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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022094099
(43)【公開日】2022-06-24
(54)【発明の名称】誤り検出装置および誤り検出方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 1/00 20060101AFI20220617BHJP
   H04L 25/02 20060101ALI20220617BHJP
【FI】
H04L1/00 C
H04L25/02 302Z
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020206917
(22)【出願日】2020-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】000000572
【氏名又は名称】アンリツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067323
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 教光
(74)【代理人】
【識別番号】100124268
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 典行
(72)【発明者】
【氏名】城所 久生
【テーマコード(参考)】
5K014
5K029
【Fターム(参考)】
5K014BA08
5K014EA01
5K014GA02
5K029BB03
5K029GG03
5K029HH21
5K029KK27
(57)【要約】
【課題】RS-FECによるエラー訂正効果を評価する。
【解決手段】PAM4パターンのプレコードをデコードしたスクランブルアイドルパターンに含まれるアライメントマーカの検出とアライメントマーカ間のビットズレの検出を行い、アライメントマーカに対応するスクランブルアイドルパターンをリファレンスパターンとして各チャネルで発生し、リファレンスパターンにアライメントマーカ間のビットズレを付加し、ビットズレを付加したリファレンスパターンにグレイコードのエンコードを行い、リファレンスパターンからアライメントマーカ間のビットズレを取り除き、PAM4パターンのプレコードのデコード後にMSB CHとLSB CHに分離された入力データからアライメントマーカ間のビットズレを取り除き、これらビットズレを取り除いたリファレンスパターンと入力データとを比較してビットエラー測定、FECシンボルエラー測定を行う。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
RS-FECエンコード付きのスクランブルアイドルパターンによる既知パターンとしてFECレーンがBit MUXされたPAM4パターンのプレコードをデコードするプレコードデコーダ(3)と、
前記PAM4パターンを最上位ビットチャネルと最下位ビットチャネルに分離するPAM4デコーダ(4)と、
前記プレコードデコーダにてプレコードがデコードされたPAM4パターンのグレイコードをデコードするグレイコードデコーダ(5)と、
前記グレイコードデコーダにてデコードされたスクランブルアイドルパターンに含まれるアライメントマーカパターンを検出するとともに、検出したアライメントマーカ間のビットズレを検出するアライメントマーカ検出部(6)と、
前記アライメントマーカ検出部にて検出したアライメントマーカに対応するスクランブルアイドルパターンをエラー測定用のリファレンスパターンとして各チャネルで発生するエラー測定用パターン発生部(7)と、
前記エラー測定用パターン発生部にて発生したリファレンスパターンに対し、前記アライメントマーカ検出部にて検出したアライメントマーカ間のビットズレを付加するスキュー回路(8)と、
前記スキュー回路にてアライメントマーカ間のビットズレが付加されたリファレンスパターンをBit MUXするBit MUX部(9)と、
前記Bit MUX部にてBit MUXされたリファレンスパターンに対してグレイコードのエンコードを行うグレイコードエンコーダ(10)と、
前記グレイコードエンコーダにてグレイコードのエンコードが行われたリファレンスパターンに対し、前記アライメントマーカ検出部が検出したアライメントマーカ間のビットズレを取り除く第1のデスキュー回路(11)と、
前記PAM4デコーダにて最下位ビットチャネルと最下位ビットチャネルに分離された入力データに対し、前記アライメントマーカ検出部が検出したアライメントマーカ間のビットズレを取り除く第2のデスキュー回路(12)と、
前記第1のデスキュー回路にてアライメントマーカ間のビットズレが取り除かれたリファレンスパターンと、前記第2のデスキュー回路にてアライメントマーカ間のビットズレが取り除かれた入力データとを比較してビットエラー測定、FECシンボルエラー測定を行うエラー検出部(13)と、を備えたことを特徴とする誤り検出装置。
【請求項2】
RS-FECエンコード付きのスクランブルアイドルパターンによる既知パターンとしてFECレーンがBit MUXされていないPAM4パターンのプレコードをデコードするプレコードデコーダ(3)と、
前記PAM4パターンを最上位ビットチャネルと最下位ビットチャネルに分離するPAM4デコーダ(4)と、
前記プレコードデコーダにてプレコードがデコードされたPAM4パターンのグレイコードをデコードするグレイコードデコーダ(5)と、
前記グレイコードデコーダにてデコードされたスクランブルアイドルパターンに含まれるアライメントマーカパターンを検出するとともに、検出したアライメントマーカ間のビットズレを検出するアライメントマーカ検出部(6)と、
前記アライメントマーカ検出部にて検出したアライメントマーカに対応するスクランブルアイドルパターンをエラー測定用のリファレンスパターンとして各チャネルで発生するエラー測定用パターン発生部(7)と、
前記エラー測定用パターン発生部にて発生したリファレンスパターンに対し、前記アライメントマーカ検出部にて検出したアライメントマーカ間のビットズレを付加するスキュー回路(8)と、
前記リファレンスパターンに対してグレイコードのエンコードを行うグレイコードエンコーダ(10)と、
前記グレイコードエンコーダにてグレイコードのエンコードが行われたリファレンスパターンに対し、前記アライメントマーカ検出部が検出したアライメントマーカ間のビットズレを取り除く第1のデスキュー回路(11)と、
前記PAM4デコーダにて最下位ビットチャネルと最下位ビットチャネルに分離された入力データに対し、前記アライメントマーカ検出部が検出したアライメントマーカ間のビットズレを取り除く第2のデスキュー回路(12)と、
前記第1のデスキュー回路にてアライメントマーカ間のビットズレが取り除かれたリファレンスパターンと、前記第2のデスキュー回路にてアライメントマーカ間のビットズレが取り除かれた入力データとを比較してビットエラー測定、FECシンボルエラー測定を行うエラー検出部(13)と、を備えたことを特徴とする誤り検出装置。
【請求項3】
RS-FECエンコード付きのスクランブルアイドルパターンによる既知パターンとしてFECレーンがBit MUXされたPAM4パターンのプレコードをプレコードデコーダ(3)にてデコードするステップと、
PAM4デコーダ(4)にて前記PAM4パターンを最上位ビットチャネルと最下位ビットチャネルに分離するステップと、
前記プレコードデコーダにてプレコードがデコードされたPAM4パターンのグレイコードをグレイコードデコーダ(5)にてデコードするステップと、
前記グレイコードデコーダにてデコードされたスクランブルアイドルパターンに含まれるアライメントマーカパターンの検出と、検出したアライメントマーカ間のビットズレの検出をアライメントマーカ検出部(6)にて行うステップと、
前記アライメントマーカ検出部にて検出したアライメントマーカに対応するスクランブルアイドルパターンをエラー測定用のリファレンスパターンとしてエラー測定用パターン発生部(7)にて各チャネルで発生するステップと、
前記エラー測定用パターン発生部にて発生したリファレンスパターンに対し、前記アライメントマーカ検出部にて検出したアライメントマーカ間のビットズレをスキュー回路(8)にて付加するステップと、
前記スキュー回路にてアライメントマーカ間のビットズレが付加されたリファレンスパターンをBit MUX部(9)にてBit MUXするステップと、
前記Bit MUX部にてBit MUXされたリファレンスパターンに対してグレイコードのエンコードをグレイコードエンコーダ(10)にて行うステップと、
前記グレイコードエンコーダにてグレイコードのエンコードが行われたリファレンスパターンに対し、前記アライメントマーカ検出部が検出したアライメントマーカ間のビットズレを第1のデスキュー回路(11)にて取り除くステップと、
前記PAM4デコーダにて最下位ビットチャネルと最下位ビットチャネルに分離された入力データに対し、前記アライメントマーカ検出部が検出したアライメントマーカ間のビットズレを第2のデスキュー回路(12)にて取り除くステップと、
前記第1のデスキュー回路にてアライメントマーカ間のビットズレが取り除かれたリファレンスパターンと、前記第2のデスキュー回路にてアライメントマーカ間のビットズレが取り除かれた入力データとを比較してビットエラー測定、FECシンボルエラー測定をエラー検出部(13)にて行うステップと、を含むことを特徴とする誤り検出方法。
【請求項4】
RS-FECエンコード付きのスクランブルアイドルパターンによる既知パターンとしてFECレーンがBit MUXされていないPAM4パターンのプレコードをプレコードデコーダ(3)にてデコードするステップと、
PAM4デコーダ(4)にて前記PAM4パターンを最上位ビットチャネルと最下位ビットチャネルに分離するステップと、
前記プレコードデコーダにてプレコードがデコードされたPAM4パターンのグレイコードをグレイコードデコーダ(5)にてデコードするステップと、
前記グレイコードデコーダにてデコードされたスクランブルアイドルパターンに含まれるアライメントマーカパターンの検出と、検出したアライメントマーカ間のビットズレの検出とをアライメントマーカ検出部(6)にて行うステップと、
前記アライメントマーカ検出部にて検出したアライメントマーカに対応するスクランブルアイドルパターンをエラー測定用のリファレンスパターンとしてエラー測定用パターン発生部(7)にて各チャネルで発生するステップと、
前記エラー測定用パターン発生部にて発生したリファレンスパターンに対し、前記アライメントマーカ検出部にて検出したアライメントマーカ間のビットズレをスキュー回路(8)にて付加するステップと、
前記スキュー回路にてアライメントマーカ間のビットズレが付加されたリファレンスパターンに対してグレイコードのエンコードをグレイコードエンコーダ(10)にて行うステップと、
前記グレイコードエンコーダにてグレイコードのエンコードが行われたリファレンスパターンに対し、前記アライメントマーカ検出部が検出したアライメントマーカ間のビットズレを第1のデスキュー回路(11)にて取り除くステップと、
前記PAM4デコーダにて最下位ビットチャネルと最下位ビットチャネルに分離された入力データに対し、前記アライメントマーカ検出部が検出したアライメントマーカ間のビットズレを第2のデスキュー回路(12)にて取り除くステップと、
前記第1のデスキュー回路にてアライメントマーカ間のビットズレが取り除かれたリファレンスパターンと、前記第2のデスキュー回路にてアライメントマーカ間のビットズレが取り除かれた入力データとを比較してビットエラー測定、FECシンボルエラー測定をエラー検出部(13)にて行うステップと、を含むことを特徴とする誤り検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振幅をシンボルごとに4種類に分けた4値パルス振幅変調方式(PAM4方式)によるPAM4信号を2値信号(NRZ信号)にデコードし、デコードした信号のレベル測定結果に基づいて誤りを検出する誤り検出装置および誤り検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
誤り率測定装置は、例えば下記特許文献1に開示されるように、被測定物(DUT:Device Under Test )を信号パターン折り返しのステートに遷移させた状態で固定データを含む既知パターンのテスト信号を被測定物に送信し、このテスト信号の送信に伴って被測定物から折り返して受信した被測定信号と基準となる参照信号とをビット単位で比較してビット誤り率を測定する装置として従来から知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-274474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、有線ネットワーク技術の主流であるイーサネット(登録商標)において、例えば400Gイーサネット(登録商標)では、C2M(チップ2モジュール)インタフェースにStressed Input Testが規定されている。Stressed Input Testは、PRBS13Qなどの疑似ランダムパターンの他、RS-FEC(Reed- Solomon Forward Error Correction)エンコード付きのスクランブルアイドルパターンが定義されている。
【0005】
RS-FECエンコード付きのスクランブルアイドルパターンでは、FECによる誤り訂正が行われているため、FECシンボルエラー数を確認することで、FECによるエラー訂正効果を評価することができる(逆に、ビットエラーを確認するだけでは、FECによるエラー訂正効果を正しく評価することが難しい)。
【0006】
特に、200G,400Gイーサネット(登録商標)では、FECによるエラー訂正が前提となっているため、RS-FECエンコード付きのスクランブルアイドルパターンによってFECの効果を評価することは重要である。
【0007】
一方、400Gイーサネット(登録商標)は、マルチレーン接続されるインタフェースであり、レーン間のスキューを許容しており、アライメントマーカを用いてスキューを除去している。しかし、スキューの除去の際、ビット列の組み換えが行われるため、エラー測定するビット列は、エラー測定のために出力したビット列と異なるビット列になってしまうことがある。また、レーン数を変更する際のギアボックス(Gearbox)でもビット列の組み換えが行われる。このため、エラー測定するビット列は、エラー測定するために出力したビット列と異なるビット列となってしまう。
【0008】
これに対し、PRBSなどの疑似ランダムパターンを使用するときは、全てのレーンで同じパターンを使用するので、この動作は問題とならないが、レーン毎に異なるパターンとなるスクランブルアイドルパターンでは、エラー測定のために出力したビット列(パターン発生器の出力パターン)をそのままエラー検出器に設定しても、エラー測定ができるとは限らない。しかも、組み換え後のビット列の組み合わせは多数あるため、エラー測定パターンをエラー検出器に手動で設定することは非常に困難を伴う。このような事象が起きる例として、400Gイーサネット(登録商標)の光モジュール(QSFP-DD LR4光モジュール)を被測定物とするStressed input testの測定系を図5に示す。
【0009】
図5の測定系において、伝送速度と伝送チャネル数を変換するギアボックス(Gearbox)Waを被測定物(DUT)Wの内部に備えており、被測定物Wに入力される各レーンにスキューがあると、パターン発生器21のMSBで出力したパターンは、エラー検出器22のMSBに戻ってくる保証は無い。
【0010】
図5の測定系の場合、8台のパターン発生器21の出力のうち、2レーンのパターン発生器21の出力が被測定物WのギアボックスWaのPAM4ASIC内でマックスされると考えると、1レーンにはMSBとLSBの2チャネルがあるので、4チャネルがマックスされる。したがって、エラー検出器22に入力されるチャネルの組み合わせは、4つから2つ選ぶ順列なので、 42 =4!/(4-2)!=12通りとなる。つまり、エラー検出器22の1レーンに入力されるデータは12通りあり、12通りのリファレンスパターンをユーザが手動で探すことは非常に困難である。
【0011】
さらに、スキューの影響によるエラー検出器22に入力されるパターンの組み合わせの詳細について図6図9を参照しながら説明する。
【0012】
なお、図6図9では、2台のパターン発生器21(21a,21b)、2台のエラー検出器22(22a,22b)を備え、被測定物(DUT)Wが2:1MUX(W1~W3)、1:2DEMUX(W4~W6)を内部に備え、パターン発生器21a,21bから2レーン(レーン0~3)のパターンを、被測定物(DUT)Wを介してエラー検出器22a,22bに入力する場合を例にとって説明する。
【0013】
図6図9において、パターン発生器21aは、0→0.1→0.2→0.3のビット列をMSB:FECレーン0のパターンとして発生し、2→2.1→2.2→2.3のビット列をLSB:FECレーン2のパターンとして発生し、これらのパターンを被測定物Wの2:1MUX(W1)に入力する。
【0014】
また、パターン発生器21bは、1→1.1→1.2→1.3のビット列をMSB:FECレーン1のパターンとして発生し、3→3.1→3.2→3.3のビット列をLSB:FECレーン3のパターンとして発生し、これらのパターンを被測定物Wの2:1MUX(W2)に入力する。
【0015】
そして、2:1MUX(W1)は、FECレーン2の先頭ビットからFECレーン2のパターンのビットとFECレーン0のパターンのビットを交互にMUXしたビット列2→0→2.1→0.1→2.2→0.2→2.3→0.3を2:1MUX(W3)に入力する。また、2:1MUX(W2)は、FECレーン3の先頭ビットからFECレーン3のパターンのビットとFECレーン1のパターンのビットを交互にMUXしたビット列3→1→3.1→1.1→3.2→1.2→3.3→1.3を2:1MUX(W3)に入力する。
【0016】
続いて、2:1MUX(W3)は、2:1MUX(W2)にてMUXしたビット列をMSB、2:1MUX(W1)にてMUXしたビット列をLSBとして、PAM4信号を生成し、2:1MUX(W2)からのビットと2:1MUX(W1)からのビットを交互にMUXしたビット列を光ファイバで折り返して1:2DEMUX(W4)に入力する。そして、1:2DEMUX(W4)は、2:1MUX(W3)からのビット列を奇数番目(LSB)のビットと偶数番目(MSB)のビットにDEMUXし、奇数番目(LSB)のビット列を1:2DEMUX(W6)に入力し、偶数番目(MSB)のビット列を1:2DEMUX(W5)に入力する。
【0017】
そして、1:2DEMUX(W5)は、1:2DEMUX(W4)からのビット列を偶数番目のビットと奇数番目のビットにDEMUXする。これにより、エラー検出器22aには、偶数番目のビットがMSB:FECレーン0、奇数番目のビットがLSB:FECレーン2として入力する。また、1:2DEMUX(W6)は、1:2DEMUX(W4)からのビット列を偶数番目のビットと奇数番目のビットにDEMUXする。これにより、エラー検出器22bには、偶数番目のビットがMSB:FECレーン1、奇数番目のビットがLSB:FECレーン3として入力する。
【0018】
ここで、図6はパターン発生器21a,21bから被測定物Wを介してエラー検出器22a,22bにパターンを入力する際に、スキューが無いパターンの組み合わせの一例を示している。図6の例では、エラー検出器22a,22bそれぞれに入力されるビット列に入れ替えが無い。
【0019】
図7はパターン発生器21a,21bから被測定物Wを介してエラー検出器22a,22bにパターンを入力する際に、パターン発生器21aから被測定物Wに入力されるパターンにスキューが有る場合のパターンの組み合わせの一例を示している。図7の例では、パターン発生器21aのMSBのFECレーン0の先頭に1ビットのスキュー(x)が発生している。この場合、図6と同様、エラー検出器22a,22bそれぞれに入力されるビット列に入れ替えが無い。
【0020】
図8はパターン発生器21a,21bから被測定物Wを介してエラー検出器22a,22bにパターンを入力する際に、被測定物W内でパターンにスキューが有る場合のパターンの組み合わせの一例を示している。図8の例では、2:1MUX(W1)から2:1MUX(W3)に入力されるパターンの先頭に1ビットのスキュー(x)が発生している。この場合、エラー検出器22aに入力されるビット列のMSBとLSBの入れ替えが発生する。
【0021】
図9はパターン発生器21a,21bから被測定物Wを介してエラー検出器22a,22bにパターンを入力する際に、被測定物W内でパターンにスキューが有る場合のパターンの組み合わせの他の一例を示している。図9の例では、2:1MUX(W3)から1:2DEMUX(W4)に入力されるパターンの先頭に1ビットのスキュー(x)が発生している。この場合、エラー検出器22a,22bそれぞれに入力されるビット列のMSBとLSBの入れ替えが発生する。
【0022】
このように、エラー検出器22a,22bにてエラー測定を行うビット列は、スキューの発生場所(スキュー量を含む)によってエラー測定のために出力したビット列とは異なるビット列となってしまい、RS-FECによるエラー訂正効果を評価することができないという問題があった。
【0023】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、RS-FECによるエラー訂正効果を評価することができる誤り検出装置および誤り検出方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0024】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載された誤り検出装置は、RS-FECエンコード付きのスクランブルアイドルパターンによる既知パターンとしてFECレーンがBit MUXされたPAM4パターンのプレコードをデコードするプレコードデコーダ3と、
前記PAM4パターンを最上位ビットチャネルと最下位ビットチャネルに分離するPAM4デコーダ4と、
前記プレコードデコーダにてプレコードがデコードされたPAM4パターンのグレイコードをデコードするグレイコードデコーダ5と、
前記グレイコードデコーダにてデコードされたスクランブルアイドルパターンに含まれるアライメントマーカパターンを検出するとともに、検出したアライメントマーカ間のビットズレを検出するアライメントマーカ検出部6と、
前記アライメントマーカ検出部にて検出したアライメントマーカに対応するスクランブルアイドルパターンをエラー測定用のリファレンスパターンとして各チャネルで発生するエラー測定用パターン発生部7と、
前記エラー測定用パターン発生部にて発生したリファレンスパターンに対し、前記アライメントマーカ検出部にて検出したアライメントマーカ間のビットズレを付加するスキュー回路8と、
前記スキュー回路にてアライメントマーカ間のビットズレが付加されたリファレンスパターンをBit MUXするBit MUX部9と、
前記Bit MUX部にてBit MUXされたリファレンスパターンに対してグレイコードのエンコードを行うグレイコードエンコーダ10と、
前記グレイコードエンコーダにてグレイコードのエンコードが行われたリファレンスパターンに対し、前記アライメントマーカ検出部が検出したアライメントマーカ間のビットズレを取り除く第1のデスキュー回路11と、
前記PAM4デコーダにて最下位ビットチャネルと最下位ビットチャネルに分離された入力データに対し、前記アライメントマーカ検出部が検出したアライメントマーカ間のビットズレを取り除く第2のデスキュー回路12と、
前記第1のデスキュー回路にてアライメントマーカ間のビットズレが取り除かれたリファレンスパターンと、前記第2のデスキュー回路にてアライメントマーカ間のビットズレが取り除かれた入力データとを比較してビットエラー測定、FECシンボルエラー測定を行うエラー検出部13と、を備えたことを特徴とする。
【0025】
本発明の請求項2に記載された誤り検出装置は、RS-FECエンコード付きのスクランブルアイドルパターンによる既知パターンとしてFECレーンがBit MUXされていないPAM4パターンのプレコードをデコードするプレコードデコーダ3と、
前記PAM4パターンを最上位ビットチャネルと最下位ビットチャネルに分離するPAM4デコーダ4と、
前記プレコードデコーダにてプレコードがデコードされたPAM4パターンのグレイコードをデコードするグレイコードデコーダ5と、
前記グレイコードデコーダにてデコードされたスクランブルアイドルパターンに含まれるアライメントマーカパターンを検出するとともに、検出したアライメントマーカ間のビットズレを検出するアライメントマーカ検出部6と、
前記アライメントマーカ検出部にて検出したアライメントマーカに対応するスクランブルアイドルパターンをエラー測定用のリファレンスパターンとして各チャネルで発生するエラー測定用パターン発生部7と、
前記エラー測定用パターン発生部にて発生したリファレンスパターンに対し、前記アライメントマーカ検出部にて検出したアライメントマーカ間のビットズレを付加するスキュー回路8と、
前記リファレンスパターンに対してグレイコードのエンコードを行うグレイコードエンコーダ10と、
前記グレイコードエンコーダにてグレイコードのエンコードが行われたリファレンスパターンに対し、前記アライメントマーカ検出部が検出したアライメントマーカ間のビットズレを取り除く第1のデスキュー回路11と、
前記PAM4デコーダにて最下位ビットチャネルと最下位ビットチャネルに分離された入力データに対し、前記アライメントマーカ検出部が検出したアライメントマーカ間のビットズレを取り除く第2のデスキュー回路12と、
前記第1のデスキュー回路にてアライメントマーカ間のビットズレが取り除かれたリファレンスパターンと、前記第2のデスキュー回路にてアライメントマーカ間のビットズレが取り除かれた入力データとを比較してビットエラー測定、FECシンボルエラー測定を行うエラー検出部13と、を備えたことを特徴とする。
【0026】
本発明の請求項3に記載された誤り検出方法は、RS-FECエンコード付きのスクランブルアイドルパターンによる既知パターンとしてFECレーンがBit MUXされたPAM4パターンのプレコードをプレコードデコーダ3にてデコードするステップと、
PAM4デコーダ4にて前記PAM4パターンを最上位ビットチャネルと最下位ビットチャネルに分離するステップと、
前記プレコードデコーダにてプレコードがデコードされたPAM4パターンのグレイコードをグレイコードデコーダ5にてデコードするステップと、
前記グレイコードデコーダにてデコードされたスクランブルアイドルパターンに含まれるアライメントマーカパターンの検出と、検出したアライメントマーカ間のビットズレの検出をアライメントマーカ検出部6にて行うステップと、
前記アライメントマーカ検出部にて検出したアライメントマーカに対応するスクランブルアイドルパターンをエラー測定用のリファレンスパターンとしてエラー測定用パターン発生部7にて各チャネルで発生するステップと、
前記エラー測定用パターン発生部にて発生したリファレンスパターンに対し、前記アライメントマーカ検出部にて検出したアライメントマーカ間のビットズレをスキュー回路8にて付加するステップと、
前記スキュー回路にてアライメントマーカ間のビットズレが付加されたリファレンスパターンをBit MUX部9にてBit MUXするステップと、
前記Bit MUX部にてBit MUXされたリファレンスパターンに対してグレイコードのエンコードをグレイコードエンコーダ10にて行うステップと、
前記グレイコードエンコーダにてグレイコードのエンコードが行われたリファレンスパターンに対し、前記アライメントマーカ検出部が検出したアライメントマーカ間のビットズレを第1のデスキュー回路11にて取り除くステップと、
前記PAM4デコーダにて最下位ビットチャネルと最下位ビットチャネルに分離された入力データに対し、前記アライメントマーカ検出部が検出したアライメントマーカ間のビットズレを第2のデスキュー回路12にて取り除くステップと、
前記第1のデスキュー回路にてアライメントマーカ間のビットズレが取り除かれたリファレンスパターンと、前記第2のデスキュー回路にてアライメントマーカ間のビットズレが取り除かれた入力データとを比較してビットエラー測定、FECシンボルエラー測定をエラー検出部13にて行うステップと、を含むことを特徴とする。
【0027】
本発明の請求項4に記載された誤り検出方法は、RS-FECエンコード付きのスクランブルアイドルパターンによる既知パターンとしてFECレーンがBit MUXされていないPAM4パターンのプレコードをプレコードデコーダ3にてデコードするステップと、
PAM4デコーダ4にて前記PAM4パターンを最上位ビットチャネルと最下位ビットチャネルに分離するステップと、
前記プレコードデコーダにてプレコードがデコードされたPAM4パターンのグレイコードをグレイコードデコーダ5にてデコードするステップと、
前記グレイコードデコーダにてデコードされたスクランブルアイドルパターンに含まれるアライメントマーカパターンの検出と、検出したアライメントマーカ間のビットズレの検出とをアライメントマーカ検出部6にて行うステップと、
前記アライメントマーカ検出部にて検出したアライメントマーカに対応するスクランブルアイドルパターンをエラー測定用のリファレンスパターンとしてエラー測定用パターン発生部7にて各チャネルで発生するステップと、
前記エラー測定用パターン発生部にて発生したリファレンスパターンに対し、前記アライメントマーカ検出部にて検出したアライメントマーカ間のビットズレをスキュー回路8にて付加するステップと、
前記スキュー回路にてアライメントマーカ間のビットズレが付加されたリファレンスパターンに対してグレイコードのエンコードをグレイコードエンコーダ10にて行うステップと、
前記グレイコードエンコーダにてグレイコードのエンコードが行われたリファレンスパターンに対し、前記アライメントマーカ検出部が検出したアライメントマーカ間のビットズレを第1のデスキュー回路11にて取り除くステップと、
前記PAM4デコーダにて最下位ビットチャネルと最下位ビットチャネルに分離された入力データに対し、前記アライメントマーカ検出部が検出したアライメントマーカ間のビットズレを第2のデスキュー回路12にて取り除くステップと、
前記第1のデスキュー回路にてアライメントマーカ間のビットズレが取り除かれたリファレンスパターンと、前記第2のデスキュー回路にてアライメントマーカ間のビットズレが取り除かれた入力データとを比較してビットエラー測定、FECシンボルエラー測定をエラー検出部13にて行うステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、アライメントマーカの検出によってパターンを特定し、エラー測定用のリファレンスパターンを自動生成することができ、ユーザがリファレンスパターンを設定しなくてもエラー測定が行え、ビットエラーでは正しく評価出来ない、RS-FECによるエラー訂正効果を評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明に係る誤り検出装置の第1実施形態のブロック構成図である。
図2】本発明に係る誤り検出装置の第2実施形態のブロック構成図である。
図3】本発明に係る誤り検出方法のフローチャートである。
図4】(a),(b)アライメントマーカの検出結果の表示例を示す図である。
図5】被測定物として400Gイーサネット(登録商標)の光モジュールのStressed input testの測定系を示す図である。
図6】パターン発生器から被測定物を介してエラー検出器にパターンを入力する際に、スキューが無いパターンの組み合わせの一例を示す図である。
図7】パターン発生器から被測定物を介してエラー検出器にパターンを入力する際に、パターン発生器から被測定物に入力されるパターンにスキューが有る場合のパターンの組み合わせの一例を示す図である。
図8】パターン発生器から被測定物を介してエラー検出器にパターンを入力する際に、被測定物内でパターンにスキューが有る場合のパターンの組み合わせの一例を示す図である。
図9】パターン発生器から被測定物を介してエラー検出器にパターンを入力する際に、被測定物内でパターンにスキューが有る場合のパターンの組み合わせの他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明を実施するための形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
【0031】
本発明は、振幅をシンボルごとに4種類に分けた4値パルス振幅変調方式(PAM4方式)によるPAM4信号を2値信号(NRZ信号)にデコードし、デコードした信号のレベル測定結果に基づいて誤りを検出する誤り検出装置および誤り検出方法に関するものであり、特に、エラー測定用パターンとしてのRS-FEC Scramble Idleパターンに含まれるアライメントマーカを検出し、検出したアライメントマーカが示すレーンのビットエラー、FECシンボルエラーを測定する機能を実現している。
【0032】
図1に示すように、第1実施形態の誤り検出装置1Aは、上記機能を実現するにあたって、FECレーンがBit MUXされている入力の場合に採用されるものであり、パターン発生器2、プレコードデコーダ3、PAM4デコーダ4、グレイコードデコーダ5、アライメントマーカ検出部6、エラー測定用パターン発生部7、スキュー回路8、Bit MUX部9、グレイコードエンコーダ10、第1のデスキュー回路11、第2のデスキュー回路12、エラー検出部13を備えて構成される。
【0033】
誤り検出装置1Aに入力されるBit MUXされたパターンとは、1つのFECレーン中に2種類のFECレーンによるパターンのビット列が含まれ、1つのFECレーンにおける偶数番目のビット列と奇数番目のビット列のレーン情報が異なるものである。
【0034】
また、図2に示すように、第2実施形態の誤り検出装置1Bは、上記機能を実現するにあたって、FECレーンがBit MUXされていない入力の場合に採用されるものであり、パターン発生器2、プレコードデコーダ3、PAM4デコーダ4、グレイコードデコーダ5、アライメントマーカ検出部6、エラー測定用パターン発生部7、スキュー回路8、グレイコードエンコーダ10、第1のデスキュー回路11、第2のデスキュー回路12、エラー検出部13を備えて構成される。
【0035】
なお、図1の誤り検出装置1Aと図2の誤り検出装置1Bにおいて、同一または同等に機能する構成には同一番号を付して説明する。
【0036】
パターン発生器2は、既知の測定用パターンを発生するもので、具体的にはRS-FECエンコード付きのスクランブルアイドルパターンによるPAM4パターンを発生する。PAM4パターンは、最上位ビットチャネル(以下、MSB CHという)と最下位ビットチャネル(以下、LSB CHという)の2チャネルで構成され、各チャネルに1FECレーンが割り当てられる。パターン発生器2は、被測定物Wとの間の伝送速度やビットレートに応じた台数だけ設けられ、パターン発生器2が複数台で構成される場合、各パターン発生器2がチャネル毎に異なるパターンとなるPAM4パターンを発生する。
【0037】
なお、被測定物Wが上述したRS-FECエンコード付きのスクランブルアイドルパターンによるPAM4パターンを自ら発生することもできる。
【0038】
上記PAM4パターンによる伝送では、バーストエラーを除去するためのエンコーディング方法としてプレコーディングが使用されている。プレコーディングを実行するプレコードエンコーダは、P(j+1)=(G(J+1)-P(j))mod4…式(1)、P(1)=G(1)…式(2)に従って、PAM4パターンをプレコードシンボルP(j)に変換する処理を行う。
【0039】
なお、上記式(1),(2)のjは1以上の整数であるとする。また、P(j)はj番目のプレコードシンボルである。また、G(j)はj番目のグレイコードシンボルであり、PAM4パターンの4つのPAM4シンボル0,1,2,3がそれぞれ0,1,3,2に変換されたものである。
【0040】
プレコードデコーダ3は、被測定物WからのRS-FECエンコード付きのスクランブルアイドルパターンによるPAM4パターンのプレコードのデコードを行う。
【0041】
さらに説明すると、プレコードデコーダ3は、プレコードシンボルP(j)をグレイコードG(j)に変換する処理を、G(j+1)=(P(j+1)+P(j))mod4…式(3)、G(1)=P(1)…式(4)に従って行うようになっている。
【0042】
なお、上記式(3),(4)のjは1以上の整数であるとする。また、P(j)はj番目のプレコードシンボルであり、G(j)はj番目のグレイコードシンボルである。
【0043】
例えば、プレコーディングされたPAM4シンボルのMSBのみに1ビットのエラーが付加された場合には、デコード後のグレイコードのMSBに2ビットのエラーが生じる。一方、プレコーディングされたPAM4シンボルのMSBのみにnビット(n≧2)のバーストエラーが付加された場合も、デコード後のグレイコードのMSBに2ビットのエラーが生じる。このように、プレコーディングはMSBに付加されたバーストエラーを除去するのに非常に有効なエンコーディング方法である。
【0044】
PAM4デコーダ4は、プレコードデコーダ3にてプレコードのデコードが行われたPAM4パターンをMSB CHとLSB CHに分離する。
【0045】
グレイコードデコーダ5は、プレコードデコーダ3にてプレコードのデコードが行われたPAM4パターンのグレイコードのデコードを行う。
【0046】
アライメントマーカ検出部6は、グレイコードデコーダ5にてPAM4パターンのグレイコードのデコードが行われたスクランブルアイドルパターンに含まれるアライメントマーカパターンを検出する。具体的に、FECレーンがBit MUXされていない場合は、1チャネルに1つのアライメントマーカが検出され、FECレーンがBit MUXされている場合は、1チャネルに2つのアライメントマーカが検出される。
【0047】
アライメントマーカ検出部6は、FECレーンがBit MUXされていない場合、アライメントマーカパターンを検出すると、検出したアライメントマーカパターンで同期を取り、2つのアライメントマーカ間のビットズレを検出し、その旨をスキュー回路8、第1のデスキュー回路11、第2のデスキュー回路12に通知する。
【0048】
また、アライメントマーカ検出部6は、FECレーンがBit MUXされている場合、アライメントマーカパターンを検出すると、検出したアライメントマーカパターンで同期を取り、4つのアライメントマーカ間のビットズレを検出し、その旨をスキュー回路8、第1のデスキュー回路11、第2のデスキュー回路12に通知する。
【0049】
なお、アライメントマーカパターンは、レーン識別用のパターンとしてスクランブルアイドルパターンに含まれ、予め決まった周期で現れるパターンであり、規格に沿った周知の手順で検出することができる。
【0050】
エラー測定用パターン発生部7は、アライメントマーカ検出部6にて検出したアライメントマーカに対応するスクランブルアイドルパターンをエラー測定用のリファレンスパターンとして各チャネルで発生する。
【0051】
さらに説明すると、エラー測定用パターン発生部7は、FECレーンがBit MUXされていない場合、上述したリファレンスパターンを2チャネル分発生する。これに対し、FECレーンがBit MUXされている場合には、上述したリファレンスパターンを4チャネル分発生する。
【0052】
スキュー回路8は、エラー測定用パターン発生部7にて発生したリファレンスパターンに対し、アライメントマーカ検出部6から通知されるアライメントマーカ間のビットズレを付加する。
【0053】
さらに説明すると、スキュー回路8は、FECレーンがBit MUXされていない場合、アライメントマーカ間のビットズレを2チャネル分付加する。これに対し、FECレーンがBit MUXされている場合、アライメントマーカ間のビットズレを4チャネル分付加する。
【0054】
Bit MUX部9は、図1の誤り検出装置1Aにおいて、エラー測定用パターン発生部7にて発生し、スキュー回路8にてアライメントマーカ間のビットズレが付加されたリファレンスパターンをBit MUXする。
【0055】
グレイコードエンコーダ10は、図1の誤り検出装置1Aにおいて、スキュー回路8にてアライメントマーカ間のビットズレが付加され、Bit MUX部9にてBit MUXされたリファレンスパターンに対し、グレイコードのエンコードを行う。
【0056】
なお、図2の誤り検出装置1Bのグレイコードエンコーダ10は、スキュー回路8にてアライメントマーカ間のビットズレが付加されたリファレンスパターンに対し、グレイコードのエンコードを行う。
【0057】
第1のデスキュー回路11は、グレイコードエンコーダ10にてグレイコードのエンコードが行われたリファレンスパターンに対し、アライメントマーカ検出部6から通知されたアライメントマーカ間のビットズレを取り除く。
【0058】
第2のデスキュー回路12は、PAM4デコーダ4にてMSB CHとLSB CHに分離された入力データに対し、アライメントマーカ検出部6から通知されたアライメントマーカ間のビットズレを取り除く。
【0059】
エラー検出部13は、第1のデスキュー回路11にてアライメントマーカ間のビットズレが取り除かれたリファレンスパターンと、第2のデスキュー回路12にてアライメントマーカ間のビットズレが取り除かれた入力データとを比較し、ビットエラー測定、FECシンボルエラー測定を行う。
【0060】
次に、上述した誤り検出装置1A,1Bによる誤り検出方法について図3を参照しながら説明する。
【0061】
まず、プレコードデコーダ3は、パターン発生器2から被測定物Wを介して入力されるPAM4パターン(RS-FECエンコード付きのスクランブルアイドルパターンによる既知パターン)、または被測定物W自身が発生するPAM4パターン(RS-FECエンコード付きのスクランブルアイドルパターンによる既知パターン)のプレコードのデコードを行う(ST1)。
【0062】
次に、PAM4デコーダ4は、プレコードデコーダ3にてプレコードがデコードされたPAM4パターンをMSB CHとLSB CHに分離する(ST2)。
【0063】
また、グレイコードデコーダ5は、プレコードデコーダ3にてプレコードがデコードされたPAM4パターンのグレイコードのデコードを行う(ST3)。
【0064】
次に、アライメントマーカ検出部6は、グレイコードデコーダ5にてグレイコードのデコードが行われたPAM4パターンにおいて、スクランブルアイドルパターンに含まれるアライメントマーカパターンを規格に沿った周知の手順に従って検出し、検出したアライメントマーカパターンで同期を取る(ST4)。
【0065】
そして、アライメントマーカ検出部6は、アライメントマーカ間のビットズレを検出し、その旨をスキュー回路8、各デスキュー回路11,12に通知する(ST5)。すなわち、アライメントマーカ検出部6は、FECレーンがBit MUXされていない場合、2つのアライメントマーカ間のビットズレを検出してスキュー回路8、第1のデスキュー回路11、第2のデスキュー回路12に通知する。これに対し、FECレーンがBit MUXされている場合は、4つのアライメントマーカ間のビットズレを検出してスキュー回路8、第1のデスキュー回路11、第2のデスキュー回路12に通知する。
【0066】
次に、エラー測定用パターン発生部7は、アライメントマーカ検出部6にて検出したアライメントマーカに対応するスクランブルアイドルパターンをエラー測定用のリファレンスパターンとして各チャネルで発生する(ST6)。すなわち、エラー測定用パターン発生部7は、FECレーンがBit MUXされていない場合は2CH分のリファレンスパターンを発生し、FECレーンがBit MUXされている場合は4CH分のリファレンスパターンを発生する。
【0067】
次に、スキュー回路8は、アライメントマーカ検出部6から通知されたアライメントマーカ間のビットズレを、リファレンスパターンに付加する(ST7)。すなわち、スキュー回路8は、FECレーンがBit MUXされていない場合はアライメントマーカ間のビットズレを2CH分付加し、FECレーンがBit MUXされている場合はアライメントマーカ間のビットズレを4CH分付加する。
【0068】
そして、Bit MUX部9は、FECレーンがBit MUXされている入力の場合、スキュー回路8にてアライメントマーカ間のビットズレを付加したリファレンスパターンをBit MUXする(ST8)。
【0069】
次に、グレイコードエンコーダ10は、リファレンスパターンに対し、グレイコードのエンコードを行う(ST9)。すなわち、グレイコードエンコーダ10は、FECレーンがBit MUXされていない場合、アライメントマーカ間のビットズレが付加されたリファレンスパターンに対してグレイコードのエンコードを行う。これに対し、FECレーンがBit MUXされている場合は、アライメントマーカ間のビットズレが付加されBit MUXされたリファレンスパターンに対してグレイコードのエンコードを行う。
【0070】
次に、第1のデスキュー回路11は、グレイコードエンコーダ10にてグレイコードのエンコードが行われたリファレンスパターンに対し、アライメントマーカ検出部6から通知されたアライメントマーカ間のビットズレを取り除く。また、第2のデスキュー回路12は、PAM4デコーダ4にてMSB CHとLSB CHに分離された入力データに対し、アライメントマーカ検出部6から通知されたアライメントマーカ間のビットズレを取り除く。すなわち、入力データとリファレンスパターンに対し、通知されたアライメントマーカ間のビットズレを取り除く(ST10)。
【0071】
そして、エラー検出部13は、第2のデスキュー回路12からの入力データと第1のデスキュー回路11からのリファレンスパターンとを比較し、ビットエラー測定、FECシンボルエラー測定を行う。
【0072】
ところで、図1および図2では特に図示はしないが、誤り検出装置1A,1Bに表示部を備え、アライメントマーカの検出結果を表示部に表示することもできる。具体的には、図4(a),(b)に示すように、MSBとLSBのアライメントマーカ(MSB Alignment Maker Loss、LSB Alignment Maker Loss)の検出の有無(Bit MUXされている場合は、奇数ビット:odd bit、偶数ビット:even bit)、検出したMSBとLSBのアライメントマーカ(Bit MUXされている場合は、奇数ビット:odd bit、偶数ビット:even bit)のマーカ番号(レーン番号:Marker map)とスキュー量(Relative Lane Skew[UI])を表示部の表示画面14に表示する。
【0073】
このように、本実施の形態によれば、エラー測定用パターンとしてのRS-FECスクランブルアイドルパターンのアライメントマーカの検出を行うことにより、エラー測定パターンを自動で検出してFECシンボルエラーを測定することができる。すなわち、出力側のエラー測定パターンと異なるパターンが入力されても、アライメントマーカの検出によってパターンを特定してエラー測定が行え、ビットエラーでは正しく評価出来ない、RS-FECによるエラー訂正効果を評価することができる。そして、エラー測定のために出力したビット列(パターン発生器の出力パターン)が、そのままエラー検出部に入力されない系において、エラー測定用のリファレンスパターンを自動生成するので、ユーザがリファレンスパターンを設定しなくても、エラー測定を行うことができる。
【0074】
以上、本発明に係る誤り検出装置および誤り検出方法の最良の形態について説明したが、この形態による記述および図面により本発明が限定されることはない。すなわち、この形態に基づいて当業者等によりなされる他の形態、実施例および運用技術などはすべて本発明の範疇に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0075】
1A,1B 誤り検出装置
2 パターン発生器
3 プレコードデコーダ
4 PAM4デコーダ
5 グレイコードデコーダ
6 アライメントマーカ検出部
7 エラー測定用パターン発生部
8 スキュー回路
9 Bit MUX部
10 グレイコードエンコーダ
11 第1のデスキュー回路
12 第2のデスキュー回路
13 エラー検出部
14 表示画面
21(21a,21b) パターン発生器
22(22a,22b) エラー検出器
W 被測定物(DUT)
Wa ギアボックス
W1~W3 2:1MUX
W4~W6 1:2DEMUX
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9