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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022092748
(43)【公開日】2022-06-23
(54)【発明の名称】タッチパネル及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20220616BHJP
【FI】
G06F3/041 430
G06F3/041 470
G06F3/041 422
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020205632
(22)【出願日】2020-12-11
(71)【出願人】
【識別番号】518078142
【氏名又は名称】上海天馬微電子有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100183955
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 悟郎
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100180334
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 洋美
(74)【代理人】
【識別番号】100177149
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 浩義
(74)【代理人】
【識別番号】100174067
【弁理士】
【氏名又は名称】湯浅 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100136342
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 成美
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 幸浩
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 祐貴
(57)【要約】
【課題】額縁が狭く、クロストークを抑制できるタッチパネル及び表示装置を提供する。
【解決手段】タッチパネル10は、外周形状が非矩形の検出領域20と検出領域20の外周を囲む配線領域50とを備える。検出領域20の外周の第1電極22の端部22a、22bと第2電極24の端部24a、24bとが交互に位置する交互配置部分において、第1電極22の一方の端部22aと第1配線51が電気的に接続し、第2電極24の他方の端部24bがシールド電極54と対向している、又は、第2電極24の一方の端部24aと第2配線52が電気的に接続し、第1電極22の他方の端部22bがシールド電極53と対向している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性を有する基体の第1主面に配置され第1方向に延びる複数の第1電極と、前記基体の前記第1主面と反対側の第2主面に配置され、前記第1方向と交差する第2方向に延びる複数の第2電極とを有する、外周形状が非矩形の検出領域と、
前記第1主面に配置される複数の第1配線と、前記第2主面に配置される複数の第2配線と、前記第1主面と前記第2主面の少なくとも一方に配置される複数のシールド電極とを設けられ、前記検出領域の外周を囲む配線領域と、を備え、
前記複数の第1配線のそれぞれは、前記複数の第1電極のそれぞれの一方の端部と電気的に接続し、
前記複数の第2配線のそれぞれは、前記複数の第2電極のそれぞれの一方の端部と電気的に接続し、
前記複数のシールド電極のそれぞれは、前記複数の第1電極と前記複数の第2電極の少なくとも一方の、他方の端部のそれぞれに対向して配置され、
前記複数の第1配線と前記複数の第2配線は、前記検出領域の外周に沿って延び、
前記検出領域の外周の前記第1電極の端部と前記第2電極の端部とが交互に位置する交互配置部分において、前記第1電極の前記一方の端部と前記第1配線が電気的に接続し、前記第2電極の前記他方の端部が前記シールド電極と対向している、又は、前記第2電極の前記一方の端部と前記第2配線が電気的に接続し、前記第1電極の前記他方の端部が前記シールド電極と対向している、
タッチパネル。
【請求項2】
前記交互配置部分において前記第1電極の前記他方の端部が前記シールド電極と対向している場合、前記第1電極と前記シールド電極との結合容量は、前記第1電極と前記第2配線との結合容量よりも大きく、
前記交互配置部分において前記第2電極の前記他方の端部が前記シールド電極と対向している場合、前記第2電極と前記シールド電極との結合容量は、前記第2電極と前記第1配線との結合容量よりも大きい、
請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項3】
前記交互配置部分において前記第1電極の前記他方の端部が前記シールド電極と対向している場合、前記シールド電極は平面視において前記複数の第2配線の少なくとも一部と重なり、
前記交互配置部分において前記第2電極の前記他方の端部が前記シールド電極と対向している場合、前記シールド電極は平面視において前記複数の第1配線の少なくとも一部と重なる、
請求項1又は2に記載のタッチパネル。
【請求項4】
前記交互配置部分において、前記第1電極の前記一方の端部と前記第1配線が電気的に接続し、
1つの前記第1電極と分離して前記1つの第1電極の延びる方向に配置された第1分離電極を有し、前記1つの第1電極と前記第1分離電極が1つの前記第1配線に電気的に接続されている、
請求項1から3のいずれか1項に記載のタッチパネル。
【請求項5】
前記交互配置部分において、前記第2電極の前記一方の端部と前記第2配線が電気的に接続し、
1つの前記第2電極と分離して前記1つの第2電極の延びる方向に配置された第2分離電極を有し、前記1つの第2電極と前記第2分離電極が1つの前記第2配線に電気的に接続されている、
請求項1から4のいずれか1項に記載のタッチパネル。
【請求項6】
前記配線領域に設けられ、前記シールド電極に電気的に接続するシールド線を備える、
請求項1から5のいずれか1項に記載のタッチパネル。
【請求項7】
平面視した場合、前記第1電極に対向する前記シールド電極に接続する前記シールド線は、前記複数の第2配線が配置されている領域の外周に沿って延びる、
請求項6項に記載のタッチパネル。
【請求項8】
平面視した場合、前記第2電極に対向する前記シールド電極に接続する前記シールド線は、前記複数の第1配線が配置されている領域の外周に沿って延びる、
請求項6又は7に記載のタッチパネル。
【請求項9】
前記シールド線は、接地電位又は所定の電位を供給される、
請求項6から8のいずれか1項に記載のタッチパネル。
【請求項10】
前記検出領域の外周形状が円形又は楕円形であり、前記検出領域は周方向に4等分され、4等分された前記検出領域のうちの隣接していない2つの領域を1組とした場合、
一方の組の前記交互配置部分において、前記第1電極の前記一方の端部と前記第1配線が電気的に接続し、前記第2電極の前記他方の端部が前記シールド電極と対向し、
他方の組の前記交互配置部分において、前記第2電極の前記一方の端部と前記第2配線が電気的に接続し、前記第1電極の前記他方の端部が前記シールド電極と対向している、
請求項1から9のいずれか1項に記載のタッチパネル。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載のタッチパネルと、
前記タッチパネルに重ねられた表示パネルと、を備える、
表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、タッチパネル及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
文字、画像等を表示する表示パネルの上に設けられて、ユーザーの指示を受け付けるインターフェースとして、タッチパネルが知られている。例えば、特許文献1は、センサ領域と、センサ領域と電気的に接続されている第1及び第2の導線領域と、第1の導線領域と第2導線領域との間に設けられる接地線と、を備えるタッチパネルを開示している。
【0003】
特許文献1のタッチパネルでは、センサ領域の第1の電極に電気的に接続している第1の導線が第1の導線領域に配置され、センサ領域の第2の電極に電気的に接続している第2の導線が第2の導線領域に配置されている。したがって、接地線は、第1の導線と第2の導線との間に設けられており、第1の導線と第2の導線との間のクロストークを抑制している。また、特許文献1のタッチパネルでは、接地線が、第1の電極と第2の導線との間と第2の電極と第1の導線との間に配置されて、これらの間のクロストークを抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2015-510188号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のタッチパネルでは、センサ領域の外周形状が矩形であるので、第1の電極の端部と第1の導線がセンサ領域の外周の1辺において接続され、第2の電極の端部と第2の導線がセンサ領域の外周の他の一辺において接続されている。
【0006】
一方、センサ領域の外周形状が非矩形(例えば、円形)のタッチパネルでは、センサ領域の一方の電極の端部とセンサ領域の他方の電極の端部とが交互に位置している部分(以下、交互配置部分と記載)が、生じる。交互配置部分において、一方の電極の端部と他方の電極のそれぞれを対応する導線のそれぞれに接続すると、一方の電極に接続している導線と他方の電極に接続されている導線が交互に繰り返し配置される。したがって、特許文献1のタッチパネルと同様に、一方の電極に接続している導線と他方の電極に接続されている導線との間に接地線を設けると、タッチパネルの額縁が広くなってしまう。また、特許文献1のタッチパネルでは、接地線を電極と導線との間に配置するために、接地線と、導線と電極との接続部とが交差する部分に、接地線と接続部とを絶縁する絶縁層を設けなければならない。
【0007】
本開示は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、額縁が狭く、クロストークを抑制できるタッチパネル及び表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本開示の第1の観点に係るタッチパネルは、
絶縁性を有する基体の第1主面に配置され第1方向に延びる複数の第1電極と、前記基体の前記第1主面と反対側の第2主面に配置され、前記第1方向と交差する第2方向に延びる複数の第2電極とを有する、外周形状が非矩形の検出領域と、
前記第1主面に配置される複数の第1配線と、前記第2主面に配置される複数の第2配線と、前記第1主面と前記第2主面の少なくとも一方に配置される複数のシールド電極とを設けられ、前記検出領域の外周を囲む配線領域と、を備え、
前記複数の第1配線のそれぞれは、前記複数の第1電極のそれぞれの一方の端部と電気的に接続し、
前記複数の第2配線のそれぞれは、前記複数の第2電極のそれぞれの一方の端部と電気的に接続し、
前記複数のシールド電極のそれぞれは、前記複数の第1電極と前記複数の第2電極の少なくとも一方の、他方の端部のそれぞれに対向して配置され、
前記複数の第1配線と前記複数の第2配線は、前記検出領域の外周に沿って延び、
前記検出領域の外周の前記第1電極の端部と前記第2電極の端部とが交互に位置する交互配置部分において、前記第1電極の前記一方の端部と前記第1配線が電気的に接続し、前記第2電極の前記他方の端部が前記シールド電極と対向している、又は、前記第2電極の前記一方の端部と前記第2配線が電気的に接続し、前記第1電極の前記他方の端部が前記シールド電極と対向している。
【0009】
本開示の第2に観点に係る表示装置は、
上記のタッチパネルと、
前記タッチパネルに重ねられた表示パネルと、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、タッチパネルの額縁を狭くでき、クロストークを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態1に係るタッチパネルを示す平面図である。
図2】実施形態1に係る表示装置を示す模式図である。
図3】実施形態1に係るタッチパネルの第1領域を示す平面図である。
図4図3に示すタッチパネルの第1領域をA-A線で矢視した断面図である。
図5】実施形態1に係る第2電極と第2シールド電極と第1配線との位置関係の一例を示す断面図である。
図6】実施形態1に係るタッチパネルの第4領域を示す平面図である。
図7図6に示すタッチパネルの第4領域をB-B線で矢視した断面図である。
図8】実施形態1に係る第1電極と第1シールド電極と第2配線との位置関係の一例を示す断面図である。
図9】実施形態2に係るタッチパネルを示す平面図である。
図10】変形例に係るタッチパネルを示す平面図である。
図11】変形例に係る分離電極を示す平面図である。
図12】変形例に係る第2電極と第2シールド電極と第1配線との位置関係の一例を示す断面図である。
図13】変形例に係る第1電極と第1シールド電極と第2配線との位置関係の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態に係るタッチパネルについて、図面を参照して説明する。
【0013】
<実施形態1>
図1図8を参照して、本実施形態に係るタッチパネル10を説明する。まず、タッチパネル10の全体構成を説明する。タッチパネル10は、投影型静電容量方式のタッチパネルである。タッチパネル10は、図1に示すように、検出領域20と配線領域50とを備える。検出領域20と配線領域50は基体30に形成されている。
【0014】
タッチパネル10の検出領域20は、ユーザーによる接触を検出する領域である。検出領域20は、非矩形の外周形状を有している。非矩形とは、三角形、五角形以上の多角形、円形、楕円形、星形、ハート形、くさび形等を含む、矩形でない形状を意味する。本実施形態では、検出領域20の外周形状は円形である。検出領域20は、第1電極22と第2電極24とを有する。第1電極22は基体30の第1主面30aに設けられ、第2電極24は基体30の第2主面30bに設けられている。
【0015】
タッチパネル10の配線領域50は、検出領域20の外周を囲む。配線領域50には、複数の第1配線51と、複数の第2配線52と、複数の第1シールド電極53と、複数の第2シールド電極54と、第1シールド線55と、第2シールド線56が設けられる。
【0016】
タッチパネル10は、図2に示すように、文字、画像等を表示する表示パネル110に重ねられ、タッチパネル10と表示パネル110は表示装置100を構成する。表示パネル110は、液晶表示パネル、有機EL(Electro Luminescence)表示パネル等である。タッチパネル10は、ユーザーの指示を受け付けるインターフェースとして機能する。
【0017】
本実施形態では、理解を容易にするため、図1におけるタッチパネル10の検出領域20の円形の中心を原点として、タッチパネル10の右方向(紙面の右方向)を+X方向、上方向(紙面の上方向)を+Y方向、+X方向と+Y方向に垂直な方向(紙面の手前方向)を+Z方向として説明する。また、XY平面において、第1象限(X、Yともに正)に位置する領域を第1領域S1と、第2象限(Xが負、Yが正)に位置する領域を第2領域S2と、第3象限(X、Yともに負)に位置する領域を第3領域S3と、第4象限(Xが正、Yが負)に位置する領域を第4領域S4と記載する。さらに、複数の第1配線51を第1配線51の配線群と、複数の第2配線52を第2配線52の配線群と記載する場合がある。
【0018】
次に、タッチパネル10の具体的な構成について、説明する。
タッチパネル10の基体30は、絶縁性を有する。基体30は、例えばガラス基板である。基体30は、第1主面30aと、第1主面30aと反対側の第2主面30bとを有している。
【0019】
タッチパネル10の第1電極22は、基体30の第1主面30aに設けられる。第1電極22は、検出領域20において、第1方向(本実施形態ではY方向)に延びる。第1電極22は、複数の四角形の角部が一列に接続されたパターン(所謂、ダイヤモンドパターン)を有している。第1電極22のそれぞれは、第1配線51のそれぞれと電気的に接続している。
【0020】
タッチパネル10の第2電極24は、基体30の第2主面30bに設けられる。第2電極24は、検出領域20において、第1方向と交差する第2方向(本実施形態ではX方向)に延びる。第2電極24は、第1電極22と同様に、複数の四角形の角部が一列に接続されたパターンを有している。第2電極24のそれぞれは、第2配線52のそれぞれと電気的に接続している。
【0021】
第1電極22と第2電極24は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)から形成される。第1電極22と第2電極24は、タッチパネル10を平面視した場合、四角形の角部を接続している接続部で交差している。第1電極22と第2電極24は、ユーザーの指示体(例えば、指、ペン等)との間で静電容量を形成する。図示しない制御部(駆動回路と検出回路)により、第1配線51と第2配線52を介して、形成される静電容量を測定することによって、ユーザーの指示体が接触した位置を検出できる(自己容量検出方式)。なお、検出方式は、自己容量検出方式に限られず相互容量検出方式であってもよい。
【0022】
タッチパネル10の第1配線51は、配線領域50において、基体30の第1主面30aに設けられる。第1配線51のそれぞれは、第1電極22の端部22aのそれぞれと、電気的に接続している。タッチパネル10の第2配線52は、配線領域50において、基体30の第2主面30bに設けられる。第2配線52のそれぞれは、第2電極24の端部24aのそれぞれと、電気的に接続している。第1配線51と第2配線52は、検出領域20の外周に沿って延び、制御部に接続している。第1電極22と第1配線51との接続と、第2電極24と第2配線52との接続については、後述する。
【0023】
タッチパネル10の第1シールド電極53は、配線領域50において、基体30の第1主面30aに設けられる。第1シールド電極53のそれぞれは、第1電極22の端部22bのそれぞれと隣接して対向している。第1シールド電極53は、第1電極22と第2配線52との間のクロストークを抑制する。第1シールド電極53の配置については、後述する。
【0024】
タッチパネル10の第2シールド電極54は、配線領域50において、基体30の第2主面30bに設けられる。第2シールド電極54のそれぞれは、第2電極24の端部24bのそれぞれと隣接して対向している。第2シールド電極54は、第2電極24と第1配線51との間のクロストークを抑制する。第2シールド電極54の配置については、後述する。
【0025】
タッチパネル10の第1シールド線55は、配線領域50において、基体30の第1主面30aに設けられる。第1シールド線55は、第1シールド電極53と電気的に接続している。第1シールド線55は、タッチパネル10を平面視した場合、第2配線52を配置されている領域の外周に沿って延びる。具体的には、第1シールド線55の1つは、第1配線51の配線群と第2シールド線56と第2配線52の配線群の外側を、第2領域S2と第3領域S3に延びる。また、第1シールド線55の他の1つは、第2配線52の配線群の外側を第4領域S4に延び、第2配線52の配線群と第1配線51の配線群との間に位置している。これにより、第1配線51と第2配線52との間のクロストークを抑制している。第1シールド線55は接地電位又は所定の電位を供給されることが、好ましい。
【0026】
タッチパネル10の第2シールド線56は、配線領域50において、基体30の第2主面30bに設けられる。第2シールド線56は、第2シールド電極54と電気的に接続している。第2シールド線56は、タッチパネル10を平面視した場合、第1配線51を配置されている領域の外周に沿って延びる。具体的には、第2シールド線56の1つは、第2配線52の配線群と第1シールド線55と第1配線51の配線群の外側を第1領域S1と第4領域S4に延びる。また、第2シールド線56の他の1つは、第1配線51の配線群の外側を第3領域S3に延び、第1配線51の配線群と複数の第2配線52の配線群との間に位置している。これにより、第1配線51と第2配線52との間のクロストークを抑制している。第2シールド線56は接地電位又は所定の電位を供給されることが、好ましい。
【0027】
第1領域S1と第3領域S3とを例に、第1電極22と第1配線51との接続と、第2シールド電極54の配置について説明する。検出領域20の第1領域S1と第3領域S3は、周方向に4等分された検出領域20のうちの隣接していない2つの領域の一例である。
【0028】
図3に示すように、検出領域20の第1領域S1の外周では、+X側の第1電極22の端部22aと+Y側の第2電極24の端部24bとが交互に位置している。本実施形態では、第1電極22の端部22aは第1配線51と接続し、第2電極24の端部24bは第2シールド電極54と対向しているので、第1電極22の端部22aと第2電極24の端部24bとが交互に位置している部分60において、第1電極22のみが配線(第1配線51)に接続し、第2電極24は配線(第2配線52)に接続しない。したがって、第1電極22に接続する第1配線51と第2電極24に接続する第2配線52との間ごとに、シールド線を設ける必要がなく、タッチパネル10の額縁を狭くできる。以下では、第1電極22の端部22aと端部22bの一方と、第2電極24の端部24aと端部24bの一方とが交互に位置している部分を交互配置部分60と記載する。
【0029】
また、検出領域20の第1領域S1の外周では、第2電極24の端部24bは、第2シールド電極54に隣接して対向している。第2電極24と第2シールド電極54は基体30の第2主面30bに設けられ、第1配線51は基体30の第1主面30aに設けられているので、図4に示すように、第2電極24の端部24bと第2シールド電極54との距離L1を、第2電極24の端部24bと第1配線51との距離L2よりも容易に短くできる。これにより、第2電極24と第2シールド電極54との結合容量を第2電極24と第1配線51との結合容量よりも大きくして、第2電極24と第1配線51とのクロストークを抑制できる。さらに、第2シールド電極54と第1配線51の配線群の一部とが平面視で重なる場合であっても、図5に示すように、基体30の厚さD分、第2電極24の端部24bと第1配線51との距離L2が長くなるため、第1配線51を第2電極24により近づけて、タッチパネル10の額縁をより狭くできる。
【0030】
検出領域20の第3領域S3の外周では、図1に示すように、-X側の第1電極22の端部22aと-Y側の第2電極24の端部24bとが交互に位置する。この第3領域S3の交互配置部分60においても、第1領域S1と同様に、第1電極22のみが配線(第1配線51)に接続し、第2電極24は配線(第2配線52)に接続しない。また、第1領域S1と同様に、第2電極24の端部22bは第2シールド電極54に隣接して対向している。したがって、第3領域S3においても、第1領域S1と同様に、第2電極24と第1配線51とのクロストークを抑制でき、タッチパネル10の額縁を狭くできる。
【0031】
次に、第2領域S2と第4領域S4とを例に、第2電極24と第2配線52との接続と、第1シールド電極53の配置について説明する。第2領域S2と第4領域S4は、周方向に4等分された検出領域20のうちの隣接していない2つの領域の一例である。
【0032】
図6に示すように、検出領域20の第4領域S4の外周では、+X側の第1電極22の端部22bと-Y側の第2電極24の端部24aとが交互に位置している。この第4領域S4の交互配置部分60では、第2電極24の端部24aが第2配線52と接続し、第1電極22の端部22bは第1シールド電極53と対向している。すなわち、第2電極24のみが配線(第2配線52)に接続している。したがって、第1領域S1と同様に、第1電極22に接続する第1配線51と第2電極24に接続する第2配線52との間ごとに、シールド線を設ける必要がなく、タッチパネル10の額縁を狭くできる。
【0033】
検出領域20の第4領域S4の外周では、第1電極22の端部22bは、第1シールド電極53に隣接して対向している。また、第1電極22と第1シールド電極53は基体30の第1主面30aに設けられ、第2配線52は基体30の第2主面30bに設けられている。したがって、図7に示すように、第1電極22の端部22bと第1シールド電極53との距離L3を、第1電極22の端部22bと第2配線52との距離L4よりも容易に短くできる。これにより、第1電極22と第1シールド電極53との結合容量を第1電極22と第2配線52との結合容量よりも大きくして、第1電極22と第2配線52のクロストークを抑制できる。さらに、図8に示すように、距離L4が、基体30の厚さD分、距離L3よりも長くなるので、平面視した場合に第1シールド電極53と第2配線52の配線群の一部とを重ねて配置することにより、第1電極22と第2配線52のクロストークを抑制すると共に、タッチパネル10の額縁をより狭くできる。
【0034】
検出領域20の第2領域S2の外周では、図1に示すように、-X側の第1電極22の端部22bと+Y側の第2電極24の端部24aとが交互に位置する。この第2領域S2の交互配置部分60においても、第4領域S4と同様に、第2電極24のみが配線(第2配線52)に接続し、第1電極22は配線(第1配線51)に接続しない。また、第2領域S2では、第4領域S4と同様に、第1電極22の端部22bは第1シールド電極53に隣接して対向している。したがって、第2領域S2においても、第1電極22と第2配線52のクロストークを抑制でき、タッチパネル10の額縁を狭くできる。
【0035】
以上のように、第1領域S1と第3領域S3の交互配置部分60において、第1電極22の端部22aが第1配線51に接続し、第2電極24の端部24bと第2シールド電極54とが対向しているので、第2電極24と第1配線51とのクロストークを抑制でき、タッチパネル10の額縁を狭くできる。また、第2領域S2と第4領域S4の交互配置部分60において、第2電極24の端部24aが第2配線52に接続し、第1電極22の端部22bと第1シールド電極53とが対向しているので、第2電極24と第1配線51とのクロストークを抑制でき、タッチパネル10の額縁を狭くできる。
【0036】
<実施形態2>
実施形態1では、検出領域20の外周形状は円形であるが、検出領域20の外周形状は円形に限られない。
【0037】
本実施形態のタッチパネル10は、実施形態1のタッチパネル10と同様に、基体30に検出領域20と配線領域50とを備えている。本実施形態の検出領域20は、図9に示すように、台形形状に近く一部に曲線状部分を含む形状を有している。また、本実施形態のタッチパネル10は、検出領域20に複数の第1電極22と複数の第2電極24とを有している。さらに、本実施形態のタッチパネル10は、配線領域50に、複数の第1配線51と複数の第2配線52と複数の第2シールド電極54と第2シールド線56とを有している。本実施形態では、理解を容易にするため、図9におけるタッチパネル10の右方向(紙面の右方向)を+X方向、上方向(紙面の上方向)を+Y方向、+X方向と+Y方向に垂直な方向(紙面の手前方向)を+Z方向として説明する。
【0038】
ここでは、第1電極22と第1配線51の接続と、第2電極24と第2配線52の接続と、第2シールド電極54の配置について説明する。その他の構成は、実施形態1と同様である。
【0039】
本実施形態では、第2電極24の端部24aは、検出領域20の外周の-X側の辺で、第2配線52に接続されている。また、第1電極22の一部(-X側に位置する4つの第1電極22)の端部22aは、検出領域20の外周の-Y側の辺で第1配線51に接続されている。なお、-X側の辺から延びる第2配線52の配線群と-Y側の辺から延びる第1配線51の配線群との間には、シールド線57が配置されている。
【0040】
本実施形態では、検出領域20の外周の+X側に位置する曲線部分において、第1電極22の端部22aと第2電極24の端部24bとが交互に位置している。この交互配置部分60において、第1電極22の残りの一部(+X側に位置する3つの第1電極22)は、第1配線51に接続されている。また、交互配置部分60において、第2電極24の端部22bと第2シールド電極54は、隣接して対向している。
【0041】
したがって、実施形態1の第1領域S1と同様に、交互配置部分60において、第1電極22のみが配線(第1配線51)に接続し、第2電極24は配線(第2配線52)に接続しない。これにより、第1配線51と第2配線52との間ごとにシールド線を設ける必要がなく、タッチパネル10の額縁を狭くできる。
【0042】
また、実施形態1の第1領域S1と同様に、第2電極24の端部24bと第2シールド電極54との距離L1を、第2電極24の端部24bと第1配線51との距離L2よりも容易に短くでき、第2電極24と第2シールド電極54との結合容量を第2電極24と第1配線51との結合容量よりも大きくできる。これにより、第2電極24と第1配線51とのクロストークを抑制できる。さらに、平面視した場合に、第2シールド電極54と第1配線51の配線群の一部とを重ねて配置することにより、第2電極24と第1配線51のクロストークを抑制すると共に、タッチパネル10の額縁をより狭くできる。
【0043】
以上のように、交互配置部分60において、第1電極22の端部22aが第1配線51に接続し、第2電極24の端部24bと第2シールド電極54とが対向しているので、第2電極24と第1配線51とのクロストークを抑制でき、タッチパネル10の額縁を狭くできる。
【0044】
<変形例>
以上、実施形態を説明したが、本開示は、要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0045】
例えば、実施形態1において、検出領域20の外周形状は円形であるが、検出領域20の外周形状は楕円形であってもよい。
【0046】
実施形態2では、交互配置部分60において、第1電極22の端部22aが第1配線51に接続し、第2電極24の端部24bと第2シールド電極54が対向している。交互配置部分60では、図10に示すように、第2電極24の端部24aが第2配線52に接続し、第1電極22の端部22bと第1シールド電極53が対向してもよい。
【0047】
検出領域20の外周形状が非矩形である場合、図11に示すように、第2電極24の一部が検出領域20の外周により途切れて、第2電極24から分離した分離電極241、242が、その第2電極24が延びる方向に配置されることがある。この場合、分離電極241、242は、元の第2電極24と共に1つの第2配線52に接続されることが、好ましい。これにより、タッチパネル10の検出範囲を広くできる。また、第1電極22の一部が検出領域20の外周により途切れる場合も同様に、第1電極22から分離した分離電極と元の第1電極22は1つの第1配線51に接続されることが、好ましい。
【0048】
実施形態1と実施形態2では、基体30はガラス基板であるが、基体30は絶縁層であってもよい。また、第1電極22が延びる第1方向は、X方向に限られない。第2電極24が延びる第2方向は、Y方向に限られない。第1電極22と第2電極24は、交差する方向に延びていればよい。
【0049】
実施形態1の一例(図5)では、第2シールド電極54と第1配線51の配線群の一部が平面視において重ねて配置されているが、図12に示すように、第2シールド電極54と第1配線51の配線群が平面視において重ねて配置されてもよい。また、図13に示すように、第1シールド電極53と第2配線52の配線群が平面視において重ねて配置されてもよい。
【0050】
以上、好ましい実施形態について説明したが、本開示は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本開示には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲が含まれる。
【符号の説明】
【0051】
10 タッチパネル、20 検出領域、22 第1電極、22a,22b 第1電極の端部、24 第2電極、24a,24b 第2電極の端部、30 基体、30a 第1主面、30b 第2主面、50 配線領域、51 第1配線、52 第2配線、53 第1シールド電極、54 第2シールド電極、55 第1シールド線、56 第2シールド線、57 シールド線、60 交互配置部分(部分)、100 表示装置、110 表示パネル、241,242 分離電極、D 基体の厚さ、 L1,L2,L3,L4 距離、S1 第1領域、S2 第2領域、S3 第3領域、S4 第4領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13