(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022092455
(43)【公開日】2022-06-22
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラムおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/75 20140101AFI20220615BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20220615BHJP
A63F 13/49 20140101ALI20220615BHJP
【FI】
A63F13/75
A63F13/79
A63F13/49
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020205280
(22)【出願日】2020-12-10
(71)【出願人】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社ミクシィ
(71)【出願人】
【識別番号】520081684
【氏名又は名称】株式会社ジーニアス
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】仲安 晃一
(72)【発明者】
【氏名】中川 直香
(72)【発明者】
【氏名】福田 匠
(72)【発明者】
【氏名】金子 新
(72)【発明者】
【氏名】池田 奈々
(57)【要約】
【課題】ゲームのプレイヤによる不正な中断を抑止する。
【解決手段】異常終了カウント部と、コンティニュー実行部を備え、前記異常終了カウント部は、ゲーム内のイベントのプレイ中における異常終了の回数をカウントし、前記コンティニュー実行部は、前記イベントの途中でゲームが中断された後、前記回数が所定の閾値に達している場合に、所定の閾値に達していない場合よりも多くのゲーム媒体の支払いを受け付け、中断時にプレイしていたイベントへの復帰処理を実行する、情報処理装置が提供される。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異常終了カウント部と、コンティニュー実行部を備え、
前記異常終了カウント部は、ゲーム内のイベントのプレイ中における異常終了の回数をカウントし、
前記コンティニュー実行部は、前記イベントの途中でゲームが中断された後、前記回数が所定の閾値に達している場合に、所定の閾値に達していない場合よりも多くのゲーム媒体の支払いを受け付け、中断時にプレイしていたイベントへの復帰処理を実行する、情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記異常終了カウント部は、前記イベント以外のコンテンツにおける異常終了の回数はカウントせず、
前記コンティニュー実行部は、前記イベント以外のコンテンツの途中でゲームが中断された後、前記多くのゲーム媒体の支払いを受け付けることなく、プレイしていた前記コンテンツへの復帰処理を実行する、情報処理装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記コンティニュー実行部は、前記回数が所定の第2の閾値に達すると、前記ゲーム媒体の支払いの額をさらに増やす、情報処理装置。
【請求項4】
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記コンティニュー実行部は、前記回数が所定の閾値に達すると、前記所定の閾値の値を減らす、情報処理装置。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記イベントは、プレイヤの入力を受け付ける時間に制限時間が設定されており、
前記コンティニュー実行部は、前記回数が所定の閾値に達すると、前記イベントへの復帰を実行するにあたり、当該イベントの前記制限時間を減らす、情報処理装置。
【請求項6】
請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
複数のプレイヤで共同して前記イベントをクリアすることで進行するゲームを提供し、
前記異常終了カウント部は、前記イベントのプレイ中における異常終了の回数を、複数のプレイヤで合算してカウントする、情報処理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理装置において、
前記コンティニュー実行部は、前記複数のプレイヤのうち1のプレイヤによって前記イベントの途中でゲームが中断された場合、前記複数のプレイヤのうち他のプレイヤのゲームを中断する処理を行い、
所定の閾値に達している場合、ゲーム媒体の支払いを前記複数のプレイヤから受け付けると、前記複数のプレイヤの中断時にプレイしていたイベントへの復帰処理を実行する、情報処理装置。
【請求項8】
請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
複数のプレイヤで共同して前記イベントをクリアすることで進行するゲームを提供し、
前記異常終了カウント部は、前記イベントのプレイ中における異常終了の回数を、複数のプレイヤごとにカウントし、
前記コンティニュー実行部は、前記イベントの途中でゲームが中断された後、
1のプレイヤの前記回数が所定の閾値に達している場合に、所定の閾値に達していない場合よりも多くのゲーム媒体の支払いを当該1のプレイヤから受け付け、
他のプレイヤの前記回数が所定の閾値に達していない場合に、前記多くのゲーム媒体の支払いを当該他のプレイヤから受け付けることなく、中断時にプレイしていたイベントへの復帰処理を実行する、情報処理装置。
【請求項9】
請求項8に記載する情報処理装置において、
前記コンティニュー実行部は、前記イベントの途中でゲームが中断された後、
前記回数が所定の閾値に達しているプレイヤが複数いる場合に、異常終了の回数が多いプレイヤから、前記多くのゲーム媒体の支払いを受け付ける、情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータに、
異常終了カウントステップと、コンティニュー実行ステップを実行させるプログラムであって、
前記異常終了カウントステップでは、ゲーム内のイベントのプレイ中における異常終了の回数をカウントし、
前記コンティニュー実行ステップでは、前記イベントの途中でゲームが中断された後、前記回数が所定の閾値に達している場合に、所定の閾値に達していない場合よりも多くのゲーム媒体の支払いを受け付け、中断時にプレイしていたイベントへの復帰処理を実行する、プログラム。
【請求項11】
コンピュータが、
異常終了カウントステップと、コンティニュー実行ステップを実行する情報処理方法であって、
前記異常終了カウントステップでは、ゲーム内のイベントのプレイ中における異常終了の回数をカウントし、
前記コンティニュー実行ステップでは、前記イベントの途中でゲームが中断された後、前記回数が所定の閾値に達している場合に、所定の閾値に達していない場合よりも多くのゲーム媒体の支払いを受け付け、中断時にプレイしていたイベントへの復帰処理を実行する、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、プログラムおよび情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プレイヤの不正な中断を検知するゲームが開発されている。例えば、特許文献1には、ネットワーク対戦型のゲームにおいて、一方のプレイヤによる異常回数の累計を検出して異常信号を発生させる不正行為防止方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、単独または複数のプレイヤが、ゲーム内のイベントをプレイして進行するゲームがある。このようなゲームにおいても、イベント内においてプレイヤが不正な中断を行うことを抑止したいというニーズがあった。
【0005】
本発明の目的は、ゲームのプレイヤによる不正な中断を抑止するための情報処理装置、プログラム、および情報処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
異常終了カウント部と、コンティニュー実行部を備え、前記異常終了カウント部は、ゲーム内のイベントのプレイ中における異常終了の回数をカウントし、前記コンティニュー実行部は、前記イベントの途中でゲームが中断された後、前記回数が所定の閾値に達している場合に、所定の閾値に達していない場合よりも多くのゲーム媒体の支払いを受け付け、中断時にプレイしていたイベントへの復帰処理を実行する、情報処理装置が提供される。
【0007】
このような構成を備えることにより、イベントのプレイ中に異常終了を頻繁に発生させるプレイヤに対してより多くのゲーム媒体の支払いを受け付けることとなり、イベントの途中における不正な中断(異常終了)を抑止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係るゲーム提供システム1の概要を示す図である。
【
図2】第1実施形態に係るサーバ10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】第1実施形態に係るユーザ端末20のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】第1実施形態に係るサーバ10の機能構成を示すブロック図である。
【
図7】
図7Aはゲームオーバー画面50Aを示す図である。
図7Bはゲームオーバー画面50Bを示す図である。
【
図8】
図8Aはサーバ10の処理の一例を説明するフロー図である。
図8Bは異常終了処理(ステップS200)におけるサーバ10の処理の流れを説明するフロー図である。
【
図9】
図9Aはユーザ端末20の処理の流れを説明するフロー図である。
図9Bは異常終了処理におけるユーザ端末20の処理の流れを説明するフロー図である。
【
図10】他の実施形態を説明するためのフローチャート表示画面60を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明のいくつかの実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴事項について独立して発明が成立する。
【0010】
<1.第1実施形態>
(1-1.ゲーム提供システム1の概要)
本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、
図1に示すようなゲーム提供システム1の一部を構成するサーバ10である。ゲーム提供システム1は、サーバ10、ユーザ端末20(一例として、ユーザ端末20aおよびユーザ端末20b)を備える。
【0011】
サーバ10は、通信回線5を介してユーザ端末20と通信可能に構成され、ユーザ端末20にゲームGを提供する。当該ゲームGは、コンテンツとして提供される様々なイベントに対して、プレイヤP1およびプレイヤP2が共同して操作することで進行する。
【0012】
イベントの途中にプレイヤP1またはP2が不正な中断(以下、異常終了ともいう)を行うと、サーバ10は、異常終了の回数をカウントする。サーバ10は、中断されたゲームの復帰処理を行う際に、異常終了の回数が所定の閾値に達した場合、所定の閾値に達していない場合よりも多くのゲーム媒体の支払いを受け付ける。以下、各構成について詳細に説明する。
【0013】
(1-2.ゲーム提供システム1のハードウェア構成)
図2及び
図3を参照し、ゲーム提供システム1のハードウェア構成を説明する。
【0014】
(1ー2ー1.サーバ10のハードウェア構成)
図2は、本実施形態に係るサーバ10のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ10は、制御部11、記憶部12、通信部13を備える。また、サーバ10は、キーボード及びマウス等で構成されて各種操作の入力を受け付ける操作入力部14、各種画像を表示する例えば液晶ディスプレイ装置等のモニタ15を備えていてもよい。
【0015】
制御部11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、マイクロプロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)等であり、サーバ10の全体の動作を制御する。
【0016】
記憶部12の一部は、例えば、RAM(Random Access Memory)やDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成されており、制御部11による各種プログラムに基づく処理の実行時のワークエリア等として用いられる。また、記憶部12の一部は、例えば、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリ、又はHDD(Hard Disk Drive)であり、各種データ及び制御部11の処理に利用されるプログラム等を保存する。
【0017】
記憶部12に記憶されるプログラムは、例えば、サーバ10の基本的な機能を実現するためのOS(Operating System)、各種ハードウェア制御するためのドライバ、各種機能を実現するためのプログラム等であって、本実施形態に係るコンピュータプログラムを含む。
【0018】
通信部13は、例えばNIC(Network Interface Controller)であり、通信回線5に接続する機能を有する。なお、通信部13は、NICに代えて又はNICと共に、無線LAN(Local Area Network)に接続する機能、無線WAN(Wide Area Network)に接続する機能、例えばBluetooth(登録商標)等の近距離の無線通信、及び赤外線通信等を可能とする機能を有してもよい。サーバ10は、通信回線5を介してユーザ端末20等の他の情報処理装置等と接続され、他の情報処理装置等との間で各種データの送受信を行うことができる。
【0019】
これら制御部11、記憶部12、通信部13、操作入力部14、及びモニタ15は、システムバス16を介して相互に電気的に接続されている。従って、制御部11は、記憶部12へのアクセス、モニタ15に対する画像の表示、ユーザ(プレイヤ)による操作入力部14に対する操作状態の把握、及び通信部13を介した各種通信網や他の情報処理装置へのアクセス等を行うことができる。
【0020】
(1-2-2.ユーザ端末20のハードウェア構成)
図3は、本実施形態に係るユーザ端末20のハードウェア構成を示すブロック図である。ユーザ端末20は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の情報処理端末であり、制御部21、記憶部22、通信部23を備える。また、ユーザ端末20は、画像等を表示し操作を受け付け可能なタッチパネルディスプレイ等の表示部24、音を出力するスピーカ25、音が入力されるマイク26、及び被写体を撮像するカメラ27、操作ボタン28を備えていてもよい。以下、サーバ10との相違点を中心に説明する。
【0021】
操作ボタン28は、ユーザ端末20の側面に設けられ、ユーザ端末20を起動又は停止させるための電源ボタンやスピーカ25が出力する音のボリューム調整ボタン等である。
【0022】
これら制御部21、記憶部22、通信部23、表示部24、スピーカ25、マイク26、カメラ27、及び操作ボタン28は、システムバス29を介して相互に電気的に接続されている。従って、制御部21は、記憶部22へのアクセス、表示部24に対する画像の表示、ユーザによるタッチパネルディスプレイ(表示部24)や操作ボタン28に対する操作状態の把握、マイク26への音の入力、スピーカ25からの音の出力、カメラ27に対する制御、及び通信部23を介した各種通信網や他の情報処理装置へのアクセス等を行うことができる。
【0023】
(1-3.サーバ10の機能構成)
図4に示すように、サーバ10の制御部11は、異常終了カウント部11aと、コンティニュー実行部11bを有する。
【0024】
異常終了カウント部11aは、ゲーム内のイベントのプレイ中における異常終了の回数をカウントする。「イベント」とは、ミニゲームのプレイのようにゲームの進行のためにプレイヤが行うアクションの対象である。イベントには、タイムオーバー(制限時間)のあるゲーム、正解が存在するゲーム、ゲームオーバーのあるゲーム、プレイヤの実行結果に基づいて報酬が発生するゲーム、プレイヤの実行結果に対して評価または勝敗が決定するゲーム、プレイヤの実行結果に基づいてプレイヤのステータスに影響を与えるゲームなどが含まれる。
【0025】
例えば、イベントとして制限時間のあるゲームを行う場合、プレイヤが任意にイベントを中断できると制限時間の意味がなくなりゲーム性を損なうこととなる。そこで、そのようなイベントのプレイ中には、イベントを中断するためのボタンなどは利用できなくするのが一般的である。すなわち正常な手段で中断(正常終了)するための機能は一時的に利用できなくなっている。
【0026】
そのため、仮にプレイヤが制限時間を無視してイベントの対応や選択を検討したいといった不正な意図でゲームを中断するためには、アプリを正常な手段でない方法でゲームを中断(異常終了)する必要が生じる。正常な手段でない方法は、例えば、アプリケーションを落とす、端末の電源を切る、ネットワークを切断するなどといった方法が含まれる。
【0027】
このように、「正常終了」は、ゲームを途中で中断するためにゲーム側で予め準備された機能を利用した終了方法である。「正常終了」では、最後にプレイヤがゲームを中断した際のゲームの状況が記録される。一方、「異常終了」は、正常終了においてゲーム側で予め準備された機能を利用しない終了方法である。
【0028】
また、プレイヤは、ゲームの結果がプレイヤの望むものでなかった場合、又は望むものになりそうにない状況になった場合に、ゲームの状況が記憶される前に故意にゲームを異常終了することで、イベントをやり直し、より優位にゲーム結果がなるようにすることも考えられる。
【0029】
異常終了カウント部11aが行う「異常終了の回数」の「カウント」は、異常終了を示すデータが記録された場合に、異常終了としてカウントしてもよい。また、異常終了を示すデータがなくとも、正常終了された記録がなくゲームに復帰する処理がなされた際に異常終了の回数をカウントしてもよい。
【0030】
なお、本実施形態においては、「チケット」という称呼のアイテムが対価の支払いのためのゲーム媒体として用いられており、所定の価値に相当するように設定されている。ここで、「価値」とは、現金、電子マネー、仮想通貨等のコインなどの現実の貨幣と交換可能であってもよいし、特定のゲーム内において利用可能なポイントであってもよい。ユーザは、所定の価値を支払うことにより、相当するチケットを随時入手することができる。
【0031】
コンティニュー実行部11bは、イベントの途中でプレイヤによってゲームが中断された後、異常終了の回数が所定の閾値に達している場合に、所定の閾値に達していない場合よりも多くのゲーム媒体の支払いを受け付け、中断時にプレイしていたイベントへの復帰処理を実行する。各機能の詳細については後述する。
【0032】
上述した機能構成は、サーバ10に適宜インストールされるソフトウェア(いわゆるアプリを含む)によって実現してもよく、ハードウェアによって実現してもよい。ソフトウェアによって実現する場合、制御部11がソフトウェアを構成するプログラムを実行することによって各種機能を実現することができる。
【0033】
プログラムを実行することで実現される場合、当該プログラムは、サーバ10が内蔵する記憶部12に格納してもよく、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体に格納してもよい。また、外部の記憶装置に格納されたプログラムを読み出し、いわゆるクラウドコンピューティングにより実現してもよい。もしくは、ハードウェアによって実現する場合、ASIC、SOC、FPGA、又はDRPなどの種々の回路によって実現することができる。また、上述した機能構成は、一部の機能構成をソフトウェア又はハードウェアによって、ユーザ端末20等で処理されるようにしてもよい。
【0034】
(1-4.ゲームの流れ)
図5~
図7を参照し、本実施形態のゲームGにおけるゲームの流れを説明する。本実施形態におけるゲームGは、プレイヤが提示された選択肢を選択することによって、シナリオが分岐して進行するいわゆるノベルゲームである。ゲームGでは、プレイ開始前に2人のプレイヤがユーザ端末20の通信部23を介してマッチングを行い、マッチングが完了した2人のプレイヤで共同してゲームを進行(以下、マルチプレイともいう)することになる。すなわち、ゲームGでは、提供される選択肢について2人で同じ選択肢を選択したり、提供されるゲームを2人で協力してプレイしたりして、マッチングしたプレイヤの協力によって2人同時にゲームが進行する。そして、ゲームの進行状況は、マッチングしたプレイヤの組み合わせごとの履歴情報が記憶部12に記憶される。
【0035】
たとえば、第1のプレイヤが第2のプレイヤとのマルチプレイを再開する場合、当該第2のプレイヤとのマルチプレイの履歴情報に基づき定まる開始ポイントから、マルチプレイが再開される。ここで、履歴情報が記憶部12に記憶されていない場合は、上記の開始ポイントとは異なる特定の開始ポイント(たとえば、ゲームのスタート地点であるプロローグパート)からマルチプレイを開始させる。
【0036】
図5は、選択肢表示画面30の一例を示す図である。選択肢表示画面30は、ミッションアイコン31と、所有チケット表示アイコン32と、選択肢アイコン33と、必要チケット表示アイコン34を備える。
【0037】
ミッションアイコン31には、プレイヤP1およびP2が行うべきミッションが表示される。
図5に示す例では、ミッションとして、2人で同じ選択肢を選ぶことが要求される。所有チケット表示アイコン32は、プレイヤ自身が所有するチケット枚数を表示する。すなわち、プレイヤP1のユーザ端末20aの表示部24には、プレイヤP1が所有するチケット枚数が表示され、プレイヤP2のユーザ端末20bの表示部24には、プレイヤP2が所有するチケット枚数が表示される。
【0038】
選択肢アイコン33は、プレイヤが選択すべき選択肢として複数表示される。選択肢アイコン33の一部には、必要チケット表示アイコン34が付加されている。このように、必要チケット表示アイコン34が付加された選択肢アイコン33は、有償選択肢33aと呼ばれ、選択するためには必要チケット表示アイコン34が示すチケットの枚数(以下、対価枚数ともいう)の支払いが必要となる。必要な対価枚数は有償選択肢ごとに設定されており、本実施形態では、ある有償選択肢を選択するために必要な対価枚数は、プレイヤP1とプレイヤP2とで同額となっている。
【0039】
これに対して、必要チケット表示アイコン34が付加されていない選択肢アイコン33は、無償選択肢33bと呼ばれ、選択するためにチケットの支払いを必要としない。ここで、有償選択肢33aを選択した場合の方が、プレイヤにとってゲームを進行する上で有利な効果をもたらしてもよい。
【0040】
ゲームGでは様々な選択肢表示画面30が表示され、プレイヤP1およびP2の選択に応じてストーリーが分岐して進行する。ストーリーが進行する中で、プレイヤが実行する様々なイベントが提供される。
【0041】
図6は、イベントの一例としての暗号解読ゲームのイベント表示画面40を示す図である。
図6に示すように、イベント表示画面40は、ミッションアイコン41と、制限時間表示アイコン42と、
コンテンツアイコン43と、所有チケット表示アイコン44と、選択肢アイコン45と、必要チケット表示アイコン46を備える。
【0042】
ミッションアイコン41には、プレイヤP1およびP2が行うべきミッションが表示される。制限時間表示アイコン42には、当該イベントである暗号解読ゲームにおいて、プレイヤから回答を受け付ける制限時間が表示される。コンテンツアイコン43には、暗号解読ゲームのコンテンツが表示されている。所有チケット表示アイコン44には、プレイヤ自身が所有するチケット枚数が表示される。
【0043】
図6に示す例では、選択肢アイコン45として、無償選択肢45aと有償選択肢45bとが表示されている。プレイヤが無償選択肢45aを押下すると、暗号の解読結果の回答を入力する回答画面が表示される。有償選択肢45bを押下すると、必要チケット表示アイコン46が示すチケットの枚数(
図6に示す例では3枚)の支払うことにより、暗号解読のヒントが提供される。
【0044】
ここで、プレイヤの一方が不正な中断をした場合、
図7Aに示すゲームオーバー画面50Aまたは
図7Bに示すゲームオーバー画面50Bのいずれか一方が表示される。ここで、不正な中断とは、ゲームプログラム(またはゲームアプリ)を強制終了することやネットワークを切断することなどを含む。
【0045】
ゲームオーバー画面50Aおよびゲームオーバー画面50Bは、所有チケット表示アイコン51と、選択肢アイコン52、必要チケット表示アイコン53を備える。
図7に示す例では、選択肢アイコン52として、有償選択肢52a1、52a2と無償選択肢52bとが表示されている。
【0046】
プレイヤが有償選択肢52a1を押下すると、必要チケット表示アイコン53が示すチケットの枚数(
図7Aに示す例では1枚)の支払うことにより、サーバ10の制御部11が備えるコンティニュー実行部11bによって、中断時にプレイしていたイベントへの復帰処理を実行される。プレイヤが有償選択肢52a2を押下すると、必要チケット表示アイコン53が示すチケットの枚数(
図7Aに示す例では5枚)を支払うことにより、当該イベントがスキップされて、後続のコンテンツが提供される。プレイヤが無償選択肢52bを押下すると、ゲームGのスタート画面が表示され、プレイヤははじめから再度スタートすることになる。
【0047】
ここで、ゲームオーバー画面50Aとゲームオーバー画面50Bとでは、有償選択肢52a1を選択するために必要なチケットの対価枚数が異なっている。具体的には、ゲームオーバー画面50Aでは1枚であるのに対して、ゲームオーバー画面50Bでは3枚となっている。ここで、ゲームオーバー画面50Aおよびゲームオーバー画面50Bのいずれが表示されるかは、サーバ10の制御部11が備える異常終了カウント部11aがプレイヤごとにカウントした異常終了の回数に基づく。
【0048】
コンティニュー実行部11bは、イベントの途中でプレイヤによってゲームが中断された後、異常終了カウント部11aによってカウントされた異常終了の回数が所定の閾値(一例として5回)に達していない場合には、ゲームオーバー画面50Aを表示する。それに対して、異常終了カウント部11aによってカウントされた異常終了の回数が所定の閾値に達している場合には、コンティニュー実行部11bは、ゲームオーバー画面50Bを表示して、所定の閾値に達していない場合よりも多くのチケットの支払いを受け付け、中断時にプレイしていたイベントへの復帰処理を実行する。
【0049】
ここで、異常終了カウント部11aは、ゲーム内のイベントにおける異常終了の回数をカウントする一方で、ゲーム内のイベント以外のコンテンツにおける異常終了の回数はカウントしない仕様となっている。すなわち、異常終了カウント部11aは、イベントとして、時間制限のあるゲーム、正解が存在するゲーム、ゲームオーバーが存在するゲーム、プレイヤの実行結果に基づいて報酬が発生するゲーム、プレイヤの実行結果に対して評価または勝敗が決定するゲーム、プレイヤの実行結果に基づいてプレイヤのステータスに影響を与えるゲームなどを行っている途中に発生した異常終了の回数をカウントするが、上記ゲーム以外のコンテンツに対しては異常終了をカウントしない。
【0050】
いいかえると、「イベント以外のコンテンツ」は、時間制限のないゲーム、正解が存在しないゲーム、ゲームオーバーがないゲーム、報酬が発生しないゲーム、勝敗がないゲーム、ステータスに影響を与えないゲームであり、プレイヤがゲームを故意に中断したとしてもメリットがないゲームである。すなわち、プレイヤが不正にゲームを中断することでメリットがある可能性があるイベントでは、異常終了をカウントするが、プレイヤが不正にゲームを中断することでメリットのない「イベント以外のコンテンツ」では、プレイヤが不正にゲームを中断するメリットがないため異常終了をカウントしない。
【0051】
コンティニュー実行部11bは、上記イベント以外のコンテンツの途中でゲームが中断された後、ゲームオーバー画面50Aを表示して、多くのゲーム媒体の支払いを受け付けることなく、プレイしていたコンテンツへの復帰処理を実行する。このような構成とすることにより、イベント以外のプレイ中の異常終了については不正な中断ではないとみなすことによって、プレイヤに不当な支払いが課されることを防止することができる。
【0052】
なお、異常終了カウント部11aは、所定の条件が満たされた場合に、異常終了の回数をリセットする仕様としてもよい。この場合、所定の条件としては、一定の期間が経過した場合、所定のイベントがクリアされた場合、プレイヤによってより多くのチケットが支払われた場合などを挙げることができる。
【0053】
また、コンティニュー実行部11bは、異常終了の回数が所定の閾値に達する回数が所定の第2の閾値(一例として3回)に達すると、ゲーム媒体の支払いの額をさらに増やす仕様としてもよい。例えば、異常終了の回数が所定の閾値である5回に達することが3回生じると、チケットの支払いを
図7Bに示す例(3枚)よりもさらに増やして5枚としてもよい。このような構成とすることで、異常終了の回数が所定回数に達した回数が多くなるほどゲーム媒体の支払いを増やすことにより、不正な中断を一層抑止することが可能となる。
【0054】
また、コンティニュー実行部11bは、異常終了の回数が所定の閾値に達すると、所定の閾値の値を減らす仕様としてもよい。例えば、異常終了の回数が所定の閾値である5回に達すると、当該閾値の値を3回に減らしてもよい。このように異常終了の回数が所定の閾値に達した場合に当該閾値の値を減らすことで、繰り返し不正な中断をするプレイヤを一層抑止することが可能となる。
【0055】
また、コンティニュー実行部11bは、異常終了の回数が所定の閾値に達すると、イベントへの復帰を実行するにあたり、当該イベントの制限時間を減らしてもよい。例えば、当該イベントの制限時間が1分であったのを、50秒としてもよい。このように、異常終了の回数が所定の閾値に達した場合にイベントの制限時間を減らすことにより、不正な中断を一層抑止することが可能となる。
【0056】
また、異常終了カウント部11aは、ゲームG内の複数のイベントごとに、異常終了の回数をカウントする仕様としてもよいし、ゲーム内のイベント全体における異常終了のカウントをカウントする仕様としてもよい。
【0057】
なお、マルチプレイの再開にあたって、履歴情報として前回終了したときのイベントの状況を記憶しておいてもよい。すなわち、前回終了したときにプレイしていたイベントの進行状況に基づき開始ポイントを制御してもよい。具体的には、60秒以内でクリアというイベントにおいて、30秒時点で終了した場合、30秒経過時点からゲーム状況を再現してゲームを再開してもよい。または、特定の敵キャラクタを倒す対戦ゲームの場合、終了時点の敵キャラクタのパラメータを再現してゲームを再開してもよい。
【0058】
また、マルチプレイの再開にあたって、制御部11は、履歴情報に基づいて、ゲームの進行状況が最も進んでいるプレイヤをマッチング候補として優先表示してもよい。または、最新の履歴情報に基づき、プレイする頻度やプレイ時間でよくマッチングしているプレイヤをマッチング候補として優先表示してもよい。
【0059】
また、制御部11は、履歴情報に基づいて、マルチプレイヤを行った時系列に沿ってマッチング候補を表示してよい。例えば、直近にマッチングしたプレイヤを、マッチング候補として優先表示してもよい。
【0060】
また、制御部11は、プレイヤの端末による位置情報に基づき、近くにいるプレイヤをマッチング候補として優先表示してもよい。このようにすることで、対面でマルチプレイする場合のマッチング相手を容易に決定することが可能となる。
【0061】
また、制御部11は、第1のプレイヤが過去にマルチプレイをした第2ユーザをマッチング候補として検索、または選択する操作を行ったがマッチングが成立しなかった場合、第2ユーザと同じ開始ポイントでマルチプレイ可能なプレイヤをマッチング候補として提示してもよい、
【0062】
この場合、制御部11は、第1プレイヤが第2プレイヤとマルチプレイした場合と同じ開始ポイントまでゲームの進行状況が進んでいるプレイヤをマッチング候補としてもよい。または、一度エンディングまでクリアしたことにより、どの開始ポイントからもマルチプレイが可能となったプレイヤをマッチング候補としてもよい。
【0063】
(1-5.ゲーム提供システム1による処理の流れ)
図8および
図9を参照し、ゲーム提供システム1による処理の流れの一例を説明する。
【0064】
(サーバ10)
まず、サーバ10の処理の流れを説明する。
図8AのステップS110において、サーバ10は、イベント表示画面40をユーザ端末20に提供する。ステップS125において、サーバ10は、プレイヤのユーザ端末20からゲームGの終了を受け付ける。
【0065】
ステップS130において、サーバ10のコンティニュー実行部11bは、プレイヤによるゲームGの終了が正常終了か否かを判定する。コンティニュー実行部11bが、プレイヤによるゲームGの終了が正常終了と判断した場合(ステップS130においてYES)、ステップS140に遷移する。プレイヤによるゲームGの終了が正常終了ではなく異常終了と判断した場合(ステップS130においてNO)、異常終了処理(ステップS200)へ遷移する。
【0066】
ステップS140において、サーバ10は、再マッチング画面をユーザ端末20に提供する。
【0067】
次に、
図8Bを参照し、異常終了処理(ステップS200)について説明する。ステップS210において、サーバ10は、再マッチング画面をユーザ端末20に提供する。
【0068】
ステップS220において、サーバ10のコンティニュー実行部11bは、異常終了の回数が閾値に達しているか否かを判定する。異常終了の回数が閾値に達している場合(ステップS220において、YES)、ステップS230へ遷移する。異常終了の回数が閾値に達していない場合(ステップS220において、NO)、ステップS235へ遷移する。
【0069】
ステップS230において、サーバ10のコンティニュー実行部11bは、ゲームオーバー画面50Bをユーザ端末20へ提供する。ステップS235において、サーバ10のコンティニュー実行部11bは、ゲームオーバー画面50Aをユーザ端末20へ提供する。
【0070】
(ユーザ端末20)
次にユーザ端末20の処理の流れを説明する。ステップS115において、ユーザ端末20は、表示部24に、イベント表示画面40を表示する。
【0071】
ステップS120において、プレイヤがイベントをプレイ中にゲームGを終了する。ステップS145において、ユーザ端末20は、当該ゲームGの終了が正常終了であると判断したサーバ10から提供された再マッチング画面を、表示部24に表示する。
【0072】
次に、
図9Bを参照し、異常終了処理(ステップS200)について説明する。ステップS215において、ユーザ端末20は、再マッチング画面を表示部24に表示する。
【0073】
ステップS240において、ユーザ端末20は、表示部24にゲームオーバー画面50を表示する。ここで、異常終了の回数が閾値を超えている場合、サーバ10から提供されたゲームオーバー画面50Bを表示する。一方、異常終了の回数が閾値を超えていない場合、サーバ10から提供されたゲームオーバー画面50Aを表示する。
【0074】
<2.第2実施形態>
以下、本願発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態では、異常終了カウント部11aは、複数のプレイヤで合算して異常終了をカウントする点で第1実施形態と異なる。以下、相違点を中心に説明する。
【0075】
第2実施形態では、異常終了カウント部11aは、イベントのプレイ中における異常終了の回数を、プレイヤP1およびP2で合算してカウントする。このように、複数のプレイヤで合算して異常終了をカウントすることにより、複数のプレイヤで共同してイベントをクリアするゲームにおいて、複数のプレイヤが共謀して不正な中断を行うことを抑止することが可能となる。例えば、異常終了の回数をプレイヤごとにカウントする場合では、より多くのゲーム媒体の支払いを課されることなく、それぞれのプレイヤが閾値に達しない最大の回数(以下、最大許容回数という)まで異常終了を行うことができる。
【0076】
一例として、異常終了の回数が5回である場合に、異常終了の回数をプレイヤごとにカウントする場合では、プレイヤP1およびP2は、最大許容回数としてそれぞれ4回の異常終了を行うことができる。すなわち、2人で共謀することにより、8回まで異常終了をしてもより多くのゲーム媒体の支払いが課されることはない。そこで、第2実施形態では、プレイヤP1およびP2で合算して異常終了の回数をカウントし、合算された回数が閾値である5回に達した場合に、より多くのゲーム媒体の支払いを受け付ける。
【0077】
この場合、コンティニュー実行部11bは、プレイヤP1およびP2のうち、例えばプレイヤP1によってイベントの途中でゲームが中断された場合、プレイヤP2のゲームも中断させる。そして、プレイヤP1とプレイヤP2とで合算した異常終了の回数が所定の閾値に達している場合、プレイヤP1およびプレイヤP2の両方へゲームオーバー画面50Bを提供し、より多くのゲーム媒体の支払いを受け付ける。
【0078】
第2実施形態の変形例として、異常終了カウント部11aは、イベントのプレイ中における異常終了の回数を、プレイヤP1およびP2ごとにカウントする仕様としてもよい。この場合、プレイヤP1による異常終了の回数が所定の閾値に達している場合に、所定の閾値に達していない場合よりも多くのチケットの支払いをプレイヤP1から受け付ける。一方、異常終了カウント部11aは、プレイヤP2の回数が所定の閾値に達していない場合に、多くのチケットの支払いをプレイヤP2から受け付けることなく、中断時にプレイしていたイベントへの復帰処理を実行する。
【0079】
このように、不正中断によるゲーム媒体の支払いを、当該行為を行った者にのみ要求することで、複数のプレイヤで共同してイベントをクリアするゲームにおいて、不正な中断を行っていないプレイヤにとってゲームをプレイする意欲が減退するのを抑止することができる。
【0080】
なお、異常終了カウント部11aは、プレイヤP1およびP2によるマルチプレイでの異常終了について、次回のプレイヤP1およびP2によるマルチプレイまでに所定期間が経過すれば、カウントした異常回数をクリアしてもよい。プレイヤP1およびP2による異常終了が不正な意図によるゲームの中断である場合、プレイヤP1およびP2はすぐにマルチプレイを再開することが想定される。そのため、異常終了後に所定期間が経過した場合には、当該マルチプレイでの異常終了は不正な意図によるゲームの中断ではなかったとみなして、異常回数をクリアしてもよい。
【0081】
また、異常終了カウント部11aは、プレイヤP1およびP2によるマルチプレイでの異常終了について、プレイヤP1およびプレイヤP2の一方が、他方以外のプレイヤ(例えばプレイヤP3)とプレイをした場合に、カウントした異常回数をクリアしてもよい。プレイヤP1およびP2による異常終了が不正な意図によるゲームの中断である場合、プレイヤP1およびP2はすぐに同じマッチング相手とのマルチプレイを再開することが想定される。そのため、異常終了後に他のプレイヤとのマルチプレイを再開した場合には、当該マルチプレイでの異常終了は不正な意図によるゲームの中断ではなかったとみなして、異常回数をクリアしてもよい。
【0082】
<3.その他の実施形態>
以上、本発明における実施形態及びその変形例について説明したが、本開示の適用は上述の内容に限定されるものではない。
【0083】
例えば、上記実施形態では、プレイヤは2人に設定されていたが、この形態に限定されることはなく、3人以上で共同して進める仕様としてもよい。
【0084】
この場合、異常終了の回数が所定の閾値に達しているプレイヤが複数いる場合には、異常終了カウント部11aは、異常終了の回数が多いプレイヤから、多くのチケットの支払いを受け付ける仕様としてもよい。すなわち、複数のプレイヤの内、異常終了の回数が最も多いプレイヤのみから多くのチケットの支払いを受け付けてもよく、複数のプレイヤの内、異常終了の回数が多い所定順位のプレイヤ(例えば、異常終了の回数が多い上位2名)から多くのチケットの支払いを受け付けてもよい。
【0085】
また、コンティニュー実行部11bは、より多くのチケットの支払いについて、複数のプレイヤ間のそれぞれから等分された支払いを受け付ける仕様としてもよい。
【0086】
また、複数のプレイヤそれぞれの異常終了の回数に基づいて、より多くのチケットの支払いについて、当該複数のプレイヤによって決定された配分に基づいて、それぞれの支払い額を受け付ける仕様としてもよい。
【0087】
また、コンティニュー実行部11bは、異常終了の回数が所定の閾値に達していない場合に、ゲームオーバー画面50Aを表示させることなく、中断されたイベントの直前から復帰させる仕様としてもよい。
【0088】
また、コンティニュー実行部11bは、異常終了の回数が所定の閾値に達していない場合に、ゲーム媒体の支払いをプレイヤに要求することなく、中断時にプレイしていたイベントへの復帰処理を実行してもよい。
【0089】
また、異常終了カウント部11aは、所定の期間内におけるイベントごとに異常終了の回数をカウントし、所定期間が経過すると、当該回数をリセットする仕様としてもよい。
【0090】
また、所定のイベントが、プレイヤのプレイ内容に応じて可変のパラメータ値が設定されるゲームである場合に、コンティニュー実行部11bは、イベントへの復帰を実行するにあたり、より多くのチケットの支払いと合わせて、当該パラメータ値をプレイヤにとって不利な値に変更する仕様としてもよい。
【0091】
また、コンティニュー実行部11bは、イベントへの復帰を実行するにあたり、より多くのチケットの支払いと合わせて、中断時にプレイしていたイベントよりも先行のクリア済みのイベントへの復帰を実行する仕様としてもよい。
【0092】
図10は、当該仕様を実装したゲームGにおいて、ゲームの進行を表すフローチャート表示画面60を示す図である。
図10に示すように、ゲームGでは、複数のチャプター61と、チャプター61内に設けられたセクション62を備えている。ここで、
図10に示す例では、すでにプレイ済みのセクション62aは「セクション1」などのようにセクション名が記載されており、まだプレイしていないセクション62bは、「???」という形で表示されている。
【0093】
このようなゲームGにおいて、例えば、プレイヤがセクション3内のイベントで異常終了の回数が閾値に達した場合において、イベントの復帰にあたり、先行のクリア済みのセクション2内のイベントへの復帰を実行する。このような構成とすることにより、プレイヤはすでにプレイしたセクションからゲームを再開しなくてはならなくなる。よって、異常終了を行わない動機付けとなり、不正な中断を一層抑止することが可能となる。
【0094】
また、上記実施形態では、各機能を主にサーバ10が備える態様について説明したが、一部の機能についてユーザ端末20が備える、又はサーバ10とユーザ端末20の何れもが備える構成とすることができる。
【0095】
また、サーバ10等の情報処理装置は、物理的に1台で構成される装置だけでなく、複数台の装置が有線又は無線で通信可能に接続され、実質的に1つの情報処理装置として機能するものを含んでもよい。
【0096】
また、上記実施形態においてサーバ10に実行させるものとして記載されていた各ステップについて、ユーザ端末20に行わせる態様で実現してもよい。
【0097】
さらに、本発明は、上述のゲーム提供システムを機能させるプログラムとして実現することもできる。
【0098】
さらに、本発明は、上述のプログラムを格納する、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現することもできる。
【0099】
以上、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0100】
<4.実施形態の特徴>
以下、本発明の実施形態の特徴をまとめる。
【0101】
本発明の一態様では、異常終了カウント部11aと、コンティニュー実行部11bを備え、異常終了カウント部11aは、ゲーム内のイベントのプレイ中における異常終了の回数をカウントし、コンティニュー実行部11bは、イベントの途中でゲームが中断された後、回数が所定の閾値に達している場合に、所定の閾値に達していない場合よりも多くのゲーム媒体の支払いを受け付け、中断時にプレイしていたイベントへの復帰処理を実行する、情報処理装置が提供される。
【0102】
このような構成とすることにより、イベントの異常終了を頻繁に行うプレイヤに対してより多くのゲーム媒体の支払いを受け付けることとなり、イベントの途中における不正な中断を抑止することが可能となる。
【0103】
異常終了カウント部11aは、イベント以外のコンテンツにおける異常終了の回数はカウントせず、コンティニュー実行部11bは、イベント以外のコンテンツの途中でゲームが中断された後、多くのゲーム媒体の支払いを受け付けることなく、プレイしていたコンテンツへの復帰処理を実行する構成としてもよい。
【0104】
このような構成とすることにより、イベント以外のプレイ中には異常終了をする動機がないため、イベント以外のプレイ中の異常終了については不正な中断ではないとみなすことによって、プレイヤに不当な支払いが課されることを防止する。
【0105】
コンティニュー実行部11bは、回数が所定の第2の閾値に達すると、ゲーム媒体の支払いの額をさらに増やしてもよい。
【0106】
このような構成とすることにより、異常終了の回数が所定回数に達した回数が多くなるほどゲーム媒体の支払いを増やすことにより、不正な中断を一層抑止することが可能となる。
【0107】
コンティニュー実行部11bは、回数が所定の閾値に達すると、所定の閾値の値を減らしてもよい。
【0108】
このような構成とすることにより、異常終了の回数が所定の閾値に達した場合に当該閾値の値を減らすことで、不正な中断を一層抑止することが可能となる。
【0109】
イベントは、プレイヤの入力を受け付ける時間に制限時間が設定されており、コンティニュー実行部11bは、回数が所定の閾値に達すると、イベントへの復帰を実行するにあたり、当該イベントの制限時間を減らしてもよい。
【0110】
このような構成とすることにより、異常終了の回数が所定の閾値に達した場合にイベントの制限時間を減らすことにより、不正な中断を一層抑止することが可能となる。
【0111】
複数のプレイヤで共同してイベントをクリアすることで進行するゲームを提供し、異常終了カウント部11aは、イベントのプレイ中における異常終了の回数を、複数のプレイヤで合算してカウントする構成としてもよい。
【0112】
このような構成とすることにより、複数のプレイヤで共同してイベントをクリアするゲームにおいて、プレイヤで合算して異常終了をカウントすることにより、複数のプレイヤが共謀して不正な中断を行うことを抑止することが可能となる。
【0113】
コンティニュー実行部11bは、複数のプレイヤのうち1のプレイヤによってイベントの途中でゲームが中断された場合、複数のプレイヤのうち他のプレイヤのゲームを中断する処理を行い、所定の閾値に達している場合、ゲーム媒体の支払いを複数のプレイヤから受け付けると、複数のプレイヤの中断時にプレイしていたイベントへの復帰処理を実行する構成としてもよい。
【0114】
このような構成とすることにより、複数のプレイヤで共同してイベントをクリアするゲームにおいて、1人の不正中断によるゲーム媒体の支払いを連帯責任として要求することで、不正な中断を行うことを一層抑止することが可能となる。
【0115】
ゲーム提供システム1は、複数のプレイヤで共同してイベントをクリアすることで進行するゲームを提供し、異常終了カウント部11aは、イベントのプレイ中における異常終了の回数を、複数のプレイヤごとにカウントし、コンティニュー実行部11bは、イベントの途中でゲームが中断された後、1のプレイヤの回数が所定の閾値に達している場合に、所定の閾値に達していない場合よりも多くのゲーム媒体の支払いを当該1のプレイヤから受け付け、他のプレイヤの回数が所定の閾値に達していない場合に、多くのゲーム媒体の支払いを当該他のプレイヤから受け付けることなく、中断時にプレイしていたイベントへの復帰処理を実行する構成としてもよい。
【0116】
このような構成とすることにより、複数のプレイヤで共同してイベントをクリアするゲームにおいて、不正中断によるゲーム媒体の支払いを、当該行為を行った者にのみ要求することで、不正中断を行っていないプレイヤにとってゲームをプレイする意欲が減退するのを抑止することができる。
【0117】
コンティニュー実行部11bは、イベントの途中でゲームが中断された後、回数が所定の閾値に達しているプレイヤが複数いる場合に、異常終了の回数が多いプレイヤから、多くのゲーム媒体の支払いを受け付けてもよい。
【0118】
このような構成とすることにより、複数のプレイヤで共同してイベントをクリアするゲームにおいて、不正中断によるゲーム媒体の支払いを、当該行為を多く行った者にみせしめとして要求することとなり、他のプレイヤが不正中断を行うことを抑止することが可能となる。
【0119】
本発明の他の態様では、コンピュータに、異常終了カウントステップと、コンティニュー実行ステップを実行させるプログラムであって、異常終了カウントステップでは、ゲーム内のイベントのプレイ中における異常終了の回数をカウントし、コンティニュー実行ステップでは、イベントの途中でゲームが中断された後、回数が所定の閾値に達している場合に、所定の閾値に達していない場合よりも多くのゲーム媒体の支払いを受け付け、中断時にプレイしていたイベントへの復帰処理を実行する、プログラムが提供される。
【0120】
本発明の他の態様では、コンピュータが、異常終了カウントステップと、コンティニュー実行ステップを実行する情報処理方法であって、異常終了カウントステップでは、ゲーム内のイベントのプレイ中における異常終了の回数をカウントし、コンティニュー実行ステップでは、イベントの途中でゲームが中断された後、回数が所定の閾値に達している場合に、所定の閾値に達していない場合よりも多くのゲーム媒体の支払いを受け付け、中断時にプレイしていたイベントへの復帰処理を実行する、情報処理方法が提供される。
【符号の説明】
【0121】
1 :ゲーム提供システム
5 :通信回線
10 :サーバ
11 :制御部
11a :異常終了カウント部
11b :コンティニュー実行部
12 :記憶部
13 :通信部
14 :操作入力部
15 :モニタ
16 :システムバス
20 :ユーザ端末
21 :制御部
22 :記憶部
23 :通信部
24 :表示部
25 :スピーカ
26 :マイク
27 :カメラ
28 :操作ボタン
29 :システムバス
30 :選択肢表示画面
31 :ミッションアイコン
32 :所有チケット表示アイコン
33 :選択肢アイコン
34 :必要チケット表示アイコン
40 :イベント表示画面
41 :ミッションアイコン
42 :制限時間表示アイコン
43 :コンテンツアイコン
44 :所有チケット表示アイコン
45 :選択肢アイコン
46 :必要チケット表示アイコン
50 :ゲームオーバー画面
51 :所有チケット表示アイコン
52 :選択肢アイコン
53 :必要チケット表示アイコン
G :ゲーム