…第二流出路、Ra…第一流路(流路)、Rb…第二流路(流路)、S…中空部、T1…第一筒状部の厚さ、α1…筒部のX軸方向の寸法、α2…固定部のX軸方向の寸法、φ0…筒部の外径、φ1…固定部の内径、φ2…第一部位の内径、φ3…第二部位の内径、φ4…第一筒状部の外径、φ5…第一筒状部の内径
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7