(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022009385
(43)【公開日】2022-01-14
(54)【発明の名称】筐体を通気するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
F25B 49/02 20060101AFI20220106BHJP
F16K 15/14 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
F25B49/02 540
F16K15/14 C
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021172781
(22)【出願日】2021-10-22
(62)【分割の表示】P 2020517775の分割
【原出願日】2018-09-25
(31)【優先権主張番号】62/564,091
(32)【優先日】2017-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518010511
【氏名又は名称】ジョンソン コントロールズ テクノロジー カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Johnson Controls Technology Company
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100188329
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 義行
(72)【発明者】
【氏名】フォード,スコット・アレン
【テーマコード(参考)】
3H058
【Fターム(参考)】
3H058AA16
3H058BB22
3H058BB33
3H058CA02
3H058CA22
3H058EE04
3H058EE13
(57)【要約】 (修正有)
【課題】蒸気圧縮システムの筐体であって、コンポーネントが筐体内に配置される筐体を提供する。
【解決手段】コンポーネント142は、蒸気圧縮システムに流体的に結合され、且つ流体の流れを放出するように構成される。筐体140は、筐体140の一部内の穴と、筐体140の穴内に配置された安全弁152とを含み、安全弁152は、安全弁152内の通路を通る流体の流れを第1の方向に放出するように構成される。通路は、筐体140の内部領域145から筐体140の外部の環境144に延びる。安全弁152は、通路を通る第2の流体の流れを第2の方向において遮断するように構成され、第2の方向は、第1の方向とは反対である。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気圧縮システムの筐体であって、
前記筐体内のコンポーネントであって、前記蒸気圧縮システムに流体的に結合され、流体の流れを放出するように構成される、コンポーネントと、
前記筐体の一部内の穴と、
前記筐体の前記穴内に配置された安全弁であって、前記安全弁内の通路を通る前記流体の流れを第1の方向に放出するように構成され、前記通路は、前記筐体の内部領域から前記筐体の外部環境に延び、前記安全弁は、前記通路を通る第2の流体の流れを第2の方向において遮断するように構成され、前記第2の方向は、第1の方向とは反対である、安全弁と
を含む筐体。
【請求項2】
前記安全弁は、前記流体の流れを、前記第1の方向において、前記安全弁の第1の端部部分を通して且つ前記安全弁の第2の端部部分に向かって放出するように構成される、請求項1に記載の筐体。
【請求項3】
前記第1の端部部分は、前記筐体内に配置され、及び前記第2の端部部分は、前記筐体の外部に配置される、請求項2に記載の筐体。
【請求項4】
前記第1の端部部分は、円形であり、前記第1の端部部分は、前記安全弁の中心軸から半径方向に延び、且つ前記筐体の内面に接触するフランジを含む、請求項2に記載の筐体。
【請求項5】
前記安全弁は、前記筐体内の圧力が閾値未満である場合、前記流体の流れを前記第1の方向において遮断するように構成される、請求項1に記載の筐体。
【請求項6】
前記穴は、前記筐体の底板内に配置される、請求項1に記載の筐体。
【請求項7】
前記筐体は、前記筐体に取り外し可能に結合されたカバープレートを含む、請求項1に記載の筐体。
【請求項8】
前記カバープレートは、中実の一体のコンポーネントであり、前記カバープレートは、穿孔、ルーバ、スロット又はそれらのいかなる組み合わせも含まない、請求項7に記載の筐体。
【請求項9】
蒸気圧縮システムのための筐体であって、
前記筐体内のコンポーネントであって、前記蒸気圧縮システムに流体的に結合され、第1の流体の流れを第1の体積流量で放出するように構成される、コンポーネントと、
前記筐体の穴内に配置された安全弁であって、入口部分と出口部分とを含み、第2の流体の流れを第1の方向に放出し、且つ第3の流体の流れを、前記第1の方向とは反対の第2の方向において遮断するように構成される、安全弁と、
前記安全弁の上方に配置され、且つ前記安全弁を前記筐体に結合するように構成された取り付けブラケットであって、前記取り付けブラケット内の開口部を含み、前記開口部は、前記安全弁の前記入口部分の上方に配置される、取り付けブラケットと
を含む筐体。
【請求項10】
前記開口部は、前記第1の流体の流れの前記第1の体積流量より多い体積流量で前記第2の流体の流れを受け取り、且つ放出するように構成される、請求項9に記載の筐体。
【請求項11】
前記安全弁は、前記第1の流体の流れの前記第1の体積流量より多い体積流量で前記第2の流体の流れを放出するように構成される、請求項9に記載の筐体。
【請求項12】
前記安全弁は、シングルダックビル形状又はダブルダックビル形状を含む、請求項9に記載の筐体。
【請求項13】
前記筐体の追加の穴内に配置された追加の安全弁をさらに含み、前記安全弁及び前記追加の安全弁は、前記第1の流体の流れの前記第1の体積流量より多い体積流量で前記第2の流体の流れを一緒に放出するように構成される、請求項9に記載の筐体。
【請求項14】
前記取り付けブラケットは、前記筐体に取り外し可能に結合される、請求項9に記載の筐体。
【請求項15】
筐体であって、
前記筐体の内部領域内に配置されたコンポーネントであって、前記コンポーネント内の圧力を維持するように構成された1つ又は複数のシールを含み、前記シールは、前記コンポーネント内の前記圧力が閾値を超えると破裂するように構成され、前記コンポーネントは、前記シールが破裂すると、流体の流れを前記筐体の前記内部領域に放出するように構成される、コンポーネントと、
前記筐体の穴内に配置された安全弁であって、前記内部領域から前記流体の流れを受け取り、且つ前記流体の流れを外部環境に放出するように構成される、安全弁と、
前記安全弁を前記筐体に取り外し可能に結合するように構成された取り付けブラケットであって、開口部を含み、及び前記開口部は、前記流体の流れを前記内部領域から前記安全弁に向かわせるように構成される、取り付けブラケットと
を含む筐体。
【請求項16】
前記流体は、空気である、請求項15に記載の筐体。
【請求項17】
前記流体は、蒸気圧縮システムからの冷媒である、請求項15に記載の筐体。
【請求項18】
前記安全弁は、第2の流体の流れを遮断するように構成され、前記第2の流体の流れは、前記筐体の前記外部環境から前記内部領域内に流れる、請求項15に記載の筐体。
【請求項19】
前記筐体は、前記筐体に取り外し可能に結合されたカバープレートを含む、請求項15に記載の筐体。
【請求項20】
前記カバープレートは、中実の一体のコンポーネントであり、前記カバープレートは、穿孔、ルーバ、スロット又はそれらのいかなる組み合わせも含まない、請求項19に記載の筐体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年9月27日に出願された「SYSTEMS AND METHODS FOR VENTING ENCLOSURE」という名称の米国仮特許出願第62/564,091号明細書の優先権及び利益を主張するものであり、この特許出願は、その全体があらゆる目的のために参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、概して、暖房、換気、空調及び冷凍(HVAC&R)システムに関する。具体的には、本開示は、HVAC&Rユニットの筐体を通気することに関する。
【背景技術】
【0003】
本セクションは、以下に説明され、且つ/又は特許請求の範囲に記載される本技法の様々な態様に関連し得る技術の様々な態様を読者に紹介することを目的としている。この議論は、本開示の様々な態様のよりよい理解を促進するための背景情報を読者に提供するのに役立つと考えられる。したがって、これらの記述は、この観点から読まれるべきであり、いかなる種類の承認としても読まれるべきではないことを理解されたい。
【0004】
環境(例えば、建物、住宅又は他の構造物)を熱的に調節(例えば、冷凍)するために、暖房、換気、空調及び冷凍(HVAC&R)システムが使用され得る。HVAC&Rシステムは、HVAC&Rシステムと環境との間で熱エネルギー(例えば、熱)を伝達する凝縮器及び蒸発器などの熱交換器を含む蒸気圧縮システムを含み得る。多くの場合、モータなどの蒸気圧縮システムのコンポーネントに隣接して筐体が配置され得る。筐体は、モータを制御するための電気コンポーネントなど、様々なコンポーネントを収納し得る。筐体内にあるコンポーネントは、加圧される場合もあれば、場合により流体(例えば、冷媒)が筐体内に放出される場合もある。
【0005】
一般的な筐体は、筐体のカバープレート内に複数のルーバ(例えば、切断及び/又はプレス加工されたスロット)を含み得る。ルーバは、筐体内の流体を環境に排出し得る。場合により、ルーバは、生産に費用がかかり、汚染物質(例えば、粉塵)がルーバを通して筐体に流れ込むことを防ぐために追加のフィルタを使用することがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、蒸気圧縮システムの筐体であって、コンポーネントは、筐体内に配置される、筐体に関する。コンポーネントは、蒸気圧縮システムに流体的に結合され、且つ流体の流れを放出するように構成される。筐体は、筐体の一部内の穴と、筐体の穴内に配置された安全弁とを含み、安全弁は、安全弁内の通路を通る流体の流れを第1の方向に放出するように構成される。通路は、筐体の内部領域から筐体の外部の環境に延びる。安全弁は、通路を通る第2の流体の流れを第2の方向において遮断するように構成され、第2の方向は、第1の方向とは反対である。
【0007】
本開示は、蒸気圧縮システムのための筐体であって、筐体内にコンポーネントを有する、筐体にも関し、コンポーネントは、蒸気圧縮システムに流体的に結合され、且つ第1の流体の流れを第1の体積流量で放出するように構成される。筐体は、筐体の穴内に配置された安全弁を含み、安全弁は、入口部分と出口部分とを含む。安全弁は、第2の流体の流れを第1の方向に放出し、且つ第3の流体の流れを、第1の方向とは反対の第2の方向において遮断するように構成される。筐体は、安全弁の上方に配置され、且つ安全弁を筐体に結合するように構成された取り付けブラケットをさらに含み、取り付けブラケットは、取り付けブラケット内の開口部を含み、及び開口部は、安全弁の入口部分の上方に配置される。
【0008】
本開示は、筐体の内部領域内に配置されたコンポーネントを有する筐体にも関し、コンポーネントは、コンポーネント内の圧力を維持するように構成された1つ又は複数のシールを含む。シールは、コンポーネント内の圧力が閾値を超えると破裂するように構成され、及びコンポーネントは、シールが破裂すると、流体の流れを筐体の内部領域に放出するように構成される。安全弁は、筐体の穴内に配置され、及び内部領域から流体の流れを受け取り、且つ流体の流れを外部環境に放出するように構成される。筐体は、安全弁を筐体に取り外し可能に結合するように構成された取り付けブラケットも含み、取り付けブラケットは、開口部を含み、及び開口部は、流体の流れを内部領域から安全弁に向かわせるように構成される。
【0009】
本開示の様々な態様は、以下の詳細な説明を読み、図面を参照することでよりよく理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施形態による、商業的環境において暖房、換気、空調及び冷凍(HVAC&R)システムを利用し得る建物の一実施形態の斜視図である。
【
図2】本開示の一実施形態による、蒸気圧縮システムの斜視図である。
【
図3】本開示の一実施形態による、
図2の蒸気圧縮システムの一実施形態の概略図である。
【
図4】本開示の一実施形態による、
図2の蒸気圧縮システムの一実施形態の概略図である。
【
図5】本開示の一実施形態による、
図2の蒸気圧縮システムのコンポーネント又はハウジングに結合し得る筐体の一実施形態の正面図である。
【
図6】本開示の一実施形態による、
図5の筐体の一実施形態の分解斜視図である。
【
図7】本開示の一実施形態による、
図5の筐体の一実施形態の斜視図である。
【
図8】本開示の一実施形態による、
図5~
図7の筐体に結合され得る安全弁の一実施形態の斜視図である。
【
図9】本開示の一実施形態による、
図5~
図7の筐体に結合され得る安全弁の一実施形態の斜視図である。
【
図10】本開示の一実施形態による、
図6の筐体の取り付けブラケットを示す、
図6の線10-10の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の1つ又は複数の特定の実施形態を以下に説明する。これらの説明される実施形態は、本開示の技法の例に過ぎない。加えて、これらの実施形態の簡潔な説明を提供するために、実際の実装形態のすべての特徴が本明細書に記載されない場合もある。任意のそのような実際の実装形態の開発において、任意のエンジニアリング又は設計プロジェクトにおけるように、実装形態によって異なり得るシステム関連及びビジネス関連の制約の遵守など、開発者の特定の目標を達成するために、実装形態に固有の多数の決定が行われる必要があることを理解されたい。さらに、そのような開発努力は、複雑で時間がかかり得るが、それにもかかわらず、本開示の利益を有する当業者にとって設計、製作及び製造の日常的な作業であることを理解されたい。
【0012】
暖房、換気、空調及び冷凍(HVAC&R)システムは、HVAC&Rシステムと環境との間で熱エネルギー(例えば、熱)を伝達する蒸気圧縮システムを含み得る。蒸気圧縮システムは、処理回路などの蒸気圧縮システムのコンポーネントを物理的損傷及び/又は
汚染物質(例えば、大気中の粉塵)への暴露から保護するように構成された複数の筐体を含み得る。場合により、筐体は、加圧され得る蒸気圧縮システムのコンポーネントに結合され得、且つ/又は隣接し得る。そのため、筐体は、(例えば、モータフィードスルーに起因して)加圧されたコンポーネントから筐体の内部領域への流体の放出を受け取り得る。一般的な筐体は、筐体の一部、筐体のカバープレート又はその両方内で切断及び/又はプレス加工され得るルーバ(例えば、穿孔、開放スロット)を含み得る。ルーバは、流体を筐体内から外部環境(例えば、大気中)に排出し、筐体が過度に加圧されることを防ぎ得る。残念ながら、ルーバは、生産に費用がかかり得(例えば、機械加工コストのため)、且つ/又は汚染物質(例えば、粉塵)がルーバを通して筐体の内部領域に入ることを可能にし得る。
【0013】
本開示の実施形態は、汚染物質が筐体に入ることを阻止しながら、流体を筐体内から外部環境に排出し得る安全弁を対象としている。場合により、安全弁は、筐体の通気に使用される一般的な装置(例えば、ルーバ)よりも費用が安くなる。安全弁は、筐体の下部付近(例えば、筐体の下側)に配置され得、これにより、汚染物質が安全弁の周囲に蓄積すること及び/又は安全弁の開口部内に(例えば、重力により)落下することを阻止し得る。この構成は、安全弁が(例えば、オペレータが安全弁に接触することにより)偶発的に外れることをさらに緩和し得る。さらに、安全弁は、適度な陽圧を筐体内に維持できるように構成され得、これにより汚染物質が筐体に流入することをさらに阻止し得る。
【0014】
ここで、図面を参照すると、
図1は、典型的な商業的環境における建物12の暖房、換気、空調及び冷凍(HVAC&R)システム10のための環境の一実施形態の斜視図である。HVAC&Rシステム10は、建物12を冷却するために使用され得る冷却された液体を供給する蒸気圧縮システム14を含み得る。HVAC&Rシステム10はまた、建物12を加熱する温かい液体を供給するボイラー16と、建物12を通して空気を循環させる空気分配システムとを含み得る。空気分配システムは、空気戻りダクト18、空気供給ダクト20及び/又は空気調和機22も含み得る。いくつかの実施形態では、空気調和機22は、導管24によってボイラー16及び蒸気圧縮システム14に接続された熱交換器を含み得る。空気調和機22の熱交換器は、HVAC&Rシステム10の動作モードに応じて、ボイラー16からの加熱された液体又は蒸気圧縮システム14からの冷却された液体のいずれかを受けることができる。HVAC&Rシステム10は、建物12の各フロアに個別の空気調和機を備えて示されているが、他の実施形態では、HVAC&Rシステム10は、フロア間で共有され得る空気調和機22及び/又は他のコンポーネントを含み得る。
【0015】
図2及び
図3は、HVAC&Rシステム10で使用され得る蒸気圧縮システム14の実施形態である。蒸気圧縮システム14は、圧縮機32から始まる回路に冷媒を循環させることができる。回路は、凝縮器34、膨張弁又は膨張装置36及び液体チラー又は蒸発器38も含み得る。蒸気圧縮システム14は、アナログ-デジタル(A/D)変換器42、マイクロプロセッサ44、不揮発性メモリ46及び/又はインターフェースボード48を有する制御盤40をさらに含み得る。
【0016】
蒸気圧縮システム14において冷媒として使用され得る流体のいくつかの例としては、R-410A、R-407、R-134a、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)などのハイドロフルオロカーボン(HFC)系の冷媒、アンモニア(NH3)、R-717、二酸化炭素(CO2)、R-744若しくは炭化水素系の冷媒、水蒸気などの「自然系」冷媒又は任意の他の適切な冷媒が挙げられる。いくつかの実施形態では、蒸気圧縮システム14は、R-134aなどの中圧冷媒に対して低圧冷媒とも呼ばれる、1気圧の圧力で摂氏約19度(華氏66度)の標準沸点を有する冷媒を効率的に利用するように構成され得る。本明細書で使用される場合、「標準沸点」は、1気圧の圧力で測定された沸点温度
を指し得る。
【0017】
いくつかの実施形態では、蒸気圧縮システム14は、可変速ドライブ(VSD)52、モータ50、圧縮機32、凝縮器34、膨張弁若しくは膨張装置36及び/又は蒸発器38の1つ又は複数を使用し得る。モータ50は、圧縮機32を駆動でき、可変速ドライブ(VSD)52により駆動され得る。VSD 52は、AC電源から特定の固定ライン電圧及び固定ライン周波数を有する交流(AC)電力を受け、可変電圧及び周波数を有する電力をモータ50に提供する。他の実施形態では、モータ50は、AC又は直流(DC)電源から直接電力を供給され得る。モータ50は、スイッチドリラクタンスモータ、誘導モータ、電子整流永久磁石モータ又は別の適切なモータなど、VSDによって駆動され得るか、又はAC若しくはDC電源から直接電力を供給され得る任意のタイプのモータを含み得る。
【0018】
圧縮機32は、冷媒蒸気を圧縮し、蒸気を、放出通路を介して凝縮器34に送達する。いくつかの実施形態では、圧縮機32は、遠心圧縮機であり得る。圧縮機32によって凝縮器34に送達される冷媒蒸気は、凝縮器34内の冷却流体(例えば、水又は空気)に熱を伝達し得る。冷媒蒸気は、冷却流体との熱伝達の結果、凝縮器34で凝縮して冷媒液になり得る。凝縮器34からの液体冷媒は、膨張装置36を通して蒸発器38に流れ得る。
図3に示された実施形態では、凝縮器34は、水冷され、且つ冷却塔56に接続されたチューブバンドル54を含み、冷却塔56が冷却流体を凝縮器に供給する。
【0019】
蒸発器38に送達された液体冷媒は、別の冷却流体からの熱を吸収することもでき、この別の冷却流体は、凝縮器34で使用される冷却流体と同じであってもそうでなくてもよい。蒸発器38内の液体冷媒は、液体冷媒から冷媒蒸気への相変化を経ることもできる。
図3に示された実施形態に示されるように、蒸発器38は、冷却負荷62に接続された供給ライン60S及び戻りライン60Rを有するチューブバンドル58を含み得る。蒸発器38の冷却流体(例えば、水、エチレングリコール、塩化カルシウムブライン、塩化ナトリウムブライン又は任意の他の適切な流体)は、戻りライン60Rを介して蒸発器38に入り、供給ライン60Sを介して蒸発器38を出る。蒸発器38は、冷媒との熱伝達によりチューブバンドル58内の冷却流体の温度を下げることができる。蒸発器38のチューブバンドル58は、複数のチューブ及び/又は複数のチューブバンドルを含み得る。いずれの場合にも、蒸気冷媒は、蒸発器38を出て、吸引ラインにより圧縮機32に戻ってサイクルを完了する。
【0020】
図4は、凝縮器34と膨張装置36との間に組み込まれた中間回路64を備えた蒸気圧縮システム14の概略図である。中間回路64は、凝縮器34に直接流体接続される入口ライン68を有し得る。他の実施形態では、入口ライン68は、凝縮器34に間接的に流体的に結合され得る。
図4に示された実施形態に示されるように、入口ライン68は、中間容器70の上流に配置された第1の膨張装置66を含む。いくつかの実施形態では、中間容器70は、フラッシュタンク(例えば、フラッシュインタークーラー)であり得る。他の実施形態では、中間容器70は、熱交換器又は「サーフェスエコノマイザ」として構成され得る。
図4に示された実施形態では、中間容器70は、フラッシュタンクとして使用され、第1の膨張装置66は、凝縮器34から受けた液体冷媒の圧力を下げる(例えば、膨張させる)ように構成される。膨張プロセス中、液体の一部が蒸発し得、したがって中間容器70を使用して、第1の膨張装置66から受けた液体から蒸気を分離できる。加えて、中間容器70は、中間容器70に入るときに液体冷媒が経る圧力低下(例えば、中間容器70に入るときに経る体積の急激な増加に起因する圧力低下)のために、液体冷媒のさらなる膨張をもたらすことができる。中間容器70内の蒸気は、圧縮機32により、圧縮機32の吸引ライン74を介して引き込まれ得る。他の実施形態では、中間容器内の蒸気は、圧縮機32の中間段(例えば、吸引段以外)に引き込まれ得る。中間容器70に集まる液体は、膨張装置66及び/又は中間容器70における膨張のために、凝縮器34を出る液体冷媒よりも低いエンタルピーにあり得る。次いで、中間容器70からの液体は、ライン72を流れて、第2の膨張装置36を通して蒸発器38に流れ得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、筐体は、蒸気圧縮システム14のコンポーネントに対して配置され得る。例えば、筐体は、モータ50に対して配置され、モータ50の一部に結合するように構成され得る。筐体は、モータ制御ユニットなど、モータ50を制御するための様々な電気コンポーネントを収容し得る。したがって、筐体は、汚染物質(例えば、粉塵)が筐体内で電気コンポーネントの周囲に蓄積することを阻止し得る。いくつかの実施形態では、筐体は、流体(例えば、冷媒)により加圧され得る。
【0022】
そのため、
図5は、モータ50など、蒸気圧縮システム14のコンポーネントに結合し得る筐体140の一実施形態の正面図を示している。いくつかの実施形態では、筐体140は、モータ50の制御ユニット142、制御盤40及び/又は蒸気圧縮システム14の任意の他の適切なコンポーネントを収容し得る。制御ユニット142は、モータ50の一部(例えば、エンドキャップ)に結合し、モータ50のパラメータを操作及び/又は制御し得る。例えば、制御ユニット142は、モータ50のトルクを調整し、モータ50の速度を調整し、且つ/又はモータ50の磁気軸受の動作を制御するように構成され得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、モータ50は、蒸気圧縮システム14内で冷媒を使用して熱的に冷却され得る。例えば、冷媒は、モータ50を冷却する(例えば、熱を除去する)ために、モータ50のハウジングを通して循環され得る。場合により、制御ユニット142の少なくとも一部は、冷媒が制御ユニット142を介して筐体140に到達し得るように、モータ50のハウジングに流体的に結合され得る。そのため、制御ユニット142の内部領域141(図示せず)が蒸気圧縮システム14の冷媒により加圧され得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、内部領域141は、蒸気圧縮システム14内の冷媒の圧力と実質的に等しい圧力に加圧され得る。他の実施形態では、内部領域141内の圧力は、冷媒の圧力より低いか又は高いことができる。そのため、制御ユニットケース143は、加圧された内部領域141と、外部環境144(例えば、大気)及び/又は筐体140内の空間145との間の圧力シールとして機能し得る。例えば、制御ユニットケース143は、制御ユニット142の内部領域141及び/又はモータ50を外部環境144から密閉シールし得る。そのため、制御ユニット142の内部領域141は、蒸気圧縮システム14の冷媒と流体連通され得る。いくつかの実施形態では、これにより、制御ユニット142内の冷媒と、外部環境144(及び/又は筐体140内の空間145)との間に圧力差が生じ得る。
【0025】
制御ユニット142は、1つ又は複数のコネクタ148(例えば、ワイヤ、導管、管又は別の適切なコネクタ)を受け入れるように構成された複数の接続ポート146(例えば、アクセス開口部)を含み得る。コネクタ148は、制御ユニット142、モータ50及び/又は制御ユニット142のサブコンポーネントを動作させるために使用され得る。そのため、接続ポート146は、コネクタ148が制御ユニット142の内部領域141に入ることができるようにし得る。いくつかの実施形態では、接続ポート146は、制御ユニット142の内部領域141内の加圧冷媒が接続ポート146を通して外部環境144(及び/又は筐体140内の空間145)に漏れることを阻止し得るシール150を含み得る。シール150は、接着剤(adhesive)(例えば、接着剤(bonding glue))及び/又は締結具(例えば、ボルト、ねじ又は別の締結具)を介して接続ポート146に結合し得る。追加的又は代替的に、シール150は、接続ポート146にプレス嵌めされ、接続ポート146とシール150との間の摩擦力によって所定の位置に保持され得る。
【0026】
いくつかの実施形態では、制御ユニット142に結合されたコンポーネント(例えば、モータ50)は、制御ユニット142の内部領域141内の圧力を増加させる動作の中断又は異常を経験し得る。この内部圧力上昇は、接続ポート146とシール150との間の結合力を超える力をシール150にかけ得る。そのため、接続ポート146のシール150は、封止が壊れ(例えば、裂けるか又は外れる)、制御ユニット142の内部領域141内からの加圧流体(例えば、冷媒)が筐体140に流れ込むことを可能にし得る。
【0027】
流体は、接続ポート146から放出され、筐体140の空間145内の圧力を上昇可能にし得る。そのため、筐体140内の圧力は、周囲環境144の圧力を超え得る(例えば、14.7psi超)。いくつかの実施形態では、筐体140内の圧力により筐体140が過剰に加圧され得る。特定の実施形態では、筐体140は、接続ポート146に加えて又はその代わりに、蒸気圧縮システム14の任意の他の適切なコンポーネント又は流体源から流体の流れを受け取ることができることに留意されたい。例えば、蒸気圧縮システム14の1つ又は複数のバルブ、パイプ、導管、流量調整器、流量センサ又は他の装置は、筐体140内に配置され、筐体140内で圧力を生じるように動作中に流体の流れ(例えば、冷媒)を放出するように構成され得る。いずれの場合にも、本明細書でより詳細に説明されるように、1つ又は複数の安全弁152が筐体140に結合され、筐体140内から流体及び/又は圧力を解放し、且つ/又は筐体140の過圧を防止するために使用され得る。
【0028】
図6は、筐体140の一実施形態の分解斜視図である。筐体140は、制御ユニット142を収容する筐体ケース158を含み得る。筐体140は、第1のシール160及び第2のシール162など、汚染物質(例えば、粉塵)が筐体140に入ることを阻止するように構成された1つ又は複数のシール(例えば、ガスケット)を含み得る。例えば、第1のシール160は、蒸気圧縮システム114の取り付け面164と筐体ケース158との間に配置され得る。いくつかの実施形態では、取り付け面164は、モータ50、圧縮機32及び/又は蒸気圧縮システム14の別の適切なコンポーネントの一部及び/又はハウジングを含み得る。第2のシール162は、筐体ケース158とカバープレート166との間に配置され得る。いくつかの実施形態では、カバープレート166は、穴、穿孔及び/又はルーバを含まない中実な一体のコンポーネントであり得る。第1のシール160及び第2のシール162は、それぞれ筐体ケース158の第1のフランジ168及び第2のフランジ170上に載り得る。本実施形態では、長方形の筐体140が示されているが、筐体140は、楕円形、円形、三角形又は別の角柱形状などの任意の適切な形状又は断面を有し得ることに留意されたい。
【0029】
第1のシール160、筐体ケース158、第2のシール162及び/又はカバープレート166は、締結具(例えば、ボルト172、接着剤)を介して取り付け面164に結合され得る。いくつかの実施形態では、ボルト172は、カバープレート166から筐体ケース158を通して延び、取り付け面164内に配置されたねじ穴174に結合し得る。そのため、ボルト172は、筐体140全体を通して延びて、カバープレート166、筐体ケース158、シール160及び162並びに取り付け面164を互いに結合し得る。他の実施形態では、第1の組のボルト172は、第1のフランジ168からねじ穴174まで延び、筐体ケース158及び第1のシール160を取り付け面164に締結し得る。そのため、第2の組のボルト172は、カバープレート166及び第2のシール162を筐体ケース158の第2のフランジ170に結合し得る。したがって、カバープレート166は、取り付け面164から筐体40を取り外すことなく、筐体ケース158から取り外され得る。他の実施形態では、上述の第1の組のボルト172と第2の組のボルト172との組み合わせを使用して、筐体140、筐体ケース158及び/又はカバープレート166を取り付け面164に結合し得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、筐体ケース158は、筐体140の底部178付近に配置された1つ又は複数の穴176を含み得る。1つ又は複数の穴176は、筐体ケース158の底板179内に配置され得る。
図7により詳細に示されるように、穴176は、制御ユニット142に結合するコネクタ148を受け入れるように構成されたコネクタ穴180及び/又は安全弁152を受け入れるように構成されたベントホール182を含み得る。コネクタ穴180は、汚染物質(例えば、粉塵)及び/又は流体(例えば、空気)がコネクタ穴180を通して筐体140に入ることを防ぐために、シーラント(例えば、シリコーン)を使用して封止され得る。筐体140の底部178付近にコネクタ穴180を配置することにより、汚染物質がコネクタ穴180を通して筐体140に入るリスクを低減できる。加えて、コネクタ穴180を底部178付近に配置することにより、(例えば、オペレータが誤ってコネクタ148に接触することにより)コネクタ148が偶然に取り除かれるか又は外れることを回避できる。
図7に示された実施形態では、コネクタ穴180は、筐体ケース158の底板179内に配置されているが、コネクタ穴180は、上部184及び/又は側部186付近など、筐体ケース158の任意の他の部分内に配置され得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、安全弁152は、
図8に示された実施形態に示されているように、ダブルダックビル(例えば、ダブルスリット)形状を含み得る。追加的又は代替的に、安全弁152は、
図9に示された実施形態に示されるように、シングルダックビル形状(例えば、単一のスリット)を含み得る。いずれの場合にも、安全弁152は、第1の端部部分190(例えば、入口部分)と第2の端部部分192(例えば、出口部分)とを含み得る。安全弁152は、第1の端部部分190付近にあるフランジ194と、第2の端部部分192付近にある1つ又は複数のスリット196(例えば、1つ又は複数のダックビル)とを含み得る。いくつかの実施形態では、第1の端部部分190は、円形形状であり得るか、又は円形の断面を有し得る。そのため、フランジ194は、安全弁152の中心軸198から半径方向に延びることができる。本明細書でより詳細に論じられるように、安全弁152の第1の端部部分190は、筐体140内に配置され、安全弁152の第2の端部部分192は、筐体140の外部に配置され得る。
【0032】
安全弁152は、流体(例えば、冷媒)が安全弁152の第1の端部部分190の入口に流れ込み、安全弁152の第2の端部部分192のスリット196を通して出ることができるように、内部流体通路を含み得る。いくつかの実施形態では、スリット196は、安全弁152の第1の端部部分190(例えば、筐体140内の圧力)と第2の端部部分192(例えば、環境144の圧力)との間の圧力差に応じて開閉できる。
【0033】
例えば、第1の端部部分190と第2の端部部分192との間の圧力差が閾値を超えると、スリット196が開かれ、流体(例えば、冷媒)が内部流体通路を通して流れることが可能になり得る。いくつかの実施形態では、第1の端部部分190と第2の端部部分192との間の圧力差が閾値未満である場合、スリット196は、閉じたままであり、流体が内部通路を通して流れることを阻止し得る。追加的又は代替的に、スリット196は、第1の端部部分190と第2の端部部分192との間の圧力差が実質的にゼロである場合、閉じたままであり、流体が安全弁152を通して流れることを阻止するように構成され得る。そのため、安全弁152は、第2の端部部分192(例えば、筐体140外の部分)から第1の端部部分190(例えば、筐体140内の部分)への流体の流れを遮断することにより、汚染物質が筐体140に入ることを防ぐことができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、スリット196は、閾値を超えるまで、開放及び/又は流体の流れを可能にすることに抵抗するように構成され得る。例えば、スリット196は、筐体140の内部領域と外部環境144との間の圧力差が閾値(例えば、10psig)未
満である場合、閉じたままであり、流体が筐体140から流出することを阻止するように構成され得る。そのため、筐体140内の圧力が閾値(例えば、10psig)を超えると、スリット196が開き、筐体140内の流体が安全弁152を介して筐体140から外部環境144に流れることを可能にし得る。そのため、わずかな陽圧が筐体140内に維持され得る。わずかな陽圧は、筐体140の欠陥(例えば、筐体ケース158の穴又は亀裂)を介して筐体140に汚染物質が入るリスクをさらに減らし得る。例えば、わずかな陽圧は、筐体140内の流体が欠陥から連続的に流出することを可能にし、それにより汚染物質(例えば、粉塵)が欠陥を通して筐体140に入ることを阻止し得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、安全弁152を筐体140の底部178付近に配置することにより、安全弁152の周りに蓄積する汚染物質を減らし得、且つ/又は汚染物質がスリット196、したがって筐体140内に(例えば、重力により)落ちることを阻止し得る。安全弁152を底部178付近に配置することによっても、(例えば、オペレータが誤って安全弁152に接触することにより)安全弁152が偶然に外れることを回避できる。いくつかの実施形態では、ベントホール182は、上部184及び/又は側部186付近など、筐体ケース158の他の部分内に配置され得る。
【0036】
図10は、
図6の線10-10による筐体140の分解斜視図である。いくつかの実施形態では、安全弁152は、軸201に沿って第1の方向200にベントホール182を通して延び得る。ベントホール182は、円形であり得、安全弁152の円形の第1の端部部分190を受け入れ、且つ/又は第1の端部部分190と共にシール(例えば、プレス嵌め)を形成するように構成され得る。安全弁152のフランジ194は、安全弁152が第1の方向200にベントホール182を移動する(例えば、第1の方向200に筐体140から脱落する)ことを阻止し得る。そのため、フランジ194は、底板179の内面202上に載り得る。上述のように、いくつかの実施形態では、筐体140内の流体は、筐体140内から安全弁152の第1の端部部分190を通り、安全弁152の第2の端部部分192内のスリット196を通して外部環境144に流れ得る。
【0037】
図10に示された実施形態に示されるように、取り付けブラケット204が安全弁152の上方に配置され、内面202から延びる支持体206に結合され得る。そのため、安全弁152のフランジ194は、取り付けブラケット204と筐体ケース158の内面202との間に配置され得る。これにより、フランジ194と筐体ケース158の内面202との間にシール(例えば、プレス嵌め)が形成され得る。取り付けブラケット204は、ボルト172、ワッシャ208及び/又はナット210などの締結具によって所定の位置に保持され得る。追加的又は代替的に、取り付けブラケット204は、接着剤(例えば、接着剤、溶接)を介して支持体206に結合され得る。そのため、安全弁152のフランジ194は、底板179の内面202と取り付けブラケット204との間に配置され、したがって安全弁152を筐体ケース158に固定し得る。
【0038】
上述のように、コネクタ穴180を通して延びるコネクタ148は、シーラントを使用してシールされ得る。したがって、シーラントは、筐体140内からの流体がコネクタ穴180を通して外部環境144に流れることを阻止し得る。そのため、流体は、安全弁152を通して筐体140から流れ出ることができる。取り付けブラケット204は、安全弁152と流体連通する開口部212を含み得る。開口部212は、流体が安全弁152に流れることを可能にする一方、安全弁152を内面202に固定するのに十分な表面積を取り付けブラケット204に依然として提供する。そのため、筐体140内の流体は、開口部212及び安全弁152を通して流れることにより、外部環境144に排出できる。安全弁152は、制御ユニット142のシール150が取り外されるか又は切り離され、加圧流体(例えば、冷媒)が制御ユニット142の内部(例えば、内部領域141)及び/又は背後から筐体140に入ると、筐体140内から圧力を解放し得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、開口部212及び/又は安全弁152は、シール150が部分的又は完全に切り離されたときに接続ポート146から漏れ得る冷媒の体積流量よりも大きい体積流量の流体を受け取り、且つ放出するように構成され得る。いくつかの実施形態では、接続ポート146の開口部の面積及び制御ユニット142の内部領域141と外部環境144との間の圧力差は、接続ポート146からの筐体140内に放出され得る流体の流量を決定するために使用され得る。したがって、筐体140内の開口部212及び安全弁152は、少なくともこの流量以上を放出し、したがって筐体140が過剰な加圧を回避できるように構成され得る。いくつかの実施形態では、接続ポート146から漏れ得る冷媒の体積流量よりも大きい流体の体積流量を筐体140から放出し、且つ/又はそうでなければ筐体140内の目標圧力を維持するには、単一の安全弁(例えば、安全弁152の1つ)で十分であると判定され得る。それにもかかわらず、追加の安全弁又は複数の追加の安全弁が筐体140に結合され、それにより筐体140から放出され得る流体の総流量を増加させ得る。したがって、筐体140に結合される安全弁の数を増やすことにより、筐体140が加圧された場合、任意の特定の安全弁を介して放出される流体のそれぞれの流量を減らすことができる。いくつかの実施形態では、安全弁152を通る流体の流量を減らすことにより、安全弁152がより効果的に動作し、安全弁152の損耗(例えば、材料の疲労)を低減できる。図示の実施形態では、2つの安全弁152のみが示されているが、筐体140は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ又は6つ以上の安全弁152を得る含み。
【0040】
上述の特定の実施形態は、例として示されており、これらの実施形態は、様々な修正形態及び代替形態が可能であり得ることを理解されたい。特許請求の範囲は、開示された特定の形態に限定されるように意図されておらず、むしろ本開示の趣旨及び範囲に含まれるすべての修正形態、均等物及び代替形態を包含することを意図していることをさらに理解されたい。
【手続補正書】
【提出日】2021-11-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気圧縮システムの筐体であって、
前記筐体内のコンポーネントであって、前記蒸気圧縮システムに流体的に結合され、流体の流れを放出するように構成される、コンポーネントと、
前記筐体の一部内の穴と、
前記筐体の前記穴内に配置された安全弁であって、前記安全弁内の通路を通る前記流体の流れを第1の方向に放出するように構成され、前記通路は、前記筐体の内部領域から前記筐体の外部環境に延び、前記安全弁は、前記通路を通る第2の流体の流れを第2の方向において遮断するように構成され、前記第2の方向は、第1の方向とは反対である、安全弁と、
前記安全弁を前記筐体に結合し、前記安全弁を前記筐体の内面に押し付けて、前記安全弁と前記内面との間にシールを形成するように構成された取り付けブラケットであって、前記取り付けブラケットは、その中に形成された開口部を有し、前記開口部は、前記流体の流れを受け取り、前記流体の流れを前記通路に向かわせるように構成されている、取り付けブラケットと
を含む筐体。
【請求項2】
前記安全弁は、前記流体の流れを、前記第1の方向において、前記安全弁の第1の端部部分を通して且つ前記安全弁の第2の端部部分に向かって放出するように構成される、請求項1に記載の筐体。
【請求項3】
前記第1の端部部分は、前記筐体内に配置され、及び前記第2の端部部分は、前記筐体の外部に配置される、請求項2に記載の筐体。
【請求項4】
前記第1の端部部分は、円形であり、前記第1の端部部分は、前記安全弁の中心軸から半径方向に延び、且つ前記筐体の内面に接触するフランジを含む、請求項2に記載の筐体。
【請求項5】
前記安全弁は、前記筐体内の圧力が閾値未満である場合、前記流体の流れを前記第1の方向において遮断するように構成される、請求項1に記載の筐体。
【請求項6】
前記穴は、前記筐体の底板内に配置される、請求項1に記載の筐体。
【請求項7】
前記筐体は、前記筐体に取り外し可能に結合されたカバープレートを含む、請求項1に記載の筐体。
【請求項8】
前記カバープレートは、中実の一体のコンポーネントであり、前記カバープレートは、穿孔、ルーバ、スロット又はそれらのいかなる組み合わせも含まない、請求項7に記載の筐体。
【請求項9】
前記取り付けブラケットは、前記筐体の内部に配置されている、請求項1に記載の筐体。
【請求項10】
前記コンポーネントは、前記蒸気圧縮システムのモータの制御ユニットである、請求項1に記載の筐体。
【外国語明細書】