IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 鈴茂器工株式会社の特許一覧

特開2022-93967テーブル駆動機構およびそれを用いた食材供給装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022093967
(43)【公開日】2022-06-24
(54)【発明の名称】テーブル駆動機構およびそれを用いた食材供給装置
(51)【国際特許分類】
   F16H 19/02 20060101AFI20220617BHJP
   F16H 7/02 20060101ALI20220617BHJP
【FI】
F16H19/02 P
F16H7/02 Z
F16H19/02 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020206725
(22)【出願日】2020-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】591094262
【氏名又は名称】鈴茂器工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101971
【弁理士】
【氏名又は名称】大畑 敏朗
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 美奈子
(72)【発明者】
【氏名】橋本 晃佳
(72)【発明者】
【氏名】竹田 大祐
(72)【発明者】
【氏名】成田 学司
【テーマコード(参考)】
3J049
3J062
【Fターム(参考)】
3J049AA01
3J049BE10
3J049CA10
3J062AA27
3J062AB12
3J062AB21
3J062AC07
3J062BA11
3J062BA12
3J062BA32
3J062BA40
3J062CA06
3J062CA13
3J062CA14
3J062CA32
3J062CA34
(57)【要約】
【課題】食材を載せるテーブルを駆動するためのテーブル駆動機構の構造を簡単化するとともに、テーブルを安定して滑らかに移動させる。
【解決手段】テーブル15aの裏面側に回動自在の状態で設置されたローラ15c-1の回動によりテーブル15aを前後方向に移動させるようにした。ローラ15c-1の表面部材は、ゴム等のような弾性を有する部材からなり、テーブル15aの裏面に接している。また、テーブル駆動機構部15には、テーブル15aをローラ15c-1に押し付けるように付勢する付勢手段15f-1が設けられている。付勢手段15f-1は、回動軸15b-1に取り付けられた磁石で構成される第1の付勢部材E1と、テーブル15aの裏面において第1の付勢部材E1が対向する部分に設けられた磁性体で構成される第2の付勢部材E2とを有する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面および当該第1の面の裏側の第2の面を備え、前記第1の面にシート状の食材が載置されるテーブルと、
前記テーブルの前記第2の面側に前記テーブルの移動方向に交差して設けられ、回動自在の状態で設けられた第1の回動軸と、
前記テーブルの前記第2の面に接触した状態で前記第1の回動軸に取り付けられた弾性を有する第1の回動体と、
前記第1の面の上方に平面視で前記第1の面の範囲内に配置され、前記第1の回動体を回動させる回動手段と、
前記回動手段の動力を前記第1の回動軸に伝達する動力伝達手段と、
前記テーブルと前記第1の回動体とを接近させる方向に付勢する付勢手段と、
を備えることを特徴とするテーブル駆動機構。
【請求項2】
前記付勢手段は、
前記第1の回動軸に設けられた第1の付勢部材と、
前記テーブルの前記第2の面において前記第1の付勢部材に対向する部分に設けられた第2の付勢部材と、
を備え、
前記第1の付勢部材は磁石によって構成され、前記第2の付勢部材は磁石または磁性体によって構成されていることを特徴とする請求項1記載のテーブル駆動機構。
【請求項3】
前記付勢手段は、
前記第1の回動軸に設けられた第1の付勢部材と、
前記テーブルの前記第2の面において前記第1の付勢部材に対向する部分に設けられた第2の付勢部材と、
を備え、
前記第1の付勢部材は磁性体によって構成され、前記第2の付勢部材は磁石によって構成されていることを特徴とする請求項1記載のテーブル駆動機構。
【請求項4】
前記第1の付勢部材と前記第2の付勢部材とは互いに離れた状態で設置されていることを特徴とする請求項2または3記載のテーブル駆動機構。
【請求項5】
前記第1の回動体は、前記第1の付勢部材を中心にして対称に設置されていることを特徴とする請求項2~4の何れか一項に記載のテーブル駆動機構。
【請求項6】
前記テーブルの前記第2面において、前記第1の付勢部材が対向する部分に、前記第1の付勢部材より幅広の第1の溝を設け、
前記テーブルの前記第2面において、前記第1の回動体が対向する部分に、前記第1の回動体より幅広の第2の溝を設けたことを特徴とする請求項2~5の何れか一項に記載のテーブル駆動機構。
【請求項7】
前記付勢手段は、
前記第1の回動体の内部に設けられた第1の付勢部材と、
前記テーブルの前記第2の面において前記第1の付勢部材に対向する部分に設けられた第2の付勢部材と、
を備え、
前記第1の付勢部材は磁石によって構成され、前記第2の付勢部材は磁石または磁性体によって構成されていることを特徴とする請求項1記載のテーブル駆動機構。
【請求項8】
前記付勢手段は、
前記第1の回動体の内部に設けられた第1の付勢部材と、
前記テーブルの前記第2の面において前記第1の付勢部材に対向する部分に設けられた第2の付勢部材と、
を備え、
前記第1の付勢部材は磁性体によって構成され、前記第2の付勢部材は磁石によって構成されていることを特徴とする請求項1記載のテーブル駆動機構。
【請求項9】
前記付勢手段は、前記第1の回動軸を前記テーブルに向かって付勢する第1のバネを備え、
前記第1の回動軸は、前記テーブルに向かって移動自在の状態で設けられていることを特徴とする請求項1記載のテーブル駆動機構。
【請求項10】
前記付勢手段は、前記テーブルを前記第1の回動体に向かって付勢する第2のバネを備え、
前記テーブルは、前記第1の回動体に向かって移動自在の状態で設けられていることを特徴とする請求項1記載のテーブル駆動機構。
【請求項11】
前記テーブルの前記第2面において、前記第1の回動体が対向する部分に、前記第1の回動体より幅広の溝を設けたことを特徴とする請求項7~10の何れか一項に記載のテーブル駆動機構。
【請求項12】
前記テーブルの前記第2の面に接触する前記第1の回動体の表面部材は、ゴムによって構成されていることを特徴とする請求項1~11の何れか一項に記載のテーブル駆動機構。
【請求項13】
前記テーブルの前記第2の面側に前記第1の回動軸と並列に回動自在の状態で設けられた第2の回動軸と、
前記テーブルの前記第2の面に接触した状態で前記第2の回動軸に取り付けられた弾性を有する第2の回動体と、
を備えることを特徴とする請求項1~12の何れか一項に記載のテーブル駆動機構。
【請求項14】
前記第2の回動軸は、前記動力伝達手段と接続されており、前記第1の回動体とともに回動するように設けられていることを特徴とする請求項13記載のテーブル駆動機構。
【請求項15】
前記第2の回動軸は、前記動力伝達手段と接続されておらず、前記テーブルの移動に追従して回動するように設けられていることを特徴とする請求項13記載のテーブル駆動機構。
【請求項16】
前記テーブルの前記第2の面に接触する前記第2の回動体の表面部材は、ゴムによって構成されていることを特徴とする請求項13~15の何れか一項に記載のテーブル駆動機構。
【請求項17】
食材を上方より下方へ圧縮して板状にしながら搬送する食材圧縮搬送手段と、
前記食材圧縮搬送手段によって搬送される板状の食材を搬送する請求項1~16の何れか一項に記載のテーブル駆動機構と、
前記テーブル駆動機構の前記テーブルに載せられて搬送される板状の食材を所定の位置で分割する分割手段と、
を備えることを特徴とする食材供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーブル駆動機構およびそれを用いた食材供給装置に係り、米飯を供給するのに用いるテーブル駆動機構およびそれを用いた米飯供給装置に適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
米飯供給装置については、例えば、特許文献1(特開平11-155506号公報)や特許文献2(特開2016-007186号公報)に記載があり、米飯ホッパに供給された米飯を米飯圧縮搬送部によって板状に圧縮搬送した後、米飯圧縮搬送部から連続的に搬送される板状の米飯を分割シャッタ部によって所定量(サイズ)に分割し、テーブルに載置して供給する米飯供給装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-155506号公報
【特許文献2】特開2016-007186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、図24は特許文献1の米飯供給装置におけるテーブル駆動機構部の概略斜視図である。
【0005】
テーブル駆動機構部100は、テーブル101に載置された米飯を所定方向に沿って直線的に搬送する機構となっており、テーブルスライダ102と、一対のワイヤ機構部103と、ワイヤ駆動部104とを備えている。なお、図24においては、説明を分かり易くするためテーブル101の裏側を透かして示している。
【0006】
テーブルスライダ102は、テーブル101を搭載する部品であり、テーブル101の裏面に接合されている。一対のワイヤ機構部103は、テーブル101をテーブルスライダ102の幅方向(短手方向)に沿って直線的に移動させる機構となっており、テーブル101を挟むようにテーブルスライダ102の長手方向両側に配置されている。
【0007】
各ワイヤ機構部103は、一対のプーリ103pと、一対のプーリ103pに架け渡された無端状のワイヤ103wとを備えている。一対のプーリ103pは、テーブル101の移動方向に沿って互いに離間して配置されている。この一対のワイヤ機構部103の各々のワイヤ103wには、テーブルスライダ102の長手方向の両端部が接合されている。
【0008】
ワイヤ駆動部104は、一対のワイヤ機構部103の各々のワイヤ103wを周回させる機構となっており、一対の駆動プーリ104pと、一対の駆動プーリ104pを支持する駆動軸104sと、駆動軸104sを正逆方向に回動させるモータ104mとを備えている。
【0009】
各駆動プーリ104pは、一対のプーリ103pの間に配置されており、各駆動プーリ104pには、ワイヤ103wが2~3周分程度巻回されている。このため、モータ104mの回転により一対の駆動プーリ104pが回動すると、一対のワイヤ機構部103の各々のワイヤ103wが同期した状態で周回するようになっている。そして、各々のワイヤ103wが周回するとテーブルスライダ102がその幅方向に直線的に移動する。
【0010】
しかしながら、このようなテーブル駆動機構部100においては、駆動軸104sからテーブルスライダ102への動力伝達にワイヤ103wを使用しているため、構造が複雑になる。また、プーリ103pおよび駆動プーリ104pとワイヤ103wとの摩擦力を確保するためにワイヤ103wの張力を高めなければならず、ワイヤ103wが断線するおそれがある。そして、これらにより、故障が生じ易く、メンテナンスの頻度が高くなる、という問題がある。
【0011】
また、テーブル101の可動範囲の外側であってテーブルスライダ102の長手方向両側にワイヤ機構部103および駆動プーリ104pが設置されているので、テーブル駆動機構部100の小型化を阻害するという問題がある。
【0012】
さらに、ワイヤ103wでテーブルスライダ102を引っ張る構造のために、引っかかりが生じて、テーブル101を安定した状態で滑らかに水平移動させることができない場合がある。
【0013】
一方、前述の特許文献2においては、ワイヤ機構部に代えてテーブルの裏面にラック・アンド・ピニオン構造を設けてテーブルを駆動する構成が開示されている。しかし、この場合、テーブルの裏面のラック(凹凸)の凹部内に食材が残留し、清掃性の上で問題がある。
【0014】
本発明は、上述の技術的背景からなされたものであって、食材を載せるテーブルを駆動するためのテーブル駆動機構の構造を簡単化できる技術を提供することを目的とする。
【0015】
また、本発明は、食材を載せるテーブルを駆動するためのテーブル駆動機構およびそれを用いた食材供給装置の小型化を図ることのできる技術を提供することを目的とする。
【0016】
また、本発明は、食材を載せるテーブルを安定した状態で滑らかに水平移動させることのできる技術を提供することを目的とする。
【0017】
さらに、本発明は、食材を載せるテーブルの清掃性を向上させることのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記課題を解決するため、請求項1の発明に係るテーブル駆動機構は、第1の面および当該第1の面の裏側の第2の面を備え、前記第1の面にシート状の食材が載置されるテーブルと、前記テーブルの前記第2の面側に前記テーブルの移動方向に交差して設けられ、回動自在の状態で設けられた第1の回動軸と、前記テーブルの前記第2の面に接触した状態で前記第1の回動軸に取り付けられた弾性を有する第1の回動体と、前記第1の面の上方に平面視で前記第1の面の範囲内に配置され、前記第1の回動体を回動させる回動手段と、前記回動手段の動力を前記第1の回動軸に伝達する動力伝達手段と、前記テーブルと前記第1の回動体とを接近させる方向に付勢する付勢手段と、を備えることを特徴とする。
【0019】
請求項2の発明に係るテーブル駆動機構は、請求項1記載の発明において、前記付勢手段は、前記第1の回動軸に設けられた第1の付勢部材と、前記テーブルの前記第2の面において前記第1の付勢部材に対向する部分に設けられた第2の付勢部材と、を備え、前記第1の付勢部材は磁石によって構成され、前記第2の付勢部材は磁石または磁性体によって構成されていることを特徴とする。
【0020】
請求項3の発明に係るテーブル駆動機構は、請求項1記載の発明において、前記付勢手段は、前記第1の回動軸に設けられた第1の付勢部材と、前記テーブルの前記第2の面において前記第1の付勢部材に対向する部分に設けられた第2の付勢部材と、を備え、前記第1の付勢部材は磁性体によって構成され、前記第2の付勢部材は磁石によって構成されていることを特徴とする。
【0021】
請求項4の発明に係るテーブル駆動機構は、請求項2または3記載の発明において、前記第1の付勢部材と前記第2の付勢部材とは互いに離れた状態で設置されていることを特徴とする。
【0022】
請求項5の発明に係るテーブル駆動機構は、請求項2~4の何れか一項に記載の発明において、前記第1の回動体は、前記第1の付勢部材を中心にして対称に設置されていることを特徴とする。
【0023】
請求項6の発明に係るテーブル駆動機構は、請求項2~5の何れか一項に記載の発明において、前記テーブルの前記第2面において、前記第1の付勢部材が対向する部分に、前記第1の付勢部材より幅広の第1の溝を設け、前記テーブルの前記第2面において、前記第1の回動体が対向する部分に、前記第1の回動体より幅広の第2の溝を設けたことを特徴とする。
【0024】
請求項7の発明に係るテーブル駆動機構は、請求項1記載の発明において、前記付勢手段は、前記第1の回動体の内部に設けられた第1の付勢部材と、前記テーブルの前記第2の面において前記第1の付勢部材に対向する部分に設けられた第2の付勢部材と、を備え、前記第1の付勢部材は磁石によって構成され、前記第2の付勢部材は磁石または磁性体によって構成されていることを特徴とする。
【0025】
請求項8の発明に係るテーブル駆動機構は、請求項1記載の発明において、前記付勢手段は、前記第1の回動体の内部に設けられた第1の付勢部材と、前記テーブルの前記第2の面において前記第1の付勢部材に対向する部分に設けられた第2の付勢部材と、を備え、前記第1の付勢部材は磁性体によって構成され、前記第2の付勢部材は磁石によって構成されていることを特徴とする。
【0026】
請求項9の発明に係るテーブル駆動機構は、請求項1記載の発明において、前記付勢手段は、前記第1の回動軸を前記テーブルに向かって付勢する第1のバネを備え、前記第1の回動軸は、前記テーブルに向かって移動自在の状態で設けられていることを特徴とする。
【0027】
請求項10の発明に係るテーブル駆動機構は、請求項1記載の発明において、前記付勢手段は、前記テーブルを前記第1の回動体に向かって付勢する第2のバネを備え、前記テーブルは、前記第1の回動体に向かって移動自在の状態で設けられていることを特徴とする。
【0028】
請求項11の発明に係るテーブル駆動機構は、請求項7~10の何れか一項に記載の発明において、前記テーブルの前記第2面において、前記第1の回動体が対向する部分に、前記第1の回動体より幅広の溝を設けたことを特徴とする。
【0029】
請求項12の発明に係るテーブル駆動機構は、請求項1~11の何れか一項に記載の発明において、前記テーブルの前記第2の面に接触する前記第1の回動体の表面部材は、ゴムによって構成されていることを特徴とする。
【0030】
請求項13の発明に係るテーブル駆動機構は、請求項1~12の何れか一項に記載の発明において、前記テーブルの前記第2の面側に前記第1の回動軸と並列に回動自在の状態で設けられた第2の回動軸と、前記テーブルの前記第2の面に接触した状態で前記第2の回動軸に取り付けられた弾性を有する第2の回動体と、を備えることを特徴とする。
【0031】
請求項14の発明に係るテーブル駆動機構は、請求項13記載の発明において、前記第2の回動軸は、前記動力伝達手段と接続されており、前記第1の回動体とともに回動するように設けられていることを特徴とする。
【0032】
請求項15の発明に係るテーブル駆動機構は、請求項13記載の発明において、前記第2の回動軸は、前記動力伝達手段と接続されておらず、前記テーブルの移動に追従して回動するように設けられていることを特徴とする。
【0033】
請求項16の発明に係るテーブル駆動機構は、請求項13~15の何れか一項に記載の発明において、前記テーブルの前記第2の面に接触する前記第2の回動体の表面部材は、ゴムによって構成されていることを特徴とする。
【0034】
請求項17の発明に係る食材供給装置は、食材を上方より下方へ圧縮して板状にしながら搬送する食材圧縮搬送手段と、前記食材圧縮搬送手段によって搬送される板状の食材を搬送する請求項1~16の何れか一項に記載のテーブル駆動機構と、前記テーブル駆動機構の前記テーブルに載せられて搬送される板状の食材を所定の位置で分割する分割手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、食材を載せるテーブルを駆動するためのテーブル駆動機構の構造を簡単化することが可能になる。
【0036】
また、本発明によれば、食材を載せるテーブルを駆動するためのテーブル駆動機構およびそれを用いた食材供給装置の小型化を図ることが可能になる。
【0037】
また、本発明によれば、食材を載せるテーブルを安定した状態で滑らかに水平移動させることが可能になる。
【0038】
さらに、本発明によれば、食材を載せるテーブルの清掃性を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る米飯供給装置の全体斜視図である。
図2図1の米飯供給装置のテーブルを前方向に限界まで移動させたときの米飯供給装置の全体斜視図である。
図3図1の米飯供給装置の縦断面図である。
図4図1の米飯供給装置のテーブル駆動機構部の斜視図である。
図5図1の米飯供給装置のテーブル駆動機構部においてテーブルが前進限位置のときの斜視図である。
図6図4のテーブル駆動機構部を前面側から示す一部破断正面図である。
図7図6のテーブル駆動機構部の一部破断拡大正面図である。
図8図4のテーブル駆動機構部を構成するテーブルの裏面の斜視図である。
図9】本発明の第2の実施の形態のテーブル駆動機構部を構成するテーブルの裏面の斜視図である。
図10図9のテーブルを用いた場合のテーブル駆動機構部の一部破断拡大正面図である。
図11】本発明の第3の実施の形態のテーブル駆動機構部の正面図である。
図12図11のI-I線の拡大断面図である。
図13】第3の実施の形態の変形例のテーブル駆動機構部の正面図である。
図14】本発明の第4の実施の形態のテーブル駆動機構部の正面図である。
図15図14のテーブル駆動機構部の要部側面図である。
図16図14の付勢手段と回動軸との要部拡大断面図である。
図17】本発明の第5の実施の形態のテーブル駆動機構部の正面図である。
図18】第5の実施の形態の変形例のテーブル駆動機構部の正面図である。
図19】本発明の第6の実施の形態のテーブル駆動機構部の斜視図である。
図20】本発明の第6の実施の形態のテーブル駆動機構部においてテーブルが前進限位置のときの斜視図である。
図21】本発明の第7の実施の形態のテーブル駆動機構部の正面図である。
図22図21の付勢手段の拡大断面図である。
図23】(a)は本発明の第8の実施の形態のテーブル駆動機構部の正面図、(b),(c)は(a)のテーブル駆動機構部の変形例の正面図である。
図24】特許文献1の米飯供給装置におけるテーブル駆動機構部の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の一例としての実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0041】
(第1の実施の形態)
【0042】
まず、本実施の形態の米飯供給装置の構成の一例について図1図3を参照して説明する。図1は本実施の形態に係る米飯供給装置の全体斜視図、図2図1の米飯供給装置のテーブルを前方向に限界まで移動させたときの米飯供給装置の全体斜視図、図3図1の米飯供給装置の縦断面図である。
【0043】
図1図3に示すように、本実施の形態の米飯供給装置(食材供給装置)10は、例えば、米飯塊を板状に成形して供給するシャリシート成形機であり、上方から下方に向かって順に、米飯ホッパ部11と、米飯解し部12と、米飯圧縮搬送部(食材圧縮搬送手段)13と、分割シャッタ部(分割手段)14と、テーブル駆動機構部(テーブル駆動機構)15とを備えている。
【0044】
米飯ホッパ部11は、米飯を一時的に貯留する貯留部である。この米飯ホッパ部11には、例えば、炊飯され酢や砂糖等のような調味料が混合された米飯が投入される。
【0045】
米飯解し部12は、米飯ホッパ部11から供給された米飯を解す機構部であり、複数個の解し羽根12a(図3参照)を備えている。米飯ホッパ部11から米飯解し部12に供給された米飯は、解し羽根12aの回転によって解されながら米飯圧縮搬送部13に搬送される。
【0046】
米飯圧縮搬送部13は、米飯解し部12で解された米飯を上方より下方へ圧縮しながら板状に成形して搬送する機構部であり、複数対のローラ13aを備えている。この複数対のローラ13aは、本実施の形態では上下2段に設置されており、米飯供給方向の上流側から下流側に向かって間隔が徐々に狭められるように配置されている。これにより、米飯解し部12から米飯圧縮搬送部13に供給された米飯は、複数対のローラ13aの回転によって圧縮され、板状に成形された状態で下方に搬送される。また、米飯圧縮搬送部13では、複数対のローラ13aの回転角度、駆動時間または駆動速度を制御することにより米飯の分量を間接的に調整(計量)するようになっている。
【0047】
分割シャッタ部14は、米飯圧縮搬送部13から連続的に搬送される板状の米飯を搬送方向に対して交差(直交)するように分割刃14aによって切断する機構部である。分割刃14aは、板状の米飯の搬送方向に対して交差(直交)するように設置されているとともに、図3に示す矢印A1の方向に沿って揺動自在の状態で設置されている。連続的に搬送された板状の米飯は、分割刃14aの下方側への揺動が最大になった時に分割される。なお、分割刃14aの先端は、下方側への揺動が最大になった時に、米飯を下方に滑らせる下板16(図3参照)の表面に接触するようになっている。
【0048】
テーブル駆動機構部15は、米飯圧縮搬送部13から連続的に搬送される板状の米飯をテーブル15aの表面(第1の面)に載せた状態で前方に搬送する機構部である。テーブル15aは、その幅方向(短手方向、図1および図2において左右方向)の両端に設置された後述するテーブルガイド(図1図3には図示せず)によって支持されている。このテーブルガイドは、下方向に微動可能な状態で設置されている。
【0049】
このテーブル15aの裏面(第2の面)側には、テーブル15aの移動方向に対して交差するように回動軸(第1の回動軸)15b-1(図3参照)が回動自在の状態で設置されている。また、この回動軸15b-1の高さは固定されている。この回動軸15b-1には、例えば、2個のローラ(第1の回動体)15c-1(図1および図3参照)が取り付けられている。そして、このローラ15c-1の回動によってテーブル15aが前後方向に水平かつ直線的に移動するようになっている。
【0050】
米飯圧縮搬送部13から搬送された米飯は、テーブル15aの表面上に落下して載置されるとともに、テーブル15aの移動によって前方に搬送され、テーブル15aが前方向に限界(前進限)まで移動すると分割刃14aにより分割される。これにより、所定の平面寸法のシャリシートRS(図2参照)がテーブル15aの表面上に形成される。なお、テーブル15aの移動速度(すなわち、回動軸15b-1およびローラ15c-1の回動速度)は、米飯圧縮搬送部13から連続的に搬送される米飯の搬送速度に対応するように設定されている。
【0051】
次に、本実施の形態のテーブル駆動機構部15の構成例について図4図8を参照して説明する。図4図1の米飯供給装置のテーブル駆動機構部の斜視図、図5はテーブルが前進限位置のときの図1の米飯供給装置のテーブル駆動機構部の斜視図、図6図4のテーブル駆動機構部を前面側から示す一部破断正面図、図7図6のテーブル駆動機構部の一部破断拡大正面図、図8図4のテーブル駆動機構部を構成するテーブルの裏面の斜視図である。なお、図4および図5では、説明を分かり易くするためにテーブル15aの裏面側を透かして示している。
【0052】
図4図6に示すように、本実施の形態のテーブル駆動機構部15は、テーブル15aと、回動軸15b-1と、ローラ15c-1と、回動モータ(回動手段)15dと、動力伝達機構部(動力伝達手段)15eと、付勢手段15f-1とを備えている。
【0053】
テーブル15aは、例えば、衛生面、安全性、軽量化および低コスト化等の観点からプラスチック材料からなり、図4図5および図8に示すように、2つの長辺と、それらの間の2つの短辺と、それらに囲まれた表面およびその裏側の裏面とを有する平面視で長方形状の板体で形成されている。
【0054】
テーブル15aの裏面には、テーブル15aの移動方向(前後方向、回動軸15b-1に直交する方向)に沿って延びる3つの溝SG1,SG2が回動軸15b-1の軸方向に沿って並ぶように形成されている。
【0055】
中央の溝(第1の溝)SG1は付勢手段15f-1の第1の付勢部材E1に対向する位置に形成されており、その幅(回動軸15b-1の軸方向の長さ)は第1の付勢部材E1の幅(回動軸15b-1の軸方向の長さ)よりも広くなっている。
【0056】
また、中央の溝SG1の両側に形成された側部の溝(第2の溝)SG2は、ローラ15c-1に対向する位置に形成されており、その幅(回動軸15b-1の軸方向の長さ)は、ローラ15c-1の幅(回動軸15b-1の軸方向の長さ)よりも広くなっている。そして、これら側部の溝SG2はローラ15c-1の走行部になっている。
【0057】
ここで、前述のように、特許文献2においては、テーブルの裏面にラック・アンド・ピニオン構造を設けることによりテーブルを駆動しているが、この場合、テーブルの裏面のラック(凹凸)の凹部内に米飯が残留し、清掃性の上で問題がある。
【0058】
これに対して、本実施の形態においては、テーブル15aの裏面に溝SG1,SG2はあるものの米飯が残留するような凹凸はないので、テーブル15aの清掃性を向上させることができる。
【0059】
図4および図5に示すように、回動軸15b-1は、テーブル15aの裏面側においてテーブル15aの移動方向に対して直交するように設置されるとともに、回動軸15b-1の軸方向両端側に配置された軸受部15g-1に回動自在の状態で取り付けられている。図4図6に示すように、回動軸15b-1の軸方向の一端側には、動力伝達機構部15eを構成するプーリP1が取り付けられている。
【0060】
図4図7に示すように、ローラ15c-1は、回動軸15b-1に固定されている。このため、回動軸15b-1が回動するとローラ15c-1も回動するようになっている。このローラ15c-1の表面部材は、例えば、ゴム等のような弾性を有する部材からなり、図6および図7に示すように、テーブル15aの裏面(側部の溝SG2の底面)に接触している。これにより、ローラ15c-1を回動させるとローラ15c-1とテーブル15aとの接触部での摩擦力によりテーブル15aを前後方向に水平に移動させることができる。
【0061】
ここで、図24に示したテーブル駆動機構部100においては、前述したようにワイヤ103wを使用しているために構造が複雑になる。また、ワイヤ103wの張力を高めなければならず、ワイヤ103wが断線するおそれがある。これらにより、故障が生じ易く、メンテナンスの頻度が高くなるという問題がある。
【0062】
これに対して、本実施の形態のテーブル駆動機構部15においては、図4図7に示すように、ワイヤを使用せず、ローラ15c-1の回動によりテーブル15aを移動させる構造なので、テーブル駆動機構部15の構造を簡単化することができる。また、ワイヤを使用しないので、ワイヤの断線不良も解消できる。これらにより、テーブル駆動機構部15において、故障の発生率を低減でき、メンテナンス性を向上させることができる。
【0063】
また、図4図7に示すように、ローラ15c-1は、付勢手段15f-1(第1の付勢部材E1)を中心にして左右対称に配置されている。これにより、ローラ15c-1によりテーブル15aを安定した状態で支持することができるので、テーブル15aを安定した状態で滑らかに移動させることができる。
【0064】
また、図6および図7に示すように、本実施の形態においては、テーブル15aの裏面の側部の溝SG2内に、ローラ15c-1の対向部が部分的に入り込んでいる。これにより、側部の溝SG2を設けない場合に比べて、テーブル15aとローラ15c-1との高さの総和を小さくすることができるので、米飯供給装置10の小型化を図ることができる。また、テーブル15aの裏面においてローラ15c-1および第1の付勢部材E1が対向する部分だけに溝SG1,SG2を設けたことにより、テーブル15aの機械的強度を確保することができる。
【0065】
図4図6に示すように、回動モータ15dは、回動軸15b-1(すなわち、ローラ15c-1)を正逆両方向に回動させるための駆動源である。この回動モータ15dは、テーブル15aの上方において、平面視でテーブル15aの範囲内に配置されている。これにより、米飯供給装置10の小型化を図ることができる。
【0066】
また、回動モータ15dは、回動モータ15dの回転軸がテーブル15aの一方の側面(回動軸15b-1の軸方向一端)側に位置するように横置きに設置されている。この回動モータ15dの回動軸には、動力伝達機構部15eを構成するプーリP2が取り付けられている。なお、図6において、矢印A2は回動モータ15dの回動軸の回動方向を示し、矢印A3は回動軸15b-1の回動方向を示している。
【0067】
図4図6に示すように、動力伝達機構部15eは、回動モータ15dの動力を回動軸15b-1に伝達するための機構部であり、複数個のプーリP1~P4と、プーリP1~P3に無端状に架け渡されたフラットベルトBLとを備えている。
【0068】
プーリP3,P4は、プーリP1とプーリP2との間に配置されている。プーリP3はフラットベルトBLのループの内側に配置され、プーリP4はフラットベルトBLのループの外側に配置されている。これらのプーリP1~P4は、相互に縦方向に配置されている。このため、場所をとらず、テーブル駆動機構部15の小型化を図ることができる。なお、図5の矢印A4は、テーブル15aを矢印A5に示す前方向に移動させたときのフラットベルトBLの周回方向を示している。
【0069】
ここで、図24に示したテーブル駆動機構部100においては、動力伝達機構部を構成するワイヤ機構部103や駆動プーリ104pが、テーブル101の可動範囲の外側であってテーブルスライダ102の軸方向の両側に設置されているため、テーブル駆動機構部100の小型化を阻害するという問題がある。
【0070】
これに対して、本実施の形態のテーブル駆動機構部15においては、図4図6に示すように、テーブル15aの可動範囲の外側であって回動軸15b-1の軸方向片側に動力伝達機構部15eを配置する構成であり、さらに、プーリP1~P4が相互に縦方向に配置されているので、テーブル駆動機構部15およびそれを用いる米飯供給装置10の小型化を図ることができる。
【0071】
図4図7に示すように、付勢手段15f-1は、テーブル15aとローラ15c-1とを接近させる方向に付勢する部品であり、第1の付勢部材E1と、第2の付勢部材E2とを備えている。
【0072】
第1の付勢部材E1は、例えば、磁石からなり、回動軸15b-1において2つのローラ15c-1の間に取り付けられている。この第1の付勢部材E1はテーブル15aにおいて回動軸15b-1の軸方向中央に配置されている。
【0073】
第2の付勢部材E2は、例えば、鉄板等のような磁性体からなり、テーブル15aの裏面において第1の付勢部材E1に対向する中央の溝SG1の底面のほぼ全域に設置されている。
【0074】
なお、この第2の付勢部材E2は、テーブル15aの裏面に張り付けてもよいし、テーブル15aの内部に埋設してもよい。また、第2の付勢部材E2を磁石によって構成してもよい。この場合、第1の付勢部材E1および第2の付勢部材E2の双方の磁石が互いに引き合うように双方の磁石の磁極の向きを設定する。また、第2の付勢部材E2を磁石によって構成した場合は、第1の付勢部材E1を磁性体によって構成してもよい。
【0075】
このように本実施の形態においては、付勢手段15f-1の第1の付勢部材E1の磁力によりテーブル15aをローラ15c-1側に吸引することで、テーブル15aの裏面をローラ15c-1の表面に適度に押し付けることができる。これにより、テーブル15aとローラ15c-1との接触部での摩擦力(グリップ力、密着性)を向上させることができるので、ローラ15c-1の回動力をテーブル15aに良好に伝達することが可能になる。したがって、テーブル15aをスリップさせることなく、安定かつ滑らかに水平移動させることができる。
【0076】
また、図7に詳しく示すように、第1の付勢部材E1と、第2の付勢部材E2とは、互いに離れた状態で設置されている。これにより、たとえローラ15c-1の表面が摩擦により摩耗して目減りしたとしても、テーブル15aの高さを調整することにより、第1の付勢部材E1の磁力でテーブル15aをローラ15c-1に押し付けることができる。このため、テーブル15aとローラ15c-1との接触部での摩擦力を確保することができるので、ローラ15c-1の回動力をテーブル15aに良好に伝達することができる。したがって、テーブル15aをスリップさせることなく、安定かつ滑らかに水平移動させることができる。
【0077】
(第2の実施の形態)
【0078】
本実施の形態においては、テーブルの変形例について図9および図10を参照して説明する。図9は本実施の形態のテーブル駆動機構部を構成するテーブルの裏面の斜視図、図10図9のテーブルを用いた場合のテーブル駆動機構部の一部破断拡大正面図である。
【0079】
図9に示すように、本実施の形態においては、テーブル15aの裏面に溝が形成されておらず、テーブル15aの裏面の全域が平坦に形成されている。これにより、米飯が残留する要素がより少なくなり、テーブル15aの清掃性をさらに向上させることができる。
【0080】
また、図10に示すように、この場合もローラ15c-1の表面部材はテーブル15aの裏面に接触している。また、第1の付勢部材E1と第2の付勢部材E2とは互いに離れた状態で設置されている。これ以外の構成および効果は、第1の実施の形態と同じである。
【0081】
(第3の実施の形態)
【0082】
本実施の形態においては、第1の付勢部材をローラに組み込んだ場合の構造例について図11図13を参照して説明する。図11は本実施の形態のテーブル駆動機構部の正面図、図12図11のI-I線の拡大断面図、図13は本実施の形態の変形例のテーブル駆動機構部の正面図である。
【0083】
図11および図12に示すように、本実施の形態においては、付勢手段15f-1を構成する第1の付勢部材E1がローラ(第1の回動体)15cm-1の内部に組み込まれている。この第1の付勢部材E1は、例えば、磁石からなり、その表面はローラ15cm-1の表面部材G(図12参照)によって被覆されている。この表面部材Gは、例えば、ゴム等のような弾性を有する部材で構成されている。
【0084】
一方、テーブル15aの裏面において、ローラ15cm-1が対向する走行部分(テーブル15aに溝SG2(図8参照)が形成されている場合は溝SG2の底面全域)には、付勢手段15f-1を構成する第2の付勢部材E2が張り付けられている。このため、ローラ15cm-1の表面部材Gが第2の付勢部材E2に接触している。
【0085】
第2の付勢部材E2は、例えば、鉄板のような磁性体で構成されている。この第2の付勢部材E2は、テーブル15aの内部に埋設してもよい。また、第2の付勢部材E2は、テーブル15aの裏面全域に設けてもよいが、ローラ15cm-1が対向する走行部分のみに選択的に形成すれば、コストを低減することができる。
【0086】
さらに、第2の付勢部材E2を磁石によって構成してもよい。この場合、第1の付勢部材E1および第2の付勢部材E2の双方の磁石が互いに引き合うように双方の磁石の磁極の向きを設定する。また、第2の付勢部材E2を磁石によって構成した場合は、第1の付勢部材E1を磁性体によって構成してもよい。
【0087】
なお、前述のように、テーブル15aは、その幅方向(短手方向、回動軸15b-1の軸方向)の両端に設置されたテーブルガイドTG(図11参照)によって支持されている。このテーブルガイドTGは、テーブル15aの両端を支持してその移動方向を規制する直線状のレールであり、下方向に微動可能な状態で設置されている。また、回動軸15b-1の高さは固定されている。
【0088】
このような本実施の形態においては、ローラ15cm-1に内蔵された第1の付勢部材E1の磁力によりテーブル15aがローラ15c-1側に吸引される。これにより、テーブル15aの裏面(第2の付勢部材E2)がローラ15cm-1の表面(表面部材G)に適度に押し付けられる。なお、矢印A6はテーブル15aの吸引方向を示している。
【0089】
本実施の形態においては、ローラ15cm-1とテーブル15aとの接触部において吸引力が働くので、第1、第2の実施の形態の場合よりもローラ15cm-1とテーブル15aとの接触部での摩擦力を向上させることができる。このため、ローラ15cm-1によるテーブル15aの駆動能力を向上させることができる。
【0090】
また、本実施の形態においては、図11に示すように、ローラ15cm-1の間に第1の付勢部材が設けられていないので、テーブル15aの裏面に溝SG1(図8参照)を設ける必要がない。このため、テーブル15aの裏面の平坦性を向上させることができるので、第1の実施の形態の場合よりもテーブル15aの清掃性を向上させることができる。
【0091】
また、本実施の形態においては、前述のようにローラ15cm-1の間に第1の付勢部材が設けられていないので、図13に示すように、テーブル15aの裏側に幅(回動軸15b-1の軸方向の寸法)の広い1個のローラ(第1の回動体)15cmw-1を設けてもよい。
【0092】
この場合、ローラ15cmw-1とテーブル15aとの接触面積を増やせるので、ローラ15cmw-1とテーブル15aとの接触部での摩擦力を向上させることができる。これにより、ローラ15cmw-1によるテーブル15aの駆動能力を向上させることができる。
【0093】
また、ここでは、図13に示すように、ローラ15cm-1の幅方向(回動軸15b-1の軸方向)の両端近傍だけに第1の付勢部材E1を設けている。第1の付勢部材E1をローラ15cm-1の幅方向の全域に設けてもよいが、部分的に設けることでコストを低減することができる。
【0094】
これら以外の構成および効果は第1、第2の実施の形態と同じである。
【0095】
(第4の実施の形態)
【0096】
本実施の形態においては、付勢手段の変形例について図14図16を参照して説明する。図14は本実施の形態のテーブル駆動機構部の正面図、図15図14のテーブル駆動機構部の要部側面図、図16図15の付勢手段と回動軸との要部拡大断面図である。
【0097】
図14および図15に示すように、本実施の形態においては、2個のローラ15c-1の間に、回動軸15b-1をテーブル15aに向かって付勢する付勢手段15f-2が設置されている。この付勢手段15f-2は、例えば、コイルバネ(第1のバネ)によって構成されている。但し、付勢手段15f-2は、コイルバネに代えて板バネを用いてもよい。なお、矢印A7は付勢手段15f-2の付勢方向を示している。
【0098】
また、本実施の形態においては、回動軸15b-1が上方向に微動可能な状態で設置されている。一方、テーブルガイドTGの高さ(すなわち、テーブル15aの高さ)は固定されている。
【0099】
このような本実施の形態においては、付勢手段15f-2により回動軸15b-1がテーブル15a側に付勢されることにより、ローラ15c-1がテーブル15aの裏面に適度に押し付けられるようになっている。
【0100】
この場合、図16に示すように、付勢手段15f-2と回動軸15b-1との摩擦を避けるために、付勢手段15f-2と回動軸15b-1との間に緩衝部材BMを設けることが好ましい。
【0101】
また、ここでは、図14に示すように、2個のローラ15c-1の間に付勢手段15f-2を設置した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、ローラ15c-1を一対の付勢手段15f-2によって挟むように回動軸15b-1の軸方向両端側に付勢手段15f-2を設置してもよい。
【0102】
この場合は、前述のようにローラ15c-1の間に第1の付勢部材を設けないので、テーブル15aの裏側に幅の広い1個のローラ(図示せず)を設けてもよい。これにより、ローラとテーブル15aとの接触面積を増やすことができるので、ローラとテーブル15aとの接触部での摩擦力を向上させることができ、ローラによるテーブル15aの駆動能力を向上させることができる。
【0103】
これら以外の構成および効果は第1、第2の実施の形態と同じである。
【0104】
(第5の実施の形態)
【0105】
本実施の形態においては、付勢手段の変形例について図17および図18を参照して説明する。図17は本実施の形態のテーブル駆動機構部の正面図、図18は本実施の形態の変形例のテーブル駆動機構部の正面図である。
【0106】
図17に示すように、本実施の形態においては、テーブルガイドTGの各々の上方に付勢手段15f-2が設置されている。付勢手段15f-2は、例えば、コイルバネ(第2のバネ)からなり、テーブルガイドTGを回動軸15b-1側に付勢するように設置されている。但し、付勢手段15f-2は、コイルバネに代えて板バネを用いてもよい。なお、矢印A8は付勢手段15f-2の付勢方向を示している。
【0107】
また、本実施の形態においては、テーブルガイドTGが下方向に微動可能な状態で設置されている。一方、回動軸15b-1の高さは固定されている。
【0108】
このような本実施の形態においては、付勢手段15f-2によってテーブルガイドTGが回動軸15b-1側に付勢されることにより、テーブル15aの裏面がローラ15c-1に適度に押し付けられるようになっている。この場合、テーブルガイドTGとテーブル15aとの摩擦を避けるために、テーブルガイドTG、とテーブル15aとの接触部に、ベアリングやローラ等のような緩衝部材を設けることが好ましい。
【0109】
この場合も、図17に示したように、ローラ15c-1の間に第1の付勢部材を設けないので、図18に示すように、テーブル15aの裏側に幅の広い1個のローラ(第1の回動体)15cw-1を設けてもよい。この場合、前述のように、ローラ15cw-1とテーブル15aとの接触面積を増やすことができるので、ローラ15cw-1とテーブル15aとの接触部での摩擦力を向上させることができ、ローラ15cw-1によるテーブル15aの駆動能力を向上させることができる。
【0110】
これら以外の構成および効果は第1、第2の実施の形態と同じである。
【0111】
(第6の実施の形態)
【0112】
本実施の形態においては、ローラの配置の変形例について図19および図20を参照して説明する。図19は本実施の形態のテーブル駆動機構部の斜視図、図20はテーブルが前進限位置のときの本実施の形態のテーブル駆動機構部の斜視図である。なお、これらの図面においては、説明を分かり易くするためにテーブル15aの裏面側を透かして示している。
【0113】
本実施の形態においては、テーブル15aの裏面側に、2個の回動軸15b-1,15b-2が、テーブル15aの移動方向に沿って所定の距離を隔てて並列に設置されている。そして、これら2個の回動軸15b-1,15b-2によってテーブル15aが支持されている。
【0114】
回動軸(第2の回動軸)15b-2は軸受部15g-2に回動自在の状態で取り付けられている。回動軸15b-2には、回動軸15b-1と同様にローラ(第2の回動体)15c-2および第1の付勢部材E1が取り付けられている。
【0115】
また、回動軸15b-2の軸方向一端側には、動力伝達機構部15eを構成するプーリP5が取り付けられている。このプーリP5は動力伝達機構部15eのフラットベルトBLに掛け渡されている。このため、フラットベルトBLが周回すると、2個の回動軸15b-1,15b-2が同時に回動するようになっている。
【0116】
したがって、本実施の形態においては、2個の回動軸15b-1,15b-2の4個のローラ15c-1,15c-2によってテーブル15aを支持しながら前後方向に水平移動するようになっている。このため、前述した第1、第2の実施の形態の場合よりもローラ15c-1,15c-2とテーブル15aとの接触面積を増やせるので、ローラ15c-1,15c-2とテーブル15aとの接触部での摩擦力を向上させることができ、ローラ15c-1,15c-2によるテーブル15aの駆動能力を向上させることができる。
【0117】
なお、ここでは、回動軸15b-2を動力伝達機構部15eに接続している場合について説明したが、これに限定されるものではなく、動力伝達機構部15eから回動軸15b-2を切り離し、テーブル15aの前後移動によって回動軸15b-2を追従して回動させるようにしてもよい。
【0118】
これら以外の構成および効果は第1、第2の実施の形態と同じである。
【0119】
(第7の実施の形態)
【0120】
本実施の形態においては、付勢手段の変形例について図21および図22を参照して説明する。図21は本実施の形態のテーブル駆動機構部の正面図、図22図21の付勢手段の拡大断面図である。
【0121】
図21に示すように、本実施の形態においては、テーブルガイドTGの各々の上部側に付勢手段15f-3が設置されている。付勢手段15f-3は、テーブルガイドTGの上部に設けられた第1の付勢部材E1と、その対向側に設けられた第2の付勢部材E2とを備えている。
【0122】
第1の付勢部材E1および第2の付勢部材E2は、例えば、共に磁石によって構成されているが、図22に示すように、互いに反発し合うように同じ磁極を向き合わせた状態で設置されている。なお、図21および図22の矢印A9は第1の付勢部材E1と第2の付勢部材E2とが反発し合う方向を示している。また、図22の符号N,Sは磁極を示している。
【0123】
また、本実施の形態においては、テーブルガイドTGが下方向に微動可能な状態で設置されている。一方、回動軸15b-1の高さは固定されている。
【0124】
このような本実施の形態においては、付勢手段15f-3の磁石の反発力によりテーブルガイドTGが回動軸15b-1側に付勢されることにより、テーブル15aの裏面がローラ15c-1に適度に押し付けられるようになっている。
【0125】
この場合、テーブルガイドTGとテーブル15aとの摩擦を避けるために、テーブルガイドTGとテーブル15aとの接触部に、ベアリングやローラ等のような緩衝部材を設けることが好ましい。
【0126】
また、この場合もローラ15c-1の間に第1の付勢部材がないので、前述の図18に示したように、テーブル15aの裏側に幅の広い1個のローラ15cw-1を設けてもよい。これにより、前述のように、ローラ15cw-1とテーブル15aとの接触面積を増やせるので、ローラ15cw-1とテーブル15aとの接触部での摩擦力を向上させることができ、ローラ15cw-1によるテーブル15aの駆動能力を向上させることができる。
【0127】
これら以外の構成および効果は第1、第2の実施の形態と同じである。
【0128】
(第8の実施の形態)
【0129】
本実施の形態においては、付勢手段の変形例について図23を参照して説明する。図23(a)は本実施の形態のテーブル駆動機構部の正面図、図23(b),(c)は図23(a)のテーブル駆動機構部の変形例の正面図である。
【0130】
図23(a)に示すように、本実施の形態においては、テーブルガイドTGにおいて、ローラ15c-1が対向する部分に重り部材(付勢手段)15f-4が埋設されている。なお、図23の矢印A10は重り部材15f-4による付勢方向を示している。
【0131】
また、本実施の形態においては、テーブルガイドTGが下方向に微動可能な状態で設置されている。一方、回動軸15b-1の高さは固定されている。
【0132】
このような本実施の形態においては、重り部材15f-4の重さによりテーブル15aが回動軸15b-1側に付勢されることにより、テーブル15aの裏面がローラ15c-1に適度に押し付けられるようになっている。
【0133】
この場合、テーブルガイドTGとテーブル15aとの摩擦を避けるために、テーブルガイドTGとテーブル15aとの間に、ベアリングやローラ等のような緩衝部材を設けることが好ましい。また、重り部材15f-4は埋設せずにテーブル15aの外部に設けてもよい。さらに、重り部材15f-4は着脱自在にしてもよい。さらに、本実施の形態の構造は、他の実施の形態と組み合わせてもよい。
【0134】
このような本実施の形態においては、テーブル15aに重り部材15f-4を設けたことにより、テーブル15aの安定性を向上させることができる。また、付勢手段として磁石やバネを設けないので、構造を簡単化することができる。
【0135】
また、この場合もローラ15c-1の間に第1の付勢部材がないので、図23(b)に示すように、テーブル15aの裏側に幅の広い1個のローラ15cw-1を設けてもよい。
【0136】
この場合、前述のように、ローラ15cw-1とテーブル15aとの接触面積を増やせるので、ローラ15cw-1とテーブル15aとの接触部での摩擦力を向上させることができ、ローラ15cw-1によるテーブル15aの駆動能力を向上させることができる。
【0137】
また、幅広のローラ15cw-1を用いる場合、重り部材14f-4は、図23(a)と同様に配置にしてもよいが、図23(b)に示すように、幅(回動軸15b-1の軸方向長さ)を広くしてもよい。これにより、図23(a)の場合よりもテーブル15aからの付勢力を向上させることができるので、ローラ15cw-1とテーブル15aとの接触部での摩擦力を向上させることができ、ローラ15cw-1によるテーブル15aの駆動能力を向上させることができる。
【0138】
また、図23(c)に示すように、重り部材15f-4を左右のテーブルガイドTGの上面上に設けてもよい。
【0139】
これら以外の構成および効果は第1、第2の実施の形態と同じである。
【0140】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって、開示された技術に限定されるものではない。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈されるべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲の要旨を逸脱しない限りにおけるすべての変更が含まれる。
【0141】
例えば、テーブルガイドを、上記実施の形態のようなレールではなく、複数個のローラによって構成してもよい。これにより、テーブルとテーブルガイドとの接触面積を低減できるので、テーブルを前後方向に滑らかに水平移動させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0142】
本発明によるテーブル駆動機構およびそれを用いた食材供給装置は、例えば、餅類、麺類または菓子類等のような他の食材を板状に成形して連続的に供給するためのテーブル駆動機構およびそれを用いた食材供給装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0143】
10 米飯供給装置(食材供給装置)
11 米飯ホッパ部
12 米飯解し部
13 米飯圧縮搬送部(食材圧縮搬送手段)
13a ローラ
14 分割シャッタ部(分割手段)
14a 分割刃
15 テーブル駆動機構部(テーブル駆動機構)
15a テーブル
15b-1 回動軸(第1の回動軸)
15b-2 回動軸(第2の回動軸)
15c-1 ローラ(第1の回動体)
15c-2 ローラ(第2の回動体)
15cm-1 ローラ(第1の回動体)
15cmw-1 ローラ(第1の回動体)
15cw-1 ローラ(第1の回動体)
15d 回動モータ(回動手段)
15e 動力伝達機構部(動力伝達手段)
15f-1,15f-2,15f-3 付勢手段
15f-4 重り部材(付勢手段)
15g-1,15g-2 軸受部
16 下板
100 テーブル駆動機構部
101 テーブル
102 テーブルスライダ
103 ワイヤ機構部
103p プーリ
103w ワイヤ
104 ワイヤ駆動部
104p 駆動プーリ
104s 駆動軸
104m モータ
BL フラットベルト
BM 緩衝部材
E1 第1の付勢部材
E2 第2の付勢部材
P1~P5 プーリ
SG1 中央の溝(第1の溝)
SG2 側部の溝(第2の溝)
TG テーブルガイド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24