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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022093830
(43)【公開日】2022-06-24
(54)【発明の名称】防水発光具
(51)【国際特許分類】
   A01K 93/00 20060101AFI20220617BHJP
   F21L 4/00 20060101ALI20220617BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20220617BHJP
   A01K 79/00 20060101ALI20220617BHJP
   H01H 9/04 20060101ALI20220617BHJP
   H01H 9/16 20060101ALI20220617BHJP
   H01H 19/06 20060101ALI20220617BHJP
   H01H 19/02 20060101ALI20220617BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220617BHJP
【FI】
A01K93/00 A
F21L4/00 200
F21V23/00 180
F21V23/00 140
A01K79/00 H
H01H9/04 B
H01H9/16 A
H01H19/06
H01H19/02 A
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020206532
(22)【出願日】2020-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】000230630
【氏名又は名称】株式会社ルミカ
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】日原 剛
【テーマコード(参考)】
2B105
2B307
3K014
5G052
5G219
【Fターム(参考)】
2B105LA10
2B307HA44
3K014AA01
5G052AA05
5G052AA24
5G052BB01
5G052BB02
5G052BB04
5G052HA06
5G052HA24
5G052JA03
5G052JA09
5G052JB05
5G052JB12
5G219FU02
5G219GS31
5G219HT02
5G219KS10
5G219NS04
5G219NS22
5G219QS02
5G219RS03
5G219RS14
5G219RS24
5G219RS25
(57)【要約】
【課題】発光部での発光態様を変えた場合であっても、筐体の閉空間の防水性を確保することができる防水発光具を提供する。
【解決手段】閉空間13が形成される筐体3と、被操作部15が筐体3の閉空間13の外側に位置するようにして筐体3に設けられているスイッチ5と、筐体3の閉空間13に設けられ電源17が設置される電源設置部7と、筐体3の閉空間13に設けられ電源設置部7に設けられている電源17から供給される電力によって発光する発光部9と、スイッチ5の被操作部15への操作に応じて発光部9での発光パターンを変える制御部11とを有する防水発光具1である。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉空間が形成される筐体と、
被操作部が前記筐体の閉空間の外側に位置するようにして、前記筐体に設けられているスイッチと、
前記筐体の閉空間に設けられ、電源が設置される電源設置部と、
前記筐体の閉空間に設けられ、前記電源設置部に設けられている電源から供給される電力によって発光する発光部と、
前記スイッチの被操作部への操作に応じて、前記発光部での発光パターンを変える制御部と、
を有することを特徴とする防水発光具。
【請求項2】
請求項1に記載の防水発光具であって、
前記スイッチは、前記筐体に対して移動自在もしくは回動自在に前記筐体の閉空間の外側で前記筐体に係合しているスイッチ構成部材を備えて構成されており、
前記スイッチの被操作部は、前記スイッチ構成部材の一部で構成されていることを特徴とする防水発光具。
【請求項3】
請求項2に記載の防水発光具であって、
前記スイッチ構成部材は環状に形成されており、前記スイッチ構成部材は、この環の中心軸を回動中心にして回動するように前記筐体に係合していることを特徴とする防水発光具。
【請求項4】
請求項3に記載の防水発光具であって、
前記スイッチは、弾性体を備えて構成されており、
前記被操作部への操作がされていない状態では、前記弾性体の付勢力によって、前記スイッチ構成部材が初期位置にするように構成されていることを特徴とする防水発光具。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の防水発光具であって、
前記筐体は、第1の部材と第2の部材とを備えて構成されており、
前記第1の部材に前記第2の部材が設置されることで前記筐体が形成されるように構成されており、
前記スイッチ構成部材は、前記第1の部材に係合していることを特徴とする防水発光具。
【請求項6】
請求項2~請求項5のいずれか1項に記載の防水発光具であって、
前記スイッチは、
前記スイッチ構成部材に設けられているマグネットと、
前記筐体の閉空間に設けられ、前記マグネットの磁力を検出する磁気センサーと、
を備えて構成されていることを特徴とする防水発光具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防水発光具に係り、スイッチの被操作部が筐体の外側に設けられているものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図17で示すような集魚用ライト301が知られている。集魚用ライト301は、上側部材303と下側部材305とで構成されている筐体307を備えている。筐体307の内部には閉空間309が形成されている。
【0003】
閉空間309は、図17(a)で示すように、上側部材303のメスネジ部と下側部材305のオスネジ部とがお互いに螺合していることによって形成されている。また、上側部材303と下側部材305との接合部には、Oリング等のシール部材317が設けられている。筐体307の閉空間309には、発光部311と電池(電源)313と制御基板315とが設けられている。
【0004】
図17(a)で示す状態では、上側部材303のメスネジ部と下側部材305のオスネジ部とがお互いに完全に螺合されている(完全螺合状態になっている)。これによって、上側部材303の環状の端面319と下側部材305の環状の端面321とでシール部材317が挟まれており、筐体307の閉空間309に水等が入らないようになっている。また、図17(a)で示す状態で、電池313から供給される電力によって発光部311が発光(点灯や点滅等)するようになっている。
【0005】
一方、図17(b)で示す状態では、上側部材303のメスネジ部と下側部材305のオスネジ部とがお互いに螺合途中状態になっている。これによって、上側部材303の環状の端面319がシール部材317から離れている。また、図17(b)で示す状態では、制御基板315が電池313の端子から離れており、電池313からの電力の供給がされず、発光部311が消灯するようになっている。
【0006】
すなわち、従来の集魚用ライト301では、下側部材305に対して上側部材303を適宜回動することで、集魚用ライト301の電源がオン・オフされ、発光部311が発光しまた消灯するようになっている。
【0007】
ここで、従来の技術に関する文献としてたとえば特許文献1を掲げる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000-4741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、従来の集魚用ライト301では、電源をオフしたときに、図17(b)で示すように、上側部材303の環状の端面319がシール部材317から離れてしまい、上側部材303のメスネジ部のネジ山と下側部材305のオスネジ部のネジ山との僅かな隙間から、筐体307の閉空間309に水等が入ってしまうおそれがある。
【0010】
なお、図17(b)で示す状態で集魚用ライト301がウキとしての機能を発揮する状態で使用されることは無いので、図17(a)で示す状態で防水性が確保され、筐体307の閉空間309への水等の侵入を防止できれば、特に問題は発生しないように思える。
【0011】
しかし、集魚用ライト301の実際の使用においては、図17(a)で示す状態になっている集魚用ライト301を水から引き揚げ、筐体307の外面の水が若干ついている状態で、図17(b)で示す状態にして集魚用ライト301の電源をオフすることが多々ある。これにより、筐体307の閉空間309に水等が侵入してしまうおそれがあるという問題がある。
【0012】
上記問題は、電源のオン・オフだけでなく、発光部311での発光パターンを変える場合においても同様に発生する問題である。なお、発光部311での発光パターンの変更も、図17(a)で示す状態と図17(b)で示す状態とを適宜繰り返すことでされるものとする。
【0013】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、発光部での発光態様(点灯や消灯を含む発光パターン)を変えた場合であっても、筐体の閉空間の防水性を確保することができる防水発光具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1に記載の発明は、閉空間が形成される筐体と、被操作部が前記筐体の閉空間の外側に位置するようにして、前記筐体に設けられているスイッチと、前記筐体の閉空間に設けられ、電源が設置される電源設置部と、前記筐体の閉空間に設けられ、前記電源設置部に設けられている電源から供給される電力によって発光する発光部と、前記スイッチの被操作部への操作に応じて、前記発光部での発光パターンを変える制御部とを有する防水発光具である。
【0015】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の防水発光具であって、前記スイッチは、前記筐体に対して移動自在もしくは回動自在に前記筐体の閉空間の外側で前記筐体に係合しているスイッチ構成部材を備えて構成されており、前記スイッチの被操作部は、前記スイッチ構成部材の一部で構成されている防水発光具である。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の防水発光具であって、前記スイッチ構成部材は環状に形成されており、前記スイッチ構成部材は、この環の中心軸を回動中心にして回動するように前記筐体に係合している防水発光具である。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の防水発光具であって、前記スイッチは、弾性体を備えて構成されており、前記被操作部への操作がされていない状態では、前記弾性体の付勢力によって、前記スイッチ構成部材が初期位置にするように構成されている防水発光具である。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項3または請求項4に記載の防水発光具であって、前記筐体は、第1の部材と第2の部材とを備えて構成されており、前記第1の部材に前記第2の部材が設置されることで前記筐体が形成されるように構成されており、前記スイッチ構成部材は、前記第1の部材に係合している防水発光具である。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項2~請求項5のいずれか1項に記載の防水発光具であって、前記スイッチは、前記スイッチ構成部材に設けられているマグネットと、記筐体の閉空間に設けられ、前記マグネットの磁力を検出する磁気センサーとを備えて構成されている防水発光具である。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、発光部での発光態様(点灯や消灯を含む発光パターン)を変えた場合であっても、筐体の閉空間の防水性を確保することができる防水発光具を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1の実施形態に係る集魚用ライトの斜視図である。
図2図1におけるII矢視図である。
図3図1におけるIII矢視図である。
図4図1におけるIV矢視図である。
図5図4におけるV-V断面を示す図である。
図6図1に示す集魚用ライトから、筐体の上側部材を構成している外側部材を取り除いた状態を示す図である。
図7図6に示す集魚用ライトから、スイッチ構成部材を取り除いた状態を示す図である。
図8図7に示す集魚用ライトから、筐体の上側部材を構成している内側部材を取り除いた状態を示す図である。
図9図8に示す集魚用ライトから、筐体の下側部材を取り除いた状態を示す図である。
図10】本発明の第2の実施形態に係る集魚灯の斜視図である。
図11図10におけるXI矢視図である。
図12図10におけるXII矢視図である。
図13図10におけるXIII矢視図である。
図14図13におけるXIV-XIV断面を示す図である。
図15図10に示す集魚灯から、筐体の上側部材を取り除いた状態を示す図である。
図16図15に示す集魚灯から、スイッチ構成部材を取り除いた状態を示す図である。
図17】本発明の第3の実施形態に係る集魚用ライトの斜視図である。
図18図17で示す集魚用ライトからカバー部材を取り除いた状態を示す図である。
図19図18で示す集魚用ライトからスイッチ構成部材を取り除いた状態を示す図である。
図20】従来の集魚用ライトの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
〔第1の実施形態〕
本発明の第1の実施形態に係る防水発光具1は、図1図9で示すように、筐体3とスイッチ(防水スイッチ)5と電源設置部7と発光部9と制御部11とを備えて構成されている。
【0023】
防水発光具1として、たとえば、魚類用捕獲補助発光具を掲げることができる。さらに、魚類用捕獲補助発光具として、集魚灯(電気集魚灯;集魚用ライト)や発光浮き(電気ウキ)を掲げることができる。
【0024】
集魚灯とは、夜間漁業で魚類を集めるために用いる灯火であり、水中に沈めて使用する釣りのターゲットとなる魚やこの魚のエサとなるプランクトンを集め、ターゲットとなる魚を釣りやすくするために使用されるものである。
【0025】
発光浮きは、主に、夜間の釣りで使用されるものであり、釣り糸の途中につけて浮かせ、針の深さを一定に保ったり、その動きで魚信を見たりするものである。なお、発光浮きとして、魚網につけて水面に浮かせ、水中の網のありかを知るためのものや、水流の方向・速度を測定するために水面に浮かべるものや、タンクなどの中にある液体の残量を知るため液体の表面に浮かせておくものを掲げることができる。図1図9では、防水発光具1として、集魚用ライトを示している。
【0026】
筐体3では、この肉部の内側に閉空間(肉部で囲まれて閉ざされている閉空間)13が形成されている。スイッチ5には、被操作部15が設けられている。被操作部15は、筐体3の肉部を隔てた筐体3の閉空間13の外側(外部)に位置するようにして、筐体3に設けられている。また、被操作部15は、たとえば、筐体3の外面の一部を形成しているように見える。
【0027】
電源設置部7は、筐体3の閉空間13に設けられている。電源設置部7には、電源(たとえば、電池やバッテリー)17が設置されるようになっている。あたりまえのことであるが、電源設置部7に設置されているバッテリー17も、筐体3の閉空間13に設けられている。
【0028】
発光部9も、筐体3の閉空間13に設けられている。発光部9は、電源設置部7に設けられているバッテリー17から供給される電力によって発光するようになっている。制御部11は、スイッチ5の被操作部15への操作に応じて、発光部9での発光パターンを変えるようになっている。
【0029】
なお、被操作部15が人によって操作されていても操作されていなくても、筐体3の閉空間13の気密性が確保されるようになっている。すなわち、被操作部15の操作、非操作にかかわらず、筐体3の閉空間13は閉じており、筐体3の閉空間13の防水性が保たれるようになっている。
【0030】
発光部9での発光パターンとして、発光部9の発光色の変化や発光部9の点滅パターンに加えて、発光部9の連続的な消灯、発光部9の連続的な一色での点灯、発光部9で発光する光の強度(光度)等を掲げることができる。なお、発光部9で連続的な消灯がされていることで、防水発光具1の電源がオフされているように見える。「防水発光具1の電源がオフされている」と表現せずに、「防水発光具1の電源がオフされているように見える」と表現とした理由は、見た目では、発光部9の連続的な消灯がされていても、実際には、磁気センサー19が所定の短い時間間隔でマグネット21の磁力を検出しているからである。なお、磁気センサー19やマグネット21の詳細は後述する。「防水発光具1の電源がオフされているように見える」状態では、防水発光具1はごく僅かな電力を消費している。
【0031】
スイッチ5は、筐体3に対して移動自在もしくは回動自在に筐体3の閉空間13の外側で筐体3に係合しているスイッチ構成部材23を備えて構成されている。スイッチ5の被操作部15は、スイッチ構成部材23の一部で構成されている。なお、図1図9で示す防水発光具1では、スイッチ構成部材23が、筐体3に対して回動自在になっている。
【0032】
スイッチ構成部材23は環状(たとえば円環状)に形成されている。また、スイッチ構成部材23は、この環の中心軸を回動中心にして回動するように筐体3に係合している。
【0033】
さらに、スイッチ5は、弾性体(たとえば圧縮コイルバネ)25(図15図16参照)を備えて構成されている。なお、図1図9では、圧縮コイルバネ25の表示を省略している。被操作部15への操作がされていない状態(被操作部15に力が加えられていない状態)では、圧縮コイルバネ25の付勢力によって、スイッチ構成部材23が図1で示す初期位置(被操作位置;基準位置)にするように構成されている。
【0034】
被操作部15への操作がされると(被操作部15の所定の回転モーメンチを発生される力が加えられている状態では)、圧縮コイルバネ25が圧縮され弾性変形してスイッチ構成部材23が筐体3に対して操作位置まで回動するように構成されている。このときのスイッチ構成部材23の回動方向は、図1に矢印で示している。
【0035】
被操作部15への操作を止めると(被操作部15に加えている所定の力を無くすと)、圧縮コイルバネ25の付勢力(復元力)によってスイッチ構成部材23が初期位置に戻るように構成されている。
【0036】
筐体3は、第1の部材(上側部材)27と第2の部材(下側部材)29とを備えて構成されている。そして、上側部材27に下側部材29が一体的に設置されることで筐体3(閉空間13)が形成されるように構成されている。スイッチ構成部材23は、上側部材27にのみ係合している。
【0037】
スイッチ5は、マグネット(たとえば、永久磁石)21と磁気センサー19とをさらに備えて構成されている。これにより、スイッチ5は、いわゆるマグネットスイッチになっている。マグネット21は、スイッチ構成部材23にたとえば埋め込まれていることで、スイッチ構成部材23に一体的に設けられている。なお、マグネット21も、スイッチ構成部材23とともに筐体3の閉空間13の外部に位置している。
【0038】
磁気センサー19は、筐体3の閉空間13に設けられており、マグネット21の、筐体3の肉部を透過してくる磁力を検出するようになっている。なお、磁気センサー19は、コイルもしくはホール素子等で構成されている。
【0039】
スイッチ構成部材23が筐体3に対して回動することで、磁気センサー19に対するマグネット21の位置が変化し、磁気センサー19がマグネット21の磁力を検知し、もしくは、磁気センサー19がマグネット21の磁力を検知しないようになっている。
【0040】
制御部11は、磁気センサー19による磁力の検知、非検知の態様に応じて、発光部9での発光パターンを変えるようになっている。
【0041】
ここで、防水発光具1についてさらに詳しく説明する。
【0042】
筐体3の下側部材29は、たとえば合成樹脂で、背の高い椀状(高さ寸法の値が内径寸法や外径寸法の値よりも大きい細長い椀状)に形成されている。下側部材29の内面の上端部にはメスネジ部31とシール材当接部33とが形成されている。シール材当接部33は、メスネジ部31よりも上側に位置している。下側部材29の上端面(開口部のところの端面)は、シール材当接部33とは別のシール材当接部35になっている。
【0043】
筐体3の上側部材27は、内側部材37と外側部材39とを備えて構成されている。内側部材37と外側部材39とは、発光部9が発した光が透過する合成樹脂等で構成されている。
【0044】
内側部材37は、有底円筒状の内筒部41と第1の鍔部43と円筒状の外筒部45と第2の鍔部47とを備えて構成されている。内筒部41は、底板部が上側に位置し開口部が下側に位置している。
【0045】
第1の鍔部43は、内筒部41の下端に設けられており、内筒部41の開口部から外側に展開している。外筒部45は、第1の鍔部43の外周から上側に立ち上がっている。外筒部45の高さ寸法の値は、内筒部41の高さ寸法の値の値に比べて小さくなっている。
【0046】
第2の鍔部47は、外筒部45の上端に設けられており、外筒部45の開口部から外側に展開している。
【0047】
外筒部45の外面にはオスネジ部49と第1のシール材設置部51と第2のシール材設置部53とが形成されている。第1のシール材設置部51は、オスネジ部49よりも上側に位置しており、第2のシール材設置部53は、第1のシール材設置部51よりも上側に位置している。第2の鍔部47の下面は、シール材当接部55になっている。
【0048】
下側部材29のメスネジ部31と上側部材27の内側部材37のオスネジ部49とがお互いに螺号することによって、下側部材29と内側部材37とが一体化し、内側部材37と下側部材29とで閉空間13が形成されるようになっている。
【0049】
また、防水発光具1には、環状の第1のシール材57と環状の第2のシール材59とが設けられている。第1のシール材57は第1のシール材設置部51に設置されているとともに下側部材29のシール材当接部33に当接している。第2のシール材59は、第2のシール材設置部53に設置されているとともに、下側部材29のシール材当接部35と内側部材37のシール材当接部55とに当接している。
【0050】
シール材57、59によって、下側部材29と上側部材27の内側部材37との接合部のシールが二重にされるようになっている。シール材57、59はたとえばOリングで構成されている。
【0051】
外側部材39の外側部位は、径の値が上側に向かうにしたがって次第に小さくなっている筒状に形成されている。また、外側部材39の円筒状の内側部位の内部に内側部材37の内筒部41の上側の部位が入り込んでいることで、外側部材39が内側部材37と一体化しているとともに、外側部材39の円筒状の内側部位が、内側部材37の内筒部41の上側の部位を覆っている。なお、外側部材39の外側部位と内側部位とはこれらの上端部でお互いが接合されている。
【0052】
下側部材29に上側部材27の内側部材37と外側部材39とを設置した状態では、内側部材37の第2の鍔部47の上端(上面)と、外側部材39の下端(下面)との間であって、内筒部41の外側(外周部)には、環状のスイッチ構成部材設置部61が形成されている。
【0053】
そして、スイッチ構成部材設置部61に設置されたスイッチ構成部材23が、筐体3の中心軸を回動中心にして筐体3に対して回動するようになっている。なお、筐体3の中心軸と環状のスイッチ構成部材23の中心軸とはお互いが一致している。また、スイッチ構成部材23はたとえば合成樹脂で構成されている。
【0054】
被操作部15は、たとえば、環状のスイッチ構成部材23の外周の一部に形成されている突出部で構成されている。スイッチ構成部材23が設置されている筐体3の外形は、回転楕円体状(長球状)になっている。
【0055】
電源設置部(電池設置部)7は、下側部材29の内部、すなわち、閉空間13の下側の部位に設けられている。発光部9は、たとえば複数個のLEDで構成されており、内側部材37の内筒部41の上側の部位で内筒部41内に配置されている。発光部9が発した光が内筒部41と外側部材39とを通って、筐体3の外部に出てくるようになっている。
【0056】
マグネット21は、環状のスイッチ構成部材23の周の一部の部位でスイッチ構成部材23に埋め込まれている。磁気センサー19は、内側部材37の内筒部41の内側(閉空間13)に設置されている。
【0057】
そして、被操作部15が操作されていない状態では、磁気センサー19がマグネット21の磁力を検出し、被操作部15が操作された状態で、磁気センサー19がマグネット21の磁力を検出しないようになっている。
【0058】
なお、被操作部15が操作されていない状態で、磁気センサー19がマグネット21の磁力を検出せず、被操作部15が操作された状態で、磁気センサー19がマグネット21の磁力を検出するようになっていてもよい。
【0059】
圧縮コイルバネ25は、上述したように図1図9では示されていないが、図15図16で示すようにして、中心軸が円弧状に曲がっている状態でスイッチ構成部材設置部61のところに設置されている。圧縮コイルバネ25の一端部は、内側部材37の内筒部41のバネ当接部(図示せず)に当接しており、圧縮コイルバネ25の他端部は、スイッチ構成部材23のバネ当接部(図示せず)に当接している。これにより、スイッチ構成部材23が筐体3に対して回動するときに、上述した付勢力が発生するようになっている。
【0060】
制御部11は、上側部材27の内筒部41の下側で閉空間13に設置されている基板(制御基板)65に設けられている。
【0061】
次に、防水発光具1の動作について説明する。
【0062】
初期状態では、防水発光具1の電源がオフされている(防水発光具1の電源がオフされているように見えている)。
【0063】
上記初期状態で、基準位置から図1等に矢印で示す方向にスイッチ構成部材23を所定の時間t1だけ回動しておき、この後、基準位置に戻すことで、防水発光具1の電源がオンされる。この状態では、発光部9がたとえば所定の色で発光する。
【0064】
続いて、基準位置から図1等に矢印で示す方向にスイッチ構成部材23を所定の時間t2だけ回動しておき、この後、基準位置に戻すことで、防水発光具1の発光パターンが変わる(点滅や色の変化がされる)。たとえば、時間t2は、時間t1よりも短い時間になっている。
【0065】
防水発光具1の電源をオフする場合には、基準位置から図1等に矢印で示す方向にスイッチ構成部材23を所定の時間t1だけ回動しておき、この後、基準位置に戻す。
【0066】
防水発光具1は、閉空間13が形成される筐体3と、被操作部15が筐体3の閉空間13の外側に位置するようにして筐体3に設けられているスイッチ5と、筐体3の閉空間13に設けられバッテリー17が設置される電源設置部7と、筐体3の閉空間13に設けられ電源設置部7に設けられているバッテリー17から供給される電力によって発光する発光部9と、スイッチ5の被操作部15への操作に応じて発光部9での発光パターンを変える制御部11とを備えて構成されている。
【0067】
これにより、被操作部15が操作されても、筐体3の閉空間13の機密性が確保され、発光部9での発光態様(点灯や消灯を含む発光パターン)を変えた場合であっても、筐体3の閉空間13の防水性が損なわれることが無く、筐体3の閉空間13に水等が入ることが防止される。
【0068】
また、防水発光具1では、スイッチ5が、筐体3に対して回動自在に筐体3の閉空間13の外側で筐体3に係合しているスイッチ構成部材23を備えて構成されており、スイッチ5の被操作部15が、スイッチ構成部材23の一部で構成されている。これにより、スイッチ構成部材23(スイッチ5の被操作部15)が筐体3の閉空間13から確実に隔たっており、筐体3の閉空間13の防水性を簡素な構成で確保することができる。
【0069】
また、防水発光具1では、スイッチ構成部材23が環状に形成されており、スイッチ構成部材23が、この環の中心軸を回動中心にして回動するように筐体3に係合している。これにより、スイッチ構成部材23の筐体3への設置構造が簡素化され、さらに被操作部15の操作性が向上する。
【0070】
また、防水発光具1では、スイッチ5が圧縮コイルバネ25を備えて構成されており、被操作部15への操作がされていない状態では、圧縮コイルバネ25の付勢力によって、スイッチ構成部材23が初期位置にするように構成されている。これにより、防水発光具1の発光部9を確実に消灯しておくことができる。
【0071】
すなわち、圧縮コイルバネ25の付勢力による付勢力でスイッチ構成部材23が初期位置からは容易に動くことがない。そして、スイッチ構成部材23が初期位置にあるときに防水発光具1の発光部9が消灯しているとすると、この消灯している状態を確実に維持することができる。
【0072】
たとえば、発光部9が消灯している防水発光具1をケース(図示せず)やカバン等に収納した場合でも、スイッチ構成部材23が初期位置にある状態が確実に維持され、何らかの要因でケースの中で発光部9が発光しさらに発光9部が点灯し続け、バッテリー17を無駄に消耗してしまうことがなくなる。
【0073】
これに対して、従来の集魚用ライト301では、図20(b)で示す状態で集魚用ライト301をケース等に収容すると、何らかの要因で下側部材305に対して上側部材303が回動し、図20(a)で示す状態になり、発光部311が無駄に発光し続けてしまうおそれがある。
【0074】
また、防水発光具1では、筐体3が上側部材27と下側部材29とを備えて構成されており、上側部材27に下側部材29が一体的に設置されることで筐体3(閉空間13)が形成されるように構成されており、スイッチ構成部材23が上側部材27に係合している。これにより、スイッチ構成部材23が、上側部材27と下側部材29とがお互いに係合している箇所を避けて設置されていることになり、筐体3の閉空間13の防水性を簡素な構成で一層確実に確保することができる。
【0075】
また、防水発光具1では、スイッチ5が、スイッチ構成部材23に設けられているマグネット21と、筐体3の閉空間13に設けられマグネット21の磁力を検出する磁気センサー19とを備えて構成されている。これより、機械的な接点が無くなっており、スイッチ5の耐久性が向上している。
【0076】
ところで、上記説明では、圧縮コイルバネ25を用いて、スイッチ構成部材23の回動を補助し発光部9の発光パターンを変えているが、スイッチ構成部材23にラッチ型の動作をさせることで、発光部9の発光パターンを変えるようにしてもよい。
【0077】
ラッチ型の動作とは、被操作位置(基準位置)に位置しているときにスイッチ構成部材23がこの位置を維持することができ、操作位置に位置しているときにもスイッチ構成部材23がこの位置を維持することができる動作である。この動作は、たとえば、ボールプランジャを用いて、被操作位置にあるスイッチ構成部材23を押し、また、別のボールプランジャを用いて、操作位置にあるスイッチ構成部材23を押すことでなされる。
【0078】
さらに、スイッチ5として、押しボタン式の防水スイッチを用いてもよい。
【0079】
〔第2の実施形態〕
本発明の第2の実施形態に係る防水発光具1aは、本発明の第1の実施形態に係る防水発光具1と形状が異なっているが、概ね本発明の第1の実施形態に係る防水発光具1と同様に構成されている。
【0080】
防水発光具1aも、防水発光具1と同様に、筐体3とスイッチ(防水スイッチ)5と電源設置部7と発光部9と制御部11とを備えて構成されている(図10図16参照)。なお、図1図9で示す防水発光具1と同様に構成されているものは、図10図16でも同じ符号を付している。
【0081】
本発明の第2の実施形態に係る防水発光具1aでは、筐体3が、上側部材27と下側部材29とを備えて構成されており、スイッチ構成部材設置部61が、上側部材27と下側部材29とで構成されている。すなわち、上側部材27と下側部材29との接合部のところに、スイッチ構成部材設置部61が形成されている。
【0082】
また、防水発光具1aでは、下側部材29の内部に錘63が設けられており、上側部材27の中心部にバッテリー17が設けられている。
【0083】
〔第3の実施形態〕
本発明の第3の実施形態に係る防水発光具1bは、スイッチ5のスイッチ構成部材73が、筐体3に対して移動自在(直線的に移動自在)に、筐体3に係合している点が、防水発光具1、1aとは異なり、その他の点は、防水発光具1、1aと同様に構成されている。筐体3は、カバー部材71と発光具本体部79の外皮とで備えて構成されている。
【0084】
さらに説明すると、防水発光具1bのカバー部材71は、発光具本体部79着脱自在になっている。また、カバー部材71には、図17で示すようにガイド部(細長いガイド溝)85が設けられている。スイッチ構成部材73は、ガイド部85に係合してガイドされ、筐体3に対して直線的に所定の距離だけ移動できるようになっている。すなわち、スイッチ構成部材73は、図17図18で示す状態から、ストッパー77に当接するまで上側に直線的に移動できるようになっている。ストッパー77は、カバー部材71に一体的に設けられている。
【0085】
スイッチ構成部材73にはマグネット83(図19参照)が一体的に設けられている。弾性体(圧縮コイルバネ)75は、スイッチ構成部材73を下側に付勢している。発光具本体部79には、磁気センサー87が一体的に設けられている。発光部(たとえばLED)81も発光具本体部79に一体的に設けられている。カバー部材71は、発光部81が発した光の少なくとも一部を透過するようになっている。
【0086】
スイッチ構成部材73が筐体3に対して移動することで、磁気センサー87に対するマグネット83の位置が変化し、磁気センサー87がマグネット83の磁力を検知し、もしくは、磁気センサー87がマグネット83の磁力を検知しないようになっている。
【符号の説明】
【0087】
1、1a 防水発光具
3 筐体
5 スイッチ
7 電源設置部
9、81 発光部
11 制御部
13 閉空間
15 被操作部
17 電源(バッテリー)
19、87 磁気センサー
21、83 マグネット
23、73 スイッチ構成部材
25、75 弾性体(圧縮コイルバネ)
27 第1の部材(上側部材)
29 第2の部材(下側部材)
図1
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