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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022093061
(43)【公開日】2022-06-23
(54)【発明の名称】巾着を備えたトートバッグ型収納袋
(51)【国際特許分類】
   A45B 25/24 20060101AFI20220616BHJP
   A45C 13/00 20060101ALI20220616BHJP
   A45C 13/02 20060101ALI20220616BHJP
   A45C 7/00 20060101ALI20220616BHJP
【FI】
A45B25/24 C
A45C13/00 D
A45C13/02 A
A45C7/00 J
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020206142
(22)【出願日】2020-12-11
(71)【出願人】
【識別番号】509296683
【氏名又は名称】株式会社ワールドパーティー
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】角谷 圭一朗
【テーマコード(参考)】
3B045
3B104
【Fターム(参考)】
3B045AA53
3B045AA54
3B045CA01
3B045CE07
3B045CE08
3B045CE09
3B045DA00
3B045EA02
3B045FA01
3B045FC04
3B045FC08
3B045FC10
3B045GA01
3B045GB01
3B045GC01
3B045GD01
3B045JA02
3B045JC07
3B104WA00
3B104WB07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】使用後雨に濡れた折り畳み傘が、完全に折り畳まれない広がった状態であっても収納でき、使用後の折り畳み傘を室内に持ち込んだりカバンに収納することを可能にし、且つ乾燥した状態のきれいに折り畳んだ折り畳み傘に対しても収納袋として機能する折り畳み傘収納袋を提供する。
【解決手段】上部に開口を備え、折り畳み可能な素材で形成された袋部3と、底を抜いた巾着袋である封止部4と、袋部の表面に取り付けられた係合手段15と、持ち手16とを備える、巾着を備えたトートバッグ型収納袋1であって、前記封止部において前記底を抜いた巾着袋の開放端部は、前記袋部の内側に、前記開口の周に沿って固着され、前記係合手段は、袋部を折り畳んだ第1の状態において係合し、袋部を折り畳まない第2の状態において脱離し、前記持ち手は、袋部の開口部に備えられる、ことを特徴とする、巾着を備えたトートバッグ型収納袋。
【選択図】図2(a)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に開口を備え、折り畳み可能な素材で形成された袋部と、底を抜いた巾着袋である封止部と、袋部の表面に取り付けられた係合手段と、持ち手とを備える、
巾着をそなえたトートバッグ型収納袋であって、
前記封止部において前記底を抜いた巾着袋の開放端部は、前記袋部の内側に、前記開口の周に沿って固着され、
前記係合手段は、袋部を折り畳んだ第1の状態において係合し、袋部を折り畳まない第2の状態において脱離し、
前記持ち手は、袋部の開口に備えられる、
ことを特徴とする、巾着をそなえたトートバッグ型収納袋。
【請求項2】
前記袋部および前記封止部は防水又は撥水加工された、あるいは防水素材又は撥水素材よりなることを特徴とする、請求項1に記載の巾着をそなえたトートバッグ型収納袋。
【請求項3】
前記封止部において前記底を抜いた巾着袋の開放端部は、該巾着袋の巾着部分が前記袋部の底部を向くように備えられることを特徴とする、請求項1または2に記載の巾着をそなえたトートバッグ型収納袋。
【請求項4】
前記係合手段は、紐、ボタン、スナップ、クリップ、ファスナーあるいは面ファスナーからなる群から選択される一種または二種以上であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の巾着をそなえたトートバッグ型収納袋。
【請求項5】
前記巾着をそなえたトートバッグ型収納袋は、折り畳み傘収納用であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の巾着をそなえたトートバッグ型収納袋。
【請求項6】
巾着をそなえたトートバッグ型収納袋の製造方法であって、
折り畳み可能な素材で上部に開口を備えた前記袋部を形成する袋部形成工程と、
底を抜いた巾着袋の開放端部を、前記袋部の内側に前記開口の周に沿って縫着し、封止部を形成する封止部形成工程と、
前記開口に持ち手を形成する持ち手形成工程と、
前記袋部を折り畳んだ第一の状態において係合し、袋部を折り畳まない第二の状態において脱離する前記係合手段を前記袋部に固定することで前記係合手段を接合する接合工程と、
を含む、巾着をそなえたトートバッグ型収納袋の製造方法。
【請求項7】
前記封止部形成工程において、前記底を抜いた巾着袋の開放端部を、該巾着袋の巾着部分が前記袋部の底部を向くように縫着する工程を含む、請求項6に記載の巾着をそなえたトートバッグ型収納袋の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巾着を備えたトートバッグ型収納袋に関する。
【背景技術】
【0002】
折り畳み傘を使用し傘を折り畳んだ後、室内に持ち込むとき室内の床を濡らしたり、カバンなどに収納するとき雨水に濡れた生地部がカバンの内部に接触しカバンの内部を濡らす問題があった。
【0003】
長い傘を収納できる傘立ては広く普及し、多くの建物に備えられているので、長い傘であれば、建物に入る前に傘立てに収納して、傘を室内に持ち込まないようにすることが可能である場合が多い。しかし、折り畳み傘を収納できる傘立ては広く普及していないため、多くの建物には備えられていない。したがって、使用後雨に濡れた折り畳み傘を室内に持ち込まないようにする、または周りのものを濡らさず室内に持ち込んだりカバンに収納することは困難である場合が多い。
【0004】
また、店舗等の入口には、濡れた傘を収容するための使い捨ての傘袋として、薄く細長いビニール袋が用意され、多くの人はこれを利用している。ところが、この使い捨ての傘袋もまた、長傘用に作られたものであり、折り畳み傘の収容については全く考慮されていない。即ち、使用直後濡れたままの畳み切れていない状況において、傘全体が広がった状態であるため、前記傘袋に収容することができないという問題があった。また、折り畳み傘に通常付属している傘袋は、折り畳み傘をきれいに折り畳んだ状態で収容するように作られているため、使用直後濡れたままの畳み切れていない、即ち広がった状態の傘を収容するのは困難であった。
【従来技術】
【0005】
従来、周りのものを濡らさぬように折り畳み傘を室内に持ち込む傘袋として、下記特許文献1および特許文献2に記載の傘袋が公知である。
【0006】
特許文献1に記載の傘袋は、防水性のもので口の広い袋状のものをつくり、袋の口は前後高さに差をつけ、段違いにした口の部分の高い方の裏に面ファスナーの凹凸の一方を、段違いにした口の部分の高い方の表に面ファスナーの凹凸の他方を縫い付けて固定することで、使用直後濡れたままの畳み切れていない折り畳み傘であっても、袋の広い口から導入し、短時間で丸めて収納できるようにした折りたたみ傘用袋である。
【0007】
このような構成を採用することで、使用直後折り畳み傘がどんなに広がっていても、袋の広い口からすぐに入れられ、袋の口の表と裏につけてある面ファスナーによってくるくると丸めれば短時間で簡単にコンパクトな筒状の収納状態になるという有利な効果があると記載されている。
【0008】
しかしながら、特許文献1に係る発明は、傘を収納した後、面ファスナーを袋の口に沿って端から端まで確実に接触させないと完全に袋の口を封止することが出来ず、袋の口の封止に時間と手間がかかった。袋の口の封止が不確実であると、水漏れを起こしたり、濡れた傘が袋から飛び出たりする可能性がある。さらに、特許文献1に係る発明は、乾燥した状態のきれいに折り畳んだ折り畳み傘の収納に関しては何の機能も有しておらず、傘用袋は、常に折り畳み傘本体とは別々に携帯する必要があった。したがって、折り畳み傘の使用後に、いざ濡れた傘を収納しようとしたとき、収納すべき袋が見当たらないといった不便が生じる可能性がある。
【0009】
特許文献2には、折り畳み傘を収容するための開口部が形成され、前記開口部側に持ち手部を有する袋体と、前記袋体の側端部において前記開口部から袋体の縦方向に沿って設けられたスライドファスナーと、前記スライドファスナーを開くことによって広がる襠部とを備え、前記開口部は、前記襠部が広がることによって、より大きく開口する折り畳み傘の傘袋が開示されている。使用直後濡れたままの畳み切れていない折り畳み傘を袋体の中に収容後、締め紐を、折り畳み傘を内包する袋体に巻きつけることによって、袋体の中でしっかりと折り畳み傘を固定した状態で携帯することができる。
【0010】
特許文献2に係る発明は、使用直後濡れたままの畳み切れていない折り畳み傘において、傘全体が広がっていても、傘袋にすばやく収容することが可能である。しかし、傘袋の封止は、締め紐を、折り畳み傘を内包する袋体に巻きつけるだけであるため、巻きつけ方が緩く封止が不確実であると、水漏れを起こしたり濡れた傘が袋から飛び出る可能性がある。さらに、特許文献2に係る発明は、乾燥した状態のきれいに折り畳んだ折り畳み傘の収納に関しては何の考慮もされておらず、傘用袋を折り畳み傘本体とは別々に携帯する必要があった。したがって、折り畳み傘の使用後に、いざ濡れた傘を収納しようとしたとき、収納すべき袋が見当たらないといった不便が生じる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特許第4938825号公報
【特許文献2】実用新案登録第3125929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の課題は、使用後雨に濡れた折り畳み傘が、完全に折り畳まれない広がった状態であっても収納でき、袋の口をすばやく簡単に完全に封止することができ、使用後に折り畳み傘に付着した水滴が周りのものを濡らさないようにして、使用後の折り畳み傘を室内に持ち込んだりカバンに収納することを可能にし、且つ乾燥した状態のきれいに折り畳んだ折り畳み傘に対しても収納袋として機能することで、常に折り畳み傘とともに携帯される巾着を備えたトートバッグ型収納袋を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1による発明は、上部に開口を備え、折り畳み可能な素材で形成された袋部と、底を抜いた巾着袋である封止部と、袋部の表面に取り付けられた係合手段と、持ち手とを備える、巾着をそなえたトートバッグ型収納袋であって、前記封止部において前記底を抜いた巾着袋の開放端部は、前記袋部の内側に、前記開口の周に沿って固着され、前記係合手段は、袋部を折り畳んだ第1の状態において係合し、袋部を折り畳まない第2の状態において脱離し、前記持ち手は、袋部の開口に備えられる、ことを特徴とする、巾着をそなえたトートバッグ型収納袋に関する。
【0014】
請求項2による発明は、前記袋部および前記封止部は防水又は撥水加工された、あるいは防水素材又は撥水素材よりなることを特徴とする、請求項1に記載の巾着をそなえたトートバッグ型収納袋に関する。
【0015】
請求項3による発明は、前記封止部において前記底を抜いた巾着袋の開放端部は、該巾着袋の巾着部分が前記袋部の底部を向くように備えられることを特徴とする、請求項1または2に記載の巾着をそなえたトートバッグ型収納袋に関する。
【0016】
請求項4による発明は、前記係合手段は、紐、ボタン、スナップ、クリップ、ファスナーあるいは面ファスナーからなる群から選択される一種または二種以上であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の巾着をそなえたトートバッグ型収納袋に関する。
【0017】
請求項5による発明は、前記巾着をそなえたトートバッグ型収納袋は、折り畳み傘収納用であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の巾着をそなえたトートバッグ型収納袋に関する。
【0018】
請求項6による発明は、巾着をそなえたトートバッグ型収納袋の製造方法であって、折り畳み可能な素材で上部に開口を備えた前記袋部を形成する袋部形成工程と、底を抜いた巾着袋の開放端部を、前記袋部の内側に前記開口の周に沿って縫着し、封止部を形成する封止部形成工程と、前記開口に持ち手を形成する持ち手形成工程と、前記袋部を折り畳んだ第一の状態において係合し、袋部を折り畳まない第二の状態において脱離する前記係合手段を前記袋部に固定することで前記係合手段を接合する接合工程と、を含む、巾着をそなえたトートバッグ型収納袋の製造方法に関する。
【0019】
請求項7による発明は、前記封止部形成工程において、前記底を抜いた巾着袋の開放端部を、該巾着袋の巾着部分が前記袋部の底部を向くように縫着する工程を含む、請求項6に記載の巾着をそなえたトートバッグ型収納袋の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0020】
本発明の請求項1に係る発明によれば、上部に開口を備え、折り畳み可能な素材で形成された袋部と、底を抜いた巾着袋である封止部と、袋部の表面に取り付けられた係合手段と、持ち手とを備える、巾着をそなえたトートバッグ型収納袋であって、前記封止部において前記底を抜いた巾着袋の開放端部は、前記袋部の内側に、前記開口の周に沿って固着されてなる構成を有しているので、巾着の紐が緩んだ状態で使用直後濡れたままの畳み切れていない折り畳み傘を巾着の入口から入れ、巾着の入口を封止することで、折り畳み傘は袋の外部から隔絶された状態で袋部に保存される。巾着の入口は、広く開放されているので、折り畳み傘が、完全に折り畳まれず広がった状態であっても収納できる。巾着の入口の封止は、巾着両端の紐を紐が停止する状態になるまで引っぱるという極めて明確な操作によるので、該操作に中間位置はなく、非常にすばやく実行されうるので、操作ミスにより封止が中途半端となって未封止部から水漏れが生じたり、濡れた傘が飛び出すことはないという効果を奏する。
【0021】
係合手段は、袋部を折り畳んだ第1の状態において係合し、袋部を折り畳まない第2の状態において脱離する。前記第1の状態において、折り畳み傘は袋部にぴったりと内包されるサイズとなるように、本発明に係る巾着を備えたトートバッグ型収納袋の袋部のサイズと係合手段の位置は設計されてもよい。こうすることにより、前記収納袋は、乾燥した状態できれいに折り畳まれた折り畳み傘の収納袋として使用されることが可能になる。前記収納袋は、折り畳み傘と常に一緒に携帯されることになるので、折り畳み傘の使用後に、いざ濡れた傘を収納しようとしたとき、大変便利である。
【0022】
請求項2による発明によれば、前記袋部および前記封止部は防水又は撥水加工された、あるいは防水素材又は撥水素材よりなるので、使用後に収納された折り畳み傘からの水滴が、本発明に係る巾着を備えたトートバッグ型収納袋の外部に漏れることはない。
【0023】
請求項3による発明によれば、前記封止部において前記底を抜いた巾着袋の開放端部は、該巾着袋の巾着部分が前記袋部の底部を向くように備えられる。よって、本発明に係る巾着を備えたトートバッグ型収納袋を乾燥した状態できれいに折り畳まれた折り畳み傘の収納に用いるとき、もしくは折り畳み傘の収納以外の目的で用いるときには、巾着袋からなる封止部の巾着が袋部の上方向外部に飛び出して、使用の妨げとなることはない。
【0024】
請求項4による発明によれば、前記係合手段は、紐、ボタン、スナップ、ファスナー(あるいは面ファスナー)、クリップからなる群から選択される一種または二種以上である。これらは簡単に係合および脱離することができる。本操作により、本発明に係る巾着を備えたトートバッグ型収納袋のサイズを簡単に変えることができ、該収納袋を、袋部を折り畳まない第2の状態から、袋部を折り畳んだ第1の状態に、簡単に変化させることができる。第2の状態においては、該収納袋を使用後における折り畳み傘の収納に、第1の状態においては、該収納袋を乾燥した状態できれいに折り畳まれた折り畳み傘の収納に供することができる。該収納袋は、折り畳み傘と常に一緒に携帯されることになるので、折り畳み傘の使用後に、いざ濡れた傘を収納しようとしたとき、大変便利である。
【0025】
請求項5による発明によれば、前記巾着を備えたトートバッグ型収納袋は、折り畳み傘収納用であるので、折り畳み傘を好適に収納することが可能になる。
【0026】
請求項6による発明によれば、巾着の紐が緩んだ状態で使用直後濡れたままの畳み切れていない折り畳み傘を巾着の入口から入れ、巾着の入口を封止することで、折り畳み傘は袋の外部から隔絶された状態で袋部に保存され、巾着の入口の封止は、巾着両端の紐を紐が停止する状態になるまで引っぱるという極めて明確な操作によるので、操作ミスにより封止が中途半端となって未封止部から水漏れが生じたり、濡れた傘が飛び出すことはなく、さらに該操作は非常にすばやく実行される巾着を備えたトートバッグ型収納袋を好適に製造することができる。
【0027】
さらに、巾着を備えたトートバッグ型収納袋の袋部のサイズと係合手段の位置が、前記第1の状態において、折り畳み傘が袋部にぴったりと内包されるサイズとなるように設計されるので、乾燥した状態できれいに折り畳まれた折り畳み傘の収納袋として用いられる巾着を備えたトートバッグ型収納袋を好適に製造することができる。
【0028】
請求項7による発明によれば、前記封止部において前記底を抜いた巾着袋の開放端部は、該巾着袋の巾着部分が前記袋部の底部を向くように固着されるので、本発明に係る巾着を備えたトートバッグ型収納袋を、乾燥した状態できれいに折り畳まれた折り畳み傘の収納に用いるとき、もしくは折り畳み傘の収納以外の目的で用いるときには、巾着袋からなる封止部の巾着が袋部の上方向外部に飛び出して、使用の妨げとなることはない巾着を備えたトートバッグ型収納袋を好適に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1(a)】図1(a)は、本発明に係る巾着を備えたトートバッグ型収納袋において、封止部が袋部に収納された状態Aを示す正面図である。
図1(b)】図1(b)は、本発明に係る巾着を備えたトートバッグ型収納袋において、封止部が袋部に収納された状態Aの断面を示す概念図である。
図2(a)】図2(a)は、本発明に係る巾着を備えたトートバッグ型収納袋において、封止部が袋部から突出した状態Bを示す正面図である。
図2(b)】図2(b)は、本発明に係る巾着を備えたトートバッグ型収納袋において、封止部が袋部から突出した状態Bの断面を示す概念図である。
図3図3は、本発明に係る巾着を備えたトートバッグ型収納袋において、封止部が袋部から突出し、且つ封止部を構成する巾着袋の巾着部分が封止された状態Cを示す正面図である。
図4図4の(a)は、乾燥した状態できれいに折り畳まれた折り畳み傘を袋部に投入する状態を示す概念図である。図4の(b)は、乾燥した状態できれいに折り畳まれた折り畳み傘が袋部に収納される状態を示す概念図である。
図5図5は、使用前または使用後の折り畳み傘を収納した、巾着を備えたトートバッグ型収納袋を人が携帯する様子を示す概念図である。
図6図6は、本発明に係る巾着を備えたトートバッグ型収納袋の製造方法を示す概念図であって、(a)は、折り畳み可能な素材で上部に開口を備えた前記袋部と、底を抜いた巾着袋を説明する概念図であり、(b)は、底を抜いた巾着袋の開放端部が、前記袋部の内側に前記開口の周に沿って縫着され、封止部を形成する、封止部形成工程を説明する概念図であり、(c)は、前記開口に持ち手を形成する持ち手形成工程と、係合手段を前記袋部に固定する接合工程を説明する概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明に係る巾着を備えたトートバッグ型収納袋の実施形態について、添付図面を参照しつつ以下に詳細に説明する。
【0031】
[構成]
図1(a)、図1(b)、図2(a)、図2(b)および図3に本発明に係る巾着を備えたトートバッグ型収納袋(1)を例証する。
【0032】
図1(a)、図1(b)、図2(a)、図2(b)および図3を参照すると、本発明に係る巾着を備えたトートバッグ型収納袋(1)は、上部に開口(2)を備え折り畳み可能な素材で形成された袋部(3)と、底を抜いた巾着袋である封止部(4)を備える。
【0033】
袋部(3)は、左右の端部(6)および底部(7)が接合されている2つの面体からなる。上部は接合がなく開口(2)が設けられている。面体の素材としては、防水布、ビニールなどを好適に使用可能であるが、防水性又は撥水性があって折り畳み可能な素材であれば、これらの素材に限定されない。例えば和紙に柿渋を塗布し和傘のように撥水性をもたせるようにしたものも採用することができる。
【0034】
封止部(4)において前記底を抜いた巾着袋の開放端部(10)は、袋部(3)の内側に、開口(2)の周に沿って固着されている。封止部(4)の素材としては、防水布、ビニールなどを好適に使用可能であるが、防水性があって折り畳み可能な素材であれば、これらの素材に限定されない。
【0035】
なお、本実施形態においては、該巾着袋の開放端部(10)は、袋部(3)の内部の開口(2)の近傍に取り付けられているが、袋部(3)の内部であれば、開口(2)の近傍から底部までの任意の場所に取り付けられても良い。
【0036】
袋部(3)の中にさらに袋部を設ける、封止部(4)の中にさらに封止部を設けると、全体として防水性が高まることは言うまでもない。
【0037】
さらに、本発明に係る巾着を備えたトートバッグ型収納袋(1)は、袋部(3)の表面に取り付けられた係合手段(15)を備える。該係合手段(15)は、袋部(3)を折り畳んだ第1の状態において係合し、袋部(3)を折り畳まない第2の状態において脱離する。
【0038】
紐状あるいは帯状の持ち手(16)は、袋部の開口(2)に備えられている。
【0039】
[作用]
図1(a)は、本発明に係る巾着を備えたトートバッグ型収納袋(1)において、封止部(4)が袋部(3)に収納された状態Aを示す正面図である。
【0040】
図1(b)は、上記状態Aの断面を示す図である。封止部(4)を構成する巾着袋の開放端部(10)は、該巾着袋の巾着部分(11)が前記袋部(3)の底部(7)を向くように、袋部(3)の開口(2)の周に沿って固着されているので、巾着袋を折り曲げない自然な状態であれば、封止部(4)は袋部(3)に自ずと収納される。
【0041】
図2(a)は、本発明に係る巾着を備えたトートバッグ型収納袋(1)において、封止部(4)が袋部(3)から突出した状態Bを示す正面図である。
【0042】
図2(b)は、上記状態Bの断面を示す図である。封止部(4)を構成する巾着袋の巾着部分(11)は、巾着袋を折り曲げない自然な状態であれば、前記袋部(3)の底部(7)を向いているが、該巾着袋の開放端部(10)に近い折曲部(13)を略180度折り返すことによって、該巾着袋の巾着部分(11)は袋部(3)の開口(2)の方向に向き、且つ袋部(3)の開口(2)から突出する。
【0043】
封止部(4)を構成する巾着袋の巾着部分(11)は、巾着の紐(12)が緩んで開放された状態であるので、該開放された巾着袋の巾着部分(11)を介して使用後の折り畳み傘(20)を袋部(3)の内部に収納することができる(図4(a)参照)。第一に巾着の入口が広く開放されること、第二に巾着が袋部(3)から突出するので袋の収納容積が増えることで、折り畳み傘(20)が、完全に折り畳まれない広がった状態であっても収納できる。
【0044】
図3は、本発明に係る巾着を備えたトートバッグ型収納袋(1)において、封止部(4)が袋部(3)から突出し、且つ封止部(4)を構成する巾着袋の巾着部分(11)が封鎖された状態Cを示す正面図である。巾着袋の巾着部分(11)は紐(12)を引き絞ることにより封鎖される。巾着の入口を封止することで、折り畳み傘(20)は袋の外部から隔絶された状態で袋部(3)に保存される(図4(a)参照)。
【0045】
前記袋部(3)および前記封止部(4)は防水または撥水加工された、あるいは防水または撥水素材よりなるので、使用直後濡れたままの畳み切れていない折り畳み傘(20)からの水滴が、本発明に係る巾着を備えたトートバッグ型収納袋(1)の外部に漏れることはない。したがって、図5に示すように、使用後の折り畳み傘(20)を収納した該収納袋(1)を携帯し、水滴を床等に零すことなく、室内に持ち込むことができる。
【0046】
さらに、本発明に係る巾着を備えたトートバッグ型収納袋(1)は、袋部(3)の表面に取り付けられた係合手段(15)を備える。該係合手段(15)は、袋部(3)を折り畳んだ第1の状態において係合し、袋部(3)を折り畳まない第2の状態において脱離する。該係合手段(15)としては、簡単に係合および脱離することができるものであれば、特定のものに限定されることはないが、例えば、紐、ボタン、スナップ、ファスナー(あるいは面ファスナー)、クリップなどを採用することができる。袋部(3)を折り畳み、係合手段(15)を係合させることで、該収納袋(1)を、簡単に、袋部(3)を折り畳まない第2の状態から、袋部(3)を折り畳んだ第1の状態に変化させることができ、本発明に係る巾着を備えたトートバッグ型収納袋(1)のサイズを簡単に変えることができる。
【0047】
該係合手段(15)が袋部(3)表面に設けられる場所を適切に選定することで、本発明に係る巾着を備えたトートバッグ型収納袋(1)は、図4に示すように、乾燥した状態できれいに折り畳まれた折り畳み傘(20)の収納袋として使用できる。
【0048】
図4の(a)に示すように、乾燥した状態できれいに折り畳まれた折り畳み傘(20)を、石付き部が袋の底部(7)を向くように、そして折り畳み傘(20)の側面が袋部(3)の一方の端部(6)に当接するように、袋の一方の端部(6)に寄せて袋部(3)に投入する。このとき袋部(3)は、折り畳まない第2の状態、且つ巾着が引き出されない状態Aとなっている。
【0049】
次に、図4の(b)に示すように、袋部(3)の他方の端部(6)を180度折り曲げて、袋部(3)の他方の端部(6)に備えられた係合手段(15)を、袋部(3)の一方の端部(6)に備えられた係合手段(15)と係合することで、乾燥した状態できれいに折り畳まれた折り畳み傘(20)は袋部(3)によってピッタリと適合した大きさで包み込まれるように収納される。
【0050】
乾燥した状態できれいに折り畳まれた折り畳み傘(20)が上記のように収納されるためには、袋部(3)の縦長さ、すなわち開口(2)から底部(7)までの長さが、折り畳まれた状態の折り畳み傘(20)の長さに略等しく、袋部(3)の横幅は、折り畳み傘(20)の横幅の略2倍の寸法とするのが望ましい。もっとも、略3倍、4倍等の任意の大きさとしても良い。
【0051】
なお、本実施形態では、袋部(3)を横方向に2つ折りにしたとき、乾燥した状態できれいに折り畳まれた折り畳み傘(20)にピッタリと適合した大きさとなるように、袋部(3)のサイズと係合手段(15)の取り付け位置を定めたが、本発明は必ずしもこのような構成に限定されるものではなく、袋部(3)を横方向に3つ折り、あるいは4つ折りにしたとき折り畳み傘(20)にピッタリと適合した大きさとなるように、袋部(3)のサイズと係合手段(15)の取り付け位置を定めてもよい。
【0052】
2つ折りの場合には係合手段(15)を袋部(3)の両端側に設けるが、3つ折りの場合は袋部(3)の表面端部と裏側部に設けるのが望ましい。4つ折りの場合は袋部(3)表側の端部と、裏側の4つ折り該当部に設けるのが望ましい。
【0053】
さらに、袋部(3)の縦長さ、すなわち開口(2)から底部(7)までの長さは、折り畳まれた状態の折り畳み傘(20)の長さに必ずしも等しい必要は無く、折り畳まれた状態の折り畳み傘(20)の長さより長くてもよい。
【0054】
乾燥した状態できれいに折り畳まれた折り畳み傘(20)は、図5に示されるように、持ち手(16)を備えた袋部(3)に収納され携帯されてもよい。
【0055】
本発明に係る巾着を備えたトートバッグ型収納袋(1)は、乾燥した状態できれいに折り畳まれた折り畳み傘(20)が収納される機能を具備することで、該収納袋(1)は折り畳み傘(20)と常に一緒に携帯されることになる。折り畳み傘(20)の使用後に、いざ濡れた傘を収納しようとしたとき、大変便利である。
【0056】
[製造方法]
図6は、巾着を備えたトートバッグ型収納袋(1)の製造方法を例証する。
【0057】
図6の(a)は、折り畳み可能な素材で上部に開口(2)を備えた前記袋部(3)と、封止部(4)である底を抜いた巾着袋を説明する概念図である。図中の矢印のように、底を抜いた巾着袋は、C-C´で示される巾着袋の開放端部(10)を有し、該巾着袋の巾着部分(11)が前記袋部(3)の底部(7)を向くように袋部(3)の内部に導入される。
【0058】
次に、図6の(b)に示すように、底を抜いた巾着袋のC-C´で示される開放端部(10)が、前記袋部(3)の内側に前記開口(2)の周D-D´に沿って固着される。固着手段は、縫着、接着、溶着、熱融着など任意の手段であってよい。
【0059】
最後に、図6の(c)に示すように、袋部(3)に袋部(3)を手提げ状態にするための持ち手(16)および係合手段(15)を固着する。固着手段は、縫着、接着、溶着、熱融着など任意の手段であってよい。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、使用後雨に濡れた折り畳み傘が、完全に折り畳まれない広がった状態であっても収納でき、袋の口をすばやく簡単に完全に封止することができ、使用後に折り畳み傘に付着した水滴が周りのものを濡らさないようにして、使用後の折り畳み傘を室内に持ち込んだりカバンに収納することを可能にし、且つ乾燥した状態のきれいに折り畳んだ折り畳み傘に対しても収納袋として機能することで、常に折り畳み傘とともに携帯される巾着を備えたトートバッグ型収納袋として好適に利用される。
【符号の説明】
【0061】
1 巾着を備えたトートバッグ型収納袋
2 開口
3 袋部
4 封止部
10 巾着袋の開放端部
11 巾着袋の巾着部分
15 係合手段
16 持ち手
20 折り畳み傘
図1(a)】
図1(b)】
図2(a)】
図2(b)】
図3
図4
図5
図6