(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022093936
(43)【公開日】2022-06-24
(54)【発明の名称】移乗用補助装置
(51)【国際特許分類】
A61G 7/12 20060101AFI20220617BHJP
A61G 5/14 20060101ALI20220617BHJP
【FI】
A61G7/12
A61G5/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020206674
(22)【出願日】2020-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】720006928
【氏名又は名称】井上 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】井上 隆弘
【テーマコード(参考)】
4C040
【Fターム(参考)】
4C040AA06
4C040AA08
4C040JJ03
4C040JJ08
(57)【要約】
【課題】介護福祉の従事者不足により、身体同士との接触において前傾姿勢の多い介助で腰痛の原因となりうる中腰姿勢の頻度を減らす方向性で考えないと、移乗作業が若い人の従事者を介護の世界へ迎え入れるマイナス要因となり、後継者不足が今後更に申告な状況下になる事が差し迫っている、よって介助者の負担を軽減する移乗用補助装置が求められる。
【解決手段】介護の中で一番大変な体力消耗の移乗介助、又はトイレに行っての下着を下ろす介助行為等する事を使用者自身ができれば最もうれしい事であり、是非とも自分でやりたいであろうと思われます。
よって、当該機を使用者がベッドに座ったままで使用者の真正面に着ける、本人の脚力を活かして身体を前傾移動によるシーソー感覚で身体を預ける行動が取れれば、お尻がベッド上からふわりと持ち上げられる、又は当該機に乗ったままトイレまで連れて行き、そのまま便座に座らせることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者自らの力と体重移動による移乗用補助装置であって、フットレストに両足を乗せると第2キャスター後輪が浮き上がり第1キャスター前輪とフットレストで接地するシーソー式を取り入れた移乗用補助装置。
【請求項2】
前記による、使用者を脇乗せフレームを脇で挟み込み体重を乗せ、ハンドルグリップを引き寄せ前屈みによる体重移動を発生させ、シーソー式による重心移動でフットレストが浮き上がることで、第2キャスターが下がり着地し、当該機と共に身体が浮きお尻がベッドより持ち上がる請求項1に記載の移乗用補助装置。
【請求項3】
使用者が脇乗せフレームを両脇で抱え込んだ姿勢で、次に膝を膝受けフレームで受け止めてお腹をメインフレーム上部に付けずに、お尻を突き出す姿勢で自然とお尻が浮き上がる構図となる、よって使用者の身体を介助者が抱きかかえることなく介助に両手が自由に使えて介助が楽にできる請求項1の移乗用補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、移乗用補助装置(27)に関し、ベッドや車椅子からの移動する際、介助者の負荷軽減となる移乗用補助装置であり、両脇と膝で身体を支ながら前傾姿勢することによりお尻を持ち上げる体重移動による移乗用補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ベッドから車椅子で出かけるときは、介助者の手助けに頼って使用者を移乗させる時はお互いに向き合い抱きかかえ持ち上げる体制を取っていた、昨今の介助状況は家庭では高齢者が高齢者を看る度合いが増えてきた。よって家庭内での介助を楽にする手段として、使用者自身で移乗が楽に行える、又、介助も軽減される移乗用補助装置(27)の開発が急務である。
【0003】
発明文献1は、車椅子はフレームに対して座部及び背もたれが着脱可能に設けられる介護用車椅子である。
【0004】
発明文献2は、車椅子の台座と該台座に対して水平回転自在に支持された台座に対し
使用者を含めた重心位置を制御する装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-138121
【特許文献2】特開2006-305092
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
下肢の筋力の衰えによる、ベッドや車椅子からの移乗に介助者のサポートが必要となってくる高齢者において、移乗の際に衣服などを掴み引っ張り上げる行為は使用者にとっては不快である、又は、円背になり脊椎を引き延ばされる移乗では痛みが発生する等危険である。
よって本人の痛みを徐々に慣らしながらの移乗でないと、本人にとっては大変な苦痛となる為、痛みの起きない姿勢で持ち上げることが思いやりの課題である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
使用者が自らの力と体重移動による移乗補助装置(27)であって、フットレスト(6)に両足を乗せると第2キャスター後輪が浮き上がり、第1キャスター前輪とフットレスト(6)で接地するシーソー式を取り入れた移乗用補助装置。
【0008】
更にフレーム(10A.10B)と自在ジョイント(23A,23B)とフレーム(11A.11B)で屈曲可能に結合させたメインフレーム(1)、メインフレーム(2)を備え、メインフレーム(2)にはメインフレーム脇受け(18)を長さ調整の為にメインフレーム(2)にメインフレーム脇受け調整(5)に固定金具(35)で平行に取り付けられている。フレーム(18)を両脇で抱え込み第1キャスター(1)を基点にシーソー式に前傾し第2キャスター(2)が接地し使用者の身体を浮かせて移乗が可能となる。
【0009】
使用者がフレーム(18)を両脇で抱え込みした姿勢で、次に膝を膝当て部(22)に当たるまで移動させると脇と膝当て部とお尻を結ぶ自然な三角形を描く姿勢となる、その折お尻が自然と浮き上がる構図となる。しかし高齢者の下肢筋肉の衰えによる脚力保持が出来ずにしゃがみ込んで維持できなくなるために、移動時の身体保持を目的とした補助椅子のシートフレーム(41)を構成に組み入れた。よって使用者の身体を介助者が抱きかかえることなく移乗が楽にできる。
【0010】
当該機のキャスター車輪間隔を前後輪で不均等にすることにより、介助者が寄り添う時に足元周辺の障害とならいように利便性を考慮したが、しかし問題がないわけではない、第2キャスター(2)車輪間隔を狭くしたことにより左右への転倒、または当該機の上で膝立ちして姿勢を整える際、前傾姿勢をやり過ぎで当該機が前転びにならないように、第2キャスターより後方に後部ストッパーを設けた。当該機は介助者と2人で使用することを基本としていることから、単独での使用は危険を伴う、安全策としては第2キャスター車輪間を広くして左右の身体移動でも転倒しないように利便性の見直しをした。
【0011】
使用者が自らの力と体重移動による移乗補助装置(27)であって、メインフレーム(10)と自在ジョイント(23)とメインフレーム(11)を屈曲可能に結合させ一本化したメインフレーム(10,11)を備え、使用者がフットレスト(6)を踏みつけることでフットレスト(6)のフレーム先端部が力点となり踏み込まれ、更に第1キャスターが支点となり第2キャスター(2)が宙に浮く事となる、次に使用者が体重移動で移乗開始と共に第1キャスター(1)を支点に前倒しするとシーソー式のように、第2キャスター(2)が元に戻る際に使用者の体とメインフレーム(18)を抱え込んだまま浮かせて移乗が可能となる移乗用補助装置。
【0012】
当該機上で姿勢を整える際、膝立ちして前傾姿勢のやり過ぎで当該機が不安定に陥った時に、第2キャスターより後方に転倒防止ストッパー(28)を設けたことで転倒を未然に防ぐ安全策とした。但し基本介助者が付き添っている時に行うようにする。
【0013】
移乗中に下肢の衰えた高齢者には体力の限界が近く三点保持(手、脇、膝)が長く続かずに座り込むこともありその対応策として、ベッドより移乗後直ちに身体を支えるシートフレーム(41)を股間の間より差し込むことで身体の保持が出来安全に移動ができる。単純な手動方式を採りシンプルで電動化に頼らない屋外で水にも強く、又は、緊急時には軽量化を活かした移乗用補助装置。
【0014】
トイレで衣服を下ろす介助については腰周辺に介護を遮る物が無い事が望ましく、移乗用補助装置(27)においては使用者の身体が前屈状態で膝と両脇で身体の体重を支える姿勢を保ちながらお尻を支える補助具を持たない構造であり、後方に突き出す姿勢を特徴とする。
【0015】
先ずは、使用者が当該機に移乗する手順として、車椅子やベッドに座った状態で待機している所へ、当該機の前方部であるフットレスト(6)をベッドに直付けし、使用者の足でフットレストを踏付け床に着座させることで当該機の第1キャスター(1)が支点となり勝手に移動しないようにブレーキ代わりとなる、従って第1キャスター(1)でシーソー式による第2キャスター後部が浮き上がる構造である。(
図1参照)
【0016】
使用者の体型差により、メインフレーム脇受け(18)を両脇で抱え込みさらにハンドルグリップ(39)及びハンドルグリップ(15)の使いやすい方を握ると同時に、膝当て部(22)に膝を当てがい身体に密着させる、更にハンドルを引き寄せ身体をメインフレーム脇受け(18)に預け当該機を前傾させることに当該機が水平になりキャスター(2)が着地する、フットレスト(6)に乗ったままお尻も浮き上がり使用者態勢Aとなり移乗が完了となる。但し、下肢の弱い使用者にはシート操作フレーム(42)を手動操作で前方に押し込み、使用者態勢Bのお尻の下へシート(41)を入れ込み使用しお尻を支えるようにする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の効果としては、使用者がベッドに腰掛けた状態でも、自在ジョイント(23)の可動範囲が大きいことから当該機を正面より差し込み、メインフレーム脇受け(18)に両脇を入れ、更に膝当て部(22)に膝を当てがい、ハンドルグリップ(39)を引き寄せるだけの簡単な操作で使用者本人の動作速度に合わせた動きで身体が浮き上がり当該機に移乗が完了する。
【0018】
更に、ハンドル横グリップ(16)を握った状態で膝当て部(22)に膝立ちし腰を伸ばし四つん這いの姿勢をとり、お尻が高く突き出された状態においては、介助者による下着を下ろすことも簡単にできる。更に四つん這いの状態からメインフレーム脇受け部(18)に使用者本人の胸部で支えその他、膝、足、の三点で身体を支えれば、両手が空き使用者の一番の悩みである他人による排泄準備も自らの力でやれて、そのまま便座に座れることもでき用足し後はまた元の位置に戻ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】試作品を用いたベッドに座り移乗させる動作図である。
【
図2】試作品を用いた体重移動しお尻が浮き上がる状態図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る移乗用補助装置の正面図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る移乗用補助装置の背面図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る移乗用補助装置の右側面図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る移乗用補助装置の左側面図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る移乗用補助装置の平面図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る移乗用補助装置の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明に係る移乗用補助装置(27)の図面で実施形態を説明する。移乗用補助装置(27)の中心に対し線対称な要素には、A、Bを付している。又は、固定金具(33,34.35,36,37,38、40)は随所に複数使用と図面説明簡略化の為、よって重要な箇所と可動部周辺を記載する。
【実施例0021】
図1は本発明の実施形態に係る移乗用補助装置の使用状況図である。移乗用補助装置(27)の右側面図である。
使用者は当該機正面のフットレスト(6)に両足を乗せる場として、フレーム(6A)にフレーム(3)を円筒型固定金具(38)で組む、同じくフレーム(6A)に背面図から見るフレーム(4)に90度固定型金具(33)で組む、更にフレーム(6B)もフレーム(3)を円筒型固定金具(38)で組む、同じくフレーム(6B)もフレーム(4)を90度固定型金具(33)で組むことによりフレーム(6)の足場が完成する。強度アップの為筋交い金具(37)で対象になるフレーム(6A)とフレーム(6B)をフレーム(3)で両端部固定しフットレスト(6)足置き場完成する。のフットレスト(6)に両足を乗せる事により第1キャスター(1)を支点に当該機が手前に傾斜する。
移乗完了後に使用者がハンドルグリップ(16)を突っ張り前傾し過ぎにより重心が前方に行き、前転などの恐れが起きないように後部ストッパー(28)で地面接地することにより、前転倒させない安全策を取り入れている。