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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022093800
(43)【公開日】2022-06-24
(54)【発明の名称】加熱装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 3/00 20060101AFI20220617BHJP
【FI】
H05B3/00 345
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020206466
(22)【出願日】2020-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】591148174
【氏名又は名称】日精オーバル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108442
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義孝
(72)【発明者】
【氏名】山元 倫浩
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】中島 正尭
【テーマコード(参考)】
3K058
【Fターム(参考)】
3K058AA22
3K058BA16
3K058CE17
3K058EA02
(57)【要約】
【課題】ヒーターエレメントの損傷を防ぐことができ、ヒーターエレメントの機能の低下や故障を防ぐことができるとともに、ヒーターエレメントの長期間の利用を可能にすることができる加熱装置を提供する。
【解決手段】加熱装置10は、赤外線を放射する一方向へ長いヒーターエレメント11と、ヒーターエレメント11の周囲を囲む反射構造物12とから形成されている。反射構造物12は、ヒーターエレメント11をその頂部中心に配置してヒーターエレメント11から放射された赤外線をヒーターエレメント11から任意の距離離間した所定面積の被加熱エリアに向かって反射する内周面23と、ヒーターエレメント11の反対側に開口する赤外線放射口24とを備えている。加熱装置10では、ヒーターエレメント11の外周面全域が石英ガラスから作られた一方向へ長いシース管13に包被・保護されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤外線を放射する一方向へ長いヒーターエレメントと、前記ヒーターエレメントの周囲を囲む反射構造物とから形成され、前記反射構造物が、前記ヒーターエレメントをその頂部中心に配置して該ヒーターエレメントから放射された赤外線を該ヒーターエレメントから任意の距離離間した所定面積の被加熱エリアに向かって反射する内周面と、前記ヒーターエレメントの反対側に開口する赤外線放射口とを備え、前記ヒーターエレメントから前記被加熱エリアに向かって直接照射される第1赤外線と、前記反射構造物の内周面で反射して前記被加熱エリアに向かって間接的に照射される第2赤外線とによって該被加熱エリアを加熱する加熱装置において、
前記加熱装置が、石英ガラスから作られて前記ヒーターエレメントの外周面全域を包被・保護する一方向へ長いシース管を有することを特徴とする加熱装置。
【請求項2】
前記反射構造物が、前記ヒーターエレメントの周り方向へ弧を画いて一方向へ延びる反射フードと、前記反射フードの一方の開口端に配置されて前記赤外線放射口から前記反射フードの他方の開口端に向かって登り勾配に傾斜し、前記ヒーターエレメント及び前記シース管の一方の端部を挿入する第1挿入口を備えた第1側面反射板と、前記第1側面反射板の外面に配置されて前記ヒーターエレメントの一方の端部を挿入する第1ガイドプレートと、前記第1ガイドプレートの外面に配置されて前記ヒーターエレメントの一方の端部を固定する第1ロックプレートと、前記他方の開口端に配置されて前記赤外線放射口から前記一方の開口端に向かって登り勾配に傾斜し、前記ヒーターエレメント及び前記シース管の他方の端部を挿入する第2挿入口を備えた第2側面反射板と、前記第2側面反射板の外面に配置されて前記ヒーターエレメントの他方の端部を挿入する第2ガイドプレートと、前記第2ガイドプレートの外面に配置されて前記ヒーターエレメントの他方の端部を固定する第2ロックプレートとを含む請求項2に記載の加熱装置。
【請求項3】
前記第1ガイドプレートが、前記第1挿入口の下方に延びる前記第1側面反射板に固定された第1固定端部と、前記第1固定端部から上方へ略垂直に延びていて前記ヒーターエレメントの一方の端部を挿脱可能な第3挿入口を有する第1自由部とから形成され、前記第1ロックプレートが、前記第3挿入口の上方に延びる前記第1ガイドプレートに固定された第2固定端部と、前記第2固定端部から下方へ略垂直に延びていて前記ヒーターエレメントの一方の端部を挟み込む第1挟持口を有する第2自由部とから形成され、前記第2ガイドプレートが、前記第2挿入口の下方に延びる前記第2側面反射板に固定された第3固定端部と、前記第3固定端部から上方へ略垂直に延びていて前記ヒーターエレメントの他方の端部を挿脱可能な第4挿入口を有する第3自由部とから形成され、前記第2ロックプレートが、前記第4挿入口の上方に延びる前記第2ガイドプレートに固定された第4固定端部と、前記第4固定端部から下方へ略垂直に延びていて前記ヒーターエレメントの他方の端部を挟み込む第2挟持口を有する第4自由部とから形成されている請求項2に記載の加熱装置。
【請求項4】
前記加熱装置が、前記反射フードと前記第1及び第2側面反射板との外側に配置されたカバー部材を含み、前記カバー部材が、前記反射フードの外周面を包被して一方向へ延びるフードカバーと、前記第1ガイドプレート及び前記第1ロックプレートの一方向外側に位置して前記フードカバーの一方の開口端に連結された第1側面プレートと、前記第2ガイドプレート及び前記第2ロックプレートの一方向外側に位置して前記フードカバーの他方の開口端に連結された第2側面プレートとから形成され、前記フードカバーが、その頂部に形成されて一方向へ延びる頂部開口と、前記頂部開口を開閉する頂部プレートとを有し、前記ヒーターエレメントの交換作業を行う第1作業空間が、前記第1側面反射板と前記第1側面プレートとの間に形成され、前記ヒーターエレメントの交換作業を行う第2作業空間が、前記第2側面反射板と前記第2側面プレートとの間に形成されている請求項2又は請求項3に記載の加熱装置。
【請求項5】
前記第1側面プレートが、前記ヒーターエレメントを前記シース管から引き出し可能かつ該ヒーターエレメントを該シース管に挿入可能な第1開口と、前記第1開口を開閉する第1蓋プレートとを有し、前記第2側面プレートが、前記ヒーターエレメントを前記シース管から引き出し可能かつ該ヒーターエレメントを該シース管に挿入可能な第2開口と、前記第2開口を開閉する第2蓋プレートとを有する請求項4に記載の加熱装置。
【請求項6】
前記加熱装置が、前記第1側面反射板と前記第1側面プレートとの間に配置されて一方向へ延びる第1押さえプレートと、前記第2側面反射板と前記第2側面プレートとの間に配置されて一方向へ延びる第2押さえプレートとを含む請求項4又は請求項5に記載の加熱装置。
【請求項7】
前記カバー部材が、前記フードカバーに取り付けられて一方向へ延びる第1フックプレートを含み、前記加熱装置が、設置架台を利用して所定の箇所に揺動可能に設置され、前記設置架台が、一方向へ所定寸法離間した状態で前記所定の箇所に取り付けられる第1及び第2ハンガープレートと、前記第1及び第2ハンガープレートの間に位置して一方向へ延びていて該第1及び第2ハンガープレートに揺動可能に支持された第2フックプレートとを有し、前記加熱装置では、前記第1フックプレートを前記第2フックプレートに係合させることで、該加熱装置が前記所定の箇所に揺動可能に設置される請求項4ないし請求項6いずれかに記載の加熱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒーターエレメントから放射された赤外線を利用し、ヒーターエレメントから任意の距離離間した所定面積の被加熱エリアを加熱する加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
赤外線を放射する一方向へ長いヒーターエレメントと、ヒーターエレメントから放射された赤外線を反射する反射構造物とを備え、ヒーターエレメントから放射された赤外線を所定面積の被加熱エリアに照射して被加熱エリアを加熱する加熱装置が開示されている(特許文献1参照)。加熱装置の反射構造物は、ヒーターエレメントの周り方向外方に位置して一方向へ延びていて、ヒーターエレメントの周り方向へ弧を画いてヒーターエレメントの外周面を覆う第1反射板と、ヒーターエレメントの一方向両側に位置 して一方向と交差する水平方向へ延びていて、ヒーターエレメントの径方向へ弧を画いて第1反射壁の両端開口を覆おう第2反射板とから形成されている。
【0003】
第1反射板は、ヒーターエレメントの軸方向中心と被加熱エリアの第1端縁とを結ぶ第1区画線の内側に赤外線を照射し、第1区画線の内側に照射される赤外線の強度が略均一に分布する曲面形状に成形されている。第2反射板は、その径方向への延出寸法が第1反射板の周り方向への延出寸法よりも大きく、ヒーターエレメントの径方向中心と被加熱エリアの第2端縁とを結ぶ第2区画線の内側に赤外線を照射し、第2区画線の内側に照射される赤外線の強度が略均一に分布する曲面形状に成形されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-48917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1に開示の加熱装置が例えば道路に溜まった雪の融解に利用された場合、加熱装置の赤外線放射口を道路の被加熱エリアに向けた状態で、加熱装置が所定の固定手段によって道路の上方に設置され、ヒーターエレメントや第1及び第2反射板から照射された赤外線で道路に溜まった雪を融かす。しかし、雪の半融解時に道路を走行する車両のタイヤによって半融解したシャーベット状の雪が跳ね上げられ、跳ね上げられたシャーベット状の雪が第1反射プレートの内側に露出するヒーターエレメントに衝突し、衝突したその雪によってヒーターエレメントが損傷することで、ヒーターエレメントを長期間利用することができない場合がある。ヒーターエレメントが損傷すると、ヒーターエレメントによって被加熱エリアを加熱することができず、道路に溜まった(積もった)シャーベット状の雪を解かすことができない。
【0006】
尚、損傷したヒーターエレメントを交換する場合、道路の上方に設置した加熱装置を一旦地上に降ろした後、加熱装置に取り付けられたヒーターエレメントを交換し、ヒーターエレメントを交換した加熱装置を再び道路の上方に設置しなければならず、ヒーターエレメントの交換作業に手間と時間とを要し、ヒーターエレメントの交換作業を手間を要せず短時間に効率よく行うことができない。
【0007】
本発明の目的は、ヒーターエレメントの損傷を防ぐことができ、ヒーターエレメントの長期間の利用を可能にすることができる加熱装置を提供することにある。本発明の他の目的は、ヒーターエレメントの交換作業を手間を要せず短時間に効率よく行うことができる加熱装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための本発明の前提は、赤外線を放射する一方向へ長いヒーターエレメントと、ヒーターエレメントの周囲を囲む反射構造物とから形成され、反射構造物が、ヒーターエレメントをその頂部中心に配置してヒーターエレメントから放射された赤外線をヒーターエレメントから任意の距離離間した所定面積の被加熱エリアに向かって反射する内周面と、ヒーターエレメントの反対側に開口する赤外線放射口とを備え、ヒーターエレメントから被加熱エリアに向かって直接照射される第1赤外線と、反射構造物の内周面で反射して被加熱エリアに向かって間接的に照射される第2赤外線とによって被加熱エリアを加熱する加熱装置である。
【0009】
前記前提における本発明の特徴は、加熱装置が、石英ガラスから作られてヒーターエレメントの外周面全域を包被・保護する一方向へ長いシース管を有することにある。
【0010】
本発明の一例としては、反射構造物が、ヒーターエレメントの周り方向へ弧を画いて一方向へ延びる反射フードと、反射フードの一方の開口端に配置されて赤外線放射口から反射フードの他方の開口端に向かって登り勾配に傾斜し、ヒーターエレメント及びシース管の一方の端部を挿入する第1挿入口を備えた第1側面反射板と、第1側面反射板の外面に配置されてヒーターエレメントの一方の端部を挿入する第1ガイドプレートと、第1ガイドプレートの外面に配置されてヒーターエレメントの一方の端部を固定する第1ロックプレートと、他方の開口端に配置されて赤外線放射口から一方の開口端に向かって登り勾配に傾斜し、ヒーターエレメント及びシース管の他方の端部を挿入する第2挿入口を備えた第2側面反射板と、第2側面反射板の外面に配置されてヒーターエレメントの他方の端部を挿入する第2ガイドプレートと、第2ガイドプレートの外面に配置されてヒーターエレメントの他方の端部を固定する第2ロックプレートとを含む。
【0011】
本発明の他の一例としては、第1ガイドプレートが、第1挿入口の下方に延びる第1側面反射板に固定された第1固定端部と、第1固定端部から上方へ略垂直に延びていてヒーターエレメントの一方の端部を挿脱可能な第3挿入口を有する第1自由部とから形成され、第1ロックプレートが、第3挿入口の上方に延びる第1ガイドプレートに固定された第2固定端部と、第2固定端部から下方へ略垂直に延びていてヒーターエレメントの一方の端部を挟み込む第1挟持口を有する第2自由部とから形成され、第2ガイドプレートが、第2挿入口の下方に延びる第2側面反射板に固定された第3固定端部と、第3固定端部から上方へ略垂直に延びていてヒーターエレメントの他方の端部を挿脱可能な第4挿入口を有する第3自由部とから形成され、第2ロックプレートが、第4挿入口の上方に延びる第2ガイドプレートに固定された第4固定端部と、第4固定端部から下方へ略垂直に延びていてヒーターエレメントの他方の端部を挟み込む第2挟持口を有する第4自由部とから形成されている。
【0012】
本発明の他の一例としては、加熱装置が、反射フードと第1及び第2側面反射板との外側に配置されたカバー部材を含み、カバー部材が、反射フードの外周面を包被して一方向へ延びるフードカバーと、第1ガイドプレート及び第1ロックプレートの一方向外側に位置してフードカバーの一方の開口端に連結された第1側面プレートと、第2ガイドプレート及び第2ロックプレートの一方向外側に位置してフードカバーの他方の開口端に連結された第2側面プレートとから形成され、フードカバーが、その頂部に形成されて一方向へ延びる頂部開口と、頂部開口を開閉する頂部プレートとを有し、ヒーターエレメントの交換作業を行う第1作業空間が、第1側面反射板と第1側面プレートとの間に形成され、ヒーターエレメントの交換作業を行う第2作業空間が、第2側面反射板と第2側面プレートとの間に形成されている。
【0013】
本発明の他の一例としては、第1側面プレートが、ヒーターエレメントをシース管から引き出し可能かつヒーターエレメントをシース管に挿入可能な第1開口と、第1開口を開閉する第1蓋プレートとを有し、第2側面プレートが、ヒーターエレメントをシース管から引き出し可能かつヒーターエレメントをシース管に挿入可能な第2開口と、第2開口を開閉する第2蓋プレートとを有する。
【0014】
本発明の他の一例としては、加熱装置が、第1側面反射板と第1側面プレートとの間に配置されて一方向へ延びる第1押さえプレートと、第2側面反射板と第2側面プレートとの間に配置されて一方向へ延びる第2押さえプレートとを含む。
【0015】
本発明の他の一例としては、カバー部材が、フードカバーに取り付けられて一方向へ延びる第1フックプレートを含み、加熱装置が、設置架台を利用して所定の箇所に揺動可能に設置され、設置架台が、一方向へ所定寸法離間した状態で所定の箇所に取り付けられる第1及び第2ハンガープレートと、第1及び第2ハンガープレートの間に位置して一方向へ延びていて第1及び第2ハンガープレートに揺動可能に支持された第2フックプレートとを有し、加熱装置では、第1フックプレートを第2フックプレートに係合させることで、加熱装置が所定の箇所に揺動可能に設置される。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る加熱装置によれば、ヒーターエレメントの外周面全域が石英ガラスから作られた一方向へ長いシース管によって包被・保護されているから、例えば、道路を走行する車両のタイヤによって跳ね上げられた半融解したシャーベット状の雪が加熱装置に向かって飛んだとしても、その雪がシース管に衝突し、その雪がヒーターエレメントに直接当たることはないから、ヒーターエレメントの損傷を防ぐことができ、ヒーターエレメントの長期間の利用を可能にすることができる。加熱装置は、ヒーターエレメントの損傷を防ぐことができるから、ヒーターエレメントを利用して被加熱エリアを加熱することができ、道路(被加熱エリア)に溜まった(積もった)シャーベット状の雪を解かすことができる。
【0017】
反射構造物が、ヒーターエレメントの周り方向へ弧を画いて一方向へ延びる反射フードと、反射フードの一方の開口端に配置されて赤外線放射口から反射フードの他方の開口端に向かって登り勾配に傾斜し、ヒーターエレメント及びシース管の一方の端部を挿入する第1挿入口を備えた第1側面反射板と、第1側面反射板の外面に配置されてヒーターエレメントの一方の端部を挿入する第1ガイドプレートと、第1ガイドプレートの外面に配置されてヒーターエレメントの一方の端部を固定する第1ロックプレートと、他方の開口端に配置されて赤外線放射口から一方の開口端に向かって登り勾配に傾斜し、ヒーターエレメント及びシース管の他方の端部を挿入する第2挿入口を備えた第2側面反射板と、第2側面反射板の外面に配置されてヒーターエレメントの他方の端部を挿入する第2ガイドプレートと、第2ガイドプレートの外面に配置されてヒーターエレメントの他方の端部を固定する第2ロックプレートとを含む加熱装置は、ヒーターエレメントから照射された赤外線が反射構造物の反射フードと第1側面反射板と第2側面反射板とによって反射して被加熱エリアに向かって照射されるから、ヒーターエレメントから被加熱エリアに向かって直接照射される第1赤外線と、反射構造物の反射フードや第1側面反射板、第2側面反射板(反射構造物の内周面)で反射して被加熱エリアに向かって間接的に照射される第2赤外線とによって被加熱エリアの全域を満遍なく加熱することができる。加熱装置は、ヒーターエレメントの一方の端部が第1ガイドプレートに挿入されるとともに第1ロックプレートに固定され、ヒーターエレメントの他方の端部が第2ガイドプレートに挿入されるとともに第2ロックプレートに固定されるから、反射フードの頂部中心であって反射フードの内側に配置されたヒーターエレメントが第1及び第2ガイドプレートや第1及び第2ロックプレートによって反射構造物に支持・固定され、ヒーターエレメントの反射構造物における遊動や反射構造物からの抜け落ちを防ぐことができ、ヒーターエレメントを利用して被加熱エリアを確実に加熱することができる。
【0018】
第1ガイドプレートが、第1挿入口の下方に延びる第1側面反射板に固定された第1固定端部と、第1固定端部から上方へ略垂直に延びていてヒーターエレメントの一方の端部を挿脱可能な第3挿入口を有する第1自由部とから形成され、第1ロックプレートが、第3挿入口の上方に延びる第1ガイドプレートに固定された第2固定端部と、第2固定端部から下方へ略垂直に延びていてヒーターエレメントの一方の端部を挟み込む第1挟持口を有する第2自由部とから形成され、第2ガイドプレートが、第2挿入口の下方に延びる第2側面反射板に固定された第3固定端部と、第3固定端部から上方へ略垂直に延びていてヒーターエレメントの他方の端部を挿脱可能な第4挿入口を有する第3自由部とから形成され、第2ロックプレートが、第4挿入口の上方に延びる第2ガイドプレートに固定された第4固定端部と、第4固定端部から下方へ略垂直に延びていてヒーターエレメントの他方の端部を挟み込む第2挟持口を有する第4自由部とから形成されている加熱装置は、ヒーターエレメントの一方の端部が第1ガイドプレートの第1自由部の第3挿入口に挿入されるとともに第1ロックプレートの第2自由部の第1挟持口に挟持され、ヒーターエレメントの他方の端部が第2ガイドプレートの第3自由部の第4挿入口に挿入されるとともに第2ロックプレートの第4自由部の第2挟持口に挟持されるから、反射フードの頂部中心であって反射フードの内側に配置されたヒーターエレメントが第1及び第2ガイドプレートの第1及び第3自由部の第3及び第4挿入口や第1及び第3挟持口によって反射構造物に支持・固定され、ヒーターエレメントの反射構造物における遊動や反射構造物からの抜け落ちを防ぐことができ、ヒーターエレメントを利用して被加熱エリアを確実に加熱することができる。
【0019】
反射フードと第1及び第2側面反射板との外側に配置されたカバー部材を含み、カバー部材が、反射フードの外周面を包被して一方向へ延びるフードカバーと、第1ガイドプレート及び第1ロックプレートの一方向外側に位置してフードカバーの一方の開口端に連結された第1側面プレートと、第2ガイドプレート及び第2ロックプレートの一方向外側に位置してフードカバーの他方の開口端に連結された第2側面プレートとを有し、フードカバーが、その頂部に形成されて一方向へ延びる頂部開口と、頂部開口を開閉する頂部プレートとを有し、ヒーターエレメントの交換作業を行う第1作業空間が第1側面反射板と第1側面プレートとの間に形成され、ヒーターエレメントの交換作業を行う第2作業空間が第2側面反射板と第2側面プレートとの間に形成されている加熱装置は、カバー部材のフードカバーや第1及び第2側面プレートによって反射構造物の外周面が包被されることで、カバー部材によって反射構造物の反射フードと第1及び第2側面反射板とが保護され、反射フードや第1及び第2側面反射板への外物の衝突を防ぐことができ、反射フードや第1及び第2側面反射板の損傷や変形を防ぐことができるとともに、反射フードや第1及び第2側面反射板によってヒーターエレメントから照射された赤外線を被加熱エリアに向かって確実に反射させることができる。加熱装置は、フードカバーの頂部に形成された頂部開口を開閉する頂部プレートを備え、頂部プレートを取り外すことで頂部開口を開放し、開放された頂部開口を利用して第1及び第2作業空間におけるヒーターエレメントの交換作業を行うことができ、ヒーターエレメントの交換作業を手間を要せず短時間に効率よく行うことができる。
【0020】
第1側面プレートが、ヒーターエレメントをシース管から引き出し可能かつヒーターエレメントをシース管に挿入可能な第1開口と、第1開口を開閉する第1蓋プレートとを有し、第2側面プレートが、ヒーターエレメントをシース管から引き出し可能かつヒーターエレメントをシース管に挿入可能な第2開口と、第2開口を開閉する第2蓋プレートとを有する加熱装置は、フードカバーの頂部に形成された頂部開口を開放し、第1及び第2作業空間において第1及び第2ロックプレートを取り外し、第1及び第2蓋プレートを取り外すことで第1及び第2引き出し開口を開放し、第1開口又は第2開口からヒーターエレメントを引き出すことで、使用済みのヒーターエレメントを加熱装置から取り出すことができ、新たなヒーターエレメントを第1開口又は第2開口からシース管に挿入することで、新たなヒーターエレメントを加熱装置に取り付けることができる。加熱装置は、それを高所から地上に降ろすことなくヒーターエレメントの交換作業を行うことができ、ヒーターエレメントの交換作業を手間を要せず短時間に効率よく行うことができる。
【0021】
第1側面反射板と第1側面プレートとの間に配置されて一方向へ延びる第1押さえプレートと、第2側面反射板と第2側面プレートとの間に配置されて一方向へ延びる第2押さえプレートとを含む加熱装置は、第1プレートが第1側面反射板の変形を防止し、第2押さえプレートが第2側面反射板の変形を防止するから、加熱装置の使用中に反射構造物の第1及び第2側面反射板が変形することはなく、ヒーターエレメントから照射された赤外線が第1及び第2側面反射板によって被加熱エリアに確実に反射され、ヒーターエレメントから被加熱エリアに向かって直接照射される第1赤外線と、反射構造物の反射フードや第1側面反射板、第2側面反射板(反射構造物の内周面)で反射して被加熱エリアに向かって間接的に照射される第2赤外線とによって被加熱エリアの全域を満遍なく加熱することができる。
【0022】
カバー部材が、フードカバーに取り付けられて一方向へ延びる第1フックプレートを含み、加熱装置が、設置架台を利用して所定の箇所に揺動可能に設置され、設置架台が、一方向へ所定寸法離間した状態で所定の箇所に取り付けられる第1及び第2ハンガープレートと、第1及び第2ハンガープレートの間に位置して一方向へ延びていて第1及び第2ハンガープレートに揺動可能に支持された第2フックプレートとを有し、第1フックプレートを第2フックプレートに係合させることで、加熱装置が所定の箇所に揺動可能に設置される加熱装置は、設置架台を利用して加熱装置を例えば道路(被加熱エリア)の側壁(所定の箇所)やトンネルの出入口近傍の内壁(所定の箇所)等に設置することができ、加熱装置によって道路に溜まったシャーベット状の雪を融かすことができる。加熱装置は、第1フックプレートと第2フックプレートとを係合させることで、加熱装置を設置架台に設置することができ、設置架台を利用することで加熱装置を例えば道路(被加熱エリア)の側壁(所定の箇所)やトンネルの出入口近傍の内壁(所定の箇所)等に容易に設置することができるとともに、それら箇所から容易に取り外すことができる。加熱装置は、第1及び第2ハンガープレートと第1及び第2ハンガープレートに揺動可能に支持された第2フックプレートとを利用し、加熱装置を例えば道路(被加熱エリア)の側壁(所定の箇所)やトンネルの出入口近傍の内壁(所定の箇所)等に揺動可能に設置することができるから、加熱装置の道路(被加熱エリア)に向かう赤外線放射口の角度を変えることができ、シャーベット状の雪が溜まった道路(被加熱エリア)を有効に加熱することができるとともに、加熱装置によって道路に溜まったその雪を確実に融かすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】一例として示す加熱装置の正面図。
図2】一例として示す反射フードの側面図。
図3】加熱装置の上面図。
図4】一例として示すカバー部材の正面図。
図5】第1側面プレートの一例を示すカバー部材の側面図。
図6】第2側面プレートの一例を示すカバー部材の側面図。
図7】加熱装置の底面図。
図8】第1ガイドプレート及び第1ロックプレートの一例を示す加熱装置の部分拡大図。
図9】第2ガイドプレート及び第2ロックプレートの一例を示す加熱装置の部分拡大図。
図10】一例として示す設置架台の斜視図。
図11】設置架台に設置された加熱装置の側面図。
図12】設置架台を利用して道路の上方に設置された加熱装置の側面図。
図13】ヒーターエレメントの交換作業を説明する加熱装置の部分拡大図。
図14図13から続くヒーターエレメントの交換作業を説明する加熱装置の部分拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
一例として示す加熱装置10の正面図である図1等の添付の図面を参照し、本発明にかかる加熱装置の詳細を説明すると、以下のとおりである。尚、図2は、一例として示す反射フード25の側面図であり、図3は、加熱装置10の上面図である。図4は、一例として示すカバー部材14の正面図であり、図5は、第1側面プレートの一例を示すカバー部材14の側面図である。図6は、第2側面プレートの一例を示すカバー部材14の側面図であり、図7は、加熱装置10の底面図である。図8は、第1ガイドプレート28及び第1ロックプレート30の一例を示す加熱装置10の部分拡大図であり、図9は、第2ガイドプレート29及び第2ロックプレート31の一例を示す加熱装置10の部分拡大図である。
【0025】
図1は、カバー部材14のフードカバーの一部を省略し、ヒーターエレメント11やシース管13を露出させた状態で示す。図2は、カバー部材14の第1側面プレート58、第1押さえプレート15を省略した状態で示す。図3は、頂部プレート62、第1及び第2側面プレート58,59、第1及び第2押さえプレート15,16を省略した状態で示す。図7は、第1及び第2押さえプレート15,16、第1及び第2ガイドプレート28,29、第1及び第2ロックプレート30,31、第1フックプレート60を省略した状態で示す。図1では、幅方向(一方向)を矢印Aで示し、上下方向を矢印Bで示す。図2では、前後方向を矢印Cで示し、周り方向を矢印Dで示す。
【0026】
加熱装置10は、赤外線を放射する幅方向(一方向)へ長いヒーターエレメント11(ヒーター管)と、ヒーターエレメント11の周囲を囲んで赤外線を反射する反射構造物12と、ヒーターエレメント11の外周面全域を包被・保護する幅方向(一方向)へ長いシース管13と、反射構造物12の外周面全域を包被・保護する幅方向(一方向)へ長いカバー部材14と、第1押さえプレート15及び第2押さえプレート16とから形成されている。
【0027】
加熱装置10は、所定の箇所に設置され、所定面積の被加熱エリアE(図12参照)に赤外線を照射し、被加熱エリアEを加熱する。被加熱エリアEに照射される赤外線には、ヒーターエレメント11から被加熱エリアEに直接照射される第1赤外線(直接照射赤外線)と、反射構造物12から被加熱エリアEに間接的に照射される第2赤外線(間接照射赤外線)とが含まれる。
【0028】
被加熱エリアEは、ヒーターエレメント11(ヒーター管)に最も近い中心エリアと、中心エリアの周り方向外方に位置する中間エリアと、中間エリアの周り方向外方に位置してヒーターエレメント11から最も遠い周縁エリアとに区分される。加熱装置10は、ヒーターエレメント11から被加熱エリアEの中心エリアと中間エリアと周縁エリアとに照射される第1および第2赤外線の平面放射強度がそれらエリアにおいて略均一になるように設計されている。
【0029】
ヒーターエレメント11(ヒーター管)には、ハロゲンヒーター、カーボンヒーター、シーズヒーターのいずれかを使用することができる。ヒーターエレメント11には、それに電気を供給する電線17が着脱可能に連結されている。尚、加熱装置10には、ヒーターエレメント11へ電気を供給する端子台(図示せず)やヒーターエレメント11の温度を調節するコントローラ(図示せず)、ヒーターエレメント11の稼働を知らせる運転表示ライト(図示せず)が設置されている。
【0030】
ヒーターエレメント11は、シース管13(パイプ)に挿脱可能に挿入され、その外周面全域がシース管13に包被されている。ヒーターエレメント11の両端部18,19には、ガイシ20が取り付けられている。ヒーターエレメント11は、その一方の端部18(ガイシ20)がシース管13の一方の端部21の幅方向外側に位置し、一方の端部18(ガイシ20)がシース管13の一方の端部21から外側に露出し、その他方の端部19(ガイシ20)がシース管13の他方の端部22の幅方向外側に位置し、他方の端部19(ガイシ20)がシース管13の他方の端部22から外側に露出している。
【0031】
ヒーターエレメント11(ヒーター管)としては、中空円筒状の石英ガラス管の内部にカーボンブレードを収容し、ガラス管内部に不活性ガスを封入したカーボンヒーターや中空円筒状の耐熱鋼の内部にニクロム線を収容し、そのニクロム線を絶縁物(酸化マグネシウム等)で包被した赤外線発生管を使用することができる。ヒーターエレメント11は、反射構造物12の内側であって反射構造物12の頂部中心(反射構造物12の内周面23の頂部中心)に配置されている。ヒーターエレメント11の温度は、コントローラによって設定温度に保持される。尚、ヒーターエレメント11を例示のそれに限定するものではなく、他のあらゆる構造のヒーターエレメント11を使用することができる。シース管13(パイプ)は、石英ガラスから作られ、所定厚みを有する中空円筒状に成形されている。
【0032】
反射構造物12は、赤外線を反射する内周面23と、赤外線放射口24とを備え、幅方向(一方向)へ延びる反射フード25と、第1側面反射板26及び第2側面反射板27と、第1ガイドプレート28及び第2ガイドプレート29と、第1ロックプレート30及び第2ロックプレート31とを有する。赤外線放射口24は、反射フード25の下端縁32と第1及び第2側面反射板26,27の下端縁33,34とに囲繞され、ヒーターエレメント11の反対側に開口して幅方向(一方向)へ延びている。
【0033】
反射フード25は、アルミやステンレス、合金等の金属から作られ、ヒーターエレメント11と平行するように幅方向(一方向)へ延びている。反射フード25の内側であってその頂部中心には、ヒーターエレメント11が配置されている。反射フード25は、その断面形状が湾曲形状に成形され、ヒーターエレメント11の外周面(周囲)を囲むように、ヒーターエレメント11の周り方向へ所定の曲率半径で円弧を画いている。反射フード25は、その内周面23(反射構造物12の内周面23)に鏡面加工が施され、その内周面23が所定の反射率を有する。
【0034】
反射フード25の内周面23は、被加熱エリアEに照射される第1および第2赤外線の強度の総和を中心エリアから周縁エリアに向かって次第に大きくするように、ヒーターエレメント11の周り方向外方へ向かって湾曲する形状に成形されている。反射フード25の内周面23は、ヒーターエレメント11から放射された赤外線をヒーターエレメント11から任意の距離離間した所定面積の被加熱エリアEの外周縁の内側に向かって反射する。
【0035】
第1側面反射板26は、アルミ板やステンレス板、合金板等の金属板から作られ、反射フード25の一方の開口端35に配置されている。第1側面反射板26は、赤外線放射口24から反射フード25の他方の開口端36に向かって幅方向(一方向)へ登り勾配に傾斜している。第1側面反射板26は、その平面形状が反射フード25の断面形状と異なり直線状に成形されている。第1側面反射板26は、ヒーターエレメント11の周り方向へ円弧を画く外周縁37と、前後方向へ直状に延びる下端縁33とを有する。
【0036】
第1側面反射板26は、その外周縁37が反射フード25の一方の開口端35を形成する反射フード25の外側縁38に連結されている。第1側面反射板26には、ヒーターエレメント11の一方の端部18及びシース管13の一方の端部21を挿入する第1挿入口39が形成(穿孔)されている。第1側面反射板26は、その内面23(反射構造物12の内周面23)に鏡面加工が施され、その内面23が所定の反射率を有する。第1側面反射板26の内面23は、ヒーターエレメント11から放射された赤外線をヒーターエレメント11から任意の距離離間した所定面積の被加熱エリアEの外周縁の内側に向かって反射する。
【0037】
第1ガイドプレート28は、防錆処理が施された鉄板、アルミ板、ステンレス板、合金板等の金属板から作られ、その平面形状が上下方向へ長い長方形に成形されている。第1ガイドプレート28は、第1側面反射板26の外面(第1側面反射板26の幅方向外側)に配置され、第1側面反射板26と並行して上下方向へ延びている。第1ガイドプレート28は、第1側面反射板26に形成された第1挿入口39の下方に延びる第1側面反射板26に固定された第1固定端部40と、第1固定端部40から上方へ略垂直に延びる第1自由部41とから形成されている。
【0038】
第1ガイドプレート28の第1固定端部40は、固定ネジによって第1側面反射板26に強固に固定されている。第1自由部41には、ヒーターエレメント11の一方の端部18(ガイシ20)を挿脱可能な第3挿入口42が形成(穿孔)されている。第1自由部41には、第1ロックプレート30を固定する固定部分43が作られている。第3挿入口42は、第1側面反射板26の第1挿入口39に平行し、第1挿入口39の幅方向外側に位置している。
【0039】
第1ロックプレート30は、防錆処理が施された鉄板、アルミ板、ステンレス板、合金板等の金属板から作られ、断面形状がL字状に成形されている。第1ロックプレート30は、第1ガイドプレート28の外面に配置され、第1ガイドプレート28と並行して上下方向へ延びている。第1ロックプレート30は、第1ガイドプレート28の第3挿入口42の上方に延びる第1ガイドプレート28の固定部分43に固定された第2固定端部44と、第2固定端部44から下方へ略垂直に延びる第2自由部45とから形成されている。
【0040】
第1ロックプレート30の第2固定端部44は、固定ネジによって第1ガイドプレート28の固定部分43に強固に固定されている。第2自由部45には、ヒーターエレメント11の一方の端部18(ガイシ20)を挟み込む第1挟持口46が形成されている。第2自由部45の第1挟持口46がヒーターエレメント11の一方の端部18(ガイシ20)を挟み込む(挟持する)ことで、ヒーターエレメント11の一方の端部18(ガイシ28)が第1ロックプレート30によって固定され、ヒーターエレメント11の幅方向又は上下方向あるいは前後方向への移動やヒーターエレメント11の回転が防止される。
【0041】
第2側面反射板27は、アルミ板やステンレス板、合金板等の金属板から作られ、反射フード25の他方の開口端36に配置されている。第2側面反射板27は、赤外線放射口24から反射フード25の一方の開口端35に向かって幅方向(一方向)へ登り勾配に傾斜している。第2側面反射板27は、その平面形状が反射フード25の断面形状と異なり直線状に成形されている。第2側面反射板27は、ヒーターエレメント11の周り方向へ円弧を画く外周縁47と、前後方向へ直状に延びる下端縁34とを有する。
【0042】
第2側面反射板27は、その外周縁47が反射フード25の他方の開口端36を形成する反射フード25の外側縁48に連結されている。第2側面反射板27には、ヒーターエレメント11の他方の端部19及びシース管13の他方の端部22を挿入する第2挿入口49が形成(穿孔)されている。第2側面反射板27は、その内面23(反射構造物12の内周面23)に鏡面加工が施され、その内面23が所定の反射率を有する。第2側面反射板27の内面23は、ヒーターエレメント11から放射された赤外線をヒーターエレメント11から任意の距離離間した所定面積の被加熱エリアEの外周縁の内側に向かって反射する。
【0043】
第2ガイドプレート29は、防錆処理が施された鉄板、アルミ板、ステンレス板、合金板等の金属板から作られ、その平面形状が上下方向へ長い長方形に成形されている。第2ガイドプレート29は、第2側面反射板27の外面(第2側面反射板27の幅方向外側)に配置され、第2側面反射板27と並行して上下方向へ延びている。第2ガイドプレート29は、第2側面反射板27に形成された第2挿入口49の下方に延びる第2側面反射板27に固定された第3固定端部50と、第3固定端部50から上方へ略垂直に延びる第3自由部51とから形成されている。
【0044】
第2ガイドプレート29の第3固定端部50は、固定ネジによって第2側面反射板27に強固に固定されている。第3自由部51には、ヒーターエレメント11の他方の端部19(ガイシ20)を挿脱可能な第4挿入口52が形成(穿孔)されている。第3自由部51には、第2ロックプレート29を固定する固定部分53が作られている。第4挿入口52は、第2側面反射板27の第2挿入口49に平行し、第2挿入口49の幅方向外側に位置している。
【0045】
第2ロックプレート31は、防錆処理が施された鉄板、アルミ板、ステンレス板、合金板等の金属板から作られ、断面形状がL字状に成形されている。第2ロックプレート31は、第2ガイドプレート29の外面に配置され、第2ガイドプレート29と並行して上下方向へ延びている。第2ロックプレート31は、第2ガイドプレート29の第4挿入口52の上方に延びる第2ガイドプレート29の固定部分53に固定された第4固定端部54と、第4固定端部54から下方へ略垂直に延びる第4自由部55とから形成されている。
【0046】
第2ロックプレート31の第4固定端部54は、固定ネジによって第2ガイドプレート29の固定部分53に強固に固定されている。第4自由部55には、ヒーターエレメント11の他方の端部19(ガイシ20)を挟み込む第2挟持口56が形成されている。第4自由部55の第2挟持口56がヒーターエレメント11の他方の端部19(ガイシ20)を挟み込む(挟持する)ことで、ヒーターエレメント11の他方の端部19(ガイシ20)が第2ロックプレート31によって固定され、ヒーターエレメント11の幅方向又は上下方向あるいは前後方向への移動やヒーターエレメント11の回転が防止される。
【0047】
カバー部材14は、反射フード25と第1及び第2側面反射板26,27(第1及び第2ガイドプレート28,29や第1及び第2ロックプレート30,31を含む)との外側に配置され、反射フード25と並行して幅方向(一方向)へ延びている。カバー部材14は、フードカバー57と、第1側面プレート58及び第2側面プレート59と、第1フックプレート60とから形成されている。
【0048】
フードカバー57は、防錆処理が施された鉄板、アルミ板、ステンレス板、合金板等の金属板から作られ、反射フード25を覆って幅方向(一方向)へ延びている。フードカバー57は、その断面形状が反射フード25の周り方向外方へ凸となり、反射フード25の外周面全体を囲んでいる(包被している)。フードカバー57には、一方向へ長い矩形の頂部開口61が形成(穿孔)されている。フードカバー57は、頂部開口61を開閉する一方向へ長い矩形の頂部プレート62と、反射フード25の赤外線放射口24を囲繞する底部開口63とを有する。
【0049】
頂部開口61は、フードカバー57の頂部に形成されて幅方向(一方向)へ延びている。頂部プレート62は、フードカバー57の頂部に配置されて幅方向(一方向)へ延びている。頂部プレート62は、固定ネジによってフードカバー57の頂部に着脱可能に固定されている。フードカバー57の頂部から頂部プレート62を取り外すことによって頂部開口61を開放する(開ける)ことができ、フードカバー57の頂部に頂部プレート62を取り付ける(螺着する)ことによって頂部開口61を閉鎖する(閉める)ことができる。
【0050】
フードカバー57の底部開口は63、反射フード25の赤外線放射口24を囲繞している。フードカバー57の底部開口63には、前後方向へ延びる複数の縦条及び幅方向へ延びる複数の横条から形成された防護金網64が取り付けられている。フードカバー57の内側であってフードカバー57の頂部には、幅方向(一方向)へ延びる電線挿入管97(電線挿入パイプ)が設置されている。電線挿入管97には、ヒーターエレメント11に着脱可能に連結される電線17が挿脱可能に挿入される。
【0051】
第1側面プレート58は、防錆処理が施された鉄板、アルミ板、ステンレス板、合金板等の金属板から作られ、第1ガイドプレート28及び第1ロックプレート30の幅方向外側(一方向外側)に位置してフードカバー57の一方の開口端65に配置されている。第1側面プレート58は、その平面形状がフードカバー57の断面形状と略同様の凸状に成形されている。第1側面プレート58は、フードカバー57(反射フード25)の周り方向へ凸となる外周縁66と、前後方向へ直状に延びる下端縁67とを有する。第1側面プレート58は、その外周縁66がフードカバー57の一方の開口端65を形成するフードカバー57の外側縁68に連結されている。
【0052】
第1側面プレート58には、ヒーターエレメント11をシース管13(反射フード25)から引き出し可能かつヒーターエレメント11をシース管13(反射フード25)に挿入可能な第1開口69が形成(穿孔)されている。第1側面プレート58は、第1開口69を開閉する第1蓋プレート70を有する。第1蓋プレート70は、防錆処理が施された鉄板、アルミ板、ステンレス板、合金板等の金属板から作られ、固定ネジによって第1側面プレート58の外面に着脱可能に固定されている。第1側面プレート58から第1蓋プレート70を取り外すことによって第1開口69を開放する(開ける)ことができ、第1側面プレート58の外面に第1蓋プレート70を取り付ける(螺着する)ことによって第1開口69を閉鎖する(閉める)ことができる。
【0053】
第2側面プレート59は、防錆処理が施された鉄板、アルミ板、ステンレス板、合金板等の金属板から作られ、第2ガイドプレート29及び第2ロックプレート31の幅方向外側(一方向外側)に位置してフードカバー57の他方の開口端71に配置されている。第2側面プレート59は、その平面形状がフードカバー57の断面形状と略同様の凸状に成形されている。第2側面プレート59は、フードカバー57(反射フード25)の周り方向へ凸となる外周縁72と、前後方向へ直状に延びる下端縁73とを有する。第2側面プレート59は、その外周縁72がフードカバー57の他方の開口端71を形成するフードカバー57の外側縁74に連結されている。
【0054】
第2側面プレート59には、ヒーターエレメント11をシース管13(反射フード25)から引き出し可能かつヒーターエレメント11をシース管13(反射フード25)に挿入可能な第2開口75が形成(穿孔)されている。第2側面プレート59は、第2開口75を開閉する第2蓋プレート76を有する。第2蓋プレート76は、防錆処理が施された鉄板、アルミ板、ステンレス板、合金板等の金属板から作られ、固定ネジによって第2側面プレート59の外面に着脱可能に固定されている。第2側面プレート59から第2蓋プレート76を取り外すことによって第2開口75を開放する(開ける)ことができ、第2側面プレート59の外面に第2蓋プレート76を取り付ける(螺着する)ことによって第2開口75を閉鎖する(閉める)ことができる。
【0055】
第1フックプレート60は、防錆処理が施された鉄板、アルミ板、ステンレス板、合金板等の金属板から作られ、カバー部材14のフードカバー57の外側面に取り付けられて幅方向(一方向)へ延びている。第1フックプレート60は、フードカバー57の外側面に固定された固定端部77と、固定端部77から下方へ延びるフック部78とを有する。第1フックプレート60のフック部78には、幅方向へ並ぶ複数の固定ネジ孔79が穿孔されている。第1フックプレート60のフック部78の内面とフードカバー57の外側面との間には、後記する設置架台83の第2フックプレート86を収容する収容スペース80が形成されている。
【0056】
第1押さえプレート15は、防錆処理が施された鉄板、アルミ板、ステンレス板、合金板等の金属板から作られ、第1側面反射板26と第1側面プレート58との間に配置されている。第1押さえプレート15は、その平面形状が矩形に成形され、第1ガイドプレート28及び第1ロックプレート30の下方に位置して幅方向(一方向)へ直状に延びている。第1押さえプレート15は、第1側面反射板26の側に位置する端縁が第1側面反射板26の外面に連結され、第1側面プレート58の側に位置する端縁が第1側面プレート58の内面に連結されている。
【0057】
第1押さえプレート15は、幅方向外方(一方向外方)への外力が第1側面反射板26に作用したときに、第1側面反射板26を幅方向内方(一方向内方)へ押圧し、第1側面反射板26の変形を防止する。第1側面反射板26と第1側面プレート58との間には、ヒーターエレメント11の交換作業(第1ロックプレート30の取り付け及び取り外し作業、電線挿入管97に対する電線17の挿入及び抜き取り作業)を行う所定容積の第1作業空間81が形成されている。
【0058】
第2押さえプレート16は、防錆処理が施された鉄板、アルミ板、ステンレス板、合金板等の金属板から作られ、第2側面反射板27と第2側面プレート59との間に配置されている。第2押さえプレート16は、その平面形状が矩形に成形され、第2ガイドプレート29及び第2ロックプレート31の下方に位置して幅方向(一方向)へ直状に延びている。第2押さえプレート16は、第2側面反射板27の側に位置する端縁が第2側面反射板27の外面に連結され、第2側面プレート59の側に位置する端縁が第2側面プレート59の内面に連結されている。
【0059】
第2押さえプレート16は、幅方向外方(一方向外方)への外力が第2側面反射板27に作用したときに、第2側面反射板27を幅方向内方(一方向内方)へ押圧し、第2側面反射板27の変形を防止する。第2側面反射板27と第2側面プレート59との間には、ヒーターエレメント11の交換作業(第2ロックプレート31の取り付け及び取り外し作業、電線挿入管97に対する電線17の挿入及び抜き取り作業)を行う所定容積の第2作業空間82が形成されている。
【0060】
図10は、一例として示す設置架台83の斜視図であり、図11は、設置架台83に設置された加熱装置10の側面図である。図12は、設置架台83を利用して道路の上方(所定の箇所)に設置された加熱装置10の側面図である。加熱装置10は、図10に示す設置架台83を利用して所定の箇所(例えば、道路の上方)に揺動可能に設置される。設置架台83は、第1ハンガープレート84及び第2ハンガープレート85と、第2フックプレート86とから形成されている。第1及び第2ハンガープレート84,85は、幅方向(一方向)へ所定寸法離間した状態で所定の箇所(道路の上方)に取り付けられる。
【0061】
第1ハンガープレート84及び第2ハンガープレート85は、防錆処理が施された鉄板、アルミ板、ステンレス板、合金板等の金属板から作られている。第1ハンガープレート84は、平面形状が矩形に成形されて所定の箇所に固定される第1固定板87と、平面形状が矩形に成形されて第2フックプレート86の一方の端部を旋回可能に連結する第1連結板88とから形成されている。第1固定板87には、固定ネジを螺着する固定ネジ孔が穿孔されている。第1連結板88は、第1固定板87に略直交するように第1固定板87に対して略直角に折り曲げられている。第1連結板88には、旋回ネジを挿通する旋回ネジ孔と、旋回ネジの下方に位置して止めネジを挿通・螺着する止めネジ孔が穿孔されている。
【0062】
第2ハンガープレート85は、平面形状が矩形に成形されて所定の箇所に固定される第2固定板89と、平面形状が矩形に成形されて第2フックプレート86を他方の端部を旋回可能に連結する第2連結板90とから形成されている。第2固定板89には、固定ネジを螺着する固定ネジ孔が穿孔されている。第2連結板90は、第2固定板89に略直交するように第2固定板89に対して略直角に折り曲げられている。第2連結板90には、旋回ネジを挿通する旋回ネジ孔と、旋回ネジの下方に位置して止めネジを挿通・螺着する止めネジ孔が穿孔されている。
【0063】
第2フックプレート86は、防錆処理が施された鉄板、アルミ板、ステンレス板、合金板等の金属板から作られ、第1及び第2ハンガープレート84,85の間に配置されて幅方向(一方向)へ延びている。第2フックプレート86は、平面形状が幅方向へ長い矩形に成形されて第1フックプレート60のフック部78の内面とフードカバー57の外側面との間に形成された収容スペース80に挿脱可能に収容されるフック板91と、平面形状が矩形に成形されて第1ハンガープレート84の第1連結板88に旋回可能に連結される第1旋回板92と、平面形状が矩形に成形されて第2ハンガープレート85の第2連結板90に旋回可能に連結される第2旋回板93とから形成されている。
【0064】
第2フックプレート86のフック板91には、幅方向へ並ぶ複数の固定ネジ孔96が穿孔されている。第1旋回板87は、フック板91に略直交するようにフック板91に対して略直角に折り曲げられている。第1旋回板87には、旋回ネジを挿通する旋回ネジ孔と、旋回ネジの下方に位置して止めネジを挿通・螺着する前後方向へ長い旋回開口94が穿孔されている。第2旋回板90には、旋回ネジを挿通する旋回ネジ孔と、旋回ネジの下方に位置して止めネジを挿通・螺着する前後方向へ長い旋回開口95が穿孔されている。
【0065】
加熱装置10を道路の上方(所定の箇所)に設置する手順の一例は、以下のとおりである。第1ハンガープレート84の第1連結板88及び第2ハンガープレート85の第2連結板90に第2フックプレート86を連結する。第2フックプレート86の第1旋回板92を第1ハンガープレート84の第1連結板88の外面に配置し、第1旋回板92の旋回ネジ孔と第1連結板88の旋回ネジ孔との位置を合わせ、それら旋回ネジ孔に旋回ネジを挿通し、その旋回ネジにナット(図示せず)を螺着する。第1連結板88の止めネジ孔と第1旋回板92の旋回開口94との位置を合わせ、止めネジ孔及び旋回開口94に止めネジを挿通し、その止めネジにナット(図示せず)を螺着する。
【0066】
第2フックプレート86の第2旋回板93を第2ハンガープレート85の第2連結板90の外面に配置し、第2旋回板93の旋回ネジ孔と第2連結板90の旋回ネジ孔との位置を合わせ、それら旋回ネジ孔に旋回ネジを挿通し、その旋回ネジにナット(図示せず)を螺着する。第2連結板90の止めネジ孔と第2旋回板93の旋回開口95との位置を合わせ、止めネジ孔及び旋回開口95に止めネジを挿通し、その止めネジにナット(図示せず)を螺着する。
【0067】
次に、第2フックプレート86を連結した第1及び第2ハンガープレート84,85の第1及び第2固定板87,89を加熱装置10の道路の上方の設置箇所に配置し、第1及び第2固定板87,89の固定ネジ孔と設置箇所とに固定ネジを螺着し、第1及び第2ハンガープレート84,85を利用して第2フックプレート86を設置箇所に取り付ける。第2フックプレート86を設置箇所に取り付けた後、第2フックプレート86の第1及び第2旋回板92,93を第1及び第2ハンガープレート84,85の第1及び第2連結板88,90の旋回ネジ(旋回ネジ孔)を中心に旋回させ、所定の旋回位置(第1旋回板92の旋回開口94の所定の位置、第2旋回板93の旋回開口95の所定の位置)で位置決めをする。
【0068】
旋回位置の位置決めをした後、第1ハンガープレート84の第1連結板88の止めネジ孔に螺着した止めネジに螺着されたナットを増し締めするとともに、第1連結板88の旋回ネジ孔に螺着した旋回ネジ螺着されたナットを増し締めし、第1ハンガープレート84に第2フックプレート86を強固に固定する。第2ハンガープレート85の第2連結板90の止めネジ孔に螺着した止めネジに螺着されたナットを増し締めするとともに、第2連結板90の旋回ネジ孔に螺着した旋回ネジ螺着されたナットを増し締めし、第2ハンガープレート85に第2フックプレート86を強固に固定する。
【0069】
設置架台83を所定の箇所に設置した後、加熱装置10を設置架台83の位置(道路の上方)に配置し(持ち上げ)、加熱装置10の第1フックプレート60のフック部78の内面とフードカバー57の外側面との間に形成された収容スペース80に加熱装置10の第2フックプレート86のフック板91を挿入し、固定ネジ孔79及び固定ネジ孔96に固定ネジを螺着し、固定ネジにナットを螺着して第1フックプレート60のフック部78と第2フックプレート86のフック板91とを連結する。
【0070】
収容スペース80に第2フックプレート86のフック板91を挿入することで、第1フックプレート60と第2フックプレート86とが係合し、加熱装置10が設置架台83に取り付けられ、加熱装置10が道路の上方(所定の箇所)に設置される。加熱装置10のスイッチをONにすることで、ヒーターエレメント11(ヒーター管)に電気が通電され、ヒーターエレメント11、反射フード25、第1側面反射板26、第2側面反射板27から赤外線が所定面積の被加熱エリアEに照射され、被加熱エリアEが加熱される。
【0071】
加熱装置10を例えば道路に溜まったシャーベット状の雪の融解に利用する場合、加熱装置10の赤外線放射口24を道路の被加熱エリアEに向けた状態で、設置架台83によって加熱装置10が道路の上方に設置され、ヒーターエレメント11や反射フード25、第1側面反射板26、第2側面反射板27から照射された赤外線で道路に溜まった半融解の雪を融かす。加熱装置10は、ヒーターエレメント11の外周面全域が石英ガラスから作られた一方向へ長いシース管13によって包被・保護されているから、加熱装置10を道路に溜まった雪の融解に利用したときに、図12に示すように、道路を走行する車両のタイヤによって跳ね上げられた粒状のシャーベット状の雪が加熱装置10に向かって飛んだとしても、その雪がシース管13に衝突し、雪がヒーターエレメント11に直接当たることはないから、ヒーターエレメント11の損傷を防ぐことができ、ヒーターエレメント11の長期間の利用を可能にすることができる。
【0072】
加熱装置10は、設置架台83を利用して加熱装置10を道路(被加熱エリアE)の上方(所定の箇所)に設置することができるとともに、ヒーターエレメント11の機能の低下やヒーターエレメント11の故障を防ぐことができるから、ヒーターエレメント11を利用して被加熱エリアEを加熱することができ、道路(被加熱エリアE)に積もった凍結雪を解かすことができる。加熱装置10は、収容スペース80に第2フックプレート86のフック板91を挿入し、第1フックプレート60と第2フックプレート86とを係合させることで、加熱装置10が設置架台83に取り付けられるから、設置架台83を利用することで加熱装置10を例えば道路(被加熱エリアE)の側壁の上方(所定の箇所)やトンネルの出入口近傍の内壁の上方(所定の箇所)等に容易に設置することができる。尚、加熱装置10を設置箇所から容易に取り外すこともできる。
【0073】
加熱装置10は、第1及び第2ハンガープレート84,85と第1及び第2ハンガープレート84,85に揺動可能に支持された第2フックプレート86とを利用し、加熱装置10を例えば道路(被加熱エリアE)の側壁の上方(所定の箇所)やトンネルの出入口近傍の内壁の上方(所定の箇所)等に揺動可能に設置することができるから、加熱装置10の道路(被加熱エリアE)に向かう赤外線放射口24の放射角度を変えることができ、シャーベット状の雪が溜まった(積もった)道路(被加熱エリアE)を有効に加熱することができるとともに、加熱装置10によって道路に溜まった雪を確実に融かすことができる。
【0074】
加熱装置10は、ヒーターエレメント11から照射された赤外線が反射構造物12の反射フード25と第1側面反射板26と第2側面反射板27とによって反射して被加熱エリアEに向かって照射されるから、ヒーターエレメント11から被加熱エリアEに向かって直接照射される第1赤外線と、反射構造物12の反射フード25や第1側面反射板26、第2側面反射板27(反射構造物12の内周面23)で反射して被加熱エリアEに向かって間接的に照射される第2赤外線とによって被加熱エリアEの全域を満遍なく加熱することができる。
【0075】
加熱装置10は、ヒーターエレメント11の一方の端部18(ガイシ20)が第1ガイドプレート28の第1自由部41の第3挿入口42に挿入されるとともに第1ロックプレート30の第2自由部45の第1挟持口46に挟持され、ヒーターエレメント11の他方の端部19(ガイシ20)が第2ガイドプレート29の第3自由部51の第4挿入口52に挿入されるとともに第2ロックプレート31の第4自由部55の第2挟持口56に挟持されるから、反射フード25の頂部中心であって反射フード25の内側に配置されたヒーターエレメント11が第1及び第2ガイドプレート28,29の第1及び第3自由部41,51の第3及び第4挿入口42,52や第1及び第3挟持口46,56によって反射構造物12に支持・固定され、ヒーターエレメント11の反射構造物12における遊動や反射構造物12からの抜け落ちを防ぐことができる。
【0076】
加熱装置10は、カバー部材14のフードカバー57や第1及び第2側面プレート58,59によって反射構造物12の外周面全域が包被されることで、カバー部材14によって反射構造物12の反射フード25と第1及び第2側面反射板26,27とが保護され、反射フード25や第1及び第2側面反射板26,27への外物の衝突を防ぐことができ、反射フード25や第1及び第2側面反射板26,27の損傷や変形を防ぐことができる。
【0077】
加熱装置10は、その使用中に幅方向外方(一方向外方)への外力が第1及び第2側面反射板26,27に作用したときに、第1押さえプレート15が第1側面反射板26を幅方向内方(一方向内方)へ押圧し、第1押さえプレート15によって第1側面反射板26の変形を防止することができ、第2押さえプレート16が第2側面反射板27を幅方向内方(一方向内方)へ押圧し、第2押さえプレート16によって第2側面反射板27の変形を防止することができる。
【0078】
図13は、ヒーターエレメント11の交換作業を説明する加熱装置10の部分拡大図であり、図14は、図13から続くヒーターエレメント11の交換作業を説明する加熱装置10の部分拡大図である。加熱装置10に設置されたヒーターエレメント11を交換する手順の一例は、以下のとおりである。フードカバー57の頂部に取り付けられた頂部プレート62を取り外し、頂部開口61を開放する(開ける)。頂部開口61を開放すると、頂部開口61の直下に第1及び第2作業空間81,82が露出する。
【0079】
第1作業空間81において電線17をヒーターエレメント11の一方の端部18(ガイシ20)から取り外した後、第1ガイドプレート28の固定部分43と第1ロックプレート30の第2固定端部44との固定を解除し、第1ロックプレート30を第1ガイドプレート28から取り外し、第1ロックプレート30の第2自由部45の第1挟持口46をヒーターエレメント11の一方の端部18(ガイシ20)から引き抜く。第2作業空間82において電線17をヒーターエレメント11の他方の端部19(ガイシ20)から取り外した後、第2ガイドプレート29の固定部分53と第2ロックプレート31の第4固定端部54との固定を解除し、第2ロックプレート31を第2ガイドプレート29から取り外し、第2ロックプレート31の第4自由部55の第2挟持口56をヒーターエレメント11の他方の端部19(ガイシ20)から引き抜く。
【0080】
次に、第1側面プレート58から第1蓋プレート70を取り外し、又は、第2側面プレート59から第2蓋プレート76を取り外し、第1開口69又は第2開口75を開放(開ける)する。第1開口69を開放した後、ヒーターエレメント11の一方の端部18を適時して第1開口69からヒーターエレメント11を引き抜き、ヒーターエレメント11をシース管13(加熱装置11)から取り外す。又は、第2開口75を開放した後、ヒーターエレメント11の他方の端部19を適時して第2開口75からヒーターエレメント11を引き抜き、ヒーターエレメント11をシース管13(加熱装置11)から取り外す。
【0081】
シース管13(加熱装置11)に設置されていたヒーターエレメント11をシース管13(加熱装置11)から取り外した後、新たなヒーターエレメント11を第1開口69から反射フード25の内部に挿入しつつシース管13に挿入し、又は、新たなヒーターエレメント11を第2開口75から反射フード25の内部に挿入しつつシース管13に挿入する。
【0082】
新たなヒーターエレメント11をシース管13(加熱装置10)に挿入した後、第1作業空間81において第1ロックプレート30の第2自由部45の第1挟持口46でヒーターエレメント11の一方の端部18(ガイシ20)を挟み込み、第1ロックプレート30の第2固定端部44を第1ガイドプレート28の固定部分43に固定し、ヒーターエレメント11の一方の端部18(ガイシ20)に電線17を接続する。第2作業空間82において第2ロックプレート31の第4自由部54の第2挟持口55でヒーターエレメント11の他方の端部18(ガイシ20)を挟み込み、第2ロックプレート31の第4固定端部54を第2ガイドプレート29の固定部分53に固定し、ヒーターエレメント11の他方の端部19(ガイシ19)に電線17を接続する。フードカバー57の頂部に頂部プレート62を取り付け、フードカバー57の頂部開口61を閉鎖し(閉じ)、第1側面プレート58に第1蓋プレート70を取り付けて第1開口69を閉鎖し(閉じ)、又は、第2側面プレート59に第2蓋プレート76を取り付けて第2開口75を閉鎖する(閉じる)。
【0083】
加熱装置10は、フードカバー57の頂部に形成された頂部開口61を開閉する頂部プレート62を備え、頂部プレート62を取り外すことで頂部開口61を開放し、開放された頂部開口61を利用して第1作業空間81においてヒーターエレメント11の一方の端部18(ガイシ20)からの第1ロックプレート30の取り外し作業やヒーターエレメント11の一方の端部18(ガイシ20)への第1ロックプレート30の取り付け作業を行うことができるとともに、第2作業空間82においてヒーターエレメント11の他方の端部19(ガイシ20)からの第2ロックプレート31の取り外し作業やヒーターエレメント11の他方の端部19(ガイシ20)への第2ロックプレート31の取り付け作業を行うことができる。
【0084】
加熱装置10は、フードカバー57の頂部に形成された頂部開口61を開放し、第1及び第2作業空間81,82において第1及び第2ロックプレート30,31を取り外し、第1及び第2蓋プレート70,76を取り外すことで第1及び第2開口69,75を開放し、第1開口69又は第2開口75からヒーターエレメント11を引き出すことで、使用済みのヒーターエレメント11をシース管13(加熱装置11)から取り出すことができ、新たなヒーターエレメント11を第1開口69又は第2開口75からシース管13(加熱装置11)に挿入することで、新たなヒーターエレメント11を加熱装置10に取り付けることができる。加熱装置10は、それを高所から地上に降ろすことなくヒーターエレメント11の交換作業を行うことができ、ヒーターエレメント11の交換作業を手間を要せず短時間に効率よく行うことができる。
【符号の説明】
【0085】
10 加熱装置
11 ヒーターエレメント
12 反射構造物
13 シース管
14 カバー部材
15 第1押さえプレート
16 第2押さえプレート
17 電線
18 端部
19 端部
20 ガイシ
21 端部
22 端部
23 内周面(内面)
24 赤外線放射口
25 反射フード
26 第1側面反射板
27 第2側面反射板
28 第1ガイドプレート
29 第2ガイドプレート
30 第1ロックプレート
31 第2ロックプレート
32 下端縁
33 下端縁
34 下端縁
35 開口端
36 開口端
37 外周縁
38 外側縁
39 第1挿入口
40 第1固定端部
41 第1自由部
42 第3挿入口
43 固定部分
44 第2固定端部
45 第2自由部
46 第1挟持口
47 外周縁
48 外側縁
49 第2挿入口
50 第3固定端部
51 第3自由部
52 第4挿入口
53 固定部分
54 第4固定端部
55 第4自由部
56 第2挟持口
57 フードカバー
58 第1側面プレート
59 第2側面プレート
60 第1フックプレート
61 頂部開口
62 頂部プレート
63 底部開口
64 防護金網
65 開口端
66 外周縁
67 下端縁
68 外側縁
69 第1開口
70 第1蓋プレート
71 開口端
72 外周縁
73 下端縁
74 外側縁
75 第2開口
76 第2蓋プレート
77 固定端部
78 フック部
79 固定ネジ孔
80 収容スペース
81 第1作業空間
82 第2作業空間
83 設置架台
84 第1ハンガープレート
85 第2ハンガープレート
86 第2フックプレート
87 第1固定板
88 第1連結板
89 第2固定板
90 第2連結板
91 フック板
92 第1旋回板
93 第2旋回板
94 旋回開口
95 旋回開口
96 固定ネジ孔
97 電線挿入管
E 被加熱エリア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14