(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022093449
(43)【公開日】2022-06-23
(54)【発明の名称】筋肉鍛錬装置および治療器
(51)【国際特許分類】
A61N 1/36 20060101AFI20220616BHJP
A61N 1/04 20060101ALI20220616BHJP
【FI】
A61N1/36
A61N1/04
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022072927
(22)【出願日】2022-04-27
(62)【分割の表示】P 2017186333の分割
【原出願日】2017-09-27
(31)【優先権主張番号】P 2016187817
(32)【優先日】2016-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】397029873
【氏名又は名称】株式会社大木工藝
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100174388
【弁理士】
【氏名又は名称】龍竹 史朗
(72)【発明者】
【氏名】大木 武彦
(72)【発明者】
【氏名】大木 達彦
(72)【発明者】
【氏名】大橋 明美
(72)【発明者】
【氏名】宮島 広和
(57)【要約】
【課題】身体を暖める機能を備えつつ、軽量化された筋肉鍛錬装置および治療器を提供する。
【解決手段】筋肉鍛錬装置1は、身体にパルス電流を流すことにより筋肉に電気的刺激を与えて筋肉を収縮させる。筋肉鍛錬装置1は、装置本体11と、装置本体11に設けられた6つの電極部13と、6つの電極部13間に電流を出力する電力変換回路を有するコントローラ12と、膨張黒鉛から形成され装置本体11内において電極部13に対向して配置される黒鉛シート141と、黒鉛シート141の一部を加熱するヒータ21と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体に電流を流すことにより筋肉に電気的刺激を与えて筋肉を収縮させる筋肉鍛錬装置であって、
装置本体と、
装置本体に設けられた複数の電極部と、
前記複数の電極部間に電流を出力する電流出力部と、
シート状に加圧成形された膨張黒鉛からなり前記装置本体内において前記電極部に対向して配置される黒鉛シートと、
ヒータと、を備え、
前記装置本体は、主部と、前記主部に対して旋回自在に取り付けられた複数のパッド部と、を有し、
前記複数の電極部は、前記複数のパッド部それぞれに設けられ、
前記黒鉛シートは、前記複数のパッド部それぞれの内側において前記複数の電極部それぞれに対向して配置され、
前記ヒータは、前記複数のパッド部それぞれに1つずつ設けられ、前記黒鉛シートの少なくとも一部を加熱する、
筋肉鍛錬装置。
【請求項2】
前記黒鉛シートの厚さは、0.1mm以上0.2mm以下である、
筋肉鍛錬装置。
【請求項3】
前記ヒータは、前記黒鉛シートにおける前記電極部と重なる第1部位以外の第2部位に接触し、前記第2部位を加熱する、
請求項1または2に記載の筋肉鍛錬装置。
【請求項4】
身体に電流を流すことにより電気的刺激を与える治療器であって、
装置本体と、
装置本体に設けられた複数の電極部と、
前記複数の電極部間に電流を出力する電流出力部と、
膨張黒鉛から形成され前記装置本体内において前記電極部に対向して配置される黒鉛シートと、
ヒータと、を備え、
前記装置本体は、主部と、前記主部に対して旋回自在に取り付けられた複数のパッド部と、を有し、
前記複数の電極部は、前記複数のパッド部それぞれに設けられ、
前記黒鉛シートは、前記複数のパッド部それぞれの内側において前記複数の電極部それぞれに対向して配置され、
前記ヒータは、前記複数のパッド部それぞれに1つずつ設けられ、前記黒鉛シートの少なくとも一部を加熱する、
治療器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筋肉鍛錬装置および治療器に関する。
【背景技術】
【0002】
電気的刺激を利用した筋肉鍛錬装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に記載された筋肉鍛錬装置は、電極部が設けられた装具と、電極部に電圧を印加する制御回路と、を備える。この筋肉鍛錬装置は、装具が身体の一部に装着された状態で電極部に電圧を印加することにより、身体のうち装具が装着された部分の筋肉に電気刺激を与えるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば冬場の寒い時期に筋肉鍛錬を行う場合、特に筋肉鍛錬の開始時において、身体を暖めたほうがスムーズに筋肉鍛錬を開始することができる。また、身体を温めながら筋肉鍛錬を行うことにより、身体の基礎代謝が促進されダイエット効果が期待できる。そこで、筋肉鍛錬装置の装具にヒータを取り付けて、筋肉鍛錬装置に筋肉鍛錬の対象となる身体の一部を暖める機能を設けることが検討されつつある。この場合、装着された部分全体をなるべく早く暖めることができるようにしようとすると、その分、ヒータの数が増加し、装具が重くなってしまう。そうすると、装具の身体への装着が困難になる虞がある。
【0005】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、身体を暖める機能を備えつつ、軽量化された筋肉鍛錬装置および治療器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る筋肉鍛錬装置は、
身体に電流を流すことにより筋肉に電気的刺激を与えて筋肉を収縮させる筋肉鍛錬装置であって、
装置本体と、
装置本体に設けられた複数の電極部と、
前記複数の電極部間に電流を出力する電流出力部と、
シート状に加圧成形された膨張黒鉛からなり前記装置本体内において前記電極部に対向して配置される黒鉛シートと、
ヒータと、を備え、
前記装置本体は、主部と、前記主部に対して旋回自在に取り付けられた複数のパッド部と、を有し、
前記複数の電極部は、前記複数のパッド部それぞれに設けられ、
前記黒鉛シートは、前記複数のパッド部それぞれの内側において前記複数の電極部それぞれに対向して配置され、
前記ヒータは、前記複数のパッド部それぞれに1つずつ設けられ、前記黒鉛シートの少なくとも一部を加熱する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、膨張黒鉛から形成され装置本体内において電極部に対向して配置される黒鉛シートと、黒鉛シートの一部を加熱するヒータと、を備える。これにより、黒鉛シートの一部を加熱すると、黒鉛シートの一部に加えられた熱が黒鉛シート全体に拡散する。従って、筋肉鍛錬装置が身体に装着された状態で、身体における筋肉鍛錬装置が装着された部分全体を効率的に暖めることができる。また、黒鉛シートの一部だけを加熱する構成であることにより、ヒータを小型化して軽量化することができるので、筋肉鍛錬装置の軽量化が図られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る筋肉鍛錬装置の使用状態を示す図である。
【
図2】実施の形態1に係る筋肉鍛錬装置について、(A)は裏面の平面図であり、(B)は(A)のA-A線における断面図である。
【
図3】本発明の実施の形態2に係る筋肉鍛錬装置の一部破断した斜視図である。
【
図4】実施の形態2に係る筋肉鍛錬装置を示し、(A)は平面図であり、(B)は側面図である。
【
図5】実施の形態2に係る筋肉鍛錬装置の動作を説明するための平面図である。
【
図6】変形例に係る筋肉鍛錬装置を示し、(A)は平面図であり、(B)は側面図である。
【
図7】変形例に係る筋肉鍛錬装置の動作を説明するための平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の各実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0010】
(実施の形態1)
本実施の形態に係る筋肉鍛錬装置は、身体の一部(例えば腹部)に装着した状態で身体の一部に存在する筋肉(例えば腹筋)に電気的刺激を与えて筋肉を収縮させることによりその筋肉を鍛錬することができるものである。
【0011】
図1に示すように、本実施の形態に係る筋肉鍛錬装置1は、例えば身体Pの腹部に装着された状態で使用される。筋肉鍛錬装置1は、装置本体11と、コントローラ12と、複数(
図1では6つ)の電極部13と、黒鉛シート141と、ヒータ21と、を備える。コントローラ12は、装置本体11の略中央部に配置され、電極部13は、装置本体11におけるコントローラ12の周囲に配置されている。この筋肉鍛錬装置1が身体Pの腹部に装着された状態では、コントローラ12の調節部122が装置本体11の身体P側とは反対側に位置し、電極部13と黒鉛シート141とが装置本体11の身体P側に位置する。また、
図2(A)および(B)に示すように、筋肉鍛錬装置1は、他に、保護シート142を備える。黒鉛シート141と保護シート142とは、略同じ外形寸法であり、互いに重なりあっている。そして、筋肉鍛錬装置1は、
図2(A)に示すような複数(
図2(A)では6つ)の粘着部材15により身体Pに装着される。装置本体11は、可撓性を有する樹脂材料から板状に形成されたものである。
【0012】
複数の電極部13は、装置本体11を身体Pに装着した状態において、身体Pに対向する側の6箇所に設けられている。各電極部13は、シート状であり、装置本体11の身体P側の面に沿って広がるように配置されている。
【0013】
コントローラ12は、複数の電極部13の一部の電極部13とその他の電極部13との間にパルス幅が数10乃至数100μsecのパルス電圧を低周波数(数Hz)で印加することにより、電極部13間に低周波数のパルス電流を流す。パルス電圧の振幅値は、例えば数10V乃至100V程度に設定される。コントローラ12は、
図2(B)に示すように、本体部121と、電極部13に印加する電圧を調節するための調節部122と、を有する。電極部13は、配線13aを介して本体部121に接続されている。本体部121は、蓄電部(図示せず)と、蓄電部から直流電力の供給を受けて複数の電極部13へパルス電圧を印加する電力変換回路(電流出力部)1211と、ヒータ21を駆動するヒータ駆動回路1212と、電力変換回路およびヒータ駆動回路を制御する制御部1213と、を有する。制御部1213は、マイコンであり、ユーザによる調節部122の回転操作に応じて電極部13間に印加されるパルス電圧の振幅を制御する。
【0014】
黒鉛シート141は、
図2(A)に示すように、装置本体11内において電極部13に対向して配置されている。なお、
図2(A)中のドットで示した部分が、黒鉛シート141が配置されている部分に相当する。この黒鉛シート141は、原料の天然黒鉛などの黒鉛を膨張させて膨張黒鉛の形態にしてから加圧してシート状に成形することにより作製される。この黒鉛シート141としては、例えば黒鉛成分(炭素成分)の比率が99%以上のものを用いることができる。
【0015】
黒鉛シート141の厚さは、例えば0.1乃至0.2mmに設定される。この黒鉛シート141の熱拡散率は、厚さが0.13mmの場合、212×10
-6(m
2/s)であり、これは厚さが0.10mmのアルミニウムシートの熱拡散率(98×10
-6(m
2/s))の約2.2倍に相当する。即ち、黒鉛シート141は、厚さが同程度のアルミニウムシートに比べて高い熱拡散率を有する。保護シート142は、
図2(B)に示すように、黒鉛シート141に積層され黒鉛シート141を保護する。保護シート142は、絶縁性のエポキシ樹脂等から形成される。
【0016】
ヒータ21は、
図2(A)に示すように、黒鉛シート141における複数の電極部13それぞれと重なる部位(第1部位)以外の部位(第2部位)に接触している。そして、ヒータ21は、黒鉛シート141におけるその接触部位を加熱する。ヒータ21は、黒鉛シート141と装置本体11との間の領域における2箇所に配置されている。ヒータ21は、PTC(Positive Temperature Coefficient)サーミスタのような自動温度調節機能を有する定温度発熱体から構成され、黒鉛シート141に接触している。
【0017】
粘着部材15は、例えばシート状の導電性ジェルから構成され、
図2(A)に示すように、保護シート142における複数の電極部13と重なる部分それぞれを覆うように保護シート142に貼り付けられている。
【0018】
本実施の形態に係る筋肉鍛錬装置1によれば、膨張黒鉛から形成され電極部13に対向して配置された黒鉛シート141と、黒鉛シート141の一部を加熱するヒータ21と、を備える。ここで、黒鉛シート141は、身体Pの腹部に装着された状態で、身体Pの腹部全体を覆う。これにより、黒鉛シート141の一部を加熱すると、黒鉛シート141の一部に加えられた熱が黒鉛シート141全体に拡散するので、身体Pの腹部全体を効率的に暖めることができる。また、黒鉛シート141の一部だけを加熱する構成であることにより、ヒータ21を小型化して軽量化することができるので、筋肉鍛錬装置1の軽量化が図られる。更に、黒鉛シート141が、電極部13に対向して配置されていることにより、身体Pにおける電極部13が装着された部位も暖めることができる。
【0019】
また、本実施の形態に係るヒータ21は、黒鉛シート141における複数の電極部13それぞれと重なる部位以外の部位に接触し、その接触部分を加熱する。これにより、例えばヒータ21と電極部13とが黒鉛シート141の厚さ方向に重ねて配置された構成に比べて、電極部13が配置された部分において筋肉鍛錬装置1の厚さを薄くすることができる。
【0020】
(実施の形態2)
本実施の形態に係る筋肉鍛錬装置は、装置本体が、主部と、主部に対して旋回自在に取り付けられた2つのパッド部と、を有し、身体における筋肉鍛錬装置を取り付ける箇所に応じて2つのパッドの姿勢を変更することができる点が、実施の形態1と相違する。各パッドには、電極部と、黒鉛シートと、ヒータとが設けられている。
【0021】
図3に示すように、本実施の形態に係る筋肉鍛錬装置2は、装置本体211と、コントローラ212と、を備える。装置本体211は、主部2112と、主部2112に対して旋回自在に取り付けられた2つのパッド部2111と、を有する。主部2112およびパッド部2111は、いずれも樹脂材料から形成されている。各パッド部2111には、電極部213と、黒鉛シート2141と、ヒータ221と、が設けられている。電極部213は、パッド部2111の外側に露出する形でパッド部2111に固定されている。ヒータ221は、絶縁体シートに金属から形成された線状の抵抗体221aが印刷されたいわゆるシート状ヒータである。電極部213とヒータ221との間には、黒鉛シート2141が介在している。黒鉛シート2141としては、実施の形態1と同様に、例えば黒鉛成分(炭素成分)の比率が99%以上の黒鉛シートが採用される。また、筋肉鍛錬装置2は、パッド部2111における電極部213が露出する面に設けられた粘着部材215を介してユーザの身体に装着される。粘着部材215は、例えばシート状の導電性ジェルである。
【0022】
図4(A)および(B)に示すように、主部2112には、2つのパッド部2111それぞれを軸支する軸部2112aが設けられている。そして、2つのパッド部2111は、
図5の矢印AR1に示すように、それぞれ軸部2112aを中心に旋回可能となっている。
【0023】
また、主部2112には、2つのパッド部2111それぞれに設けられた電極部213間に低周波のパルス電圧を印加する電力変換回路(電流出力回路)2113と、ヒータ221へ電力を供給してヒータ221を駆動するヒータ駆動回路2114と、が設けられている。更に、主部2112には、電力変換回路2113およびヒータ駆動回路2114を制御する制御部2115も設けられている。電力変換回路2113は、例えばコントローラ212から供給される直流を昇圧する昇圧回路(図示せず)と、昇圧回路から入力される直流電圧をパルス電圧に変換する電力変換回路(図示せず)と、を有する。また、ヒータ駆動回路2114は、コントローラ212から供給される直流を降圧して出力する降圧回路(図示せず)を有する。
【0024】
図3に戻って、コントローラ212は、主部2112とケーブルL1を介して接続されている。コントローラ212には、電源釦2122aと、モード変更釦2122bと、ボリューム釦2122cと、ディスプレイ2122dと、が設けられている。また、コントローラ212は、主部2112が有する電力変換回路2113、ヒータ駆動回路2114へ電力を供給するバッテリ2121と、バッテリ2121を充電するための充電回路2123と、が設けられている。ユーザが、電源釦2122aを押下すると、電力変換回路2113から2つのパッド部2111それぞれの電極部213間へのパルス電圧の印加が開始される。また、ユーザが、モード変更釦2122bを押下する毎に、筋肉鍛錬装置2の動作モードが変更される。ここで、電極部213間に印加されるパルス電圧の波形が、筋肉鍛錬装置2の動作モードに応じて変更される。更に、ユーザがボリューム釦2122cを操作すると、その操作内容に応じて電極部213間に印加されるパルス電圧の振幅が変更される。ディスプレイ2122dには、筋肉鍛錬装置2の動作モード、バッテリ2121の残量等が表示される。
【0025】
更に、コントローラ212には、ACアダプタ2161に電源線2163を介して接続されたプラグ2162を差し込むことが可能なコネクタ2124が設けられている。充電回路2123は、コネクタ2124にプラグ2162が差し込まれた状態で、外部電源からACアダプタ2161を介して電力供給を受けてバッテリ2121を充電する。
【0026】
本実施の形態に係る筋肉鍛錬装置2によれば、装置本体211が、主部2112と、主部2112に対して旋回自在に取り付けられた2つのパッド部2111と、を有する。これにより、身体における筋肉鍛錬装置2を取り付ける箇所に応じて2つのパッドの姿勢を変更することができるので、筋肉鍛錬装置2の装着箇所の自由度を増やすことができるという利点がある。
【0027】
(実施の形態3)
本実施の形態に係る治療器は、身体に電流を流すことにより電気的刺激を与えるものである。本実施の形態に係る治療器は、例えば実施の形態2に係る筋肉鍛錬装置2と同様の構成を備える。具体的には、治療器は、
図3に示すように、2つのパッド部2111と主部2112とを有する装置本体211と、2つのパッド部2111それぞれに設けられた電極部213と、主部2112内に設けられ電極部213間に電流を出力する電力変換回路と、を備える。また、治療器は、膨張黒鉛から形成されパッド2111内において電極部213に対向して配置される黒鉛シート2141と、黒鉛シート2141を加熱するヒータ221と、を備える。
【0028】
本実施の形態に係る治療器によれば、身体における治療器が装着された部分全体を効率的に暖めることができる。
【0029】
(変形例)
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明は前述の各実施の形態の構成に限定されるものではない。例えば、実施の形態1では、ヒータ21が2つである例について説明したが、ヒータ21の数は2つに限定されない。また、ヒータ21の配置は、
図2(A)に示す配置に限定されない。更に、ヒータ21の種類は、定温度発熱体を用いたものに限定されるものではなく、ニクロムヒータやセラミックヒータ等であってもよい。
【0030】
実施の形態1では、身体Pの腹部に装着される仕様の筋肉鍛錬装置1について説明したが、身体Pにおける装着位置が腹部である仕様のものに限定されるものではない。例えば身体Pの腕や太腿に装着される仕様の筋肉鍛錬装置であってもよい。そして、身体Pの腕や太腿に装着される仕様の筋肉鍛錬装置の場合、身体Pの腕や太腿の形状を考慮して、装置本体の形状が実施の形態で説明した形状とは異なる形状であってもよい。
【0031】
実施の形態2では、装置本体211が、2つのパッド部2111を有する例について説明したが、パッド部2111の数は2つに限定されるものではない。例えば装置本体が、3つ以上のパッド部を有するものであってもよい。具体的には、
図6(A)および(B)に示すように、装置本体311が、4つのパッド部3111を有し、4つのパッド部3111が、主部3112に対して旋回自在に取り付けられている筋肉鍛錬装置3であってもよい。各パッド部3111には、実施の形態2と同様に、電極部313と、黒鉛シート3141と、ヒータ321と、が設けられている。また、筋肉鍛錬装置3は、実施の形態2と同様に、パッド部3111における電極部313が露出する面に設けられた粘着部材315を介してユーザの身体に装着される。
【0032】
図6(A)および(B)に示すように、主部3112には、4つのパッド部3111それぞれを軸支する軸部3112aが設けられている。そして、4つのパッド部3111は、
図7の矢印AR2に示すように、それぞれ軸部3112aを中心に旋回可能となっている。また、主部3112には、実施の形態2と同様に、電極部313間に低周波のパルス電圧を印加する電力変換回路3113と、ヒータ駆動回路3114と、電力変換回路3113およびヒータ駆動回路3114を制御する制御部3115が設けられている。主部3112には、実施の形態2と同様に、コントローラ212が接続されている。
【0033】
本構成によれば、実施の形態2に係る筋肉鍛錬装置2に比べて、身体のより広い部位に装着することができる。
【0034】
実施の形態2では、ヒータ221が黒鉛シート2141全体を加熱する構成について説明したが、これに限らず、例えばヒータが黒鉛シート2141における主部2112側の一部だけを加熱する構成であってもよい。
【0035】
以上、本発明の各実施の形態および変形例(なお書きに記載したものを含む。以下、同
様。)について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明は、実施
の形態及び変形例が適宜組み合わされたもの、それに適宜変更が加えられたものを含む。
【符号の説明】
【0036】
1,2,3:筋肉鍛錬装置、11,211,311:装置本体、12,212:コントローラ、13,213,313:電極部、13a:配線、15,215,315:粘着部材、21,221,321:ヒータ、121:本体部、122:調節部、141,2141,3141:黒鉛シート、142:保護シート、221a:抵抗体、1211,2113,3113:電力変換回路、1212,2114,3114:ヒータ駆動回路、1213,2115,3115:制御部、2111,3111:パッド部,2112,3112:主部、2112a,3112a:軸部、2121:バッテリ、2122a:電源釦、2122b:モード変更釦、2122c:ボリューム釦、2122d:ディスプレイ、2123:充電回路、2124:コネクタ、2161:ACアダプタ、2162:プラグ、2163:電源線、L1:ケーブル
【手続補正書】
【提出日】2022-05-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る筋肉鍛錬装置は、
身体に電流を流すことにより筋肉に電気的刺激を与えて筋肉を収縮させる筋肉鍛錬装置であって、
装置本体と、
装置本体に設けられた複数の電極部と、
前記複数の電極部間に電流を出力する電流出力部と、
シート状に加圧成形された膨張黒鉛からなり前記装置本体内において前記複数の電極部に対向して配置される黒鉛シートと、
ヒータと、を備え、
前記装置本体は、主部と、前記主部に対して旋回自在に取り付けられた複数のパッド部と、を有し、
前記複数の電極部は、前記複数のパッド部それぞれに設けられ、
前記黒鉛シートは、前記複数のパッド部それぞれの内側において前記複数の電極部それぞれに対向して配置され、
前記ヒータは、前記複数のパッド部それぞれに1つずつ設けられ、前記黒鉛シートの少なくとも一部を加熱する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体に電流を流すことにより筋肉に電気的刺激を与えて筋肉を収縮させる筋肉鍛錬装置であって、
装置本体と、
装置本体に設けられた複数の電極部と、
前記複数の電極部間に電流を出力する電流出力部と、
シート状に加圧成形された膨張黒鉛からなり前記装置本体内において前記複数の電極部に対向して配置される黒鉛シートと、
ヒータと、を備え、
前記装置本体は、主部と、前記主部に対して旋回自在に取り付けられた複数のパッド部と、を有し、
前記複数の電極部は、前記複数のパッド部それぞれに設けられ、
前記黒鉛シートは、前記複数のパッド部それぞれの内側において前記複数の電極部それぞれに対向して配置され、
前記ヒータは、前記複数のパッド部それぞれに1つずつ設けられ、前記黒鉛シートの少なくとも一部を加熱する、
筋肉鍛錬装置。
【請求項2】
前記黒鉛シートの厚さは、0.1mm以上0.2mm以下である、
請求項1に記載の筋肉鍛錬装置。
【請求項3】
前記ヒータは、前記黒鉛シートにおける前記電極部と重なる第1部位以外の第2部位に接触し、前記第2部位を加熱する、
請求項1または2に記載の筋肉鍛錬装置。
【請求項4】
身体に電流を流すことにより電気的刺激を与える治療器であって、
装置本体と、
装置本体に設けられた複数の電極部と、
前記複数の電極部間に電流を出力する電流出力部と、
シート状に加圧成形された膨張黒鉛からなり前記装置本体内において前記複数の電極部に対向して配置される黒鉛シートと、
ヒータと、を備え、
前記装置本体は、主部と、前記主部に対して旋回自在に取り付けられた複数のパッド部と、を有し、
前記複数の電極部は、前記複数のパッド部それぞれに設けられ、
前記黒鉛シートは、前記複数のパッド部それぞれの内側において前記複数の電極部それぞれに対向して配置され、
前記ヒータは、前記複数のパッド部それぞれに1つずつ設けられ、前記黒鉛シートの少なくとも一部を加熱する、
治療器。