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  • 特開-充電デバイスの制御方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022094338
(43)【公開日】2022-06-24
(54)【発明の名称】充電デバイスの制御方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/6568 20140101AFI20220617BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20220617BHJP
   H02J 7/04 20060101ALI20220617BHJP
   H02H 7/125 20060101ALI20220617BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20220617BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20220617BHJP
   H01M 10/6556 20140101ALI20220617BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20220617BHJP
【FI】
H01M10/6568
H02J7/00 P
H02J7/04 H
H02H7/125
H01M10/48 301
H01M10/48 P
H01M10/613
H01M10/6556
H01M10/625
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021201056
(22)【出願日】2021-12-10
(31)【優先権主張番号】10 2020 133 306.4
(32)【優先日】2020-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】510238096
【氏名又は名称】ドクター エンジニール ハー ツェー エフ ポルシェ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Dr. Ing. h.c. F. Porsche Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Porscheplatz 1, D-70435 Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100094525
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100094514
【弁理士】
【氏名又は名称】林 恒徳
(72)【発明者】
【氏名】カルステン ヘーレ
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン メッツガー
【テーマコード(参考)】
5G053
5G503
5H030
5H031
【Fターム(参考)】
5G053AA14
5G053BA06
5G053CA04
5G053EB05
5G053FA05
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA06
5G503FA18
5H030AS08
5H030FF22
5H030FF42
5H030FF43
5H030FF44
5H030FF52
5H031AA09
5H031HH06
5H031KK08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】充電デバイスの制御方法を提供する。
【解決手段】充電デバイス(1)の入力側電源に対する第1の電気接続(4)と、充電されるデバイスの出力側電源に対する第2の電気接続(5)と、電力電子システム(7)を有する充電電子システム(6)と、クーラント供給配管(10)及びクーラント戻り配管(11)を有する冷却デバイス(9)と、電力電子システム(7)の電力半導体の障壁層の温度を確認するための少なくとも1つの第1の温度センサ(12)と、クーラントの温度を確認するための少なくとも1つの第2の温度センサ(13、14)と、充電電子システム(6)の入力電力を決定するための手段と、充電電子システム(6)の出力電力を決定するための手段とを有し、第1の温度センサ(12)が、時間的に離散してモニタリングされ、障壁層の最大温度を超えないよう障壁層の温度の変化率が制限されるように電力損失が制御される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電デバイス(1)、特に、自動車(3)のエネルギーストア(2)を充電するための充電デバイス(1)を制御する方法であって、
前記充電デバイス(1)が、前記充電デバイス(1)の入力側電源に対する第1の電気接続(4)と、充電されるデバイスの出力側電源に対する第2の電気接続(5)と、電力電子システム(7)を有する充電電子システム(6)と、クーラント供給配管(10)及びクーラント戻り配管(11)を有する冷却デバイス(9)と、前記電力電子システム(7)の電力半導体の障壁層の温度を確認するための少なくとも1つの第1の温度センサ(12)と、前記クーラントの温度を確認するための少なくとも1つの第2の温度センサ(13、14)と、前記充電電子システム(6)の入力電力を決定するための手段と、前記充電電子システム(6)の出力電力を決定するための手段と、を有し、
前記方法が、前記電力電子システム(7)の前記電力半導体の前記障壁層の前記温度の変化率を確認するために、少なくとも前記第1の温度センサ(12)が、時間的に離散してモニタリングされ、前記障壁層の最大温度を超えないよう前記障壁層の前記温度の前記変化率が制限されるように、前記充電電子システム(6)の電力損失が制御されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記充電電子システム(6)の前記電力損失が、前記充電電子システム(6)の前記出力電力と、前記充電電子システム(6)の前記入力電力との間の差から決定されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記電力電子システム(7)を有する前記充電電子システム(6)が、出力側充電電流及び出力側充電電圧、すなわち前記出力電力、によって前記出力電力を制御するために使用され、前記出力側充電電圧及び/又は前記出力側充電電流を制限すること、及び/又は減少させることによって、前記出力電力が、制限され、及び/又は減少させられることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの第2の温度センサ(13、14)が、前記クーラント供給配管(10)における、又は前記クーラント戻り配管(11)における、又は前記クーラント供給配管(10)と前記クーラント戻り配管(11)との間の前記クーラントの温度を確認するために設けられること、又は2つの第2の温度センサ(13、14)が、前記クーラント供給配管(10)及び前記クーラント戻り配管(11)において前記クーラントの温度を確認するために設けられることを特徴とする、請求項1~3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記電力電子システム(7)の前記電力半導体の前記障壁層の温度を確認するための前記少なくとも1つの第1の温度センサ(12)が、例えば回路遮断器などの前記電力電子システム(7)の素子において、前記電力電子システム(7)の前記温度を直接測定するために設けられること、又は前記電力電子システム(7)の前記電力半導体の前記障壁層の温度を確認するための前記少なくとも1つの第1の温度センサ(12)が、前記電力電子システム(7)の冷却素子に、前記電力電子システム(7)の前記温度を間接的に測定するために設けられることを特徴とする、請求項1~4の何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
特性マップが使用され、前記特性マップを使用して、前記充電電子システム(6)の前記電力損失が、測定値に基づいて制御されることを特徴とする、請求項1~5の何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記特性マップが、以下の変数:前記充電電子システム(6)の出力電流、前記充電電子システム(6)の出力電圧、前記充電電子システム(6)の出力電力、前記充電電子システム(6)の入力電流、前記充電電子システム(6)の入力電圧、前記充電電子システム(6)の入力電力、前記充電電子システム(6)の電力損失、前記クーラントの温度、前記クーラント供給配管(10)における前記クーラントの温度、前記クーラント戻り配管(11)における前記クーラントの温度、障壁層の温度、ヒートシンクの温度、温度、電圧、電流、電力から少なくとも1つのそのような変数に関する、及び最大許容変化率に関する、特に、1つの動作状態に関する、又は様々な動作状態に関する、少なくとも1つの限界値、又は複数の限界値の内の少なくとも1つのデータを含み得ることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
限界値コントローラとして設けられた電流及び電圧コントローラ(21、22)の上位にある、温度コントローラ(20)が使用されることを特徴とする、請求項1~7の何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記温度コントローラ(20)が、前記少なくとも1つの温度、又は前記複数の温度の最大発生変化率を考慮に入れ、ひいては、必要に応じ、前記少なくとも1つの変化率に関する規定限界値を考慮に入れることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記温度コントローラ(20)が、PIDコントローラとして、観察者を有する状態コントローラとして、及び/又はファジー論理コントローラとして設計されることを特徴とする、請求項8又は9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電デバイス、特に、自動車を充電するための充電デバイスを制御する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、電気自動車又はハイブリッド車のように、電気駆動部を有する自動車が知られている。これらの自動車は、充電デバイスを用いて充電することができる、バッテリとも呼ばれる電気エネルギーストアを有し、その結果、電気エネルギーストアに充電された電気エネルギーは、自動車を駆動するために使用することができる。
【0003】
充電ステーション又は充電コラムとも呼ばれる、このような充電デバイスは、入力側電源に対する第1の電気接続と、出力側電源に対する第2の電気接続と、電力電子システムを備えた充電電子システムとを有する。入力側電源に対する第1の電気接続は、例えば、AC送電網へのAC接続によって、電力を充電デバイスに供給するために使用される。出力側電源に対する第2の電気接続は、例えば、電気エネルギーストアへのAC接続又はDC接続によって、接続された電気エネルギーストア、例えば自動車に電力を供給するために使用される。充電デバイスの内蔵電力電子システムを有する充電電子システムは、この場合、とりわけ、出力側充電電流及び出力側充電電圧を制御するため、並びに充電デバイス及びそのコンポーネント(充電電子システムの電力電子システムなど)を冷却するためにも使用される。
【0004】
ここでは、充電デバイスの温度、充電デバイスの供給配管におけるクーラント温度、及び充電デバイスの戻り配管におけるクーラント温度が、一般的にモニタリングされる。この場合、充電デバイス又はクーラントのモニタリングされた温度が、限界値に達すると、出力側充電電流又は出力電力は、減少させられ、又は停止される。さらに、電力電子システムの電力半導体の最大障壁層温度を超えたとき、又は電力電子システムの温度又は障壁層温度と、クーラント温度との間の相対温度差が、限界値を超えたときに、停止が行われる。この場合、冷却が、意図された通りに機能していないと推測される。
【0005】
規定のロードポイントを超える充電動作中に、供給配管におけるクーラント温度が、戻り配管におけるクーラント温度と等しいときにも、その場合、冷却システムが、故障している、又は正常に機能していないと推測されるため、停止が行われる。
【0006】
しかしながら、例えば、自動車のエネルギーストアを充電するために、できる限り頻繁に、及びできる限り長く、顧客に充電デバイスを提供することができるかの問題であるため、充電デバイスの停止時間は、熱的影響により、又は冷却に関連する問題により、大部分は望ましくない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、充電デバイスの高い可用性を達成する、充電デバイスの制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的は、請求項1の特徴によって達成される。
【0009】
本発明の例示的実施形態は、充電デバイス、特に、自動車のエネルギーストアを充電するための充電デバイスを制御する方法であって、充電デバイスが、充電デバイスの入力側電源に対する第1の電気接続と、充電されるデバイスの出力側電源に対する第2の電気接続と、電力電子システムを備えた充電電子システムと、クーラント供給配管及びクーラント戻り配管を有する冷却デバイスと、電力電子システムの電力半導体の障壁層の温度を確認するための少なくとも1つの第1の温度センサと、クーラントの温度を確認するための少なくとも1つの第2の温度センサと、充電電子システムの入力電力を決定するための手段と、充電電子システムの出力電力を決定するための手段と、を有し、電力電子システムの電力半導体の障壁層の温度の変化率を確認するために、少なくとも第1の温度センサが、時間的に離散してモニタリングされ、障壁層の最大温度を超えないよう障壁層の温度の変化率が制限されるように、充電電子システムの電力損失が制御又は規制される、方法に関する。したがって、冷却の失敗時、又は充電デバイスの冷却の制限時であっても、充電デバイスは、場合によっては、電力は低下するが、操作され続けることができる。しかしながら、充電デバイスは、顧客による使用が利用可能なままである。この場合、例えば、変化率を減少させるために、電力損失が減らされる。
【0010】
ある例示的実施形態では、充電電子システムの電力損失が、充電電子システムの出力電力と、充電電子システムの入力電力との間の差から決定されることも有利である。この電力損失は、この場合、障壁層の最大温度を超えないよう障壁層の温度の変化率が制限される、充電電子システムの駆動システムにも導入され得る。
【0011】
別の例示的実施形態では、電力電子システムを備えた充電電子システムが、出力側充電電流及び出力側充電電圧によって出力電力を制御するために使用され、すなわち出力電力であり、出力電力が、出力側充電電圧及び/又は出力側充電電流を制限すること、及び/又は減少させることによって、制限され、及び/又は減少させられることも有利である。その結果、このような調整は、電力損失を減少させることができ、それは、障壁層の温度の変化率の減少をもたらし、障壁層の温度の限界温度の起こり得る超過が、後で生じ、又は全く生じず、その結果、充電デバイスは、充電目的で、顧客にとって、より長い時間、又は永久に利用可能である。
【0012】
少なくとも1つの第2の温度センサが、クーラント供給配管における、又はクーラント戻り配管における、又はクーラント供給配管とクーラント戻り配管との間のクーラントの温度を確認するために設けられること、又は2つの第2の温度センサが、クーラント供給配管及びクーラント戻り配管においてクーラントの温度を確認するために設けられることも有利である。したがって、クーラントの温度、及び/又はクーラント供給配管及び/又はクーラント戻り配管におけるクーラントの温度の進展も、充電デバイスの停止を防止する目的で、上記各温度及び/又は障壁層の温度の変化率を確認するために、具体的には、時間的に離散して同じものをモニタリングすることによっても考慮に入れられ得る。
【0013】
電力電子システムの電力半導体の障壁層の温度を確認するための少なくとも1つの第1の温度センサが、例えば回路遮断器などの電力電子システムの素子において、電力電子システムの温度を直接測定するために設けられること、又は電力電子システムの電力半導体の障壁層の温度を確認するための少なくとも1つの第1の温度センサが、電力電子システムの冷却素子に、電力電子システムの温度を間接的に測定するために設けられることも有利である。したがって、十分な精度で、障壁層の関連温度、特に、その変化率も測定、計算、又は推定することが可能である。
【0014】
別の例示的実施形態では、特性マップが使用され、これを使用して、充電電子システムの電力損失が、測定値に基づいて制御又は規制されることも得策である。その結果、例えば、特性マップの少なくとも1つの値が、多数の動作点に関して、又は各動作点に関して決定されることが可能であり、これは、障壁層を限界温度未満に維持するために、電力損失の制御をもたらし得る。
【0015】
特性マップが、以下の変数:充電電子システムの出力電流、充電電子システムの出力電圧、充電電子システムの出力電力、充電電子システムの入力電流、充電電子システムの入力電圧、充電電子システムの入力電力、充電電子システムの電力損失、クーラントの温度、クーラント供給配管におけるクーラントの温度、クーラント戻り配管におけるクーラントの温度、電力電子システムの電力半導体の障壁層の温度、ヒートシンクの温度、温度、電圧、電流、電力から少なくとも1つのそのような変数に関する、及び最大許容変化率に関する、特に、1つの動作状態に関する、又は様々な動作状態に関する、少なくとも1つの限界値、又は複数の限界値の内の少なくとも1つのデータを含むことも得策である。その結果、これらの変数の選択に応じて、多くの停止が生じることなく、又は停止が全く生じることなく、充電デバイスの可用性の良好な範囲を達成することが可能である。
【0016】
限界値コントローラとして設けられた電流及び電圧コントローラの上位にある、温度コントローラが使用されることも得策である。その結果、多くの停止が生じることなく、又は停止が全く生じることなく、充電デバイスの可用性の良好な範囲を達成することも可能である。
【0017】
温度コントローラが、少なくとも1つの温度、又は複数の温度の最大発生変化率を考慮に入れ、ひいては、必要に応じ、少なくとも1つの変化率に関する規定限界値を考慮に入れることも有利である。したがって、限界値に基づいて適切に調整された変化率をもたらす規制を行うことが可能であり、その結果、限界値を超えない。
【0018】
特に、温度コントローラが、PIDコントローラとして、観察者を有する状態コントローラとして、及び/又はファジー論理コントローラとして設計されることが有利である。したがって、迅速規制方法を実施することができ、これは、限界値を超えないように非常に正確に動作することもできる。
【0019】
以下に、例示的実施形態に基づいて、及び図面を参照して、本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】自動車のエネルギーストアを充電するための充電デバイスの模式図を示す。
図2】本発明による方法の代替形態を実施するためのコントローラのブロック図の模式図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、充電デバイス1、特に、自動車3のエネルギーストア2を充電するための充電デバイス1を制御する方法に関する。この場合、充電されるエネルギーストア2は、自動車3以外の場所、例えば自転車、航空機、建物などに設置されるエネルギーストア2でもよい。充電デバイス1という用語は、例えば、それ自体で、又は幾つかの充電デバイス1を備えた充電パークの一部として、充電コラム、充電ステーション、又はその他のものとして設計されてもよい。
【0022】
図1は、充電デバイス1、特に、自動車3のエネルギーストア2を充電するための充電デバイス1の模式図を示す。
【0023】
充電デバイス1は、充電デバイス1の入力側電源に対する第1の電気接続4を有する。その結果、充電デバイス1は、例えば、AC電源、AC送電網、及び/又はDC電源又はDC送電網又は別の電気供給ステーションに接続され得る。
【0024】
さらに、充電デバイス1は、電気エネルギーストア2などの充電されるデバイスの出力側電源に対する第2の電気接続5を有する。この電気接続は、例えば、第2の電気接続5と、エネルギーストア2又は自動車3との間の充電ケーブルを使用して行われ得る。
【0025】
充電デバイス1は、電力電子システム7、及び任意選択的に制御電子システム8を有する充電電子システム6を備える。電力電子システム7は、出力電流及び出力電圧を制御し、任意選択的に、入力電流及び入力電圧も制御する。このために、電力電子システム7は、例えば、制御電子システム8によって作動させることができる電子回路遮断器を有する。
【0026】
クーラント供給配管10を有し、及びクーラント戻り配管11を有する冷却デバイス9も設けられ、冷却デバイス9は、電力電子システム7及びそのコンポーネントを冷却することができるように、少なくとも電力電子システム7と熱的接触する。冷却デバイス9は、液体又は気体クーラントを供給されることが可能で、冷却デバイス9を通るクーラントの流れを制御するために、内蔵ポンプ及び/又は外部ポンプが設けられてもよい。
【0027】
電力電子システム7の電力半導体の障壁層の温度を確認するために、少なくとも1つの第1の温度センサ12もまた設けられる。
【0028】
クーラントの温度を確認するために、少なくとも1つの第2の温度センサ13、14も任意選択的に設けられる。この場合、冷却デバイス9の規定の場所で、クーラントの温度を検出する、1つの第2の温度センサ13、14が設けられてもよい。また、2つの第2の温度センサ13、14が設けられてもよく、1つの第2の温度センサ14は、クーラント供給配管10に設けられてもよく、及び1つの第2の温度センサ13は、クーラント戻り配管11に設けられてもよい。クーラント供給配管10における、又はクーラント戻り配管11における、又はクーラント供給配管10とクーラント戻り配管11との間のクーラントの温度を確認するために、少なくとも1つの第2の温度センサ13、14が、任意選択的に設けられ、又はクーラント供給配管10及びクーラント戻り配管11においてクーラントの温度を確認するために、2つの第2の温度センサ13、14が設けられる。
【0029】
充電電子システム6の入力電力を決定するための手段、及び充電電子システム6の出力電力を決定するための手段も設けられ、これらは、制御電子システムに実装されることが可能である。
【0030】
この場合、本発明によれば、電力電子システム7の障壁層の温度及び温度の変化率を確認するために、少なくとも第1の温度センサ12が、時間的に離散してモニタリングされる。
【0031】
本発明によれば、具体的には、充電電子システム6の入力電力と出力電力との間の差としての電力損失は、障壁層の最大温度を超えないように障壁層の温度の変化率が制限されるように、制御される。
【0032】
この場合、任意選択的に、電力電子システム7及び制御電子システム8を有する充電電子システム6が、出力側充電電流及び出力側充電電圧によって出力電力を制御するために使用され、出力側充電電圧及び/又は出力側充電電流を制限すること、及び/又は減少させることによって、出力電力が、制限され、及び/又は減少させられることが有利となり得る。
【0033】
任意選択的に、電力電子システム7の温度を直接測定するため、回路遮断器などの電力電子システム7の素子において、電力電子システム7の電力半導体の障壁層の温度を確認するために、少なくとも1つの第1の温度センサ12が設けられることも有利である。代替的又は追加的に、少なくとも1つの第1の温度センサ12が、電力電子システム7の温度を間接的に測定するため、電力電子システム7の冷却素子に、電力電子システム7の電力半導体の障壁層の温度を確認するために設けられてもよい。
【0034】
特性マップも制御のために使用することができ、それを使用して、充電電子システム6の電力損失は、測定値に基づいて制御される。この場合、特性マップは、以下の変数:充電電子システム6の出力電流、充電電子システム6の出力電圧、充電電子システム6の出力電力、充電電子システム6の入力電流、充電電子システム6の入力電圧、充電電子システム6の入力電力、充電電子システム6の電力損失、クーラントの温度、クーラント供給配管10におけるクーラントの温度、クーラント戻り配管11におけるクーラントの温度、障壁層の温度、ヒートシンクの温度、温度、電圧、電流、電力から少なくとも1つのそのような変数に関する、及び最大許容変化率に関する、特に、1つの動作状態に関する、又は様々な動作状態に関する、少なくとも1つの限界値、又は複数の限界値の少なくとも1つのデータを含み得る。
【0035】
追加的又は代替的に、温度コントローラ20も使用することができ(図2を参照)、これは、限界値コントローラとして設けられた電流及び電圧コントローラ21、22の上位にある。
【0036】
この場合、温度コントローラ20は、少なくとも1つの温度、又は複数の温度の最大発生変化率を考慮に入れ、ひいては、必要に応じ、少なくとも1つの変化率に関する規定限界値を考慮に入れることができる。
【0037】
温度コントローラ20は、PIDコントローラとして、観察者を有する状態コントローラとして、及び/又はファジー論理コントローラとして設計されてもよい。
【符号の説明】
【0038】
1 充電デバイス
2 エネルギーストア
3 自動車
4 第1の電気接続
5 第2の電気接続
6 充電電子システム
7 電力電子システム
8 制御電子システム
9 冷却デバイス
10 クーラント供給配管
11 クーラント戻り配管
12 第1の温度センサ
13 第2の温度センサ
14 第2の温度センサ
20 温度コントローラ
21 電流コントローラ
22 電圧コントローラ
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2021-12-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電デバイス(1)、特に、自動車(3)のエネルギーストア(2)を充電するための充電デバイス(1)を制御する方法であって、
前記充電デバイス(1)が、前記充電デバイス(1)の入力側電源に対する第1の電気接続(4)と、充電されるデバイスの出力側電源に対する第2の電気接続(5)と、電力電子システム(7)を有する充電電子システム(6)と、クーラント供給配管(10)及びクーラント戻り配管(11)を有する冷却デバイス(9)と、前記電力電子システム(7)の電力半導体の障壁層の温度を確認するための少なくとも1つの第1の温度センサ(12)と、前記クーラントの温度を確認するための少なくとも1つの第2の温度センサ(13、14)と、前記充電電子システム(6)の入力電力を決定するための手段と、前記充電電子システム(6)の出力電力を決定するための手段と、を有し、
前記方法が、前記電力電子システム(7)の前記電力半導体の前記障壁層の前記温度の変化率を確認するために、少なくとも前記第1の温度センサ(12)が、時間的に離散してモニタリングされ、前記障壁層の最大温度を超えないよう前記障壁層の前記温度の前記変化率が制限されるように、前記充電電子システム(6)の電力損失が制御されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記充電電子システム(6)の前記電力損失が、前記充電電子システム(6)の前記出力電力と、前記充電電子システム(6)の前記入力電力との間の差から決定されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記電力電子システム(7)を有する前記充電電子システム(6)が、出力側充電電流及び出力側充電電圧、すなわち前記出力電力、によって前記出力電力を制御するために使用され、前記出力側充電電圧及び/又は前記出力側充電電流を制限すること、及び/又は減少させることによって、前記出力電力が、制限され、及び/又は減少させられることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの第2の温度センサ(13、14)が、前記クーラント供給配管(10)における、又は前記クーラント戻り配管(11)における、又は前記クーラント供給配管(10)と前記クーラント戻り配管(11)との間の前記クーラントの温度を確認するために設けられること、又は2つの第2の温度センサ(13、14)が、前記クーラント供給配管(10)及び前記クーラント戻り配管(11)において前記クーラントの温度を確認するために設けられることを特徴とする、請求項1~3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記電力電子システム(7)の前記電力半導体の前記障壁層の温度を確認するための前記少なくとも1つの第1の温度センサ(12)が、例えば回路遮断器などの前記電力電子システム(7)の素子において、前記電力電子システム(7)の前記温度を直接測定するために設けられること、又は前記電力電子システム(7)の前記電力半導体の前記障壁層の温度を確認するための前記少なくとも1つの第1の温度センサ(12)が、前記電力電子システム(7)の冷却素子に、前記電力電子システム(7)の前記温度を間接的に測定するために設けられることを特徴とする、請求項1~4の何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
特性マップが使用され、前記特性マップを使用して、前記充電電子システム(6)の前記電力損失が、測定値に基づいて制御されることを特徴とする、請求項1~5の何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記特性マップが、以下の変数:前記充電電子システム(6)の出力電流、前記充電電子システム(6)の出力電圧、前記充電電子システム(6)の出力電力、前記充電電子システム(6)の入力電流、前記充電電子システム(6)の入力電圧、前記充電電子システム(6)の入力電力、前記充電電子システム(6)の電力損失、前記クーラントの温度、前記クーラント供給配管(10)における前記クーラントの温度、前記クーラント戻り配管(11)における前記クーラントの温度、障壁層の温度、ヒートシンクの温度、温度、電圧、電流、電力から少なくとも1つのそのような変数に関する、及び最大許容変化率に関する、特に、1つの動作状態に関する、又は様々な動作状態に関する、少なくとも1つの限界値、又は複数の限界値の内の少なくとも1つのデータを含み得ることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
限界値コントローラとして設けられた電流及び電圧コントローラ(21、22)の上位にある、温度コントローラ(20)が使用されることを特徴とする、請求項1~7の何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記温度コントローラ(20)が、前記少なくとも1つの温度、又は前記複数の温度の最大発生変化率を考慮に入れ、ひいては、必要に応じ、前記少なくとも1つの変化率に関する規定限界値を考慮に入れることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記温度コントローラ(20)が、PIDコントローラとして、観察者を有する状態コントローラとして、及び/又はファジー論理コントローラとして設計されることを特徴とする、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
自動車(3)のエネルギーストア(2)を充電するための充電デバイス(1)であって、
前記充電デバイス(1)が、前記充電デバイス(1)の入力側電源に対する第1の電気接続(4)と、充電されるデバイスの出力側電源に対する第2の電気接続(5)と、電力電子システム(7)を有する充電電子システム(6)と、クーラント供給配管(10)及びクーラント戻り配管(11)を有する冷却デバイス(9)と、前記電力電子システム(7)の電力半導体の障壁層の温度を確認するための少なくとも1つの第1の温度センサ(12)と、前記クーラントの温度を確認するための少なくとも1つの第2の温度センサ(13、14)と、前記充電電子システム(6)の入力電力を決定するための手段と、前記充電電子システム(6)の出力電力を決定するための手段と、を有し、
前記電力電子システム(7)の前記電力半導体の前記障壁層の前記温度の変化率を確認するために、少なくとも前記第1の温度センサ(12)を、時間的に離散してモニタリングし、前記障壁層の最大温度を超えないよう前記障壁層の前記温度の前記変化率が制限されるように、前記充電電子システム(6)の電力損失を制御することを特徴とする、充電デバイス。
【外国語明細書】