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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022092534
(43)【公開日】2022-06-22
(54)【発明の名称】マイクロホン消毒器
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/12 20060101AFI20220615BHJP
   A61L 2/20 20060101ALI20220615BHJP
   G10K 15/04 20060101ALN20220615BHJP
   A61L 101/10 20060101ALN20220615BHJP
【FI】
H04R1/12
A61L2/20 100
G10K15/04 302D
A61L101:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020205399
(22)【出願日】2020-12-10
(71)【出願人】
【識別番号】000128566
【氏名又は名称】株式会社オーディオテクニカ
(74)【代理人】
【識別番号】100141173
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 啓一
(72)【発明者】
【氏名】上杉 廉
(72)【発明者】
【氏名】藤井 祥太
(72)【発明者】
【氏名】松田 典之
【テーマコード(参考)】
4C058
5D208
【Fターム(参考)】
4C058AA26
4C058BB07
4C058DD01
4C058DD12
4C058JJ14
4C058JJ28
5D208CA14
(57)【要約】
【課題】赤外光により安定してマイクロホンの有無を検知可能なマイクロホン消毒器を提供する。
【解決手段】本発明に係るマイクロホン消毒器1は、マイクロホンMを消毒・殺菌する消毒部12と、マイクロホンが配置される領域に、赤外光を発光する発光部151a、161aと、赤外光の反射光を受光して、受光した光に基づいて電気信号を生成する受光部151b,161bと、電気信号に基づいて、領域内におけるマイクロホンの有無を判定する判定部172と、判定部の判定結果に基づいて、消毒部の動作を制御する消毒制御部18と、を有してなる。赤外光は、一定の点滅発光周期のパルス光である。判定部は、電気信号の周期ごとの振幅値が第1閾値以上となるか否かを判定し、振幅値が第1閾値以上となる第1状態が、第1時間継続するか否かに基づいて、マイクロホンの有無を判定する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロホンを消毒・殺菌する消毒部と、
前記マイクロホンが配置される領域に、赤外光を発光する発光部と、
前記赤外光の反射光を受光すると共に、受光した光に基づいて電気信号を生成する受光部と、
前記電気信号に基づいて、前記領域内における前記マイクロホンの有無を判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に基づいて、前記消毒部の動作を制御する消毒制御部と、
を有してなり、
前記赤外光は、一定の点滅発光周期のパルス光であり、
前記判定部は、
前記電気信号の周期ごとの振幅値が第1閾値以上となるか否かを判定し、
前記振幅値が前記第1閾値以上となる第1状態が、第1時間継続するか否かに基づいて、前記マイクロホンの有無を判定する、
ことを特徴とするマイクロホン消毒器。
【請求項2】
前記判定部は、
前記第1状態が前記第1時間継続するとき、前記マイクロホンが有ると判定し、
前記第1状態が前記第1時間継続しないとき、前記マイクロホンが無いと判定する、
請求項1記載のマイクロホン消毒器。
【請求項3】
前記判定部は、
前記振幅値が連続して前記第1閾値以上となる前記周期の回数に基づいて、前記第1状態が前記第1時間継続するか否かを判定する、
請求項2記載のマイクロホン消毒器。
【請求項4】
前記電気信号の前記周期が、前記赤外光の前記点滅発光周期と一致するか否かを判定し、
前記第1状態が前記第1時間以上継続し、かつ、前記周期が前記点滅発光周期と一致するとき、前記マイクロホンが有ると判定し、
前記周期が前記点滅発光周期と一致しないとき、前記マイクロホンが無いと判定する、
請求項2記載のマイクロホン消毒器。
【請求項5】
前記判定部は、前記マイクロホンが有ると判定しているとき、
前記振幅値が第2閾値以下となるか否かを判定し、
前記振幅値が前記第2閾値以下となる第2状態が、第2時間継続するか否かに基づいて、前記マイクロホンの有無を判定する、
請求項2記載のマイクロホン消毒器。
【請求項6】
前記判定部は、
前記第2状態が前記第2時間継続するとき、前記マイクロホンが有ると判定し、
前記第2状態が前記第2時間継続しないとき、前記マイクロホンが無いと判定する、
請求項5記載のマイクロホン消毒器。
【請求項7】
前記判定部は、
前記振幅値が連続して前記第2閾値以下となる前記周期の回数に基づいて、前記第2状態が前記第2時間継続するか否かを判定する、
請求項6記載のマイクロホン消毒器。
【請求項8】
前記第1時間は前記第2時間と異なり、および/または、前記第1閾値は前記第2閾値と異なる、
請求項5記載のマイクロホン消毒器。
【請求項9】
前記判定結果に基づいて、前記発光部から発光される前記赤外光の発光出力を制御する発光制御部、
を有してなり、
前記発光制御部は、前記第1閾値または前記第2閾値に基づいて、前記判定部が前記マイクロホンが有ると判定しているときの前記発光出力を、前記判定部が前記マイクロホンが無いと判定しているときの前記発光出力よりも小さくする、
請求項5記載のマイクロホン消毒器。
【請求項10】
前記判定部は、前記マイクロホンが有ると判定しているとき、前記振幅値が第3時間継続して所定範囲内に収まっているか否かを判定し、
前記発光制御部は、前記振幅値が前記第3時間継続して前記所定範囲内に収まっているとき、前記発光出力を、前記判定部が前記マイクロホンが無いと判定しているときの前記発光出力よりも小さくする、
請求項9記載のマイクロホン消毒器。
【請求項11】
前記振幅値が前記第1閾値以上となるか否かの判定を、前記判定部が継続して実行する時間である判定実行時間を切り替える切替部、
を有してなり、
前記切替部は、前記振幅値が継続して前記第1閾値以上にならない時間に基づいて、前記判定実行時間を切り替える、
請求項1記載のマイクロホン消毒器。
【請求項12】
前記判定実行時間は、
前記判定部が前記判定を常時実行する第1判定実行時間と、
前記判定部が前記判定を定期的に実行する第2判定実行時間と、
を含む、
請求項11記載のマイクロホン消毒器。
【請求項13】
前記発光部と前記受光部それぞれの正面側を覆い、前記赤外光と前記光とを透過するカバー、
を有してなり、
前記発光部と前記受光部とは、一体に構成され、
前記カバーは、
前記発光部と前記受光部それぞれの前記正面に面する第1面と、
前記第1面に平行な第2面と、
前記発光部と前記受光部との正面視において、前記発光部と前記受光部との間を区分けするように前記第1面に配置される長溝と、
を備える、
請求項1記載のマイクロホン消毒器。
【請求項14】
前記長溝の深さは、前記カバーの前記第1面と前記第2面との間の厚みの2/5以上である、
請求項13記載のマイクロホン消毒器。
【請求項15】
前記長溝は、前記長溝の短手方向に平行な断面視において、前記第1面から前記第2面側に向けて矩形状に凹む、
請求項13記載のマイクロホン消毒器。
【請求項16】
前記赤外光の周波数帯域は、10Hz~100Hzである、
請求項1記載のマイクロホン消毒器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロホン消毒器に関する。
【背景技術】
【0002】
手持ち式マイクロホン(以下「マイクロホン」という。)は、例えば、カラオケ店や、大学・学習塾の教室、会議室などにおいて不特定多数の人に使用される。このようなマイクロホンは、メッシュ状の収音部(ヘッド部)と収音部から円筒状に延出される把持部とを備える。マイクロホンは、把持部が使用者の手で把持され、収音部が使用者の口元に近接された状態で使用される。そのため、把持部は使用者の汗や汚れにより汚染され易く、収音部は使用者の口内から飛散した唾液により汚染され易い。したがって、マイクロホンは、使用頻度に応じ、または定期的に消毒・洗浄される。前述のとおり、マイクロホンの把持部は円筒状であるため、消毒・洗浄は比較的容易である。しかし、ヘッド部はメッシュ状であるため、表面の消毒・洗浄は比較的容易であるが、メッシュの目の内側や内部の消毒・洗浄は容易ではない。
【0003】
これまでにも、紫外線を用いてマイクロホンのヘッド部を自動的に消毒・殺菌する技術が開示されている(例えば、特許文献1-4参照)。
【0004】
特許文献1-4それぞれに開示された技術は、消毒装置・機器に保持されたマイクロホンのヘッド部に紫外線を照射することにより、ヘッド部を消毒・殺菌する。これらの技術では、スイッチのオン/オフ(特許文献1-3)やマイクロホンの有無の検知(特許文献1、4)により、紫外線の照射のオン/オフが制御される。
【0005】
ここで、一般的に所定領域における物品の有無を検知する方式は、特許文献4に開示されるような物理的接触を介する接触式と、物理的接触を介さない超音波や電磁波による非接触式と、に分類される。これらの方式の中でも、赤外光を用いた非接触式の赤外線センサは、比較的安価であり接触式と比較して故障し難いため、広く用いられている。
【0006】
しかしながら、マイクロホンは、カラオケルームのように照明の明暗や明滅が極端に入れ替わる部屋や、教室のように太陽光が差し込む部屋、会議室のように一定の明るさが維持され易い部屋など、様々な外部環境下で使用される。また、マイクロホンが使用される部屋の多くには、赤外線リモコンにより操作されるテレビやエアコンなどの電気機器が設置される。このような環境下において、赤外線センサは、外部光や赤外線リモコンからの赤外光による影響を受けることがある。そのため、赤外線センサの誤動作や、不安定な動作が生じ得る。
【0007】
マイクロホンのヘッド部が消毒・殺菌される場合、マイクロホンのヘッド部は紫外線やオゾンに曝される。また、ヘッド部はメッシュ状である。そのため、ヘッド部は赤外線センサの赤外光が照射される部位としては適しておらず、赤外光はマイクロホンの把持部に照射される。しかしながら、把持部は円筒状であるため、把持部の表面で赤外光が乱反射し易く、赤外線センサの受光部に受光される反射光の強度は弱くなる。また、マイクロホンの把持部の表面状態(例えば、色、材質、表面処理、汚れ・傷の有無、これらの組合せなど)は様々であり、赤外線センサの受光部に受光される反射光の強度は、把持部の表面状態により変動し得る。そして、これらの課題を解決するためには、種々の手法(例えば、赤外光の出力を上げる、マイクロホンと赤外光の発光部との間の距離を短くする、ケースなどにより外部の光を遮断する、など)が必要となる。しかしながら、これらの手法それぞれには、対応する種々の制約(例えば、消費電力、マイクロホンと赤外線センサの配置・位置関係、ケースの設計・配置、など)が生じ得る。このように、赤外光(電磁波)によりマイクロホンの有無を安定して検知するためには、多くの課題が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】登録実用新案第3227849号公報
【特許文献2】実開平7-29599第公報
【特許文献3】特開2011-97511号公報
【特許文献4】特開平8-265890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、赤外光により安定してマイクロホンの有無を検知可能なマイクロホン消毒器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るマイクロホン消毒器は、マイクロホンを消毒・殺菌する消毒部と、マイクロホンが配置される領域に、赤外光を発光する発光部と、赤外光の反射光を受光すると共に、受光した光に基づいて電気信号を生成する受光部と、電気信号に基づいて、領域内におけるマイクロホンの有無を判定する判定部と、判定部の判定結果に基づいて、消毒部の動作を制御する消毒制御部と、を有してなり、赤外光は、一定の点滅発光周期のパルス光であり、判定部は、電気信号の周期ごとの振幅値が第1閾値以上となるか否かを判定し、振幅値が第1閾値以上となる第1状態が、第1時間継続するか否かに基づいて、マイクロホンの有無を判定する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、赤外光により安定してマイクロホンの有無を検知可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係るマイクロホン消毒器の実施の形態を示す斜視図である。
図2図1のマイクロホン消毒器の分解斜視図である。
図3図1のマイクロホン消毒器の機能ブロック図である。
図4図1のマイクロホン消毒器の正面図である。
図5図4のマイクロホン消毒器のAA線断面図である。
図6図4のマイクロホン消毒器が備える第1センサ近傍のBB線拡大断面図である。
図7図6の第1センサ近傍の拡大正面図である。
図8図7の第1センサが備える長溝の構成を変更したときにおける、図1のマイクロホン消毒器が備える受光素子の受光面の放射強度を示すグラフである。
図9図1のマイクロホン消毒器の拡大左側面図である。
図10図1のマイクロホン消毒器の動作の例を示すフローチャートである。
図11図10の動作に含まれる第1判定処理を示すフローチャートである。
図12図10の第1判定処理における、図1のマイクロホン消毒器が備える受光素子からの電気信号の例を示す模式図である。
図13図12の受光素子からの電気信号の例を示す拡大模式図である。
図14図10の動作に含まれる第2判定処理を示すフローチャートである。
図15図14の第2判定処理における、受光素子からの電気信号の例を示す模式図である。
図16図10の動作に含まれる出力調整処理を示すフローチャートである。
図17図16の出力調整処理における、受光素子からの電気信号の例を示す模式図である。
図18図10の動作に含まれる消毒・殺菌処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明に係るマイクロホン消毒器(以下「本消毒器」という。)の実施の形態について説明する。各図において、同一の部材と要素とについては同一の符号が付され、重複する説明は省略される。
【0014】
●マイクロホン消毒器●
●マイクロホン消毒器の構成
図1は、本消毒器の実施の形態を示す斜視図である。
同図は、説明の便宜上、充電器Tで充電されるマイクロホンM1,M2を併せて示す。
【0015】
本消毒器1は、マイクロホンM1,M2のヘッド部M11,M21を消毒・殺菌する。本消毒器1は、本体部10とブラケット20とシェード30とを有してなる。
【0016】
ここで、マイクロホンM1,M2は、例えば、カラオケ店などにおいて、把持部M12,M22が使用者の手に把持されて使用される手持ち式マイクロホンである。マイクロホンM1,M2は、例えば、充電器Tに立てられた状態で充電されると共に、本消毒器1により消毒・殺菌される。以下の説明において、マイクロホンM1,M2が区別されないとき、マイクロホンM1,M2はマイクロホンMと記載される。
【0017】
図2は、本消毒器1の分解斜視図である。
図3は、本消毒器1の機能ブロック図である。
図2は、説明の便宜上、充電器Tを併せて示す。
【0018】
本体部10は、マイクロホンMの消毒・殺菌用のオゾンが含まれる風(以下「オゾン風」という。)を送風する。本体部10は、筐体11とオゾン発生部12とフィルタ13とファン14と第1センサ15と第2センサ16とセンサ制御部17と本体制御部18とを有してなる。
【0019】
筐体11は、オゾン発生部12とファン14と第1センサ15と第2センサ16とセンサ制御部17と本体制御部18とを収容する。筐体11は、中空の略直方体状である。側方視において、筐体11の後部上端は、半円状である。
【0020】
図4は、本消毒器1の正面図である。
図5は、本消毒器1の図4のAA線断面図である。
図4は、説明の便宜上、マイクロホンM1,M2と充電器Tとを二点鎖線で示す。図5は、空気の流れを白抜き矢印で示し、オゾンの流れを黒塗り小矢印で示し、オゾン風の流れを黒塗り矢印で示す。
【0021】
筐体11の内部の空間は、筐体11の左右方向における中央に配置される通気室A1と、通気室A1の左方と右方と下方とを囲むように配置される基板室A2(図6参照。以下同じ。)と、に大別される。筐体11は、複数の送風口11h1と、吸気口11h2と、2つの突起部111,112と、2つの開口111h,112hと、4つのレール113,114(図2参照。右側面の2つは不図示。以下同じ。)と、を備える。
【0022】
送風口11h1は、シェード30内の空間にオゾン風を送風する開口である。送風口11h1それぞれは、筐体11の前面の上部に2行に並んで配置される。
【0023】
吸気口11h2は、通気室A1にオゾン風となる空気を吸気する開口である。吸気口11h2は、筐体11の前面の下部に配置される。
【0024】
突起部111は内部に第1センサ15が配置される突起であり、突起部112は内部に第2センサ16が配置される突起である。突起部111,112は、筐体11の前面の左右下部に配置され、充電器Tに立てられたマイクロホンM1,M2に対向する。
【0025】
開口111hは、第1センサ15からの赤外光と、同赤外光の反射光を含む外部(本消毒器1の設置環境)からの光と、を通す開口である。開口112hは、第2センサ16からの赤外光と、同赤外光の反射光を含む外部からの光と、を通す開口である。開口111hは突起部111の頂面(前面)に配置され、開口112hは突起部112の頂面(前面)に配置される。
【0026】
レール113,114は、シェード30の開閉をガイドする溝である。レール113は、筐体11の後部上端に沿う円弧状の長溝である。レール114は、レール113に交差する方向に延びる長溝である。レール113,114は、筐体11の左側面の上部に配置される。レール114は、レール113の径方向の内側に配置される。図示されない他の2つのレールは、筐体11の右側面の上部に、レール113,114と同様に配置される。
【0027】
図3図5とに戻る。
オゾン発生部12は、消毒・殺菌用のオゾンを発生させて、オゾン風によりマイクロホンMを非接触で消毒・殺菌する。オゾン発生部12は、オゾン発生素子121とオゾン制御部122とを備える公知のオゾン発生モジュール(オゾナイザ)である。オゾン発生部12は、本発明における消毒部の例である。オゾン発生素子121は、通気室A1に収容され、後述されるファン14の上方に配置される。オゾン制御部122は、基板室A2に収容される。
【0028】
フィルタ13は、オゾン風となる空気をろ過する。フィルタ13は、吸気口11h2に取り付けられる。
【0029】
ファン14は、オゾン風となる空気を吸気・送風する。ファン14は、通気室A1に収容され、通気室A1の中央付近に配置される。
【0030】
図6は、本消毒器1の第1センサ近傍の図4のBB線拡大断面図である。
図7は、本消毒器1の第1センサ15近傍の拡大正面図である。
図6は、説明の便宜上、後述される発光素子151aからの赤外光の挙動の一部を矢印で示す。
【0031】
第1センサ15は、マイクロホンM(本実施の形態ではマイクロホンM1)の有無を検知する。第1センサ15は、センサ本体部151とセンサカバー152とを備える。第1センサ15は、突起部111内に配置される。
【0032】
センサ本体部151は、例えば、発光素子151aと受光素子151bとが1つのチップとして集約された(一体に構成された)公知の赤外線センサである。すなわち、センサ本体部151は、単体で発光素子151aと受光素子151bとを備える。発光素子151aと受光素子151bそれぞれは、センサ本体部151の前面に上下方向に並んで配置される。
【0033】
発光素子151aは、後述される判定領域に一定の発光周期のパルス光となる赤外光を点滅発光する。赤外光の点滅周波数は、一般的な無線伝送の搬送波として使用される赤外光(以下「伝送赤外光」という。)のキャリア周波数(例えば、赤外線リモコン:38kHz、音声伝送:2MHz~6MHz)よりも極端に低い(例えば、2桁程度低い)周波数に設定される。本実施の形態では、赤外光の点滅周波数は25Hzであり、赤外光の発光周期は0.04secである。発光素子151aは本発明における発光部の例である。
【0034】
なお、発光素子からの赤外光の点滅周波数は、伝送赤外光のキャリア周波数帯域よりも極端に低ければよく(例えば、2桁程度)、25Hzに限定されない。すなわち、例えば、赤外光の点滅周波数帯域は、好ましくは1kHz以下程度(例えば、5Hz~1kHz)であり、さらに好ましくは500Hz以下程度(例えば、5Hz~500Hz)であり、さらに好ましくは後述される第1連続回数(第2連続回数)の多少に基づき10Hz~100Hzである。
【0035】
受光素子151bは、発光素子151aからの赤外光の反射光を受光すると共に、受光した光に対応する電気信号を生成する。ここで、反射光に対応する電気信号は、赤外光と同じ周期を有するパルス状の電気信号である。受光素子151bは本発明における受光部の例である。
【0036】
ここで、一般的に、赤外線センサにおいて発光素子と受光素子とを覆うカバー部材の使用は、赤外線センサの感度の低下を招く。特に、本実施の形態に係るセンサ本体部151のような1チップ型の赤外線センサでは、発光素子151aからの赤外線がカバー部材の表面(内面や外面)で反射されて受光素子151bに受光される(入射する)現象が生じる。そのため、一般的に、赤外線センサにはカバー部材は使用されない。しかし、本消毒器1はカラオケ店などの飲食を伴う店舗にも設置され得るため、赤外線センサには飲食物が付着し得る。また、マイクロホンMが本消毒器1にセットされる際に、人の手が赤外線センサに接触し得る。赤外線センサへの人体や飲食物の接触は、赤外線センサの感度の低下や故障の原因となる。そのため、本消毒器1は、センサ本体部151を保護するセンサカバー152を備えている。
【0037】
センサカバー152は、センサ本体部151を人体の接触や異物(例えば、埃や飲食物)の付着などから保護する。センサカバー152は、例えば、ポリカーボネイトなどの透明な合成樹脂製である。センサカバー152は、少なくとも発光素子151aと受光素子151bそれぞれの正面側を覆う。センサカバー152は、第1面152aと第2面152bと長溝152cとを備える。
【0038】
第1面152aは、発光素子151aと受光素子151bそれぞれの正面に面する内面であり、第2面152bは第1面152aと平行な外面である。第1面152aと第2面152bそれぞれは、赤外光の反射を抑制するため、例えば、鏡面に仕上げられる。センサカバー152は、第2面152bが突起部111の頂面と連続するように、開口111hに嵌め込まれる。
【0039】
長溝152cは、図6に黒塗り矢印で示されるように、センサカバー152内で反射した赤外光の受光素子151b側への入射を防ぐ。長溝152cは、正面視において、発光素子151aと受光素子151bとの間を区分けするように左右方向に沿って、第1面152aに配置される。長溝152cは、長溝152cの短手方向(上下方向)に平行な断面視において、第1面152aから第2面152b側に向けて矩形状に凹む。本実施の形態において、長溝152cの深さは、センサカバー152の厚み(第1面152aと第2面152bとの間の厚み:1mm)の3/5である(すなわち、0.6mm)。
【0040】
なお、本発明における長溝の深さは、センサカバー内で反射した赤外光の受光部への入射を防ぐ効果を奏する深さであればよく、本実施の形態に限定されない。ここで、長溝の深さはセンサカバーの厚みの2/5以上であれば効果を奏し、同深さが大きくなるに連れて効果は向上するが、センサカバーの強度は低下する。本発明において、センサカバーの厚みは、例えば、センサカバーの強度とセンサカバー内の反射とのバランスに基づいて、0.5mm~1.5mmであればよく、好ましくは0.8mm~1.2mmであればよい。
【0041】
また、本発明における長溝の断面形状は、矩形状に限定されない。すなわち、例えば、長溝の断面形状は、半円状やU字状、V字状でもよい。
【0042】
図8は、長溝152cの構成を変更したときにおける、センサ本体部151とセンサカバー152の第1面152aとの距離と、受光素子151bの受光面の放射強度と、の関係を示すグラフである。
同図は、距離が0.8mmの受光面の放射強度を100%としたときの光学シミュレーション結果である。同図は、説明の便宜上、9つのグラフ線の内、6つのグラフ線のみの詳細を示す。同図において、センサカバー152の厚みは1mmである。同図は、長溝が第2面152bに配置されても効果が無いことを示す(同図「B」)。また、同図は、長溝の深さが大きくなると効果が向上することを示す(同図「C」「F」)。さらに、同図は、断面形状がV字状、半円状、矩形状の順に効果が向上することを示す(同図「E」「D」「C」)。
【0043】
このように、本消毒器1では、第1センサ15がセンサカバー152を備えていても、センサ本体部151の感度の低下は、可能な限り抑制される。また、人体や異物はセンサカバー152の第2面152bのみに接触するため、第2面152bを清掃するだけでセンサ本体部151の感度は維持される。すなわち、本消毒器1では、センサ本体部151の感度の低下や故障が抑制され、メンテナンス性は向上する。
【0044】
図3図4とに戻る。
第2センサ16は、マイクロホン(本実施の形態ではマイクロホンM2)の有無を検知する。第2センサ16は、センサ本体部161とセンサカバー162とを備える。第2センサ16は、突起部112内に配置される。
【0045】
第2センサ16の構成は、第1センサ15の構成と同じである。すなわち、センサ本体部161は、発光素子161aと受光素子161bとを備える。発光素子161aは本発明における発光部の例であり、受光素子161bは本発明における受光部の例である。センサカバー162は、第1面(不図示)と第2面162bと長溝(不図示)とを備える。センサカバー162は、第2面162bが突起部112の頂面と連続するように、開口112hに嵌め込まれる。
【0046】
センサ制御部17は、発光素子151a,161aの動作を制御すると共に、受光素子151b,161bからの電気信号を処理する。センサ制御部17は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などを有するマイクロコントローラである。センサ制御部17は、発光制御部171と判定部172と記憶部173と切替部174とを備える。
【0047】
発光制御部171は、判定部172の判定結果に基づいて、発光素子151a,161aから発光される赤外光の発光出力を制御する。発光制御部171の詳細な動作は、後述する。
【0048】
判定部172は、受光素子151b,161bからの電気信号に基づいて、マイクロホンM1,M2が配置される領域(以下「判定領域」という。)内におけるマイクロホンM1,M2の有無を判定する。判定部172の詳細な動作は、後述する。
【0049】
記憶部173は、センサ制御部17の動作に必要な情報を記憶する。記憶部173に記憶される情報の詳細は、後述する。
【0050】
切替部174は、判定実行時間を切り替える。切替部174の詳細な動作は、後述する。
【0051】
「判定実行時間」は、後述される第1判定処理(S1:図10参照)を、判定部172が継続して実行する時間である。判定実行時間は、判定部172が第1判定処理(S1)を常時実行する第1判定実行時間と、判定部172が第1判定処理(S1)を定期的(例えば、0.5sec間隔)に実行する第2判定実行時間と、を含む。判定実行時間は、例えば、本消毒器1の使用者により設定・選択される。
【0052】
本体制御部18は、本体部10の全体の動作(例えば、オゾン発生部12やファン14の動作)を制御する。本体制御部18は、例えば、センサ制御部17と共通のマイクロコントローラである。本体制御部18は、本発明における消毒制御部の例である。
【0053】
なお、本発明におけるセンサ制御部と本体制御部それぞれは、共通するマイクロコントローラで構成されなくてもよい。すなわち、例えば、本発明におけるセンサ制御部と本体制御部それぞれは、個別のマイクロコントローラやプロセッサで構成されてもよく、あるいは、所定の処理を実行する個別の回路により構成されてもよい。
【0054】
図1図2図5とに戻る。
ブラケット20は、本体部10を支持する。ブラケット20は、例えば、ステンレスなどの金属製である。ブラケット20は、背面パネル21と底面パネル22とを備える。背面パネル21は、上下方向に長い略矩形板状である。底面パネル22は、背面パネル21の下端から前方に延出される左右方向に長い略矩形板状である。すなわち、ブラケット20は、側方視においてL字状である。背面パネル21は、本消毒器1を壁やラックなどに取り付けるためのネジ(不図示)が挿通される複数の取付スリット21h1と、本体部10をブラケット20に取り付けるためのネジ(不図示)が挿通される複数の取付孔21h2とを備える。底面パネル22は、本消毒器1を取り付けるためのネジ(不図示)が挿通される複数の取付孔22h1を備える。
【0055】
本体部10は、例えば、ブラケット20の背面パネル21の前面に取り付けられる。このとき、充電器Tは、ブラケット20の底面パネル22の上面に取り付けられる。その結果、マイクロホンM1,M2が充電されるとき、マイクロホンM1の把持部M12は第1センサ15の前方に配置され、マイクロホンM2の把持部M22は第2センサ16の前方に配置される。すなわち、判定領域は、第1センサ15(第2センサ16)からの赤外光が通過する領域であり、かつ、充電中のマイクロホンM1(M2)の把持部M12(M22)が配置される領域である。
【0056】
なお、本体部は、ブラケットの底面パネルに取り付けられてもよい。
【0057】
シェード30は、消毒・殺菌されるマイクロホンM1,M2のヘッド部M11,M21の周囲に、送風口11h1からのオゾン風を滞留させる。シェード30は、例えば、ポリカーボネイトなどの透明な合成樹脂製である。シェード30は、中空で側方視において略長円柱状である。シェード30は、下部に本体部10とマイクロホンM1,M2とを挿入可能な開口30hを有する。
【0058】
図9は、本消毒器1の拡大左側面図である。
同図は、説明の便宜上、開閉状態のシェード30を二点鎖線で示す。
【0059】
シェード30の左側面の内面には、2つの突起31,32が配置される。シェード30の右側面の内面には、突起31,32に対向する位置に2つの突起33,34(図4参照。以下同じ。)が配置される。突起31,32は筐体11の左側面のレール113,114に対応する円柱状の突起であり、突起33,34は筐体11の右側面のレール(不図示)に対応する円柱状の突起である。シェード30は、左右の突起31-34それぞれが対応するレール113,114(右側面側は不図示。以下同じ。)に嵌め込まれることにより、本体部10に取り付けられる。
【0060】
●シェードの開閉
ここで、突起31,32とレール113,114とを例に、シェード30の開閉について説明する。突起31は円弧状のレール113内をスライド可能であり、突起32は直線状のレール114内をスライド可能である。シェード30は、突起31,32がレール113,114内をスライドすることにより、開閉される。具体的には、突起31,32がレール113,114の前端に位置するときシェード30は閉じられ、突起31,32がレール113,114の後端に位置するときシェード30は開けられる。このとき、突起32がレール114に沿って後斜め上方にスライドし、突起31がレール113に沿って後下方にスライドする。そのため、シェード30は回転軸が移動しながら開閉する。その結果、シェード30が閉じられたとき、シェード30は、本体部10の送風口11h1(図2参照)の前方を覆うように、本体部10の前方に張り出す。一方、シェード30が開かれたとき、シェード30は、本体部10より後方に突出することなく本体部10の上方に張り出す。この構成によれば、例えば、本消毒器1が壁に取り付けられたとき、シェード30は、壁の干渉無しに開閉される。
【0061】
●マイクロホン消毒器の動作
次に、本消毒器1の動作が、図1-3が参照されつつ、第1センサ15によるマイクロホンM1の有無の判定を例として以下に説明される。
【0062】
図10は、本消毒器1の動作の例を示すフローチャートである。
【0063】
本消毒器1は、例えば、第1判定処理(S1)と第2判定処理(S2)と出力調整処理(S3)と消毒・殺菌処理(S4)とを実行する。第2判定処理(S2)と出力調整処理(S3)と消毒・殺菌処理(S4)それぞれは、第1判定処理(S1)の後に実行される。
【0064】
●第1判定処理
「第1判定処理(S1)」は、マイクロホンMが判定領域に無いとき、判定領域におけるマイクロホンMの有無を判定する処理である。すなわち、第1判定処理(S1)は、消毒されるマイクロホンMが本消毒器1にセットされたか否かを判定する処理である。以下の説明において、本消毒器1は、発光素子151aから判定領域に向けて赤外光を出し、受光素子151bからの電気信号をモニタリングすることにより、判定領域におけるマイクロホンM1の有無を判定するものとする。
【0065】
図11は、第1判定処理(S1)を示すフローチャートである。
図12は、第1判定処理(S1)における受光素子151bからの電気信号の例を示す模式図である。
【0066】
先ず、発光制御部171は、発光素子151aから一定の発光周期のパルス光となる赤外光を点滅発光させる(S11)。前述のとおり、本実施の形態では、赤外光の点滅周波数は25Hzであるため、点滅発光周期は0.04secである。ここで、マイクロホンM1の把持部M12は円筒状であるため、赤外光は把持部M12の表面で乱反射する。そのため、把持部M12からの赤外光の反射光の強度は、発光素子151aからの赤外光の強度よりも低下する。したがって、第1判定処理(S1)において、赤外光の発光出力は、把持部M12から十分な強度(後述される振幅値が第1閾値V1以上となる強度)の反射光を受光素子151bが受光可能な大きさに設定される。
【0067】
マイクロホンM1が本消毒器1にセットされていないとき、マイクロホンM1は判定領域に無く、マイクロホンM1からの反射光は受光素子151bに受光されない。
【0068】
図13は、受光素子151bからのパルス状の電気信号の例を示す拡大模式図である。
同図の縦軸は電圧値を示し、横軸は時間を示す。同図は、赤外光(反射光)を受光していないとき(未受光時)の電圧値よりも、赤外光を受光しているとき(受光時)の電圧値が低いことを示す。この両電圧値の差の絶対値が、振幅値、すなわち、未受光時の信号レベルと受光時の信号レベルとの信号レベル差である。つまり、振幅値は、発光素子151aが発光しているときの電圧値と、発光素子151aが発光していないときの電圧値と、の差の絶対値である。
【0069】
図11図12とに戻る。
次いで、判定部172は、電気信号の周期ごとに受光素子151bからの電気信号の振幅値と第1閾値V1とを比較して、振幅値が第1閾値V1以上となるか否かを判定する(S12)。
【0070】
「第1閾値V1」は、判定領域にマイクロホンM1が有るとき、振幅値が必ず超えるように設定される閾値である。第1閾値V1は、例えば、判定の対象物(マイクロホンM1)の表面状態(色、材質、表面処理など)に基づいて予め設定され、記憶部173に記憶されている。このように、第1閾値V1がマイクロホンM1の表面状態に基づいて設定されることにより、本消毒器1は、第1判定処理(S1)においてマイクロホンM1の有無を高精度で判定できる。
【0071】
振幅値が第1閾値V1以上となるとき(S12の「Yes」)、判定部172は、その周期を起点として、振幅値が第1閾値V1以上となる状態(以下「第1状態」という。)が第1時間T1継続するか否かを判定する(S13)。
【0072】
「第1時間T1」は、判定領域にマイクロホンM1が有るとき、第1状態が必ず継続する時間である。第1時間T1は、例えば、赤外光の発光周期、本消毒器1の設置環境(例えば、太陽光や照明の明るさ、赤外線リモコンからの赤外線の有無、など)に基づく誤判定の程度、マイクロホンM1が本消毒器1にセットされてから消毒・殺菌可能となるまでの時間、などに基づいて予め設定され、記憶部173に記憶されている。
【0073】
ここで、本実施の形態において、判定部172は、振幅値が連続して第1閾値V1以上となる周期の回数(以下「第1連続回数」という。)を計測し、第1連続回数に基づいて第1状態が第1時間T1継続したか否かを判定する。この場合、判定の閾値となる回数は、第1時間T1を電気信号の周期(0.04sec)で割った数(小数点以下は切り上げ)となる。すなわち、例えば、第1時間T1が0.5secに設定されている場合であれば、判定部172は、第1連続回数が13回以上であれば第1状態は第1時間T1継続したと判定し、第1連続回数が12回未満であれば第1状態は第1時間T1継続していないと判定する。
【0074】
第1状態が連続して第1時間T1継続するとき(S13の「Yes」)、判定部172は、判定領域にマイクロホンM1が有ると判定する(S14)。
【0075】
一方、振幅値が第1閾値V1未満のとき(S12の「No」)、または、第1状態が第1時間T1継続しないとき(S13の「No」)、判定部172は、判定領域にマイクロホンM1が無いと判定する(S15)。
【0076】
このように、第1判定処理(S1)において、発光素子151aは、伝送赤外光のキャリア周波数帯域よりも極端に低い周波数の赤外光を発光する。そのため、仮に受光素子151bが伝送赤外光を受光しても、伝送赤外光は、受光素子151bからノイズ成分のように出力される。その結果、本消毒器1は、伝送赤外光により誤動作しない。また、発光素子151aからの赤外光は一定の発光周期のパルス光であり、反射光を受光した受光素子151bからは一定の周期のパルス状の電気信号が出力される。そのため、判定部172は、第1連続回数を計測することにより、電気信号の周期を間接的に取得できる。その結果、本消毒器1は、設置環境からの光(不定周期の光、パルス光ではない光)に基づく電気信号と、発光素子151aからの赤外光の反射光に基づく電気信号と、を判別することができる。その結果、設置環境からの光に基づく本消毒器1の誤動作は、抑制される。
【0077】
なお、本発明における判定部は、第1連続回数に基づく間接的な経過時間の判定に代えて、第1状態の継続時間を直接計測してもよい。
【0078】
また、本発明における判定部は、第1状態の電気信号の周期を取得して、同周期が赤外光の発光周期と一致するか否かを判定してもよい。この場合、本発明における判定部は、第1状態が第1時間以上継続し、かつ、周期が発光周期と一致するとき、判定領域にマイクロホンが有ると判定してもよい。この構成によれば、本消毒器は、反射光に基づいてのみマイクロホンの有無を判定するため、反射光以外の光(設置環境からの光)に基づいてマイクロホンが有ると判定しない。
【0079】
ここで、第1判定処理(S1)において、初期状態の判定実行時間は、第1判定実行時間(常時)である。切替部174は、例えば、処理(S12)において、振幅値が所定時間(例えば、10min)継続して第1閾値V1以上にならないとき、判定実行時間を第2判定実行時間(定期的)に切り替える。その結果、判定部172の処理負荷は、軽減される。また、無線伝送の搬送波として用いられる赤外光に基づく電気信号は、極めて短時間に出力されるため、同電気信号が第1判定処理(S1)に及ぼす影響が低減される。この場合、切替部174は、例えば、振幅値が第1閾値V1以上となったとき、判定実行時間を第1判定実行時間に切り替える。
【0080】
●第2判定処理
「第2判定処理(S2)」は、判定領域にマイクロホンMが有るとき、判定領域におけるマイクロホンMの有無を判定する処理である。すわなち、第2判定処理(S2)は、消毒・殺菌されるマイクロホンMが本消毒器1から取り出されたか否かを判定する処理である。第2判定処理(S2)は、第1判定処理(S1)において、判定領域にマイクロホンMが有ると判定された後、常に実行される。
【0081】
図14は、第2判定処理(S2)を示すフローチャートである。
図15は、第2判定処理(S2)における受光素子151bからの電気信号の例を示す模式図である。
【0082】
先ず、発光制御部171は、第1判定処理(S1)後にも引き続き、発光素子151aから一定の発光周期のパルス光となる赤外光を点滅発光させる(S21)。
【0083】
次いで、判定部172は、判定領域にマイクロホンM1が有ると判定しているとき、電気信号の周期ごとに振幅値と第2閾値V2とを比較して、振幅値が第2閾値V2以下となるか否かを判定する(S22)。
【0084】
「第2閾値V2」は、判定領域にマイクロホンM1が無いとき、振幅値が必ず下回るように設定される閾値である。第2閾値V2は、第1閾値V1よりも小さい。第2閾値V2は、例えば、判定の対象物(マイクロホンM1)の表面状態、本消毒器1の設置環境、に基づいて予め設定され、記憶部173に記憶されている。このように、第2閾値V2がマイクロホンM1の表面状態に基づいて設定されることにより、本消毒器1は、第2判定処理(S2)においてマイクロホンM1の有無を高精度で判定できる。ここで、前述のとおり、判定領域にマイクロホンM1が無いときであっても、設置環境からの光の受光やノイズなどにより電気信号は微小な振幅値を有し得る。そのため、第2閾値V2は、「0」よりも大きい値に設定される。
【0085】
振幅値が第2閾値V2以下となるとき(S22の「Yes」)、判定部172は、その周期を起点として、振幅値が第2閾値V2以下となる状態(以下「第2状態」という。)が第2時間T2継続するか否かを判定する(S23)。
【0086】
「第2時間T2」は、判定領域にマイクロホンM1が無いとき、第2状態が必ず継続する時間である。第2時間T2は、例えば、赤外光の点滅発光周期、本消毒器1の設置環境、マイクロホンM1が取り出されてから消毒・殺菌不可となるまでの時間、などに基づいて予め設定され、記憶部173に記憶されている。本実施の形態において、第2時間T2は、第1時間T1よりも長い。
【0087】
なお、第2時間は、第1時間と同じでもよい。
【0088】
ここで、本実施の形態において、判定部172は、振幅値が連続して第2閾値V2以下となる周期の回数(以下「第2連続回数」という。)を計測し、第2連続回数に基づいて第2状態が第2時間T2継続したか否かを判定する。この場合、判定の閾値となる回数は、第2時間T2を電気信号の周期で割った数(小数点以下は切り上げ)となる。すなわち、例えば、第2時間T2が1secに設定されている場合であれば、判定部172は、第2連続回数が25回以上であれば第2状態は第2時間T2継続したと判定し、第2連続回数が24回未満であれば第2状態は第2時間T2継続していないと判定する。
【0089】
第2状態が第2時間T2継続するとき(S23の「Yes」)、判定部172は、判定領域にマイクロホンM1が無いと判定する(S24)。
【0090】
一方、振幅値が第2閾値V2を超えるとき(S22の「No」)、または、第2状態が第2時間T2継続しないとき(S23の「No」)、判定部172は、判定領域にマイクロホンM1が有ると判定する(S25)。
【0091】
このように、第2判定処理(S2)においても、発光素子151aは、伝送赤外光のキャリア周波数帯域よりも極端に低い周波数の赤外光を発光する。そのため、本消毒器1は、伝送赤外光による誤動作を生じない。また、判定部172は、第2連続回数を計測することにより、電気信号の周期を間接的に取得できる。その結果、電気信号の周期が赤外光の点滅発光周期と異なるとき、点滅発光周期と異なる周期を有する電気信号に基づく本消毒器1の誤動作は、抑制される。また、本消毒器1は、設置環境からの光(不定周期の光、パルス光ではない光)に基づく電気信号と、発光素子151aからの赤外光の反射光に基づく電気信号と、を判別することができる。そのため、設置環境からの光に基づく本消毒器1の誤動作は、抑制される。
【0092】
●出力調整処理
「出力調整処理(S3)」は、マイクロホンMが判定領域に有るとき、発光素子151aの発光出力を調整する(小さくする)処理である。
【0093】
図16は、出力調整処理(S3)を示すフローチャートである。
図17は、出力調整処理(S3)における受光素子151bからの電気信号の例を示す模式図である。
【0094】
先ず、判定部172は、第1判定処理(S1)において、判定領域にマイクロホンM1が有ると判定しているとき、振幅値が第3時間T3継続して第1範囲W1内に収まっているか否かを判定する(S31)。
【0095】
「第3時間T3」は、判定領域にマイクロホンM1が有るとき、安定した振幅値が確実に継続する時間である。第3時間T3は、例えば、判定領域にマイクロホンM1が有るときに計測された振幅値に基づいて予め設定され、記憶部173に記憶されている。
【0096】
「第1範囲W1」は、振幅値が安定しているときの振幅値のばらつき(振れ幅)を示す範囲である。第1範囲W1は、例えば、判定領域にマイクロホンM1が有るときに計測された所定時間内の振幅値に基づいて予め設定され、記憶部173に記憶されている。
【0097】
振幅値が第3時間T3継続して第1範囲W1内に収まっているとき(S31の「Yes」)、発光制御部171は、振幅値が第3閾値V3となるまで発光素子151aの発光出力を小さくする(S32)。一方、振幅値が第3時間T3継続して第1範囲W1内に収まっていないとき(S31の「No」)、判定部172は、処理(S31)を継続して実行する。
【0098】
「第3閾値V3」は、発光出力を第1判定処理(S1)における発光素子151aの発光出力よりも低下させても、第1状態を確実に継続可能な振幅値を示す閾値である。第3閾値V3は、例えば、第1閾値V1または第2閾値V2、振幅値のばらつき、などに基づいて予め設定され、記憶部173に記憶されている。すなわち、例えば、振幅値のばらつきが第1閾値V1の±5%であるとき、第3閾値V3は、第1閾値V1の1.2~1.5倍の値に設定される。
【0099】
なお、第3閾値は、第1閾値に代えて、第2閾値に基づいて設定されてもよい。
【0100】
次いで、判定部172は、周期ごとに振幅値が第2閾値V2以下であるか否かを判定する(S33)。
【0101】
振幅値が第2閾値V2以下のとき(S33の「Yes」)、発光制御部171は、発光素子151aの発光出力を第1判定処理(S1)における発光出力まで戻す(発光出力を大きくする)(S34)。
【0102】
一方、振幅値が第2閾値V2より大きいとき(S33の「No」)、発光制御部171は、発光素子151aの発光出力を第3閾値V3に維持する(S35)。
【0103】
なお、本発明における判定部は、処理(S33)において、周期ごとに振幅値が第2閾値以下であるか否かの判定に代えて、第2判定処理において判定領域にマイクロホンが無いと判定されたか否かを判定してもよい。この場合、本発明における発光制御部は、マイクロホンが無いと判定されたとき発光出力を大きくし、マイクロホンが有ると判定されたとき発光出力を維持する。
【0104】
このように、本消毒器1は、判定領域にマイクロホンMが無いときには、マイクロホンMの表面による乱反射や設置環境などが考慮された大きい発光出力で赤外光を発光する。一方、本消毒器1は、判定領域にマイクロホンMが有るときには、第2判定処理(S2)が実行可能な程度まで発光出力を小さくする。その結果、本消毒器1における発光素子151aの消費電流は、低減される。
【0105】
●消毒・殺菌処理
「消毒・殺菌処理(S4)」は、マイクロホンMが判定領域にあるとき、マイクロホンMを消毒・殺菌する処理である。すなわち、消毒・殺菌処理(S4)は、本消毒器1にセットされたマイクロホンMを消毒・殺菌する処理である。
【0106】
図18は、消毒・殺菌処理(S4)を示すフローチャートである。
【0107】
先ず、本消毒器1は、シェード30が閉じられているか否かを判定する(S41)。シェード30の開閉の判定は、例えば、本体制御部18により実行される。
【0108】
シェード30が閉じているとき(S41の「Yes」)、本体制御部18は、オゾン発生部12およびファン14の動作を制御してオゾン風の送風を開始する(S42)。その結果、送風口11h1からシェード30内の空間に送風されて滞留するオゾン風により、マイクロホンM1,M2のヘッド部M11,M21が消毒・殺菌される。一方、シェード30が開いているとき(S41の「No」)、消毒・殺菌処理(S4)は処理(S41)に戻る。
【0109】
次いで、本体制御部18は、オゾン発生部12およびファン14を動作させてからの経過時間が第4時間T4経過したか否かを判定する(S43)。「第4時間T4」は、オゾン風がヘッド部M11,M21を消毒・殺菌するために必要な時間である。第4時間T4は、予め設定され、本体制御部18に記憶されている。
【0110】
経過時間が第4時間T4経過したとき(S43の「Yes」)、本体制御部18は、オゾン発生部12およびファン14の動作を制御してオゾン風の送風を停止する(S44)。一方、経過時間が第4時間T4経過していないとき(S43の「No」)、本消毒器1は、判定領域におけるマイクロホンM1の有無と、シェード30の開閉と、を判定する(S45)。マイクロホンM1の有無は、例えば、第1状態が継続しているか否か、および/または、第2状態が継続しているか否か、により判定される。
【0111】
判定領域にマイクロホンM1が有り、かつ、シェード30が閉じられているとき(S45の「Yes」)、消毒・殺菌処理(S4)は処理(S43)に戻る。一方、判定領域にマイクロホンM1が無い、または、シェード30が開けられているとき(S45の「No」)、消毒・殺菌処理(S4)は処理(S44)に戻る。
【0112】
●まとめ
以上説明した実施の形態によれば、本消毒器1は、発光素子151a,161aと受光素子151b,161bと判定部172とを有してなる。発光素子151a,161aからの赤外光は、一定の点滅発光周期のパルス光である。判定部172は、受光素子151b,161bからの電気信号の振幅値が第1閾値V1以上となる第1状態が、第1時間T1継続するか否かに基づいてマイクロホンMの有無を判定する。換言すれば、判定部172は、電気信号の振幅値(信号レベル差)、振幅値が第1閾値V1以上となる継続時間、に基づいてマイクロホンMの有無を判定する。すなわち、判定部172は、振幅値の大小だけでなく、第1状態の継続時間に基づいて、マイクロホンMの有無を判定する。その結果、判定部172は、散発的・瞬間的に受光される設置環境からの光に基づいて、判定領域にマイクロホンMが有ると判定し難くなる。したがって、設置環境からの光による本消毒器1の誤動作は、抑制される。その結果、本消毒器1は、赤外光により安定してマイクロホンMの有無を検知できる。
【0113】
また、以上説明した実施の形態によれば、判定部172は、振幅値が連続して第1閾値V1以上となる周期の回数(第1連続回数)に基づいて、第1状態が第1時間T1継続するか否かを判定する。換言すれば、判定部172は、電気信号の周期にも基づいて、マイクロホンMの有無を判定する。この構成によれば、電気信号の周期が赤外光の点滅発光周期と異なるとき、点滅発光周期と異なる周期を有する電気信号に基づく本消毒器1の誤動作は、抑制される。また、本消毒器1は、設置環境からの光(不定周期の光、パルス光ではない光)に基づく電気信号と、赤外光の反射光に基づく電気信号と、を判別できる。そのため、設置環境からの光に基づく本消毒器1の誤動作は、抑制される。その結果、本消毒器1は、赤外光により安定してマイクロホンMの有無を検知できる。
【0114】
さらに、以上説明した実施の形態によれば、判定部172は、マイクロホンMが有ると判定しているとき、振幅値が第2閾値V2以下となる第2状態が第2時間T2継続するか否かに基づいて、マイクロホンMの有無を判定する。この構成によれば、判定部172は、散発的・瞬間的に受光される設置環境からの光に基づいて、判定領域にマイクロホンMが無いと判定し難くなる。したがって、設置環境からの光による本消毒器1の誤動作は、抑制される。その結果、本消毒器1は、赤外光により安定してマイクロホンMの有無を検知できる。
【0115】
さらにまた、以上説明した実施の形態によれば、振幅値が連続して第2閾値V2以下となる周期の回数(第2連続回数)に基づいて、第2状態が第2時間T2継続するか否かを判定する。この構成によれば、電気信号の周期が赤外光の点滅発光周期と異なるとき、点滅発光周期と異なる周期を有する電気信号に基づく本消毒器1の誤動作は、抑制される。また、本消毒器1は、設置環境からの光に基づく電気信号と、赤外光の反射光に基づく電気信号と、を判別できる。そのため、設置環境からの光に基づく本消毒器1の誤動作は、抑制される。その結果、本消毒器1は、赤外光により安定してマイクロホンMの有無を検知できる。
【0116】
さらにまた、以上説明した実施の形態によれば、第1時間T1は第2時間T2と異なる。この構成によれば、第1判定処理(S1)および第2判定処理(S2)それぞれの判定精度(マイクロホンMの検知精度)と本消毒器1の反応速度とは、個別に調整可能である。すなわち、例えば、本実施の形態では、第1時間T1は第2時間T2よりも短い。そのため、本消毒器1は、ある程度の判定精度で高速にマイクロホンMの本消毒器1へのセットを検知して、マイクロホンMの消毒・殺菌を開始できる、また、本消毒器1は、マイクロホンMが本消毒器1から取り出されたことをより確実に検知して、無駄なオゾン風の送風を防ぐことができる。
【0117】
さらにまた、以上説明した実施の形態によれば、第1閾値V1は第2閾値V2と異なる。仮に第1閾値と第2閾値とが同一の場合、振幅値が第1閾値(第2閾値)付近で変動すると、第1判定処理(S1)において第1状態の経過時間の判定中に、第2状態の経過時間の判定が開始され得る(2つの経過時間の判定が競合し得る)。しかしながら、この構成によれば、振幅値が安定せず比較的大きく変動する場合であっても、このような競合は回避される。
【0118】
さらにまた、以上説明した実施の形態によれば、発光制御部171は、判定部172がマイクロホンMが有ると判定しているときの発光出力を、判定部172がマイクロホンMが無いと判定しているときの発光出力よりも小さくする。この構成によれば、本消毒器1は、判定領域にマイクロホンMが有るときには、第2判定処理(S2)が実行可能な程度まで発光出力を小さくできる。その結果、本消毒器1における発光素子151a,161aの消費電流は、低減される。
【0119】
さらにまた、以上説明した実施の形態によれば、発光制御部171は、振幅値が第3時間T3継続して第1範囲W1内に収まっているとき、発光出力を小さくする。この構成によれば、本消毒器1は、自動的に発光素子151a,161aの消費電流を低減できる。また、第3閾値V3が第1閾値V1や第2閾値V2に近い値に設定可能となり、消費電力の低減量は増加する。
【0120】
さらにまた、以上説明した実施の形態によれば、切替部174は、振幅値が所定時間継続して第1閾値V1以上にならないとき、第1判定実行時間と第2判定実行時間とを切り替える。この構成によれば、判定部172の処理負荷は、軽減される。また、第1判定処理(S1)において設置環境からの赤外光から受ける影響は、低減される。その結果、本消毒器1は、赤外光により安定してマイクロホンMの有無を検知できる。
【0121】
さらにまた、以上説明した実施の形態によれば、センサカバー152,162は、正面視において発光素子151a,161aと受光素子151b,161bとの間を区分けするように第1面152aに配置される長溝152cを備える。この構成によれば、センサカバー152,162の内側に、センサカバー152,162とは屈折率の異なる空気層(長溝152c)が形成される。その結果、センサカバー152,162内で反射されて受光素子151b,161b側に向かう赤外光は、空気層で再度センサカバー152,162内に反射される。すなわち、センサカバー152,162内で反射された赤外光は、受光素子151b,161bに受光されない。したがって、受光素子151b,161bの誤検出が抑制され、本消毒器1の誤動作は抑制される。その結果、本消毒器1は、赤外光により安定してマイクロホンMの有無を検知できる。
【0122】
さらにまた、以上説明した実施の形態によれば、赤外光の周波数は、10Hz~100Hzである。この構成によれば、発光素子151a,161aは、伝送赤外光のキャリア周波数帯域よりも極端に低い周波数の赤外光を発光する。そのため、仮に受光素子151b,161bが伝送赤外光を受光しても、伝送赤外光は、受光素子151b,161bからノイズ成分のように出力される。その結果、伝送赤外光による本消毒器1の誤動作は生じない。その結果、本消毒器1は、赤外光により安定してマイクロホンの有無を検知できる。さらに、発光素子151a,161aからの赤外光による外部装置(例えば、赤外光リモコンで操作されるテレビやエアコン)の誤動作も生じない。
【0123】
なお、本発明における消毒部は、紫外線を照射する光源により構成されてもよく、あるいは、蒸気やアルコールを噴霧するように構成されてもよい。この場合、フィルタおよびファンは、必要に応じて、本消毒器に備えられなくてもよい。
【0124】
また、本消毒器は、マイクロホンを支持するための支持部を個別に備えてもよい。
【0125】
さらに、本消毒器の消毒・殺菌の対象となるマイクロホンの数は、本実施の形態(2つ)に限定されない。
【0126】
さらにまた、本消毒器は、切替部を備えなくてもよい。この場合、本消毒器の判定実行時間は、第1判定実行時間に維持される。
【0127】
さらにまた、本消毒器は、出力調整処理を実行しなくてもよい。
【0128】
さらにまた、本発明における第1センサと第2センサの判定対象は、マイクロホンに限定されない。
【0129】
さらにまた、第1判定処理と第2判定処理とは、マイクロホン以外の対象物の有無の判定にも流用可能である。
【符号の説明】
【0130】
1 マイクロホン消毒器
12 オゾン発生部(消毒部)
151a 発光素子(発光部)
151b 受光素子(受光部)
152 センサカバー
152a 第1面
152b 第2面
152c 長溝
161a 発光素子(発光部)
161b 受光素子(受光部)
162 センサカバー
162a 第1面
162b 第2面
162c 長溝
171 発光制御部
172 判定部
174 切替部
18 本体制御部(消毒制御部)
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