(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022009384
(43)【公開日】2022-01-14
(54)【発明の名称】チラーシステムをパージするためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
F25B 43/04 20060101AFI20220106BHJP
F25B 45/00 20060101ALI20220106BHJP
F25B 1/00 20060101ALI20220106BHJP
F04F 5/16 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
F25B43/04 Z
F25B45/00 A
F25B1/00 321A
F04F5/16
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021172776
(22)【出願日】2021-10-22
(62)【分割の表示】P 2020511348の分割
【原出願日】2018-08-23
(31)【優先権主張番号】62/549,320
(32)【優先日】2017-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/718,816
(32)【優先日】2018-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518010511
【氏名又は名称】ジョンソン コントロールズ テクノロジー カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Johnson Controls Technology Company
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100188329
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 義行
(72)【発明者】
【氏名】モンティス,マックレー・ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】コーラー,ジェイ・アルバート
(72)【発明者】
【氏名】ブラッドショー,デービッド・アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ウェルチ,アンドリュー・マイケル
【テーマコード(参考)】
3H079
【Fターム(参考)】
3H079AA14
3H079AA18
3H079BB10
3H079CC03
3H079CC30
3H079DD25
(57)【要約】 (修正有)
【課題】暖房、換気、空調、及び冷凍(HVAC&R)システムであって、冷媒ループと、HVAC&Rシステムから非凝縮性気体をパージするように構成されたパージシステムとを含む暖房、換気、空調、及び冷凍(HVAC&R)システムを提供する。
【解決手段】パージシステム80は蒸発器38から第1冷媒フローを引き出すように構成された液体ポンプ84と、液体ポンプ84から第1冷媒フローを受けるとともに第1冷媒フローの温度を低下させるように構成された制御可能膨張弁86と、パージコイル108を含むパージ熱交換器88とを含む。パージコイル108は制御可能膨張弁86から第1冷媒フローを受けるように構成され、パージ熱交換器86の室は、コンデンサ34から非凝縮性気体と第2冷媒フローとの混合物を引き出すように構成され、パージ熱交換器88は、第1冷媒フローを用いて第2冷媒フローから非凝縮性気体を分離するように構成される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
暖房、換気、空調、及び冷凍(HVAC&R)システムであって、
冷媒ループと、
前記冷媒ループに沿って配置された圧縮器であって、前記圧縮器が、冷媒を前記冷媒ループを通じて循環させるように構成される圧縮器と、
前記冷媒ループに沿って配置された蒸発器であって、前記蒸発器が前記冷媒を第1冷却流体と熱交換関係に置くように構成される、蒸発器と、
前記冷媒ループに沿って配置されたコンデンサであって、前記コンデンサが前記冷媒を第2冷却流体と熱交換関係に置くように構成される、コンデンサと、
前記HVAC&Rシステムから非凝縮性気体をパージするように構成されたパージシステムであって、前記パージシステムが、
前記蒸発器から第1冷媒フローを引き出すように構成された液体ポンプと、
前記液体ポンプから前記第1冷媒フローを受けるとともに前記第1冷媒フローの温度を低下させるように構成された制御可能膨張弁と、
パージコイルを含むパージ熱交換器であって、前記パージコイルが前記制御可能膨張弁から前記第1冷媒フローを受けるように構成され、前記パージ熱交換器の室が前記コンデンサから前記非凝縮性気体と第2冷媒フローとを含む混合物を引き出すように構成され、前記パージ熱交換器が、前記混合物の前記非凝縮性気体を前記混合物の前記第2冷媒フローから前記第1冷媒フローを用いて分離するように構成される、パージ熱交換器と
を含むパージシステムと
を含む暖房、換気、空調、及び冷凍(HVAC&R)システム。
【請求項2】
HVAC&Rシステムが、前記パージコイルから前記第1冷媒フローを受けるように構成されたイジェクタを含み、前記イジェクタが前記コンデンサからの前記第2冷媒フローを用いて第1冷媒フローの圧力を上昇させるように構成される、請求項1に記載のHVAC&Rシステム。
【請求項3】
前記蒸発器が、前記イジェクタから排出された前記第2冷媒フロー及び前記第1冷媒フローを受けるように構成される、請求項2に記載のHVAC&Rシステム。
【請求項4】
前記パージシステムが、前記パージ熱交換器から前記混合物の前記非凝縮性気体を取り除くように構成されたポンプをさらに含む、請求項1に記載のHVAC&Rシステム。
【請求項5】
前記パージシステムが、前記液体ポンプから前記制御可能膨張弁へ前記第1冷媒フローを流すように構成された導管をさらに含み、1つ又は複数の熱電組立体が、前記導管に結合されるとともに、前記導管を通って流れる前記第1冷媒フローから熱エネルギーを取り除くように構成される、請求項1に記載のHVAC&Rシステム。
【請求項6】
前記1つ又は複数の熱電組立体の各熱電組立体が、電力勾配を熱勾配に変換することにより前記第1冷媒フローの熱エネルギーを取り除くように構成される、請求項5に記載のHVAC&Rシステム。
【請求項7】
前記パージシステムが、前記パージ熱交換器から前記混合物を受けるように構成された1つ又は複数の吸着室をさらに含み、前記1つ又は複数の吸着室の各吸着室が、前記混合物の前記第2冷媒フローから前記混合物の前記非凝縮性気体を分離するように構成される、請求項1に記載のHVAC&Rシステム。
【請求項8】
前記1つ又は複数の吸着室が、前記混合物の前記非凝縮性気体を大気中へ放出するとともに前記混合物の前記第2冷媒フローを前記蒸発器へ流すように構成される、請求項7に
記載のHVAC&Rシステム。
【請求項9】
前記液体ポンプが、フラッシュタンクを通じて前記蒸発器から前記第1冷媒フローを引き出すように構成され、前記蒸発器から引き出された前記第1冷媒フローが冷媒液体と冷媒蒸気とを含み、前記フラッシュタンクが前記冷媒蒸気から前記冷媒液体を分離するように構成される、請求項1に記載のHVAC&Rシステム。
【請求項10】
前記フラッシュタンクが、前記冷媒液体を前記液体ポンプに流すとともに冷媒蒸気を前記蒸発器に流すように構成される、請求項9に記載のHVAC&Rシステム。
【請求項11】
前記パージ熱交換器が、前記混合物の前記第2冷媒フローを前記コンデンサ、前記蒸発器、又は両方に流すように構成される、請求項1に記載のHVAC&Rシステム。
【請求項12】
暖房、換気、空調、及び冷凍(HVAC&R)システムであって、
冷媒ループと、
前記冷媒ループに沿って配置されるとともに、冷媒を前記冷媒ループを通じて循環させるように構成された圧縮器と、
前記冷媒ループに沿って配置されるとともに、前記冷媒を第1冷却流体と熱交換関係に置くように構成された蒸発器と、
前記冷媒ループに沿って配置されるとともに、前記冷媒を第2冷却流体と熱交換関係に置くように構成されたコンデンサと、
前記HVAC&Rシステムから非凝縮性気体(NCG)をパージするように構成されたパージシステムであって、前記パージシステムが、
前記蒸発器から引き出された前記冷媒の第1冷媒フローを用いて前記コンデンサから引き出された混合物を分離するように構成されたパージ熱交換器であって、前記混合物が前記コンデンサからの前記NCGと前記冷媒の第2冷媒フローとを含み、前記混合物の分離が前記第2冷媒フローから前記NCGを分離することを含む、パージ熱交換器と、
前記第2冷媒フローから熱エネルギーを取り除くように構成された1つ又は複数の熱電組立体と
を含むパージシステムと
を含む暖房、換気、空調、及び冷凍(HVAC&R)システム。
【請求項13】
前記パージシステムが、液体ポンプであって、前記蒸発器から前記第1冷媒フローを引き出すとともに前記第1冷媒フローを前記1つ又は複数の熱電組立体を通じて前記パージ熱交換器へ押すように構成された液体ポンプをさらに含む、請求項12に記載のHVAC&Rシステム。
【請求項14】
前記パージシステムが、前記第1冷媒フローを前記液体ポンプから前記パージ熱交換器へ流すように構成された導管をさらに含み、前記1つ又は複数の熱電組立体が前記導管へ結合される、請求項13に記載のHVAC&Rシステム。
【請求項15】
前記1つ又は複数の熱電組立体の各熱電組立体が、
前記熱電組立体を前記導管に結合するように構成された熱ペーストと、
前記熱ペーストに結合されるとともに電力勾配を熱勾配に変換することにより前記第1冷媒フローから熱エネルギーを取り除くように構成された熱電組立体と、
前記熱電組立体に結合されたヒートシンクと、
前記ヒートシンクに結合されたファンと
を含む、請求項14の請求項に記載のHVAC&Rシステム。
【請求項16】
前記パージ熱交換器が前記第1冷媒フローを受けるように構成された前記パージコイル
を含む、請求項12に記載のHVAC&Rシステム。
【請求項17】
前記パージシステムが前記パージ熱交換器から前記NCGを取り除くように構成されたポンプをさらに含む、請求項12に記載のHVAC&Rシステム。
【請求項18】
前記パージ熱交換器が前記第2冷媒フローを前記コンデンサ、前記蒸発器、又は両方に流すように構成される、請求項12に記載のHVAC&Rシステム。
【請求項19】
前記パージシステムが、前記パージ熱交換器から前記混合物の少なくとも一部を受けるように構成された1つ又は複数の吸着室をさらに含み、前記1つ又は複数の吸着室が、前記第2冷媒フローを吸着することにより前記NCGから前記第2冷媒フローを分離するように構成される、請求項12に記載のHVAC&Rシステム。
【請求項20】
暖房、換気、空調、及び冷凍(HVAC&R)システムであって、
冷媒ループと、
前記冷媒ループに沿って配置されるとともに、冷媒を前記冷媒ループを通じて循環させるように構成された圧縮器と、
前記冷媒ループに沿って配置されるとともに、前記冷媒を第1冷却流体と熱交換関係に置くように構成された蒸発器と、
前記冷媒ループに沿って配置されるとともに、前記冷媒を第2冷却流体と熱交換関係に置くように構成されたコンデンサと、
前記HVAC&Rシステムから非凝縮性気体(NCG)をパージするように構成されたパージシステムであって、前記パージシステムが、
前記蒸発器から引き出された前記冷媒の第1冷媒フローを用いて前記コンデンサから引き出された混合物を分離するように構成されたパージ熱交換器であって、前記混合物が前記コンデンサからの前記NCGと前記冷媒の第2冷媒フローとを含み、前記混合物の分離が前記第2冷媒フローから前記NCGを分離することを含むパージ熱交換器と、
前記パージ熱交換器から前記NCGを受けるように構成された1つ又は複数の吸着室であって、前記1つ又は複数の吸着室が残りの冷媒から前記NCGを分離するように構成される吸着室と
を含むパージシステムと
を含む暖房、換気、空調、及び冷凍(HVAC&R)システム。
【請求項21】
前記1つ又は複数の吸着室の各々が、改質材料であって、前記残りの冷媒を吸着するとともに前記NCGが前記1つ又は複数の吸着室を通過することを可能にするように構成された改質材料を含む、請求項20に記載のHVAC&Rシステム。
【請求項22】
前記1つ又は複数の吸着室の各々が、前記改質材料から前記残りの冷媒を放出するために前記改質材料を加熱するように構成された加熱器を含む、請求項21に記載のHVAC&Rシステム。
【請求項23】
前記蒸発器が前記1つ又は複数の吸着室から前記残りの冷媒を受けるように構成される、請求項20に記載のHVAC&Rシステム。
【請求項24】
前記1つ又は複数の吸着室が前記NCGを前記大気中へ放出するように構成される、請求項20に記載のHVAC&Rシステム。
【請求項25】
前記パージシステムが、
前記パージ熱交換器から前記NCGを引き出すように構成されたポンプであって、前記1つ又は複数の吸着室が前記ポンプから前記NCGを受けるように構成されたポンプと、
前記蒸発器から前記第1冷媒フローを引き出すように構成された液体ポンプと、
前記液体ポンプから前記第1冷媒フローを受けるとともに前記第1冷媒フローの圧力を低下させるように構成された制御可能膨張弁と、
前記制御可能膨張弁から前記第1冷媒フローを受けるように構成された前記パージ熱交換器のパージコイルであって、前記パージ熱交換器の室が、前記混合物が前記パージコイル内の前記第1冷媒フローと熱を交換することを可能にするパージコイルと
をさらに含む、請求項20に記載のHVAC&Rシステム。
【請求項26】
前記パージシステムが、電力勾配を熱勾配に変換することにより前記液体ポンプを出る前記第1冷媒フローから熱エネルギーを取り除くように構成された1つ又は複数の熱電組立体をさらに含む、請求項25に記載のHVAC&Rシステム。
【請求項27】
暖房、換気、空調、及び冷凍(HVAC&R)システムであって、
蒸気圧縮システムから非凝縮性気体(NCG)をパージするように構成されたパージシステムであって、
前記蒸気圧縮システムのコンデンサから蒸気冷媒と前記NCGとを含む混合物を引き出すように構成されたポンプと、
前記混合物の前記蒸気冷媒を凝縮させるとともに前記蒸気冷媒から前記混合物の前記NCGを分離するために、前記ポンプから前記混合物を受けるとともに前記混合物を前記蒸気圧縮システムから引き出された冷媒フローと熱交換関係に置くように構成されたパージ熱交換器と
を含むパージシステムを含み、
前記ポンプが、前記パージ熱交換器からの前記NCGのフローを前記大気中へ前記NCGと前記大気との間の圧力差を介して誘導するために、前記混合物の圧力を上昇させるように構成される、暖房、換気、空調、及び冷凍(HVAC&R)システム。
【請求項28】
液体ポンプであって、前記蒸気圧縮システムから前記冷媒フローを引き出すとともに前記冷媒フローを前記パージ熱交換器に提供するように構成された液体ポンプを含む、請求項27に記載のHVAC&Rシステム。
【請求項29】
前記パージ熱交換器が直接接触熱交換器である、請求項28に記載のHVAC&Rシステム。
【請求項30】
HVAC&Rシステムが、前記蒸気圧縮システムの冷媒ループから前記パージ熱交換器へ延在する導管に沿って配置された膨張デバイスを含み、前記導管及び前記膨張デバイスが前記冷媒フローを前記パージ熱交換器に供給するように構成される、請求項27に記載のHVAC&Rシステム。
【請求項31】
前記膨張デバイスが、前記冷媒フローのフローを、前記パージ熱交換器を通り、前記冷媒フローと前記蒸気圧縮システムの蒸発器との間の第2圧力差を介して前記蒸気圧縮システムへ戻るように誘導するために前記冷媒フローの圧力を低下させるように構成される、請求項30に記載のHVAC&Rシステム。
【請求項32】
前記パージ熱交換器から前記冷媒フローを引き出すとともに前記冷媒フローを前記蒸気圧縮システムの蒸発器に向けるように構成されたイジェクタを含む、請求項27に記載のHVAC&Rシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は概して、空調及び冷凍用途のためのパージ用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
チラーシステム、又は蒸気圧縮システムは、蒸気圧縮システムの作動と関連する異なる温度及び圧力への露出に応じて蒸気、液体、及びこれらの組合せの間での相を変化させる冷媒などの作動流体を用いる。低圧チラーシステムにおいて、低圧チラーシステムのいくつかのコンポーネントは周囲の大気よりも低い圧力で作動する。圧力差を原因として、非凝縮性気体(NCG)、例えば周囲の空気はこれらの低圧コンポーネント内へ移行することができ、このことは低圧チラーシステムにおける非効率を引き起こし得る。したがって、低圧チラーシステムからは、より効果的に作動するためにNCGがパージされ得る。しかしながら、NCGを取り除くために使用される従来のパージシステムはコストがかかり得るとともに過剰な補修管理を必要とすることがあり、非効率であり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の実施形態において、暖房、換気、空調、及び冷凍(HVAC&R)システムは、冷媒ループと、冷媒ループに沿って配置された圧縮器と、冷媒ループに沿って配置された蒸発器と、冷媒ループに沿って配置されたコンデンサとを含む。圧縮器は、冷媒を冷媒ループを通じて循環させるように構成され、蒸発器は冷媒を第1冷却流体と熱交換関係に置くように構成され、コンデンサは冷媒を第2冷却流体と熱交換関係に置くように構成される。HVAC&Rシステムはまた、HVAC&Rシステムから非凝縮性気体(NCG)をパージするように構成されたパージシステムを含む。パージシステムは、蒸発器から第1冷媒フローを引き出すように構成された液体ポンプと、液体ポンプから第1冷媒フローを受けるとともに第1冷媒フローの温度を低下させるように構成された制御可能膨張デバイスと、パージ熱交換器とを含む。パージ熱交換器はパージコイルを含む。パージコイルは、制御可能膨張デバイスから第1冷媒フローを受けるように構成され、パージ熱交換器の室は、コンデンサから非凝縮性気体と第2冷媒フローとを含む混合物を吸い込むように構成され、パージ熱交換器が、混合物の非凝縮性気体を混合物の第2冷媒フローから第1冷媒フローを用いて分離するように構成される。
【0004】
別の本開示の実施形態において、暖房、換気、空調、及び冷凍(HVAC&R)システムは、冷媒ループと、冷媒ループに沿って配置された圧縮器と、冷媒ループに沿って配置された蒸発器と、冷媒ループに沿って配置されたコンデンサとを含む。圧縮器は、冷媒を冷媒ループを通じて循環させるように構成され、蒸発器は冷媒を第1冷却流体と熱交換関係に置くように構成され、コンデンサは冷媒を第2冷却流体と熱交換関係に置くように構成される。HVAC&Rシステムはまた、HVAC&Rシステムから非凝縮性気体(NCG)をパージするように構成されたパージシステムを含む。パージシステムは、蒸発器から引き出された冷媒の第1冷媒フローを用いてコンデンサから引き出された混合物を分離するように構成されたパージ熱交換器を含む。混合物はコンデンサからのNCGと冷媒の第2冷媒フローとを含む。混合物の分離は第2冷媒フローからNCGを分離することを含む。パージシステムはまた、第2冷媒フローから熱エネルギーを取り除くように構成された1つ又は複数の熱電組立体を含む。
【0005】
別の本開示の実施形態において、暖房、換気、空調、及び冷凍(HVAC&R)システムは、冷媒ループと、冷媒ループに沿って配置された圧縮器と、冷媒ループに沿って配置された蒸発器と、冷媒ループに沿って配置されたコンデンサとを含む。圧縮器は、冷媒を
冷媒ループを通じて循環させるように構成され、蒸発器は冷媒を第1冷却流体と熱交換関係に置くように構成され、コンデンサは冷媒を第2冷却流体と熱交換関係に置くように構成される。HVAC&Rシステムはまた、HVAC&Rシステムから非凝縮性気体(NCG)をパージするように構成されたパージシステムを含む。パージシステムは、コンデンサから冷媒とNCGとを含む混合物を受けるように構成されるとともにNCGから冷媒を分離するように構成された1つ又は複数の吸着室を含む。パージシステムはまた、コンデンサから混合物を引き出すように構成されたポンプを含む。
【0006】
さらなる本開示の実施形態において、暖房、換気、空調、及び冷凍(HVAC&R)システムは、蒸気圧縮システムから非凝縮性気体(NCG)をパージするように構成されたパージシステムを含む。パージシステムは、蒸気圧縮システムのコンデンサから蒸気冷媒とNCGとの混合物を引き出すように構成されたポンプを含む。パージシステムは、混合物の蒸気冷媒を凝縮させるとともに蒸気冷媒から混合物のNCGを分離するために、ポンプから混合物を受けるとともに混合物を蒸気圧縮システムから引き出された冷媒フローと熱交換関係に置くように構成されたパージ熱交換器をさらに含む。ポンプは、パージ熱交換器からのNCGのフローを大気中へNCGと大気との間の圧力差を介して誘導するために、混合物の圧力を上昇させるように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示の態様による、商業的環境において加熱、通気、空調、及び冷凍(HVAC&R:heating,ventilation,air conditioning,and refrigeration)システムを使用し得る建物の実施形態の斜視図である。
【
図2】本開示の態様によるHVAC&Rシステムの実施形態の斜視図である。
【
図3】本開示の態様による、
図2のHVAC&Rシステムの実施形態の概略図である。
【
図4】本開示の態様による、
図2のHVAC&Rシステムの実施形態の概略図である。
【
図5】本開示の態様による
図2のHVAC&Rシステムの実施形態の概略図である。
【
図6】本開示の態様による
図2のHVAC&Rシステムの実施形態の概略図である。
【
図7】本開示の態様による
図2のHVAC&Rシステムの実施形態の概略図である。
【
図8】本開示の態様による
図2のHVAC&Rシステムの実施形態の概略図である。
【
図9】本開示の態様による
図2のHVAC&Rシステムの実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の実施形態は、暖房、換気、空調、及び冷凍(HVAC&R)システムにおけるパージの効率を向上させ得るパージシステムを含む。例えば、特定の低圧HVAC&Rシステムにおいて、蒸発器は、蒸発器と大気との間の圧力差を原因として大気から非凝縮性気体(NCG)、例えば周囲の空気を吸い込み得る。NCGはHVAC&Rシステムを通って移動して最終的にコンデンサ内に集まり得る。NCGはHVAC&Rシステムの性能全体にとって有害であり得るため、除去されるべきである。したがって、本明細書において開示される実施形態はHVAC&RシステムからNCGを効率的にパージし得る。この目的のために、HVAC&Rシステムは、パージシステムであって、冷媒の第1フローを蒸発器から追加的な熱交換器へと導くことができ、次いで、NCGを冷媒の第2フローから分離するために冷媒の第2フローを凝縮させることにより、コンデンサ内に堆積しているHVAC&Rシステムの冷媒の第2フローからNCGを分離するために冷媒の第1フローを用い得るパージシステムを含み得る。その後、NCGは大気へ送り出され得るか別の方法で放出され得る。追加的に、又は代替形態において、パージシステムは、HVAC&RシステムからNCGをパージするための追加的な熱交換器に加えて1つ又は複数の他のシステムを用い得る。例えば、パージシステムはまた、1つ又は複数の熱電組立体及び/又は吸着室を用い得る。具体的には、1つ又は複数の熱電組立体は、追加的な熱交換器内の熱交換プロセスを助けるために蒸発器から導かれる冷媒の温度を低下させるのに役立ち得る。さらに、1つ又は複数の吸着室は、冷媒を吸着するとともにNCGがHVAC&Rシステムから流出することを可能にする、冷媒のための電気化学的親和性を備えた吸着性材料を用いることによりNCGから冷媒を濾過し得る。さらに、特定の実施形態において、パージシステムは、コンデンサからNCG及び冷媒の第2フローを引き出すとともにNCG及び冷媒の第2フローを追加的な熱交換器へ送達するために蒸気ポンプを用い得る。すなわち、蒸気ポンプは、NCG及び冷媒の第2フローの圧力を、それが追加的な熱交換器へ送達される際に上昇させ得る。圧力がより高いことを原因として、冷媒の第2フローは追加的な熱交換器内でより高い温度で凝縮させることができ、それによりパージシステムへの負荷を低減する。
【0009】
ここで図面に目を向けると、
図1は、典型的な商業的環境のための建物12における、加熱、通気、空調、及び冷凍(HVAC&R)システム10のための環境の実施形態の斜視図である。HVAC&Rシステム10は、建物12を冷却するために使用され得る、冷却された液体を供給する蒸気圧縮システム14を含み得る。HVAC&Rシステム10はまた、建物12を加熱するために温かい液体を供給するためのボイラー16と、空気を建物12を通して循環させる空気分配システムとを含み得る。空気分配システムはまた、空気還流ダクト18、空気供給ダクト20、及び/又は空気ハンドラー22を含み得る。いくつかの実施形態において、空気ハンドラー22は、ボイラー16及び蒸気圧縮システム14へ導管24により接続された熱交換器を含み得る。空気ハンドラー22における熱交換器は、HVAC&Rシステム10の作動モードに依存して、加熱された液体をボイラー16から受けることができるか、冷却された液体を蒸気圧縮システム14から受けることができるかのいずれかである。HVAC&Rシステム10は、個別の空気ハンドラーが建物12の各フロアにある状態で示されているが、他の実施形態において、HVAC&Rシステム10は、フロア間で共有され得る空気ハンドラー22及び/又は他のコンポーネントを含み得る。
【0010】
図2及び3は、HVAC&Rシステム10において用いることができる蒸気圧縮システム14の実施形態である。蒸気圧縮システム14は、圧縮器32で開始する回路を通って冷媒を循環させ得る。回路はまた、コンデンサ34と、膨張バルブ又はデバイス36と、液体チラー又は蒸発器38とを含んでもよい。蒸気圧縮システム14は、アナログ・デジタル(A/D)変換器42、マイクロプロセッサ44、不揮発性メモリ46、及び/又はインターフェイスボード48を有する制御パネル40(例えば、コントローラ)をさらに含み得る。
【0011】
蒸気圧縮システム14において冷媒として使用され得る流体のいくつかの例は、ヒドロフルオロカーボン(HFC)系冷媒、例えば、R-410A、R-407、R-134a、ヒドロフルオロ-オレフィン(HFO)、「天然」冷媒、例えばアンモニア(NH3)、R-717、二酸化炭素(CO2)、R-744、又は炭化水素系冷媒、水蒸気、地球温暖化係数(GWP)の低い冷媒、又は他の任意の好適な冷媒である。いくつかの実施形態において、蒸気圧縮システム14は、R-134aなど中圧冷媒又はR-410Aなど高圧冷媒に対して低圧冷媒とも呼ばれる、1大気圧でセ氏約0度すなわちカ氏32度以上の標準沸点を有する冷媒を効率的に用いるように構成され得る。本明細書で使用される際、「標準沸点」は、1気圧で計測された沸点温度と呼ばれ得る。
【0012】
いくつかの実施形態において、蒸気圧縮システム14は、可変速駆動装置(VSD:variable speed drive)52、モータ50、圧縮器32、コンデンサ34、膨張バルブ又はデバイス36、及び/又は蒸発器38のうちの1つ又は複数を使用し得る。モータ50は、圧縮器32を駆動することができ、可変速駆動装置(VSD)52により動力供給されてもよい。特定の実施形態において、圧縮器32は磁気ベアリングを用い得る。VSD52は、AC電源からの特定の固定された線間電圧及び固定された線間周波数を有する交流(AC)電力を受け、可変電圧及び周波数を有する電力をモータ50に供給する。他の実施形態において、モータ50は、AC又は直流(DC)電源から直接的に動力供給されてもよい。モータ50は、VSDにより、又はAC若しくはDC電源、例えばスイッチ式リラクタンスモータ、誘導モータ、電子整流式永久磁石モータ、又は別の好適なモータから直接的に動力供給され得る任意のタイプの電気モータを含み得る。
【0013】
圧縮器32は冷媒蒸気を圧縮するとともに、蒸気を排出路を通じてコンデンサ34へ送達する。いくつかの実施形態において、圧縮器32は、遠心圧縮器であってもよい。圧縮器32によりコンデンサ34へ送達された冷媒蒸気は、熱をコンデンサ34における冷却液(例えば水又は空気)に伝達し得る。冷媒蒸気は、冷却液との熱伝熱の結果として、コンデンサ34において冷媒液へと凝結し得る。コンデンサ34からの冷媒液体は、膨張デバイス36を通って蒸発器38へ流れ得る。
図3の図示の実施形態において、コンデンサ34は、水で冷却されるとともに、冷却液をコンデンサへ供給する冷却タワー56へ接続されたチューブ束54を含む。
【0014】
蒸発器38に送達される冷媒液体は、コンデンサ34において使用された冷却液と同じであっても無くてもよい別の冷却液からの熱を吸収することができる。蒸発器38における冷媒液体は、冷媒液体から冷媒蒸気への相変化を受け得る。
図3の図示された実施形態に示されるとおり、蒸発器38は、冷却負荷62に接続された供給ライン60Sと還流ライン60Rとを有するチューブ束58を含み得る。蒸発器38の冷却液(例えば水、エチルグリコール、塩化カルシウム塩水、塩化ナトリウム塩水、又は他の任意の好適な流体)は、還流ライン60Rを介して蒸発器38へ入り、供給ライン60Sを介して蒸発器38を出る。蒸発器38は、チューブ束58における冷却液の温度を、冷媒との熱伝熱を介して低下させ得る。蒸発器38におけるチューブ束58は、複数のチューブ及び/又は複数のチューブ束を含み得る。いずれの場合も、冷媒蒸気は蒸発器38を出て、吸引ラインにより圧縮器32へ戻り、サイクルを完了する。
【0015】
図4は、中間回路64がコンデンサ34と膨張デバイス36との間に組み込まれた蒸気圧縮システム14の概略図である。中間回路64は、コンデンサ34へ直接的に流体接続された入口ライン68を有し得る。他の実施形態において、入口ライン68は、コンデンサ34へ間接的に流体接続され得る。
図4の図示された実施形態に示されるとおり、入口ライン68は、中間容器70の上流に位置付けられた第1膨張デバイス66を含む。いくつかの実施形態において、中間容器70は、フラッシュタンク(例えばフラッシュ中間冷却器)であってもよい。他の実施形態において、中間容器70は、熱交換器又は「サーフェスエコノマイザー(surface economizer)」として構成され得る。
図4に示された実施形態において、中間容器70は、フラッシュタンクとして使用され、第1膨張デバイス66は、コンデンサ34から受け取った冷媒液体の圧力を低める(膨張させる)ように構成される。膨張プロセス中に、液体の一部が蒸発してもよく、したがって、中間容器70は、蒸気を、第1膨張デバイス66から受け取った液体から分離するのに使用され得る。追加的に、中間容器70は、中間容器70に入るときに冷媒液体が受ける圧力低下を理由として、(例えば、中間容器70に入るときに受ける、容積が急速に増大することを原因として)冷媒液体のさらなる膨張を提供し得る。中間容器70における蒸気は、圧縮器32の吸引ライン74を通って圧縮器32により引き込まれ得る。他の実施形態において、中間容器における蒸気は、圧縮器32の中間ステージ(例えば吸引ステージではない)へ引き込まれ得る。中間容器70において集まる液体は、膨張デバイス66及び/又は中間容器70における膨張を理由としてコンデンサ34を出る冷媒液体より低いエンタルピーであり得る。中間容器70からの液体は、次いで、ライン72内を、第2膨張デバイス36を通って、蒸発器38へ流れ得る。
【0016】
いくつかの実施形態において、蒸気圧縮システム14が作動中であるときは、蒸発器38は周囲圧力未満の圧力で機能し得る。したがって、NCGは蒸発器38内へ引き込まれ得るとともに圧縮器32を通って移動してコンデンサ34において集まり得る。これらのNCGは蒸気圧縮システム14を非効率に作動させ得る。したがって、蒸気圧縮システム14は、蒸気圧縮システム14からNCGをパージするための特徴を含み得る。
【0017】
例えば、
図5において見られるとおり、蒸気圧縮システム14は、パージシステム80を含み得る。パージシステム80は、蒸気圧縮システム14からの冷媒を用いることによりNCG、例えば周囲の空気を蒸気圧縮システム14から取り除くように構成される。この目的のために、特定の実施形態において、パージシステム80は、フラッシュタンク82、液体ポンプ84、制御可能膨張デバイス86、パージ熱交換器88、ポンプ90(例えば、真空ポンプ及び/又は蒸気ポンプ)、イジェクタ94、及び1つ又は複数の停止弁96、例えばソレノイド弁を含み得る。
【0018】
第1に、以下の説明において、冷媒は低い、中程度の、及び/又は高い温度及び/又は圧力を有すると言われ得ることに留意されるべきである。実際、冷媒の低い、中程度、及び高い圧力/温度という説明は、蒸気圧縮システム14及び/又はパージシステム80内の同じ冷媒の相対的圧力/温度値を指す。換言すると、蒸気圧縮システムは、蒸気圧縮システム14及び/又はパージシステム80全体にわたって異なる圧力値を有し得る単一の冷媒タイプを使用し得る。
【0019】
いくつかの実施形態において、蒸気圧縮システム14は、パージシステム80の作動の特定の側面を制御するためにコントローラ81を用い得る。コントローラ81は、プロセッサ83(これは1つ又は複数のプロセッサを表し得る)、例えばアプリケーション固有のプロセッサを採用する任意のデバイスであり得る。コントローラ81はまた、パージシステム80について本明細書において説明された方法及び制御動作を実行するためにプロセッサ83により実行可能な命令を記憶するためのメモリデバイス85を含み得る。プロセッサ83は、1つ又は複数の処理デバイスを含み得、メモリ85は、1つ又は複数の有形の、非一時的、機械-可読媒体を含み得る。一例として、そのような機械-可読媒体は、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、CD-ROM、又は他の光学ディスク記憶、磁気ディスク記憶若しくは他の磁気記憶デバイス、又は他の任意の媒体であって、機械実行可能命令若しくはデータ構造の形の望ましいプログラムコードを担持若しくは記憶するために使用され得るとともにプロセッサ83により若しくは任意の汎用又は特殊用途のコンピュータ若しくはプロセッサを備えた他の機械によりアクセスされ得る他の任意の媒体を含み得る。
【0020】
この目的のために、コントローラ81は、パージシステム80の1つ又は複数のコンポーネントに通信システム87を通じて通信可能に結合され得る。いくつかの実施形態において、通信システム87は、無線ネットワーク(例えば、無線ローカルエリアネットワーク[WLAN]、無線広域ネットワーク[WWAN]、近距離通信[NFC])を通じて通信し得る。いくつかの実施形態において、通信システム87は有線ネットワーク(例えば、ローカルエリアネットワーク[LAN]、広域ネットワーク[WAN])を通じて通信し得る。例えば、
図5及び6に示されるとおり、コントローラ81は、パージシステム80のいくつかの要素、例えばポンプ、弁、膨張デバイス、及び他のコンポーネントと通信し得る。いくつかの実施形態において、本明細書において説明されたコントローラ81及びコントロールパネル40(
図3及び4)の機能は、単一のコントローラを通じて制御され得る。いくつかの実施形態において、単一のコントローラは、コントロールパネル40又はコントローラ81であり得る。
【0021】
図5に示されるとおり、液体ポンプ84は冷媒(例えば、第1冷媒フロー)を蒸発器38から導管98を通じて引き出し得る。蒸発器38から引き出された冷媒は、中圧(例えば、およそ5ポンド毎平方インチ絶対値[psia])及び中温(例えば、およそカ氏40度)を有し得る。いくつかの実施形態において、冷媒は大部分が冷媒液体で一部が冷媒蒸気の2位相混合物であり得る。したがって、いくつかの実施形態において、冷媒は、2位相混合物を分離するために液体ポンプ84へ流れる前に、第1にフラッシュタンク82へ流れる。実際、いくつかの実施形態において、パージシステム80はフラッシュタンク82を用いなくてもよい。フラッシュタンク82内で、2位相混合物は、密度の違いを原因としてフラッシュタンク82の底部で蓄積する冷媒液体及びフラッシュタンク82の上部に集まる冷媒蒸気を分離し得る。液体ポンプ84は次いでフラッシュタンク82の底部から導管100を通じて冷媒液体を引き出し得る。冷媒がフラッシュタンク82からポンプ84へ移動する際、冷媒は中温(例えば、およそカ氏40度)及び中圧(例えば、およそ5psia)を有し得る。フラッシュタンク82において堆積した冷媒蒸気は導管102を通じて蒸発器38へ引き出され得る。具体的には、フラッシュタンク82からの冷媒蒸気は、蒸発器38の低圧力、又は出口側へ流れ得る。例えば、蒸発器38の低圧側とフラッシュタンク82との間の圧力差は、フラッシュタンク82からの冷媒蒸気を蒸発器38の吸引側へ引き入れ得る。実際、導管102は、導管102を通じて流れる冷媒が蒸発器38内へ流れ込むのに十分高い圧力のままとなるように設計され(例えば、大きさにされ、成形され、テクスチャ加工され)得る。冷媒蒸気がフラッシュタンク82から蒸発器38へ流れる際、冷媒蒸気は、中温(例えば、およそカ氏40度)及び中圧(例えば、およそ5psia)を有し得る。
【0022】
ポンプ84は強制的に冷媒液体を制御可能膨張デバイス86へと導管104を通し得る。冷媒液体が液体ポンプ84から制御可能膨張デバイス86へ移動する際、冷媒液体は中温(例えば、およそカ氏45度)及び高圧(例えば、およそ16psia)を有し得る。実際、液体ポンプ84を出る冷媒液体は、液体ポンプ84に入る冷媒と比較してより高い圧力及び温度を有し得る。さらに、コントローラ81は、液体ポンプ84を通る冷媒の質量流量を制御するために、1つ又は複数の液体ポンプ信号を液体ポンプ84に送信し得る。
【0023】
冷媒が制御可能膨張デバイス86を通って移動する際、制御可能膨張デバイス86は冷媒の圧力を低下させ得、したがってまた温度を低下させ得る。いくつかの実施形態において、制御可能膨張デバイス86はパージ熱交換器88より垂直に上に配置され得る。制御可能膨張デバイス86を出た後で、冷媒は、少なくとも部分的に制御可能膨張弁86とパージ熱交換器88との間の高さの差を原因として、導管106を通ってパージ熱交換器88のパージコイル108へ移動し得る。冷媒が制御可能膨張デバイス86からパージ熱交換器88へ移動する際、冷媒は低温(例えば、およそカ氏6度)及び低圧(例えば、およそ3.5psia)を有し得る。さらに、いくつかの実施形態において、制御可能膨張デバイス86が冷媒の圧力を低下させる際、冷媒の一部は冷媒蒸気として蒸発し得る。
【0024】
以下でさらに詳細に検討されるとおり、冷媒がパージ熱交換器88のパージコイル108を通って移動する際、冷媒は、コンデンサ34から又はシステムの別の部分から引き出された冷媒蒸気(例えば、第2冷媒フロー)とNCGとの混合物と熱を交換し得る。上で言及したとおり、作動中の周囲圧力と比較しての蒸気圧縮システム14の低圧を原因として、NCGは、蒸発器38内へ引き込まれ得るとともに、蒸気圧縮システム14を通って移動してコンデンサ34において堆積し得る。具体的には、NCGはコンデンサ34の一部において堆積し得る。したがって、NCGと冷媒蒸気との混合物はコンデンサ34の一部から引き出され得る。概して、正常な作動中、NCGが堆積する部分は、排出バッフルより実質的に下、コンデンサ34の真ん中の近く、コンデンサ34の出口の近く、コンデンサ34の上部の近く、又は任意のその組合せにあり得る。
【0025】
いくつかの実施形態において、コンデンサ34において堆積したNCGは冷媒蒸気と混合され得る。NCGと冷媒蒸気との混合物は導管114を通ってパージ熱交換器88、例えばパージ熱交換器88の室内へと引き入れられ得る。NCGと冷媒蒸気との混合物は、コンデンサ34とパージ熱交換器88との間の圧力差を原因としてパージ熱交換器88内へ引き入れられ得る。さらに、特定の実施形態において、NCGと蒸気との混合物は、パージ熱交換器88内の凝縮により引き起こされたパージ熱交換器88における部分真空を原因としてパージ熱交換器88内へ引き入れられ得る。
【0026】
NCGと冷媒蒸気との混合物がパージコイル108の低温表面と接触するようになると、冷媒蒸気は凝縮して冷媒液体になるとともにパージ熱交換器88内に部分真空を作り出し、それにより導管114を通じてコンデンサ34からより多くのNCGと冷媒蒸気との混合物を引き入れる。さらに、NCGと冷媒蒸気との混合物がパージ熱交換器88に入り冷媒蒸気が冷媒液体へと凝縮させる際、冷媒液体はパージ熱交換器88の底部に集まる。実際、少なくとも部分的に、凝縮した冷媒液体とNCGとの間の密度の差を原因として、NCGはパージ熱交換器88の上部に向かって集まり、一方で、凝縮した冷媒液体はパージ熱交換器88の底部に集まる。したがって、NCGと冷媒蒸気との混合物の冷媒蒸気がパージ熱交換器88内で凝縮するほど、パージ熱交換器88内の冷媒液体の液体レベルは上昇する。
【0027】
以下でさらに詳細に説明されるとおり、冷媒液体の液体レベルがパージ熱交換器88における所定の閾値に到達すると、冷媒液体は導管115を通じてコンデンサ34、蒸発器38、又は両方へ排出され、NCGはパージ熱交換器88からポンプ90により導管116を通じて送り出される。いくつかの実施形態において、パージ熱交換器88はコンデンサ34及び蒸発器38より垂直に上に配置され得る。この方法により、少なくとも部分的に、コンデンサ34及び蒸発器38と比較したパージ熱交換器88の高さの差を原因として、冷媒液体はコンデンサ34、蒸発器38、又は両方へと流れ得る。いくつかの実施形態において、コンデンサ34は蒸発器38より垂直に上に配置され得、それにより冷媒液体がパージ熱交換器88からコンデンサ34へと比較して蒸発器38へより容易に流れることを可能にする。さらに、ポンプ90は、矢印117により示されるとおり大気中へNCGを放出し得る。
【0028】
いくつかの実施形態において、パージ熱交換器88は、1つ又は複数のセンサ119であって、1つ又は複数の温度センサ、圧力センサ、重量センサ、液体レベルセンサ、超音波センサ、又は任意のその組合せを含み得る1つ又は複数のセンサ119を含み得る。例えば、1つ又は複数のセンサ119のうちの1つのセンサ119は、パージ熱交換器88内の冷媒液体の液体レベルを測定し得るとともに液体レベルに関するデータをコントローラ81へ送信し得る。液体レベルが所定の液体レベル閾値に近づく、これに一致する及び/又はこれを超える場合、コントローラ81は、上述のとおり、冷媒液体がコンデンサ34、蒸発器38、又は両方へ流れ出ることを可能にするために、停止弁96の1つ又は複数に信号を送信し得る。同様に、コントローラ81は、ポンプ90を通じてNCGを大気中へ放出するために、ポンプ90及び/又は停止弁96の1つ又は複数に信号を送信し得る。
【0029】
いくつかの実施形態において、コントローラ81は、例えば停止弁96の1つ又は複数
を起動することにより、NCGと冷媒蒸気との混合物がパージ熱交換器88に入ることを可能にする前に、コンデンサ34内にかなりの又は所定の量のNCGがあるかどうか決定することができる。コンデンサ34内にかなりの又は所定の量のNCGがあるかどうか決定するために、1つ又は複数のセンサ119のうちの別のセンサ119は、蒸気圧縮システム14の性能に関連する1つ又は複数のパラメータを測定し得るとともに、1つ又は複数のパラメータを示すデータを分析及び処理のためにコントローラ81へ送信し得る。具体的には、コントローラ81は、1つ又は複数のパラメータに基づき蒸気圧縮システム14の性能を決定することができる。コントローラ81が蒸気圧縮システム14の性能が所定の閾値を下回ると決定する場合、コントローラ81は、適切な停止弁を開くとともにNCGと冷媒蒸気との混合物がコンデンサ34からパージ熱交換器88へ流れることを可能にすることにより、コンデンサ34が上述のとおりパージされることを可能にし得る。いくつかの実施形態において、コントローラ81は、所定のスケジュールに基づき上述のとおりコンデンサ34をパージし得る。
【0030】
追加的に、又は代替形態において、センサ119のうちの1つは、コンデンサ34内の飽和温度及び実際の温度を測定し得るとともに、分析及び処理するために飽和及び実際の温度を示すデータをコントローラ81に送信し得る。コントローラ81は次いで、飽和温度が実際の温度に実質的に合致するかどうか決定し得る。飽和温度が実際の温度に実質的に合致しない場合、コントローラ81は、適切な停止弁96を開くとともにNCGと冷媒蒸気との混合物がコンデンサ34からパージ熱交換器88へ流れることを可能にすることにより、上述のとおりコンデンサ34がパージされることを可能にし得る。
【0031】
さらに、上で言及したとおり、パージ熱交換器88のパージコイル108を通って移動する冷媒は、コンデンサ34から引き出された冷媒蒸気とNCGとの混合物と熱を交換し得る。より具体的には、パージコイル108を通って移動する冷媒は、冷媒蒸気とNCGとの混合物から熱エネルギーを吸収し得るとともに、液体から蒸気への相変化を受け得、導管118を通ってイジェクタ94へとパージコイル108を出ることができる。実際、パージコイル108を出る冷媒蒸気は、中温(例えば、およそカ氏30度)及び低圧(例えば、およそ3.5度psia)で過熱状態の蒸気であり得る。
【0032】
コンデンサ34から引き出された冷媒蒸気を凝縮させるために、パージコイル108に入る冷媒は十分に低温であり得る。この目的のために、1つ又は複数のセンサ119のうちの別のセンサ119は、パージコイル108に入る冷媒の温度を測定し得るとともに、冷媒の温度を示すデータを分析及び処理するためにコントローラ81に送信し得る。この方法により、コントローラ81は、十分に低い温度を達成するためにパージコイル108内へと流れる冷媒の温度を調整するように、制御可能膨張デバイス86を制御(例えば、さらに開く及び/又は閉じる)し得る。
【0033】
パージコイル108を出た後で、冷媒蒸気は、コンデンサ34から導管120を通ってイジェクタ94に入り得る冷媒蒸気の流れと比較した圧力差を原因として、イジェクタ94内へと引き入れられ得る。イジェクタ94はまた、冷媒を膨張デバイス86及びパージコイル108を通るように引くために役立ち得る。より具体的には、コンデンサ34からの高圧冷媒蒸気は、ノズル122を通ってイジェクタ94に入り得るとともに、ノズル122を通って流れる際に流速を増し圧力を下げる。この方法により、ノズル122を出る今や低圧となった冷媒蒸気はパージコイル108から冷媒蒸気を引き出すことができ、それにより、コンデンサ32からの高圧冷媒蒸気とパージコイル108からの冷媒蒸気とをイジェクタ94内で混合する。冷媒蒸気がイジェクタ94内で混ざり合うと、それらはイジェクタ94を通って移動するとともに、イジェクタ94のディフューザコーン124を通って出る。さらに、冷媒蒸気はイジェクタ94を通過する際に混ざり合い、これは速度低下及び圧力上昇の原因となり得る。冷媒蒸気がディフューザコーン124を通過する際に、ディフューザコーン124はさらに流速を低下させるとともにイジェクタ94を出る冷媒蒸気の圧力を上昇させる。イジェクタ94を出る冷媒蒸気は次いで、蒸発器38の低圧側面へ導管126を経由し得る。より具体的には、イジェクタ94を出る冷媒蒸気は、蒸発器38内のより低圧の冷媒と比べた圧力差を原因として蒸発器38へ引き込まれる。特に、イジェクタ94から蒸発器38へ流れる冷媒は、中温(例えば、およそカ氏40度)及び中圧(例えば、およそ5psia)であり得る。
【0034】
上で言及したとおり、蒸気圧縮システム14が作動中であるときは
図5に関して説明された実施形態が用いられ得る。実際、作動中、蒸気圧縮システム14内の低圧は、周囲の空気及び/又は他の非凝縮性気体を吸い込み得る。しかしながら、蒸気圧縮システム14が作動していないときは、蒸気圧縮システム14は、特にコンデンサ34の上部においていくらかの量の残っているNCGを依然として含み得る。しかしながら、蒸気圧縮システム14が作動していないときは、イジェクタ94は、パージコイル108から冷媒を引き出すためにコンデンサ34から高圧冷媒を引き入れなくてもよく、その理由は、蒸気圧縮システム14内の冷媒の圧力レベルは蒸気圧縮システム14が作動していないときは横ばいになり得るためである。したがって、
図6に示されるとおり、パージシステム80は、蒸気圧縮システム14から残っているNCGをパージするために、熱電組立体150及び/又は吸着室152を用い得る。
【0035】
例えば、
図6に示されるとおり、蒸気圧縮システム14が作動していない場合、液体ポンプ84は冷媒を蒸発器38から導管100を通じて吸い込み得る。液体ポンプ84は次いで、制御可能膨張弁86を通じてパージ熱交換器88のパージコイル108へ、導管104を通じて冷媒を圧送し得る。液体ポンプ84からパージコイル108へ移動する間に、冷媒は、熱電組立体150が冷媒から熱を吸収するとともに周囲の大気へ熱を放出するため温度が低下し得る。具体的には、熱電組立体150は、熱電組立体150内で電力勾配を誘導するために電源154を用い得る。電源154は、限定するものではないが送電網、バッテリ、太陽電池パネル、発電機、ガスエンジン、蒸気圧縮システム14、又はその任意の組合せを含む任意の好適な電源であり得る。熱電組立体150は、熱電効果又はペルチェ・ゼーベック効果を通じて電力勾配を熱勾配に変換し得る。特に、熱電組立体150は、液体ポンプ84からパージコイル108へ流れる冷媒から熱を吸収するために熱勾配を用い得る。
【0036】
現在の実施形態において、熱電組立体150は導管104の液体ポンプ84と制御可能膨張弁86との間に配置されるとともに、導管104を通って流れるときに冷媒から熱を吸収するように構成される。しかしながら、いくつかの実施形態において、熱電組立体150は導管106の制御可能膨張弁106とパージコイル108との間に配置されてもよいとともに、導管106を通って流れるときに冷媒から熱を吸収するように構成され得る。いくつかの実施形態において、導管104及び/又は106は熱的に絶縁され得る。具体的には、熱電組立体150の熱電組立体150a、又は熱電モジュールは、熱ペースト156、熱電デバイス158、ヒートシンク160、及びファン162を含み得る。例えば、熱電組立体150aは導管、例えば導管104及び/又は導管106に、熱ペースト156で結合され、この熱ペースト156は熱電デバイス158の第1側に結合され得る。熱電デバイス158の第2側はヒートシンク160に結合され、このヒートシンク160は今度はファン162に結合される。熱電組立体150は、任意の好適な数の独立した熱電組立体150a、又は熱電モジュールを含み得る。例えば、いくつかの実施形態において、パージシステム80は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10個、11個、12個、13個、14個、又は他の任意の好適な数の熱電組立体150aを含み得る。いくつかの実施形態において、熱電組立体150が結合される導管、例えば導管104及び/又は導管106は、熱電組立体150への熱伝達を促すために内部フィン161を含み得る。
【0037】
熱電組立体150が冷媒から熱を吸収する際に、冷媒は過冷却されるようになり得る。したがって、パージコイル108に到達する前に、最小限の冷媒が沸騰するか冷媒が全く沸騰しない(例えば、冷媒が過冷却されたまま残る)ように、制御可能膨張弁86は完全に又は実質的に開かれ得る(例えば、コントローラ81により指示されたとおりに)。過冷却された冷媒がパージコイル108を通過する際に、過冷却された冷媒は、
図5を参照して上述したとおり、コンデンサ34からパージ熱交換器88内へ引き込まれて得るNCGと冷媒蒸気との混合物と熱を交換し得る。しかしながら、
図5において上述の実施形態とは異なり、いくつかの実施形態において、過冷却された冷媒が、パージコイル108を通って移動するとともにNCGと冷媒蒸気との混合物から熱を吸収する際に、完全にではないとしても、実質的に液体状態のままであるように、パージコイル108を通過する過冷却された冷媒は、十分に過冷却され得ることに留意されるべきである。いくつかの実施形態において、流体ポンプ84は、過冷却された冷媒が、パージコイル108を通って移動するとともにNCGと冷媒蒸気との混合物から熱を吸収する際に、完全にではないとしても、実質的に液体状態のままであるように、過冷却された冷媒をこのような高流量(例えば、コントローラ81により指示されたとおり)でパージコイル108に強制的に通し得る。いくつかの実施形態において、冷媒がパージコイル108を通って移動する際に液体状態のままであることを確実にするために、コントローラ81は、熱電組立体150が冷媒と長時間の間熱交換関係にあるとともに、それにより、パージコイル108に流入する前に冷媒の温度をさらに低下させるように、停止弁96の1つ又は複数及び液体ポンプ84に信号を送信し得る。
【0038】
パージコイル108内の冷媒の液体状態を少なくとも部分的に原因として、頭部圧力及び/又は重力は、冷媒が導管163を通って蒸発器38へ還流することを可能にする。さらに、上述のとおり、コンデンサ34から引き出されたNCGと冷媒蒸気との混合物の冷媒蒸気は、凝縮し得るとともにパージ熱交換器88の底部に集まることができ、最終的に、冷媒流体レベルがパージ熱交換器88内で所定の閾値に到達するとコンデンサ34及び/又は蒸発器38に還流し得る。
【0039】
同様に
図6に示されるとおり、いくつかの実施形態において、パージシステム80は、蒸気圧縮システム14から周囲の空気又は他の非凝縮性気体をパージするために吸着室152を用い得る。例えば、いくつかの実施形態において、ポンプ90がパージ熱交換器88から引き出すNCGガス/冷媒蒸気は、NCGに加えて冷媒蒸気の一部を含み得る。したがって、吸着室152は、ポンプ90により引き込まれた冷媒蒸気の一部を、NCGを大気に放出する前に取り除き得る。説明するために、ポンプ90は、NCGと冷媒蒸気との混合物、すなわち「混合物」を、導管164を通じて吸着室152の1つ又は複数へ圧送し得る。混合物が吸着室152の吸着室152を通って移動する際、混合物は吸着室152の改質材料166を通過することができ、冷媒蒸気は、改質材料166及び冷媒蒸気の特性を原因として改質材料166の中及び/又は上へ吸着され得るか引き付けられ得る。例えば、電気化学特性は本明細書において説明された吸着を助ける。さらに、混合物が吸着室152を通って移動する際、同様に少なくとも部分的にNCG及び改質材料166の特性を原因として、NCGは改質材料166の中へ吸着されなくてもよい。したがって、NCGは改質材料162を通過し得るとともに、矢印170により示されるとおり引き続き空気出口弁168を通って大気中に放出される。
【0040】
改質材料166が冷媒を吸着する際、改質材料166は冷媒で飽和し得るとともに追加的な冷媒を効率的に吸着しなくてもよい。したがって、加熱器169、例えば、投げ込み加熱器、外側ケーブル加熱器、又はバンド加熱器は、改質材料166に熱エネルギーを提供するために起動され得る。改質材料166は熱エネルギーを冷媒に移行させる。経時的に、冷媒に与えられた熱エネルギーにより、改質材料166が蒸気状態の冷媒を放出する
ように、改質材料166冷媒の接着が克服されるようになる。改質材料166から放出されると、冷媒蒸気は、冷媒蒸気が導管170を通って蒸発器38へ流れるように、蒸発器38内の圧力と比較して高圧を有し得る。いくつかの実施形態において、吸着室152は、吸着室152の出口で牽引力を生じるために真空ポンプを用い得る。牽引力は、冷媒が改質材料166から引き出されるように、改質材料166と冷媒との電気化学結合より強くてもよい。
【0041】
いくつかの実施形態において、吸気弁166は、混合物が一度に特定の吸着室152のみへ流れることを可能にし得る。この方法により、吸着室152は上述のとおりの混合物を連続的に受けるとともに濾過し得る。例えば、コントローラ81は、混合物が吸着室152のうちの1つ又は複数の特定の吸着室152により濾過されることを可能にするように停止弁96を制御し得る。特定の吸着室152が冷媒で飽和すると、コントローラ81は特定の吸着室152への混合物の流れを止め得るとともに、混合物が異なる吸着室152へ流れることを可能にする。コントローラ81が特定の吸着室152への流れを止めると、コントローラは、上述のとおり冷媒蒸気が蒸発器38へ流れることを可能にするために、特定の吸着室152と関連する加熱器169を起動させ得る。実際、特定の吸着室152が加熱されている間、異なる吸着室152は引き続き混合物を濾過し得る。特定の吸着室152が冷媒で十分に不飽和となると、混合物が特定の吸着室152へ流れることを可能にするために、コントローラ81はもう一度停止弁96の1つ又は複数を起動し得る。この目的のために、パージシステム80は、混合物の連続的な濾過を可能にするために、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、又は他の任意の好適な数の独立した吸着室152を含み得る。さらに、
図6に関して本明細書において検討された実施形態、具体的には熱電組立体150及び/又は吸着室152の使用は、蒸気圧縮システム14が作動中の場合も蒸気圧縮システム14が作動していない場合も用いられ得ることに留意されるべきである。
【0042】
特定の実施形態において、
図7に示されるとおり、パージシステム80は、混合物がパージ熱交換器88に入る前に混合物の圧力を上昇させるように構成された、パージ熱交換器88の上流に配置されたポンプ202、例えば、相互/ダイヤフラムオイルフリー蒸気ポンプを用い得る。この方法により、混合物の蒸気冷媒がパージ熱交換器88において凝縮する温度が上昇し、それによりパージシステム80への負荷が低減する。さらに、パージシステム80は、ソレノイド弁204、イジェクタ206、例えば、イジェクタ94、シェルアンドチューブ熱交換器であり得るパージ熱交換器88、及び1つ又は複数の停止弁96を含み得る。
【0043】
概して、パージシステム80は、蒸気圧縮システム14からNCGをパージするために蒸気圧縮システム14からの冷媒を用い得る。換言すると、蒸気圧縮システム14からの冷媒は、パージシステム80内で冷媒とNCGとの混合物を凝縮させるために冷却源として使用され得る。例えば、パージシステム80はNCGと蒸気冷媒との混合物をコンデンサ34から引き出し得る。混合物は次いでパージ熱交換器88へ圧送され、そこで蒸気冷媒は凝縮し、それにより、混合物の冷媒を混合物のNCGから分離する。特に、蒸気冷媒を凝縮させるために、混合物は、蒸気圧縮システム14の膨張デバイス36の下流から引き出された冷媒との熱交換関係におかれる。凝縮した冷媒は次いでコンデンサ34へ排出され、NCGは大気中に放出される。
【0044】
さらに説明するために、ポンプ202は蒸気冷媒とNCGとの混合物をコンデンサ34から導管203を通じて引き出し得る。特定の実施形態において、コンデンサ34から引き出された混合物はおよそ94°F及び26psiであり得る。ポンプ202は、コンデンサ34から混合物を送り出すとともに混合物を導管205を通じてパージ熱交換器88へ送達する際に混合物の圧力を上昇させ得る。特定の実施形態において、ポンプ202は
混合物の圧力をおよそ50psiだけ上昇させ得る。例えば、ポンプ202を通過した後で、混合物はおよそ160°F及び76psiであり得るとともに、およそ10lbm/hr(ポンド-質量毎時)の流量の過熱状態の蒸気であり得る。上昇した圧力を原因として、混合物内の冷媒蒸気は、上で言及したとおりパージ熱交換器88内でより高い熱交換温度で凝縮する。すなわち、ポンプ202が混合物の圧力を上昇させるにつれ、蒸気冷媒の凝縮温度は対応して上昇し、したがって、蒸気冷媒は凝縮するためにより少ない冷却を用いる。特定の実施形態において、ポンプ202は、蒸気冷媒がパージ熱交換器88内でおよそ43°Fで凝縮し得るように、混合物の圧力を上昇させ得る。特定の実施形態において、ポンプ202は、互いに直列に配置された2つのポンプ199を含み得る。この方法により、負荷は2つのポンプ199間で分割又は分断され、結果として個々のポンプ199に引き起こされる応力がより少なくなり得、それにより結果としてポンプ199の補修管理がより少なくなる。
【0045】
パージ熱交換器88が蒸気冷媒を液体冷媒へと凝縮させる際、液体冷媒はパージ熱交換器88の底部において集まり得る。上で検討されたとおり、液体冷媒がパージ熱交換器88内の閾値容積に到達すると、コントローラ81は、液体冷媒を導管207を通じてコンデンサ34へパージ熱交換器88から排出するために停止弁96を作動させ得る。特定の実施形態において、液体冷媒はコンデンサ34へ連続的に排出され得る。特定の実施形態において、パージ熱交換器88から排出された液体冷媒はおよそ160°F及び76psiの過冷却液体であり得る。
【0046】
さらに、冷媒及びNCGがパージ熱交換器88内で分離される際、NCGは導管209を介してソレノイド弁204を通じて大気中へ放出され得る。例えば、ポンプ202は、混合物において冷媒から分離されたNCGの圧力が大気圧を上回るように、パージ熱交換器88へ入る混合物の圧力を上昇させ得る。したがって、パージ熱交換器88におけるNCGと大気との間の圧力差はNCGのフローをソレノイド弁204を通り大気へ入るように駆動し得る。いくつかの実施形態において、コントローラ81は、パージ熱交換器88内の流体レベルが閾値に到達するとNCGを大気中に放出するためにソレノイド弁204を起動し得る。特定の実施形態において、コントローラ81は、例えばソレノイド弁204を通じてNCGを放出する前に停止弁96の1つ又は複数を作動させる及び/又はポンプ202を停止させることにより、混合物がパージ熱交換器88に入るのをブロックし得る。この方法により、パージシステム80は、パージ熱交換器88内の混合物の蒸気冷媒の実質的に全てが凝縮しており、それにより、ソレノイド弁204を通じた蒸気冷媒の放出をブロックすることを確実にし得る。
【0047】
上で検討されたとおり、蒸気冷媒が液体冷媒へと凝縮する際に混合物の蒸気冷媒及びNCGはパージ熱交換器88内で分離され得る。特に、蒸気冷媒を凝縮させるために、混合物は蒸気圧縮システム14から引き出された液体冷媒と熱交換関係におかれ得る。より具体的には、液体冷媒は膨張デバイス36の下流の蒸気圧縮システム14の冷媒ループから導管211を通じて引き出され得る。本明細書において検討されたとおり、蒸気圧縮システム14の冷媒ループから膨張デバイス36の下流の位置で引き出されるとともに混合物の蒸気冷媒を凝縮させるために使用される冷媒は、「膨張冷媒(expanded refrigerant)」と呼ばれ得る。膨張冷媒は実質的に液体であり得、及び/又はいくらかのフラッシュガスを含み得る。
【0048】
パージ熱交換器88内で混合物の蒸気冷媒を凝縮させるために、膨張冷媒はパージ熱交換器88のチューブ210を経由し得る。膨張冷媒がパージ熱交換器88のチューブ210通って移動する際、膨張冷媒は混合物と熱を交換し得る。特に、膨張冷媒は混合物からの熱を吸収し得る。したがって、膨張冷媒がパージ熱交換器88のチューブ210を出る際、膨張冷媒は過熱状態の蒸気であり得る。例えば、膨張冷媒はパージ熱交換器88をおよそ8.5lbm/hrの流量でおよそ43°F及び9psiで出ることができる。
【0049】
膨張冷媒をパージ熱交換器88のチューブ210を通じて引き出すために、パージシステム80はイジェクタ206を用い得る。イジェクタ206は上述のとおりイジェクタ94と同様に機能し得る。例えば、イジェクタ206は、膨張冷媒をパージ熱交換器88のチューブ210を通じて及び導管212を通じて引き出すために圧力差を用い得る。具体的には、イジェクタ206は、冷媒であって、圧縮器32のすぐ下流、例えば、圧縮器32とコンデンサ34との間にある蒸気圧縮システム14の冷媒ループに沿った位置に流体結合された導管213を通じて引き出された冷媒を用い得る。イジェクタ206は、少なくとも部分的に、チューブ210を通って流れる膨張冷媒と圧縮器32の下流で冷媒ループから引き出された冷媒との間の低い圧力差を原因として、増加した性能で機能し得る。例えば、チューブ210から引き出された膨張冷媒の圧力はおよそ8psi~9psiであり得、圧縮器32の下流から引き出された冷媒の圧力はおよそ26psiであり得る。イジェクタ206は次いで、組み合わされた冷媒を導管215を通じて蒸発器38へ流し得る。さらに、液体冷媒は、少なくとも部分的に、パージ熱交換器88と蒸発器38との間の高さの差を原因としてパージ熱交換器88から蒸発器38へ流れ得る。追加的に、又は代替形態において、液体冷媒は、少なくとも部分的に、パージ熱交換器88とコンデンサ34との間の高さの差を原因としてパージ熱交換器88からコンデンサ34へ流れ得る。
【0050】
さらに、特定の実施形態、例えば
図8に示された実施形態において、パージシステム80は、パージ熱交換器88内で混合物の蒸気冷媒を凝縮させるために冷媒を蒸発器38から引き出すために、液体ポンプ222、例えば液体ポンプ84を用い得る。さらに、パージシステム80は、蒸気圧縮システム14からNCGをパージするために、ポンプ202、例えば相互/ダイヤフラムオイルフリー蒸気ポンプ、ソレノイド弁204、直接接触熱交換器であり得るパージ熱交換器88、ポンプ202、液体ポンプ222、及び1つ又は複数の停止弁96を用い得る。
【0051】
概して、パージシステム80は、蒸気圧縮システム14からNCGをパージするために蒸気圧縮システム14から引き出された冷媒を用い得る。例えば、パージシステム80は、コンデンサ34から、蒸気冷媒と混合され得るNCGを引き出し得る。NCGと蒸気冷媒との混合物は次いでパージ熱交換器88へ圧送され、そこで蒸気冷媒は凝縮し、それにより、混合物の冷媒を混合物のNCGから分離する。特に、蒸気冷媒を凝縮させるために、混合物は、冷媒であって、蒸発器38から又は膨張デバイス36の上流の蒸気圧縮システム14の冷媒ループに沿った位置から引き出され得る冷媒との熱交換関係におかれる。パージ熱交換器88内の凝縮した冷媒は次いで蒸発器38及び/又はコンデンサ34へ排出され、NCGは大気中に放出される。
【0052】
さらに説明するために、ポンプ202は冷媒蒸気とNCGとの混合物を導管203を通じてコンデンサ34から引き出し得る。特定の実施形態において、コンデンサ34から引き出された混合物はおよそ94°F及び26psiであり得る。ポンプ202は、コンデンサ34から混合物を圧送するとともに導管205を通じてパージ熱交換器88へ混合物を送達する際に混合物の圧力を上昇させ得る。特定の実施形態において、ポンプ202は混合物の圧力をおよそ50psiだけ上昇させ得る。特に、ポンプ202を通過した後で、混合物は過熱状態の蒸気であり得る。例えば、混合物はおよそ10lbm/hr(ポンド-質量毎時)の流量でおよそ160°F及び76psiであり得る。この方法により、冷媒蒸気はパージ熱交換器88内でより高い熱交換温度で凝縮する。すなわち、ポンプ202が混合物の圧力を上昇させるにつれ、冷媒の凝縮温度は対応して上昇し、したがって凝縮するために用いる冷却がより少ない。
【0053】
パージ熱交換器88内へ圧送されると、混合物は、蒸発器38から及び/又は膨張デバイス36の上流から引き出された冷媒と熱を交換し得る。より具体的には、液体ポンプ222は、蒸発器38の底部又は出水セクションから導管223を通じて液体冷媒を引き出し得、液体冷媒の圧力を上昇させ得、混合物と熱を交換するために導管225を通じてパージ熱交換器88へ液体冷媒を送達し得る。蒸発器38から引き出された液体冷媒はおよそ43°F及び9psiであってもよく、過冷却液体であり得る。液体ポンプ222は、液体冷媒の圧力を例えばおよそ76psiへ上昇させ得、過冷却された状態の液体冷媒をパージ熱交換器88へおよそ30lbm/hrで送達し得る。さらに、ポンプ202を通じた混合物の出力圧力は、液体ポンプ222を出る液体冷媒の出力圧力に実質的に合致し得ることに留意されるべきである。実際、ポンプ202は混合物をおよそ10lbm/hrの流量でおよそ160°F及び76psiでパージ熱交換器88に送達し得る。
【0054】
いくつかの実施形態において、液体ポンプ222は、上で検討されたとおり液体冷媒を膨張弁36の上流から引き出し得る。そのような実施形態において、液体ポンプ222は圧力差が低下したことを原因として上昇した効率で機能し得る。例えば、膨張デバイス36の上流の液体冷媒は、蒸発器38の液体冷媒よりも圧力が高くてもよい。したがって、ポンプ202の圧力出力に合致するために、液体ポンプ222が液体膨張デバイス36の上流から引き出された冷媒を圧送している場合は、液体ポンプ222は働きをより少なくしなければならない場合がある。
【0055】
蒸発器38から及び/又は膨張デバイス36の上流から引き出された液体冷媒は、噴霧システム224であって、液体冷媒をパージ熱交換器88の容積全体にわたって分散させるように構成された噴霧ノズルと噴霧器ラックとを含み得る噴霧システム224を通じてパージ熱交換器88へ供給され得る。液体冷媒が蒸気冷媒とNCGとの混合物と混ざり合う際に、混合物の蒸気冷媒は液体冷媒へと凝縮し得、この液体冷媒は次いでパージ熱交換器88の底部において液体冷媒のプールを形成し得る。液体冷媒は次いで、図示のとおり導管226を通って蒸発器38へと排出され得る。例えば、上で検討されたとおり、液体冷媒がパージ熱交換器88内の閾値容積に到達すると、コントローラ81は液体冷媒を蒸発器38へ排出するために停止弁96を作動させ得る。特定の実施形態において、液体冷媒は蒸発器38へ及び/又はコンデンサ34へ連続的に排出され得る。特定の実施形態において、パージ熱交換器88から排出された液体冷媒はおよそ132°F及び76psiの過冷却液体であり得る。
【0056】
さらに、混合物の冷媒及びNCGがパージ熱交換器88内で分離されると、NCGはソレノイド弁204を通じて大気中へ放出され得る。例えば、ポンプ202は、パージ熱交換器88内のNCGの圧力が大気圧を上回るように、蒸気冷媒とNCGとの混合物の圧力を上昇させ得る。したがって、パージ熱交換器88におけるNCGと大気との間の圧力差は、NCGのフローをソレノイド弁204を通って大気中へと駆動し得る。いくつかの実施形態において、コントローラ81は、パージ熱交換器88の流体レベルが閾値に到達すると、NCGを大気中に放出するためにソレノイド弁204を起動し得る。特定の実施形態において、コントローラ81は、例えば、ソレノイド弁204を通じてNCGを放出する前に1つ又は複数の停止弁を作動させる、及び/又はポンプ202を停止させることにより、混合物がパージ熱交換器88に入るのをブロックし得る。この方法により、パージシステム80は、パージ熱交換器88内の混合物の蒸気冷媒の実質的に全てが凝縮しており、それにより、ソレノイド弁204を通じた蒸気冷媒の放出をブロックすることを確実にし得る。さらに、液体冷媒は、少なくとも部分的に、パージ熱交換器88と蒸発器38との間の高さの差を原因としてパージ熱交換器88から蒸発器38へ流れ得る。追加的に、又は代替形態において、液体冷媒は、少なくとも部分的に、パージ熱交換器88とコンデンサ34との間の高さの差を原因としてパージ熱交換器88からコンデンサ34へ流れ得る。
【0057】
上で検討されたとおり、特定の実施形態において、ポンプ202は、直列に配置された2つのポンプ199を含み得る。この方法により、負荷は2つのポンプ199間で分割され、このことは個々のポンプ199で引き起こされる応力がより少なくなることをもたらし得、それにより、結果としてポンプ199の補修管理がより少なくなる。同様に、特定の実施形態において、液体ポンプ222は、直列に配置された2つの液体ポンプ227を含み得る。この方法により、負荷は2つの液体ポンプ227の間で分割され、結果として個々の液体ポンプ227で引き起こされる応力をより少なくし得、それにより、結果として液体ポンプ227の補修管理をより少なくする。
【0058】
追加的に、上で
図8を参照して検討された実施形態は、蒸気圧縮システム14がオフの間に用いられ得る。実際、
図8の実施形態を参照して検討されたとおり、パージシステム80は、作動中に蒸気圧縮システム14によりもたらされた条件を必ずしも用いなくてもよい。すなわち、ポンプ202及び液体ポンプ222は、蒸気圧縮システム14からNCGをパージするためにパージシステム80の機能により用いられた圧力を誘発し得る。
【0059】
さらに、特定の実施形態において、
図9に示されるとおり、パージシステム80は、混合物の蒸気冷媒を凝縮させるために、冷媒を膨張デバイス36の上流の蒸気圧縮システム14の冷媒ループから引き出し得る。特に、パージシステム80は、圧力差がパージ熱交換器88のチューブ210を通じた冷媒のフローを駆動するように、冷媒をコンデンサ34及び蒸発器38の圧力の間の中間圧力へと膨張させるために、第2膨張デバイス230を用い得る。さらに、パージシステム80は、上で検討されたとおりコンデンサ34において堆積しているNCGを取り除くために、ポンプ202、パージ熱交換器88、例えばシェルアンドチューブ熱交換器、ソレノイド弁204、及び三方弁228を用い得る。
【0060】
概して、パージシステム80は、蒸気圧縮システム14からNCGをパージするために蒸気圧縮システム14から引き出された冷媒を用い得る。例えば、パージシステム80は、蒸気冷媒との混合物において配置され得るNCGをコンデンサ34から引き出し得る。混合物は次いでパージ熱交換器88へ圧送され、そこで蒸気冷媒は凝縮し、それにより、混合物の冷媒を混合物のNCGから分離する。例えば、蒸気冷媒を凝縮させるために、混合物は膨張デバイス36の上流から引き出された冷媒と熱交換関係におかれる。凝縮した冷媒は次いでコンデンサ34へ排出され、NCGは大気中に放出される。
【0061】
さらに説明するために、ポンプ202は冷媒蒸気とNCGとの混合物を導管203を通じてコンデンサ34から引き出し得る。特定の実施形態において、コンデンサ34から引き出された混合物はおよそ94°F及び26psiであり得る。ポンプ202は、コンデンサ34から混合物を圧送するとともに導管205を通じてパージ熱交換器88へ混合物を送達する際に混合物の圧力を上昇させ得る。特定の実施形態において、ポンプ202は混合物の圧力をおよそ50psiだけ上昇させ得る。例えば、ポンプ202を通過した後で、混合物は、およそ10lbm/hr(ポンド-質量毎時)の流量でおよそ160°F及び76psiの過熱状態の蒸気であり得る。この方法により、混合物内の冷媒蒸気はパージ熱交換器88内でより容易に凝縮し得る。すなわち、ポンプ202が混合物の圧力を上昇させるにつれ、冷媒の凝縮温度は対応して上昇し、したがって凝縮するために用いる冷却がより少なくなる。
【0062】
パージ熱交換器88が蒸気冷媒を液体冷媒へと凝縮させる際、液体冷媒はパージ熱交換器88の底部において集まり得る。上で検討されたとおり、液体冷媒がパージ熱交換器88内の閾値容積に到達すると、コントローラ81は液体冷媒を導管207を通じてコンデンサ34へ排出するために停止弁96を作動させ得る。特定の実施形態において、液体冷媒はコンデンサ34へ連続的に排出され得る。特定の実施形態において、パージ熱交換器88から排出された液体冷媒はおよそ160°F及び76psiの過冷却液体であり得る。
【0063】
さらに、混合物の蒸気冷媒及びNCGがパージ熱交換器88内で分離される際、NCGは導管209を介してソレノイド弁204を通じて大気中へ放出され得る。例えば、ポンプ202は、パージ熱交換器88内のNCGの圧力が大気圧を上回るように、NCG及び蒸気冷媒の混合物の圧力を上昇させ得る。したがって、パージ熱交換器88におけるNCGと大気との間の圧力差は、NCGのフローをソレノイド弁204を通じて大気中へと駆動し得る。いくつかの実施形態において、コントローラ81は、パージ熱交換器88の内部圧力が閾値に到達するとNCGを大気中に放出するために、ソレノイド弁204を起動し得る。特定の実施形態において、コントローラ81は、例えば、ソレノイド弁を通じてNCGを放出する前に1つ又は複数の停止弁96を作動させる及び/又はポンプ202を停止させることにより、混合物がパージ熱交換器88に入るのをブロックし得る。この方法により、パージシステム80は、パージ熱交換器88内の混合物の蒸気冷媒の実質的に全てが凝縮しており、それにより、ソレノイド弁204を通じた蒸気冷媒の放出をブロックすることを確実にし得る。
【0064】
混合物の蒸気冷媒を凝縮させるために、パージシステム80は混合物をパージ熱交換器88内の液体冷媒と熱交換関係におき得る。液体冷媒は、蒸気を膨張デバイス36の上流の位置で三方弁228を通じて蒸気圧縮システム14の冷媒ループから引き出され得る。パージ熱交換器88に入る前に、冷媒ループから引き出された液体冷媒は、第2膨張デバイス230を介して、中間圧力まで膨張され得る。特に、中間圧力は蒸発器38の圧力を上回り得るとともにコンデンサ34の圧力を下回り得る。例えば、中間圧力はおよそ9psi~26psiであり得る。別の例として、中間圧力はおよそ10psi~12psiであり得る一方で、蒸発器38の圧力はおよそ9psiであり得る。したがって、液体冷媒はパージ熱交換器88のチューブ210を通って流れ得、蒸気し得、少なくとも部分的に、蒸気冷媒と蒸発器38との間の圧力差を原因として導管238を通って蒸発器38へ流れ得る。例えば、パージ熱交換器88を出た後で、蒸気冷媒はおよそ52°F及び11psiであり得る一方で、蒸発器38内の冷媒はおよそ9psiであり得る。さらに、蒸気冷媒は、少なくとも部分的に、パージ熱交換器88と蒸発器38との間の高さの差を原因としてパージ熱交換器88から蒸発器38へ流れ得る。追加的に、又は代替形態において、蒸気冷媒は、少なくとも部分的に、パージ熱交換器88とコンデンサ34との間の高さの差を原因としてパージ熱交換器88からコンデンサ34へ流れ得る。
【0065】
さらに、
図5~9に示されるとおり、いくつかの実施形態において、ポンプ、例えば、液体ポンプ84、ポンプ90、ポンプ202、及び/又は液体ポンプ222は任意の好適なモータであり得る1つ又は複数のモータ180により動力供給され得る。いくつかの実施形態において、コントローラ81は1つ又は複数のモータ180との通信を通じてポンプを制御し得る。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のモータ180は、熱電組立体150に動力供給するために使用される電源154と同様であり得る電源154から動力を受け得る。
【0066】
したがって、本開示は、低圧HVAC&Rシステム(例えば、チラーシステム、蒸気圧縮システム)から作動中にHVAC&Rシステムに入り得る場合のあるNCGをパージするためのシステム及び方法を対象とする。具体的には、パージシステムは、HVAC&Rシステムから引き出された冷媒を用いることによりHVAC&RシステムからNCGをパージし得る。換言すると、冷媒の第1フローを凝縮させるとともにNCGから冷媒の第1フローを分離するためにHVAC&Rシステムの冷媒の第2フローを冷却源として用いて、NCGと混合されたHVAC&Rシステムの冷媒の第1フローからNCGがパージされ得る。開示された実施形態は従来のパージ方法と比較して費用効率的であるとともに、追加的な冷媒を備えた追加的な冷媒ループを使用することなしにHVAC&RシステムからNCGがパージされることを可能にする。
【0067】
特定の特徴及び実施形態のみが図示され説明されたが、特許請求の範囲において列挙された主題の新規な教示及び利点から実質的に逸脱すること無しに、当業者には多くの修正形態及び変更形態が浮かび得る(例えば、様々な要素のサイズ、寸法、構造、形状及び割合、パラメータ(例えば温度、圧力など)の値、取付配置構成、材料、色、向きなどの使用におけるバリエーション)。任意のプロセス又は方法ステップの順番又は順序は、代替的実施形態により変えられ得るか、又は並べ直され得る。したがって、添付の特許請求の範囲は全てのそのような修正形態及び変更形態を、本発明の真の趣旨内に該当するとして、カバーすることを意図されていることを理解されたい。さらに、例示的実施形態の簡潔な説明を提供するために、実際の実装形態の全ての特徴が説明されないこともある(すなわち、本発明を実施する現在想定される最良のモードに関連しないもの、又は、特許請求された発明を可能にすることに関連しないもの)。任意のそのような実際の実装形態の開発においては、任意の工学的又は設計プロジェクトと同様に、数多くの実装形態の特定の決定がなされ得ることが認められるべきである。このような開発努力は、複雑かつ時間がかかり得るが、それにも関わらず、この開示の利益を有する当業者にとっては、不要な実験をすることなく、設計、組立て、及び製造の通常の作業であり得る。
【手続補正書】
【提出日】2021-11-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
暖房、換気、空調、及び冷凍(HVAC&R)システムであって、
冷媒ループと、
前記冷媒ループに沿って配置された圧縮器であって、前記圧縮器が、冷媒を前記冷媒ループを通じて循環させるように構成される圧縮器と、
前記冷媒ループに沿って配置された蒸発器であって、前記蒸発器が前記冷媒を第1冷却流体と熱交換関係に置くように構成される、蒸発器と、
前記冷媒ループに沿って配置されたコンデンサであって、前記コンデンサが前記冷媒を第2冷却流体と熱交換関係に置くように構成される、コンデンサと、
前記HVAC&Rシステムから非凝縮性気体をパージするように構成されたパージシステムであって、前記パージシステムが、
前記蒸発器から第1冷媒フローを引き出すように構成された液体ポンプと、
前記液体ポンプから前記第1冷媒フローを受けるとともに前記第1冷媒フローの温度を低下させるように構成された制御可能膨張弁と、
パージコイルを含むパージ熱交換器であって、前記パージコイルが前記制御可能膨張弁から前記第1冷媒フローを受けるように構成され、前記パージ熱交換器の室が前記コンデンサから前記非凝縮性気体と第2冷媒フローとを含む混合物を引き出すように構成され、前記パージ熱交換器が、前記混合物の前記非凝縮性気体を前記混合物の前記第2冷媒フローから前記第1冷媒フローを用いて分離するように構成される、パージ熱交換器と
を含むパージシステムと、
前記蒸発器と前記パージ熱交換器とを流体結合する流路であって、前記液体ポンプは、前記流路を通る前記第1冷媒フローの方向に対して、前記流路に沿って前記制御可能膨張弁の上流側に配置され、前記制御可能膨張弁は、前記流路に沿って前記液体ポンプと前記パージ熱交換器との間に配置される、流路と
を含む暖房、換気、空調、及び冷凍(HVAC&R)システム。
【請求項2】
HVAC&Rシステムが、前記パージコイルから前記第1冷媒フローを受けるように構成されたイジェクタを含み、前記イジェクタが前記コンデンサからの前記第2冷媒フローを用いて第1冷媒フローの圧力を上昇させるように構成される、請求項1に記載のHVAC&Rシステム。
【請求項3】
前記蒸発器が、前記イジェクタから排出された前記第2冷媒フロー及び前記第1冷媒フローを受けるように構成される、請求項2に記載のHVAC&Rシステム。
【請求項4】
前記パージシステムが、前記パージ熱交換器から前記混合物の前記非凝縮性気体を取り除くように構成されたポンプをさらに含む、請求項1に記載のHVAC&Rシステム。
【請求項5】
前記流路が、前記液体ポンプから前記制御可能膨張弁へ前記第1冷媒フローを流すように構成された導管をさらに含み、1つ又は複数の熱電組立体が、前記導管に結合されるとともに、前記導管を通って流れる前記第1冷媒フローから熱エネルギーを取り除くように構成される、請求項1に記載のHVAC&Rシステム。
【請求項6】
前記1つ又は複数の熱電組立体の各熱電組立体が、電力勾配を熱勾配に変換することにより前記第1冷媒フローの熱エネルギーを取り除くように構成される、請求項5に記載のHVAC&Rシステム。
【請求項7】
前記パージシステムが、前記パージ熱交換器から前記混合物を受けるように構成された1つ又は複数の吸着室をさらに含み、前記1つ又は複数の吸着室の各吸着室が、前記混合物の前記第2冷媒フローから前記混合物の前記非凝縮性気体を分離するように構成される、請求項1に記載のHVAC&Rシステム。
【請求項8】
前記1つ又は複数の吸着室が、前記混合物の前記非凝縮性気体を大気中へ放出するとともに前記混合物の前記第2冷媒フローを前記蒸発器へ流すように構成される、請求項7に
記載のHVAC&Rシステム。
【請求項9】
前記液体ポンプが、フラッシュタンクを通じて前記蒸発器から前記第1冷媒フローを引き出すように構成され、前記蒸発器から引き出された前記第1冷媒フローが冷媒液体と冷媒蒸気とを含み、前記フラッシュタンクが前記冷媒蒸気から前記冷媒液体を分離するように構成される、請求項1に記載のHVAC&Rシステム。
【請求項10】
前記フラッシュタンクが、前記冷媒液体を前記液体ポンプに流すとともに冷媒蒸気を前記蒸発器に流すように構成される、請求項9に記載のHVAC&Rシステム。
【請求項11】
前記パージ熱交換器が、前記混合物の前記第2冷媒フローを前記コンデンサ、前記蒸発器、又は両方に流すように構成される、請求項1に記載のHVAC&Rシステム。
【請求項12】
前記1つ又は複数の熱電組立体の各熱電組立体が、
前記熱電組立体を前記導管に結合するように構成された熱ペーストと、
前記熱ペーストに結合されるとともに電力勾配を熱勾配に変換することにより前記第1冷媒フローから熱エネルギーを取り除くように構成された前記熱電組立体と、
前記熱電組立体に結合されたヒートシンクと、
前記ヒートシンクに結合されたファンと
を含む、請求項5に記載のHVAC&Rシステム。
【請求項13】
前記1つ又は複数の吸着室の各吸着室が、改質材料であって、前記混合物の残りの冷媒を吸着するとともに前記非凝縮性気体が前記1つ又は複数の吸着室を通過することを可能にするように構成された改質材料を含む、請求項7に記載のHVAC&Rシステム。
【請求項14】
前記1つ又は複数の吸着室の各吸着室が、前記改質材料から前記残りの冷媒を放出するために前記改質材料を加熱するように構成された加熱器を含む、請求項13に記載のHVAC&Rシステム。
【請求項15】
前記パージ熱交換器が直接接触熱交換器である、請求項1に記載のHVAC&Rシステム。
【外国語明細書】