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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022094388
(43)【公開日】2022-06-27
(54)【発明の名称】流下物捕捉体の保護部材
(51)【国際特許分類】
   E02B 7/02 20060101AFI20220620BHJP
【FI】
E02B7/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020207224
(22)【出願日】2020-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】000106955
【氏名又は名称】シバタ工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000219358
【氏名又は名称】東亜グラウト工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101409
【弁理士】
【氏名又は名称】葛西 泰二
(74)【代理人】
【識別番号】100175662
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 英明
(74)【代理人】
【識別番号】100175385
【弁理士】
【氏名又は名称】葛西 さやか
(72)【発明者】
【氏名】西村 佳樹
(72)【発明者】
【氏名】木村 佳嗣
(72)【発明者】
【氏名】奥田 峻
(57)【要約】
【課題】 流下物捕捉体の重量及びコストの増大と施工性の低下とを招くことなく、流下物捕捉体の保護が可能となる保護部材を提供する。
【解決手段】 土石流や落石を捕捉する流下物捕捉体1は、複数の支柱2a~2cと、支柱2a、2b及び2cの各々の間に張られるネット体7と、支柱2a及び2cの各々を支持するロープ体9a及び9bとを備える。支柱2a~2cの各々には支柱用保護部材20a~20c及び30a~30cが、ネット体7及びネット体7の上部を挿通する支持部材8にはネット体用保護部材40a~40fが、ロープ体9a及び9bの各々にはロープ体用保護部材50a及び50bが、それぞれ装着されている。支柱用保護部材20a~20c、30a~30c、ネット体用保護部材40a~40f、ロープ体用保護部材50a及び50bの各々はいずれもゴム材を主材料として構成されている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
土石流や落石を捕捉するためのネット体を含む流下物捕捉体に取付けられる保護部材であって、
可撓性を有する弾性体よりなり、
少なくとも前記流下物捕捉体の一部を覆うことができる、保護部材。
【請求項2】
前記流下物捕捉体は、前記ネット体を支持するために地盤に固定し、略鉛直方向に延びるように設置された支柱を含み、
前記支柱の少なくとも上流側の一部を覆うことができる、請求項1記載の保護部材。
【請求項3】
前記支柱の上流側の部分に設けられる前壁部と、前記前壁部の両端部より連続的に延び互いに対向する一対の側壁部とを備え、
前記前壁部及び一対の側壁部の各々の内方側にて、少なくとも前記支柱の上流側の一部を取り囲むことができる、請求項2記載の保護部材。
【請求項4】
前記前壁部及び前記一対の側壁部の各々は、内方側にて、更に前記支柱の基礎を固定するアンカー頭部を取り囲むことができる、請求項3記載の保護部材。
【請求項5】
前記一対の側壁部の各々の内方面において、内方側に突出し、H型鋼よりなる前記支柱のフランジ部に係止可能に構成される一対の突起部を更に備える、請求項3又は請求項4のいずれかに記載の保護部材。
【請求項6】
少なくとも前記流下物捕捉体の前記ネット体の上部の一部を覆うことができる、請求項1記載の保護部材。
【請求項7】
前記ネット体の上部の上流側、上端側及び下流側を取り囲むことができる、請求項6記載の保護部材。
【請求項8】
前記ネット体の上部の下方において対向する端部を、前記ネット体を挟み込んだ状態で、上流方向から下流方向に向かってボルトにて接合する、請求項7記載の保護部材。
【請求項9】
少なくとも前記流下物捕捉体のロープ体の上流側の一部を覆うことができる、請求項1記載の保護部材。
【請求項10】
中空円柱形状を有し、一方端部から他方端部にかけて開放部が形成される、請求項9記載の保護部材。
【請求項11】
前記ロープ体への嵌め込み後に前記開放部を閉じる、接着手段を更に備える、請求項10記載の保護部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は保護部材に関し、特に土石流や落石を捕捉する流下物捕捉体に装着される保護部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従前、山沿いの斜面や渓流等に設置され、土石流や落石等の流下物を捕捉して土石流災害及び落石災害の被害を軽減する設備として様々なものが提案されている。例えば、このような設備として、特許文献1記載のようなリング式ネットを用いたものがある。又、リング式ネットを用いた以下のような流下物捕捉体も提案されている。
【0003】
図11は、従来の流下物捕捉体の概略正面図である。
【0004】
図を参照して、流下物捕捉体81は、複数の支柱82a、82b及び82cと、支柱82a、82b及び82cの各々の間に張られるネット体87と、支柱82a及び82cの各々を支持するロープ体89a及び89bとを備える。
【0005】
支柱82aは、錆止め用塗料が塗装されたH型鋼よりなり、地盤に埋設された支柱基礎84に連結して立っている。支柱基礎84はアンカー85aより固定される。尚、支柱82b及び82cも支柱82aと同様の構成を有する。
【0006】
ネット体87は、複数のリング状部材を連結したものを菱形金網にて覆ったものより構成されるリング式ネットよりなり、上部にはワイヤーロープよりなる支持部材88が挿通されている。ネット体87は、支柱82a、82b及び82cの各々の下流側(紙面垂直方向の奥側)を覆うように配置される。
【0007】
ロープ体89aは、錆止め用塗料が塗装されたワイヤーロープよりなり、一方端部90を掛けている支柱82aの上方端部付近と他方端部91が連結しているロープアンカー92との間にて、緊張状態で配置されている。尚、ロープ体89bもロープ体89aと同様の構成を有する。又、図示の関係上省略しているが、中央の支柱82bにも他の支柱82a及び82cと同様に、ロープ体89a及び89bと同様の構成のロープ体が配置されているものとする。
【0008】
土石流や落石発生時には流下物捕捉体81の上流側(紙面垂直方向の手前側)から下流側に向かって流下物が流れていき、流下物捕捉体81の上流側にて流下物が捕捉される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2019-132000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述のような従来の流下物捕捉体81は、流下物の衝突や渓流への設置時における常時の流水により、支柱82a、82b及び82cやロープ体89a及び89bの摩耗及び塗装剥がれに伴う支柱82a、82b及び82cやロープ体89a及び89bの腐食が進行する虞があるものであった。又、地表に露出するアンカー85の頭部に流下物が衝突することにより、アンカー85が損傷する虞もある。更に、流下物捕捉体81の上方端部にまで流下物が堆積して流下物がネット体87の上方を超えて流れる場合に、流下物が支持部材88を擦ることにより、支持部材88の摩耗及び腐食が進行する虞もある。すなわち、従来の流下物捕捉体81は耐久性の問題が生じるものであった。尚、摩耗及び腐食を考慮して、支柱82a、82b及び82cの厚さや、ロープ体89a、89b及び支持部材88の径を増大させると、部材重量の増加、施工性の低下、コストの増加といった別の問題が生じうる。
【0011】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、流下物捕捉体の重量及びコストの増大と施工性の低下とを招くことなく、流下物捕捉体の保護が可能となる保護部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、土石流や落石を捕捉するためのネット体を含む流下物捕捉体に取付けられる保護部材であって、可撓性を有する弾性体よりなり、少なくとも流下物捕捉体の一部を覆うことができるものである。
【0013】
このように構成すると、流下物捕捉体の構成部材の各々の厚さや径を増大させずとも、流下物捕捉体の耐久性が向上する。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、流下物捕捉体は、ネット体を支持するために地盤に固定し、略鉛直方向に延びるように設置された支柱を含み、支柱の少なくとも上流側の一部を覆うことができるものである。
【0015】
このように構成すると、上流側から流れてくる流下物が支柱に直撃しない。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の構成において、支柱の上流側の部分に設けられる前壁部と、前壁部の両端部より連続的に延び互いに対向する一対の側壁部とを備え、前壁部及び一対の側壁部の各々の内方側にて、少なくとも支柱の上流側の一部を取り囲むことができるものである。
【0017】
このように構成すると、支柱の保護範囲が広がる。
【0018】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の構成において、前壁部及び一対の側壁部の各々は、内方側にて、更に支柱の基礎を固定するアンカー頭部を取り囲むことができるものである。
【0019】
このように構成すると、保護範囲がアンカー頭部にまで及ぶ。
【0020】
請求項5記載の発明は、請求項3又は請求項4のいずれかに記載の発明の構成において、一対の側壁部の各々の内方面において、内方側に突出し、H型鋼よりなる支柱のフランジ部に係止可能に構成される一対の突起部を更に備えるものである。
【0021】
このように構成すると、支柱の加工無しに保護部材の取付け及び取外しが可能となる。
【0022】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、少なくとも流下物捕捉体のネット体の上部の一部を覆うことができるものである。
【0023】
このように構成すると、流下物がネット体を越流しても、ネット体の上部に直撃しない。
【0024】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明の構成において、ネット体の上部の上流側、上端側及び下流側を取り囲むことができるものである。
【0025】
このように構成すると、ネット体の保護範囲が広がる。
【0026】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明の構成において、ネット体の上部の下方において対向する端部を、ネット体を挟み込んだ状態で、上流方向から下流方向に向かってボルトにて接合するものである。
【0027】
このように構成すると、ネット体の加工無しに保護部材の取付け及び取外しが可能となる。
【0028】
請求項9記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、少なくとも流下物捕捉体のロープ体の上流側の一部を覆うことができるものである。
【0029】
このように構成すると、流下物がロープ体に直撃しない。
【0030】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の発明の構成において、中空円柱形状を有し、一方端部から他方端部にかけて開放部が形成されるものである。
【0031】
このように構成すると、開放部を介して保護部材を開くことで、ロープ体に保護部材を嵌め込められる。
【0032】
請求項11記載の発明は、請求項10記載の発明の構成において、ロープ体への嵌め込み後に開放部を閉じる、接着手段を更に備えるものである。
【0033】
このように構成すると、装着後に開放部が開きにくくなる。
【発明の効果】
【0034】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、流下物捕捉体の構成部材の各々の厚さや径を増大させずとも、流下物捕捉体の耐久性が向上するので、流下物捕捉体の重量及びコストの増大と施工性の低下とを招くことなく、流下物捕捉体の保護が可能となる。
【0035】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、上流側から流れてくる流下物が支柱に直撃しないので、狭小な装着範囲であっても高い摩耗防止効果が得られる。
【0036】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の効果に加えて、支柱の保護範囲が広がるので、より高い摩耗防止効果が得られる。
【0037】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の効果に加えて、保護範囲がアンカー頭部にまで及ぶので、より高い摩耗防止効果が得られる。
【0038】
請求項5記載の発明は、請求項3又は請求項4のいずれかに記載の発明の効果に加えて、支柱の加工無しに保護部材の取付け及び取外しが可能となるので、装着及び取り換えが容易な保護部材となる。
【0039】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、流下物がネット体を越流しても、ネット体の上部に直撃しないので、狭小な装着範囲であっても高い摩耗防止効果が得られる。
【0040】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明の効果に加えて、ネット体の保護範囲が広がるので、より高い摩耗防止効果が得られる。
【0041】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明の効果に加えて、ネット体の加工無しに保護部材の取付け及び取外しが可能となるので、装着及び取り換えが容易な保護部材となる。
【0042】
請求項9記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、流下物がロープ体に直撃しないので、狭小な装着範囲であっても高い摩耗防止効果が得られる。
【0043】
請求項10記載の発明は、請求項9の発明の効果に加えて、開放部を介して保護部材を開くことで、ロープ体に保護部材を嵌め込められるので、装着及び取り換えが容易な保護部材となる。
【0044】
請求項11記載の発明は、請求項10記載の発明の効果に加えて、装着後に開放部が開きにくくなるので、装着状態が安定する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】この発明の第1の実施の形態による支柱用保護部材、ネット体用保護部材及びロープ体用保護部材を装着した流下物捕捉体の概略正面図である。
図2図1で示したII-IIラインの拡大側面図である。
図3図2で示したIII-IIIラインの拡大端面図である。
図4図1で示したIV-IVラインの拡大図である。
図5図4で示したV-Vラインの拡大端面図である。
図6図1で示したVI-VIラインの拡大図である。
図7図6で示したロープ体用保護部材の背面図である。
図8図6で示したVIII-VIIIラインの拡大断面図である。
図9】この発明の第2の実施の形態によるネット体用保護部材を装着した流下物捕捉体の拡大正面図であって、第1の実施の形態の図4に対応する図である。
図10図9で示したX-Xラインの拡大端面図である。
図11】従来の流下物捕捉体の概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1は、この発明の第1の実施の形態による支柱用保護部材、ネット体用保護部材及びロープ体用保護部材を装着した流下物捕捉体の概略正面図であり、図2は、図1で示したII-IIラインの拡大側面図であり、図3は、図2で示したIII-IIIラインの拡大端面図であり、図4は、図1で示したIV-IVラインの拡大図であり、図5は、図4で示したV-Vラインの拡大端面図であり、図6は、図1で示したVI-VIラインの拡大図であり、図7は、図6で示したロープ体用保護部材の背面図であり、図8は、図6で示したVIII-VIIIラインの拡大断面図である。
【0047】
まず、図1及び図2を参照して、土石流や落石を捕捉する流下物捕捉体1は、複数の支柱2a、2b及び2cと、支柱2a、2b及び2cの各々の間に張られるネット体7と、支柱2a及び2cの各々を支持するロープ体9a及び9bとを備える。ネット体7を支持するために支柱基礎4を介して地盤に固定される支柱2a、2b及び2cの各々には支柱用保護部材20a、20b、20c及び30a、30b、30cが、ネット体7の上部を挿通する支持部材8にはネット体用保護部材40a、40b、40c、40d、40e及び40fが、ロープ体9a及び9bの各々にはロープ体用保護部材50a及び50bが、それぞれ装着されている。尚、図示の関係上省略しているが、中央の支柱2bにも他の支柱2a及び2cと同様にロープ体用保護部材が装着されたロープ体が配置されているものとする。支柱用保護部材20a~20c、30a~30c、ネット体用保護部材40a~40f、ロープ体用保護部材50a及び50bの各々はいずれもゴム材を主材料として構成されている。このように構成したことによる効果は後述する。支柱用保護部材20a~20c、30a~30c、ネット体用保護部材40a~40f、ロープ体用保護部材50a及び50bの各々の重量は、いずれも25kg以下である。このように構成すると、1人でも持ち運びができるため、施工性が良い。
【0048】
土石流や落石発生時には流下物捕捉体1の上流側(紙面垂直方向の手前側)から下流側(紙面垂直方向の奥側)に向かって流下物が流れていき、流下物捕捉体1の上流側にて流下物が捕捉される。尚、後述するように支柱2aは支柱基礎4に対して上流側から下流側に回動自在であって支柱2b及び2cも支柱2aと同様の構成であり、又、ロープ体9aはブレーキリング14の径が小さくなることにより更に伸び、ロープ体9bもロープ体9aと同様に構成されていることから、流下物が衝突した流下物捕捉体1は下流側に傾くように変形し、流下物の衝突エネルギーや衝突荷重を緩和しつつ流下物を捕捉する。
【0049】
次に、図1及び図2を参照して、支柱2aは、溶融亜鉛めっき処理等の錆止め処理が施されたH型鋼よりなり、下方端部に備わるヒンジ3を介して、上述したように地盤に埋設された支柱基礎4に対して回動自在な状態で略鉛直方向に延びるように設置されている。支柱基礎4は、支柱基礎4の上面から地盤にかけて穿たれるアンカー5a及び5bにより固定される。上流側のアンカー5aの頭部は地表に露出している。
【0050】
以下、支柱用保護部材20a~20c及び30a~30c、ネット用保護部材40a~40f、ロープ体用保護部材50a及び50bについて、順に説明する。
【0051】
まず、図1及び図2に加えて図3を参照して、支柱用保護部材20aは、上流側に対向している前壁部21と、前壁部21の両端部より連続的に下流側に延び互いに対向する一対の側壁部22a及び22bとを備え、短手方向の断面形状において略コの字型に形成されている。支柱用保護部材20aの長手方向の長さは1000mmに、奥行き方向(上流側から下流側の方向)の長さは115mmに、短手方向の長さは250mmに、それぞれ設定されている。前壁部21及び側壁部22a及び22bは厚さ25mmのゴム材よりなり、一体的に形成されている。側壁部22a及び22bの各々には所定間隔でボルト挿通口23a、23b、23c及び24a、24b、24cが開けられており、ボルト挿通口23b及び24bの各々の周辺の側壁部22a及び22bの内部には、補強用鋼板25a及び25bが埋設されている。他のボルト挿通口23a、23c及び24a、24cの各々の周辺も同様に構成されている。側壁部22a及び22bの各々の内方面には鋼板よりなる一対の突起部26a及び26bが、側壁部22a及び22bの各々の内方側に突出するように取り付けられている。一対の突起部26aは側壁部22aの外方側からボルト挿通口23bより挿入されるボルト27aと、他のボルト挿通口23a及び23cより同様に挿入されるボルトとを介して取り付けられている。一対の突起部26bも同様に、側壁部22bの外方側からボルト挿通口24bより挿入されるボルト27bと、他のボルト挿通口24a及び24cに挿入されるボルトとを介して取り付けられている。尚、一対の突起部26a及び26bはいずれもその上流側端が、前壁部21から、支柱2aのフランジ部6の厚み相当離間して取り付けられており、支柱用保護部材20aの支柱2aへの装着の際にフランジ部6に係止可能なものとなっている。このように構成したことによる効果は後述する。
【0052】
支柱用保護部材30aは支柱用保護部材20aとほぼ同様の構成であるが、更に側壁部32a及び32bの各々に切り欠き37a及び37bが形成されており、前壁部31の側、すなわち上流側に折り曲げることが可能となっている。このように構成したことによる効果は後述する。
【0053】
支柱用保護部材20aの装着にあたっては、前壁部21内側が支柱2aの上流側の面に対抗するように設置し、前壁部21及び一対の側壁部22a及び22bの各々の内方側において支柱2aの上流側の一部を取り囲むようにして、一対の突起部26a及び26bを支柱2aのフランジ部6に係止する。
【0054】
このように構成すると、支柱用保護部材20aを取り付けた範囲では、上流側から流れてくる流下物は支柱用保護部材20aに当たって支柱2aには直撃しないので、狭小な装着範囲であっても高い摩耗防止効果が得られる。又、支柱2aの塗装剥がれも防げるので高い腐食防止効果も得られる。更に、支柱2aの上流側の面のみならず側方の一部も覆うことができるため、支柱2aの保護範囲が広がり、より高い摩耗防止効果及び腐食防止効果が得られる。更に、支柱2aの加工無しに支柱用保護部材20aの取付け及び取外しが可能となるから、装着及び取り換えが容易な支柱用保護部材20aとなる。
【0055】
一方、支柱用保護部材30aは、切り欠き37a及び37bよりも下方の部分38を上流側に折り曲げた状態で、支柱用保護部材20aの下方に連続して支柱用保護部材20aと同様に支柱2aに装着される。すると、支柱用保護部材30aの装着状態において、上流側のアンカー5aの頭部が下方の部分38における前壁部31及び一対の側壁部32a及び32bの各々に取り囲まれる。このように構成すると、支柱用保護部材30aの保護範囲がアンカー5aの頭部にまで及ぶため、より高い摩耗防止効果及び腐食防止効果が得られる。
【0056】
尚、他の支柱2b及び2cと、支柱用保護部材20b、20c及び30b、30cとも、上記の支柱2a及び支柱用保護部材20a及び30aと同様の構成及び装着状態となっている。
【0057】
このように構成すると、流下物捕捉体1の構成部材である支柱2a~2cの厚さを増大させずとも、流下物捕捉体1の耐久性が向上するので、流下物捕捉体1の重量及びコストの増大と施工性の低下とを招くことなく、流下物捕捉体1の保護が可能となる。
【0058】
次に、図1図4及び図5を参照して、ネット体7は、複数のリング状部材を連結したものを菱形金網にて覆ったものより構成されるリング式ネットよりなり、上部に挿通する支持部材8はワイヤーロープよりなる。ネット体7は、支柱2a~2cの各々の下流側の面の上方端部付近にて支持部材8が固定されることにより、支柱2a~2cの各々の下流側を覆うように配置される。
【0059】
ネット体用保護部材40a、40b、40cは、支柱2a、2bの間において隙間なく支持部材8に装着されている。ネット体用保護部材40d、40e、40fも同様である。
【0060】
ネット体用保護部材40aは、支持部材8の上方を覆う上方保護部41と、上方保護部41の上流側端部から連続して垂れ下がる上流側保護部42と、上方保護部41の下流側端部から連続して垂れ下がり上流側保護部42に対向する下流側保護部43とを備え、短手方向の断面形状において略Uの字型に形成されている。ネット体用保護部材40aの長手方向の長さは1000mmに設定されている。上方保護部41、上流側保護部42及び下流側保護部43の各々は厚さ25mmのゴム材よりなり、一体的に形成されている。上流側保護部42及び下流側保護部43の各々には所定間隔で一対の連結ボルト挿通口44a、44b、44c及び45a、45b、45cが開けられており、連結ボルト挿通口44b及び45bの各々の周辺の上流側保護部42及び下流側保護部43の内部には補強用鋼板46a及び46bが埋設されている。尚、他の連結ボルト挿通口44a、44c及び45a、45cも同様に構成されている。
【0061】
ネット体用保護部材40aの装着にあたっては、まず、支持部材8の上方からネット体用保護部材40aを被覆して、ネット体7の上部の上流側、上端側(支持部材8)及び下流側をネット体用保護部材40aで取り囲む。次に、この状態、すなわちネット体用保護部材40aでネット体7を挟み込んだ状態で、上流側保護部42の連結ボルト挿通口44bから連結ボルト47bを挿入し、ネット体7及び下流側保護部43の連結ボルト挿通口45bを通して、上流側保護部42及び下流側保護部43を上流方向から下流方向に向かって連結ボルト47bにて接合する。尚、他の連結ボルト挿通口44a、44c、及び45a、45cにおいても同様に連結ボルト47a及び47cによる接合を行い、ネット体7の上部の一部を覆った状態でネット体用保護部材40aを固定する。
【0062】
このように構成すると、ネット体用保護部材40aを取り付けた範囲では、流下物がネット体7を越流しても、流下物はネット体用保護部材40aに当たってネット体7の上部(特に支持部材8)には直撃しないので、狭小な装着範囲であっても高い摩耗防止効果が得られる。又、摩耗に伴う腐食の防止効果も得られる。更に、ネット体7の支持部材8のみならずネット体7の一部も取り囲むことができるため、ネット体7の保護範囲が広がり、より高い摩耗防止効果及び腐食防止効果が得られる。更に、ネット体7の加工無しにネット体用保護部材40aの取付け及び取外しが可能となるから、装着及び取り換えが容易なネット体用保護部材40aとなる。
【0063】
尚、他のネット体用保護部材40b~40fも、上記のネット体用保護部材40aと同様の構成及び装着状態となっている。
【0064】
このように構成すると、流下物捕捉体1の構成部材であるネット体7の支持部材8の径を増大させずとも、流下物捕捉体1の耐久性が向上するので、流下物捕捉体1の重量及びコストの増大と施工性の低下とを招くことなく、流下物捕捉体1の保護が可能となる。
【0065】
次に、図1図6図7及び図8を参照して、ロープ体9aは、溶融亜鉛めっき処理等の錆止め処理が施されたワイヤーロープよりなり、環状に形成した一方端部10を支柱2aの上方端部付近に掛け、他方端部11側にて連結されているロープアンカー12を地盤に穿つことにより支柱2aを支えつつ、支柱2aとロープアンカー12との間にて緊張状態で配置されている。ロープ体9aの他方端部11は、ロープアンカー12に連結した後折り返されて複数のワイヤクリップ13により固定され、一方端部10と他方端部11との間にはブレーキリング14が形成されている。
【0066】
ロープ体用保護部材50aは、厚さ25mmのゴム材を、軸方向の長さを1000mm、内径を200mmと設定した中空円筒形状に成形したものよりなり、一方端部51から他方端部52にかけて切れ目53が形成されている。このように構成したことによる効果は後述する。
【0067】
ロープ体用保護部材50aの装着にあたっては、まず、切れ目53を介してロープ体用保護部材50aを開き、ワイヤクリップ13を含むロープ体9aを覆うようにして、ロープ体9aにロープ体用保護部材50aを嵌め込む。このように、ロープ体用保護部材50aは切れ目53を介して開くだけでロープ体9aに嵌め込められるので、装着及び取り換えが容易なものとなる。又、ロープ体用保護部材50aを取り付けた範囲では、上流側から流れてくる流下物はロープ体用保護部材50aに当たってロープ体9aには直撃しないので、狭小な装着範囲であっても高い摩耗防止効果が得られる。更に、ロープ体9aの塗装剥がれも防げるので高い腐食防止効果も得られる。更に、ワイヤクリップ13にも流下物が直撃しないので、ワイヤクリップ13の破損及びワイヤクリップ13の破損に伴うロープ体9aの弛緩も防止できる。
【0068】
ロープ体用保護部材50aの切れ目53は、ロープ体9aへの嵌め込み後に接着され、更に、切れ目53の外方側は、加硫ゴムよりなり一方面に粘着層を有する接着シート体54により覆われる。このように構成すると、装着後に切れ目53が開きにくくなるので、装着状態が安定する。
【0069】
尚、他のロープ体9b及びロープ体用保護部材50bも上記のロープ体9a及びロープ体用保護部材50bと同様の構成及び装着状態となっている。
【0070】
このように構成すると、流下物捕捉体1の構成部材であるロープ体9a及び9bの径を増大させずとも、流下物捕捉体1の耐久性が向上するので、流下物捕捉体1の重量及びコストの増大と施工性の低下とを招くことなく、流下物捕捉体1の保護が可能となる。
【0071】
図9は、この発明の第2の実施の形態によるネット体用保護部材を装着した流下物捕捉体1の拡大正面図であって、第1の実施の形態の図4に対応する図であり、図10は、図9で示したX-Xラインの拡大端面図である。
【0072】
これらの図を参照して、まず、ネット体7の構成要素は第1の実施の形態によるネット体7と同一であるため、ここでの説明は繰り返さない。
【0073】
次に、ネット体用保護部材60は、支持部材8の上方を覆う上方保護部61と、上方保護部61の上流側端部から連続して垂れ下がる上流側保護部62と、上方保護部61の下流側端部から連続して垂れ下がり上流側保護部62に対向する下流側保護部63とを備え、奥行き方向の断面形状において略コの字型に形成されている。ネット体用保護部材60の長手方向の長さは1000mmに、奥行き方向の長さは200mmに、短手方向の長さは115mmに、それぞれ設定されている。上方保護部61、上流側保護部62及び下流側保護部63の各々は厚さ25mmのゴム材よりなり、一体的に形成されている。上流側保護部62及び下流側保護部63の各々には所定間隔で一対のボルト挿通口64a及び64bが開けられており、ボルト挿通口64a及び64bの各々の周辺の上流側保護部62及び下流側保護部63の内部には補強用鋼板65a及び65bが埋設されている。上流側保護部62及び下流側保護部63の各々の内方面には鋼板よりなる一対のプレート66a及び66bが、各々の下方端部が上流側保護部62及び下流側保護部63の下方端部より下方に露出するように取り付けられている。一対のプレート66aは上流側保護部62の外方側からボルト挿通口64aより挿入されるボルト67aを介して、一対のプレート66bは下流側保護部63の外方側からボルト挿通口64bより挿入されるボルト67bを介して、それぞれ取り付けられている。一対のプレート66a及び66bの下方の露出部分には、一対の連結ボルト挿通口68b及び69bが形成されている。このように構成したことによる効果は後述する。
【0074】
ネット体用保護部材60の装着にあたっては、まず、支持部材8の上方からネット体用保護部材60を被覆して、ネット体7の上部の上流側、上端側(支持部材8)及び下流側をネット体用保護部材60で取り囲む。次に、この状態、すなわちネット体用保護部材60でネット体7を挟み込んだ状態で、上流側保護部62に取り付けられているプレート66aの連結ボルト挿通口68aから連結ボルト70bを挿入し、ネット体7及び下流側保護部63に取り付けられているプレート66bの連結ボルト挿通口69bを通して、一対のプレート66a及び66bを介して上流側保護部62及び下流側保護部63を上流方向から下流方向に向かって連結ボルト70bにて接合する。尚、他の連結ボルト挿通口68a、68c及び69a、69cにおいても同様に連結ボルト70a及び70cによる接合を行い、ネット体7の上部の一部を覆った状態でネット体用保護部材60を固定する。
【0075】
このように構成すると、ネット体用保護部材60を取り付けた範囲では、流下物がネット体7を越流しても、流下物はネット体用保護部材60に当たってネット体7の上部には直撃しないので、狭小な装着範囲であっても高い摩耗防止効果が得られる。又、摩耗に伴う腐食の防止効果も得られる。更に、ネット体7の支持部材8のみならずネット体7の一部も取り囲むことができるため、ネット体7の保護範囲が広がり、より高い摩耗防止効果及び腐食防止効果が得られる。更に、ネット体7の加工無しにネット体用保護部材60の取付け及び取外しが可能となるから、装着及び取り換えが容易なネット体用保護部材60となる。更に、流下物捕捉体1の構成部材であるネット体7の支持部材8の径を増大させずとも、流下物捕捉体1の耐久性が向上するので、流下物捕捉体1の重量及びコストの増大と施工性の低下とを招くことなく、流下物捕捉体1の保護が可能となる。
【0076】
尚、上記の各実施の形態では、支柱用保護部材、ネット体用保護部材及びロープ体用保護部材はいずれもゴム材を主な構成材料とするものであったが、これには限定されない。可撓性を有する弾性体よりなるものであればよく、ゴム材の内部に補強として繊維や可撓性又は屈曲性を有する材料を埋設するものであってもよいし、ゴム材以外にも、ポリウレタン等の合成樹脂、ポリエチレン等の熱可塑性エラストマー等を採用してもよい。
【0077】
又、上記の各実施の形態では、保護部材は支柱用保護部材、ネット体用保護部材及びロープ体用保護部材であって、流下物捕捉体の支柱、ネット体及びロープ体を保護するものであったが、少なくとも流下物捕捉体の一部を覆うことができるものであればよい。
【0078】
更に、上記の各実施の形態では、流下物捕捉体は、支柱及びロープ体を備えるものであったが、これに限られず、支柱及びロープ体の少なくとも一方が省略されてもよい。例えば、流下物捕捉体は、離間した一対の構造物の間を架け渡すように設けられる支持部材と、支持部材において張設されるネット体と、支持部材及びネット体の少なくとも一部を覆う保護部材とを備えるものであってもよい。
【0079】
更に、上記の各実施の形態では、ネット体が、複数のリング状部材を連結したものを菱形金網にて覆ったものより構成されるリング式ネットよりなるものについて説明したが、これに限られない。例えば、ネット体において菱形金網は省略してもよい。又、ネット体として、リング式ネット以外にも、任意の金網を採用できる。
【0080】
更に、上記の各実施の形態では、H型鋼及びワイヤーロープの錆止め処理として、溶融亜鉛めっき処理等を挙げていたが、これに限られず他の錆止め手段を採用してもよい。例えば、錆止め手段は、錆止め塗装によるものや電気めっきによるもの等公知のものを採用することができる。
【0081】
更に、上記の各実施の形態では、支柱用保護部材、ネット体用保護部材及びロープ体用保護部材はいずれも重量が25kg以下に設定されていたが、25kg以上であってもよい。
【0082】
更に、上記の各実施の形態では、ネット体用保護部材は、一対の支柱の間において隙間なく支持部材に装着されているものであったが、所定間隔で離間して装着されていてもよい。
【0083】
更に、上記の各実施の形態では、支柱用保護部材、ネット体用保護部材及びロープ体用保護部材の各々に用いられているゴム材の厚みはいずれも特定寸法とされていたが、5~15mm以上に設定されていればよい。砂防堰堤にゴム材を設置した事例では摩耗量は年間0.1~0.3mm程度であり、上記範囲の厚さであれば50年の摩耗に耐え得る。
【0084】
更に、上記の第1の実施の形態では、支柱用保護部材はアンカー頭部を取り囲むことができるものであったが、そのように構成されていなくてもよい。
【0085】
更に、上記の第1の実施の形態では、支柱用保護部材は切り欠きが形成され上流側に折り曲げ可能なものであったが、他の構成によって折り曲げ可能にされていてもよく、下部が斜め下方に突出するように形成されていてもよい。
【0086】
更に、上記の第1の実施の形態では、支柱用保護部材は支柱の上流側の下部を取り囲むことができるものであったが、少なくとも支柱の上流側の一部を覆うことができるものであればよく、支柱の上流側の上部まで装着範囲を広げてもよい。更に、支柱の下流側にも装着してよい。
【0087】
更に、上記の第1の実施の形態では、支柱用保護部材は短手方向断面略コの字型を有するものであったが、他の形状を有するものであってもよい。
【0088】
更に、上記の第1の実施の形態では、支柱用保護部材は支柱のフランジ部に係止可能な一対の突起部を更に備えるものであったが、無くてもよく、又、樹脂等の剛性を有する他の素材で構成されるものであったり、他の形状を有するものであったりしてもよい。
【0089】
更に、上記の第1の実施の形態では、特定寸法の支柱用保護部材が2つ、連続して装着されていたが、支柱用保護部材の長手方向の長さを延長した長大な支柱用保護部材を1つのみ装着してもよく、長手方向の長さを更に短縮した短小な支柱用保護部材を複数装着してもよい。
【0090】
更に、上記の第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、ネット体用保護部材は、所定方向より連結ボルトにて接合されていたが、他の方向から接合されてもよく、連結ボルトに代わる接続金具にて接合されてもよい。
【0091】
更に、上記の第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、ネット体用保護部材は、特定形状を有するものであったが、ネット体の上部の上流側、上端側及び下流側を取り囲むことができる形状であれば他の形状であってもよい。
【0092】
更に、上記の第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、ネット体用保護部材は、ネット体の上流側及び下流側と支持部材とを取り囲むものであったが、少なくともネット体の上部の一部を覆うことができるものであればよい。
【0093】
更に、上記の第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、特定寸法のネット体用保護部材が3つ、間隔を空けて装着されていたが、間隔を空けずに連続して装着されていてもよく、隣接する支柱同士の間を被覆するものであれば、ネット体用保護部材の長手方向の長さを延長した長大なネット体用保護部材を1つのみ装着してもよく、長手方向の長さを更に短縮した短小なネット体用保護部材を複数装着してもよい。
【0094】
更に、上記の第2の実施の形態では、一対のプレートは鋼板よりなるものであったが、樹脂等の剛性を有する他の素材で構成されるものであってもよい。
【0095】
更に、上記の第1の実施の形態では、ロープ体用保護部材は、装着後に接着した切れ目が接着シート体により覆われるものであったが、接着シート体は無くてもよく、他の接着手段によって切れ目が接着されてもよい。更に、切れ目が接着されなくてもよい。
【0096】
更に、上記の第1の実施の形態では、ロープ体用保護部材は切れ目が形成されているものであったが、切り欠き等、ロープ体用保護部材を開くことができる開放部が形成されていればよい。
【0097】
更に、上記の第1の実施の形態では、ロープ体用保護部材は内径が特定寸法に設定されていたが、装着対象のロープ体の本数に応じて内径寸法を変更してもよい。
【0098】
更に、上記の第1の実施の形態では、ロープ体用保護部材は、特定形状を有するものであったが、少なくともロープ体の上流側の一部を覆うことができるものであればよい。他の形状であってもよい。
【0099】
更に、上記の第1の実施の形態では、ロープ体用保護部材は、ワイヤクリップを含む範囲を覆うものであったが、ロープ体のみの範囲や一方端部を含む範囲を覆ってもよい。
【0100】
更に、上記の第1の実施の形態では、特定寸法のロープ体用保護部材が1つ装着されていたが、ロープ体用保護部材の長手方向の長さを延長した長大なロープ体用保護部材を装着してもよく、長手方向の長さを更に短縮した短小なロープ体用保護部材を複数装着してもよい。
【0101】
更に、上記の第1の実施の形態では、ロープ体用保護部材はロープ体に固定するものではなかったが、ロープ体に固定するための固定手段を備えるものであってもよい。
【符号の説明】
【0102】
1…流下物捕捉体
2a、2b、2c…支柱
5a、5b…アンカー
6…フランジ部
7…ネット体
8…支持部材
9a、9b…ロープ体
20a、20b、20c…支柱用保護部材
21…前壁部
22a、22b…側壁部
26a、26b…一対の突起部
30a、30b、30c…支柱用保護部材
31…前壁部
32a、32b…側壁部
37a、37b…切り欠き
40a、40b、40c、40d、40e、40f…ネット体用保護部材
47a、47b、47c…連結ボルト
50a、50b…ロープ体用保護部材
53…切れ目
54…接着シート体
60…ネット体用保護部材
70a、70b、70c…連結ボルト
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11