(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022092504
(43)【公開日】2022-06-22
(54)【発明の名称】ロープ形状検出装置、クレーン、ロープ形状検出方法及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
B66C 23/88 20060101AFI20220615BHJP
B66C 13/16 20060101ALI20220615BHJP
【FI】
B66C23/88 R
B66C13/16 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020205341
(22)【出願日】2020-12-10
(71)【出願人】
【識別番号】000148759
【氏名又は名称】株式会社タダノ
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100131152
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100145229
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 雅則
(74)【代理人】
【識別番号】100201352
【弁理士】
【氏名又は名称】豊田 朝子
(72)【発明者】
【氏名】マレク オソシニスキ
【テーマコード(参考)】
3F205
【Fターム(参考)】
3F205AA05
3F205CA03
3F205CB02
3F205HA10
(57)【要約】
【課題】巻き掛けられたワイヤロープの形状を正確に検出することができるロープ形状検出装置、クレーン、ロープ形状検出方法及び、プログラムを提供する。
【解決手段】ロープ形状検出装置1は、クレーンが備えるフック及び、フックとブームヘッドの間に掛け回されたワイヤロープを撮像する撮像装置10から画像を取得する画像取得部21と、画像取得部21が取得した画像の濃淡、色の分布に基づいて、画像内のフック及びワイヤロープの画像部分を含むロープ領域を抽出するセグメンテーション部22と、撮像装置10の位置情報に基づいて画像内の鉛直方向を求め、セグメンテーション部22が抽出したロープ領域に沿って、求めた鉛直方向へ又は、鉛直方向と反対側へ第一質点が移動すると仮定した場合の、第一質点の画像内の軌跡を求める軌跡算出部23と、軌跡算出部23が求めた軌跡からワイヤロープの形状を特定する形状特定部24と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クレーンが備えるフック及び、該フックとブームヘッドの間に掛け回されたワイヤロープを撮像する撮像装置から画像を取得する画像取得部と、
前記画像取得部が取得した画像の濃淡、色の分布に基づいて、前記画像内の前記フック及び前記ワイヤロープの画像部分を含むロープ領域を抽出するセグメンテーション部と、
前記撮像装置の位置情報に基づいて前記画像内の鉛直方向を求め、前記セグメンテーション部が抽出した前記ロープ領域に沿って、求めた前記鉛直方向へ又は、前記鉛直方向と反対側へ第一質点が移動すると仮定した場合の、該第一質点の画像内の軌跡を求める軌跡算出部と、
前記軌跡算出部が求めた前記軌跡から前記ワイヤロープの形状を特定する形状特定部と、
を備えるロープ形状検出装置。
【請求項2】
前記軌跡算出部は、
前記撮像装置の撮像位置情報に基づいて、前記撮像装置が撮像する画像内で、前記ブームヘッドの真下となる位置を算出する真下位置算出部と、
前記撮像位置情報に基づいて、前記撮像装置が撮像する画像内で、撮像された前記ワイヤロープの上端部を横断すると仮定されるライン状領域を算出するライン状領域算出部と、
前記ライン状領域算出部によって算出されたライン状領域が前記セグメンテーション部によって抽出された前記ロープ領域の上端部を横断する毎に、その横断部分の中央を起点として設定する起点設定部と、
前記起点設定部が設定した前記起点から前記真下位置算出部が求めた前記真下となる位置がある方向を、前記鉛直方向とし、前記第一質点が前記ロープ領域に沿って、前記鉛直方向へ又は、前記鉛直方向と反対側へ移動すると仮定した場合の、前記第一質点の画像内の軌跡を求める演算部と、
を有する、
請求項1に記載のロープ形状検出装置。
【請求項3】
前記軌跡算出部は、前記鉛直方向に垂直な方向から2つの第二質点に挟み込まれた状態で、前記第一質点が前記鉛直方向へ又は、前記鉛直方向と反対側へ移動すると共に、前記第一質点には、前記2つの第二質点のうちの一方が前記ロープ領域から外れた場合に、前記2つの第二質点のうちの他方の側に向かう斥力が加えられると仮定したときの前記第一質点の前記軌跡を求める、
請求項1又は2に記載のロープ形状検出装置。
【請求項4】
前記形状特定部は、前記軌跡から前記ロープ領域の前記鉛直方向の長さを求め、求めた長さが閾値よりも大きい場合に、前記軌跡から前記ワイヤロープの形状を求める、
請求項1から3のいずれか1項に記載のロープ形状検出装置。
【請求項5】
ブームヘッドに設けられ、前記ブームヘッドのシーブから吊されたワイヤロープを撮像する撮像装置と、
請求項1から4のいずれか1項に記載のロープ形状検出装置と、
を備えるクレーン。
【請求項6】
クレーンが備えるフック及び、該フックとブームヘッドの間に掛け回されたワイヤロープを撮像する撮像装置から画像を取得する画像取得ステップと、
前記画像取得ステップで取得した画像の濃淡、色の分布に基づいて、前記画像内の前記フック及び前記ワイヤロープの画像部分を含むロープ領域を抽出するセグメンテーションステップと、
前記撮像装置の位置情報に基づいて前記画像内の鉛直方向を求め、前記セグメンテーションステップで抽出した前記ロープ領域に沿って、求めた前記鉛直方向へ又は、前記鉛直方向と反対側へ第一質点が移動すると仮定した場合の、該第一質点の画像内の軌跡を求める軌跡算出ステップと、
前記軌跡算出ステップで求めた前記軌跡から前記ワイヤロープの形状を特定する形状特定ステップと、
を備えるロープ形状検出方法。
【請求項7】
コンピュータに請求項6に記載のワイヤロープの形状検出方法を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はロープ形状検出装置、クレーン、ロープ形状検出方法及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
クレーンには、荷振れを防止するため、ワイヤロープの振れを測定する振れ角検出装置が設けられることがある。
【0003】
例えば、特許文献1には、クレーンから垂下するワイヤロープの側面を撮像する撮像装置と、その撮像装置が撮像した画像からワイヤロープの傾きを求める制御部と、を備える振れ角検出装置が開示されている。
【0004】
特許文献1に記載の振れ角検出装置では、制御部が撮像装置の画像を二値化してワイヤー領域を抽出する。また、制御部は、帯状の上画素領域及び下画素領域とワイヤー領域が交差する角度を求め、その角度をワイヤロープの傾きとして出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、クレーンでは、ブームヘッドのシーブとフックシーブの間にワイヤロープが巻き掛けられることがある。
【0007】
特許文献1に記載の振れ角検出装置の場合、撮像装置がワイヤロープの側方に設置されているので、このようにワイヤロープが巻き掛けられると、ワイヤロープは、上下方向に複数のワイヤロープが延伸する画像として撮像される。
【0008】
しかし、特許文献1に記載の振れ角検出装置は、撮像装置が撮像した画像を二値化してワイヤー領域を抽出するだけである。このため、振れ角検出装置では、画像内でワイヤロープそれぞれが撮像された領域を分離することができない。その結果、ワイヤロープの傾きを正確に検出することが困難である。
【0009】
また、クレーンでは、ワイヤロープの張力、ウインチの負荷を求めるため、ワイヤロープの巻掛本数を検出することが望まれている。換言すると、巻き掛けられたワイヤロープの形状を検出することが望まれている。
【0010】
しかし、特許文献1に記載の振れ角検出装置は、一本のワイヤロープの傾きを検出するだけである。このため、巻き掛けられたワイヤロープの正確な形状を検出することができない。
【0011】
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、巻き掛けられたワイヤロープの形状を正確に検出することができるロープ形状検出装置、クレーン、ロープ形状検出方法及び、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するため、本発明の第一の観点に係るロープ形状検出装置は、
クレーンが備えるフック及び、該フックとブームヘッドの間に掛け回されたワイヤロープを撮像する撮像装置から画像を取得する画像取得部と、
前記画像取得部が取得した画像の濃淡、色の分布に基づいて、前記画像内の前記フック及び前記ワイヤロープの画像部分を含むロープ領域を抽出するセグメンテーション部と、
前記撮像装置の位置情報に基づいて前記画像内の鉛直方向を求め、前記セグメンテーション部が抽出した前記ロープ領域に沿って、求めた前記鉛直方向へ又は、前記鉛直方向と反対側へ第一質点が移動すると仮定した場合の、該第一質点の画像内の軌跡を求める軌跡算出部と、
前記軌跡算出部が求めた前記軌跡から前記ワイヤロープの形状を特定する形状特定部と、
を備える。
【0013】
前記軌跡算出部は、
前記撮像装置の撮像位置情報に基づいて、前記撮像装置が撮像する画像内で、前記ブームヘッドの真下となる位置を算出する真下位置算出部と、
前記撮像位置情報に基づいて、前記撮像装置が撮像する画像内で、撮像された前記ワイヤロープの上端部を横断すると仮定されるライン状領域を算出するライン状領域算出部と、
前記ライン状領域算出部によって算出されたライン状領域が前記セグメンテーション部によって抽出された前記ロープ領域の上端部を横断する毎に、その横断部分の中央を起点として設定する起点設定部と、
前記起点設定部が設定した前記起点から前記真下位置算出部が求めた前記真下となる位置がある方向を、前記鉛直方向とし、前記第一質点が前記ロープ領域に沿って、前記鉛直方向へ又は、前記鉛直方向と反対側へ移動すると仮定した場合の、前記第一質点の画像内の軌跡を求める演算部と、
を有してもよい。
【0014】
前記軌跡算出部は、前記鉛直方向に垂直な方向から2つの第二質点に挟み込まれた状態で、前記第一質点が前記鉛直方向へ又は、前記鉛直方向と反対側へ移動すると共に、前記第一質点には、前記2つの第二質点のうちの一方が前記ロープ領域から外れた場合に、前記2つの第二質点のうちの他方の側に向かう斥力が加えられると仮定したときの前記第一質点の前記軌跡を求めてもよい。
【0015】
前記形状特定部は、前記軌跡から前記ロープ領域の前記鉛直方向の長さを求め、求めた長さが閾値よりも大きい場合に、前記軌跡から前記ワイヤロープの形状を求めてもよい。
【0016】
本発明の第二の観点に係るクレーンは、
ブームヘッドに設けられ、前記ブームヘッドのシーブから吊されたワイヤロープを撮像する撮像装置と、
本発明の第一の観点に係るロープ形状検出装置と、
を備える。
【0017】
本発明の第三の観点に係るロープ形状検出方法は、
クレーンが備えるフック及び、該フックとブームヘッドの間に掛け回されたワイヤロープを撮像する撮像装置から画像を取得する画像取得ステップと、
前記画像取得ステップで取得した画像の濃淡、色の分布に基づいて、前記画像内の前記フック及び前記ワイヤロープの画像部分を含むロープ領域を抽出するセグメンテーションステップと、
前記撮像装置の位置情報に基づいて前記画像内の鉛直方向を求め、前記セグメンテーションステップで抽出した前記ロープ領域に沿って、求めた前記鉛直方向へ又は、前記鉛直方向と反対側へ第一質点が移動すると仮定した場合の、該第一質点の画像内の軌跡を求める軌跡算出ステップと、
前記軌跡算出ステップで求めた前記軌跡から前記ワイヤロープの形状を特定する形状特定ステップと、
を備える。
【0018】
本発明の第四の観点に係るプログラムは、
コンピュータに本発明の第三の観点に係るロープ形状検出方法を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0019】
本発明の構成によれば、軌跡算出部が、撮像装置の位置情報に基づいて画像内の鉛直方向を求め、セグメンテーション部が抽出したロープ領域に沿って、求めた鉛直方向へ第一質点が移動すると仮定した場合の、その第一質点の画像内の軌跡を求め、形状特定部が、その軌跡からワイヤロープの形状を特定する。このため、ブームヘッドから鉛直方向へ延びるワイヤロープだけを抽出して、その形状を特定することができる。本発明の構成によれば、ワイヤロープの形状を正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施の形態に係るロープ形状検出装置が装備されたラフテレーンクレーンの側面図である。
【
図2】ロープ形状検出装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】ロープ形状検出装置が備える制御部のハードウエア構成図である。
【
図4】ロープ形状検出装置が備える撮像装置が撮像した画像の一例を示す図である。
【
図5】ロープ形状検出装置が備えるセグメンテーション部が抽出したロープ領域の一例を示す図である。
【
図6】ロープ形状検出装置が備える軌跡算出部の構成を示すブロック図である。
【
図7】軌跡算出部が求めるライン状領域と起点の位置関係を示す概念図である。
【
図8】ロープ形状検出装置が備える軌跡算出部に設けられた演算部が用いるシードとウイスカーとの位置関係を示すロープ領域の拡大図である。
【
図9】ウイスカーがロープ領域から外れたときの、シードの位置と斥力の方向を示すロープ領域の拡大図である。
【
図10】演算部が求めたシードの軌跡の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態に係るロープ形状検出装置、クレーン、ロープ形状検出方法及び、プログラムについて図面を参照して詳細に説明する。なお、図中、同一又は同等の部分には同一の符号を付す。
【0022】
実施の形態に係るロープ形状検出装置は、ラフテレーンクレーンに装備される装置である。このロープ形状検出装置は、ブームヘッドのシーブとフックシーブの間に巻き掛けられたワイヤロープの形状を検出する。まず、
図1を参照して、ラフテレーンクレーンの構成とワイヤロープの巻き掛けについて説明する。
【0023】
図1は、本発明の実施の形態に係るロープ形状検出装置1が装備されたラフテレーンクレーン100の側面図である。
【0024】
ラフテレーンクレーン100は、
図1に示すように、走行機能を有する車両本体101の上に旋回体110を介して設けられたブーム120と、ブーム120の先端部から垂下するワイヤロープ130に接続された、荷を吊るためのフック140と、を備えている。
【0025】
ブーム120は、基部のフートピンがブラケットに取り付けられると共に、その中間部が起伏シリンダに支えられている。これにより、ブーム120は、起伏することができる。また、ブーム120は、テレスコピック(telescopic)式であり、伸縮することができる。そのブーム120の先端には、ブームヘッド121が設けられている。そして、ブームヘッド121の内部には、先端シーブ150が設けられ、先端シーブ150にワイヤロープ130が掛けられている。
【0026】
ワイヤロープ130は、ブーム120の基部の近傍に設けられたウインチドラム160に接続されている。ワイヤロープ130は、そのウインチドラム160から上述した先端シーブ150に向かって延びている。ワイヤロープ130は、先端シーブ150に巻き掛けられた後、その下へ垂下している。そのワイヤロープ130には、フック140が接続されている。
【0027】
フック140には、フックシーブ170が設けられている。そして、フックシーブ170には、上述した垂下したワイヤロープ130が掛けられている。フック140は、ウインチドラム160が回転して、ワイヤロープ130が巻き上げ又は、巻き下げされることにより、上昇又は、下降する。
【0028】
上述したように、ブームヘッド121に先端シーブ150が設けられ、フック140にフックシーブ170が設けられている。ワイヤロープ130は、張力を小さくするため、これらフックシーブ170と先端シーブ150に巻き掛けられる。
【0029】
詳細に説明すると、
図1には示されていないが、フックシーブ170は、フック140に複数個、設けられている。また、先端シーブ150も、ブームヘッド121に複数個、設けられている。ワイヤロープ130は、張力を調整するため、これらのフックシーブ170と先端シーブ150に所望の回数だけ巻き掛けられる。なお、この回数のことを以下、巻掛本数という。
【0030】
一方、ラフテレーンクレーン100には、負荷を算出して転倒、破損を防止する過負荷防止装置200が装備されている。この過負荷防止装置200では、巻掛本数を用いて荷の重さを求める。このため、過負荷防止装置200を正確に動作させるには、オペレータが巻掛本数を正確に把握して、その数を正確に入力することが必要である。
【0031】
しかし、上述したように、ワイヤロープ130は、フックシーブ170と先端シーブ150に任意の巻掛本数だけ巻き掛けられる。また、上述したように、ワイヤロープ130は、ウインチドラム160により巻き上げ、巻き下げられ、その長さが変化する。その結果、巻き掛けられたワイヤロープ130の形状が複雑になることがあり、正確な巻掛本数を把握することが難しい。
【0032】
そこで、オペレータが正確な巻掛本数を知ることができる状態にするため、ラフテレーンクレーン100には、ロープ形状検出装置1が装備されている。次に、
図2-
図5を参照して、ロープ形状検出装置1の構成について説明する。
【0033】
図2は、ロープ形状検出装置1の構成を示すブロック図である。
図3は、ロープ形状検出装置1が備える制御部20のハードウエア構成図である。
図4は、ロープ形状検出装置1が備える撮像装置10が撮像した画像の一例を示す図である。
図5は、ロープ形状検出装置1が備えるセグメンテーション部22が抽出したロープ領域220の一例を示す図である。なお、
図4では、撮像装置10は、巻掛本数が4であるときのワイヤロープ130を撮像している。また、
図5は、
図4に示すワイヤロープ130を撮像した画像からセグメンテーション部22が抽出したロープ領域220を示している。
【0034】
図2に示すように、ロープ形状検出装置1は、撮像装置10と、画像処理、巻掛本数検出等の各種処理を行う制御部20と、制御部20の処理で使用されるデータ及びプログラム等が格納された記憶部30と、各種処理の結果が表示される表示装置40と、を備える。
【0035】
撮像装置10には、フック140に吊り下げられた荷を監視する吊荷監視カメラが使用されている。
【0036】
詳細には、撮像装置10は、
図1に示すように、ブームヘッド121に設置されている。そして、吊荷を監視するため、図示しないレンズを下に向けている。これにより、撮像装置10は、
図4に示すように、吊荷を上から視たときの画像を撮像する。その結果、撮像装置10は、ブームヘッド121から下へ延伸するワイヤロープ130と、ワイヤロープ130によって吊り下げられたフック140と、を撮像する。なお、
図4では、撮像装置10は、過巻防止装置180も撮像している。撮像装置10は、撮像して作成した画像データを制御部20に送信する。
【0037】
一方、制御部20は、
図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)50およびメモリ60を有するコンピュータと、撮像装置10及び表示装置40を接続するためのI/Oポート70と、を備えている。
【0038】
制御部20は、CPU50が記憶部30に格納されたロープ形状検出プログラム31を実行することにより実現されている。そして、制御部20は、ソフトウエアとして構成される処理ブロックを有する。詳細には、制御部20は、
図2に示す画像取得部21、セグメンテーション部22、軌跡算出部23及び形状特定部24の各理ブロックを有する。
【0039】
画像取得部21は、撮像装置10が生成した画像データを取得する。例えば、撮像装置10が1秒間に30フレームの画像データを生成する場合、そのうちの1フレームに相当する画像データを取得する。そして、画像取得部21は、取得した画像データをセグメンテーション部22に送信する。なお、セグメンテーション部22、軌跡算出部23等の処理能力にもよるが、画像取得部21は、撮像装置10が画像データを生成する毎に、その画像データを取得してもよい。
【0040】
セグメンテーション部22は、画像取得部21から受信した画像データに前処理を施す。すなわち、セグメンテーション部22は、受信した画像データからフック140とワイヤロープ130が撮像されている領域(以下、ロープ領域という)を抽出する。例えば、セグメンテーション部22は、画像データの二値化処理によって、
図5に示すロープ領域220を抽出する。
【0041】
より詳細に説明すると、
図2に示す記憶部30には、ロープ領域220の抽出に必要な抽出用パラメータ32が格納されている。そして、この抽出用パラメータ32には、例えば、予め実験することにより求めた二値化処理の閾値データが含まれている。セグメンテーション部22は、記憶部30に記憶された抽出用パラメータ32を読み出し、読み出した抽出用パラメータ32と画像データの濃淡データに基づいて、画像データからロープ領域220を抽出する。そして、セグメンテーション部22は、抽出したロープ領域220の画像内位置データを、画像データと共に軌跡算出部23へ送信する。なお、セグメンテーション部22は、二値化処理によるロープ領域220の抽出のほか、色の分布に基づいて、又は濃淡勾配に基づいてロープ領域を抽出してもよい。
【0042】
軌跡算出部23は、シード(Seed)と呼ばれる質点が、セグメンテーション部22が抽出したロープ領域220に沿って、重力方向(グラビティ方向ともいう)へ落下したと仮定したときの、その質点の軌跡を算出する。
【0043】
詳細には、セグメンテーション部22が抽出したロープ領域220には、
図4に示すフック140、過巻防止装置180等の、ワイヤロープ130以外の部材の画像部分が含まれている。一方、ワイヤロープ130は、それ以外の部材と異なり、ブームヘッド121から下へ垂れ下がる結果、鉛直方向に真っ直ぐ延びる形状となりやすい。そこで、軌跡算出部23は、そのワイヤロープ130の性質を利用して、セグメンテーション部22が抽出したロープ領域220からワイヤロープ130の形状を抽出する。すなわち、軌跡算出部23は、上記質点、つまりシードがロープ領域220に沿って、上から下へ落ちていくと仮定し、そのときのシードの軌跡を算出する。これにより、軌跡算出部23は、ワイヤロープ130だけの形状を抽出する。軌跡算出部23は、このような処理を行うため、各種処理ブロックを有する。続いて、軌跡算出部23の処理ブロックについて説明する。
【0044】
図6は、軌跡算出部23の構成を示すブロック図である。
図7は、軌跡算出部23が求めるライン状領域Aと起点P
1の位置関係を示す概念図である。なお、
図7では、ライン状領域Aは、幅が小さいため、長さ方向のみ点線で示している。
【0045】
図6に示すように、軌跡算出部23は、上記シードの落下方向、すなわち重力方向を求めるため、画像内の真下位置を算出する真下位置算出部231と、シードが落下するときの起点の設定に用いるため、ワイヤロープ130の画像部分上端側を横断するライン状領域を算出するライン状領域算出部232と、そのライン状領域を用いて上記起点を設定する起点設定部233と、設定された起点からシードがロープ領域220に沿って落下したときの、シードの軌跡を求める演算部234と、を有する。
【0046】
真下位置算出部231は、シードの移動方向となる真下位置の画像内座標を算出する。
【0047】
詳細には、真下位置算出部231は、記憶部30から撮像位置データ34を読み出す。撮像位置データ34には、撮像装置10のレンズの向き、撮像装置10の、ブームヘッド121の先端シーブ150に対する位置等のデータが格納されている。例えば、撮像位置データ34には、撮像装置10のレンズが真下、すなわち鉛直方向を向くこと、撮像装置10が先端シーブ150の中央から真横方向に所定の距離だけ離れた位置にあること、等の位置データが格納されている。真下位置算出部231は、この撮像位置データ34を読み出し、読み出した撮像位置データ34に基づいて画像内でブームヘッド121の真下となる、
図7の真下座標P
0を算出する。すなわち、画像内での、ワイヤロープ130が垂れ下がって延びていくであろう真下座標P
0を算出する。真下位置算出部231は、算出した真下座標P
0を、
図6に示す演算部234に送信する。
【0048】
なお、画像中央がブームヘッド121の真下となる状態に撮像装置10が予めセッティングされている場合、真下位置算出部231は、記憶部30から撮像位置データ34を読み出すことなく、真下座標P0を画像中央の座標とするとよい。また、撮像位置データ34は、本明細書では撮像位置情報ともいう。
【0049】
一方、ライン状領域算出部232は、シードの起点を設定するために、撮像した画像内で、ワイヤロープ130の画像部分上端側を横断すると仮定される、
図7に示すライン状領域Aを算出する。詳細には、上述した、
図6に示す撮像位置データ34には、予め実験によって求めた、撮像装置10のレンズの向き、位置に対するライン状領域Aの、ラインの位置、幅のデータが格納されている。ライン状領域算出部232は、その撮像位置データ34を記憶部30から読み出し、読み出した撮像位置データ34から、
図7に示すライン状領域Aを算出する。
【0050】
例えば、
図6に示す撮像位置データ34に、撮像装置10がブームヘッド121の左側面側に配置されている旨の撮像装置10の位置データと、それに対して、撮像装置10が撮像した画像の右領域の定められた位置に、画像の右辺部に平行な一定幅のラインを設けるという位置データとが格納されている。この場合、ライン状領域算出部232は、その撮像位置データ34に基づいて、画像の右領域の定められた位置に、右辺部に平行な一定幅のラインを引き、ライン状領域Aとする。このとき、撮像位置データ34に、ワイヤロープ130の画像部分上端側をより確実に横断するライン状領域Aを得るため、複数のラインの位置データが格納されているとよい。そして、ライン状領域算出部232は、
図7に示す複数のライン状領域Aを算出してもよい。ライン状領域算出部232は、求めたライン状領域Aの位置を起点設定部233に送信する。
【0051】
図6に戻って、起点設定部233は、抽出したロープ領域220に起点を設定する。
【0052】
詳細には、起点設定部233は、上述したセグメンテーション部22が抽出したロープ領域220とライン状領域算出部232が算出したライン状領域Aから、起点を設定する。
【0053】
図7を用いて説明すると、
図7に示す例では、撮像装置10が、巻掛本数が4本であるワイヤロープ130を、ブームヘッド121の左側から撮像している。このため、セグメンテーション部22によって抽出されたロープ領域220は、画像中央から画像の右領域周縁に向かって放射状に延びる放射状部分を4つ有する。
【0054】
一方、ライン状領域算出部232が算出したライン状領域Aは、画像の右辺部に平行であるため、ロープ領域220の放射状部分それぞれを横断する。
【0055】
起点設定部233は、ロープ領域220とライン状領域Aが重なる部分を特定し、その重なる部分の中央を起点P
1とする。より差詳細には、ライン状領域Aがロープ領域220の上述した放射状部分を横断する横断部分を求め、その横断部分の中央に起点P
1を設定する。起点設定部233は、設定した起点P
1の画像内位置データを、
図6に示す演算部234に送信する。
【0056】
演算部234は、
図7に示す起点P
1からシードがロープ領域220に沿って重力方向Gへ落下するときの軌跡を算出する。
【0057】
詳細には、演算部234は、シードの落下方向を決めるため、まず、各起点P
1での重力方向Gを求める。すなわち、演算部234は、各起点P
1から真下位置算出部231が算出した真下座標P
0へ向かう方向を求め、その方向を重力方向Gとする。なお、
図7では、理解を容易にするため、一部の起点P
1にだけ重力方向Gを示しているが、演算部234は、すべての起点P
1について、重力方向Gを求める。
【0058】
続いて、演算部234は、求めた重力方向Gの単位長さを単位ベクトルとする。演算部234は、その単位ベクトルをシードの運動ベクトルとし、その運動ベクトルでのシードの変位を求める。
【0059】
このとき、演算部234は、シードをロープ領域220に沿って移動させるため、シードが、シードとは別の質点である2つのウイスカー(Whisker)に挟まれた状態で、それらウイスカー242から斥力を受けながら運動すると仮定する。そして、シードがその斥力によって、ロープ領域220に沿って移動すると仮定する。
【0060】
図8は、軌跡算出部23に設けられた演算部234が用いるシード241とウイスカー242との位置関係を示すロープ領域220の拡大図である。
図9は、ウイスカー242がロープ領域220から外れたときの、シード241の位置と斥力Fの方向を示すロープ領域220の拡大図である。
【0061】
詳細に説明すると、演算部234は、
図8に示すように、重力方向Gに垂直な方向である方向Dに一定の距離だけ離れているウイスカー242によって挟まれた状態で、シード241がそれらウイスカー242と共に運動すると仮定する。そして、演算部234は、シード241の運動によって、ウイスカー242がロープ領域220の外側へ出てしまった場合、
図9に示すように、その外側へ出たウイスカー242からシード241が斥力Fを受けると仮定する。
【0062】
ここで、斥力Fは、シード241をロープ領域220の外側から遠ざけるため、シード241に加えられる力である。その向きは、ロープ領域220の外側へ出たウイスカー242からもう一方のウイスカー242へ向かう方向である。その大きさは、ウイスカー242がロープ領域220から遠さかるに従って、大きくなってもよいし、ウイスカー242のロープ領域220から距離によらず一定であってもよい。
【0063】
演算部234は、シード241がこの斥力Fのベクトルと上記の運動ベクトルのもとで運動すると仮定してシード241の変位を求める。演算部234は、シード241の変位の時系列、すなわち、シード241の座標の推移を求めることにより、シード241の軌跡を求める。
【0064】
この軌跡の演算は、シード241がロープ領域220内を重力方向Gに移動できなくなるまで、すなわち、ロープ領域220の重力方向G末端に達するまで行われる。また、起点設定部233が設定した起点P1それぞれについて行われる。
【0065】
図10は、演算部234が求めたシード241の軌跡の概念図である。
【0066】
図10に示すように、演算部234は、ワイヤロープ130が重力方向Gに延びるところ、重力方向Gの運動ベクトルとウイスカー242の斥力のベクトルがシード241に作用することから、そのワイヤロープ130に沿った線Lの形状の軌跡を求める。その軌跡は、ワイヤロープ130の中心軸、すなわち、ワイヤロープ130の心綱に沿っている。
【0067】
図2に戻って、軌跡算出部23は、求めた軌跡を表す座標群データ、すなわち、軌跡データを形状特定部24に送信する。
【0068】
形状特定部24は、軌跡算出部23から軌跡データを受信し、その軌跡データから軌跡の長さを求める。また、形状特定部24は、記憶部30に格納された閾値データ33を読み出し、求めた軌跡の長さが読み出した閾値よりも大きい場合に、軌跡算出部23が軌跡を正常に検出したと判定する。
【0069】
形状特定部24は、正常に検出したと判定した場合、その軌跡データがワイヤロープ130の中心軸の形状を表す形状データであるとする。換言すると、ワイヤロープ130の心綱の形状を表すデータ(以下、単に、ワイヤロープ130の形状データという)であるとする。
【0070】
一方、形状特定部24は、正常に検出していないと判定した場合、その軌跡データがワイヤロープ130の形状データではなく、ワイヤロープ130以外の部品の形状を表すデータ、例えば、過巻防止装置180、過巻防止装置180に付属するワイヤロープの形状を表すデータであるとする。
【0071】
形状特定部24は、ワイヤロープ130の形状データである軌跡データから、巻掛本数をカウントし、カウントした巻掛本数を過負荷防止装置200に送信する。また、形状特定部24は、ワイヤロープ130の形状データである軌跡データを表示装置40に送信する。
【0072】
表示装置40は、液晶ディスプレイ又は、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイで構成されている。表示装置40は、撮像装置10から画像データを受信して、撮像装置10が撮像した画像を表示する。また、表示装置40は、形状特定部24から受信した軌跡データを表示する。表示装置40は、ラフテレーンクレーン100のオペレータにワイヤロープ130の画像を表示すると共に、その基本的形状を軌跡として表示することにより、巻掛本数を認知しやすくする。
【0073】
なお、形状特定部24は、カウントした巻掛本数を過負荷防止装置200に送信しているが、カウントした巻掛本数のデータを表示装置40に送信して、表示装置40に巻掛本数の数字を表示してもよい。
【0074】
また、本明細書及び特許請求の範囲では、上述した重力方向Gのことを鉛直方向ともいう。また、シード241及びウイスカー242のことを、第一質点及び第二質点ともいう。さらに、画像取得部21、セグメンテーション部22、軌跡算出部23及び形状特定部24の各理ブロックが処理する工程のことを、画像取得ステップ、セグメンテーションステップ、軌跡算出ステップ及び形状特定ステップともいう。
【0075】
以上のように、実施の形態に係るロープ形状検出装置1では、軌跡算出部23が、撮像装置10の位置情報に基づいて画像内の重力方向Gを求め、セグメンテーション部22が抽出したロープ領域220に沿って、求めた重力方向Gへシード241が移動すると仮定した場合の、そのシード241の画像内の軌跡を求める。また、形状特定部24が、そのシード241の軌跡からワイヤロープ130の形状を特定する。このため、ブームヘッド121から重力方向Gへ延びるワイヤロープ130だけを抽出して、その形状を特定することができる。その結果、ワイヤロープ130の形状を正確に検出することができる。
【0076】
ロープ形状検出装置1は、ワイヤロープ130の形状を正確に検出することができるので、ワイヤロープ130がブームヘッド121の先端シーブ150とフック140のフックシーブ170に巻き掛けられているときの、そのワイヤロープ130の形状を正確に特定することができる。
【0077】
ロープ形状検出装置1では、軌跡算出部23が備える起点設定部233が複数の起点P1を設定し、演算部234が起点P1それぞれからのシード241の軌跡を求めるので、オペレータによって巻掛本数が変更された場合でも、その変更に容易に対応して、ワイヤロープ130の形状を検出することができる。その結果、ロープ形状検出装置1は、正確な巻掛本数を検出することができる。
【0078】
軌跡算出部23が求める軌跡は、ワイヤロープ130の中心軸、すなわち、ワイヤロープ130の心綱の形状である。これにより、ロープ形状検出装置1では、ワイヤロープ130の形状を正確に検出することができる。
【0079】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。例えば、上記の実施の形態では、セグメンテーション部22が二値化処理によってロープ領域220を抽出しているが、本発明はこれに限定されない。本発明では、セグメンテーション部22は、画像の濃淡の勾配に基づいてロープ領域220を抽出してもよい。
【0080】
詳細には、セグメンテーション部22は、画像の濃淡のエッジを算出し、算出した濃淡のエッジから、輪郭線を検出することにより、ロープ領域220を抽出してもよい。この場合、軌跡算出部23は、画像の濃淡の勾配からロープ領域220の横断方向を特定し、その横断方向にシード241、ウイスカー242を配列するとよい。
【0081】
また、上記の実施の形態では、軌跡算出部23は、シード241がロープ領域220の重力方向Gの末端に達するまで軌跡を求めている。すなわち、軌跡算出部23は、シード241がロープ領域220の重力方向Gの末端を終点としている。しかし、本発明はこれに限定されない。本発明では、シード241が終点に達した後、終点から起点P1まで再度軌跡を求めてもよい。そして、その再度の軌跡と起点P1から終点までの軌跡とを比較することにより、より正確な軌跡を求めてもよい。例えば、起点P1から終点までの軌跡に局所的な屈曲部があり、終点から起点P1への軌跡にそのような屈曲部がない場合、ワイヤロープ130は直線的なものであるとして、終点から起点P1への軌跡を採用するとよい。
【0082】
なお、撮像装置10が撮像する画像では、すべてのワイヤロープ130は、画像周縁部から画像中心部のフック140に向かって延伸するため、より正確なワイヤロープ130の巻掛本数を得るには、起点P1から終点へ軌跡を求めたほうがよい。
【0083】
上記の実施の形態では、撮像装置10として吊荷監視カメラが使用されているが、本発明はこれに限定されない。本発明では、撮像装置10は、ワイヤロープ130の形状を撮像する専用のカメラであってもよい。
【0084】
なお、上記の実施の形態では、ロープ形状検出装置1が撮像装置10を備えているが、ロープ形状検出装置1は、撮像装置10から画像を取得できる限りにおいて、撮像装置10を備えていなくてもよい。例えば、ロープ形状検出装置1は、荷監視カメラと別の装置であってもよい。
【0085】
上記の実施の形態では、ロープ形状検出装置1が過負荷防止装置200に接続されているが、本発明では、過負荷防止装置200への接続は任意である。このため、ロープ形状検出装置1は、過負荷防止装置200に接続されず、表示装置40に検出したワイヤロープ130の形状を表示するだけでもよい。このような形態でも、オペレータに巻掛本数の確認を促すことができる。
【0086】
実施の形態1及び2では、ロープ形状検出装置1がラフテレーンクレーン100に装備されているが、本発明は、ワイヤロープ130が、フック140に設けられた複数のフックシーブ170とブーム120の先端部に設けられた複数の先端シーブ150とに巻き掛けられるクレーン全般に適用可能である。
【符号の説明】
【0087】
1…ロープ形状検出装置、10…撮像装置、20…制御部、21…画像取得部、22…セグメンテーション部、23…軌跡算出部、24…形状特定部、30…記憶部、31…ロープ形状検出プログラム、32…抽出用パラメータ、33…閾値データ、34…撮像位置データ、40…表示装置、50…CPU、60…メモリ、70…I/Oポート、100…ラフテレーンクレーン、101…車両本体、110…旋回体、120…ブーム、121…ブームヘッド、130…ワイヤロープ、140…フック、150…先端シーブ、160…ウインチドラム、170…フックシーブ、180…過巻防止装置、200…過負荷防止装置、220…ロープ領域、231…真下位置算出部、232…ライン状領域算出部、233…起点設定部、234…演算部、241…シード、242…ウイスカー、A…ライン状領域、D…方向、F…斥力、G…重力方向、L…線、P0…真下座標、P1…起点