(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022092944
(43)【公開日】2022-06-23
(54)【発明の名称】遊技場用システム
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220616BHJP
【FI】
A63F7/02 352F
A63F7/02 328
A63F7/02 352L
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020205962
(22)【出願日】2020-12-11
(71)【出願人】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】山田 將貴
(72)【発明者】
【氏名】赤松 拓幸
(72)【発明者】
【氏名】土岐 知久
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BB07
2C088BB19
2C088BB20
2C088BB21
2C088BC77
2C088BC80
2C088CA02
2C088CA28
2C088CA35
(57)【要約】
【課題】従業員の負担を軽減しつつも休憩の不正使用を防止可能とする。
【解決手段】遊技場用システムは、遊技者の休憩中に新たなカードの受付や入金の許容を抑制する休憩中抑制処理を、従業員操作を伴う従業員排出処理に応じて開始し、従業員排出処理に応じて排出された会員カード51や一般カード52を、従業員操作を伴うことなく受け付けることで終了する。休憩開始時は従業員操作により会員カード51や一般カード52を排出し、休憩終了時は当該会員カード51や一般カード52を遊技者が受け付けさせることで遊技可能となる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技価値の付与を受けるための入金残高を示す入金残高情報、及び遊技により獲得した遊技価値の大きさを示す遊技価値情報を関連付け可能な記録媒体が挿入されることで当該記録媒体を受け付ける受付処理と、前記記録媒体を排出する排出処理と、遊技者の休憩中に遊技に関する処理を抑制する休憩中抑制処理とを実行可能な遊技機装置が設けられる遊技場用システムにおいて、
遊技場の従業員による従業員操作を伴う前記排出処理である従業員排出処理に応じて前記休憩中抑制処理を開始させる抑制開始手段と、
前記従業員排出処理に応じて排出された記録媒体を、前記従業員操作を伴うことなく受け付けることで、前記休憩中抑制処理を終了させる抑制終了手段と、を備える遊技場用システムにおいて、
【請求項2】
前記従業員排出処理を条件として前記休憩中抑制処理を開始させる第1開始設定と、前記従業員排出処理を条件とすることなく遊技者による操作に応じた前記排出処理により前記休憩中抑制処理を開始させる第2開始設定とを設定可能な設定手段を備える請求項1に記載した遊技場用システム。
【請求項3】
前記抑制開始手段は、前記排出処理が行われた場合に排出される前記記録媒体に関連付け可能な入金残高情報により示される入金残高、及び遊技価値情報により示される遊技価値の大きさのうち少なくとも一方が基準値に達していることを条件として、前記従業員排出処理に応じた前記休憩中抑制処理を開始させる請求項1又は2に記載した遊技場用システム。
【請求項4】
前記入金残高情報に基づいて貨幣を払い出す精算処理を実行可能な精算機と、
前記遊技価値情報に基づいて景品を交換するための交換処理を交換操作に応じて実行可能な景品交換装置と、を備え、
前記精算処理及び交換処理のうち少なくとも一方は、休憩中抑制処理中である旨が対応付けられた記録媒体を対象とした処理を抑制する請求項1から3の何れか一項に記載した遊技場用システム。
【請求項5】
前記休憩中抑制処理として、遊技場側で予め設定される休憩期間の異なる第1休憩中抑制処理と第2休憩中抑制処理とが設けられ、
前記第1休憩中抑制処理は、遊技者の休憩開始時に前記従業員排出処理を条件とする一方、前記第2休憩中抑制処理は、遊技者の休憩開始時に前記従業員排出処理を条件としない請求項1から4の何れか一項に記載した遊技場用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技場では、例えば特許文献1のように遊技者が所用で休憩を取りたい場合に、会員カードを受け付けていれば従業員を介在させずに休憩操作を受け付けて会員カードを発行し、その後、同一の会員カードを受け付けるまで遊技に関する処理を抑制するようなシステムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この場合、会員以外の一般客については従業員を介在させて例えば所謂休憩札を遊技機に掲げることで休憩状態とし、当該遊技者が戻ってきた場合に休憩札を戻して遊技を再開するといった運用が取られていたが、利便性を高めるため、或いは従業員の操作の省略化のため、一般客についても会員と同様に従業員を介さずに休憩操作を受付け、会員カードの代わりに一般カードを利用することで、従業員を介さずに休憩を許容したいとのニーズも高まっている。しかしながら、一般カードは会員カードと異なり、入金残高や持玉がなくなることで回収されるので、一人の遊技者が複数の一般カードを使用することも多く、回数制限することが難しく、更には休憩が目的では遊技機の確保を目的として休憩状態とする虞があり、そのような不正使用に対応すべく従来と同様に休憩の開始と終了とで従業員を介在させることも想定できるが、それでは従業員の負担が大きくなってしまう。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、その目的は、従業員の負担を軽減しつつも休憩の不正使用を防止可能な遊技場用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した遊技場用システムによれば、遊技者の休憩中に遊技に関する処理を抑制する休憩中抑制処理を、従業員操作を伴う従業員排出処理に応じて開始し、従業員排出処理に応じて排出された記録媒体を、従業員操作を伴うことなく受け付けることで終了するので、休憩憩開始時は従業員操作により記録媒体を排出し、休憩終了時は当該記録媒体を遊技者が受け付けさせることで遊技可能となり、休憩終了時の確認を省略可能とすることで従業員の負担を軽減しつつも、一人の遊技者が何回も休憩を利用する、或いは休憩しないにも拘らず遊技機の確保のために休憩処理を利用するといった不正使用を防止可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態における遊技場用システムの全体構成を概略的に示す図
【
図7】会員カードの運用処理における精算機の画面を示す図(その1)
【
図8】会員カードの運用処理における精算機の画面を示す図(その2)
【
図9】会員カードの運用処理における精算機の画面を示す図(その3)
【
図10】会員カードの運用処理における精算機の画面を示す図(その4)
【
図11】会員カードの運用処理におけるPOS端末の画面を示す図(その1)
【
図12】会員カードの運用処理におけるPOS端末の画面を示す図(その2)
【
図13】会員カードの運用処理におけるPOS端末の画面を示す図(その3)
【
図14】会員カードの運用処理における画面遷移を示す図
【
図15】一般カードの運用処理における精算機の画面を示す図(その1)
【
図16】一般カードの運用処理における精算機の画面を示す図(その2)
【
図17】一般カードの運用処理における精算機の画面を示す図(その3)
【
図18】一般カードの運用処理におけるPOS端末の画面を示す図(その1)
【
図19】一般カードの運用処理におけるPOS端末の画面を示す図(その1)
【
図20】一般カードの運用処理におけるPOS端末の画面を示す図(その2)
【
図21】一般カードの運用処理におけるPOS端末の画面を示す図(その3)
【
図22】一般カードの運用処理におけるPOS端末の画面を示す図(その4)
【
図23】一般カードの運用処理におけるPOS端末の画面を示す図(その5)
【
図24】一般カードの運用処理におけるPOS端末の画面を示す図(その6)
【
図25】一般カードの運用処理におけるPOS端末の画面を示す図(その7)
【
図26】一般カードの運用処理におけるPOS端末の画面を示す図(その8)
【
図27】一般カードの運用処理におけるPOS端末の画面を示す図(その9)
【
図28】一般カードの運用処理におけるPOS端末の画面を示す図(その10)
【
図29】一般カードの運用処理における画面遷移を示す図(その1)
【
図30】一般カードの運用処理における画面遷移を示す図(その2)
【
図31】セルフ休憩における遊技機装置の画面を示す図(その1)
【
図32】セルフ休憩における遊技機装置の画面を示す図(その2)
【
図33】セミセルフ休憩における遊技機装置の画面を示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技場用システムの全体構成を概略的に示している。遊技場内には多数の遊技機1が設置されており、各遊技機1に対応して遊技機装置2(抑制開始手段、抑制終了手段、設定手段に相当する)及び情報表示装置3が設置されている。遊技機1、遊技機装置2及び情報表示装置3は、2台ずつ中継装置4と接続されている。中継装置4は、LAN5を介して管理装置6(管理手段、照合手段に相当する)と接続されている。管理装置6は、遊技機側(遊技機1、遊技機装置2等)から送信される遊技信号を受信して遊技機毎の遊技データを管理すると共に、会員登録されている会員毎の個人データも管理する。
【0009】
遊技場内には、POS端末、島端計数機、精算機(何れも図示せず)等も設置されており、これらPOS端末、島端計数機、精算機等もLAN5を介して管理装置6と接続されている。尚、
図1では図示を省略したが、実際には例えば数百台の遊技機1が管理装置6の管理対象となっている。管理装置6は、遊技場内の例えば事務室等に設置されており、遊技場の管理者が操作するキーボード7、モニタ8及びプリンタ(図示せず)等が接続されている。管理装置6は、遊技場内に設置されている遊技機1、遊技機装置2等の稼動状況を管理する。
【0010】
遊技者が遊技場で使用するカード(記録媒体に相当する)としては、会員カード51(会員記録媒体に相当する)と、一般カード52(一般記録媒体に相当する)とがある(
図3参照)。会員カード51は、予め設定されている有効期限(例えば3年間)まで有効なカードであり、予め会員登録した遊技者に対して発行される。会員カード51に対応する貯玉(遊技価値に相当する)は、管理装置6の会員口座に貸単価毎に記憶される。会員カード51に内蔵されたICチップ51aには、当該カードを特定可能な会員IDが記録されると共に、遊技機装置2に入金された入金残高を特定可能な入金残高情報が記録される(関連付けられる)。会員カード51に対応する貯玉は、管理装置6の会員口座に貸単価毎に記憶されている貯玉を特定可能な貯玉情報(遊技価値情報に相当する)が当該会員口座から読み出されることで会員カード51に対応付けられる(関連付けられる)。
【0011】
一般カード52は、当日限り有効なカードであり、不特定多数の遊技者に対して発行される。一般カード52に内蔵されたICチップ52aには、当該カードを特定可能な一般IDが記録される(関連付けられる)と共に、遊技機装置2に入金された入金残高を特定可能な入金残高情報、当日中に遊技者が遊技により獲得した持玉(遊技価値に相当する)を特定可能な持玉情報(遊技価値情報に相当する)が貸単価毎に記録される(関連付けられる)。
【0012】
遊技機1は、盤面9に玉を発射する発射装置を構成する操作ハンドル10、上部受皿11、下部受皿12を有すると共に、盤面9に、液晶表示部13、普図入賞口14、第1始動口15、第2始動口16、大入賞口17等を有する。
【0013】
遊技機1は、以下に示す動作を行う。
(1)第1始動口15は入賞率が変動しない入賞口(所謂ヘソ入賞口)であり、第2始動口16は入賞率が変動する入賞口(所謂電チュー)である。
(2)第1始動口15又は第2始動口16への入賞(始動入賞)に応じて大当り抽選を行い、抽選結果を液晶表示部13において行う図柄変動にて報知し、その変動結果に応じて大当りとなる。
【0014】
(3)図柄変動中に始動入賞した場合には所定の保留上限値(例えば各4つ)まで図柄変動を累積的に保留し、図柄変動終了後に保留している図柄変動を開始する。尚、保留している図柄変動数(保留数)が上限値である状態で始動入賞した場合、図柄変動は保留されない。
【0015】
(4)大当り抽選の当選確率(大当り確率)は1/200で、大当りがその後確変状態(確変)となる大当り(確変大当り)となる割合である確変率はヘソ入賞では50%であるのに対して電チューでは70%である。大当りが発生すると振分けられたラウンド(R)分だけ大入賞口17を開放する。ここで、Rはヘソ入賞では全てが4Rに振分けられる一方、電チューでは10Rに50%、4Rに50%振分けられる。尚、1Rの上限入賞数は10個、上限開放時間は30秒であり、上限入賞数又は上限開放時間の何れかが満たされた場合に1Rを終了する。
【0016】
(5)確変中は大当り確率が1/50に向上すると共に、第1始動口15及び第2始動口16への入賞率が高くなる時短状態(時短)になる複合時短となり、大当り発生まで継続する。一方で、確変とならない通常大当りが発生した場合、100回の図柄変動が行われるまで継続する確変ではない時短(単独時短)となり、大当りが発生しなければ通常状態に戻る。
【0017】
(6)第2始動口16は普図入賞口14への入賞に応じて変動する普通図柄(普図)が当りとなった場合に入賞率の高い開放状態となる。この場合、普
図1回の変動時間は通常状態では30秒であり時短状態では3秒となる。又、開放時間は通常状態では0.3秒であり時短状態では5秒となる。即ち、時短状態では通常状態と比較して普図変動時間が短くなる一方、開放時間は長くなることで第2始動口16の入賞率が高くなる。
【0018】
このような遊技機以外に、所謂ST機のような所謂回数切りの確変を採用した遊技機、所謂天井時短を発生可能な遊技機、或いは大当り確率が複数設けられ、設定により変更可能な遊技機といった例示した遊技機以外の遊技機を管理対象としても良い。
【0019】
遊技機1及び当該遊技機1に付設された周辺機器は、遊技者による玉の打込みや第1始動口15や第2始動口16への始動入賞等の遊技の進行に伴って、以下に示す遊技信号を出力する。
アウト信号=消費玉を回収するアウトBOXから出力される消費価値(アウト)を特定可能な信号(稼動信号)である。消費(使用、打込、回収)10玉に対して1パルスが出力されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定する。尚、遊技機1から出力される信号でも良い。
【0020】
セーフ信号=遊技機1から出力される入賞付与価値(セーフ)を特定可能な信号である。入賞に応じた払出10玉に対して1パルスが出力されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定する。尚、補給装置から出力される補給信号をセーフ信号としても良い。又、玉を実際に払い出した際に出力される実セーフ信号と、入賞に応じて払出が予約された場合に出力される入賞セーフ信号とがあるが、入賞から出力までのタイムラグを極力省くため後者を採用することが望ましい。
【0021】
スタート信号=遊技機1から出力される始動入賞(S入賞)により変動(作動)する液晶表示部13(役物)におけるスタート処理(図柄変動、役物作動、単位遊技)及びスタート(スタート処理数)を特定可能な信号である。図柄変動確定時に出力されるので、信号入力に応じてスタート処理を特定する。尚、始動入賞時に出力されるS入賞信号にて代用しても良い。
【0022】
大当り信号=遊技機1から出力される大当り期間を特定可能な信号である。大当り中にレベル出力される状態信号なので、大当り信号入力中を大当り中として特定する。
特別状態信号=遊技機1から出力される特別状態(甘中)を特定可能な信号である。第2始動口16の入賞率が向上する特別状態中(時短中(複合時短含む))にレベル出力される状態信号なので、特別状態信号入力中を特別状態中として特定する。尚、大当り確率が向上する確変中にレベル出力される状態信号(確変信号)であっても良い。又、大当り信号と特別状態信号の何れも入力していない期間を通常状態として特定する。
【0023】
遊技機装置2は、遊技機1の遊技状態や遊技装置2の状態を示す状態表示灯18、紙幣が投入される紙幣投入口19、遊技者の顔を含む上半身を撮影するカメラを内蔵しているカメラ部20(
図1では保護カバーのみを図示)、遊技者からの操作入力を受け付けると共に遊技の進行に伴って図柄変動回数(スタート)や大当り確率等の遊技データを表示するタッチパネル式の液晶表示部21、玉を払い出すために操作される払出ボタン22、払い出された玉が通過する払出ノズル23、会員カード51や一般カード52が挿入されるカード挿入口24、遊技機1の下部受皿12の下方に位置する着脱可能な計数受皿25等を有する。
【0024】
遊技機装置2は、以下に示す動作を行う。
(1)貨幣を受け付ける(貨幣受付処理)と、遊技機1と遊技機装置2の双方に入金額が表示されると共に貸出1単位(例えば500円)分の貸出玉(対価付与価値)が遊技機1から払い出され(対価付与処理、付与処理)、その対価付与処理に応じて入金額の表示が貸出玉の対価を除いた入金残高の表示となる。貨幣は複数回分の対価付与処理の対応分を受付可能である(例えば10000円まで)。
【0025】
(2)残高がある状態で遊技機1の貸出ボタンを押下(貸出操作、付与操作)すると、貸出1単位分の貸出玉が遊技機1から払い出され、その対価分を入金残高から引き落とす。又、所謂各台計数機能も備えており、遊技者が獲得した獲得玉を計数し、その計数した獲得玉を対価として再度玉を払い戻すことも可能で、その払い戻し分の対価を除いた玉数を持玉として特定可能である。
【0026】
(3)入金残高や持玉が残存する状態で遊技機1の返却ボタンを押下(発行操作を受付)すると、入金残高や持玉を特定可能な一般カード52が発行される。尚、入金残高や持玉の一部を発行対象とする分割発行は説明の簡略化のため不可としたが、可能としても良い。
【0027】
(4)中継装置4とのシリアル通信(売上信号の受信)により貨幣受付処理や対価付与処理、入金残高や貸出玉数、入金額や貸出玉数や貸出玉の対価となる売上額、計数玉、持玉、払戻玉、及び一般カード52の受付や発行処理を特定可能であるが、これらはパルス信号(例えば入金1000円毎に1パルス、売上100円毎に1パルス等)でも特定可能である。
【0028】
次に、セルフ交換方式について説明する。セルフ交換方式は、従業員の負担を軽減する目的で導入されているものであり、従業員を介することなく遊技者自らが入金残高の精算や景品交換の操作を行うことが可能な方式である。
【0029】
遊技場内の一角には、
図2に示すような景品交換カウンタ26が設置されている。景品交換カウンタ26は、会員カード51や一般カード52を受け付け、入金残高情報に基づいて貨幣を払い出す精算処理、貯玉情報や持玉情報に基づいて景品を交換する交換処理、交換処理で交換対象となった景品を遊技者に対して払い出す景品払出処理を実行するためのものであり、精算機27(記録媒体受付手段、暗証情報受付手段、発行抑制手段、第1許容手段、第2許容手段、第3許容手段、第4許容手段、報知手段に相当する)、POS端末28(景品交換装置に相当する)、景品払出装置29、端玉景品コーナー30を併設して構成されている。本実施形態の場合、POS端末28及び景品払出装置29は一つの筐体31に収納されて一体的に構成されていると共に、筐体31上に端玉景品コーナー30が配置されて構成されている。尚、POS端末28、精算機27、景品払出装置29は、LAN5を介して管理装置6と接続されている。又、精算機27とPOS端末28とは直接接続され、POS端末28と景品払出装置29とは直接接続されている。
【0030】
精算機27は、タッチパネル式の液晶表示部32、カード挿入口33、紙幣返却口34、硬貨返却口35等を有する。
図3に示すように、精算機27は、電気的な構成として、CPU36a、ROM36b、RAM36c、I/O36dを有するマイクロコンピュータにより構成される制御部36、制御部36と接続されている液晶表示部32、液晶表示部32上に配置されたタッチパネル37、紙幣返却口34に紙幣を払い出す紙幣払出部38、硬貨返却口35に硬貨を払い出す硬貨払出部39、精算機27の状態や異常を報知するための報知ランプ部40、カード挿入口33に挿入された会員カード51や一般カード52から各種情報を読み取るためのカードR/W41、カードR/W41に位置する一般カード52を回収するストック部42、管理装置6及びPOS端末28との間で各種信号や各種情報を送受信するI/F部43等を含んで構成されている。紙幣返却口34には紙幣、カード挿入口33には各種カードの抜き取りを検知するセンサが各々設けられている。この場合、会員カード51や一般カード52は、カード挿入口33に挿入されることで精算機27に取り込まれた状態で各種情報が読み取られる。精算機27に取り込まれた状態とは、会員カード51や一般カード52が遊技者の手元から離れた状態を意味する。
【0031】
精算機27は、会員カード51がカード挿入口33に挿入されたことで会員カード51を受け付けると、暗証番号の入力を遊技者に要求し、入力された暗証番号の照合結果が正であったことを条件として、その挿入された会員カード51に記録されている入金残高情報を読み取り、その読み取った入金残高情報により特定される入金残高を液晶表示部32にて表示すると共に、その挿入された会員カード51に対応する貯玉情報を管理装置6の会員口座から取得して記憶する。
【0032】
その後、精算機27は、その受け付けた会員カード51をカード挿入口33から排出し、会員カード51がカード挿入口33から抜き取られたことを条件として、入金残高に対応する貨幣を紙幣返却口34や硬貨返却口35から払い出す精算処理を実行する。精算機27は、その挿入された会員カード51に対応付けて記憶した貯玉情報により特定される貯玉数が所定数以上であれば、その払い出した紙幣が紙幣返却口34から抜き取られたことを条件として、貯玉情報をPOS端末28に送信する送信処理を実行する。尚、精算機27は、会員カード51に対応付けて記録されている入金残高を取り扱うときは、管理装置6により会員カード51に対応して予め記憶している入金残高と照合した上で処理する。
【0033】
精算機27は、一般カード52がカード挿入口33に挿入されたことで一般カード52を受け付けると、その挿入された一般カード52に対応付けて記録されている入金残高情報及び持玉情報を読み取り、その読み取った入金残高情報により特定される入金残高を液晶表示部32にて表示する。精算機27は、入金残高に対応する貨幣を紙幣返却口34や硬貨返却口35から払い出す精算処理を実行する。
【0034】
その後、精算機27は、その読み取った持玉情報により特定される持玉数が所定数以上であれば、その払い出した紙幣が紙幣返却口34から抜き取られたことを条件として、貯玉情報をPOS端末28に送信する送信処理を実行する。尚、精算機27は、一般カード52に対応付けて記録されている入金残高や持玉を取り扱うときは、管理装置6により一般カード52に対応して予め記憶している入金残高や持玉と照合した上で処理する。
【0035】
尚、本実施形態では、紙幣の抜き取りを検知するセンサが紙幣返却口34に設けられることで、紙幣の抜き取りを検知したことを条件として次の操作に進む場合を例示しているが、硬貨の抜き取りを検知するセンサが硬貨返却口35に設けられることで、紙幣及び硬貨の抜き取りを検知したことを条件として次の操作に進む構成としても良い。又、紙幣の抜き取りを検知することに対し、硬貨の抜き取りを検知することが比較的困難であれば、硬貨の払い出し後から所定期間が経過したことを条件として次の操作に進む構成としても良い。
【0036】
図4に示すように、POS端末28は、本体部44と、本体部44と通信可能なタッチパネル式の液晶表示部47とから構成されており、液晶表示部47に景品交換を行うために必要な情報を表示すると共に、遊技者によるタッチ操作に応じて所定の交換処理を実行する。
【0037】
図5に示すように、POS端末28は、電気的な構成として、CPU46a、ROM46b、RAM46c、I/O46dを有するマイクロコンピュータにより構成される制御部46、制御部46と接続されている液晶表示部45、液晶表示部45上に配置されたタッチパネル47、会員カード51から情報を読み取るためのICリーダー48、管理装置6、精算機27、景品払出装置29との間で各種信号や各種情報を送受信するI/F部49を含んで構成されている。この場合、会員カード51は、ICリーダー48にタッチされることでPOS端末28に取り込まれない状態で各種情報が読み取られる。POS端末28に取り込まれない状態とは、会員カード51や一般カード52が遊技者の手元から離れない状態を意味する。会員カード51とICリーダー48とのデータ通信は、例えばFeliCa(登録商標)にて例示される近距離無線通信により行われる。
【0038】
POS端末28は、精算機27から貯玉情報や持玉情報を受信すると、その貯玉情報や持玉情報により特定される貯玉数や持玉数に基づいて特殊景品の種類及び個数を特定し、その特定した特殊景品の種類及び個数を特定可能な払出指示を景品払出装置29に送信し、特殊景品の払い出しを指示する。景品払出装置29は、筐体31の図示しない景品ストック部に複数種類の特殊景品を収納しており、POS端末28から払出指示を受信すると、その受信した払出指示に応じた種類及び個数の特殊景品を自動的に払い出し、交換処理で交換対象となった景品を遊技者に対して払い出す景品払出処理を実行する。特殊景品はICチップを内蔵した樹脂製カードであり、5000円、1000円、200円の3種類がある。ここで、景品払出装置29は、払い出した景品が取り出されたかを検知するセンサが設けられており、取り出された旨を検知するとPOS端末28や精算機27に対してその旨を示す信号を出力可能である。又、本実施形態では精算機27からPOS端末28に貯玉情報や持玉情報を送信することを例示したが、精算機27からPOS端末28での交換操作への移行する旨を示す後述するPOS端末操作移行信号を送信し、当該信号を受信することによりPOS端末28が管理装置6に対して貯玉情報や持玉情報を取得する構成を採用しても良く、必ずしも精算機27が貯玉情報や持玉情報を取得する必要はない。
【0039】
又、景品払出装置29は、詳しくは後述するが、セルフ交換方式の一般カード運用処理における余り玉の処理方法として遊技者が端玉バイキングを選択すると、
図6に示す端玉バイキングレシート(以下、レシートと称する)50を発券する。レシート50には、利用可能なポイント数(余り玉に対応したポイント数であり、
図6では38ポイントを例示)が印刷されている。レシート50が発券されると、遊技者は、そのレシート50に印刷されているポイント数に応じた端玉景品を端玉景品コーナー30からバイキング形式で獲得することができる。
【0040】
次に、遊技者がセルフ交換方式により入金残高の精算や景品交換の操作を行う場合の運用処理について説明する。精算機27は、
図7(a)及び
図15(a)に示すように、待機画面101,301を液晶表示部32に表示している状態では会員カード51及び一般カード52の何れも受付可能であり、「カードを入れて下さい」というメッセージ101a,301aを表示して会員カード51や一般カード52の挿入を促し、会員カード51や一般カード52の挿入を待機している。
【0041】
POS端末28は、
図11(a)及び
図18(a)に示すように、待機画面201,401を液晶表示部47に表示している状態では「カードを精算機に入れて下さい」というメッセージ201a,401aを表示して精算機27への会員カード51や一般カード52の挿入を促し、精算機27への会員カード51や一般カード52の挿入を待機している。即ち、この状態では、会員カード51及び一般カード52の何れも精算機27が受け付け可能であり、受け付けたカードの種別により以後の処理が異なる。この状態から遊技者が精算操作を行うために精算機27の前まで移動し、会員カード51を精算機27に挿入すると会員カード運用処理を行い、一般カード52を精算機27に挿入すると一般カード運用処理を実行する。以下、会員カード運用処理、一般カード運用処理について順次説明する。
【0042】
(1)会員カード運用処理
会員カード運用処理について
図7から
図14を参照して説明する。
精算機27は、会員カード51がカード挿入口33に挿入されたことで会員カード51の受付を検知すると、
図7(b)に示すように、暗証番号入力画面102を液晶表示部32に表示し、「会員登録時の暗証番号を入力して下さい」というメッセージ102aを表示して暗証番号の入力を促し、「0」~「9」のテンキー102b、「クリア」ボタン102c、「取消」ボタン102dを表示する。精算機27は、遊技者がテンキー102bを押下したことで暗証番号の入力を検知すると、その入力された暗証番号を管理装置6に送信し、入力された暗証番号と会員登録時の暗証番号とが管理装置6において照合され、管理装置6から照合結果を受信する。
【0043】
精算機27は、暗証番号と会員登録時の暗証番号との照合結果が正であることを検知すると、その受け付けた会員カード51に記録されている入金残高を読み取り、
図8(a)に示すように、カード抜取画面103を液晶表示部32に表示し、その読み取った入金残高(
図8(a)の例示では1100円)103a、精算金額(
図8(a)の例示では1100円)103b、「カードを抜くと精算金がでます」というメッセージ103cを表示して会員カード51の抜き取りを促し、受け付けた会員カード51をカード挿入口33から排出する。即ち、この状態では、遊技者が会員カード51をカード挿入口33から抜き取り可能となる。
【0044】
精算機27は、遊技者が会員カード51をカード挿入口33から抜き取り、会員カード51が抜き取られたことを検知すると、その読み取った入金残高の精算を開始し、
図8(b)に示すように、精算中画面104を液晶表示部32に表示し、「精算金のお取り忘れにご注意下さい」というメッセージ104a表示して精算金の取り忘れの注意を促し、「確認中」というメッセージ104bを表示して精算金を確認中であることを知らせる。
【0045】
精算機27は、入金残高の精算を行う場合、
図9(a)に示すように、精算完了画面105を液晶表示部32に表示し、入金残高、精算金額、払出金額(
図9(a)の例示では1100円)105a、「精算金のお取り忘れにご注意下さい」というメッセージ105aを表示して精算金の取り忘れの注意を促し、「ありがとうございました」というメッセージ105cを表示し、入金残高分の紙幣を紙幣払出部38から紙幣返却口34に払い出したり硬貨を硬貨払出部39から硬貨返却口35に払い出したりする。
【0046】
精算機27は、紙幣返却口34から払い出した紙幣が抜き取られたことを検知すると、その受け付け中の会員カード51に対応付けられて貯玉が管理装置6に記録されている場合には、その貯玉を示す貯玉情報をPOS端末28に送信し、
図9(b)に示すように、POS操作画面106を液晶表示部32に表示し、「引き続きPOS端末で交換操作して下さい」というメッセージ106aを表示してPOS端末28での交換操作を促す。又、精算機27は、POS端末28での交換操作への移行を示すPOS端末操作移行信号を精算機27に送信する。このとき、遊技者は、精算機27の前からPOS端末28の前まで移動し、POS端末28にて交換操作を行うことになる。
【0047】
POS端末28は、待機画面201を表示中に精算機27からのPOS端末操作移行信号の受信を検知すると、精算機27から貯玉情報を受信していることを条件として、
図11(b)に示すように、種別選択画面202を液晶表示部47に表示し、「口座を選択して下さい」というメッセージ202aを表示して交換種別の選択を促し、「種別選択」ボタン202b~202e、「前へ」ボタン202f、「次へ」ボタン202g、「係員呼出」ボタン202h、「交換をやめる」ボタン202iを表示する。このとき、POS端末28は、「こちらのセルフPOS端末で操作を行って下さい」という音声出力も行う。尚、「前へ」ボタン202f、「次へ」ボタン202gは交換種別が5種別以上あるといった画面上に表示し切れない場合に他の交換種別に切り替えるために操作するボタンである。
【0048】
POS端末28は、遊技者が「種別選択」ボタン202b~202eの何れかを押下したことを検知すると、
図12(a)に示すように、景品選択画面203を液晶表示部47に表示し、「個数を指定して「決定」ボタンを押して下さい」というメッセージ203aを表示して景品個数の決定を促し、選択された種別の内訳(総数、交換数、口座残高)203b、景品毎の個数を指定するための「-」ボタン203c~203e及び「+」ボタン203f~203h、「最大個数セット」ボタン203i、「決定」ボタン203j、「係員呼出」ボタン203k、「交換をやめる」ボタン203lを表示する。このとき、「最大個数セット」ボタン203iが押下されると、対象となる全ての貯玉により交換可能な最大額となる特殊景品が選択される。
図12(a)は、
図11(b)の種別選択画面202にて「種別選択」ボタン202bを押下した場合を例示している。
【0049】
POS端末28は、遊技者が「最大個数セット」ボタン203iを押下し、「決定」ボタン203jを押下したことを検知すると、
図12(b)に示すように、交換確認画面204を液晶表示部47に表示し、「会員カードをタッチして下さい」というメッセージ204aを表示して会員カード51のタッチを促し、利用明細204b、「係員呼出」ボタン204c、「交換をやめる」ボタン204dを表示する。このとき、POS端末28は、「会員カードをICリーダーにタッチして下さい」という音声出力も行う。
【0050】
POS端末28は、遊技者が会員カード51をICリーダー48にタッチしたことを検知すると、貯玉情報に基づく特殊景品の種類及び個数を特定可能な払出指示を景品払出装置29に送信し、その特定される種類及び個数の特殊景品を景品払出装置29から払い出させ、
図13(a)に示すように、交換処理中画面205を液晶表示部47に表示し、「交換処理中」というメッセージ205aを表示して交換処理中であることを知らせる。又、POS端末28は、交換処理の開始を示す交換処理開始信号を精算機27に送信する。尚、交換処理において特殊景品に交換されなかった残玉分は貯玉として管理装置6に記憶される。
【0051】
精算機27は、POS端末28から交換処理開始信号の受信を検知すると、
図10(a)に示すように、交換処理中画面107を表示し、「交換処理中」というメッセージ107aを表示してPOS端末28にて交換処理中であることを知らせる。これ以降、精算機27は、景品払出装置29から払い出された景品が取り出されたことが検知されると、上記した待機画面101に戻る。
【0052】
POS端末28は、景品払出装置29から払い出された景品が取り出されたことが検知されると、
図13(b)に示すように、交換完了画面206を液晶表示部47に表示し、「ご利用ありがとうございました」というメッセージ206a、交換処理の内訳(取引前、預入、引出、残高)206bを表示し、交換完了画面206の表示開始から所定時間経過後(例えば10秒後)に上記した待機画面201に戻る。尚、POS端末28は、精算金額や交換景品等の交換処理自体の結果を表示しても良い。
【0053】
図14は、以上に説明した会員カード51の運用処理における精算機27及びPOS端末28の画面遷移を示している。以上のようにして、遊技者は、会員カード51に対応付けられている入金残高を精算機27にて精算したり貯玉をPOS端末28にて特殊景品に交換したりすることが可能となる。尚、遊技者が例えば種別選択画面202の「交換をやめる」ボタン202i等の何れかの画面にて「交換をやめる」ボタンを押下すると、それ以降の処理は行われない。
【0054】
(2)一般カード運用処理
一般カード運用処理について
図15から
図30を参照して説明する。
精算機27は、一般カード52がカード挿入口33に挿入されたことで一般カード52の受付を検知すると、その受け付けた一般カード52に記録されている入金残高を読み取り、
図15(b)に示すように、精算中画面302を液晶表示部32に表示し、その読み取った入金残高(
図15(b)の例示では1100円)302a、精算金額(
図15(b)の例示では1100円)302bを表示し、「精算金のお取り忘れにご注意下さい」というメッセージ302cを表示して精算金の取り忘れの注意を促し、「確認中」というメッセージ302dを表示して精算金を確認中であることを知らせる。前述した会員カード運用処理では、入金残高及び精算金額を表示した直後に、受け付けた会員カード51をカード挿入口33から即座に排出したが、一般カード運用処理では、この段階では受け付けた一般カード52をカード挿入口33から排出せず、取り込んだままとする。即ち、この段階では遊技者が一般カード52をカード挿入口33から抜き取り不能である。
【0055】
精算機27は、入金残高の精算を行う場合、
図16(a)に示すように、精算完了画面303を液晶表示部32に表示し、入金残高、精算金額、払出金額(
図16(a)の例示では1100円)、「精算金のお取り忘れにご注意下さい」というメッセージ303bを表示して精算金の取り忘れの注意を促し、「ありがとうございました」というメッセージ303cを表示し、入金残高分の紙幣を紙幣払出部38から紙幣返却口34に払い出したり硬貨を硬貨払出部39から硬貨返却口35に払い出したりする。
【0056】
精算機27は、紙幣返却口34から払い出した紙幣が抜き取られたことを検知すると、その受け付け中の一般カード52に持玉が記録されている場合には、その持玉を示す持玉情報をPOS端末28に送信し、
図16(b)に示すように、POS操作画面304を液晶表示部32に表示し、「引き続きPOS端末で交換操作して下さい」というメッセージ304aを表示してPOS端末28での交換操作を促す。又、精算機27は、POS端末28での交換操作への移行を示すPOS端末操作移行信号を精算機27に送信する。このとき、遊技者は、精算機27の前からPOS端末28の前まで移動し、POS端末28にて交換操作を行うことになる。
【0057】
POS端末28は、待機画面401を表示中に精算機27からPOS端末操作移行信号の受信を検知すると、精算機27から持玉情報を受信していることを条件として、
図18(b)に示すように、種別選択画面402を液晶表示部47に表示し、「種別を選択して下さい」というメッセージ402aを表示して交換種別の選択を促し、「種別選択」ボタン402b~402e、「前へ」ボタン402f、「次へ」ボタン402g、「係員呼出」ボタン402h、「交換をやめる」ボタン402iを表示する。このとき、POS端末28は、「こちらのセルフPOS端末で操作を行って下さい」という音声出力も行う。尚、会員カード運用処理とは異なり、一般カード52に種別が1種類しか対応付けられていない場合には、種別選択画面402は表示されずに省かれ、待機画面401から後述する景品交換画面403に進む。
【0058】
POS端末28は、遊技者が「交換種別選択」ボタン402b~402eの何れかを押下したことを検知すると、
図19(a)に示すように、景品交換画面403を液晶表示部47に表示し、「内容をお確かめのうえ右下の「確認」ボタンを押して下さい」というメッセージ403aを表示して景品個数の確認を促し、選択された種別の内訳(総数、交換数、余り)403b、景品毎の個数403c、「確認」ボタン403d、「係員呼出」ボタン403e、「交換をやめる」ボタン403fを表示する。この場合、「交換種別選択」ボタン402b~402eにより選択された種別により交換可能な景品が全て選択状態となる。
図19(a)は、
図18(b)の種別選択画面402にて「種別選択」ボタン402bを押下した場合を例示している。
【0059】
POS端末28は、遊技者が「確認」ボタン403dを押下したことを検知すると、
図19(b)に示すように、余り玉選択処理画面404を液晶表示部47に表示し、「余りの処理方法を選択して下さい」というメッセージ404aを表示して余り玉(端玉と同じ意味、残遊技価値に相当する)の処理方法の選択を促し、「端玉バイキング」ボタン404b、「会員カードに貯玉」ボタン404c、「一般カードに戻す」ボタン404d、「係員呼出」ボタン404e、「交換をやめる」ボタン404f、「戻る」ボタン404gを表示する。即ち、遊技者は、余り玉の処理方法として、端玉バイキングとするか、会員カードに貯玉するか、又は一般カードに戻すかを選択することができる。尚、本実施形態では、余り玉の処理方法を選択可能としているが、余り玉の処理方法を選択可能とせずに予め何れか1つの方法に決定していても良く、その場合、余り玉選択処理画面404は表示されずに省かれ、景品交換画面403から当該予め決定されている1つの方法に対応する画面に進む。
【0060】
最初に、遊技者が「端玉バイキング」ボタン404bを押下した場合について説明する。POS端末28は、遊技者が「端玉バイキング」ボタン404bを押下したことを検知すると、
図20(a)に示すように、端玉バイキング確認画面405を液晶表示部47に表示し、「内容をお確かめのうえ右下の「確定」ボタン押して下さい」というメッセージ405aを表示して内容の確認を促し、バイキング景品の内訳405b、「係員呼出」ボタン405c、「交換をやめる」ボタン405d、「確定」ボタン405eを表示する。
【0061】
POS端末28は、遊技者が「確定」ボタン405eを押下したことを検知すると、受け付け中の一般カード52に他種別の持玉が記録されていれば、
図20(b)に示すように、端玉バイキング確認画面405上にPOP確認画面406をポップアップ表示し、「複数の持玉が残っています」というメッセージ406aを表示して他種別の持玉の確認を促し、「確認」ボタン406bを表示する。又、このとき、POS端末28は、レシート発券指示を景品払出装置29に送信する。景品払出装置29は、POS端末28からレシート発券指示を受信すると、前述したレシート50を発券する。尚、受け付け中の一般カード52に他種別の持玉が記録されていなければ、POP確認画面406は表示されずに省かれる。尚、本実施形態では景品払出装置29からレシート50を発券することを例示したが、POS端末28や精算機27からレシート50を発券しても勿論良い。
【0062】
POS端末28は、遊技者が「確認」ボタン406bを押下したことを検知すると、
図21(a)に示すように、交換確認画面407を液晶表示部47に表示し、「この内容でよろしければ右下の「確定」ボタンを押して下さい」というメッセージ407aを表示して内容の確認を促し、利用明細407b、「係員呼出」ボタン407c、「交換をやめる」ボタン407d、「確定」ボタン407eを表示する。このとき、POS端末28は、「この内容でよろしければ確定ボタンを押して下さい」という音声出力も行う。
【0063】
POS端末28は、遊技者が「確定」ボタン407eを押下したことを検知すると、
図21(b)に示すように、カード返却画面408を液晶表示部47に表示し、「精算機でカードをお受け取り下さい」というメッセージ408aを表示してカードの受け取りを促す。このとき、POS端末28は、「精算機からカードが返却されます。精算機からカードをお取り下さい」という音声出力も行う。又、POS端末28は、精算機27でのカード抜取操作への移行を示す精算機操作移行信号を精算機27に送信する。
【0064】
尚、POS端末28は、受け付け中の一般カード52に他種別の持玉が記録されていなければ、入金残高も持玉も全て精算したことになり、受け付け中の一般カード52を返却する必要がなくなったので、カード返却画面408を表示せず、精算機27は、受け付け中の一般カード52に記録されている入金残高及び持玉の両方を「0」に初期化してからストック部42に回収する。
【0065】
精算機27は、POS端末28から精算機操作移行信号の受信を検知すると、
図17(a)に示すように、カード返却画面305を液晶表示部32に表示し、「カードを抜くと交換処理が開始されます」というメッセージ305aを表示して交換処理の開始を知らせ、「カードを返却します」というメッセージ305bを表示してカードの返却を知らせ、受け付けた一般カード52をカード挿入口33から排出する。即ち、この状態では、遊技者が一般カード52をカード挿入口33から抜き取り可能となる。
【0066】
精算機27は、遊技者が一般カード52をカード挿入口33から抜き取り、一般カード52が抜き取られたことを検知すると、一般カード52の抜き取り完了を示す抜取完了信号をPOS端末28に送信する。
【0067】
POS端末28は、精算機27から抜取完了信号の受信を検知すると、持玉情報に基づく特殊景品の種類及び個数を特定可能な払出指示を景品払出装置29に送信し、その特定される種類及び個数の特殊景品を景品払出装置29から払い出させ、
図22(a)に示すように、交換処理中画面409を液晶表示部47に表示し、「交換処理中」というメッセージ409aを表示して景品払出処理に伴い交換処理中であることを知らせる。又、POS端末28は、景品払出処理の開始を示す景品払出処理開始信号を精算機27に送信する。
【0068】
精算機27は、POS端末28から景品払出処理開始信号の受信を検知すると、
図17(b)に示すように、交換処理中画面306を液晶表示部32に表示し、「交換処理中」というメッセージ306aを表示してPOS端末28にて交換処理中であることを知らせる。これ以降、精算機27は、景品払出装置29から払い出された景品が取り出されたことが検知されると、上記した待機画面301に戻る。
【0069】
POS端末28は、景品払出装置29から払い出された景品が取り出されたことが検知されると、
図22(b)に示すように、交換完了画面410を液晶表示部47に表示し、「ご利用ありがとうございました」というメッセージ410aを表示し、交換完了画面410の表示開始から所定時間経過後(例えば10秒後)に上記した待機画面401に戻る。この場合も、POS端末28は、精算金額や交換景品等の交換処理自体の結果を表示しても良い。尚、一般カード52を回収した場合も同様であるが、「確定」ボタン405eを押下したことの検知に応じて景品を払い出すことになる。又、レシート50の取り出しを検知し、その検知に応じて景品を払い出しても良い。
【0070】
次に、遊技者が「会員カードに貯玉」ボタン404cを押下した場合について説明する。POS端末28は、遊技者が「会員カードに貯玉」ボタン404cを押下したことを検知すると、受け付け中の一般カード52に他種別の持玉が記録されていれば、
図23(a)に示すように、余り玉選択処理画面404上にPOP確認画面411をポップアップ表示し、「複数の持玉が残っています」というメッセージ411aを表示して他種別の持玉の確認を促し、「確認」ボタン411bを表示する。尚、受け付け中の一般カード52に他種別の持玉が記録されていなければ、POP確認画面411は表示されずに省かれる。
【0071】
POS端末28は、遊技者が「確認」ボタン411bを押下したことを検知すると、
図23(b)に示すように、交換確認画面412を液晶表示部47に表示し、「会員カードをタッチして下さい」というメッセージ412aを表示して会員カード51のタッチを促し、利用明細412b、「係員呼出」ボタン412c、「交換をやめる」ボタン412dを表示する。このとき、POS端末28は、「会員カードをICリーダーにタッチして下さい」という音声出力も行う。
図23(b)は、
図18(b)の種別選択画面402にて「種別選択」ボタン402cを押下した場合を例示している。
【0072】
POS端末28は、遊技者が会員カード51をICリーダー48にタッチしたことを検知すると、タッチされた会員カード51及び余り玉を特定可能な情報を管理装置6に送信し、管理装置6にて当該会員カード51の会員口座に余り玉を貯玉として記憶させる(残遊技価値分の遊技価値情報を当該会員記録媒体に関連付ける)。POS端末28は、管理装置6にて余り玉が貯玉として記憶されたことを確認すると、
図24(a)に示すように、カード返却画面413を液晶表示部47に表示し、「精算機でカードをお受け取り下さい」というメッセージ413aを表示してカードの受け取りを促す。このとき、POS端末28は、「精算機からカードが返却されます。精算機からカードをお取り下さい」という音声出力も行う。又、POS端末28は、精算機27でのカード抜取操作への移行を示す精算機操作移行信号を精算機27に送信する。
【0073】
精算機27は、POS端末28から精算機操作移行信号の受信を検知すると、前述した通り、
図17(a)に示すように、カード返却画面305を液晶表示部32に表示し、受け付けた一般カード52をカード挿入口33から排出する。精算機27は、遊技者が一般カード52をカード挿入口33から抜き取り、一般カード52が抜き取られたことを検知すると、一般カード52の抜き取り完了を示す抜取完了信号をPOS端末28に送信する。尚、本実施形態では選択された種別の余り玉を貯玉し、他種別の持玉については一般カード52に戻す場合を例示したが、他種別の持玉も会員カード51に貯玉して一般カード52を上記同様に回収しても良い。又、他種別の持玉がない場合には一般カード52は上記の通り回収される。
【0074】
POS端末28は、精算機27から抜取完了信号の受信を検知すると、持玉情報に基づく特殊景品の種類及び個数を特定可能な払出指示を景品払出装置29に送信し、その特定される種類及び個数の特殊景品を景品払出装置29から払い出させ、
図24(b)に示すように、交換処理中画面414を液晶表示部47に表示し、「交換処理中」というメッセージ414aを表示して景品払出処理に伴い交換処理中であることを知らせる。又、POS端末28は、景品払出処理開始信号を精算機27に送信する。
【0075】
精算機27は、POS端末28から景品払出処理開始信号の受信を検知すると、
図17(b)に示すように、交換処理中画面306を液晶表示部32に表示し、「交換処理中」というメッセージ306aを表示してPOS端末28にて交換処理中であることを知らせる。これ以降、精算機27は、景品払出装置29から払い出された景品が取り出されたことが検知されると、上記した待機画面301に戻る。
【0076】
POS端末28は、景品払出装置29から払い出された景品が取り出されたことが検知されると、
図25(a)に示すように、交換完了画面415を液晶表示部47に表示し、「ご利用ありがとうございました」というメッセージ415aを表示し、交換処理の内訳(取引前、預入、引出、残高)415bを表示し、交換完了画面415の表示開始から所定時間経過後(例えば10秒後)に上記した待機画面401に戻る。この場合も、POS端末28は、精算金額や交換景品等の交換処理自体の結果を表示しても良い。尚、一般カード52を回収した場合も同様であるが、会員カード51の検知に応じて景品を払い出すことになる。
【0077】
次に、遊技者が「一般カードに戻す」ボタン404dを押下した場合について説明する。POS端末28は、遊技者が「一般カードに戻す」ボタン404dを押下したことを検知すると、受け付け中の一般カード52に他種別の持玉が記録されていれば、
図26(a)に示すように、余り玉選択処理画面404上にPOP確認画面416をポップアップ表示し、「複数の持玉が残っています」というメッセージ416aを表示して他種別の持玉の確認を促し、「確認」ボタン416bを表示する。尚、受け付け中の一般カード52に他種別の持玉が記録されていなければ、POP確認画面416は表示されずに省かれる。
【0078】
POS端末28は、遊技者が「確認」ボタン416bを押下したことを検知すると、
図26(b)に示すように、交換確認画面417を液晶表示部47に表示し、「この内容でよろしければ右下の「確定」ボタンを押して下さい」というメッセージ417aを表示して内容の確認を促し、利用明細417b、「係員呼出」ボタン417c、「交換をやめる」ボタン417d、「確定」ボタン417eを表示する。このとき、POS端末28は、「この内容でよろしければ確定ボタンを押して下さい」という音声出力も行う。
図26(b)は、
図18(b)の種別選択画面402にて「種別選択」ボタン402dを押下した場合を例示している。
【0079】
POS端末28は、遊技者が「確定」ボタン417eを押下したことを検知すると、余り玉を特定可能な情報を精算機27に送信し、精算機27にて当該受け付け中の一般カード52に余り玉を持玉として記録させる一方、
図27(a)に示すように、カード返却画面418を液晶表示部47に表示し、「精算機でカードをお受け取り下さい」というメッセージ418aを表示してカードの受け取りを促す。このとき、POS端末28は、「精算機からカードが返却されます。精算機からカードをお取り下さい」という音声出力も行う。又、POS端末28は、精算機27でのカード抜取操作への移行を示す精算機操作移行信号を精算機27に送信する。
【0080】
精算機27は、POS端末28から精算機操作移行信号の受信を検知すると、前述した通り、
図17(a)に示すように、カード返却画面305を液晶表示部32に表示し、受け付けた一般カード52をカード挿入口33から排出する。精算機27は、遊技者が一般カード52をカード挿入口33から抜き取り、一般カード52が抜き取られたことを検知すると、一般カード52の抜き取り完了を示す抜取完了信号をPOS端末28に送信する。
【0081】
POS端末28は、精算機27から抜取完了信号の受信を検知すると、持玉情報に基づく特殊景品の種類及び個数を特定可能な払出指示を景品払出装置29に送信し、その特定される種類及び個数の特殊景品を景品払出装置29から払い出させ、
図27(b)に示すように、交換処理中画面419を液晶表示部47に表示し、「交換処理中」というメッセージ419aを表示して景品払出処理に伴い交換処理中であることを知らせる。又、POS端末28は、景品払出処理開始信号を精算機27に送信する。
【0082】
精算機27は、POS端末28から景品払出処理開始信号の受信を検知すると、
図17(b)に示すように、交換処理中画面306を液晶表示部32に表示し、「交換処理中」というメッセージ306aを表示してPOS端末28にて交換処理中であることを知らせる。これ以降、精算機27は、景品払出装置29から払い出された景品が取り出されたことが検知されると、上記した待機画面301に戻る。
【0083】
POS端末28は、景品払出装置29から払い出された景品が取り出されたことが検知されると、
図28(a)に示すように、交換完了画面420を液晶表示部47に表示し、「ご利用ありがとうございました」というメッセージ420aを表示し、交換処理の内訳(再持玉数、プリペイド金額、他口座持玉)420bを表示し、交換完了画面420の表示開始から所定時間経過後(例えば10秒後)に上記した待機画面401に戻る。この場合も、POS端末28は、精算金額や交換景品等の交換処理自体の結果を表示しても良い。
【0084】
図29及び
図30は、以上に説明した一般カード52の運用処理における精算機27及びPOS端末28の画面遷移を示している。以上のようにして、遊技者は、一般カード52に対応付けられている入金残高を精算機27にて精算したり持玉をPOS端末28にて特殊景品に交換したりすることが可能となる。この場合も、遊技者が例えば種別選択画面402の「交換をやめる」ボタン402i等の何れかの画面にて「交換をやめる」ボタンを押下すると、それ以降の処理は行われない。
【0085】
精算機27において、受け付けた会員カード51や一般カード52に入金残高が記録されていない場合は、「入金残高がありません」等のメッセージを表示しても良い。又、受け付けた会員カード51や一般カード52をカード挿入口33から排出した後にカードが抜き取られない状態が一定時間経過した場合には、カードの取り忘れを遊技者に気付かせるためのエラー報知を行っても良い。入金残高分の紙幣を紙幣払出部38から紙幣返却口34に払い出したり硬貨を硬貨払出部39から硬貨返却口35に払い出したりした後に貨幣が抜き取られない状態が一定時間経過した場合にも、貨幣の取り忘れを遊技者に気付かせるためのエラー報知を行っても良い。
【0086】
本実施形態では、会員カード51は入金残高の払い出し前に精算機27から排出する一方、一般カード52は景品の払い出し前に精算機27から排出するようにしているが、これは、会員カード51には入金残高は記録されるが貯玉は記録されない一方、一般カード52には入金残高と持玉との双方が記録されることから、その書き込み更新のために一般カード52を取り込んでおく必要があるためである。この場合、入金残高と貯玉や持玉とは全て管理装置6でも管理され、貯玉は管理装置6の情報に基づき処理される一方、入金残高や持玉はカードに記録された情報を管理装置6の情報と照合した上で処理している。尚、貯玉を会員カード51に直接記録しても良いし、入金残高や持玉を会員カード51や一般カード52に記録せずに管理装置6にて管理して対応付けても良い。即ち、
図7から
図14で説明した会員カード51の運用処理を一般カード52に適用しても良いし、
図15から
図30で説明した一般カード52の運用処理を会員カード51に適用しても良い。
【0087】
次に、暗証情報及び安心ロック機能について説明する。遊技機装置2では、遊技者が所用のために離席した場合に備えて安心ロック(発行ロック)機能が設けられており、安心ロック状態になると、遊技者が正当な暗証情報の入力を条件に加えることで、受け付けた会員カード51や一般カード52を発行する発行処理を抑制する(発行抑制処理に相当する)が、再プレイ処理は許容したままとなる。安心ロック状態は、遊技者が暗証情報を再入力することで解除される。
【0088】
暗証情報は2つあり、何れかを選択可能とする。1つは遊技者のスマートフォンのような携帯端末におけるFeliCaのような近距離通信による携帯端末の端末ID(例えばIDM)であり、安心ロックを開始する都度、携帯端末を提示することで安心ロック状態となる。尚、IDMとは、FeliCaカードの製造時にICチップに記録される書き換え不能な固有のID番号である。残りの一つは暗証番号であり、安心ロック用の暗証番号を会員登録時の暗証番号と異なる暗証番号として登録可能ではあるが、同じ暗証番号として登録することも可能である。この場合、暗証番号は安心ロック時に毎回入力しても良いが、少なくとも1度登録しておけば暗証番号の入力を伴わない安心ロック用の開始操作を可能としても良く必ずしも毎回入力する必要はない。尚、安心ロック用の暗証番号が会員登録時の暗証番号と同じ場合には安心ロック開始時や安心ロック状態での発行処理にその旨が報知される。
【0089】
前述した会員カード運用処理において会員カード51を精算機27にて受け付ける場合には、
図7(b)で説明したように暗証情報を入力する必要がある。又、従来のPOS端末にて会員カード51を受け付ける場合でも同様に暗証情報を入力する必要がある。この場合、遊技者は、安心ロックを行った会員カード51については最初に安心ロックに対応した暗証情報(第1暗証情報に相当する)を入力する。遊技者が暗証情報を入力すると、その入力された暗証情報が会員登録時の暗証情報(第2暗証情報に相当する)と照合され、両者が一致すれば、そのまま会員カード51を利用して入金残高の精算や景品交換を行うことが可能となる。即ち、第1暗証情報と第2暗証情報とが一致する場合には第1暗証情報分と第2暗証情報分との暗証情報を受け付けることなく1回分の暗証情報の受付を条件として精算処理や景品交換処理を許容する。一方、両者が一致しなければ、遊技者が会員登録時の暗証情報を入力することで、会員カード51を利用した入金残高の精算や景品交換を行うことが可能となる。即ち、第1暗証情報と第2暗証情報とが一致しない場合には第1暗証情報と第2暗証情報との双方の受付を条件として精算処理や景品交換処理を許容する。会員登録時には暗証番号しか登録しないので、安心ロックを携帯端末にて行った場合には携帯端末を提示し、更に会員登録時の暗証番号を入力することでカードを利用可能となる。
【0090】
尚、安心ロックと直接的な関わりはないが、精算機27を単体で運用する場合は暗証情報の入力を必要とせずに処理する一方で、本実施形態では精算機27とPOS端末28とを接続していることから精算機27にて暗証情報の入力を必要としている。これは、貯玉を利用する場合に暗証情報を照合する必要があるためであり、即ち、精算機27にて入力された暗証情報はPOS端末28に送信され、POS端末28の単体運用と同様に暗証情報が処理される。尚、管理装置6との接続がオフラインとなった場合、暗証情報の認証が不可であるので、処理自体が不能となり抑制される。
【0091】
暗証情報を受け付ける場合、安心ロックに対応した暗証情報を受け付けてから会員登録時の暗証情報を受け付ける(第1暗証情報と第2暗証情報とを予め指定される受付順序により受け付ける)ことで、仮に先に会員登録時の暗証情報を受け付けても安心ロックに対応した暗証情報と異なれば認証できないことでセキュリティが高まるが、その入力順序を入れ替えても同様のセキュリティを保つことができる。一方で、利便性を考慮して何れの暗証情報かを指定せずに暗証情報を受け付け、何れか一方の暗証情報に対応する場合には他方の暗証情報を受け付ける構成としても良い(第1暗証情報と第2暗証情報との受付順序を予め指定せずに受け付け、受け付けた暗証情報が何れか一方の暗証情報に対応する場合には他方の暗証情報の受け付けを許容する)。尚、受付順序を指定している旨は必ずしも報知する必要はない。
【0092】
POS端末28にてセルフ運用する場合、会員カード51を受け付けた場合、交換処理を実行するか否かに関わらず暗証情報を入力することを条件として入金残高を精算する(暗証情報の入力を条件として精算処理を許容する)ことを例示したが、例えば暗証番号入力画面102にて交換処理を希望しない旨を入力する、或いは貯玉がなく残高しかないといったような交換処理を伴わずに入金残高を精算する場合には、従来同様に暗証情報を入力することなく入金残高を精算しても良い(暗証情報の入力を条件とせずに精算処理を許容する)。
【0093】
次に、休憩機能について説明する。遊技機装置2では、遊技者が所用のために離席した場合に備えて安心ロック機能以外に休憩機能(離席機能と同じ意味)も設けられている。休憩機能は、休憩操作(離席操作と同じ意味)を行ってカードを排出した場合に(排出処理に相当する)、当該カードを受け付けるまでは新たなカードの受付や入金、或いは付与処理等を許容せず(遊技者の休憩中に遊技に関する処理を抑制する休憩中抑制処理を実行する)、その旨を表示する機能である。カードを排出する処理は、遊技者による遊技者操作及び従業員による従業員操作(従業員排出処理に相当する)のうち何れかにより実行され、遊技者操作により行われる休憩がセルフ休憩(第2開始設定に相当する)であり、従業員操作により行われる休憩がセミセルフ休憩(第1開始設定に相当する)である。
【0094】
遊技機装置2が受け付けたカードが会員カード51である場合、
図31及び
図32に示すセルフ休憩の開始操作により、従業員を介さずにたとえ入金残高や貯玉がなくとも休憩機能を利用可能であるが、予め上限回数(例えば食事休憩用の1回)が設けられており、所定期間(例えば1日)に上限回数を超える休憩は禁止されている。一方、遊技機装置2にて会員カード51を受付けていない場合、セルフ休憩とセミセルフ休憩とを遊技場が予め選択可能とし、その何れであっても例えば入金残高や持玉が基準値に達しているといった発行条件を満たしている一般カード52を発行可能である場合に許容される。セルフ休憩とセミセルフ休憩とを選択する区分は、種別、機種、遊技島といったグループ単位で行っても良いし、遊技機単位で行っても良い。他の設定も同様である。セルフ休憩やセミセルフ休憩を許容する発行条件は、例えば通常の一般カード52についての発行条件とは基準値が異なるといった異なる発行条件を採用しても良い。
【0095】
図31及び
図32に示すように、セルフ休憩では、遊技機装置2は、待機画面501を液晶表示部21に表示している状態で遊技者がタッチしたことを検知すると、メニュー画面502を液晶表示部21に表示し、「食事休憩」ボタン502a、「タバコ休憩」ボタン502b、「持玉共有」502c、「他口座利用」ボタン502d、「安心ロック解除」ボタン502e、「入金残高取出」ボタン502f、「ちょっと貸し」ボタン502g、「詳細情報」ボタン502h、「次」ボタン502i、「終了」ボタン502jを表示する。
【0096】
遊技機装置2は、遊技者が「食事休憩」ボタン502aを押下(休憩操作)したことを検知すると、休憩開始画面503を液晶表示部21に表示し、「休憩を開始します。カードが返却されます。よろしいですか」というメッセージ503aを表示し、休憩開始の確認を促し、「OK」ボタン503b、「中止」ボタン503cを表示する。
【0097】
遊技機装置2は、遊技者が「OK」ボタン503bを押下したことを検知すると、受け付けた会員カード51や一般カード52をカード挿入口24から排出し、カード抜取画面504を液晶表示部21に表示し、「カードをお取り下さい」というメッセージ504aを表示し、カードの抜き取りを促す。即ち、この状態では、遊技者が会員カード51や一般カード52をカード挿入口24から抜き取り可能となる。
【0098】
遊技機装置2は、会員カード51や一般カード52が抜き取られたことを検知可能であり、その旨を検知すると、休憩中画面505を液晶表示部21に表示し、「休憩した時のカードを挿入して下さい」というメッセージ505aを表示し、今回抜き取ったカードを休憩終了時に挿入することを促す。このとき、遊技機装置2は、新たなカードの受付や入金等の抑制を開始する(休憩中抑制処理を開始させる)。尚、休憩時間には予め上限(例えば30分)が設けられていり、遊技機装置2は、上限に達するまでは上限までの残り時間を表示し、上限を超えてからは上限を超過した超過時間を表示する。遊技機装置2は、同一の会員カード51や一般カード52(抜き取ったカード)がカード挿入口24に挿入されたことで同一の会員カード51や一般カード52の受付を検知すると、待機画面に戻り、入金等の抑制を終了する(休憩中抑制処理を終了させる)。このようにセルフ休憩では、遊技者が自らの操作により休憩状態を開始可能となり、休憩開始時に発行した会員カード51や一般カード52を挿入することで、自らの操作により休憩状態を終了可能(解除可能)となる。尚、待機画面501を表示している状態で遊技者がタッチした場合にメニュー画面502を表示することを例示したが、上記した「食事休憩」ボタン502aに相当するボタンを待機画面501に設けても良い。
【0099】
一方、セミセルフ休憩では、
図33に示すように、遊技機装置2は、待機画面501を液晶表示部21に表示している状態で遊技者がタッチしたことを検知すると、メニュー画面506を液晶表示部21に表示するが、上記した「食事休憩」ボタン502aを表示しない。この場合、遊技者は、従業員を呼出してリモコン操作のような従業員操作による休憩操作を行う。
【0100】
従業員がリモコン操作を行う場合には、従業員リモコン53から送信されるリモコン信号が遊技機装置2のリモコン受光部54や情報表示装置3のリモコン受光部55に受光されることで、遊技機装置2は、上記した
図31で説明した休憩開始画面503を液晶表示部21に表示し、新たなカードの受付や入金等の抑制を開始する(休憩中抑制処理を開始させる)。尚、従業員操作としては、従業員が従業員リモコン53を操作することに限らず、例えば従業員だけが把握している暗証情報を遊技機装置2に入力する等しても良いし、セルフ休憩同様に遊技者による休憩操作を許容しつつも従業員の承認を条件として休憩開始となるといったように従業員操作が伴えばどのような操作を採用しても良い。遊技機装置2は、一般カード52(抜き取ったカード)がカード挿入口24に挿入されたことで同一の一般カード52の受付を検知すると、待機画面に戻り、入金等の抑制を終了する(休憩中抑制処理を終了させる)。このようにセミセルフ休憩では、遊技者が従業員を呼出して従業員操作を行わせることで休憩状態を開始可能となり、即ち、従業員操作伴わないと休憩状態を開始不能であるが、休憩開始時に発行した一般カード52を挿入することで、従業員操作を伴うことなく休憩状態を終了可能(解除可能)となる。
【0101】
上記した例示では、食事休憩を対象とした休憩として比較的長めの休憩時間となる休憩であるが、喫煙やトイレといった比較的短めの休憩時間となる休憩に対応しても良く、この場合、双方を従業員操作を伴うことを条件として開始する対象としても良いが、比較的長めの休憩は従業員操作を伴うことを条件として開始する対象とする(第1休憩中抑制処理は、遊技者の休憩開始時に従業員排出処理を条件とする)一方、比較的短めの休憩は従業員操作を伴うことなく遊技者の操作により開始する対象としても良い(第2休憩中抑制処理は、遊技者の休憩開始時に従業員排出処理を条件としない)。
【0102】
精算機27ではセルフ運用する(POS端末28と接続する)か否かを予め設定可能であり、セルフ運用する旨を設定した場合、POS端末28との接続を確認できないと動作停止して精算機能を抑制する。又、精算機能を抑制中は接続待機中である旨を表示する。
【0103】
精算機27では、POS端末28と接続しない単独運用する場合には、入金することで一般カード52を発行することや、会員カード51や一般カード52への入金を受け付けて入金残高を加算することのような入金処理を可能とするが、POS端末28と接続する接続運用する場合には、上記した入金処理を可能とせずに禁止することで抑制する。
【0104】
接続運用する場合に会員カード運用処理及び一般カード運用処理の何れにおいても遊技者の操作負担を考慮して精算対象となる入金残高を指定せずに精算している。これは、単独運用する場合も同様であるが、更に接続運用する場合には入金処理を抑制している。これは、単独運用する場合であれば、受け付けた会員カード51や一般カード52に入金残高があれば精算処理を行い、入金残高がなければ入金処理といったように区分すれば何れかを指定する必要性は低いものの、接続運用する場合には、受け付けた会員カード51や一般カード52に入金残高がなくとも景品交換を望む遊技者も存在し、入金処理と景品交換との何れかを指定する必要性が生じ、その操作を行わないと景品交換に進めなくなり、操作が煩雑化することを予防する観点から入金処理を抑制している。
【0105】
セルフ運用する場合におけるカードの受付条件を設定可能とし、例えば会員カード51及び一般カード52のうち何れか一方だけを受け付けても良いし、複数種別の貯玉や持玉が対応付けられていないことを受付条件としても良い。後者を設定した場合、複数種別の貯玉が対応付けられている会員カード51や複数種別の持玉が対応付けられている一般カード52を受け付けた場合、その受け付けた会員カード51や一般カード52を精算処理も行わずに排出する。即ち、入金残高の精算や景品交換の一方に関する条件が受付条件として設定されるが満たされない場合、他方の処理を含めて処理を抑制する。このような条件は一般カード52だけに採用しても良い。
【0106】
セルフ運用する場合でも従業員操作によるPOS端末や精算機といった端末は別途設けられ、受付条件を満たさないカードはセルフ運用の端末では排出されるので、従業員操作によるPOS端末や精算機と端末にて処理する。
【0107】
セルフ運用する場合、入金残高及び貯玉や持玉のうち一方がないこと(「0」又は所定数以下であること)を受付条件とすることも可能であるが、そのような受付条件を設定しない場合に、入金残高がない会員カード51や一般カード52を受け付けた場合には、入金残高の精算をキャンセルして交換処理を行えば良く、貯玉がない会員カード51を受け付けた場合や持玉がない一般カード52を受け付けた場合には、入金残高を精算して交換処理を行わずに終了すれば良い。
【0108】
セルフ運用する場合、休憩状態とした会員カード51や一般カード52をセルフ運用のPOS端末28では受け付けずに排出し、休憩状態である旨を報知する。一方、休憩状態とした会員カード51や一般カード52を従業員操作によるPOS端末にて受け付けた場合には休憩状態を解除した上で受け付けて景品交換対象とする。この場合、休憩状態とした会員カード51や一般カード52を従業員操作による精算機でも休憩状態を解除した上で受け付けて入金残高の精算対象としても良い。
【0109】
セルフ運用する場合、複数種別の貯玉が記録された会員カード51や複数種別の持玉が記録された一般カード52の受け付けも可能であるが、交換処理自体は1種別ずつ行い、1つ目の種別の交換処理が完了した後に当該会員カード51や一般カード52が精算機27のカード挿入口33に再度挿入されることで次の種別の交換処理を実行する。
【0110】
精算機27にて払い出された紙幣の抜き取りを検知したことを条件として交換操作を許容したが、硬貨を払い出した場合は、硬貨の抜き取りを検知することが難しいので、払い出し後から所定期間が経過したことを条件として交換操作のような次の処理を許容しても良い。又、払い出した貨幣が紙幣か硬貨かにより上記を使い分けても良いし、硬貨返却口35に硬貨の抜き取りを検知するセンサを設けても良い。
【0111】
一般カード運用処理において、入金残高と持玉との両方を全て精算した場合に回収条件が成立したとして一般カード52を回収することを例示したが、例えば入金残高や持玉が基準値(例えば持玉30玉)に達していない場合に回収条件が成立したとして一般カード52を回収しても良い。
【0112】
一般カード運用処理において、遊技者の中には端玉景品を希望しない遊技者も存在するので、余り玉選択処理画面404にて「余り玉を放棄する」ボタンを設け、当該ボタンの操作により回収条件が成立したとして一般カード52を回収しても良い。この場合、余り玉は回収対象として計上される。
【0113】
POS端末28において会員カード51がICリーダー48にタッチされることで取り込まれない状態で当該会員カード51から情報を読み取るようにしたが、POS端末28にカード挿入口に設け、精算機27と同様に、会員カード51がカード挿入口に挿入されることで取り込まれた状態で当該会員カード51から情報を読み取るようにしても良い。又、精算機27にICリーダーを設け、POS端末28と同様に、会員カード51や一般カード52がICリーダーにタッチされることで取り込まれない状態で当該会員カード51や一般カード52から情報を読み取るようにしても良い。
【0114】
以上に説明した本実施形態によれば、次のような作用効果を得ることができる。
遊技場用システムにおいて、遊技者の休憩中に新たなカードの受付や入金等を抑制する休憩中抑制処理を、従業員操作を伴う従業員排出処理に応じて開始し、従業員排出処理に応じて排出された会員カード51や一般カード52を、従業員操作を伴うことなく受け付けることで終了するので、休憩開始時は従業員操作により会員カード51や一般カード52を排出し、休憩終了時は当該会員カード51や一般カード52を遊技者が受け付けさせることで遊技可能となり、休憩終了時の確認を省略可能とすることで従業員の負担を軽減することができる。又、一人の遊技者が何回も休憩を利用する、或いは休憩しないにも拘らず遊技機1の確保のために休憩処理を利用するといった不正使用を防止可能となる。
【0115】
休憩開始する際に、従業員操作を条件とするセミセルフ休憩と、従業員操作を条件としないセルフ休憩とを設定可能とするので、遊技場のニーズに応じて適切な休憩処理を提供可能となる。
【0116】
従業員操作により休憩開始する場合に、カードに入金残高及び貯玉や持玉のうち少なくとも一方が基準値に達していることを条件とするので、所謂一般カード52のような入金残高や持玉が対応付けられるカードをキーとした運用が可能となり、一般カード52が持ち去られても対応付けられた入金残高や持玉により補填可能となる。
【0117】
休憩中の会員カード51や一般カード52を精算処理や交換処理の対象とすることを抑制するので、休憩中の会員カード51や一般カード52を誤って回収してしまう虞が軽減され、遊技機1が休憩状態のまま放置されることを防止課可能となる。
【0118】
休憩時間の異なる複数の休憩処理が設けられ、休憩開始操作を、一方の休憩処理は従業員操作を条件としたセミセルフ休憩とする一方、他方の休憩処理は従業員操作を条件としないセルフ休憩とするので、一人の遊技者が何回も利用することで大きな被害が生ずるような例えば食事休憩にて例示した休憩時間が比較的長い休憩処理は従業員を介して利用する一方、余り被害が生じないトイレや喫煙等の休憩にて例示した比較的短い休憩処理は従業員を介さずに利用することができ、遊技者の利便性を保ったまま、不正使用による被害を軽減可能となる。
【0119】
遊技者から提示された会員カード51が受け付けられたことを条件として精算機27が精算処理を実行し、当該精算処理の対象となる会員カード51は、取り込まれることで受け付けられた後、POS端末28における交換操作が行われる前に排出され、その後、交換操作に応じて会員カード51が遊技者から再提示されたことを条件として景品払出装置29が景品払出処理を実行するので、セルフ交換方式において入金残高の精算や景品交換後に返却する必要のある会員カード51を遊技者が持ち忘れてしまう虞を軽減可能となる。
【0120】
会員カード51を精算機27から排出した後に、その排出した会員カード51が当該精算機27から取り出された旨を検知したことを条件として精算処理を実行するので、入金残高の精算と景品交換との区切りとして会員カード51の取り出しを印象付けることができ、会員カード51を遊技者が持ち忘れてしまう虞をより適切に軽減可能となる。
【0121】
払い出された紙幣が精算機27から取り出された旨が検知されたこと、及び貨幣の払い出しから所定期間が経過した旨が検知されたことのうち少なくとも一方を条件として交換操作を許容するので、紙幣が取り出されるまで待った上で交換操作が許容され、例えば払い出された紙幣を遊技者が財布に入れ、それから交換操作を行えるといったように、遊技者に余裕を持って操作させられるようになり、余計な負担を遊技者に与えてしまう虞を軽減可能となる。
【0122】
入金残高を精算するための会員カード51の受け付けは精算機27にて行い、POS端末28において会員カード51を受け付けることなく交換操作を許容するが、交換操作に応じた会員カード51の再提示はPOS端末28にて行うので、精算機27とPOS端末28とを操作する際に移動する必要がある場合、交換操作時の会員カード51の提示を控えることが可能となる。又、会員カード51を持たない不正者により景品交換が行われてしまう虞を低減しつつ、移動する必要性も軽減可能となる。
【0123】
貯玉については会員カード51に記録されずに管理装置6にて対応付けられて管理され、入金残高を精算するための会員カード51の受け付けは当該会員カード51を取り込んで行う一方、交換操作に応じた会員カード51の再提示は当該会員カード51を取り込むことなく行われるので、会員カード51の持ち忘れを軽減可能となる。更に不正者を考慮して会員カード51の再提示を遊技者に求めたとしても、会員カード51を取り込まないことから当該会員カード51を遊技者が持ち忘れてしまう虞を軽減可能となる。
【0124】
払い出された紙幣が精算機27から取り出された旨が検知されたこと、及び貨幣の払い出しから所定期間が経過した旨が検知されたことのうち少なくとも一方を条件として交換操作を許容し、交換処理が実行されることに応じて予め設定される回収条件が成立すると、受け付けた一般カード52を精算機27にて回収するので、紙幣が取り出されるまで待った上で交換操作が許容される。したがって、例えば、払い出された紙幣を遊技者が財布に入れ、それから交換操作を行えるといったように、遊技者に余裕を持って操作させられるようになると共に、回収条件が成立して返却する必要がなくなった一般カード52を遊技者に取り出させる手間を不要とし、余計な負担を遊技者に与えてしまう虞を軽減可能となる。
【0125】
交換処理に応じて回収条件が成立した場合に、一般カード52を回収して交換処理に応じた景品を景品払出装置29から払い出すので、景品を払い出すためには回収条件を成立させる必要性が生じ、セルフ運用においても回収条件が成立するような交換操作を遊技者に行わせることができる。
【0126】
交換処理に応じて回収条件が成立しなかった場合に、一般カード52を精算機27から排出し、一般カード52が精算機27から取り出された旨が検知されたことを条件として交換処理に応じた景品を景品払出装置29から払い出すので、回収条件が成立せず一般カード52を返却する必要がある場合には一般カード52を取り出す必要性が生じ、景品交換に気を取られた遊技者であっても返却された一般カード52を持ち忘れてしまう虞を軽減可能となる。
【0127】
一般カード52を精算機27にて受け付けて入金残高の精算と景品交換とを行い、残玉が生じて会員カード51に貯玉する場合には、会員カード51をPOS端末28に提示することで一般カード52を回収するので、交換操作を行っている遊技者が精算機27に戻って会員カード51を提示する必要性を低減すると共に、貯玉先となる会員カード51を特定した上で一般カード52を回収することで確実性の高い貯玉処理が可能となる。
【0128】
精算機27とPOS端末28とを接続するか否かを設定可能であり、精算機27とPOS端末28とを接続しない設定の場合には貨幣を受付ける入金処理を可能とする一方、接続する設定の場合には当該入金処理を抑制するので、POS端末28と接続しない単独運用の場合、入金残高があれば精算、なければ入金といった処理も可能である。一方、POS端末28と接続する接続運用の場合、入金残高がなくとも景品交換を望む遊技者もおり、入金か景品交換かを指定する必要性が生じ、その操作を行わないと景品交換に進めなくなり、操作が煩雑化する虞があるが、入金処理を抑制することで入金残高がなければそのまま景品交換が行えるようになり、そのような虞を軽減可能となる。
【0129】
会員カード51が受け付けられると、当該会員カード51に対応する安心ロック用の暗証番号と会員登録時の暗証番号との両者が一致しない場合には双方の受付を条件とする一方、両者が一致する場合には何れか1回分の暗証情報の受付を条件として、精算処理や交換処理を許容するので、会員登録時の暗証番号と安心ロック用の暗証番号とが異なることが可能であっても適切に対応可能となる。
【0130】
安心ロック用の暗証番号と会員登録時の暗証番号とが一致しない会員カード51を受け付けた場合には、安心ロック用の暗証番号と会員登録時の暗証番号とを予め指定される受付順序により受け付けるので、受付順序を考慮する必要性が生じ、セキュリティ性を高めることが可能となる。
【0131】
安心ロック用の暗証番号と会員登録時の暗証番号とが一致しない会員カード51を受け付けた場合には、安心ロック用の暗証番号と会員登録時の暗証番号との受付順序を予め指定せずに受け付け、受け付けた暗証番号が何れか一方の暗証番号に対応する場合には他方の暗証番号の受付を許容するので、遊技者が受付順序を気にすることなく暗証番号を入力可能となり、複数の暗証番号によるセキュリティ性を保ったまま利便性を高めることが可能となる。
【0132】
会員カード51の発行を抑制する場合に、安心ロック用の暗証番号と会員登録時の暗証番号との照合結果を特定可能な報知を行うので、遊技者に安心ロックする際に異なる暗証番号を登録した旨を再確認させることが可能となる。
【0133】
精算機27とPOS端末28とを接続する場合には、精算機27にて受け付けた会員カード51によりPOS端末28での交換操作を許容し、交換処理を伴うか否かに関わらず暗証番号の入力を条件として精算処理を許容する一方、精算機27とPOS端末28とを接続しない場合には、暗証番号を入力することなく精算処理を許容するので、システム上の構成を簡素化しつつもセキュリティ性を高く保つことが可能となる。
【0134】
精算機27とPOS端末28とを接続する場合には、精算機27にて受け付けた会員カード51によりPOS端末28での交換操作を許容し、交換処理を伴わずに入金残高を精算する場合には暗証番号の入力を条件とせずに精算処理を許容する一方、交換処理を伴う場合には暗証番号の入力を条件として精算処理を許容するので、暗証番号を入力させる必要性を軽減し、遊技者の利便性を高めることが可能となる。
【0135】
本発明は、前述した実施形態に限定されることなく、次のように変形又は拡張することができる。又、例示した構成は変形例も含め、どのように組み合わせても良いし、適宜採用しない構成としても良い。
【0136】
精算機27では、入金残高があるときには必ず精算処理を実行するようにしたが、遊技者による選択に応じて精算処理を行わず、持玉情報をPOS端末28に送信することで景品交換のみを行えるように構成しても良い。この場合、交換処理に応じて一般カード52に記録されている持玉情報を更新する必要があるので、POS端末28から交換処理終了時の持玉情報を受信し、一般カード52の持玉情報を書き換えて返却する構成となる。
【0137】
会員カード51や一般カード52が精算機27にて取り込まれて受け付けられる構成に限らず、会員カード51や一般カード52がPOS端末28にて取り込まれて受け付けられる構成でも良い。又、精算機27及びPOS端末28の両方で会員カード51や一般カード52を受け付け可能とし、会員カード51や一般カード52を受け付ける対象を遊技者が選択可能としても良い。又、会員カード51や一般カード52を受け付ける専用の機器を、精算機27やPOS端末28とは別に設けても良い。
従来と同様、従業員操作による景品交換カウンタを別途設けても良い。
【0138】
POS端末28及び景品払出装置29は一つの筐体31に収納、或いは載置されて一体的に構成されている構成を例示したが、精算機27を加え、精算機27、POS端末28及び景品払出装置29が一つの筐体に収納、或いは載置されて一体的に構成されていても良い。
端玉景品はバイキング方式で遊技者自らが好みの景品を自由に持ち帰るようにしたが、従業員が遊技者の希望に応じて手渡すようにしても良く、どのように提供しても良い。
景品の種類を特殊景品と端玉景品の2種類のみとしたが、端玉景品とは別の景品を用意しても良い。
【0139】
特殊景品の種類は本実施形態に限定されず、どのような形態や金額であっても良い。又、端玉景品の種類も同様に、どのような形態や金額の景品であっても良い。
端玉景品についても特殊景品と同様に自動で払い出す構成としても良い。
遊技媒体の貸出単価は、規則で定められた範囲内で遊技場側が任意に設定することができる。
貨幣価値として紙幣や硬貨といった現金を受け付ける構成を例示したが、電子マネーのような現金以外の貨幣価値を受付対象としても良い。
【0140】
各設定値は管理者が任意に操作入力により設定しても、予め管理装置6の製造メーカにて設定しても、外部サーバから設定情報をダウンロードして設定しても良い。尚、この場合もサーバにて操作入力により入力された設定値となる。又、過去の交換状況を示すような遊技情報を基準値として設定しても勿論良い。
禁止することで抑制することを例示したが、例えばセルフ運用にて従業員の承認を得ることや、特別な操作を行うことで抑制するといったように必ずしも禁止しなくとも良い。
【0141】
例示した全ての遊技情報は入力した信号により直接的に特定しても演算式を利用して間接的に特定しても良い。又、遊技信号としてパルス信号を例示したがシリアル通信等による信号入力としても良い。
【0142】
数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用しても良い。又、識別出力についても例示した以外に記号を付ける等、どのような出力態様としても良く、出力としては印字、表示出力が少なくとも想定される。
【0143】
以上と超過についてはどちらを採用しても良く「達した」等の表現は以上となったこと、或いは超過したことの何れにも対応する表現となる。以下と未満についても同様で、「達していない」等の表現は双方に対応する表現となる。
【0144】
対象となる遊技機としては遊技媒体をデータのみで管理する所謂封入式等の例示したパチンコ遊技機以外のパチンコ遊技機やスロットマシン等も採用できる。尚、所謂封入式のように遊技媒体を払い出さない遊技機を考慮して遊技媒体は必要に応じて遊技価値と表現する。
【0145】
管理装置6が行う処理の一部を精算機27、或いはPOS端末28等にて行っても良く、どのように構成しても良い。更に例示した構成は変形例も含めて、どのように組み合わせても良いし、適宜、採用しない構成を設けても良い。
【符号の説明】
【0146】
図面中、2は遊技機装置(抑制開始手段、抑制終了手段、設定手段)、6は管理装置(管理手段、照合手段)、27は精算機(記録媒体受付手段、暗証情報受付手段、発行抑制手段、第1許容手段、第2許容手段、第3許容手段、第4許容手段、報知手段)、28はPOS端末(景品交換装置)、29は景品払出装置、51は会員カード(会員記録媒体)、52は一般カード(一般記録媒体)である。