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  • 特開-飛沫防止具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022092716
(43)【公開日】2022-06-23
(54)【発明の名称】飛沫防止具
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20220616BHJP
【FI】
A41D13/11 A
A41D13/11 F
A41D13/11 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020205584
(22)【出願日】2020-12-11
(71)【出願人】
【識別番号】512009089
【氏名又は名称】株式会社エムアイシー
(74)【代理人】
【識別番号】100134072
【弁理士】
【氏名又は名称】白浜 秀二
(72)【発明者】
【氏名】村松 敬三
(57)【要約】      (修正有)
【課題】飛沫の拡散を効果的に防止することができる飛沫防止具を提供する。
【解決手段】飛沫防止具1は、飛沫を受ける受部2と、この受部2の周縁一部に一体的に設けられた把手部3とを備え、受部2は、把手部3に連接する中央部6と、この中央部6から張り出して手前側に湾曲した張り出し部7,7とを有している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飛沫を受ける受部と、
この前記受部の周縁一部に一体的に設けられた把手部と、
を備え、
前記受部は、
前記把手部に連接する中央部と、
この前記中央部から張り出して手前側に湾曲した張り出し部と、
を有していることを特徴とする飛沫防止具。
【請求項2】
前記中央部は、前記把手部の延長線上に位置する構成とし、
前記張り出し部は、前記中央部の両側から張り出して手前側に湾曲する構成としたことを特徴とする請求項1に記載の飛沫防止具。
【請求項3】
前記張り出し部は、略円筒側面状に湾曲していることを特徴とする請求項1または2に記載の飛沫防止具。
【請求項4】
前記張り出し部は、周縁形状が前記把手部側から順に凹状曲線部と凸状曲線部とを備えていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の飛沫防止具。
【請求項5】
前記受部および前記把手部は、一体成形で形成されていることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の飛沫防止具。
【請求項6】
前記受部および前記把手部の少なくとも前記受部は、透明または半透明に形成されていることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の飛沫防止具。
【請求項7】
前記受部および前記把手部の少なくとも前記受部は、樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の飛沫防止具。
【請求項8】
前記受部および前記把手部の少なくとも前記受部は、非通気性に構成されていることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の飛沫防止具。
【請求項9】
前記受部の少なくとも手前側の面は、保護部材で覆われていることを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の飛沫防止具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手持ちの飛沫防止具に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今は、ウイルスの流行により、会食時においても、マスクやフェイスシールドを着用するようにしているが、飲食の都度、マスクやフェイスシールドを外すのが面倒であることから、必要時に手に持ち顔面を覆うようにしたものが知られている。
【0003】
たとえば、特許文献1には、長方形状のコート紙の一部に切り込みを設けて折り込むことにより把手部を形成した手持ち式の唾液飛散防止装置が開示されている。
【0004】
また、非特許文献1には、PET製透明平板に把手部を取り付けた手持ちタイプのフェイスシールドが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3228832号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】<ZAPP ONLINE SHOP ハンデイーガード インターネット:URL,https://www.zapp.jp/shopdetail/000000001064/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、これら文献のものは、平板状であるため、飛散した唾液が当たると平板に沿って側方に拡散することになる。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、飛沫の拡散を効果的に防止することができる飛沫防止具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、飛沫を受ける受部と、この受部の周縁一部に一体的に設けられた把手部とを備え、受部は、把手部の連接する中央部と、この中央部から張り出して手前側に湾曲した張り出し部とを有していることを特徴とするものである。
【0010】
中央部は、把手部の延長線上に位置する構成とし、張り出し部は、中央部の両側から張り出して手前側に湾曲する構成とするのが好ましい。
【0011】
また、張り出し部は、略円筒側面状に湾曲していることが好ましい。
【0012】
さらに、張り出し部は、周縁形状が把手部側から順に凹状曲線部と凸状曲線部とを備えていることが好ましい。
【0013】
さらに、受部および把手部は、一体成形で形成されていることが好ましい。
【0014】
さらに、受部および把手部の少なくとも受部は、透明または半透明に形成されていることが好ましい。
【0015】
さらに、受部および把手部の少なくとも受部は、樹脂で形成されていることが好ましい。
【0016】
さらに、受部および把手部の少なくとも受部は、非通気性に構成されていることが好ましい。
【0017】
さらに、受部の少なくとも手前側の面は、保護部材で覆われている構成としても良い。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、飛沫の拡散を効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図面は、本開示に係る本発明の特定の実施の形態を示し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
図1】本発明の一実施形態に係る飛沫防止具を示す斜視図。
図2】同飛沫防止具を示す背面図。
図3】同飛沫防止具を示す側面図。
図4図2に示す同飛沫防止具のIV-IV線に沿う断面図。
図5】同飛沫防止具の作用を説明するための図。
図6】同飛沫防止具の会食中における状況を説明するための図。
図7】同飛沫防止具に店等の宣伝表示を設けた状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0021】
図1に示すように、飛沫防止具1は、飛沫を受ける受部2と、この受部2の周縁一部に一体的に設けられた把手部3とを備えている。
【0022】
これら受部2および把手部3は、たとえば透明のアクリル樹脂などで一体成形で形成され、非通気性になっている。
【0023】
図2図3に示すように、把手部3の背面には、把手部3の長手方向に沿って断面凸状のリブ4が設けられ、把手部3の補強をするようになっている。
【0024】
また、把手部3の一端側には、穴5が設けられ、紐等を挿通させることができるようになっている。
【0025】
さらに、受部2は、把手部3に連接する中央部6と、この中央部6の両側から張り出して手前側(顔面側)に湾曲した張り出し部7,7とを有した形状となっていて、これら中央部6と張り出し部7,7は連続した湾曲面で構成されている。
【0026】
中央部6は、把手部3の延長線上に位置する領域で構成、すなわち、把手部3と中央部6は同一軸線上に設けられている。
【0027】
また、張り出し部7,7は、中央部6の両側から張り出して手前側に湾曲する形状、たとえば略円筒側面状に湾曲した形状となっている。
【0028】
さらに、張り出し部7,7は、中央部6を境に面対称に形成され、周縁形状が把手部3側から凹状曲線部8が形成され、これに連続して凸状曲線部9が形成されている。
【0029】
以上の構成によれば、受部2が手前側に湾曲しているため、唾などの飛沫Pは受部2に当たった後、手前側に戻されるか、受部2に付着することになるので、受部2の側方に飛散することを極力抑えることができ、飛沫の拡散を効果的に防止することができる。
【0030】
特に、図6に示すように、会食時においては、飛沫防止具1の把手部3を片手で持って受部2を口元に向けて会話をすることによって、受部2の湾曲により隣席者にも飛沫Pが飛散するのを可及的に防止することができる。
【0031】
食事中は、テーブル上に受部2の湾曲した凹面側(手前側)を下にして伏せておくことにより、受部2の面がテーブルに直接触れることが無く、清潔である。
【0032】
従って、マスクのように会話の度に装着する煩わしさが無くなる。
【0033】
また、飛沫防止具1は、アクリル等で形成されているため、剛性があるので変形することがなく、また軽く、手軽に扱える。
【0034】
しかも、透明なので、会話の相手の口元や表情がわかる。
【0035】
さらに、廉価に製造できるため、店で無料で配布することも可能であり、その場合、図7に示すように、飛沫防止具1のたとえば受部2に店の宣伝表示10などを付しておくこともできる。宣伝表示10は、把手3に設けてもよい。
【0036】
さらに、宣伝表示10は、宣伝内容が印刷等されたシール等で着脱可能に張り付けておく構成とすることにより、宣伝内容が異なるシール等を適宜交換して利用することができる。
【0037】
なお、上記実施形態では、受部2および把手部3は、一体成形で形成したが、一体成形でなく別体で連結するようにしてもよい。
【0038】
また、受部2および把手部3は、透明に形成したが、半透明でもよく、また不透明でもよい。
【0039】
さらに、受部2および把手部3は、アクリル樹脂で形成したが、アクリル樹脂以外の樹脂でもよく、また樹脂以外の素材たとえば紙や布でもよい。
【0040】
さらに、受部2および把手部3は、非通気性に構成したが、たとえばネット状に形成して通気性のある構造としてもよい。
【0041】
さらに、受部2の少なくとも手前側の面を保護部材たとえば布や紙、不織布などの吸湿性部材で取り外し可能に覆ってもよく、またシールなどの保護部材を張り付けておき、シールを剥して使い捨てにしてもよい。これにより、受部2の汚れを容易に防止することができる。
【0042】
このように、飛沫防止具1は、会食用の会食マスクとして好適に用いることができる。宣伝表示10は、飲食店の宣伝広告等のほかに、会食者が自由に書き換え可能なメッセージやデザインを表示してもよい。また、図示していないが、把手3には、グリップ感を向上させるために、着脱可能なグリップ部材を取り付けてもよい。
【符号の説明】
【0043】
P 飛沫
1 飛沫防止具
2 受部
3 把手部
6 中央部
7 張り出し部
8 凹状曲線部
9 凸状曲線部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7