(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022094343
(43)【公開日】2022-06-24
(54)【発明の名称】自動車のモータ駆動式のフラップアセンブリを作動させる方法
(51)【国際特許分類】
B60R 21/00 20060101AFI20220617BHJP
B60J 5/00 20060101ALI20220617BHJP
B60R 21/01 20060101ALI20220617BHJP
B60R 25/01 20130101ALI20220617BHJP
E05B 77/02 20140101ALI20220617BHJP
【FI】
B60R21/00 310N
B60J5/00 A
B60R21/01 310
B60R25/01
E05B77/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021201771
(22)【出願日】2021-12-13
(31)【優先権主張番号】10 2020 133 376.5
(32)【優先日】2020-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】508072408
【氏名又は名称】ブローゼ ファールツォイクタイレ エスエー ウント コンパニ コマンディートゲゼルシャフト バンベルク
【氏名又は名称原語表記】BROSE FAHRZEUGTEILE SE & CO.KG,BAMBERG
【住所又は居所原語表記】Berliner Ring 1, 96052 Bamberg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】江口 貴文
【テーマコード(参考)】
2E250
【Fターム(参考)】
2E250AA21
2E250HH02
2E250LL01
2E250LL14
2E250LL15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】通常時にはフラップアセンブリの高い操作快適性と、摩耗しにくさが達成される一方で、安全性を有事におけるフラップアセンブリの作動時にも改善する。
【解決手段】フラップアセンブリ1が、フラップ運動機構3を介して調節可能なフラップ4と、該フラップに対応配置された、フラップのモータ駆動式の調節を引き起こす電気的な少なくとも1つの駆動装置6を備えた駆動装置アセンブリ5と、駆動装置を制御する制御装置アセンブリ7と、フラップに対応配置された自動車錠8とを有しており、通常作動時の調節ルーチンにおいて、エラー基準が、熱的過負荷事例、故障事例および/または衝突事例を表しており、エラー基準の充足時に、調節ルーチンにおける制御が変更され、特に終了させられる方法に関する。自動車2の水没状況を表す緊急作動時に、調節ルーチンを、制御装置アセンブリによって、エラー基準のうちの少なくとも1つを解除しながら実行する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車(2)のモータ駆動式のフラップアセンブリ(1)を作動させる方法であって、前記フラップアセンブリ(1)が、フラップ運動機構(3)を介して調節可能なフラップ(4)と、該フラップ(4)に対応配置された、該フラップのモータ駆動式の調節を引き起こす電気的な少なくとも1つの駆動装置(6)を備えた駆動装置アセンブリ(5)と、前記駆動装置(6)を制御する制御装置アセンブリ(7)と、前記フラップ(4)に対応配置された自動車錠(8)とを有しており、
調節ルーチンにおいて、前記駆動装置(6)を前記制御装置アセンブリ(7)によって前記フラップ(4)のモータ駆動式の調節のために制御し、通常作動時に前記調節ルーチンにおいて、前記制御装置アセンブリ(7)によってエラー基準の充足を監視し、該エラー基準が、熱的過負荷事例、故障事例および/または衝突事例を表しており、前記制御装置アセンブリ(7)により、前記エラー基準の充足時に、前記調節ルーチンにおける制御が変更され、特に終了させられる方法において、
前記自動車(2)の水没状況を表す緊急作動時に、前記調節ルーチンを、前記制御装置アセンブリ(7)によって、前記エラー基準のうちの少なくとも1つのエラー基準を解除した上で実行することを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記通常作動時の前記調節ルーチンにおいては、通常作動のための制御基準にしたがって、特に予め規定された制御予備を維持しながら制御を行い、前記緊急作動時の前記調節ルーチンにおいては、緊急作動のための制御基準にしたがって、好適には制御予備なしに、さらに好適には最大の駆動出力を使用して制御を実施する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
周辺センサアセンブリによって、前記フラップアセンブリ(1)の周囲に関するセンサデータを収集し、前記制御装置アセンブリ(7)によって、前記センサデータを水没基準の充足に関して検査し、前記緊急作動を、前記水没基準の充足時に引き起こす、かつ/または前記緊急作動を、操作者の介入操作、好適には音声コマンドおよび/または操作エレメントの操作を介して引き起こす、特に、前記緊急作動を、前記水没基準が充足されているとみなされた場合にのみ、前記操作者の介入操作を介して引き起こす、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記自動車錠(8)が、閉鎖エレメントである錠ラッチ(9)および掛け金(10)と、該掛け金(10)を持ち上げる電気的な開放駆動装置(11)と、前記自動車錠(8)のそれぞれの錠状態のための電子的および/または機械的な記憶要素とを備えており、前記緊急作動時に、前記錠状態が、前記制御装置アセンブリ(7)によりロック解除された錠状態に移行させられるか、またはロック解除された錠状態に保持され、好適には前記緊急作動時に、前記掛け金(10)が、電気的な開放プロセスにより前記持ち上げられた位置に保持される、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記緊急作動時に前記調節ルーチンを、前記操作者の介入操作を介して引き起こし、好適には、前記緊急作動時に前記調節ルーチンを、前記制御装置アセンブリ(7)によって引き起こした後に、時間制御されて繰り返し、さらに好適には、この繰り返しにより、前記調節ルーチンを、前記エラー基準のうちの少なくとも1つの別のエラー基準を解除しながら実行する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のモータ駆動式のフラップアセンブリを作動させる方法に関する。
【0002】
本発明の起点となる公知の先行技術(独国特許出願公開第102007011548号明細書)は、請求項1の前提部に記載の、自動車のモータ駆動式のフラップアセンブリを作動させる方法に関する。
【0003】
自動車における快適性向上の枠内で、フラップのモータ駆動式の調節は特に重要である。このようなフラップは、たとえば自動車のテールゲート、トランクリッド、エンジンフード、トランク床、またはドア、特にサイドドアまたは後部ドアであってよい。その限りでは、「フラップ」という用語は、広義に理解することができる。
【0004】
公知の方法(独国特許出願公開第102007011548号明細書)は、フラップの、電動モータ駆動式に作動される調節のために、熱的過負荷防止装置の形態でエラー監視が規定されている。たとえば駆動温度により温度閾値が上回られたことによる熱的過負荷事例では、進行している調節ルーチンを変更し、特に終了させることができる。さらに、公知の方法では、電子的な挟込み防止装置の形態で、衝突事例の監視を実施することが規定されている。
【0005】
これにより、通常作動時には、フラップアセンブリの高い操作快適性と、摩耗しにくさが達成される一方で、操作者にとっての安全性を、有事におけるフラップアセンブリの作動時にも改善するという要求が生じている。
【0006】
本発明の根底にある課題は、自動車のモータ駆動式のフラップアセンブリを作動させる公知の方法を、上述の要求に関してさらに最適化を達成するように構成し、改良することである。
【0007】
上述の課題は、請求項1の特徴部に記載の特徴により解決される。
【0008】
特に好適な構成は、従属請求項の対象である。
【0009】
重要であるのは、水域への自動車の意図しない走入時のような水中への自動車の水没状況において、自動車内における操作者の閉じ込めの危険を、モータ駆動式のフラップアセンブリを介して除去することができるという基本的な考察である。この場合、通常は、駆動装置アセンブリの起こり得る熱的過負荷のようなエラー検知または衝突防止装置は重要ではなく、むしろ操作者のできるだけ十分なアシストが重要である。
【0010】
詳細には、自動車の水没状況を表す緊急作動時に、調節ルーチンを、制御装置アセンブリによって、エラー基準のうちの少なくとも1つのエラー基準を解除しながら実施する。
【0011】
以下に、本発明を単に実施例を図示した図面につき詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】水没状況にある自動車を示す概略的な側面図および自動車錠を示す概略図である。
【0013】
図面は、自動車2の、提案された方法で作動するフラップアセンブリ1を示している。フラップアセンブリ1は、フラップ運動機構3を介して調節可能なフラップ4と、フラップ4に対応配置された駆動装置アセンブリ5を有している。
【0014】
「フラップ」という用語は、この場合、テールゲート、トランクリッド、エンジンフード、自動車ドア、特にサイドドア、後部ドア等を含んでおり、導入部の説明を参照することができる。フラップ4は、旋回可能かつ/または長手方向に移動可能に支承されていてよい。本実施形態において、かつ好適には、フラップ4は、自動車2のサイドドアである。これに関する全ての説明は、別の全ての種類のフラップに対応して適用される。
【0015】
「フラップ運動機構」という用語には、フラップ4の運動を可能にする全ての構成要素が含まれている。図示された、その限りで好適である実施例では、フラップ運動機構3は、ヒンジアセンブリを含んでおり、このヒンジアセンブリを介して、フラップ4が旋回することができる。
【0016】
駆動装置アセンブリ5は、電気的な少なくとも1つの駆動装置6を有しており、モータ駆動式の調節力を作用させるために、フラップ4に機械的に連結されている。この連結は、図面には詳細に図示されていない。特に、スピンドル駆動装置等としての駆動装置6の構成が可能である。
【0017】
図示された、その限りで好適である実施例は、自動車2のモータ駆動式のフラップアセンブリ1を作動させる方法に関する。フラップアセンブリ1は、フラップ運動機構3を介して調節可能なフラップ4と、フラップ4に対応配置された、フラップのモータ駆動式の調節を引き起こす電気的な少なくとも1つの駆動装置6を備えた駆動装置アセンブリ5と、駆動装置6を制御する制御装置アセンブリ7と、フラップ4に対応配置された自動車錠8とを有している。調節ルーチンにおいて、駆動装置6を、制御装置アセンブリ7によって、フラップ4のモータ駆動式の調節のために制御し、通常作動時に調節ルーチンにおいて、制御装置アセンブリ7によってエラー基準の充足を監視する。エラー基準は、熱的過負荷事例、故障事例および/または衝突事例を表しており、制御装置アセンブリ7により、エラー基準の充足時に、調節ルーチンにおける制御が変更され、特に終了させられる。
【0018】
制御装置アセンブリ7は、図示されているように、フラップ4に対応配置されたフラップ制御ユニットとして構成されていてよく、このフラップ制御ユニットは、上位の自動車制御装置と相互作用する。同様に、制御装置アセンブリ7は、駆動装置6内に統合されていてもよい。このような分散したアプローチではなく、制御装置アセンブリ7は中央の自動車制御装置の構成部分であってもよい。制御装置アセンブリ7は、好適には、ここで発生する制御タスクを実行する制御電子機器を有している。
【0019】
自動車錠8は、フラップ4を閉鎖位置で固定(ロック)するように構成されている。このためには、自動車錠8は、閉鎖部分(詳細に図示せず)と相互作用することができ、本実施例において、かつ好適には、自動車錠8は、フラップ4に配置されており、閉鎖部分はボディ(車体側)に固定されて配置されている。逆の配置も同様に可能である。
【0020】
調節ルーチンは、好適には、フラップ4の図示された閉鎖位置から図示されていない開放位置へのフラップ4の移動に役立ち、このことは、フラップ4のモータ駆動式の開放プロセスに一致する。同様に、調節ルーチンは、フラップ4のモータ駆動式の閉鎖プロセスを引き起こすことができる。
【0021】
エラー基準は、通常作動において、好適には制御装置アセンブリ7によって、駆動電流および駆動電圧等のような制御において発生する駆動値のような求められたセンサ値に基づいて監視される。
【0022】
この場合、熱的過負荷事例とは、フラップアセンブリ1の、特に電子構成要素の過熱であると理解される。たとえば、温度センサ値および/または構成要素に作用する電流が、予め規定された最大値を上回っているか否かが監視される。
【0023】
故障事例とは、一般的に、制御装置アセンブリ7によって求められたか、または制御装置アセンブリ7に報知された、たとえば、損傷、接続の欠如、電子構成要素の不作動等に基づくフラップアセンブリ1の構成要素の障害であると理解される。
【0024】
衝突事例の監視は、たとえば、自動車2の外側にある物体とフラップ4との衝突を回避するための、かつ/または、特にモータ駆動式の閉鎖運動時の挟込みの回避としての、フラップ4の調節領域における物体検出を含んでいてよい。
【0025】
今、自動車2の水没状況を表す緊急作動時に、調節ルーチンを、制御装置アセンブリ7によって、エラー基準のうちの少なくとも1つのエラー基準を解除した上で実行することが重要である。
【0026】
自動車2の水没状況とは、たとえば水域への自動車2の走入時または停車中の自動車2の周囲の冠水時のような、フラップアセンブリ1が少なくとも部分的に水面下にあり、フラップ4に水圧が加えられる状況であると理解される。フラップアセンブリ1の構成要素は、少なくとも部分的に水から保護されるように構成されていてよい。
【0027】
エラー基準のうちの少なくとも1つのエラー基準の解除とは、通常作動時に監視される少なくとも1つのエラー基準が、制御装置アセンブリ7によって、調節ルーチンにおいてもはやその充足が監視されないこと、かつ/または、通常作動時に監視される少なくとも1つのエラー基準が、制御装置アセンブリ7によって監視されるが、このエラー基準の充足に基づいて応答しないことであると理解される。したがって、最終的には、通常作動のために規定された少なくとも1つのエラー基準を充足していることは、緊急作動時の調節ルーチンの変更、特に終了をもたらさない。
【0028】
したがって、たとえば熱的過負荷事例、故障事例、衝突事例の恐れが発生している場合であっても、操作者には、水没状況においては、好適には、フラップ4のモータ駆動式の調節が提供される。これに付随する可能性のあるフラップアセンブリ1の損傷は、操作者の緊急アシストのために受け入れられる。
【0029】
図示され、その限りで好適である実施例では、さらに、通常作動時の調節ルーチンにおいては、通常作動のための制御基準にしたがって、特に予め規定された制御予備(駆動出力)を維持しながら制御を行い、緊急作動時の調節ルーチンにおいては、緊急作動のための制御基準にしたがって、好適には制御予備なしに、さらに好適には最大の駆動出力を使用して制御を行うことが規定されている。
【0030】
緊急作動のための制御基準は、同様に駆動装置6を制御するための制御基準も含んでいてよいが、フラップ4にかかる水圧を克服するために、好適にはフラップ4のモータ駆動式の強力な調節に重点が置かれる。特に好適には、通常作動時の制御基準と比較して、制御により引き起こされる駆動出力は、時間的に、さらに好適には調節ルーチン全体にわたって増大させられている。
【0031】
最大の駆動出力を使用することは、緊急作動時のモータ駆動式の調節の特に効果的なバリエーションを成す。最大の駆動出力とは、ここでは、制御装置アセンブリ7が駆動装置6に提供可能な最大の電気的な出力を意図している。たとえば、自動車2の作動電圧が無変調のまま駆動装置6に供給される。
【0032】
さらに、提供可能な電気的な出力を高めるための措置を、制御装置アセンブリ7により講じることが可能である。この場合、自動車2の別の電気的な消費器のうちの少なくとも1つの部分を、自動車2の電圧供給部から切り離すか、または緊急電圧供給のために設けられた電気エネルギアキュムレータを駆動装置6の制御のために使用することができる。
【0033】
さらに、本実施例において、かつ好適には、周辺センサアセンブリによって、フラップアセンブリ1の周囲に関するセンサデータを収集し、制御装置アセンブリ7によって、そのセンサデータを水没基準の充足に関して検査し、緊急作動を、水没基準の充足時に引き起こす、かつ/または、緊急作動を、操作者の行動(介入操作)、好適には音声コマンドおよび/または操作エレメントの操作を介して引き起こし、特に、緊急作動を、水没基準が充足しているとみなされた場合にのみ、操作者の行動に基づいて引き起こす。
【0034】
図示されていない周辺センサアセンブリは、水没事例を表すセンサデータを収集するために、カメラ、湿度センサ、圧力センサ等を有していてよい。水没基準の充足の検査を介して、一方では緊急作動を自動的に引き起こすことを実現し、他方では誤作動を避けるために、操作者の行動の妥当性を確認することができる。
【0035】
さらに、本実施例において、かつ好適には、自動車錠8が、閉鎖エレメントである錠ラッチ9および掛け金10と、掛け金10を持ち上げる電気的な開放駆動装置11と、自動車錠8のそれぞれの錠状態のための電子的かつ/または機械的な記憶要素とを備えており、緊急作動時に、錠状態が制御装置アセンブリ7によってロック解除された錠状態に移行されるか、またはロック解除された錠状態に保持され、好適には、緊急作動時に、掛け金10は、電気的な開放プロセスによって持ち上げられた位置に保持されることが規定されている。
【0036】
本実施例において旋回可能な錠ラッチ9は、閉鎖部分12との係合を保持するように構成されている。旋回可能な掛け金10は、錠ラッチ9に対応配置されており、図示された入り込み(ロック)位置にもたらすことができ、この位置において掛け金10は、錠ラッチ9を図示の閉鎖位置に保持する。さらに、掛け金10は、電気的な開放駆動装置11によって、モータ駆動式に持ち上げられる。
【0037】
自動車錠8は、種々異なる錠状態をとることができ、本実施例において、かつ好適には、操作エレメントの操作が掛け金10のモータ駆動式の持上げを引き起こすロック解除状態と、少なくとも1つのロック状態、本実施例において、かつ好適には、外部ロック状態、チャイルドロック状態および盗難防止状態とをとることができ、これらのロック状態では、自体公知の形式で、操作エレメントの少なくとも1つの部分の操作を介した解除が阻止されている。それぞれの錠状態は、機械的に、たとえば、対応するモータ駆動式に切替え可能な機械的なクラッチを介して実現されるか、または電子的に、たとえば操作エレメントへの電子的な照会により制御技術的に実現される。
【0038】
機械的に実現する場合、自動車錠8は、たとえば、たとえば中央ロック駆動装置等の、ロックのために設けられた駆動装置6の制御を介してロック解除された錠状態に移行させられる。電子的に実現する場合、このために設けられた電子的な記憶要素の設定を、制御装置アセンブリ7によって引き起こすことができる。中央ロック駆動装置には、緊急作動時にも、自動車錠8のロック解除をできるだけ十分に確保するために、通常作動時に比べて高められた駆動出力を供給することができる。
【0039】
掛け金10を、電気的な開放プロセスにより、たとえば掛け金ばねの戻し力に抗して保持することは、特に、開放駆動装置11の継続的な制御を介して掛け金10の持上げ後にも電子的に行われる。同様に、保持を、たとえば図示しない記憶要素を介して機械的に実施することもできる。
【0040】
さらに、本実施例において、かつ好適には、緊急作動時に調節ルーチンを操作者の介入操作を介して引き起こし、好適には、緊急作動時に調節ルーチンを、制御装置アセンブリ7によって引き起こした後に、時間制御されて繰り返し、さらに好適には、この繰り返しにより、調節ルーチンを、エラー基準のうちの少なくとも1つの別のエラー基準を解除しながら実行することが規定されている。
【0041】
操作者の介入操作は、好適には、自動車錠8を開くためにも設けられている操作エレメントを介して引き起こされる。操作者の介入操作のために、緊急スイッチのような別個の操作エレメントがフラップアセンブリ1に設けられていることも可能である。操作者の介入操作は、緊急作動を引き起こす前述の操作者の介入操作、たとえば音声コマンドであってもよく、これにより緊急作動を引き起こすことにより調節ルーチンも自動的に行われる。
【0042】
調節ルーチンを繰り返し引き起こすことは、フラップ4に高い水圧が加えられている場合に有利であり得る。なぜならば、フラップ4は、最初の試みではフラップ4を調節できないかもしれないからである。繰返しにより、別のエラー基準を解除することができ、これにより付加的なモータ駆動式のアシストを達成することができる。たとえば、第1の調節ルーチンでは、単に衝突事例の検知のみが解除され、続く第2の調節ルーチンでは、すべてのエラー基準が解除される。
【外国語明細書】