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  • 特開-収容構造及び収容方法 図1
  • 特開-収容構造及び収容方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022094371
(43)【公開日】2022-06-27
(54)【発明の名称】収容構造及び収容方法
(51)【国際特許分類】
   A47G 25/84 20060101AFI20220620BHJP
【FI】
A47G25/84
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020207197
(22)【出願日】2020-12-15
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 発明に係る商品の公開(令和2年10月30日) 発明に係る商品の公開(令和2年11月18日)
(71)【出願人】
【識別番号】518447717
【氏名又は名称】KIYORA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174805
【弁理士】
【氏名又は名称】亀山 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】松丸 新市
【テーマコード(参考)】
3K099
【Fターム(参考)】
3K099EA22
(57)【要約】
【課題】一定の収容スペースを確保しつつも、設置に必要な空間が小さな収容構造及び収容方法を提供する。
【解決手段】 収容構造2は、スリッパSPを収容可能なものであって、開口10Xが前面に形成された筐体10と、筐体10に設けられ開口10Xの開閉が可能な扉構造20と、筐体10の背面側に収容され紫外線を供給可能な紫外線供給機構30と、スリッパSPが載置可能な載置機構40と、を備える。載置板41は、Z方向において、所定の間隔で並べられる。載置板41は、その前端41Fが後端41Bよりも高くなるように斜めになっている。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物を収容可能な収容構造であって、
開口が形成された筐体と、
前記筐体に設けられ前記開口の開閉が可能な扉機構と、
前記筐体に収容され紫外線を供給可能な紫外線供給機構と、
前記筐体において前記紫外線供給機構と前記開口との間に配されるとともに、前記履物を載置可能な載置機構と、を備え、
前記載置機構は、
前記履物を載置可能な載置板と、
前記載置板と前記紫外線供給機構との間に配され、前記履物の後端部に対して係合可能な係合部材と、を備え、
前記載置板は、開口側の端部が紫外線供給機構側の端部よりも高くなるように斜めに配され、
前記係合部材は、前記紫外線が通過または透過可能となっていることを特徴とする収容構造。
【請求項2】
前記係合部材は、網を備えることを特徴とする請求項1記載の収容構造。
【請求項3】
前記履物は、
体の一部が載置される板部と、
前記板部にのせた体の一部に対し係合可能な係合部と、を備えることを特徴とする請求項1または2記載の収容構造。
【請求項4】
前記載置板の前記開口側の端部は、前記開口の開口面よりも退避していることを特徴とする請求項1ないし3のうちいずれか1項記載の収容構造。
【請求項5】
前記載置板の前記紫外線供給機構側の端部は、前記係合部材から離隔していることを特徴とする請求項1ないし4のうちいずれか1項記載の収容構造。
【請求項6】
前記扉機構が閉状態の場合には、前記紫外線供給機構から前記紫外線の供給を行う一方、前記扉機構が閉状態から退避した状態の場合には、前記紫外線供給機構から前記紫外線の供給を停止する制御機構をさらに備えたことを特徴とする
請求項1ないし5のうちいずれか1項記載の収容構造。
【請求項7】
収容構造に履物を収容する方法であって、
前記収容構造は、
開口が形成された筐体と、
前記筐体に設けられ前記開口の開閉が可能な扉機構と、
前記筐体に収容され紫外線を供給可能な紫外線供給機構と、
前記筐体において前記紫外線供給機構と前記開口との間に配されるとともに、前記履物を載置可能な載置機構と、を備え、
前記載置機構は、
前記履物を載置可能な載置板と、
前記載置板と前記紫外線供給機構との間に配され、前記履物の後端部に対して係合可能な係合部材と、を備え、
前記開口側の端部が前記紫外線供給機構側の端部よりも高くなるように斜めに配された前記載置板に対して前記履物を載置し、
前記扉機構が閉状態の場合には、前記紫外線供給機構から前記紫外線の供給を行う一方、前記扉機構が閉状態から退避した状態の場合には、前記紫外線供給機構から前記紫外線の供給を停止することを特徴とする収容方法。
【請求項8】
前記履物の先端は、前記載置板の前端よりも前方に突出することを特徴とする請求項7記載の収容方法。
【請求項9】
前記履物の後端は、前記載置板の後端よりも後方に突出することを特徴とする請求項7または8記載の収容方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収容構造及び収容方法に関する。
【背景技術】
【0002】
クリニック等では、外来患者に対し、サンダルや上履きといった履物を貸し出す場合が多い。そして、使用し終わった履物は、外来患者自身がクリニックに備え付けられている収容ケースに戻す。
【0003】
このような履物の利用方法は、不特定多数の人の間で使いまわすことになる。このため、次の使用者にとって、履物が衛生上好ましくない場合も多い。そこで、履物を収容する収容構造として、紫外線を発光可能な殺菌灯等を備えるものが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6-125817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のような収容構造は、設置面積が広い場合や、高さが高いため、クリニック等にとっては導入しにくい部分がある。
【0006】
本発明は、かかる実情に鑑み、一定の収容スペースを確保しつつも、設置に必要な空間が小さな収容構造及び収容方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、履物を収容可能な収容構造であって、開口が形成された筐体と、前記筐体に設けられ前記開口の開閉が可能な扉機構と、前記筐体に収容され紫外線を供給可能な紫外線供給機構と、前記筐体において前記紫外線供給機構と前記開口との間に配されるとともに、前記履物を載置可能な載置機構と、を備え、前記載置機構は、前記履物を載置可能な載置板と、前記載置板と前記紫外線供給機構との間に配され、前記履物の後端部に対して係合可能な係合部材と、を備え、前記載置板は、開口側の端部が紫外線供給機構側の端部よりも高くなるように斜めに配され、前記係合部材は、前記紫外線が通過または透過可能となっていることを特徴とする。
【0008】
本発明は、収容構造に履物を収容する方法であって、前記収容構造は、開口が形成された筐体と、前記筐体に設けられ前記開口の開閉が可能な扉機構と、前記筐体に収容され紫外線を供給可能な紫外線供給機構と、前記筐体において前記紫外線供給機構と前記開口との間に配されるとともに、前記履物を載置可能な載置機構と、を備え、前記載置機構は、前記履物を載置可能な載置板と、前記載置板と前記紫外線供給機構との間に配され、前記履物の後端部に対して係合可能な係合部材と、を備え、前記開口側の端部が前記紫外線供給機構側の端部よりも高くなるように斜めに配された前記載置板に対して前記履物を載置し、前記扉機構が閉状態の場合には、前記紫外線供給機構から前記紫外線の供給を行う一方、前記扉機構が閉状態から退避した状態の場合には、前記紫外線供給機構から前記紫外線の供給を停止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、一定の収容スペースを確保しつつも、設置に必要な空間が小さな収容構造及び収容方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】扉構造が開状態となっている収容構造の概要を示す正面図である。
図2】扉構造が開状態となっている収容構造の概要を示すA-A線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
説明の便宜上、水平にのびる任意の方向をX方向と、水平にのびX方向と直交する方向をY方向と、X方向及びY方向に直交する方向をZ方向と称する。
【0012】
図1~2に示すように、収容構造2は、スリッパSPを収容可能なものであって、開口10Xが前面に形成された筐体10と、筐体10に設けられ開口10Xの開閉が可能な扉構造20と、筐体10の背面側に収容され紫外線を供給可能な紫外線供給機構30と、スリッパSPが載置可能な載置機構40と、を備える。
【0013】
スリッパSPは、足の裏と接する板部SP1と、板部SP1に設けられた係合部SP2と、を備える。係合部SP2は、板部SP1にのせた足に対し係合可能となっている。
【0014】
筐体10は、直方体状に形成されるものであり、X方向、Y方向及びZ方向に延びる辺を備える。開口10Xは、筐体10の前面に形成される。
【0015】
扉構造20は、筐体10の前面に設けられたヒンジ21と、ヒンジ21に取り付けられた扉板23と、開閉センサ25を備える。ヒンジ21は、扉板23を回動自在にする。これにより、扉構造20は、開口10Xを塞ぐ状態(閉状態)と、閉状態から退避した状態(退避状態。図1~2)と、の間で切り替え自在となる。なお、扉板23は、紫外線を遮蔽できるものであることが好ましい。また、扉板23は、視認性向上のため、可視光が透過可能であるものが好ましい。
【0016】
開閉センサ25は、センサ筐体25Aと、センサ筐体25Aから出没可能となる出没片25Bと、を備える。センサ筐体25Aは、出没片25Bの押し込まれた量に基づき、扉構造20が閉状態であるか否かを検知できる。出没片25Bは、センサ筐体25Aから突出する方向に付勢される。扉板23が閉状態の場合には、出没片25Bはセンサ筐体25A側へ押し込まれる。この結果、開閉センサ25は、出没片25Bの押し込まれた量に基づき、扉構造20が閉状態であることを検知する。
【0017】
紫外線供給機構30は、紫外線を発光可能な光源31と、光源31を収容するケース32と、光源31に電力を供給するための電源ユニットと、光源31と電源ユニット(図示省略)とを接続するスイッチ(図示省略)と、を備える。スイッチは、開閉センサ25に対して電気的に接続している。
【0018】
扉構造20が閉状態であることを開閉センサ25が検知した際、開閉センサ25からのセンシング信号によって、スイッチはON状態となる。これにより、電源ユニットから光源31へ電力が供給される。一方、扉構造20が退避状態であることを開閉センサ25が検知した際、開閉センサ25からのセンシング信号によって、スイッチはOFF状態となる。これにより、電源ユニットから光源31への電力供給が停止される。
【0019】
載置機構40は、スリッパSPを載置可能な載置板41と、載置板41と紫外線供給機構30との間に配され、スリッパSPの後端部に対して係合可能な網(係合部材)43と、を備える。スリッパSPを載置板41に載置した際、スリッパSPの板部SP1は載置板41の上面に配され、係合部SP2は板部SP1の上方をむく姿勢となる。
【0020】
載置板41は、Z方向において、所定の間隔で並べられる。載置板41は、前後方向において斜めに配されている。これにより、筐体10の奥行きDを小さくすることができる。さらに、載置板41は、その前端41Fが後端41Bよりも高くなるように斜めになっている。これにより、筐体10の高さHを小さくすることができる。また、載置板41は、筐体10に対し固定されていることが好ましい。
【0021】
網43は、長方形状に形成されるものであり、X方向及びZ方向に延びる辺を有する。網43のピッチは、紫外線が通過可能なものであればよい。載置板41にスリッパSPが載置された際、スリッパSPのかかと部が網43に当接することが好ましい。
【0022】
載置板41の後端41Bは、網43から離隔していることが好ましい。これにより、紫外線が載置板41によって遮られにくくなるため、広範囲のスリッパSPに対し紫外線を供給することができる。したがって、収容されているスリッパSPに対し紫外線を十分に照射することができる。
【0023】
載置板41の前端は、開口10Xの開口面よりも後方に退避していることが好ましい。これにより、スリッパSPのつま先部が、載置板41の前端よりも前方に突出するため、スリッパSPを開口10Xから取り出しやすくなる。
【0024】
なお、最も下に配されるスリッパのかかと部分は、網43ではなく、筐体の底板に係合してもよい。
【0025】
上記実施形態では、係合部材として、紫外線供給機構30とは別部材の網を用いたが、本発明はこれに限られず、紫外線供給機構30におけるカバー等を係合部材として兼用してもよい。
【0026】
上記実施形態では、係合部材として、網43を用いたが、本発明はこれに限られず、紫外線が通過可能または透過可能なものであればよい。係合部材としては、例えば、アクリルなどのUVの透過性を有する合成樹脂から形成された板等を用いてもよい。
【0027】
上記実施形態では、載置板41として、板状のものを用いたが、網構造を持用いてもよい。
【0028】
尚、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0029】
2 収容構造
10 筐体
10X 開口
20 扉構造
21 ヒンジ
23 扉板
25 開閉センサ
25A センサ筐体
25B 出没片
30 紫外線供給機構
31 光源
40 載置機構
41 載置板
43 網
SP スリッパ

図1
図2