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特開2022-93301光ファイバを硬化させるためのネスト型楕円反射体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022093301
(43)【公開日】2022-06-23
(54)【発明の名称】光ファイバを硬化させるためのネスト型楕円反射体
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/44 20060101AFI20220616BHJP
   G02B 17/06 20060101ALI20220616BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20220616BHJP
   C03C 25/6226 20180101ALI20220616BHJP
【FI】
G02B6/44 301B
G02B17/06
G02B13/18
C03C25/6226
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021199148
(22)【出願日】2021-12-08
(31)【優先権主張番号】17/119,974
(32)【優先日】2020-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】512123938
【氏名又は名称】フォセオン テクノロジー, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PHOSEON TECHNOLOGY, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100137095
【弁理士】
【氏名又は名称】江部 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【弁理士】
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】ドグ チルダーズ
【テーマコード(参考)】
2H087
2H250
4G060
【Fターム(参考)】
2H087KA29
2H087LA24
2H087NA04
2H087RA04
2H087RA13
2H087RA45
2H087TA04
2H087TA06
2H250BA25
2H250BA33
2H250BB05
2H250BB06
2H250BB07
2H250BB19
2H250BB33
2H250BC02
2H250BD14
4G060AA01
4G060AA03
4G060AC02
4G060AC15
4G060AD22
4G060AD43
4G060AD58
4G060CB09
4G060CB12
4G060CB38
(57)【要約】      (修正有)
【課題】紫外線硬化、特に、光ファイバ表面コーティングの紫外線硬化のための方法およびシステムが提供される。
【解決手段】硬化デバイスは、第1の楕円筒反射体と、第1の楕円筒反射体内に収容される第2の楕円筒反射体とを含む。第1の楕円筒反射体および第2の楕円筒反射体は、共同設置焦点を有する。硬化デバイスによって硬化されるワークピースは、共同設置焦点に配置される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
より大きな第1の楕円筒反射体と、より小さな第2の楕円筒反射体と、を含む硬化デバイスであって、
前記第2の楕円筒反射体は、前記第1の楕円筒反射体の内部に入れ子状態になっており、
前記第1の楕円筒反射体および前記第2の楕円筒反射体は、共同設置された第1の焦点を有するように配置されていることを特徴とする硬化デバイス。
【請求項2】
前記第1の楕円筒反射体の第2の焦点に位置する光源を更に含み、
前記光源から放射された光は、前記第2の楕円筒反射体から前記共同設置された第1の焦点に反射され、前記第1の楕円筒反射体から前記共同設置された第1の焦点に逆反射され、
前記第2の楕円筒反射体の全体は、前記第1の楕円筒反射体の内部に収容され、
前記共同設置された第1の焦点は、前記第2の楕円筒反射体の第1の開口部で、前記第1の楕円筒反射体の閉じた端部と、対向する前記第2の楕円筒反射体の第2の開口部との間に配置されている請求項1に記載の硬化デバイス。
【請求項3】
前記第1の楕円筒反射体の長軸に沿った前記第1の楕円筒反射体の長さは、前記第2の楕円筒反射体の長軸に沿った前記第2の楕円筒反射体の長さよりも大きく、
前記第1の楕円筒反射体の前記長軸は、前記第2の楕円筒反射体の前記長軸と同軸にある請求項1に記載の硬化デバイス。
【請求項4】
前記第1の楕円筒反射体の短軸に沿った前記第1の楕円筒反射体の長さは、前記第2の楕円筒反射体の短軸に沿った前記第2の楕円筒反射体の長さよりも大きく、
前記第1の楕円筒反射体の前記短軸は、前記第2の楕円筒反射体の前記短軸と同軸にある請求項3に記載の硬化デバイス。
【請求項5】
前記第1の楕円筒反射体の前記長軸に沿った前記第1の楕円筒反射体の前記長さと、前記第2の楕円筒反射体の前記長軸に沿った前記第2の楕円筒反射体の前記長さとの間の差は、前記第1の楕円筒反射体の前記短軸に沿った前記第1の楕円筒反射体の前記長さと、前記第2の楕円筒反射体の前記短軸に沿った前記第2の楕円筒反射体の前記長さとの間の差に等しい請求項4に記載の硬化デバイス。
【請求項6】
前記第1の楕円筒反射体および前記第2の楕円筒反射体は、ワークピースを受けるように構成され、前記第2の楕円筒反射体は、前記ワークピースと前記第1の楕円筒反射体との間に配置される請求項1に記載の硬化デバイス。
【請求項7】
前記第1の楕円筒反射体の反射面は、前記第1の楕円筒反射体の短軸および前記第2の楕円筒反射体の短軸に沿った方向に、前記第2の楕円筒反射体の反射面から離間し、
前記光源は、電源と、コントローラと、冷却サブシステムと、発光サブシステムとを含み、
前記発光サブシステムは、カップリング電子機器と、カップリング光学系と、複数の半導体デバイスとを含み、
前記光源のハウジングは、前記冷却サブシステムの流体用の注入口および排出口を含む請求項1に記載の硬化デバイス。
【請求項8】
前記第1の楕円筒反射体と、前記第2の楕円筒反射体との間で、前記共同設置された第1の焦点を中心として軸方向に沿って設置され、かつ、前記硬化デバイス内で前記ワークピースを同心円状に取り囲む石英管をさらに含む請求項7に記載の硬化デバイス。
【請求項9】
前記光源の前記複数の半導体デバイスは、LEDアレイを含む請求項7に記載の硬化デバイス。
【請求項10】
前記LEDアレイは、異なるピーク波長を有するUV光線を放射する、第1のLEDと、第2のLEDとを含む請求項9に記載の硬化デバイス。
【請求項11】
前記第1の楕円筒反射体および前記第2の楕円筒反射体の少なくとも一方は、二色性反射体である請求項1に記載の硬化デバイス。
【請求項12】
UV硬化のための光反応性システムであって、
電源と、
冷却サブシステムと、
発光サブシステムと、
コントローラと、を含み、
前記発光サブシステムは、第1の楕円筒反射体と、前記第1の楕円筒反射体内に収容され、共同設置焦点を共有する第2の楕円筒反射体と、を含むカップリング光学系と、
前記第1の楕円筒反射体および前記第2の楕円筒反射体のそれぞれの内部に配置されたワークピースと、
前記第1の楕円筒反射体の第2の焦点に実質的に位置するUV光源と、を含み、
前記コントローラは、実行されるときに、前記コントローラに前記UV光源からUV光を照射させる、メモリに保存された命令を含み、
前記照射されたUV光は、前記第1の楕円筒反射体の反射面および前記第2の楕円筒反射体の反射面によって反射され、
前記第1の楕円筒反射体の前記反射面によって反射された前記照射されたUV光は、前記第2の楕円筒反射体の開口部を通って反射され、前記ワークピース上に集束されることを特徴とする反応性システム。
【請求項13】
前記コントローラは、前記コントローラが実行されたとき、前記コントローラに前記照射されたUV光の強度を動的に変化させる、メモリに記憶された命令を含む請求項12に記載の光反応性システム。
【請求項14】
前記第2の楕円筒反射体の前記開口部を通って前記第1の楕円筒反射体の前記反射面によって反射された前記照射されたUV光と、前記第2の楕円筒反射体の前記反射面によって反射された前記照射されたUV光とは、前記ワークピースを取り囲む空間的に一定の強度のビームを形成する請求項12に記載の光反応性システム。
【請求項15】
第1の楕円筒反射体の長軸と、前記第1の楕円筒反射体内に入れ子状態になっている第2の楕円筒反射体の同軸の長軸とに沿ってワークピースを位置決めする工程と、
前記第1の楕円筒反射体および前記第2の楕円筒反射体の内部に光源を位置決めする工程と、
前記光源から光を放射する工程と、を含み、
前記放射された光は、前記第2の楕円筒反射体の反射面によって、および、前記第2の前記第1の楕円筒反射体の反射面によって、楕円筒反射体の開口部を介して前記ワークピース上に反射されることを特徴とする方法。
【請求項16】
前記ワークピースは、前記第1の楕円筒反射体と、前記第2の楕円筒反射体との共同設置焦点に配置される請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第2の楕円筒反射体の前記開口部を通って前記第2の楕円筒反射体の前記反射面によって前記ワークピース上に反射された前記放射された光は、前記第1の楕円筒反射体に向かう第1の方向に前記開口部を通って放射され、前記ワークピースに向かう第2の方向に反射される請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記放射された光は、前記ワークピースに到達する前に、前記第1の楕円筒反射体の前記反射面から単一反射される請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記放射された光は、前記ワークピースに到達する前に、前記第2の楕円筒反射体の前記反射面から多重反射される請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記光源は、第1のLEDと、第2のLEDとを含むLEDアレイを含み、
光は、第1のピーク波長を有する前記第1のLEDから放射され、第2のピーク波長を有する前記第2のLEDから放射される請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は一般に、紫外線硬化のための方法およびシステムに関し、特に、光ファイバ表面コーティングの紫外線硬化のための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバは、電気通信産業においてだけでなく、照明および画像用途においても普遍的に使用される。それらは、電気配線と比較して長い距離にわたってより高いデータ伝送速度を提供する。また、光ファイバは、金属配線よりも柔軟性が高く、軽量で、細い径に引き込むことができる。これにより、ケーブルに大容量のファイバを束ねることができる。紫外線(UV)硬化プロセスによって塗布される表面コーティングは、物理的損傷および湿気侵入から光ファイバを保護し、性能の長期耐久性を維持するために使用される。表面コーティングの硬化の均一性が増大することにつれて、光ファイバの耐久性も増大する。しかしながら、表面コーティングの十分に均一な硬化を提供することはしばしば困難である。1つのアプローチは、UV光源によって放射されるUV光によって表面コーティングが硬化される状態で、UV光源に近接してワークピース(例えば、光ファイバなど)を配置することである。硬化の効率を高めるために、反射体を使用して、UV光の一部をワークピースに向け戻すことができる。しかしながら、UV光は、反射体によってワークピースから離れた方向に分散される。その結果、効率損失につながる。加えて、反射体のサイズが増大すると、UV光源からのワークピースの距離も増大する。その結果、ワークピースに吸収されるUV光が減少する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一例では上述の問題は、硬化デバイスによって対処される。その硬化デバイスは、より大きな第1の楕円筒反射体と、より小さい第2の楕円筒反射体とを含む。第2の楕円筒反射体は、第1の楕円筒反射体の内部に入れ子状態になっている。第1の楕円筒反射体と、第2の楕円筒反射体とは、共同設置(co-located)の第1の焦点を有するように配置されている。このようにして、第1の楕円筒反射体と、第1の楕円筒反射体内に入れ子状態にある第2の楕円筒反射体とは、それぞれ、共同設置の第1の焦点に配置されたワークピースに光源からの光を反射させる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一例として、第2の楕円筒反射体の全体は、第1の楕円筒反射体の内部に収容されている。共同設置の第1の焦点は、第2の楕円筒反射体の第1の開口に、第1の楕円筒反射体の閉じた端部と、第2の楕円筒反射体の対向する第2の開口との間に位置されている。その結果、共同設置の第1の焦点に配置されたワークピースを光源のより近い位置に配置し、硬化デバイスのサイズを小さくすることができる。
【発明の効果】
【0005】
上記の概要は、詳細な説明でさらに説明される概念の選択を簡略化した形で導入するために提供されることを理解されたい。クレームされた主題の重要なまたは本質的な特徴を特定することを意味するものではなく、その範囲は、詳細な説明に続く特許請求の範囲によって一義的に定義される。さらに、特許請求の範囲に記載の主題は、上記の欠点または本開示の任意の部分を解決する形態に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、電源と、コントローラと、発光サブシステムとを備える光反応性システムの一例を示す。
【0007】
図2図2は、単一の光源を有するUV硬化デバイス用の楕円筒反射体の断面を示す。
【0008】
図3図3は、共同設置焦点を有するネスト型楕円反射体を含む第1のUV硬化デバイスの断面を示す図である。
【0009】
図4図4は、図3のUV硬化デバイスの非干渉性の放射照度対位置の関係を示すグラフである。
【0010】
図5図5は、共同設置焦点を有するネスト型楕円反射体を含む第2のUV硬化デバイスの断面を示す図である。
【0011】
図6図6は、図5のUV硬化デバイスの非干渉性の放射照度対位置の関係を示すグを示すグラフを示す。
【0012】
図7図7は、共同設置焦点を有するネスト型楕円反射体を有するUV硬化デバイスを含む例示的な光反応性システムの断面を示す。
【0013】
図8図8は、例示的な光反応性システムの斜視断面図を示す。
【0014】
図9図9は、光反応性システムのネスト型楕円反射体の斜視図を示す。
【0015】
図10図10は、図9のネスト型楕円反射体の端部断面図を示す。
【0016】
図11図11は、共同設置焦点を有するネスト型楕円反射体を含むUV硬化デバイスを使用して、光ファイバなどのワークピースを硬化するための例示的な方法のフローチャートを示す。
【0017】
図3図5、および図7図10は、縮尺通りに示されているが、所望であれば、他の相対的な寸法を使用することもできる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の説明は、UV硬化デバイスのためのシステムおよび方法に関し、特に、光ファイバ表面コーティングの紫外線硬化のためのUV硬化デバイスに関する。UV硬化デバイスは、図1に示す光反応性システムのような光反応性システム内に含まれる。従来、UV硬化デバイスは、図2に示すように、シングル楕円反射体を含む。しかしながら、本開示によるUV硬化デバイスは、図3及び図5に示すように、ネスト型楕円反射体を含む。ネスト型楕円反射体は、内側の第2の楕円反射体を収容する外側の第1の楕円反射体を含む。第1の楕円反射体および第2の楕円反射体は、第1の楕円反射体の第1の焦点および第2の楕円反射体の第1の焦点がそれぞれ同じ位置に配置されるように構成される。第1の楕円形反射体の第2の焦点に配置された光源は、第1の焦点に配置されたワークピース(例えば、光ファイバ)に向かってUV光線を向ける。UV光線は、第1の楕円反射体および第2の楕円反射体の反射面によって、ワークピースに向かって反射される。その結果、図4および図6のグラフによって示されるように、ワークピースの位置でUV光の放射照度の増大につながる。それらの楕円反射体は、図7図8に示すように、UV硬化デバイスのハウジング内に配置される。そして、それらの楕円反射体の一方または両方は、図9図10に示すように、別個の部品から形成される。ワークピースは、図11のフローチャートによって示される例示的な方法に従って、UV硬化デバイスによって硬化される。ネスト型楕円反射体を含むようにUV硬化デバイスを構成することによって、ワークピースの位置におけるUV放射照度は、従来のUV硬化デバイスと比較して増大する。増大した放射照度は、ワークピースの硬化時間を低減する。これにより、生産効率が上がり、コストが低減する。加えて、ネスト型反射体によって提供される増大した放射照度により、ワークピースを硬化させるためのUV放射を生成するために光源によって消費される電力の量が低減される。その結果、光源のサイズおよび/または複雑さが低減される。これは、UV硬化デバイスの動作コストおよび/または製造コストをさらに低下させる。
【0019】
図1を参照すると、光反応性システム(例えば、硬化デバイス10(本明細書ではUV硬化デバイスと呼ぶ)など)の例示的な構成のブロック図が示されている。硬化デバイス10は、発光サブシステム12と、コントローラ14と、電源16と、冷却サブシステム18とを備える。発光サブシステム12は、複数の半導体デバイス19を含む。複数の半導体デバイス19は、例えば、LEDデバイスの線形アレイのような発光素子のアレイ20である。また、発光素子のアレイ20は、例えば、LEDデバイスの二次元アレイ、または、複数のLEDアレイのアレイを含む。半導体デバイスは、放射出力24を提供する。放射出力24は、硬化デバイス10から固定平面に位置するワークピース26に向けられる。返ってきた放射線28は、ワークピース26から(例えば、放射出力24の反射によって)発光サブシステム12に向け戻される。
【0020】
放射出力24は、カップリング光学系30を介してワークピース26に向けられる。カップリング光学系30は、様々に実装されてもよい。一例として、カップリング光学系は、半導体デバイス19と窓64との間に介在された1つまたは複数の層、材料または他の構造を含み、ワークピース26の表面に放射出力24を提供する。一例として、カップリング光学系30は、収集(collection)、集光(condensing)、コリメーション(collimation)、または別の方法で放射出力24の質または効果的な量を増大するためのマイクロレンズアレイを含む。別の例として、カップリング光学系30は、マイクロ反射体アレイを含む。そのようなマイクロ反射体アレイを使用すると、放射出力24を提供する半導体デバイスのそれぞれは、1対1の基準で、各マイクロ反射体に配置される。別の例として、放射出力24を提供する発光素子のアレイ20は、多数対1の基準で、複数のマクロ反射体に配置される。このように、カップリング光学系30は、両方のマイクロ反射体アレイを含んでいる。各半導体デバイスは、各マイクロ反射体および複数のマクロ反射体において、1対1の基準で配置されている。半導体デバイスからの放射出力24の量および/または質は、マクロ反射体によってさらに増大される。例えば、マクロ反射体は、楕円筒反射体、放物面反射体、ネスト型楕円筒反射体等を含む。
【0021】
カップリング光学系30の層、材料または他の構造のそれぞれは、選択された屈折率を有する。各屈折率を適切に選択することによって、放射出力24(および/または返ってきた放射線28)の経路内の層、材料、および他の構造の間のインターフェースでの反射を選択的に制御する。一例として、半導体デバイスとワークピース26との間に配置された、選択されたインターフェース(例えば、窓64)でのそのような屈折率の差を制御することによって、そのインターフェースでの反射は、ワークピース26への最大搬送のために、そのインターフェースでの放射出力の伝送を増大するように、低減されまたは増大される。例えば、カップリング光学系は、二色性の反射体を含む。特定の波長の入射光が吸収される一方、他の波長の入射光は反射され、ワークピース26の表面に集束される。
【0022】
カップリング光学系30は、様々な目的のために採用される。例示的な目的はとりわけ、半導体デバイス19の劣化の可能性を低減すること、冷却サブシステム18に関連する冷却流体を保持すること、放射出力24を収集し、集光し、および/またはコリメートすること、返ってきた放射線28を収集し、方向付けし、または退けること、あるいはその他の目的を含む。これらは、単独で、または組み合わせることができる。更なる例として、硬化デバイス10は、放射出力24の効果的な品質、均一性、または量を増大する(特に、ワークピース26に伝送される)ように、カップリング光学系30を使用してもよい。
【0023】
複数の半導体デバイス19は、データをコントローラ14に供給するように、カップリング電子機器22を介してコントローラ14に結合される。さらに後述するように、コントローラ14は、このようなデータを提供する半導体デバイスを(例えば、カップリング電子機器22を介して)制御するように実装される。コントローラ14は、電源16および冷却サブシステム18に接続され、これらを制御するように実装される。例えば、コントローラは、ワークピース26で照射される光の使用可能なエリアを増大させるために、アレイ20の中間部分に分布する発光素子により大きな駆動電流を供給し、アレイ20の端部に分布する発光素子により小さな駆動電流を供給する。更に、コントローラ14は、電源16および冷却サブシステム18からデータを受信する。一例において、ワークピース26表面の1つまたは複数の位置における放射照度は、センサによって検出され、フィードバック制御スキームでコントローラ14に送信される。さらなる例では、コントローラ14は、別の照明システム(図1には示されていない)のコントローラと通信して、両方の照明システムの制御を協調させる。例えば、複数の照明システムのコントローラ14は、マスタースレーブカスケーディング制御アルゴリズム(master-slave cascading control algorithm)で動作するコントローラの一つの設定点は、他のコントローラの出力によって設定される。別の照明システムと連動して、硬化デバイス10の動作のための他の制御ストラテジーが使用されてもよい。別の例として、並んで配置された複数の照明システムのコントローラ14は、複数の照明システムにわたって照射光の均一性を高めるために、同一の方法で照明システムを制御する。
【0024】
電源16、冷却サブシステム18、および発光サブシステム12に加えて、コントローラ14は、内部エレメント32および外部エレメント34に接続され、内部エレメント32および外部エレメント34を制御するように実装される。図示されるような内部エレメント32は、硬化デバイス10に対して内側にある。一方、図示されるような外部エレメント34は、硬化デバイス10に対して外側にあるが、ワークピース26(例えば、ハンドリング機器、冷却機器またはその他の外部機器)に関連付けられてもよく、または、硬化デバイス10が支持する光化学反応(例えば、硬化)に関連付けられてもよい。
【0025】
電源16、冷却サブシステム18、発光サブシステム12、および/または内部エレメント32および外部エレメント34のうちの1つまたは複数からコントローラ14によって受信されるデータは、様々なタイプである。一例として、そのデータは、結合された半導体デバイス19と関連する1つまたは複数の特性を表す。別の例として、そのデータは、各発光サブシステム12と、電源16と、冷却サブシステム18と、内部エレメント32と、データを提供する外部エレメント34と関連する1つまたは複数の特性を表す。さらに別の例として、データは、ワークピース26に関連付けられた1つまたは複数の特性を表す(例えば、ワークピースに向けられた放射出力エネルギーまたはスペクトルコンポーネントを表す)。さらに、データは、これらの特性の何らかの組み合わせを表していてもよい。
【0026】
コントローラ14は、そのようなデータを受信すると、そのデータに応答するように実装される。例えば、任意のそのようなコンポーネントからのそのようなデータに応答して、コントローラ14は、電源16、冷却サブシステム18、発光サブシステム12(1つまたは複数のそのような結合された半導体デバイスを含む)、および/または内部エレメント32および外部エレメント34のうちの1つまたは複数を制御するように実装される。一例として、光エネルギーがワークピースに関連する1つまたは複数のポイントにおける光エネルギーの閾値よりも低いことを示す発光サブシステムからのデータに応答して(例えば、光エネルギーの閾値がワークピース26の硬化に望ましい光エネルギーの量に対応する)、コントローラ14は、次の(a)~(d)のいずれかのように実行される。(a)1つまたは複数の半導体デバイスに電源の電力供給を増大する。(b)冷却サブシステム18を介して発光サブシステムの冷却を増大させる(例えば、冷却される場合、特定の発光デバイスは、より大きな放射出力を提供する)。(c)電力がそのようなデバイスに供給される間の時間を増大させる。(d)上記のいずれかの組み合わせを提供する。
【0027】
発光サブシステム12の個別の半導体デバイス19(例えば、LEDデバイス)は、コントローラ14によって独立して制御される。例えば、コントローラ14は、異なる強度、波長等の光を発する1つまたは複数の個別のLEDデバイスの第2のグループを制御しながら、第1の強度、波長等の光を発する1つまたは複数の個別のLEDデバイスの第1のグループを制御する。1つまたは複数の個別のLEDデバイスの第1のグループは、発光素子の同じアレイ20内にあってもよく、複数の照明システムからの発光素子の2つ以上のアレイ20からあってもよい。また、発光素子のアレイ20は、他の照明システムにおける発光素子(例えば、半導体デバイス19)の他のアレイからのコントローラ14によって独立して制御されてもよい。例えば、第1のアレイの半導体デバイスは、第1の強度と波長等の光を発するように制御される。一方、別の硬化デバイスにおける第2のアレイの半導体デバイスは、第2の強度と波長等の光を発するように制御される。
【0028】
さらなる例として、第1のセットの条件(例えば、特定のワークピース、光反応、および/または操作条件のセット)の下、コントローラ14は、第1の制御ストラテジーを実行するために、硬化デバイス10を動作させる。一方、第2のセットの条件(例えば、特定のワークピース、光反応、および/または操作条件のセット)の下、コントローラ14は、第2の制御ストラテジーを実行するために、硬化デバイス10を動作させる。上述したように、第1の制御ストラテジーは、第1の強度、波長等の光を発する1つまたは複数の個別の半導体デバイス(例えば、LEDデバイス)の第1のグループを動作させることを含む。一方、第2の制御ストラテジーは、第2の強度、波長等の光を発する1つまたは複数の個別のLEDデバイスの第2のグループを動作させることを含む。LEDデバイスの第1のグループは、第2のグループと同じLEDデバイスのグループであってもよい。また、LEDデバイスの第1のグループは、LEDデバイスの1つまたは複数のアレイにわたってもよく、または、第2のグループと異なるLEDデバイスのグループであってもよい。しかし、LEDデバイスの異なるグループは、第2のグループからの1つまたは複数のLEDデバイスのサブセットを含む。
【0029】
冷却サブシステム18は、発光サブシステム12の熱挙動を管理するために実装されている。例えば、冷却サブシステム18は、発光サブシステム12、より具体的には、半導体デバイス19の冷却のために提供される。また、冷却サブシステム18は、ワークピース26および/またはワークピース26と硬化デバイス10(例えば、発光サブシステム12)との間の空間を冷却するために実装される。例えば、冷却サブシステム18は、空気冷却システムまたは他の流体(例えば、水)冷却システムを含む。冷却サブシステム18はまた、半導体デバイス19に取り付けられた冷却フィン、または半導体デバイス19のアレイ20、またはカップリング光学系30に取り付けられた冷却フィンなどのような冷却エレメントを含む。例えば、冷却サブシステムは、カップリング光学系30の上に冷却空気を吹き付けることを含む。カップリング光学系30は、熱伝達を高めるために外部フィンを備えている。
【0030】
硬化デバイス10は、種々のアプリケーションのために使用される。例えば、そのようなアプリケーションは、例に限定されないが、光ファイバ、インク印刷、DVD及びリソグラフィの製造等の硬化用途を含む。硬化デバイス10を使用することができるアプリケーションは、関連する動作パラメータを有する。すなわち、アプリケーションは、1つまたは複数の時間にわたって適用される、1つまたは複数の波長で、1つまたは複数のレベルの放射強度(radiant power)の提供のような、関連する動作パラメータを有する。アプリケーションに関連する光反応を適切に達成するために、屈折力(optical power)は、1つまたは複数のこれらのパラメータのうちの1つまたは複数の所定のレベルでまたは所定のレベルを超えて(および/または特定の時間、時間、または時間範囲にわたって)、ワークピース26において、またはワークピース26の近くで、供給される。
【0031】
意図されたアプリケーションのパラメータに従うために、放射出力24を提供する半導体デバイス19は、アプリケーションのパラメータ(例えば、温度、スペクトル分布および放射強度)に関連する様々な特性に従って動作される。同時に、半導体デバイス19は、半導体デバイスの製造に関連付けられている動作仕様書を有する。それは、とりわけ、デバイスの劣化の可能性を低減するために、付随される。硬化デバイス10の他のコンポーネントも、動作仕様書を関連付ける。これらの仕様書には、他のパラメータ仕様書の中でも、動作温度および印加電力に関する範囲(例えば、最大値および最小値)が含まれる。
【0032】
したがって、硬化デバイス10は、アプリケーションのパラメータのモニタリングを支援する。更に、硬化デバイス10は、各特性と仕様書とを含む半導体装置19のモニタリングを提供する。さらに、硬化デバイス10はまた、その特性および仕様書を含む、硬化デバイス10の選択された他のコンポーネントのモニタリングを提供する。
【0033】
このようなモニタリングを提供することにより、硬化デバイス10の動作が確実に評価されるように、システムの適切な動作の検証が可能となる。例えば、硬化デバイス10は、アプリケーションのパラメータ(例えば、温度、スペクトル分布、放射強度など)、そのようなパラメータと関連付けられた任意のコンポーネントの特性および/または任意のコンポーネントのそれぞれの動作仕様書のうちの1つまたは複数に関して、不適切に動作している可能性がある。モニタリングの提供は、システムのコンポーネントのうちの1つまたは複数からコントローラ14によって受信されたデータに応答し、それに従って実行される。
【0034】
モニタリングは、システムの動作の制御をサポートする。例えば、制御ストラテジーは、コントローラ14を介して実行される。コントローラ14は、1つまたは複数のシステムコンポーネントからデータを受信し、それに応答する。この制御ストラテジーは、上述したように、(例えば、コンポーネント動作に関するデータに基づいて、コンポーネントに向けられた制御信号によってコンポーネントを制御することによって)直接的に、または、(例えば、他のコンポーネントの動作を調整するように向けられた制御信号によってコンポーネントの動作を制御することによって)間接的に実行される。一例として、半導体デバイスの放射出力は、発光サブシステム12に印加される電力を調整する電源16に向けられた制御信号を介して、および/または、発光サブシステム12に付与される冷却を調整する冷却サブシステム18に向けられた制御信号を介して、間接的に調整される。
【0035】
制御ストラテジーは、システムの適切な動作および/またはアプリケーションの性能を可能にし、および/または、向上させるために使用される。より具体的な例では、制御は、アプリケーションの光反応を行うように、(例えば、十分な放射エネルギーをワークピース26に向けながら、半導体デバイス19を所望の閾値動作温度以上に加熱する可能性を低減するために)アレイの放射出力とその動作温度との間のバランスを可能にする、および/または、増大するために使用される。
【0036】
いくつかのアプリケーションにおいて、ワークピース26に高い放射強度を供給する。したがって、発光サブシステム12は、発光素子(例えば、半導体デバイス19)のアレイ20を使用して実装される。例えば、発光サブシステム12は、高密度発光ダイオード(LED)アレイを用いて実現される。LEDアレイが使用され、本明細書で詳述するが、半導体デバイス19と、そのアレイ(例えば、アレイ20)とは、本発明の原理から逸脱することなく、他の発光技術を使用して実装されてもよい。そのような他の発光技術は、特に限定されないが、有機LED、レーザーダイオード、他の半導体レーザなどが挙げられる。
【0037】
引き続き図1を参照すると、複数の半導体デバイス19は、アレイ(例えば、アレイ20)の形態、または(例えば、図1に示されるよう)複数のアレイのうちの1つのアレイの形態で提供される。アレイは、1つまたは複数の半導体デバイス19、または大部分の半導体デバイス19が放射出力を提供するように構成されるように実装される。しかしながら、同時に、1つまたは複数のアレイの半導体デバイス19は、アレイの特性の選択のモニタリングを提供するように実装される。例えば、モニタリングデバイス36は、アレイ内のデバイスの中から選択され、例えば、他の発光デバイスと同じ構造を有する。発光デバイスとモニタリングデバイスとの間の差異は、特定の半導体デバイスに関連するカップリング電子機器22によって決定される(例えば、基本的な形態では、LEDアレイは、カップリング電子機器が逆電流を提供するモニタリングLEDデバイスと、カップリング電子機器が順電流を提供する発光LEDデバイスとを有する)。
【0038】
さらに、カップリング電子機器に基づいて、アレイにおける半導体デバイスは、多機能デバイスおよび/またはマルチモードデバイスのいずれか/両方であてもよい。(a)多機能デバイスは、2つ以上の特性(例えば、放射出力、温度、磁場、振動、圧力、加速度、および他の機械的力または変形のいずれか)を検知することができ、アプリケーションパラメータまたは他の決定要因に従って、これらの検知機能間でスイッチされる。(b)マルチモードデバイスは、発光、検出、および他の何らかのモード(例えば、オフ)が可能であり、アプリケーションパラメータまたは他の決定要因に従って、モード間でスイッチされる。
【0039】
上述したように、硬化デバイス10は、ワークピース26を受けるように構成される。一例として、ワークピース26は、UV硬化性光ファイバ、リボン、またはケーブルなどである。さらに、ワークピース26は、硬化デバイス10のカップリング光学系30の焦点に、またはその近傍に位置される。このようにして、硬化デバイス10から照射されたUV光は、UV硬化用ワークピースの表面にカップリング光学系を介して向けられ、その場で光反応を実行する。硬化デバイス10のカップリング光学系30は、以下でさらに説明するように、共同設置焦点(co-located focus)を有するように構成されている。
【0040】
次に、図2を参照すると、図2は、シングル楕円反射体200を含むカップリング光光学系の一例を示す。シングル楕円反射体は、光ファイバワークピースの被膜を硬化するための従来のUV硬化デバイスに使用される。
【0041】
本明細書で説明するように、楕円は、閉曲線を生成するように、平面と円錐との交差から生じる平面曲線であり、2つの固定点(楕円の焦点)までの距離が同じ定数に加える平面のすべての点の軌跡として定義される。楕円上の対極点間の距離、または、楕円の中心に中間点がある点のペア間の距離は、その長軸または横径に沿って最大であり、その直交する短軸または共役径に沿って最小である。楕円は、その長軸および短軸に対して対称である。楕円の焦点は、楕円の長軸上の2つの特別な点であり、(長軸と短軸が交差する)楕円の中心点から等距離である。楕円上の任意の点からこれらの2つの焦点までの距離の合計は、一定であり、長軸に等しい。これらの2つの点の各々は、楕円の焦点と呼ばれる。楕円筒は、楕円断面を有する円筒である。
【0042】
楕円反射体200は、楕円形の断面を有する楕円筒を備える。このように、楕円反射体200は、2つの焦点を有する。楕円筒の軸方向の長さに沿った1つの焦点から照射された光は、円筒の長軸に沿った第2の焦点に集中する。楕円反射体の表面210は、楕円筒形状と、楕円の断面とを有する光制御デバイスの一例である。それにより、楕円反射体の第1の焦点(例えば、楕円筒の軸に沿った焦点)における単一の光源230から発する光線250は、楕円反射体の第2の焦点240(例えば、楕円筒の第2の軸に沿った焦点)に向けられる。UV硬化のために、楕円反射体の内部表面は、第2の焦点240に位置するワークピースの表面にUV光を実質的に向けるために、UV反射性である。
【0043】
単一の光源を有するシングル楕円反射体デバイスでは、近距離場のワークピース表面(例えば、光源に向いているワークピース表面)は、遠距離場のワークピース表面(例えば、光源から離れて向いているワークピース表面)よりも高い強度で光を受ける。したがって、シングル楕円反射体はまた、光源230から発するUV光線264をフォーカスするために、および、ワークピースの遠距離場の表面上に向けるようにするために、円筒状の予備的なバック反射体260を含む。予備的なバック反射体は、ワークピースのより均一な照射を提供するために使用される。
【0044】
上述のように、従来のシングル楕円反射体(例えば、楕円反射体200)は、2つの焦点を有している。第1の焦点で光源(例えば、光源230)から始まる光は、第2の焦点(例えば、第2の焦点240)に実質的に集中する。
【0045】
図3を参照すると、硬化デバイス300が示されている。硬化デバイス300(本明細書では、UV硬化デバイス、UV硬化システム、および/または光反応性システムと呼ぶ)は、以下でさらに説明するように、硬化デバイス300の動作中、硬化デバイス300の一部の放射照度を示すために、図3に点描陰影で示されている。硬化デバイス300は、第1の楕円反射体302と、入れ子状態の第2の楕円反射体304とを含む。第1の楕円反射体302および第2の楕円反射体304は、ネスト型楕円反射体とも呼ばれる。第1の楕円反射体302は、本明細書では第1の楕円筒反射体と呼ばれる。第2の楕円反射体304は、本明細書では第2の楕円筒反射体と呼ばれる。特に、第2の楕円反射体304は、第1の楕円反射体302の内部303に収容される。第1の楕円反射体302の短軸308は、第2の楕円反射体304の短軸306と同軸に配置される。そして、第1の楕円反射体302の長軸310は、第2の楕円反射体304の長軸312と同軸に配置される。第2の楕円反射体304は、第1の楕円反射体302よりも小さい。第2の楕円反射体304の短軸306は、第1の楕円反射体の短軸308に対して短い長さを有する。
【0046】
第1の楕円反射体302と、第2の楕円反射体304とは、共同設置焦点314を実質的に共有するように配置される。共同設置焦点314は、第1の楕円反射体302の第1の焦点と、第2の楕円反射体304の第1の焦点とを表す。第1の楕円反射体302の第1の焦点と、第2の楕円反射体304の第1の焦点とは、実質的に同じ空間位置に配置され、本明細書ではまとめて共同設置焦点314と称される。第1の楕円反射体302は、反射性内面316を含む。第2の楕円反射体304は、反射性内面318を含む。さらに、第2の焦点322は、第1の楕円反射体302および第2の楕円反射体304のそれぞれの焦点である。第2の焦点322は、共同設置焦点314に対向して配置される。共同設置焦点314は、第1の楕円反射体302の開放された第2の端部313よりも第1の楕円反射体302の閉じた第1の端部311に近接して配置される。一方、第2の焦点322は、第1の楕円反射体302の閉じた第1の端部311よりも第1の楕円反射体302の開放された第2の端部313に近接して配置される。
【0047】
光源320は、長軸312および長軸310に沿って、共同設置焦点314に対向して位置する第2の焦点322に位置し、またはその近傍に位置し、またはそれを包含してもよい。光源320は、例えば、LEDのアレイを含む個々のLEDデバイス、または複数のLEDアレイのアレイであってもよい。この配置において、入れ子状態の楕円表面は、ネスト型楕円反射体の第2の焦点322に位置された、またはその近傍に位置された光源320から照射された光を、共同設置焦点314に位置されたワークピース324の表面に実質的に集光させることができる。ワークピース324は、サンプルチューブ326内に配置される。サンプルチューブ326の材料(例えば、ガラス、石英など)は、光源320によって照射される光に対して実質的に透明である。加えて、サンプルチューブの材料は、光源320によって生成されたより大量の光線をサンプルチューブ326内のワークピース324に向けるように、適切な低い屈折率を有する。サンプルチューブ326は、硬化デバイス300内に配置される。サンプルチューブ326の中心軸は、実質的に、共同設置焦点314を中心とする。図3に示す例では、サンプルチューブ326は、22ミリメートルの直径を有する。しかしながら、他の例(例えば、図5に示され、以下でさらに説明される例)では、サンプルチューブは、異なる直径を有する。さらに他の例では、ワークピース324は、サンプルチューブ326なしで硬化デバイス300の内部の共同設置焦点314に配置される。例えば、ワークピース324は、硬化デバイス300内に延在してもよく、サンプルチューブ326によって囲まれることなく、共同設置焦点314の中心に置かれてもよい(例えば、サンプルチューブ326は、硬化デバイス300の内部から省略される)。
【0048】
この構成では、反射性内面316および反射性内面318によって、光源320によって発生された光線の反射のために、ワークピース324の照明量をより容易に所望の量の照明に維持する。そして、硬化デバイス300は、バック反射体なしで製造または組み立てられる。その結果、硬化デバイス300のコストおよび/または複雑さを低減する。このようにして、図3に例示される構成は、シングル楕円反射体UV硬化デバイスに対して、ワークピース表面にわたって、より高い照射強度およびより均一な照射強度を潜在的に達成することもできる。より高く、より均一な照射強度を達成することは、潜在的に、増大した生産速度および/またはより短い硬化時間を可能にする。それによって、製品製造コストを減少させる。
【0049】
ネスト型楕円反射体に関し、UV光は、シングル楕円型UV硬化デバイスと比較して高い強度を維持しながら、シングル楕円反射体を有する構成に対して、ワークピースの全ての表面にわたってより均一に集光される。さらに、ネスト型楕円反射体が利用されるので、共同設置焦点からのワークピースのわずかな位置ずれ、または、焦点の1つから1つまたは複数の光源のわずかな位置ずれがあっても、光源から照射された光は、ほぼワークピースの表面に向けられる。さらに、ワークピースの断面が不規則な形状または非対称である場合、または、ワークピースの断面が大きい場合、ネスト型楕円反射体が利用されるとき、光源から照射される光は、ほぼワークピースの表面に向けられる。
【0050】
硬化デバイス300のネスト型楕円反射体の構成は、ネスト型の構成を含まない硬化デバイスと比較して、硬化デバイス300のサイズをさらに低減する。例えば、硬化デバイス300のサイズは、ネスト型でない構成(例えば、第1の楕円反射体の短軸が第2の楕円反射体の短軸と同軸に配置されていない構成)において、デュアル楕円反射体を含む硬化デバイスに比べて低減される。硬化デバイス300のサイズを小さくすると、硬化デバイス300の取り扱いおよび/または輸送が容易になる。硬化デバイス300のサイズを小さくすると、光源320はワークピース324のより近くに配置され、これにより、ワークピース324によって吸収される光の量を増大させ、ワークピース324の硬化速度(rate of curing)を増大させる。加えて、第2の楕円反射体304は第1の楕円反射体302内に入れ子状態にあるため、第2の楕円反射体304の劣化の可能性が低減される(例えば、硬化デバイス300を輸送する間)。さらに、第1の楕円反射体302および第2の楕円反射体304のネスト型構成は、ネスト型構成に楕円反射体を含まない硬化デバイス(例えば、軸方向にオフセットされた構成または非同心の構成のデュアル楕円反射体を含む硬化デバイス)と比較して、硬化デバイス300の製造の複雑さ(例えば、成形および/または鋳造の複雑さ、反射面コーティングの複雑さ等)を低減する。
【0051】
反射性内面316と反射性内面318とは、実質的に楕円形であってもよく、または少なくとも部分的に楕円形であってもよい。第1の楕円反射体302および第2の楕円反射体304は、それぞれ、実質的に楕円筒として形成される。第2の焦点322に配置された光源320から照射された光は、共同設置焦点314に向かって、反射性内面316および反射性内面318によって反射される。例えば、反射性内面316および反射性内面318の形状は、共同設置焦点314での光源320によって照射される光の収束を実質的に損なうことなく、完全な楕円形からわずかに逸脱してもよい。さらなる例として、完全な楕円からわずかに逸脱する反射性内面316および反射性内面318の形状は、ファセットされた楕円形の表面(faceted elliptical surfaces)を含む。第1の楕円反射体302および第2の楕円反射体304の一般的な形状は、楕円形であるが、楕円から若干離れてファセットされた個別断面を有していてもよい。ファセット化された、または部分的にファセット化された楕円表面は、所与の光源に対するワークピース表面での光の均一性または強度を増大させる方法で、反射された光の制御を潜在的に可能にする。例えば、ファセット(facets、小平面)は、楕円形状に近似するために、本質的に平坦または湾曲、滑らかまたは連続であってもよく、光源の放出形状を考慮して楕円形状からわずかに逸脱してもよい。それによって、ワークピース表面における放射照度を改善している。ファセットの各々は、楕円形表面を形成するために複数のフラットファセットを結合する角を有する平面であってもよい。または、ファセットは、湾曲された表面を有していてもよい。
【0052】
硬化デバイス300は、第1楕円反射体302を形成した開口328を含む。開口328は、共同設置焦点314およびワークピース324に対向して配置される。開口328は、長軸310および長軸312を中心に対称である。開口328は、第1の楕円反射体302および第2の楕円反射体304を、UV硬化デバイス300の他のコンポーネント(例えば、光源320)に取り付け、位置決めおよび/または位置合わせ、並びに一体化することを助ける。開口328のエッジ332は、開口328が第1の楕円反射体302の短軸308に平行な方向において、第2の焦点322における第1の楕円反射体302の対向するサイド間の長さ334よりも大きくならないように位置される。さらに、第2の楕円反射体304は、開口328に向かって配置された第1の開口部340(例えば、第2の楕円反射体304の第1の端部)と、開口328から離れて配置された第2の開口部342(例えば、第2の楕円反射体304の対向する第2の端部)とを含む。第1の開口部340は、第2の楕円形反射体304の内部へのアクセスを提供する。一方、光源320によって放射された光線336は、第2の開口部342を通過して、共同設置焦点314に配置されたワークピース324を捕らえる(例えば、光源320からワークピース324へ直接通過するか、および/または、ワークピース324へ向けて反射性内面316によって反射する)。
【0053】
上述のように、硬化デバイス300は、サンプルチューブ326でワークピース324を受けるように構成される。ワークピース324は、サンプルチューブ326の内側を通過する。その結果、ワークピース324の中心軸およびサンプルチューブ326の中心軸は、それぞれ平行であり、共同設置焦点314を封じる。この構成では、ネスト型構成で配置された第1の楕円反射体302および第2の楕円反射体304により、硬化デバイス300は、光源320から照射された光線336を実質的に均一な方法でかつ高強度でワークピース324の表面に集束させ、方向付ける。本明細書では、実質的に均一な方法でワークピースを照射することは、本質的に同じ放射照度(例えば、単位面積当たりの電力(power))で、硬化デバイス300内に配置されたワークピースの表面のすべてに照射することを指す。例えば、ワークピース324は、光ファイバを含む。第2の焦点322に光源320を実質的に配置することは、光ファイバを取り囲む閾値距離内で一定の放射照度のビームで光ファイバを照射することを容易にする。一例として、閾値距離は、光ファイバを取り囲む1mmの一定ビームを含む。さらなる例として、閾値距離は、光ファイバを囲む3mmの一定ビームを含む。
【0054】
さらに、第1の楕円反射体302および第2の楕円反射体304が入れ子状態に配置されているため、ワークピース324の表面を均一に照射することができる。それにより、ワークピース324に光を向けるために、ネスト型の楕円反射体の内面以外のバック反射体または反射面を使用することを妨げる。さらに、ワークピース324がサンプルチューブ326内を通過する場合について、サンプルチューブ326の大きさは、第1の楕円反射体302の反射性内面316および第2の楕円反射体304の反射性内面318とサンプルチューブ326が接触する可能性を低減するために、楕円反射体の大きさに少なくとも部分的に基づいて決定される。上述したように、楕円反射体のネスト型構成のために、硬化デバイス300のサイズは、ネスト型楕円反射体を含まない硬化デバイスと比較して縮小される。硬化デバイス300のサイズを小さくすることは、光源320をワークピース324のより近くに位置させることを更に助ける(例えば、長軸310および長軸312の方向における共同設置焦点314と、第2の焦点322との間の長さが減少するように、第1の楕円反射体302および第2の楕円反射体304のサイズを構成する)。
【0055】
図示のように、光源320から照射される光は、第1の楕円反射体302の反射性内面316および第2の楕円反射体304の反射性内面318からワークピース324の表面上に反射される光線336を含む。光源320から照射される光は、光源320からワークピース324の表面に直接照射される光線をさらに含む。
【0056】
反射性内面316および反射性内面318は、可視光線および/またはUV光線および/またはIR光線を、光の最小限の吸収または屈折で反射する。代替的に、反射性内面316及び反射性内面318は、ある範囲の波長の光が反射されるように二色性である。一方、ある範囲外の波長の光は、反射性内面316および反射性内面318で吸収される。例えば、反射性内面316および反射性内面318は、UV光線および可視光線を反射するが、IR光線を吸収するように設計される。このような反射性内面は、感熱性コーティングまたはワークピースにとって、またはワークピース324の表面での硬化反応の速度および均一性を緩和するために潜在的に有用である。他方、硬化反応はより高い温度でより迅速に進行することができるので、反射性内面316および反射性内面318は、UVおよびIRの両方を優先的に反射する。
【0057】
上述のように、ワークピース324は、光ファイバを含む。ワークピース324は、付加的におよび/または代替的に、ある範囲のサイズおよび寸法を有するリボンまたはケーブルを含む。ワークピース324はまた、UV硬化性クラッドおよび/または表面コーティング、ならびにその表面に印刷されたUV硬化性インクを含む。UV硬化性クラッドは、1つまたは複数のUV硬化性ポリマー系を含み、2つ以上のUV硬化性層を含む。これは、1つまたは複数の硬化段階でUV硬化性である。UV硬化性表面コーティングは、薄膜、または、光ファイバまたは光ファイバクラッドの表面上で硬化可能なインクを含む。例えば、ワークピースは、コアおよびクラッド層を含む光ファイバである。クラッドは、UV硬化性ポリマー(例えば、ポリイミドまたはアクリレートポリマーなど)、または、別の1つまたは複数のUV硬化性ポリマーを含むコーティングを含む。別の例として、ネスト型の層コーティングを使用することもできる。この場合、ワークピースは、マイクロベンディングによる減衰を最小限に抑えるために硬化したとき、柔らかいゴム質を有する内層と、より硬く、摩耗および環境(例えば、湿気、UV)への暴露からワークピース(例えば、光ファイバ)を保護するのに適した外層とでコーティングされる。内層および外層は、開始剤、モノマー、オリゴマー、および他の添加剤を含むポリマー系(例えば、エポキシ系)を含む。
【0058】
硬化中、ワークピース324は、サンプルチューブ326の内側で、硬化デバイス300を通って軸方向に引っ張られるか、または引き抜かれる。ワークピース324は、実質的に共同設置焦点314で軸方向の中心に置かれる。さらに、サンプルチューブ326は、共同設置焦点314を中心に軸方向に中心合わせされ、ワークピース324を同心円状に取り囲む。サンプルチューブ326は、ガラス、石英、または別の光学的および/またはUVおよび/またはIR透明な材料で構成される。サンプルチューブ326は、寸法が過度に厚くない。その結果、サンプルチューブ326は、光源320から照射される光線をブロックしないか、または実質的に妨害しない。その光線は、第1の楕円反射体302の反射性内面316と、第2の楕円反射体304の反射性内面318とからサンプルチューブ326を通ってワークピース324の表面上に反射される光線を含む。サンプルチューブ326は、円形状の断面を有している。または、サンプルチューブ326は、別の適切な形状の断面を有していてもよい。サンプルチューブ326はまた、ワークピース324の周りの不活性雰囲気を維持し、UV硬化反応を遅くする可能性がある酸素抑制を低減するために、不活性ガス(例えば、窒素、二酸化炭素、ヘリウムなど)を含む。
【0059】
光源320は、LED光源、LEDアレイ光源、またはマイクロ波電力もしくはハロゲンアーク光源、またはそれらのアレイなどの1または複数の半導体デバイスまたは半導体デバイスのアレイを含むことができる。例えば、光源320は、図1を参照して上述した半導体デバイス19に類似した複数の半導体デバイスを含む。さらに、ほぼ第2の焦点322に位置する光源320は、第1の楕円反射体302の長さ(例えば、軸方向の長さ)および硬化デバイス300の第2の楕円反射体304の長さ(例えば、軸方向の長さ)に沿って延在するように、第2の焦点322の軸方向の長さに沿って延在している。光源320(特に、光源のアレイ、または光源の複数のアレイのうちのアレイ)は、第1の楕円反射体302の長さおよび第2の楕円反射体304の長さに沿って、またはその長さに沿った位置で、第2の焦点322をさらに包含するか、またそれを超えて延在している。このようにして、第1の楕円反射体302の長さおよび第2の楕円反射体304の長さに沿って光源320から照射された光は、ワークピース324の全長に沿ってワークピース324の表面に実質的に向け直される。
【0060】
さらに、光源320は、1つまたは複数の可視光、UV光、またはIR光を放出する。別の例として、光源320は、第1の時間期間中、第1のスペクトルのUV光を照射し、次いで、第2の時間期間中、第2のスペクトルのUV光を照射する。光源320によって放射される第1および第2のスペクトルは、重複していても、重複していなくてもよい。例えば、光源320が第1のタイプのLED光源を有する第1のLEDアレイと、第2のタイプのLED光源を有する第2のLEDアレイとを含む場合、それらの発光スペクトルは、重複していても、重複していなくてもよい。さらに、第1のLEDアレイおよび第2のLEDアレイから光源320によって照射される光の強度は、同一であってもよく、異なっていてもよい。それらの強度は、コントローラ14またはカップリング電子機器22を介してオペレータによって独立して制御される。このようにして、光源320の光強度および波長の両方を、ワークピースの均一なUV照射およびUV硬化を達成するために柔軟かつ独立して制御することができる。例えば、ワークピース324が不規則な形状である場合、および/または第1の楕円反射体302および第2の楕円反射体304の共同設置焦点314に対して対称的でない場合、硬化デバイス300は、均一な硬化を成し遂げるために、ワークピースのある部分と異なる別の部分を照射してもよい。別の例として、異なるコーティングまたはインクがワークピース324の表面に付与される場合、硬化デバイス300は、ワークピース324に適用される異なるコーティングまたはインクの各々の完全な硬化を提供するために、ワークピース324の一部分と異なる別の部分を照射してもよい。
【0061】
第1の楕円反射体302とネスト型構成の第2の楕円反射体304を含むように硬化デバイス300を構成することによって、硬化デバイス300に関連する硬化速度(curing rate)を増大させることができる。そして、硬化デバイス300によるワークピース324の硬化の均一性を増大させることができる。例えば、ワークピース324は、UV光への曝露によって硬化されるように構成されたコーティングを含む。コーティングが不均一であり、または、ワークピースに不均一に塗布されていると、コーティングが膨張または収縮する間に、ワークピースは、不均一な力を受ける。ワークピースが光ファイバである場合、不均一なコーティングは、信号減衰の可能性を増加させる結果となる。コーティングのより均一な硬化を達成することは、反応性モノマーおよびオリゴマーのより高いパーセント転化率と、ポリマー系におけるより高い架橋度とを提供することを含む。加えて、一定の厚さを有し、ワークピース(例えば、光ファイバ)のアプリケーション長さにわたって連続的であるワークピースの周りの同心コーティングを達成することを含む。
【0062】
光ファイバ、ケーブル、リボン等の連続またはバッチ製造プロセスにおけるより速い硬化速度を達成することは、製造時間およびコストを潜在的に削減する。さらに、より均一な硬化を達成することは、潜在的に、より高い耐久性および強度をワークピースに付与する。光ファイバコーティングの場合、コーティングの均一性の向上は、ファイバ強度を潜在的に維持する。それによって、マイクロベンディング変形、応力腐食、または光ファイバ内の他の機械的損傷などの現象のために、信号伝送の減衰を防止することに関して、光ファイバの耐久性を潜在的に向上させている。より高い架橋度はまた、コーティングの耐薬品性を潜在的に増大させ、光ファイバの化学的浸透および化学的腐食または化学的劣化を防止する。光ファイバは、表面欠陥によって激しく劣化する。従来のUV硬化デバイスでは、硬化速度は、硬化均一性の低下を犠牲にして増大する。同様に、硬化均一性は、増大するが、硬化速度の低下を犠牲にして増大する。
【0063】
上述したように、硬化デバイス300は、硬化デバイス300の操作中、硬化デバイス300の内部303の様々な部分の放射照度を示すために、点描陰影で示されている。特に、より高い放射照度を有する硬化デバイス300の内部303の点描陰影の表示部分は、より大きな点描サイズで示されている。一方、より低い放射照度を有する硬化デバイス300の内部303の点描陰影の表示部分は、より小さな点描サイズで示される。第2の焦点322および共同設置焦点314に近接する硬化デバイス300の内部303の部分は、それぞれ、第2の焦点322および共同設置焦点314から離れて位置する内部303の部分に対してより高い放射照度を有する。共同設置焦点314における放射照度は、第2の焦点322における放射照度よりも高い。例えば、光源320によって放射された光線336は、ワークピース324を捕らえ、上述したように、ワークピース324の硬化のためにワークピース324の表面によって吸収される。光線336の一部は、反射して光源320に返ってくる。しかし、反射して光源320に返ってくる光線336の部分は、ワークピース324によって吸収される光線336の部分よりも小さい(例えば、ワークピース324は、第1の楕円反射体302の反射性内面316および第2の楕円反射体304の反射性内面318によって共同設置焦点314に向かう光線336の反射のため、光源320によって放射される光の大部分を吸収する)。
【0064】
図4を参照すると、プロット402を含むグラフ400が示されている。これは、図3によって示され、上述された硬化デバイス300の内部303の異なる位置における放射照度を示している。特に、グラフ400の垂直軸は、非干渉性の(incoherent)放射照度を示す。グラフ400の横軸は、硬化デバイス300の内部303の位置を示す。水平軸に沿った「0」とラベル付けされた位置は、図3によって示され、上述された共同設置焦点314の位置に対応する。水平軸に沿った正の値は、図3によって図示されるように、共同設置焦点314の右側(例えば、開口328に向かう側)に配置された位置を示す。水平軸に沿った負の値は、図3によって図示されるように、共同設置焦点314の左側(例えば、開口328から離れた側)に配置された位置を示す。グラフ400のx軸の「30」の値と「40」の値との間に配置されたプロット402の部分は、図3によって示され、上述された第2の焦点322の位置に対応する。
【0065】
プロット402によって示されるように、共同設置焦点314の位置における放射照度は、硬化デバイス300の内部303の他の部分における放射照度に対してより高いピーク値を有する。その結果、共同設置焦点314に配置されたワークピース(例えば、図3によって示され、上述されたワークピース324)の硬化速度および硬化均一性を高めることができる。いくつかの例では、共同設置焦点314の位置におけるピーク放射照度は、66.452ワット毎センチメートルスクエアである。光源による全出力は、109.53ワットである。他の例では、ピーク放射照度および/または全電力は、異なる値を有していてもよい。しかしながら、各例では、硬化デバイス300の内部303のピーク放射照度は、共同設置焦点314の位置で生じる。
【0066】
次に図5を参照すると、硬化デバイス500の別の例が示されている。硬化デバイス500は、図3に示し、上述した硬化デバイス300を参照して上述したものと同様に構成された幾つかのコンポーネントを含む。特に、硬化デバイス500は、第1の楕円反射体502と、第2の楕円反射体504とを含む。第2の楕円反射体504は、ネスト型構成で第1の楕円反射体502内に収容される。第1の楕円反射体502は、本明細書では、第1の楕円筒反射体と呼ぶ。第2の楕円反射体504は、本明細書では、第2の楕円筒反射体と呼ぶ。第1の楕円反射体502の構成は、図3を参照して上述した第1の楕円反射体302と同様であってもよい。第2の楕円反射体504の構成は、図3を参照して上述した第2の楕円反射体304と同様であってもよい。第1の楕円反射体502および第2の楕円反射体504はそれぞれ、上述の共同設置焦点314と同様に、共同設置焦点514を有する。特に、共同設置焦点514は、第1の楕円反射体502および第2の楕円反射体504のそれぞれの焦点である。第1の楕円反射体502の反射性内面516および第2の楕円反射体504の反射性内面518は、図3を参照して上述した例と同様に、サンプルチューブ526内の共同設置焦点514に配置されたワークピース524に、第2の焦点522に配置された光源520によって放射された光線536を反射するように構成される。第2の焦点522は、第1の楕円反射体502および第2の楕円反射体504のそれぞれの焦点である。第2の焦点522は、共同設置焦点514に対向して配置される。共同設置焦点514は、第1の楕円反射体502の開放された第2の端部513よりも第1の楕円反射体502の閉じた第1の端部511に近接して配置される。一方、第2の焦点522は、第1の楕円反射体502の閉じた第1の端部511よりも、第1の楕円反射体502の開放された第2の端部513に近接して配置されている。サンプルチューブ526の材料(例えば、ガラス、石英など)は、光源520によって放射される光に対して実質的に透明である(例えば、いくつかの例では、光源520によって放射され、サンプルチューブ526の表面に入射する光の少なくとも95%は、サンプルチューブ526による反射なしにサンプルチューブ526を通過する)。硬化デバイス500は、エッジ532の間に配置された開口528をさらに含む。開口528は、第1の楕円反射体502および第2の楕円反射体504を、硬化デバイス500の他のコンポーネント(例えば、光源520など)に取り付け、位置決めし、および/または位置合わせし、一体化することを助ける。第2の楕円反射体504は、第1の開口部(aperture)540および第2の開口部542を含む。第1の開口部540は、第2の楕円反射体504の内部へのアクセスを提供する。光源520によって放射された光線536は、第2の開口部542を通過して、共同設置焦点514に配置されたワークピース524を捕らえる。
【0067】
第1の楕円反射体502および第2の楕円反射体504の相対的な寸法は、図3を参照して上述した第1の楕円反射体302および第2の楕円反射体304の相対的な寸法と比較して異なっている。特に、第2の焦点522における第1の楕円反射体502の対向するサイド間の長さ534は、図3を参照して上述した長さ334よりも大きい。さらに、長軸510および/または短軸508に沿った第1の楕円反射体502の長さは、図3によって示され、上述された第1の楕円反射体302の対応するそれぞれの長さよりも長い。そして、長軸512および/または短軸506に沿った第2の楕円反射体504の長さは、図3によって示され、上述された第2の楕円反射体304の対応するそれぞれの長さよりも長い。第1の楕円反射体502および第2の楕円反射体504の一方または各々の拡大されたサイズは、図3を参照して上述した硬化デバイス300に対してワークピース524およびサンプルチューブ526を収容するための追加の内部空間を提供する。一例として、サンプルチューブ526は、図3に示され、上述されたサンプルチューブ326の直径の一例として提供される22ミリメートルの直径と比較して、28ミリメートルの直径を有する。いくつかの例では、より大きなサンプルチューブ526は、サンプルチューブ326に対してより大きなワークピースを収容する。さらに他の例では、ワークピース524は、サンプルチューブ526なしで、硬化デバイス500の内部の共同設置焦点514に配置される。例えば、ワークピース524は、硬化デバイス500内に延在し、サンプルューブ526によって囲まれることなく、共同設置焦点514の中心に置かれる(例えば、サンプルチューブ526は、硬化デバイス500の内部から省略されてもよい)。
【0068】
図3を参照して上述した例と同様に、図5に示す硬化デバイス500は、硬化デバイス500の動作中、硬化デバイス500の内部503の様々な部分の放射照度を示すために、点描陰影で示されている。より高い放射照度を有する内部503の部分は、より大きな点描サイズで示される。一方、より低い放射照度を有する内部の部分は、より小さな点描サイズで示される。点描陰影によって示されるように、共同設置焦点514における放射照度は、第2の焦点522における放射照度よりも高い。
【0069】
図6を参照すると、プロット602を含むグラフ600が示されている。これは、図5によって示され、上述された硬化デバイス500の内部503の異なる位置における放射照度を示している。特に、グラフ600の垂直軸は、非干渉性の放射照度を示し、グラフ600の横軸は、硬化デバイス500の内部503の位置を示す。水平軸に沿った「0」とラベル付けされた位置は、図5によって示され、上述された、共同設置焦点514の位置に対応する。水平軸に沿った正の値は、図5によって図示されるように、共同設置焦点514の右側(例えば、開口528に向かった側)に配置された位置を示す。水平軸に沿った負の値は、図5によって図示されるように、共同設置焦点514の左側(例えば、開口528から離れた側)に配置された位置を示す。グラフ600のx軸の「30」の値と「40」の値との間に配置されたプロット602の部分は、図5によって示され、上述された第2の焦点522の位置に対応する。
【0070】
プロット602によって示されるように、共同設置焦点514の位置における放射照度は、硬化デバイス500の内部503の他の部分における放射照度に対してより高いピーク値を有する。その結果、共同設置焦点514に配置されたワークピース(例えば、図5に示され、上述されたワークピース524)の硬化速度および硬化均一性が増大される。いくつかの例では、共同設置焦点514の位置におけるピーク放射照度が53.494ワット毎センチメートルスクエアであり、光源による全出力は116.47ワットである。他の例では、ピーク放射照度および/または全電力は、異なる値を有する。しかしながら、各例では、硬化デバイス500の内部503のピーク放射照度は、共同設置焦点514の位置で生じる。
【0071】
次に図7を参照すると、硬化デバイス700の断面図が示されている。硬化デバイス700は、本明細書では光反応性システム、UV硬化デバイス、および/またはUV硬化システムと呼ぶ。硬化デバイス700は、円筒状の第1の楕円反射体780と、円筒状の第2の楕円反射体790とを含むネスト型楕円筒反射体775を含むことが示される。第1の楕円射体780は、上述の第1の楕円反射体302または第1の楕円反射体502と同様であっても、同じであってもよい。第2の楕円反射体790は、上述の第2の楕円反射体304または第2の楕円反射体504と同様であって、も同じであってもよい。硬化デバイス700は、上述の硬化デバイス300または硬化デバイス500と同様であっても、同じであってもよい。第2の楕円反射体790は、第1の楕円反射体780内に収容される(例えば、第1の楕円反射体780によって囲まれた内部空間に配置される)。その結果、第1の楕円反射体780および第2の楕円反射体790は、ネスト型の構成になる。第1の楕円反射体780および第2の楕円反射体790は、共同設置焦点760を有する。これは、上述の共同設置焦点314および共同設置焦点514と同様である。第2の焦点792は、上述の第2の焦点322および第2の焦点522と同様である。特に、共同設置焦点760は、第1の楕円反射体780および第2の楕円反射体790のそれぞれの焦点である。さらに、第2の焦点792は、第1の楕円反射体780および第2の楕円反射体790のそれぞれの焦点である。第2の焦点792は、共同設置焦点760に対向して配置される。共同設置焦点760は、第1の楕円反射体780の開放された第2の端部793よりも第1の楕円反射体780の閉じた第1の端部791に近い位置に配置される。一方、第2の焦点792は、第1の楕円反射体780の閉じた第1の端部791よりも第1の楕円形射体780の開放された第2の端部793に近い位置に配置される。
【0072】
第2の焦点792に配置された光源710は、ハウジング716内に少なくとも部分的に収容されている。ハウジング716は、冷却流体が循環する注入口および排出口配管接続部714を含む。光源710は、第2の焦点792に沿って実質的に配置されたUV LEDの1つまたは複数のアレイを含む。硬化デバイス700は、ハウジング716が反射体組立ベースプレート720に取り付ける装着ブラケット718をさらに含む。硬化デバイス700はまた、サンプルチューブ770と、ワークピース(図示しない)(例えば、光ファイバ)とを含む。そのワークピースは、サンプルチューブ770内に引っ張られるかまたは引き抜かれ、サンプルチューブ770の長手方向の中心軸の周りに実質的に配置される。サンプルチューブ770の長手方向の軸は、ネスト型楕円筒反射体775の共同設置焦点760に実質的に沿って配置される。光源710から生じるUV光は、サンプルチューブ770を介して、第1の楕円反射体780および第2の楕円反射体790によってワークピースの表面に実質的に向けられる。サンプルチューブ770は、石英、ガラス、または他の材料から構成され、円筒形または他の幾何学的形状を有する。サンプルチューブ770の外面に向けられたUV光は、実質的な屈折、反射、または吸収なしにサンプルチューブ770を通過する。
【0073】
反射体組立ベースプレート720は、反射体組立フェースプレート724に接続される。これは、ネスト型楕円筒反射体775の軸方向のいずれかの端部に機械的に固定される。サンプルチューブ770はまた、反射体組立フェースプレート724に機械的に固定される。このようにして、装着ブラケット718、反射体組立フェースプレート724および反射体組立ベースプレート720は、光源710、ネスト型楕円筒反射体775およびサンプルチューブ770の位置合わせを助ける役割を果たす。光源710から生じる光は、楕円筒反射体790の第2の焦点792の周りに実質的に位置される。サンプルチューブは、ネスト型楕円筒反射体775の共同設置焦点の周りに実質的に位置決めされる。そして、光源710から生じるUV光は、ネスト型楕円筒反射体775によって、サンプルチューブ770を通って、ワークピースの表面に実質的に向けられる。また、反射体組立フェースプレート724は、位置合わせ機構(図示せず)を含む。サンプルチューブ770の位置合わせおよび/または位置決めは、反射体組立フェースプレート724、反射体組立ベースプレート720、第1の楕円反射体780、第2の楕円反射体790、およびサンプルチューブ770が一緒に組み立てられた後に調整される。また、反射体組立ベースプレート720は、反射体組立取り付けプレート740の片側に沿って接続される。反射体組立取り付けプレート740は、硬化デバイス700を取り付けることができる1つまたは複数の取り付けスロット744(図8参照)および1つまたは複数の取り付け孔748(図8参照)をさらに備える。硬化デバイス700はまた、他の目的のために、電気配線管、取り付けセンサなどを接続するためのさらなる接続ポート722および750を含む。さらに、硬化デバイス700は、反射体ハウジング712と、硬化デバイス700からの熱を除去するために反射体ハウジング712上に取り付けられた冷却ファン715とを含む。いくつかの例では、第2の楕円反射体790は、1つまたは複数の細いポスト(例えば、ポスト794など)を介して第1の楕円反射体780に固定的に結合される。いくつかの例では、光源710は、1つまたは複数の細いポスト(例えば、細いポスト796など)を介して第2の焦点792の位置に配置される。
【0074】
ここで図8を参照すると、図7の硬化デバイス700の斜視断面図が示されている。例示目的のために、反射体組立フェースプレート724が除去されている。図7について上述した要素に加えて、硬化デバイス700は、光源710(図7に示す)から照射された光が透過する反射体組立リベースプレート720の開口部またはキャビティ840をさらに含む。図8に示されるように、キャビティ840は、ネスト型楕円反射体775の軸方向の長さに実質的にわたる。光源710からの光は、ネスト型楕円反射体775の全長に沿って照射される。流体を冷却するための冷却ファン715および注入口および排出口配管接続部714に加えて、反射体ハウジング712はまた、硬化デバイス700からの放熱を助けるためのフィン付き表面820を含む。
【0075】
図7および図8の硬化デバイス700では、ネスト型楕円反射体775は、薄い丸みを帯びたシート構造を有するものとして示されている。一例では、ネスト型楕円反射体は、洗浄可能、再利用可能、および交換可能である、研磨されたアルミニウムの成形薄板を含む。別の例では、フィンは、ネスト型楕円反射体775からの伝熱表面積を増大させるために、外部表面(例えば、光源710からの照射表面に対して外部)に追加される。
【0076】
次に、図9および図10を参照すると、ネスト型楕円反射体900を含む硬化デバイス901の別の実施形態の斜視図および端部断面図が示されている。ネスト型楕円反射体900は、第1の楕円反射体950と、第2の楕円反射体952とを含む。それらは、共同設置焦点982(例えば、共同設置焦点982は、第1の楕円反射体950と、第2の楕円反射体952との双方の焦点である)を有する。ネスト型楕円反射体900は、第1の楕円反射体950の反射性内面984と、第2の楕円反射体の反射性内面994とを含む。ネスト型楕円反射体900は、機械加工または鋳造され、研磨されて、反射性内面984および反射性内面994を形成する。代替的に、ネスト型楕円反射体は、ガラス、セラミック、またはプラスチックで機械加工され、成形され、鋳造され、または押し出され、高反射率コーティングで処理され、反射性内面984および反射性内面994を形成する。更にまた、ネスト型楕円反射体は、第1のハーフ部900Aと、第2のハーフ部900Bとを含む2つのハーフ部で組み立てられる。その2つのハーフ部、硬化デバイス901の組み立て中、共に適合および/または接合する。ネスト型楕円形反射体900はさらに、伝熱表面積を増大させるために、フィン付き表面918を含む。硬化デバイス901の他のコンポーネント(例えば、光源、光源ハウジングなど)へのネスト型楕円反射体900の取り付けおよび位置決めを容易にするために、ネスト型楕円反射体900の下側964に取り付け孔966を設けてもよい。ネスト型楕円反射体900は、その軸方向の全長に沿って、開口またはキャビティ968をさらに含む。キャビティ968は、キャビティ968がネスト型楕円反射体900の第2の焦点992に沿って延在するように、ネスト型楕円反射体900の長軸に沿って配置される。
【0077】
このようにして、硬化デバイスは、第2の楕円筒反射体を収容する第1の楕円筒反射体と、第2の焦点に位置する光源とを含む。第1の楕円筒反射体および第2の楕円筒反射体は、共同設置焦点を有するように配置される。光源から放射された光は、第2の楕円筒反射体から共同設置焦点に反射され、第1の楕円筒反射体から共同設置焦点に逆反射(retro-reflected)される。更に、第1の楕円筒反射体の長軸は、第2の楕円筒反射体の長軸よりも大きい。第1の楕円筒反射体の短軸は、第2の楕円筒反射体の短軸よりも大きい。
【0078】
第1の楕円筒反射体および第2の楕円筒反射体は、ワークピースを受けるように構成される。さらに、光源は、電源と、コントローラと、冷却サブシステムと、発光サブシステムとを含む。発光サブシステムは、カップリング電子機器と、カップリング光学系と、複数の半導体デバイスとを含む。ハウジングは、光源を含み、冷却サブシステムの流体用の注入口および排出口を含む。
【0079】
第1の楕円筒反射体および第2の楕円筒反射体のうちの少なくとも一方は、二色性反射体である。そして、光源の複数の半導体デバイスは、LEDアレイを含む。LEDアレイは、異なるピーク波長を有するUV光を放射する、第1のLEDと、第2のLEDとを含む。硬化デバイスは更に、共同設置焦点の周りに軸方向に中心化され、硬化デバイス内部のワークピースを同心円状に取り囲む石英チューブを含む。
【0080】
別の実施形態では、UV硬化用の光反応性システムは、電源と、冷却サブシステムと、発光サブシステムと、UV光源とを含む。発光サブシステムは、カップリング光学系を含む。これは、第2の楕円筒反射体を収容する第1の楕円筒反射体を含む。第1の楕円筒反射体と、第2の楕円筒反射体とは、共同設置焦点を有し、ネスト型構成に配置されている。光反応性システムは、コントローラをさらに含む。これは、UV光源からUV光を照射するために実行可能なメモリに記憶された命令を含む。照射されたUV光は、第1の楕円筒反射体および第2の楕円筒反射体のうちの少なくとも1つによって反射され、ワークピースの表面にフォーカスされる。コントローラは、照射されたUV光の強度を動的に変化させるように実行可能な命令をさらに含む。そして、光反応性システムは、第2の焦点に実質的に位置するUV光源をさらに含む。照射されたUV光は、ワークピースを取り囲む、空間的に一定の強度のビームを含む。
【0081】
次に、図11を参照すると、ワークピースを硬化させる方法1100が示される。いくつかの例では、ワークピースは、光ファイバ、光ファイバコーティング、または別の種類のワークピースであってもよい。方法1100は、1110で始まる。ワークピースは、光ファイバの場合、ワークピース引き抜き工程において、プリフォームから引き抜かれる。次に、方法1100は、1120に続く。ワークピースは、所定のコーティングプロセスを使用して、UV硬化性コーティングまたはUV硬化性ポリマーシステムでコーティングされる。
【0082】
次に、方法1100は、1130に進む。ワークピースをUV硬化させる。1130でのUV硬化の間、ワークピースは、1132で、1つまたは複数のUV硬化デバイスのサンプルチューブを通して引っ張られるか、または引き抜かれる。例えば、1つまたは複数のUV硬化デバイスは、直列に直線状に配置された、硬化デバイス10、硬化デバイス300、硬化デバイス500、または硬化デバイス901のうちの1つまたは複数を含む。さらに、ワークピースは、UV硬化デバイスのネスト型楕円反射体の共同設置焦点(例えば、第1の楕円筒反射体と第2の楕円筒反射体との共同設置焦点(例えば、図3によって示され、上述された第1の楕円反射体302と第2の楕円反射体304との共同設置焦314))に沿って配置される。ワークピースをUV硬化させる工程は、1134においてネスト型楕円反射体の第2の焦点に配置された少なくとも1つのLEDアレイ光源からUV光を照射する工程をさらに含む。照射されたUV光は、1136でワークピースの表面上に第2の楕円筒反射体によって反射され、1138で第1の楕円筒反射体によってワークピースの表面上に逆反射される。したがって、照射されたUV光は、ワークピースの表面上に均一に向けられる。
【0083】
光ファイバを引き抜き、UV硬化させる場合、光ファイバを引っ張り、引き抜く線速度は、非常に速く、例えば、20m/sを超える。したがって、複数のUV硬化デバイスを直列に配置することにより、光ファイバコーティングの硬化を実質的に完了するために、光ファイバがコーティングされた長さ分、十分に長いUV暴露滞留時間を受けることができる。いくつかの例では、UV硬化段階の有効長さ(例えば、直列に配置されたUV硬化デバイスの数)は、光ファイバまたはワークピースの生産速度、または引き抜きまたは線速度を考慮に入れることによって決定される。したがって、光ファイバ線速度が遅い場合、UV硬化システムの段階(stage)の長さまたは数は、光ファイバ線速度が速い場合よりも短い。特に、共同設置焦を有する第2の楕円筒反射体を収容する第1の楕円筒反射体を含むUV硬化デバイスを使用することにより、ワークピースの表面に照射され、方向付けられるより、高い強度で、より均一なUV光を潜在的に提供する。それにより、ワークピースのより速く、より均一な硬化の両方を提供することができる。このようにして、光ファイバコーティングおよび/またはインクは、より高い生産速度でUV硬化される。それによって、製造コストを低下させている。
【0084】
光ファイバコーティングのUV硬化の完了は、強度、耐久性、耐薬品性、疲労強度などの物理的および化学的特性を付与する。硬化が不完全または不十分であると、製品の性能品質および他の特性が劣化する。これらは、光ファイバの早期故障および性能損失を引き起こす。いくつかの例では、UV硬化段階の有効長さ(例えば、直列に配置されたUV硬化デバイスの数)は、光ファイバまたはワークピースの生産速度、または引き抜きまたは線速度を考慮に入れることによって決定される。したがって、光ファイバ線速度が遅い場合、UV硬化システム段階の長さまたは数は、光ファイバ線速度が速い場合よりも短い。
【0085】
次に、方法1100は、1140に続く。そして、追加のコーティング段階が必要かどうか判断される。いくつかの例では、二重または多重層コーティングをワークピースの表面(例えば、光ファイバ)に付与する。上述のように、光ファイバは、2つの保護同心コーティング層を含むように製造される。例えば、二重層コーティングが使用される。ワークピースは、マイクロベンディングによる減衰を最小限に抑えるために硬化されたときに柔らかくゴム状の品質を有することができる内層と、より硬く、摩耗と環境(例えば、湿気、UV)への暴露からワークピース(例えば、光ファイバ)を保護するのに適した外層と、でコーティングされる。内層および外層は、開始剤、モノマー、オリゴマー、および他の添加剤を含むポリマー系を含む。追加のコーティング工程が実行される場合、方法1100は、1120に戻る。光ファイバまたは他のワークピース(ここでは、UV硬化された第1の層でコーティングされている)は、追加のコーティング工程によってコーティングされ、続いて追加のUV硬化工程が行われる。図11では、各コーティング工程は、単純な例示の目的のためにコーティング(被覆)工程1120として示される。しかしながら、各コーティング工程は、異なる種類のコーティング、異なるコーティング組成物、異なるコーティング厚さを適用し、異なるコーティング特性をワークピースに付与するように、同一でなくてもよい。さらに、コーティング工程1120は、異なる処理条件(例えば、温度、コーティング粘度、コーティング方法)を使用してもよい。同様に、異なるコーティング層または工程のための1130でのワークピースをUV硬化する工程は、ある範囲の処理条件を含む。例えば、異なるUV硬化工程において、処理条件(例えば、UV光強度、UV露光時間、UV光波長スペクトル、UV光源など)は、コーティングおよび/またはコーティング特性のタイプに応じて変更されることができる。
【0086】
追加のコーティング段階はまた、例えば、着色または識別目的のために、UV硬化性インクまたはラッカーをワークピースの表面に印刷する工程またはコーティングする工程を含む。印刷工程は、所定の印刷プロセスを使用して実行され、1つまたは複数のマルチプル印刷段階または工程を含む。したがって、1130でのUV硬化工程は、ワークピースの表面上に印刷されたインクまたはラッカーをUV硬化する工程を含む。1つまたは複数の光ファイバコーティングのUV硬化工程と同様に、印刷されたインクまたはラッカーは、直列に直線状に配置された1つまたは複数のUV硬化デバイスの第1の楕円筒反射体および第2の楕円筒反射体の共同設置焦点に配置されたワークピースを引っ張ることによってUV硬化される。その間、UV光は、UV硬化デバイスのLEDアレイ光源から照射され、ネスト型楕円筒反射体によって、共同設置焦点で光ファイバの表面上に向けられる。
【0087】
追加のコーティング段階がない場合、方法1100は、1180に続く。ポストUV硬化プロセス工程が実行される。一例として、ワークピースが光ファイバを含む場合、ポストUV硬化プロセス工程は、ケーブルまたはリボン構造を含む。コーティングされ、印刷され、UV硬化された複数の光ファイバは、フラットリボン、または複数のファイバまたはリボンで構成されるより大きな直径のケーブルに組み合わされる。他のポストUV硬化プロセス工程は、外部クラッディングの共押出、またはケーブルおよびリボンのシーシング工程を含む。
【0088】
このようにして、ワークピースを硬化させる方法は、第2の楕円筒反射体を収容する第1の楕円筒反射体の共同設置焦点に沿ってワークピースを引き抜く工程と、第2の焦点に配置された光源からUV光を照射する工程と、第2の楕円筒反射体からワークピースの表面上に照射されたUV光を反射する工程と、第1の楕円筒反射体からワークピースの表面上に照射されたUV光を逆反射する工程と、を含む。さらに、共同設置焦点に沿ってワークピースを引き抜く工程は、UV硬化性コーティング、ポリマー、またはインクのうちの少なくとも1つを用いて、光ファイバ、リボン、またはケーブルのうちの少なくとも1つを引き抜く工程を含む。さらに、LEDアレイは、第1のLEDおよび第2のLEDを含む。第1のLEDおよび第2のLEDは、異なるピーク波長を有するUV光を発する。
【0089】
この方法は、照射されたUV光の強度を動的に変化させる工程と、第2の焦点にUV光源を実質的に位置決めする工程とを含む。照射されたUV光は、ワークピースを取り囲む空間的に一定の強度のビームを含む。
【0090】
本明細書に開示される構成は、本質的に例示的なものであり、多数の変形が可能であるため、これらの特定の実施形態は、限定的な意味で考慮されるべきではないことが理解される。例えば、上記の実施形態は、光ファイバ、ケーブル、およびリボン以外のワークピースに適用されることができる。さらに、上述のUV硬化デバイスおよびシステムは、既存の製造設備と一体化されてもよく、特定の光源用に設計されていない。上述のように、マイクロ波電力ランプ、LED、LEDアレイ、および水銀アークランプのような任意の適切な光エンジンを使用することができる。本開示の主題は、本明細書で開示される様々な構成、ならびに他の特徴、機能、および/または特性のすべての新規かつ非自明なコンビネーションおよびサブコンビネーションを含む。
【0091】
本明細書に記載の例示的なプロセスフローは、様々なUV硬化デバイスおよびUV硬化システム構成と共に使用される。本明細書で説明されるプロセスフローは、任意の数の処理ストラテジー(例えば、連続、バッチ、半バッチ、および半連続処理など)のうちの1つまたは複数を表す。したがって、図示された様々な操作、動作、または機能は、図示された順序で、並列に、または場合によっては省略されて実行される。同様に、処理の順序は、本明細書で説明される例示的な実施形態の特徴および利点を達成するために必ずしも要求されるわけではなく、例示および説明を容易にするために提供される。図示された動作または機能のうちの1つまたは複数は、使用されている特定のストラテジーに応じて繰り返し実行される。本明細書で開示される構成およびルーチンは、本質的に例示的なものである。多数の変形が可能であるため、これらの特定の実施形態は、限定的な意味で考慮されるべきではない。本開示の主題は、本明細書で開示される様々なシステムおよび構成、ならびに他の特徴、機能、および/または特性のすべての新規かつ非自明なコンビネーションおよびサブコンビネーションを含む。
【0092】
一実施態様では、硬化デバイスは、より大きな第1の楕円筒反射体と、より小さな第2の楕円筒反射体とを含む。第2の楕円筒反射体は、第1の楕円筒反射体の内部に入れ子状態になっている。第1の楕円筒反射体と、第2の楕円筒反射体とは、共同設置の第1の焦点を有するように配置されている。硬化デバイスの第1の例では、硬化デバイスは、第1の楕円筒反射体の第2の焦点に位置する光源を更に含む。光源から放射された光は、第2の楕円筒反射体から共同設置の第1の焦点に反射され、第1の楕円筒反射体から共同設置の第1の焦点に逆反射される。第2の楕円筒反射体の全体は、第1の楕円筒反射体の内部に収容される。共同設置の第1の焦点は、第2の楕円筒反射体の第1の開口部に配置され、第1の楕円筒反射体の閉じた端部と、対向する第2の楕円筒反射体の第2の開口部との間にある。硬化デバイスの第2の例は、第1の例を任意に含む。第2の例は、第1の楕円筒反射体の長軸に沿った第1の楕円筒反射体の長さが、第2の楕円筒反射体の長軸に沿った第2の楕円筒反射体の長さよりも大きく、第1の楕円筒反射体の長軸が、第2の楕円筒反射体の長軸と同軸にある構成をさらに含む。硬化デバイスの第3の例は、第1および第2の例の一方または両方を任意選択で含む。第3の例は、第1の楕円筒反射体の短軸に沿った第1の楕円筒反射体の長さが、第2の楕円筒反射体の短軸に沿った第2の楕円筒反射体の長さよりも大きく、第1の楕円筒反射体の短軸が、第2の楕円筒反射体の短軸と同軸である構成をさらに含む。硬化デバイスの第4の例は、任意選択で、第1から第3の例のうちの1つまたは複数を含む。第4の例は、第1の楕円筒反射体の長軸に沿った第1の楕円筒反射体の長さと、第2の楕円筒反射体の長軸に沿った第2の楕円筒反射体の長さとの間の差が、第1の楕円筒反射体の短軸に沿った第1の楕円筒反射体の長さと、第2の楕円筒反射体の短軸に沿った第2の楕円筒反射体の長さとの間の差に等しい構成をさらに含む。硬化デバイスの第5の例は、任意に、第1ないし第4の例の1つまたは複数を含む。第5の例は、第1の楕円筒反射体および第2の楕円筒反射体がワークピースを受けるように構成され、第2の楕円筒反射体がワークピースと第1の楕円筒反射体との間に配置された構成をさらに含む。硬化デバイスの第6の例は、任意選択で、第1から第5の例のうちの1つまたは複数を含む。第6の例は、さらに、第1の楕円筒反射体の反射面が第1の楕円筒反射体の短軸および第2の楕円筒反射体の短軸に沿った方向に、第2の楕円筒反射体の反射面から離間される構成を含む。第6の例は、光源が、電源、コントローラ、冷却サブシステム、および発光サブシステムを含み、発光サブシステムは、カップリング電子機器、カップリング光学系、および複数の半導体デバイスを含む構成を含む。第6の例は、光源のハウジングが冷却サブシステムの流体用の注入口および排出口を含む構成を含む。硬化デバイスの第7の例は、任意に、第1ないし第6の例の1つまたは複数を含む。第7の例は、さらに、石英管が、共同設置の第1の焦点の周りに軸方向に中心合わせされ、第1の楕円筒反射体と第2の楕円筒反射体との間で、硬化デバイスの内部でワークピースを同心円状に取り囲む構成を含む。硬化デバイスの第8の例は、第1~第7の例のうちの1つまたは複数を任意に含む。第8の例は、光源の複数の半導体デバイスがLEDアレイを含む構成をさらに含む。硬化デバイスの第9の例は、任意選択で、第1から第8の例のうちの1つまたは複数を含む。第9の例は、LEDアレイが第1のLEDおよび第2のLEDを含み、第1のLEDおよび第2のLEDが、異なるピーク波長を有するUV光を放射する構成をさらに含む。硬化デバイスの第10の例は、任意選択で、第1から第9の例のうちの1つまたは複数を含む。第10の例は、さらに、第1の楕円筒反射体および第2の楕円筒反射体のうちの少なくとも1つが二色性反射体である構成を含む。
【0093】
一実施形態で、UV硬化のための光反応性システムは、電源と、冷却サブシステムと、発光サブシステムと、コントローラとを含む。発光サブシステムは、第1の楕円筒反射体と、第1の楕円筒反射体内に収容され、共同設置焦点を共有する第2の楕円筒反射体とを含むカップリング光学系と、第1の楕円筒反射体および第2の楕円筒反射体のそれぞれの内部に配置されたワークピースと、第1の楕円筒反射体の第2の焦点に実質的に位置するUV光源と、を含む。コントローラは、メモリに記憶された命令を含む。命令されたとき、コントローラに、UV光源からUV光を照射させる。照射されたUV光は、第1の楕円筒反射体の反射面および第2の楕円筒反射体の反射面によって反射される。第1の楕円筒反射体の反射面によって反射された照射されたUV光は、第2の楕円筒反射体の開口部を通って反射され、ワークピースに集束される。UV硬化のための光反応性システムの第1の例では、コントローラは、実行されたときに、コントローラに照射されたUV光の強度を動的に変化させる、メモリに記憶された命令をさらに含む。UV硬化用の光反応性システムの第2の例は、任意に第1の例を含む。第2の例は、さらに、第2の楕円筒反射体の開口部を通って第1の楕円筒反射体の反射面によって反射された照射されたUV光と、第2の楕円筒反射体の反射面によって反射された照射されたUV光とが、ワークピースを取り囲む空間的に一定の強度のビームを形成する構成を含む。
【0094】
一実施態様において、方法は、第1の楕円筒反射体の長軸と、第1の楕円筒反射体内に入れ子状態の第2の楕円筒反射体の同軸の長軸とに沿ってワークピースを位置決めする工程と、第1の楕円筒反射体および第2の楕円筒反射体の内部に光源を位置決めする工程と、光源から光を放射する工程とを含む。放射された光は、第2の楕円筒反射体の反射面によって、および第2の楕円筒反射体の開口部を介した第1の楕円筒反射体の反射面によって、ワークピース上に反射される。本方法の第1の例では、本方法は、第1の楕円筒反射体および第2の楕円筒反射体の共同設置焦点に配置されたワークピースをさらに含む。この方法の第2の例は、第1の例を任意に含む。第2の例は、第2の楕円筒反射体の開口部を通って第2の楕円筒反射体の反射面によってワークピース上に反射された放射光が、第1の楕円筒反射体に向かう第1の方向に開口を通って放射され、ワークピースに向かう第2の方向に反射される構成をさらに含む。本方法の第3の例は、第1の例および第2の例の一方または両方を任意に含む。第3の例はさらに、放射された光がワークピースに到達する前に、第1の楕円筒反射体の反射面から単一反射される構成を含む。本方法の第4の例は、任意に、第1から第3の例の1つまたは複数を含む。第4の例はさらに、放射された光がワークピースに到達する前に、第2の楕円筒反射体の反射面から多重反射される構成を含む。方法の第5の例は、任意選択で、第1から第4の例のうちの1つまたは複数を含む。第5の例は、光源が第1のLEDおよび第2のLEDを含むLEDアレイを含む構成をさらに含む。光は、第1のピーク波長を有する第1のLEDから放射され、第2のピーク波長を有する第2のLEDから放出される。
【0095】
図3図5、および図7図10は、種々のコンポーネントの相対的な位置決めを有する例示的な構成を示す。互いに直接接触し、または直接結合されていることが示されている場合、そのような要素は、少なくとも一例では、直接接触している、または直接結合されていると呼ばれる。同様に、互いに隣接してまたは近接して示される要素は、少なくとも一例では、互いに隣接してまたは近接している。一例として、互いに面共有接触するコンポーネントは、面共有接触と呼ばれる。別の例として、少なくとも1つの例では、間に空間のみを有し、他のコンポーネントを有さないで、互いから離れて配置された要素は、そのようなものとして参照される。さらに別の例として、互いに上/下に、互いに反対側に、または互いに左/右に示される要素は、互いに対してそのようなものとして参照される。さらに、図に示されるように、少なくとも1つの例では、要素の最上部の要素または点は、コンポーネントの「上部」と呼ばれる。要素の最下部の要素または点は、コンポーネントの「底部」と呼ばれる。本明細書で使用されるように、トップ/ボトム、上部/下部、上/下は、図面の垂直軸に対して相対的であり、図面の要素の互いに対する位置を説明するために使用される。したがって、一例では、他の要素の上に示される要素は、他の要素の上に垂直に配置される。さらに別の例として、図面内に示される要素の形状は、それらの形状(例えば、円形、直線、平面、湾曲、丸みを帯びた、面取りされた、角度をつけられたなど)を有するものとして言及される。さらに、互いに交差するように示された要素は、少なくとも1つの例では、交差する要素または互いに交差すると呼ばれる。さらに、別の要素内に示されるか、または別の要素の外側に示される要素は、一例では、そのようなものとして参照される。
【0096】
本明細書に含まれる例示的な制御および推定ルーチンは、様々なシステム構成とともに使用されることに留意されたい。本明細書で開示される制御方法およびルーチンは、非一時的メモリ内に実行可能命令として格納され、様々なセンサ、アクチュエータ、および他のハードウェアと組み合わせて、コントローラを含む制御システムによって実行される。本明細書で説明される特定のルーチンは、イベント駆動、割り込み駆動、マルチタスキング、マルチスレッディングなどの任意の数の処理ストラテジーのうちの1つまたは複数を表す。したがって、図示された様々な動作、操作、および/または機能は、図示された順序で、並列に、または場合によっては省略されて実行される。同様に、処理の順序は、本明細書で説明される例示的な実施形態の特徴および利点を達成するために必ずしも必要ではなく、例示および説明を容易にするために提供される。図示された動作、操作、および/または機能のうちの1つまたは複数は、使用されている特定のストラテジーに応じて、繰り返し実行される。さらに、記載された動作、操作、および/または機能は、制御システム内のコンピュータ可読記憶媒体の非一時的メモリにプログラムされるべきコードを図形的に表す。記載された動作は、電子コントローラと組み合わせて様々なハードウェアコンポーネントを含むシステムで命令を実行することによって実行される。
【0097】
本明細書で開示される構成およびルーチンは本質的に例示的なものであり、多数の変形が可能であるため、これらの特定の実施形態は限定的な意味で考慮されるべきではないことが理解される。さらに、反対に明示的に述べられていない限り、用語「第1の」、「第2の」、「第3の」などは、任意の順序、位置、量、または重要性を示すことを意図しておらず、むしろ、単に、1つの要素を別の要素から区別するためのラベルとして使用される。本開示の主題は、本明細書で開示される様々なシステムおよび構成、ならびに他の特徴、機能、および/または特性の、すべての新規かつ非自明なコンビネーションおよびサブコンビネーションを含む。
【0098】
本明細書で使用されるように、用語「およそ」は、特に明記しない限り、範囲のプラスまたはマイナス5パーセントを意味すると解釈される。
【0099】
以下の特許請求の範囲は、特に、新規かつ非自明とみなされるコンビネーションおよびサブコンビネーションを指摘する。これらの特許請求の範囲は、「1つの」要素または「第1の」要素またはその均等物を指す。このようなクレームは、2つ以上のそのような要素を必要とせず、また排除しない、1つまたは複数のそのような要素の組み込みを含むと理解される。開示された特徴、機能、要素、および/または特性の他のコンビネーションおよびサブコンビネーションは、本特許請求の範囲の補正を通して、または本出願もしくは関連出願における新しい特許請求の範囲の発明を通して請求される。そのような特許請求の範囲は、元の特許請求の範囲よりも広い、狭い、等しい、または異なる範囲であろうと、本開示の主題内に含まれるものとみなされる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2022-01-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
より大きな第1の楕円筒反射体と、より小さな第2の楕円筒反射体と、を含む硬化デバイスであって、
前記第2の楕円筒反射体は、前記第1の楕円筒反射体の内部に入れ子状態になっており、
前記第1の楕円筒反射体および前記第2の楕円筒反射体は、共同設置された第1の焦点を有するように配置されていることを特徴とする硬化デバイス。
【請求項2】
前記第1の楕円筒反射体の第2の焦点に位置する光源を更に含み、
前記光源から放射された光は、前記第2の楕円筒反射体から前記共同設置された第1の焦点に反射され、前記第1の楕円筒反射体から前記共同設置された第1の焦点に逆反射され、
前記第2の楕円筒反射体の全体は、前記第1の楕円筒反射体の内部に収容され、
前記共同設置された第1の焦点は、前記第2の楕円筒反射体の第1の開口部で、前記第1の楕円筒反射体の閉じた端部と、対向する前記第2の楕円筒反射体の第2の開口部との間に配置されている請求項1に記載の硬化デバイス。
【請求項3】
前記第1の楕円筒反射体の長軸に沿った前記第1の楕円筒反射体の長さは、前記第2の楕円筒反射体の長軸に沿った前記第2の楕円筒反射体の長さよりも大きく、
前記第1の楕円筒反射体の前記長軸は、前記第2の楕円筒反射体の前記長軸と同軸にある請求項1に記載の硬化デバイス。
【請求項4】
前記第1の楕円筒反射体の短軸に沿った前記第1の楕円筒反射体の長さは、前記第2の楕円筒反射体の短軸に沿った前記第2の楕円筒反射体の長さよりも大きく、
前記第1の楕円筒反射体の前記短軸は、前記第2の楕円筒反射体の前記短軸と同軸にある請求項3に記載の硬化デバイス。
【請求項5】
前記第1の楕円筒反射体の前記長軸に沿った前記第1の楕円筒反射体の前記長さと、前記第2の楕円筒反射体の前記長軸に沿った前記第2の楕円筒反射体の前記長さとの間の差は、前記第1の楕円筒反射体の前記短軸に沿った前記第1の楕円筒反射体の前記長さと、前記第2の楕円筒反射体の前記短軸に沿った前記第2の楕円筒反射体の前記長さとの間の差に等しい請求項4に記載の硬化デバイス。
【請求項6】
前記第1の楕円筒反射体および前記第2の楕円筒反射体は、ワークピースを受けるように構成され、前記第2の楕円筒反射体は、前記ワークピースと前記第1の楕円筒反射体との間に配置される請求項1に記載の硬化デバイス。
【請求項7】
前記第1の楕円筒反射体の反射面は、前記第1の楕円筒反射体の短軸および前記第2の楕円筒反射体の短軸に沿った方向に、前記第2の楕円筒反射体の反射面から離間し、
前記光源は、電源と、コントローラと、冷却サブシステムと、発光サブシステムとを含み、
前記発光サブシステムは、カップリング電子機器と、カップリング光学系と、複数の半導体デバイスとを含み、
前記光源のハウジングは、前記冷却サブシステムの流体用の注入口および排出口を含む請求項1に記載の硬化デバイス。
【請求項8】
前記第1の楕円筒反射体と、前記第2の楕円筒反射体との間で、前記共同設置された第1の焦点を中心として軸方向に沿って設置され、かつ、前記硬化デバイス内で前記ワークピースを同心円状に取り囲む石英管をさらに含む請求項7に記載の硬化デバイス。
【請求項9】
前記光源の前記複数の半導体デバイスは、LEDアレイを含む請求項7に記載の硬化デバイス。
【請求項10】
前記LEDアレイは、異なるピーク波長を有するUV光線を放射する、第1のLEDと、第2のLEDとを含む請求項9に記載の硬化デバイス。
【請求項11】
前記第1の楕円筒反射体および前記第2の楕円筒反射体の少なくとも一方は、二色性反射体である請求項1に記載の硬化デバイス。
【請求項12】
第1の楕円筒反射体の長軸と、前記第1の楕円筒反射体内に入れ子状態になっている第2の楕円筒反射体の同軸の長軸とに沿ってワークピースを位置決めする工程と、
前記第1の楕円筒反射体および前記第2の楕円筒反射体の内部に光源を位置決めする工程と、
前記光源から光を放射する工程と、を含み、
前記放射された光は、前記第2の楕円筒反射体の反射面によって、および、前記第2の前記第1の楕円筒反射体の反射面によって、楕円筒反射体の開口部を介して前記ワークピース上に反射されることを特徴とする方法。
【請求項13】
前記ワークピースは、前記第1の楕円筒反射体と、前記第2の楕円筒反射体との共同設置焦点に配置される請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の楕円筒反射体の前記開口部を通って前記第2の楕円筒反射体の前記反射面によって前記ワークピース上に反射された前記放射された光は、前記第1の楕円筒反射体に向かう第1の方向に前記開口部を通って放射され、前記ワークピースに向かう第2の方向に反射される請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記放射された光は、前記ワークピースに到達する前に、前記第1の楕円筒反射体の前記反射面から単一反射される請求項14に記載の方法。
【外国語明細書】