(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022093309
(43)【公開日】2022-06-23
(54)【発明の名称】車両用ランプ
(51)【国際特許分類】
F21S 41/275 20180101AFI20220616BHJP
F21S 41/143 20180101ALI20220616BHJP
F21S 41/26 20180101ALI20220616BHJP
F21S 41/27 20180101ALI20220616BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220616BHJP
F21W 102/135 20180101ALN20220616BHJP
【FI】
F21S41/275
F21S41/143
F21S41/26
F21S41/27
F21Y115:10
F21W102:135
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021200362
(22)【出願日】2021-12-09
(31)【優先権主張番号】10-2020-0173769
(32)【優先日】2020-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0173770
(32)【優先日】2020-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】507098483
【氏名又は名称】ヒュンダイ・モービス・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リ ヒュン ス
(57)【要約】
【課題】本発明は、車両用ランプに関する。
【解決手段】本発明は、第1光源部と、第1光源部から照射される光で第1配光パターンを形成する第1レンズ構造体を備える第1ランプモジュールと、第2光源部と、第2光源部から照射される光で、第1配光パターンとは異なる特性を有する第2配光パターンを形成する第2レンズ構造体を備える第2ランプモジュールとを含み、第1配光パターンと第2配光パターンが互いに重なってロービームパターンを形成し、第1レンズ構造体と第2レンズ構造体は、光が入射される入射面が互いに異なる形状を有するように形成されることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1光源部と、前記第1光源部から照射される光で第1配光パターンを形成する第1レンズ構造体を備える第1ランプモジュールと、
第2光源部と、前記第2光源部から照射される光で、前記第1配光パターンとは異なる特性を有する第2配光パターンを形成する第2レンズ構造体を備える第2ランプモジュールとを含み、
前記第1配光パターンと前記第2配光パターンが互いに重なってロービームパターンを形成し、
前記第1レンズ構造体と前記第2レンズ構造体は、光が入射される入射面が互いに異なる形状を有するように形成される、車両用ランプ。
【請求項2】
前記第1レンズ構造体は、
前記第1光源部の前方に配置される第1本体部と、
前記第1光源部から照射される光を前記第1本体部に入射させるように、前記第1本体部の光が入射される面に備えられる第1入射面と、
前記第1本体部に入射された光を前記第1本体部の前方に出射させるように、前記第1本体部の前記光が出射される面に備えられる第1出射面とを含み、
前記第1入射面は、上部から見た形状である水平方向の形状と、側部から見た垂直方向の形状が前記第1光源部に向かう方向に湾曲して凸状の形状を有するように形成される、請求項1に記載の車両用ランプ。
【請求項3】
前記第1本体部は、前記第1本体部の上下方向の中央領域に向かって湾入した形状を有する第1湾入部を含む、請求項2に記載の車両用ランプ。
【請求項4】
前記第1湾入部は、前記第1光源部から出射され、前記第1湾入部に到達した光を遮断する、請求項3に記載の車両用ランプ。
【請求項5】
前記第1湾入部は、
前記第1湾入部の表面に形成され、前記第1本体部に入射される光の一部を遮断するように設けられる第1遮断層と、
前記第1湾入部の上端に形成され、ロービームパターンのカットオフラインを形成するように備えられる第1カットオフエッジとを含む、請求項3に記載の車両用ランプ。
【請求項6】
前記第1遮断層は、
前記第1カットオフエッジから下部に行くほど前記第1光源部に向かう方向に下向きに傾斜して延び、前記第1カットオフエッジの下端部に入射される光を遮断するように備えられる、請求項5に記載の車両用ランプ。
【請求項7】
前記第1湾入部は、
前記第1入射面に隣接して備えられる第1表面と、
前記第1表面から延び、前記第1出射面に隣接して備えられる第2表面とを含み、
前記第1遮断層は、前記第1表面に形成され、
前記第1カットオフエッジは、前記第1表面と前記第2表面が互いに接する領域に形成される、請求項5に記載の車両用ランプ。
【請求項8】
前記第1入射面の上下方向の大きさは、前記第1出射面の上下方向の大きさより大きいか前記第1出射面の上下方向の大きさと同一に形成される、請求項2に記載の車両用ランプ。
【請求項9】
前記第2レンズ構造体は、
前記第2光源部の前方に配置される第2本体部と、
前記第2光源部から照射される光を前記第2本体部に入射させるように前記第2本体部の光が入射される面に備えられる第2入射面と、
前記第2本体部に入射された光を前記第2本体部の前方に出射させるように前記第2本体部の前記光が出射される面に備えられる第2出射面とを含み、
前記第2入射面は、上部から見た形状である水平方向の形状が、前記第2光源部に向かう方向の反対方向に湾曲した凹状の形状に形成されるか平坦に形成され、側部から見た垂直方向の形状が、前記第2光源部に向かう方向に湾曲して凸状の形状に形成される、請求項1に記載の車両用ランプ。
【請求項10】
前記第2本体部は、前記第2本体部の上下方向の中央領域に向かって湾入した形状を有する第2湾入部を含む、請求項9に記載の車両用ランプ。
【請求項11】
前記第2湾入部は、前記第2光源部から出射され、前記第2湾入部に到達した光を遮断する、請求項10に記載の車両用ランプ。
【請求項12】
前記第2湾入部は、
前記第2湾入部の表面に形成され、前記第2本体部に入射される光の一部を遮断するように設けられる第2遮断層と、
前記第2湾入部の上端に形成され、ロービームパターンのカットオフラインを形成するように備えられる第2カットオフエッジとを含む、請求項10に記載の車両用ランプ。
【請求項13】
前記第2遮断層は、
前記第2カットオフエッジから下部に行くほど前記第2光源部に向かう方向に下向きに傾斜して延び、前記第2カットオフエッジの下端部に入射される光を遮断するように備えられる、請求項12に記載の車両用ランプ。
【請求項14】
前記第2湾入部は、
前記第2入射面に隣接して備えられる第3表面と、
前記第3表面から延び、前記第2出射面に隣接して備えられる第4表面とを含み、
前記第2遮断層は、前記第3表面に形成され、
前記第2カットオフエッジは、前記第3表面と前記第4表面が互いに接する領域に形成される、請求項13に記載の車両用ランプ。
【請求項15】
前記第2入射面の上下方向の大きさは、前記第2出射面の上下方向の大きさより大きいか、前記第2出射面の上下方向の大きさと同一に形成される、請求項10に記載の車両用ランプ。
【請求項16】
前記第1ランプモジュールと前記第2ランプモジュールは、それぞれ、複数備えられる、請求項1に記載の車両用ランプ。
【請求項17】
複数の前記第1ランプモジュールと複数の前記第2ランプモジュールは、一方向に沿って交互に配置される、請求項16に記載の車両用ランプ。
【請求項18】
前記第1光源部は、
光を生成する第1光源と、
前記第1光源の前方に備えられ、前記第1光源から放射された光を前記第1レンズ構造体の光軸に平行な平行光に変換し、前記第1レンズ構造体に入射させる第1コリメータとを含む、請求項1に記載の車両用ランプ。
【請求項19】
前記第2光源部は、
光を生成する第2光源と、
前記第2光源の前方に備えられ、前記第2光源から放射された光を前記第2レンズ構造体の光軸に平行な平行光に変換し、前記第2レンズ構造体に入射させる第2コリメータとを含む、請求項1に記載の車両用ランプ。
【請求項20】
光を照射する光源部と、
前記光源部の前方に配置され、前記光源部から照射される光を投射して所定のビームパターンを形成するように備えられるレンズ構造体とを含み、
前記レンズ構造体は、
本体部と、前記本体部の前記光が入射される面に形成され、前記光源部から照射される光を前記本体部に入射させるように備えられる入射面と、
前記本体部の前記光が出射される面に形成され、前記本体部に入射された光を前方に出射するように備えられる出射面とを含み、
前記本体部は、前記本体部の上下方向の中央領域に向かって湾入した形状を有する湾入部を含み、
前記湾入部は、前記光源部から出射され、前記湾入部に到達した光を遮断するように備えられる、車両用ランプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ランプに関し、より詳細には、ロービームパターンの実現のための法規および性能を満たす車両用ランプに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、車両には、夜間走行時に車両の周辺に位置した対象物を容易に確認するための照明機能および他の車両や道路利用者に車両の走行状態を知らせるための信号機能を有する様々な種類のランプが備えられる。
【0003】
例えば、主に照明機能を目的とするヘッドランプ(ヘッドライトまたは前照灯)およびフォグランプと、信号機能を目的とするターンシグナルランプ、テールランプ、ブレーキランプ、サイドマーカー(Side Marker)などを備えており、このような車両用ランプは、各機能を十分に発揮するように、その設置基準と規格に対して法規で規定されている。
【0004】
ヘッドランプのうちプロジェクションヘッドランプ(Projection Head Lamp)には、ランプ自体をユニット化したプロジェクション光学系が適用される。
【0005】
図10には、従来のプロジェクション光学系を用いてロービームパターンを実現する車両用ランプ1が図示されている。
【0006】
図10を参照すると、従来、車両用ランプは、光源2と、光源から照射された光を反射させる反射面が形成されたリフレクタ3と、リフレクタで反射された光の一部を遮断するシールド4と、照射された光を透過して出射する非球面レンズ5とを含む。光源2で発生した光は、リフレクタ3で反射され、反射された光は、非球面レンズ5に透過される。
【0007】
しかし、従来のプロジェクション光学系を用いた車両用ランプの場合、単焦点を有する非球面レンズを適用して配光パターンを形成するため、水平方向の拡散角が狭く、ロービームまたはハイビームを実現するための法規を満たすことができない場合が発生した。
【0008】
また、従来のプロジェクション光学系を用いた車両用ランプの場合、光源2からリフレクタ3に反射する過程で、1次に光損失が発生することがある。また、最近、ランプのスリム化に伴いレンズの高さが縮小され、リフレクタ3で反射された光が小型化した非球面レンズ6に入射されることができず、2次に光損失が発生することがある(
図10の点線参照)。
【0009】
このような光損失によって、従来のプロジェクション光学系を用いた車両用ランプは、光効率が低下し、これによって光学性能が減少する問題がある。したがって、法規と性能を満たすとともに光損失を最小化することができるように、車両用ランプの構造の改善が必要な状況である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上述の問題点を解決するために導き出されたものであり、ロービームパターンを実現するための法規と性能をいずれも満たすように、水平方向に拡散するビームパターンを実現する車両用ランプを提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、レンズ構造体の形状を変形することで、別のシールド部材を備えなくてもカットオフラインを形成する車両用ランプを提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、光学系で発生する光損失を最小化することができ、ランプのスリム化のために出射面の高さを減少させた場合にも光効率を補償する車両用ランプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明による車両用ランプは、第1光源部と、前記第1光源部から照射される光で第1配光パターンを形成する第1レンズ構造体を備える第1ランプモジュールと、第2光源部と、前記第2光源部から照射される光で、前記第1配光パターンとは異なる特性を有する第2配光パターンを形成する第2レンズ構造体を備える第2ランプモジュールとを含み、前記第1配光パターンと前記第2配光パターンが互いに重なってロービームパターンを形成し、前記第1レンズ構造体と前記第2レンズ構造体は、光が入射される入射面が互いに異なる形状を有するように形成される。
【0014】
前記第1レンズ構造体は、前記第1光源部の前方に配置される第1本体部と、前記第1光源部から照射される光を前記第1本体部に入射させるように、前記第1本体部の光が入射される面に備えられる第1入射面と、前記第1本体部に入射された光を前記第1本体部の前方に出射させるように、前記第1本体部の前記光が出射される面に備えられる第1出射面とを含み、前記第1入射面は、上部から見た形状である水平方向の形状と、側部から見た垂直方向の形状が前記第1光源部に向かう方向に湾曲して凸状の形状を有するように形成されることができる。
【0015】
前記第1本体部は、前記第1本体部の上下方向の中央領域に向かって湾入した形状を有する第1湾入部を含むことができる。
【0016】
前記第1湾入部は、前記第1光源部から出射され、前記第1湾入部に到達した光を遮断することができる。
【0017】
前記第1湾入部は、前記第1湾入部の表面に形成され、前記第1本体部に入射される光の一部を遮断するように設けられる第1遮断層と、前記第1湾入部の上端に形成され、ロービームパターンのカットオフラインを形成するように備えられる第1カットオフエッジとを含むことができる。
【0018】
前記第1遮断層は、前記第1カットオフエッジから下部に行くほど前記第1光源部に向かう方向に下向きに傾斜して延び、前記第1カットオフエッジの下端部に入射される光を遮断するように備えられることができる。
【0019】
前記第1湾入部は、前記第1入射面に隣接して備えられる第1表面と、前記第1表面から延び、前記第1出射面に隣接して備えられる第2表面とを含み、前記第1遮断層は、前記第1表面に形成され、前記第1カットオフエッジは、前記第1表面と前記第2表面が互いに接する領域に形成されることができる。
【0020】
前記第1入射面の上下方向の大きさは、前記第1出射面の上下方向の大きさより大きいか前記第1出射面の上下方向の大きさと同一に形成されることができる。
【0021】
前記第2レンズ構造体は、前記第2光源部の前方に配置される第2本体部と、前記第2光源部から照射される光を前記第2本体部に入射させるように前記第2本体部の光が入射される面に備えられる第2入射面と、前記第2本体部に入射された光を前記第2本体部の前方に出射させるように前記第2本体部の前記光が出射される面に備えられる第2出射面とを含み、前記第2入射面は、上部から見た形状である水平方向の形状が、前記第2光源部に向かう方向の反対方向に湾曲した凹状の形状に形成されるか平坦に形成され、側部から見た垂直方向の形状が、前記第2光源部に向かう方向に湾曲して凸状の形状に形成されることができる。
【0022】
前記第2本体部は、前記第2本体部の上下方向の中央領域に向かって湾入した形状を有する第2湾入部を含むことができる。
【0023】
前記第2湾入部は、前記第2光源部から出射され、前記第2湾入部に到達した光を遮断することができる。
【0024】
前記第2湾入部は、前記第2湾入部の表面に形成され、前記第2本体部に入射される光の一部を遮断するように設けられる第2遮断層と、前記第2湾入部の上端に形成され、ロービームパターンのカットオフラインを形成するように備えられる第2カットオフエッジとを含むことができる。
【0025】
前記第2遮断層は、前記第2カットオフエッジから下部に行くほど前記第2光源部に向かう方向に下向きに傾斜して延び、前記第2カットオフエッジの下端部に入射される光を遮断するように備えられることができる。
【0026】
前記第2湾入部は、前記第2入射面に隣接して備えられる第3表面と、前記第3表面から延び、前記第2出射面に隣接して備えられる第4表面とを含み、前記第2遮断層は、前記第3表面に形成され、前記第2カットオフエッジは、前記第3表面と前記第4表面が互いに接する領域に形成されることができる。
【0027】
前記第2入射面の上下方向の大きさは、前記第2出射面の上下方向の大きさより大きいか、前記第2出射面の上下方向の大きさと同一に形成されることができる。
【0028】
前記第1ランプモジュールと前記第2ランプモジュールは、それぞれ、複数備えられることができる。
【0029】
複数の前記第1ランプモジュールと複数の前記第2ランプモジュールは、一方向に沿って交互に配置されることができる。
【0030】
前記第1光源部は、光を生成する第1光源と、前記第1光源の前方に備えられ、前記第1光源から放射された光を前記第1レンズ構造体の光軸に平行な平行光に変換し、前記第1レンズ構造体に入射させる第1コリメータとを含むことができる。
【0031】
前記第2光源部は、光を生成する第2光源と、前記第2光源の前方に備えられ、前記第2光源から放射された光を前記第2レンズ構造体の光軸に平行な平行光に変換し、前記第2レンズ構造体に入射させる第2コリメータとを含むことができる。
【0032】
本発明による車両用ランプは、光を照射する光源部と、前記光源部の前方に配置され、前記光源部から照射される光を投射して所定のビームパターンを形成するように備えられるレンズ構造体とを含み、前記レンズ構造体は、本体部と、前記本体部の前記光が入射される面に形成され、前記光源部から照射される光を前記本体部に入射させるように備えられる入射面と、前記本体部の前記光が出射される面に形成され、前記本体部に入射された光を前方に出射するように備えられる出射面とを含み、前記本体部は、前記本体部の上下方向の中央領域に向かって湾入した形状を有する湾入部を含み、前記湾入部は、前記光源部から出射され、前記湾入部に到達した光を遮断するように備えられる。
【発明の効果】
【0033】
本発明の実施形態による車両用ランプは、第1レンズ構造体と前記第2レンズ構造体において、光が入射される入射面が互いに異なる形状を有するように形成し、第2レンズ構造体によって入射される光が水平方向に拡散するようにすることで、ロービームパターンを実現するための法規と性能をいずれも満たすようにすることができる。
【0034】
本発明の実施形態による車両用ランプは、レンズ構造体の形状を変形して湾入部を形成することで、別のシールド部材を備えなくてもカットオフラインを形成できるという利点がある。
【0035】
本発明の実施形態による車両用ランプは、光導波経路が光軸に配置されるように設計されることで、光学系で発生する光損失を最小化することができ、ランプのスリム化のために出射面の高さを減少させた場合にも光効率が低下することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本発明の一実施形態による車両用ランプを図示した上面図である。
【
図2】本発明の一実施形態による第1ランプモジュールを図示した斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態による第1ランプモジュールを上面から見た上面図である。
【
図4】本発明の一実施形態による第1ランプモジュールを側部から見た側面図である。
【
図5】本発明の一実施形態による第2ランプモジュールを図示した斜視図である。
【
図6】本発明の一実施形態による第2ランプモジュールを上面から見た上面図である。
【
図7】本発明の一実施形態による第2ランプモジュールを側部から見た側面図である。
【
図8】本発明の一実施形態による第1ランプモジュールによる配光パターンを図示した図である。
【
図9】本発明の一実施形態による第2ランプモジュールによる配光パターンを図示した図である。
【
図10】従来の車両用ランプの構成を概略的に図示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、添付の図面によって本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0038】
先ず、以下で説明する実施形態は、本発明である車両用ランプの技術的な特徴を理解させるために適した実施形態である。ただし、本発明が以下で説明する実施形態に限定して適用されるか、以下で説明する実施形態によって本発明の技術的特徴が制限されるものではなく、本発明の技術範囲内で様々な変形実施が可能である。
【0039】
図1は本発明の一実施形態による車両用ランプを図示した上面図であり、
図2は本発明の一実施形態による第1ランプモジュールを図示した斜視図であり、
図3は本発明の一実施形態による第1ランプモジュールを上面から見た上面図であり、
図4は本発明の一実施形態による第1ランプモジュールを側部から見た側面図である。
【0040】
図5は本発明の一実施形態による第2ランプモジュールを図示した斜視図であり、
図6は本発明の一実施形態による第2ランプモジュールを上面から見た上面図であり、
図7は本発明の一実施形態による第2ランプモジュールを側部から見た側面図であり、
図8は本発明の一実施形態による第1ランプモジュールによる配光パターンを図示した図であり、
図9は本発明の一実施形態による第2ランプモジュールによる配光パターンを図示した図である。
【0041】
図1~
図7を参照すると、本発明の一実施形態による車両用ランプ10は、第1ランプモジュール100と第2ランプモジュール200とを含む。
【0042】
第1ランプモジュール100は、第1光源部110と、第1レンズ構造体150とを含む。
【0043】
第1光源部110は、光を生成して照射するように備えられる。ここで、第1光源部110としては、発光可能な様々な素子や装置が使用されることができる。第1光源部110は、光を生成する第1光源111を含むことができ、第1光源111は、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode、以下、LEDとする)であることができる。ただし、第1光源111は、LEDに限定されるものではない。
【0044】
例えば、第1光源部110は、第1レンズ構造体150に向かう前方に平行な光を照射するように備えられることができる。具体的には、第1光源部110は、第1コリメータ113(Collimator)をさらに含むことができる。第1コリメータ113は、第1光源111の第1レンズ構造体150に向かう方向に備えられ、第1光源111から放射された光を第1レンズ構造体150の光軸AXに平行な平行光に変換し、第1レンズ構造体150に入射させるように備えられることができる。
【0045】
第1レンズ構造体150は、第1光源部110から照射される光で第1配光パターンを形成する。
【0046】
具体的には、第1レンズ構造体150は、第1光源部110の前方に配置され、第1光源部110から照射される光を投射して第1配光パターンを形成するように備えられることができる。例えば、第1ランプモジュール100は、第1光源部110と第1レンズ構造体150が設置される第1ベース101を含むことができる。以下では、説明の便宜上、光が照射される方向として、第1光源111から第1レンズ構造体150に向かう方向を前方とし、前方の反対方向を後方とする。
【0047】
第1レンズ構造体150は、第1本体部160と、第1入射面180と、第1出射面190とを含むことができる。
【0048】
第1本体部160は、第1レンズ構造体150の本体をなすものであり、入射された光が透過される材質からなることができる。第1本体部160は、第1光源部110の前方に配置されることができる。
【0049】
第1入射面180は、第1光源部110から照射される光を第1本体部160に入射させるように、第1本体部160の光が入射される面に備えられることができる。また、第1出射面190は、第1本体部160に入射された光を第1本体部160の前方に出射させるように、第1本体部160の光が出射される面に備えられることができる。
【0050】
具体的には、第1本体部160と第1入射面180と第1出射面190は、一体に形成されることができ、第1入射面180は、第1本体部160の後方に向かう面に形成され、第1出射面190は、第1本体部160の前方に向かう面に形成されることができる。第1入射面180は、第1光源部110から照射された光を第1本体部160の内部に集光させるように備えられることができる。
【0051】
第1出射面190は、第1レンズ構造体150の第1本体部160に透過される光を前方に出射するように設けられることができる。例えば、第1出射面190は、前方に向かって湾曲した形態に形成されることができ、非球面(Aspherical Surface)レンズの形態に設けられることができる。ただし、第1出射面190は、非球面レンズの形態に限定されるものではなく、様々なレンズの形態が適用されることができる。一例として、第1出射面190は、デザイン自由度のために厚さを減少させることができるフレネルレンズ(Fresnel lens)の形態に設けられることもできる。
【0052】
ここで、第1出射面190の光軸AXと第1入射面180の光軸AXは、同一に備えられることができる。本発明の一実施形態において、第1レンズ構造体150の光軸AXは、第1出射面190または第1入射面180の光軸AXを意味する。
【0053】
第1光源111から放射された光は、第1コリメータ113を介して平行な光に変換されて第1入射面180に入射され、入射された光は、第1入射面180によって第1本体部160の内部に集光することができる。具体的には、第1入射面180は、第1光源部110から入射された光を第1出射面190の焦点付近に集光させることができる。ここで、第1光源111と第1コリメータ113と第1レンズ構造体150は、第1レンズ構造体150の光軸AX方向に沿って配列されることができる。
【0054】
第2ランプモジュール200は、第2光源部210と、第2レンズ構造体250とを備える。
【0055】
第2光源部210は、光を生成して照射するように備えられる。ここで、第2光源部210としては、発光可能な様々な素子や装置が使用されることができる。第2光源部210は、光を生成する第2光源211を含むことができ、第2光源211は、例えば、LEDであることができるが、第2光源211は、LEDに限定されるものではない。
【0056】
例えば、第2光源部210は、第2レンズ構造体250に向かう前方に平行な光を照射するように備えられることができる。具体的には、第2光源部210は、第2コリメータ213(Collimator)をさらに含むことができる。第2コリメータ213は、第2光源211の第2レンズ構造体250に向かう方向に備えられ、第2光源211から放射された光を第2レンズ構造体250の光軸AXに平行な平行光に変換し、第2レンズ構造体250に入射させるように備えられることができる。
【0057】
第2レンズ構造体250は、第2光源部210から照射される光で、第1配光パターンとは異なる特性を有する第2配光パターンを形成する。
【0058】
具体的には、第2レンズ構造体250は、第2光源部210の前方に配置され、第2光源部210から照射される光を投射し、第2配光パターンを形成するように備えられることができる。例えば、第2ランプモジュール200は、第2光源部210と第2レンズ構造体250が設置される第2ベース201を含むことができる。以下では、説明の便宜上、光が照射される方向として、第2光源211から第2レンズ構造体250に向かう方向を前方とし、前方の反対方向を後方とする。
【0059】
第2レンズ構造体250は、第2本体部260と、第2入射面280と、第2出射面290とを含むことができる。
【0060】
第2本体部260は、第2レンズ構造体250の本体をなすものであり、入射された光が透過される材質からなることができる。第2本体部260は、第2光源部210の前方に配置されることができる。
【0061】
第2入射面280は、第2光源部210から照射される光を第2本体部260に入射させるように、第2本体部260の光が入射される面に備えられることができる。また、第2出射面290は、第2本体部260に入射された光を第2本体部260の前方に出射させるように、第2本体部260の光が出射される面に備えられることができる。
【0062】
具体的には、第2本体部260と第2入射面280と第2出射面290は、一体に形成されることができ、第2入射面280は、第2本体部260の後方に向かう面に形成され、第2出射面290は、第2本体部260の前方に向かう面に形成されることができる。第2入射面280は、第2光源部210から照射された光を第2本体部260の内部に集光させるように備えられることができる。ここで、第2出射面290の形状とレンズの形態は、上記の第1出射面190と同一に備えられることができる。
【0063】
第1配光パターンと第2配光パターンは、異なる特性を有するように備えられることができる。また、第1配光パターンと第2配光パターンが互いに重なってロービームパターンを形成することができる。
【0064】
ここで、第1配光パターンと第2配光パターンが異なる特性を有するということは、第1レンズ構造体150と第2レンズ構造体250によって投射された光のパターンイメージが互いに異なることを意味する。これは、例えば、第1レンズ構造体150と第2レンズ構造体250の形状の差によって実現されることができる。
【0065】
例えば、第1レンズ構造体150によって形成される第1配光パターンは、前方の中央領域の視野を確保するための配光パターン(Hot Zone)であることができる(
図8参照)。また、第2レンズ構造体250によって形成される第2配光パターンは、前方の周辺領域の視野の確保および旋回時の視認性の確保のための配光パターン(Wide Zone)であることができる(
図9参照)。また、第1配光パターンと第2配光パターンが前方に投射されて統合されたパターンであるロービームパターンを形成することができる。
【0066】
第1レンズ構造体150と第2レンズ構造体250は、光が入射される入射面が互いに異なる形状を有するように形成されることができる。すなわち、第1入射面180と第2入射面280は、互いに異なる形状に形成されることができる。
【0067】
具体的には、第1入射面180は、上部から見た形状である水平方向の形状と、側部から見た垂直方向の形状が、第1光源部110に向かう方向に湾曲して凸状の形状を有するように形成されることができる。すなわち、第1入射面180は、水平方向の形状と垂直方向の形状がいずれも第1光源部110に向かって凸状の形状に形成されることができる。
【0068】
第1入射面180の水平方向の形状が凸状の形状に形成されることから、第1入射面180に入射される水平方向の光は、第1本体部160の内部に集光することができる。また、第1入射面180の垂直方向の形状が凸状の形状に形成されることから、第1入射面180に入射される垂直方向の光は、第1本体部160の内部に集光することができる。
【0069】
このように、第1入射面180は、第1光源部110から照射された水平方向の光と垂直方向の光が第1本体部160に最大限に集光するように備えられることから、光損失を最小化することができ、これにより、光学効率を高めることができる。このような第1ランプモジュール100は、中央領域の視野を確保するために、遠距離照射に有利な第1配光パターン(Hot Zone)を効果的に形成することができる。
【0070】
第2入射面280は、上部から見た形状である水平方向の形状が第2光源部210に向かう方向の反対方向に湾曲した凹状の形状に形成されるか、平坦に形成され、側部から見た垂直方向の形状が第2光源部210に向かう方向に湾曲して凸状の形状に形成されることができる。第2入射面280は、アナモルフィックレンズ(Anamorphic Lens)方式で水平方向の倍率と垂直方向の倍率が互いに異なるように形成されることができる。
【0071】
第2入射面280の水平方向の形状が凹状であるか、平坦な形状に形成されることから、第2入射面280に入射される水平方向の光は発散することができる。一方、第2入射面280の垂直方向の形状が凸状の形状に形成されることから、第2入射面280に入射される垂直方向の光は、第1本体部160の内部に集光することができる。
【0072】
このように、第2入射面280は、第2光源部210から照射された垂直方向の光は第1本体部160の内部に集光させ、この際、水平方向の光は拡散させるように備えられることで、第2レンズ構造体250を介して出射される光が水平方向に広く広がる光パターンを形成するようにすることができる。これにより、第2ランプモジュール200は、前方の周辺領域に対する視認性および旋回時の視認性の確保に有利な第2配光パターン(Wide Zone)を効果的に形成することができる。
【0073】
一例として、第1入射面180と第2入射面280がいずれも同じ形状(例えば、凸状の形状)に形成される場合、集光に有利であり、光損失を最小化することができるが、ランプを介して出射する光の水平方向の拡散角が狭く形成されることがある。車両用ランプ10は、各機能を十分に発揮するように、各ビームパターンの条件を法規で規定しているが、第1入射面180と第2入射面280がいずれも同じ形状に形成される場合、法規によって規定されたロービーム(Low beam)パターンの拡散角条件を規定している法規を満たすことができない問題が発生し得る。
【0074】
このような問題を解決するために、本発明の実施形態は、第2入射面280の水平方向の形状を凹状の形状または平坦な形状に形成して、第2入射面280に入射する光が水平方向に拡散するようにすることで、ロービームパターンを実現するための法規と性能をいずれも満たすようにすることができる。
【0075】
一方、第1本体部160は、第1本体部160の上下方向の中央領域に向かって湾入した形状を有する第1湾入部170を含むことができる。第1湾入部170は、第1光源部110から出射されて第1湾入部170に到達した光を遮断するように備えられることができる。
【0076】
具体的には、第1湾入部170は、第1本体部160の下面から中央領域に向かって湾入した形状を有するように形成されることができる。この際、第1湾入部170は、第1本体部160に入射された光が進む経路上に配置されるように形成されることができる。また、第1湾入部170は、光の一部を遮断するように備えられることができる。
【0077】
具体的には、本発明の実施形態による車両用ランプ10によると、第1出射面190の焦点が第1レンズ構造体150の第1本体部160内に位置し、第1湾入部170は、第1出射面190の焦点に対応する位置に形成されることができる。したがって、第1湾入部170は、第1出射面190の焦点に対応する位置で光の一部を遮断するようにすることができる。
【0078】
本発明は、第1湾入部170によって光の一部が遮断されるようにすることで、第1出射面190から出射された光がロービーム(Low Beam)パターンのカットオフラインを形成するようにすることができる。すなわち、本発明は、光損失を最小化するための構造でカットオフラインを形成するために、第1本体部160の形状を変形して第1湾入部170を形成することで、別のシールド部材を備えなくてもカットオフラインを形成することができる。
【0079】
第1本体部160は、第1入射面180と第1出射面190を連結する上面と、上面と対向するように配置された下面と、上面と下面との間に配置された側面とを含むことができる。ここで、第1本体部160の上面、下面および側面では、第1光源111に出射された光の全反射が行われないこともある。
【0080】
第1湾入部170は、下面の一部領域から第1本体部160の中心部に向かって湾入して形成されることができる。より具体的には、第1湾入部170は、第1入射面180に隣接して備えられる第1表面171と、第1表面171から所定の角度で折り曲げられて延び、第1出射面190に隣接して備えられる第2表面174とを含むことができる。
【0081】
ここで、第2表面174の傾斜は、第1表面171の傾斜より急な傾斜に形成されることができる。一例として、第1表面171は、下面から上向きに傾斜して形成されることができ、第2表面174は、第1表面171の上端部から下部に向かって垂直方向に延びることができる。ただし、第1表面171と第2表面174の形状は、上記に限定されるものではない。
【0082】
第1湾入部170は、第1遮断層172と、第1カットオフエッジ173とを含むことができる。
【0083】
第1遮断層172は、第1湾入部170の表面に形成され、第1本体部160に入射される光の一部を遮断するように設けられることができる。また、第1カットオフエッジ173は、第1湾入部170の上端に形成され、ロービームパターンのカットオフラインを形成するように備えられることができる。
【0084】
具体的には、第1遮断層172は、第1表面171に形成されることができる。また、第1遮断層172は、第1カットオフエッジ173から下部に行くほど第1光源部110に向かう方向に下向きに傾斜して延び、第1カットオフエッジ173の下端部に入射される光を遮断するように備えられることができる。
【0085】
例えば、第1遮断層172は、第1表面171に蒸着によって形成されることができ、第1遮断層172は、光を遮断することができる様々な材質で設けられることができる。一例として、第1遮断層172は、第1表面171に光を反射することができるようにアルミニウム材質が蒸着されて形成されることができる。第2表面174は、第1表面171の上端部と第1出射面190に隣接した下面を連結するための部分である。
【0086】
ただし、第1遮断層172の材質と形成方法は、上記に限定されるものではなく、光を遮断することができれば、様々な材質と方式が適用されることができる。
【0087】
第1カットオフエッジ173は、第1遮断層172の上端部に形成され、ロービームパターンのカットオフラインを形成するように備えられる。
【0088】
具体的には、第1カットオフエッジ173は、第1出射面190の焦点と対応する位置に備えられることができる。一例として、第1カットオフエッジ173は、第1出射面190の焦点上に配置されることができる。より具体的には、第1カットオフエッジ173は、第1表面171と第2表面174が互いに接する領域に形成されることができる。ここで、第1カットオフエッジ173の形状は、制限されず、ロービームパターンを形成するための設計仕様に応じて多様に形成されることができる。
【0089】
このように、本発明の実施形態による車両用ランプ10は、第1レンズ構造体150に備えられた第1本体部160の形状を変形して第1湾入部170を形成することで、別のシールド部材を備えなくてもカットオフラインを形成することができる利点がある。
【0090】
一方、第1入射面180の上下方向の大きさは、第1出射面190の上下方向の大きさより大きいか、第1出射面190の上下方向の大きさと同一に形成されることができる。
【0091】
具体的には、第1出射面190は、外部に露出する部分であるため、ランプのデザイン設計や法規などによって大きさが制限されるが、第1入射面180は、車体の内側に配置され、外部に露出しないため、相対的に大きさの制限がない。したがって、第1出射面190と同一であるか、第1出射面190に比べて相対的に大きく形成することができる。これにより、第1光源部110から照射される光を最大限に集光して光損失を最小化することができる。
【0092】
このような形状を実現するために、例えば、
図4を参照すると、第1本体部160の上面は、前方に下向きに傾斜して形成されることができる。また、下面は、水平に形成されるか、前方に下向きに傾斜して形成され、この際、上面より緩い傾斜で形成されるか、前方に上向きに傾斜して形成されることができる。
【0093】
一方、第2本体部260は、第2本体部260の上下方向の中央領域に向かって湾入した形状を有する第2湾入部270を含むことができる。第2湾入部270は、第2光源部210から出射され、第2湾入部270に到達した光を遮断するように備えられることができる。第2湾入部270は、上記の第1湾入部170と同じ形状に形成されるか、設計仕様に応じて所定の範囲内で変形実施されることができる。
【0094】
具体的には、第2湾入部270は、第2本体部260の下面から中央領域に向かって湾入した形状を有するように形成されることができる。この際、第2湾入部270は、第2本体部260に入射された光が進む経路上に配置されるように形成されることができる。例えば、第2本体部260の中央領域に第2湾入部270を形成し、第2出射面290の焦点に対応する位置で光の一部を遮断するようにすることができる。
【0095】
具体的には、本発明の実施形態による車両用ランプ10によると、第2出射面290の焦点が第2レンズ構造体250の第2本体部260内に位置し、第2湾入部270は、第2出射面290の焦点に対応する位置に形成されることができる。したがって、第2湾入部270は、第2出射面290の焦点に対応する位置で光の一部を遮断するようにすることができる。
【0096】
本発明は、第2湾入部270によって光の一部が遮断されるようにすることで、第2出射面290から出射された光が、ロービーム(Low Beam)パターンのカットオフラインを形成するようにすることができる。これにより、本発明は、別のシールド部材を備えなくてもカットオフラインを形成することができる。
【0097】
第2本体部260は、第2入射面280と第2出射面290を連結する上面と、上面と対向するように配置された下面と、上面と下面との間に配置された側面とを含むことができる。ここで、第2本体部260の上面、下面および側面では、第2光源211から出射された光の全反射が行われないこともある。
【0098】
第2湾入部270は、下面の一部領域で第2本体部260の中心部に向かって湾入して形成されることができる。より具体的には、第2湾入部270は、第2入射面280に隣接して備えられる第3表面271と、第3表面271から所定の角度で折り曲げられて延び、第2出射面290に隣接して備えられる第4表面274とを含むことができる。
【0099】
ここで、第4表面274の傾斜は、第3表面271の傾斜より急な傾斜に形成されることができる。一例として、第3表面271は、下面で上向きに傾斜して形成されることができ、第4表面274は、第3表面271の上端部から下部に向かって垂直方向に延びることができる。ただし、第3表面271と第4表面274の形状は、上記に限定されるものではない。
【0100】
第2湾入部270は、第2遮断層272と、第2カットオフエッジ273とを含むことができる。
【0101】
第2遮断層272は、第2湾入部270の表面に形成され、第2本体部260に入射される光の一部を遮断するように設けられることができる。また、第2カットオフエッジ273は、第2湾入部270の上端に形成され、ロービームパターンのカットオフラインを形成するように備えられることができる。
【0102】
具体的には、第2遮断層272は、第3表面271に形成されることができる。また、第2遮断層272は、第2カットオフエッジ273から下部に行くほど第2光源部210に向かう方向に下向きに傾斜して延び、第2カットオフエッジ273の下端部に入射される光を遮断するように備えられることができる。
【0103】
例えば、第2遮断層272は、第3表面271に蒸着によって形成されることができ、第2遮断層272は、光を遮断することができる様々な材質で設けられることができる。一例として、第2遮断層272は、第3表面271に光を反射することができるように、アルミニウム材質が蒸着されることで形成されることができる。
【0104】
第2カットオフエッジ273は、第2遮断層272の上端部に形成され、ロービームパターンのカットオフラインを形成するように備えられる。
【0105】
具体的には、第2カットオフエッジ273は、第2出射面290の焦点と対応する位置に備えられることができる。一例として、第2カットオフエッジ273は、第2出射面290の焦点上に配置されることができる。より具体的には、第2カットオフエッジ273は、第3表面271と第4表面274が互いに接する領域に形成されることができる。ここで、第2カットオフエッジ273の形状は、制限されず、ロービームパターンを形成するための設計仕様に応じて多様に形成されることができる。
【0106】
このように、本発明の実施形態は、第2レンズ構造体250に備えられた第2本体部260の形状を変形して第2湾入部270を形成することで、別のシールド部材を備えなくてもカットオフラインを形成することができる利点がある。
【0107】
一方、第2入射面280の上下方向の大きさは、第2出射面290の上下方向の大きさより大きいか、第2出射面290の上下方向の大きさと同一に形成されることができる。これにより、第2光源部210から照射される光を最大限に集光して光損失を最小化することができる。
【0108】
上記のように、本発明の実施形態による第1ランプモジュール100と第2ランプモジュール200は、光導波経路が光軸AXに配置されるように設計され、リフレクタが削除されることで、光学系で光損失を最小化することができる。また、本発明の実施形態によると、ランプのスリム化のために、第1出射面190または第2出射面290の高さを減少させた場合にも、光効率が低下することを防止することができる。
【0109】
具体的には、従来の車両用ランプ10は、リフレクタを介して光を反射させてレンズに入射させる構造であるため、光源からリフレクタに反射させる過程で光損失が発生することがあり、反射した光の入射角によってレンズに入射されない光によって光損失が発生することがあった。本発明による車両用ランプ10は、光導波経路が光軸AXに配置されるように設計されるだけでなく、リフレクタが削除されることから、このような問題を解決し、光効率を向上させることができる。
【0110】
一方、
図1を参照すると、第1ランプモジュール100と第2ランプモジュール200は、それぞれ、複数備えられることができる。ここで、第1ランプモジュール100と第2ランプモジュール200は、図示されている実施形態に限定されるものではなく、適用される車両で望まれる条件と設計仕様に応じて様々な個数に変形実施されることができる。
【0111】
また、複数の第1ランプモジュール100と複数の第2ランプモジュール200は、一方向に沿って交互に配置されることができる。例えば、第1ランプモジュール100と第2ランプモジュール200は、一つずつ交互に配置されることができ、一例として、地面に平行な水平方向に配列されることができる。
【0112】
ただし、第1ランプモジュール100と第2ランプモジュール200の配列は、上記に限定されるものではなく、一例として、設計仕様に応じて、2以上の第1ランプモジュール100と隣り合う2以上の第2ランプモジュール200が交互に配置されることもでき、上下、左右など、様々な方向に配列されることができる。
【0113】
このように、本発明は、第1ランプモジュール100と複数の第2ランプモジュール200を適切に組み合わせてロービームパターンを実現することで、法規と性能を満たすとともに様々なイメージを実現することができる。
【0114】
このような本発明の実施形態による車両用ランプは、第2入射面の水平方向の形状を凹状であるか平坦な形状に形成して、第2入射面を入射される光が水平方向に拡散するようにすることで、ロービームパターンを実現するための法規と性能をいずれも満たすようにすることができる。
【0115】
一方、以下では、本発明の他の側面による車両用ランプ10について説明する。以下では、説明の便宜上、本発明の他の側面による車両用ランプ10に備えられた光源部110とレンズ構造体150は、上記の第1ランプモジュール100に備えられた第1光源部110と第1レンズ構造体150およびその構成と同じ図面符号を使用する。
【0116】
本発明による車両用ランプ10は、光を照射する光源部110と、光源部110の前方に配置され、光源部110から照射される光を投射し、所定のビームパターンを形成するように備えられるレンズ構造体150とを含む。
【0117】
レンズ構造体150は、本体部160と、本体部160の光が入射される面に形成され、光源部110から照射される光を本体部160に入射させるように備えられる入射面と、本体部160の光が出射される面に形成され、本体部160に入射された光を前方に出射するように備えられる出射面190とを含む。
【0118】
また、本体部160は、本体部160の上下方向の中央領域に向かって湾入した形状を有する湾入部170を含み、湾入部170は、光源部110から出射されて湾入部170に到達した光を遮断するように備えられることができる。
【0119】
本発明の実施形態による車両用ランプは、レンズ構造体の形状を変形して湾入部を形成することで、別のシールド部材を備えなくてもカットオフラインを形成することができる利点がある。
【0120】
本発明の実施形態による車両用ランプは、光導波経路が光軸に配置されるように設計されることで、光学系で発生する光損失を最小化することができ、ランプのスリム化のために出射面の高さを減少させた場合にも光効率が低下することを防止することができる。
【0121】
以上、本発明の特定の実施形態について詳述しているが、本発明の思想および範囲は、このような特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者により、特許請求の範囲に記載の本発明の要旨を変更しない範囲内で様々に修正および変形が可能である。
【符号の説明】
【0122】
10 車両用ランプ
100 第1ランプモジュール
101 第1ベース
110 第1光源部
111 第1光源
113 第1コリメータ
150 第1レンズ構造体
160 第1本体部
170 第1湾入部
171 第1表面
172 第1遮断層
173 第1カットオフエッジ
174 第2表面
180 第1入射面
190 第1出射面
200 第2ランプモジュール
201 第2ベース
210 第2光源部
211 第2光源
213 第2コリメータ
250 第2レンズ構造体
260 第2本体部
270 第2湾入部
271 第3表面
272 第2遮断層
273 第2カットオフエッジ
274 第4表面
280 第2入射面
290 第2出射面