(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022092615
(43)【公開日】2022-06-22
(54)【発明の名称】基板処理装置及びこれに提供されるフィラー部材
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20220615BHJP
【FI】
H01L21/304 648Z
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021200448
(22)【出願日】2021-12-09
(31)【優先権主張番号】10-2020-0172077
(32)【優先日】2020-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】518162784
【氏名又は名称】セメス カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ジェ,ジン モ
(72)【発明者】
【氏名】オ,スン フン
(72)【発明者】
【氏名】チョイ,ヨン ソプ
(72)【発明者】
【氏名】パク,ミ ソ
(72)【発明者】
【氏名】ウ,ジョン ヒョン
【テーマコード(参考)】
5F157
【Fターム(参考)】
5F157AA03
5F157AB02
5F157AB33
5F157AC03
5F157BC34
5F157CB22
5F157CB27
5F157CE59
5F157DB32
(57)【要約】
【課題】基板を効率的に処理することができる基板処理装置を提供する。
【解決手段】本発明は基板を処理する装置を提供する。一実施形態において、基板処理装置は、密閉可能な処理空間を提供するベッセルと、基板を支持する前記処理空間で前記基板を支持する支持部材と、前記ベッセルの一壁に設置されて、前記処理空間に工程流体を供給する供給ポートと、前記ベッセルの前記一壁に前記供給ポートと離隔された位置に設置される排気ポートと、前記処理空間に提供され、上部から見る時、前記供給ポート及び前記排気ポートと重畳される位置に提供されるバッファ部材と、を含み、前記バッファ部材は、前記供給ポート及び前記排気ポートより外側に位置され、前記ベッセルの前記一壁と接触する側壁部と、前記基板の中央に対応される位置に上下方向に直線の流路をなす貫通ホールが形成された上壁部を含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
密閉可能な処理空間を提供し、前記処理空間に基板を収容するベッセルと、
前記ベッセルの一壁に設置されて、前記処理空間に工程流体を供給する供給ポートと、
前記ベッセルの前記一壁に前記供給ポートと離隔された位置に設置される排気ポートと、
前記処理空間に提供され、上部から見る時、前記供給ポート及び前記排気ポートと重畳される位置に提供されるバッファ部材と、を含み、
前記バッファ部材は、
前記供給ポート及び前記排気ポートより外側に位置され、前記ベッセルの前記一壁と接触する側壁部と、
前記基板の中央に対応される位置に上下方向に直線の流路をなす貫通ホールが形成された上壁部と、を含む基板処理装置。
【請求項2】
前記貫通ホールは、前記排気ポートと一直線上に提供される請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記供給ポートは、上部から見る時、前記上壁部の前記貫通ホールが形成されない位置に提供される請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記貫通ホールがなす前記流路は、前記バッファ部材の全高さの30%以上に形成され、前記バッファ部材の全高さより短い請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記上壁部から下方に延長されて前記貫通ホールの前記流路の長さを延長する内壁部をさらに含み、
前記側壁部と上壁部と前記内壁部によってバッファ空間が形成される請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記バッファ部材の上部に位置され、
上部から見る時、前記貫通ホールと重畳される位置に提供され、前記バッファ部材と離隔されるように提供されるプレート部材をさらに含む請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記プレート部材は、
上面、下面、及び側面を含み、
前記上面は、前記下面より大きい面積を有し、前記下面と対向して平行に配置され、
前記側面は、前記上面と前記下面を連結しながら、上端に行くほど上向傾くように形成された基板処理装置。
【請求項8】
前記ベッセルは、
前記処理空間を定義する第1底面が形成され、
前記第1底面には所定の深さの溝が形成されて、前記溝によって第2底面が形成され、
前記供給ポート及び前記排気ポートは、前記第2底面の領域に提供される請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記バッファ部材は、前記第2底面に置かれ、
前記第2底面に置かれる前記バッファ部材の上面は、前記第1底面と平行である位置である請求項8に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記バッファ部材は、上部から見る時、円形に提供される請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記工程流体は、常温より高い温度に加熱されて前記処理空間に供給される請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記工程流体は、超臨界流体である請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項13】
密閉された処理空間を提供するベッセル及び前記処理空間の工程流体を供給する供給ポート及び前記処理空間の雰囲気を排気する排気ポートを含む基板処理装置に提供されて、前記処理空間の容積の中で一部を満たすフィラー部材において、
前記基板の下部に配置されるように提供され、所定の厚さを有するプレート部材と、
前記プレート部材の下部に前記プレート部材と離隔されるように提供されたバッファ部材と、を含み、
前記バッファ部材は、
前記供給ポート及び前記排気ポートより外側に位置され、前記ベッセルの一壁と接触する側壁部と、
前記プレート部材の中央に対応される位置に上下方向に直線の流路をなす貫通ホールが形成された上壁部と、を含むフィラー部材。
【請求項14】
前記貫通ホールは、前記排気ポートと一直線上に提供される請求項13に記載のフィラー部材。
【請求項15】
上部から見る時、前記上壁部の前記貫通ホールは、前記供給ポートと重畳されない位置に提供される請求項13に記載のフィラー部材。
【請求項16】
前記貫通ホールがなす前記流路は、前記バッファ部材の全高さの30%以上に形成され、前記バッファ部材の全高さより短い請求項13に記載のフィラー部材。
【請求項17】
前記上壁部から下方に延長されて前記貫通ホールの前記流路の長さを延長する内壁部をさらに含み、
前記側壁部と上壁部と前記内壁部によってバッファ空間が形成される請求項13に記載のフィラー部材。
【請求項18】
前記プレート部材は、
上面、下面、及び側面を含み、
前記上面は、前記下面より大きい面積を有し、前記下面と対向して並んで配置され、
前記側面は、前記上面と前記下面を連結しながら、上端に行くほど上向傾くように形成された請求項13に記載のフィラー部材。
【請求項19】
前記バッファ部材は、上部から見る時、円形に提供され、
前記プレート部材は、上部から見る時、円形に提供される請求項13に記載のフィラー部材。
【請求項20】
密閉可能な処理空間を提供し、前記処理空間に基板を収容するベッセルと、
前記ベッセルの一壁に設置されて、前記処理空間に工程流体を供給する供給ポートと、
前記ベッセルの前記一壁に前記供給ポートと離隔された位置に設置される排気ポートと、
前記処理空間の容積の中で一部を満たすフィラー部材と、を含み、
前記ベッセルは、
前記処理空間を定義する第1底面が形成され、
前記第1底面には所定の深さを有する円筒型の溝が形成されて、前記溝によって第2底面が定義され、
前記供給ポート及び前記排気ポートは、前記第2底面の領域に提供され、
前記フィラー部材は、
前記基板の下部に配置されるように提供され所定の厚さを有するプレート部材と、
前記プレート部材の下部に前記プレート部材と離隔されるように提供され、上部から見る時、前記供給ポート及び前記排気ポートと重畳される位置に提供されたバッファ部材と、を含み、
前記バッファ部材は、
前記第2底面に置かれ、前記供給ポート及び前記排気ポートより外側に位置され、前記ベッセルの前記一壁と接触する側壁部と、
前記基板の中央に対応される位置に上下方向に直線の流路をなす貫通ホールが形成され、上面は前記第1底面と平行である位置に提供される上壁部と、
前記上壁部から下方に延長されて前記貫通ホールの前記流路の長さを延長する内壁部を含む基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板処理装置及びこれに提供されるフィラー部材に係る。
【背景技術】
【0002】
一般的に半導体素子はウエハのような基板から製造する。具体的に、半導体素子は蒸着工程、フォトリソグラフィー工程、蝕刻工程等を遂行して基板の上部面に微細な回路パターンを形成して製造される。そして、基板は前記の工程を遂行しながら、前記回路パターンが形成された上部面に各種異物質が汚染されることによって、異物質を除去するために洗浄工程を遂行することができる。
【0003】
最近には基板を洗浄する工程又は基板を現像する工程に超臨界流体が使用される。一例によれば、イソプロピルアルコール(isopropyl alcohol;以下、IPA)のようなリーニング防止液を通じて基板の上部面をウェッティングした後、二酸化炭素(CO2)を超臨界状態に基板の上部面に供給して基板に残っているリーニング防止液を除去する方式に進行されることができる。
【0004】
超臨界流体を使用する工程には工程流体が高温及び高圧の超臨界相に維持されることができる処理空間を提供するベッセルが使用される。ベッセルの処理空間は、工程流体(一例として、二酸化炭素)を超臨界状態にして基板を処理する場合に工程流体を臨界温度及び臨界圧力以上に維持しなければならない。処理空間が臨界圧力以上になるためには、工程流体が処理空間に供給されなければならない。この過程で処理空間の温度と異なる温度に供給される工程流体の流れによって基板の各領域別の温度分布が均一でない問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許公開第WO2013/108750A1号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一目的は基板を効率的に処理することができる基板処理装置を提供することにある。
【0007】
本発明の一目的は処理空間に供給される工程流体の流れによっても基板の各領域別の温度分布が均一であることができる基板処理装置を提供することにある。
【0008】
本発明の一目的は処理空間に供給されて基板に向かう工程流体の流れを均一にすることができる基板処理装置を提供することにある。
【0009】
本発明の目的はここに制限されなく、言及されないその他の目的は下の記載から当業者に明確に理解されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は基板を処理する装置を提供する。一実施形態において、基板処理装置は、密閉可能な処理空間を提供し、前記処理空間に基板を収容するベッセルと、前記ベッセルの一壁に設置されて、前記処理空間に工程流体を供給する供給ポートと、前記ベッセルの前記一壁に前記供給ポートと離隔された位置に設置される排気ポートと、前記処理空間に提供され、上部から見る時、前記供給ポート及び前記排気ポートと重畳される位置に提供されるバッファ部材と、を含み、前記バッファ部材は、前記供給ポート及び前記排気ポートより外側に位置され、前記ベッセルの前記一壁と接触する側壁部と、前記基板の中央に対応される位置に上下方向に直線の流路をなす貫通ホールが形成された上壁部と、を含む。
【0011】
一実施形態において、前記貫通ホールは前記排気ポートと一直線上に提供されることができる。
【0012】
一実施形態において、前記供給ポートは、上部から見る時、前記上壁部の前記貫通ホールが形成されない位置に提供されることができる。
【0013】
一実施形態において、前記貫通ホールがなす前記流路は前記バッファ部材の全高さの30%以上に形成され、前記バッファ部材の全高さより短いことができる。
【0014】
一実施形態において、前記上壁部から下方に延長されて前記貫通ホールの前記流路長さを延長する内壁部をさらに含み、前記側壁部と上壁部と前記内壁部によってバッファ空間が形成されることができる。
【0015】
一実施形態において、前記バッファ部材の上部に位置され、上部から見る時、前記貫通ホールと重畳される位置に提供され、前記バッファ部材と離隔されるように提供されるプレート部材をさらに含むことができる。
【0016】
一実施形態において、前記プレート部材は、上面、下面、及び側面を含み、前記上面は前記下面より大きい面積を有し、前記下面と対向して平行に配置され、前記側面は前記上面と前記下面を連結しながら、上端に行くほど、上向傾くように形成されることができる。
【0017】
一実施形態において、前記ベッセルは、前記処理空間を定義する第1底面が形成され、前記第1底面には所定の深さの溝が形成されて、前記溝によって第2底面が形成され、前記供給ポート及び前記排気ポートは前記第2底面の領域に提供されることができる。
【0018】
一実施形態において、前記バッファ部材は前記第2底面に置かれ、前記第2底面に置かれる前記バッファ部材の上面は前記第1底面と平行である位置であり得る。
【0019】
一実施形態において、前記バッファ部材は上部から見る時、円形に提供されることができる。
【0020】
一実施形態において、前記工程流体は常温より高い温度に加熱されて前記処理空間に供給されることができる。
【0021】
一実施形態において、前記工程流体は超臨界流体であり得る。
【0022】
本発明の他の観点によれば、密閉された処理空間を提供するベッセル及び前記処理空間の工程流体を供給する供給ポート及び前記処理空間の雰囲気を排気する排気ポートを含む基板処理装置に提供されて、前記処理空間の容積の中で一部を満たすフィラー部材を提供する。一実施形態に係るフィラー部材は、前記基板の下部に配置されるように提供され所定の厚さを有するプレート部材と、前記プレート部材の下部に前記プレート部材と離隔されるように提供されたバッファ部材と、を含み、前記バッファ部材は、前記供給ポート及び前記排気ポートより外側に位置され、前記ベッセルの一壁と接触する側壁部と、前記プレート部材の中央に対応される位置に上下方向に直線の流路をなす貫通ホールが形成された上壁部と、を含むことができる。
【0023】
一実施形態において、前記貫通ホールは前記排気ポートと一直線上に提供されることができる。
【0024】
一実施形態において、上部から見る時、前記上壁部の前記貫通ホールは前記供給ポートと重畳されない位置に提供されることができる。
【0025】
一実施形態において、前記貫通ホールがなす前記流路は前記バッファ部材の全高さの30%以上に形成され、前記バッファ部材全高さより短いことができる。
【0026】
一実施形態において、前記上壁部から下方に延長されて前記貫通ホールの前記流路長さを延長する内壁部をさらに含み、前記側壁部と上壁部と前記内壁部によってバッファ空間が形成されることができる。
【0027】
一実施形態において、前記プレート部材は、上面、下面、及び側面を含み、前記上面は前記下面より大きい面積を有し、前記下面と対向して平行に配置され、前記側面は前記上面と前記下面を連結しながら、上端に行くほど上向傾くように形成されることができる。
【0028】
一実施形態において、前記バッファ部材は上部から見る時、円形に提供され、前記プレート部材は上部から見る時、円形に提供されることができる。
【0029】
本発明の他の観点にしたがう基板処理装置は、密閉可能な処理空間を提供し、前記処理空間に基板を収容するベッセルと、前記ベッセルの一壁に設置されて、前記処理空間に工程流体を供給する供給ポートと、前記ベッセルの前記一壁に前記供給ポートと離隔された位置に設置される排気ポートと、前記処理空間の容積の中で一部を満たすフィラー部材と、を含み、前記ベッセルは、前記処理空間を定義する第1底面が形成され、前記第1底面には所定の深さを有する円筒型の溝が形成されて、前記溝によって第2底面が定義され、前記供給ポート及び前記排気ポートは前記第2底面の領域に提供され、前記フィラー部材は、前記基板の下部に配置されるように提供され所定の厚さを有するプレート部材と、前記プレート部材の下部に前記プレート部材と離隔されるように提供され、上部から見る時、前記供給ポート及び前記排気ポートと重畳される位置に提供されたバッファ部材と、を含み、前記バッファ部材は、前記第2底面に置かれ、前記供給ポート及び前記排気ポートより外側に位置され、前記ベッセルの前記一壁と接触する側壁部と、前記基板の中央に対応される位置に上下方向に直線の流路をなす貫通ホールが形成され、上面は前記第1底面と平行である位置に提供される上壁部と、前記上壁部から下方に延長されて前記貫通ホールの前記流路長さを延長する内壁部を含む。
【発明の効果】
【0030】
本発明の一実施形態によれば、基板を効率的に処理することができる。
【0031】
本発明の一実施形態によれば、処理空間に供給される工程流体の流れによっても基板の各領域別の温度分布が均一であることができる。
【0032】
本発明の一実施形態によれば、処理空間に供給されて基板に向かう工程流体の流れを均一にすることができる。
【0033】
本発明の効果が上述した効果によって限定されることではなく、言及されない効果は本明細書及び添付された図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明の一実施形態による基板処理システムを概略的に示す平面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る基板処理装置に提供される液処理装置の一実施形態を概略的に示す図面である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る基板処理装置に提供される超臨界処理装置の第1実施形態を概略的に示す図面である。
【
図4】第1実施形態に係る超臨界処理装置に提供されるフィラー部材の第1実施形態を示す斜視図である。
【
図5】第1実施形態に係る超臨界処理装置に工程流体が供給される場合、工程流体の流れを例示的に示した図面である。
【
図6】第1実施形態に係る超臨界処理装置で工程流体が排出される場合、工程流体の流れを例示的に示した図面である。
【
図7】本発明の実施形態に係る基板処理装置によって処理される基板の温度分布シミュレーションである。
【
図8】比較例にしたがう基板の温度分布シミュレーションである。
【
図9】本発明の第2実施形態に係るフィラー部材を含む一実施形態に係る基板処理装置である。
【
図10】本発明の第3実施形態に係るフィラー部材を含む一実施形態に係る基板処理装置である。
【
図11】本発明の一実施形態に係る工程流体の供給及び排出による、時間に応じる処理空間の内部圧力変化を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下では添付した図面を参考として本発明の実施形態に対して本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は様々な異なる形態に具現されることができ、ここで説明する実施形態に限定されない。また、本発明の望ましい実施形態を詳細に説明することにおいて、関連された公知機能又は構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曖昧にすることができていると判断される場合にはその詳細な説明を省略する。また、類似な機能及び作用をする部分に対しては図面の全体に亘って同一な符号を使用する。
【0036】
ある構成要素を‘含む’ということは、特別に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除外することではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。具体的に、“含む”又は“有する”等の用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとすることがであり、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものの存在又は付加可能性を予め排除しないことと理解されなければならない。
【0037】
単数の表現は文脈の上に明確に異なりに表現しない限り、複数の表現を含む。また、図面で要素の形状及びサイズ等はより明確な説明のために誇張されることができる。
【0038】
用語“及び/又は”は該当列挙された項目の中でいずれか1つ及び1つ以上のすべての組合を含む。また、本明細書で“連結される”という意味はA部材とB部材が直接連結される場合のみならず、A部材とB部材との間にC部材が介在されてA部材とB部材が間接連結される場合も意味する。
【0039】
本発明の実施形態は様々な形態に変形することができ、本発明の範囲が以下の実施形態に限定されることとして解釈されてはならない。本実施形態は当業界で平均的な知識を有する者に本発明をさらに完全に説明するために提供されることである。したがって、図面での要素の形状はより明確な説明を強調するために誇張されている。
【0040】
図1は本発明の一実施形態による基板処理システムを概略的に示す平面図である。
【0041】
図1を参照すれば、基板処理システムはインデックスモジュール10、処理モジュール20、そして制御器30を含む。一実施形態によれば、インデックスモジュール10と処理モジュール20は一方向に沿って配置される。以下、インデックスモジュール10と処理モジュール20が配置された方向を第1方向92とし、上部から見る時、第1方向92と垂直になる方向を第2方向94とし、第1方向92及び第2方向94と全て垂直になる方向を第3方向96とする。
【0042】
インデックスモジュール10は収納された容器80から基板Wを処理モジュール20に搬送し、処理モジュール20で処理が完了された基板Wを容器80に収納する。インデックスモジュール10の長さ方向は第2方向94に提供される。インデックスモジュール10はロードポート12(loadport)とインデックスフレーム14を有する。インデックスフレーム14を基準にロードポート12は処理モジュール20の反対側に位置される。基板Wが収納された容器80はロードポート12に置かれる。ロードポート12は複数に提供されることができ、複数のロードポート12は第2方向94に沿って配置されることができる。
【0043】
容器80としては前面開放一体型ポッド(Front Open Unified Pod:FOUP)のような密閉用容器が使用されることができる。容器80はオーバーヘッドトランスファー(Overhead Transfer)、オーバーヘッドコンベア(Overhead Conveyor)、又は自動案内車両(Automatic Guided Vehicle)のような移送手段(図示せず)や作業者によってロードポート12に置かれることができる。
【0044】
インデックスフレーム14にはインデックスロボット120が提供される。インデックスフレーム14内には長さ方向が第2方向94に提供されたガイドレール140が提供され、インデックスロボット120はガイドレール140上で移動可能に提供されることができる。インデックスロボット120は基板Wが置かれるハンド122を含み、ハンド122は前進及び後進移動、第3方向96を軸とした回転、そして第3方向96に沿って移動可能に提供されることができる。ハンド122は複数が上下方向に離隔されるように提供され、ハンド122は互いに独立的に前進及び後進移動することができる。
【0045】
処理モジュール20はバッファユニット200、搬送装置300、液処理装置400、そして超臨界装置500を含む。バッファユニット200は処理モジュール20に搬入される基板Wと処理モジュール20から搬出される基板Wが一時的に留まる空間を提供する。液処理装置400は基板W上に液を供給して基板Wを液処理する液処理工程を遂行する。超臨界処理装置500は基板W上に残留する液を除去する乾燥工程を遂行する。搬送装置300はバッファユニット200、液処理装置400、そして超臨界処理装置500の間に基板Wを搬送する。
【0046】
搬送装置300はその長さ方向が第1方向92に提供されることができる。バッファユニット200はインデックスモジュール10と搬送装置300との間に配置されることができる。液処理装置400と超臨界処理装置500は搬送装置300の側部に配置されることができる。液処理装置400と搬送装置300は第2方向94に沿って配置されることができる。超臨界処理装置500と搬送装置300は第2方向94に沿って配置されることができる。バッファユニット200は搬送装置300の一端に位置されることができる。
【0047】
一例によれば、液処理装置400は搬送装置300の両側に配置され、超臨界処理装置500は搬送装置300の両側に配置され、液処理装置400は超臨界処理装置500よりバッファユニット200にさらに近い位置に配置されることができる。搬送装置300の一側で液処理装置400は第1方向92及び第3方向96に沿って各々AXB(A、Bは各々1又は1より大きい自然数)配列に提供されることができる。また、搬送装置300の一側で超臨界処理装置500は第1方向92及び第3方向96に沿って各々CXD(C、Dは各々1又は1より大きい自然数)が提供されることができる。上述したことと異なりに、搬送装置300の一側には液処理装置400のみが提供され、その他側には超臨界処理装置500のみが提供されることができる。
【0048】
搬送チャンバー300は搬送ロボット320を有する。搬送装置300内には長さ方向が第1方向92に提供されたガイドレール340が提供され、搬送ロボット320はガイドレール340上で移動可能に提供されることができる。搬送ロボット320は基板Wが置かれるハンド322を含み、ハンド322は前進及び後進移動、第3方向96を軸とした回転、そして第3方向96に沿って移動可能に提供されることができる。ハンド322は複数が上下方向に離隔されるように提供され、ハンド322は互いに独立的に前進及び後進移動することができる。
【0049】
バッファユニット200は基板Wが置かれる複数のバッファ220を具備する。バッファ220は第3方向96に沿って相互間に離隔されるように配置されることができる。バッファユニット200は前面(front face)と背面(rear face)が開放される。前面はインデックスモジュール10と対向する面であり、後面は搬送装置300と対向する面である。インデックスロボット120は前面を通じてバッファユニット200に接近し、搬送ロボット320は背面を通じてバッファユニット200に接近することができる。
【0050】
図2は
図1の液処理装置400の一実施形態を概略的に示す図面である。
図2を参照すれば、液処理装置400はハウジング410、カップ420、支持ユニット440、液供給ユニット460、そして昇降ユニット480を有する。ハウジング410は大体に直方体形状に提供される。カップ420、支持ユニット440、そして液供給ユニット460はハウジング410内に配置される。
【0051】
カップ420は上部が開放された処理空間を有し、基板Wは処理空間内で液処理される。支持ユニット440は処理空間内で基板Wを支持する。液供給ユニット460は支持ユニット440に支持された基板W上に液を供給する。液は複数の種類に提供され、基板W上に順次的に供給されることができる。昇降ユニット480はカップ420と支持ユニット440との間の相対高さを調節する。
【0052】
一例によれば、カップ420は複数の回収筒422、424、426を有する。回収筒422、424、426は各々基板処理に使用された液を回収する回収空間を有する。各々の回収筒422、424、426は支持ユニット440を囲むリング形状に提供される。液処理工程を進行する時、基板Wの回転によって飛散される前処理液は各回収筒422、424、426の流入口422a、424a、426aを通じて回収空間に流入される。一例によれば、カップ420は第1回収筒422、第2回収筒424、そして第3回収筒426を有する。第1回収筒422は支持ユニット440を囲むように配置され、第2回収筒424は第1回収筒422を囲むように配置され、第3回収筒426は第2回収筒424を囲むように配置される。第2回収筒424に液を流入する第2流入口424aは第1回収筒422に液を流入する第1流入口422aより上部に位置され、第3回収筒426に液を流入する第3流入口426aは第2流入口424aより上部に位置されることができる。
【0053】
支持ユニット440は支持板442と駆動軸444を有する。支持板442の上面は大体に円形に提供され、基板Wより大きい直径を有することができる。支持板442の中央部には基板Wの背面を支持する支持ピン442aが提供され、支持ピン442aは基板Wが支持板442から一定距離離隔されるようにその上端が支持板442から突出されるように提供される。支持板442の縁部にはチャックピン442bが提供される。チョクピン442bは支持板442から上部に突出されるように提供され、基板Wが回転される時、基板Wが支持ユニット440から離脱されないように基板Wの側部を支持する。駆動軸444は駆動器446によって駆動され、基板Wの底面中央と連結され、支持板442をその中心軸を基準に回転させる。
【0054】
一例によれば、液供給ユニット460は第1ノズル462、第2ノズル464、そして第3ノズル466を有する。第1ノズル462は第1液を基板W上に供給する。第1液は基板W上に残存する膜や異物を除去する液であり得る。第2ノズル464は第2液を基板W上に供給する。第2液は第3液によく溶解される液であり得る。例えば、第2液は第1液に比べて第3液にさらによく溶解される液であり得る。第2液は基板W上に供給された第1液を中和させる液であり得る。また、第2液は第1液を中和させ、同時に第1液に比べて第3液によく溶解される液であり得る。一例によれば、第2液は水であり得る。第3ノズル466は第3液を基板W上に供給する。第3液は超臨界処理装置500で使用される超臨界流体によく溶解される液であり得る。例えば、第3液は第2液に比べて超臨界処理装置500で使用される超臨界流体によく溶解される液であり得る。一例によれば、第3液は有機溶剤であり得る。有機溶剤はイソプロピルアルコール(IPA)であり得る。また、有機溶剤はイソプロピルアルコールを始めてチルグリコール(ethylglycol)、1-プロパノール(propanol)、テトラハイドロフラン(tetrahydraulicfranc)、4-ヒドロキシ(hydroxyl)、4-メチル(methyl)、2-ペンタノン(pentanone)、1-ブタノール(butanol)、2-ブタノール、メタノール(methanol)、エタノール(ethanol)、n-プロピルアルコール(n-propylalcohol)、ジメチルエチル(dimethylether)等を含む。一例によれば、超臨界流体は二酸化炭素であり得る。第1ノズル462、第2ノズル464、そして第3ノズル466は互いに異なるアーム461に支持され、これらのアーム461は独立的に移動されることができる。選択的に、第1ノズル462、第2ノズル464、そして第3ノズル466は同一なアームに装着されて同時に移動されることができる。
【0055】
昇降ユニット480はカップ420を上下方向に移動させる。カップ420の上下移動によってカップ420と基板Wとの間の相対高さが変更される。これによって、基板Wに供給される液の種類に応じて前処理液を回収する回収筒422、424、426が変更されるので、液を分離回収することができる。上述したことと異なりに、カップ420は固定設置され、昇降ユニット480は支持ユニット440を上下方向に移動させることができる。
【0056】
図3は
図1の超臨界処理装置500の一実施形態を概略的に示す図面である。超臨界処理装置500は液処理が完了された基板Wを超臨界流体で処理する。一実施形態によれば、超臨界処理装置500は超臨界流体(supercritical fluid)を利用して基板Wを乾燥する。超臨界流体は超臨界状態の二酸化炭素(CO
2)が使用されることができる。二酸化炭素は温度を30℃以上に上げ、圧力を7.4MPa以上に維持させれば、超臨界状態になる。以下、工程流体は超臨界状態の二酸化炭素が使用されることを一例として説明する。
【0057】
一実施形態によれば、超臨界処理装置500は超臨界流体を利用して基板W上の液を除去する。超臨界処理装置500はベッセル520、支持部材540、流体供給ユニット560、そしてフィラー部材580を含む。
【0058】
ベッセル520は超臨界工程が遂行される処理空間502を提供する。ベッセル520は超臨界流体の臨界温度と臨界圧力を耐えられる材質で提供される。ベッセル520は上部ベッセル(upper vessel)522と下部ベッセル(lower vessel)524を含む。
【0059】
上部ベッセル522は底面が開放された空間が内部に形成される。上部ベッセル522の上部壁はベッセル520の上部壁として提供される。そして、上部ベッセル522の側壁はベッセル520の側壁の一部として提供される。下部ベッセル524は上部ベッセル522の下部に位置する。下部ベッセル524は上面が開放された空間が内部に形成される。下部ベッセル524の開放された上面は上部ベッセル522の開放された下面と対向する。下部ベッセル524の下部壁はベッセル520の下部壁として提供される。そして、下部ベッセル524の側壁はベッセル520の側壁一部として提供される。上部ベッセル522と下部ベッセル524は互いに組み合わせて上述した処理空間502を提供する。
【0060】
上部ベッセル522と下部ベッセル524は相対移動によって処理空間502を開放させるか、或いは密閉させることができる。駆動部材590は上部ベッセル522と下部ベッセル524の中で少なくともいずれか1つを上下方向に移動させる。駆動部材590は油圧器で提供されることができる。一実施形態によれば、上部ベッセル522はその位置が固定され、下部ベッセル524はシリンダーのような駆動部材590によって昇下降されることができる。下部ベッセル524が上部ベッセル522から離隔されれば、処理空間502が開放され、この時、基板Wが搬入又は搬出される。工程を進行する時には下部ベッセル524が上部ベッセル522に密着されて処理空間502が外部から密閉される。
【0061】
超臨界処理装置500はヒーター570を有する。一例によれば、ヒーター570はベッセル520の壁内部に位置される。一実施形態において、ヒーター570はベッセル520をなす上部ベッセル522及び下部ベッセル524の中でいずれか1つ以上に提供されることができる。ヒーター570はベッセル520の処理空間502内に供給された流体が超臨界状態を維持するようにベッセル520の処理空間502を加熱する。処理空間502は超臨界流体による雰囲気が形成される。
【0062】
ベッセル520の底面には溝が形成される。溝は所定の深さに形成される。溝は円筒状に形成されることができる。溝の形成によって、ベッセル520の底面は高さが互いに異なりに提供される。より詳細にベッセル520の第1底面524bには所定の深さの溝が形成され、溝によって第2底面524cが形成される。第2底面524cは第1底面524bより低い高さとして定義される。
【0063】
ベッセル520の内側面は傾斜面524aを有する。傾斜面524aはベッセル520の第1底面524bと側面を連結する。傾斜面524aはベッセル520の第1底面524bから延長され、側面に隣接するほど、その高さがだんだん高くなるように上向傾く。傾斜面524aは10°乃至45°の傾斜角を有すすることができる。
【0064】
支持部材540はベッセル520の処理空間502で基板Wを支持する。支持部材540は固定ロード542と載置台544を含む。固定ロード542は上部ベッセル522の底面から下に突出されるように上部ベッセル522に固定設置されることができる。固定ロード542はその長さ方向が上下方向に提供されることができる。固定ロード542は複数に提供され、互いに離隔されるように位置されることができる。固定ロード542は、これらによって囲まれた空間に基板Wが搬入又は搬出される時、基板Wが固定ロード542と干渉しないように配置される。各々の固定ロード542の下端には載置台544が結合される。載置台544は固定ロード542の下端から地面に対して水平である方向に延長される。一実施形態において、載置台544は基板Wの下端縁を支持可能な形状に延長される。
【0065】
第1供給ポート566a及び第2供給ポート564aはベッセル520の内部に超臨界流体を供給する。
【0066】
第1供給ポート566aはベッセル520の底面の中心領域に提供される。一実施形態において、第1供給ポート566aは底面の中心で所定の距離偏向された位置に提供される。一実施形態において、底面の中心は支持部材450に基板Wが支持される場合に基板Wの中心と垂直線上に対応される位置であり得る。一実施形態において、第1供給ポート566aの吐出口はベッセル520の中で溝が形成された領域に位置する。実施形態において、第1供給ポート566aの吐出口は第2底面524cを上下方向に貫通する位置に形成される。第1供給ポート566aはベッセル520の内部空間502の中で基板Wの下部に位置する空間に超臨界流体を供給する。
【0067】
第2供給ポート564aはベッセル520の上部壁102の中心領域に提供される。第2供給ポート564aはベッセル520の内部空間502の中で基板Wの上部に位置する空間に超臨界流体を供給する。第2供給ポート564aで供給された超臨界流体は基板Wの上面に提供される。
【0068】
排気ポート550aはベッセル520の内部に留まる流体を外部に排気する。排気ポート550aはベッセル520の下部壁に提供される。排気ポート550aは第1供給ポート566aに隣接するように位置されることができる。排気ポート550aはベッセル520の底面の中心領域に提供される。一実施形態において、排気ポート550aは底面の中心に設置される。排気ポート550aの吐出口はベッセル520の中で溝が形成された領域に提供される。実施形態において、排気ポート550aの吐出口は第2底面524cの中心に提供される。実施形態において、排気ポート550aの吐出口は第2底面524cを上下方向に貫通する位置に形成される。実施形態において、排気ポート550aの直径は第1供給ポート566aの直径より小さく提供される。排気ポート550aで排気される流体は有機溶剤が溶解された超臨界流体を含む。排気ポート550aで排気される流体は再生装置(図示せず)に送液されることができる。再生装置で流体は超臨界流体と有機溶剤に分離されることができる。これと異なりに、排気ポート550aで排気される流体は排気ライン550を通じて大気中に放出されることができる。
【0069】
流体供給ユニット560はベッセル520の処理空間502に工程流体を供給する。一例によれば、工程流体は超臨界状態に処理空間502に供給されることができる。これと異なりに、工程流体はガス状態に処理空間502に供給され、処理空間502内で超臨界状態に相変化されることができる。一例によれば、流体供給ユニット560はメーン供給ライン562、上部分岐ライン564、そして下部分岐ライン566を有する。上部分岐ライン564と下部分岐ライン566はメーン供給ライン562から分岐される。上部分岐ライン564は第2供給ポート564aと結合されて支持部材540に置かれる基板Wの上部で工程流体を供給する。下部分岐ライン566は第1供給ポート566aに結合されて支持部材540に置かれる基板Wの下部で工程流体を供給する。排気ライン550は排気ポート550aに結合される。ベッセル520の処理空間502内の超臨界流体は排気ライン550を通じてベッセル520の外部に排気される。
【0070】
フィラー部材580は支持部材540の下部に位置する。フィラー部材580はプレート部材581、バッファ部材585を含む。
図4は第1実施形態に係る超臨界処理装置に提供されるフィラー部材の第1実施形態を示す斜視図である。
図3と
図4をさらに参照して、フィラー部材580を説明する。
【0071】
プレート部材581は所定の厚さを有する板形状に提供される。プレート部材581は中が満たされるか、或いは中が空いた形状であり得る。プレート部材581は上面、下面、そして側面を有する。上面は下面と対向して平行に配置される。上面は下面より大きい面積を有する。ベッセル520の内部が密閉された状態で、プレート部材581の上面は基板Wの底面と既設定された間隔を維持することができる。例えば、プレート部材581の上面と基板の底面は0.2cm乃至1.0cm間隔を維持することができる。下面はベッセル520の第1底面524bと対向するように配置される。下面はベッセル520の第1底面524bと所定の間隔に離隔される。一実施形態によれば、プレート部材581の下面はベッセル520の第1底面524bと0.1cm乃至2cm間隔に離隔されることができる。プレート部材581の側面はプレート部材581の上面と下面を連結する。プレート部材581の側面は下面から延長され、上端に行くほど、プレート部材の断面積がだんだん広くなるように上向傾くように形成される。プレート部材581の側面は傾斜面524aと平行に提供されることができる。プレート部材581の側面は傾斜面524aと一領域が対向するように提供されることができる。プレート部材581の側面343は傾斜面524aと所定の間隔に離隔される。一例によれば、プレート部材581の側面は傾斜面524aと0.1cm乃至2cm間隔に離隔されることができる。
【0072】
プレート部材581の下面とベッセル520の第1底面524bとの間の空間と、プレート部材581の側面とベッセル520の傾斜面524aとの間の空間は互いに連結され、第1供給ポート566aを通じて供給された超臨界流体が移動する経路を提供する。
【0073】
第1支持ロード584はプレート部材581の下部でプレート部材581を支持する。第1支持ロード584は複数提供され、互いに離隔して配置される。第1支持ロード584の上端はプレート部材581と結合し、下端はベッセル520の第1底面524bに置かれる。
【0074】
バッファ部材585はプレート部材581の下部に提供される。バッファ部材585の上面とプレート部材581の下面は所定の間隔離隔される。バッファ部材585の上面とプレート部材581の下面がなす離隔間隔はプレート部材581の下面とベッセル520の第1底面524bの離隔間隔と同一であるか、或いは類似である。一例によれば、バッファ部材585の上面とプレート部材581の下面は0.1cm乃至2cm間隔に離隔されることができる。バッファ部材585の上面とプレート部材581の下面は第2支持ロード583によって離隔されることができる。第2支持ロード583は複数に提供され、互いに離隔して配置される。第2支持ロード583の上端はプレート部材581と結合し、下端はバッファ部材585の上面に置かれる。
【0075】
一実施形態に係るバッファ部材585はベッセル520の第1底面524bの溝に位置される。バッファ部材585は側壁部585cと上壁部585bを含む。側壁部585cは第2底面524cに支持される。側壁部585cは第1供給ポート566aと排気ポート550aの外側領域に位置される。側壁部585cの内径は第1供給ポート566aと排気ポート550aが内部に位置できるように第1供給ポート566aと排気ポート550aとの間の距離より大きい。側壁部585cは第2底面524cと接触して第1供給ポート566aで供給される超臨界流体が側壁部585cの下部に通過しないようにする。好ましくは、側壁部585cの底面と第2底面524cは完全に密着される。
【0076】
上壁部585bの上面はベッセル520の第1底面524bがなす平面と同一又は類似に位置される。上部から見る時、上壁部585bは第1供給ポート566aと重畳されるように提供される。上壁部585bの中央には貫通ホール587が形成される。貫通ホール587は支持部材540に支持された基板Wの中央に対応される位置に提供される。また、貫通ホール587はプレート部材581の中央に対応される位置に提供される。貫通ホール587は上壁部585bに対して上下方向に垂直に形成される。本実施形態において、バッファ部材585は内壁部585aをさらに含む。内壁部585aは上壁部585bで貫通ホール587を囲み、貫通ホール587の長さを上下方向に延長する。内壁部585aの延長長さh2はバッファ部材585の全高さより短い。内壁部585aの延長長さh2がバッファ部材585の高さh1の30%以上の長さを有するようにして貫通ホール587の長さを延長すれば、中心で偏向された位置に提供された第1供給ポート566aを通じて供給される超臨界流体の流れによって発生して基板Wに均一に供給されない超臨界流体の流れを基板Wの中心に対して垂直になる方向に流れるように制御することができる。一方、本発明者は貫通ホール587の直径dは広いことより狭いことが超臨界流体の流れを基板Wの中心に対して垂直になる方向に流れるように制御することに効率的であることと把握する。直径dは狭く説明したが、超臨界流体の移動経路に応じて相変化が成されない程度に適切に設計することが好ましい。また、実施形態において、排気の流れを円滑にするために貫通ホール587の直径dは排気ポート550aと同一であるか、或いはさらに大きく提供されることができる。
【0077】
貫通ホール587と排気ポート550aは一直線上に位置されることができる。したがって、処理空間502の内部の雰囲気が排気される時、排気流れが基板Wの全領域に均一に形成されるのに役立つ。また、フィラー部材580は第1供給ポート566aから供給される超臨界流体が基板Wの後面に直接噴射されることを遮断することができる。また、処理空間502の体積はフィラー部材580によって減少されることができる。したがって、フィラー部材580は工程性能は維持しながらも、乾燥工程に使用される超臨界流体の量を減少させ、工程時間を減少させることができる。
【0078】
本実施形態において、バッファ部材585の側壁部585cと上壁部585bと内壁部585aと、第2底面524cによってバッファ空間が定義される。
図5は第1実施形態に係る超臨界処理装置に工程流体が供給される場合、工程流体の流れを例示的に示した図面である。
図3と
図5をさらに参照して第1実施形態に係るフィラー部材580のバッファ空間を説明する。
【0079】
第1供給ポート566aを通じてベッセル520の内部に流入された超臨界流体はバッファ空間で供給される方向に沿う慣性が相殺され、流速が減少される。バッファ空間では超臨界流体の渦流が形成されることができる。第1供給ポート566aを通じて供給されながら有するようになった超臨界流体の運動エネルギーはバッファ空間で減少されることができ、運動エネルギーが減少された超臨界流体が貫通ホール587を通じて供給されることによって、基板Wに発生する超臨界流体の流れが均一に制御され、したがって基板Wの温度が制御されることができる。
【0080】
図6は第1実施形態に係る超臨界処理装置で工程流体が排出される場合、工程流体の流れを例示的に示した図面である。
図3と
図6をさらに参照して、本発明の一実施形態に係る排気流れを説明する。
【0081】
ベッセル520の処理空間502に供給されて基板Wを処理した超臨界流体と超臨界流体に溶解された溶剤は排気ポート550aを通じてベッセル520の外部に排出される。排気される流体は排気ポート550aと連結された排気ライン550に沿ってベッセル520の外部に排出される。貫通ホール587と排気ポート550aが一直線上の経路に位置することによって、排気される流体の流れが基板Wの全領域に対して均一に形成されることができる。
【0082】
図7は本発明の実施形態に係る基板処理装置によって処理される基板の温度分布シミュレーションである。本シミュレーションで赤みがかった部分は温度が高いことを示す。
図7を通じて参照されたように、本発明の実施形態に係る基板処理装置を利用して基板Wを処理する場合に中央領域との温度が均一であり、縁領域の温度が均一である。即ち、温度分布が領域別に均一であることを確認することができる。
【0083】
図8は比較例にしたがう基板の温度分布シミュレーションである。本シミュレーションで赤みがかった部分は温度が高いことを示す。比較例は本発明の実施形態と異なりに、超臨界流体を供給する時、流体の流れに応じる慣性を相殺しない場合に超臨界流体の流れによって基板の温度分布が領域別に均一でないことを確認することができる。
【0084】
図9は本発明の第2実施形態に係るフィラー部材を含む一実施形態に係る基板処理装置である。
図9を参照して第2実施形態に係るフィラー部材1580を説明する。フィラー部材1580において、第1実施形態に係るフィラー部材580と同一な構成は
図3の説明で代替する。
【0085】
一実施形態に係るバッファ部材1585はベッセル520の第1底面524bの溝に位置される。バッファ部材1585は側壁部1585cと上壁部1585bと内壁部1585aを含む。側壁部1585cは第2底面524cに支持される。側壁部1585cは第1供給ポート566aと排気ポート550aの外側領域に位置される。側壁部1585cの内径は第1供給ポート566aと排気ポート550aが内部に位置できるように第1供給ポート566aと排気ポート550aとの間の距離より大きい。側壁部1585cは第2底面524cと接触して第1供給ポート566aで供給される超臨界流体が側壁部1585cの下部に通過しないようにする。好ましくは、側壁部1585cの底面と第2底面524cは完全に密着される。側壁部1585cと上壁部1585bと内壁部1585aの相互連結部位の中でいずれか1つ以上は曲面を有するように形成されることができる。本発明の実施形態において、側壁部1585cと上壁部1585bがなす内側は曲面を有するように形成される。また、上壁部1585bと内壁部1585aがなす内側は曲面を有するように形成される。バッファ空間をなす壁面が曲面を有するように形成することによって、超臨界流体の運動エネルギーを減少させることと同時に流れ方向を制御して超臨界流体を貫通ホール1587に流れるように制御することができる。
【0086】
図10は本発明の第3実施形態に係るフィラー部材を含む一実施形態に係る基板処理装置である。
図10を参照して第3実施形態に係るフィラー部材2580を説明する。フィラー部材2580において、第1実施形態に係るフィラー部材580と同一な構成は
図3の説明で代替する。
【0087】
一実施形態に係るバッファ部材2585はベッセル520の第1底面524bの溝に位置される。バッファ部材2585は側壁部2585cと上壁部2585bを含む。側壁部2585cは第2底面524cに支持される。側壁部2585cは第1供給ポート566aと排気ポート550aの外側領域に位置される。側壁部2585cの内径は第1供給ポート566aと排気ポート550aが内部に位置できるように第1供給ポート566aと排気ポート550a間の距離より大きい。側壁部2585cは第2底面524cと接触して第1供給ポート566aで供給される超臨界流体が側壁部2585cの下部に通過しないようにする。好ましくは、側壁部2585cの底面と第2底面524cは完全に密着される。
【0088】
上壁部2585bの上面はベッセル520の第1底面524bがなす平面と同一又は類似に位置される。上部から見る時、上壁部2585bは第1供給ポート566aと重畳されるように提供される。上壁部2585bの中央には貫通ホール2587が形成される。貫通ホール2587は上壁部2585bに対して上下方向に垂直に形成される。上壁部2585bは貫通ホール2587が適当な流路長さを有することができる厚さに提供される。上壁部2585bの厚さはバッファ部材2585の全高さよりは厚くない。上壁部2585bと第2底面524cは所定の間隔離隔される。上壁部2585bの厚さによる貫通ホール2587の長さはバッファ部材2585の高さの30%以上の長さを有するようにする。貫通ホール2587の長さを延長すれば、中心で偏向された位置に提供された第1供給ポート566aを通じて供給される超臨界流体の流れによって発生して基板Wに均一に供給されない超臨界流体の流れを基板Wの中心に対して垂直になる方向に流れるように制御することができる。一方、本発明者は貫通ホール2587の直径は広いことより狭いことが超臨界流体の流れを基板Wの中心に対して垂直になる方向に流れるように制御することに効率的であることと把握する。直径は狭く説明したが、超臨界流体の移動経路に応じて相変化が成されない程度に適切に設計することが好ましい。
【0089】
図11は本発明の一実施形態に係る工程流体の供給及び排出による、時間に応じる処理空間の内部圧力変化を示したグラフである。
図11の圧力と時間に対するグラフで、上昇部分は超臨界流体が処理空間502内に供給される過程であり、下降部分は超臨界流体が処理空間502で排気される過程である。t1の時間まで超臨界流体を処理空間502内に供給しながら、処理空間502の圧力を超臨界流体で提供される工程流体の臨界圧力以上に上昇させ、t1からt4の時間まで供給段階と排気段階を反復的に遂行して処理効果を向上させ、基板Wの処理が完了されれば、処理空間502の雰囲気を排気して処理空間502の圧力を大気圧P0まで下降させる。本発明の様々な実施形態によれば、工程の進行に応じる超臨界流体の供給と排気過程で発生する温度偏差を減少させ、基板の領域別温度を均一にすることができる。
【0090】
上述した第1実施形態に係るフィラー部材580、第2実施形態に係るフィラー部材1580、第3実施形態に係るフィラー部材2580によって得る効果の定量的な数値は異なることができるが、本発明に提供される実施形態は超臨界流体の運動エネルギーを減少させ、基板Wの中央領域で垂直になる方向に超臨界流体を供給することによって、基板Wの領域別温度が均一である。
【0091】
以上の詳細な説明は本発明を例示するものである。また、前述した内容は本発明の技術的思想を具現するための好ましいか、或いは様々な実施形態を示して説明することであり、本発明は様々な他の組合、変更及び環境で使用することができる。即ち、本明細書に開示された発明の概念の範囲、前述した開示内容と均等な範囲、及び/又は当業界の技術又は知識の範囲内で変更又は修正が可能である。したがって、以上の発明の詳細な説明は開示された実施状態に本発明を制限しようとする意図ではない。添付された請求の範囲は他の実施状態も含むことと解析されなければならない。このような変形実施は本発明の技術的思想や展望から個別的に理解されてはならない。
【符号の説明】
【0092】
500 超臨界処理装置
502 処理空間
520 ベッセル
540 支持部材
542 固定ロード
544 載置台
560 流体供給ユニット
570 ヒーター
580 フィラー部材
581 プレート部材