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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022009392
(43)【公開日】2022-01-14
(54)【発明の名称】布片を送給し広げるための装置
(51)【国際特許分類】
   D06F 67/04 20060101AFI20220106BHJP
【FI】
D06F67/04
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021172807
(22)【出願日】2021-10-22
(62)【分割の表示】P 2017552983の分割
【原出願日】2016-04-05
(31)【優先権主張番号】PA201570201
(32)【優先日】2015-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(71)【出願人】
【識別番号】501430803
【氏名又は名称】イェンセン・デンマーク・アクティーゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】100080089
【弁理士】
【氏名又は名称】牛木 護
(74)【代理人】
【識別番号】100161665
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 知之
(74)【代理人】
【識別番号】100188994
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 裕介
(72)【発明者】
【氏名】ルンディト,モルテン
(72)【発明者】
【氏名】コルドゥア,キム
(57)【要約】      (修正有)
【課題】布を迅速かつ正確に移送して広げる装置を提供する。
【解決手段】布の1対の隣接する前縁コーナーを位置決めするための3つのチャージャステーション10'、10''、10'''と、前縁コーナーを解放可能に受けるための1組のスプレッダークランプと、それぞれが1対の前縁コーナーをチャージャステーションからスプレッダクランプに搬送するための2つのグリッパ30'、30''とを備え、グリッパは流れ方向2を横断する第1の経路40に沿って移動するように構成され、少なくとも中央チャージャステーションは第1の経路から離れ、スプレッダクランプから流れ方向とは反対の方向に後退する第1の待機位置に布を保持し、別の布を第1の経路に沿って搬送することができるため、スプレッダクランプの能力をより効率的に使用することを可能にする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
4つの縁を有する複数片の布(80)を受けて広げるための装置(1)であって、前記装置は、前記装置によって広げられた複数片の前記布の送り方向に平行な流れ方向(2)を有し、
・それぞれが1片の布(80)を受けて前記1片の布(80)の前縁における1対の隣接するコーナーを保持するための、2つの端部チャージャステーション(10'、10''')と、前記2つの端部チャージャステーション(10'、10''')の間に配置された1つの中央チャージャステーション(10'')と、
・前記1対の隣接する前縁コーナーを解放可能に受け取り互いに反対方向に流れ方向(2)を横断して移動することによって1片の布(80)を広げるように構成された1組のスプレッダクランプ(20)を備えた装置において、
・それぞれが1片の布(80)の前記前縁コーナーを把持することによって、1片の布(80)を前記端部チャージャステーション(10'、10''')のそれぞれ1つから前記1組のスプレッダクランプ(20)に取り上げて搬送するための2つのグリッパ(30'、30'')であって、前記流れ方向(2)を横断する第1の経路(40)の少なくとも一部に沿って移動するように構成されたグリッパ(30'、30'')を備え、
前記2つの端部チャージャステーション(10'、10''')と前記中央チャージャステーション(10'')は、前記装置(1)の内部の第1の待機位置(11)へ1片の布(80)を持ち上げるように構成され、前記中央チャージャステーション(10'')の前記第1の待機位置(11)は、1片の布(80)を前記中央チャージャステーション(10'')の前記第1の待機位置(11)に保持しているときに、前記第1の経路(40)に沿って前記グリッパ(30'、30'')によって別の1片の布(80)を搬送することができるように、前記第1の経路(40)から離れた前記1組のスプレッダクランプ(20)から前記流れ方向(2)とは反対の方向に後退した位置にあることを特徴とする装置。
【請求項2】
第1のコンベヤベルト(42')と第2のコンベアベルト(42'')を備え、前記第1のコンベヤベルト(42')と前記第2のコンベアベルト(42'')は、1つのそれぞれの端部チャージャステーション(10'、10''')から前記1組のスプレッダクランプ(20)の受け位置の直前まで延びており、前記1組のスプレッダクランプ(20)に向かって前記流れ方向(2)に平行な、前記グリッパ(30'、30'')が動作する第2の経路(50)には、前記第1と第2のコンベヤベルト(42'、42'')がない請求項1記載の装置。
【請求項3】
第3のコンベヤベルト(51)を備え、前記第3のコンベヤベルト(51)は、前記第1と第2のコンベヤベルト(42'、42'')の間を前記第2の経路(50)に沿って走行し、前記第3のコンベヤベルト(51)は、選択的に前記第1と第2のコンベヤベルト(42'、42'')の下方の水平面を走行する請求項2記載の装置。
【請求項4】
前記第1の待機位置(11)は、バッファステーション(12)を含む請求項1~3のいずれか1項記載の装置。
【請求項5】
前記第1の待機位置(11)は、コンベヤ又はトレイ(13)を含む請求項1~4のいずれか1項記載の装置。
【請求項6】
前記トレイ(13)は、前記第1の経路(40)に向かって下方に旋回可能である請求項5記載の装置。
【請求項7】
前記グリッパを、前記第1の経路(40)から前記端部チャージャステーション(10'、10''')又は前記中央チャージャステーション(10'')に向かって移動させ、第3の経路(60)に沿って後退させるように構成されたアーム(31)を備えている請求項1~6のいずれか1項記載の装置。
【請求項8】
前記グリッパ(30'、30'')は、前記第1の経路(40)に沿った待機位置(41)を有する請求項1~7のいずれか1項記載の装置。
【請求項9】
1つの中央チャージャステーション(10'')と、前記第1の経路(40)のそれぞれの端部において端部チャージャステーション(10'、10''')を含み、前記端部チャージャステーション(10'、10''')の1つ又は両方は、それぞれ1つの前記第1の待機位置(11)を、前記第1の経路(40)から離れた前記1組のスプレッダクランプ(20)から前記流れ方向(2)とは反対の方向に後退させる請求項1~8のいずれか1項記載の装置。
【請求項10】
広げられた複数片の布(80)の送り出し方向に平行な流れ方向(2)を有する、前記複数片の布を受けて広げるための装置(1)を使用して、少なくとも3つのチャージャステーション(10'、10''、10''')から1組のスプレッダクランプ(20)に、それぞれ前記布(80)の各片を取り上げて把持するための少なくとも2つのグリッパ(30'、30'')によって、布(80)の4つの縁片を搬送する方法であって、前記布は、2つの端部チャージャステーション(10'、10''')と、2つの前記端部チャージャステーション(10'、10''')の間に配置された1つの中央チャージャステーション(10'')を備えた装置によって広げられ、
・1つの前記端部チャージャステーション(10'、10''')によって第1の布(80)片の1対の前縁コーナーを保持することと、
・1つの前記グリッパ(30'、30'')によって前記1つの端部チャージャステーション(10'、10''')から前記第1の布(80)片の前記保持された1対の前縁コーナーを引き取ることと、
・前記第1の布(80)片を前記端部チャージャステーション(10'、10''')から前記1組のスプレッダクランプ(20)に、1つの前記端部チャージャステーション(10'、10''')から移動する前記1つのグリッパ(30'、30'')によって、前記流れ方向(2)を横断する第1の経路(40)の少なくとも一部に沿って搬送することとを備え、
・2つの端部チャージャステーション(10'、10''')と前記中央チャージャステーション(10'')は、前記装置(1)の内側にある持ち上げられた布待機位置(11)を規定するように構成され、前記中央チャージャステーション(10'')の前記待機位置(11)は、前記流れ方向(2)とは反対の方向に前記第1の経路(40)から後退した位置にあり、
・第2の布片を前記中央チャージャステーション(10'')によって前記持ち上げられた布待機位置(11)に持ち上げ、前記第2の布片の1対の隣接する前縁コーナーを保持し、前記第2の布片を前記待機位置(11)に保持しているときに、前記第1の経路(40)に沿って前記グリッパ(30'、30'')によって前記第1の布(80)片を搬送することを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1~9のいずれか1項記載の装置によって行われる請求項10記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯物を受け取り整えるための複数のチャージャステーションを備え、洗濯物シートを迅速かつ正確に移送して広げ、その後のアイロン機、折り畳み機などによる工程のためにコンベヤ上に置く、供給と伸展の装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ベッドシート、テーブルリネン、ブランケットなどの洗濯物品は、洗濯施設で洗われた後、ホテル、病院などで使用するために、通常、フラットワークアイロナーに供給され、きちんとしたパッケージに自動的に折り畳まれる。きちんと折り畳まれた皺のないパッケージを得るためには、皺や折り目がなく前縁がまっすぐになるようにして、シートをアイロナーに送ることが重要である。
【0003】
現代の洗濯設備は、自動的なスプレッドフィーダ装置を使用して、より迅速かつ正確にシートをアイロナーに供給することを可能にしている。様々なスプレッドフィーダ装置は、異なるチャージャステーションに複数のオペレータを収容するように設計されている。これにより、シートがスプレッダステーションでスプレッダクランプに供給される速度が増加し、スプレッドフィーダ装置の全体的な出力が向上する。そのような装置は、米国特許US5440810号に開示されている。
【0004】
多くのスプレッドフィーダ装置の1つの欠点は、チャージャステーションからスプレッダステーションへ洗濯物シートを搬送するのに要する時間のせいで、スプレッダステーションの能力が十分に活用されていないことである。
【0005】
したがって、スプレッダステーションの能力をより活用し、それによって他のスプレッドフィーダ装置よりも一層迅速に動作する装置を提供することが望まれている。
【発明の概要】
【0006】
ここでは、布の4つの縁片を受けて整えるための装置が開示され、その装置は、整えられた布の送り方向に平行な流れ方向を有し、それぞれが1片の布を受けその布の1対の隣
接する前縁コーナーを位置決めするための少なくとも3つのチャージャステーションと、1対の隣接する前縁コーナーを解放可能に受けるための1組のスプレッダークランプと、それぞれがその前縁コーナーを把持することによって各布片をチャージャステーションから1組のスプレッダクランプに搬送するための少なくとも2つのグリッパとを備え、そのグリッパは、流れ方向を横断する第1の経路の少なくとも一部に沿って移動するように構成され、少なくとも1つの中央チャージャステーションは、コーナーを有する布が位置決めされる第1の待機位置を有し、その待機位置は、第1の経路から離れた1組のスプレッダクランプから流れ方向とは反対の方向に後退する。
【0007】
グリッパが布を引き取るまで布を第1の待機位置に保持することができ、それにより別の布を、端部チャージャステーション、すなわち、第1の経路の端にあるチャージャステーションから中央チャージャステーションの待機中の布を通過して、第1の経路に沿ってグリッパによって搬送することができるため、この配置は、1組のスプレッダクランプの能力をより効率的に使用することを可能にする。
【0008】
「中央」チャージャステーションとは、2つの端部チャージャステーションの間に配置されたチャージャステーションを意味する。
【0009】
それぞれのグリッパは、2つのクランプを有してもよく、それぞれのクランプは、布の2つの前縁コーナーのそれぞれ1つを把持してもよい。
【0010】
1組のスプレッダクランプは、非動作状態にあるとき、すなわち、布を広げていないときに、2つの端部チャージャステーションのほぼ中心にある受け位置で待機することができる。
【0011】
この装置は、3つ又は5つのような奇数のチャージャステーションを備えていてもよい。一方で、3つのチャージャステーションを有する装置は、受け位置にある1組のスプレッダクランプと1列に、すなわち、流れ方向に平行に配置されてもよい1つの中央チャージャステーションを有している。3つのチャージャステーションと2つのグリッパを有する場合、第1のグリッパは、左側の端部チャージャステーションから布地を集め、中央チャージャステーションと第2のグリッパは、右側の端部チャージャステーションと中央チャージャステーションから布を集めることができる。
【0012】
5つのチャージャステーションと2つのグリッパを有する場合、第1のグリッパは、左側の端部チャージャステーションと2つの中央チャージャステーション、すなわち、左側の中央チャージャステーションと真ん中の中央チャージャステーションから布を集めることができ、第2のグリッパは、右側の端部チャージャステーションと2つの中央チャージャステーション、すなわち、右側の中央チャージャステーションと真ん中の中間の中央チャージャステーションから布を集めることができる。真ん中の中央チャージャステーションは、受け位置にある1組のスプレッダクランプと1列に、すなわち、流れ方向に平行に配置される。
【0013】
この装置は、4つ又は6つのような偶数のチャージャステーションを備えていてもよい。一方で、4つのチャージャステーションを有する装置は、受け位置にある1組のスプレッダクランプのそれぞれの側に配置されてもよい2つの中央チャージャステーションを有している。4つのチャージャステーションと2つのグリッパを有する場合、第1のグリッパは、左側の端部チャージャステーションと左側の中央チャージャステーションから布を集めることができ、第2のグリッパは、右側の端部チャージャステーションと右側の中央チャージャステーションから布を集めることができる。
【0014】
6つのチャージャステーションを有する装置は、4つの中央チャージャステーションを有しており、2つの中央チャージャステーションは、受け位置にある1組のスプレッダクランプのそれぞれの側に配置されてもよい。6つのチャージャステーションと2つのグリッパを有する場合、第1のグリッパは、左側の端部チャージャステーションと2つの左側の中央チャージャステーションから布を集めることができ、第2のグリッパは、右側の端部チャージャステーションと2つの右側の中央チャージャステーションから布を集めることができる。
【0015】
コンベヤベルトは、布の後縁を案内するために、グリッパの下を第1の経路に沿って走るように構成されてもよい。コンベヤベルトは、第1の経路と平行に走ってもよい。コンベヤベルトは、第1と第2のコンベヤベルトを備えていてもよい。
【0016】
布を処理するための出発点は、布の前縁をチャージャステーションに送ることであると定義することができる。その後、チャージャステーションは、後続の処理において布を広げたときに1対の前縁コーナーとなる、布の1対の後縁コーナーの位置を特定する。したがって、「前縁コーナー」という用語は、装置によって取り扱われるコーナーを特定するために、すなわち、1組のスプレッダクランプで1片の布を広げるときに用いられ、必ずしも装置に供給される縁のコーナーが布の同じ又は異なる縁であるとは限らない。
【0017】
1つ以上の実施形態において、第1のコンベヤベルトと第2のコンベヤベルトは、端部チャージャステーションから1組のスプレッダクランプの受け位置の直前まで延びており、1組のスプレッダクランプに向かって流れ方向に平行な、グリッパが動作する第2の経路は、第1と第2のコンベヤベルトから解放されている。
【0018】
第1と第2のコンベヤベルトは、グリッパによって搬送される布の後端を、端部チャージャステーションから1組のスプレッダクランプに向けて案内することができる。第1と第2のコンベヤベルトは、グリッパと同じ速度で走行してもよく、第1と第2のコンベアベルトは、布の後縁を案内する場合、すなわち、グリッパが布をスプレッダクランプに向かって搬送して動作中の場合にのみ走行してもよい。この配置は、第1の経路に沿って布をより速く搬送することを可能にする。
【0019】
1つ以上の実施形態において、第3のコンベヤベルトは、第1と第2のコンベヤベルトの間を第2の経路に沿って走行し、第3のコンベヤベルトは、選択的に第1と第2のコンベヤベルトの下方の水平面を走行する。
【0020】
第3のコンベアベルトの幅は、少なくとも第1又は第2のコンベアベルトの間隔と同じか広くてもよい。第1と第2のコンベヤベルトは、布の後端を第3のコンベヤに送ることができる。1組のスプレッダクランプと列をなす中央チャージャステーションからの布の後端は、第1の待機位置から直接第3のコンベヤベルトに供給されてもよい。この配置は、第2の経路に沿った布のより速い供給を可能にする。
【0021】
1つ以上の実施形態において、第1の待機位置は、バッファステーション、或いはコンベヤ又はトレイを含む。
【0022】
バッファステーションは、1つのグリッパが1つのチャージャステーションから1対の前縁コーナーを引き継ぐまで、布の後端を第1、第2又は第3のコンベヤベルトから離して、すなわち、第1、第2又は第3のコンベヤベルトの上方に保持する。それにより、グリッパが1つのチャージャステーションから前縁コーナーを引き継ぎ、布をスプレッダクランプに向かって搬送し始める前に、後端がそれぞれのチャージャステーションから離れることが回避される。それにより、さらに、2つの布がすれ違うときに絡み合うことが回
避される。
【0023】
1つ以上の実施形態において、トレイは、第1の経路に向かって下方に旋回可能である。バッファステーションは、2つのグリッパのうちの1つがチャージャステーションから1対の前縁コーナーを引き継ぐときに旋回することができる。これにより、バッファステーションは、布の後端を、第1の経路に沿って第1又は第2のコンベヤベルトに、或いは、第2の経路に沿って第3のコンベアベルトに供給する。
【0024】
1つ以上の実施形態において、装置は、グリッパを、第1の経路からチャージャステーションに向かって移動させ、第3の経路に沿って後退させるように構成されたアームを備えている。第3の経路は、流れ方向と平行であってもよい。アームは、伸縮アーム又はグリッパが走行するレールであってもよい。アームは、第1の経路から少なくとも2つの異なる距離に配置されたチャージャステーションから1対の前縁コーナーを集めることができるようにグリッパを移動させるように構成されてもよい。10から50cm、又はより好ましくは20と30cmの間の距離の差異があってもよい。アームは、グリッパを第2の経路に沿って移動させるように構成されてもよい。
【0025】
1つ以上の実施形態において、グリッパは、第1の経路に沿った待機位置を有する。
【0026】
この配置は、1組のスプレッダクランプの能力をより一層効率的に使用することを可能にする。これは、第1のグリッパによって運ばれる布のように、第2のグリッパによって搬送される別の布が1組のスプレッダクランプの受け位置に近づくことを待つことができる。
【0027】
1つ以上の実施形態において、装置は、中央チャージャステーションと、第1の経路のそれぞれの端部においてチャージャステーションを含み、端部チャージャステーションの1つ又は両方は、それぞれ1つの第1の待機位置を、第1の経路から離れた1組のスプレッダクランプから流れ方向とは反対の方向に後退させる。
【0028】
この配置は、1組のスプレッダクランプの能力をより一層効率的に使用することを可能にする。これは、端部と中央のチャージャステーションの両方のように、第1の経路に沿った少なくとも2つの待機位置とともに、少なくとも5つの布、すなわち、1つのチャージャステーションあたり1つの布にグリッパあたり1つの布を加えたもの、を同時に1組のスプレッダクランプに向けて移送することを可能にする、バッファステーションを備えてもよい。
【0029】
それぞれのチャージャステーションは、3つのモータを備えてもよい。1つのモータはフィードコンベヤベルトを走行させ2つのモータは2組の位置ロールのそれぞれを走行させる一方、位置ロールのそれぞれの組は、1つの前縁コーナーの位置決めをする。これにより、フィードコンベヤベルトを2組の位置ロールとは別個に制御して、布が2組の位置決めロールに近接して待機するようにすることができる。これにより、布が1組のスプレッダクランプに向かってより速く進むことができるため、1組のスプレッダクランプをより一層効率的に使用することが可能になる。
【0030】
さらに、整えられた布の送り出し方向に平行な流れ方向を有する、布を受けて整えるための装置を使用して、少なくとも3つのチャージャステーションから1組のスプレッダクランプに、それぞれ布の各片を搬送するための少なくとも2つのグリッパによって、布の4つの縁片を搬送する方法が開示されており、その方法は、1つのチャージャステーションによって第1の布片の1対の前縁コーナーを位置決めすることと、1つのグリッパによって1つのチャージャステーションから第1の布片の位置決めされた1対の前縁コーナー
を集めることと、第1の布片をチャージャステーションから1組のスプレッダクランプに1つのグリッパによって流れ方向を横断する第1の経路の少なくとも一部に沿って搬送することとを備え、少なくとも1つの中央チャージャステーションは、流れ方向とは反対の方向に第1の経路から後退した布待機位置を規定するように構成され、その方法は、さらに、第2の布片をグリッパによって集める前であって第1の布片を1組のスプレッダクランプに搬送している間に、中央チャージャステーションの第1の待機位置に、第2の布片の1対の前縁コーナーを位置決めして、第2の布片を保持するステップを備えている。
【0031】
第1の布片の1対の前縁コーナーを位置決めするためのチャージャステーションは、端部チャージャステーションの1つであってもよい。装置が5つ以上のチャージャステーションを有する場合、第1の布片の1対の前縁コーナーを位置決めするためのチャージャステーションは、1つの端部チャージャステーション又は1つの中央チャージャステーションであってもよい。
【0032】
1つ以上の実施形態において、上述の方法は、上述の装置を用いて行われる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
本発明の実施形態を、添付の図面を参照して、単なる例示として以下に説明する。
【0034】
図1は、それぞれのグリッパが収集位置にある、布の4つの縁片を受けて整えるための装置の上面図を概略的に示す。
【0035】
図2は、第1のグリッパが待機位置にあり、第2のグリッパが移送位置にある、布の4つの縁片を受けて整えるための装置の上面図を概略的に示す。
【0036】
図3~7は、装置の断面図において、布をチャージャステーションから1組のスプレッダクランプに搬送するプロセスを概略的に示す。
【0037】
図8は、チャージャステーションの構成の斜視図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1、2は、整えられた布の送り方向に平行な流れ方向2を有する、布の4つの縁片(図示せず)を受けて整えるための、本発明による装置1の上面図を概略的に示している。装置1は、前壁4、端壁5のほかに流れ方向2と平行に延びる2つの対向する長手側面6を有する、ハウジング3(図3も参照)を含んでいる。ハウジングは、1つの端壁6から装置1の中心に向かって流れ方向2に垂直にそれぞれ延びる2つの隔壁7によって2つの部分に部分的に分割され、その一方、2つの隔壁7は、装置1のほぼ中央の2つの部分の間に開口部15を規定している。
【0039】
装置1は、それぞれ布片の中間部分、布が矩形の場合は好ましくは1つの長辺の中間部分を受けるための、かつ、その後に前端コーナーになる布の1対の隣接する後端コーナーの位置決めをするための、3つのチャージャステーション10'、10''、10'''を備えている。3つのすべてのチャージャステーション10'、10''、10'''は、ここで説明される実施形態において、1組のスプレッダクランプ20から流れ方向2と平行に後退し、すなわち、流れ方向2と反対の方向に第1の経路40から後退し、トレー13の形状のバッファステーション12を備えた第1の待機位置11を規定している。
【0040】
装置は、さらに、チャージャステーション10'、10''、10'''から1組のスプレッダクランプ20へ1対の前縁コーナーを搬送するための、第1と第2のグリッパ30'、30''を備えている。
【0041】
第1と第2のグリッパ30'、30''は、装置1の中心と端部チャージャステーション10'、10'''の1つとの間で、流れ方向2を横断する第1の経路40(図2を参照)のそれぞれの部分に沿って移動するように構成されている。これは、レールRが第1の経路40と平行に走り、グリッパ支持部Gを保持することによって行うことができる。第1のコンベヤベルト42'と第2のコンベヤベルト42''は、それぞれの端部/最外チャージャステーション10'、10'''から装置1の中心に向かって、受け位置Rにある1組のスプレッダクランプ20の直前まで延びており、第1の経路40から1組のスプレッダクランプ20に向かって流れ方向2に平行な、グリッパ30'、30''(図2を参照)が移動する第2の経路50には、第1と第2のコンベヤベルトがない。第2の経路50は、隔壁7によって規定される前述の開口部を通過する。第3のコンベヤベルト51は、第1と第2のコンベヤベルト42'、42''の間の下方に、第2の経路50に沿って延びている。第1の経路40は、好ましくは第2の経路50から離れて対称的に延びている。
【0042】
グリッパ支持部Gの一部であるアーム31は、グリッパを第1の経路40からチャージャステーション10'、10''、10'''に向かって移動させて戻すように構成され、すなわち、グリッパをそれぞれ第3の経路30に沿って、好ましくは第2の経路50と平行に、第2の経路50に沿って移動させるように構成されている。
【0043】
1組のスプレッダクランプ20は、2つのグリッパ30'、30''から順に1対の隣接する前縁コーナを解放可能に受け取り、つぎに装置の中心から離れて互いに反対方向に、流れ方向2を横断して移動するように構成されている。これにより、布は整えられ、整えられた布をフラットワークアイロナー、自動折り畳み機など(図示せず)に搬送するために第4のコンベアベルト70に送られる。
【0044】
ここで、図3~7を参照し、チャージャステーション10'、10''、10'''から1組のスプレッダクランプ20へのグリッパ30'、30''によって行われる搬送動作を、図1、2とともに図3から図5の連続的な図面を議論することによって説明する。
【0045】
図3から分かるように、布80は、チャージャステーション10'、10''、10'''のうちの1つに供給される。つぎに、チャージャステーション10'、10''、10'''は、図4に示すように、布80の前縁コーナーFEを位置決めし、トレー13の上方の第1の待機位置において布のコーナーFEを保持する。このような第1の経路40(図1を参照)から外れた待機位置を提供することにより、つぎのステップにおいてグリッパ30'、30''によって布が中央ステーションから取り上げられる準備ができている間に、グリッパ30'、30''が端部チャージャステーション10'、10'''から移送位置T(図7を参照)まで布を移動させることを可能にする。
【0046】
図5に示すように、2つのグリッパ30'、30''のうちの1つは、3つのチャージャステーション10'、10''、10'''のうちの1つに向かって第3の経路60(図2を参照)の1つに沿ってその収集位置Cの中へ移動し、トレイ13は下方に回動する。これにより、布80の後端は、端部チャージャステーション10'、10'''(図1を参照)のうちの1つから取り出される場合には第1又は第2のコンベヤベルト42'、42''に送られ、中央チャージャステーション10''(図1を参照)から取り出された場合には第3のコンベヤベルト51に送られる。
【0047】
グリッパ30'、30''は、つぎに、図6に示すように、第3の経路60(図2も参照)に沿って第1の経路40に戻る。布80が中央チャージャステーション10''(図1を参照)から取り出される場合には、グリッパ30'、30''は、好ましくは、第2の経路50(図2も参照)に沿って1組のスプレッダクランプ20に向かって移送位置Tまで連続して移動してもよい
。布が端部チャージャステーション10'、10'''(図1を参照)のうちの1つから取り出される場合には、グリッパ30'、30''は、第1の経路40に沿って移動して直接第2の経路50に沿って移送位置Tまで連続して移動してもよく、或いは、グリッパ30'、30''は、第1の経路40に沿った待機位置41(図2を参照)で停止し、1組のスプレッダクランプ20に近づく順番を待ってもよく、すなわち、他方のグリッパが第2の経路50を離れて、反対側の最外/端部チャージャステーション10'、10'''に向かって第1の経路40に沿って移動してしまうまで、或いは、中央チャージャステーション10''に向かって第3の経路60に沿って移動してしまうまで、待ってもよい。
【0048】
第1のコンベヤベルト42'は、第1のグリッパ30'が第1の経路40(図2を参照)に沿って端部チャージャステーション10'から布80を持った1組のスプレッダクランプ20に近づくときに装置の中心に向かう方向に走行する。
【0049】
第2のコンベヤベルト42''は、第2のグリッパ30''が第1の経路40(図2を参照)に沿って端部チャージャステーション10'''から布80を持った1組のスプレッダクランプ20に近づくときに装置の中心に向かう方向に走行する。
【0050】
第3のコンベヤベルト51は、第1又は第2のグリッパ30'、30''が中央チャージャステーション10''から布80を集めたとき、及び、2つのグリッパ30'、30''のうちの1つが第2の経路50(図2も参照)に沿って端部チャージャステーション10'、10'''のうちの1つから布80を持った1組のスプレッダクランプ20に近づくときに、流れ方向2に走行する。
【0051】
最後に図7に示すように、グリッパ30'、30''は、1組のスプレッダクランプ20に向かって第2の経路50に沿って移送位置Tの中に移動し、1組のスプレッダクランプ20が布を広げてそれを第4のコンベヤベルト70に送ることができるように、布80は、グリッパ30'、30''から1組のスプレッダクランプ20へ移送される。スプレッダクランプの動作と布の第4のコンベヤベルトへの供給は、WO2012/163356に記載されている。
【0052】
図8に示すように、それぞれのチャージャステーション10'、10''、10'''は、一実施形態において、上方と下方のフィードコンベヤベルト90、91と、2組の位置決めロール92'、92''及び93'、92''と、3つのモータ(図示せず)を備えてもよく、一方、上方と下方のフィードコンベヤベルトは、1つのモータによって制御され、それぞれの組の位置決めロールは、それら自身のモータによって制御され、すなわち、それぞれの組の位置決めロールは、別個のモータによって制御される。
【0053】
それぞれの位置決めロールのロール、例えば、92'と92''は、それらが布と係合していないときに、ロール92'と92''の間に隙間(図示せず)を形成するように離間されている。
【0054】
チャージャステーション10'、10''、10'''に布(図示せず)を送ると、第1のセンサ94が影響を受け、上方と下方のフィードコンベヤベルト90と91が走行を開始する。布は、布が第2のセンサ95に影響を及ぼすまで、上方と下方のフィードコンベヤベルトの間を進む。
【0055】
1組の位置決めロール92'、92''及び93'、93''が前述の第1の待機位置11(図1を参照)にある予め取り込まれた布の前縁コーナーとすでに係合している場合、上方と下方のフィードコンベヤベルト90と91は、グリッパ30'、30''(図1を参照)のうちの1つが、予め取り込まれた布を2組の位置決めロールから取り出すまで、停止して布を保持する。
【0056】
1組の位置決めロール92'、92''及び93'、93''が自由である場合、すなわち、それぞれ
の組の位置決めロールの2つのロールが離間している場合、布は、第2のセンサ95を通過し続け、2組の位置決めロール92'、92''及び93'、93''は、高速で回転を開始する。第3又は第4のセンサ96及び97が布の影響を受けると、位置決めロール92'、92''及び93'、93''のそれぞれの組における2つのロールは、互いに独立して押し付けられ、布は、2組の位置決めロールのロールによって前進する。
【0057】
布全体が第2のセンサ95を通過すると、2組の位置決めロール92'、92''及び93'、93''は、中速に減速し、後に前縁コーナになる布の後端コーナが第3のセンサ96を通過すると、2組の位置決めロール92'、92''及び93'、93''は、低速に減速する。
【0058】
最後に、前縁コーナが第4のセンサ97を通過すると、2組の位置決めロール92'、92''及び93'、93''は、減速して止まり、グリッパ30'、30''(図1を参照)によるコーナーの引き継ぎの準備ができている布の前縁コーナを保持する。
【0059】
第1、第2、第3及び/又は第4のセンサ94、95、96、97は、センサが暗くなったり布によって覆われたりしたときに布によって影響を受ける光電セルであってもよい。
【0060】
図8を参照して論じた原理は、請求の範囲に具体的に記載された装置とは独立して使用することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8