(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022093365
(43)【公開日】2022-06-23
(54)【発明の名称】キッチン情報提示プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/00 20120101AFI20220616BHJP
【FI】
G06Q10/00 300
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022062918
(22)【出願日】2022-04-05
(62)【分割の表示】P 2020206338の分割
【原出願日】2020-12-11
(71)【出願人】
【識別番号】000104973
【氏名又は名称】クリナップ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120868
【弁理士】
【氏名又は名称】安彦 元
(72)【発明者】
【氏名】小野 百合香
(72)【発明者】
【氏名】倉持 歩
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA21
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ユーザに合わせたキッチン情報をユーザに提示することができるキッチン情報提示プログラムを提供する。
【解決手段】キッチン情報提示プログラムは、ユーザがキッチンの使用を開始した日時から経過した経過日時を取得する日時取得ステップと、予め取得された経過日時とキッチンに関するキッチン情報との対応関係を参照し、日時取得ステップにより取得された経過日時に対応するキッチン情報をユーザに提示する提示ステップと、をコンピュータに実行させる。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの料理履歴に関する料理情報を取得する料理取得ステップと、
予め取得された料理情報とキッチンに関するキッチン情報との対応関係を参照し、前記料理取得ステップにより取得された料理情報に対応する前記キッチン情報を前記ユーザに提示する提示ステップとをコンピュータに実行させ、
前記料理取得ステップは、料理の画像を取得し、予め取得された画像を入力データとし、料理情報を出力データとし、入力データと出力データとのデータセットを学習データとして、複数の学習データからなる対応関係を参照し、取得した前記画像に対応する前記料理情報を取得すること
を特徴とするキッチン情報提示プログラム。
【請求項2】
前記提示ステップは、3段階以上の連関度からなる前記対応関係を参照し、前記キッチン情報を前記ユーザに提示すること
を特徴とする請求項1に記載のキッチン情報提示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザにキッチン情報を提示するためのキッチン情報提示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
キッチンのお手入れ方法や、調理道具の収納方法等の情報を含むキッチン情報は、ユーザのキッチンの状況に応じて、ユーザに提示すべきものが変化する。ユーザのキッチンの状況は、例えば、ユーザがキッチンの使用を開始した日時から経過した経過日時、キッチンの仕様に関する仕様情報、及びキッチンへの負荷に関する負荷情報等のいくつもの情報によって成り立っている。このため、ユーザが適切にキッチンを使用することをサポートするには、ユーザに合わせたキッチン情報をユーザに提示することが求められている。
【0003】
また、ユーザのキッチンの状況を把握するために、例えばIoT(Internet of things)の技術を用いた、人の食生活に関する情報を推定する食生活推定システムが提案されている。(例えば特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1では、住宅内における人の位置を検出し、検出結果に基づいて、人の食生活に関する情報を推定し、住宅に設置された食事に関連する設備の使用状況に関する情報を検出し、使用状況に関する情報に基づいて、推定された食生活に関する情報を補正することで、人の摂取カロリーの推定精度を向上させることができる食生活推定システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1では、人の摂取カロリーの推定精度を向上させることができる食生活推定システムを想定しているため、ユーザに合わせたキッチン情報をユーザに提示することに関して、記載も示唆もされていない。このため、特許文献1の開示技術では、ユーザに合わせたキッチン情報をユーザに提示できないという問題点があった。
【0007】
また、キッチンは様々な機能、素材の集合体であり、使用に際し考慮すべき要素が多く、それぞれについての使い方や清掃方法の把握、およびそれらをタイミング良く実施してくことはとても難しい。このため、キッチン情報を効果的に活用するためには、適切なタイミングでユーザにキッチン情報を提示する必要がある。
【0008】
しかしながら、特許文献1では、ユーザのキッチンの状況に応じて、タイミングよく適切なキッチン情報をユーザに提示することに関して、記載も示唆もされていない。このため、特許文献1の開示技術では、ユーザに合わせたキッチン情報を、適切なタイミングでユーザに提示できないという問題点があった。
【0009】
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、ユーザに合わせたキッチン情報をユーザに提示することができるキッチン情報提示プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1発明に係るキッチン情報提示プログラムは、ユーザの料理履歴に関する料理情報を取得する料理取得ステップと、予め取得された料理情報とキッチンに関するキッチン情報との対応関係を参照し、前記料理取得ステップにより取得された料理情報に対応する前記キッチン情報を前記ユーザに提示する提示ステップとをコンピュータに実行させ、前記料理取得ステップは、料理の画像を取得し、予め取得された画像を入力データとし、料理情報を出力データとし、入力データと出力データとのデータセットを学習データとして、複数の学習データからなる対応関係を参照し、取得した前記画像に対応する前記料理情報を取得することを特徴とする。
【0011】
第2発明に係るキッチン情報提示プログラムは、第1発明において、前記提示ステップは、3段階以上の連関度からなる前記対応関係を参照し、前記キッチン情報を前記ユーザに提示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
第1発明~第2発明によれば、本発明のキッチン情報提示プログラムは、予め取得された料理情報とキッチン情報との対応関係を参照し、取得された料理情報に対応するキッチン情報をユーザに提示する。これによって、取得した料理情報に対応する最適なキッチン情報をユーザに提示できるため、ユーザの料理履歴に合わせたキッチン情報をユーザに提示することができる。
【0013】
特に、第2発明によれば、3段階以上の連関度からなる対応関係を参照し、キッチン情報をユーザに提示する。これによって、取得した経過日時に対応する最適なキッチン情報をユーザに提示できるため、入力した情報に適した出力を定量的に選択することができるため、ユーザに合わせたより適切なキッチン情報をユーザに提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、第1実施形態におけるキッチン情報提示システムの構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態におけるセンサの具体的な構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、キッチンの構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態における電子機器のキッチン情報提示プログラムを実現するためのシーケンスを示す図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態におけるキッチン情報提示システムの動作の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態におけるキッチン情報提示システムの一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、関係テーブルの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態における連関性の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、第1実施形態における隠れ層を設けた連関性の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、第2実施形態における電子機器のキッチン情報提示プログラムを実現するためのシーケンスを示す図である。
【
図11】
図11は、第2実施形態におけるキッチン情報提示システムの一例を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、第2実施形態における連関性の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、第3実施形態における電子機器のキッチン情報提示プログラムを実現するためのシーケンスを示す図である。
【
図14】
図14は、第3実施形態におけるキッチン情報提示システムの一例を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、第3実施形態における連関性の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
〈第1実施形態〉
以下、本発明の第1実施形態を適用したキッチン情報提示システム1について、図面を参照しながら詳細に説明をする。
【0016】
本発明の第1実施形態を適用したキッチン情報提示システム1は、例えば
図1に示すような構成により具現化される。このキッチン情報提示システム1は、電子機器2と、この電子機器2に対して公衆通信網3を介して接続されるサーバ4と、センサ5と、ユーザ端末8とを備えている。また、キッチン情報提示システム1は、センサ5を内蔵するキッチン7をさらに備えていてもよい。
【0017】
公衆通信網3は、電子機器2と、サーバ4と、センサ5と、ユーザ端末8とを、通信回線を介して接続されるインターネット網等である。公衆通信網3は、キッチン情報提示システム1を一定の狭いエリア内で運用する場合には、LAN(Local Area Network)で構成されてもよい。また、公衆通信網3は、いわゆる光ファイバ通信網で構成されてもよい。また、この公衆通信網3は、有線通信網に限定されるものではなく、無線通信網で実現されてもよい。
【0018】
サーバ4は、公衆通信網3を介して送られてきた情報が蓄積されたデータベースで構築されている。また、このサーバ4は、例えば電子機器2からの要求に基づいて、この蓄積した情報を、公衆通信網3を介してユーザ端末8へと送信する。また、このサーバ4は、センサ5から公衆通信網3を介して送信された情報を蓄積してもよい。
【0019】
センサ5は、例えばキッチン7に設けられ、センシング情報を検出する。センサ5は、例えば
図2に示すような構成により具現化される。センサ5は、検出部50と、通信I/F51(通信I/F27)と、メモリ52と、操作部53とがそれぞれ内部バス54で接続されている。例えば、センサ5は、温度センサ、水量センサ、加速度センサ、荷重センサ、風量センサ、湿度センサ等の公知の検出器の内の少なくとも1つを含む検出器を備えている。温度センサは、対象の温度を計測するセンサであり、例えば熱電対等のいかなる公知の技術を用いたセンサでもよい。水量センサは、対象の水量を計測する流量計であり、例えば電磁式流量計等のいかなる公知の技術を用いたセンサでもよい。荷重センサは、対象の荷重を計測するセンサであり、例えばロードセル等のいかなる公知の技術を用いたセンサでもよい。加速度センサは、対象の加速度を計測するセンサであり、例えばピエゾ抵抗等のいかなる公知の技術を用いたセンサでもよい。湿度センサは、対象の湿度を計測するセンサであり、例えば容量式湿度センサ―等のいかなる公知の技術を用いたセンサでもよい。
【0020】
検出部50は、キッチン7からセンシング情報を検出するための少なくとも一つの検出器を備える。検出部50は、取得したセンシング情報を通信I/F51、又はメモリ52へと送信する。
【0021】
通信I/F51は、公衆通信網3を介して検出部50から送信されたセンシング情報を電子機器2と、サーバ4と、ユーザ端末8との何れかに送信する。また、通信I/F51は、公衆通信網3と接続するための回線制御回路や、電子機器2、サーバ4及びユーザ端末8との間でデータ通信を行うための信号変換回路等が実装されている。通信I/F51は、内部バス54からの各種命令に変換処理を施して、これを公衆通信網3側へ送出するとともに、公衆通信網3からのデータを受信した場合には、これに所定の変換処理を施して内部バス54へ送信する。
【0022】
メモリ52は、検出部50から送信されたセンシング情報を保存する。メモリ52は、公衆通信網3を介して接続される他の末端装置から命令を受けることにより、保存したセンシング情報を通信I/F51へ送信する。
【0023】
操作部53は、検出部50へセンシング情報の取得の命令を入力するための操作ボタンやキーボード等で構成される。この操作部53は、センシング情報の取得の命令を受け付けた場合に、これを検出部50に通知する。この通知を受けた検出部50は、センシング情報を取得する。操作部53は、例えば電子機器2及びユーザ端末8から、センシング情報の取得の命令を受け付けてもよい。
【0024】
キッチン7は、例えばユーザが調理をするためのキッチン、台所、調理場等であり、センサ5を備えた、いわゆるシステムキッチンであってもよい。キッチン7は、例えば、
図3に示すように、センサ5と、加熱機器71と、水栓72と、引出し73と、天板74、換気扇75とを備える。
【0025】
加熱機器71は、キッチン7に備えられた、食材等を加熱するための機器である。加熱機器71は、例えばガスを用いたコンロであってもよいし、誘導ヒータを用いた機器であってもよい。また、加熱機器71は、例えば、温度を検出するための温度センサ等のセンサ5を備えていてもよい。
【0026】
水栓72は、キッチン7に備えられた、水道水等を扱う給水機器である。水栓72は、例えば、水栓72から流れた水量を検出するための水量センサ等のセンサ5を備えていてもよい。また、水栓72は、水をろ過するための浄水器を備えていてもよい。
【0027】
引出し73は、キッチン7に備えられた、調理機器などを収納するための戸棚である。引出し73は、例えば、引出し73の開閉時に伴う加速度を検出するための加速度センサ等のセンサ5を備えていてもよい。また、引出し73は、引出し73に係る荷重を検出するための荷重センサ等のセンサ5を備えていてもよい。
【0028】
天板74は、キッチン7の作業台である。天板74は、例えば、料理を作る際に下準備等を行うための作業台である。また、天板74は、天板74に係る荷重を検出するための荷重センサ等のセンサ5を備えていてもよい。
【0029】
換気扇75は、キッチン7に備えられた、キッチン7の周辺の空気を喚起するための機器である。換気扇75は、例えば、換気扇75を通過する風量を検出するための風量センサ等のセンサ5を備えていてもよい。
【0030】
電子機器2は、例えば、キッチン情報提示プログラムを実行するためのパーソナルコンピュータ(PC)、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末、ウェアラブル端末等であり、少なくともユーザの操作に基づいて、公衆通信網3を介して通信可能なデバイスである。また、電子機器2は、キッチン7に内蔵されていてもよい。なお、この場合、電子機器2は、センサ5を内蔵し、センサ5に対して公衆通信網3を介した通信を行わない機器であってもよい。
【0031】
この電子機器2は、例えば、電子機器2全体のハードウェア資源を制御するためのプログラムが格納されているROM(Read Only Memory)と、電子機器2全体のハードウェア資源を制御するときの各種命令を一時的に記憶するデータの蓄積や展開等に使用する作業領域であるRAM(Random Access Memory)と、内部バスを介して制御信号を送信することにより、電子機器2内に実装された各構成要素を制御するためのいわゆる中央演算ユニットであるCPU(Central Processing Unit)等を備える。
【0032】
ユーザ端末8は、例えば、キッチン情報をユーザに提示するため、又はユーザに提示するキッチン情報を決定するための情報を入力するためのパーソナルコンピュータ(PC)、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末、ウェアラブル端末等であり、少なくともユーザの操作に基づいて、公衆通信網3を介して通信可能なデバイスである。また、ユーザ端末8は、キッチン7に内蔵されていてもよい。なお、この場合、ユーザ端末8は、キッチン7に対して公衆通信網3を介した通信を行わない機器であってもよい。
【0033】
このユーザ端末8は、例えば、ユーザ端末8全体のハードウェア資源を制御するためのプログラムが格納されているROM(Read Only Memory)と、ユーザ端末8全体のハードウェア資源を制御するときの各種命令を一時的に記憶するデータの蓄積や展開等に使用する作業領域であるRAM(Random Access Memory)と、内部バスを介して制御信号を送信することにより、ユーザ端末8内に実装された各構成要素を制御するためのいわゆる中央演算ユニットであるCPU(Central Processing Unit)等を備える。
【0034】
また、ユーザ端末8は、ユーザから情報が入力されるためのカメラ9、キーボード、マイク、タッチパネル等を備えていてもよい。また、ユーザ端末8は、ユーザにキッチン情報を提示するためのディスプレイ及びスピーカの何れかを備える。カメラ9は、例えば料理履歴の画像、キッチン7の収納状況の画像、使用状況の画像を撮像する。
【0035】
本発明を適用したキッチン情報提示システム1は、電子機器2内にインストールされたキッチン情報提示プログラムを介して実行していくこととなる。即ち、ユーザは、電子機器2、センサ5、又はユーザ端末8を操作し、電子機器2にインストールされているキッチン情報提示プログラムを通じて、キッチン情報を提示する。
【0036】
図4は、キッチン情報提示システム1のキッチン情報プログラムを実現するためのシーケンスを示している。キッチン情報提示システム1は、ユーザ端末8と、センサ5と、ユーザ端末8及びセンサ5に接続された電子機器2と、電子機器2に接続されるユーザ端末8とを備えている。また、これらは、公衆通信網3を介して、接続されることが好ましいが、この限りではない。
【0037】
ユーザ端末8は、ユーザから入力された各種情報を取得する。ユーザ端末8は、取得した各種情報を電子機器2へ出力する。ユーザ端末8は、例えば、日時取得部601と、仕様取得部602と、負荷取得部603と、収納取得部604と、料理取得部605と、食材取得部607と、使用状況取得部608とを備え、各構成は、決定部61に接続されている。また、ユーザ端末8は、電子機器2から出力されたキッチン情報をユーザに提示する。
【0038】
センサ5は、キッチン7から検出したセンシング情報を取得する。センサ5は、センシング情報を電子機器2へ出力する。センサ5は、例えば検出部50がセンシング情報を検出し、内部バス54を介して、通信I/F51へセンシング情報を出力し、公衆通信網3を介して、センシング情報を決定部61に出力してもよい。また、この時、検出部50が検出したセンシング情報の代わりに、サーバ4に保存されたセンシング情報を出力してもよい。
【0039】
電子機器2は、センサ5及びユーザ端末8により入力された情報から、ユーザに提示するキッチン情報を決定するための決定部61を備えている。電子機器2は、決定したキッチン情報を、ユーザ端末8に出力する。
【0040】
決定部61は、予め取得された、センサ5及びユーザ端末8により取得された情報と同じ種類の情報とキッチン情報との対応関係を参照し、センサ5及びユーザ端末8により取得された情報に対応するキッチン情報をユーザに提示する。決定部61は、例えば経過日時とキッチン情報との対応関係を参照し、日時取得部601により取得された経過日時に対応するキッチン情報をユーザに提示する。また、決定部61は、予め取得された経過日時及び負荷情報とキッチン情報との対応関係を参照し、日時取得部601により取得された経過日時及び負荷取得部603により取得された負荷情報に対応するキッチン情報をユーザに提示する。決定部61は、例えばユーザに提示するキッチン情報を情報提示部28へ出力する。
【0041】
日時取得部601は、ユーザがキッチン7の使用を開始した日時から経過した経過日時を取得する。日時取得部601は、例えば、ユーザが入力したキッチン7の使用開始日時から、経過した日時を経過日時として取得してもよい。また、日時取得部601は、ユーザがキッチン7を購入した購入履歴に記載された購入日時から、経過した日時を経過日時として取得してもよい。また、日時取得部601は、キッチン7に備えられたセンサ5が検出を開始した日時から、経過した日時を経過日時として取得してもよい。日時取得部601は、取得した経過日時を決定部61へ出力する。
【0042】
仕様取得部602は、キッチン7の仕様に関する仕様情報を取得する。仕様取得部602は、ユーザがキッチン7を購入した購入履歴から仕様情報を取得してもよい。また、この場合、購入履歴は、公衆通信網3を介して、サーバ4から送信されたものを用いてもよい。また、仕様取得部602は、例えば、ユーザが入力した情報から仕様情報を取得してもよい。仕様取得部602は、取得した仕様情報を決定部61へ出力する。
【0043】
負荷取得部603は、キッチン7への負荷に関する負荷情報を取得する。負荷取得部603は、例えば、ユーザが入力した情報から負荷情報を取得してもよい。また、負荷取得部603は、センサ5が負荷情報を取得し、内部バス54を介して、通信I/F51へ負荷情報を出力し、公衆通信網3を介して、負荷情報を負荷取得部603に送信することで取得してもよい。また、この時、センサ5が取得した負荷情報の代わりに、サーバ4に保存された負荷情報を取得してもよい。負荷取得部603は、取得した負荷情報を決定部61へ出力する。
【0044】
収納取得部604は、キッチン7の収納状況に関する収納情報を取得する。収納取得部604は、例えば、ユーザが入力した情報から収納情報を取得してもよい。また、収納取得部604は、センサ5が検出した収納物の重量を示す情報を、収納情報として取得してもよい。収納取得部604は、取得した収納情報を決定部61へ出力する。
【0045】
料理取得部605は、ユーザの料理履歴に関する料理情報を取得する。料理取得部605は、例えば、電子機器2を介して、ユーザが入力した情報から料理情報を取得してもよい。料理取得部605は、取得した料理情報を決定部61へ出力する。
【0046】
食材取得部607は、ユーザが購入した食材に関する食材情報を取得する。食材取得部607は、例えば、ユーザが入力した情報から食材情報を取得してもよい。また、食材取得部607は、ユーザが食材を購入した購入履歴から、食材情報を取得してもよい。食材取得部607は、取得した食材情報を決定部61へ出力する。
【0047】
使用状況取得部608は、キッチン7の使用状況に関する使用状況情報を取得する。使用状況取得部608は、例えば、電子機器2を介して、ユーザが入力した情報から使用状況情報を取得してもよい。使用状況取得部608は、取得した使用状況情報を決定部61へ出力する。
【0048】
次に、本実施形態におけるキッチン情報提示システム1の動作の一例について説明する。キッチン情報提示システム1は、まず、ユーザがキッチン7の使用を開始した日時から経過した経過日時と、キッチン7の仕様に関する仕様情報と、ユーザが購入した食材に関する食材情報と、キッチン7への負荷に関する負荷情報と、キッチン7からセンサ5により検出されたセンシング情報と、キッチン7の使用状況に関する使用状況情報と、キッチン7の収納状況に関する収納情報と、ユーザの料理履歴に関する料理情報との中の1種類以上の情報を取得する。次に、キッチン情報提示システム1は、予め取得された、取得された情報と同じ種類の情報とキッチン7に関するキッチン情報との対応関係を参照し、取得された情報に対応するキッチン情報をユーザに提示する。
【0049】
例えば、キッチン情報提示システム1は、
図5に示すように、ユーザ端末8で、ユーザから入力された、キッチン7の使用を開始した日時を取得する。次に、キッチン情報提示システム1は、電子機器2で、キッチン7の使用を開始した日時から経過した経過日時を取得する。次に、キッチン情報提示システム1は、電子機器2で、予め取得された経過日時とキッチン情報との関係テーブルを参照し、取得された経過日時に対応するキッチン情報を決定する。次に、キッチン情報提示システム1は、ユーザ端末8で、キッチン情報をユーザに提示する。これによって、取得した経過日時に対応する最適なキッチン情報をユーザに提示できるため、ユーザがキッチン7の使用を開始した日時に合わせたキッチン情報をユーザに提示することができる。
【0050】
次に、キッチン情報提示システム1の動作の詳細について図を用いて説明をする。
図6は、本実施形態におけるキッチン情報提示システム1の一例を示すフローチャートである。
【0051】
キッチン情報提示システム1は、例えば、
図6に示すように、取得ステップS10において、センサ5及びユーザ端末8が、各種情報を取得する。次に、決定ステップS11において、決定部61が、対応関係を参照し、センサ5及びユーザ端末8が取得した各種情報に対応するキッチン情報を決定する。次に、提示ステップS12において、例えばユーザ端末8が、ユーザにキッチン情報を提示する。
【0052】
次に本実施形態における各ステップの詳細な説明をする。まず取得ステップS10において、キッチン情報提示システム1は、ユーザにキッチン情報を提示するために、センサ5及びユーザ端末8が各種情報を取得し、決定部61に出力する。例えば、日時取得部601は、経過日時を取得し、決定部61に出力する。
【0053】
キッチン情報は、キッチン7に関する情報である。キッチン7に関する情報は、例えば、キッチン7に備えられた各種機器の使い方の情報、キッチン7の掃除の情報、キッチン7のメンテナンス情報、キッチン7の性能についての説明、キッチン7の収納方法の情報、キッチン7を利用した料理のレシピ情報、調理機器及び家電機器の情報等である。キッチン7のメンテナンス情報は、例えば、浄水器の交換方法、浄水カートリッジの定期配送の案内、浄水カートリッジの交換時期のお知らせ、ステンレス等の素材に合わせたメンテナンス方法、キッチン7に備えられた各種機器のメンテナンス情報等である。キッチン7の掃除の情報は、例えば、ステンレスシンク、レンジフード、セラミック天板、ガスコンロ等、キッチン7に備えられた各種機器の掃除方法の情報である。キッチン7の収納方法の情報は、例えば、ユーザの動作導線に合う収納方法、グルーピングの方法の情報である。キッチン情報は、テキストデータ、音声データ、画像データ、動画データの何れであってもよい。
【0054】
経過日時は、ユーザがキッチン7の使用を開始した日時から経過した日時である。経過日時は、例えば、1時間、3日、4か月、8年等で示されるが、この限りではない。また、経過日時は、ユーザがキッチン7を購入した日時から経過した日時であってもよい。
【0055】
また、取得ステップS10において、例えば、仕様取得部602は、仕様情報を取得し、決定部61に出力する。仕様情報は、キッチン7の仕様に関する情報である。キッチン7の仕様に関する情報は、キッチン7の型番、キッチン7の性能、キッチン7の素材等の情報である。また、仕様情報は、ユーザがキッチン7を購入した際の商談情報、又はキッチン7の納品情報を含んでもよい。
【0056】
また、取得ステップS10において、例えば、負荷取得部603は、負荷情報を取得し、決定部61に出力する。負荷情報は、キッチン7への負荷に関する情報である。キッチン7への負荷に関する情報は、キッチン7及びキッチン7の各種機器の利用頻度の情報、キッチン7に収納された収納物の重量、加熱機器の使用時間及び温度、キッチン7の温度及び湿度、使用した水量等の情報である。キッチン7及びキッチン7の各種機器の利用頻度の情報は、例えば、1日当たりの利用回数、1週間当たりに利用時間等である。
【0057】
また、取得ステップS10において、例えば、収納取得部604は、収納情報を取得し、決定部61に出力する。収納情報は、キッチン7の収納状況に関する情報である。キッチン7の収納に関する情報は、収納物の種類、収納量の大きさ、又は収納物の重量を示す情報である。収納情報は、例えば、収納量が多い、少ない等である。また、収納情報は、収納物の体積や重量で表してもよい。
【0058】
また、取得ステップS10において、例えば、料理取得部605は、料理情報を取得し、決定部61に出力する。料理情報は、ユーザの料理履歴に関する情報である。ユーザの料理履歴に関する情報は、ユーザが調理した料理の情報であり、例えばカレー、パスタ等の料理名である。また、料理情報は、ユーザが調理する頻度の多い料理や、ユーザが好む料理の情報であってもよい。
【0059】
また、取得ステップS10において、例えば、食材取得部607は、食材情報を取得し、決定部61に出力する。食材情報は、ユーザが購入した食材に関する情報である。ユーザが購入した食材に関する情報は、例えばバナナや缶詰などがある。また、食材情報は、ユーザが食品を購入した日時の情報でもよく、購入した食材と購入した日時をセットにした情報でもよい。
【0060】
また、取得ステップS10において、例えば、使用状況取得部608は、使用状況情報を取得し、決定部61に出力する。使用状況情報は、キッチン7の使用状況に関する情報である。キッチン7の使用状況に関する情報は、キッチン7がユーザにどのように使用されているかを示す情報であり、例えば、キッチン7及びキッチン7の調理機器の利用頻度や、キッチン7のコーディネート等の情報である。
【0061】
また、取得ステップS10において、例えば、センサ5は、センシング情報を取得し、決定部61に出力する。センシング情報は、センサ5により検出された情報である。センシング情報は、例えば、温度センサにより計測されたキッチン7の空間及びキッチン7の加熱機器71の温度、水量センサにより検出された水栓72に流れる水量、荷重センサにより検出されたキッチン7の引出し73及び天板74の荷重、加速度センサにより検出された引出し73の加速度、湿度センサにより検出されたキッチン7の湿度等がある。
【0062】
センサ5及びユーザ端末8は、上述した構成を用いて、経過日時と、仕様情報と、食材情報と、負荷情報と、センシング情報と、使用状況情報と、仕様情報と、収納情報と、料理情報との中の1種類以上の情報を取得する。また、センサ5及びユーザ端末8は、上述したすべての情報を取得することに限らず、センサ5及びユーザ端末8は、上述した情報の中の1種類以上の任意の情報を取得してもよい。また、電子機器2は、センサ5及びユーザ端末8を介することなく、上述した情報を取得してもよい。例えば、サーバ4の保存された上述した情報を、公衆通信網3を介して取得してもよい。
【0063】
また、取得ステップS10は、例えば予め取得されたお問い合わせ番号をユーザがユーザ端末8に入力することにより、サーバ4に保存された各種情報とお問い合わせ番号を照合し、お問い合わせ番号に紐づく各種情報を取得してもよい。また、この時、取得ステップS10は、キッチン7を使用するユーザの性別、誕生日、ニーズなどのユーザの性質に関する顧客情報を取得してもよい。
【0064】
次に、決定ステップS11において、決定部61は、予め取得された、センサ5及びユーザ端末8により取得された情報と同じ種類の情報とキッチン情報との対応関係を参照し、センサ5及びユーザ端末8により取得された情報に対応するキッチン情報を決定する。
【0065】
対応関係は、例えば予め取得された入力データに対応する出力データを示したと関係テーブルである。例えば、
図7のように、経過日時を入力データ、キッチン情報を出力データとして、経過日時に対応するキッチン情報を示された関係テーブルであってもよい。これは、例えば入力データを「3日」、出力データを「M-01」とする入力データに対応する出力データを示す関係テーブルである。この場合、決定部61は、センサ5及びユーザ端末8により取得された情報が「3日」という経過日時であった場合、「3日」を入力データとして、関係テーブルを参照し、「3日」に対応する出力データである「M-01」をユーザに提示するキッチン情報として決定し、ユーザ端末8に出力する。また、この場合、入力データに対応する出力データは一義的に決定される。また、入力データに対応する出力データが無い場合、ユーザに何も情報を提示しなくてもよい。
【0066】
また、データセットは、複数種類からなる入力データが用いられてもよい。複数種類からなる入力データとして、例えば、仕様情報と経過日時とからなる入力データを用いてもよい。複数種類からなる入力データが用いられた場合、例えば表1のように、経過日時と仕様情報とのマトリックスを示す関係テーブルを用いてもよい。
【0067】
【表1】
例えば、決定部61は、表1のような関係テーブルを参照する場合、入力データとして、「仕様情報B」と、「1週間」が入力されると、入力データに対応する出力データとして、「キッチン情報E」を決定する。これによって、複数の情報に対応するキッチン情報を決定することが可能となり、より多面的にユーザのキッチン7の状況を把握することが可能となるため、ユーザに合わせたより適切なキッチン情報を提示することができる。
【0068】
また、対応関係は、入力データに対応する出力データのデータセットを学習データとして、複数の学習データを用いて、機械学習により生成された学習済みモデルであってもよい。学習済みモデルの生成方法として、例えばニューラルネットワークをモデルとした機械学習を用いて、生成された学習済みモデルであってもよい。学習済みモデルは、例えばCNN(Convolution Neural Network) 等のニューラルネットワークをモデルとした機械学習を用いて生成されるほか、任意のモデルが用いられてもよい。
【0069】
学習済みモデルには、例えば
図8のように、入力データを負荷情報として、出力データをキッチン情報とし、入力データと出力データの間における連関度を有する連関性が記憶される。連関度は、入力データと出力データとの繋がりの度合いを示しており、例えば連関度が高いほど各データの繋がりが強いと判断することができる。連関度は、例えば百分率等の3値以上又は3段階以上で示されるほか、2値又は2段階で示されてもよい。
【0070】
例えば連関性は、複数の入力データ、対、複数の出力データの間における繋がりの度合いにより構築される。連関性は、機械学習の過程で適宜更新され、例えば複数の負荷情報、及び複数のキッチン情報に基づいて最適化された関数を用いた分類器を示す。なお、連関性は、例えば各データの間における繋がりの度合いを示す複数の連関度を有してもよい。連関度は、例えばデータベースがニューラルネットワークで構築される場合、重み変数に対応させることができる。連関性は、例えば
図8に示すように、複数の負荷情報と、複数のキッチン情報との間における繋がりの度合いを示してもよい。この場合、連関性を用いることで、
図8の「負荷情報A」~「負荷情報C」のそれぞれの負荷情報に対し、「キッチン情報A」~「キッチン情報C」の複数のキッチン情報との関係の度合いを紐づけて記憶させることができる。このため、例えば連関性を介して、1つのキッチン情報に対して、複数の負荷情報を紐づけることができる。これにより、入力データに対して多面的な出力データの選択を実現することができる。
【0071】
連関性は、例えば各入力データと、各出力データとをそれぞれ紐づける複数の連関度を有する。連関度は、例えば百分率、10段階、又は5段階等の3段階以上で示され、例えば線の特徴(例えば太さ等)で示される。例えば、負荷情報に含まれる「負荷情報A」は、キッチン情報に含まれる「キッチン情報A」との間の連関度AA「73%」を示し、キッチン情報に含まれる「キッチン情報B」との間の連関度AB「12%」を示す。すなわち、「連関度」は、各データ間における繋がりの度合いを示しており、例えば連関度が高いほど、各データの繋がりが強いことを示す。例えば、「負荷情報A」という負荷情報と「キッチン情報A」というキッチン情報との連関度が「73%」であり、「負荷情報A」という負荷情報と、「キッチン情報B」というキッチン情報との連関度が「12%」である場合、「キッチン情報B」と「負荷情報A」との繋がりよりも「キッチン情報A」と「負荷情報A」との繋がりが強いことを示す。
【0072】
このような
図8に示す3段階以上の連関度を予め取得しておく。つまり実際の対応解の判別を行う上で、入力データと、出力データの何れが採用、評価されたか、過去のデータセットを蓄積しておき、これらを分析、解析することで
図8に示す連関度を作り上げておく。
【0073】
例えば、過去において「負荷情報B」という負荷情報に対して、「キッチン情報A」というキッチン情報が最も適合性が高いと判断され、評価されたものとする。このようなデータセットを集めて分析することにより、入力データと出力データとの連関度が強くなる。
【0074】
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば入力された「負荷情報B」という負荷情報である場合に、過去のデータセットに基づいて、「キッチン情報A」というキッチン情報が推定される事例が多い場合には、この「負荷情報B」と、「キッチン情報A」とにつながる連関度をより高く設定する。
【0075】
また、この連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
【0076】
また、学習済みモデルは、
図9に示すように、入力データと出力データとの間に少なくとも1以上の隠れ層が設けられ、機械学習させるようにしてもよい。入力データ又は隠れ層データの何れか一方又は両方において上述した連関度が設定され、これが各データの重み付けとなり、これに基づいて出力の選択が行われる。そして、この連関度がある閾値を超えた場合に、その出力を選択するようにしてもよい。
【0077】
また、学習済みモデルは、複数種類のデータからなる入力データと出力データとからなるデータセットを学習データとして用いて、生成されてもよい。これによって、複数の情報に対応するキッチン情報を決定することが可能となり、より多面的にユーザのキッチン7の状況を把握することが可能となるため、ユーザに合わせたより適切なキッチン情報を提示することができる。かかる場合、例えば経過日時及び負荷情報を入力データとし、キッチン情報を出力データとしてもよい。これによって、経過日時及び仕様情報に対応する最適なキッチン情報をユーザに提示できるため、ユーザがキッチン7の使用を開始した日時と、キッチンの仕様情報に合わせたキッチン情報をユーザに提示することができる。
【0078】
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから新たに入力データに対応する出力データの決定を行うこととなる。決定の際には、例えば予め取得した
図8に示す連関度を参照する。例えば、センサ5及びユーザ端末8により、新たに取得した負荷情報が「負荷情報A」と同一か、これに類似するものである場合には、連関度を介して「キッチン情報A」との間の連関度AA「73%」、「キッチン情報B」との間の連関度AB「12%」で関連付けられている。この場合には、連関度の最も高い「キッチン情報A」を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる「キッチン情報B」を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
【0079】
このような連関度を参照することにより、入力データが、出力データと同一又は類似である場合のほか、非類似である場合においても、入力データに適した出力データを定量的に選択することができるため、取得ステップS10で取得した情報がいかなるキッチン情報に対応するものであるのかを精度良く判別することができる。
【0080】
上述した対応関係を予め取得しておくことで、対応関係を参照し、決定ステップS11において、決定部61は、センサ5及びユーザ端末8により取得した情報を入力データとして、入力データに対応するキッチン情報を決定する。決定部61は決定したキッチン情報を、ユーザ端末8に出力する。
【0081】
例えば、決定ステップS11において、決定部61は、予め取得された経過日時及び食材情報とキッチン情報との対応関係を参照し、取得された経過日時及び取得された食材情報に対応するキッチン情報を決定する。これによって、取得した経過日時と食材情報に対応する最適なキッチン情報をユーザに提示できるため、ユーザがキッチン7の使用を開始した日時と、ユーザが購入した食材に合わせたキッチン情報をユーザに提示することができる。また、この時、ユーザがキッチン7の使用を開始した日時から経過した経過日時ではなく、代わりに食材情報に含まれるユーザが食材を購入した日時から経過した食材の経過日時を用いてもよい。この場合、食材情報として、「バナナ」と、食材経過日時として、「5日」という情報が含まれていた場合、予め取得された食材情報及び食材の経過日時とキッチン情報との対応関係を参照し、「バナナ」及び「5日」に対応するキッチン情報を決定することができる。これにより、例えばバナナの賞味期限に合わせて、バナナを用いたレシピをキッチン情報として、ユーザに提示することが可能となるため、ユーザが購入した食材に合わせたより適切なキッチン情報をユーザに提示することができる。
【0082】
また、決定ステップS11において、決定部61は、例えば経過日時及びセンシング情報とキッチン情報との対応関係を参照し、取得された経過日時及び取得されたセンシング情報に対応するキッチン情報を決定する。これによって、取得した経過日時とセンシング情報に対応する最適なキッチン情報をユーザに提示できるため、ユーザがキッチン7の使用を開始した日時と、センサにより検出されたセンシング情報に合わせたキッチン情報をユーザに提示することができる。
【0083】
また、例えば、取得ステップS10において、センサ5が、キッチン7の調理機器毎のセンシング情報を取得し、決定ステップS11において、上述したセンシング情報に対応するキッチン情報を決定することで、キッチン7に設けられた調理機器毎のセンシング情報に対応するキッチン情報を決定することが可能となり、ユーザに合わせたより適切なキッチン情報を提示できる。
【0084】
また、決定ステップS11において、決定部61は、例えば使用状況情報とキッチン情報との対応関係を参照し、取得された使用状況情報に対応するキッチン情報を決定する。これによって、取得した使用状況情報に対応する最適なキッチン情報をユーザに提示できるため、キッチン7の使用状況に合わせたキッチン情報をユーザに提示することができる。
【0085】
また、決定ステップS11において、決定部61は、例えば収納情報とキッチン情報との対応関係を参照し、取得された収納情報に対応するキッチン情報を決定する。これによって、取得した収納情報に対応する最適なキッチン情報をユーザに提示できるため、キッチン7の収納状況に合わせたキッチン情報をユーザに提示することができる。
【0086】
また、決定ステップS11において、決定部61は、例えば予め取得された料理情報とキッチン情報との対応関係を参照し、取得された料理情報に対応するキッチン情報を決定する。これによって、取得した料理情報に対応する最適なキッチン情報をユーザに提示できるため、ユーザの料理履歴に合わせたキッチン情報をユーザに提示することができる。
【0087】
次に、提示ステップS12において、ユーザ端末8は、キッチン情報をユーザに提示する。例えば、キッチン情報が動画、もしくは画像であった場合、ユーザ端末8は、このキッチン情報をディスプレイに表示することでユーザに提示する。また、例えば、キッチン情報が音声であった場合、ユーザ端末8は、このキッチン情報をスピーカで再生することでユーザに提示する。
【0088】
上述した各ステップによって、キッチン情報提示システム1は、動作を完了する。キッチン情報提示システム1は、これによって、取得した情報に対応する最適なキッチン情報をユーザに提示できるため、ユーザのキッチン7の状況に合わせたキッチン情報をユーザに提示することができる。
【0089】
〈第2実施形態〉
以下、本発明の第2実施形態を適用したキッチン情報提示システム1について、図面を参照しながら詳細に説明をする。第2実施形態は、負荷情報を取得する際に、対応関係を参照し、センシング情報に対応する負荷情報を取得する点と、使用状況情報を取得する際に、対応関係を参照し、センシング情報に対応する使用状況情報を取得する点とで、第1実施形態と異なる。以下、第1実施形態と同様なものの説明は省略する。
【0090】
図10は、キッチン情報提示システム1の第2実施形態を適応したキッチン情報プログラムを実現するためのシーケンスを示している。キッチン情報提示システム1は、センサ5と、センサ5に接続された電子機器2と、電子機器2に接続されたユーザ端末8を備えている。
【0091】
電子機器2は、センサ5に接続される負荷演算部610及び使用状況演算部611を備える。
【0092】
負荷演算部610は、予め取得されたセンシング取得情報と、負荷情報との対応関係を参照し、センサ5により取得されたセンシング情報に対応する負荷情報を取得する。負荷演算部610は、取得した負荷情報を決定部61に出力する。
【0093】
使用状況演算部611は、予め取得されたセンシング取得情報と、使用状況情報との対応関係を参照し、センサ5により取得されたセンシング情報に対応する使用状況情報を取得する。使用状況演算部611は、取得した使用状況情報を決定部61に出力する。
【0094】
次に本実施形態における各ステップの説明をする。
図11に示すように、まずセンサ取得ステップS20において、キッチン情報提示システム1は、センサ5がセンシング情報を取得し、負荷演算部610又は使用状況演算部611に出力する。
【0095】
次に、取得ステップS21において、例えば負荷演算部610は、予め取得されたセンシング取得情報と、負荷情報との対応関係を参照し、センサ5により取得されたセンシング情報に対応する負荷情報を取得する。これによって、センシング情報に対応する負荷情報を取得できるため、より詳細な負荷情報を取得することができる。
【0096】
また、取得ステップS21において、例えば使用状況演算部611は、予め取得されたセンシング取得情報と、使用状況情報との対応関係を参照し、センサ5により取得されたセンシング情報に対応する使用状況情報を取得する。これによって、センシング情報に対応するキッチン7の使用状況情報を取得できるため、より詳細な使用状況情報を取得することができる。例えば、センシング情報から、キッチン7に備えられた調理機器の中で、使用頻度の高い調理機器が判断することができるため、使用頻度に応じたキッチン情報を提示することができる。また、センシング情報から使用状況情報を取得することで、センサ5を用いて自動的に使用状況情報を取得することが可能なため、ユーザにかける負担を少なくすることができる。
【0097】
取得ステップS21で用いられる対応関係は、データセットの入力データと出力データが異なる点で、第1実施形態のものと異なる。負荷演算部610は、例えば
図12に示すような、入力データとしてセンシング情報を、出力データとして負荷情報をそれぞれ用いたデータセットを学習データとして、複数の学習データからなる対応関係を予め取得する。取得ステップS21において、負荷演算部610は、上述した対応関係を参照し、センサ取得ステップS20で取得されたセンシング情報を入力データとして、入力データに対応する負荷情報を取得する。
【0098】
使用状況演算部611は、例えば、入力データとしてセンシング情報を、出力データとして使用状況情報をそれぞれ用いたデータセットを学習データとして、複数の学習データからなる対応関係を予め取得する。取得ステップS21において、使用状況演算部611は、上述した対応関係を参照し、センサ取得ステップS20で取得されたセンシング情報を入力データとして、入力データに対応する使用状況情報を取得する。
【0099】
〈第3実施形態〉
以下、本発明の第3実施形態を適用したキッチン情報提示システム1について、図面を参照しながら詳細に説明をする。第3実施形態は、料理情報を取得する際に、対応関係を参照し、画像に対応する料理情報を取得する点と、使用状況情報を取得する際に、対応関係を参照し、画像に対応する使用状況情報を取得する点と、収納情報を取得する際に、対応関係を参照し、画像に対応する収納情報を取得する点で、第1実施形態と異なる。以下、第1実施形態及び第2実施形態と同様なものの説明は省略する。
【0100】
図13は、電子機器2の第3実施形態を適応したキッチン情報プログラムを実現するためのシーケンスを示している。電子機器2は、ユーザ端末8と、ユーザ端末8に接続された電子機器2を備えている。
【0101】
ユーザ端末8は、例えば、画像を撮像するためのカメラ9を備える。ユーザ端末8は、撮像した画像を電子機器2に出力する。
【0102】
カメラ9は、料理履歴の画像を撮像し、料理演算部612に出力する。また、カメラ9は、キッチン7の収納状況の画像を撮像し、収納取得部604に出力する。また、画像取得部609は、キッチン7の使用状況の画像を撮像し、使用状況演算部611に出力する。
【0103】
料理演算部612は、予め取得された料理履歴の画像と、料理情報との対応関係を参照し、カメラ9により撮像された料理履歴の画像に対応する料理情報を取得する。
【0104】
収納演算部613は、予め取得されたキッチン7の収納状況の画像と、収納情報との対応関係を参照し、カメラ9により取得されたキッチン7の収納状況の画像に対応する収納情報を取得する。
【0105】
使用状況演算部611は、予め取得されたキッチン7の使用状況の画像と、使用状況情報との対応関係を参照し、カメラ9により取得されたキッチン7の使用状況の画像に対応する使用状況情報を取得する。
【0106】
次に本実施形態における各ステップの説明をする。
図14に示すように、まず画像取得ステップS30において、キッチン情報提示システム1は、カメラ9が画像を撮像し、料理演算部612、収納演算部613、又は使用状況演算部611に出力する。また、電子機器2は、公衆通信網3を介して、サーバ4からカメラ9を介することなく、画像を取得してもよい。また、電子機器2は、例えばユーザがSNS(social networking service)に投稿した画像を、公衆通信網3を介して、取得してもよい。
【0107】
次に、取得ステップS31において、例えば料理演算部612は、予め取得された料理履歴の画像と、料理情報との対応関係を参照し、カメラ9により撮像された料理履歴の画像に対応する料理情報を取得する。これによって、撮像した画像に対応する最適な料理情報を取得できるため、より詳細な料理情報を取得することができる。
【0108】
また、取得ステップS31において、例えば収納演算部613は、予め取得されたキッチン7の収納状況の画像と、収納情報との対応関係を参照し、カメラ9により撮像された収納状況の画像に対応する収納情報を取得する。これによって、撮像した画像に対応する最適な収納情報を取得できるため、より詳細な収納情報を取得することができる。
【0109】
また、取得ステップS31において、例えば使用状況演算部611は、予め取得されたキッチン7の使用状況の画像と、使用状況情報との対応関係を参照し、カメラ9により撮像された使用状況の画像に対応する使用状況情報を取得する。これによって、キッチン7の画像に対応するキッチン7の使用状況情報を取得できるため、より詳細な使用状況情報を取得することができる。また、画像から使用状況情報を取得することで、例えばユーザがSNS(social networking service)に画像を投稿していた場合、自動的に投稿された画像を取得し、取得した画像から使用状況情報を取得することが可能なため、ユーザにかける負担を少なくすることができる。
【0110】
取得ステップS31で用いられる対応関係は、データセットの入力データと出力データが異なる点で、第1実施形態のものと異なる。料理演算部612は、例えば
図15に示すような、入力データとして画像を、出力データとして料理情報をそれぞれ用いたデータセットを学習データとして、複数の学習データからなる対応関係を予め取得する。取得ステップS21において、料理取得部605は、上述した対応関係を参照し、画像取得ステップS30で取得された画像を入力データとして、入力データに対応する料理情報を取得する。
【0111】
収納演算部613は、例えば、入力データとして画像を、出力データとして収納情報をそれぞれ用いたデータセットを学習データとして、複数の学習データからなる対応関係を予め取得する。取得ステップS31において、収納演算部613は、上述した対応関係を参照し、画像取得ステップS30で取得された画像を入力データとして、入力データに対応する収納情報を取得する。
【0112】
使用状況演算部611は、例えば、入力データとして画像を、出力データとして使用状況情報をそれぞれ用いたデータセットを学習データとして、複数の学習データからなる対応関係を予め取得する。取得ステップS31において、使用状況演算部611は、上述した対応関係を参照し、画像取得ステップS30で取得された画像を入力データとして、入力データに対応する使用状況情報を取得する。
【0113】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0114】
1 キッチン情報提示システム
2 電子機器
3 公衆通信網
4 サーバ
5 センサ
7 キッチン
8 ユーザ端末
9 カメラ
50 検出部
51 通信I/F
52 メモリ
53 操作部
54 内部バス
61 決定部
601 日時取得部
602 仕様取得部
603 負荷取得部
604 収納取得部
605 料理取得部
607 食材取得部
608 使用状況取得部
610 負荷演算部
611 使用状況演算部
612 料理演算部
613 収納演算部
S10 取得ステップ
S11 決定ステップ
S12 提示ステップ
S20 センサ取得ステップ
S21 取得ステップ
S22 決定ステップ
S23 提示ステップ
S30 画像取得ステップ
S31 取得ステップ
S32 決定ステップ
S33 提示ステップ