(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022093776
(43)【公開日】2022-06-24
(54)【発明の名称】災害情報共有システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/00 20120101AFI20220617BHJP
G06Q 50/00 20120101ALI20220617BHJP
【FI】
G06Q10/00
G06Q50/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020206418
(22)【出願日】2020-12-14
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】508146042
【氏名又は名称】株式会社テンフィートライト
(74)【代理人】
【識別番号】100108947
【弁理士】
【氏名又は名称】涌井 謙一
(74)【代理人】
【識別番号】100117086
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 典弘
(74)【代理人】
【識別番号】100124383
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 一永
(74)【代理人】
【識別番号】100173392
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 貴宏
(74)【代理人】
【識別番号】100189290
【弁理士】
【氏名又は名称】三井 直人
(72)【発明者】
【氏名】相川 太郎
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA20
(57)【要約】
【課題】同一のエリアに居住する複数の居住者であるユーザが、通常時からSNSを利用して情報を共有できる体制になっているだけでなく、災害などが発生し、警戒を要する必要が生じたときには、災害の深刻度、警戒を要するレベルの高さに応じて、前記SNSを利用して情報共有できる内容・範囲の豊富さ、レベルを段階的に引き上げることで、複数の前記ユーザが互いに助け合って、前記災害などに対処することを可能にするシステム。
【解決手段】災害情報共有システムが災害レベル情報を取得した際に、当該災害レベル情報による災害レベルの深刻度が、あらかじめ設定されている複数の災害情報共有モードの中のどのモードレベルに相当する深刻度であるかを判定し、判定に従って、前記SNSを利用して情報共有できる内容・範囲の豊富さ、レベルを段階的に引き上げる災害情報共有システム。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
災害が発生した際に、同一のエリアに居住する複数の居住者である複数のユーザがSNSを介して災害に関する情報を共有するサービスを提供する災害情報共有システムであって、
前記災害情報共有システムによる前記サービスの提供を受ける前記エリアごとに、前記エリアに存在する各住戸に居住していて前記災害情報共有システムによる前記サービスの提供を受ける複数の前記ユーザが使用する複数のユーザ端末に対して前記エリアに居住している複数の前記ユーザの間で前記SNSの機能を利用する手段を提供するSNS機能提供処理部と、
前記災害情報共有システムで、災害レベル情報を取得した際に、当該災害レベル情報による災害レベルの深刻度が、あらかじめ設定されている複数の災害情報共有モードの中のどのモードレベルに相当する深刻度であるかを判定し、判定に従って、災害情報共有モードを変更する処理を行う災害情報共有モード判定・変更処理部と、
前記災害情報共有モード判定・変更手段が判定した災害情報共有モードのレベルに応じて、
複数の前記ユーザが使用している前記ユーザ端末に対して安否を問い合わせる「安否問い合わせ情報」を送出する処理を行う安否問い合わせ情報送出部と、
前記ユーザ端末から取得した安否情報を各ユーザ情報に関連付けて記録する処理を行う安否情報登録処理部と、
を備えている災害情報共有システム。
【請求項2】
前記ユーザ端末から、前記ユーザ端末を使用している前記ユーザが居住する住戸の室内インターホンにメッセージ送信を希望する旨の情報を取得した際に、取得した問い合わせ情報を、指定された住戸の前記室内インターホンに表示させ、前記室内インターホンから取得した回答情報を前記ユーザ端末に送出する処理を行うインターホン情報交信処理部
を更に備えている請求項1記載の災害情報共有システム。
【請求項3】
前記災害情報共有モード判定・変更手段が判定した災害情報共有モードのレベルに応じて、
複数の前記ユーザの利用に係る前記SNSに前記ユーザが書き込み、閲覧可能な掲示板機能を提供する掲示板機能提供処理部と、
メッセージを送付するあて先として前記エリアに存在する住戸を特定する情報のみが用いられているメッセージを取得した際に、当該あて先の住戸に居住する前記ユーザが使用する前記ユーザ端末に、取得した前記メッセージを送出する処理と、送出先の前記ユーザ端末からの回答を、問い合わせを行ってきた前記ユーザ端末に送出する処理を行う住戸間メッセージ機能提供処理部と、
を更に備えている請求項1又は2記載の災害情報共有システム。
【請求項4】
前記災害情報共有モード判定・変更手段が判定した災害情報共有モードのレベルに応じて、
前記安否問い合わせ情報に対して回答が戻ってこない前記ユーザに関する情報をリスト化し、安否要確認者リストを作成し、前記SNSを介して前記ユーザが前記ユーザ端末により当該安否要確認者リストを取得可能にする安否確認不明者情報作成処理部
を更に備えている請求項1乃至3のいずれか一項に記載の災害情報共有システム。
【請求項5】
前記安否問い合わせ情報送出部、前記安否情報登録処理部は、前記災害情報共有モード判定・変更処理部が判定した前記深刻度が軽度である前記災害情報共有モードの時点から機能し、前記災害情報共有モード判定・変更処理部が判定した前記深刻度が前記軽度の状態以上である間にわたって前記機能を維持する請求項1又は請求項2記載の災害情報共有システム。
【請求項6】
前記掲示板機能提供処理部、前記住戸間メッセージ機能提供処理部は、前記災害情報共有モード判定・変更処理部が判定した前記深刻度が軽度である前記災害情報共有モードの時点から機能し、前記災害情報共有モード判定・変更処理部が判定した前記深刻度が前記軽度の状態以上である間にわたって前記機能を維持する請求項3記載の災害情報共有システム。
【請求項7】
前記安否確認不明者情報作成処理部は、前記災害情報共有モード判定・変更処理部が判定した前記深刻度が最も高いレベルの前記深刻度である前記災害情報共有モードの時点から機能する請求項4記載の災害情報共有システム。
【請求項8】
コンピュータを請求項1~請求項7のいずれか一項に記載の災害情報共有システムとして機能させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、同一のエリアに居住している複数の居住者である複数のユーザが、当該エリアやその近辺などで地震、豪雨、台風などの災害が発生した際に、ユーザの間で災害に関する情報を共有し、互いに助け合って、前記災害に対処することを可能にする災害情報共有システムに関する。同一のエリアに居住している複数の居住者としては、例えば、マンション、等の集合住宅の複数の住戸に居住している複数の居住者や、住居番地が共通している地域に存在している複数の住戸(当該地域に存在しているマンション、等の集合住宅の複数の住戸を含む)に居住している複数の居住者などがあげられる。
【背景技術】
【0002】
地震、豪雨、台風などの災害が発生した際に、災害に関する情報を提供、等するシステムに関しては、従来から種々の提案が行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、地震計が設置されている住宅で検知した地震情報を当該住宅に居住している住人が所持している情報端末に送るシステムが提案されている。
【0004】
特許文献2には、災害予報とともに携帯端末利用者のグループに属する全携帯端末の位置情報を配信する安否確認システムが提案されている。第1、第2の携帯端末から、周期的に第1、第2の位置情報を受信し、地震速報配信サーバから災害情報を受信すると、受信した災害情報に含まれる災害位置情報と受信した第1の位置情報とを比較して、第1の携帯端末が、災害位置情報が示すエリア内に存在する場合、第1および第2の携帯端末に、受信した災害情報を送信するシステムである。
【0005】
特許文献3には、地震発生時に振動センサなどによって検出された情報に基づいて建物情報、ライフライン情報などが作成され、これが、建物のエントランスホールやエレベータホールなどに設置されている電子掲示板に表示・掲示される、あるいは、無線のネットワークを介して個人が所有する携帯端末に送信され、これによって、建物に居る人や、住人は、地震の規模、建物の破損状況、建物内に留まることができるのか、外へ避難すべきか等の情報を入手できるシステムが提案されている。
【0006】
特許文献4には、災害発生時に対象者の所在位置に応じて安否確認を行う安否確認システムが提案されている。安否確認サーバは、災害発生時に、安否確認が必要な安否確認エリアを示す情報と、複数の携帯電話機の位置情報を収集し、収集した各携帯電話機の位置情報と安否確認エリアを示す情報とに基づいて、各携帯電話機のうち安否確認エリア内にいる携帯電話機へ安否確認通知を送信し、これを受信した各携帯電話機は安否情報を入力して安否確認サーバへ送信するシステムである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第6004585号公報
【特許文献2】特許第5548814号公報
【特許文献3】特開2017-187874号公報
【特許文献4】特開2005-258638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明は、マンション、等の集合住宅の複数の住戸に居住している複数の居住者や、住居番地が共通している地域に存在している複数の住戸に居住している複数の居住者などのように、同一のエリアに居住している複数の居住者である複数のユーザが、通常時からSNSを利用して情報を共有できる体制になっているだけでなく、当該エリアやその近辺などで地震、豪雨、台風などの災害が発生する等して、警戒を要する必要が生じたときに、災害の深刻度、警戒を要するレベルの高さに応じて、前記SNSを利用して情報共有できる内容・範囲の豊富さ、レベルを段階的に引き上げることで、複数の前記ユーザが互いに助け合って、前記災害などに対処することを可能にする災害情報共有システムを提案することを目的にしている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
[1]
災害が発生した際に、同一のエリアに居住する複数の居住者である複数のユーザがSNSを介して災害に関する情報を共有するサービスを提供する災害情報共有システムであって、
前記災害情報共有システムによる前記サービスの提供を受ける前記エリアごとに、前記エリアに存在する各住戸に居住していて前記災害情報共有システムによる前記サービスの提供を受ける複数の前記ユーザが使用する複数のユーザ端末に対して前記エリアに居住している複数の前記ユーザの間で前記SNSの機能を利用する手段を提供するSNS機能提供処理部と、
前記災害情報共有システムで、災害レベル情報を取得した際に、当該災害レベル情報による災害レベルの深刻度が、あらかじめ設定されている複数の災害情報共有モードの中のどのモードレベルに相当する深刻度であるかを判定し、判定に従って、災害情報共有モードを変更する処理を行う災害情報共有モード判定・変更処理部と、
前記災害情報共有モード判定・変更手段が判定した災害情報共有モードのレベルに応じて、
複数の前記ユーザが使用している前記ユーザ端末に対して安否を問い合わせる「安否問い合わせ情報」を送出する処理を行う安否問い合わせ情報送出部と、
前記ユーザ端末から取得した安否情報を各ユーザ情報に関連付けて記録する処理を行う安否情報登録処理部と、
を備えている災害情報共有システム。
【0010】
[2]
前記ユーザ端末から、前記ユーザ端末を使用している前記ユーザが居住する住戸の室内インターホンにメッセージ送信を希望する旨の情報を取得した際に、取得した問い合わせ情報を、指定された住戸の前記室内インターホンに表示させ、前記室内インターホンから取得した回答情報を前記ユーザ端末に送出する処理を行うインターホン情報交信処理部
を更に備えている[1]の災害情報共有システム。
【0011】
[3]
前記災害情報共有モード判定・変更手段が判定した災害情報共有モードのレベルに応じて、
複数の前記ユーザの利用に係る前記SNSに前記ユーザが書き込み、閲覧可能な掲示板機能を提供する掲示板機能提供処理部と、
メッセージを送付するあて先として前記エリアに存在する住戸を特定する情報のみが用いられているメッセージを取得した際に、当該あて先の住戸に居住する前記ユーザが使用する前記ユーザ端末に、取得した前記メッセージを送出する処理と、送出先の前記ユーザ端末からの回答を、問い合わせを行ってきた前記ユーザ端末に送出する処理を行う住戸間メッセージ機能提供処理部と、
を更に備えている[1]又は[2]の災害情報共有システム。
【0012】
[4]
前記災害情報共有モード判定・変更手段が判定した災害情報共有モードのレベルに応じて、
前記安否問い合わせ情報に対して回答が戻ってこない前記ユーザに関する情報をリスト化し、安否要確認者リストを作成し、前記SNSを介して前記ユーザが前記ユーザ端末により当該安否要確認者リストを取得可能にする安否確認不明者情報作成処理部
を更に備えている[1]乃至[3]のいずれかの災害情報共有システム。
【0013】
[5]
前記安否問い合わせ情報送出部、前記安否情報登録処理部は、前記災害情報共有モード判定・変更処理部が判定した前記深刻度が軽度である前記災害情報共有モードの時点から機能し、前記災害情報共有モード判定・変更処理部が判定した前記深刻度が前記軽度の状態以上である間にわたって前記機能を維持する[1]又は[2]の災害情報共有システム。
【0014】
[6]
前記掲示板機能提供処理部、前記住戸間メッセージ機能提供処理部は、前記災害情報共有モード判定・変更処理部が判定した前記深刻度が軽度である前記災害情報共有モードの時点から機能し、前記災害情報共有モード判定・変更処理部が判定した前記深刻度が前記軽度の状態以上である間にわたって前記機能を維持する[3]の災害情報共有システム。
【0015】
[7]
前記安否確認不明者情報作成処理部は、前記災害情報共有モード判定・変更処理部が判定した前記深刻度が最も高いレベルの前記深刻度である前記災害情報共有モードの時点から機能する[4]の災害情報共有システム。
【0016】
[8]
コンピュータを[1]~[7]のいずれかの災害情報共有システムとして機能させるためのコンピュータプログラム。
【0017】
前記災害情報共有システムで災害レベル情報を取得した際に、当該災害レベル情報による災害レベルの深刻度が、あらかじめ設定されている複数の災害情報共有モードの中のどのモードレベルに相当する深刻度であるか前記災害情報共有モード判定・変更処理部が判定を行う際の複数の災害情報共有モードとしては、例えば、平常モード、警戒モード、災害モードを設定するすることができる。
【0018】
平常モードは、例えば、前記災害情報共有システムが前記災害レベル情報をなんら取得していない状態を含めて、地震、台風、豪雨・大雨、等の種々の災害ごとにあらかじめ設定されているレベルに達していない災害レベルである状態、警戒モードは、前記平常モードよりは災害レベルの状態が高くなった(すなわち、深刻になった)、例えば、取得した災害レベル情報による災害レベルの深刻度が軽度である状態、災害モードは、前記警戒モードよりは災害レベルの状態が高くなった(すなわち、深刻になった)、例えば、取得した災害レベル情報による災害レベルの深刻度が最も高いレベルである状態とすることができる。
【0019】
この場合、上述したように、災害情報共有モード判定・変更処理部が判定した深刻度が軽度である災害情報共有モードの時点から機能し、災害情報共有モード判定・変更処理部が判定した深刻度が軽度の状態以上である間にわたって機能を維持する安否問い合わせ情報送出部、安否情報登録処理部、掲示板機能提供処理部、住戸間メッセージ機能提供処理部は、警戒モードで機能を開始し、災害モードの時にもその機能を維持することになる。
【0020】
また、この場合、上述したように、災害情報共有モード判定・変更処理部が判定した深刻度が最も高いレベルの深刻度である災害情報共有モードの時点から機能する安否確認不明者情報作成処理部は、災害モードで機能を開始することになる。
【0021】
このようにして、地震、豪雨、台風などの災害が発生する等して、警戒を要する必要が生じたときに、災害の深刻度、警戒を要するレベルの高さに応じて、前記SNSを利用して情報共有できる内容・範囲の豊富さ、レベルを段階的に引き上げ、複数の前記ユーザが互いに助け合って、前記災害などに対処することを可能にする災害情報共有システムである。
【0022】
なお、上述した警戒モードと災害モードとの間の災害レベルの深刻度を更に複数段階に分けてより細かく対応する形態にすることもできる。
【0023】
また、このような複数の災害情報共有モードは、地震、台風、豪雨・大雨、等の種々の災害ごとに、本発明のシステムが取得する災害レベル情報のどのような内容に応じて、上述した「平常モード」、「警戒モード」、「災害モード」の何れかであると判定するようにするか、本実施形態のシステムによるサービスの提供を受けるエリアに居住する複数の居住者に周知の上で種々に設定、変更することが可能である。
【0024】
上述したように、マンション、等の集合住宅の複数の住戸に居住している複数の居住者からなる同一のエリアに居住している複数の居住者や、東京都〇〇区〇丁目、等のように、住居番地が共通している地域に存在している複数の住戸(当該地域に存在している前述したマンション、等の集合住宅における複数の住戸も含む)に居住している複数の居住者からなる同一のエリアに居住している複数の居住者が、通常時からSNSを利用して情報を共有できる体制になっているだけでなく、当該エリアやその近辺などで地震、豪雨、台風などの災害が発生する等して、警戒を要する必要が生じたときに、災害の深刻度、警戒を要するレベルの高さに応じて、前記SNSを利用して情報共有できる内容・範囲の豊富さ、レベルを段階的に引き上げることで、複数の前記ユーザが互いに助け合って、前記災害などに対処することを可能にする災害情報共有システムである。
【0025】
前記災害情報共有システムが災害レベル情報を取得した際に、当該災害レベル情報による災害レベルの深刻度が、あらかじめ設定されている複数の災害情報共有モードの中のどのモードレベルに相当する深刻度であるかを判定し、判定に従って、前記SNSを利用して情報共有できる内容・範囲の豊富さ、レベルを段階的に引き上げる災害情報共有システムである。
【発明の効果】
【0026】
この発明によれば、マンション、等の集合住宅の複数の住戸に居住している複数の居住者や、住居番地が共通している地域に存在している複数の住戸に居住している複数の居住者などのように、同一のエリアに居住している複数の居住者である複数のユーザが、通常時からSNSを利用して情報を共有できる体制になっているだけでなく、当該エリアやその近辺などで地震、豪雨、台風などの災害が発生する等して、警戒を要する必要が生じたときに、災害の深刻度、警戒を要するレベルの高さに応じて、前記SNSを利用して情報共有できる内容・範囲の豊富さ、レベルを段階的に引き上げることで、複数の前記ユーザが互いに助け合って、前記災害などに対処することを可能にする災害情報共有システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の一実施形態に係る災害情報共有システムの構成の一例を表す概念図。
【
図2】本発明の一実施形態に係る災害情報共有システムの一例を説明するブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る災害情報共有システムの一例を説明する構成図である。
【0029】
図1に示すように、本実施形態に係る災害情報共有システムによる災害情報共有サービスを提供する者が管理するサービス提供サーバ1と、このサービスの提供を受けるエリアに居住する複数のユーザが使用する複数のユーザ端末3a、3b、3c、3d、3e、・・・とが、インターネット等の有線、無線のネットワーク2を介して通信可能に構成されている。なお、本明細書、図面において複数のユーザ端末3a、3b、3c、3d、3e、・・・を総称してユーザ端末3と表すことがある。
【0030】
本実施形態の災害情報共有システムは、マンション、等の集合住宅の複数の住戸に居住している複数の居住者や、住居番地が共通している地域に存在している複数の住戸に居住している複数の居住者などのように、同一のエリアに居住している複数の居住者である複数のユーザが、通常時からソーシャル・ネットワーキング・サービス(Social Networking Service)(本明細書、特許請求の範囲、図面においてSNSと表すことがある)を利用して情報を共有できる体制になっているだけでなく、当該エリアやその近辺などで地震、豪雨、台風などの災害が発生する等して、警戒を要する必要が生じたときに、災害の深刻度、警戒を要するレベルの高さに応じて、前記SNSを利用して情報共有できる内容・範囲の豊富さ、レベルを段階的に引き上げることで、複数の前記ユーザが互いに助け合って、前記災害などに対処することを可能にする災害情報共有システムである。
【0031】
上述した複数のユーザは、同一のエリアに居住する複数の居住者であり、例えば、本実施形態に係る災害情報共有システムによる災害情報共有サービスの提供を受けるマンション、等の集合住宅の複数の住戸における各住戸(例えば、101号室、102号室、・・・、1001号室、・・・)に居住する居住者及びその家族を例示できる。
【0032】
また、同一のエリアに居住する複数の居住者として、本実施形態に係る災害情報共有システムによる災害情報共有サービスの提供を受ける地域、例えば、東京都〇〇区〇丁目などのように、住居番地が共通している地域に存在している複数の住戸に居住している複数の居住者及びその家族を、このサービスの提供を受けるエリアに居住する複数のユーザとして例示することもできる。この場合、当該エリア内にマンション、等の集合住宅が存在しているならば、当該マンション、等の集合住宅における各住戸(例えば、101号室、102号室、・・・、1001号室、・・・)に居住する居住者及びその家族も、このサービスの提供を受けるエリアに居住する複数のユーザの中に含まれることになる。
【0033】
図1図示の実施形態では、サービス提供サーバ1は、ネットワーク2を介して、更に、このサービスの提供を受ける住戸の室内に配備されている室内インターホン4a、4b、4c、4d、4e、・・・と、ネットワーク2を介して、通信可能に構成されている。なお、本明細書、図面において複数の室内インターホン4a、4b、4c、4d、4e、・・・を総称して室内インターホン4と表すことがある。なお、サービス提供サーバ1と室内インターホン4とは所定の専用回線を介して情報交信可能に接続されている、あるいは複数の室内インターホン4の中のいくつかの室内インターホン4とサービス提供サーバ1とが所定の専用回線を介して情報交信可能に接続され、残りの室内インターホン4とサービス提供サーバ1とはネットワーク2を介して情報交信可能に接続されている形態にすることもできる。
【0034】
このサービスの提供を受けるエリアに居住する複数のユーザが、本実施形態に係る災害情報共有システムによる災害情報共有サービスの提供を受けるマンション、等の集合住宅の複数の住戸における各住戸(例えば、101号室、102号室、・・・、1001号室、・・・)に居住する居住者及びその家族である場合、前述した室内インターホン4は、当該集合住宅の複数の住戸における各住戸(例えば、101号室、102号室、・・・、1001号室、・・・)の室内に配備されている室内インターホンになる。
【0035】
また、このサービスの提供を受けるエリアに居住する複数のユーザが、本実施形態に係る災害情報共有システムによる災害情報共有サービスの提供を受ける地域、例えば、東京都〇〇区〇丁目などのように、住居番地が共通している地域に存在している複数の住戸に居住している複数の居住者及びその家族である場合、前述した室内インターホン4は、当該住居番地が共通している地域に存在している複数の住戸における各住戸の室内に配備されている室内インターホンになる。
【0036】
以下では、同一のエリアに居住する複数の居住者として、このサービスの提供を受けるエリアに居住する複数のユーザが、本実施形態に係る災害情報共有システムによる災害情報共有サービスの提供を受ける集合住宅であるマンションの複数の住戸における各住戸(例えば、101号室、102号室、・・・、1001号室、・・・)に居住する居住者及びその家族である場合についての実施形態を説明する。
【0037】
サービス提供サーバ1は、演算処理部(CPU)、主記憶部(RAM)、HDDやSSD、フラッシュメモリなどの補助記憶部、ネットワーク2への接続手段を含む各種の入出力手段などを備える、汎用的なコンピュータから構成することができる。また、上述の各手段と各記憶部がそれぞれ異なるサーバ装置によって実現されるなど、複数のサーバ装置が協調して動作することで実現されるサーバ構成にすることもでき、クラウド上にサーバが構築されている構成にすることもできる。
【0038】
ユーザ端末3は、演算処理部(CPU)、主記憶部(RAM)、HDDやSSD、フラッシュメモリなどの補助記憶部、ネットワーク2への接続手段を含む各種の入出力手段、ウェブサイトの閲覧を行うためのブラウザソフトウェアなどを備えている、パーソナルコンピュータやスマートフォン端末、携帯電話などの各種のコンピュータから構成される。
【0039】
室内インターホン4は、後述するように、文字情報などの情報を交信することができるように、文字情報の入力を受けて情報送出可能で、また、取得した情報を文字情報で液晶画面などの表示手段により出力可能な機能を備えているインターホンである。
【0040】
図2は、サービス提供サーバ1の機能を示すブロック図である。
図2に示すように、サービス提供サーバ1は、エリア情報管理部11、ユーザ情報管理部12、SNS機能提供処理部13、安否問い合わせ情報送出部14、安否情報登録処理部15、安否確認不明者情報作成処理部16、掲示板機能提供処理部17、住戸間メッセージ機能提供処理部18、インターホン情報交信処理部19、災害情報共有モード判定・変更処理部20、記憶部30を備えている。
【0041】
コンピュータからなるサービス提供サーバ1をこの実施形態の災害情報共有システムとして機能させるためのコンピュータプログラムによって、マンション情報管理部11~災害情報共有モード判定・変更処理部20が後述するそれぞれの処理、機能を実行することになる。
【0042】
<エリア情報管理部>
エリア情報管理部11は、本システムによるサービスの提供を受けるマンションについて、その名称、住所、等の基本情報を取得して記憶部30におけるエリア情報登録部30aに登録すると共に、登録した各マンションごとに、当該マンションの各住戸ごとに住戸IDと住戸パスワードを付与してエリア情報登録部30aに登録し、管理する処理を行う。
【0043】
この際、エリア情報管理部11は、各住戸ごとに付与されている住戸ID、住戸パスワードに関連付けて当該各住戸の室内に配備されている室内インターホン4を特定する情報と、各住戸ID、各住戸パスワードとを関連付けて登録し、管理する処理を行う。
【0044】
また、エリア情報管理部11は、災害時対応情報を、記憶部30における災害時対応情報登録30dに登録し、管理する処理を行う。
【0045】
上述の災害時対応情報としては、例えば、本システムによるサービスの提供を受ける各マンションの所在地における行政機関などから提供されている当該所在地地域の防災情報、避難情報、防災マニュアル、災害時用備蓄品に関する情報や、本システムによるサービスの提供を受けるマンションが当該マンション独自の防災マニュアル、避難情報、災害時用備蓄品を備えている場合におけるこれらの情報などを挙げることができる。
【0046】
本システムによるサービスの提供を受けるエリアに居住する複数のユーザが、例えば、東京都〇〇区〇丁目などのように、住居番地が共通している地域に存在している複数の住戸に居住している複数の居住者及びその家族である場合、エリア情報管理部11は、本システムによるサービスの提供を受ける地域を表示する東京都〇〇区〇丁目などの情報と、当該エリアに存在する各住戸の住所表示、住居表示、等の基本情報を取得して記憶部30におけるエリア情報登録部30aに登録すると共に、登録した各住戸ごとに住戸IDと住戸パスワードを付与してエリア情報登録部30aに登録し、管理する処理を行う。
【0047】
また、この場合、エリア情報管理部11が記憶部30における災害時対応情報登録30dに登録し、管理する災害時対応情報としては、本システムによるサービスの提供を受ける前記エリア(東京都〇〇区〇丁目など)における行政機関などから提供されている当該エリアの防災情報、避難情報、防災マニュアル、災害時用備蓄品に関する情報や、本システムによるサービスの提供を受ける前記エリア(東京都〇〇区〇丁目など)が独自の防災情報、避難情報、防災マニュアル、災害時用備蓄品に関する情報を備えている場合におけるこれらの情報などが含まれる。前述した独自の防災マニュアル、避難情報、災害時用備蓄品に関する情報などとしては、例えば、前記エリア(東京都〇〇区〇丁目など)における地域自治体、町内会などが独自に準備しているこれらの情報などが含まれる。
【0048】
<エリア情報等の登録>
上述したエリア情報管理部11の処理によってエリア情報、例えば、マンション情報等が登録される工程の一例を説明すると次のようになる。
【0049】
ネットワーク2を介して、あるいは、サービス提供サーバ1が備えている所定の情報入力手段を介して、本システムによるサービスの提供を受けるマンションについて、その名称、住所、等の基本情報を取得し、エリア情報管理部11が、記憶部30におけるエリア情報登録部30aに登録する。
【0050】
引き続き、エリア情報管理部11は、登録した各マンションごとに、当該マンションの各住戸ごとに住戸IDと住戸パスワードを付与してエリア情報登録部30aに登録する。
【0051】
この際、各住戸ごとに付与されている住戸ID、住戸パスワードに関連付けて当該各住戸の室内に配備されている室内インターホン4を特定する情報と、各住戸ID、各住戸パスワードとを関連付けて登録し、管理する処理が行われる。
【0052】
また、サービス提供サーバ1が備えている所定の情報出力手段や、ネットワーク2を介して、上記のように付与した住戸IDと住戸パスワードとを前記登録したマンションの管理組合、等を介する等して、本システムによるサービスの提供を受けるマンションの各住戸の居住者(ユーザ)に届ける。
【0053】
ネットワーク2を介して、あるいは、サービス提供サーバ1が備えている所定の情報入力手段を介して、エリア情報管理部11は、上述したようにエリア情報登録部30aに登録した本システムによるサービスの提供を受けるマンションの所在地における行政機関などから提供されている当該所在地地域の防災情報、避難情報、防災マニュアル、災害時用備蓄品に関する情報や、本システムによるサービスの提供を受けるマンションが当該マンション独自の防災マニュアル、避難情報、災害時用備蓄品を備えている場合におけるこれらの情報などからなる災害時対応情報を、記憶部30における災害時対応情報登録部30dに登録する。
【0054】
<ユーザ情報管理部>
ユーザ情報管理部12は、上述した住戸IDと住戸パスワードとが付与されている住戸(例えば、本システムによるサービスの提供を受けるマンションの101号室)に居住し、本システムによるサービス提供を受けるユーザである当該住戸の居住者に関する情報を、本サービスの提供を受けるマンションごとに前記住戸IDに関連付けて記憶部30におけるユーザ情報登録部30bに登録し、管理する処理を行う。
【0055】
また、本システムによるサービスの提供を受けるマンションの管理組合役員、等の管理者の情報をユーザ情報登録部30bに登録し、管理者の交代があるごとにユーザ情報登録部30bにおける管理者情報の更新、登録処理を行う。
【0056】
前記居住者に関する情報をユーザ情報登録部30bに登録し、管理する処理を行う際、前記居住者が居住している住戸の室内に配備されている室内インターホンを特定する情報と、前記居住者に関する情報に含まれている前記居住者が使用しているユーザ端末3を特定する情報(例えば、ユーザ端末3のメールアドレスや、電話番号など)が関連付けられて登録されるよう処理を行う。
【0057】
<ユーザ情報等の登録>
上述したユーザ情報管理部12によってユーザ情報等が登録される工程の一例を説明すると次のようになる。
【0058】
上述した住戸IDと住戸パスワードの付与を受けた居住者(例えば、本システムによるサービスの提供を受けるマンションなどの集合住宅の各住戸に居住する居住者及びその家族や、本システムによるサービスの提供を受けるエリアに居住する複数の居住者(例えば、東京都〇〇区〇丁目などのように、住居番地が共通している地域に存在している複数の住戸に居住している複数の居住者及びその家族)は、自己が使用するユーザ端末3からネットワーク2を介してサービス提供サーバ1にアクセスし、付与を受けている住戸IDと住戸パスワードを用いて認証を受ける。例えば、付与を受けている住戸IDと住戸パスワードを用いてユーザ情報管理部12によって認証を受ける。
【0059】
ユーザ情報管理部12は、ユーザ端末3に対して入力を促すことでユーザ端末3から取得したユーザに関する情報、例えば、ユーザの氏名、ユーザ端末3のメールアドレス、ユーザ端末3の電話番号などの前記ユーザが使用しているユーザ端末3を特定する情報及び、該当する場合の、家族構成及び、家族の氏名、続柄、家族それぞれがユーザ端末3を所有・使用している場合におけるそれぞれのユーザ端末3を特定する情報などを、本サービスの提供を受けるマンションごとに前記住戸IDに関連付けて記憶部30におけるユーザ情報登録部30bに登録する。
【0060】
上述したユーザ登録の際、ユーザ情報管理部12は、前記のように登録したユーザが居住している住戸の室内に配備されている室内インターホン4を特定する情報と、前記ユーザに関する情報に含まれている前記ユーザが使用しているユーザ端末3を特定する情報(例えば、ユーザ端末3のメールアドレスや、電話番号など)とを関連付けて登録する。
【0061】
また、ユーザ情報管理部12は、エリア情報登録部30aに登録され、本システムによるサービスの提供を受けるマンションの管理組合役員、等の管理者の情報(あるいは、本システムによるサービスの提供を受けるエリアの役員、例えば、自治会長や、町内会長、等の管理者の情報)を、ネットワーク2を介して、あるいは、サービス提供サーバ1が備えている所定の情報入力手段を介して取得したときには、これらの変更をユーザ情報登録部30bに登録し、管理者の交代があるごとにユーザ情報登録部30bにおける管理者情報の更新、登録処理を行う。
【0062】
上述した住戸IDと住戸パスワードの付与を受けた居住者(例えば、本システムによるサービスの提供を受けるマンションなどの集合住宅の各住戸に居住する居住者及びその家族や、本システムによるサービスの提供を受けるエリアに居住する複数の居住者(例えば、東京都〇〇区〇丁目などのように、住居番地が共通している地域に存在している複数の住戸に居住している複数の居住者及びその家族)が、自己が使用するユーザ端末3からネットワーク2を介してサービス提供サーバ1にアクセスし、上述したユーザ登録を行うことで、以降は、ユーザ登録で使用したユーザ端末3などを用いて、ユーザ登録の際に設定したパスワードなどを使用することで、後述するSNS機能提供処理部13の処理動作によって提供されるSNSの機能を利用したり、後述するインターホン情報交信処理部19の処理動作によって提供される機能を利用できるようになる。
【0063】
<災害情報共有モード判定・変更処理部>
災害情報共有モード判定・変更処理部20は、本実施形態の災害情報共有システムで、災害レベル情報を取得した際に、当該災害レベル情報による災害レベルの深刻度が、あらかじめ設定されている複数の災害情報共有モードの中のどのモードレベルに相当する深刻度であるかを判定し、判定に従って、災害情報共有モードを変更する処理を行う。
【0064】
複数の災害情報共有モードは、例えば、平常モード、取得した災害レベル情報による災害レベルの深刻度が軽度である警戒モード、取得した災害レベル情報による災害レベルの深刻度が最も高いレベルである災害モードにすることができる。
【0065】
前記警戒モードと前記災害モードとの間の災害レベルの深刻度を更に複数段階に分けてより細かく対応する形態にすることもできる。
【0066】
いずれにしても、災害情報共有モード判定・変更処理部20が、あらかじめ設定されている災害レベルの深刻度に応じて、あらかじめ設定されている複数の災害情報共有モードの中のどのモードレベルに相当する深刻度(例えば、平常モード、警戒モード、災害モードの中の何れか)であるかを判定し、また、災害情報共有モードを変更する形態にすることができる。
【0067】
例えば、本システムが取得する災害レベル情報が地震の震度に関する情報の場合は、本システムが取得した地震の震度が震度3以下のときに「平常モード」、本システムが取得した地震の震度が震度4~震度5弱以下のときに「警戒モード」、本システムが取得した地震の震度が震度5強以上のときに「災害モード」と判定する実施形態にすることができる。
【0068】
あるいは、例えば、本システムが取得する災害レベル情報が大雨、台風情報の場合で、本システムが取得した災害レベル情報が大雨予想情報、台風接近情報のときは「平常モード」、本システムが取得した災害レベル情報が高潮警報、高潮特別警報、避難勧告、避難指示、土砂災害警戒情報のときは「警戒モード」、本システムが取得した災害レベル情報が大雨特別警報、氾濫発生情報、災害発生情報のときは「災害モード」と判定する実施形態にすることができる。
【0069】
上述した「平常モード」、「警戒モード」、「災害モード」の判定基準はいずれも例示であって、地震、台風、豪雨・大雨、等の種々の災害ごとに、本実施形態のシステムが取得する災害レベル情報のどのような内容に応じて、上述した「平常モード」、「警戒モード」、「災害モード」の何れかであると判定するようにするかは、本実施形態のシステムによるサービスの提供を受けるエリアに居住する複数の居住者に周知の上で種々に設定、変更することが可能である。
【0070】
<災害情報共有モードの判定、変更>
上述した災害情報共有モード判定・変更処理部20が行う、判定、災害情報共有モード変更工程の一例を説明すると次のようになる。
【0071】
ネットワーク2を介して、あるいは、サービス提供サーバ1が備えている所定の情報入力手段を介してサービス提供サーバ1が災害レベル情報を取得すると、災害情報共有モード判定・変更処理部20が、本システムが取得する災害レベル情報による災害レベルの深刻度が、本システムであらかじめ設定されている複数の災害情報共有モードの中のどのモードレベルに相当する深刻度であるかを判定する。
【0072】
複数の災害情報共有モードが、例えば、平常モード、取得した災害レベル情報による災害レベルの深刻度が軽度である警戒モード、取得した災害レベル情報による災害レベルの深刻度が最も高いレベルである災害モードであって、あらかじめ設定されている災害レベルの深刻度に応じて、災害情報共有モード判定・変更処理部20が、平常モード、警戒モード、災害モードへと災害情報共有モードを判定、変更する実施形態の場合の一例を説明する。
【0073】
(「平常モード」判定)
サービス提供サーバ1が、災害レベル情報をなんら取得していない状態では、災害情報共有モード判定・変更処理部20が判定する災害情報共有モードは「平常モード」である。
【0074】
サービス提供サーバ1が取得する災害レベル情報が地震の震度に関する情報であって、取得した地震の震度が震度3以下のとき、災害情報共有モード判定・変更処理部20が判定する災害情報共有モードは「平常モード」である。
【0075】
サービス提供サーバ1が取得する災害レベル情報が大雨、台風情報であって、取得した災害レベル情報が大雨予想情報、台風接近情報のとき、災害情報共有モード判定・変更処理部20が判定する災害情報共有モードは「平常モード」である。
【0076】
上述した種々の災害レベル情報としては、例えば、気象庁のような行政機関からそのウェブサイト等を介して提供される種々の災害に関する情報、種々の民間機関からそのウェブサイト等を介して提供される種々の災害に関する情報、サービス提供サーバ1を管理している者が、取得した種々の災害に関する情報を、サービス提供サーバ1が備えている情報入力手段を介してサービス提供サーバ1に入力する種々の災害に関する情報などが含まれる。
【0077】
(「警戒モード」判定)
サービス提供サーバ1が取得する災害レベル情報が地震の震度に関する情報であって、取得した地震の震度が震度4~震度5弱以下のとき、災害情報共有モード判定・変更処理部20が判定する災害情報共有モードは「警戒モード」である。
【0078】
サービス提供サーバ1が取得する災害レベル情報が大雨、台風情報であって、取得した災害レベル情報が高潮警報、高潮特別警報、避難勧告、避難指示、土砂災害警戒情報のとき、災害情報共有モード判定・変更処理部20が判定する災害情報共有モードは「警戒モード」である。
【0079】
この場合、大雨予想情報、台風接近情報を取得していて災害情報共有モード判定・変更処理部20が災害情報共有モードを上述したように「平常モード」と判定していて、その後、引き続いて、高潮警報、高潮特別警報、避難勧告、避難指示、土砂災害警戒情報を取得したならば、災害情報共有モード判定・変更処理部20は、災害情報共有モードを上述したように「警戒モード」と判定し、災害情報共有モードの判定を「平常モード」から「警戒モード」に変更する処理を行うことになる。
【0080】
(「災害モード」判定)
サービス提供サーバ1が取得する災害レベル情報が地震の震度に関する情報であって、取得した地震の震度が震度5強以上のとき、災害情報共有モード判定・変更処理部20が判定する災害情報共有モードは「災害モード」である。
【0081】
サービス提供サーバ1が取得する災害レベル情報が大雨、台風情報であって、取得した災害レベル情報が大雨特別警報、氾濫発生情報、災害発生情報のとき、災害情報共有モード判定・変更処理部20が判定する災害情報共有モードは「災害モード」である。
【0082】
この場合、大雨予想情報、台風接近情報を取得していて災害情報共有モード判定・変更処理部20が災害情報共有モードを上述したように「警戒モード」と判定していて、その後、引き続いて、大雨特別警報、氾濫発生情報、災害発生情報を取得したならば、災害情報共有モード判定・変更処理部20は、災害情報共有モードを上述したように「災害モード」と判定し、災害情報共有モードの判定を「警戒モード」から「災害モード」に変更する処理を行うことになる。
【0083】
<SNS機能提供処理部>
SNS機能提供処理部13は、本実施形態の災害情報共有システムによるサービスの提供を受ける前記エリアごとに、前記エリアに存在する各住戸に居住していて本実施形態の災害情報共有システムによるサービスの提供を受ける複数の前記ユーザが使用する複数のユーザ端末3に対して前記エリアに居住している複数のユーザの間でSNSの機能を利用する手段を提供する。
【0084】
上述したように、災害情報共有モード判定・変更処理部20が行う判定での複数の災害情報共有モードは、あらかじめ設定されている災害レベルの深刻度に応じて平常モード、警戒モード、災害モードとされているが、SNS機能提供処理部13による上述の処理は常に実施されているので、本実施形態の災害情報共有システムによるサービスの提供を受ける複数のユーザは、常に、複数のユーザの間でSNSの機能を利用することができる。
【0085】
SNS機能提供処理部13によって、上述したように、本システムによるサービスの提供を受けるマンションの各住戸に居住していて本システムによるサービス提供を受ける複数のユーザは、各人が使用しているユーザ端末3でSNS機能を利用できるようになり、同一の住戸に居住している家族の間でメッセージ交換することが可能になる。
【0086】
また、SNS機能提供処理部13によって提供されるSNS機能により、例えば、本システムによるサービス提供を受けるマンションの管理人が当該マンションに居住しているユーザに対して当該マンション管理人が使用しているユーザ端末3を介して投稿したメッセージを、本システムによるサービス提供を受ける複数のユーザは、各人が使用しているユーザ端末3でSNS機能を利用して閲覧できるようになる。
【0087】
なお、本システムによるサービス提供を受ける複数のユーザは、各人が使用しているユーザ端末3を利用してサービス提供サーバ1にアクセスすることにより、本システムの記憶部30における災害時対応情報登録部30dに登録されている上述の災害時対応情報を、いつでも閲覧することができる。
【0088】
<インターホン情報交信処理部>
インターホン情報交信処理部19は、ユーザ端末3から、前記ユーザが居住する住戸の室内インターホンにメッセージ送信を希望する旨の情報を取得した際に、取得した問い合わせ情報を、指定された住戸の室内インターホン4に表示させ、当該室内インターホン4から取得した回答情報をユーザ端末3に送出する処理を行う。
【0089】
例えば、インターホン情報交信処理部19は、ユーザ端末3から、当該ユーザが居住する住戸の室内インターホン4にメッセージ送信を希望する旨の情報を取得した際に、取得した文字情報、等の情報を、指定された住戸の室内インターホン4に、文字情報、等の情報で表示させる処理を行う。
【0090】
また、マンションの住戸の室内に設置されている室内インターホン4から、当該住戸に居住するユーザが所有しているユーザ端末3に対する文字情報、等の情報送出を希望する旨の情報を取得した際に、指定されたユーザ端末3に対して、室内インターホン4から入力された文字情報、等の情報を送出する処理を行う。
【0091】
上述したように、エリア情報管理部11の処理によってエリア情報がエリア情報登録部30aに登録される際に、各住戸ごとに付与されている住戸ID、住戸パスワードに関連付けて当該各住戸の室内に配備されている室内インターホン4を特定する情報と、各住戸ID、各住戸パスワードとが関連付けて登録されている。
【0092】
そこで、インターホン情報交信処理部19は、上述した安否問い合わせ情報送出部14が、複数のユーザが使用しているユーザ端末3に対して安否を問い合わせる「安否問い合わせ情報」を送出する処理を行うタイミングで、各住戸の室内インターホン4に対して「安否問い合わせ情報」を送出する実施形態にすることもできる。
【0093】
この場合、当該住戸に居住していて当該「安否問い合わせ情報」に対して「無事です」等の安否情報の返信が前記室内インターホン4からあった住戸に関する情報を、前記SNSの機能を利用して閲覧可能にしたり、安否確認不明者情報作成処理部16が上述した安否要確認者リストを作成する際の安否要確認者リスト情報の中に、室内インターホン4に対して「安否問い合わせ情報」を送出したが回答が戻ってきていない住戸の情報を安否確認不明者情報作成処理部16が含める処理を行うようにすることができる。
【0094】
上述したように、災害情報共有モード判定・変更処理部20が行う判定での複数の災害情報共有モードは、あらかじめ設定されている災害レベルの深刻度に応じて平常モード、警戒モード、災害モードとされている。そこで、インターホン情報交信処理部19が行う上述の処理による機能は、災害情報共有モード判定・変更処理部20が判定した災害情報共有モードのレベルが「警戒モード」、「災害モード」へと変更されても引き続き提供されることになる。
【0095】
<安否問い合わせ情報送出部>
安否問い合わせ情報送出部14は、災害情報共有モード判定・変更手段20が判定した災害情報共有モードのレベルに応じて、複数のユーザが使用しているユーザ端末3に対して安否を問い合わせる「安否問い合わせ情報」を送出する処理を行う。
【0096】
例えば、安否問い合わせ情報送出部14は、災害情報共有モード判定・変更処理部20が、情報共有モードのレベルを「警戒モード」と判定したときに、安否を問い合わせる「安否問い合わせ情報」を、ネットワーク2を介してユーザ端末3に対して送出する処理を行う。
【0097】
上述したように、災害情報共有モード判定・変更処理部20が行う判定での複数の災害情報共有モードは、あらかじめ設定されている災害レベルの深刻度に応じて平常モード、警戒モード、災害モードとされており、災害情報共有モード判定・変更処理部20が、情報共有モードのレベルを「警戒モード」と判定し、これに応じて、安否問い合わせ情報送出部14が上述した処理を行った後、災害情報共有モード判定・変更処理部20が判定した災害情報共有モードのレベルが「災害モード」へと変更されても、安否問い合わせ情報送出部14によって上述した「安否問い合わせ情報」をネットワーク2を介してユーザ端末3に対して送出する処理が行われることになる。
【0098】
例えば、「安否問い合わせ情報」をネットワーク2を介してユーザ端末3に対して送出した後、あらかじめ定めている所定の時間が経過しているにもかかわらずユーザ端末3から安否情報が戻ってこない場合に、当該あらかじめ定めている所定の時間が経過するごとに上述した「安否問い合わせ情報」をネットワーク2を介してユーザ端末3に対して送出する処理が行われる。
【0099】
また、「安否問い合わせ情報」をネットワーク2を介してユーザ端末3に対して送出した後、あらかじめ定めている所定の時間の間にユーザ端末3から安否情報が戻ってきている場合でも、その後、あらかじめ定めている所定の時間が経過した後に、改めて、安否問い合わせ情報送出部14が、「安否問い合わせ情報」をネットワーク2を介してユーザ端末3に対して送出する処理を行う実施形態にすることができる。
【0100】
また、上述したように、あらかじめ定めている時間が経過するごとに上述の処理動作を実行するだけでなく、災害情報共有モード判定・変更処理部20が判定した災害情報共有モードのレベルが「災害モード」という、「警戒モード」よりも災害レベルの深刻度が高いと考えられる災害情報共有モードに変更されると、安否問い合わせ情報送出部14が、「安否問い合わせ情報」をネットワーク2を介してユーザ端末3に対して送出する処理を行う実施形態にすることもできる。
【0101】
上述した住戸IDと住戸パスワードの付与を受けた居住者(例えば、本システムによるサービスの提供を受けるマンションなどの集合住宅の各住戸に居住する居住者及びその家族や、本システムによるサービスの提供を受けるエリアに居住する複数の居住者(例えば、東京都〇〇区〇丁目などのように、住居番地が共通している地域に存在している複数の住戸に居住している複数の居住者及びその家族)であって、上述したユーザ登録処理を行っていない者であっても、地震、等の災害が発生した、あるいは、台風、豪雨・大雨、等が迫っている、等の情報を受けた後に、上述したユーザ登録処理を行うことで、登録処理後は、上述したSNS提供処理部13によって前記エリアに居住している複数のユーザの間でSNS機能の利用が可能になり、また、安否問い合わせ情報送出部14による上述した「安否問い合わせ情報」の取得を受けることができる。
【0102】
<安否情報登録処理部>
安否情報登録処理部15は、災害情報共有モード判定・変更手段20が判定した災害情報共有モードのレベルに応じて、ユーザ端末3から取得した安否情報を各ユーザ情報に関連付けて記録する処理を行う。
【0103】
例えば、安否情報登録処理部15は、上述したように、安否問い合わせ情報送出部14が、災害情報共有モード判定・変更手段20が判定した災害情報共有モードのレベルに応じて、複数のユーザが使用しているユーザ端末3に対して安否を問い合わせる「安否問い合わせ情報」を送出する処理を行い、これに対して、ユーザ端末3から安否情報が戻って来た際に、当該ユーザ端末3から取得した安否情報を各ユーザ情報に関連付けて記憶部30の安否情報登録部30cに記録する処理を行う。
【0104】
また、いったん安否情報が記録されたユーザのユーザ端末3から安否情報の更新に関する情報を取得した際には、安否情報登録部30cに記録されている安否情報を更新する処理を行う。
【0105】
なお、ユーザが使用しているユーザ端末3からネットワーク2を介してサービス提供サーバにアクセスし、ユーザ自らがユーザ端末3から「無事です」等の安否情報をサービス提供サーバ1に送出してきたときには、安否情報登録処理部15は、当該安否情報を、各ユーザ情報に関連付けて記憶部30の安否情報登録部30cに記録する処理を行う。
【0106】
各ユーザは、上述したSNS機能を利用して、自己が使用しているユーザ端末3により、安否情報登録部30cに記録されている家族の安否情報を閲覧することができる。
【0107】
<安否確認不明者情報作成処理部>
安否確認不明者情報作成処理部16は、災害情報共有モード判定・変更手段20が判定した災害情報共有モードのレベルに応じて、前記安否問い合わせ情報に対して回答が戻ってこないユーザに関する情報をリスト化して安否要確認者リストを作成し、前記SNS機能により、ユーザがユーザ端末3を介して当該安否要確認者リストを取得可能にする処理を行う。
【0108】
例えば、安否確認不明者情報作成処理部16は、災害情報共有モード判定・変更処理部20が、情報共有モードのレベルを「災害モード」と判定したときに、上述した安否問い合わせ情報に対して回答が戻ってきていないユーザに関する情報をリスト化し、安否要確認者リストを作成する処理を行う。
【0109】
上述したように、災害情報共有モード判定・変更処理部20が行う判定での複数の災害情報共有モードは、あらかじめ設定されている災害レベルの深刻度に応じて平常モード、平常モードよりも災害レベルの深刻度が高い警戒モード、警戒モードよりも災害レベルの深刻度が高い災害モードとされている。そこで、災害レベルの深刻度が最も高い災害モードである「災害モード」と判定したときに、上述した安否問い合わせ情報に対してユーザ端末3から回答が戻ってきていないユーザに関する情報をリスト化し、安否要確認者リストを作成するものである。
【0110】
安否確認不明者情報作成処理部16は、更に、ユーザ端末3や、室内インターホン4から「安否確認不明」で確認をお願いしたい旨の要請を受けたユーザに関する情報を前記安否要確認者リストに追加する処理を行う実施形態にすることができる。
【0111】
また、安否問い合わせ情報送出部14からの「安否問い合わせ情報」に対する「安否情報」で「救援求む」という内容の「安否情報」をユーザ端末3から返信してきたユーザに関する情報を、安否確認不明者情報作成処理部16が、前記安否要確認者リストに追加する処理を行うようにすることもできる。
【0112】
<掲示板機能提供処理部>
掲示板機能提供処理部17は、災害情報共有モード判定・変更手段20が判定した災害情報共有モードのレベルに応じて、複数のユーザの利用に係る前記SNSにユーザが書き込み、閲覧可能な掲示板機能を提供する処理を行う。
【0113】
例えば、掲示板機能提供処理部17は、災害情報共有モード判定・変更処理部20が、情報共有モードのレベルを「警戒モード」と判定したときに、SNSを用いて情報共有する各マンションに居住するユーザに書き込み、閲覧可能な掲示板機能を提供する処理を行う。
【0114】
上述したように、災害情報共有モード判定・変更処理部20が行う判定での複数の災害情報共有モードは、あらかじめ設定されている災害レベルの深刻度に応じて平常モード、警戒モード、災害モードとされているので、災害情報共有モード判定・変更処理部20が、災害情報共有モードのレベルを「警戒モード」と判定し、これに応じて、掲示板機能提供手段17が上述した処理を行った後、災害情報共有モード判定・変更処理部20が判定した災害情報共有モードのレベルが「災害モード」へと変更されても、掲示板機能提供手段17によって上述したように、SNSを用いて情報共有する各マンションに居住するユーザに書き込み、閲覧可能な掲示板機能が提供され続けることになる。
【0115】
<住戸間メッセージ機能提供処理部>
住戸間メッセージ機能提供処理部18は、災害情報共有モード判定・変更手段20が判定した災害情報共有モードのレベルに応じて、メッセージを送付するあて先として前記エリアに存在する住戸を特定する情報のみが用いられているメッセージを取得した際に、当該あて先の住戸に居住する前記ユーザが使用するユーザ端末3に、取得した前記メッセージを送出する処理と、送出先のユーザ端末3からの回答を、問い合わせを行ってきたユーザ端末3に送出する処理を行う。
【0116】
例えば、住戸間メッセージ機能提供処理部18は、災害情報共有モード判定・変更処理部20が、情報共有モードのレベルを「警戒モード」と判定した場合であって、メッセージを送付するあて先としてマンションの住戸の部屋番号のみが用いられているメッセージを取得した際に、当該あて先の住戸に居住するユーザが使用するユーザ端末3に取得した前記メッセージを送出する処理を行う。また、送出先のユーザ端末3からの回答を、問い合わせを行ってきたユーザ端末3に送出する処理を行う。
【0117】
上述したように、災害情報共有モード判定・変更処理部20が行う判定での複数の災害情報共有モードは、あらかじめ設定されている災害レベルの深刻度に応じて平常モード、警戒モード、災害モードとされている。そこで、住戸間メッセージ機能提供処理部18が上述した処理を行った後、災害情報共有モード判定・変更処理部20が判定した災害情報共有モードのレベルが「災害モード」へと変更されても、住戸間メッセージ機能提供処理部18によって提供される上述した機能は引き続き提供されることになる。
【0118】
<安否情報、被害状況などを共有する実施形態の一例>
この実施形態の災害情報共有システムは、マンション等の集合住宅に居住する複数の居住者であるユーザが、通常時からSNSを利用して情報を共有できる体制になっているだけでなく、災害などが発生し、警戒を要する必要が生じたときには、災害の深刻度、警戒を要するレベルの高さに応じて、前記SNSを利用して情報共有できる内容・範囲の豊富さ、レベルを段階的に引き上げることで、複数の前記ユーザが互いに助け合って、前記災害などに対処することを可能にするシステムである。
【0119】
上述したように、安否問い合わせ情報送出部14、安否情報登録処理部15、安否確認不明者情報作成処理部16、掲示板機能提供処理部17、住戸間メッセージ機能提供処理部18は、災害情報共有モード判定・変更処理部20が上述したように行う判定及び、災害情報共有モードの変更に応じて、それぞれの処理を実行するモードになる。
【0120】
例えば、「平常モード」であれば、SNS機能提供処理部13が上述した処理を実行し、ユーザ端末3を使用、操作しているユーザは、同じ住戸に居住している家族の間でメッセージ交換を行ったり、マンションの管理者から提供された情報(管理者メッセージ)を閲覧することができる。また、インターホン情報交信処理部19により、ユーザ端末3から、当該ユーザ端末3を使用しているユーザが居住する住戸の室内インターホンにメッセージ送信を希望する旨の情報を取得した際に、取得した問い合わせ情報を、指定された住戸の室内インターホン4に表示させ、当該室内インターホン4から取得した回答情報をユーザ端末3に送出する処理が実行される。
【0121】
また、「警戒モード」であれば、上述したSNS機能提供処理部13、インターホン情報交信処理部19によって提供される機能が引き続き提供されることに加えて、安否問い合わせ情報送出部14、安否情報登録処理部15、掲示板機能提供処理部17、住戸間メッセージ機能提供処理部18が行う処理動作、機能により、SNS機能を利用して、各自のユーザ端末3を介して各種のサービスの提供を受けることができる。
【0122】
例えば、掲示板機能提供処理部17が行う上述の処理により、SNSを介して、ユーザ端末3により、上述した掲示板に書き込まれた情報を閲覧可能になり、また、必要と思われる情報を掲示板に書き込んで複数のユーザの間で情報共有することが可能になる。
【0123】
また、上述した住戸間メッセージ機能提供処理部18が行う上述の処理により、ユーザ端末3を操作、使用しているユーザは、目的の住戸番号のみをあて先としてメッセージを本システムに送出し、これに対する回答を取得することが可能になる。
【0124】
例えば、自己が居住している住戸の隣の住戸の部屋番号をあて先として、自己の住居の状況や、自己の住居に子供だけが残っている場合の状況などの確認を隣の住戸の住人に要請して確認してもらうことが可能になる。
【0125】
更に、「災害モード」の場合には、「平常モード」、「警戒モード」の際に本システムから提供受けることのできる上述した種々の機能、サービスに追加して、安否確認不明者情報作成処理部16が、上述した処理を行うことで、マンション居住者の中で「安否確認不明」の状態にいるユーザの一覧リストがSNSの利用により各ユーザのユーザ端末3で取得可能になる。これにより、同じマンションに居住していて災害時に「安否確認不明」状態にあるユーザに関する情報が、ユーザ全体の中で共有されるようになる。
【0126】
この場合の、マンション居住者の中で「安否確認不明」の状態にいるユーザとしては、例えば、安否問い合わせ情報送出部14からの「安否問い合わせ情報」に対して回答が戻ってきていないユーザや、ユーザ端末3、室内インターホン4から「安否確認不明」で確認をお願いしたい旨の要請を受けたユーザや、安否問い合わせ情報送出部14からの「安否問い合わせ情報」に対する「安否情報」で「救援求む」という内容の「安否情報」をユーザ端末3から返信してきたユーザが考えられる。
【0127】
以上、この発明の実施形態を説明したが本発明は上述した実施形態に限られず、特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々に変更可能である。
【0128】
例えば、上記では、災害が発生した際に、同一のエリアに居住する複数の居住者である複数のユーザがSNSを介して災害に関する情報を共有するサービスを提供する災害情報共有システムの一例として、前記サービスの提供を受ける同一のエリアに居住する複数の居住者である複数のユーザが、前記サービスの提供を受ける集合住宅であるマンションの複数の住戸における各住戸(例えば、101号室、102号室、・・・、1001号室、・・・)に居住する居住者及びその家族である場合について説明した。
【0129】
これに替わって、前記サービスの提供を受ける同一のエリアに居住する複数の居住者である複数のユーザが、例えば、東京都〇〇区〇丁目などのように、住居番地が共通している地域に存在している複数の住戸に居住している複数の居住者及びその家族である場合にも上記で説明したように、通常時からSNSを利用して情報を共有できる体制になっているだけでなく、災害などが発生し、警戒を要する必要が生じたときには、災害の深刻度、警戒を要するレベルの高さに応じて、前記SNSを利用して情報共有できる内容・範囲の豊富さ、レベルを段階的に引き上げることで、複数の前記ユーザが互いに助け合って、前記災害などに対処することを可能にする実施形態にすることができる。