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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022093246
(43)【公開日】2022-06-23
(54)【発明の名称】電力管理システム
(51)【国際特許分類】
   H02H 9/04 20060101AFI20220616BHJP
   H02H 9/06 20060101ALI20220616BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20220616BHJP
【FI】
H02H9/04 A
H02H9/06
H02J13/00 301A
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021105284
(22)【出願日】2021-06-25
(31)【優先権主張番号】109143876
(32)【優先日】2020-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】506080739
【氏名又は名称】四零四科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Moxa Inc.
【住所又は居所原語表記】4F., No. 135, Ln. 235, Baoqiao Rd., Xindian Dist., New Taipei City, Taiwan(R.O.C.)
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】韓 瑞誠
【テーマコード(参考)】
5G013
5G064
【Fターム(参考)】
5G013AA01
5G013BA02
5G013CB26
5G013DA01
5G064AC08
5G064BA01
5G064CB17
5G064CB18
(57)【要約】
【課題】電力サージを監視することができる電力管理システムを提供することである。
【解決手段】
電力管理システムは、第1の電力線、第2の電力線、第1の並列プロテクタ、第2の並列プロテクタ、第3の並列プロテクタ、第1の電流センサ、第2の電流センサ、第3の電流センサ、およびプロセッサを含む。第1の並列プロテクタは、第1の電力線に結合される。第2の並列プロテクタは、第1の並列プロテクタおよび第2の電力線に結合される。第3の並列プロテクタは、第1の並列プロテクタおよびグランド端子に結合される。第1の電流センサ、第2の電流センサ、および第3の電流センサはそれぞれ、第1の並列プロテクタを流れる第1の電流、第2の並列プロテクタを流れる第2の電流、および第3の並列プロテクタを流れる第3の電流を検出する。プロセッサは、第1の電流、第2の電流、及び/又は第3の電流に応じてサージ放電経路を検出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力管理システムであって、
交流(AC)電力を伝送する第1の電力線および第2の電力線と、
前記第1の電力線に結合された第1の端部と、第2の端部とを含む第1の並列プロテクタと、
前記第1の並列プロテクタの前記第2の端部に結合された第1の端部と、前記第2の電力線に結合された第2の端部とを含む第2の並列プロテクタと、
前記第1の並列プロテクタの前記第2の端部に結合された第1の端部と、グランドに結合された第2の端部とを含む第3の並列プロテクタと、
前記第1の並列プロテクタを流れる第1の電流を検出するように構成された第1の電流センサと、
前記第2の並列プロテクタを流れる第2の電流を検出するように構成された第2の電流センサと、
前記第3の並列プロテクタを流れる第3の電流を検出するように構成された第3の電流センサと、
前記第1の電流センサ、前記第2の電流センサ、および前記第3の電流センサに結合され、少なくとも前記第1の電流、前記第2の電流、および/または前記第3の電流に従ってサージ放電経路を検出するように構成されたプロセッサと
を有する電力管理システム。
【請求項2】
前記第1の並列プロテクタはさらに、第1の過渡電圧抑制器(TVS)、第1のガス放電管(GDT)、または第1のバリスタを含み、
前記第2の並列プロテクタはさらに、第2のTVS、第2のGDTまたは第2のバリスタを含み、
前記第3の並列プロテクタはさらに、第3のTVS、第3のGDT、または第3のバリスタを含む、請求項1に記載の電力管理システム。
【請求項3】
前記第1の電流センサ、前記第2の電流センサ、および前記第3の電流センサは、ホールセンサである、請求項1に記載の電力管理システム。
【請求項4】
前記プロセッサはさらに、前記サージ放電経路に基づいてサージの原因を判定するように構成される、請求項1に記載の電力管理システム。
【請求項5】
さらに、
前記第1の電力線に結合された第1の端部と、前記第2の電力線に結合された第2の端部とを含む制限抵抗と、
前記制限抵抗を流れる第4の電流を検出するように構成された電圧センサとを含む、
請求項1に記載の電力管理システム。
【請求項6】
前記プロセッサはさらに、
前記第4の電流の波形と前記第4の電流の値とを対応する時間に記録し、
前記第4の電流の値が所定範囲を超えたとき、アラーム信号を送信する
ように構成される、請求項5に記載の電力管理システム。
【請求項7】
さらに、
前記第1の電力線および前記第2の電力線に結合され、前記AC電力を直流(DC)電力に変換するように構成されたアイソレーション電源と、
前記アイソレーション電源に結合され、前記DC電力に応じて安定化電力を提供し、前記電力管理システムが停電になった後の期間に、前記安定化電力を提供し続けるように構成されたスタビライザバックアップ回路と、
前記スタビライザバックアップ回路に結合され、前記安定化電力に応じて前記プロセッサにより要求される電圧を提供するように構成されたスタビライザ回路とを有する、請求項1に記載の電力管理システム。
【請求項8】
前記電力管理システムが停電になった後の期間に、前記プロセッサはさらに、前記電力管理システムの電力データを記録し、前記電力データを遠隔監視システムに送信するように構成される、請求項7に記載の電力管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力管理システムに関し、より具体的には、電力サージを監視することができる電力管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
工業的環境または屋外環境における電気機器は、電力サージにより損傷しやすいことが多い。明白な予防措置に加えて、ほとんどの企業は、電力サージの危険に対する防御のために、何らかのサージ対策も採用するだろう。しかしながら、従来技術のサージ保護回路は、サージをバイパスするためのサージ放電経路を提供するだけであり、サージ発生の時間及び実際のサージ放電経路を記録することはできない。従って、ユーザは、それに応じて更なる保護を提供するために、電力サージの原因を解明することができない。
【0003】
従来技術の電力管理システムでは、電源の状態は、通常、電力線と並列に又は直列に結合された検知回路によって監視される。しかし、電力サージその他の異常が発生した場合、検知回路の機能も影響を受ける可能性があり、従って電力サージその他の異常を記録することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2019/0356127A1号
【特許文献2】米国特許第9,618,586B2号
【特許文献3】米国特許出願公開第2017/0117699A1号
【特許文献4】欧州特許第3,407,460B1号
【発明の概要】
【0005】
本発明は、第1の電力線、第2の電力線、第1の並列プロテクタ、第2の並列プロテクタ、第3の並列プロテクタ、第1の電流センサ、第2の電流センサ、第3の電流センサ、およびプロセッサを含む電力管理システムを提供する。第1の電力線および第2の電力線は、AC電力を送るために使用される。第1の並列プロテクタは、第1の電力線に結合された第1の端部と、第2の端部とを含む。第2の並列プロテクタは、第1の並列プロテクタの第2の端部に結合された第1の端部と、第2の電力線に結合された第2の端部とを含む。第3の並列プロテクタは、第1の並列プロテクタの第2の端部に結合された第1の端部と、グランドに結合された第2の端部とを含む。第1の電流センサは、第1の並列プロテクタを流れる第1の電流を検出するように構成される。第2の電流センサは、第2の並列プロテクタを流れる第2の電流を検出するように構成される。第3の電流センサは、第3の並列プロテクタを流れる第3の電流を検出するように構成される。プロセッサは、第1の電流センサ、第2の電流センサ、および第3の電流センサに結合され、少なくとも第1の電流、第2の電流、および/または第3の電流に従ってサージ放電経路を検出するように構成される。
【0006】
本発明のこれらの目的およびその他の目的は、種々の図面(figures and drawings)に示されている好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読めば、当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本発明の一実施形態による電力管理システムを示す図である。
図2図2は、本発明の別の実施形態による電力管理システムを示す図である。
図3図3は、本発明の一実施形態による電力管理システムの動作中の電流波形を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明の一実施形態による電力管理システム100を示す図である。電力管理システム100は、第1の電力線PL1、第2の電力線PL2、第1の並列プロテクタ110A、第2の並列プロテクタ110B、第3の並列プロテクタ110C、第1の電流センサ120A、第2の電流センサ120B、第3の電流センサ120C、およびプロセッサ130を含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、第1の電力線PL1および第2の電力線PL2の両方が、電気機器の動作を提供する交流(AC)電力を送るために使用される。電気機器が産業環境や屋外環境にあるとき、AC電源の提供が環境の変化によって変動し、サージを発生させることがある。電気設備の動作を干渉から保護するために、電力管理システム100は、第1の並列プロテクタ110A、第2の並列プロテクタ110B、および第3の並列プロテクタ110Cを使用してサージ放電経路を提供し、それによって、第1の電力線PL1および第2の電力線PL2に発生する電力サージが電気設備を損傷することを防止する。一方、プロセッサ130は、第1の電流センサ120A、第2の電流センサ120B、および第3の電流センサ120Cによって検出される電流に従ってAC電力の波形を監視するために、第1の電流センサ120A、第2の電流センサ120B、および第3の電流センサ120Cに結合されてもよい。
【0010】
図1に示す実施形態では、第1の並列プロテクタ110Aは、第1の電力線PL1に結合された第1の端部と、第2の端部とを含む。第2の並列プロテクタ110Bは、第1の並列プロテクタ110Aの第2の端部に結合された第1の端部と、第2の電力線PL2に結合された第2の端部とを含む。第3の並列プロテクタ110Cは、第1の並列プロテクタ110Aの第2の端部に結合された第1の端部と、グランドGNDに結合された第2の端部とを含む。
【0011】
第1の電流センサ120Aは、第1の並列プロテクタ110Aの近くに配置され、第1の並列プロテクタ110Aを流れる第1の電流I1を検出するように構成されてもよい。第2の電流センサ120Bは、第2の並列プロテクタ110Bの近くに配置され、第2の並列プロテクタ110Bを流れる第2の電流I2を検出するように構成されてもよい。第3の電流センサ120Cは、第3の並列プロテクタ110Cの近くに配置され、第3の並列プロテクタ110Cを流れる第3の電流I3を検出するように構成されてもよい。
【0012】
いくつかの実施形態において、第1の電流センサ120A、第2の電流センサ120B、および第3の電流センサ120Cは、ホールセンサであってもよい。ホールセンサは、変化する磁場を測定し、その結果を電気的データに変換し、それによって近接検出を提供するように設計された電子デバイスである。換言すれば、ホールセンサによって実装され、第1の並列プロテクタ110A、第2の並列プロテクタ110B、および第3の並列プロテクタ110Cに接触せずに配置された第1の電流センサ120A、第2の電流センサ120B、および第3の電流センサ120Cは、第1の並列プロテクタ110A、第2の並列プロテクタ110B、および第3の並列プロテクタ110Cを流れる電流を電磁誘導によって検出することができる。このような状況下では、第1の電流センサ120A、第2の電流センサ120B、および第3の電流センサ120Cは、電力サージが発生したときに通常動作を維持することができる。また、ホールセンサの高速応答速度では、プロセッサ130は、電力サージが発生したときの電流波形を記録することができ、それによって、ユーザは、電力伝送を改善し、計画することができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、第1の並列プロテクタ110A、第2の並列プロテクタ110B、および第3の並列プロテクタ110Cのインピーダンスは、通常のAC電力の下ではより高くてもよく、したがって第1の電流センサ120A、第2の電流センサ120B、および第3の電流センサ120Cによって検出される電流は無視できる。しかしながら、第1の並列プロテクタ110A、第2の並列プロテクタ110B、および第3の並列プロテクタ110Cにかかる電圧が、例えば電力サージによって、それぞれの設計上限を超えると、第1の並列プロテクタ110A、第2の並列プロテクタ110B、および第3の並列プロテクタ110Cのインピーダンスが低下し、それにより第1の電力線PL1と第2の電力線PL2との間にサージ放電経路が設けられる。
【0014】
いくつかの実施形態では、第1の並列プロテクタ110A、第2の並列プロテクタ110B、および第3の並列プロテクタ110Cのそれぞれは、過渡電圧抑制器(TVS)、ガス放電管(GDT)、またはバリスタであってもよい。しかしながら、第1の並列プロテクタ110A、第2の並列プロテクタ110B、および第3の並列プロテクタ110Cのタイプは、本発明の範囲を限定しない。
【0015】
一方、プロセッサ130はさらに、第1の電流センサ120A、第2の電流センサ120B、および第3の電流センサ120Cを介して、第1の電流I1、第2の電流I2、および第3の電流I3を監視するように構成され、それによって、電力サージの実際の放電経路を決定する。例えば、第1の電流I1および第2の電流I2の値が大きく、第3の電流I3の値が無視できる場合、これは、サージ放電経路が主に第1の並列プロテクタ110Aおよび第2の並列プロテクタ110Bを通り、第3の並列プロテクタ110Cを通ることはほとんどないことを示す。一方、第3の電流I3の値が大きい場合は、サージ放電経路が主に第3の並列プロテクタ110Cを通り、アースGNDに到達することを示す。
【0016】
いくつかの実施形態では、電力サージの異なる原因により、異なるサージ放電経路が生じる。例えば、第1の電力線PL1および第2の電力線PL2の両方で照明誘発コモンモード電力サージが発生した場合、サージ電圧は、第1の電力線PL1、第2の電力線PL2、第1の並列プロテクタ110A、第2の並列プロテクタ110B、第3の並列プロテクタ110C、およびグランドGNDを順次含むグランド帰還放電経路を探索する。一方、モータその他の装置の負荷電流等により、差動モードの電力サージが第1の電力線PL1又は第2の電力線PL2において発生する場合には、サージ放電経路は、第1の並列プロテクタ110A及び第2の並列プロテクタ110Bを主に通過し、第3の並列プロテクタ110Cを通過することはほとんどない。したがって、いくつかの実施形態では、プロセッサ130はさらに、サージ放電経路に基づいて電力サージの原因を判定するように構成される。
【0017】
いくつかの実施形態において、プロセッサ130は、第1の電流センサ120A、第2の電流センサ120B、および第3の電流センサ120Cから送信されたデータを記録、処理、および分析するように構成されたデータ処理ユニット132を含んでもよい。また、いくつかの実施形態では、プロセッサ130は、各々が、データ処理ユニット132によって記録されたデータを遠隔監視システムCS1に送信するように構成された有線送信モジュール134および/または無線送信モジュール136をさらに含んでもよく、それによって、ユーザは、より複雑なデータ分析を遠隔的に実行することができる。
【0018】
図1に示す実施形態では、電力管理システム100はさらに、絶縁電源140、スタビライザバックアップ回路150、およびスタビライザ回路160を含んでもよい。絶縁電源140は、第1の電力線PL1および第2の電力線PL2に結合され、AC電力を直流(DC)電力に変換するように構成されてもよい。スタビライザバックアップ回路150は、絶縁電源140に結合され、DC電力に従って安定化電力を提供するように構成されてもよい。スタビライザ回路160は、スタビライザバックアップ回路150に結合され、安定化電力に従ってプロセッサ130が必要とする電圧を提供するように構成されてもよい。一部の実施形態では、スタビライザバックアップ回路150は12Vの電圧を提供してもよく、スタビライザ回路160は3.3Vの電圧を提供してもよい。しかし、スタビライザバックアップ回路150又はスタビライザ回路160によって提供される電力の値は、本発明の範囲を限定しない。
【0019】
この実施形態では、スタビライザバックアップ回路150はさらに、電力管理システム100が停電に遭遇した後の期間(例えば、3秒)の間、安定化電力を提供し続けるように構成される。電力管理システム100の停電期間中、プロセッサ130は、電力管理システム100の電力データを記録し、有線送信モジュール134および/または無線送信モジュール136を使用して遠隔監視システムCS1との接続を確立し、記録された電力データを遠隔監視システムCS1に送信することができる。従って、ユーザは、電力管理システム100の動作状態を遠隔的に監視することができ、それによって、電力サージが発生したときに即応するか、または停電の通知を受けることができる。
【0020】
本発明の電力管理システム100では、第1の電流センサ120A、第2の電流センサ120B、および第3の電流センサ120Cは、第1の並列プロテクタ110A、第2の並列プロテクタ110B、および第3の並列プロテクタ110Cに接触せずに配置されたとき、第1の並列プロテクタ110A、第2の並列プロテクタ110B、および第3の並列プロテクタ110Cを流れる電流を検出することができる。電力サージが発生すると、プロセッサ130は、サージ放電経路を決定するために、リアルタイムで完全な電流波形を記録することができる。したがって、ユーザは、電力管理システム100によって提供されるデータに基づいて、電力サージの原因を分析することができる。
【0021】
図2は、本発明の別の実施形態による電力管理システム200を示す図である。電力管理システム200の構造および動作は、電力管理システム100の構造および動作と同様であるが、電力管理システム200はさらに、制限抵抗R1および電圧センサ270を含む。
【0022】
制限抵抗R1は、第1の電力線PL1に結合された第1の端部と、第2の電力線PL2に結合された第2の端部とを含む。電圧センサ270は、制限抵抗R1を流れる第4の電流I4を検出し、それによって制限抵抗R1にかかる電圧を取得するように構成される。いくつかの実施形態において、制限抵抗R1の抵抗は、電圧センサ270の仕様に基づいて決定されてもよい。例えば、電圧センサ270が主に25mA付近の電流を検出するために使用される場合、制限抵抗R1の抵抗は、AC電力に基づいて適切な値に設定され得る。
【0023】
図3は、本発明の一実施形態による電力管理システム200の動作中の第4の電流I4の波形を示す図である。第4の電流I4の波形は、AC電力に関連する第1の電力線PL1の電圧波形と共に変化するため、プロセッサ230内のデータ処理ユニット232は、対応する時間に、第4の電流I4の波形および第4の電流I4の値を記録し、それによって、ユーザにAC電力に関連する情報を提供することができる。いくつかの実施形態において、プロセッサ230はさらに、第4の電流I4の値が所定の範囲外である場合、例えば、期間T1中に第4の電流I4の値が所定の範囲の上限A1を超えた場合、または期間T2中に第4の電流I4の値が所定の範囲の下限A2を下回った場合、異常を記録してもよい。上述の異常は、有線送信モジュール234および/または無線送信モジュール236を使用して、遠隔監視システムCS1に送信されてもよい。
【0024】
換言すれば、電力管理システム200は、電圧センサ270を使用して、第1の電力線PL1および第2の電力線PL2に提供されるAC電力を連続的に監視することができる。図3に示すように、期間T3の間に電力サージが発生すると、プロセッサ230は、第4の電流I4の波形を連続的に記録し、第1の電流センサ120A、第2の電流センサ120B、および第3の電流センサ120Cを通るサージ放電経路上の電流波形を記録するように構成され、それによって、電力サージの原因に関する事後分析のためにより多くの情報をユーザに提供する。
【0025】
結論として、本電力管理システムは、ホール電流センサを使用して並列プロテクタを流れる電流を検知することができる。電力サージが発生した場合、プロセッサは、電力サージの原因に関する事後分析のために、サージ放電経路を決定するために、リアルタイムに、完全な電流波形を記録することができる。また、本電力管理システムは、AC電力の波形を連続的に監視し、AC電力の電圧が所定の範囲外にある場合に、警報メッセージを送信することができ、それによって、ユーザが即応することを可能にする。
【0026】
当業者は、本発明の教示を保持しつつ、装置および方法に多くの修正および変更を行うことができることを容易に理解するであろう。従って、上記の開示は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されると解釈されるべきである。
図1
図2
図3