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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022093254
(43)【公開日】2022-06-23
(54)【発明の名称】計画作成支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20120101AFI20220616BHJP
【FI】
G06Q10/08 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021145072
(22)【出願日】2021-09-07
(31)【優先権主張番号】P 2020205689
(32)【優先日】2020-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110000660
【氏名又は名称】Knowledge Partners弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】栗脇 悠一
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】効率化の程度が小さい状態で運用中計画が最新計画に変更される可能性を低減する技術の提供。
【解決手段】運用中の配達計画である運用中計画に関する情報を取得する運用中計画取得部と、最新の配達条件に基づいて、前記最新の配達条件によって配達を行う場合に用いられる配達車両の数である最新車両数と、当該配達車両が複数の配達先を訪問する順序と、を含む配達計画である最新計画を取得する計画作成部と、前記最新車両数が、前記運用中計画で用いられる配達車両の数である運用中車両数と同じ場合、前記運用中計画から前記最新計画への変更を禁止する禁止部と、を備える計画作成支援システムが構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運用中の配達計画である運用中計画に関する情報を取得する運用中計画取得部と、
最新の配達条件に基づいて、前記最新の配達条件によって配達を行う場合に用いられる配達車両の数である最新車両数と、当該配達車両が複数の配達先を訪問する順序と、を含む配達計画である最新計画を取得する計画作成部と、
前記最新車両数が、前記運用中計画で用いられる配達車両の数である運用中車両数と同じ場合、前記運用中計画から前記最新計画への変更を禁止する禁止部と、
を備える計画作成支援システム。
【請求項2】
前記禁止部は、
前記最新車両数が、前記運用中車両数よりも少ない場合、前記運用中計画から前記最新計画への変更を禁止しない、
請求項1に記載の計画作成支援システム。
【請求項3】
前記運用中計画は、
配達車両が複数の配達先のそれぞれに到着する予定の時刻である到着予定時刻を含み、
前記禁止部は、
前記最新車両数が、前記運用中車両数と同じ場合、前記運用中計画における前記到着予定時刻の修正を禁止し、
前記計画作成部は、
前記最新の配達条件に基づいて、前記到着予定時刻を修正せずに前記運用中計画を修正する、
請求項1または請求項2に記載の計画作成支援システム。
【請求項4】
前記運用中計画は、
前記運用中計画で用いられる配達車両の車種を含み、
前記禁止部は、
前記最新車両数が、前記運用中車両数と同じ場合、前記運用中計画における前記車種の修正を禁止せず、
前記計画作成部は、
前記最新の配達条件に基づいて、前記最新の配達条件に応じた前記車種で配達が行われるように前記運用中計画を修正する、
請求項3に記載の計画作成支援システム。
【請求項5】
前記運用中計画は、
前記運用中計画において配達車両が複数の配達先を訪問する順序である運用中順序を含み、
前記禁止部は、
前記最新車両数が、前記運用中車両数と同じ場合、前記運用中順序の修正を禁止せず、
前記計画作成部は、
前記最新の配達条件に基づいて、前記最新の配達条件に応じた順序で配達が行われるように前記運用中計画を修正する、
請求項3に記載の計画作成支援システム。
【請求項6】
前記運用中計画は、
前記運用中計画において配達車両を運転する運転者を含み、
前記禁止部は、
前記最新車両数が、前記運用中車両数と同じ場合、前記運用中計画における前記運転者の修正を禁止し、
前記計画作成部は、
前記最新の配達条件に基づいて、前記運転者を修正せずに前記運用中計画を修正する、
請求項3に記載の計画作成支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計画作成支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、配達先の位置や、配達に利用可能な配達車両の上限数、などの配達条件に基づいて、複数の配達先に荷物を配達する際の配達順序等を特定するためのアルゴリズムが知られている。例えば、特許文献1においては、配達先が追加された場合に、トータルコストを短くするように配達先を挿入すべき挿入位置を決定し、全体の配達計画を立案する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-18443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術においては、運用中の配達計画を変更すべきか否かわからなかった。すなわち、配達計画の運用開始後に配達条件が変化した場合、最新の配達条件に合わせて最適化された最新の配達計画と運用中の配達計画が異なる場合がある。しかし、配達計画の変更には、手間のかかる作業が必要である場合が多いため、配達計画の効率化によるメリットが小さい場合に、配達計画を変更するメリットは小さい。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、効率化の程度が小さい状態で運用中計画が最新計画に変更される可能性を低減する技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、計画作成支援システムは、運用中の配達計画である運用中計画に関する情報を取得する運用中計画取得部と、最新の配達条件に基づいて、最新の配達条件によって配達を行う場合に用いられる配達車両の数である最新車両数と、当該配達車両が複数の配達先を訪問する順序と、を含む配達計画である最新計画を取得する計画作成部と、最新車両数が、運用中計画で用いられる配達車両の数である運用中車両数と同じ場合、運用中計画から最新計画への変更を禁止する禁止部と、を備える。
【0006】
複数の配達車両を利用した配達計画を運用している会社等の主体にとって、配達計画の効率化はコスト削減に直結するため、非常に重要な課題である。しかし、一般に、配達計画の立案には、手間のかかる作業が必要になる場合が多い。従って、効率化が可能であるか否か定かでは無い状態で試行的に配達計画の再構築を行っても、効率化が実現できなければその作業が無駄になってしまう。配達計画は、種々の要素によって効率化可能であるが、運用中計画から最新計画に変更しても、用いられる配達車両の数が変化しないならば、効率化の程度は大きくない。そこで、配達車両の数が変化しない場合には、運用中計画から最新計画への変更を禁止する構成とすれば、効率化の程度が小さい状態で運用中計画が最新計画に変更される可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】計画作成支援システムのブロック図である。
図2】配達条件の例を示す図である。
図3】計画作成支援処理を示すフローチャートである。
図4】配達条件の変化例を示す図である。
図5】配達条件の変化例を示す図である。
図6】配達条件の変化例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)計画作成支援システムの構成:
(2)計画作成支援処理:
(3)他の実施形態:
【0009】
(1)計画作成支援システムの構成:
図1は、一実施形態にかかる計画作成支援システム10の構成を示すブロック図である。本実施形態において計画作成支援システム10は、管理者端末100から操作されるサーバによって実現される。管理者端末100は、例えば、汎用コンピュータや携帯端末等で実現可能であり、図示しないディスプレイや操作入力部等を備えている。1箇所以上の拠点に属する配達車両の運行管理を行う管理者は、管理者端末100の操作入力部を操作することにより、計画作成支援システム10に配達計画を作成させることができる。また、管理者は、管理者端末100を操作し、作成された配達計画を最新の計画に変更したり、運用中の配達計画の一部を修正したりすることができる。すなわち、管理者は、計画作成支援システム10において自動的に作成された配達計画を、より実用上の要請に適合させるなど、種々の視点から変更したり、修正したりすることができる。
【0010】
本実施形態において、配達計画は、1箇所以上の拠点のから出発する1台以上の配達車両が複数の配達先を決められた順序で訪問し、各配達先で荷物を届ける荷役を行うための計画である。本実施形態において配達計画は、配達車両のそれぞれについて、複数の配達先に到着する順序と、各配達先への経路と、各配達先で荷役を行う時間である作業時間と、各配達先への到着予定時刻と、配達車両の車種と、配達車両の運転者が定義されることによって作成される。なお、配達計画においては、配達車両毎に配達先に到達する順序等が対応づけられるため、配達先が対応づけられている配達車両が配達計画に用いられる。従って、配達計画においては、配達車両の車両数も実質的に定義されている。
【0011】
このような配達計画を作成するため、計画作成支援システム10は、各種の情報を収集し、配達計画を作成するための配達条件を取得する。本実施形態において各種の情報は、外部の装置から収集される。本実施形態においては、当該外部の装置として、上述の管理者端末100の他、交通情報管理サーバ200、経路探索サーバ300、店舗サーバ400が存在する。交通情報管理サーバ200は、道路区間毎の渋滞度を示す渋滞情報を管理するサーバであり、任意の道路区間の渋滞度を統計し、図示しない記録媒体に記録している。交通情報管理サーバ200は、道路区間の指定とともに渋滞情報の送信要求を受け付け、指定された道路区間における渋滞情報を送信要求元に返信する。むろん、渋滞情報は、より細分化して定義されていても良く、例えば、時間帯毎に定義され、時間帯毎の渋滞情報が利用されても良い。
【0012】
経路探索サーバ300は、地図情報に基づいて、任意の2地点間の経路を探索するサーバである。すなわち、経路探索サーバ300は、地図情報を記録した図示しない記録媒体を備える。地図情報は、例えば、ノードデータ,形状補間点データ,リンクデータ,道路やその周辺に存在する地物の位置等を示すデータ等を含んでいる。リンクデータにはリンクデータが示す道路区間毎のコストを示す情報が対応付けられている。地物は、経路の出発地および目的地になり得る。本実施形態において、当該地物を示すデータには、地物の属性(施設の種類等)が含まれている。本実施形態においては、これらの地物が配達先となり得る。
【0013】
経路探索サーバ300は、出発地および目的地の指定とともに経路探索要求を受け付け、地図情報に基づいて、経路探索アルゴリズムによって出発地から目的地までの経路を探索する。経路が探索されると当該経路を示す情報(例えば、リンクやノードの順列)および経路のコストを経路探索要求元に返信する。なお、当該経路のコストは、経路探索に利用されたコストであっても良いし、異なるコストであっても良い。本実施形態において、経路探索要求元に返信される経路のコストは、配達計画の作成に利用されるコストであり、経路毎の負荷が小さいほど小さい値になる。従って、コストは種々の指標で決められて良く、本実施形態において当該負荷は、経路に沿って移動する際の所要時間によって定義される。所要時間によって変化するコストは種々の手法で表現されて良い。例えば、平均旅行時間から特定される道路区間毎の所要時間に応じた道路区間毎のコストを、出発地から目的地までの経路について合計したコストが経路のコストとなる例が想定される。本実施形態においては、当該合計が経路のコストであり、後述する補正のために、道路区間毎のコストも経路探索要求元に返信される。なお、経路のコストはこの構成に限定されず、出発地から目的地までの距離が少ないほど小さくなるコストや、これらのコストが補正されて得られるコスト等であっても良い。
【0014】
店舗サーバ400は、配達先としての店舗に関する情報を管理するサーバである。本実施形態において、店舗サーバ400は、図示しない記録媒体に、配達先毎の荷物量と、配達先の位置と、を記録している。すなわち、配達先の店舗の発注者は、各種の端末を介して配達日時を指定し、荷物を発注することができる。発注された荷物を示す情報は店舗サーバ400に収集される。店舗サーバ400は、発注された荷物を示す情報に配達日時および配達先の識別情報を対応付け、図示しない記録媒体に記録する。
【0015】
また、店舗サーバ400は、配達先の位置を記録している。当該位置は、配達先の改廃に伴って更新される。すなわち、新規出店等で配達先が増加した場合には、増加した配達先の位置が追加され、店舗の営業が停止された等の理由で配達先が減少した場合には、減少した配達先の位置が削除される。店舗サーバ400は、配達日時の指定とともに配達先情報の送信要求を受け付け、指定された配達日時における配達先毎の荷物の量および各配達先の位置を示す配達先情報を送信要求元に返信する。従って、最新の配達日時が指定されると、最新の配達先情報が計画作成支援システム10に返信される。
【0016】
さらに、管理者端末100は、図示しない記録媒体を備えており、当該記録媒体には各配達車両による配達の履歴が記録されている。当該履歴には、各配達先における荷役に要した作業時間が含まれている。作業時間の履歴は、配達計画の実行開始後に順次更新され、最新の値(最新の既定回数分の統計であっても良い)が記録される。従って、例えば、建築物の上層階にある配達先において、配達先へのアクセスが容易になった(エレベーターが新設された、駐車場が新設されて駐車位置から配達先への距離が短くなった等)ことによって作業時間が短縮されると、当該短縮が反映された状態で作業時間が保持される。管理者端末100は、作業時間情報の送信要求を受け付けることが可能であり、送信要求を受け付けると、各配達先の最新の作業時間を示す作業時間情報を送信要求元に返信する。
【0017】
本実施形態にかかる計画作成支援システム10は、以上のように、管理者端末100,交通情報管理サーバ200,経路探索サーバ300,店舗サーバ400から各種の情報を収集し、これらの情報を配達条件として配達計画を作成することができる。また、配達計画が作成され、運用が開始された後には、店舗の改廃等の配達条件の変化により配達計画の効率化が可能になる場合がある。しかし、配達条件となり得るパラメータは多様であり、また、一般的には配達条件は徐々に変化していく。そして、配達計画を作成する際には、計画作成支援システム10が作成した配達計画をより実用上の要請に適合させるなど、種々の視点からの変更が必要になる場合が多い。従って、配達計画の変更には非常に多くの労力が必要である。
【0018】
また、配達計画の効率化によるメリットが小さい場合に、配達計画を変更するメリットは小さい。このため、配達計画を再作成する価値が不明な状態では、配達計画の再作成に着手しづらい。この結果、配達計画が一旦作成されると、計画の見直しをすることなく、既存の計画を継続して実行する場合が多かった。そこで、本実施形態において計画作成支援システム10は、配達計画を効率化することができる可能性が高い状態を明らかにすることにより、配達計画を効率化するための支援を実施する。
【0019】
このような支援を実施するため計画作成支援システム10は、CPU,RAM,ROM等を備える制御部20、記録媒体30、通信部40を備えている。制御部20は、記録媒体30等に記録されたプログラムを実行することができる。本実施形態においては、当該プログラムの一つに配達支援プログラム21が含まれている。配達支援プログラム21が実行されると、制御部20は、運用中計画取得部21a,計画作成部21b,禁止部21c,提案部21dとして機能する。
【0020】
通信部40は、管理者端末100,交通情報管理サーバ200,経路探索サーバ300,店舗サーバ400と情報の授受を行う回路を備えている。制御部20は、通信部40を介して管理者端末100,交通情報管理サーバ200,経路探索サーバ300,店舗サーバ400と通信を行うことができる。
【0021】
また、記録媒体30には、配達条件情報30aと、運用中計画情報30bと、最新計画情報30cと、が記録される。配達条件情報30aは、配達計画を作成するVRP(Vehicle Routing Problem)エンジンに対して入力される入力パラメータである。すなわち、制御部20は、計画作成部21bとして機能することにより、配達条件情報30aに基づいて配達計画問題(Vehicle Routing Problem)を解き、配達計画を出力する。配達計画問題を解くための処理は、公知のアルゴリズムを利用したVRPエンジンによって実現される。
【0022】
配達計画を作成する際に、制御部20は、通信部40を介して管理者端末100,交通情報管理サーバ200,経路探索サーバ300,店舗サーバ400から配達条件情報30aを収集する。本実施形態において配達条件情報30aに含まれる配達条件は、配達先の位置、配達先毎の作業時間、配達先間の移動に要する所要時間、配達車両毎の積載量および上限数、拠点から配達車両が出発する時刻、に関する情報およびその他の情報を含む。
【0023】
図2は、本実施形態にかかる配達条件情報30aに含まれる配達条件の例を示す図である。図2に示されるように、配達条件情報30aには、配達先の位置と、荷物の量と、作業時間と、コストテーブルと、配達車両の上限数N1と、配達車両の積載量L1とが含まれている。図2に示すように、配達先の位置は、SA(Xa,Ya)などのように、配達先の識別情報(SA)と位置((Xa,Ya))とが対応づけられた情報である。
【0024】
荷物の量は、図2においてLA等と表記されており、各配達先から発注された、各配達先に配達されるべき荷物の量である。荷物の量は、種々の手法で定義されて良く、本実施形態においては、商品を入れる箱(番重)の数で荷物の量が表現されることが想定されているが、むろん、商品数や重さなど、他の手法で表現されても良い。制御部20は、計画作成部21bの機能により、通信部40を介して店舗サーバ400と通信し、最新の配達先の位置および最新の荷物の量を示す情報を取得する。
【0025】
作業時間は、図2において5分などと示しているように、時間長で定義されている。作業は各配達先への到着から再出発までの時間長に対応していれば良く、駐車場への到着から再出発までの時間長であっても良いし、荷卸の開始から終了等であっても良く、種々の手法で定義可能である。いずれにしても、作業時間は、各配達先での作業時間であるため、各配達先に対応づけて定義されている。本実施形態においては、拠点から各配達車両が出発する時刻も予め定義されている。図2においては、各配達車両が共通の時刻4:45に出発することが予定されている例を示しているが、出発時刻は配達車両毎に決められていても良いし、一日の中で複数個の出発時刻が定義されていてもよい。制御部20は、計画作成部21bの機能により、通信部40を介して管理者端末100と通信し、配達先毎の作業時間および拠点から配達車両が出発する時刻を示す情報を取得する。
【0026】
コストテーブルは、配達先間の移動に要する所要時間に対応した情報である。本実施形態においては、複数の配達先および配達車両の拠点の中から任意の2個の地点を選択して得られる組み合わせの全てについて、地点間の移動に関する所要時間に対応したコストが定義され、配達条件情報30aに含められる。制御部20は、計画作成部21bの機能により、全ての配達先および拠点の中から選択可能な2個の地点の組み合わせの全てを特定する。そして、制御部20は、通信部40を介して、各組み合わせの地点の一方から他方、他方から一方へ移動する際の経路探索要求を経路探索サーバ300に送信する。
【0027】
この結果、経路探索サーバ300は、2個の地点の組み合わせの全てについて、各組み合わせの一方を出発地、他方を目的地とした経路と、一方を目的地、他方を出発地とした経路の経路探索を行う。経路探索が行われると、経路探索サーバ300から、探索された経路を示す情報と各経路のコストとを示す情報が返信される。制御部20は、通信部40を介してこれらの情報を取得し、配達条件情報30aの一部として記録媒体30に記録させる。
【0028】
図2においては、配達車両の拠点の識別情報をS0として示し、配達先の識別情報をSA,SB等として示している。また、コストテーブルの矢印は各地点での進行方向を示している。従って、例えば、S0→SAは拠点S0から配達先SAまでの経路を示しており、図2に示す例においては当該経路にコストC0Aが対応づけられている。図2に示すように、コストテーブルは拠点、配達先の全てについて、2地点間の行き来に要する所要時間に対応したコストが対応づけられている。これらのコストは、経路全体のコスト(道路区間毎のコストの和)である。
【0029】
なお、本実施形態において、コストテーブルに登録されるコストは交通情報に基づいて補正される。すなわち、経路探索サーバ300から送信される経路に対応づけられた経路のコストは、道路区間毎の平均旅行時間や距離に基づいて特定されているが、移動の際の所要時間は渋滞の度合いによって変動し得る。そこで、制御部20は、計画作成部21bの機能により、コストテーブルに登録された各地点間の経路に含まれる道路区間を特定する。そして、制御部20は、計画作成部21bの機能により、通信部40を介して、経路に含まれる道路区間とともに、渋滞情報の送信要求を送信する。
【0030】
この結果、交通情報管理サーバ200は、要求された道路区間の渋滞度を示す情報を返信する。制御部20は、当該渋滞度を取得し、渋滞度に基づいて経路のコストを補正する。すなわち、渋滞の程度が激しいほど、道路区間を走行する際の所要時間は長くなる。そこで、制御部20は、渋滞度に応じて各経路の道路区間毎のコストを増減させる。例えば、渋滞度が、空き、混雑、渋滞のように3段階で表現されている場合、空きの道路区間の経路のコストは補正されず、混雑の道路区間の経路のコストにはC1(>1)が乗じられ、渋滞の道路区間の経路のコストにはC2(>C1)が乗じられる構成が挙げられる。図2に示すコストテーブルはこのような補正が行われた後の道路区間毎のコストの和である。
【0031】
配達車両の上限数N1,N2は、1回の配達計画において拠点から出発可能な配達車両の最大数である。また、上限数は配達車両の積載量毎に規定されている。配達車両の積載量は、配達車両の車種毎に異なり、それぞれの積載量(車種)毎に最大数が定義される。最大数は、1回の配達計画において拠点から出発可能な配達車両の数であるため、利用される配達車両の数は上限数N1,N2より少なくても良い。配達車両の積載量L1,L2は、各配達車両に積載可能な荷物の最大量である。ここでも、商品を入れる箱(番重)の数など、種々の手法で積載量を定義可能である。なお、本実施形態において、配達車両の拠点は2箇所以上に存在しても良い。また、配達車両毎の積載量は配達車両毎に変化しても良い。むろん、拠点毎の配達車両の積載量は複数種類(複数車種)であってもよいし、拠点で利用可能な配達車両は1種類であっても良い。
【0032】
制御部20は、計画作成部21bの機能により、配達条件情報30aが示す配達条件で配達を行うための配達計画を作成する。この際、予め決められた目的関数を最小化することにより、効率的に配達を行うための配達計画を特定する。本実施形態においては、配達に利用される配達車両の数や、全ての配達車両の積載量の累積である総積載量、配達に要する時間(配達者の就労時間)、配達車両の走行距離の総和等の予め決められた要素を最小化するように目的関数が設定されている。この結果、考え得る複数の配達計画の中で相対的に効率的な配達計画が出力されるように構成されている。なお、これらの要素の中には重要度があって良く、本実施形態においては、配達車両の数を最小化することが最も重要な要素とされている。このような配達計画を作成するためのアルゴリズムは、上述のように公知である。
【0033】
本実施形態において制御部20は、配達計画の運用開始前に運用開始時の配達条件を示す配達条件情報30aに基づいて配達計画を作成する。すなわち、制御部20は、配達車両のそれぞれが、複数の配達先に到着する順序と、各配達先への経路と、各配達先で荷役を行う時間である作業時間と、を示す情報を生成し、運用中計画情報30bとして記録媒体30に記録する。
【0034】
なお、本実施形態においては、拠点からの出発時刻が予め決められている。また、各配達先への経路を走行する際の所要時間は、例えば、道路区間毎の平均旅行時間と道路区間の距離との積等によって特定可能である。従って、出発時刻に拠点から最初の配達先までの所要時間を加えることで最初の配達先への到着予定時刻を特定可能である。以後、ある地点への到着時刻に対して、当該地点での作業時間と当該地点から次の地点までの所要時間とを加えることによって次の地点への到着予定時刻を特定可能である。制御部20は、各配達先への到着予定時刻を取得し、運用中計画情報30bに加える。また、運用中計画に用いられる配達車両は積載量と共に決められるため、運用中計画情報には、配達車両の車両数と車種とが含まれる。さらに、本実施形態においては、各配達車両の運転者が決められる。運転者は、種々の手法で決められて良く、管理者端末100を操作する管理者が指定しても良いし、従業員のシフト表等に基づいて制御部20が自動で決定しても良い。本実施形態においては、これらの車両数、車種、運転者も運用中計画情報30bに含まれる。また、運用中計画情報30bには、当該計画を作成した際の配達条件も対応づけて記録される。
【0035】
当該運用中計画情報30bが作成されると、当該運用中計画に従った配達の運用が開始される。運用中計画による配達計画の実施が開始されると、時間の経過とともに配達条件情報30aが変動し得る。例えば、配達先の増減や、道路の新設、改廃、配達先における設備の増強等によって配達条件情報30aが変動し得る。
【0036】
これらの変化は、一般的には緩やかであり、一つの変化によって配達計画の効率化が可能であることが明らかであるような場合は少ない。従って、配達条件情報30aの変化に応じて管理者等が、配達計画の再作成を行うタイミングを特定することは困難である。そこで、計画作成支援システム10は、配達計画の再作成によって既存の運用中計画よりも効率化できる可能性が高い状態であることを特定し、管理者に提案する機能を有している。
【0037】
このような提案を行うため、制御部20は、運用中計画取得部21aの機能により、運用中の配達計画である運用中計画に関する情報を取得する機能を制御部20に実行させる。このように、本実施形態においては、計画作成部21bの機能によって運用中計画が既に作成された状態において、制御部20は、記録媒体30から運用中計画情報30bを取得する。
【0038】
運用中計画を最新の計画に変更すると効率化が可能であるか否か判断するため、制御部20は、最新の配達条件に基づいて作成された配達計画である最新計画と、運用中計画とを比較する。当該比較のため、本実施形態において、制御部20は、計画作成部21bの機能により、一定期間毎、例えば、配達を実行する営業日毎に、管理者端末100,交通情報管理サーバ200,経路探索サーバ300,店舗サーバ400から最新の配達条件情報30aを収集し、配達計画を作成する。配達計画が作成されると、制御部20は、配達車両のそれぞれが、複数の配達先に到着する順序、各配達先へ走行する際の経路、各配達先で荷役を行う時間である作業時間、配達先への到着予定時刻、配達車両の車両数等を含む情報を生成し、最新計画情報30cとして記録媒体30に記録する。なお、最新計画情報30cには、当該計画を作成した際の最新の配達条件も対応づけて記録される。以後、最新計画における配達車両の車両数を最新車両数、運用中計画における配達車両の車両数を運用中車両数と呼ぶ。
【0039】
提案部21dは、最新の配達条件に応じた各種の変更を提案する機能である。本実施形態において、当該提案には、運用中計画から最新計画への変更の提案と、運用中計画の修正の提案とが含まれる。前者の変更は、運用中計画を破棄し、最新計画に基づいて運転者等の決定等の各種調整を行う、計画自体の入れ替えである。最新計画は、運用中計画を作成した際の配達条件と異なる最新の配達条件に基づいて作成された計画である。後者の修正は、運用中計画の一部の要素を最新の配達条件に合わせる修正であり、例えば、配達順序等の要素の修正等である。当該修正において、最新の配達条件に基づいて作成された最新計画は用いられない。
【0040】
運用中計画から最新計画への変更の提案は、最新の配達条件に基づいて、最新の配達条件によって配達を行う場合に用いられる配達車両の数が、運用中計画によって配達を行う場合に用いられる配達車両の数より少なくなる効率化が可能であると推定される場合に実施される。一方、運用中計画を最新計画に変更しても、効率化の程度が大きくない場合には、運用中計画を最新計画に変更する提案は行われない。
【0041】
運用中計画に対する各種の変更や修正等の禁止は、禁止部21cによって実施される。禁止が行われるべきか否か判定するため、制御部20は、禁止部21cの機能により、当該最新計画情報30cを取得し、運用中計画情報30bと比較する。ここでは、運用中計画情報30bにおける配達よりも、最新計画情報30cにおける配達の方が効率的であると推定されるか否かを判断できるように比較が行われればよい。このような比較は、種々の要素について実施可能であるが、本実施形態において制御部20は、最新車両数が運用中車両数より1台以上減った場合に、効率化が可能であると推定する。また、制御部20は、運用中車両数と最新車両数とが同じならば、効率化の程度は大きくないと見なす。
【0042】
すなわち、制御部20は、運用中計画情報30bを参照し、運用中計画に従う配達車両の台数を運用中車両数として取得する。また、制御部20は、最新計画情報30cを参照し、最新計画に従う配達車両の台数を最新車両数として取得する。そして、運用中車両数より最新車両数の方が少ない場合に、制御部20は、禁止部21cの機能により、配達計画の効率化が可能であると推定する。本実施形態の場合、運用中車両数と最新車両数とが同じ場合および運用中車両数より最新車両数の方が多い場合、制御部20は、配達計画の効率化が可能であるか不明であると推定する。
【0043】
配達計画の効率化が可能であると推定された場合、制御部20は、禁止部21cの機能により、運用中計画から最新計画への変更を禁止しない。この場合、制御部20は、提案部21dの機能により、管理者に対して配達計画の変更を提案する。すなわち、制御部20は、通信部40を介して、管理者端末100に対して、配達計画の再作成を提案するための情報を出力する。この結果、管理者端末100においては、配達計画の再作成を促す情報を、図示しないユーザインタフェースに表示させる。以上の構成によれば、管理者は、配達計画の再作成によって、配達計画を効率化できる可能性が高いことを、容易に知ることができる。従って、計画作成支援システム10は、配達計画を効率化するための支援を実施することができる。
【0044】
また、本実施形態においては、配達車両の数を減らすことができる可能性が高い場合に効率化が提案される。配達車両の数を減らすことができる場合、配達に要する費用を大きく削減することができる。従って、本実施形態によれば、効率化で得られる効果が大きい場合に、配達計画の再作成を提案することができる。
【0045】
配達計画の効率化が可能であるか不明であると推定された場合、制御部20は、禁止部21cの機能により、運用中計画から最新計画への変更を禁止する。具体的には、禁止部21cは、運用中車両数と最新車両数とが同じ場合、および運用中車両数より最新車両数の方が多い場合、運用中計画から最新計画への変更を禁止する。禁止は、禁止された変更や修正等が実施されないようにすることであり、禁止を実施する際、禁止部21cは、禁止の対象となる変更等に対して禁止されていることを示す情報を対応づける。この場合、提案部21dは、当該情報を参照し、禁止された変更や修正等の提案を行わない。この構成によれば、効率化の程度が小さい状態または効率化されない状態で、運用中計画が最新計画に変更される可能性を低減することができる。
【0046】
本実施形態において制御部20は、運用中計画が最新計画に変更されない場合、すなわち、運用中計画自体は破棄されない場合であっても、運用中計画が一部修正された運用が続けられる場合がある。例えば、配達先の改廃等によって運用中計画の配達順を一部修正する必要がある場合、修正された運用中計画で運用が続けられる。本実施形態においては、このような修正が行われる場合、制御部20は、計画作成部21bの機能により、運用中計画の修正を行う。また、制御部20は、提案部21dの機能により、修正後の運用中計画を提案する。さらに、当該修正においても運用中計画を構成する複数の要素の一部について、修正が禁止され得る。
【0047】
本実施形態において、最新車両数が、運用中車両数と同じ場合、制御部20は、禁止部21cの機能により、運用中計画における到着予定時刻の修正を禁止する。また、本実施形態において制御部20は、運用中計画において配達車両が複数の配達先を訪問する順序である運用中順序の修正を禁止しない。さらに、制御部20は、計画作成部21bの機能により、最新の配達条件に基づいて、到着予定時刻を修正せず、運用中順序の修正は許容して運用中計画を修正する。すなわち、制御部20は、計画作成部21bの機能により、最新の配達条件によって不要になった要素を運用中計画から削除し、最新の配達条件によって必要になった要素を運用中計画に追加する。また、制御部20は、計画作成部21bの機能により、運用中計画の要素の中で、代替可能な要素をより効率的な要素に代替しても最新の配達条件を満たすことができる場合に、当該要素をより効率的な要素に代替する。この際、運用中順序は修正され得る。
【0048】
例えば、配達先が廃止された場合、制御部20は、計画作成部21bの機能により、廃止された配達先を削除する。この結果、当該配達先の配達順、荷物の量、作業時間、到着予定時間が運用中計画から削除される。また、削除された配達先の前後の地点の経路が経路探索サーバ300によって探索され、これらの地点の間の経路として対応づけられる。さらに、削除された配達先の前の配達先の次の順序が、削除された配達先の後の配達先となるように、運用中順序が修正される。むろん、当該修正に合わせて各種の要素が修正されても良い(以下同様)。以上の修正が行われると、修正後の運用中計画を示す情報によって運用中計画情報30bが更新される。
【0049】
また、例えば、新規の配達先が追加された場合、制御部20は、計画作成部21bの機能により、既存の配達順のいずれかの順序に新規の配達先を追加する。なお、既存の配達先の配達順の間に新規の配達先を追加しても既存の配達先への到着予定時刻に変化が生じない場合、既存の配達先の配達順の間に新規の配達先を追加する修正が行われ得る。既存の配達先の配達順の間に新規の配達先を追加すると既存の配達先への到着予定時刻が変化する場合、最初の配達順の配達先より前の順序、または最後の配達順の配達先より後の順序に新規の配達先の配達順が追加される。いずれにしても、新規の配達先が既存の配達順に追加され、新規の配達先の荷物の量、作業時間、到着予定時間が運用中計画に追加されることによって運用中計画が修正される。この結果、既存の配達先への配達予定時刻は変化しない。また、追加された配達先の前後の経路が経路探索サーバ300によって探索され、これらの経路が運用中計画に対応づけられる。以上の修正が行われると、修正後の運用中計画を示す情報によって運用中計画情報30bが更新される。
【0050】
さらに、制御部20は、提案部21dの機能により、管理者に対して修正後の運用中計画を提案する。すなわち、制御部20は、修正後の運用中計画情報30bを参照し、通信部40を介して、管理者端末100に対して、修正後の運用中計画を提案するための情報を出力する。この結果、管理者端末100においては、修正後の運用中計画を示す情報を、図示しないユーザインタフェースに表示させる。管理者は、当該情報に基づいて運用中計画の修正を確定させるか否か等を判断することができる。
【0051】
以上の構成によれば、配達先の改廃等によって運用中計画が修正される場合であっても、修正前の配達先に配達車両が到着する到着予定時刻は変化しない。配達計画の運用中においては、配達計画に合わせて種々の事項が決められる。例えば、配達先においては、配達物を陳列、運搬、販売するなどのため、運用中の到着予定時刻に応じて人員の確保等が行われる。従って、配達計画の運用が開始された後に到着予定時刻が修正されると、到着予定時刻の修正に応じて種々の事項を修正する必要が生じ得る。このため、頻繁に配達計画が修正されると、配達計画の関係者に大きな負荷を与えてしまう。しかし、到着予定時刻の修正が禁止されていれば、運用中計画が修正されたとしても、各配達先における人員の確保等の予定を修正する必要はない。従って、配達計画の関係者に大きな負荷を与える可能性を低減することができる。さらに、配達先の改廃を除き、既存の配達先についての運用中順序は維持される。従って、運用中計画の運用過程で特定の配達順で配達を行うことになれている運転者が配達の順序を間違う可能性を低くすることができる。
【0052】
また、本実施形態において、最新車両数が、運用中車両数と同じ場合、制御部20は、禁止部21cの機能により、運用中計画における車種の修正を禁止しない。さらに、制御部20は、計画作成部21bの機能により、最新の配達条件に基づいて、運用中計画における車種の修正を許容した状態で運用中計画を修正する。すなわち、制御部20は、計画作成部21bの機能により、最新の配達条件によって不要になった要素を運用中計画から削除し、最新の配達条件によって必要になった要素を運用中計画に追加する。また、制御部20は、計画作成部21bの機能により、運用中計画の要素の中で、代替可能な要素をより効率的な要素に代替しても最新の配達条件を満たすことができる場合に、当該要素をより効率的な要素に代替する。
【0053】
例えば、配達先からの発注量の変化や配達先の改廃が生じると、ある配達車両で配達すべき荷物の総量が変化し得る。制御部20は、計画作成部21bの機能により、運用中計画の配達車両における荷物の総量を最新の配達条件に基づいて特定し、荷物の総量を積載可能な積載量のうち、最小の積載量となる配達車両の車種を特定する。特定された車種が既存の運用中計画における配達車両の車種と異なる場合、制御部20は、車種を修正して運用中計画情報30bを更新する。
【0054】
さらに、制御部20は、提案部21dの機能により、管理者に対して修正後の運用中計画を提案する。すなわち、制御部20は、修正後の運用中計画情報30bを参照し、通信部40を介して、管理者端末100に対して、修正後の運用中計画を提案するための情報を出力する。この結果、管理者端末100においては、修正後の運用中計画を示す情報を、図示しないユーザインタフェースに表示させる。管理者は、当該情報に基づいて運用中計画の修正を確定させるか否か等を判断することができる。
【0055】
以上の構成によれば、荷物の量に応じて運用中計画が修正される場合に、荷物の量に応じた車種の配達車両で配達が行われる可能性を高めることができる。従って、荷物の量に比較して過大な大きさの配達車両で配達が行われる可能性を低くすることができる。このため、効率的な配達が行われる可能性を高めることができる。
【0056】
なお、以上のように運用中計画が修正される場合、運用中計画における運転者の修正が禁止されてもよい。すなわち、制御部20が、計画作成部21bの機能により、最新の配達条件に基づいて、運用中計画を修正する際、運用中計画における運転者の修正を禁止した状態で他の要素について運用中計画を修正する。以上の構成によれば、既存の運用中計画に慣れた運転者が継続して配達車両の運転者となる。従って、修正後の運用中計画に従って配達を行う際に、運転者が間違う可能性を低減することができる。
【0057】
以上のような提案の際には、提案とともに種々の情報が表示されても良い。本実施形態においては、配達計画が効率化されると推定される理由も案内するように構成されている。本実施形態においては、最新の配達条件において既存の配達条件よりも配達の負荷が減った場合に、当該負荷が効率化を可能にする理由であると推定する。そこで、制御部20は、運用中計画情報30bを作成した際の配達条件と、最新計画情報30cを作成した際の配達条件とを比較し、減った負荷を特定する。
【0058】
比較対象となる負荷は、種々の負荷であって良いが、例えば、配達先の位置、配達先毎の作業時間、配達先間の移動に要する所要時間の少なくとも一つが比較対象となって良い。すなわち、配達先の位置(配達先の数)が減った場合、配達先毎の作業時間が減った場合、配達先間の移動に要する所要時間が減った場合には、配達負荷は少なくなり、より少ない数の配達車両で配達を完了できる可能性が高まる。
【0059】
そこで、制御部20は、運用中計画情報30bを作成した際の配達条件と、最新計画情報30cを作成した際の配達条件とを比較し、減った負荷を特定する。そして、制御部20は、通信部40を介して、当該減った負荷を示す情報を管理者端末100に対して送信する。この結果、管理者端末100においては減った負荷を、図示しないユーザインタフェースに表示させる。以上の構成によれば、管理者は、配達計画を効率化可能であると推定された理由を認識することができる。
【0060】
(2)計画作成支援処理:
次に、制御部20が実行する計画作成支援処理を説明する。図3は、制御部20が実行する計画作成支援処理を示すフローチャートである。計画作成支援処理は、既定のトリガに応じて実行開始される。既定のトリガは、種々のトリガであって良く、例えば、一定期間毎(配達を実行する営業日毎等)に、トリガが発生する。
【0061】
計画作成支援処理が開始されると、制御部20は、計画作成部21bの機能により、最新の配達条件を取得する(ステップS100)。すなわち、制御部20は、通信部40を介して、管理者端末100,交通情報管理サーバ200,経路探索サーバ300,店舗サーバ400から最新の配達条件情報30aを収集する。
【0062】
次に、制御部20は、計画作成部21bの機能により、最新の配達計画を作成する(ステップS105)。すなわち、制御部20は、ステップS100で取得した最新の配達条件情報30aを入力パラメータとし、VRPエンジンによる出力を取得することによって最新の配達計画を作成する。作成された配達計画は、最新計画情報30cとして記録媒体30に記録される。
【0063】
次に、制御部20は、運用中計画取得部21aの機能により、運用中計画を取得する(ステップS110)。すなわち、制御部20は、記録媒体30を参照して、既に作成され、運用されている運用中計画の運用中計画情報30bを取得する。
【0064】
次に、制御部20は、提案部21dの機能により、運用中計画と、最新の配達計画との配達車両の数を比較する(ステップS115)。すなわち、制御部20は、ステップS105で作成された最新計画情報30cと、ステップS110で取得された運用中計画情報30bに基づいて、各計画で用いられる配達車両の数、すなわち、最新車両数および運用中車両数を特定する。そして、制御部20は、各計画で用いられる配達車両の数を比較する。
【0065】
次に、制御部20は、提案部21dの機能により、配達車両の数が削減されたか否かを判定する(ステップS120)。すなわち、最新の配達計画で用いられる配達車両の数である最新車両数が、運用中計画で用いられる配達車両の数である運用中車両数より少ない場合、制御部20は、配達車両の数が削減されたと判定する。
【0066】
ステップS120で、配達車両の数が削減されたと判定された場合、制御部20は、提案部21dの機能により、配達計画の再作成を提案する(ステップS125)。すなわち、制御部20は、禁止部21cの機能により、運用中計画から最新計画への変更を禁止しない。そして、制御部20は、提案部21dの機能により、通信部40を介して、配達計画の再作成を提案するための情報を出力する。また、制御部20は、運用中計画情報30bを作成した際の配達条件と、最新計画情報30cを作成した際の配達条件とを比較し、減った負荷を特定し、通信部40を介して、管理者端末100に対して送信する。
【0067】
ステップS120で、配達車両の数が削減されたと判定されない場合、制御部20は、禁止部21cの機能により、運用中計画から最新計画への変更を禁止する(ステップS130)。すなわち、最新車両数と運用中車両数とが同じ場合、または、最新車両数が運用中車両数より多い場合、制御部20は、禁止部21cの機能により、運用中計画を破棄し、かつ、最新計画に変更するような提案を行わない。なお、最新車両数が運用中車両数より多く、配達車両の不足等により運用中計画の遂行が困難になる場合には、最新計画への変更が禁止されなくても良く、配達計画の再作成が提案されても良い。
【0068】
ステップS130の後、制御部20は、提案部21dの機能により、配達計画の修正を提案する(ステップS135)。すなわち、制御部20は、運用中計画を破棄せず、運用中計画の一部の要素を修正し、修正後の運用中計画を提案するための情報を、通信部40を介して出力する。この際、各要素のうち、一部の修正は禁止されても良く、本実施形態においては、配達先への到着予定時刻の修正と配達車両の運転者の修正とが禁止される。一方、配達車両の車種の修正と配達順の修正とは禁止されない。
【0069】
図4は、配達条件の変化の例を示す図である。図4の左側においては、運用中計画情報30bを作成した際の配達条件の一部を例示しており、右側においては、最新の配達条件の一部を例示している。また、図4においては、各配達条件によって配達計画が作成された結果、配達車両に割り当てられた配達先および順序も示されている。順序は図面の情報に位置する配達先の方が先の順序となるように記載されている。例えば、左側に示す運用中計画においては、配達先SA,SB,SC,SD,SE,SFのそれぞれに対して、配達車両1がこの順序で配達を行うように配達計画が作成されていることが想定されている。
【0070】
また、図4においては、各配達先に対して各配達先の荷物の量と、作業時間と、各配達先への到着予定時刻とが対応づけられて示されている。図4においては、運用中計画情報30bを作成した際の配達条件が、変化した状態が例示されている。例えば、配達先の識別情報に対して×印が記されている場合、当該配達先としての店舗が営業していない状態になり、配達先ではなくなったことを示している。すなわち、配達先SB,SG,SHは最新の配達条件において配達先ではない。
【0071】
また、黒い三角によって荷物の量の増減が示されている。例えば、下向きの黒い三角は荷物の量が減ったことを示し、上向きの黒い三角は荷物の量が増えたことを示している。例えば、配達先SDの荷物の量は運用中計画の作成当初の配達条件においてLDであったが、最新の配達条件においては荷物の量が減ってLdである。配達先SJの荷物の量は運用中計画の作成当初の配達条件においてLJであったが、最新の配達条件においては荷物の量が増えてLjである。
【0072】
さらに、作業時間が変化した配達先については、変化後の値が示されている。例えば、配達先SDの作業時間は運用中計画の作成当初の配達条件において20分であったが、最新の配達条件においては作業時間が減って10分である。配達先SJの作業時間は運用中計画の作成当初の配達条件において10分であったが、最新の配達条件においては作業時間が減って5分である。最新の配達条件におけるこれらの変化は、図4の右側に示す最新の配達条件においても太い枠によって示されている。
【0073】
なお、図4に示されていないが、この他にも、道路の改廃等によって配達先間の移動の際の所要時間が変化すればコストテーブルに登録されるコストも変化する。図4に示す例においては、これらの配達条件の変化により、運用中計画では2台の配達車両1,2による配達が必要であった配達先に、最新計画においては1台の配達車両1で配達できる状態になったことになる。なお、図4に示す例において、配達車両1の運転者は変更されていないが、配達車両1の車種は車種2に変更されている。また、最新計画は、最新の配達条件で新たに作成された配達計画であるため、到着予定時刻は、最新の配達条件に基づいて最適化されている(運用中計画から変更されている)。
【0074】
このように、配達条件が変化すると、配達車両の数を削減する効率化を行うことが可能になり得る。しかし、図4に示すように、本実施形態において配達条件の変化は多様である。図4では理解の容易のために単純化して示されているが、実際の配達計画においては、配達先の数や配達車両の数等がより多く、効率化可能であるか否かを管理者が判断することは難しい。さらに、配達条件は少しずつ変化するのが一般的であるため、管理者が配達条件の変化に基づいて、配達計画の再作成をすべきタイミングを特定するのは難しい。また、配達条件の変化を、定期的に確認するのは非常に手間である。
【0075】
そこで、本実施形態においては、計画作成支援システム10が自動的に最新の配達条件による配達計画を作成し、運用中計画を比較することにより、効率化できる可能性が高いか否か判定する。このような構成によれば、管理者が配達条件の変化を監視しなくても、管理者は配達計画を効率化できる可能性が高い状態になっていることを認識することができる。
【0076】
図5は、図4と同じ運用中計画に対して、図4よりも少ない変化が生じた場合の例を示している。すなわち、図5の左側に示す運用中計画の運用が開始された後、最新の配達条件においては、配達先SBが配達先ではなくなっているが、配達先SG,SHは依然として配達先である。荷物の量の変化および作業時間の変化は図4に示す例と同様である。図5の右側には、このような最新の配達条件に基づいて作成された最新計画の例が示されている。具体的には、配達車両1の配達計画において配達先SBが削除され、荷物の量の変化に応じて、到着予定時刻も最適化された結果となっている。
【0077】
しかし、図5の右側に示す最新計画において、最新車両数は2台であり、運用中車両数と同じである。従って、この場合、運用中計画から最新計画への変更は禁止される。一方、運用中計画の修正は禁止されない。図6は、修正後の運用中計画の例を示す図である。図6の左側には、図5と同様に運用中計画が示されている。図6の右側には、修正後の運用中計画が示されている。
【0078】
本実施形態においては、配達先への到着予定時刻の修正と配達車両の運転者の修正とが禁止され、配達車両の車種の修正と配達順の修正とは禁止されない。従って、配達先SBの削除に伴って、配達順はSA,SB,SC,SD,SE,SFという順序からSA,SC,SD,SE,SFという順序に修正される。また、配達車両1の荷物の量の変化により、車種を車種1から車種2に変更できる(より小型の車両に変更できる)ため、車種が車種2に修正される。以上の構成によれば、効率化の程度が小さい状態で運用中計画が最新計画に変更される可能性を低減することができる。
【0079】
また、本実施形態においては、以上のような修正は行われるが、到着予定時刻の修正は禁止されているため、到着予定時刻は、運用中計画における到着予定時刻と同じである。このため、配達先SA,SCの間において時間に余裕が生じるが、配達先における各種の調整が発生することを避けるため、到着予定時刻は調整されない。また、運転者の修正されないため、運転者は運用中計画において、慣れた配達先および経路で配達を行うことができる。
【0080】
(3)他の実施形態:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、上述の実施形態を構成する計画作成支援システム10が、複数のシステムで構成される例が挙げられる。この場合、計画作成支援システム10の一部の機能が管理者端末100等で実現されても良いし、クラウドサーバで実現されても良い。さらに、図1に示す各種の装置は、一部が共有されていても良いし、他の装置に分散していても良い。例えば、管理者端末100と経路探索サーバ300とが一体で構成されても良いし、管理者端末100と店舗サーバ400とが一体で構成されても良いし、交通情報管理サーバ200と経路探索サーバ300とが一体で構成されても良い。
【0081】
さらに、管理者端末100は、車両等に備えられていても良いし、可搬型の端末等であっても良い。また、計画作成支援システム10を構成する各部(運用中計画取得部21a、計画作成部21b、運用中計画取得部21a、提案部21d)の少なくとも一部が複数の装置に分かれて存在していても良い。また、上述の実施形態の一部の構成が省略される構成や、処理が変動または省略される構成も想定し得る。
【0082】
運用中計画取得部は、運用中の配達計画である運用中計画に関する情報を取得することができればよい。運用中計画に関する情報は、運用中計画自体を示す情報であっても良いし、運用中計画を作成する際に参照された配達条件を示す情報であっても良いし、双方であっても良い。なお、運用中計画は、上述の実施形態のように、計画支援システムにおいて運用中計画が作成され、記録媒体に記録されても良いし、計画作成支援システムの外部のシステムで作成され、作成済の運用中計画が計画作成支援システムの記録媒体に記録されても良い。
【0083】
配達計画は、1以上の配達車両によって複数の配達先に対して荷物を配達するための計画であり、配達車両の数は、複数になり得る。配達計画においては、どのような目的関数を最小化しても良いが、配達車両の数は運行コストに大きな影響があるため、配達車両の数を最小化する目的関数など、配達車両の数は、目的関数を最小化する際に他のパラメータよりも重視されるパラメータであることが好ましい。
【0084】
また、配達計画の態様は、種々の態様であって良い。従って、上述の実施形態のように、配達車両のそれぞれについて、複数の配達先に到着する順序と、各配達先への経路と、各配達先での作業時間と、各配達先への到着予定時刻と、配達車両の車種と、配達車両の運転者が規定されている構成に限定されず、他にも各種の態様で配達計画が定義されて良い。例えば、配達先毎の荷物等が配達計画に含まれていても良いし、上述の要素の一部が含まれていなくても良い。運用中計画は、実際に運用が行われている配達計画であり、効率化が可能であるか否かが当該運用中計画に関する情報から判断される。
【0085】
計画作成部は、最新の配達条件に基づいて最新計画を取得することができればよいが、計画作成部は、配達計画の運用開始前に運用開始予定の計画を取得するために用いられても良い。
【0086】
禁止部は、最新車両数と運用中車両数とに基づいて、運用中計画から最新計画への変更を禁止するか否か制御することができればよい。また、他の要素も考慮して、運用中計画から最新計画への変更を禁止するか否か制御されてもよい。さらに、禁止部は、少なくとも運用中計画から最新計画への変更を禁止できれば良く、上述の実施形態のように、運用中計画の一部の要素の修正は禁止しても良いし、禁止しなくても良い。なお、変更や修正を禁止する態様は、種々の態様であって良く、例えば、ある変更が禁止された状態において、当該変更を行う指示が管理者から行われた場合に、その変更を受け付けないなどの態様で禁止が実現されても良い。
【0087】
提案部は、最新の配達条件に基づいて、最新の配達条件によって配達を行う場合に用いられる配達車両の数が、運用中計画によって配達を行う場合に用いられる配達車両の数より少なくなる効率化が可能であると推定される場合、配達計画の変更を提案することができればよい。むろん、提案部は、上述の実施形態のように、運用中計画自体の修正を提案しても良いし、提案しなくても良い。
【0088】
配達条件は、配達計画を作成するために必要な条件であり、配達計画を作成するための種々のパラメータを含む。すなわち、配達条件が変化すると、配達計画は変化し得る。配達条件は、配達計画に影響を与え得る、種々のパラメータであって良く、配達先の位置、前記配達車両毎の積載量、前記配達先間の移動に要する所要時間、前記配達先毎の作業時間、配達車両の上限数、拠点から配達車両が出発する時刻、の少なくとも一つが配達条件に含まれなくても良いし、他の情報が配達条件に含まれていても良い。例えば、集荷の有無や集荷の位置、荷物の種類、作業者の属性(経験年数等)等が配達条件に含まれ、これらの配達条件に基づいて配達条件が作成されても良い。
【0089】
最新の配達条件は、配達計画の効率化が可能であるか否かを検討する段階での配達条件であれば良く、例えば、効率化が可能であるか否かを判定するためのタイミング(一日毎、一週間毎等)毎に、最新の情報が収集され、最新の配達条件とされる構成等を採用可能である。
【0090】
最新の配達条件によって配達を行う場合に用いられる配達車両の数が、運用中計画によって配達を行う場合に用いられる配達車両の数より少なくなる効率化が行われるか否かは、配達計画同士の比較によらずに推定されても良い。例えば、最新の配達条件に含まれる配達の負荷が既存の配達条件よりも減った場合に、効率化が可能であると推定される構成であっても良い。
【0091】
このような構成は、例えば、図1に示す構成において、最新の配達条件によって配達計画を作成する前に、最新の配達条件と、既存の配達条件とが比較されることによって実現される。より具体的には、既定のトリガに応じて、制御部20は、運用中計画取得部21aの機能によって配達条件を比較する。すなわち、運用中計画情報30bには、運用中計画を作成した際に用いられた既存の配達条件が含まれており、制御部20は、当該既存の配達条件を取得する。また、制御部20は、通信部40を介して最新の配達条件を取得する。
【0092】
制御部20は、最新の配達条件と、既定の配達条件とに基づいて、効率化の判定要素を抽出し、比較する。さらに、制御部20は、最新の配達条件における判定要素としての負荷が既存の配達条件における判定要素としての負荷よりも減った場合に、効率化が可能であると推定する。判定要素となる負荷は予め決められていれば良く、例えば、配達先の位置、配達先毎の作業時間、配達先間の移動に要する所要時間、配達車両毎の積載量の少なくとも一つが判定要素となる例が挙げられる。効率化が可能であると推定されるための負荷の変化量は予め決められていれば良い。
【0093】
すなわち、制御部20は、最新の配達条件と既存の配達条件から、判定要素を抽出して最新の配達条件における負荷の減少量を特定し、当該減少量が閾値を超えていた場合に、効率化が可能であると推定する。そして、効率化が可能であると推定された場合、制御部20は、提案部21dの機能により、配達計画の変更を提案する。この構成によれば、配達計画を作成しなくても、配達計画が効率化される可能性が高い状況を管理者に通知することができる。
【0094】
効率は、配達計画の遂行に用いられる資源が少ないほど、高いとみなされる指標である。従って、最新の配達条件下において、少なくとも配達車両の数が運用中計画よりも減る場合、用いられる配達車両という資源が少なくなるため、効率化される。資源は、配達車両に限定されず、燃料、配達者、時間などが資源となり得る。すなわち、配達者の作業時間、配達車両の移動時間、配達車両の移動距離、配達者の数、等が相対的に少ない場合、多い場合より効率化されている。
【0095】
このため、効率化が可能であるという判断は、配達車両の数について判断されても良いし、配達車両の数に加え、または、配達車両の数に替えて、他の負荷について判断されてもよい。例えば、配達車両の数が減り、かつ、他の負荷が既定量減った場合に効率化が可能であると推定されても良い。さらに、効率化が可能であると判定するための閾値は、種々の値であって良い。例えば、配達車両の数の減少数が閾値以上である場合に効率化が可能であると推定されても良いし、他の負荷の減少量が閾値以上である場合に効率化が可能であると推定されても良い。
【0096】
配達計画の変更の提案の態様は、種々の態様であって良い。従って、上述の実施形態のように、効率化される可能性があることを管理者に案内する態様以外にも、種々の態様があって良い。例えば、最新の配達条件に基づいて作成した配達計画の内容の少なくとも一部を管理者に案内する態様等であっても良い。
【0097】
さらに、本発明は、プログラムや方法としても適用可能である。また、以上のようなシステム、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合もあれば、車両に備えられる各部と共有の部品を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。例えば、以上のようなシステムで実現される方法、プログラムを提供することが可能である。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、装置を制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし半導体メモリであってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
【符号の説明】
【0098】
1…配達車両、10…計画作成支援システム、20…制御部、21…配達支援プログラム、21a…計画作成部、21b…運用中計画取得部、21c…提案部、30…記録媒体、30a…配達条件情報、30b…運用中計画情報、30c…最新計画情報、40…通信部、100…管理者端末、200…交通情報管理サーバ、300…経路探索サーバ、400…店舗サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6