(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022094133
(43)【公開日】2022-06-24
(54)【発明の名称】組み合わせ計量機及び組み合わせ計量機の使用方法
(51)【国際特許分類】
G01G 19/387 20060101AFI20220617BHJP
【FI】
G01G19/387 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】40
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020206978
(22)【出願日】2020-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】515244427
【氏名又は名称】株式会社オーケープランニング
(74)【代理人】
【識別番号】100169133
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】波多江 満
(57)【要約】 (修正有)
【課題】複数の重量ランクへのランク選別と、規定重量を下回ることなく且つロスの少ないパッキングを、同時に可能とした組み合わせ計量機を提供する。
【解決手段】複数の重量計測部位のうち一箇所或いは複数箇所の前記重量計測部位はピックアップされた物品を集積計量する集積計量部位3とし、選択された部位以外の複数の前記重量計測部位は個別の物品の重量を計測し、計測値に基づいて指示を発報する機能が割り当てられ、前記計測値に基づいた指示は前記物品の重量によるランクの別及び夫々の重量ランクに於ける集積個数或いは必要残数について行われ、作業者が指示に従って前記物品を指定のランクに該当する前記集積計量部位に集積する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の重量計測部位と、
該複数の重量計測部位における測定重量データを取得し、これらから組み合わせ重量を計算する手段と、
該組み合わせ重量が規定重量以上であり且つ最小となる最適組み合わせを計算する手段と、
該選択された最適組み合わせの重量計測部位を示す指示機構を有し、
作業者が前記指示に則り該当する物品をピックアップする組み合わせ計量機において、
該複数の重量計測部位のうち一箇所或いは複数箇所の重量計測部位には前記ピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられ、
前記選択された部位以外の複数の重量計測部位は個別の物品の重量を計測し、該計測値に基づいて指示を発報する機能が割り当てられ、
該計測値に基づいた指示は物品の重量によるランクの別及び夫々の重量ランクに於ける集積個数或いは必要残数について行われ、
作業者が指示に従って物品を指定のランクに該当する集積計量部位に集積することにより、複数の重量ランクへのランク選別と、規定重量を下回ることなく且つロスの少ないパッキングを同時に可能としたことを特徴とする、
組み合わせ計量機。
【請求項2】
該組み合わせ計量機において、
該指示機構の灯火は、多色且つデジタル表示が可能な素子であり、
色の違いとデジタル表示により物品の重量によるランクの別及び夫々の重量ランクに於ける集積個数或いは必要残数の指示を行うことを特徴とする、
請求項1記載の組み合わせ計量機。
【請求項3】
該組み合わせ計量機において、
該指示機構の灯火は、多色且つデジタル表示が可能なによることを特徴とする、
請求項2記載の組み合わせ計量機。
【請求項4】
該組み合わせ計量機において、
該指示機構は、
さらに音声による指示機構を備えたことを特徴とする、
請求項1乃至3の何れか一に記載の組み合わせ計量機。
【請求項5】
該組み合わせ計量機において、
該複数の重量計測部位のうちピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる一箇所或いは複数箇所の重量計測部位は、
初期設定により任意の位置に設定されることを特徴とする、
請求項1乃至4の何れか一に記載の組み合わせ計量機。
【請求項6】
該組み合わせ計量機において、
該複数の重量計測部位のうちピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる一箇所或いは複数箇所の重量計測部位に於ける設定は、
物品の重量によるランクの別及び夫々の重量ランクに於ける目標個数を初期設定により設定されることを特徴とする、
請求項1乃至5の何れか一に記載の組み合わせ計量機。
【請求項7】
該組み合わせ計量機において、
該複数の重量計測部位のうちピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる一箇所或いは複数箇所の重量計測部位には、
物品を集積収納する容器或いはトレーを載置して用いられることを特徴とする、
請求項1乃至6の何れか一に記載の組み合わせ計量機。
【請求項8】
該組み合わせ計量機において、
該複数の重量計測部位のうちピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる一箇所或いは複数箇所の重量計測部位には、
物品を集積収納する容器或いはトレーを載置して用いられ、
該重量計測部位に於いて空の容器或いはトレーを最初に載せた場合、或いは集積計量が完了した容器或いはトレーをピックアップして替わりの空の容器或いはトレーを載せた場合に、自動でゼロ点調整を行い、風袋分を除いた計量を行うことを特徴とする、
請求項7記載の組み合わせ計量機。
【請求項9】
該組み合わせ計量機において、
該複数の重量計測部位のうちピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる一箇所或いは複数箇所の重量計測部位の指示機構に於いて、
該指示機構の灯火は、多色且つデジタル表示が可能な素子であり、
対象物品の重量によるランクの別の文字表示とともに重量ランクごとに異なった色で表示を行うことを特徴とする、
請求項2乃至8の何れか一に記載の組み合わせ計量機。
【請求項10】
該組み合わせ計量機において、
該複数の重量計測部位のうちピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる一箇所或いは複数箇所の重量計測部位の指示機構に於いて、
該指示機構の灯火は、多色且つデジタル表示が可能な素子であり、
ピックアップされて該当する容器或いはトレーを載置された物品の重量ランクが不一致の場合、エラーを示す指示を発報することを特徴とする、
請求項1乃至9の何れか一に記載の組み合わせ計量機。
【請求項11】
該エラーを示す指示は、
指示機構の灯火に表示され及び/又は音声により発報されることを特徴とする、
請求項10記載の組み合わせ計量機。
【請求項12】
該組み合わせ計量機において、
該複数の重量計測部位のうちピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる一箇所或いは複数箇所の重量計測部位以外の個々の物品の重量を測定する部位に於いて、
測定値から物品の重量によるランクの別及び夫々の重量ランクに於ける集積個数或いは必要残数について計算が行われ、
指示機構により指示が発報され、
作業者が指示に従って物品を指定のランクに該当する集積計量部位に集積することにより、複数の重量ランクへのランク選別と、規定重量を下回ることなく且つロスの少ないパッキングを同時に可能としたことを特徴とする、
請求項2乃至11の何れか一に記載の組み合わせ計量機。
【請求項13】
該指示機構により発報される指示は、
指示灯火の色により重量ランクの別を、指示灯火のデジタル表示により夫々の重量ランクに於ける集積個数或いは必要残数を示し、
作業者が指示に従って物品を指定のランクに該当する集積計量部位に集積することにより、複数の重量ランクへのランク選別と、規定重量を下回ることなく且つロスの少ないパッキングを同時に可能としたことを特徴とする、
請求項12記載の組み合わせ計量機。
【請求項14】
該組み合わせ計量機において、
該複数の重量計測部位のうちピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる一箇所或いは複数箇所の重量計測部位以外の個々の物品の重量を測定する部位に於いて、
測定値から物品の重量によるランクの別及び夫々の重量ランクに於ける集積個数或いは必要残数について計算が行われ、
該当する個々の物品の重量を測定する部位に於いて重量測定値が対象となる重量ランクの何れにも該当しない場合、指示機構によりエラー指示が発報され、
作業者が指示に従って該当する物品を除去し、別な物品を載置するようにしたことを特徴とする、
請求項1乃至13の何れか一に記載の組み合わせ計量機。
【請求項15】
該組み合わせ計量機において、
該複数の重量計測部位のうちピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる一箇所或いは複数箇所の重量計測部位以外の個々の物品の重量を測定する部位に於いて、
測定値から物品の重量によるランクの別及び夫々の重量ランクに於ける集積個数或いは必要残数について計算が行われ、
指示機構により指示が発報され、
作業者が指示に従って物品を指定のランクに該当する集積計量部位に集積した後、ピックアップされ空になった個々の物品の重量を測定する部位に別な物品を載置すると、自動的に再計算を行い、新たな指示が発報されることを特徴とする、
請求項1乃至14の何れか一に記載の組み合わせ計量機。
【請求項16】
該組み合わせ計量機において、
該複数の重量計測部位のうちピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる一箇所或いは複数箇所の重量計測部位以外の個々の物品の重量を測定する部位に於いて、
測定値から物品の重量によるランクの別及び夫々の重量ランクに於ける集積個数或いは必要残数について計算が行われ、指示機構により指示が発報される際に、
特に集積された物品の重量が規定重量に接近した場合において、載置された物品の組み合わせでは組み合わせ範囲に収まらない場合は、その過不足重量及び/又は実際の重量を指示機構により数字、文字或いは記号で表示することで重量調整を効率化することを特徴とする、
請求項1乃至15の何れか一に記載の組み合わせ計量機。
【請求項17】
該組み合わせ計量機において、
該複数の重量計測部位のうちピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる一箇所或いは複数箇所の重量計測部位以外の個々の物品の重量を測定する部位に於いて、
測定値から物品の重量によるランクの別及び夫々の重量ランクに於ける集積個数或いは必要残数について計算が行われ、指示機構により指示が発報される際に、
特に集積された物品の重量が規定重量に接近した場合において、載置された物品の組み合わせでは組み合わせ範囲に収まらない場合は、その過不足重量及び/又は実際の重量を指示機構により数字、文字或いは記号で表示すると共に合成音声によりその過不足重量及び/又は実際の重量を発声し注意喚起することで重量調整を効率化することを特徴とする、
請求項16記載の組み合わせ計量機。
【請求項18】
該組み合わせ計量機において、
複数の重量計測部位はプラスチック部材で形成されることを特徴とする、
請求項1乃至17のいずれか一に記載の組み合わせ計量機。
【請求項19】
該重量計測部位に用いる計量皿は、サイズの異なる計量皿に交換して用いる事ができることを特徴とする、
請求項1乃至18のいずれか一に記載の組み合わせ計量機。
【請求項20】
該重量計測部位に用いる計量皿は、ピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる計量部位の計量皿と、個々の物品の重量を測定する部位の計量皿とで、サイズの異なる計量皿を混在して用いることを特徴とする、
請求項1乃至19のいずれか一に記載の組み合わせ計量機。
【請求項21】
複数の重量計測部位と、
該複数の重量計測部位における測定重量データを取得し、これらから組み合わせ重量を計算する手段と、
該組み合わせ重量が規定重量以上であり且つ最小となる最適組み合わせを計算する手段と、
該選択された最適組み合わせの重量計測部位を示す指示機構を有し、
作業者が前記指示に則り該当する物品をピックアップする組み合わせ計量機の使用方法において、
該複数の重量計測部位のうち一箇所或いは複数箇所の重量計測部位には前記ピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられ、
前記選択された部位以外の複数の重量計測部位は個別の物品の重量を計測し、該計測値に基づいて指示を発報する機能が割り当てられ、
該計測値に基づいた指示は物品の重量によるランクの別及び夫々の重量ランクに於ける集積個数或いは必要残数について行われ、
作業者が指示に従って物品を指定のランクに該当する集積計量部位に集積することにより、複数の重量ランクへのランク選別と、規定重量を下回ることなく且つロスの少ないパッキングを同時に可能としたことを特徴とする、
組み合わせ計量機の使用方法。
【請求項22】
該組み合わせ計量機の使用方法において、
該指示機構の灯火は、多色且つデジタル表示が可能な素子であり、
色の違いとデジタル表示により物品の重量によるランクの別及び夫々の重量ランクに於ける集積個数或いは必要残数の指示を行うことを特徴とする、
請求項21記載の組み合わせ計量機の使用方法。
【請求項23】
該組み合わせ計量機の使用方法において、
該指示機構の灯火は、多色且つデジタル表示が可能なによることを特徴とする、
請求項22記載の組み合わせ計量機の使用方法。
【請求項24】
該組み合わせ計量機の使用方法において、
該指示機構は、
さらに音声による指示機構を備えたことを特徴とする、
請求項21乃至23の何れか一に記載の組み合わせ計量機の使用方法。
【請求項25】
該組み合わせ計量機の使用方法において、
該複数の重量計測部位のうちピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる一箇所或いは複数箇所の重量計測部位は、
初期設定により任意の位置に設定されることを特徴とする、
請求項21乃至24の何れか一に記載の組み合わせ計量機の使用方法。
【請求項26】
該組み合わせ計量機の使用方法において、
該複数の重量計測部位のうちピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる一箇所或いは複数箇所の重量計測部位に於ける設定は、
物品の重量によるランクの別及び夫々の重量ランクに於ける目標個数を初期設定により設定されることを特徴とする、
請求項21乃至25の何れか一に記載の組み合わせ計量機の使用方法。
【請求項27】
該組み合わせ計量機の使用方法において、
該複数の重量計測部位のうちピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる一箇所或いは複数箇所の重量計測部位には、
物品を集積収納する容器或いはトレーを載置して用いられることを特徴とする、
請求項21乃至26の何れか一に記載の組み合わせ計量機の使用方法。
【請求項28】
該組み合わせ計量機の使用方法において、
該複数の重量計測部位のうちピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる一箇所或いは複数箇所の重量計測部位には、
物品を集積収納する容器或いはトレーを載置して用いられ、
該重量計測部位に於いて空の容器或いはトレーを最初に載せた場合、或いは集積計量が完了した容器或いはトレーをピックアップして替わりの空の容器或いはトレーを載せた場合に、自動でゼロ点調整を行い、風袋分を除いた計量を行うことを特徴とする、
請求項27記載の組み合わせ計量機の使用方法。
【請求項29】
該組み合わせ計量機の使用方法において、
該複数の重量計測部位のうちピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる一箇所或いは複数箇所の重量計測部位の指示機構に於いて、
該指示機構の灯火は、多色且つデジタル表示が可能な素子であり、
対象物品の重量によるランクの別の文字表示とともに重量ランクごとに異なった色で表示を行うことを特徴とする、
請求項21乃至28の何れか一に記載の組み合わせ計量機の使用方法。
【請求項30】
該組み合わせ計量機の使用方法において、
該複数の重量計測部位のうちピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる一箇所或いは複数箇所の重量計測部位の指示機構に於いて、
該指示機構の灯火は、多色且つデジタル表示が可能な素子であり、
ピックアップされて該当する容器或いはトレーを載置された物品の重量ランクが不一致の場合、エラーを示す指示を発報することを特徴とする、
請求項21乃至29の何れか一に記載の組み合わせ計量機。
【請求項31】
該エラーを示す指示は、
指示機構の灯火に表示され及び/又は音声により発報されることを特徴とする、
請求項30記載の組み合わせ計量機の使用方法。
【請求項32】
該組み合わせ計量機の使用方法において、
該複数の重量計測部位のうちピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる一箇所或いは複数箇所の重量計測部位以外の個々の物品の重量を測定する部位に於いて、
測定値から物品の重量によるランクの別及び夫々の重量ランクに於ける集積個数或いは必要残数について計算が行われ、
指示機構により指示が発報され、
作業者が指示に従って物品を指定のランクに該当する集積計量部位に集積することにより、複数の重量ランクへのランク選別と、規定重量を下回ることなく且つロスの少ないパッキングを同時に可能としたことを特徴とする、
請求項21乃至32の何れか一に記載の組み合わせ計量機の使用方法。
【請求項33】
該指示機構により発報される指示は、
指示灯火の色により重量ランクの別を、指示灯火のデジタル表示により夫々の重量ランクに於ける集積個数或いは必要残数を示し、
作業者が指示に従って物品を指定のランクに該当する集積計量部位に集積することにより、複数の重量ランクへのランク選別と、規定重量を下回ることなく且つロスの少ないパッキングを同時に可能としたことを特徴とする、
請求項32記載の組み合わせ計量機の使用方法。
【請求項34】
該組み合わせ計量機の使用方法において、
該複数の重量計測部位のうちピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる一箇所或いは複数箇所の重量計測部位以外の個々の物品の重量を測定する部位に於いて、
測定値から物品の重量によるランクの別及び夫々の重量ランクに於ける集積個数或いは必要残数について計算が行われ、
該当する個々の物品の重量を測定する部位に於いて重量測定値が対象となる重量ランクの何れにも該当しない場合、指示機構によりエラー指示が発報され、
作業者が指示に従って該当する物品を除去し、別な物品を載置するようにしたことを特徴とする、
請求項21乃至33の何れか一に記載の組み合わせ計量機の使用方法。
【請求項35】
該組み合わせ計量機の使用方法において、
該複数の重量計測部位のうちピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる一箇所或いは複数箇所の重量計測部位以外の個々の物品の重量を測定する部位に於いて、
測定値から物品の重量によるランクの別及び夫々の重量ランクに於ける集積個数或いは必要残数について計算が行われ、
指示機構により指示が発報され、
作業者が指示に従って物品を指定のランクに該当する集積計量部位に集積した後、ピックアップされ空になった個々の物品の重量を測定する部位に別な物品を載置すると、自動的に再計算を行い、新たな指示が発報されることを特徴とする、
請求項21乃至34の何れか一に記載の組み合わせ計量機の使用方法。
【請求項36】
該組み合わせ計量機の使用方法において、
該複数の重量計測部位のうちピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる一箇所或いは複数箇所の重量計測部位以外の個々の物品の重量を測定する部位に於いて、
測定値から物品の重量によるランクの別及び夫々の重量ランクに於ける集積個数或いは必要残数について計算が行われ、指示機構により指示が発報される際に、
特に集積された物品の重量が規定重量に接近した場合において、載置された物品の組み合わせでは組み合わせ範囲に収まらない場合は、その過不足を指示機構により数字、文字或いは記号で表示することで重量調整を効率化することを特徴とする、
請求項21乃至35の何れか一に記載の組み合わせ計量機の使用方法。
【請求項37】
該組み合わせ計量機の使用方法において、
該複数の重量計測部位のうちピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる一箇所或いは複数箇所の重量計測部位以外の個々の物品の重量を測定する部位に於いて、
測定値から物品の重量によるランクの別及び夫々の重量ランクに於ける集積個数或いは必要残数について計算が行われ、指示機構により指示が発報される際に、
特に集積された物品の重量が規定重量に接近した場合において、載置された物品の組み合わせでは組み合わせ範囲に収まらない場合は、その過不足重量及び/又は実際の重量を指示機構により数字、文字或いは記号で表示すると共に合成音声によりその過不足重量及び/又は実際の重量を発声し注意喚起することで重量調整を効率化することを特徴とする、
請求項36記載の組み合わせ計量機の使用方法。
【請求項38】
該組み合わせ計量機の使用方法において、
複数の重量計測部位はプラスチック部材で形成されることを特徴とする、
請求項21乃至37の何れか一に記載の組み合わせ計量機の使用方法。
【請求項39】
該重量計測部位に用いる計量皿は、サイズの異なる計量皿に交換して用いる事ができることを特徴とする、
請求項21乃至38の何れか一に記載の組み合わせ計量機の使用方法。
【請求項40】
該重量計測部位に用いる計量皿は、ピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる計量部位の計量皿と、個々の物品の重量を測定する部位の計量皿とで、サイズの異なる計量皿を混在して用いることを特徴とする、
請求項21乃至39の何れか一に記載の組み合わせ計量機の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、野菜・果物・食品等を秤量するための組み合わせ計量機において、簡便な構成で効率の良い秤量が可能な、組み合わせ計量機及び組み合わせ計量機の使用方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
野菜・果物・食品等の販売にあたっては、内容量を秤量し、規定の量目を下回らないようにする必要がある。表示された量目を下回れば、購買者を欺くことになるからである。しかし、徒に規定の量目からかけ離れて多量の商品を入れれば、コストアップに繋がり不経済である。
【0003】
かかる矛盾は基本的にそれぞれ大きさ、形、重量ともに均一でない農産物において顕著である。例えば野菜の販売においても1本、1個、1株といった単位で販売されることはほとんどなく、ある程度の量目で袋詰めして販売されることが主流であり、規定の量目を下回らず且つ最小となる組み合わせを秤量することが求められる。
【0004】
量産ベースの食品工場や大規模な出荷センターなどでは対象となる商品を自動搬送し、組み合わせ計量機に載置、規定の重量以上且つ最小となる組み合わせを秤量して、これをホッパ等で選択的に排出して袋詰め等の包装まで行う自動機を導入し使用している例が多い。しかし、個別の農家や小規模の出荷組合等に於いては大規模で高価な自動機の組み合わせ計量機を導入する余裕はなく、手作業による秤量選別が行われているのが実情である。
【0005】
簡便な構成で効率の良い秤量が可能な、複数の計量部位を有する計量機及び複数の計量部位を有する計量機の使用方法が求められているが、通常は単体の秤を用いていることが多く、効率の良い製品は実用化されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8ー313333号公報
【特許文献2】特開2002ー166232号公報
【特許文献3】特開2008ー292194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
個別の農家や小規模の出荷組合等に於ける作業には、手作業を効率化するための機器が求められているが、一般に販売されているような自動機はそのコストが非常に高く、導入することは困難である。
【0008】
これらの課題を解決するため、筆者らは、簡素な構成でコストが安く、効率の良い作業が可能な組み合わせ計量機を開発してきている。
【0009】
複数の計量部位を有する組み合わせ計量機は、簡便な構成で効率の良い組み合わせ計量を実現するものであるが、例えばイチゴなどのように個々の粒の大きさ、重量によりランクが決められており、このランクを揃えた上でトレーに詰め、さらにトータル重量でも規定を下回らないようにするといったニーズがあり、このような対象においてもさらなる効率化を図りたいというニーズがあった。
【0010】
その際、問題となるのがランク選別と組み合わせ計量が一体化された装置が存在しなかったことであり、この結果作業が二段階になることを余儀なくされ、特にイチゴなど接触回数が品質に直結する作物、食品においてはその改善が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、複数の重量計測部位と、該複数の重量計測部位における測定重量データを取得し、これらから組み合わせ重量を計算する手段と、該組み合わせ重量が規定重量以上であり且つ最小となる最適組み合わせを計算する手段と、該選択された最適組み合わせの重量計測部位を示す指示機構を有し、作業者が前記指示に則り該当する物品をピックアップする組み合わせ計量機において、該複数の重量計測部位のうち一箇所或いは複数箇所の重量計測部位には前記ピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられ、前記選択された部位以外の複数の重量計測部位は個別の物品の重量を計測し、該計測値に基づいて指示を発報する機能が割り当てられ、該計測値に基づいた指示は物品の重量によるランクの別及び夫々の重量ランクに於ける集積個数或いは必要残数について行われ、作業者が指示に従って物品を指定のランクに該当する集積計量部位に集積することにより、複数の重量ランクへのランク選別と、規定重量を下回ることなく且つロスの少ないパッキングを同時に可能としたことを特徴とする、組み合わせ計量機であり、組み合わせ計量機の使用方法である。
【0012】
また本発明は、該組み合わせ計量機において、該指示機構の灯火が多色且つデジタル表示が可能な素子であり、色の違いとデジタル表示により物品の重量によるランクの別及び夫々の重量ランクに於ける集積個数或いは必要残数の指示を行うことを特徴とする。
【0013】
また本発明は、該組み合わせ計量機において、該指示機構の灯火が多色且つデジタル表示が可能なによることを特徴とする。
【0014】
また本発明は、該組み合わせ計量機において、該指示機構がさらに音声による指示機構を備えたことを特徴とする。
【0015】
また本発明は、該組み合わせ計量機において、該複数の重量計測部位のうちピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる一箇所或いは複数箇所の重量計測部位が、初期設定により任意の位置に設定されることを特徴とする。
【0016】
また本発明は、該組み合わせ計量機において、該複数の重量計測部位のうちピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる一箇所或いは複数箇所の重量計測部位に於ける設定が物品の重量によるランクの別及び夫々の重量ランクに於ける目標個数を初期設定により設定されることを特徴とする。
【0017】
また本発明は、該組み合わせ計量機において、該複数の重量計測部位のうちピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる一箇所或いは複数箇所の重量計測部位には物品を集積収納する容器或いはトレーを載置して用いられることを特徴とする。
【0018】
また本発明は、該組み合わせ計量機において、該複数の重量計測部位のうちピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる一箇所或いは複数箇所の重量計測部位には、物品を集積収納する容器或いはトレーを載置して用いられ、該重量計測部位に於いて空の容器或いはトレーを最初に載せた場合、或いは集積計量が完了した容器或いはトレーをピックアップして替わりの空の容器或いはトレーを載せた場合に、自動でゼロ点調整を行い、風袋分を除いた計量を行うことを特徴とする。
【0019】
また本発明は、該組み合わせ計量機において、該複数の重量計測部位のうちピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる一箇所或いは複数箇所の重量計測部位の指示機構に於いて、該指示機構の灯火が多色且つデジタル表示が可能な素子であり、対象物品の重量によるランクの別の文字表示とともに重量ランクごとに異なった色で表示を行うことを特徴とする。
【0020】
また本発明は、該組み合わせ計量機において、該複数の重量計測部位のうちピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる一箇所或いは複数箇所の重量計測部位の指示機構に於いて、該指示機構の灯火は、多色且つデジタル表示が可能な素子であり、ピックアップされて該当する容器或いはトレーを載置された物品の重量ランクが不一致の場合、エラーを示す指示を発報することを特徴とする。
【0021】
また本発明は、該エラーを示す指示が指示機構の灯火に表示され及び/又は音声により発報されることを特徴とする。
【0022】
また本発明は、該組み合わせ計量機において、該複数の重量計測部位のうちピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる一箇所或いは複数箇所の重量計測部位以外の個々の物品の重量を測定する部位に於いて、測定値から物品の重量によるランクの別及び夫々の重量ランクに於ける集積個数或いは必要残数について計算が行われ、指示機構により指示が発報され、作業者が指示に従って物品を指定のランクに該当する集積計量部位に集積することにより、複数の重量ランクへのランク選別と、規定重量を下回ることなく且つロスの少ないパッキングを同時に可能としたことを特徴とする。
【0023】
また本発明は、該指示機構により発報される指示が指示灯火の色により重量ランクの別を、指示灯火のデジタル表示により夫々の重量ランクに於ける集積個数或いは必要残数を示し、作業者が指示に従って物品を指定のランクに該当する集積計量部位に集積することにより、複数の重量ランクへのランク選別と、規定重量を下回ることなく且つロスの少ないパッキングを同時に可能としたことを特徴とする。
【0024】
また本発明は、該組み合わせ計量機において、該複数の重量計測部位のうちピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる一箇所或いは複数箇所の重量計測部位以外の個々の物品の重量を測定する部位に於いて、測定値から物品の重量によるランクの別及び夫々の重量ランクに於ける集積個数或いは必要残数について計算が行われ、該当する個々の物品の重量を測定する部位に於いて重量測定値が対象となる重量ランクの何れにも該当しない場合、指示機構によりエラー指示が発報され、作業者が指示に従って該当する物品を除去し、別な物品を載置するようにしたことを特徴とする。
【0025】
また本発明は、該組み合わせ計量機において、該複数の重量計測部位のうちピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる一箇所或いは複数箇所の重量計測部位以外の個々の物品の重量を測定する部位に於いて、測定値から物品の重量によるランクの別及び夫々の重量ランクに於ける集積個数或いは必要残数について計算が行われ、指示機構により指示が発報され、作業者が指示に従って物品を指定のランクに該当する集積計量部位に集積した後、ピックアップされ空になった個々の物品の重量を測定する部位に別な物品を載置すると、自動的に再計算を行い、新たな指示が発報されることを特徴とする。
【0026】
また本発明は、組み合わせ計量機において、該複数の重量計測部位のうちピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる一箇所或いは複数箇所の重量計測部位以外の個々の物品の重量を測定する部位に於いて、測定値から物品の重量によるランクの別及び夫々の重量ランクに於ける集積個数或いは必要残数について計算が行われ、指示機構により指示が発報される際に、特に集積された物品の重量が規定重量に接近した場合において、載置された物品の組み合わせでは組み合わせ範囲に収まらない場合は、その過不足を指示機構により数字、文字或いは記号で表示することで重量調整を効率化することを特徴とする。
【0027】
また本発明は、該組み合わせ計量機において、該複数の重量計測部位のうちピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる一箇所或いは複数箇所の重量計測部位以外の個々の物品の重量を測定する部位に於いて、測定値から物品の重量によるランクの別及び夫々の重量ランクに於ける集積個数或いは必要残数について計算が行われ、指示機構により指示が発報される際に、特に集積された物品の重量が規定重量に接近した場合において、載置された物品の組み合わせでは組み合わせ範囲に収まらない場合は、その過不足重量及び/又は実際の重量を指示機構により数字、文字或いは記号で表示すると共に合成音声によりその過不足重量及び/又は実際の重量を発声し注意喚起することで重量調整を効率化することを特徴とする。
【0028】
また本発明は、該組み合わせ計量機において、複数の重量計測部位はプラスチック部材で形成されることを特徴とする。また本発明は、該重量計測部位に用いる計量皿がサイズの異なる計量皿に交換して用いる事ができることを特徴とする。また本発明は、該重量計測部位に用いる計量皿がピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる計量部位の計量皿と、個々の物品の重量を測定する部位の計量皿とで、サイズの異なる計量皿を混在して用いることを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る組み合わせ計量機及び組み合わせ計量機の使用方法は、簡便な構成でランク選別と組み合わせ計量を同時に行うことができ、さらに異なったランクの対象物に対しても同時に作業を進めることができ、非常に効率の良い秤量が可能となり、組み合わせ計量機の用途を拡大することを可能とし、作業効率を向上させ、もって社会に資することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1は、本発明に係る組み合わせ計量機の使用形態を説明するための概念図である。
【
図2】
図2は、本発明に係る組み合わせ計量機の使用形態を説明するための概念図である。
【
図3】
図3は、本発明に係る組み合わせ計量機の使用形態を説明するための概念図である。
【
図4】
図4は、本発明に係る組み合わせ計量機の使用形態を説明するための概念図である。
【
図5】
図5は、本発明に係る組み合わせ計量機の使用形態を説明するための概念図である。
【
図6】
図6は、本発明に係る組み合わせ計量機の使用形態を説明するための概念図である。
【
図7】
図7は、本発明に係る組み合わせ計量機の使用形態を説明するための概念図である。
【
図8】
図8は、本発明に係る組み合わせ計量機の使用形態を説明するための概念図である。
【
図9】
図9は、本発明に係る組み合わせ計量機の使用形態を説明するための概念図である。
【
図10】
図10は、本発明に係る組み合わせ計量機の使用形態を説明するための概念図である。
【
図11】
図11は、本発明に係る組み合わせ計量機の使用形態を説明するための概念図である。
【
図12】
図12は、本発明に係る組み合わせ計量機の製作例及びその使用形態を説明するための図面代用写真である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明は、複数の重量計測部位と、該複数の重量計測部位における測定重量データを取得し、これらから組み合わせ重量を計算する手段と、該組み合わせ重量が規定重量以上であり且つ最小となる最適組み合わせを計算する手段と、該選択された最適組み合わせの重量計測部位を示す指示機構を有し、作業者が前記指示に則り該当する物品をピックアップする組み合わせ計量機において、該複数の重量計測部位のうち一箇所或いは複数箇所の重量計測部位には前記ピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられ、前記選択された部位以外の複数の重量計測部位は個別の物品の重量を計測し、該計測値に基づいて指示を発報する機能が割り当てられ、該計測値に基づいた指示は物品の重量によるランクの別及び夫々の重量ランクに於ける集積個数或いは必要残数について行われ、作業者が指示に従って物品を指定のランクに該当する集積計量部位に集積することにより、複数の重量ランクへのランク選別と、規定重量を下回ることなく且つロスの少ないパッキングを同時に可能としたことを特徴とする、組み合わせ計量機であり、組み合わせ計量機の使用方法である。
【0032】
また本発明は、該組み合わせ計量機において、該指示機構の灯火が多色且つデジタル表示が可能な素子であり、色の違いとデジタル表示により物品の重量によるランクの別及び夫々の重量ランクに於ける集積個数或いは必要残数の指示を行うことを特徴とする。
【0033】
また本発明は、該組み合わせ計量機において、該指示機構の灯火が多色且つデジタル表示が可能なによることを特徴とする。
【0034】
また本発明は、該組み合わせ計量機において、該指示機構がさらに音声による指示機構を備えたことを特徴とする。
【0035】
また本発明は、該組み合わせ計量機において、該複数の重量計測部位のうちピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる一箇所或いは複数箇所の重量計測部位が、初期設定により任意の位置に設定されることを特徴とする。
【0036】
また本発明は、該組み合わせ計量機において、該複数の重量計測部位のうちピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる一箇所或いは複数箇所の重量計測部位に於ける設定が物品の重量によるランクの別及び夫々の重量ランクに於ける目標個数を初期設定により設定されることを特徴とする。
【0037】
また本発明は、該組み合わせ計量機において、該複数の重量計測部位のうちピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる一箇所或いは複数箇所の重量計測部位には物品を集積収納する容器或いはトレーを載置して用いられることを特徴とする。
【0038】
また本発明は、該組み合わせ計量機において、該複数の重量計測部位のうちピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる一箇所或いは複数箇所の重量計測部位には、物品を集積収納する容器或いはトレーを載置して用いられ、該重量計測部位に於いて空の容器或いはトレーを最初に載せた場合、或いは集積計量が完了した容器或いはトレーをピックアップして替わりの空の容器或いはトレーを載せた場合に、自動でゼロ点調整を行い、風袋分を除いた計量を行うことを特徴とする。
【0039】
また本発明は、該組み合わせ計量機において、該複数の重量計測部位のうちピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる一箇所或いは複数箇所の重量計測部位の指示機構に於いて、該指示機構の灯火が多色且つデジタル表示が可能な素子であり、対象物品の重量によるランクの別の文字表示とともに重量ランクごとに異なった色で表示を行うことを特徴とする。
【0040】
また本発明は、該組み合わせ計量機において、該複数の重量計測部位のうちピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる一箇所或いは複数箇所の重量計測部位の指示機構に於いて、該指示機構の灯火は、多色且つデジタル表示が可能な素子であり、ピックアップされて該当する容器或いはトレーを載置された物品の重量ランクが不一致の場合、エラーを示す指示を発報することを特徴とする。また本発明は、該エラーを示す指示が指示機構の灯火に表示され及び/又は音声により発報されることを特徴とする。
【0041】
また本発明は、該組み合わせ計量機において、該複数の重量計測部位のうちピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる一箇所或いは複数箇所の重量計測部位以外の個々の物品の重量を測定する部位に於いて、測定値から物品の重量によるランクの別及び夫々の重量ランクに於ける集積個数或いは必要残数について計算が行われ、指示機構により指示が発報され、作業者が指示に従って物品を指定のランクに該当する集積計量部位に集積することにより、複数の重量ランクへのランク選別と、規定重量を下回ることなく且つロスの少ないパッキングを同時に可能としたことを特徴とする。
【0042】
また本発明は、該指示機構により発報される指示が指示灯火の色により重量ランクの別を、指示灯火のデジタル表示により夫々の重量ランクに於ける集積個数或いは必要残数を示し、作業者が指示に従って物品を指定のランクに該当する集積計量部位に集積することにより、複数の重量ランクへのランク選別と、規定重量を下回ることなく且つロスの少ないパッキングを同時に可能としたことを特徴とする。
【0043】
また本発明は、該組み合わせ計量機において、該複数の重量計測部位のうちピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる一箇所或いは複数箇所の重量計測部位以外の個々の物品の重量を測定する部位に於いて、測定値から物品の重量によるランクの別及び夫々の重量ランクに於ける集積個数或いは必要残数について計算が行われ、該当する個々の物品の重量を測定する部位に於いて重量測定値が対象となる重量ランクの何れにも該当しない場合、指示機構によりエラー指示が発報され、作業者が指示に従って該当する物品を除去し、別な物品を載置するようにしたことを特徴とする。
【0044】
また本発明は、該組み合わせ計量機において、該複数の重量計測部位のうちピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる一箇所或いは複数箇所の重量計測部位以外の個々の物品の重量を測定する部位に於いて、測定値から物品の重量によるランクの別及び夫々の重量ランクに於ける集積個数或いは必要残数について計算が行われ、指示機構により指示が発報され、作業者が指示に従って物品を指定のランクに該当する集積計量部位に集積した後、ピックアップされ空になった個々の物品の重量を測定する部位に別な物品を載置すると、自動的に再計算を行い、新たな指示が発報されることを特徴とする。
【0045】
また本発明は、組み合わせ計量機において、該複数の重量計測部位のうちピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる一箇所或いは複数箇所の重量計測部位以外の個々の物品の重量を測定する部位に於いて、測定値から物品の重量によるランクの別及び夫々の重量ランクに於ける集積個数或いは必要残数について計算が行われ、指示機構により指示が発報される際に、特に集積された物品の重量が規定重量に接近した場合において、載置された物品の組み合わせでは組み合わせ範囲に収まらない場合は、その過不足を指示機構により数字、文字或いは記号で表示することで重量調整を効率化することを特徴とする。
【0046】
また本発明は、該組み合わせ計量機において、該複数の重量計測部位のうちピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる一箇所或いは複数箇所の重量計測部位以外の個々の物品の重量を測定する部位に於いて、測定値から物品の重量によるランクの別及び夫々の重量ランクに於ける集積個数或いは必要残数について計算が行われ、指示機構により指示が発報される際に、特に集積された物品の重量が規定重量に接近した場合において、載置された物品の組み合わせでは組み合わせ範囲に収まらない場合は、その過不足重量及び/又は実際の重量を指示機構により数字、文字或いは記号で表示すると共に合成音声によりその過不足重量及び/又は実際の重量を発声し注意喚起することで重量調整を効率化することを特徴とする。
【0047】
また本発明は、該組み合わせ計量機において、複数の重量計測部位はプラスチック部材で形成されることを特徴とする。また本発明は、該重量計測部位に用いる計量皿がサイズの異なる計量皿に交換して用いる事ができることを特徴とする。
【0048】
また本発明は、該重量計測部位に用いる計量皿がピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる計量部位の計量皿と、個々の物品の重量を測定する部位の計量皿とで、サイズの異なる計量皿を混在して用いることを特徴とする。
【実施例0049】
図1乃至
図11は、本発明に係る組み合わせ計量機の使用形態を説明するための概念図である。また、
図12は、本発明に係る組み合わせ計量機の製作例及びその使用形態を説明するための図面代用写真である。本実施例に於いては、2列12ヘッドの組み合わせ計量機を用い、端部の2ヘッドにピックアップされた物品を集積計量する機能を割り当てた。これら以外の10ヘッドは個別の物品の重量を計測し、該計測値に基づいて指示を発報する機能が割り当てられている。
【0050】
図1は、本実施例に於いて使用する12ヘッドの組み合わせ計量機の設定を示している。計量機本体11に12個の計量ヘッドが2列に配置されている。対象物品はイチゴであるが、本発明は本実施例に限定されるものではなく、その他の野菜、果物或いは食品にも好適に用いることができる。本実施例では、端部の2ヘッドにピックアップされた物品を集積計量する機能を割り当て、これらにはイチゴをパック詰めするトレー(2及び3)を載置した。これらは、夫々異なる重量ランク(本実施例ではLサイズ及びMサイズ)に対応するよう設定された。
【0051】
4は多色マトリクスLEDを用いた表示指示機構の灯火であり、この場合はLサイズの位置には赤色でLの文字を、Mサイズ位置には緑色でMの文字を表示した。本実施例での設定では、計量対象物はイチゴであり、計量方法は定量個数計量、計量目標はLサイズ及びMサイズとも280グラムに設定され、目標個数はLサイズが18粒、Mサイズが23粒であった。また、トレー重量(風袋重量)は7グラムである。ここで、これらの設定は対象物品、季節要因、地域要因などに対応して随時変更して設定できることは当然である。
【0052】
図2は、個別の物品の重量を計測する計量部位(計量皿)に対象物であるイチゴ(5)を載置した状態を示す。物品が載置されると、個々の計量部位で計量が行われ、ランク選別が実施される。
【0053】
図3は、前記の計量後に指示機構が点灯した状態を示す。多色マトリクスLEDを用いた指示機構の灯火が、デジタル表示によりランクごとの残数を表示し、ランクの別はは色により弁別するようにした。ここで、Mサイズは緑色で、Lサイズは赤色で数字を表示することで、作業者は夫々のランクの指示物を同色のトレーに移載する。ここで、残数表示は現在の残数から順次与えられているが、作業者は数字に拘らず同色の指示物品をピックアップして移載すれば良い。ここで、本実施例では残数表示としているが、集積個数などその他のカウントを表示しても全く問題ない。
【0054】
図4は、LサイズのイチゴをLサイズのトレーに移載した状態を示す。この時点では、Mサイズの指示のみが点灯している。ここで、Lサイズのトレーにイチゴが移載された時点でLサイズのトレーに対応する計量部位では重量測定と計算が行われており、目標重量をクリアする範囲で最適な残個数及びLサイズの範囲内での個別重量を計算し、指示にフィードバックしている。
【0055】
図5は、Mサイズについてもトレーに移載した状態を示す。この後、作業者が空になった計量皿にイチゴを補充していく。
図6は、補充が完了した状態である。この後、再度物品が載置されると、個々の計量部位で計量が行われ、ランク選別が実施され、残数を含めた指示灯火が点灯し、同様の作業を繰り返す。ここで、移載と補充は全ての指示物品を移載してからではなく、例えばLサイズの移載のみの状態で行っても問題なく再計算、再指示が行われる。
【0056】
図7は、Lサイズのトレーが目標値に達した時点の状態を示す。本実施例では指示灯火に赤色で丸印を表示した。作業者は、この指示でLサイズのトレーを取り除き、新たな空のトレーを載置する。
【0057】
ここで、Lサイズのトレーが目標値に達した場合でも、これを取り除かずにイチゴを補充すれば、Mサイズの組み合わせが表示される。(
図8)
【0058】
Lサイズのトレーを取り除くと赤丸の表示がLの表示(本実施例では赤色)に戻り、新たな計測に備える。この後、空になったLサイズのトレーの位置にトレーを載置すると、自動でゼロ点調整が行われ、風袋重量を除いた実質重量での計量が可能となる。(
図9)
【0059】
図10は、対象物が全ての計量皿にない場合の状態を示す。この場合も、組み合わせが成立すれば指示灯火が点灯する。
【0060】
図11は、作業者が誤った位置からピックアップしてしまった場合の状態を示す。指示外の位置からピックアップした場合、或いはMサイズとLサイズを間違って移載した場合、いずれも元の載置位置にエラー表示(本実施例では赤色のバツ印)が点灯し、エラーを明示する。この場合、作業者は誤ってピックアップ或いは移載した物品をエラー表示の計量皿に戻せば良い。ここで、エラーの際には表示灯火のみでなく、ブザーなどの音声も併用して注意喚起することも有効である。
【0061】
さらに、本発明に係る組み合わせ計量機において、該複数の重量計測部位のうちピックアップされた物品を集積計量する機能が割り当てられる一箇所或いは複数箇所の重量計測部位以外の個々の物品の重量を測定する部位に於いて、測定値から物品の重量によるランクの別及び夫々の重量ランクに於ける集積個数或いは必要残数について計算が行われ、指示機構により指示が発報される際に、特に集積された物品の重量が規定重量に接近した場合において、載置された物品の組み合わせでは組み合わせ範囲に収まらない場合は、その過不足を指示機構により数字、文字或いは記号で表示することで重量調整を効率化することも有効である。この際、載置された物品の組み合わせでは組み合わせ範囲に収まらない場合は、その過不足重量及び/又は実際の重量を指示機構により数字、文字或いは記号で表示すると共に合成音声によりその過不足重量及び/又は実際の重量を発声し注意喚起することで重量調整を効率化することがさらに有効である。
【0062】
以上述べてきたように、本発明に係る組み合わせ計量機及び組み合わせ計量機の使用方法は、簡便な構成でランク選別と組み合わせ計量を同時に行うことができ、さらに異なったランクの対象物に対しても同時に作業を進めることができ、非常に効率の良い秤量が可能となり、組み合わせ計量機の用途を拡大することを可能とし、さらに個別の農家や小規模の出荷組合等に於いても導入可能となり、作業効率の向上と農家所得の増大に与って効果のあるものとなった。
本発明に係る組み合わせ計量機及び組み合わせ計量機の使用方法は、簡便な構成で効率の良い秤量が可能となり、計量機の用途を拡大することを可能とし、作業効率を向上させ、計量機の用途を拡大することを可能とし、産業上の利用可能性は大である。