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特開2022-92612ポリウレタンフォームを製造するためのポリエーテル-シロキサンブロックコポリマー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022092612
(43)【公開日】2022-06-22
(54)【発明の名称】ポリウレタンフォームを製造するためのポリエーテル-シロキサンブロックコポリマー
(51)【国際特許分類】
   C08G 77/46 20060101AFI20220615BHJP
   C08G 18/00 20060101ALI20220615BHJP
   C08L 75/04 20060101ALI20220615BHJP
   C08L 83/12 20060101ALI20220615BHJP
   C08G 101/00 20060101ALN20220615BHJP
【FI】
C08G77/46
C08G18/00 G
C08L75/04
C08L83/12
C08G101:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021200080
(22)【出願日】2021-12-09
(31)【優先権主張番号】20212983
(32)【優先日】2020-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】519414848
【氏名又は名称】エボニック オペレーションズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル フェレンツ
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル クロスターマン
(72)【発明者】
【氏名】カイ-オリヴァー フェルトマン
(72)【発明者】
【氏名】ペトラ シュネル
(72)【発明者】
【氏名】ミシェル エックホフ
【テーマコード(参考)】
4J002
4J034
4J246
【Fターム(参考)】
4J002CK021
4J002CP182
4J002GC00
4J002GQ00
4J034BA07
4J034BA08
4J034CA04
4J034DA01
4J034DB03
4J034DB07
4J034DG03
4J034DG04
4J034HA01
4J034HA06
4J034HC12
4J034HC63
4J034HC71
4J034KA01
4J034KB02
4J034KC35
4J034KD04
4J034KE02
4J034NA08
4J034NA09
4J034QC01
4J034RA03
4J034RA14
4J246AA03
4J246AB02
4J246BA02X
4J246BB021
4J246BB02X
4J246BB263
4J246BB26X
4J246CA01E
4J246CA01U
4J246CA01X
4J246CA24X
4J246EA13
4J246FA221
4J246FC161
4J246HA44
(57)【要約】
【課題】ポリエーテル-シロキサンブロックコポリマーを、ヒドロシリル化触媒の存在下でのα,ω-変性ジ(メタ)アリルポリエーテルでのα,ω-変性水素シロキサンのヒドロシリル化により、製造する方法。
【解決手段】反応を、芳香族 溶剤、ポリエーテル並びにアルコキシル化アルコールを含む溶剤混合物中で実施する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1
【化1】
によるポリエーテル-シロキサンブロックコポリマーを、(メタ)アリル二重結合へのSi-H基の付加によるSiC結合の形成を触媒することができるヒドロシリル化触媒の存在下でのα,ω-変性ジ(メタ)アリルポリエーテルでのα,ω-変性水素シロキサンのヒドロシリル化により、製造する方法であって、
前記式中、
a=0~100、好ましくは5~75、より好ましくは10~50であり、
b=0~100、好ましくは5~75、より好ましくは5~25であり、
c=0~100、好ましくは5~75、より好ましくは5~25であり、
a+b+c>3であり、
d=1~100、好ましくは5~50、より好ましくは7~30、最も好ましくは8~20であり、
n=5~200、好ましくは10~100、より好ましくは15~50であり、かつ
基Rは互いに独立して同じか又は異なり、炭素原子1~20個を有する、好ましくは炭素原子1~10個を有する、1価の脂肪族又は芳香族炭化水素基、最も好ましくはメチル基であり、
かつ基Rは互いに独立して同じか又は異なり、炭素原子1~20個を有する、1価の脂肪族の飽和又は不飽和炭化水素基又はHであり、ここで、殊にメチル基が好ましい、
かつ基Rは互いに独立して同じか又は異なり、炭素原子1~20個を有する、1価の脂肪族又は芳香族炭化水素基、好ましくはメチル基であり、
かつ基Rは、基R、R、R又はHのうち1つから独立して選択されており、ここで、基Rは、式2
【化2】
に相当し、かつ基Rは、式3
【化3】
に相当し、かつ基Rは、式4
【化4】
に相当し、ここで、指数a、b及びc、並びに基R及びRは前記で定義されたとおりであり、
前記反応を、芳香族溶剤、好ましくはトルエン及び/又はアルキルベンゼンと、式5
【化5】
[式中、
g=0~75、好ましくは0~50、より好ましくは0~25であり、
h=1~100、好ましくは2~50、より好ましくは3~25であり、
i=1~100、好ましくは2~50、より好ましくは3~25であり、かつ
基Rは互いに独立して同じか又は異なり、炭素原子1~20個を有する、1価の脂肪族又は芳香族炭化水素基、好ましくはメチル基である]のポリエーテルと、
式6
【化6】
[式中、
j=0~30、好ましくは0~10、より好ましくは0であり、
k=0~20、好ましくは0~10、より好ましくは0~5であり、
l=1~20、好ましくは2~10、より好ましくは3~5であり、かつ
基Rは、炭素原子6~40個を有する、好ましくは8~30個を有する、殊に好ましくは10~22個を有する、1価の脂肪族の飽和又は不飽和の線状又は分岐状の炭化水素基であり、
かつ基Rは前記で定義されているとおりである]のアルコキシル化アルコールとを含む、溶剤混合物中で実施することを特徴とする、前記方法。
【請求項2】
式5のポリエーテル及び式6のアルコキシル化アルコールを、1:4~4:1の質量比で、好ましくは1:3~3:1の質量比で、使用することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記芳香族溶剤、好ましくは前記のトルエン及び/又はアルキルベンゼンを含む芳香族溶剤を、使用される溶剤混合物全体を基準として、15質量%超、好ましくは20質量%超、殊に30質量%超の量で使用することを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
式5のポリエーテル及び式6のアルコキシル化アルコールの質量の合計対反応物の質量の合計が8:2~1:4の比であることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記α,ω-変性ジ(メタ)アリルポリエーテルを、ポリエーテルに結合された二重結合対シロキサンに結合されたSi-H基のモル比が、0.95:1.05~1.05:0.95の範囲内、好ましくは0.97:1.03~1.03:0.97の範囲内、より好ましくは0.99:1.01~1.01:0.99の範囲内である濃度で使用することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記反応に使用されるヒドロシリル化触媒が、白金触媒、殊に白金(0)触媒の群から選択されており、ここで、カールシュテット触媒の形の白金(0)触媒が極めて特に好ましいことを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
ポリウレタンフォーム、好ましくはPU泡立てフォームの製造用の添加剤として適した配合物であって、以下の成分:
(a)式1
【化7】
によるポリエーテル-シロキサンブロックコポリマー、前記式中、
a=0~100、好ましくは5~75、より好ましくは10~50であり、
b=0~100、好ましくは5~75、より好ましくは5~25であり、
c=0~100、好ましくは5~75、より好ましくは5~25であり、
d=1~100、好ましくは5~50、より好ましくは7~30、最も好ましくは8~20であり、
n=5~200、好ましくは10~100、より好ましくは15~50であり、かつ
基Rは互いに独立して同じか又は異なり、炭素原子1~20個を有する、好ましくは炭素原子1~10個を有する、1価の脂肪族又は芳香族炭化水素基、最も好ましくはメチル基であり、
かつ基Rは互いに独立して同じか又は異なり、炭素原子1~20個を有する1価の脂肪族の飽和又は不飽和炭化水素基又はHであり、ここで、殊にメチル基が好ましい、
かつ基Rは互いに独立して同じか又は異なり、炭素原子1~20個を有する、1価の脂肪族又は芳香族炭化水素基、好ましくはメチル基であり、
かつ基Rは、基R、R、R又はHのうち1つから独立して選択されており、ここで、基Rは、式2
【化8】
に相当し、かつ基Rは、式3
【化9】
に相当し、かつ基Rは、式4
【化10】
に相当し、かつ指数a、b及びc、並びに基R及びRは前記で定義されたとおりである、
(b)式5
【化11】
[式中、
g=0~75、好ましくは0~50、より好ましくは0~25であり、
h=1~100、好ましくは2~50、より好ましくは3~25であり、
i=1~100、好ましくは2~50、より好ましくは3~25であり、かつ
基Rは互いに独立して同じか又は異なり、炭素原子1~20個を有する、1価の脂肪族又は芳香族炭化水素基、好ましくはメチル基である]のポリエーテル、
(c)式6
【化12】
[式中、
j=0~30、好ましくは0~10、より好ましくは0~5、
k=1~20、好ましくは2~10、より好ましくは3~5、
l=1~20、好ましくは2~10、より好ましくは3~5であり、かつ
基Rは、炭素原子6~40個を有する、好ましくは8~30個を有する、よりいっそう好ましくは10~22個を有する、1価の脂肪族の飽和又は不飽和の、線状又は分岐状の炭化水素基であり、
かつ基Rは前記で定義されているとおりである]のアルコキシル化アルコール、及び
(d)任意に、芳香族溶剤
を含む、前記配合物。
【請求項8】
前記成分b)及びc)が1:4~4:1の質量比で、好ましくは1:3~3:1の質量比で存在することを特徴とする、請求項7に記載の配合物。
【請求項9】
b)及びc)対a)の質量の合計が、8:2~1:4の比であることを特徴とする、請求項7又は8に記載の配合物。
【請求項10】
式1によるポリエーテル-シロキサンブロックコポリマーが、60000以上、有利には80000超、好ましくは90000超、殊に100000超のM(g/mol)を有し、ここで、M/Mは3.1未満、好ましくは3.0未満、殊に2.9未満であることを特徴とする、請求項7から9までのいずれか1項に記載の配合物。
【請求項11】
付加的な成分として、ペンダント及び/又は末端のポリエーテル鎖を持つシロキサン鎖を有する少なくとも1種のペンダントポリエーテルシロキサン系安定剤を使用し、ここで、前記ポリエーテル鎖は、ケイ素-炭素結合(Si-C)又はケイ素-酸素-炭素結合(Si-O-C)を介して前記シリコーン鎖に結合していてよく、ここで、ケイ素-炭素結合がより好ましく、かつ殊に、式7
【化13】
[式中、
x=0~50、好ましくは1~25、より好ましくは2~15であり、
y=0~250、好ましくは5~150、より好ましくは5~100であり、
基Rは互いに独立して同じか又は異なり、炭素原子1~20個を有する、好ましくは炭素原子1~10個を有する、1価の脂肪族又は芳香族炭化水素基、最も好ましくはメチル基であり、かつ基R10は互いに独立して同じか又は異なり、OH官能性又はOHを末端基とする、好ましくはメチル又はアセチルを末端基とするポリオキシアルキレン基、好ましくはポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基であり、かつ基R11はR又はR10のいずれかに相当する]に相当するペンダントSi-C系ポリエーテルシロキサンが好ましいことを特徴とする、請求項7から10までのいずれか1項に記載の配合物。
【請求項12】
請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法及び任意に引き続きトルエンの除去により得られる、請求項7から11までのいずれか1項に記載の配合物。
【請求項13】
ポリエーテル-シロキサンブロックコポリマー、好ましくは請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法により製造されたポリエーテル-シロキサンブロックコポリマーであって、式1
【化14】
に相当し、前記式中、
a=0~100、好ましくは5~75、より好ましくは10~50であり、
b=0~100、好ましくは5~75、より好ましくは5~25であり、
c=0~100、好ましくは5~75、より好ましくは5~25であり、
a+b+c>3であり、
d=1~100、好ましくは5~50、より好ましくは7~30、最も好ましくは8~20であり、
n=5~200、好ましくは10~100、より好ましくは15~50であり、かつ
基Rは互いに独立して同じか又は異なり、炭素原子1~20個を有する、好ましくは炭素原子1~10個を有する、1価の脂肪族又は芳香族炭化水素基、最も好ましくはメチル基であり、
かつ基Rは互いに独立して同じか又は異なり、炭素原子1~20個を有する、1価の脂肪族の飽和又は不飽和炭化水素基又はHであり、ここで、殊にメチル基が好ましい、
かつ基Rは互いに独立して同じか又は異なり、炭素原子1~20個を有する、1価の脂肪族又は芳香族炭化水素基、好ましくはメチル基であり、
かつ基Rは、基R、R、R又はHのうち1つから独立して選択されており、ここで、基Rは、式2
【化15】
に相当し、かつ基Rは、式3
【化16】
に相当し、かつ基Rは、式4
【化17】
に相当し、ここで、指数a、b及びc、並びに基R及びRは前記で定義されたとおりであり、
かつ少なくとも60000g/mol、好ましくは少なくとも70000g/mol、より好ましくは少なくとも80000g/molの質量平均分子量M、並びに少なくとも25000g/mol、好ましくは少なくとも27500g/mol、より好ましくは少なくとも30000g/molの数平均分子量Mを有し、ここで、M/Mの比が3.1未満、好ましくは3.0未満、より好ましくは2.9未満である場合が殊に好ましい、前記ポリエーテル-シロキサンブロックコポリマー。
【請求項14】
ポリウレタンフォーム、好ましくはPU泡立てフォームの製造用の添加剤としての請求項7から12までのいずれか1項に記載の配合物及び/又は請求項13に記載のポリエーテル-シロキサンブロックコポリマーの使用、
殊に、ペンダント及び/又は末端のポリエーテル鎖を持つシロキサン鎖を有する少なくとも1種の付加的なポリエーテルシロキサン系安定剤との組合せでの使用であって、前記ポリエーテル鎖は、ケイ素-炭素結合(Si-C)又はケイ素-酸素-炭素結合(Si-O-C)を介して前記シリコーン鎖に結合していてよく、ここで、ケイ素-炭素結合が特に好ましく、かつ殊に、式7
【化18】
[式中、
x=0~50、好ましくは1~25、より好ましくは2~15であり、
y=0~250、好ましくは5~150、より好ましくは5~100であり、
基Rは互いに独立して同じか又は異なり、炭素原子1~20個を有する、好ましくは炭素原子1~10個を有する、1価の脂肪族又は芳香族炭化水素基、最も好ましくはメチル基であり、かつ基R10は互いに独立して同じか又は異なり、OH官能性又はOHを末端基とする、好ましくはメチル又はアセチルを末端基とするポリオキシアルキレン基、好ましくはポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基であり、かつ基R11は、R又はR10のいずれかに相当する]に相当する、ペンダントSi-C系ポリエーテルシロキサンが好ましい、前記使用。
【請求項15】
前記の製造されうるポリウレタンフォームが、化学発泡剤又は物理発泡剤2質量%未満、好ましくは1質量%未満、より好ましくは0.5質量%未満、最も好ましくは0.1質量%未満を含有する、機械発泡ポリウレタンフォームである、請求項14に記載の使用。
【請求項16】
請求項7から12までのいずれか1項に記載の配合物及び/又は請求項13に記載のポリエーテル-シロキサンブロックコポリマーを使用して、殊に請求項14又は15のうち少なくとも1項に従って、製造された、ポリウレタンフォーム、好ましくはPU泡立てフォーム。
【請求項17】
フロアカバリング、例えばカーペット、衝撃音遮断材又は人工芝を製造するため、並びにテキスタイルコーティング又はシーリング材、ギャップフィラー、ショックパッド又は圧縮パッドを製造するための、請求項16に記載のポリウレタンフォーム、好ましくはPU泡立てフォームの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエーテルシロキサン、フォーム及びポリウレタンフォームの分野にある。
【0002】
本発明はとりわけ、特別なポリエーテル-シロキサンブロックコポリマーの製造並びにポリウレタンフォーム、好ましくは機械発泡ポリウレタンフォームを製造するためのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
機械発泡ポリウレタンフォームは、物理発泡剤又は化学発泡剤を使用せずに製造され、かつ多種多様なコーティングプロセスにおいて幅広く使用される。そして、これらは、例えば、カーペット及び人工芝の裏面フォームバッキングに、平面シール及びいわゆるギャップフィラー、例えば電子部品、リチウムイオン電池スタックにおけるいわゆるバッテリーパッドの製造に、フロアカバリング用の衝撃音遮断材として並びに粘着コーティングの分野において、使用される。対応するフォームの製造は、典型的には、ポリオール-イソシアネート混合物の機械発泡により行われ、ここで、空気又は窒素を、高せん断入力下で該ポリオール-イソシアネート混合物中へ導入して泡立てる。こうして製造されるフォーム材料は、引き続き、任意の基材、例えばカーペット裏面又ははく離紙上へ塗工され、かつ高めた温度で硬化することができる。それらの製造の結果として、機械発泡ポリウレタンフォームは、専門家の間では泡立てフォームとも呼ばれる。該泡立てフォームの用語は、本発明にもまさしくこのように使われる。
上記の全ての用途のためには、該機械発泡中にできるだけ微細セル状のフォームが得られることが重要である。付加的に、該フォームが高い安定性を有することが必要である、そうすれば、引き続くコーティング過程及び乾燥過程中のフォーム欠陥を回避することができるからである。この理由から、該ポリオール-イソシアネート混合物に、該機械発泡前もしくは機械発泡中にフォーム安定剤を添加することは普通であり、ここで、この用途のためには、殊にポリエーテル-シロキサンブロックコポリマーが、特に効率的であると判明している。通例、これらの安定剤は、交互のポリエーテル鎖及びシロキサン鎖からなる線状の[AB]ブロック構造が特徴である。フォーム安定剤としての作用は、この際に、これらの化合物の分子量が高ければ高いほど、ますます高くなる。
非加水分解性の[AB]-ポリエーテルシロキサンは当業者に 公知である。例えば、米国特許第3957842号明細書(US 3957842)には、そのようなポリマーが記載されている。その特許には、トルエン中でのα,ω-SiH官能性シロキサンでのジアリルポリエーテルのヒドロシリル化による、これらの構造の製造が記載されている。得られるポリマーの分子量は、約36000~56000g/molである。
米国特許第4150048号明細書(US 4150048)には、1分子あたり2個のCH=C(R)CH末端基を有するポリエーテルのヒドロシリル化により製造される、非加水分解性の[AB]-ポリエーテルシロキサンが記載されており、ここで、Rは、1価の炭化水素基である。これらは、α,ω-SiH官能性シロキサンを用いて白金触媒の存在下でのヒドロシリル化反応条件下で製造される。製造された線状のブロックコポリマーは、ポリウレタンフォームの製造用の界面活性剤及びフォーム安定剤として特に有用である。該ヒドロシリル化反応中に該CH=C(R)CH基が異性化して非反応種となる傾向の低さが、該コポリマーの予期せずに高い分子量をもたらす。
【0004】
米国特許第5869727号明細書(US 5869727)には、シロキサン-オキシアルキレンコポリマーを製造するための真空法が記載されている。
【0005】
米国特許出願公開第2019/0233646号明細書(US 20190233646)には、[AB]-ポリエーテルシロキサンを有する組成物が記載されている。該組成物は、ポリエーテル-ポリシロキサンブロックコポリマーと、低い重合度、末端水素を有するグリコールエーテル化合物又は炭素原子12個以上を有する分岐状アルキル基を有するアルコール化合物のいずれかである液状有機モノオール化合物とを含む。
【0006】
すでに記載されたように、高い分子量は、機械発泡ポリウレタンフォーム用の特に効果的なフォーム安定剤を提供するのに重要であり、ひいては特に望ましい。該フォーム安定剤の低すぎる分子量は、この際に低下されたフォーム安定化効果をまねき、それにより、粗大で不規則なフォームが生じるだろう。さらにまた、低分子フォーム安定剤の使用により、機械発泡ポリウレタンフォームが製造できるであろう密度範囲は制限されており、その際に、殊に低密度(<400g/L)フォームの製造は問題であろう。しかしながら、該フォーム安定剤のできるだけ高い分子量に加えて、その分子量分布ができるだけ狭いことも重要である。とりわけ、極めて高い分子量への該分子量分布のテーリングは、不利に作用しうる。そのようなテーリングにより、該フォーム安定剤の粘度は極めて高くなることがあり、それにより、該フォーム製造中のその加工性は著しく損なわれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第3957842号明細書
【特許文献2】米国特許第4150048号明細書
【特許文献3】米国特許第5869727号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2019/0233646号明細書
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Adam et al., “Polyurethanes”, Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 2012, Wiley VCH-Verlag, Weinheim
【非特許文献2】Silicones - Chemistry and Technology, Vulkan-Verlag Essen, 1989
【非特許文献3】Lewis et al., “Platinum Catalysts used in Silicones Industry”, Platinum Metal Review, 1997, 44(23), 66-74
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の課題は、できるだけ狭い分子量分布と同時に特に高い分子量を特徴とし、かつこれと結び付いてフォーム安定剤としての特に効率的な作用を特徴とする、ポリエーテル-シロキサンブロックコポリマーを提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
驚くべきことに、特定の溶剤混合物の使用が、対応するポリエーテル-シロキサンブロックコポリマーの製造、ひいては挙げた課題の解決を可能にすることが見出された。
【0011】
したがって、本発明の対象は、式1
【化1】
によるポリエーテル-シロキサンブロックコポリマーを、SiC結合の形成を(メタ)アリル二重結合へのSi-H基の付加により触媒することを可能にするヒドロシリル化触媒の存在下での、α,ω-変性ジ(メタ)アリルポリエーテルでのα,ω-変性水素シロキサンのヒドロシリル化により、製造する方法であり、前記式中、
a=0~100、好ましくは5~75、より好ましくは10~50であり、
b=0~100、好ましくは5~75、より好ましくは5~25であり、
c=0~100、好ましくは5~75、より好ましくは5~25であり、
a+b+c>3であり、
d=1~100、好ましくは5~50、より好ましくは7~30、最も好ましくは8~20であり、
n=5~200、好ましくは10~100、より好ましくは15~50であり、かつ
基Rは互いに独立して同じか又は異なり、炭素原子1~20個を有する、好ましくは炭素原子1~10個を有する、1価の脂肪族又は芳香族炭化水素基、最も好ましくはメチル基であり、
かつ基Rは互いに独立して同じか又は異なり、炭素原子1~20個を有する、1価の脂肪族の飽和又は不飽和炭化水素基又はHであり、ここで、殊にメチル基が好ましい、
かつ基Rは互いに独立して同じか又は異なり、炭素原子1~20個を有する、1価の脂肪族又は芳香族炭化水素基、好ましくはメチル基であり、
かつ基Rは、基R、R、R又はHのうち1つから独立して選択されており、ここで、基Rは、式2
【化2】
に相当し、かつ基Rは、式3
【化3】
に相当し、かつ基Rは、式4
【化4】
に相当し、指数a、b及びc、並びに基R及びRは前記で定義されたとおりであり、
この反応が、芳香族溶剤、好ましくはトルエン及び/又はアルキルベンゼン、並びに式5
【化5】
[式中、
g=0~75、好ましくは0~50、より好ましくは0~25であり、
h=1~100、好ましくは2~50、より好ましくは3~25であり、
i=1~100、好ましくは2~50、より好ましくは3~25であり、かつ
基Rは互いに独立して同じか又は異なり、炭素原子1~20個を有する、1価の脂肪族又は芳香族炭化水素基、好ましくはメチル基である]のポリエーテル、
並びに式6
【化6】
[式中、
j=0~30、好ましくは0~10、より好ましくは0であり、
k=0~20、好ましくは0~10、より好ましくは0~5であり、
l=1~20、好ましくは2~10、より好ましくは3~5であり、かつ
基Rは、炭素原子6~40個、好ましくは8~30個よりいっそう好ましくは10~22個を有する、1価の脂肪族の飽和又は不飽和の線状又は分岐状の炭化水素基であり、
かつ基Rは前記で定義されているとおりである]のアルコキシル化アルコールを含む、溶剤混合物中で実施される。
【0012】
該ポリオキシアルキレン基、ポリオール又はアルコキシル化アルコールにおいて角括弧中に及び小文字の指数を伴って示されている、異なるオキシアルキレン単位の順序は、ランダムに(統計的に分布される)、ブロック状に、徐々に変化して又は部分ごとにこれらの可能性の任意の混合物で生じてよい。示された構造式は、その順序に関して、ここでは単純化している図表現に過ぎない。
【0013】
したがって、本発明による溶剤混合物は、少なくとも3種の成分、すなわち、芳香族溶剤、式5のポリエーテル並びに式6のアルコキシル化アルコールを含む。
【0014】
本発明による方法の利点には、高い分子量及び同時にできるだけ狭い分子量を有する対応するポリエーテル-シロキサンブロックコポリマーを提供することを可能にすることだけでなく、生じる配合物が比較的高い活性成分含有率で比較的低い粘度を有し、ひいてはかなりの加工上の利点を有することも含まれる。
【0015】
さらなる利点は、生じるポリエーテル-シロキサンブロックコポリマーが高い分子量で狭い分子量分布を有することにある。こうして、殊に、≧60000、有利には>80000、好ましくは>90000、殊に>100000の質量平均分子量M(g/mol)を有し、ここでM/Mは<3.1、好ましくは<3.0、殊に<2.9である、式1によるポリエーテル-シロキサンブロックコポリマーを提供することを保証することができる。Mは数平均分子量である。
【0016】
前記の高い分子量は、この際に、殊に、ポリウレタンフォーム、殊にポリウレタン泡立てフォームの製造用のフォーム安定剤としての、前記のポリエーテル-シロキサンブロックコポリマーの本発明による使用に有利である、それというのも、これにより特に微細セル状で安定なフォームを製造することができるからである。また、これにより、ポリオール-イソシアネート混合物の特に効率的な機械発泡が可能であり、このことはそしてまた、ポリウレタン泡立てフォームの製造の際の一連のプロセス工学上の利点を必然的に伴う。前記の低い粘度並びに前記の狭い分子量分布は、これに関して同じように有益である。
【0017】
総じて、本発明により生じるポリエーテル-シロキサンブロックコポリマーが、殊に機械発泡PUフォームの製造の際に、傑出した性能を示すことは確実である。これらは、最適な加工性を保証し、かつその際に最高品質のPUフォームを提供することを可能にする。
【0018】
ポリエーテル-シロキサンブロックコポリマーはそれ自体として公知である。用語ポリエーテルは、本発明全体の意味で、ポリオキシアルキレンを含み、ここで、殊にポリオキシエチレン及びポリオキシプロピレン並びにポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン混合ポリエーテルが好ましい。該ポリマー主鎖に沿った多様なオキシアルキレン単位の分布は、異なっていてよい。混合ポリエーテルは、例えば統計的に、ブロック状に又は該モノマー単位の互いに異なる勾配で構成されていてよい。統計的な構成は、これに関連して、該ポリオキシエチレン単位及びポリオキシプロピレン単位がランダムな配列で該ポリエーテル鎖全体に分布していることを意味し、それに対して、ブロック状に構成されたポリエーテルは、定義されたポリオキシエチレンブロック及びポリオキシプロピレンブロックからなる。
【0019】
用語シロキサンは、本発明全体の意味で、ポリオルガノシロキサンの部類からの、殊に好ましくはポリジメチルシロキサンの部類からの化合物を含む。用語ポリエーテル-シロキサンブロックコポリマーは、本発明全体の意味で、交互のポリエーテルブロック及びシロキサンブロックから構成されているポリマーを含む。
【0020】
本発明によるポリエーテル-シロキサンブロックコポリマーは、式1に従う。
【0021】
用語ポリウレタンフォームは、当業者にそれ自体として公知である(例えばAdam et al., “Polyurethanes”、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry - Paragraph 7“, 2012, Wiley VCH-Verlag, Weinheim参照)。用語ポリウレタン泡立てフォーム(Polyurethan-Schlagschaum)は、本発明全体の意味で、空気、窒素、CO2又はその他の不活性ガスをポリオール-イソシアネート混合物中へ導入して機械的に泡立ててることにより製造されるポリウレタンフォームを含み、ここで、付加的な物理発泡剤又は化学発泡剤が少量のみ使用され、好ましくは全く使用されない。このポリウレタン泡立てフォームは、機械発泡ポリウレタンフォームの用語と同義である。
【0022】
本発明によるポリエーテル-シロキサンブロックコポリマーの製造は、当業者に公知のヒドロシリル化反応をベースとしており、かつα,ω-変性水素シロキサンとα,ω-変性ジ(メタ)アリルポリエーテルとのそのような反応により行うことができる。この製造の基礎となっている化学反応は、技術文献において公知であり、かつそこに詳細に記載されている(例えばSilicones - Chemistry and Technology, Vulkan-Verlag Essen, 1989参照)。
【0023】
本発明は、以下にさらにかつ例示的に記載されるが、本発明は、これらの例示的な実施態様に限定されているものではない。以下に範囲、式又は化合物の部類が示されている場合に、これらは、明示的に挙げられている化合物の対応する範囲又は群だけではなく、個々の値(範囲)又は化合物を抜き出すことにより得ることができる化合物のあらゆる部分範囲及び部分群も含むものとする。本明細書の範囲内で文献が引用される場合には、それらの内容は、殊に前記文献がそれに関連して引用された実情に関して、本発明の開示内容に完全に含まれるものとする。パーセントの記載は、他に示されない場合には、質量パーセントでの記載である。モルパーセントの記載は、省略形のm%で示される。以下に測定により決定されたパラメーターが示される場合には、該測定は、他に示されない場合には、25℃の温度及び101325Paの圧力で実施された。本発明において化学(実験)式が使用される場合には、示された指数は、絶対数並びに平均値であってよい。高分子化合物の場合に、該指数は好ましくは平均値である。本発明において示された構造及び実験式は、それらの繰り返される単位の異なる配置により考えられる全ての異性体を代表して表す。本発明の範囲内で、異なる単位を複数回有することができる化合物、例えばポリエーテル、シロキサン又はポリエーテルシロキサンが記載される場合には、これらの単位は、統計的に分布して(統計オリゴマー又はポリマー)、規則正しく(ブロックオリゴマー又はブロックポリマー)又は勾配分布としてこれらの化合物中に生じていてよい。
【0024】
本発明による溶剤混合物は、芳香族溶剤に加え、さらに式5のポリエーテル並びに式6のアルコキシル化アルコールを含む。式5のポリエーテル及び式6のアルコキシル化アルコールが、1:4~4:1の質量比、好ましくは1:3~3:1の質量比で使用される場合が本発明の好ましい実施態様に相当する。
【0025】
さらに、該芳香族溶剤が、好ましくはトルエン及び/又はアルキルベンゼンを含み、使用される溶剤混合物全体を基準として、>15質量%、好ましくは>20質量%、殊に>30質量%の量で使用される場合が好ましい。これも本発明の好ましい実施態様に相当する。
反応物として、α,ω-変性水素シロキサン及びα,ω-変性ジ(メタ)アリルポリエーテルが、しかもヒドロシリル化触媒の存在下で、使用される。
【0026】
式5のポリエーテル及び式6のアルコキシル化アルコールの質量の合計対該反応物の質量の合計が7:3~1:4の比である場合に、本発明のさらに好ましい実施態様である。
【0027】
該α,ω-変性ジ(メタ)アリルポリエーテルは、好ましくは、ポリエーテルに結合した二重結合対Si-H基のモル比が0.95:1.05~1.05:0.95の範囲内、好ましくは0.97:1.03~1.03:0.97の範囲内、より好ましくは0.99:1.01~1.01:0.99の範囲内であるような濃度で使用される。これも本発明の好ましい実施態様に相当する。
【0028】
本発明によるヒドロシリル化は、ヒドロシリル化触媒の存在下で行われる。この反応に使用されるヒドロシリル化触媒が、白金触媒、殊に白金(0)触媒の群から選択されている場合に、ここで、殊にカールシュテット触媒の形の白金(0)触媒が極めて特に好ましい、本発明のさらに好ましい実施態様である。
【0029】
そのような触媒は公知である、例えばLewis et al., “Platinum Catalysts used in Silicones Industry”, Platinum Metal Review, 1997, 44(23), 66-74参照。
【0030】
任意に、芳香族溶剤を、該混合物から該ヒドロシリル化後に、殊に該芳香族溶剤がトルエンである場合に、例えば蒸留により、除去することが可能である。これは、本発明による方法のさらに好ましい実施態様に相当する。
【0031】
本発明による方法により製造されるポリエーテルシロキサンは、好ましくは、少なくとも60000g/mol、好ましくは少なくとも70000g/mol、より好ましくは少なくとも80000g/molの質量平均分子量Mを有し、並びに少なくとも25000g/mol、好ましくは少なくとも27500g/mol、より好ましくは少なくとも30000g/molの数平均分子量Mを有する。さらにまた、M/Mの比が3.1未満、好ましくは3.0未満、より好ましくは2.9未満である場合が好ましい。質量平均分子量M及び数平均分子量Mの用語は当業者に公知である。これら2つの量は、好ましくはゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、好ましくはポリスチレンに対して校正して、決定することができる。このためには、例えば、PCC社のGPCシステムSECcurity2を、ポリスチレンに対して校正して、使用することができる。殊に、PCC社のGPCシステムSECcurity 1260を、好ましくは次の実験的フレームパラメーター:カラム組合せSDV 1000/10000Å、検出器PSS SECcurity 1260 RI、移動相THF、流量1ml/min)で、ポリスチレン(162~2520000g/mol)に対して校正して、使用することができる。
【0032】
本発明による方法から得られる混合物は、本発明によれば、ポリウレタンフォーム、殊にポリウレタン泡立てフォームの製造に使用することができる。
【0033】
したがって、本発明のさらなる対象は、ポリウレタンフォーム、好ましくはPU泡立てフォームの製造用の添加剤として適しており、以下の成分を含む配合物である:
(a)式1
【化7】
によるポリエーテル-シロキサンブロックコポリマー、前記式中、
a=0~100、好ましくは5~75、より好ましくは10~50であり、
b=0~100、好ましくは5~75、より好ましくは5~25であり、
c=0~100、好ましくは5~75、より好ましくは5~25であり、
d=1~100、好ましくは5~50、より好ましくは7~30、最も好ましくは8~20であり、
n=5~200、好ましくは10~100、より好ましくは15~50であり、かつ
基Rは互いに独立して同じか又は異なり、炭素原子1~20個を有する、好ましくは炭素原子1~10個を有する、1価の脂肪族又は芳香族炭化水素基、最も好ましくはメチル基であり、
かつ基Rは互いに独立して同じか又は異なり、炭素原子1~20個を有する1価の脂肪族の飽和又は不飽和炭化水素基又はHであり、ここで、殊にメチル基が好ましい、
かつ基Rは互いに独立して同じか又は異なり、炭素原子1~20個を有する、1価の脂肪族又は芳香族炭化水素基、好ましくはメチル基であり、
かつ基Rは、基R、R、R又はHのうち1つから独立して選択されており、ここで、基Rは、式2
【化8】
に相当し、かつ基Rは、式3
【化9】
に相当し、かつ基Rは、式4
【化10】
に相当し、ここで、指数a、b及びc、並びに基R及びRは前記で定義されたとおりである、
(b)式5
【化11】
[式中、
g=0~75、好ましくは0~50、より好ましくは0~25であり、
h=1~100、好ましくは2~50、より好ましくは3~25であり、
i=1~100、好ましくは2~50、より好ましくは3~25であり、かつ
基Rは互いに独立して同じか又は異なり、炭素原子1~20個を有する、1価の脂肪族又は芳香族炭化水素基、好ましくはメチル基である]のポリエーテル、
(c)式6
【化12】
[式中、
j=0~30、好ましくは0~10、より好ましくは0~5であり、
k=1~20、好ましくは2~10、より好ましくは3~5であり、
l=1~20、好ましくは2~10、より好ましくは3~5であり、かつ
基Rは、炭素原子6~40個を有する、好ましくは8~30個を有する、よりいっそう好ましくは10~22個を有する、1価の脂肪族の飽和又は不飽和の線状又は分岐状の炭化水素基であり、かつ基Rは互いに独立して同じか又は異なり、炭素原子1~20個を有する1価の脂肪族又は芳香族炭化水素基、好ましくはメチル基である]のアルコキシル化アルコール、
(d)任意に、芳香族溶剤。好ましい実施態様において、該配合物は本質的に芳香族溶剤を含有しない、すなわち芳香族溶剤5質量%未満又は芳香族溶剤1質量%未満を含有し、さもなければ芳香族溶剤を全く含有しない。
本発明の好ましい実施態様によれば、該配合物における成分b)及びc)は、1:4~4:1の質量比、好ましくは1:3~3:1の質量比で存在する。
【0034】
さらに、b)及びc)対a)の質量の合計が8:2~1:4の比である配合物が好ましい。これは本発明の好ましい実施態様に相当する。
【0035】
さらに、式1のポリエーテル-シロキサンブロックコポリマーが、該配合物全体を基準として少なくとも20質量%、好ましくは少なくとも25質量%、より好ましくは少なくとも30質量%の濃度で含まれている配合物が好ましい。
【0036】
本発明は、すでに述べたように、狭いモル質量分布で高い分子量を有するポリエーテル-シロキサンブロックコポリマーを提供することを可能にする。
≧60000、好ましくは>70000、殊に>80000のM(g/mol)を有し、ここで、M/Mは<3.1、好ましくは<3.0、殊に<2.9である式1によるポリエーテル-シロキサンブロックコポリマーを有する本発明による配合物は、本発明の特に好ましい実施態様に相当する。すでにさらに上記したように、M及びMは本発明の範囲内で、好ましくはゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、好ましくはポリスチレンに対して校正して、決定することができる。
【0037】
さらに、本発明による配合物が付加的な成分としてさらに、ペンダント安定剤を含む場合が好ましいことがある。ペンダント安定剤は、この際に同様にポリエーテルシロキサンであるが、しかし、ペンダント及び/又は末端のポリエーテル鎖を持つシリコーン鎖を有する。該ポリエーテル鎖は、この際にケイ素-炭素結合(Si-C)又はケイ素-酸素-炭素結合(Si-O-C)を介して該シリコーン鎖へ結合していてよく、ここで、ケイ素-炭素結合が特に好ましい。殊に、この際に、式7に相当するペンダントSi-C系ポリエーテルシロキサンが好ましく、
【化13】
前記式中、
x=0~50、好ましくは1~25、より好ましくは2~15であり、
y=0~250、好ましくは5~150、より好ましくは5~100であり、
基Rは互いに独立して同じか又は異なり、炭素原子1~20個を有する、好ましくは炭素原子1~10個を有する、1価の脂肪族又は芳香族炭化水素基、最も好ましくはメチル基であり、かつ基R10は互いに独立して同じか又は異なり、OH官能性又はOHを末端基とする、好ましくはメチル又はアセチルを末端基とするポリオキシアルキレン基、好ましくはポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基であり、かつ基R11は、R又はR10のいずれかに相当する。
【0038】
本発明による配合物は、前記のような本発明による方法、及び任意に、殊にトルエンである場合に、引き続き該芳香族溶剤の除去により得ることができる。付加的な成分、例えば殊に式7によるペンダント安定剤は、別個に添加することができる。
【0039】
上記のように、本発明によるポリエーテル-シロキサンブロックコポリマーは、ポリウレタンフォーム、殊にポリウレタン泡立てフォームの製造用の効率的な安定剤であるので、ポリウレタンフォーム、好ましくはPU泡立てフォームの製造用の添加剤として、殊にフォーム安定化添加剤としての、殊に式7によるペンダント安定剤との組合せでの、本発明による配合物の使用は、同様に本発明の対象である。
【0040】
製造されうるポリウレタンフォームが、化学発泡剤又は物理発泡剤2質量%未満、好ましくは1質量%未満、より好ましくは0.5質量%未満、最も好ましくは0.1質量%未満を含有する機械発泡ポリウレタンフォームである場合に、本発明の特に好ましい実施態様である。
【0041】
したがって、本発明のさらなる対象は、前記のような本発明による配合物を使用して製造される、ポリウレタンフォーム、好ましくはPU泡立てフォームでもある。
用語ポリウレタンフォームは、本発明の範囲内で、ポリイソシアネートを、それらに対して反応性の化合物、好ましくはOH基(“ポリオール”)及び/又はNH基と、反応させることにより形成されるフォームをよぶ(Adam et al., “Polyurethanes”、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry“, 2012, Wiley VCH-Verlag, Weinheim)。対応するフォームの製造用のポリオールはそれ自体として公知である。本発明の意味で特に適したポリオールは、イソシアネートに対して反応性の複数の基を有するあらゆる有機物質並びにそれらの調製物である。好ましいポリオールは、ポリウレタンフォームの製造に通常使用されるあらゆるポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオールである。ポリエーテルポリオールは、多価アルコール又はアミンをアルキレンオキシドと反応させることにより取得することができる。ポリエステルポリオールは、多価カルボン酸(たいていフタル酸、アジピン酸又はテレフタル酸)と、多価アルコール(たいていグリコール)とのエステルをベースとしている。さらに好ましいポリオールは、短鎖ジオール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール又はジプロピレングリコールであり、例えば連鎖延長剤として使用することができる。
【0042】
ポリウレタンフォームの製造用のイソシアネートはそれ自体として同様に公知である。好ましくは、該イソシアネート成分は、2個以上のイソシアネート官能基を有する1種以上の有機イソシアネートを有する。本発明の意味で適したイソシアネートは、例えば、全ての多官能性有機イソシアネート、例えば4,4′-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)及びイソホロンジイソシアネート(IPDI)である。特に適しているのは、さらにイソシアネート系プレポリマー、殊にMDI系プレポリマーである。
【0043】
NCO指数として表現される、イソシアネートのポリオールに対する比は、本発明の範囲内で、好ましくは40~500、好ましくは60~350、より好ましくは80~120の範囲内である。該NCO指数は、その際に、実際に使用されるイソシアネートの、(ポリオールとの化学量論的反応について)計算されるイソシアネートに対する比を記載する。100のNCO指数は、1:1の該反応性基のモル比を表す。
【0044】
本発明によるポリエーテル-シロキサンブロックコポリマーに加えて、該ポリウレタンは、さらに別の添加剤及び補助剤、例えば充填剤、発泡剤、触媒、有機及び無機顔料、安定剤、例えば加水分解安定剤又はUV安定剤、酸化防止剤、吸収体、架橋剤、染料、乳化剤又は分散添加剤、レベリング助剤又は増粘剤/レオロジー添加剤を含有していてよい。
【0045】
本発明の意味でポリウレタンフォーム、殊にポリウレタン泡立てフォームの製造用の触媒として、イソシアネートとポリオールとの間のポリウレタン反応を触媒するゲル触媒が特に適している。これらは、アミン触媒の部類、例えばトリエチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチルヘキサンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ペンタメチルジプロピレントリアミン、トリエチレンジアミン、ジメチルピペラジン、1,2-ジメチルイミダゾール、N-エチルモルホリン、トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエトキシエタノール、テトラメチルグアニジン、及び1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エンから選択されていてよい。さらに、アミン触媒は、触媒活性な窒素原子と、NCO基に対して反応性の基、例えばOH基とを有することにより特徴付けられている、いわゆるエミッションフリーアミン触媒の部類から選択されていてよい。対応するエミッションフリーアミン触媒は、例えば製品シリーズDabco(登録商標) NEでEvonik社から販売されている。さらに、該触媒は、金属触媒、例えばスズ、亜鉛、ビスマス、鉄、銅、ニッケル、又はジルコニウム系触媒の部類から選択されていてよい。金属触媒は、この際に、塩の形で又は有機誘導体として存在していてよい。上記の触媒は、純品で並びに触媒混合物として使用することができる。ポリウレタン泡立てフォームの場合に、熱潜在性触媒、すなわちそれらの作用を特定の活性化温度からはじめて発揮し、こうして該フォームの遅延された硬化を可能にする触媒が特に適している。
【0046】
本発明の範囲内で、該ポリウレタンフォームは、好ましくは、該ポリオール-イソシアネート混合物の機械的な泡立てにより製造されるポリウレタン泡立てフォームである。好ましくは、そのような泡立てフォームは、化学発泡剤又は物理発泡剤2質量%未満、より好ましくは1質量%未満、殊に好ましくは0.5質量%未満、最も好ましくは0.1質量%未満を含有する。最も好ましくは、該ポリウレタンフォームは、物理発泡剤又は化学発泡剤を全く含有しない。
【0047】
すでに記載されたように、ポリウレタン泡立てフォームを製造するための本発明によるポリエーテル-シロキサンブロックコポリマーを含有する配合物の使用は、本発明の特に好ましい対象である。好ましくは、そのようなポリウレタン泡立てフォームは、以下の工程:
a)ポリオール成分と、イソシアネート成分と、本発明によるポリエーテル-シロキサンブロックコポリマーを含有する配合物と、並びに任意にさらなる添加剤とを用意する工程、
b)全ての成分を混合して均質混合物を得る工程、
c)該混合物を、ガス、例えば空気又は窒素を導入しながら機械発泡して、均質で微細セル状のフォームを得る工程、
d)前記の発泡された反応混合物を基材上へ適用する工程、
e)前記の発泡された反応混合物を硬化させる工程
を含む方法により製造することができる。
【0048】
上記で示されたようなこの方法の方法工程が、固定されない時間順序で行われることが明らかにされる。そして、例えば方法工程b)及びc)を同時に行うことができる、すなわち、個々の成分は、その発泡過程中にはじめて、該反応混合物に添加し、かつこの反応混合物と混合される。また、個々の添加剤、例えば該触媒を、方法工程c)の後にはじめて、前記の機械発泡された反応混合物に添加することができる。
【0049】
方法工程c)において、ポリオール、イソシアネート及び任意にさらなる添加剤からなる反応混合物が、高せん断力の適用により発泡される場合が本発明の好ましい実施態様に相当する。該発泡は、この際に、当業者によく知られたせん断ユニット、例えばDispermate、ディソルバー、Hansaミキサー又はOakesミキサーを用いて行うことができる。
【0050】
さらに、前記の機械発泡された反応混合物が、方法工程c)の後に、50~1000g/lの範囲内、好ましくは75~600g/lの範囲内、より好ましくは100~450g/lの範囲内の密度を有する場合が好ましい。
【0051】
方法工程d)において、該反応混合物を、ほぼ任意の各々基材上へ、例えばカーペット裏面、人工芝、粘着コーティング、繊維支持体、はく離紙又ははく離フィルムの裏面並びに金属上へ、該金属上に永久的に残すか又は前記の硬化された反応混合物を後で取り出すかのいずれかのために、適用することができる。
【0052】
方法工程e)において前記の発泡された反応混合物が、高めた温度で硬化される場合がさらに好ましい。本発明によれば好ましいのは、この際に、少なくとも50℃、好ましくは60℃、より好ましくは少なくとも70℃の硬化温度である。
【0053】
フロアカバリング、例えばカーペット、衝撃音遮断材又は人工芝を製造するため、並びにテキスタイルコーティング又はシーリング材、ギャップフィラー、ショックパッド又は圧縮パッドを製造するための、前記のような、本発明によるポリウレタンフォーム、好ましくはPU泡立てフォームの使用は、本発明のさらなる対象である。
【0054】
すでに前記のように、本発明による方法により得ることができるポリエーテルシロキサンは、特に有利な分子量並びに特に有利な分子量分布について優れており、それにより、これらは、ポリウレタンフォーム、好ましくはPU泡立てフォームの製造用の添加剤として使用されるのに特に適している。したがって、本発明のさらなる対象は、式1に相当するポリエーテル-シロキサンブロックコポリマーであり、
【化14】
前記式中、
a=0~100、好ましくは5~75、より好ましくは10~50であり、
b=0~100、好ましくは5~75、より好ましくは5~25であり、
c=0~100、好ましくは5~75、より好ましくは5~25であり、
a+b+c>3、
d=1~100、好ましくは5~50、より好ましくは7~30、最も好ましくは8~20であり、
n=5~200、好ましくは10~100、より好ましくは15~50であり、かつ
基Rは互いに独立して同じか又は異なり、炭素原子1~20個を有する、好ましくは炭素原子1~10個を有する、1価の脂肪族又は芳香族炭化水素基、最も好ましくはメチル基であり、
かつ基Rは互いに独立して同じか又は異なり、炭素原子1~20個を有する、1価の脂肪族の飽和又は不飽和炭化水素基又はHであり、ここで、殊にメチル基が好ましい、
かつ基Rは互いに独立して同じか又は異なり、炭素原子1~20個を有する、1価の脂肪族又は芳香族炭化水素基、好ましくはメチル基であり、
かつ基Rは、基R、R、R又はHのうち1つから独立して選択されており、ここで、基Rは、式2
【化15】
に相当し、かつ基Rは、式3
【化16】
に相当し、かつ基Rは、式4
【化17】
に相当し、ここで、指数a、b及びc、並びに基R及びRは前記で定義されたとおりであり、
かつ少なくとも60000g/mol、好ましくは少なくとも70000g/mol、より好ましくは少なくとも80000g/molの質量平均分子量M、並びに少なくとも25000g/mol、好ましくは少なくとも27500g/mol、より好ましくは少なくとも30000g/molの数平均分子量Mを有し、ここで、M/Mの比が3.1未満、好ましくは3.0未満、より好ましくは2.9未満である場合が殊に好ましい。好ましくは、これらのポリエーテル-シロキサンブロックコポリマーは、上記で詳細に記載されたように、本発明による方法により、製造することができる。
【0055】
本発明のもう1つの対象は、ポリウレタンフォーム、好ましくはPU泡立てフォームの製造用の添加剤としての、殊にペンダント及び/又は末端のポリエーテル鎖を持つシロキサン鎖を有する少なくとも1種の付加的なポリエーテルシロキサン系安定剤との組合せでの、これらの本発明によるポリエーテル-シロキサンブロックコポリマーの使用であり、ここで、該ポリエーテル鎖が、ケイ素-炭素結合(Si-C)又はケイ素-酸素-炭素結合(Si-O-C)を介して、該シリコーン鎖へ結合していてよく、ここで、ケイ素-炭素結合がより好ましい、かつ殊に、上記ですでに定義されたような、式7に相当するペンダントSi-C系ポリエーテルシロキサンが好ましく、
ここで、これに関連して完全な形で前記の説明が参照される。
【実施例0056】
OH価測定:
全てのOH価測定を、次の方法に従って実施した。このためには、調査すべき物質が、最初に、定義された量の無水酢酸でアセチル化される。過剰な量の無水酢酸が、引き続き水で加水分解され、かつ遊離した酢酸の量を、エタノール中0.5Nカセイカリ液でフェノールフタレインに対する滴定により求めた。付加的に、同じ手順によるが、しかしながら前記の調査すべき物質を用いずに空試験が実施される。該試料のOH価は、そうすると、次の式に従って得られる:
【数1】
a=主試験において消費された0.5Nカセイカリ液のml
b=空試験において消費された0.5Nカセイカリ液のml
E=gでの秤量分。
【0057】
材料:
a)SiH-シロキサンA
次の合成の際に、一般式aのシロキサンを使用した。
【化18】
【0058】
シロキサンポリマーの場合に通常のように、線状シロキサン鎖は、ある特定の割合の環状シロキサン、例えばオクタメチルシクロテトラシロキサンも含有する。該試験の範囲内で使用されるSiHシロキサンは、例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン4.2m%及びデカメチルシクロペンタシロキサン2.8m%を含有する。
【0059】
b)ビスメタリルポリエーテルA
次の合成の際に、一般式bのポリエーテルを使用した。
【化19】
【0060】
該ビスメタリルポリエーテルAを、従来技術による方法を用いて、対応するポリエーテルジオールを塩化メタリルと反応させることにより製造した。その残存OH価は<1mgKOH/100gであった。
【0061】
c)式5のポリエーテル
該合成の範囲内で、式5のポリエーテルとして、ポリエーテルジオールLupranol(登録商標) 1200を使用した(CAS番号 25322-69-4)。Lupranol (登録商標) 1200は、DIN 53240により決定される、約250mgKOH/gのヒドロキシ価を有するBASF Polyurethanes GmbH社の二官能性ポリエーテルオールである。
【0062】
d)式6のアルコキシル化アルコール
該合成の範囲内で、式6のアルコキシル化アルコールとして Varonic(登録商標) APM Tを使用した。Varonic(登録商標) APM Tは、Evonik社のPPG-3ミリスチルエーテルである。Varonic(登録商標) APM Tの一般式は、式cに示されている。
【化20】
【0063】
e)カールシュテット触媒溶液
触媒として、デカメチルシクロペンタシロキサン中のカールシュテット触媒(1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン白金(0))の溶液を使用した。その白金含有率w(Pt)は0.6%であった。
【0064】
合成例:
例1:トルエン中の合成
KPG(精密ガラス)撹拌機及び還流冷却器を備えた500mL三つ口フラスコ中に、ビスメタリルポリエーテルA 73gを装入した。引き続き、トルエン103g及びSiHシロキサンA 30gを添加した。この反応混合物を80℃に加熱した。その後、カールシュテット触媒溶液の形のPt 10ppmを添加した。この反応混合物95℃に加熱し、この温度で3時間撹拌した。ゲル状生成物が生じ、これを、撹拌できるように保つために、その間に、さらにトルエン103gでさらに希釈した。
澄明なゲル状生成物が得られた。その極めて高い粘度のために、該溶剤を蒸留により除去することができなかった。
【0065】
例2:トルエン/ポリプロピレングリコール中の合成
KPG撹拌機及び還流冷却器を備えた1000mL三つ口フラスコ中に、ビスメタリルポリエーテルA 73gを装入した。引き続き、トルエン103g、Lupranol(登録商標) 1200 103g及びSiHシロキサンA 30gを添加した。この反応混合物を80℃に加熱した。その後、カールシュテット触媒溶液の形のPt 10ppmを添加した。この反応混合物を95℃に加熱し、かつこの温度で3時間撹拌した。引き続き、その揮発性成分を真空中で130℃及び1mbarで除去した。
著しく濁った生成物が得られた。
【0066】
例3:トルエン/アルコキシル化アルコール中の合成
KPG撹拌機及び還流冷却器を備えた1000mL三つ口フラスコ中に、ビスメタリルポリエーテルA 73gを装入した。引き続き、トルエン103g、Varonic(登録商標) APM T 103g及びSiHシロキサンA 30gを添加した。この反応混合物を80℃に加熱した。その後、カールシュテット触媒溶液の形のPt 10ppmを添加した。この反応混合物を95℃に加熱し、この温度で3時間撹拌した。引き続き、その揮発性成分を真空中で130℃及び1mbarで除去した。
著しく濁った生成物が得られた。
【0067】
例4:トルエン/ポリプロピレングリコール/アルコキシル化アルコール中の合成
KPG撹拌機及び還流冷却器を備えた1000mL三つ口フラスコ中に、ビスメタリルポリエーテルA 73gを装入した。引き続き、トルエン103g、Lupranol(登録商標) 1200 77g、Varonic(登録商標) APM T 26g及びSiHシロキサンA 30gを添加した。この反応混合物を80℃に加熱した。その後、カールシュテット触媒溶液の形のPt 10ppmを添加した。この反応混合物を95℃に加熱し、この温度で3時間撹拌した。引き続き、その揮発性成分を真空中で130℃及び1mbarで除去された。
澄明な生成物が得られた。
【0068】
例5:トルエン/ポリプロピレングリコール/アルコキシル化アルコール中の合成
KPG撹拌機及び還流冷却器を備えた1000mL三つ口フラスコ中に、ビスメタリルポリエーテルA 73gを装入した。引き続き、トルエン103g、Lupranol(登録商標) 1200 26g、 Varonic(登録商標) APM T 77g及びSiHシロキサンA 30gを添加した。この反応混合物を80℃に加熱した。その後、カールシュテット触媒溶液の形のPt 10ppmを添加した。この反応混合物を95℃に加熱し、この温度で3時間撹拌した。引き続き、その揮発性成分を真空中で130℃及び1mbarで除去した。
澄明な生成物が得られた。
【0069】
例6:トルエン/ポリプロピレングリコール/アルコキシル化アルコール中の合成
KPG撹拌機及び還流冷却器を備えた1000mL三つ口フラスコ中に、ビスメタリルポリエーテルA 146gを装入した。引き続き、トルエン206g、Lupranol(登録商標) 1200 103g、Varonic(登録商標) APM T 103g及びSiHシロキサンA 60gを添加した。この反応混合物を80℃に加熱した。その後、カールシュテット触媒溶液の形のPt 10ppmを添加した。この反応混合物を95℃に加熱し、かつこの温度で3時間撹拌した。引き続き、その揮発性成分を真空中で130℃及び1mbarで除去した。
澄明な生成物が得られた。
【0070】
実験された全ての試料について、得られたポリエーテルシロキサンの分子量を、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により決定した。このためには、PCC社のGPCシステムSECcurity2を、ポリスチレンに対して校正して、使用した。これらの測定から得られた平均分子量M及びMは第1表に挙げられている。さらに、全ての試料の粘度を測定した。このためには、スピンドル#64を備えたブルックフィールド粘度計Brookfield LVを使用した。100000mPasを上回る粘度が測定された全ての測定を、2.5rpmで実施した。100000mPasを下回る粘度が測定された全ての測定を、10rpmで実施した。こうして得られた値は同様に第1表に列記されている。
【0071】
第1表:実験の概要
【表1】
【0072】
分子量分布の幅は、該反応がトルエン、該ポリエーテルLupranol(登録商標) 1200及び該アルコキシル化アルコールVaronic(登録商標) APM Tからなる溶剤の存在下で実施される場合に明らかに低下することが分かった。また、得られた生成物は澄明であった。該分子量分布の幅は、この際に比M/Mから読み取ることができる。これが大きければ大きいほど、該分子量分布はますます広くなり、ここで、ここに記載された本発明によらない試料(例1~3)の場合に高いM/M値で、極めて高い分子量への該分子量分布のテーリングを観察することができた。
該ポリエーテルジオール又は該アルコキシル化アルコールが省かれる場合には、濁った生成物が得られ、かつ得られたポリエーテルシロキサンは、より幅広い分子量分布を有する。トルエンが唯一の溶剤として使用される場合には、確かに澄明な生成物が得られるが、しかしながらよりいっそう幅広い分子量分布を有する。この結果として、得られた生成物はゲル状であり、かつもはや流動性がなかった。
また濁った生成物は望ましくない、それというのも、その貯蔵の長さに応じて分離となりうるからである。不均質な生成物は製造プロセスを難しくする。
【0073】
ポリウレタン配合物:
ポリウレタン泡立てフォームの製造用の安定剤としての例1~6において製造されたポリエーテル-シロキサンブロックコポリマーの作用を評価するために、一連の試験発泡を実施した。これらのために、表に記載されたポリウレタン配合物を使用した:
第1表:発泡実験において使用された配合物についての概要。
【0074】
【表2】
【0075】
例7:機械発泡:
機械発泡を、2つの別個の偏心スクリューホッパーポンプを備えたHansa-Mixer社の全自動実験室用フォームジェネレーター、型式Pico-Mix XLを用いて実施した。このためには、最初に、ポリオール、安定剤、触媒、炭酸カルシウムからなるプレミックス(バッチサイズ約5kg)を製造し、引き続き、該フォームジェネレーターの2つのホッパーポンプのうち一方へ充填した。他方のホッパーポンプを、該イソシアネート成分で充填した。この際に、第1表に記載された配合物を使用した。発泡実験のために、ポリオールプレミックス及びイソシアネートを同時に該フォームジェネレーターのミキシングヘッド中へ注入し、そこで空気を同時に導通することにより発泡させた。該ミキシングヘッドを、この際に全ての実験で850rpmで操作した。前記の両方のホッパーポンプの搬送能力を、ポリオール及びイソシアネートを適切な比で(該配合物のNCO指数に相当)、該ミキシングヘッド中へ注入するように常に調節し、その全質量流量は9kg/hであった。該ミキシングヘッド中への空気流を、該発泡後に250及び300g/lのフォーム密度が得られるように選択した。該ミキシングヘッドから排出した後に得られたフォームの均質性及び安定性は、該フォーム安定剤の作用のための評価基準であった。前記の発泡された反応混合物を、引き続き、Mathis AG社の実験室用コーティングテーブル/乾燥機、Labcoater LTE-Sで、コートはく離紙上へ塗工し(層厚6mm)、120℃で15分間硬化させた。前記の硬化されたフォームのセル構造及びセル均質性は、該フォーム安定剤の作用のためのさらなる評価基準であった。
【0076】
第2表:機械発泡の結果
(評価は- -=極めて不良からo=中程度を経て++=極めて良いまで)
【表3】
【0077】
第2表における一覧から明らかであるように、本発明による方法により製造された本発明によるポリエーテル-シロキサンブロックコポリマーを含むフォームが、改善されたフォーム安定性並びにより微細でより均質なセル構造を有する。これとは異なり、例1~3からの本発明によらない安定剤は、低下された安定性を有し、かなり粗大でかつ不規則なフォームを得て、このことは、例えば該フォームの硬化の際のセル粗大化により分かった。したがって、該発泡結果は、本発明による方法を通じて製造されたフォーム安定剤の改善された作用を一義的に実証する。
【0078】
本発明の好ましい実施態様は次のとおりである:
1. 式1
【化21】
によるポリエーテル-シロキサンブロックコポリマーを、(メタ)アリル二重結合へのSi-H基の付加によるSiC結合の形成を触媒することができるヒドロシリル化触媒の存在下でのα,ω-変性ジ(メタ)アリルポリエーテルでのα,ω-変性水素シロキサンのヒドロシリル化により、製造する方法であって、
前記式中、
a=0~100、好ましくは5~75、より好ましくは10~50であり、
b=0~100、好ましくは5~75、より好ましくは5~25であり、
c=0~100、好ましくは5~75、より好ましくは5~25であり、
a+b+c>3であり、
d=1~100、好ましくは5~50、より好ましくは7~30、最も好ましくは8~20であり、
n=5~200、好ましくは10~100、より好ましくは15~50であり、かつ
基Rは互いに独立して同じか又は異なり、炭素原子1~20個を有する、好ましくは炭素原子1~10個を有する、1価の脂肪族又は芳香族炭化水素基、最も好ましくはメチル基であり、
かつ基Rは互いに独立して同じか又は異なり、炭素原子1~20個を有する、1価の脂肪族の飽和又は不飽和炭化水素基又はHであり、ここで、殊にメチル基が好ましい、
かつ基Rは互いに独立して同じか又は異なり、炭素原子1~20個を有する、1価の脂肪族又は芳香族炭化水素基、好ましくはメチル基であり、
かつ基Rは、基R、R、R又はHのうち1つから独立して選択されており、ここで、基Rは、式2
【化22】
に相当し、かつ基Rは、式3
【化23】
に相当し、かつ基Rは、式4
【化24】
に相当し、ここで、指数a、b及びc、並びに基R及びRは前記で定義されたとおりであり、
前記反応を、芳香族溶剤、好ましくはトルエン及び/又はアルキルベンゼンと、式5
【化25】
[式中、
g=0~75、好ましくは0~50、より好ましくは0~25であり、
h=1~100、好ましくは2~50、より好ましくは3~25であり、
i=1~100、好ましくは2~50、より好ましくは3~25であり、かつ
基Rは互いに独立して同じか又は異なり、炭素原子1~20個を有する、1価の脂肪族又は芳香族炭化水素基、好ましくはメチル基である]のポリエーテルと、
式6
【化26】
[式中、
j=0~30、好ましくは0~10、より好ましくは0であり、
k=0~20、好ましくは0~10、より好ましくは0~5であり、
l=1~20、好ましくは2~10、より好ましくは3~5であり、かつ
基Rは、炭素原子6~40個を有する、好ましくは8~30個を有する、殊に好ましくは10~22個を有する、1価の脂肪族の飽和又は不飽和の線状又は分岐状の炭化水素基であり、
かつ基Rは前記で定義されているとおりである]のアルコキシル化アルコールとを含む、溶剤混合物中で実施することを特徴とする、前記方法。
【0079】
2. 式5のポリエーテル及び式6のアルコキシル化アルコールを、1:4~4:1の質量比で、好ましくは1:3~3:1の質量比で、使用することを特徴とする、1.に記載の方法。
【0080】
3. 前記芳香族溶剤、好ましくは前記のトルエン及び/又はアルキルベンゼンを含む芳香族溶剤を、使用される溶剤混合物全体を基準として、15質量%超、好ましくは20質量%超、殊に30質量%超の量で使用することを特徴とする、1.又は2.に記載の方法。
【0081】
4. 式5のポリエーテル及び式6のアルコキシル化アルコールの質量の合計対反応物の質量の合計が8:2~1:4の比であることを特徴とする、1.から3.までのいずれかに記載の方法。
【0082】
5. 前記α,ω-変性ジ(メタ)アリルポリエーテルを、ポリエーテルに結合された二重結合対シロキサンに結合されたSi-H基のモル比が、0.95:1.05~1.05:0.95の範囲内、好ましくは0.97:1.03~1.03:0.97の範囲内、より好ましくは0.99:1.01~1.01:0.99の範囲内である濃度で使用することを特徴とする、1.から4.までのいずれかに記載の方法。
【0083】
6. 前記反応に使用されるヒドロシリル化触媒が、白金触媒、殊に白金(0)触媒の群から選択されており、ここで、カールシュテット触媒の形の白金(0)触媒が極めて特に好ましいことを特徴とする、1.から5.までのいずれかに記載の方法。
【0084】
7. ポリウレタンフォーム、好ましくはPU泡立てフォームの製造用の添加剤として適した配合物であって、以下の成分:
(a)式1
【化27】
によるポリエーテル-シロキサンブロックコポリマー、前記式中、
a=0~100、好ましくは5~75、より好ましくは10~50であり、
b=0~100、好ましくは5~75、より好ましくは5~25であり、
c=0~100、好ましくは5~75、より好ましくは5~25であり、
d=1~100、好ましくは5~50、より好ましくは7~30、最も好ましくは8~20であり、
n=5~200、好ましくは10~100、より好ましくは15~50であり、かつ
基Rは互いに独立して同じか又は異なり、炭素原子1~20個を有する、好ましくは炭素原子1~10個を有する、1価の脂肪族又は芳香族炭化水素基、最も好ましくはメチル基であり、
かつ基Rは互いに独立して同じか又は異なり、炭素原子1~20個を有する1価の脂肪族の飽和又は不飽和炭化水素基又はHであり、ここで、殊にメチル基が好ましい、
かつ基Rは互いに独立して同じか又は異なり、炭素原子1~20個を有する、1価の脂肪族又は芳香族炭化水素基、好ましくはメチル基であり、
かつ基Rは、基R、R、R又はHのうち1つから独立して選択されており、ここで、基Rは、式2
【化28】
に相当し、かつ基Rは、式3
【化29】
に相当し、かつ基Rは、式4
【化30】
に相当し、かつ指数a、b及びc、並びに基R及びRは前記で定義されたとおりである、
(b)式5
【化31】
[式中、
g=0~75、好ましくは0~50、より好ましくは0~25であり、
h=1~100、好ましくは2~50、より好ましくは3~25であり、
i=1~100、好ましくは2~50、より好ましくは3~25であり、かつ
基Rは互いに独立して同じか又は異なり、炭素原子1~20個を有する、1価の脂肪族又は芳香族炭化水素基、好ましくはメチル基である]のポリエーテル、
(c)式6
【化32】
[式中、
j=0~30、好ましくは0~10、より好ましくは0~5、
k=1~20、好ましくは2~10、より好ましくは3~5、
l=1~20、好ましくは2~10、より好ましくは3~5であり、かつ
基Rは、炭素原子6~40個を有する、好ましくは8~30個を有する、よりいっそう好ましくは10~22個を有する、1価の脂肪族の飽和又は不飽和の、線状又は分岐状の炭化水素基であり、
かつ基Rは前記で定義されているとおりである]のアルコキシル化アルコール、及び
(d)任意に、芳香族溶剤
を含む、前記配合物。
【0085】
8. 前記成分b)及びc)が1:4~4:1の質量比で、好ましくは1:3~3:1の質量比で存在することを特徴とする、7.に記載の配合物。
【0086】
9. b)及びc)対a)の質量の合計が、8:2~1:4の比であることを特徴とする、7.又は8.に記載の配合物。
【0087】
10. 式1によるポリエーテル-シロキサンブロックコポリマーが、60000以上、有利には80000超、好ましくは90000超、殊に100000超のM(g/mol)を有し、ここで、M/Mは3.1未満、好ましくは3.0未満、殊に2.9未満であることを特徴とする、7.から9.までのいずれかに記載の配合物。
【0088】
11. 付加的な成分として、ペンダント及び/又は末端のポリエーテル鎖を持つシロキサン鎖を有する少なくとも1種のペンダントポリエーテルシロキサン系安定剤を使用し、ここで、前記ポリエーテル鎖は、ケイ素-炭素結合(Si-C)又はケイ素-酸素-炭素結合(Si-O-C)を介して前記シリコーン鎖に結合していてよく、ここで、ケイ素-炭素結合がより好ましく、かつ殊に、式7
【化33】
[式中、
x=0~50、好ましくは1~25、より好ましくは2~15であり、
y=0~250、好ましくは5~150、より好ましくは5~100であり、
基Rは互いに独立して同じか又は異なり、炭素原子1~20個を有する、好ましくは炭素原子1~10個を有する、1価の脂肪族又は芳香族炭化水素基、最も好ましくはメチル基であり、かつ基R10は互いに独立して同じか又は異なり、OH官能性又はOHを末端基とする、好ましくはメチル又はアセチルを末端基とするポリオキシアルキレン基、好ましくはポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基であり、かつ基R11はR又はR10のいずれかに相当する]に相当するペンダントSi-C系ポリエーテルシロキサンが好ましいことを特徴とする、7.から10.までのいずれかに記載の配合物。
【0089】
12. 1.から6.までのいずれか1項に記載の方法及び任意に引き続きトルエンの除去により得られる、7.から11.までのいずれかに記載の配合物。
【0090】
13. ポリエーテル-シロキサンブロックコポリマー、好ましくは1.から6.までのいずれかに記載の方法により製造されたポリエーテル-シロキサンブロックコポリマーであって、式1
【化34】
に相当し、前記式中、
a=0~100、好ましくは5~75、より好ましくは10~50であり、
b=0~100、好ましくは5~75、より好ましくは5~25であり、
c=0~100、好ましくは5~75、より好ましくは5~25であり、
a+b+c>3であり、
d=1~100、好ましくは5~50、より好ましくは7~30、最も好ましくは8~20であり、
n=5~200、好ましくは10~100、より好ましくは15~50であり、かつ
基Rは互いに独立して同じか又は異なり、炭素原子1~20個を有する、好ましくは炭素原子1~10個を有する、1価の脂肪族又は芳香族炭化水素基、最も好ましくはメチル基であり、
かつ基Rは互いに独立して同じか又は異なり、炭素原子1~20個を有する、1価の脂肪族の飽和又は不飽和炭化水素基又はHであり、ここで、殊にメチル基が好ましい、
かつ基Rは互いに独立して同じか又は異なり、炭素原子1~20個を有する、1価の脂肪族又は芳香族炭化水素基、好ましくはメチル基であり、
かつ基Rは、基R、R、R又はHのうち1つから独立して選択されており、ここで、基Rは、式2
【化35】
に相当し、かつ基Rは、式3
【化36】
に相当し、かつ基Rは、式4
【化37】
に相当し、ここで、指数a、b及びc、並びに基R及びRは前記で定義されたとおりであり、
かつ少なくとも60000g/mol、好ましくは少なくとも70000g/mol、より好ましくは少なくとも80000g/molの質量平均分子量M、並びに少なくとも25000g/mol、好ましくは少なくとも27500g/mol、より好ましくは少なくとも30000g/molの数平均分子量Mを有し、ここで、M/Mの比が3.1未満、好ましくは3.0未満、より好ましくは2.9未満である場合が殊に好ましい、前記ポリエーテル-シロキサンブロックコポリマー。
【0091】
14. ポリウレタンフォーム、好ましくはPU泡立てフォームの製造用の添加剤としての7.から12.までのいずれかに記載の配合物及び/又は13.に記載のポリエーテル-シロキサンブロックコポリマーの使用、
殊に、ペンダント及び/又は末端のポリエーテル鎖を持つシロキサン鎖を有する少なくとも1種の付加的なポリエーテルシロキサン系安定剤との組合せでの使用であって、前記ポリエーテル鎖は、ケイ素-炭素結合(Si-C)又はケイ素-酸素-炭素結合(Si-O-C)を介して前記シリコーン鎖に結合していてよく、ここで、ケイ素-炭素結合が特に好ましく、かつ殊に、式7
【化38】
[式中、
x=0~50、好ましくは1~25、より好ましくは2~15であり、
y=0~250、好ましくは5~150、より好ましくは5~100であり、
基Rは互いに独立して同じか又は異なり、炭素原子1~20個を有する、好ましくは炭素原子1~10個を有する、1価の脂肪族又は芳香族炭化水素基、最も好ましくはメチル基であり、かつ基R10は互いに独立して同じか又は異なり、OH官能性又はOHを末端基とする、好ましくはメチル又はアセチルを末端基とするポリオキシアルキレン基、好ましくはポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基であり、かつ基R11は、R又はR10のいずれかに相当する]に相当する、ペンダントSi-C系ポリエーテルシロキサンが好ましい、前記使用。
【0092】
15. 前記の製造されうるポリウレタンフォームが、化学発泡剤又は物理発泡剤2質量%未満、好ましくは1質量%未満、より好ましくは0.5質量%未満、最も好ましくは0.1質量%未満を含有する、機械発泡ポリウレタンフォームである、14.に記載の使用。
【0093】
16. 7.から12.までのいずれかに記載の配合物及び/又は13.に記載のポリエーテル-シロキサンブロックコポリマーを使用して、殊に14.又は15.のうち少なくとも1つに従って、製造された、ポリウレタンフォーム、好ましくはPU泡立てフォーム。
【0094】
17. フロアカバリング、例えばカーペット、衝撃音遮断材又は人工芝を製造するため、並びにテキスタイルコーティング又はシーリング材、ギャップフィラー、ショックパッド又は圧縮パッドを製造するための、16.に記載のポリウレタンフォーム、好ましくはPU泡立てフォームの使用。