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  • 特開-包装箱及び包装体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022092846
(43)【公開日】2022-06-23
(54)【発明の名称】包装箱及び包装体
(51)【国際特許分類】
   B65D 73/00 20060101AFI20220616BHJP
【FI】
B65D73/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020205790
(22)【出願日】2020-12-11
(71)【出願人】
【識別番号】313004403
【氏名又は名称】株式会社フジシール
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柴▲崎▼ 雅教
(72)【発明者】
【氏名】竹内 悠太
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AB01
3E067AB81
3E067BA05A
3E067BA15A
3E067BB01C
3E067BB02C
3E067BB14C
3E067BB25C
3E067BC04C
3E067BC06B
3E067CA01
3E067EA04
3E067EE15
3E067FB01
3E067FC01
(57)【要約】
【課題】把持された際の撓みを抑制可能な包装箱及び包装体を提供すること。
【解決手段】包装箱200は、物品100を保持可能な後壁210と、前記後壁210に対して傾斜した姿勢で前記後壁210の前方に配置されており、前記物品100の一部を露出させる開口部220aを有する前壁220と、前記後壁210と前記前壁220とを連結し、前記前壁220のうち前記開口部220a以外の部位及び前記後壁210とともに閉断面を構成する一対の側壁230と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を保持可能な後壁と、
前記後壁に対して傾斜した姿勢で前記後壁の前方に配置されており、前記物品の一部を露出させる開口部を有する前壁と、
前記後壁と前記前壁とを連結し、前記前壁のうち前記開口部以外の部位及び前記後壁とともに閉断面を構成する一対の側壁と、を備える、包装箱。
【請求項2】
前記側壁は、2枚以上のシートが重ね合わされることにより構成されている、請求項1に記載の包装箱。
【請求項3】
前記前壁を含む前シートと、
前記前シートと別部材で構成されており、前記後壁を含む後シートと、を備える、請求項1又は2に記載の包装箱。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の包装箱と、
前記包装箱の前記後壁に保持された前記物品と、を備え、
前記前壁のうち前記開口部の上方の部位には、吊り下げ具を挿通させる挿通孔が設けられており、
前記挿通孔は、前記前壁のうち、前記物品の重心から前記物品の厚みの4分の1だけ前記後壁側に位置する点を通るとともに前記後壁と平行な平面と、前記物品の重心から前記物品の厚みの4分の1だけ前記前壁側に位置する点を通るとともに前記後壁と平行な平面と、の間の範囲で示される領域に形成されている、包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、包装箱及び包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品の一部を露出させた状態で包装する包装体が知られている。例えば、特開2017-39510号公報には、第一パネル部と、第二パネル部と、載置部と、シュリンクフィルムと、を備えるシュリンクフィルム付台紙が開示されている。第二パネル部は、第一パネル部の前方に配置されており、被包装物の一部を露出させる開口部を有している。載置部は、第一パネル部の下端部と第二パネル部の下端部とを接続しており、被包装物を支持している。シュリンクフィルムは、載置部に貼り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-39510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特開2017-39510号公報に記載されるようなシュリンクフィルム付台紙では、第一パネル部と第二パネル部とが把持された際に、各パネル部が互いに近づくように撓む場合がある。
【0005】
本発明の目的は、把持された際の撓みを抑制可能な包装箱及び包装体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の一局面に従った包装箱は、物品を保持可能な後壁と、前記後壁に対して傾斜した姿勢で前記後壁の前方に配置されており、前記物品の一部を露出させる開口部を有する前壁と、前記後壁と前記前壁とを連結し、前記前壁のうち前記開口部以外の部位及び前記後壁とともに閉断面を構成する一対の側壁と、を備える。
【0007】
この包装箱は、前壁のうち開口部以外の部位及び後壁とともに閉断面を構成する一対の側壁を有するため、前壁と後壁とが把持された際に前壁及び後壁が互いに近づくように撓むことが抑制される。
【0008】
また、前記側壁は、2枚のシートが重ね合わされることにより構成されていることが好ましい。
【0009】
この態様では、側壁の剛性が高まるため、前壁及び後壁が把持された際における包装箱の変形がより抑制される。
【0010】
また、前記前壁を含む前シートと、前記前シートと別部材で構成されており、前記後壁を含む後シートと、を備えることが好ましい。
【0011】
また、この発明の一局面に従った包装体は、前記包装箱と、前記包装箱の前記後壁に保持された前記物品と、を備え、前記前壁のうち前記開口部の上方の部位には、吊り下げ具を挿通させる挿通孔が設けられており、前記挿通孔は、前記前壁のうち、前記物品の重心から前記物品の厚みの4分の1だけ前記後壁側に位置する点を通るとともに前記後壁と平行な平面と、前記物品の重心から前記物品の厚みの4分の1だけ前記前壁側に位置する点を通るとともに前記後壁と平行な平面と、の間の範囲で示される領域に形成されている。
【0012】
このようにすれば、挿通孔に吊り下げ具が挿入されることによって包装体が吊り下げ展示された状態において、前壁が下を向く姿勢となることが抑制される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、把持された際の撓みを抑制可能な包装箱及び包装体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1実施形態の包装体の斜視図である。
図2】包装体の正面図である。
図3】包装体の側面図である。
図4図3におけるIV-IV線での断面図である。
図5図2におけるV-V線での断面図である。
図6】後壁を含む後シートの展開図である。
図7】前壁を含む前シートの展開図である。
図8】本発明の第2実施形態の包装箱の展開図である。
図9】本発明の第3実施形態の包装箱の後シートの展開図である。
図10】本発明の第3実施形態の包装箱の前シートの展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
【0016】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態の包装体の斜視図である。図2は、包装体の正面図である。図3は、包装体の側面図である。図1図3に示されるように、包装体1は、物品100と、包装箱200と、を備えている。
【0017】
物品100は、容器で構成されている。物品100として、化粧品や食品等が挙げられる。
【0018】
包装箱200は、物品100を包装する。包装箱200は、物品100の一部が露出するように物品100を包装している。包装箱200は、厚紙、段ボール、樹脂又はこれらの積層体等からなる。包装箱200は、後壁210と、前壁220と、一対の側壁230と、を有している。
【0019】
後壁210は、平坦に形成されている。本実施形態では、後壁210は、上下方向に長い矩形状に形成されている。後壁210は、物品を保持可能である。後壁210の前面には、物品100を挿入して収縮させることで保持可能な筒状のシュリンクフィルム(図示略)が接続されている。つまり、後壁210及びシュリンクフィルムは、いわゆるシュリンクフィルム付台紙を構成している。本実施形態のシュリンクフィルムは、上下端が開口した筒状であり、接着剤等によって後壁210に接続されている。ただし、シュリンクフィルムは、上端及び下端のいずれか一方のみが開口した形状や、物品100をその全域にわたって(開口なく)被覆する形状や、上下方向と直交する方向に開口する形状等であってもよい。
【0020】
前壁220は、後壁210に対して傾斜した姿勢で後壁210の前方に配置されている。具体的に、前壁220は、上方に向かうにしたがって次第に後壁210に近づくように傾斜している。前壁220の外形は、上下方向に長い矩形状に形成されている。前壁220の前面には、適宜表示が施される。図3に示されるように、後壁210の下端部及び前壁220の下端部間の距離Lは、物品100の下端部の厚みT1よりも大きく設定されている。前記距離Lは、上下方向における後壁210の寸法よりも小さい。図5に示されるように、前壁220の上端部は、後壁210を含む平面よりも前方に位置している。このため、包装体1の梱包時や陳列時等における包装体1の厚みの増大が抑制される。
【0021】
前壁220は、物品100の一部を露出させる開口部220aを有している。前壁220における開口部220aの位置は、特に限定されない。開口部220aは、上下方向及び前壁220の厚み方向の双方に直交する幅方向(図2における左右方向)における前壁220の端部に形成されている。ただし、開口部220aは、幅方向における前壁220の中央部に形成されてもよい。図2に示されるように、包装体1の正面視において、開口部220aは、物品100の外形よりも大きく形成されていることが好ましい。この実施形態では、開口部220aは、上下方向に長い矩形状に形成されている。
【0022】
前壁220は、包装体1の吊り下げ展示時に用いられる吊り下げ具を挿通させるための挿通孔220hを有している。挿通孔220hは、開口部220aの上方に形成されている。挿通孔220hは、後壁210の上端部よりも上方に形成されている。換言すれば、後壁210の上端部は、挿通孔220hよりも下方の位置に形成されている。
【0023】
図5に示されるように、挿通孔220hは、前壁220における領域Aに形成されている。領域Aは、物品100の重心Gから物品100の厚みTの4分の1だけ後壁210側に位置する点を通るとともに後壁210と平行な平面P1と、物品100の重心Gから物品100の厚みTの4分の1だけ前壁220側に位置する点を通るとともに後壁210と平行な平面P2と、の間の範囲を意味する。領域Aは、前壁220のうち開口部220aより上側の部位に形成されている。ここで、物品100の厚みTは、物品100のうち当該物品100の重心Gが存在する位置における厚みを意味する。
【0024】
一対の側壁230は、後壁210と前壁220とを連結している。図4に示されるように、一対の側壁230は、後壁210及び前壁220のうち開口部220a以外の部位とともに閉断面を構成している。なお、ここでの「閉断面」は、後壁210に直交する平面での断面を意味する。一対の側壁230は、後壁210及び前壁220と直交しており、互いに対向している。図3に示されるように、各側壁230のうち開口部220aとつながっている部位以外の部位は、上方に向かうにしたがって次第に奥行き方向(図3における左右方向)の寸法が小さくなる形状を有している。
【0025】
図6及び図7に示されるように、包装箱200は、後シート201と、前シート202と、を有している。
【0026】
後シート201は、後壁210を含んでいる。図6では、シュリンクフィルムが後壁210に接着剤による貼着等によって設けられる位置Rが二点鎖線で示されている。
【0027】
本実施形態では、後シート201は、一対の後側側壁構成部231をさらに有している。一対の後側側壁構成部231は、幅方向(図6における左右方向)における後壁210の両端部につながっている。各後側側壁構成部231の下端部は、後壁210の下端部につながっており、各後側側壁構成部231の上端部は、後壁210の上端部につながっていることが好ましい。各後側側壁構成部231は、後壁210に対して折り曲げられることが可能である。後壁210と各後側側壁構成部231との境界部には、差し込み孔201hが設けられている。
【0028】
前シート202は、後シート201と別部材で構成されている。前シート202は、前壁220を含んでいる。本実施形態では、前シート202は、一対の前側側壁構成部232と、一対の差し込み片202aと、をさらに有している。
【0029】
一対の前側側壁構成部232は、幅方向(図7における左右方向)における前壁220の両端部につながっている。各前側側壁構成部232の下端部は、前壁220の下端部につながっており、各前側側壁構成部232の上端部は、前壁220の上端部につながっていることが好ましい。各前側側壁構成部232は、前壁220に対して折り曲げられることが可能である。各前側側壁構成部232は、各後側側壁構成部231と接続されることにより、側壁230を構成する。つまり、各側壁230は、2枚のシート(後側側壁構成部231及び前側側壁構成部232)が重ね合わされることにより構成されている。なお、後側側壁構成部231及び前側側壁構成部232の少なくとも一方が2重となるように折り返された構造とされたり、あるいは、後側側壁構成部231又は前側側壁構成部232に対して後側側壁構成部231や前側側壁構成部232とは別のシートが接続されたりすること等により、各側壁230は、3枚以上のシートが重ね合わされた構成とされてもよい。
【0030】
各差し込み片202aは、幅方向における各前側側壁構成部232の端部につながっている。差し込み片202aは、前側側壁構成部232に対して折り曲げられることが可能である。差し込み片202aは、差し込み孔201hに差し込まれる。幅方向における各差し込み片202aの外側の縁部202bは、互いに平行に形成されている。
【0031】
続いて、包装体1の製造方法について説明する。この製造方法は、保持工程と、組付け工程と、を備えている。
【0032】
保持工程では、後シート201の後壁210にホットメルト等の接着剤等により接続された筒状のシュリンクフィルム内に物品100を挿入した後、シュリンクフィルムを加熱し収縮させることによって後シート201に物品100を保持させる。
【0033】
組付け工程では、後シート201及び前シート202のうち折り曲げられる部位を折り曲げ、差し込み片202aを差し込み孔201hに差し込むことによって後シート201に前シート202を組付ける。なお、各シートの折り曲げられる位置には、予め押し罫線等折り曲げ罫線が施されていると良い。
【0034】
そうすると、開口部220aから物品100の一部が露出した状態で物品100が後シート201に接続されたシュリンクフィルムにより保持された包装箱200に包装された包装体1が得られる。なお、本実施形態では、筒状のシュリンクフィルムを後シート201に接続させた状態で物品100を挿入したが、予めシュリンクフィルムで被覆した物品100を接着剤等で後シート201に接続し保持させても良い。
【0035】
以上に説明したように、本実施形態の包装箱200は、前壁220のうち開口部220a以外の部位及び後壁210とともに閉断面を構成する一対の側壁230を有するため、前壁220と後壁210とを把持した際に前壁220及び後壁210が互いに近づくように撓むことが抑制される。
【0036】
このため、開口部220aの配置の自由度が高まる。例えば、図1及び図2に示されるように、開口部220aは、幅方向における前壁220の端部に形成されることが可能となり、これにより、前壁220に大きな表示領域が確保される。
【0037】
また、各側壁230は、2枚のシートが重ね合わされることにより構成されているため、各側壁230の剛性が高まる。このため、前壁220及び後壁210が把持された際における包装箱200の変形がより抑制される。
【0038】
さらに、挿通孔220hは、前壁220の領域Aに形成されているため、挿通孔220hに吊り下げ具が挿入されることによって包装体1が吊り下げ展示された状態において、前壁220が下を向く姿勢となることが抑制される。また、一対の側壁230により後壁210と前壁220とが連結されているため、吊下げ状態で物品100を保持している後壁210が物品100の重量で前壁220に対して垂れ下がるなどして前壁220の開口部220aに対して物品100の位置が下方にずれたりすることが抑制される。
【0039】
なお、本実施形態において、後壁210の上部が後壁210の他の部位に対して前方に折り曲げられることにより、前壁220に接する天壁を構成してもよい。この態様では、天壁により物品100の上部が覆われるため、防塵性が高まる。また、天壁により前壁220が支持されるため、包装箱200の変形がさらに抑制される。
【0040】
(第2実施形態)
次に、図8を参照しながら、本発明の第2実施形態の包装箱200について説明する。図8は、本発明の第2実施形態の包装箱の展開図である。なお、第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明を行い、第1実施形態と同じ構造、作用及び効果の説明は繰り返さない。
【0041】
本実施形態では、包装箱200は、連結シート203をさらに有している。連結シート203は、後シート201と前シート202とを連結している。この実施形態では、連結シート203は、後シート201における後壁210の下端部と前シート202における前壁220の下端部とを連結している。ただし、連結シート203は、後シート201における後壁210の上端部と前シート202における前壁220の上端部とを連結していてもよい。後シート201及び前シート202は、連結シート203に対して折り曲げられることが可能である。
【0042】
(第3実施形態)
続いて、図9及び図10を参照しながら、本発明の第3実施形態の包装箱200について説明する。図9は、本発明の第3実施形態の包装箱の後シートの展開図である。図10は、本発明の第3実施形態の包装箱の前シートの展開図である。なお、第3実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明を行い、第1実施形態と同じ構造、作用及び効果の説明は繰り返さない。
【0043】
本実施形態では、前シート202は、図10に示されるように、前壁220のみで構成されており、後シート201は、図9に示されるように、一対の接続部201aをさらに有している。各接続部201aは、幅方向における後側側壁構成部231の外端部につながっている。後壁210と各後側側壁構成部231との境界部は、谷折りされ、後側側壁構成部231と接続部201aとの境界部は、山折りされる。各接続部201aは、幅方向における前壁220の両端部の裏面に接着される。この実施形態では、各側壁230は、1枚のシートで構成される。
【0044】
図示は省略するが、第3実施形態において、後シート201は、後壁210のみで構成され、前シート202は、前壁220と、前側側壁構成部232と、幅方向における前側側壁構成部232の外端部につながった一対の接続部と、を有していてもよい。
【0045】
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0046】
1 包装体、100 物品、200 包装箱、201 後シート、201a 接続部、202 前シート、203 連結シート、210 後壁、220 前壁、220a 開口部、220h 挿通孔、230 側壁、231 後側側壁構成部、232 前側側壁構成部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10