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▶ 平井 博久の特許一覧

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  • 特開-無痕灸灸具 図1
  • 特開-無痕灸灸具 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022093218
(43)【公開日】2022-06-23
(54)【発明の名称】無痕灸灸具
(51)【国際特許分類】
   A61H 39/06 20060101AFI20220616BHJP
【FI】
A61H39/06 316
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020219974
(22)【出願日】2020-12-11
(71)【出願人】
【識別番号】521006152
【氏名又は名称】平井 博久
(72)【発明者】
【氏名】平井 博久
【テーマコード(参考)】
4C101
【Fターム(参考)】
4C101CA04
4C101CB11
4C101CB17
(57)【要約】
【課題】開示する無痕灸具は艾と台座を一体型で製造する為に、現在市販されている艾を筒に入れて円形台座に接着した構造物と比較して、配送時にはこの円形台座と筒との剥離が起こらない。また当開示する無痕灸具は一体型である為に製造コストの軽減が図られる。
【解決手段】上記の課題に対して開示する無痕灸具は、波状の板と仕切り板を複数接着させ台座の中央部分に艾を充填する構造である。台座はこの波状の形状の為にここから空気の供給がなされ艾は完全に燃え尽きる事が出来る。また筒と台座が一体化されている為に筒と台座の接着が必要無くなり製造コストの削減が図れる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘着性を有する灸用台座において、任意形状の台座本体は、穴状又は波状板からなりこれを支える上下板により貼り合わせ、これを複数個積層に接合し、その中央部には穴を開けこの穴に艾を充填する構造の無痕灸灸具である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、艾の燃焼時に発生する熱を台座を活用し水泡や灸痕が残らない無痕灸用の温灸器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
古来より灸という治療法が確立している。灸には皮膚の上に直接据えて灸痕を残す有痕灸と、艾を充填する収納台座を設けて直接皮膚に接触させないで使う無痕灸がある。
【0003】
この無痕灸の中で台座灸は、比較的取り扱いが簡単である為に広く普及しており一般家庭内でも気軽に利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平3-146062号公報
【特許文献2】特開2020-163064
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
ところが市販されている無痕台座灸の構造は、もぐさを紙で包んだ筒に入れその筒を穴の開いた環状の台座に接着している。従って筒と台座は接着剤で固定されている為に、これを製品として搬送する場合には、この構造体ではケースに収納された複数の個体が互いに衝撃し、台座と筒が剥離する場合が多い。またこの構造体では製造過程において、筒と台座を接着剤で接合するには面倒な工程が必要となる。
【0005】
そこで発明者が鋭意検討したところ、筒及び台座が一体化できれば上記の問題点は解決すると言う結論に至った。
【0006】
本発明は、かかる実情に鑑み、筒と台座を一体化とした形状の台座を形成し、この台座の中に艾を充填する構造体を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、粘着性を有する台座において、台座本体は波状形状体とこれを支える上下板により固着し、その後このような形状を複数積層状に貼りあわせた構造物で形成されている。或いは台座の側面は複数個の空気穴が開けられている。この台座において、中央部には適当の大きさの穴を開けここに艾を装填する。
なお艾の充填位置であるが積層台座の高さの上部半分位の位置に充填し、下位部分は空間とする。勿論身体の場所により熱を感じやすい場所と、感じにくい場所があるので艾の充填位置は使用目的に応じて任意とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、この台座の構造により次のような効果が期待できる。
第一に波状板を上下の覆い板で固定した為に、この波状板を通じて横側から空気の流通供給が起こりうる。この為に艾の燃焼の妨げが起こらず艾が燃え尽きるまで燃焼を保つ事ができる。
第二に台座の中央部に装填する艾であるが穴の上部に装填し、下部に空間部を設けているので、その空間部分が熱の緩衝及び保温帯となり、この空間は艾が燃焼終わっても余熱効果により長時間に亘り熱が保たれ治療効果が期待される。更に艾が上部位置にある事は、施術者にとり艾への直接点火がやり易くなる、等などのメリットがある
この構造により治療者は皮膚を傷めず快い感じの治療を受ける事が出来る。ただ高温を好む治療者と低温を好む治療者に対しては艾の充填量を調整する事、艾を充填位置の調整により、治療者の好みに応じた色々な商品を提供する事ができる。
第三に製造コストが大幅に削減できる事が挙げられる。つまり従来型、つまり艾入り筒を台座に接着するような製造物にする必要は無く、筒の部分が無くなった為に一体製作が出来る事になる。また従来の艾装填筒と台座を接着する方式の製品の最大の欠点である筒と台座の剥離が回避できる事にある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】無痕灸の構造を表わす斜視図である。
図2】台座の構造を表わす側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1ないし図2は本発明に係わる無痕灸灸具の実施例を示す。図1においては無痕灸灸具は、底側に粘着性のある剥離紙を持つ任意形状の台座と、この台座の中央部分に開けられた穴、及びそこに充填された艾から成り立っている。但しこの台座の構造に特徴を持たせている。それは台座は複数の波状の板からなり、この波板構造は通気性が得られる為に艾の燃焼を助けている。また波板状の構造物を貼りあわさず、台座の側面に直接多数の穴を開ける事も考えられる。
【符号の説明】
【0011】
1 台座
2 もぐさ
3 空気通過波状溝穴
4 接着ラベル
5 上面板
6 波状板
7 下面板
図1
図2