(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022093790
(43)【公開日】2022-06-24
(54)【発明の名称】ペット飼育ユニット及びリビングダイニング構造
(51)【国際特許分類】
A01K 1/02 20060101AFI20220617BHJP
【FI】
A01K1/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020206442
(22)【出願日】2020-12-14
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和2年4月11日に、積水ハウス株式会社関東工場における「住まいの夢工場」の「山本さんち。」にて展示により公開。 令和2年4月11日に、刊行物「幸せひみつカード」への発表。 令和2年9月5日に株式会社マイナビのウェブサイト(https://news.mynavi.jp/article/20200905-1271253/)にて電気通信回線を通じて公開。 令和2年9月5日にイクゼネット運営事務局のウェブサイト(https://kanagawa.ikuze.net/detail?id=674944750746403937,https://oita.ikuze.net/detail?id=674807763831260257,https://okinawa.ikuze.net/detail?id=67531696911812310)にて電気通信回線を通じて公開。 令和2年9月5日に株式会社パズルピースのウェブサイト(https://mellow.ismyprecious.jp/detail?id=675252003690300513,https://news.ismyprecious.jp/detail?id=674781819979318369,https://literacy.ismyprecious.jp/detail?id=674876986409321569,https://bungaku.ismyprecious.jp/detail?id=675063939163243617,https://jinsei.ismyprecious.jp/detail?id=675007027010012257)にて電気通信回線を通じて公開。 令和2年9月5日にノアドット株式会社のウェブサイト(https://this.kiji.is/674754656598869089)にて電気通信回線を通じて公開。 令和2年9月5日に株式会社ONE COMPATHのウェブサイト(https://www.mapion.co.jp/news/column/cobs2121099-1-all/)にて電気通信回線を通じて公開。
(71)【出願人】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】岩前 泰代
(72)【発明者】
【氏名】井坂 悠美
(72)【発明者】
【氏名】上野 卓也
(72)【発明者】
【氏名】彌重 功
(72)【発明者】
【氏名】近藤 雅之
【テーマコード(参考)】
2B101
【Fターム(参考)】
2B101AA13
2B101AA20
2B101FB01
2B101FC01
(57)【要約】
【課題】本発明は、ペットにとって安心できる居所を有し一緒に暮らすヒトがペットの存在を感じられるペット飼育ユニットを提供する。
【解決手段】ペット飼育ユニット11は、複数の板材によって囲まれており、かつ一方が開口された空間43と、空間43に位置しており、複数の板材のうち上下方向7に沿う背板34から前後方向8へ突出する複数の棒材44と、背板34及び側板52によって区画されており、背板34及び側板52を貫通する貫通孔41及び貫通孔61によって空間43と連通する空間63と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の板材によって囲まれており、かつ一方が開口された第1空間と、
上記第1空間に位置しており、上記複数の板材のうち鉛直方向に沿う縦板材から水平方向へ突出する複数の棒材と、
上記縦板材によって区画されており、上記縦板材を貫通する第1貫通孔によって上記第1空間と連通する第2空間と、を備えたペット飼育ユニット。
【請求項2】
上記縦板材は、上記第1空間に対して上記開口と反対側に位置する請求項1に記載のペット飼育ユニット。
【請求項3】
上記第2空間の下方に位置しており、扉によって開閉可能な第3空間を更に有しており、
上記扉は、上記第1空間と上記第3空間とを連通しないよう設置される請求項1又は2に記載のペット飼育ユニット。
【請求項4】
上記第2空間に隣接し、上記縦板材に対して上記第1空間と反対側に位置する収納空間又はヒトが座位可能な椅子の少なくとも一方を備えた請求項1から3のいずれかに記載のペット飼育ユニット。
【請求項5】
上記複数の棒材は、鉛直方向及び水平方向のそれぞれに並んで位置する請求項1から4のいずれかに記載のペット飼育ユニット。
【請求項6】
上記複数の棒材は、横断面が円形の棒材と、横断面が水平方向に沿って長軸が延びる楕円形の棒材と、を有する請求項1から5のいずれかに記載のペット飼育ユニット。
【請求項7】
上記複数の棒材は、周囲に紐が巻かれている請求項1から6のいずれかに記載のペット飼育ユニット。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載のペット飼育ユニットと、
上記ペット飼育ユニットの上記開口側に位置するダイニング空間と、
上記ペット飼育ユニットに対して上記ダイニング空間と反対側に位置するリビング空間と、を備えたリビングダイニング構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペット飼育ユニット及びリビングダイニング構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、カウンター棚状に形成し住宅に備え付けたペットルームを開示する。ペットルームは、ペットの就寝・休息のためのハウスブースと、食事のためのダイニングブースと、排泄のためのトイレブースと、収納と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ペットとヒトとが住宅等の居住空間において一緒に暮らすことが考えられる。ペットは、縄張り意識を有しており、環境の変化やヒトや他の動物との遭遇によってストレスを感じる場合がある。
【0005】
特許文献1に記載されたペットルームでは、ペットが就寝・休息のためのハウスブースを有する。ハウスブースは、室内側に向かって開放されている。このため、室内側からハウスブース内が見えてしまい、ペットが自ら身を隠すことができない。また、ペットが就寝・休息、食事及び排泄するとき以外、ペットルームにいないことが考えられ、家族がペットと過ごす時間が限られるおそれがある。
【0006】
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ペットにとって安心できる居所を有し一緒に暮らすヒトがペットの存在を感じられるペット飼育ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 本発明に係るペット飼育ユニットは、複数の板材によって囲まれており、かつ一方が開口された第1空間と、上記第1空間に位置しており、上記複数の板材のうち鉛直方向に沿う縦板材から水平方向へ突出する複数の棒材と、上記縦板材によって区画されており、上記縦板材を貫通する第1貫通孔によって上記第1空間と連通する第2空間と、を備える。
【0008】
上記ペット飼育ユニットは、例えば猫のようなペットの居所として利用可能である。ペットは、第1空間において複数の棒材を利用できる。また、ペットは、第1貫通孔を通じて第1空間と第2空間とを行き来することができる。また、ペットは、第2空間から第1貫通孔及び第1空間を通じて外部を覗くことができる。これにより、ペットは、例えば家族の気配を感じて安心したり苦手なヒトが外部にいるかどうかを確認したりできる。
【0009】
(2) 好ましくは、上記縦板材は、上記第1空間に対して上記開口と反対側に位置する。
【0010】
(3) 好ましくは、上記第2空間の下方に位置しており、扉によって開閉可能な第3空間を更に有しており、上記扉は、上記第1空間と上記第3空間とを連通しないよう設置される。
【0011】
第3空間は、扉によって開閉可能であり、当該扉は第1空間と第3空間とを連通しないよう設置されるため、例えば第3空間をペット用トイレとして使用した場合、扉を閉じることで、第3空間を外部から隠すことができる。また、第3空間が第2空間より下方に位置するため、外部と第3空間とをペットが行き来しやすい。
【0012】
(4) 好ましくは、上記第2空間に隣接し、上記縦板材に対して上記第1空間と反対側に位置する収納空間又はヒトが座位可能な椅子の少なくとも一方を備える。
【0013】
第2空間に隣接し、縦板材に対して第1空間と反対側に位置する収納空間又はヒトが座位可能な椅子の少なくとも一方を備えるため、ペット飼育ユニットを家具としても用いることができる。
【0014】
(5) 好ましくは、上記複数の棒材は、鉛直方向及び水平方向のそれぞれに並んで位置する。
【0015】
上記構成によれば、棒材から棒材へ、斜め上や斜め下といった斜め方向にペットが移動できる。
【0016】
(6) 好ましくは、上記複数の棒材は、横断面が円形の棒材と、横断面が水平方向に沿って長軸が延びる楕円形の棒材と、を有する。
【0017】
横断面が水平方向に沿って長軸が延びる楕円形の棒材によって、ペットが一時的に座る場所ができる。
【0018】
(7) 好ましくは、上記複数の棒材は、周囲に紐が巻かれている。
【0019】
上記構成により、ペットが棒材において滑りにくい。
【0020】
(8) 本発明に係るリビングダイニング構造は、請求項1から7のいずれかに記載のペット飼育ユニットと、上記ペット飼育ユニットの上記開口側に位置するダイニング空間と、上記ペット飼育ユニットに対して上記ダイニング空間と反対側に位置するリビング空間と、を備える。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ペットにとって安心できる居所を有し一緒に暮らすヒトがペットの存在を感じられるペット飼育ユニットが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、実施形態に係るリビングダイニング構造10を含む平面図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るペット飼育ユニット11の平面図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るペット飼育ユニット11の正面図である。
【
図5】
図5は、棒材44の拡大図であって、
図5(A)は、棒材44Aの平面図であり、
図5(B)は、棒材44Aの縦断面図であり、
図5(C)は、棒材44Bの平面図であり、
図5(D)は、棒材44Bの縦断面図である。
【
図6】
図6は、ペット飼育ユニット11の左側面図である。
【
図7】
図7は、ペット飼育ユニット11の背面図である。
【
図8】
図8は、変形例に係るペット飼育ユニット11の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は、本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。また、以下の説明においては、ペット飼育ユニット11が床の上に配置された状態(
図3の状態)を基準として上下方向7が定義され、空間43がソファ26より前方であって、上下方向7と直交する方向として前後方向8が定義され、上下方向7及び前後方向8のいずれとも直交する方向として左右方向9が定義される。なお、上下方向7は、鉛直方向の一例である。前後方向8及び左右方向9は、水平方向の一例である。
【0024】
[リビングダイニング構造10]
本実施形態に係るリビングダイニング構造10は、住宅等において、1つの部屋内に設けられる。
図1に示されるように、リビングダイニング構造10は、例えば、住宅の1階に設けられた部屋に採用される。リビングダイニング構造10は、例えば、ペット飼育ユニット11と、ペット飼育ユニット11の前方のダイニング空間12と、ダイニング空間12の前方の壁際に設けられたキッチン空間13と、ペット飼育ユニット11の後方のリビング空間14と、を有する。
【0025】
ダイニング空間12は、例えば、食卓が配され食堂として用いられる。ダイニング空間12は、キッチン空間13と相互に隣り合う位置が好ましい。リビング空間14は、例えば、ソファやテレビが配され、ヒトが寛ぐための居間として用いられる。なお、リビングダイニングとは、リビング空間とダイニング空間を一体の空間として形成された部屋を指す。なお、ダイニング空間12は、キッチンが設けられてダイニングキッチンとされてもよい。
【0026】
図1に示されるように、リビングダイニング構造10が設けられた住宅は、例えば、ダイニング空間12に繋がるダイニング空間12の右方の玄関15と、リビング空間14の後方には戸を介してテラス16が設けられる。玄関15は、例えば、家族用の出入口として用いられる。テラス16は、例えば、来客がリビング空間14の後方の戸から出入りする際の通路として用いることができる。リビング空間14には、テラス16及び後方の戸を介して客が訪れる。なお、本明細書における家族とは、リビングダイニング構造10が設けられた住宅において一緒に暮らすヒトを指す。
【0027】
ペット飼育ユニット11は、ペットを飼育するために用いられる道具類であって、住宅内に配置される。ペット飼育ユニット11は、床に設置されるものであっても、住宅の構造と一体に作り付けられるものであってもよい。ペット飼育ユニット11は、リビングダイニング構造10の前後方向8の中央に左右方向9に沿って配置されている。ペット飼育ユニット11は、ダイニング空間12とリビング空間14とを区画している。ダイニング空間12には、例えば、食卓が設けられ、家族が食事をすることができる。キッチン空間13は、公知の構成が採用される。リビング空間14には、例えば、ソファや机が設けられ、家族及び来客が寛ぐことができる。
【0028】
[ペット飼育ユニット11]
図2に示されるように、ペット飼育ユニット11は、前方が開口する箱型の枠体21と、枠体21の後方の直方体22と、枠体21の上方のステップ23と、枠体21の右方の直方体24と、直方体24の後方の直方体25と、枠体21の後方のソファ26と、を有する。なお、ペット飼育ユニット11及びペット飼育ユニット11の構成部材は、ペットの種類や大きさ等に応じて、適宜寸法や素材を変更させることができる。本発明におけるソファとは、座面や背もたれにコイルスプリングやポリウレタン、綿(わた)等が入れられており、表面に布や革などが張られた、ヒトが寛ぐための椅子を指す。本発明における椅子とは、ヒトが腰掛けて、座位(座った姿勢)を維持することが可能な道具類を指す。ソファ26は、椅子の一例である。
【0029】
[枠体21]
図2及び
図3に示されるように、枠体21は、底板31と、左端の側板32と、右端の側板33と、後方の背板34と、前方の前板35と、仕切板36と、天板37と、を有する。底板31、側板32、33、背板34、前板35、仕切板36及び天板37は、矩形の平板である。なお、底板31、側板33、背板34、仕切板36及び天板37は、複数の板材の一例である。背板34は、縦板材の一例である。
【0030】
底板31は、枠体21の底を構成する。底板31は、例えば、床の上に載置される。側板32及び側板33は、枠体21の左右端の外郭を構成する。側板32と側板33とは、互いの内面が対向している。側板32の下端は、底板31の左端と接合している。側板33の下端は、底板31の右端と接合している。
【0031】
背板34は、枠体21の後端の外郭を構成する。背板34の下端は、底板31と接合している。背板34の左端は、側板32の後端と接合している。背板34の右端は、側板33の後端と接合している。背板34は、上下方向7の中央より上方であって、左右方向9の中央より左方の位置に前後方向8に貫通する円形の貫通孔41を有する。貫通孔41の直径は、猫が通過できる程度の大きさとされる。なお、猫は、ペットの一例である。
【0032】
前板35及び仕切板36は、枠体21の内側に柱17が挿通する内部空間を形成する。柱17は、例えば、住宅の構造部材である。前板35と背板34は、互いの内面が対向している。前板35は、貫通孔41と前後方向8において重なる位置より左方に位置する。前板35の下端は、底板31の前端であって左端側と接合している。前板35の左端は、側板32の前端と接合している。
【0033】
仕切板36は、貫通孔41より左方に位置する。仕切板36の下端は、底板31の左右方向9における中央より左端側と接合している。仕切板36の前端は、前板35の右端と接合している。仕切板36の後端は、背板34の左右方向9の中央より左方において背板34と接合している。仕切板36の左側の最大面は、側板32の内面と対向しており、仕切板36の右側の最大面は、側板33の内面と対向している。仕切板36は、例えば、右側の最大面に前後方向8に沿って延びる溝が上下に複数設けられる。仕切板36の溝によって、猫が爪を研ぐことができる。
【0034】
天板37は、枠体21の天井を構成する。天板37は、底板31と上下に重なる位置に設けられる。天板37の下面は、底板31の上面と対向する。天板37の下面は、側板32、33、背板34、前板35及び仕切板36の上端と接合している。天板37は、前後方向8及び左右方向9の中央に上下方向7に沿って貫通する円形の貫通孔42を有する。貫通孔42の直径は、猫が通過できる程度の大きさとされる。天板37の上面には、猫用の滑り止めとして、例えば、キャンバス生地やフェルト生地等が貼り付けられることが好ましい。
【0035】
枠体21は、底板31、側板33、背板34、仕切板36及び天板37によって囲まれており、かつ前方が開口された空間43を有する。空間43に対して、背板34は、枠体21の前方の開口と反対側に位置する。換言すれば、背板34は、空間43の終面を区画している。空間43は、猫が運動する空間として形成される。ダイニング空間12は、空間43の開口側に位置している。なお、空間43は、第1空間の一例である。なお、
図3には、空間43を使用する猫の一例が示されている。
【0036】
図3及び
図4に示されるように、枠体21の空間43には、背板34から前方へ突出する15本の棒材44が設けられる。各棒材44は、前後方向8に沿った長さが等しい。各棒材44の前端は、底板31及び天板37の前端より後方に位置する。
【0037】
棒材44は、例えば、3本が上下方向7に沿って等間隔に並んで、5本が左右方向9に沿って等間隔に並んで位置する。各棒材44は、上下方向7及び左右方向9における間隔が、成体である猫の体長より短く、かつ猫の体長の半分より長いことが好ましい。貫通孔41は、棒材44の最も左上の1本とその右隣の1本との間であって、やや上方に位置する。
【0038】
最も下方の棒材44と底板31との上下方向7に沿った距離は、上下に隣り合う2本の棒材44同士の上下方向7に沿った距離と同じである。最も上方の棒材44と天板37との上下方向7に沿った距離は、上下に隣り合う2本の棒材44の上下方向7に沿った距離よりやや短い。最も左方の棒材44と仕切板36との左右方向9に沿った距離は、左右に隣り合う2本の棒材44の左右方向9に沿った距離の半分程度である。最も右方の棒材44と側板33との左右方向9に沿った距離は、左右に隣り合う2本の棒材44の左右方向9に沿った距離の半分程度である。猫は、各棒材44の間、底板31と棒材44との間、天板37と棒材44との間、仕切板36と棒材44との間、及び側板33と棒材44との間を通ることができる。
【0039】
図5に示されるように、棒材44は、周囲に紐45が、例えば前後方向8の沿った軸線周りに螺旋状に巻き付けられている。紐45は、例えば、麻紐である。
【0040】
図3及び
図5に示されるように、棒材44は、横断面が円形の棒材44Aと、横断面が左右方向9に沿って長軸が延びる楕円形の棒材44Bとを含んだ総称である。棒材44Aは、例えば、13本である。棒材44Bは、例えば、2本である。棒材44Bは、例えば、下段の左から2本目の棒材44と、上段の右から2本目の棒材44に位置する。
【0041】
相互に隣り合う2本の棒材44には、例えば、左右方向9の中央が垂れ下がるように布46が張られてもよい。布46は、左右の両端が前後方向8に沿って延びる筒状であり、その筒状の内部空間に棒材44Aがそれぞれ挿入されている。布46は、例えば、キャンバス生地である。
【0042】
[直方体22]
図2、
図6及び
図7に示されるように、直方体22は、枠体21の左側の後方に左端が合わされて配されている。直方体22は、上下方向7に沿った長さ寸法が枠体21の上下方向7に沿った長さ寸法と同じである。直方体22は、上端の上下方向7に沿った位置が枠体21の上端の上下方向7に沿った位置と合わされている。直方体22は、前後方向8及び左右方向9に沿った長さ寸法が成体である猫の体長よりやや長い程度とされることが好ましい。直方体22の左右方向9に沿った長さ寸法は、例えば、直方体22の前後方向8に沿った長さ寸法より長い。なお、
図6では、直方体25が省略されている。
【0043】
直方体22は、底板51と、前端の側板52と、後端の側板53と、右端の背板54と、天板55と、直方体22の内部空間を区画する仕切板56と、左端の扉57、58と、を有する。底板51、側板52、53、背板54、天板55、仕切板56は、及び扉57、58は、矩形の平板である。なお、側板52は、複数の板材の一例である。
【0044】
底板51は、直方体22の底を構成する。底板51は、例えば、床の上に載置される。側板52及び側板53は、直方体22の前後端の外郭を構成する。
【0045】
側板52と側板53とは、互いの内面が対向している。側板52の下端は、底板51の前端と接合している。側板52は、枠体21の背板34と前後に重ね合わされる。側板52は、背板34と接合により一体とされている。これにより、空間43の後方は、背板34と側板52が合わされた1つの板材によって区画されている。
【0046】
側板52は、上下方向7の中央より上方であって、左右方向9の中央より右方の位置に前後方向8に貫通する円形の貫通孔61を有する。貫通孔61の直径は、猫が通過できる程度の大きさとされる。貫通孔61は、貫通孔41の全部と前後において重なる。貫通孔61と貫通孔41とは、前後において重ねられることで1つの貫通孔を形成しているといえる。側板53の下端は、底板51の後端と接合している。なお、前後に重ねられ一体とされた貫通孔41と貫通孔61は、第1貫通孔の一例である。
【0047】
背板54は、直方体22の右端の外郭を構成する。背板54の下端は、底板51と接合している。背板54の前端は、側板52の右端と接合している。背板54の後端は、側板53の右端と接合している。
【0048】
天板55は、直方体22の天井を構成する。天板55は、底板51と上下に重なる位置に設けられる。天板55の下面は、底板51の上面と対向する。天板55の下面は、側板52、53及び背板54の上端と接合している。天板55の上面には、猫用の滑り止めとして、キャンバス生地等が貼り付けられてもよい。
【0049】
仕切板56は、2枚が用いられ、直方体22の内部空間を上下に並ぶ3つの空間63、64、65に区画する。各仕切板56は、前後方向8及び左右方向9に沿う。空間63、64、65は、上下方向7に沿った長さ寸法が同程度である。なお、空間63は、第2空間の一例である。空間65は、第3空間の一例である。
【0050】
空間63は、空間64及び空間65の上方に位置する。空間63は、例えば、猫用の寝床として使用される。空間64は、空間63と空間65との間に位置する。空間64は、例えば、猫用品の収納空間として使用される。空間65は、空間63及び空間64の下方に位置する。空間65は、例えば、猫用トイレとして使用される。なお、
図6では、空間63に配された猫用ベッド及び猫、空間65に配された猫用トイレが破線で示されている。
【0051】
扉57、58は、閉じられた閉姿勢において直方体22の左端の外郭を構成する。扉57は、空間63及び空間64を同時に開閉する。扉58は、空間65を開閉する。側板53には、例えば、プッシュラッチまたはマグネットラッチ等(不図示)が扉57、58毎に取り付けられている。扉57及び扉58を閉めた際には、例えば、扉57及び扉58の最大面が前後方向8に沿うように、扉57及び扉58が固定される。扉58は、上下方向7の中央かつ前後方向8の中央より後方に左右方向9に貫通する円形の貫通孔66を有する。なお、貫通孔66は、第2貫通孔の一例である。
【0052】
空間63は、上方の仕切板56、側板52、53、背板54、天板55及び扉57によって外部と区画されている。側板52は、背板34と一体とされているため、空間63の前方は、側板52及び背板34によって区画されているといえる。空間63は、貫通孔41及び貫通孔61を介して空間43と連通する。空間64は、2枚の仕切板56、側板52、53、背板54及び扉57によって外部と区画されている。扉57が開けられた開姿勢において、空間63及び空間64の左方が開口される。
【0053】
空間65は、底板51、側板52、53、背板54、下方の仕切板56、扉58によって外部と区画されている。扉58が閉姿勢であるとき、空間65は、貫通孔61を介して外部と連通する。扉58が開けられた開姿勢において、空間65の左方が開口される。なお、扉58が開けられた姿勢において、空間65と空間43とは直接連通されていない。直接連通とは、空間同士が、他の空間を介さずに繋がっていることをいう。
【0054】
[ステップ23]
図2~
図3、
図6及び
図7に示されるように、ステップ23は、猫がより上方へ登るために設けられる。ステップ23は、4つの枠71、72、73、74を有する。各枠71、72、73、74の正面視はいずれも正方形である。各枠71、72、73、74の前後方向8における長さ寸法は、猫が載れる程度の長さとされる。なお、各枠71、72、73、74の正面視はそれぞれ長方形であってもよい。
【0055】
枠71は、上下方向7及び左右方向9における長さ寸法が枠72、73、74の上下方向7及び左右方向9における長さ寸法より長い。枠71は、天板37の上に載せられて接着剤等で天板37に固定される。枠71は、貫通孔42と天板37の右端との中央よりやや貫通孔42寄りに配される。枠72は、上下方向7及び左右方向9における長さ寸法が枠71の上下方向7及び左右方向9における長さ寸法の半分程である。枠72の上下方向7における長さ寸法は、猫が天板37から枠72の上に飛び乗れる程度とされる。枠72は、天板37の上に載せられて接着剤等で天板37に固定される。枠72は、右端が天板37の右端と合わせられて配される。
【0056】
枠73は、上下方向7及び左右方向9における長さ寸法が枠71の上下方向7及び左右方向9における長さ寸法より短く、枠72の上下方向7及び左右方向9における長さ寸法より長い。枠73は、上下方向7に沿う左端の平板の上下方向7の中央と、左右方向9に沿う下端の平板の左右方向9の中央とが、前端から一部切り欠かれている。枠73は、当該切り欠きに枠71の左右方向9に沿う上端の平板及び上下方向7に沿う右端の平板が嵌められて、枠71と接合している。枠73の右端の一部は、枠72の上端上に載せられて接着剤等で枠72と固定される。
【0057】
枠74は、上下方向7及び左右方向9における長さ寸法が枠72の上下方向7及び左右方向9における長さ寸法と同程度である。枠74の後端は、枠73の上に載せられる。枠74は、接着剤等で枠73と接合している。
【0058】
[直方体24]
図2及び
図3に示されるように、直方体24は、例えば、柱18が挿通される挿通部24Aと、上下五段の扉付きの棚24Bと、を有する。挿通部24Aは、複数の平板によって柱18が挿通する内部空間を有する。柱18は、例えば、住宅の構造部材である。棚24Bは、内部に収納空間を有する。棚24Bの扉は、開くことで収納空間を前方に開口する。棚24Bは、公知の構造が採用される。棚24Bの収納空間には、例えば、ダイニング空間12で用いられる文房具やヒト用の爪切り、ヒト用の保湿クリーム等のヒトの日用品が収納される。直方体24の左端は、枠体21の側板33とビス等で固定されている。
【0059】
[直方体25]
直方体25は、内部空間に棚が配置された扉付きの収納空間を区画する。
図2、
図4及び
図7に示されるように、直方体25は、右端が直方体24の右端と合わされて直方体24の後方に配される。直方体25は、平面視において前後に長尺である。直方体25は、例えば、上下六段の扉付きの棚である。直方体25の内部空間は収納空間である。直方体25の扉が開くと、収納空間が右方へ向かって開口する。直方体25は、公知の構造が採用される。直方体25の収納空間には、例えば、屋外で使用される運動用具やキャンプ用品等が収納される。直方体25の前端は、直方体24の後端とビス等で固定されている。
【0060】
[ソファ26]
図2、
図4及び
図7に示されるように、ソファ26は、枠体21及び直方体24を背にして配される。ソファ26は、背板34に対して空間43と反対側に位置する。すなわち、リビング空間14は、ペット飼育ユニット11のソファ26側に位置する。ソファ26は、支持部81と、座部82と、背部83と、を有する。支持部81は、座部82を支持する。支持部81は、例えば、上下に開口する平面視矩形の箱型状である。
【0061】
座部82は、例えば、前後方向8及び左右方向9に沿う平板の上にクッション体が固定されている。背部83は、クッション体からなり背板34の後面及び直方体24の後面に固定されている。背部83は、左端が直方体22の右端と当接し、右端が直方体25の左端と当接する。なお、本明細書におけるクッション体は、例えば、クッション材と、クッション材を被覆するカバー材(クッションカバー)とから構成されている。クッション材は、例えば、ウレタンフォームにより形成され、カバー材は、例えば、布地の織物により形成されている。
【0062】
[本実施形態の作用効果]
本実施形態では、15本の棒材44が上下方向7に沿う背板34から前後方向8に突出するため、猫は、棒材44を移動の拠点として使って運動することができる。空間63は、背板34を貫通する貫通孔41及び側板52を貫通する貫通孔61によって空間43と連通しているため、猫は、貫通孔41及び貫通孔61を通り空間43と空間63とを行き来することができる。
【0063】
また、猫は、空間63から貫通孔41及び貫通孔61を介して空間43を覗くことができ、家族の気配を感じて安心したり苦手なヒト等の有無を確認したりできる。また、猫は、空間43から貫通孔41及び貫通孔61を介して空間63に移動することで、空間43側、つまりダイニング空間12にいる苦手なヒト等から身を隠すことができる。
【0064】
また、空間43及び空間63はダイニング空間12側に開口しているため、猫は、テラス16及び後方の戸を介してリビング空間14に訪れる客から身を隠しつつ睡眠や運動をすることができる。また、ダイニング空間12に集まる家族は、空間63と空間43を移動する猫や空間43で運動する猫を眺めることができる。
【0065】
これらより、猫のストレスを減らすことができ、ペット飼育ユニット11を猫にとって安心できる居所とすることができる。また、猫がダイニング空間12とリビング空間14を区画するペット飼育ユニット11で生活することができるため、家族が猫の存在を感じることができる。また、ペット飼育ユニット11は、リビング空間14側にソファ26を備えるため、ペット飼育ユニット11をリビング空間14側においても使用することができる。
【0066】
また、扉58は、閉姿勢において空間65と外部とを連通する貫通孔66を有するため、猫が貫通孔66を介して外部と空間65を行き来することができる。また、空間65を猫用トイレとして使用した場合、扉58を閉姿勢としておくことで、空間65を外部から隠すことができ、空間65を掃除するとき、扉58を開姿勢とすることで、作業性を良くすることができる。また、扉58を閉姿勢としておくことで、猫用トイレ内に敷かれた猫砂が空間65から出ることを抑制することができる。
【0067】
また、空間65が空間63より下方に位置するため、外部と空間65までのペットの動線を短くすることができる。また、空間63が空間64及び空間65より上方に位置するため、空間63をより高いところを好む猫の習性に適したものとすることができる。
【0068】
また、扉57を閉姿勢とすることで、猫は空間63内に身を隠すことができ、開姿勢とすることで、空間63を外部に開口させることができる。また、扉57が閉姿勢であるとき、空間63内は、外部と比較して暗くなるため、暗所を好む猫の習性に適したものとすることができる。
【0069】
また、棒材44が上下方向7及び左右方向9に並ぶため、棒材44から棒材44への猫の移動において、斜め上や斜め下といった斜め方向の移動が妨げられない。
【0070】
また、棒材44の一部を横断面が円形の棒材44Aとすることによって、棒材44自体が猫の上下運動の妨げとなることを抑制することができる。棒材44の一部を横断面が左右方向9に沿って長軸が延びる楕円形の棒材44Bとすることによって、猫が一時的に座る場所を設けることができる。
【0071】
また、棒材44は、外周面に紐45が巻かれているため、猫が爪を引っかけることができ、移動する猫が棒材44において滑ることが抑制される。
【0072】
また、布46は、貫通孔41の下方に位置するため、空間63から空間43へ移動する猫が貫通孔41から底板31へ落下することが防がれる。
【0073】
また、ステップ23は、枠73が枠71及び枠72と左右方向9において重なっていない部分を有するため、猫が当該部分を利用して左右方向9に移動することで枠71又は枠72と枠73との間を移動することができる。また、枠74が枠73と左右方向9において重なっていない部分を有するため、猫が枠73の上から枠74内に移動することができる。また、ステップ23は、上下方向7における長さ寸法において、枠72が枠71の半分であり、枠73が枠71より短くかつ枠72より長く、枠74が枠72と同程度であるため、猫が枠72、枠71、枠73、枠74の順で各枠71、72、73、74の上を移動し登ることができる。
【0074】
また、ペット飼育ユニット11は、猫用品の収納空間として使用される空間64及びヒトの日用品が収納される棚24Bの収納空間を有しているため、猫用品とヒトの日用品を分けて収納することができる。また、空間64を開閉する扉57、棚24Bの収納空間を開閉する扉がそれぞれ設けられているため、空間64及び棚24Bの収納空間に猫が入ることを抑制することができ、それにより、収納物が猫に移動されること及び収納物によって猫が怪我することを抑制することができる。
【0075】
[変形例]
上記実施形態では、ソファ26が用いられたが、ソファ26に代えて直方体27が用いられてもよい。
図8に示されるように、直方体27は、平面視において前後に長尺である。直方体27は、例えば、上下五段の扉付きの棚である。直方体27は、内部に収納空間85を有する。収納空間85は、直方体27の扉が開かれることで後方に開口される。なお、直方体27は、収納空間を有する公知の構造が用いられてもよい。直方体27の収納空間85には、例えば、リビング空間14で使用されるゲーム機や本等が収納される。
【0076】
また、ソファ26は、支持部81の内部空間が収納空間とされてもよい。このとき、座部82が支持部81の上から除かれることによって、支持部81の上方が開口される。また、ソファ26と直方体27とが左右方向9に並べられてもよい。
【0077】
上記実施形態では、リビングダイニング構造10がペット飼育ユニット11を有していたが、ペット飼育ユニット11は、ダイニング空間12又はリビング空間14に配されずともよく、その他の居住空間に配されてもよい。
【0078】
また、直方体22は、枠体21の後方に配されたが左方や右方に配されてもよい。このとき、貫通孔41は、側板32や側板33に設けられる。
【0079】
上記実施形態では、側板52が用いられ、背板34と一体とされたが、側板52が用いられずともよい。すなわち、空間43の後方は、背板34によって区画されてもよい。このとき、直方体22の前方は、背板34に塞がれる。扉57及び扉58は、背板54の後面に接合されてもよい。また、底板51、背板54及び天板37の前端は、背板34の後面と接合される。また、貫通孔41が第1貫通孔の一例となる。
【0080】
また、棒材44A及び棒材44Bの一方は、用いられずともよく、棒材44A又は棒材44Bの一方のみが用いられてもよい。また、棒材44A又は棒材44Bは、横断面が矩形の板材であってもよい。このとき、当該板材は、最大面が前後方向8及び左右方向に沿うことが好ましい。また、棒材44は、15本が上下方向7及び左右方向9にそれぞれ並んで位置したが、2本以上が背板34から前方へ突出していればよく、相互に隣り合う棒材44が等間隔でなくともよい。
【0081】
また、棒材44は、周囲に紐45が巻かれておらずともよい。このとき、棒材44は、外周に環状の溝又は前後方向8に沿った直線状の溝が複数設けられてもよい。
【0082】
また、貫通孔41及び貫通孔61は、背板34の上下方向7の中央より下方に設けられていてもよい。このとき、空間43は、空間64又は空間65と連通してもよい。また、空間64及び空間65は、設けられずともよい。
【0083】
また、扉57は、空間63のみを開閉してもよい。このとき、空間64を開閉する扉が設けられてもよい。また、扉57、58は、設けられずともよい。扉58は、設けられず、代わりに引き出しとされてもよい。また、貫通孔66は、設けられずともよい。また、扉57、58は、用いられず、代わりに1枚の扉が用いられてもよい。このとき、当該扉は、空間63、64、65を同時に開閉してもよい。
【0084】
また、枠体21は、前板35及び仕切板36を有しておらずともよい。このとき、側板32の内面は、前後方向8に沿って延びる溝が上下に複数有していてもよい。また、柱17は、枠体21を上下に貫通しておらずともよい。
【0085】
また、枠体21は、前方が開口されたが、左方や右方が開口されてもよい。このとき、前方には板材が設けられて塞がれる。枠体21の左方が開口されるとき、側板32、柱17、前板35及び仕切板36は、設けられない。枠体21の右方が開口されるとき、直方体24及び柱18は、設けられない。
【0086】
また、ステップ23、直方体24及び直方体25は、設けられずともよい。
【符号の説明】
【0087】
7・・・上下方向(鉛直方向)
8・・・前後方向(水平方向)
9・・・左右方向(水平方向)
10・・・リビングダイニング構造
11・・・ペット飼育ユニット
12・・・ダイニング空間
14・・・リビング空間
26・・・ソファ(椅子)
34・・・背板(縦板材)
41、61・・・貫通孔(第1貫通孔)
43・・・空間(第1空間)
44・・・棒材
44A、44B・・・棒材
45・・・紐
52・・・側板
57、58・・・扉
63・・・空間(第2空間)
65・・・空間(第3空間)
66・・・貫通孔(第2貫通孔)
85・・・収納空間