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特開2022-92609掃除方法、掃除ロボット及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022092609
(43)【公開日】2022-06-22
(54)【発明の名称】掃除方法、掃除ロボット及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/28 20060101AFI20220615BHJP
   G05D 1/02 20200101ALI20220615BHJP
【FI】
A47L9/28 E
G05D1/02 H
G05D1/02 S
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021200046
(22)【出願日】2021-12-09
(31)【優先権主張番号】202011437304.6
(32)【優先日】2020-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521539878
【氏名又は名称】云鯨智能(深▲セン▼)有限公司
【氏名又は名称原語表記】Yunjing Intelligence (Shenzhen) Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Unit 02, 2nd Floor, West Tower, Baidu International Building, No. 8, Haitian First Road, Binhai Community, Yuehai Street, Nanshan District, Shenzhen 518000, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】張 峻彬
【テーマコード(参考)】
3B057
5H301
【Fターム(参考)】
3B057DE06
5H301BB11
5H301CC03
5H301CC06
5H301LL01
5H301LL06
5H301LL11
5H301LL14
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、掃除ロボットの後端の複数回の偏向により掃除部材をデッドスペースに偏向させて掃除を行うことで、縁沿い掃除時に存在するデッドスペースの掃除問題を改善し、掃除ロボットの掃除効果を向上させる。
【解決手段】掃除方法、掃除ロボット及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体を開示し、掃除方法では、掃除ロボットの縁沿い走行中に、掃除ロボットの後端を駆動して複数回にわたって障害物に向けて偏向させたり戻させたりすることで、掃除ロボットの障害物に対するデッドスペースを掃除する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
掃除ロボットの掃除方法であって、
前記掃除ロボットは、前記掃除ロボットの後端に設置される掃除部材を含み、
前記掃除ロボットは障害物に沿って走行する過程において、
前記掃除ロボットの後端を駆動して障害物に向けて偏向させ、前記掃除ロボットの後端と障害物との間にデッドスペースを形成すること(1)と、
前記掃除ロボットの後端を駆動して障害物から離れて戻させること(2)と、を含むことを特徴とする掃除方法。
【請求項2】
複数回にわたって(1)及び(2)を順次に繰り返すことをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の掃除方法。
【請求項3】
前記掃除部材の毎回の偏向による掃除領域を、前回の偏向による掃除領域と部分的に重ねるかまたは隣接させることをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の掃除方法。
【請求項4】
前記掃除ロボットが障害物に沿う走行との制約条件を満たす場合、前記掃除ロボットの後端を駆動して前記障害物に向けて偏向させることをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の掃除方法。
【請求項5】
前記障害物に沿う走行との制約条件は、前記掃除ロボットと前記障害物との距離が予め設定された距離条件を満たすことを含み、
前記予め設定された距離条件は、リアルタイムに検出された前記掃除ロボットと前記障害物との距離が予め設定された距離閾値に等しいか、または予め設定された距離区間に入ることであることを特徴とする請求項4に記載の掃除方法。
【請求項6】
前記掃除ロボットの走行が停止した状態で前記掃除ロボットの後端を前記障害物に向けて偏向させることをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の掃除方法。
【請求項7】
前記掃除ロボットにより、
障害物に沿う走行方向にその後端を駆動して前記障害物に向けて偏向させ、
前記障害物に沿う走行方向または偏向開始時の位置までにその後端を戻させることを特徴とする請求項2に記載の掃除方法。
【請求項8】
前記掃除ロボットの後端を駆動して複数回にわたって前記障害物に向けて偏向させたり、前記障害物から離れて戻させたりすることを、前記掃除ロボットの連続走行中に完成させることをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の掃除方法。
【請求項9】
掃除ロボットの掃除方法であって、
前記掃除ロボットは、前記掃除ロボットの後端に設置される掃除部材を含み、
前記掃除ロボットを障害物に沿う走行方向に停止させること(1)と、
前記掃除ロボットの後端を駆動して障害物に向けて偏向させ、前記掃除ロボットの後端と障害物との間にデッドスペースを形成すること(2)と、
前記掃除ロボットの後端を偏向位置から戻させること(3)と、
前記掃除ロボットを駆動して前記障害物に沿う走行方向に第1距離に走行させること(4)と、を含むことを特徴とする掃除方法。
【請求項10】
複数回にわたって(1)、(2)、(3)及び(4)を順次に繰り返すことをさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の掃除方法。
【請求項11】
前記掃除部材の毎回の偏向による掃除領域を、前回の偏向による掃除領域と部分的に重ねるかまたは隣接させることをさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の掃除方法。
【請求項12】
前記掃除ロボットが障害物に沿って旋回する場合、前記掃除ロボットの障害物に沿う旋回半径に応じて、前記掃除ロボットが走行する第1距離及び偏向回数を調整することをさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の掃除方法。
【請求項13】
前記掃除ロボットの障害物に沿う旋回半径が小さくなると、前記掃除ロボットが走行する第1距離が増大し、偏向回数が減ることを特徴とする請求項12に記載の掃除方法。
【請求項14】
前記掃除ロボットの障害物に沿う旋回半径が小さくなると、前記掃除ロボットが走行する第1距離が減少し、偏向回数が増えることを特徴とする請求項12に記載の掃除方法。
【請求項15】
掃除ロボットの掃除方法であって、
前記掃除ロボットは、前記掃除ロボットの後端に設置される掃除部材を含み、
前記掃除ロボットは障害物に沿って連続的に走行する間に、
前記掃除ロボットの後端を駆動して障害物に向けて偏向させ、前記掃除ロボットの後端と障害物との間にデッドスペースを形成すること(1)と、
前記掃除ロボットの後端を駆動して前記障害物から離れて戻させること(2)と、
複数回にわたって(1)及び(2)を順次に繰り返すことと、
前記掃除部材の毎回の偏向及び戻しによる掃除領域を、前回の偏向及び戻しによる掃除領域と部分的に重ねるかまたは隣接させることと、
一回の偏向掃除周期が完成する毎に、前記掃除ロボットを前記障害物に沿う走行方向に第1距離に走行させることと、を含むことを特徴とする掃除方法。
【請求項16】
前記掃除ロボットが障害物に沿って旋回する場合、前記掃除ロボットの障害物に沿う旋回半径に応じて、前記掃除ロボットが走行する第1距離及び偏向回数を調整することをさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の掃除方法。
【請求項17】
前記掃除ロボットの障害物に沿う旋回半径が小さくなると、前記掃除ロボットが走行する第1距離が増大し、偏向回数が減ることを特徴とする請求項16に記載の掃除方法。
【請求項18】
前記掃除ロボットの障害物に沿う旋回半径が小さくなると、前記掃除ロボットが走行する第1距離が減少し、偏向回数が増えることを特徴とする請求項16に記載の掃除方法。
【請求項19】
掃除ロボットであって、
プロセッサと、前記プロセッサに接続されるメモリとを含み、
前記メモリには、複数のコンピュータ読み取り可能なコマンドが記憶されており、
前記プロセッサは、前記複数のコンピュータ読み取り可能なコマンドを実行すると、請求項2に記載の掃除方法を実現することを特徴とする掃除ロボット。
【請求項20】
掃除ロボットに用いられるコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
複数のコンピュータ読み取り可能なコマンドが記憶されており、
前記掃除ロボットは、前記複数のコンピュータ読み取り可能なコマンドを実行すると、請求項2に記載の掃除方法を実現することを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掃除ロボットの技術領域に関し、特に、掃除方法、掃除ロボット及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
図1及び図2に示すように、従来技術では、掃除ロボットは、床掃除モジュール11及び床拭きモジュール12を含み、床掃除モジュール11が掃除ロボットの底部の前端に設置され、床拭きモジュール12が掃除ロボットの底部の後端に設置される。当該掃除ロボットは、通常の縁沿い走行方向に縁沿い掃除を行う過程において、床拭きモジュール12の掃除部材と障害物との間に床拭きのデッドスペースが存在して掃除ロボットの掃除効果に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする技術問題は、縁沿い掃除を行う場合、掃除ロボットの後端の掃除部材と障害物との間に掃除のデッドスペースが存在して掃除ロボットの掃除効果に影響を与えることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の技術問題を解決するために、本発明の第1の態様は掃除ロボットの掃除方法を提供し、前記掃除ロボットは、前記掃除ロボットの後端に設置される掃除部材を含む。前記掃除方法では、前記掃除ロボットは障害物に沿って走行する過程において、前記掃除ロボットの後端を駆動して複数回にわたって障害物に向けて偏向させたり、障害物から離れて戻させたりして、掃除ロボットの障害物に対するデッドスペースを掃除する。
【0005】
一例示的な実施例では、前記掃除方法は、前記掃除部材の毎回の偏向による掃除領域を、前回の偏向による掃除領域と部分的に重ねるかまたは隣接させることをさらに含む。
【0006】
一例示的な実施例では、前記掃除方法は、前記掃除ロボットが障害物に沿う走行との制約条件を満たす場合、前記掃除ロボットの後端を駆動して前記障害物に向けて偏向させることをさらに含む。
【0007】
一例示的な実施例では、前記障害物に沿う走行との制約条件は、前記掃除ロボットと前記障害物との距離が予め設定された距離条件を満たすことを含む。前記予め設定された距離条件は、リアルタイムに検出された前記掃除ロボットと前記障害物との距離が予め設定された距離閾値に等しいか、または予め設定された距離区間に入ることである。
【0008】
一例示的な実施例では、前記掃除方法は、前記掃除ロボットの走行が停止した状態で前記掃除ロボットの後端を前記障害物に向けて偏向させることをさらに含む。
【0009】
一例示的な実施例では、毎回前記掃除部材の偏向が終了したときの掃除領域と戻しが終了したときの掃除領域とを、部分的に重ねるかまたは隣接させる。
【0010】
一例示的な実施例では、前記掃除ロボットは、障害物に沿う走行方向にその後端を駆動して前記障害物に向けて偏向開始させる。前記掃除ロボットは、前記障害物に沿う走行方向または偏向開始時の位置までにその後端を駆動して戻させる。
【0011】
一例示的な実施例では、前記掃除方法は、前記掃除ロボットの後端を複数回にわたって前記障害物に向けて偏向させたり、前記障害物から離れて戻させたりすることを、前記掃除ロボットの連続走行中に完成させることをさらに含む。
【0012】
一例示的な実施例では、前記掃除方法は、前記掃除ロボットを波状または破線状に走行させることをさらに含む。
【0013】
本発明の第2の態様は、掃除ロボットの掃除方法を提供し、前記掃除ロボットは、前記掃除ロボットの後端に設置される掃除部材を含み、前記掃除方法は、前記掃除ロボットを障害物に沿う走行方向に停止させるとともに、その後端を駆動して障害物に向けて偏向させることと、前記掃除ロボットによりその後端を駆動して偏向位置から戻させることと、前記掃除ロボットを前記障害物に沿う走行方向に第1距離に走行させることと、を含む。
【0014】
一例示的な実施例では、前記掃除方法は、記掃除部材の毎回の偏向による掃除領域を、前回の偏向による掃除領域と部分的に重ねるかまたは隣接させることをさらに含む。
【0015】
一例示的な実施例では、前記掃除方法は、前記掃除ロボットが障害物に沿って旋回する場合、前記掃除ロボットの障害物に沿う旋回半径に応じて、前記掃除ロボットが走行する第1距離及び偏向回数を調整することをさらに含む。
【0016】
一例示的な実施例では、前記掃除ロボットの障害物に沿う旋回半径が小さい場合、前記掃除ロボットが走行する第1距離が大きく、偏向回数が少ない。
【0017】
一例示的な実施例では、前記掃除ロボットの障害物に沿う旋回半径が小さい場合、前記掃除ロボットが走行する第1距離が小さく、偏向回数が多い。
【0018】
本発明の第3の態様は、掃除ロボットの掃除方法を提供し、前記掃除ロボットは、前記掃除ロボットの後端に設置される掃除部材を含み、前記掃除方法は、前記掃除ロボットが障害物に沿って連続的に走行する間に、前記掃除ロボットの後端を複数回にわたって前記障害物に向けて偏向させたり、前記障害物から離れて戻させたりすることと、前記掃除部材の毎回の偏向及び戻しによる掃除領域を、前回の偏向及び戻しによる掃除領域と部分的に重ねるかまたは隣接させることと、一回の偏向掃除周期が完成する毎に、前記掃除ロボットを前記障害物に沿う走行方向に第2距離に走行させることと、を含む。
【0019】
一例示的な実施例では、前記掃除方法は、前記掃除ロボットが障害物に沿って旋回する場合、前記掃除ロボットの障害物に沿う旋回半径に応じて、前記掃除ロボットが走行する第2距離及び偏向回数を調整することをさらに含む。
【0020】
一例示的な実施例では、前記掃除ロボットの障害物に沿う旋回半径が小さい場合、前記掃除ロボットが走行する第2距離が大きく、偏向回数が少ない。
【0021】
一例示的な実施例では、前記掃除ロボットの障害物に沿う旋回半径が小さい場合、前記掃除ロボットが走行する第2距離が小さく、偏向回数が多い。
【0022】
本発明の第4の態様は、掃除ロボットをさらに提供し、プロセッサ及びメモリを含み、前記プロセッサはメモリに通信接続され、前記メモリには、複数のコマンドが記憶されており、前記プロセッサは、前記複数のコマンドを実行すると、上述した掃除方法を実現する。
【0023】
本発明の第5の態様は、掃除ロボットに用いられるコンピュータ読み取り可能な記録媒体をさらに提供し、前記コンピュータ読み取り可能な記録媒体には、複数のコマンドが記憶されており、前記掃除ロボットは、前記複数のコマンドを実行すると、上述した掃除方法を実現する。
【発明の効果】
【0024】
本発明では、掃除ロボットの縁沿い走行中に、掃除ロボットの後端を複数回にわたって障害物に向けて偏向させたり戻させたりすることで、掃除ロボットの後端の複数回の偏向により清掃部材をデッドスペース位置に偏向させて掃除を行い、掃除ロボットの障害物に対するデッドスペースを掃除し、これにより、縁沿い掃除時に存在するデッドスペースの掃除問題を改善し、掃除ロボットの掃除効果を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】従来技術の掃除ロボットが直線的に障害物に沿う場合を示す図である。
図2】従来技術の掃除ロボットが曲線的に障害物に沿う場合を示す図である。
図3】本発明の実施例に係る掃除ロボットが直線的に障害物に沿う場合を示す図である。
図4】本発明の実施例に係る他の種類の掃除ロボットが直線的に障害物に沿う場合を示す図である。
図5】本発明の実施例に係る別の種類の掃除ロボットが直線的に障害物に沿う場合を示す図である。
図6】本発明の実施例に係る掃除ロボットが曲線的に障害物に沿う場合を示す図である。
図7】本発明の実施例に係る掃除ロボットが曲線的に障害物に沿う場合を示す他の図である。
図8】本発明の実施例に係る掃除方法を示すフローチャートである。
図9】本発明の他の実施例に係る掃除方法を示すフローチャートである。
図10】本発明の実施例に係る掃除ロボットを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施例の図面に合わせて、本発明の実施例における技術案を明確かつ完全に説明する。説明する実施例は本発明の全ての実施例ではなく、一部の実施例に過ぎないことは明らかである。以下、少なくとも一つの例示的な実施例に対する記載は、実質的に説明的なものに過ぎず、決して本発明及びその適用または使用について何ら制限するものではない。本発明における実施例に基づいて、当業者が進歩的な労力を行わずに取得した他の実施例の全ては、本発明の特許請求の範囲に属すべきである。
【0027】
第1の実施例:
図3図7は、それぞれ、掃除ロボットが直線的に障害物に沿って走行する場合及び曲線的に障害物に沿って走行する場合を示す図である。掃除ロボットが障害物に沿って走行する過程において、本発明の実施例に係る掃除方法により障害物沿い掃除を行うことが可能である。
【0028】
図3図7に示すように、本発明は、掃除ロボットの掃除方法を開示し、掃除ロボットは、掃除ロボットの後端に設置される掃除部材21を含み、掃除方法は、掃除ロボットが障害物に沿って走行する過程において、掃除ロボットの後端を駆動して複数回にわたって障害物に向けて偏向させたり(図3及び図5に示す)、障害物から離れて戻させたりして、掃除ロボットの障害物に対するデッドスペースを掃除する。本発明では、掃除ロボットの走行時の後方の一端を掃除ロボットの後端と定義する。
【0029】
本発明では、掃除ロボットの後端の複数回の偏向により掃除部材21をデッドスペースに偏向させて掃除を行い、掃除ロボットの障害物に対するデッドスペースを掃除し、これにより、障害物沿い掃除時に存在するデッドスペースの掃除問題を改善し、掃除ロボットの掃除効果を向上させることができる。
【0030】
なお、デッドスペースは、障害物に沿う走行方向に掃除が行われるときに、掃除部材21と障害物との間に形成されて掃除部材21で掃除できない隙間または領域である。
【0031】
具体的には、掃除ロボットは、その駆動装置を制御して掃除ロボットの後端を駆動して偏向させたり戻させたりする。例えば、一部の実施形態では、掃除ロボットの底部の後方寄りの位置には、2つの駆動輪22(図3図5に示す)が設置され、この2つの駆動輪22を制御して掃除ロボットの後端を駆動して偏向させたり戻させたりすることが可能である。
【0032】
本発明の「掃除部材」は、掃除作用を奏するものであれば、様々な態様であってもよく、例えば、モップ、ワイパー、ローラーブラシ等であってもよいが、これらに限定されない。掃除部材21は、掃除ロボットに対して静止であってもよいし、掃除ロボットのシャーシに対して回転または移動してもよいが、本発明ではこれらに限定されない。また、図3図6及び図7で示される例では、掃除部材21は、掃除ロボットのシャーシに対して回転可能なワイパーであり、図4及び図5で示される例では、掃除部材は、掃除ロボットのシャーシに貼り付けられたモップである。
【0033】
「掃除部材」のほか、本発明に係る掃除ロボットの他のモジュールは、様々な態様であってもよく、例えば、掃除ロボットは、上記の掃除部材以外、他の掃除部材が設置されなくてもよいし、他の掃除部材が上記の掃除部材と共に設置されてもよい。図3で示される例では、掃除ロボットの前端に床掃除部材23が設置される。さらに、例えば、掃除ロボットは、様々な全体態様であってもよく、図3及び図5で示される例では、両者が異なる全体態様を有するが、いずれも本発明に係る掃除方法によりデッドスペースの掃除を実現可能である。まとめると、掃除ロボットは、様々な態様であってもよく、本発明に係る掃除方法により掃除ロボットの後端の掃除部材に存在するデッドスペースの掃除問題を改善すれば、いずれも本発明の保護範囲に含まれるべきである。
【0034】
本発明の「偏向」とは、掃除ロボットの障害物に沿う走行方向に対して、掃除ロボットの後端を障害物に向けて偏向させるとともに、障害物に沿う走行方向に掃除してもカバーできないデッドスペースを掃除ロボットの後端に設置される掃除部材21でカバー可能なことをいう。なお、本発明の「偏向」は必ず掃除ロボットの障害物に沿う走行方向からの偏向と意味せず、「偏向」の結果として、障害物に沿う走行方向に掃除する場合に掃除部材21と障害物との間の、本来的に掃除できない領域(デッドスペース)を掃除ロボットの後端の掃除部材21でカバー可能であればよいことを注意すべきである。例えば、偏向が開始すると、掃除ロボットの後端は、障害物に沿う走行方向に対して障害物から離れる一側に偏向してもよい。
【0035】
本発明の「障害物に沿う走行方向」とは、掃除ロボットが通常通りに障害物に沿って走行する方向であり、掃除ロボットと障害物との間に適切な隙間をもったままで走行することをいう。掃除ロボットが障害物に沿う走行方向に掃除を行う場合、掃除部材21と障害物との間に形成される隙間または領域は掃除のデッドスペースとして形成される。
【0036】
本発明の「戻し」とは、掃除ロボットの後端を偏向位置(偏向終了時の位置)から戻させることをいう。なお、本発明では、「戻し」の程度を厳密に制限せず、正置状態(すなわち、障害物に沿う走行方向に位置する状態)に戻ってもよいし、非正置状態、例えば、正置状態に戻らない状態または正置状態を超過した状態に戻ってもよいことを注意すべきである。
【0037】
本発明に係る掃除方法の一部の実施形態では、掃除方法は、掃除部材21の毎回の偏向による掃除領域を、前回の偏向による掃除領域と部分的に重ねるかまたは隣接させることをさらに含む。
【0038】
本発明の「偏向による掃除領域」とは、掃除部材21が偏向してカバーするデッドスペースの対応する領域をいう。
【0039】
オプション的には、「隣接」とは、直近に位置してもよいし、隙間を空けて位置してもよいことをいう。
【0040】
本発明に係る掃除方法の一部の実施形態では、掃除方法は、掃除ロボットが障害物に沿う走行との制約条件を満たす場合、掃除ロボットの後端を駆動して障害物に向けて偏向させ、これにより、掃除部材21によるデッドスペースの掃除効果に寄与する。
【0041】
本発明の「障害物に沿う走行との制約条件」とは、掃除ロボットが障害物沿い掃除を順調に行うことができ、掃除ロボットが通常の障害物に沿う走行方向から離れないように設定されたものをいう。掃除ロボットが障害物に沿う走行との制約条件を満たさない場合、方向転換等により、掃除ロボットの位置を調整し、掃除ロボットを障害物に沿う走行方向に戻させることを容易にする。当然ながら、障害物に沿う走行との制約条件は、1つであってもよいし、1つのみでなくてもよい。障害物に沿う走行との制約条件が1つのみでない場合、掃除ロボットの後端を駆動して障害物に向けて偏向させるために必要とする障害物に沿う走行との制約条件はそのうちの少なくとも1つであってもよい。また、掃除ロボットの後端を駆動して障害物に向けて偏向させるために、他の制約条件も必要であることも除外されない。
【0042】
一例示的な実施例では、障害物に沿う走行との制約条件は、掃除ロボットと障害物との距離が予め設定された距離条件を満たすことを含む。掃除ロボットと障害物との距離が予め設定された距離条件を満たす場合、掃除ロボットの後端を駆動して障害物に向けて偏向させることで、偏向掃除によるデッドスペースの掃除効果の保証を寄与する。当然ながら、本発明では、掃除ロボットの後端を駆動して障害物に向けて偏向させる場合、掃除ロボットと障害物との距離が予め設定された距離条件を満たすという前提に限定されない。
【0043】
具体的には、一部の掃除ロボットが障害物に沿って走行する過程において、掃除ロボットと障害物との距離が予め設定された距離条件を満たすかどうかをリアルタイムに検出する。リアルタイムに検出された距離値が前記予め設定された距離条件を満たさない場合、方向転換等により掃除ロボットの位置を調整し、掃除ロボットを障害物に沿う走行方向に戻させることを容易にし、掃除ロボットが確実に障害物に沿って走行することを確保する。例えば、掃除ロボットが直線的に障害物に沿って走行する場合(直線縁沿い)、予め設定された距離条件を設定することで、掃除ロボットが障害物に沿ってほぼ直線的に走行することに寄与する。当該予め設定された距離条件は、すなわち、本発明の、掃除ロボットの後端を偏向させる毎に満たす必要のある、予め設定された距離条件である。
【0044】
一例示的な実施例では、当該予め設定された距離条件は、リアルタイムに検出された掃除ロボットと障害物との距離が予め設定された距離閾値に等しいことであり、この設定は掃除ロボットの後端の偏向によるデッドスペースの掃除効果の保証に寄与する。
【0045】
当然ながら、この予め設定された距離条件は、上記例示的な実施例の態様に限定されず、例えば、リアルタイムに検出された掃除ロボットと障害物との距離が区間範囲の比較的に小さくて予め設定された距離区間に入ることであってもよい。
【0046】
本発明では、「掃除ロボットと障害物との距離」は、具体的に定義されず、例えば、設定基準点と障害物縁部の法線に対応する障害物縁部の点との距離であってもよいし、掃除ロボットの2つまたは2つ以上の位置点と障害物縁部の法線に対応する障害物縁部の点との距離であってもよい。
【0047】
掃除ロボットと障害物との距離の取得態様は掃除ロボットによって異なる。オプション的には、出願番号CN201910008516.3及びCN201910008517.8の中国特許出願には、掃除ロボットと障害物との距離の取得方法の具体的な例が開示されている。
【0048】
本発明に係る掃除方法の一部の実施形態では、掃除方法は、掃除ロボットの後端を障害物に向けて予め設定された角度値で偏向させることをさらに含み、この設定は、掃除ロボットが安定した偏向掃除の実行に寄与し、さらに掃除部材21によるデッドスペースの掃除効果の向上に寄与する。
【0049】
本発明に係る掃除方法の一部の実施形態では、掃除方法は、走行停止した状態で掃除ロボットの後端を障害物に向けて偏向させることをさらに含む。すなわち、偏向に必要な条件を満たす場合、掃除ロボットの走行が停止し、その後、掃除ロボットの後端を駆動して障害物に向けて偏向させる。掃除ロボットの後端の障害物に向ける偏向は走行が停止した状態で行われるため、掃除部材21によるデッドスペースの掃除効果の向上に寄与する。
【0050】
一例示的な実施例では、掃除部材21の毎回の偏向が終了したときの掃除領域と戻しが終了したときの掃除領域とを、部分的に重ねるかまたは隣接させる。本発明では、「偏向が終了したときの掃除領域」とは、偏向が終了したときに掃除部材21でカバーする領域をいい、「戻しが終了したときの掃除領域」とは、戻しが終了したときに掃除部材21でカバーする領域をいう。具体的には、走行が停止した状態で掃除ロボットの後端を偏向位置(偏向が終了したときの位置)から戻させる。掃除ロボットの後端の偏向及び戻しは、走行が停止した状態で同一の位置に行われるため、偏向掃除の確実な進行に寄与する。
【0051】
掃除ロボットの後端の戻しが終了した後、掃除ロボットの走行を継続させるとともに、現在の障害物沿い掃除が終わるまでに、次の停止位置に次の偏向及び戻し動作を実行してもよい。
【0052】
当然ながら、走行が停止した状態で掃除ロボットの後端を障害物に向けて偏向させる場合、掃除ロボットの後端の戻しは、掃除ロボットの走行が停止した状態に行われることに限定されず、例えば、掃除ロボットの走行中に行われ、すなわち、走行しながら掃除ロボットの後端を戻させてもよい。この段階の掃除ロボットの移動には、掃除ロボットの障害物に沿う走行方向及び戻し方向における移動が重ねられる。
【0053】
また、掃除ロボットの後端の障害物に向ける偏向は、掃除ロボットの走行が停止した状態で行われることに限定されず、例えば、掃除ロボットの走行中に行われ、すなわち、走行しながら掃除ロボットの後端を偏向させてもよい。この段階の掃除ロボットの移動には、掃除ロボットの障害物に沿う走行方向及び偏向方向における移動が重ねられる。この場合、掃除ロボットの後端の戻し態様も特に限定されない。
【0054】
本発明に係る掃除方法の一例示的な実施形態では、掃除ロボットは、障害物に沿う走行方向にその後端を駆動して障害物に向ける偏向開始させる。掃除ロボットは、その後端を駆動して障害物に沿う走行方向または偏向開始時の位置まで戻させる。この操作により、掃除ロボットを快速に偏向や戻し、走行させ、全体の障害物沿い掃除の時間の短縮に寄与する。
【0055】
本発明に係る掃除方法の一例示的な実施形態では、掃除方法は、掃除ロボットの後端を複数回にわたって障害物に向けて偏向させたり戻させたりすることを、掃除ロボットの連続走行中に完成させることをさらに含む。この設定により、デッドスペースの掃除効果を改善するとともに、全体的な掃除効率の向上に有利である。
【0056】
オプション的に、掃除方法は、掃除ロボットを波状または破線状に走行させることをさらに含む。
【0057】
第2の実施例
図3図8に合わせ、本発明は、掃除ロボットの掃除方法を開示し、掃除ロボットは、掃除ロボットの後端に設置される掃除部材21を含み、掃除方法は、図8に示される以下のステップを含む。
【0058】
101:掃除ロボットを障害物に沿う走行方向に停止させるとともに、掃除ロボットの後端を駆動して障害物に向けて偏向させる。掃除ロボットの後端の偏向が停止した場合、すなわち、掃除ロボットが偏向位置にある場合、掃除部材21の一部は、未偏向時の掃除部材21と障害物との間のデッドスペースまで偏向してデッドスペースの対応領域の掃除を実現する。掃除ロボットの後端の障害物に向ける偏向は走行が停止した状態に行われるため、掃除部材21によるデッドスペースの掃除効果の向上に寄与する。
【0059】
102:掃除ロボットによりその後端を駆動して偏向位置から戻させる。すなわち、掃除ロボットを偏向位置から戻させる場合も走行が停止した状態に行われ、干渉を排除した場合、掃除ロボットを偏向開始時の位置に正常に戻させる。偏向開始時の位置及び戻し終了時の位置は、障害物に沿う走行方向に同一の位置であるため、デッドスペースの掃除効果を確保するとともに、掃除ロボットの掃除効率の向上に寄与する。
【0060】
103:掃除ロボットを障害物に沿う走行方向に第1距離に走行させる。
【0061】
一部の実施形態では、第1距離は、掃除ロボットが停止したときの掃除部材21の障害物に沿う走行方向における掃除幅以下である。掃除幅についての解釈は、掃除部材32によって異なってもよい。例えば、図3に示すような例では、掃除幅は、掃除ロボットが停止したときに、掃除部材21が自転して障害物に沿う走行方向にカバーする範囲であってもよく、図4に示すような例では、掃除幅は、掃除部材21自身の幅であってもよく、掃除部材がロールブラシの場合、掃除幅はローラーブラシの直径であってもよい。
【0062】
オプション的に、障害物に沿う走行方向は、障害物の外輪郭と平行してもよいし、障害物の外輪郭と平行しなくてもよい。
【0063】
次に、掃除ロボットは、現在の段階の障害物沿い掃除作業を完成させるかまたは現在の掃除ポリシーを変更するまでに、上記ステップ101~103を繰り返し実行する。
【0064】
本発明は、掃除ロボットの後端の複数回の偏向により掃除部材21をデッドスペースに偏向させて掃除を行うことで、障害物沿い掃除時に存在するデッドスペースの掃除問題を改善し、掃除ロボットの掃除効果を向上させることができる。
【0065】
本発明に係る掃除方法の一部の実施形態では、掃除方法は、掃除部材21の毎回の偏向による掃除領域を、前回の偏向による掃除領域と部分的に重ねるかまたは隣接させることで、デッドスペースの掃除に寄与することをさらに含む。
【0066】
本発明では、掃除部材21の毎回の偏向による掃除領域を前回の偏向による掃除領域と隣接させることとは、直近に位置させることをいう。当然ながら、掃除部材21の毎回の偏向による掃除領域を、前回の偏向による掃除領域と部分的に重ねるかまたは隣接させるほか、間隔を空けて設定してもよい。
【0067】
第3の実施例
図3図7及び図9に示すように、本発明は、掃除ロボットの掃除方法を開示し、掃除ロボットは、掃除ロボットの後端に設置される掃除部材21を含み、掃除方法は、以下のステップを含む。
【0068】
201:掃除ロボットが障害物に沿って旋回する(曲線縁沿い)場合、掃除ロボットの障害物に沿う旋回半径に応じて、掃除ロボットが走行する第1距離及び偏向回数を調整する。この実施例では、掃除ロボットは、異なる旋回半径を設定することで曲線的に障害物に沿うときの旋回を実現する。
【0069】
図6を例として、掃除ロボットは障害物の外側に位置し(障害物廻りに走行する)、掃除ロボットが障害物に沿って旋回する場合の旋回半径が小さいほど、掃除ロボットの毎回の偏向停止時の掃除領域と戻し停止時の掃除領域との許容可能な重ね合い面積が大きくなり、許容する掃除ロボットの毎回の走行距離が大きくなり、それに対応して偏向及び戻しの回数が少なくなる。
【0070】
図7に示される、障害物に沿う旋回走行の例では、掃除ロボットが障害物の内側(障害物によって囲まれる内部領域)に位置して障害物に沿って旋回走行する場合の旋回半径が小さいほど、掃除ロボットの毎回の偏向終了時の掃除領域と戻し終了時の掃除領域との許容可能な重ね合い面積が小さくなり、許容する掃除ロボットの毎回の走行距離が小さくなり、それに対応して偏向及び戻しの回数が多くなる。
【0071】
202:掃除ロボットを障害物に沿う走行方向に停止させてその後端を駆動して障害物に向けて偏向させる。
【0072】
203:掃除ロボットによりその後端を駆動して偏向位置から戻させる。
【0073】
204:掃除ロボットを障害物に沿う走行方向に第1距離を走行させる。
【0074】
次に、掃除ロボットは、現在の段階の障害物沿い掃除作業を完成させるか(予め設定された回数の偏向を完成した)または現在の掃除ポリシーを変更するまでに、上記ステップ202~204を繰り返し実行する。
【0075】
オプション的に、障害物に沿う走行方向は、障害物の外輪郭と平行してもよいし、障害物の外輪郭と平行しなくてもよい。
【0076】
本発明は、掃除ロボットの後端の複数回の偏向により掃除部材21をデッドスペースに偏向させて掃除を行うことで、障害物沿い掃除時に存在するデッドスペースの掃除問題を改善し、掃除ロボットの掃除効果を向上させることができる。
【0077】
第4の実施例
本発明は、掃除ロボットの掃除方法を開示し、掃除ロボットは、掃除ロボットの後端に設置される掃除部材21を含み、掃除方法は、以下のステップを含む。
掃除ロボットが障害物に沿って連続的に走行する間に、掃除ロボットの後端を複数回にわたって障害物に向けて偏向させたり、障害物から離れるように戻させたりする。
掃除部材の毎回の偏向及び戻しによる掃除領域を、前回の偏向及び戻しによる掃除領域と部分的に重ねるかまたは隣接させる。
一回の偏向掃除周期が完成する毎に、掃除ロボットを障害物に沿う走行方向に第2距離に走行させる。
【0078】
一部の実施形態では、掃除方法は、掃除ロボットが障害物に沿って旋回する場合、掃除ロボットの障害物に沿う旋回半径に応じて、掃除ロボットが走行する第2距離及び偏向回数を調整することをさらに含む。
【0079】
一部の実施形態では、第2距離は、掃除ロボット21の障害物に沿う走行方向における掃除幅の2倍以下である。なお、第2距離は、掃除ロボットが連続的に走行する過程において1つの偏向及び戻しの周期が完成したときの、ロボットの障害物に沿う方向における変位である。
【0080】
掃除幅についての解釈は、掃除部材21によって異なってもよい。例えば、図3に示すような例では、掃除幅は、掃除ロボットが停止したときに、掃除部材21が自転して障害物に沿う走行方向にカバーする範囲であってもよく、図4に示すような例では、掃除幅は、掃除部材21自身の幅であってもよく、掃除部材がロールブラシの場合、掃除幅はローラーブラシの直径であってもよい。
【0081】
一部の例では、掃除ロボットは障害物の外側に位置し(障害物廻りに走行する)、掃除ロボットが障害物に沿って旋回する場合の旋回半径が小さいほど、掃除ロボットの毎回の偏向停止時の掃除領域と戻し停止時の掃除領域との許容可能な重ね合い面積が大きくなり、許容する掃除ロボットの毎回の走行距離が大きくなり、それに対応して偏向及び戻しの回数が少なくなる。
【0082】
一部の例では、掃除ロボットが障害物の内側(障害物によって囲まれる内部領域)に位置して障害物に沿って旋回走行する場合の旋回半径が小さいほど、掃除ロボットの毎回の偏向終了時の掃除領域と戻し終了時の掃除領域との許容可能な重ね合い面積が小さくなり、許容する掃除ロボットの毎回の走行距離が小さくなり、それに対応して偏向及び戻しの回数が多くなる。
【0083】
当然ながら、以上の実施例は、例として本発明の掃除方法を説明するものに過ぎず、本発明を制限するものではない。なお、障害物沿い掃除時に、掃除ロボットの後端を駆動して複数回にわたって障害物に向けて偏向させたり戻させたりすることで、掃除ロボットの掃除部材によるデッドスペースの掃除作業を行う技術案であれば、いずれも本発明の保護範囲に含まれる。
【0084】
第5の実施例
図10に示すように、本発明は掃除ロボットを開示し、プロセッサ300及びメモリ100を含み、プロセッサ300はメモリ400に通信接続され、メモリ400に複数のコマンドが記憶されており、プロセッサ300は複数のコマンドを実行することで上述した実施例の掃除方法を実現する。
【0085】
第6の実施例
本発明は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体を開示し、コンピュータ読み取り可能な記録媒体は掃除ロボットに用いられ、コンピュータ読み取り可能な記録媒体には、複数のコマンドが記憶されており、掃除ロボットは複数のコマンドを実行することで上述した実施例の掃除方法を実現する。
【0086】
本発明の各実施例において特別に説明したのは、他の実施例と異なる構成であり、各実施例の同じ部分や類似部分は互いに参照可能であることを注意すべきである。
【0087】
上記は本発明の例示的な実施例に過ぎず、本発明を制限するものではない。本発明の精神および原則から外れない範囲内で行った一切の補正、同等な置換および改善などは、全て本発明の保護範囲に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【外国語明細書】