(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022093773
(43)【公開日】2022-06-24
(54)【発明の名称】ゴム組成物
(51)【国際特許分類】
C08L 9/00 20060101AFI20220617BHJP
C08L 25/06 20060101ALI20220617BHJP
C08L 45/00 20060101ALI20220617BHJP
C08K 3/36 20060101ALI20220617BHJP
B60C 1/00 20060101ALI20220617BHJP
【FI】
C08L9/00
C08L25/06
C08L45/00
C08K3/36
B60C1/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020206414
(22)【出願日】2020-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100129252
【弁理士】
【氏名又は名称】昼間 孝良
(74)【代理人】
【識別番号】100155033
【弁理士】
【氏名又は名称】境澤 正夫
(72)【発明者】
【氏名】高木 亮佑
(72)【発明者】
【氏名】加藤 学
(72)【発明者】
【氏名】小川 理絵
(72)【発明者】
【氏名】近藤 未彩
【テーマコード(参考)】
3D131
4J002
【Fターム(参考)】
3D131AA03
3D131BA05
3D131BA12
3D131BB09
3D131BB11
3D131BC02
3D131BC19
3D131BC33
4J002AC032
4J002AC081
4J002BB193
4J002BC033
4J002BK004
4J002DA037
4J002DJ016
4J002GN01
(57)【要約】
【課題】ウェットグリップ性、低転がり抵抗性および耐カットチップ性を両立させるゴム組成物を提供する。
【解決手段】ジエン系ゴム100質量部に、水添スチレン樹脂1~99質量%および芳香族変性テルペン樹脂99~1質量%からなる混合樹脂を1~150質量部配合してなることを特徴とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジエン系ゴム100質量部に、混合樹脂を1~150質量部配合してなり、前記混合樹脂が水添スチレン樹脂1~99質量%および芳香族変性テルペン樹脂99~1質量%からなることを特徴とするゴム組成物。
【請求項2】
前記水添スチレン樹脂の水添率が40~90%であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
【請求項3】
前記ジエン系ゴム100質量部に、無機充填材を5~300質量部配合してなることを特徴とする請求項1または2に記載のゴム組成物。
【請求項4】
前記ジエン系ゴムが天然ゴムおよびブタジエンゴムを含み、前記ジエン系ゴムの平均ガラス転移温度が-100℃~-80℃であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のゴム組成物。
【請求項5】
前記ジエン系ゴム100質量部に、シリカを10~90質量部配合してなることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のゴム組成物。
【請求項6】
前記ジエン系ゴムがスチレンブタジエンゴムおよびブタジエンゴムを含み、前記ジエン系ゴムの平均ガラス転移温度が-100℃~-50℃であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のゴム組成物。
【請求項7】
前記ジエン系ゴム100質量部に、シリカを90~180質量部配合してなることを特徴とする請求項1~3および6のいずれかに記載のゴム組成物。
【請求項8】
前記ジエン系ゴムがスチレンブタジエンゴムを含み、前記ジエン系ゴムの平均ガラス転移温度が-80℃~-20℃であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のゴム組成物。
【請求項9】
前記ジエン系ゴム100質量部に、シリカを10~90質量部配合してなることを特徴とする請求項8に記載のゴム組成物。
【請求項10】
前記ジエン系ゴムがスチレンブタジエンゴムを含み、前記ジエン系ゴムの平均ガラス転移温度が-50℃を超え-20℃以下であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のゴム組成物。
【請求項11】
前記ジエン系ゴム100質量部に、シリカを90~180質量部配合してなることを特徴とする請求項10に記載のゴム組成物。
【請求項12】
前記ジエン系ゴムがスチレンブタジエンゴムを含み、前記ジエン系ゴムの平均ガラス転移温度が-40℃~-20℃であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のゴム組成物。
【請求項13】
前記ジエン系ゴム100質量部に、シリカを10質量部以上90質量部未満配合してなることを特徴とする請求項12に記載のゴム組成物。
【請求項14】
請求項1~13のいずれかに記載のゴム組成物でトレッド部を構成してなるタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェットグリップ性、低転がり抵抗性および耐カットチップ性を両立させるゴム組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境に配慮したタイヤとして、燃費性能に優れることが求められるが、同時に基本性能としてグリップ性能や耐久性を従来品と同等以上に確保することが重要である。しかしながら、燃費性能とグリップ性能は相反するものであるため、その両立は、一般的に難しいものとされている。
【0003】
特許文献1は、タイヤを構成するゴム組成物に芳香族変性テルペン樹脂を配合することにより、ウェットグリップ性および低転がり抵抗性を向上することを提案する。また、特許文献2は、ゴム組成物に水添スチレン系樹脂を配合することにより、ウェットグリップ性および低転がり抵抗性を向上することを提案する。しかしながら、特許文献1および2に記載された発明では、ウェットグリップ性、低転がり抵抗性に加えて、耐カットチップ性を向上することが困難であった。すなわち、ウェットグリップ性、低転がり抵抗性および耐カットチップ性を両立させるゴム組成物は、未だ開発されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-138157号公報
【特許文献2】特開2019-131795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、ウェットグリップ性、低転がり抵抗性および耐カットチップ性を両立させるゴム組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に、混合樹脂を1~150質量部配合してなり、前記混合樹脂が水添スチレン樹脂1~99質量%および芳香族変性テルペン樹脂99~1質量%からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明のゴム組成物によれば、ジエン系ゴム100質量部に、水添スチレン樹脂1~99質量%および芳香族変性テルペン樹脂99~1質量%からなる混合樹脂を1~150質量部配合することにより、ウェットグリップ性、低転がり抵抗性および耐カットチップ性を両立させることができる。また、前記水添スチレン樹脂の水添率は40~90%であるとよく、さらに、ゴム組成物は、前記ジエン系ゴム100質量部に、無機充填材を5~300質量部配合することができる。
ことができる。
【0008】
スタッドレスタイヤまたはスタッドタイヤ用のゴム組成物は、前記ジエン系ゴムが天然ゴムおよびブタジエンゴムを含み、前記ジエン系ゴムの平均ガラス転移温度が-100℃~-80℃であるとよく、またシリカを10~90質量部配合するとよい。
【0009】
ウインタータイヤ用のゴム組成物は、前記ジエン系ゴムがスチレンブタジエンゴムおよびブタジエンゴムを含み、前記ジエン系ゴムの平均ガラス転移温度が-100℃~-50℃であるとよく、またシリカを90~180質量部配合するとよい。
【0010】
オールシーズンタイヤ用のゴム組成物は、前記ジエン系ゴムがスチレンブタジエンゴムを含み、前記ジエン系ゴムの平均ガラス転移温度が-80℃~-20℃であるとよく、またシリカを10~90質量部配合するとよい。
【0011】
高性能タイヤまたはレースタイヤ用のゴム組成物は、前記ジエン系ゴムがスチレンブタジエンゴムを含み、前記ジエン系ゴムの平均ガラス転移温度が-50℃を超え-20℃以下であるとよく、またシリカを90~180質量部配合するとよい。
【0012】
低燃費タイヤ用のゴム組成物は、前記ジエン系ゴムがスチレンブタジエンゴムを含み、前記ジエン系ゴムの平均ガラス転移温度が-40℃~-20℃であるとよく、またシリカを10質量部以上90質量部未満配合するとよい。
【0013】
上述したゴム組成物は、タイヤのトレッド部を好適に構成することができる。本発明のゴム組成物でトレッド部を構成したタイヤは、ウェットグリップ性、低転がり抵抗性および耐カットチップ性を両立させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ゴム組成物は、タイヤに通常使用するジエン系ゴムを含む。ジエン系ゴムとして、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、スチレンイソプレンゴム、イソプレンブタジエンゴム、エチレン-プロピレン-ジエン共重合ゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、等を挙げることができる。これらジエン系ゴムは、1つ以上の官能基で変性されていてもよい。官能基の種類は、特に限定されるものではないが、例えばエポキシ基、カルボキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シリル基、アルコキシシリル基、アミド基、オキシシリル基、シラノール基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、カルボニル基、アルデヒド基、等が挙げられる。
【0015】
天然ゴム、ブタジエンゴムおよびスチレンブタジエンゴムは、通常ゴム組成物に用いられるものであれば特に制限されるものではない。天然ゴムを配合することにより、タイヤの耐カットチップ性を確保することができる。また、ブタジエンゴムを配合することにより、タイヤの氷上・雪上性能を確保することができる。更に、スチレンブタジエンゴムを配合することにより、タイヤのウェットグリップ性を確保することができる。
【0016】
ゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に、混合樹脂を1~150質量部配合することにより、ウェットグリップ性、低転がり抵抗性および耐カットチップ性を両立させることができる。混合樹脂が1質量部未満であると、ウェットグリップ性、低転がり抵抗性および耐カットチップ性を両立させる効果が十分に得られない。混合樹脂が150質量部を超えると、耐摩耗性や加工性が低下する。混合樹脂は好ましくは3~100質量部、より好ましくは5~50質量部配合するとよい。
【0017】
混合樹脂は、水添スチレン樹脂および芳香族変性テルペン樹脂の混合物である。事前に、水添スチレン樹脂および芳香族変性テルペン樹脂を混合してもよいし、ゴム組成物を製造する混練機等に個別に投入し混合してもよいし、他の原材料と共に投入し混合してもよい。水添スチレン樹脂および芳香族変性テルペン樹脂は、それぞれウェットグリップ性および低転がり抵抗性を向上する。しかし、いずれも単独に配合したのでは耐カットチップ性を改良する効果は得られない。しかしながら、驚くべきことに水添スチレン樹脂および芳香族変性テルペン樹脂を併用することにより、ウェットグリップ性および低転がり抵抗性を向上することに加えて、耐カットチップ性を改良する作用が得られる。混合樹脂100質量%中、水添スチレン樹脂が1~99質量%、芳香族変性テルペン樹脂が99~1質量%である。好ましくは水添スチレン樹脂が5~95質量%、芳香族変性テルペン樹脂が95~5質量%、より好ましくは水添スチレン樹脂が10~90質量%、芳香族変性テルペン樹脂が90~10質量%であるとよい。
【0018】
水添スチレン樹脂は、スチレンモノマーからなるスチレン樹脂を水素添加(以下、単に「水添」と記すことがある。)した樹脂である。スチレン樹脂を水添することにより、スチレン由来の芳香環が少なくなるため、ジエン系ゴム中の分散性が改良されると共に、ジエン系ゴムの架橋を促進し、ゴムポリマー間の架橋位置を均一にして加硫後のゴム組成物のモジュラスを大きくする。更に、ゴムの架橋が均一かつタイトになることにより耐久性も良好となる。
【0019】
水添スチレン樹脂のベースとなるスチレン樹脂は、スチレンを付加重合することによって得られる。付加重合反応は公知の方法に従って行うことができ、例えば、リビングアニオン重合触媒を用いて溶液重合する方法、カチオン重合触媒を用いる方法、ラジカル重合開始剤を用いる方法などで付加重合することができる。
【0020】
水添スチレン樹脂は、スチレン樹脂中の芳香環を水素添加して得られる。水素添加の方法は従来公知のもので特に限定されない。芳香環の水素添加率は特に限定されないが、0.1~100%、好ましくは1~95%、より好ましくは40~90%、更に好ましくは、50~80%である。芳香環の水素添加率0.1%未満では、水素添加による特性が十分発現されない。ここで、芳香環の水素添加率(水添率)は、IR(赤外線分光光度計)によるスチレン由来の吸光度のピーク高さから、下記式により、算出される値である。
水添率(%)={(C-D)/C}×100
C:水素添加前の芳香環由来の吸光度ピーク高さ
D:水素添加後の芳香環由来の吸光度ピーク高さ
なお、水添スチレン樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0021】
水添スチレン樹脂の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)が500~10,000、好ましくは1,000~7,000、さらに好ましくは、1,500~5,000である。重量平均分子量が500未満では、ゴム組成物の耐久性が劣り、また重量平均分子量が、10,000を超えるとゴム組成物のグリップ性の改善効果が劣る場合がある。
【0022】
芳香族変性テルペン樹脂は、テルペンおよび芳香族化合物の共重合体である。テルペンとして、例えばα-ピネン、β-ピネン、ジペンテン、リモネンなどが挙げられる。芳香族化合物として、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、インデンなどが挙げられる。芳香族変性テルペン樹脂中、この芳香族化合物の含有量は、好ましくは10~50質量%、より好ましくは12~45質量%であるとよい。芳香族変性テルペン樹脂をジエン系ゴムに配合することにより、ゴム組成物の動的粘弾性を改質し、ウェットグリップ性および発熱性を改良することができる。
【0023】
芳香族変性テルペン樹脂の軟化点は、特に制限されるものではないが、好ましくは60℃~150℃、より好ましくは80℃~130℃であるとよい。芳香族変性テルペン樹脂の軟化点が60℃未満であるとウェットグリップ性が低下する虞がある。芳香族変性テルペン樹脂の軟化点が150℃を超えると低転がり抵抗性が悪化する虞がある。本明細書において、芳香族変性テルペン樹脂の軟化点は、JIS K6220-1(環球法)に基づき測定するものとする。
【0024】
ゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に、無機充填材を好ましくは5~300質量部、より好ましくは30~150質量部配合することができる。無機充填材を配合することにより、耐カットチップ性などのタイヤ耐久性と操縦安定性を確保することができる。無機充填材として、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、クレー、マイカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化チタン、硫酸カルシウムを挙げることができる。これら他の充填剤は単独または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0025】
カーボンブラックは、通常ゴム組成物に用いられるものであれば特に制限されるものではない。窒素吸着比表面積が、好ましくは50~160m2/g、より好ましくは80~150m2/g、さらに好ましくは100~130m2/gであるとよい。窒素吸着比表面積が50m2/g以上あることによりタイヤ耐久性を確保することができる。また160m2/g以下にすることにより発熱性を小さくして低転がり抵抗性を確保することができる。カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K6217-2に準拠して求めることができる。
【0026】
カーボンブラックは、ジエン系ゴム100質量部に、好ましくは5~100質量部、より好ましくは5~80質量部配合することができる。カーボンブラックを5質量部以上配合することにより、タイヤ耐久性を確保することができる。また剛性を確保し発熱性を小さくすることができる。カーボンブラックを100質量部以下にすることにより、低転がり抵抗性を確保することができる。カーボンブラックは、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0027】
ゴム組成物は、シリカを配合することができ、発熱性をより小さくすることができる。シリカとしては、例えば湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられ、これらを単独または2種以上を組み合わせて使用してもよい。またシリカの表面をシランカップリング剤により表面処理が施された表面処理シリカを使用してもよい。
【0028】
ゴム組成物は、シリカと共にシランカップリング剤を配合することが好ましく、シリカの分散性を良好にすることができる。シランカップリング剤は、通常シリカと共に配合する種類を用いることができる。シランカップリング剤は、シリカ量の好ましくは5~15質量%、より好ましくは8~12質量%を配合するとよい。
【0029】
ゴム組成物は、加硫又は架橋剤、加硫促進剤、老化防止剤、可塑剤、加工助剤、液状ポリマー、熱硬化性樹脂などのゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤を、本発明の目的を阻害しない範囲内で配合することができる。またかかる添加剤は一般的な方法で混練してゴム組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
【0030】
スタッドレスタイヤ及びスタッドタイヤ用ゴム組成物
スタッドレスタイヤまたはスタッドタイヤのトレッド部を構成するのに好適、かつ本発明の課題を解決するゴム組成物は、天然ゴムおよびブタジエンゴムを含むジエン系ゴム100質量部に混合樹脂を1~150質量部配合してなり、ジエン系ゴムの平均ガラス転移温度が好ましくは-100℃~-80℃であるとよい。また、ジエン系ゴム100質量部にシリカを10~90質量部配合するとよい。
【0031】
ジエン系ゴム100質量中、天然ゴムが好ましくは20~80質量%、より好ましくは30~70質量%含有するとよい。天然ゴムをこのような範囲で含有することにより、タイヤ耐久性を確保することができる。
【0032】
ジエン系ゴム100質量中、ブタジエンゴムが好ましくは20~60質量%、より好ましくは30~50質量%含有するとよい。ブタジエンゴムをこのような範囲で含有することにより、氷上性能を確保することができる。
【0033】
ジエン系ゴムの平均ガラス転移温度が好ましくは-100℃~-80℃、より好ましくは-90℃~-80℃であるとよい。平均ガラス転移温度をこのような範囲内にすることにより、タイヤ耐久性を確保しつつ、氷上性能を確保することすることができる。本明細書においてジエン系ゴムの平均ガラス転移温度は、含有された各ジエン系ゴムのガラス転移温度とそれぞれの含有量の加重平均により算出することができる。またジエン系ゴムのガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により20℃/分の昇温速度条件によりサーモグラムを測定し、転移域の中点の温度とすることができる。
【0034】
スタッドレスタイヤまたはスタッドタイヤに好適なゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に、シリカを好ましくは10~90質量部、より好ましくは20~80質量部配合するとよい。シリカをこのような範囲で含有することにより、ウェットグリップ性能を確保しつつ、タイヤ耐久性を確保することができる。
【0035】
ウインタータイヤ用ゴム組成物
ウインタータイヤのトレッド部を構成するのに好適、かつ本発明の課題を解決するゴム組成物は、スチレンブタジエンゴムおよびブタジエンゴムを含むジエン系ゴム100質量部に混合樹脂を1~150質量部配合してなり、ジエン系ゴムの平均ガラス転移温度が好ましくは-100℃~-50℃であるとよい。また、ジエン系ゴム100質量部にシリカを90~180質量部配合するとよい。
【0036】
ジエン系ゴム100質量中、スチレンブタジエンゴムが好ましくは30~80質量%、より好ましくは40~70質量%含有するとよい。スチレンブタジエンゴムをこのような範囲で含有することにより、ウェットグリップ性能を確保することができる。
【0037】
ジエン系ゴム100質量中、ブタジエンゴムが好ましくは20~50質量%、より好ましくは25~45質量%含有するとよい。ブタジエンゴムをこのような範囲で含有することにより、雪上性能を確保することができる。
【0038】
ジエン系ゴムの平均ガラス転移温度が好ましくは-100℃~-50℃、より好ましくは-70℃~-50℃であるとよい。平均ガラス転移温度をこのような範囲内にすることにより、ウェットグリップ性能を確保しつつ、雪上性能を確保することができる。
【0039】
ウインタータイヤに好適なゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に、シリカを好ましくは90~180質量部、より好ましくは95~150質量部配合するとよい。シリカをこのような範囲で含有することにより、ウェットグリップ性能を確保することができる。
【0040】
オールシーズンタイヤ用ゴム組成物
オールシーズンタイヤのトレッド部を構成するのに好適、かつ本発明の課題を解決するゴム組成物は、スチレンブタジエンゴムを含むジエン系ゴム100質量部に混合樹脂を1~150質量部配合してなり、ジエン系ゴムの平均ガラス転移温度が好ましくは-80℃~-20℃であるとよい。また、ジエン系ゴム100質量部にシリカを10~90質量部配合するとよい。
【0041】
ジエン系ゴム100質量中、スチレンブタジエンゴムが好ましくは30~80質量%、より好ましくは40~70質量%含有するとよい。スチレンブタジエンゴムをこのような範囲で含有することにより、ウェットグリップ性能を確保することができる。
【0042】
ジエン系ゴムの平均ガラス転移温度が好ましくは-80℃~-20℃、より好ましくは-80℃~-40℃、更に好ましくは-70℃~-50℃であるとよい。平均ガラス転移温度をこのような範囲内にすることにより、雪上性能を確保することができる。
【0043】
オールシーズンタイヤタイヤに好適なゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に、シリカを好ましくは10~90質量部配より好ましくは20~80質量部配合するとよい。シリカをこのような範囲で含有することにより、ウェットグリップ性能を確保しつつ、タイヤ耐久性を確保することができる。
【0044】
高性能タイヤまたはレースタイヤ用ゴム組成物
高性能タイヤおよびレースタイヤのトレッド部を構成するのに好適、かつ本発明の課題を解決するゴム組成物は、スチレンブタジエンゴムを含むジエン系ゴム100質量部に混合樹脂を1~150質量部配合してなり、ジエン系ゴムの平均ガラス転移温度が好ましくは-50℃を超え-20℃以下であるとよい。また、ジエン系ゴム100質量部にシリカを90~180質量部配合するとよい。
【0045】
ジエン系ゴム100質量中、スチレンブタジエンゴムが好ましくは50~100質量%、より好ましくは65~95質量%含有するとよい。スチレンブタジエンゴムをこのような範囲で含有することにより、ドライグリップを向上させることができる。
【0046】
ジエン系ゴムの平均ガラス転移温度が好ましくは-50℃を超え-20℃以下、より好ましくは-40℃~-30℃であるとよい。平均ガラス転移温度をこのような範囲内にすることにより、ドライグリップ性能を確保することができる。
【0047】
高性能タイヤおよびレースタイヤに好適なゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に、シリカを好ましくは90~180質量部、より好ましくは95~150質量部配合するとよい。シリカをこのような範囲で含有することにより、ウェットグリップ性能を確保することができる。
【0048】
低燃費タイヤ用ゴム組成物
燃費性能に優れる低燃費タイヤのトレッド部を構成するのに好適、かつ本発明の課題を解決するゴム組成物は、スチレンブタジエンゴムを含むジエン系ゴム100質量部に混合樹脂を1~150質量部配合してなり、ジエン系ゴムの平均ガラス転移温度が好ましくは-40℃~-20℃であるとよい。また、ジエン系ゴム100質量部にシリカを10質量部以上90質量部未満配合するとよい。
【0049】
ジエン系ゴム100質量中、スチレンブタジエンゴムが好ましくは40~100質量%、より好ましくは60~95質量%含有するとよい。スチレンブタジエンゴムをこのような範囲で含有することにより、ウェットグリップ性能を確保することができる。
【0050】
ジエン系ゴムの平均ガラス転移温度が好ましくは-40℃~-20℃、より好ましくは-40℃~-30℃であるとよい。平均ガラス転移温度をこのような範囲内にすることにより、ウェットグリップ性能を確保しつつ、低転がり抵抗性を確保することができる。
【0051】
低燃費タイヤに好適なゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に、シリカを好ましくは10質量部以上90質量部未満、より好ましくは20~80質量部配合するとよい。シリカをこのような範囲で含有することにより、ウェットグリップ性能を確保しつつ、低転がり抵抗性を確保することができる。
【0052】
上述したゴム組成物は、好ましくはタイヤトレッド用ゴム組成物であり、タイヤのトレッド部を好適に構成することができる。本発明のゴム組成物でトレッド部を構成したタイヤは、ウェットグリップ性、低転がり抵抗性および耐カットチップ性を両立させることができる。なお、タイヤは、空気入りタイヤ、非空気式タイヤのいずれでもよい。
【0053】
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例0054】
表7に示す配合剤を共通配合とし、表1~6に示す配合からなるゴム組成物(実施例1~13、標準例1~6、比較例1~18)を、硫黄および加硫促進剤を除く成分を、1.7Lの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練りした後、ミキサーから放出して室温冷却した。これを上述した1.7Lの密閉式バンバリーミキサーに投入し、硫黄および加硫促進剤を加えて混合することにより、ゴム組成物を調製した。また表7に記載した配合剤の配合量は、表1~6に記載したジエン系ゴム100質量部に対する質量部で示した。
【0055】
また得られたゴム組成物を使用して、15cm×15cm×0.2cmの金型中で、160℃、20分間加硫して加硫ゴムシートを作製し、下記の方法により動的粘弾性を測定し、ウェットグリップ性、低転がり抵抗性の指標にした。耐カットチップ性評価用ゴムサンプルは、得られたゴム組成物を、上面9.5cm×9.5cm、下面10.6cm×10.6cm、高さ3.9cmの金型中で、160℃の温度下、20分間プレス加硫して作製し、下記の方法により行った。
【0056】
ウェットグリップ性
上記で得られた加硫ゴムシートの動的粘弾性を、東洋精機製作所社製粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪み10%、振幅±2%、周波数20Hzで測定し、0℃におけるtanδを求めた。得られた結果は、表1では標準例1の値を100とする指数とし、表2では標準例2の値を100とする指数とし、表3では標準例3の値を100とする指数とし、表4では標準例4の値を100とする指数とし、表5では標準例5の値を100とする指数とし、表6では標準例6の値を100とする指数として、表1~6の「ウェットグリップ性」の欄に示した。この指数が大きいほど、ウェットグリップ性が優れることを意味する。
【0057】
低転がり抵抗性
上記で得られた加硫ゴムシートの動的粘弾性を、東洋精機製作所社製粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪み10%、振幅±2%、周波数20Hzで測定し、60℃におけるtanδを求めた。得られた結果は、表1では標準例1の値を100とする指数とし、表2では標準例2の値を100とする指数とし、表3では標準例3の値を100とする指数とし、表4では標準例4の値を100とする指数とし、表5では標準例5の値を100とする指数とし、表6では標準例6の値を100とする指数として、表1~6の「低転がり抵抗性」の欄に示した。この指数が小さいほど、転がり抵抗が小さく、低転がり抵抗性が優れることを意味する。
【0058】
耐カットチップ性
上記で得られた加硫ゴムサンプルについて、15cmの高さから荷重49Nの針(先端角度90 °、径4mmφ)をゴム試料片へ落下させ、針入深さを測定した。針入深さが小さい方が耐カット性は高く良好である。得られた結果は、表1では標準例1の値を100とする指数とし、表2では標準例2の値を100とする指数とし、表3では標準例3の値を100とする指数とし、表4では標準例4の値を100とする指数とし、表5では標準例5の値を100とする指数とし、表6では標準例6の値を100とする指数として、表1~6の「耐カットチップ性」の欄に示した。この指数が大きいほど、耐カットチップ性が優れることを意味する。
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
表1~6において、使用した原材料の種類は、以下の通りである。
・NR:天然ゴム、SIR-20、ガラス転移温度が-65℃
・SBR-1:スチレンブタジエンゴム、旭化成社製タフデンE581、ガラス転移温度が-28℃
・SBR-2:スチレンブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol 1723、ガラス転移温度が-53℃
・BR:ブタジエンゴム、宇部興産社製UBEPOL 1220、ガラス転移温度が-106℃
・カーボンブラック:日鉄カーボン社製ニテロン#300IH
・シリカ:Solvay社製ZEOSIL 1165MP
・シランカップリング剤:Evonik Degussa社製Si69、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド
・芳香族変性テルペン樹脂:ヤスハラケミカル社製TO-125、軟化点が125℃
・未水添スチレン樹脂:スチレン樹脂、ヤスハラケミカル社製YSレジンSX100、軟化点が100℃
・水添スチレン樹脂-1:水添率70%の水添スチレン樹脂、軟化温度が101℃
・水添スチレン樹脂-2:水添率30%の水添スチレン樹脂、軟化温度が95℃
・水添スチレン樹脂-3:水添率95%の水添スチレン樹脂、軟化温度が116℃
【0066】
水添スチレン樹脂-1の調製
フラスコにトルエン500g、塩化アルミニウム触媒15gを仕込み、窒素気流下攪拌を行い、1時間かけてスチレン500gを滴下した。その間フラスコ内の温度を20℃に保った。滴下終了後、水洗により脱触媒を行い、得られた反応油を減圧蒸留してトルエンを留去させ、スチレン樹脂500gを得た。重量平均分子量は2,500、軟化点は101℃であった。
得られたスチレン樹脂を500g、シクロヘキサンを1000g、および粉末状の安定化ニッケル触媒10gをオートクレーブに仕込み、次いで、これを密閉し、雰囲気を窒素ガスで置換した後、水素ガスを導入した。そして攪拌しながら加熱し、150℃となったところで、水素の圧力を50kg/cm2とし、吸収された水素を補うことで圧力を50kg/cm2に保ちながら6時間反応させた。反応後触媒をろ過し、減圧蒸留にて溶媒を留去して、水添スチレン系樹脂を得た。軟化点は101℃、芳香環の水添率は70%であった。
【0067】
水添スチレン樹脂-2の調製
水添スチレン樹脂-1と同様にして、水素添加反応を3時間行った。軟化点は101℃、芳香環の水添率は30%であった。
【0068】
水添スチレン樹脂-3の調製
水添スチレン樹脂-1と同様にして、水素添加反応を8時間行った。軟化点は116℃、芳香環の水添率は95%であった。
【0069】
【0070】
表7において、使用した原材料の種類は、以下の通りである。
・アロマオイル:昭和シェル石油社製エキストラクト4号S
・加工助剤:ストラクトール社製HT207
・老化防止剤:フレキシス社製6PPD
・ワックス:日本精鑞社製OZOACE-0015A
・酸化亜鉛:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
・ステアリン酸:日油社製ビーズステアリン酸
・加硫促進剤-1:大内新興化学社製ノクセラーCZ-G
・加硫促進剤-2:住友化学社製ソクシノールD-G
・硫黄:鶴見化学工業社製金華印油入微粉硫黄
【0071】
表1から明らかなように実施例1~3のゴム組成物は、ウェットグリップ性、低転がり抵抗性、および耐カットチップ性に優れることが確認された。
比較例1のゴム組成物は、標準例1の芳香族変性テルペン樹脂の代わりに未水添のスチレン樹脂のみを配合したが、ウェットグリップ性、低転がり抵抗性、および耐カットチップ性が却って悪化した。
比較例2のゴム組成物は、芳香族変性テルペン樹脂および未水添のスチレン樹脂を併用して配合したが、ウェットグリップ性、低転がり抵抗性、および耐カットチップ性が却って悪化した。
比較例3のゴム組成物は、標準例1の芳香族変性テルペン樹脂の代わりに水添スチレン樹脂のみを配合したが、耐カットチップ性が悪化した。
【0072】
表2から明らかなようにスタッドレスタイヤおよびスタッドタイヤに好適な実施例4,5のゴム組成物は、ウェットグリップ性、低転がり抵抗性、および耐カットチップ性に優れることが確認された。
比較例4のゴム組成物は、標準例2の芳香族変性テルペン樹脂の代わりに未水添のスチレン樹脂のみを配合したが、ウェットグリップ性、低転がり抵抗性、および耐カットチップ性が却って悪化した。
比較例5のゴム組成物は、芳香族変性テルペン樹脂および未水添のスチレン樹脂を併用して配合したが、ウェットグリップ性、低転がり抵抗性、および耐カットチップ性が却って悪化した。
比較例6のゴム組成物は、標準例2の芳香族変性テルペン樹脂の代わりに水添スチレン樹脂のみを配合したが、耐カットチップ性が悪化した。
【0073】
表3から明らかなようにウインタータイヤに好適な実施例6,7のゴム組成物は、ウェットグリップ性、低転がり抵抗性、および耐カットチップ性に優れることが確認された。
比較例7のゴム組成物は、標準例3の芳香族変性テルペン樹脂の代わりに未水添のスチレン樹脂のみを配合したが、ウェットグリップ性、低転がり抵抗性、および耐カットチップ性が却って悪化した。
比較例8のゴム組成物は、芳香族変性テルペン樹脂および未水添のスチレン樹脂を併用して配合したが、ウェットグリップ性、低転がり抵抗性、および耐カットチップ性が却って悪化した。
比較例9のゴム組成物は、標準例3の芳香族変性テルペン樹脂の代わりに水添スチレン樹脂のみを配合したが、耐カットチップ性が悪化した。
【0074】
表4から明らかなようにオールシーズンタイヤに好適な実施例8,9のゴム組成物は、ウェットグリップ性、低転がり抵抗性、および耐カットチップ性に優れることが確認された。
比較例10のゴム組成物は、標準例4の芳香族変性テルペン樹脂の代わりに未水添のスチレン樹脂のみを配合したが、ウェットグリップ性、低転がり抵抗性、および耐カットチップ性が却って悪化した。
比較例11のゴム組成物は、芳香族変性テルペン樹脂および未水添のスチレン樹脂を併用して配合したが、ウェットグリップ性、低転がり抵抗性、および耐カットチップ性が却って悪化した。
比較例12のゴム組成物は、標準例4の芳香族変性テルペン樹脂の代わりに水添スチレン樹脂のみを配合したが、耐カットチップ性が悪化した。
【0075】
表5から明らかなように高性能タイヤおよびレースタイヤタイヤに好適な実施例10,11のゴム組成物は、ウェットグリップ性、低転がり抵抗性、および耐カットチップ性に優れることが確認された。
比較例13のゴム組成物は、標準例5の芳香族変性テルペン樹脂の代わりに未水添のスチレン樹脂のみを配合したが、ウェットグリップ性、低転がり抵抗性、および耐カットチップ性が却って悪化した。
比較例14のゴム組成物は、芳香族変性テルペン樹脂および未水添のスチレン樹脂を併用して配合したが、ウェットグリップ性、低転がり抵抗性、および耐カットチップ性が却って悪化した。
比較例15のゴム組成物は、標準例5の芳香族変性テルペン樹脂の代わりに水添スチレン樹脂のみを配合したが、耐カットチップ性が悪化した。
【0076】
表6から明らかなように低燃費タイヤに好適な実施例12,13のゴム組成物は、ウェットグリップ性、低転がり抵抗性、および耐カットチップ性に優れることが確認された。
比較例16のゴム組成物は、標準例6の芳香族変性テルペン樹脂の代わりに未水添のスチレン樹脂のみを配合したが、ウェットグリップ性、低転がり抵抗性、および耐カットチップ性が却って悪化した。
比較例17のゴム組成物は、芳香族変性テルペン樹脂および未水添のスチレン樹脂を併用して配合したが、ウェットグリップ性、低転がり抵抗性、および耐カットチップ性が却って悪化した。
比較例18のゴム組成物は、標準例6の芳香族変性テルペン樹脂の代わりに水添スチレン樹脂のみを配合したが、耐カットチップ性が悪化した。
本発明のゴム組成物によれば、ジエン系ゴム100質量部に、水添スチレン樹脂1~99質量%および芳香族変性テルペン樹脂99~1質量%からなる混合樹脂を1~150質量部配合することにより、ウェットグリップ性、低転がり抵抗性および耐カットチップ性を両立させることができる。また、前記水添スチレン樹脂の水添率は40~90%であるとよく、さらに、ゴム組成物は、前記ジエン系ゴム100質量部に、無機充填材を5~300質量部配合することができる。