(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022094176
(43)【公開日】2022-06-24
(54)【発明の名称】複数モードに関係する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20220617BHJP
【FI】
G06F3/01 570
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020207052
(22)【出願日】2020-12-14
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】518427524
【氏名又は名称】未來市股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【弁理士】
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【弁理士】
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【弁護士】
【氏名又は名称】木内 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】▲ホアン▼ 靖▲ニィン▼
(72)【発明者】
【氏名】許 堅致
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA64
5E555BA38
5E555BB38
5E555BC08
5E555BE17
5E555CA42
5E555CA44
5E555CA45
5E555CB66
5E555CB68
5E555CB82
5E555CC22
5E555DA08
5E555EA22
5E555FA00
(57)【要約】 (修正有)
【課題】グローバル座標系の測位情報を更に提供する複数モードに関係する方法及び装置を提供する。
【解決手段】グローバル座標系の測位情報が動き感知装置に提供する方法において、装置のプロセッサが第1のモードで動作するS210。第1のモードは、ホストモード又はクライアントモードである。ホストモードは、クライアントモードで動作するデバイスへグローバル座標系に関係する情報をブロードキャストする。プロセッサは、切替え条件を検出し、第1のモードから第2のモードに切り替えるS230。第2のモードは、ホストモードとクライアントモードのうちのもう1つである。装置は、第2のモードで動作するS250。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のモードで動作することであって、前記第1のモードがホストモードとクライアントモードのうちの1つであり、前記ホストモードが、前記クライアントモードで動作する他の装置へ、グローバル座標系に関係する情報をブロードキャストするよう構成されることと、
切替え条件を検出し、前記切替え条件の検出結果に基づき、前記第1のモードから第2のモードへ切り替えることであって、前記第2のモードが前記ホストモードと前記クライアントモードのうちのもう一方であることと、
前記第2のモードで動作すること
を含む、
方法。
【請求項2】
通信トランシーバと、
プログラムコードを格納する、メモリと、
前記メモリと前記通信トランシーバとに結合され、
前記通信トランシーバにより、第1のモードで動作することであって、前記第1のモードがホストモードとクライアントモードのうちの1つであり、前記ホストモードが、前記クライアントモードで動作する他の装置へ、グローバル座標系に関係する情報を前記通信トランシーバによりブロードキャストするよう構成されることと、
切替え条件を検出し、前記切替え条件の検出結果に基づき、前記第1のモードから第2のモードへ切り替えることであって、前記第2のモードが前記ホストモードと前記クライアントモードのうちのもう一方であることと、
前記通信トランシーバにより、前記第2のモードで動作することと
を実行するため、前記プログラムコードを読み込み実行するよう構成された、プロセッサと
を含む、
装置。
【請求項3】
前記切替え条件を検出するステップが、
運動状態を判定することであって、前記運動状態が移動状態と静止状態とを含み、前記切替え条件が、前記移動状態と前記静止状態のうちの1つが検出されることであること
を含む、
請求項1に記載の方法、
又は、
前記プロセッサに結合され、前記装置の動きを検出する、モーションセンサを更に含み、
前記プロセッサが、
前記モーションセンサの検出結果に基づき運動状態を判定することであって、前記運動状態が移動状態と静止状態とを含み、前記切替え条件が、前記移動状態と前記静止状態のうちの1つが検出されることであること
を行うよう更に構成された、
請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ホストモードが前記静止状態に対応し、前記クライアントモードが前記移動状態に対応する、
請求項3に記載の方法、
又は、
請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1のモードが前記ホストモードであり、前記第1のモードで動作するステップが、
前記グローバル座標系の原点として設定することと、
前記原点に関係する情報をブロードキャストすることと
を含む、
請求項1に記載の方法、
又は、
前記第1のモードが前記ホストモードであり、
前記プロセッサが、
前記グローバル座標系の原点として設定することと、
前記通信トランシーバにより、前記原点に関係する情報をブロードキャストすることと
を行うよう更に構成された、
請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記原点が現実環境内の現実オブジェクトに位置すると設定することであって、前記現実オブジェクトが前記グローバル座標系と前記現実環境との間の関係性のために用いられること
を更に含む、
請求項5に記載の方法、
又は、
前記プロセッサが、前記原点が現実環境内の現実オブジェクトに位置すると設定するよう更に構成され、前記現実オブジェクトが前記グローバル座標系と前記現実環境との間の関係性のために用いられる、
請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記現実環境において撮像された画像に基づき、前記現実オブジェクトを識別すること
を更に含む、
請求項6に記載の方法、
又は、
前記プロセッサに結合された、画像撮像装置を更に含み、
前記プロセッサが、前記現実環境において前記画像撮像装置により撮像された画像に基づき、前記現実オブジェクトを識別するよう更に構成された、
請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記ホストモードがBeaconステーションとして設定され、前記クライアントモードがBeaconレシーバとして設定される、
請求項1に記載の方法、
又は、
請求項2に記載の装置。
【請求項9】
前記第1のモードが前記ホストモードであり、前記第1のモードで動作するステップが、
外部情報を送信することであって、前記外部情報がメッセージ転送と近接アラームの少なくとも1つに関係すること
を更に含む、
請求項8に記載の方法、
又は、
前記第1のモードが前記ホストモードであり、
前記プロセッサが、前記通信トランシーバにより、外部情報を送信するよう更に構成され、前記外部情報がメッセージ転送と近接アラームの少なくとも1つに関係する、
請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記第1のモードが前記ホストモードであり、前記第1のモードで動作するステップが、
慣性計測関連情報を取得することを停止することを更に含む、
請求項8に記載の方法、
又は、
前記プロセッサに結合され、前記装置の動きを検出する、モーションセンサを更に含み、
前記第1のモードが前記ホストモードであり、前記プロセッサが、前記モーションセンサにより慣性計測関連情報を取得することを停止するよう更に構成された、
請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記第1のモードが前記クライアントモードであり、前記第1のモードで動作するステップが、
慣性計測関連情報を追跡することと、
前記グローバル座標系に関係する情報をブロードキャストすることを停止することと
を更に含む、
請求項8に記載の方法、
又は、
前記プロセッサに結合され、前記装置の動きを検出する、モーションセンサを更に含み、
前記第1のモードが前記クライアントモードであり、前記プロセッサが、
前記モーションセンサにより慣性計測関連情報を追跡することと、
前記通信トランシーバにより前記グローバル座標系に関係する情報をブロードキャストすることを停止することと
を行うよう更に構成された、
請求項8に記載の装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モード制御メカニズムに関するものであり、特に、複数モードに関係する方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
いくつかの電子装置は、ユーザの(手、脚、頭等といった)人体部位がこれら電子装置の動作を制御することを可能とし、これら人体部位の動きを追跡することができる。例えば、ある仮想現実(VR)製品は手持ち型コントローラを提供し、手持ち型コントローラはユーザの手の動きを追跡するため慣性計測装置(IMU)を含む。検出された人体部位の動きは、人体部位を測位するために更に用いられることができる。IMUに基づく位置情報は、ローカル座標系のために用いられるのみである。しかし、ローカル座標系の位置情報は現実環境とは関係しておらず、現実環境における他のオブジェクトとのインタラクションに関係する他のアプリケーションのために用いられない可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
IMUはローカル座標系において測位するために用いられるのみである可能性がある。従って、本発明は、グローバル座標系の測位情報を更に提供するため、複数モードに関係する方法及び装置を対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
例示的な実施形態の1つにおいて、該方法は、以下のステップを含むが、これに限定されない。第1のモードが動作される。第1のモードはホストモード又はクライアントモードであり、ホストモードは、クライアントモードで動作する他の装置に対し、グローバル座標系に関係する情報をブロードキャストするよう構成される。切替え条件が検出され、第1のモードが第2のモードに切り替えられる。第2のモードは、ホストモード又はクライアントモードのうちのもう一方である。第2のモードが動作される。
【0005】
例示的な実施形態の1つにおいて、装置は、通信トランシーバと、メモリと、プロセッサとを含むが、これに限定されない。メモリはプログラムコードを格納するために用いられる。プロセッサはメモリと通信トランシーバとに結合される。プロセッサは、以下のステップを実行するためプログラムコードを読み込み実行するよう構成される。第1のモードが動作される。第1のモードはホストモード又はクライアントモードであり、ホストモードは、クライアントモードで動作する他の装置に対し、グローバル座標系に関係する情報をブロードキャストするよう構成される。切替え条件が検出され、第1のモードが第2のモードに切り替えられる。第2のモードは、ホストモード又はクライアントモードのうちのもう一方である。第2のモードが動作される。
【発明の効果】
【0006】
上記を鑑み、複数モードに関係する方法及び装置によると、切替え条件が一致したときホストモードとクライアントモードとの間で切り替えられる。従って、複数モードが提供されることができる。
【0007】
ただし、この概要は本発明の全ての様態と実施形態を含むものではなく、如何なる方法でも限定又は制限を意図するものではないことを理解されたい。そして、ここで開示される発明は、その明らかな改善と改変を含むと当業者により理解される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の更なる理解のため添付図面が含まれ、本明細書に包含され、本明細書の一部を構成する。図面は本発明の実施形態を表し、明細書と共に、本発明の原理を説明する役割を果たす。
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の例示的な実施形態の1つによる装置を表すブロック図である。
【0010】
【
図2】
図2は、本発明の例示的な実施形態の1つによる方法を表すフロー図である。
【0011】
【
図3】
図3は、本発明の例示的な実施形態の1つによる測位システムを表す概略図である。
【0012】
【
図4】
図4は、本発明の例示的な実施形態の1つによる動き追跡システムを表す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の好ましい実施形態の詳細を述べる。実施例は添付の図面に表される。可能な限り、図面と明細書において同一の符号が同一又は類似の部材に対し用いられる。
【0014】
図1は、本発明の例示的な実施形態の1つによる装置100を表すブロック図である。
図1を参照し、装置100は、メモリ110と、プロセッサ130と、通信トランシーバ150と、モーションセンサ170とを含むが、これに限定されない。1つの実施形態において、装置100は、手持ち型コントローラ、又は、装着型コントローラ、スマートウォッチ、足首センサ、腰ベルト、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)等といった装着型装置であることができる。いくつかの実施形態において、装置100は、XR又は他の現実関連技術に適合される。
【0015】
メモリ110は、固定又は取り外し可能なランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、類似のデバイス、又は上記デバイスの組合せの如何なる種類であってもよい。1つの実施形態において、メモリ110は、プログラムコード、デバイス設定、バッファデータ、又は(位置情報、運動状態、又は外部情報といった)永続的データを記録し、これらデータについては後に紹介する。
【0016】
プロセッサ130はメモリ110に結合される。プロセッサ130は、本発明の例示的な実施形態の手順を実行するため、メモリ110に格納されたプログラムコードを読み込むよう構成される。
【0017】
いくつかの実施形態において、プロセッサ130は、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)、デジタル信号処理(DSP)チップ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)であってよい。プロセッサ150の機能は、独立した電子デバイス又は集積回路(IC)により実装されてもよく、プロセッサ130の動作はソフトウェアにより実装されてもよい。
【0018】
通信トランシーバ150はプロセッサ130に結合される。通信トランシーバ150は、Bluetooth、Wi-Fi、IR、RFID、又は他の無線通信技術と互換性があることができる。1つの実施形態において、通信トランシーバ150は、他の装置100と無線信号を送受信するために用いられる。
【0019】
モーションセンサ170はプロセッサ130に結合される。モーションセンサ170は、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、慣性測定ユニット(IMU)、又は上記のセンサの任意の組合せであってよい。1つの実施形態において、モーションセンサ170は、ある時間内の複数の時点でモーションセンサ170の(加速度、回転、磁力等といった)感知結果から一連の感知データを生成するため、該時間にて装置100を装着したユーザの対応する人体部位の動きを感知するために用いられる。1つの例として、感知データは3-DoF(Degree of Freedom:自由度)データを含み、3-DoFデータは、ヨー、ロール、ピッチの加速度といった、3次元(3D)空間における人体部位の方位情報に関連する。
【0020】
1つの実施形態において、装置100は画像撮像装置190を更に含む。画像撮像装置190は、モノクロカメラ又はカラーカメラといったカメラ、深層学習対応カメラ、ビデオレコーダ、又は画像を撮像できるその他の画像撮像装置であってよい。1つの実施形態において、画像撮像装置190は、外部を撮像するため、装置100の本体に設けられる。例えば、ユーザが装置100を装着したとき、画像撮像装置190はユーザの目の前方の位置にあってよい。
【0021】
1つの実施形態において、HMD又はデジタルメガネは、メモリ110と、プロセッサ130と、通信トランシーバ150と、画像撮像装置190とを含む。いくつかの実施形態において、プロセッサ150は、通信トランシーバ150及び/又は画像撮像装置190と同一の装置に設けられなくてよい。ただし、プロセッサ130、通信トランシーバ150、画像撮像装置190をそれぞれ搭載する機器は、互いにデータを送受信するため、Bluetooth、Wi-Fi、赤外線無線通信といった、互換性のある通信技術を有する通信トランシーバ、又は物理的な伝送路を更に含んでよい。例えば、画像撮像装置190がHMDの外に設けられるのに対し、プロセッサ130はHMD内に設けられてよい。もう1つの例として、プロセッサ130は演算装置内に設けられてよく、ディスプレイ120が演算装置の外に設けられる。
【0022】
本発明の1以上の実施形態において提供される動作処理をより理解し易くするよう、装置100の動作処理を詳述するため、いくつかの実施形態を以下に例示する。装置100内のデバイスとモジュールは、ここで提供される複数モードに関係する方法及び装置を説明するための、下記の実施形態において適用される。方法の各ステップは実際の実装状況に応じて調整でき、ここで説明されるものに限定されるべきではない。
【0023】
図2は、本発明の例示的な実施形態の1つによる方法を表すフロー図である。
図2を参照し、プロセッサ130は、通信トランシーバ150により第1のモードで動作してよい(ステップS210)。具体的には、第1のモードは、ホストモードとクライアントモードのうちの1つである。ホストモードは、クライアントモードで動作される(装置100又は他のデバイス)へ、通信トランシーバ150により、グローバル座標系に関係する情報をブロードキャストするよう構成される。クライアントモードで動作する装置100又はもう1つのデバイスは、グローバル座標系の位置情報を判定するため、受け取った情報又は受け取った信号強度を用いてよい。更に、グローバル座標系は現実環境に対応する座標系である。例えば、建築空間の3次元座標系。
【0024】
1つの実施形態において、ホストモードはBeaconステーションとして構成され、クライアントモードはBeaconレシーバとして構成される。Beaconステーションは、その識別子を含むメッセージをブロードキャストしてよい。Beaconレシーバは、メッセージを受信し、Beaconステーションに対す距離を判定するため、信号の(受信信号強度インジケーション(RSSI)、受信チャネル電力インジケータ(RCPI)、参照信号受信電力(RSRP)といった)受信強度を用いてよい。三辺測量に基づき、3点の間の3つの距離が、3点の相対位置情報を判定するために用いることができる。装置100のうちの3つ(1以上のBeaconステーションと1以上のBeaconレシーバを含む)を上記の3点と仮定し、プロセッサ130は2つの装置100毎の間の相対距離を、装置100の間の距離関係として判定してよい。次いで、プロセッサ130は、距離関係と三辺測量とに基づき、グローバル座標系における追跡された装置の位置情報を生成してよい。
【0025】
BeaconはBluetoothに基づくブロードキャストプロトコルであることに注意されたい。ただし、他の実施形態において、ホストモードで動作する装置100は、Wi-Fi、ZigBee、又は他の無線通信に基づきブロードキャストしてよい。
【0026】
1つの実施形態において、ホストモードにて、プロセッサ130はグローバル座標系における原点として構成されてよい。例えば、装置100はグローバル座標系おいてその座標を(0,0,0)として設定してよい。プロセッサ130は更に、通信トランシーバ150により原点に関係する情報をブロードキャストしてよい。情報は、座標又は原点として標識されたタグであってよい。
【0027】
1つの実施形態において、ホストモードにて、プロセッサ130は原点が現実環境における現実オブジェクトに位置するよう設定してよい。現実オブジェクトは、壁、床、又は机であることができる。現実オブジェクトは、グローバル座標系と現実環境との間の関係性のために用いられる。クライアントモードで動作する装置100又は他のデバイスは、該関係性に基づき現実オブジェクトに対する位置を知ってよい。
【0028】
1つの実施形態において、現実オブジェクトの種類は予め定義される。例えば、現実オブジェクトは机であり、ユーザはホストモードで動作する装置100を机の上に置く。
【0029】
もう1つの実施形態において、現実オブジェクトの種類はユーザにより選択される。例えば、ユーザはホストモードで動作する装置100を壁に置き、次いでディスプレイ上のユーザインターフェイスで現実オブジェクトを壁として選択してよい。
【0030】
いくつかの実施形態において、プロセッサ130は、現実環境において画像撮像装置190により撮像された画像に基づき、現実オブジェクトを識別してよい。例えば、画像撮像装置190が搭載された1つの装置100は、(機械学習ベースの推定又は画像特徴比較といった)オブジェクト識別アルゴリズムに基づき、画像内のホストモードで動作するもう1つの装置100を識別してよい。装置100は更に、現実オブジェクトの種類を判定するため、ホストモードで動作する装置100が位置する現実オブジェクトを識別してよい。
【0031】
ホストモードで動作する装置100又はもう1つのデバイスなしでは、クライアントモードで動作する装置100は、ローカル座標系の位置情報を判定するためにモーションセンサ170の検出結果を用いるのみであることに注意されたい。例えば、6-DoFセンサが装置100の位置と回転情報を取得するために用いられてよい。回転情報は、センサにより取得された加速度、回転、磁力に従い推定されてよい。次いで、装置100の変位が、検出された加速度の二重積分を介し推定されることができる。
【0032】
ただし、ローカル座標系の位置情報は、現実環境又は(他のユーザのHMDシステムといった)他のシステムに関係しない可能性がある。例えば、あるHMDシステムは、HMDと手持ち型コントローラとを含む。このHMDシステムはそのローカル座標系を有する。ただし、このローカル座標系はペアリングされていないもう1つの手持ち型コントローラ又はもう1つのHMDシステムのために適合されていない可能性がある。
【0033】
いくつかの実施形態において、ホストモードにて、プロセッサ130は更に、ブロードキャストメカニズムに基づき、通信トランシーバ150により外部情報を送信してよい。外部情報は、メッセージ転送及び/又は近接アラームに関係してよい。例えば、メッセージ転送について、メッセージは、テキスト、画像、音声、及び/又は映像を含むか又は関係してよい。クライアントモードで動作するもう1つの装置100又はデバイスは、メッセージを復号して、もう1つの詳細なメッセージといった更なる情報を取得してよい。近接アラームについて、クライアントモードで動作するHMDがホストモードで動作する手持ち型コントローラに近づいた場合、HMDは外部情報を受け取ってよい。次いで、アニメーション又は通知といった効果がHMDのディスプレイ上に表示されてよい。或いは、アラームの警告トーンが発せられてよい。
【0034】
一方、1つの実施形態において、クライアントモードにて、上述したように、プロセッサ130は通信トランシーバ150により、ホストモードで動作するもう1つの装置100からブロードキャストメッセージを受け取ってよい。ブロードキャストメッセージは、測位、メッセージ転送、又は近接アラームのために用いられてよい。
【0035】
いくつかの実施形態において、クライアントモードにて、プロセッサ130は更に、モーションセンサ170により慣性計測関連情報を追跡してよい。慣性計測関連情報は、加速度、回転、3-DoF、又は6-DoF情報であることができる。
【0036】
プロセッサ130は、切替え条件を検出し、切替え条件の検出結果に基づき、第1のモードから第2のモードに切り替えてよい(ステップS230)。具体的には、第2のモードはホストモードとクライアントモードのうちのもう1つである。即ち、第2のモードは第1のモードとは異なる。例えば、第1のモードがクライアントモードであり、第2のモードはホストモードである。或いは、第1のモードがホストモードであり、第2のモードはクライアントモードである。
【0037】
1つの実施形態において、プロセッサ130は、モーションセンサ170の検出結果に基づき運動状態を判定してよい。運動状態は、移動状態又は静止状態であることができる。モード間の切替え条件は、移動状態と静止状態のうちの1つが検出されることである。移動状態は、装置100の変位及び/又は回転が許容範囲を超えた状況であってよい。例えば、ユーザが装置100を装着して歩き、そのとき移動状態が検出される。一方、静止状態は、装置100の変位及び/又は回転が許容範囲を超えない状況であってよい。例えば、ユーザが装置100を床に置き、静止状態が検出される。
【0038】
1つの実施形態において、ホストモードは静止状態に対応し、クライアントモードは移動状態に対応する。装置100の運動状態が静止状態である場合、クライアントモード(即ち、第1のモード)がホストモード(即ち、第2のモード)に切り替わる。一方、装置100の運動状態が移動状態である場合、ホストモード(即ち、第1のモード)がクライアントモード(即ち、第2のモード)に切り替わる。
【0039】
モードが変わった後、プロセッサ130は、通信トランシーバ150により、第2のモードで動作してよい(ステップS250)。具体的には、ステップS210で言及したように、第2のモードがホストモードである場合、装置100は情報をブロードキャストしてよい。第2のモードがクライアントモードである場合、装置100はブロードキャストされた情報を受け取り、慣性計測関連情報を取得してよい。
【0040】
1つの実施形態において、ホストモードにて、プロセッサ130は更に、モーションセンサ170による慣性計測関連情報の取得を停止してよい。ホストモードで動作する装置100は、位置基準、例えば原点と見なされる。ホストモードで動作する装置の如何なる動きも、グローバル座標系における測位の安定性に影響する可能性がある。このため、装置100の運動状態が静止状態であり、常に装置100の動きを更に検出する必要はない。ただし、運動状態が変化したか否かを判定するため、慣性計測関連情報は定期的に検出されてよい。いくつかの実施形態において、プロセッサ130はホストモードの間、単に慣性計測関連情報を無視する。
【0041】
例えば、
図3は、本発明の例示的な実施形態の1つによる測位システムを表す概略図である。
図3を参照し、装置100は、HMD20、80、足首センサ40、50、又は手持ち型コントローラ60であることができる。HMD20、80、足首センサ40、手持ち型コントローラ60は、クライアントモードで動作する。足首センサ50はホストモードで動作する。このため、足首センサ50は、グローバル座標系に関係する情報をブロードキャストしてよく、HMD20、80、足首センサ40、手持ち型コントローラ60は、グローバル座標系における位置情報を判定するため、受信信号強度を用いてよい。ユーザU1により装着されたHMD20又は足首センサ50は、グローバル座標系におけるユーザU2により装着されたHMD80の相対位置を知ってよいことに注意されたい。2つのHMD20と80が近すぎる場合、例えば、HMD20と80との間の距離が1メートル未満である場合、近接アラームが生成されてよい。ただし、ホストモードで動作する足首センサ50なしには、HMD20はHMD80の相対位置を知らない可能性がある。
【0042】
1つの実施形態において、クライアントモードにて、プロセッサ130は更に、グローバル座標系に関係する情報をブロードキャストすることを停止してよい。情報をブロードキャストする1つの装置100が、位置基準となるよう用いられる。ただし、クライアントモードにて、装置100は人体部位の動きを検出するため、ユーザにより装着されてよい。
【0043】
例えば、
図4は、本発明の例示的な実施形態の1つによる動き追跡システムを表す概略図である。
図4を参照し、実施形態と比較し、ユーザU1は更に足首センサ40を装着している。このため、ユーザU1の手、頭、足首の動きが追跡されることができる。
【0044】
まとめると、上述した例示的な実施形態は、複数モードに関係する方法及び装置を描写している。ホストモードとクライアントモードである2つのモードが提供され、モードは切り替えられることができる。従って、装置はグローバル座標系の測位情報を取得してよく、装置の機能を増加することができる。
【0045】
当業者にとって、本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、本発明の構造に様々な改変と変形を行うことができることは明らかであろう。上記を鑑み、本発明は、以下の特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内にあるという条件で、本発明の改変及び変形を網羅することを意図している。
【産業上の利用可能性】
【0046】
複数モードに関係する方法及び装置は、モード制御メカニズムに応用することができる。
【符号の説明】
【0047】
100:装置
110:メモリ
130:プロセッサ
150:通信トランシーバ
170:モーションセンサ
190:画像撮像装置
S210~S250:ステップ
U1、U2:ユーザ
20、80:HMD
40、50:足首センサ
60:手持ち型コントローラ
【外国語明細書】